JP2005013139A - 清浄化食肉用原体および食肉用原体の清浄化処理方法 - Google Patents
清浄化食肉用原体および食肉用原体の清浄化処理方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類である食肉用原体の腸内に汚物の残留がなく、腸内が実質的に無菌状態にある清浄化食肉用原体を提供して、食肉用原体の解体時、食肉用原体からの汚物の排出に起因する衛生上の問題を解消する。
【解決手段】食肉用原体の腸内の全長を清浄化処理してなる清浄化食肉用原体であり、当該清浄化処理は、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水を処理水とし、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を処理水として腸内に残留する汚物を洗い流す前処理がなされ、強酸性の電解生成酸性水を処理水として汚物が排出後の腸内を殺菌する後処理がなされている。
【選択図】 無し
【解決手段】食肉用原体の腸内の全長を清浄化処理してなる清浄化食肉用原体であり、当該清浄化処理は、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水を処理水とし、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を処理水として腸内に残留する汚物を洗い流す前処理がなされ、強酸性の電解生成酸性水を処理水として汚物が排出後の腸内を殺菌する後処理がなされている。
【選択図】 無し
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、腸内を清浄化された清浄化食肉用原体、および、食肉用原体の清浄化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類(以下食肉用原体という)の解体時に発生する大きな問題の一に、食肉用原体の肛門から排出される腸内汚物による汚染の問題がある。食肉用原体から腸内汚物が排出すると、解体途中の食肉用原体や解体して生成された食肉を汚染し、かつ、解体作業場を汚染することから、衛生上大きな問題となる。このような衛生上の問題に対処するには、食肉用原体から排出した腸内汚物を洗浄し、かつ、解体途中の食肉用原体や、解体された食肉を殺菌処理する必要がある。現在のところ、家畜の解体処理では、予め、腸管やその他の消化器官を紐等で縛って汚物が排出や拡散しない手段が採られている。
【0003】
ところで、食肉用原体や、解体して生成された食肉のこのような衛生上の問題に対処する手段については、多くの手段が提案されている。例えば、家禽処理プラントでの冷却水に有効量の臭化物およびオキシダントを導入して、当該冷却水で畜刹体を処理する家禽の畜刹方法(特許文献1)、解体して生成された生鮮肉や冷凍肉の表面に殺菌能を有する高圧液を噴射して殺菌処理する食肉の処理方法(特許文献2)、魚類の肛門から消化器官内へ殺菌剤である次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入して消化器官内を無菌状態にする無菌生鮮魚類の製法(特許文献3)等が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−236866号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平11−89509号公報
【0006】
【特許文献3】
特開2000−217504号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した各特許文献のうち、特許文献1および2にて提案されている手段は、解体前の家禽や、解体して生成された食肉の表面を殺菌処理するものであって、腸内の全長を清浄化するための手段とは異なるものである。また、特許文献3にて提案されている手段は、魚類の消化器官内を殺菌処理する方法ではあるが、魚類の肛門から消化器官内へ殺菌剤である次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入するに過ぎないものであることから、消化器官内から汚物を洗い流して洗浄することか不可能であるともに、汚物が残留する消化器官内を殺菌することは実質的には不可能に近い。
【0008】
従って、本発明の目的は、食肉用原体における腸内には汚物の残留がなくて、腸内が実質的に無菌状態またはこれに近い状態にある食肉用原体を提供して、食肉用原体の解体時における、食肉用原体からの汚物の排出に起因する衛生上の問題を解消することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類である食肉用原体における腸内の全長を清浄化処理してなる清浄化食肉用原体、および、食肉用原体の清浄化処理方法に関するものである。
【0010】
