JP2005013236A - 植物中の高価値ペプチドの担体用の油体タンパク質 - Google Patents

植物中の高価値ペプチドの担体用の油体タンパク質 Download PDF

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Abstract

【課題】 宿主タンパク質から容易に精製できるペプチドを製造するための方法および組成物を提供すること。
【解決手段】 油体へと標的化されることができる融合ポリペプチドであって、
(a)融合ポリペプチドの油体への標的化をもたらすのに十分な油体タンパク質の部分を含む第一のペプチドと、
(b)第二のペプチドであって、ただし天然油体タンパク質の一部分以外である第二のペプチド、
とを含有する、融合ポリペプチド。
【選択図】 なし

Description

本発明は、宿主細胞成分から容易に精製できる、目的のタンパク質を、組換え手段によって製造する方法に関するものである。植物中、特に種子中の目的とするタンパク質を、油体タンパク質およびこの目的のタンパク質を含有するキメラペプチドとして形質発現することによって、本発明を例示する。
植物中で種々のタンパク質が形質発現されてきた。しかし、植物中の外来タンパク質の形質発現を得る方法が一般的に可能なことは示されてきたけれども、この源から精製タンパク質を得ることには、幾つかの制限があった。これらの制限としては、植物に由来する物質を実質的に含まない純粋なタンパク質を得るのに必要な精製工程や、得られた組換えタンパク質が水性緩衝液と接触しているときに、この精製工程の間に製造される抽出物中で生じうる劣化がある。
大豆、なたね、ひまわり、およびコーン、にんじん等の多数の他の植物種のような、脂肪種子を保持する植物は、その種子中にトリグリセライドを貯蔵している。この植物では、これらのトリグリセライドが、種子を発芽させ、続いて実生させるためのエネルギー源として作用する。このトリグリセライドは、食品中で、および食品の製造中に、また幾つかの工業的用途のための植物油として、広く使用されている。
トリグリセライドは、水と混和せず、水溶液の表面上に浮かぶことによって、またはこの水相中に懸濁液として小さい球状体またはリポソームを形成することによって、区分と混和しない。こうした球状体は、もしも修飾された表面層によって安定化されていない場合には、自然に合体するであろう。この合体によって、雑多な寸法の球状体の懸濁液がもたらされうる。種子においては、トリグリセライドを貯蔵するときには、この油球状体は実際には、通常は均一な寸法のカプセル化された脂質または油体である。これらの油体の表面に会合するのは、幾つかのタンパク質が散在しているハーフユニット膜であり、一般的には油体タンパク質と呼ばれている。
少なくとも一つの族の油体タンパク質は、種の間で高度に保持されている幾つかの特性を有している。この族の油体タンパク質は、「オレオジン(oleosin)」と呼ばれている。これらのタンパク質の親水性のNまたはC末端は、まったく分散しているように見えるが、一方この親油性の内部領域(中央コア)は、種の間で高度に保存されているように見える。このオレオシンは、油体と強く会合し;この油体への強い会合は、主要部では、これらの中央コアの親油性に起因しているようである。従って、植物由来物質から組換えタンパク質を分離する方法を提供することによって、オレオシンのような油体タンパク質が、組換えタンパク質の製造において有用でありうるかどうかを決定することに、興味がもたれる。
関連文献
植物中での外来(組換え)ペプチドの生産は、種々のアプローチを利用して実験されてきており、強い構成性植物プロモーター〔例えば、カリフラワーモザイクウイルスからの−シイモンス(Sijmons)等、1990年、「Bio/Technology」8:217〜221頁〕および外来タンパク質の暗号化を利用した転写融合;器官特異的配列による転写融合〔ラドケ(Radke)等、1988年、「Theoret. Appl.Genet.,」75:685〜694頁〕;および続いて組換えタンパク質の開裂を必要とする転写融合〔ヴァンデル ケルコーブ(VanderKelcove)等、1989年、「Bio/Technology」7:929〜932頁〕が挙げられる。植物細胞中で形質発現されてきた外来タンパク質としては、細菌〔フレイリー(Fraley)等、1983年、「Proc.Nat'l. Acad. Sci. USA 」80:4803〜4807頁〕、動物〔ミスラ(Misra)およびゲダム(Gedamu)1989年、「Theor. Appl. Genet.」78:161〜168頁〕、菌類および他の植物種〔フレイリー(Fraley)等、1983年、「Proc.Nat'l. Acad. Sci. USA 」80:4803〜4807頁〕からの活性タンパク質が挙げられる。
幾つかのタンパク質は、通常は組み込みの標識は、組織特異的な方法で形質発現してきており、種子中で幾つか挙げられる〔セン グプタ−ゴパラン(Sen Gupta-Gopalan)等、1985年、「Proc.Nat'l. Acad. Sci. USA 」82:3320〜3324頁:ラドケ(Radke)等、1988年、「Theore. Appl. Genet.,」75:685〜694頁〕。これらの報告文は、種子貯蔵タンパク質プロモーターを、種子特異的形質発現を駆動する手段として使用することに、特に集中している。こうした装置を使用して、ヴァンデルケルコーブ(VanderKelcove)等は、1989年「Bio/Technology」7:929〜932頁において、「Arabidopsis thaliana」および「Brassica napus」の種子中に高価値ペプチド(leu−エンケファリン)を形質発現した。このペプチドの収率は極めて低いが、しかし植物組織内での動物ペプチドホルモンの形質発現の可能性を示している。トウモロコシオレオジンが、トウモロコシオレオジン遺伝子によって形質転換された「Brassicanapus」中の種子油体中で、形質発現した。この遺伝子は、主要な種子貯蔵タンパク質であるナピンを暗号化する「Brassica」遺伝子からの調節因子の制御下に形質発現した。この形質発現の一時的な調節および組織特異性は、ナピン遺伝子のプロモーター/ターミネーターに関して正しいことが報告された。リー(Lee)等「Proc. Nat'l. Acad. Sci. 」(USA)1991年:88:6181〜6185頁参照。
種子中で生成する油球状体は、すべてが似た寸法であるようであり、これらが安定化されていることを示している〔ファン(Huang )A.H.C、1985年、「植物分析の現代的方法:Modern meths. PlantAnalysis」1巻、145〜151頁、スプリンガー−ベルラグ ベルリン〕。もっと接近して検査すると、これらが単なる油球状体ではなく、むしろ膜によって包囲された油体であることが発見された。これらの油体は、オレオソーム、脂質体およびスフェロソームと、顕微鏡学者によって種々に命名されてきた〔ガー(Gurr)MI.、1980年、「植物の生化学:The Biochemistry of Plants 」4:205〜248頁、Acad.Press オルランド Fla〕。僅かな種の油体が研究されてきており、この一般的結論は、これらが普通ではない「ハーフユニット」膜によってカプセル化されており、「ハーフユニット」膜は古典的な脂質二層を備えておらず、むしろその内側上には疎水性基を有し、その外側には親水性基を有する単一の両親媒性層を備えている〔ファン(Huang)A.H.C、1985年、「植物分析の現代的方法:Modern meths. PlantAnalysis」1巻、145〜151頁、スプリンガー−ベルラグ ベルリン〕。
脂質体の内容物の分析が示すところでは、トリグリセライドおよび膜材料は別として、この油体の表面または内腔と会合した幾つかのポリペプチドまたはタンパク質もある〔ボウマンヴァンス(Bowman-Vance)およびファン、1987年、「J. Biol. Chem.」262:11275〜11279頁、マーフィー等、1989年、「Biochem.J. 」258:285〜293頁、テイラー等、1990年、「Planta」181:18〜26頁〕。油体タンパク質は、広い範囲の分類学的に分散した種の中で同定されてきており〔モロー等、1980年、「PlantPhysiol.」65:1176〜1180頁、キュー等、1986年、「Biochem.J. 」235:57〜65頁〕、油体中で独特に局在化していることが見いだされており、野菜組織のオルガネラ中では発見されていない。「Brassicanapus」(なたね)においては、成長中の種子の油体と会合している少なくとも三種のポリペプチドがある〔テイラー(Taylor)等、1990年、「Planta」181:18〜26頁〕。
油体が会合したタンパク質の数と寸法とは、種から種へと変化しうる。例えば、コーンにおいては、油体中に二つの免疫学上区別されるポリペプラド族が見いだされる〔ボウマン−ヴァンスおよびファン、1988年、「J. Biol.Chem.」263:1476〜1481頁〕。オレオジンは交互に親水性、疎水性および親水性の領域を有していることが発見された〔ボウマン−ヴァンスおよびファン、1987年、「J. Biol. Chem.」262:11275〜11279頁〕。コーン、なたねおよびニンジンからのオレオジンのアミノ酸配列が得られた。キューおよびファン、1990年、「J.Biol. Chem.」265:2238〜2243頁、ハツォポウロス(Hatzopoulos )等、1990年、「植物細胞:plant Cell」2:457〜467頁をそれぞれ参照。なたねのような脂肪種子においては、オレオジンは、全種子タンパク質の8%〔テイラー(Taylor)等、1990年、「Planta」181:18〜26頁〕〜20%〔マーフィー等、1989年、「Biochem.J. 」258:285〜293頁〕を含有していてよい。この水準は、多数の種子貯蔵植物において見られる水準に匹敵している。
油体タンパク質を暗号化する遺伝子は、トウモロコシ〔トウモロコシ:ボウマン−ヴァンスおよびファン、1987年、「J. Biol.Chem.」262:11275〜11279頁;およびキューおよびファン、1990年、「J.Biol. Chem.」265:2238〜2243頁〕、およびニンジン〔ハツォポウロス等、1990年、「植物細胞:plant Cell」2:457〜467頁〕の、二つの種について報告されてきた。
シイモンス(Sijmons)等、1990年、「Bio/Technology」8:217〜221頁 ラドケ(Radke)等、1988年、「Theoret. Appl.Genet.,」75:685〜694頁 ヴァンデル ケルコーブ(Vander Kelcove)等、1989年、「Bio/Technology」7:929〜932頁 フレイリー(Fraley)等、1983年、「Proc. Nat'l.Acad. Sci. USA 」80:4803〜4807頁 ミスラ(Misra )およびゲダム(Gedamu)1989年、「Theor.Appl. Genet. 」78:161〜168頁 フレイリー(Fraley)等、1983年、「Proc. Nat'l.Acad. Sci. USA 」80:4803〜4807頁 セン グプタ−ゴパラン(Sen Gupta-Gopalan)等、1985年、「Proc.Nat'l. Acad. Sci. USA 」82:3320〜3324頁 ラドケ(Radke )等、1988年、「Theore.Appl. Genet.,」75:685〜694頁 ヴァンデルケルコーブ(VanderKelcove )等は、1989年「Bio/Technology」7:929〜932頁 リー(Lee )等「Proc.Nat'l. Acad. Sci. 」(USA )1991年:88:6181〜6185頁 ファン(Huang )A.H.C、1985年、「植物分析の現代的方法:Modernmeths. Plant Analysis」1巻、145〜151頁、スプリンガーベルラグ ベルリン ガー(Gurr)MI.、1980年、「植物の生化学: The Biochemistry of Plants」4:205〜248頁、Acad. Press オルランド Fla ファン(Huang )A.H.C、1985年、「植物分析の現代的方法:Modernmeths. Plant Analysis」1巻、145〜151頁、スプリンガーベルラグ ベルリン ボウマン−ヴァンス(Bowman-Vance)およびファン、1987年、「J. Biol.Chem.」262:11275〜11279頁 マーフィー等、1989年、「Biochem. J. 」258:285〜293頁 テイラー等、1990年、「Planta」181:18〜26頁 モロー等、1980年、「Plant Physiol.」65:1176〜1180頁 キュー等、1986年、「Biochem. J.」235:57〜65頁 テイラー(Taylor)等、1990年、「Planta」181:18〜26頁 ボウマン−ヴァンスおよびファン、1988年、「J. Biol. Chem.」263:1476〜1481頁 ボウマン−ヴァンスおよびファン、1987年、「J. Biol. Chem.」262:11275〜11279頁 キューおよびファン、1990年、「J. Biol. Chem.」265:2238〜2243頁 ハツォポウロス(Hatzopoulos )等、1990年、「植物細胞:plantCell」2:457〜467頁 テイラー(Taylor)等、1990年、「Planta」181:18〜26頁 マーフィー等、1989年、「Biochem. J. 」258:285〜293頁 ボウマン−ヴァンスおよびファン、1987年、「J. Biol. Chem.」262:11275〜11279頁 キューおよびファン、1990年、「J. Biol. Chem.」265:2238〜2243頁 ハツォポウロス等、1990年、「植物細胞:plant Cell」2:457〜467頁
