JP2005012243A - 通信端末に対する着信制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信端末の使用者が車両を運転している場合に通信端末からの呼び出しがかかることを防止し、局側から車両の運転者によって使用される通信端末に対する着信制御を行い、局側で車両の状態を把握しこれに基づいて通信端末に対する着信制御を行う。
【解決手段】車両200に係る状態を示す状態情報を取得し、車両200に係る通信端末500を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを状態情報に基づいて判定し、通話が許可される場合には、発呼に対する着信処理を行い、通話が許可されない場合には着信処理を規制する。
【選択図】 図1
【解決手段】車両200に係る状態を示す状態情報を取得し、車両200に係る通信端末500を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを状態情報に基づいて判定し、通話が許可される場合には、発呼に対する着信処理を行い、通話が許可されない場合には着信処理を規制する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信端末に対する着信制御に関し、特に、通信端末のユーザが運転中である場合における通信端末に対する着信制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話を車両内で利用する場合において、安全上の観点から、携帯電話に対するハンズフリー装置が設置されていない場合には、車両の運転手は携帯電話を用いて電話を掛けたり、携帯電話からの呼び出しに応じたりすることができないという規制がある。従って、運転者に対しては、以下のような利用上の制約がある。車両側の携帯電話から発信するときは、運転者は、車両を停車してから携帯電話を操作しなければならない。着信時には、車両側の携帯電話にいわゆるハンズフリー機能が備えられている場合には、運転者は、車両が走行中でも呼び出しに応じて通話が可能である。また、車両側の携帯電話に上記ハンズフリー機能が備えられていない場合には、運転者は、車両を停車してからでないと呼び出しに応じることができない。
【0003】
車両走行時の携帯電話の操作を制限する技術としては、ナビゲーション装置からの情報によって携帯型電話機の着信を制限する技術(例えば、特許文献1参照)が開示されている。また、特許文献2及び3に記載された技術がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−78009号公報
【特許文献2】
特開平10−327464号公報
【特許文献3】
特開平11−178012号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の携帯電話サービスでは、車両側でハンズフリー機能が実装されているか否か等に関係なく、局側で車両側の携帯電話(着信端末)に対する着信処理(着信信号の送信処理等)が行われていた。これは、局側では携帯電話の使用環境(車両の運転中か否か等)や使用状況(ハンズフリー機能の有無等)を伺い知ることができないからである。
【0006】
一方、特許文献1〜3には、車両側で車両の走行/停止等を判定し、走行中であれば携帯電話の着信を規制する技術が開示されている。これらは、何れも局側からの着信信号の受信を規制したり着信信号に応じた着信処理(呼び出し等)を規制したりする構成を携帯電話に付加することで実現されている。
【0007】
本発明の目的の一つは、通信端末の使用者が車両を運転している場合に通信端末からの呼び出しがかかることを防止することが可能な技術を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的の一つは、局側(網側)から車両の運転者によって使用される通信端末に対する着信制御を行うことができる技術を提供することである。
【0009】
また、本発明の目的の一つは、局側(網側)で車両の状態を把握しこれに基づいて通信端末に対する着信制御を行うことができる技術を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
すなわち、本発明は、車両に係る状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記車両に係る通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定する判定手段と、
前記判定手段によって通話が許可される場合には、前記発呼に対する着信処理を行い、前記判定手段によって通話が許可されない場合には前記着信処理を規制する着信制御手段と
を含む通信端末に対する着信制御装置である。
【0011】
本発明において、運転者により使用される通信端末には、車両に搭載される通信端末と、車両内に持ち込まれる携帯または移動通信端末とが含まれる。また、「着信処理を規制する」とは、例えば、通信端末に対して着信信号(呼び出し信号)を送信しないことである。
【0012】
本発明による着信制御装置によれば、状態情報に基づいて通信端末に対する着信制御を行う。このため、状態情報から特定される車両の状態が運転者が通信端末の呼び出しに応答できないような状態である場合には、着信制御が規制されることで、通信端末で呼び出し処理が行われない。これによって、運転者は車両の運転に集中することができる。言い換えれば、運転者は、運転中に通信端末の呼び出しに対する応答操作を行うといった危険な行為を行わなくて済む。