本発明に係る清浄化処理してなる清浄化食肉用原体においては、処理水として、無機塩の希薄水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水を採用しているものである。当該清浄化食肉用原体は、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を処理水として腸内に残留する汚物を洗い流す前処理がなされ、かつ、強酸性の電解生成酸性水を処理水として汚物が排出されている腸内を殺菌する後処理がなされていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る食肉用原体の清浄化処理方法は、処理水として、無機塩の希薄水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水を採用しているものである。本発明に係る清浄化処理方法の第1は、先ず、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を当該食肉用原体の肛門から腸内に注入して腸内に残留する汚物を洗い流す前処理を行い、次いで、強酸性の電解生成酸性水を当該食肉用原体の肛門から腸内に注入して汚物が排出されている腸内を殺菌する後処理を行うことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明に係る清浄化処理方法の第2は、先ず、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を当該食肉用原体に飲用させて腸内に残留する汚物を排出させる処理を行い、次いで、強酸性の電解生成酸性水を当該食肉用原体に飲用させて汚物が排出されている腸内を殺菌する後処理を行うことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の作用・効果】
本発明においては、食肉用原体の腸内の全長の清浄化処理に使用している処理水は、無機塩の希薄水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水である。これらの処理水のうち、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水は優れた洗浄能を有するもので、当該電解生成アルカリ性水を使用して腸内を処理すれば、腸内に残留する汚物は速やかに洗い流されて、腸内は効果的に清浄化される。
【0014】
また、これらの処理水のうち、強酸性の電解生成酸性水は優れた殺菌能を有するもので、当該電解生成酸性水を使用して、汚物が除去されている腸内を処理すれば、腸内は効果的に殺菌されるとともに、腸内は酸性に維持されて細菌類の繁殖には不適当な環境を形成する。
【0015】
このため、これらの処理水で処理をしてなる食肉用原体(清浄化食肉用原体)の腸内は、無菌状態またはこれに近い清浄化された状態にあり、当該清浄化食肉用原体は如何に解体されようとも、腸内から汚物が排出したり、細菌類が飛散するようなことはない。この結果、当該清浄化食肉用原体の解体時における、上記した衛生上の問題が発生することはない。
【0016】
本発明に係る各清浄化処理方法によれば、食肉用原体の腸内を上記したように効果的に清浄化することができるが、本発明に係る第1の清浄化処理方法は、屠刹前または後の食鳥、家禽、家畜の清浄化処理や、活け締め前または後の魚類の清浄化処理に実施することができる。また、本発明に係る第2の清浄化処理方法は、屠刹前の食鳥、家禽、家畜の清浄化処理や、活け締め前の魚類の清浄化処理に実施することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類である食肉用原体における腸内の全長を清浄化処理してなる清浄化食肉用原体、および、食肉用原体の清浄化処理方法に関するものである。本発明において、食肉用原体とは、解体に付す前で屠刹前または屠刹後の食鳥、家禽、家畜や、活き締め前または活き締め後の魚類を意味する。
【0018】
本発明に係る清浄化食肉用原体は、解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類における腸内の全長を清浄化処理してなるもので、解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類の腸内を全長にわたって、本発明に係る清浄化処理方法によって清浄化処理されているものである。本発明に係る清浄化食肉用原体においては、その腸内には汚物が残留していなくて、腸内は無菌またはこれに近い状態にある。
【0019】
このため、当該清浄化食肉用原体は如何に解体されようとも、腸内から汚物が排出したり、細菌類が飛散するようなことはなく、当該清浄化食肉用原体の解体時には、汚物の排出および細菌類の拡散に起因する衛生上の問題が発生することはない。当該清浄化食肉用原体は、本発明に係る第1の清浄化処理方法を食肉用原体に実施することにより、または、第2の清浄化処理方法を食肉用原体に実施することにより生成される。
【0020】