発明の概要
宿主タンパク質から容易に精製できるペプチドを製造するための方法および組成物を提供する。この方法は、キメラDNA構成体を製造し、このキメラDNA構成体は、種子特異的油体タンパク質遺伝子の暗号配列を有する油体特異的配列を暗号化する配列を含んでおり、または少なくとも油体タンパク質の疎水性コアの部分を暗号化する配列を含んでおり、および目的とするペプチドの暗号配列であって、これからキメラDNA構成体を含有する形質発現カセットを製造できる暗号配列を含んでおり;ゲノム組み込み条件下でこの形質発現カセットによって宿主細胞を形質転換し;およびこうして得られたトランスジェニック植物を成長させて種子を生産し、この中で目的とするポリペプチドを、オレオジンを有する融合タンパク質として形質転換させる工程を有している。
目的とするポリペプチドは、種子細胞から油体を分離し、この油体を破壊してその融合タンパク質を放出させることによって、精製することができる。次いで、この油体タンパク質は、層分離によって、他のタンパク質および植物由来物質から容易に分離される。必要に応じて、開裂部位を、目的とするポリペプチドのN末端に先立っておよびC末端の後ろの少なくとも一か所に位置させて、この融合ポリペプチドを開裂させて層分離によってその成分ペプチドへと分離することができる。従って、この製造装置は、キメラペプチドの油体タンパク質に対する油体タンパク質機能性によって、このキメラペプチドの標的化をもたらし、これがまた、目的とするポリペプチドの急速な精製を可能とする。この製造装置は、薬剤、酵素、流動特性および接着特性を有するペプチドのような多数のペプチドの製造に、用途を見いだしている。
本発明に従って、油体へと標的化されることができる融合ポリペプチドであって:
(a)次式
Figure 2005013236
を有している第一のペプチドであって、ここで
aa25は、いかなるアミノ酸であってもよく;
aa26は、中性の脂肪族アミノ酸であり;
aa31は、3〜6個の炭素原子を有する中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
aa33は、3〜6個の炭素原子を有する中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
aa36は、3〜5個の炭素原子を有する中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
aa37は、中性の非置換アミノ酸であり;
aa39は、中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
aa41は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または酸素置換アミノ酸であり;
aa44は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または酸素置換アミノ酸であり;
aa46は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または酸素置換アミノ酸であり;
aa47は、中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
aa51は、グリシン、ロイシン、アラニン、バリンまたはイソロイシンであり;
aa53は、アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシンまたはスレオニンであり;
aa59は、中性の非置換脂肪族または芳香族アミノ酸であり;
aa72は、スレオニン、アラニンまたはロイシンであり;
aa73は、バリン、ロイシン、イソロイシンまたはスレオニンであり;
aa74は、アラニンまたはグリシンであり;
aa75は、ロイシンまたはスレオニンであり;
aa76は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または硫黄置換アミノ酸であり;
aa77は、イソロイシン、アラニンまたはバリンであり;
aa78は、中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
aa83は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または酸素置換アミノ酸であり;
aa84は、グリシンであり;
aa85は、グリシンまたはアラニンであり;
aa86は、フェニルアラニンまたはロイシンであり;
aa89は、アラニン、スレオニンまたはグリシンであり;
aa90は、アラニンまたはグリシンであり;
aa92は、酸素置換を有する中性の脂肪族アミノ酸であり;
aa93は、バリンまたはセリンであり;
aa94は、フェニルアラニンまたはロイシンであり;
aa96は、中性の硫黄置換脂肪族アミノ酸または中性の芳香族複素環アミノ酸であり;
aa97は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または硫黄置換アミノ酸であり;
aa98は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または酸素置換芳香族アミノ酸であり;
aa99は、いかなるアミノ酸であってもよく:
aa100は、酸素置換アミノ酸であり、脂肪族または芳香族であってよく;
aa101は、中性の非置換脂肪族または芳香族アミノ酸である;
第一のペプチドと、これに融合した
(b)第二のペプチドであって、ただしこの第二のペプチドが、「Arabidopsis」または「Brassica」から天然に生ずるオレオジンタンパク質の一部分以外である第二のペプチド
とを含有していることを特徴とする、融合ポリペプチドを提供する。
また、本発明が提供する融合ポリペプチドは、油体の標的となることができ、
(a)
(1)次のアミノ酸配列
M-M-G-R-D-R-D-Q-Y-Q-M-S-G-R-G-S-D-Y-S-K-
S-R-Q-I-A-K-A-A-T-A-V-T-A-G-G-S-L-L-V-L-
S-S-L-T-L-V-G-T-V-I-A-L-T-V-A-T-P-L-L-V-
I-F-S-P-I-L-V-P-A-L-I-T-V-A-L-L-I-T-G-F-
L-S-S-G-G-F-G-I-A-A-I-T-V-F-S-W-I-Y-K ★-Y-
A-T-G-E-H-P-Q-G-S-D-K-L-D-S-A-R-M-K-L-G-
S-K-A-Q-D-L-K-D-R-A-Q-Y-Y-G-Q-Q-H-T-G-G-
E-H-D-R-D-R-T-R-G-G-Q-H-T-T
中に含まれる少なくとも8つの連続的なアミノ酸配列を含有するペプチド;および
(2)(1)における前記アミノ酸配列またはそのフラグメントに基づいて設計されたオリゴヌクレオチドプローブによって同定されるDNA配列で暗号化されたペプチドからなる群より選ばれた第一のペプチドであって、ただしこの第一のペプチドが、にんじんからの16kdのオレオジンまたはトウモロコシからの16kdまたは18kdのオレオジンを自然発生させる全長以外である
第一のペプチドと、これに融合した
(b)第二のペプチドであって、ただしこの第二のペプチドが、「Arabidopsis」または「Brassica」から天然に生ずるオレオジンタンパク質の一部分以外である第二のペプチド
を含有していることを特徴とする。
本発明で更に提供するキメラDNA構成体は、(a)油体への標的化をもたらすのに十分なオレオジンまたはその一部を暗号化する第一のDNA配列および
(b)ペプチドを暗号化する第二のDNA配列であって、ただしこのペプチドが、「Arabidopsis」または「Brassica」から天然に生ずるオレオジンタンパク質の一部分以外である、第二のDNA配列を含有している。
本発明で更にまた提供する形質発現カセットは:
成分として、転写の方向に;
種子中で形質発現した遺伝子の領域5’から翻訳開始部位への相当部分を有しており、種子中でのDNA配列の形質発現をもたらす調節DNA配列;
(a)油体の標的化をもたらすオレオジンまたはその相当部分を暗号化する第一のDNA配列であって、この第一のDNA配列が少なくとも一種の制限部位を含んでいる第一のDNA配列、および(b)ペプチドを暗号化する第二のDNA配列であって、ただしこのペプチドが、「Arabidopsis」または「Brassica」から天然に生ずるオレオジンタンパク質の一部分以外である第二のDNA配列を有するキメラDNA配列;および
翻訳および転写停止領域を有しており;
ここで前記の成分が操作可能に連鎖しており、前記キメラDNA配列の形質発現が、前記調節DNA配列によって調節されている。
また本発明で提供する形質発現カセットは:
油体タンパク質(OBP)遺伝子であって、種子中でこの遺伝子の形質発現をもらたす、領域5’から翻訳開始部位への相当部分を有しており、かつ前記OBP遺伝子のちょうど5’からメチオニン開始コドンまでと5’から翻訳停止信号までとの間に、少なくとも1つの制限部位を有している油体タンパク質遺伝子;および
前記OBP遺伝子によって読み取り枠内の前記制限部位中へと挿入されたDNA配列であって、このDNA配列が、「Arabidopsis」または「Brassica」から天然に生ずるオレオジンタンパク質の一部分以外であるペプチドを暗号化しているDNA配列
を有している。
本発明で更に提供する形質発現カセットは:
ペプチドを暗号化する第一のDNA配列であって、ただしこのペプチドが、「Arabidopsis」または「Brassica」から天然に生ずるオレオジンタンパク質の一部分以外であり、油体タンパク質(OBP)遺伝子中へと読み取り枠内で挿入されており、油体タンパク質遺伝子が、種子中でこの遺伝子の形質発現をもらたす、前記OBP遺伝子の調節領域5’から翻訳開始部位への相当部分を有しており、ここで前記配列が前記調節領域下で形質発現するように前記遺伝子中の部位に挿入されている第一のDNA配列
を有している。
さらにまた本発明で提供する、種子中で目的のポリペプチドを形質発現させる方法は:
ゲノム組み込み条件下で形質発現カセットによって宿主植物細胞を形質転換させ、ここでこの形質発現カセットが、成分として、転写の方向に、種子中で形質発現した遺伝子の領域5’から翻訳開始部位への相当部分を有しており、種子中でのDNA配列の形質発現をもたらす第一のDNA配列;油体の標的化をもたらすオレオジンまたはその相当部分を暗号化する第二のDNA配列であって、この第二のDNA配列が、少なくとも一種の天然または合成の制限部位を含んでおり、この制限部位の中へと、目的のポリペプチドを暗号化する第三のDNA配列が読み取り枠内に挿入されており、ただしこのペプチドが、「Arabidopsis」または「Brassica」から天然に生ずるオレオジンタンパク質の一部分以外である第二のDNA配列;および翻訳および転写停止領域を有しており;ここで前記の成分が操作可能に連鎖しており、前記第二のDNA配列の形質発現が、種子中での形質発現をもたらすように前記第一のDNA配列によって調節されている