【0013】
また、着信制御装置側で着信を規制することにより、通信端末は着信(呼び出し)を規制するための処理を何ら行わないで済む。言い換えれば、着信(呼び出し)を規制するために通信端末側で特別な構成を持つ必要がない。これによって、通信端末として汎用の通信端末を適用することができる。
【0014】
好ましくは、前記取得手段は、前記車両からネットワークを介して定期的に送信されてくる前記状態情報を取得し、
前記判定手段は、前記取得手段で取得された最新の状態情報に基づいて前記判定を行う。
【0015】
また、好ましくは、前記取得手段は、前記車両の状態が変化する毎に前記車両からネットワークを介して送信されてくる前記状態情報を取得する。
【0016】
また、好ましくは、前記取得手段は、前記発呼が受信された場合に、前記車両からネットワークを介して前記状態情報を取得する。
【0017】
以上のような構成によれば、着信制御装置は、車両から適宜のタイミングで判定処理に用いる状態情報を取得することができる。このように、状態情報は車両から取得することが、正確性の高い状態情報を得ることができる点で好ましい。但し、管理サーバのような管理装置が車両から状態情報を取得して管理し、着信制御装置が管理装置から状態情報を取得する構成を適用することも可能である。
【0018】
また、好ましくは、前記状態情報は、前記車両に前記通信端末に対するハンズフリー装置が設置されているか否かを判定するための情報を含み、
前記判定手段は、前記ハンズフリー装置が設置されていると判定する場合には前記通話を許可し、前記ハンズフリー装置が設置されていないと判定する場合には前記通話を許可しない。
【0019】
また、好ましくは、前記状態情報は、前記車両に前記通信端末に対するハンズフリー装置が設置されているか否かを判定するための情報と、前記車両が走行中又は一時停止中か否かを判定するための情報とを含み、
前記判定手段は、ハンズフリー装置が設置されていないと判定し且つ前記車両が走行中又は一時停止中であると判定する場合には前記通話を許可せず、ハンズフリー装置が設置されていると判定する場合、又はハンズフリー装置が設置されていないと判定し且つ前記車両が走行中でも一時停止中でもないと判定する場合には前記通話を許可する。
【0020】
また、好ましくは、前記状態情報は、前記車両が走行中又は一時停止中か否かを判定するための情報を含み、
前記判定手段は、前記車両が走行中又は一時停止中であると判定する場合には前記通話を許可せず、前記車両が走行中でも一時停止中でもないと判定する場合には前記通信を許可する。
【0021】
車両が走行中又は一時停止中か否かを判定するための情報には、エンジンキーの状態を含むことができる。エンジンキーの状態は、単独で走行又は一時停止中か否かの判定に使用することができる。その他に、走行速度,エンジンの回転数,サイドブレーキ(パーキングブレーキ),速度零の連続時間のうちの2以上を組み合わせることで、走行又は一時停止中か否かを判定することができる。さらに、車両がいわゆるオートマチック車である場合には、さらに、変速機のギア位置を走行又は一時停止中の判定の一要素に加えることが可能である。
【0022】
また、好ましくは、前記判定手段で前記通話が許可されない場合に、前記発信の発信元に応答不能を通知する通知手段をさらに含む。このようにすれば、発信元で、例えば着信先が車両の運転により呼び出しに応答できないことを把握することが可能となる。
【0023】
また、好ましくは、前記判定手段で前記通話が許可されない場合に、前記通信端末に対し、発呼があったことを通知する手段をさらに含む。このようにすれば、通信端末の使用者(運転者)は、例えば運転中に発呼があったことを知ることができる。
【0024】
また、好ましくは、前記通信端末に係る情報を予め登録する登録手段をさらに含み、
前記発呼で特定される接続先の通信端末に係る情報が前記登録手段で登録された前記通信端末に係る情報に合致する場合に、前記判定手段が前記取得手段で取得される前記状態情報に基づいて前記判定処理を行う。
【0025】
また、好ましくは、前記判定手段は、前記通信端末からの発呼が受信された場合に、この通信端末を用いた通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定し、
前記着信制御手段は、前記判定手段で前記通話が許可されるときには前記通信端末からの発呼の着信先に対する着信処理を行い、前記通話が許可されないときには前記着信先に対する着信処理を規制する。
【0026】
このようにすれば、状態情報に基づく判定により通話が許可されない場合には、通信端末を発呼側とする通話を行うことができないので、運転者が運転中に通信端末を操作して通話を行うことを防止することができる。
【0027】
また、本発明は、上述した着信制御装置とほぼ同様の特徴を持つ通信端末に対する着信制御方法として特定することができる。すなわち、コンピュータが、
車両に係る状態を示す状態情報を取得し、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定し、
前記判定によって通話が許可される場合には、前記発呼に応じた前記通信端末への着信処理を行い、前記判定によって通話が許可されない場合には前記着信処理を規制する