本発明に係る第1の清浄化処理方法は、食肉用原体の腸内を、第1の処理水を使用して処理する前処理と、当該食肉用原体の腸内を、第2の処理水を使用して処理する後処理とからなる。当該清浄化処理方法で採用する処理水は、無機塩の希薄水溶液、典型的には、食塩の希薄水溶液(食塩濃度が0.1wt%〜0.3wt%)を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水である。当該清浄化処理方法では、第1の処理水として、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を使用し、かつ、第2の処理水として、強酸性の電解生成酸性水を使用する。
【0021】
第1の処理水に使用される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水は、典型的には、希薄食塩水を被電解水とする有隔膜電解にて、電解槽の陰極側電解室に生成されるもので、pHが11.5前後であって、有機物等に対する高い洗浄能を有している。第2の処理水に使用される強酸性の電解生成酸性水は、上記した有隔膜電解にて、電解槽の陽極側電解室に生成されるもので、pHが2.5前後であって、細菌類に対して高い殺菌能を有している。
【0022】
当該清浄化処理方法では、先ず、第1の処理水である強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を、当該食肉用原体の肛門から腸内に注入して腸内に残留する汚物を洗い流す前処理を行う。次いで、第2の処理水である強酸性の電解生成酸性水を、当該食肉用原体の肛門から汚物が排出されている腸内に注入して、腸内を殺菌する後処理を行う。
【0023】
当該清浄化処理方法を実施された食肉用原体(清浄化食肉用原体)においては、その腸内は無菌状態またはこれに近い清浄化された状態にあり、当該清浄化食肉用原体は如何に解体されようとも、腸内から汚物が排出したり、細菌類が飛散するようなことはない。このため、当該清浄化食肉用原体の解体時においては、上記した衛生上の問題が発生することはない。
【0024】
当該清浄化処理方法は、解体前で屠刹前または屠刹後の食鳥、家禽、家畜や、活き締めの前または後の魚類における腸内の全長を清浄化するために実施し得る清浄化処理方法であるが、解体前で屠刹後の食鳥、家禽、家畜や、活き締め後の魚類における腸内の清浄化には不可欠の清浄化処理方法である。当該洗浄化処理方法を実施する場合には、清浄化処理の対象とする食鳥、家禽、家畜、魚類には、少なくとも前日は飼料を与えずに、消化器官内を空にしておくことが好ましい。
【0025】
本発明に係る第2の清浄化処理方法は、食肉用原体の腸内を第1の処理水を使用して処理する前処理と、腸内を第2の処理水を使用して処理する後処理とからなるものであり、各処理水として、第1の清浄化処理方法で使用している、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水を採用する点では、第1の清浄化処理方法とは共通する。但し、第2の清浄化処理方法では、食肉用原体に各処理水を付与する手段を、第1の清浄化処理方法とは異にしている。
【0026】
本発明に係る第2の清浄化処理方法は、屠刹前の食鳥、家禽、家畜や、活き締め前の魚類を清浄化処理の対象としているもので、これらの食肉用原体に、第1の処理水である強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を飲用させて、所定時間経過後に、第2の処理水である強酸性の電解生成酸性水を飲用させる。
【0027】
これら処理水のうち、第1の処理水はpHが極めて高くて生体には不適であって、食肉用原体に下痢の症状を引き起こさせる。これにより、第1の処理水の飲用によって、食肉用原体の腸内に残留する汚物が排出されるとともに、腸内が洗浄される。また、第2の処理水はpHが極めて低くて生体には不適であって、第2の処理水の飲用によっても、食肉用原体に下痢の症状を引き起こさせる。これにより、第2の処理水の飲用によっては、食肉用原体の腸内に残留する汚物が排出されると同時に腸内が殺菌される。
【0028】
当該清浄化処理方法を実施された食肉用原体(清浄化食肉用原体)においては、屠刹前または活き締め前の状態で、その腸内は無菌状態またはこれに近い清浄化された状態にあり、その後、屠刹または活き締めされた食肉用原体は如何に解体されようとも、腸内から汚物が排出したり、細菌類が飛散するようなことはない。このため、当該清浄化食肉用原体の解体時における上記した衛生上の問題が発生することはない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、腸内を清浄化された清浄化食肉用原体、および、食肉用原体の清浄化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類(以下食肉用原体という)の解体時に発生する大きな問題の一に、食肉用原体の肛門から排出される腸内汚物による汚染の問題がある。食肉用原体から腸内汚物が排出すると、解体途中の食肉用原体や解体して生成された食肉を汚染し、かつ、解体作業場を汚染することから、衛生上大きな問題となる。このような衛生上の問題に対処するには、食肉用原体から排出した腸内汚物を洗浄し、かつ、解体途中の食肉用原体や、解体された食肉を殺菌処理する必要がある。現在のところ、家畜の解体処理では、予め、腸管やその他の消化器官を紐等で縛って汚物が排出や拡散しない手段が採られている。