ことを含んでいる。
更に本発明で提供する、目的の精製ポリペプチドを得る方法は:
ゲノム組み込み条件下でDNA構成体によって宿主植物細胞を形質転換させ、ここでこのDNA構成体が、目的のペプチドを暗号化する第一のDNA配列を有しており、ただしこのペプチドが、「Arabidopsis」または「Brassica」から天然に生ずるオレオジンタンパク質の一部分以外であり、油体タンパク質(OBP)遺伝子中へと読み取り枠内で挿入されており、油体タンパク質遺伝子が、種子中での前記遺伝子の形質発現をもたらす前記OBP遺伝子の調節領域5’から翻訳開始部位までの相当部分を有しており、ここでDNA配列の形質発現が前記調節領域によって調節されるように、前記配列が前記遺伝子中の部位に挿入されており、これによって前記DNA構成体が前記植物細胞のゲノム中へと組み込まれ始め;
前記植物を成長させて種子を生じさせ、これによって目的の前記ポリペプチドを、前記OBP遺伝子の形質発現産物と共に融合タンパク質として形質発現させ;
前記種子の細胞から油体を分離し;
この油体を破壊することによって前記融合タンパク質を放出させ;および
目的の前記ポリペプチドを精製する
ことを含んでいる。
図面の簡単な説明
図1Aは、「Arabidopsis thaliana」からの油体タンパク質遺伝子(オレオジン)のヌクレオチド配列および推論されたアミノ酸配列(17kDaのタンパク質)を示す。下線を引いたのは、ダイレクトリピート(R1およびR2)および逆行反復(T)、CACA、TATA、TAATおよびポリアデニル化信号である。イントロン配列を小文字活字で示し、推定したABA−結合部位を肉太活字で示す。
図1Bは、にんじんからの16kdの油体タンパク質、トウモロコシからの18kdおよび16kdの油体タンパク質および「Arabidopsisthaliana」からの17kdの油体タンパク質の配列の比較を示しており、このタンパク質の保存および分岐領域を示す;このアミノ酸配列は、このタンパク質の中央領域の配列の保存を示すように配列されている。
図2は、外来ペプチドを暗号化する遺伝子による油体タンパク質遺伝子の融合のために使用する構成体を示す。IAは、OBPに対する所望のペプチドのC末端融合である。IBは、OBPに対する所望のペプチドのN末端融合である;IIは、OBP内での所望のペプチドの内部融合である;およびIIIは、二つの実質的に完全な油体タンパク質標的配列の間に包含された所望のペプチドの二量体間転写融合である。図(A)の上部には、油体タンパク質への所望のペプチドの転写融合のために使用するDNA構成体を示す。図(B)の下部には、遺伝子産物の配置を示しており、この油体への翻訳および運搬の上部上に示されている。この図への鍵は、次の通りである:左側が底であって右側が上方であるハッチングが施されたボックスは、OBPプロモーターまたは他の種子特異的プロモーターを示しており;右側が底であって左側が上方であるハッチングが施されたボックスは、所望のペプチド暗号配列を示し;空白のボックスは、油体タンパク質暗号配列、またはOBP保存モチーフに基づいた合成標的配列を示し;垂直および水平にハッチングされたボックスは、ポリアデニル化信号を含む遺伝子ターミネーターを示し;ハッチングされた円は、プロテアーゼ認識モチーフを示し;ラセン状の線は、OBPの天然CまたはN末端を示す。
図3は、C−末端融合の構成体についての詳細な配置を示す。示してあるこの配置は、典型的な油体タンパク質遺伝子および融合ペプチドの融合のリンカーとしての、コラゲナーゼ認識モチーフ暗号配列であり、植物中でのクローニングおよび形質転換のために、ここではNcoIを使用して連鎖されている。
図4は、融合ペプチドベクターの構成、これらの植物中への導入および続く抽出と所望の組換えペプチドの測定の方法を図式的に示している。
図5は、pCGOBPILTの構成の概略図を示す。破線のボックスは、オレオジンプロモーターを示し;左側が上方で右側が底のハッチングが施されたボックスは、オレオジン暗号配列を示し;水平および垂直のハッチングが施されたボックスはイントロンを示し;点描されたボックスは3’非翻訳配列を示し;左側が上方で右側が底の、間隔が広いハッチングが施されたボックスは、プロテアーゼ開裂部位を暗号化する配列を備えたインターロイキン1−β配列を示す(直接の上流で因子Xaまたはトロンビン)。
図6は、オリゴヌクレオチドGVR11のデザインを示す。図3Aにおいて示される「A.thaliana」オレオジンの3’暗号配列は、因子Xa/IL−1−β暗号配列に対して翻訳融合され、TAA停止コドンが続く。将来のクローニング目的のためには、PvuIおよびSa1I制限酵素認識部位が含まれる。PvuI制限部位の生成によって、アラニン(ala)のための更なる暗号配列がもたらされる。下線を引いたのは、この制限酵素認識部位である。上線を引いたのは、この「A.thaliana」オレオジン配列および因子Xa認識配列である。この実際の開裂部位は、アスタリスク(星)で示す。図3Bにおいては、GVR11の配列を示す。「A.thaliana」オレオジンと融合させるためには、このプライマーGVR11は、このトップ鎖に対して相補的な配列である必要がある。
図7は、OBPILTのヌクレオチド配列を示す。下線を引いたのは、IL−1−βを暗号化する配列である;因子Xa認識部位を暗号化する配列は、肉太文字で示す。ノパリンシンターゼターミネーター配列は、小文字活字で示す。
発明の実施するための最良の形態
本発明に従って、容易に精製されるペプチドを製造するための方法および組成物を提供する。本方法は、オレオジンのような油体特異的配列の相当部分を暗号化するDNA配列を含む形質発現カセットを製造して、油体および目的すとるペプチドへの標的化をもたらし;この形質発現カセットを植物細胞宿主中へと形質転換し;トランスジェニック植物を発生させ、これを成長させて種子を生産させ、これからキメラタンパク質を形質発現させ、油体へと輸送する、各工程を有している。このキメラペプチドは、目的とするペプチドと、オレオジンのような油体タンパク質とを含有している。この目的とするペプチドは、一般的には、通常種子中で形質発現されないかまたは油体上に見いだされない外来ペプチドである。担体または標的手段として油体タンパク質を使用することによって、この外来タンパク質の精製を得る単純な方法を得ることができる。このキメラタンパク質は、細胞タンパク質のバルクから、(遠心分離または浮上法のような)一工程で分離される;また、この分離も、この油体との接触から非特異的プロテアーゼを除去するので、このタンパク質は、抽出の間劣化から保護される。外来ペプチドを暗号化するこの遺伝子は、植物、細菌、菌類または動物源を含むあらゆる源に由来していてよい。望ましくは、このキメラペプチドは、オレオジンからの目的のペプチドの開裂を可能とする配列を含有しているであろう。本方法は、種々のペプチドを形質発現させるのに使用することができ、これは次に容易に精製される。
外来性の組換えタンパク質を油体へと標的化することで、次のものを含んで、幾つかの利益が得られる。このタンパク質は、細胞内容物のバルクから、遠心分離による細胞溶菌の後に、分離することができる。この油体のフラクションは、この抽出物の表面上に浮上するであろう。このタンパク質には、必要に応じて、プロテアーゼ認識部位を含有するペプチドリンカーを備えることができる。これによって、この油体からのペプチドの放出が可能となる。このタンパク質は、これが親油性保存領域内にあるようにして、組換えポリペプチド中へと導入することができる。これによって、この組換えペプチドの油体中へのインターナリゼーションがもたらされ、従ってこれをプロテアーゼの攻撃から保護する。
この形質発現カセットは、一般的には、その転写の5’−3’方向中に、油体タンパク質と関連するプロモーターおよび上流領域によって代表されるような、成長中の種子中での形質発現を可能とする転写および翻訳調節領域を含むであろうし、これが、種子中でのキメラタンパク質、油体標的化手段および目的のタンパク質をもたらすアミノ酸配列を含有するキメラタンパク質を暗号化するDNA配列、および植物中で機能する転写および翻訳終結領域の、形質発現をもたらすであろう。また、一種以上のイントロンも存在していてよい。
この油体特異的抗体には、油体タンパク質、特にオレオジンのフラグメントにアナロジーが見いだされる。この油体特異的配列は、油体タンパク質から得ることができる配列のものと同じであってよく、これは目的のタンパク質の油体への所望の標的化をもたらすのに十分な相同性を有している。「得ることができる」によって、意図しているのは、所望の標的化をもたらす天然の油体タンパク質アミノ酸配列に十分に類似したアミノ酸配列であり、天然、合成またはその組み合わせであってよい。特に興味深いのは、異なる植物種の間で高度に保存されているように見える油体タンパク質の中央疎水性領域、そのフラグメントおよびそのアミノ酸レベルでの相同配列である。
「Arabidopsis thaliana」の油体タンパク質に対して推定されたアミノ酸配列は、次の通りである。
10 20
M-M-G-R-D-R-D-Q-Y-Q-M-S-G-R-G-S-D-Y-S-K-
30 40
S-R-Q-I-A-K-A-A-T-A-V-T-A-G-G-S-L-L-V-L-
50 60
S-S-L-T-L-V-G-T-V-I-A-L-T-V-A-T-P-L-L-V-
70 80
I-F-S-P-I-L-V-P-A-L-I-T-V-A-L-L-I-T-G-F-
90 100
L-S-S-G-G-F-G-I-A-A-I-T-V-F-S-W-I-Y-K ★-Y-
110 120
A-T-G-E-H-P-Q-G-S-D-K-L-D-S-A-R-M-K-L-G-
130 140
S-K-A-Q-D-L-K-D-R-A-Q-Y-Y-G-Q-Q-H-T-G-G-
150
E-H-D-R-D-R-T-R-G-G-Q-H-T-T

約25〜101までのアミノ酸は、中央疎水性領域を有する。
幾つかの用途のための標的化手段として特に興味深いのは、油体への標的化をもたらす次式の油体特異的配列またはそのフラグメントである:
Figure 2005013236
ここで:
ppおよびppは、同じであるかまたは異なっており、天然の油体タンパク質とは同じであっても異なっていても良く、通常は異なっており;これらは水素であってよく、表示したポリペプチドの末端部分を示しており、または合計で最大1000のアミノ酸、もっと通常は最大約500のアミノ酸を有するポリペプチドであってよく、合計で僅か1個のアミノ酸を有していてよく、または独立してまたは分離して、1〜100のアミノ酸、もっと通常は1〜75のアミノ酸、更に特定的には5〜50のアミノ酸からなるポリペプチドであってよい;これらのポリペプチドは、特定目的のために特異的に記述された配列を修飾するという特定の用途を有するであろう;
aa25は、いかなるアミノ酸であってもよく、一般的には3〜6個の炭素原子を有する中性の脂肪族アミノ酸であってよく、更に特定的にはロイシンまたはアラニンであってよい;
aa26は、中性の脂肪族アミノ酸であり、特にはアラニンまたは3〜4個の炭素原子を有する水素置換アミノ酸であり、特にはスレオニンまたは5〜6個の炭素原子を有する塩基性アミノ酸であり、特にはリジンである;
aa31は、3〜6個の炭素原子を有する中性の非置換脂肪族アミノ酸であり、特にはアラニン、バリン、ロイシンまたは芳香族非置換アミノ酸であり、特にはフェニルアラニンである;
aa33は、3〜6個の炭素原子を有する中性の非置換脂肪族アミノ酸であり、特にはアラニン、バリンまたはロイシンまたは酸素置換脂肪族アミノ酸であり、特にはスレオニンである;
aa36は、3〜5個の炭素原子を有する中性の脂肪族非置換アミノ酸であり、特にはロイシンまたは3〜4個の炭素原子を有する中性の脂肪族酸素置換アミノ酸であり、特にはスレオニンまたはセリンである;
aa37は、中性の非置換アミノ酸であり、特にはロイシンまたは硫黄置換アミノ酸であり、特にはメチオニンである;
aa39は、中性の脂肪族非置換アミノ酸であり、特にはバリンまたは芳香族非置換アミノ酸であり、特にはフェニルアラニンである;
aa41は、中性の脂肪族非置換または酸素置換アミノ酸であり、特にはアラニン、ロイシンまたはセリンである;
aa44は、中性の脂肪族非置換または酸素置換アミノ酸であり、特にはアラニン、イソロイシンまたはスレオニンである;