ことを含む通信端末に対する着信制御方法として特定することができる。
【0028】
また、本発明は、コンピュータを上述した着信制御装置として機能させる通信端末に対する着信制御プログラムとして特定することができる。すなわち、コンピュータに、
車両に係る情報を示す状態情報を取得するステップと、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するステップと、
前記判定によって通話が許可される場合には、前記発呼に応じた前記通信端末への着信処理を行い、前記判定によって通話が許可されない場合には前記着信処理を規制するステップと
を実行させる通信端末に対する着信制御プログラムとして特定することができる。
【0029】
また、本発明は、車両に係る状態を示す状態情報を生成する生成手段と、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、前記生成手段で生成された前記状態情報をネットワークを介して提供する提供手段と
を含む前記車両に搭載された車載端末である。
【0030】
好ましくは、車載端末の前記提供手段は、定期的に、または定期的に且つ車両の状態が変化する毎に前記状態情報を前記着信制御装置に提供する。
【0031】
また、好ましくは、車載端末の前記提供手段は、前記着信制御装置からの状態情報の付与要求に対して前記状態情報を提供する。
【0032】
本発明は、車載端末の通信端末に対する着信制御用情報の提供方法として特定することも可能である。すなわち、車両に搭載される車載端末が、
前記車両に係る状態を示す状態情報を生成し、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、生成された前記状態情報をネットワークを介して提供する
ことを含む車載端末の通信端末に対する着信制御用情報の提供方法として特定することができる。
【0033】
さらに、本発明は、コンピュータを上述した車載端末として機能させるプログラムとして特定することができる。すなわち、車両に搭載される車載端末に、
前記車両に係る状態を示す状態情報を生成するステップと、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、生成された前記状態情報をネットワークを介して提供するステップと
を実行させる通信端末に対する着信制御用情報の提供プログラムとして特定することができる。
【0034】
さらに、本発明は、車両に係る状態を示す状態情報を生成する生成手段と、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、前記生成手段で生成された前記状態情報をネットワークを介して提供する提供手段と
を含む車載端末が搭載された車両として特定することも可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係る着信制御システムを図1から図7の図面に基づいて説明する。本実施の形態に係る着信制御システムは、車両内でも利用可能な移動通信端末(「移動端末」とも称する。例えば携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistance)が適用される)によるVoIP(Voice over Internet Protocol)を用いた、いわゆるインターネット電話サービスに適用される。
【0036】
〈システム構成〉
図1は、本発明の実施の形態に係る、インターネット電話サービスを提供するシステムの一例を示す概略図である。図1において、本実施の形態に係るインターネット電話サービスは、通信端末間を転送される通話データ(音声情報)をVoIP技術によりIPネットワークで転送する。このため、図1に示すように、IPネットワークには、VoIPゲート・キーパーとして通信端末間の呼制御を行うVoIPサーバ100(着信制御装置に相当)が接続されている。
【0037】
また、インターネット電話サービスを利用可能な通信端末(VoIP端末)としては、IPネットワークに接続されるIP電話機能を持つ固定端末400(パーソナルコンピュータやワークステーション等)、或いは、所定の無線アクセスネットワークを介してIPネットワークに接続可能な移動端末500が適用される。移動端末500は、走行中の車両200内での使用も想定されている。移動端末500は、固定端末400や他の移動端末500Aとの間で、VoIPサーバ100による呼制御を通じて双方向で音声通信(通話)可能に構成される。また、移動端末500は、音声通信の他、IPネットワークに接続してデータ通信を行うことも可能に構成される。
【0038】
車両200には、車両200に係る状態を示す状態情報をVoIPサーバ100に通知すべく、車載端末(車載コンピュータ)300が搭載されており、車載端末300は、所定の無線アクセスネットワークを介してIPに接続し、VoIPサーバ100と通信可能に構成されている。なお、図1では、車両200内で利用される通信端末(発着信制御対象の通信端末)の例として、移動端末500が例示されている。但し、本発明では、移動端末500の代わりに、車両200に固定的に搭載されるVoIP端末を適用することもできる。
【0039】