【0003】
ところで、食肉用原体や、解体して生成された食肉のこのような衛生上の問題に対処する手段については、多くの手段が提案されている。例えば、家禽処理プラントでの冷却水に有効量の臭化物およびオキシダントを導入して、当該冷却水で畜刹体を処理する家禽の畜刹方法(特許文献1)、解体して生成された生鮮肉や冷凍肉の表面に殺菌能を有する高圧液を噴射して殺菌処理する食肉の処理方法(特許文献2)、魚類の肛門から消化器官内へ殺菌剤である次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入して消化器官内を無菌状態にする無菌生鮮魚類の製法(特許文献3)等が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−236866号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平11−89509号公報
【0006】
【特許文献3】
特開2000−217504号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した各特許文献のうち、特許文献1および2にて提案されている手段は、解体前の家禽や、解体して生成された食肉の表面を殺菌処理するものであって、腸内の全長を清浄化するための手段とは異なるものである。また、特許文献3にて提案されている手段は、魚類の消化器官内を殺菌処理する方法ではあるが、魚類の肛門から消化器官内へ殺菌剤である次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入するに過ぎないものであることから、消化器官内から汚物を洗い流して洗浄することか不可能であるともに、汚物が残留する消化器官内を殺菌することは実質的には不可能に近い。
【0008】
従って、本発明の目的は、食肉用原体における腸内には汚物の残留がなくて、腸内が実質的に無菌状態またはこれに近い状態にある食肉用原体を提供して、食肉用原体の解体時における、食肉用原体からの汚物の排出に起因する衛生上の問題を解消することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類である食肉用原体における腸内の全長を清浄化処理してなる清浄化食肉用原体、および、食肉用原体の清浄化処理方法に関するものである。
【0010】
本発明に係る清浄化処理してなる清浄化食肉用原体においては、処理水として、無機塩の希薄水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水を採用しているものである。当該清浄化食肉用原体は、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を処理水として腸内に残留する汚物を洗い流す前処理がなされ、かつ、強酸性の電解生成酸性水を処理水として汚物が排出されている腸内を殺菌する後処理がなされていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る食肉用原体の清浄化処理方法は、処理水として、無機塩の希薄水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水を採用しているものである。本発明に係る清浄化処理方法の第1は、先ず、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を当該食肉用原体の肛門から腸内に注入して腸内に残留する汚物を洗い流す前処理を行い、次いで、強酸性の電解生成酸性水を当該食肉用原体の肛門から腸内に注入して汚物が排出されている腸内を殺菌する後処理を行うことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明に係る清浄化処理方法の第2は、先ず、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を当該食肉用原体に飲用させて腸内に残留する汚物を排出させる処理を行い、次いで、強酸性の電解生成酸性水を当該食肉用原体に飲用させて汚物が排出されている腸内を殺菌する後処理を行うことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の作用・効果】
本発明においては、食肉用原体の腸内の全長の清浄化処理に使用している処理水は、無機塩の希薄水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水である。これらの処理水のうち、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水は優れた洗浄能を有するもので、当該電解生成アルカリ性水を使用して腸内を処理すれば、腸内に残留する汚物は速やかに洗い流されて、腸内は効果的に清浄化される。
【0014】
また、これらの処理水のうち、強酸性の電解生成酸性水は優れた殺菌能を有するもので、当該電解生成酸性水を使用して、汚物が除去されている腸内を処理すれば、腸内は効果的に殺菌されるとともに、腸内は酸性に維持されて細菌類の繁殖には不適当な環境を形成する。