aa46は、中性の脂肪族非置換アミノ酸または酸素置換アミノ酸であり、特にはアラニン、バリンまたはスレオニンである;
aa47は、中性の脂肪族非置換アミノ酸であり、特にはグリシンまたはアラニンである;
aa59は、中性の脂肪族または芳香族非置換アミノ酸であり、特にはロイシンまたはフェニルアラニンである;
aa76は、中性の脂肪族非置換または硫黄置換アミノ酸であり、特にはアラニン、ロイシンまたはメチオニンである;
aa78は、中性の脂肪族非置換アミノ酸であり、特にはアラニンであり、または中性の硫黄または酸素置換を有する脂肪族アミノ酸であり、特にはメチオニンまたはスレオニンである;
aa83は、中性の脂肪族の非置換または酸素置換アミノ酸であり、特にはグリシン、セリンまたはスレオニンである;
aa92は、酸素置換を有する中性の脂肪族アミノ酸であり、特にはセリンまたはスレオニンである;
aa95は、中性の脂肪族硫黄置換アミノ酸または中性の芳香族複素環アミノ酸であり、特にはトリプトファンである;
aa97は、中性の脂肪族の非置換または硫黄置換アミノ酸であり、特にはバリン、ロイシン、イソロイシンまたはメチオニンである;
aa98は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または芳香族酸素置換アミノ酸であり、特にはアラニン、ロイシンまたはチロシンである;
aa99は、いかなるアミノ酸であってもよい:
aa100は、酸素置換アミノ酸であり、脂肪族または芳香族であり、特にはチロシンまたはスレオニンである;
aa101は、中性の非置換の脂肪族または芳香族アミノ酸であり、特にはアラニン、ロイシンまたはフェニルアラニンである。
油体タンパク質への標的化をもたらしうる配列を暗号化するDNAの源として特に興味深いのは、「Arabidopsis」または「Brassica napus」から得ることができる油体タンパク質遺伝子であり、これは種子中で目的のタンパク質の形質発現をもたらす〔テイラー等1990年「Planta」181:18〜26頁参照〕。この油体の標的化能力をもたらすのに必要な領域およびアミノ酸配列は、油体タンパク質の高度に疎水性の中央領域であるように見える。
所望の特性を有する他の油体タンパク質を同定するためには、油体タンパク質が分離されたかまたは分離されているときには、このタンパク質は部分的に配列決定されていてよく、これによってmRNAを同定するためにプローブをデザインすることができる。こうしたプローブは、植物の異なる種の間で高度に保存されている中央疎水性領域の暗号領域を標的化するようにプローブがデザインされているときには、特に価値がある。この結果、この領域用のDNAまたはRNAプローブは、他の植物種から油体タンパク質の暗号配列を同定するのに、特に有用でありうる。mRNAの濃度を更に高めるためには、cDNAを生産することができ、このcDNAは、非油体生産細胞からmRNAまたはcDNAが差し引かれている。次いで、この残留したcDNAは、植物細胞から調製した適当なライブラリーを使用して、相補的配列のゲノムをプロービングするのに使用することができる。次いで、緊縮条件下にこのcDNAとハイブリッド形成する配列を分離することができる。
ある場合には、上記したように、油体タンパク質遺伝子プローブ(保存領域)を使用して、プローブを採用することによって、直接にcDNAゲノムライブラリーをスクリーニングし、このプローブにハイブリッド形成する配列を同定することができる。また、この分離を、種子特異的cDNA形質発現ライブラリーの標準免疫学的スクリーニング技術によって実施することができる。テイラー等1990年「Planta」181:18〜26頁に記載された精製手順および抗体調製プロトコルを使用して、油体タンパク質のための抗体を容易に得ることができる。抗体を使用したcDNA形質発現ライブラリースクリーニングを、実質的にヒュン(Huynh )等〔1985年、「DNAクローニング」第1巻、「実際的アプローチ:practicalapproach」D. M. Glover , IRLプレス、第49〜78頁)〕の技術を使用して、実施する。配列の確認は、中央疎水性領域内に見られる高度の保存性によって、容易にすることができる(図1参照)。サンガー等〔「Proc.Nat'l. Acad. Sci. USA 」1977年、74:5463〜5467頁〕またはマクサムおよびギルバート〔1980年、「Meth.Enzymol.」1980年65:497〜560頁〕の方法によるDNA配列決定を、すべての推定されるクローンおよび実施する相同性の調査のために、実施することができる。この中央疎水性領域を暗号化する配列の相同性は、異なる種の間でアミノ酸レベルおよびヌクレオチドレベルの双方で、通常70%以上である。もし抗体が入手可能であれば、配列の同定の確認も、サムブルック等〔「Molecularcloning 」1990年、第2版、コールド スプリング ハーバー プレス 第8〜49から8〜51頁〕に記載されたように、種子mRNA調製からのハイブリッド選択および翻訳実験によって実施することができる。
種子から製造したcDNAクローンは、あらゆる入手可能な油体タンパク質遺伝子の保存された暗号領域から製造したcDNAプローブを使用して、スクリーニングできる〔例えば、ボウマン−ヴァンスおよびファン、「J. Biol. Chem.」1987年、262:11275〜11279頁〕。幼植物のcDNAに比較して、種子DNAと一層強いハイブリッド形成を有するクローンを選択する。このスクリーニングを繰り返して、直接抗体スクリーニングまたはハイブリッド選択および翻訳を使用して、成長中の種子の油体と会合している特定のcDNAを同定する。この特異的cDNAに相補的なmRNAは、試験する他の組織には存在していない。次いで、このcDNAを使用して、主題のcDNAとハイブリッド形成する、選択されたゲノムライブラリーおよびフラグメントをスクリーニングする。
種子中でこのキメラ遺伝子の形質発現を得るためには、種子中で優先的に形質発現したあらゆる遺伝子から得られる翻訳開始およびリボソームに対してmRNAを結合させることを担っている、非翻訳5’配列の転写開始調節領域および翻訳開始調節領域、「リボソーム結合部位」を、使用することができる。こうした遺伝子の例としては、ナピンからのような種子貯蔵タンパク質が挙げられる〔ジョセフソン等「J. Biol. Chem.」1987年、262:12196〜12201頁;スコーフィールドS.R.およびクローチM.L.「J.Biol. Chem.」1987年262:12202〜12208頁〕。好ましくは、この領域を、油体タンパク質から得ることができる〔「Arabidopsis」、にんじん〔ハツォポウロス等、前出〕またはトウモロコシ〔ファン等、1987年および1990年、前出〕からの油体タンパク質から得ることができる。この領域は、一般的には、この構造遺伝子暗号配列の5’から翻訳開始まで少なくとも100bpを有しており、5’からこれと同じ翻訳開始まで最大2.5Kbを有している。この開始調節領域の転写および翻訳機能要素のすべてが、これと同じ遺伝子に由来しているか、またはこれと同じ遺伝子から「得ることができる」ことが好ましい。「得ることができる」によって、意図しているのは、このキメラタンパク質を暗号化するDNA配列の転写に所望の特異性をもたらすのに十分に、天然配列のものに類似したDNA配列である。これは、天然のおよび合成の配列を含んでおり、合成および天然の配列の組み合わせであってよい。
この転写レベルは、修飾された種子をもたらしうるRNAの量を提供するのに十分でなければならない。「修飾された種子」によって意味しているのは、同じ種の形質転換されていない植物の種子から検出可能な異なるフェノタイプを有する種子であり、例えば、問題の形質発現カセットをそのゲノム中に有していないものである。フェノタイプの種々の変更は興味深い。これらの変更としては、油体タンパク質の過形質発現または得られたキメラタンパク質の油体上または細胞質中でのOBPの蓄積が挙げられる。
目的のポリペプチドは、いかなるタンパク質であってもよく、例えば、酵素、抗凝固剤、神経ペプチド、ホルモン、または粘着前駆体が挙げられる。タンパク質の例としては、インターロイキン−1−β、抗凝固剤ヒルジン、酵素β−グルコロニダーゼまたは免疫グロブリンのVHまたはVL鎖の転写融合を有する単鎖抗体が挙げられる。目的のポリペプチドを暗号化するこのDNA配列は、合成、天然に由来するもの、またはこれらの組み合わせであってよい。目的のポリペプチドを暗号化するDNAの性質または源によっては、植物優先コドンによってDNA配列を合成することが望ましいであろう。この植物優先コドンは、宿主細胞として目的の特定の植物種中で最大の量で形質発現したタンパク質中の最も高い頻度のコドンから決定することができる。
採用する終結領域は、多くの場合に終結領域が相対的に交換可能なように見えるので、主として便利なものでありうる。この終結領域は、この転写開始領域と共に天然であってよく、目的のポリペプチドを暗号化するDNAと共に天然であってよく、または他の源に由来していてよい。便利な終結領域は、オクトピンシンターゼまたはノパリンシンターゼ終結領域のような、「A.tumefaciens」のTiプラスミドから入手することができる。
目的のペプチドを暗号化する遺伝子に対する、標的配列を暗号化するDNA配列の結合は、末端融合、内部融合、および重合融合を含む種々の方法で生じうる。すべての場合において、この融合は、油体タンパク質の読み取り枠を阻害しないよう、およびこのジャンクションの中または近くでいかなる翻訳停止信号をも避けるようにして、なされる。異なる種類の末端および内部融合を、これらのインビボの配置の表示と共に、図2に示す。
記載したすべての場合において、このペプチドを暗号化する遺伝子の結合は、好ましくは、プロテアーゼ標的モチーフを暗号化するリンカーを含むであろう。これによって、いったんは融合タンパク質として抽出されたペプチドの放出が可能となる。採用しうる可能な開裂部位は、トロンビンの認識モチーフ(leu−val−pro−arg−gly)〔フジカワ等、「Biochemistry」1972年、11:4892 -4899 頁〕、因子Xa(phe−glu−gly−arg−aa.)〔ナガイ等、「Proc. Nat'l. Acad.Sci. USA 」1985年、82:7252 -7255 頁〕またはコラゲナーゼ(pro−leu−gly−pro)〔ショルティセク(Scholtissek)およびグロス(Grosse)「Gene」:1988年、62:55−64頁〕のものである。
オーバーハング(張出部)内に制限、チューイングバックまたは充填のような適当な操作によって、太い末端を設けること、リンカーの結合等することによって、このフラグメントの相補的末端を、接合および結合のために設けることができる。これらの種々の工程を実施する際には、クローニングを採用することで、DNAの量を増幅し、このDNAの分析を可能としてこれらの操作が適当な状態で生じたことを確証することができる。広範なクローニングベクターを採用すことができ、ここでこのクローニングベクターとしては、「E.coli」中で作用する複製系と、形質転換細胞の選択を可能とする標識とが挙げられる。ベクターを例示すると、pBR332、pUC系列、M13mp系列、pACYC184等が挙げられる。従って、この配列は、適当な制限部位でベクター中へと挿入することができ、こうして得られたプラスミドを使用して「E.coli」宿主を形質転換させ、この「E.coli」を適当な栄養培地中で成長させ、この細胞を回収および溶菌し、このプラスミドを回収する。分析としては、配列の分析、制限分析、電気泳動等を挙げることができる。各操作の後に、この最終の構成体中で使用されるDNA配列を、制限して次の配列に接合させることができ、ここで部分構成体の各々を、同じまたは異なるプラスミド中でクローニングすることができる。
植物宿主細胞中へとDNAを導入するために、種々の技術を採用できる。例えば、キメラDNA構成体は、タバコのような双子葉植物および「Brassica napus」のような油性植物から得られた宿主細胞中へと、〔モロニー(Moloney )等「Plant CellRep. 」1989年8:238-242 頁〕 または〔ヒンチ等「Bio/Technol.」1988年、6:915-922 頁〕に記載されたもの、または本分野に習熟した物に既知の他の技術のような、形質転換プロトコルによる標準アグロバクテリウムベクターを使用して、導入することができる。例えば、植物細胞の形質転換に対してT−DNAを使用することは、集中的に研究がなされており、EPAシリアルナンバー120,516号;ホエケマ(Hoekeme):バイナリー植物ベクター系オフセット−drukkerij Kanters B.V. アルブラッシャーダム(Arblasserdam)1985年、第5章:Knauf等、「アグロバクテリウムによる宿主領域形質転換の遺伝的分析:GeneticAnalysis of Host range Expressionby Agrobacterium」:「細菌の分子遺伝学:MolecularGenetics of the Bacteria」「植物の相互作用:Plant interaction 」プーラー(Puhler)A.版、シュプリンガー−バーラグ、ニューヨーク州、1983年、第245頁およびアン(An)等「EMBO J.」1985年4:277〜284頁に詳細に記載されている。便宜上は、組織片をA.ツメファシエンスまたはA.リゾジェネスと共に培養することによって、植物細胞への転写構成体の転移可能とすることができる。アグロバクテリウムを使用した形質転換に続いて、この植物細胞を、選択のために適当な選択培地中で分散させ、カルスへと成長させ、苗条を成長させ、根付き培地中で成長させることによって、カルスから小植物を再生させる。このアグロバクテリウム宿主は、T−DNAの植物細胞への転移に必要なvir遺伝子を有するプラスミドを含有することができ、T−DNAを有していてもよく、いなくともよい。注入およびエレクトロポレーションのためには、(下記を参照)非武装Tiプラスミド(その腫瘍遺伝子、特にそのT−DNA領域が欠けている。)をこの植物細胞中へと導入することができる。
非アグロバクテリウム技術を採用することによって、本明細書に記載した構成体を使用して、広範な双子葉および単子葉植物中で形質発現および形質転換させることが可能となる。これらの技術は、アグロバクテリウム形質転換系中では取扱にくい種に対して、特に有用である。遺伝子を転移させるための他の技術としては、バイオリスティクス(Biolistics)〔サンフォード「Trends in Biotech.」1988年、6:299〜302頁〕、エレクトロポレーション〔フロム等「Proc.Nat'l. Acad. Sci. USA 」1985年、82:5824-5828頁〕〔リッグスおよびベイツ「Proc. Nat'l. Acad.Sci. USA 」1986年、83:5602-5606頁〕またはPEG 媒介DNA摂取〔ポトリクス(Potrykus)等「Mol.Gen. Genet.」1985年、199:169-177 頁〕が挙げられる。
宿主細胞としては、多数の種子保持植物のいずれからの細胞も使用することができ、ここでこの細胞は、茎、葉、根、または種子またはこの種子による再生構造体のような、植物の一部分に由来している。この細胞は、分離された細胞または植物の一部分であってよく、例えば、リーフディスクであってよい。「Brassica napus」に対するような、特定の用途においては、この宿主細胞は、一般的には、〔モロニー等「PlantCell Rep. 」1989年8:238-242 頁〕に記載された子葉柄に由来することができる。商業的な脂肪種子を使用する他の例としては、大豆植物片における子葉形質転換〔ヒンチ等「Biotechnology」1988年、6:915-922 頁〕および綿の茎の形質転換〔アンベック等「Biotechnology 」1981年、5:263〜266頁〕が挙げられる
形質転換に続いて、この細胞を、例えば、リーフディスクとして、選択培地中で成長させる。いったん苗条が現れ始めると、これらを切開して根付き培地上へと配置する。十分な苗条が形成された後、これらの植物を土壌へと移す。次いで、推定された形質転換植物について、標識の存在下に試験する。適当なプローブ、例えばA.「thaliana」遺伝子を使用して、サザンブロッティングをゲノムDNA上で実施して、宿主細胞ゲノム中への所望の配列の組み込みが生ずることを示す。
この形質転換カセットは、通常は、植物細胞中で選択用の標識へと接合されるあろう。便宜上は、この標識は、除草剤、カナマインシ、G418、ブレオマイシン、ハイグロマイシン、クロラムフェニコール等のような、特に抗生物質に対して抵抗性であってよい。この採用した特定の標識は、導入されたDNAを欠いた細胞に対して、形質転換された細胞の選択を可能とするであろうものであってよい。
上記したように構成された形質発現カセット中の融合ペプチドは、成長中の種子中で少なくとも優先的に形質発現する。従って、通常の方法に従って成長する形質転換植物は、種子を定着させる。例えば、〔マコーミック等「Plant cell Reports」1986年、5:81〜84頁〕参照。種子胚のような、転写が生ずるものと予期される組織から分離されたRNAと共に、適当な遺伝子プローブを使用して、ノザンブロッティングを実施することができる。次いで、この転写産物の寸法を、この融合タンパク質転写産物に対して予期される寸法と比較する。
次いで、油体タンパク質を、この種子から分離し、分析を実施して、この融合ペプチドが形質転換したことを測定する。分析は、例えば、PAGEでありうる。この融合ペプチドを、この融合ペプチドのオレオジン部分に対する抗体を使用して、検出することができる。次いで、こうして得られた融合ペプチドの寸法を、この融合タンパク質について予期された寸法と、比較することができる。
二世代以上のトランスジェニック植物を成長させ、これと同じ形質発現株で受粉するかまたは異なる株で受粉して、こうして得られた所望のフェノタイプ特性を有するハイブリッドを同定し、この主題のフェノタイプ特性が安定して維持および受継されていることを確証し、次いで種子を収穫して目的のペプチドを分離し、または新しいフェノタイプ特性を有する種子を得るのに使用することができる。
水性の緩衝抽出培地、およびグラインディング、ブレイキング、粉砕または種子細胞を粉砕する他の手段を使用することを含む、種々の技術によって、導入された形質に対して同種または異種の種子から、所望のタンパク質を抽出することができる。次いで、こうして抽出された種子を、(例えば、遠心分離またはブレイの沈降法によって)3つのフラクションへと分離することができる:沈殿または不溶性のペレット、水性の上澄み液、および種子貯蔵脂質および油体を含有する浮遊物「浮きかす(scum)」である。これらの油体は、天然の油体タンパク質と、キメラ油体タンパク質との双方を含有しており、この後者は外来性のペプチドを含有している。これらの油体を、水溶性タンパク質から分離し、水性緩衝液中に再懸濁する。
プロテアーゼ認識モチーフを含有しているリンカーが、この形質発現カセット中に包含されている場合には、この再懸濁緩衝液へと、このリンカー配列の翻訳によって生産されたこの認識モチーフに対して特異的なプロテアーゼを添加する。これによって、必要なペプチドが、この水相中へと放出される。二度目の遠心分離工程によって、ここでこの処理された油体が、その付着タンパク質と共に再浮遊し、必要なペプチドの水溶液を残すであろう。この所望のペプチドは、その性質および所望の用途に従って、沈殿させるか、化学的に修飾するか、または凍結乾燥させることができる。
ある種の用途においては、この油体タンパク質からキメラタンパク質を除去することは、不要でありうる。こうした用途としては、この融合ペプチドが、NまたはC末端融合に対して寛容であってその活性を保持する酵素を含んでいる場合が挙げられるであろう;こうした酵素は、更なる開裂または精製なしに、使用する事ができる。このキメラ酵素OBPは、融合タンパク質として基質と接触しうる。もし望むならば、このOBPに対する固定化高力価抗体を含有する免疫アフィニティーカラム(例えば、前出の〔テイラー1990年〕を参照)を使用して、この酵素−OBP融合タンパク質を精製することも可能である。
本発明についての他の用途は、次の通りである。OBPは高い百分率の全種子タンパク質を含有しており、従って、単に目的のアミノ酸に富んだ融合タンパク質を生産することによって、高リジン、高メチオニン等のように、種子のある所望の特性を富ませることが可能であり、特に有利な用途を見いだせるのは、ウシ、家禽を含む家畜類やヒトに対する食物源として直接にまたは間接的に使用される穀粒または穀物の変更である。この融合タンパク質として、通常の脂肪種子の粉砕および抽出の際に、油またはあら粉を続いて処理するのを補助できる酵素を挙げることが可能であり、例えば、種子を処理するのに使用する上昇した粉砕温度で活性を保持するであろう、熱安定性の脂質修飾酵素を含有させることがあり、これによって抽出されたトリグリセライドまたはタンパク質製品にたいして価値を付加する。この融合タンパク質の他の用途としては、この作物の耕種学上の健全性を促進する用途が含まれる。例えば、殺虫性のタンパク質や、菌細胞壁または膜のような、耕種上の病害虫に対して特異的な免疫グロブリンの部分を、この油体タンパク質に対して結合させ、これによって特定の植物病害虫による種子への攻撃を減少させることができる。
次の例は、例示のために提供するものであり、限定のために提供するものではない。
例1
油体タンパク質による外来ペプチドの熱融合の形質発現
A.C−末端融合
5’から転写開始まで少なくとも100bpを含有する油体タンパク質遺伝子のゲノムクローンを、適当な細菌宿主(例えば、E.coli中のpUCまたはpBR322)中で複製が可能なプラスミドビヒクル中へとクローニングする。制限部位は、遺伝子の親水性C末端部分を暗号化する領域内に配置する。19kDaのOBPにおいては、この領域は、典型的には、コドン125からこのクローンの末端へと延びている。この理想制限部位は単一であるが、しかし、これは絶対的には不可欠ではない。もし適当な制限部位がこの領域内に位置していない場合には、〔クンケル(Kunkel)「Proc. Nat'l Acad. Sci. USA」1985年、82:488〜492頁〕の部位特異的突然変異方法に従って、導入することができる。この部位の導入についての唯一の主要な制限は、このOBPクローンの5’から翻訳停止信号までに配置しなければならないことである。
適当なこの突然変異されたクローンによって、Pro−Leu−Gly−Proまたはその多量体のような、プロテアーゼ認識部位についての暗号配列を含有する、合成オリゴヌクレオチドアダプターを生産することができる。これは、プロテアーゼ コラゲナーゼに対する認識部位である。このアダプターは;このOBPクローンの3’末端の制限部位に対して和合性の5’末端での4塩基オーバーハング、外来ペプチド暗号配列に対する結合を容易にする、このアダプターのこの3’末端の4塩基オーバーハング、およびもし必要であれば更に塩基:を与えるような方法で合成でき、このOBP暗号配列、このプロテアーゼ認識部位および外来ペプチド暗号配列の間での転移にフレームシフトが無いことを確証する。こうした融合のための典型的な配置を、図3に示す。ここで示した例では、にんじんOBP〔ハツォポウロス等「Plant cell」1990年、2:457〜467頁〕の停止コドンの近くに存在するXho1部位を使用する。これを消化し、記載した二つのオリゴヌクレオチドから構成したアダプターと結合させることができる。このアダプターは、末端の完全なXho1オーバーハングを形成するであろうし、この翻訳枠を阻害しないであろう。この他端は、任意に選択される(あらゆる六塩基カッターが十分である)が、しかし所望の外来ペプチドからATGを包含するNco1オーバーハングを形成している。
この最終の結合産物は、ほぼ完全なOBP遺伝子、コラゲナーゼ認識もちーフに対する暗号配列および所望のペプチド暗号領域を、すべて単一の読み取り枠内に含有するであろう。この三部からなるフラグメントを、外来DNAを植物内へと転移させるのに広く使用されているような〔フレイリー等「Proc. Nat'l Acad. Sci. USA」1983年、80:4803〜4807頁〕、アグロバクテリウム バイナリープラスミド〔ベヴァン(Bevan )等「Nucl. Acid Res. 」1984年、12:8711〜8721頁〕中へとクローニングし、これを使用して〔モロニー等「Plant cell Rep. 」1989年、8:238〜242頁〕の方法または類似の手順を使用して、なたねのような脂肪種子植物を形質転換する。トランスジェニック植物を、この形質転換実験から回収することができ、これらを成長させて開花させることができる。次いで、この植物は、自己受粉によって種子を結ぶ。