【0015】
このため、これらの処理水で処理をしてなる食肉用原体(清浄化食肉用原体)の腸内は、無菌状態またはこれに近い清浄化された状態にあり、当該清浄化食肉用原体は如何に解体されようとも、腸内から汚物が排出したり、細菌類が飛散するようなことはない。この結果、当該清浄化食肉用原体の解体時における、上記した衛生上の問題が発生することはない。
【0016】
本発明に係る各清浄化処理方法によれば、食肉用原体の腸内を上記したように効果的に清浄化することができるが、本発明に係る第1の清浄化処理方法は、屠刹前または後の食鳥、家禽、家畜の清浄化処理や、活け締め前または後の魚類の清浄化処理に実施することができる。また、本発明に係る第2の清浄化処理方法は、屠刹前の食鳥、家禽、家畜の清浄化処理や、活け締め前の魚類の清浄化処理に実施することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類である食肉用原体における腸内の全長を清浄化処理してなる清浄化食肉用原体、および、食肉用原体の清浄化処理方法に関するものである。本発明において、食肉用原体とは、解体に付す前で屠刹前または屠刹後の食鳥、家禽、家畜や、活き締め前または活き締め後の魚類を意味する。
【0018】
本発明に係る清浄化食肉用原体は、解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類における腸内の全長を清浄化処理してなるもので、解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類の腸内を全長にわたって、本発明に係る清浄化処理方法によって清浄化処理されているものである。本発明に係る清浄化食肉用原体においては、その腸内には汚物が残留していなくて、腸内は無菌またはこれに近い状態にある。
【0019】
このため、当該清浄化食肉用原体は如何に解体されようとも、腸内から汚物が排出したり、細菌類が飛散するようなことはなく、当該清浄化食肉用原体の解体時には、汚物の排出および細菌類の拡散に起因する衛生上の問題が発生することはない。当該清浄化食肉用原体は、本発明に係る第1の清浄化処理方法を食肉用原体に実施することにより、または、第2の清浄化処理方法を食肉用原体に実施することにより生成される。
【0020】
本発明に係る第1の清浄化処理方法は、食肉用原体の腸内を、第1の処理水を使用して処理する前処理と、当該食肉用原体の腸内を、第2の処理水を使用して処理する後処理とからなる。当該清浄化処理方法で採用する処理水は、無機塩の希薄水溶液、典型的には、食塩の希薄水溶液(食塩濃度が0.1wt%〜0.3wt%)を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水である。当該清浄化処理方法では、第1の処理水として、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を使用し、かつ、第2の処理水として、強酸性の電解生成酸性水を使用する。
【0021】
第1の処理水に使用される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水は、典型的には、希薄食塩水を被電解水とする有隔膜電解にて、電解槽の陰極側電解室に生成されるもので、pHが11.5前後であって、有機物等に対する高い洗浄能を有している。第2の処理水に使用される強酸性の電解生成酸性水は、上記した有隔膜電解にて、電解槽の陽極側電解室に生成されるもので、pHが2.5前後であって、細菌類に対して高い殺菌能を有している。
【0022】
当該清浄化処理方法では、先ず、第1の処理水である強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を、当該食肉用原体の肛門から腸内に注入して腸内に残留する汚物を洗い流す前処理を行う。次いで、第2の処理水である強酸性の電解生成酸性水を、当該食肉用原体の肛門から汚物が排出されている腸内に注入して、腸内を殺菌する後処理を行う。
【0023】
当該清浄化処理方法を実施された食肉用原体(清浄化食肉用原体)においては、その腸内は無菌状態またはこれに近い清浄化された状態にあり、当該清浄化食肉用原体は如何に解体されようとも、腸内から汚物が排出したり、細菌類が飛散するようなことはない。このため、当該清浄化食肉用原体の解体時においては、上記した衛生上の問題が発生することはない。
【0024】
当該清浄化処理方法は、解体前で屠刹前または屠刹後の食鳥、家禽、家畜や、活き締めの前または後の魚類における腸内の全長を清浄化するために実施し得る清浄化処理方法であるが、解体前で屠刹後の食鳥、家禽、家畜や、活き締め後の魚類における腸内の清浄化には不可欠の清浄化処理方法である。当該洗浄化処理方法を実施する場合には、清浄化処理の対象とする食鳥、家禽、家畜、魚類には、少なくとも前日は飼料を与えずに、消化器官内を空にしておくことが好ましい。
【0025】