これらの種子を成熟に到達させ(60〜80日)、次いで収穫し、水性抽出緩衝液中で粉砕する〔テイラー等、「Planta」1990年、181:18〜26頁〕。このスラリーを5000×gで20分間遠心分離すると、表面浮きかすが得られるであろう。この浮きかすを再び回収し、コラゲナーゼ測定緩衝液中で激しく振とうさせることによって懸濁させる〔ショルティセクおよびグロス「Gene」:1988年、62:55−64頁〕。五単位のコラゲナーゼを添加し、この懸濁液を4時間振とうさせて培養する。この時間の経過後に、この懸濁液を再び5000×gで20分間遠心分離する。この表面浮きかすを除去し、この水相のタンパク質含有量を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって分析する。ほぼ必要とされるペプチドの寸法のバンドを見いだし、硫酸アンモニウムを使用してこのタンパク質を沈殿させ、限外濾過または凍結乾燥を使用して濃縮することができる。
B.N−末端融合
油体タンパク質の親水性のN末端によって、このN末端へのペプチドの融合を可能とする一方、この外来ペプチドが、この油体の外側表面上で保持されるであろうことを引き続いて保証する。この融合体の配置を、図2IBに示す。
この配置は、C−末端融合に対して使用したのと類似の出発物質から構成することができるが、しかし油体タンパク質遺伝子の翻訳開始に近接した好都合な制限部位の同定が必要である。好都合な部位は、多くの油体タンパク質遺伝子中に、ちょうど5’からこの最初のATGへの単一の塩基変化の導入によって、暗号配列のいかなる変化もなしに、生じさせることができる。このようにはるかに研究された油体タンパク質においては、この第二のアミノ酸は、そのコドンが「G」で始まるアラニンである。この配列の文脈を下に示す。
Figure 2005013236
この「ATG」に先立つアデニンでの一つの塩基変化は、双方の場合に、Nco1部位である・・・CCATGGをもたらすであろう。従って、〔クンケル「Proc. Nat'l Acad. Sci. USA」1985年、82:488〜492頁〕の部位特異的突然変異プロトコルを使用したこの塩基の変更によって、この配列中の他のNco1部位を推定することなく、使用のためにこのクローンを生産することができる。
この外来ペプチド用の暗号配列は、このNco1部位中へのその直接の結合を可能とするであろう調製物を必要としうる。これは、典型的には、部位特異的突然変異によって1つまたは2つの塩基を変更して(クンケル、1985年、前出)、この外来ペプチドの翻訳開始点の周囲でNco1部位を発生させることを必要とする。次いで、このペプチドを、標的の翻訳停止に近接して切断する第二の酵素とNco1とを使用して、そのクローニングビヒクルから切開する。再び、上記した方法を使用して、第二の好都合な部位を、部位特異的突然変異によって導入することができる。キューおよびファン(1990年、前出)によって示唆されてきたように、このN−末端メチオニンは、インビボでタンパク質の処理の間に除去することができ、この直接の下流のアラニンはアシル化することができる。この可能性を考慮すると、このタンパク質のN−末端にMet−Ala配列を保持することが必要でありうる。これは、このAlaコドンの中または後ろにあるこの暗号配列中へと適当な制限部位を導入するような、種々の戦略を適用することによって、容易に達成できる。例えば、部位特異的突然変異によって、この配列を、次のように修飾することができる。
Figure 2005013236

へと突然変異する。
一つのコドンのこの変化によって、この暗号配列中へとSph1部位が導入されるであろう。第二の変化は、突然変異の同じラウンドの間に導入されうるけれども、コドン6の2つの塩基を変換させて、GGC GCC、Nar1をもたらすであろう。次いで、この突然変異遺伝子を、Sph1およびNar1部位を用いて開放させて、3つのコドンを除去しうる方向性のクローニング切断を付与することができる。この部位中へと、配列CATG・・・(Sph1と和合性)を有する3’オーバーハングと、この反対側の末端にあるGC5’オーバーハングとを含有するアダプターを導入することができる。このアダプターの正確な配列を、下に示す:
Figure 2005013236
このアダプターは、Sph1およびNar1制限部位の双方を再び生じさせ、これらは診断目的のために使用されるであろう。このSph1部位は、ここでは、このプラスミドを開放させ、有用なペプチドについての配列を包含するDNAフラグメントをインフレームクローニングするのに、使用することができる。次いで、クローニングの方向性は、このプラスミドのあらゆる非対称的に配置された部位およびNar1で切断することによって、分析できる。
これらのN−末端融合体から得られた構成体は、典型的には図2の例IBのものでありうる。これらは、OBPプロモーター配列、必要であれば、出発信号としてそれ自身のATGを有する高価値ペプチド暗号配列のOBP遺伝子の最初の幾つかのコドン内のインフレーム融合体およびこのOBP遺伝子およびターミネーターの残部を含有しうる。
この修飾された遺伝子を、バイナリーアグロバクテリウムプラスミド内へと導入し(ベヴァン、1984年、前出)、アグロバクテリウム中へと固定化する。上記したようにして形質転換を実施する。種子からの高価値タンパク質の回収を、「C−末端融合」について記載したようにして、実施する。
C.内部翻訳融合
第三の型の融合としては、このOBPの暗号配列の内部へと、高価値タンパク質の暗号配列を配置することが挙げられる。この型の融合には、N−末端融合におけるものと同じ戦略が必要とされるが、しかし低い保存性の領域内の修飾しか機能することはできず、これらのOBPの保存性の高い領域が、成熟タンパク質の標的化に不可欠であると考えられるからである。
この種の融合において鍵となる相違点は、タンパク質の放出部位に対するコラゲナーゼ認識部位を、横に並べる(flanking)必要性である。これが意味しているのは、これまで記載してきたような、標準的なリンカー/アダプター系の代わりに、次の形を有するリンカーを備えることが必要なことである。
Figure 2005013236
付着端1および2は、このアダプターをOBPクローン中へと、方向性の方法でクローニングするのに、使用することができる。次いで、こうして組み込まれた制限部位を使用して、適当な制限部位またはリンカーの横に並んだ高価値ペプチド暗号配列を導入する。高価値ペプチド暗号配列中に非対称的に配置された制限部位およびコラゲナーゼ認識モチーフの暗号配列に並んだ二つの制限部位のうちの一つを使用することによって、方向性をチェックする。
これらの構成体をアグロバクテリウム プラスミドへと固定化し、次いで植物へと固定化することは、既に述べた手順と同じである。トランスジェニック植物の種子からの高価値タンパク質の回収は、油体が分離され、洗浄された後のものとは幾分か異なっており、この油体を脱脂して、脂質相内では油体の内側に隠れうるコラゲナーゼ認識部位を評価することが、必要でありうる。この工程によって、担体として油体タンパク質を使用することによる利益が減少するかもしれないが、しかし他方では、水性媒体中または植物細胞質中では不安定なタンパク質配列に対しては、非常に好ましい。
D.二量体間転写融合
OBPの全暗号配列が反復されている構成体を生じさせることが可能である。この構成体から生産した二量体タンパク質は、油体に対してこのOBPを標的化するために必要なすべての因子をやはり含有しうる。こうした構成体は、プロモーター領域、OBPの全読み取り枠またはほぼ完全な読み取り枠を含有しうるが、しかし翻訳停止および更には第二のOBPの全読み取り枠を排除しており、今回は翻訳「停止」およびターミネーター領域を備えている。
このキメラ遺伝子の構成においては、一対の類似していない制限部位が、二つの複製のジャンクション領域で見いだされるかまたは生産される。これらの部位を使用して、内部翻訳融合について上記したようなリンカーの導入を可能とする。このリンカーは、コラゲナーゼ認識モチーフの組を含有しているだけでなく、高価値タンパク質を暗号化する配列が組み込まれた内部制限部位も含有している。この構成体の形態を、図2IIIに示す。アグロバクテリウムおよび更には植物へのこの構成体の固定化は、上記した通りである。この形質転換植物の種子からの高価値タンパク質の回収は、上のC末端融合について記載したと同じ手順を使用して、実施することができる。
例2
植物中のオレオジンとの融合としてのインターロイキン−1−β(IL−1
−β)のクローニンクおよび形質発現についての戦略
A.Arabidopsis thalianaオレオジン遺伝子のクローニングおよび配列決定
「Brassica napus」オレオジン遺伝子〔マーフィー等、1991年、「Biochem Biophys Acta」1088:86〜94頁〕を使用して、EMBL3A(ストラタジーン社)中で「A.thaliana」(コロンビア州)のゲノムライブラリーをスクリーニングした。このスクリーニングによって、「A.thaliana」からの15kbのゲノムフラグメントを含有するEMBLA3Aクローン(λ2.1)の分離がもたらされる。このオレオジンを、6.6kbのKpnI挿入体中、この15kbのフラグメント(図5)中にマッピングする。このオレオジン遺伝子を含有する、1.8kbのNcoI/KpnIフラグメントを末端充填し、RFM13mp19のSmaI部位中でサブクローニングする。この1.8kbの挿入体を、適当な制限酵素によって消化し、M13mp19中で配列決定のためにサブクローニングする。この「A.thaliana」オレオジン遺伝子の1800bpの配列を、図1aに示す。これらすべてのクローニング工程を、〔サムブルック等〔「分子クローニング 実験の手引き:Molecular cloning a labolatry manual」第2版、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス〕に従って実施した。
B.IL−1−βを暗号化するオリゴヌクレオチドの設計
IL−1−βは、9つのアミノ酸(aa);val−gln−gly−glu−glu−ser−asn−asp−lysからなる〔アントーニ等、1986年「J. Immunol. 」137:3201〜3204頁〕。このプロテアーゼ因子Xaは、アミノ酸配列ile−glu−gly−argを含有するタンパク質配列を開裂させることができる。開裂は、aa argの後ろで生ずる。これらの配列に基づいて、オリゴヌクレオチドをデザインし(GVR11、図5)、これは、IL−1−β暗号配列に加えて、この因子Xa開裂部位の暗号配列、および「A.thaliana」オレオジン(塩基位置742〜759)の3’暗号領域の18のヌクレオチドを含有している。このIL−1−β暗号配列は、「B. napus」および「A.thaliana」オレオジン(表1)に対して最適のコドン用法を使用して設計した。
Figure 2005013236
C.「A.thaliana」オレオジン−IL−1−β融合体の生産
配列:5’CACACCAGGAACTCTCTGGTAAGC3’
(塩基位置:−838から814)、オリゴヌクレオチドGVR10
5’CACTGCAGGAACTCTCTGGTAAGC3’
を設計した。GVR10は、クローニングを容易にするために、PstI制限部位(下線)を有している。このポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、GVR10およびGVR11の間の領域を増幅する。この反応混合物は、16μlのdNTPs(1.25mM)、10μlの10×PCR緩衝液(100mMのトリスHClpH8.3、500mMのKCl、15mMのMgCl、0.1%(w/v)ゼラチン)、5μlのGVR11(20μM)、1μlのTaqDNAポリメラーゼ(1u/μl)および64μlのHOを含有していた。この反応を、30サイクル実施した。各サイクルは、92℃での1分間の変性、45℃での1分間のアニーリングおよび72℃での3分間の伸長からなっていた。このPCR反応によって、1652個のヌクレオチドからなる単一のフラグメントが得られた。
D.「A.thaliana」オレオジン−IL−1−β(OBPIL)融合体のクローニング
5’Sa1I−ノパリンシンターゼ(nos)ターミネーター−EcoRI3’配列を、pBI121(クローンテック ラボラトリーズ社)から分離し、pUC19のSa1/EcoRI部位中へとクローニングした。このプラスミドをpTermと呼ぶ。1652bpのフラグメント(C,で説明した)を分離し、制限酵素PstIおよびSa1Iによって消化した。このフラグメントを、pTERM中でクローニングした。得られたプラスミドを、pUCOBRILT(図5)と呼んだ。このプラスミドをEcoRIおよびPstIで消化し、消化pUC19ベクターおよびEcoRI−A.thaliana オレオジン−IL−1−β−nos−PstI融合体PstI(OBPILT)が得られた。OBPILTの完全な配列を、図7に示す。OBPILTを、pブルースクリプトのEcoRI/PstI部位中でサブクローニングした。このプラスミド(pBIOBPILT)を、PstIおよびHindIIIによって消化し、このPstI−OBPILT−HindIIIフラグメントを、選択標識(ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ)およびPstI−HindIII特異的部位を含有する、バイナリー アグロバクテリウム プラスミド(Bin 19)〔ベヴァン、M.「Nucl. Acid Res. 」1984年、12:8711〜8721頁〕中でサブクローニングした。こうして得られたプラスミドを、pCGOBPILTと呼んだ。このクローニング手順の概略図を、図5に示す。種々のバイナリープラスミドの説明については、次を参照する:pGA642または645;〔アン等、1985年、「EMBO.J.」4、277〜288頁〕またはpCGN1558または1559;〔マクブライドおよびサマーフェルド、1990年、「Plant Molec. Biol.」14:269〜276頁〕。
F.アグロバクテリウム株EHA101中へのpCGOBPILTの形質転換
1つのEHA101コロニー〔フッド等、1986年「J. Bact.」168:1291〜1301頁〕を使用して、5mlのLB+100μg/mlカナマイシンを培養した。この培養菌を48時間、28℃で成長させた。この5mlの培養菌を使用して、500mlのLB+100μg/mlカナマイシンを培養した。この培養菌を28℃で、この培養菌がOD600=0.5の密度に到達するまで成長させた(約4時間)。これらの細胞を回転させ(10分間、5000×g)、500mlの無菌HO中に再懸濁した(2回繰り返した)。これらの細胞を再び回転させ、10%のグリセリンを含有する無菌のHO3ml中に再懸濁させた。40μlの細胞をエッペンドルフチューブ中に分け、エレクトロポレーションのために直接に使用するか、または将来使用するために−80℃で貯蔵した。エレクトロポレーションは、〔ボウアー等、「Nucl. Acid. Res.」1988年、16:6127〜6145頁〕に従って実施した。パルス発生機を、この試料チャンバーと平行に、25μFのギャパシター、2.5kVおよび200オームに設定した。
G.pCGOBPILTによるニコシアナ タバクム(タバコ)の形質転換
pCGOBPILTを含有するEHA101を使用して、タバコリーフディスクを形質転換した。8〜10センチメーターの長さのタバコ葉を、温室で成長させた植物から採取し、70%エタノール中で20分間無菌化し、次いで(「Javex」のような)10%漂白剤中で8分間無菌化した。次いで、これらの葉を無菌水中で6回洗浄した。この葉のエッジおよび主脈を、この葉から切開し、残った葉片を、5×7mmの四角片または直径5mmの円板へと分割した。約30のリーフディスクを回収し、小さなペトリ皿中へと配置した。次いで、このアグロバクテリウム溶液を、このタバコディスク上へと注ぎ、9分間培養を生じさせた。次いで、これらの葉片を無菌ワットマン濾紙上でブロッティングし、背軸面側を下にして媒体I(MS、3%しょ糖および2mg/l 2,4−D)上に配置した。共存培養を、続く48時間の間進行させた。この点で、これらのリーフディスクを、選択培地(MD、3%しょ糖、2.5mg/l Ba、0.1mg/l NAA、500mg/lカルベニシリン、および100mg/l カナマイシン)上へと移し、ここでこれらを次の4週間残留させた。いったん苗条が現れはじめると、これらを切開し、根付き培地(MS、3%しょ糖、0.1mg/l NAA、500mg/lカルベニシリン、および50mg/l カナマイシン)上へと配置した。十分に根が形成された後に、このタバコ植物を土壌へと移した。
H.pCGOBPILTによる「B.napus」の形質転換
「B.napus」の形質転換を、〔モロニー等「Plant cell Rep. 」1989年、8:238〜242頁〕(この開示を参照して本明細書中に包含する)に従って実施した。
形質転換手順
バイナリープラスミドを含有するアグロバクテリウム ツメファシエンス株EHA101の単一のコロニーを、終夜28℃でAB培地中で成長させた。この懸濁液の50μlの試料を、適当な抗生物質を補充したMG/L培養液5ml中で終夜28℃で成長させた。この細菌懸濁液を、遠心分離によって15分間、10000×gでペレット化し、次いで3%しょ糖を含有するpH5.8のMS培地中10ml中に再懸濁させた。この懸濁液の薄膜を使用して、5cmのペトリ皿の底を覆った。切開した各子葉を、上記したプレートから採取し、これらの葉柄の切断面を、この細菌懸濁液中に数秒間浸漬させた。これらを、採取したところから直ちに同じMS培地中へと戻した。この子葉を、アグロバクテリウムによって、72時間共存培養した。フィーダー層は使用しなかった。
共存培養の後、これらの子葉を、20μMのベンジルアデニン、3%のしょ糖、0.7%のpH5.8の生理寒天、500mg/lのカルベニシリン(「ピオペンアイエルスト:Pyopen Ayerst 」および15mg/lの硫酸カナマイシン(ボリンゲル社マンハイム)を補充したMS培地を含有する再生培地へと移した。再び、これらの葉柄を、深さ2mmの寒天中に慎重に埋め込んだ。平板密度は、プレート当たり10個の植物片に維持した。密度が高いと、再生頻度が減少する。
選択および植物の再生
この植物片を、光下および特定の温度条件下で2〜3週間以上、再生培地上で保持した。この時間の間、多くの苗条が、この植物片の半分以上の上に、比較的に小さなカルス生成と共に現れた。これらの苗条の幾つかは、4週間の培養で、漂白を受ける。残留する緑苗条を、再生培地と同じものからベンジルアデニンを除いた苗条伸長培地上へと継代培養した。この培地上での1または2週間によって、生成した苗条クラスターからの頂芽の優性の確立が可能となった。ここに由来する苗条は、MS培地、3%しょ糖、2mg/lのインドールブチル酸、0.7%の生理寒天および500mg/lのカルベニシリンを含有する「根付き」培地に移した。この段階ではカナマイシンは使用しなかったのは、選択剤なしに一層急速に根付きが生ずる一方、ごく僅かの「逸出植物」が、再生および苗条伸長培地上で2ラウンド目の選択の後に、根付きの際に実際に継代したことを見いだしたからである。
I.タバコおよび「B.napus 」ゲノム中のOBPILTの安定な組み込み
推定上の形質発現植物を、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ活性について試験した。この活性を示す植物からのゲノムDNAを分離した。サザンブロッティングを実施することによって、T−DNA周辺の間の配列(OBPILTおよびネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子)が、タバコおよび「B.napus 」ゲノム中へと、安定に組み込まれたことを示した。このタバコサザンを、「A.thaliana」オレオジン遺伝子、およびこのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を用いて試験した。この「B.napus 」サザンを、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を用いて試験した。
J.タバコ植物中でのオレオジン−IL−1−β融合体の形質発現
形質転換されたおよび形質転換されていない植物から得られた成長中の胚から、RNAを分離した。遺伝子プローブとして「A.thaliana」オレオジンを使用して、ノザンブロッティングを実施した。すべての試験した形質転換植物において、850ntの転写産物を検出することができた。これらの転写産物の寸法は、オレオジン−IL−1−βの予期された寸法に対応している。これらの転写産物は、形質転換されていない植物中では検出できなかった。
K.オレオジン−IL−1−βタンパク質の蓄積
油体タンパク質を、形質転換されたタバコ種子〔ホルブルック等、1991年「Plant Physical」97:1051〜1058頁〕から分離した。PAGEを実施し、タンパク質をこのゲルからPVDF膜へと移した。「B.napus 」の22kDaのオレオジンに対して成長した抗体を使用して、このタバコ種子中のオレオジン−IL−1−β融合体を検出した。この抗体は、「B.napus 」および「A.thaliana」中の主要なすべてのオレオジンを認識する。更に、この抗体は、タバコオレオジンを認識する。タバコオレオジンは、「A.thaliana」および「B.napus 」オレオジンとは、異なる寸法を有している。この形質転換されたタバコ種子中においては、抗22kDa抗体は、形質転換されていないタバコ種子中に存在しない20kDaのタンパク質を認識した。このオレオジン−IL−1−β融合体の予期された寸法は、20.1kDaである。これらの結果の要約を、表2に示す。
油体タンパク質に接合した目的のペプチド、またはその相当部分を形質発現させて、油体の入手をもたらすことによって、この目的のペプチドを、容易に精製して他の細胞成分が実質的にないようにすることができる。この融合タンパク質は、精製につづいて開裂させることができ、または開裂なしに使用することができる。この主題の方法および組成物は、目的のポリペプチドを精製するための、早く、簡単な方法をもたらす。
本明細書で引用したすべての出版物および特許出願を、それぞれの各出版物および特許出願が、参照によって包含されるものと特別に各々指定されている場合と同じ程度に、ここで参照として包含する。
ここで、本発明を詳細に説明したが、本分野で通常の知識を有する者であれば明らかであろうように、添付した特許請求の範囲の思想および範囲から離れることなく、本発明に対して多くの変更および修飾を加えることができる。
Figure 2005013236
「Arabidopsis thaliana」からの油体タンパク質遺伝子(オレオジン)のヌクレオチド配列および推論されたアミノ酸配列(17kDaのタンパク質)を示す。 「Arabidopsis thaliana」からの油体タンパク質遺伝子(オレオジン)のヌクレオチド配列および推論されたアミノ酸配列(17kDaのタンパク質)を示す。 にんじんからの16kdの油体タンパク質、トウモロコシからの18kdおよび16kdの油体タンパク質および「Arabidopsisthaliana」からの17kdの油体タンパク質の配列の比較を示しており、このタンパク質の保存および分岐領域を示す。 外来ペプチドを暗号化する遺伝子による油体タンパク質遺伝子の融合のために使用する構成体を示す。 C−末端融合の構成体についての詳細な配置を示す。 融合ペプチドベクターの構成、これらの植物中への導入および続く抽出と所望の組換えペプチドの測定の方法を図式的に示している。 pCGOBPILTの構成の概略図を示す。 オリゴヌクレオチドGVR11のデザインを示す。 OBPILTのヌクレオチド配列を示す。

Claims (30)

  1. 油体へと標的化されることができる融合ポリペプチドであって、
    (a)融合ポリペプチドの油体への標的化をもたらすのに十分な油体タンパク質の部分を含む第一のペプチドと、
    (b)第二のペプチドであって、ただし天然油体タンパク質の一部分以外である第二のペプチド、
    とを含有する、融合ポリペプチド。
  2. 前記第一のペプチドが、少なくとも油体タンパク質の疎水性部分を含むことを特徴とする、請求項1記載の融合ポリペプチド。
  3. (a)部分における油体タンパク質がオレオジンであることを特徴とする、請求項1または2記載の融合ポリペプチド。
  4. 油体へと標的化されることができる融合ポリペプチドであって、
    (a)融合ポリペプチドの油体への標的化をもたらすのに十分な油体タンパク質の部分を含み、かつ以下のアミノ酸配列:
    Figure 2005013236

    (ここで、
    aa25は、いかなるアミノ酸であってもよく;
    aa26は、中性の脂肪族アミノ酸であり;