本発明に係る第2の清浄化処理方法は、食肉用原体の腸内を第1の処理水を使用して処理する前処理と、腸内を第2の処理水を使用して処理する後処理とからなるものであり、各処理水として、第1の清浄化処理方法で使用している、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水を採用する点では、第1の清浄化処理方法とは共通する。但し、第2の清浄化処理方法では、食肉用原体に各処理水を付与する手段を、第1の清浄化処理方法とは異にしている。
【0026】
本発明に係る第2の清浄化処理方法は、屠刹前の食鳥、家禽、家畜や、活き締め前の魚類を清浄化処理の対象としているもので、これらの食肉用原体に、第1の処理水である強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を飲用させて、所定時間経過後に、第2の処理水である強酸性の電解生成酸性水を飲用させる。
【0027】
これら処理水のうち、第1の処理水はpHが極めて高くて生体には不適であって、食肉用原体に下痢の症状を引き起こさせる。これにより、第1の処理水の飲用によって、食肉用原体の腸内に残留する汚物が排出されるとともに、腸内が洗浄される。また、第2の処理水はpHが極めて低くて生体には不適であって、第2の処理水の飲用によっても、食肉用原体に下痢の症状を引き起こさせる。これにより、第2の処理水の飲用によっては、食肉用原体の腸内に残留する汚物が排出されると同時に腸内が殺菌される。
【0028】
当該清浄化処理方法を実施された食肉用原体(清浄化食肉用原体)においては、屠刹前または活き締め前の状態で、その腸内は無菌状態またはこれに近い清浄化された状態にあり、その後、屠刹または活き締めされた食肉用原体は如何に解体されようとも、腸内から汚物が排出したり、細菌類が飛散するようなことはない。このため、当該清浄化食肉用原体の解体時における上記した衛生上の問題が発生することはない。
Claims (3)
- 解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類である食肉用原体における腸内の全長を清浄化処理してなる清浄化食肉用原体であって、当該清浄化処理は、無機塩の希薄水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水を処理水とするもので、当該食肉用原体は、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を処理水として腸内に残留する汚物を洗い流す前処理がなされ、かつ、強酸性の電解生成酸性水を処理水として汚物が排出されている腸内を殺菌する後処理がなされていることを特徴とする清浄化食肉用原体。
- 解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類である食肉用原体における腸内の全長を清浄化する清浄化処理方法であり、当該清浄化処理の処理水として、無機塩の希薄水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水を採用して、先ず、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を当該食肉用原体の肛門から腸内に注入して腸内に残留する汚物を洗い流す前処理を行い、次いで、強酸性の電解生成酸性水を当該食肉用原体の肛門から腸内に注入して汚物が排出されている腸内を殺菌する後処理を行うことを特徴とする食肉用原体の清浄化処理方法。
- 解体前の食鳥、家禽、家畜、魚類である食肉用原体における腸全長を清浄化する清浄化処理方法であり、当該清浄化処理の処理水として、無機塩の希薄水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される強アルカリ性の電解生成アルカリ性水と強酸性の電解生成酸性水を採用して、先ず、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水を当該食肉用原体に飲用させて腸内に残留する汚物を洗い流す前処理を行い、次いで、強酸性の電解生成酸性水を当該食肉用原体に飲用させて汚物が排出されている腸内を殺菌する後処理を行うことを特徴とする食肉用原体の清浄化処理方法。
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JP2003184760A JP2005013139A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 清浄化食肉用原体および食肉用原体の清浄化処理方法 |
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JP2019097483A (ja) * | 2017-12-02 | 2019-06-24 | 株式会社霧島Med | 食肉処理施設における清浄処理方法 |
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2003
- 2003-06-27 JP JP2003184760A patent/JP2005013139A/ja active Pending
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