    aa31は、3〜6個の炭素原子を有する中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
    aa33は、3〜6個の炭素原子を有する中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
    aa36は、3〜5個の炭素原子を有する中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
    aa37は、中性の非置換アミノ酸であり;
    aa39は、中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
    aa41は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または酸素置換アミノ酸であり;
    aa44は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または酸素置換アミノ酸であり;
    aa46は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または酸素置換アミノ酸であり;
    aa47は、中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
    aa51は、グリシン、ロイシン、アラニン、バリンまたはイソロイシンであり;
    aa53は、アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシンまたはスレオニンであり;
    aa59は、中性の非置換脂肪族または芳香族アミノ酸であり;
    aa72は、スレオニン、アラニンまたはロイシンであり;
    aa73は、バリン、ロイシン、イソロイシンまたはスレオニンであり;
    aa74は、アラニンまたはグリシンであり;
    aa75は、ロイシンまたはスレオニンであり;
    aa76は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または硫黄置換アミノ酸であり;
    aa77は、イソロイシン、アラニンまたはバリンであり;
    aa78は、中性の非置換脂肪族アミノ酸であり;
    aa83は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または酸素置換アミノ酸であり;
    aa84は、グリシンであり;
    aa85は、グリシンまたはアラニンであり;
    aa86は、フェニルアラニンまたはロイシンであり;
    aa89は、アラニン、スレオニンまたはグリシンであり;
    aa90は、アラニンまたはグリシンであり;
    aa92は、酸素置換を有する中性の脂肪族アミノ酸であり;
    aa93は、バリンまたはセリンであり;
    aa94は、フェニルアラニンまたはロイシンであり;
    aa96は、中性の硫黄置換脂肪族アミノ酸または中性の芳香族複素環アミノ酸であり;
    aa97は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または硫黄置換アミノ酸であり;
    aa98は、中性の非置換脂肪族アミノ酸または酸素置換芳香族アミノ酸であり;
    aa99は、いかなるアミノ酸であってもよく:
    aa100は、酸素置換アミノ酸であり、脂肪族または芳香族であってよく;
    aa101は、中性の非置換脂肪族または芳香族アミノ酸である)
    を含む第一のペプチドであって、ただし以下の(i)または(ii):
    (i)次式を有するペプチド:
    A-K-A-A-T-A-V-T-A-G-G-S-L-L-V-L-
    S-S-L-T-L-V-G-T-V-I-A-L-T-V-A-T-P-L-L-V-
    I-F-S-P-I-L-V-P-A-L-I-T-V-A-L-L-I-T-G-F-
    L-S-S-G-G-F-G-I-A-A-I-T-V-F-S-W-I-Y-K ★-Y-
    A
    (ii)(i)のアミノ酸配列が保存的アミノ酸置換されており、かつ上記融合ポリペプチドの油体への標的化をもたらすことのできるペプチド
    ではない第一のペプチドと、
    (b)第二のペプチドであって、ただし天然油体タンパク質の一部分以外である第二のペプチド、
    とを含有する、融合ポリペプチド。
  5. 前記第二のペプチドが、インターロイキン−1−β:
    V−Q−G−E−E−S−N−D−K
    のアミノ酸配列を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の融合ポリペプチド。
  6. 前記第二のペプチドが、免疫源を与える抗原性アミノ酸配列を有している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の融合ポリペプチド。
  7. 融合ポリペプチドを暗号化し、かつ、
    (a)融合ポリペプチドの油体への標的化をもたらすのに十分な油体タンパク質の部分を暗号化する第一のDNA配列と、
    (b)ペプチドを暗号化する第二のDNA配列であって、ただし天然油体タンパク質の一部分以外である、第二のDNA配列
    とを含有する、キメラDNA構成体。
  8. 前記第一のDNA配列が、少なくとも油体タンパク質の疎水性部分を暗号化することを特徴とする、請求項7記載のキメラDNA構成体。
  9. (a)部分における油体タンパク質がオレオジンであることを特徴とする、請求項7または8記載のキメラDNA構成体。
  10. 前記キメラDNA配列と操作可能に結合している少なくとも一種の調節配列を含有するベクターDNAであって、宿主細胞中の前記キメラDNAを複製させることができるベクターDNAを更に有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載のキメラDNA構成体。
  11. 前記調節配列が、更に宿主細胞中の前記キメラDNAを形質発現させることができる、請求項10記載のキメラDNA構成体。
  12. 前記DNAがcDNAである、請求項7〜11のいずれか1項に記載のキメラDNA構成体。
  13. 形質発現カセットであって、
    成分として、転写の方向に、
    −種子中で形質発現される遺伝子の転写開始調節DNA配列;
    −請求項7〜12のいずれか1項に記載のキメラDNA構成体;および
    −翻訳および転写停止領域
    を有しており、ここで前記の成分が操作可能に結合しており、前記キメラDNA配列の形質発現は前記調節DNA配列によって調節されている、形質発現カセット。
  14. 前記調節DNA配列および前記第一のDNA配列のうち少なくとも一種が、
    Arabidopsis thalianaのゲノムに由来する、請求項13記載の形質発現カセット。
  15. 種子中で目的のペプチドを形質発現させる方法であって、
    ゲノム組み込み条件下で形質発現カセットによって宿主双子葉植物細胞を形質転換させ、ここでこの形質発現カセットが、成分として、転写の方向に、
    種子中でのDNA配列の形質発現をもたらすのに十分な、種子中で形質発現される遺伝子の領域5’から翻訳開始部位への部分を有する第一のDNA配列;
    目的のペプチドの油体への標的化をもたらすのに十分な油体タンパク質の部分を暗号化する第二のDNA配列;及び
    目的のペプチドを暗号化する第三のDNA配列であって、ただしこのペプチドが、天然油体タンパク質の一部分以外である第三のDNA配列;並びに
    翻訳および転写停止領域
    を含み、ここで前記の成分が操作可能に結合しており、前記第二のDNA配列の形質発現が、種子中での形質発現をもたらすように前記第一のDNA配列によって調節されている、種子中で目的のペプチドを形質発現させる方法。
  16. 前記調節および前記第一のDNA配列のうちの少なくとも一種が、Arabidopsis thalianaに由来する、請求項15記載の方法。
  17. 種子中で目的のペプチドを形質発現させる方法であって、
    ゲノム組み込み条件下でDNA構成体によって宿主双子葉植物細胞を形質転換させ、ここでこのDNA構成体が、
    目的のペプチドを暗号化する第一のDNA配列であって、ただしこのペプチドが、天然油体タンパク質の一部分以外である第一のDNA配列と、
    油体タンパク質(OBP)遺伝子を有する第二のDNA配列であって、種子中での前記遺伝子の形質発現をもたらすのに十分な、前記OBP遺伝子の調節領域5’から翻訳開始部位までの部分を有する第二のDNA配列
    とを有しており、前記第一のDNA配列が、前記調節領域の制御の下で形質発現され、これによって前記DNA構成体が前記双子葉植物細胞のゲノム中へと組み込まれ;
    前記双子葉植物を成長させて種子を生じさせ、これによって目的の前記ペプチドを、前記OBP遺伝子の形質発現産物との融合タンパク質として形質発現させる
    ことを含む、種子中で目的のペプチドを形質発現させる方法。
  18. 前記種子の細胞中で油体から前記融合タンパク質を分離することを更に含む、請求項17記載の方法。
  19. 前記分離が、
    前記種子の細胞を溶解させて前記油体を放出させ;
    前記油体を破壊することによって前記融合ポリペプチドを放出させることを含む、請求項18記載の方法。
  20. 前記分離が、
    目的の前記ペプチドのN末端の前に位置する前記融合ポリペプチド中のプロテアーゼ認識部位を認識しうるプロテアーゼに対して前記融合ポリペプチドを接触させることを更に含む、請求項19記載の方法。
  21. 前記接触に先立って、前記OBP遺伝子の形質発現産物に対して結合しうる抗体を有する固体担体に対して前記融合タンパク質を結合させることを更に含む、請求項20記載の方法。
  22. 目的の精製ペプチドを得る方法であって、
    ゲノム組み込み条件下でDNA構成体によって宿主双子葉植物細胞を形質転換させ、ここでこのDNA構成体が、
    目的のペプチドを暗号化する第一のDNA配列であって、ただしこのペプチドが、天然油体タンパク質の一部分以外である第一のDNA配列と、
    油体タンパク質(OBP)遺伝子を有する第二のDNA配列であって、種子中での前記遺伝子の形質発現をもたらすのに十分な、前記OBP遺伝子の調節領域5’から翻訳開始部位までの部分を有する第二のDNA配列
    とを有しており、前記第一のDNA配列が前記調節領域の制御の下で形質発現され、これによって前記DNA構成体が前記双子葉植物細胞のゲノム中へと組み込まれ;
    前記双子葉植物を成長させて種子を生じさせ、これによって目的の前記ペプチドを、前記OBP遺伝子の形質発現産物との融合タンパク質として形質発現させ;
    前記種子の細胞から油体を分離し;
    この油体を破壊することによって前記融合タンパク質を放出させ;
    目的の前記ペプチドを精製する
    ことを含む、精製ペプチドを得る方法。
  23. 目的の前記ペプチドが、植物ゲノムによって暗号化されたペプチド以外である、請求項22記載の方法。
  24. 目的の前記ペプチドが、油体中に天然に存在しているペプチド以外である、請求項23記載の方法。
  25. 前記分離が、
    前記種子からの細胞の溶解に続いて油体フラクションを回収すること
    を含む、請求項24記載の方法。
  26. 請求項13または14に記載の形質発現カセットを有する双子葉植物細胞。
  27. 請求項13または14に記載の形質発現カセットを含有する双子葉植物。
  28. 請求項13または14に記載の形質発現カセットを含有する双子葉植物の種子。
  29. 油体中の目的のペプチドを得る方法であって、
    種子中の前記ペプチドを、融合ポリペプチドの前記油体への標的化をもたらすのに十分な油体タンパク質の部分との融合ポリペプチドとして形質発現させることを含み、ただし前記ペプチドが、天然に生ずる油体タンパク質の一部分以外である、油体中の目的のペプチドを得る方法。
  30. 前記融合ポリペプチドが、請求項1〜6のいずれか1項に記載の融合ポリペプチドであることを特徴とする、請求項29記載の方法。
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