VoIPサーバ100は、VoIPによるインターネット電話サービスを実現するために、通信端末間の呼制御(呼接続処理及び切断処理)を行う。例えば、VoIPサーバ100は、各通信端末からの発呼要求を受け付け、この発呼に対する着信先の通信端末に対する呼び出し処理(着信信号の送信処理)を行う。VoIPサーバ100は、車両と関連する特定の通信端末に対する発呼要求を受け取った場合には、その車両の状態情報を取得し、この状態情報を参照して、発呼要求に対する着信処理を行うか否かを判定し、この判定結果に基づく着信処理を行う。図1に示す例では、VoIPサーバ100は、移動端末500に対する発呼要求を受け取った場合に、車載コンピュータである車載端末300からネットワークを介して受信する車両200の状態情報を参照して、移動端末500に対する着信処理(呼び出し)を行うか否かを判定する。このように、VoIPサーバ100は、車両の状態情報に基づく着信制御を行う着信制御サービスを行う。
【0040】
〈VoIPサーバの構成〉
次に、VoIPサーバ100の構成について説明する。図2は、VoIPサーバ100の構成例を示す図である。VoIPサーバ100は、専用のサーバマシンを用いて構成される。但し、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション(WS)等の汎用のコンピュータを適用することもできる。
【0041】
図2に示すように、VoIPサーバ100は、CPU(central processing unit)101やメインメモリ(MM)102を含み、OS(オペレーティングシステム)やアプリケーションプログラムの様々なプログラムに基づいて処理を行う、制御装置103が設けられている。
【0042】
制御装置103には、バス108を介して、記憶装置104が接続される。記憶装置104には、ハードディスク装置等の大容量記憶媒体が適用される。記憶装置104には、VoIPサーバ100が所定の機能を実現するためのに必要なOSやアプリケーションプログラムがインストールされている。アプリケーションプログラムの一つには、VoIPサーバ100が本発明に係る呼制御(着信制御)を実現するために作成された、コンピュータで実行可能な着信制御プログラムが含まれている。
【0043】
これらのプログラムは、図示しないCD−ROM等の記憶媒体に格納されてVoIPサーバ100に提供され、図2に示されるCD−ROMドライブ装置109などを通じて、記憶装置104内に実行可能な状態でインストールされる。VoIPサーバ100は、ネットワークを用いてこのプログラムを受信し、記憶装置104にインストールした後、メインメモリ102にロードしてもよい。また、VoIPサーバ100は、受信したプログラムを直接メインメモリ102にロードするものであってもよい。
【0044】
そして、CPU101が必要に応じて記憶装置104内のプログラムをMM102にロード(読み込み)し、実行することによって、本発明に係る着信制御装置が備える各手段が実現される。
【0045】
記憶装置104内には、VoIPサーバ100が呼制御(本発明に係る着信制御を含む)を実現するために必要なデータベースが設けられている。このデータベースには、着信制御サービスの提供に係る登録情報が格納される。登録情報は、着信制御サービスの提供を受ける移動端末500のアカウント情報(ユーザの識別情報(ユーザID),電話番号等),移動端末500が使用しているIPアドレスやホスト名,着信制御サービスの優先度や有効期限等の情報を含む。また、データベースには、車載端末300から受信される車両200の状態情報を格納する。但し、状態情報はMM102に直接格納されるようにしても良い。
【0046】
状態情報は、移動端末500に対する着信を許可するか否かを判定するために使用される。状態情報は、車両200に移動端末500に対するハンズフリー装置が設置されているか否かを判定するための情報と、車両200が走行中又は一時停止中であるか否かを判定するための情報とを含む。車両200が走行中又は一時停止中であるか否かを判定するための情報には、車両200のキーの状態,サイドブレーキ(パーキングブレーキ)の状態,ギアの位置,エンジンの状態(回転数等),車両の速度とその変化等を夫々示す情報を含むことができる。
【0047】
そして、本実施の形態のVoIPサーバ100は、上記の構成により、本発明の着信制御装置の機能である、車両に係る状態を示す状態情報を取得する取得手段と、前記車両の運転者により使用される通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定する判定手段と、前記判定手段によって通話が許可される場合には、前記発呼に応じた前記通信端末への着信処理を行い、前記判定手段によって通話が許可されない場合には前記着信処理を規制する着信制御手段と、前記判定手段で前記通話が許可されない場合に、前記発信の発信元に応答不能を通知する通知手段と、前記判定手段で前記通話が許可されない場合に、前記通信端末に対し、発呼があったことを通知する手段と、前記通信端末に係る情報を予め登録する登録手段とを実現する。
【0048】
〈車載端末の構成〉
次に、本発明に係る車載端末300の構成の一例について説明する。図3は、車載端末300の構成例を示す図である。車載端末300は、CPU301とメインメモリ(MM)302とを含む制御装置303が設けられている。
【0049】
制御装置303は、CPU301によって実行されるOSや各種のアプリケーションプログラムを含む様々なプログラムがインストールされるとともに、各プログラムの実行に際して利用される様々なデータを格納する記憶装置(ハードディスク等)304とバス308を介して接続される。記憶装置304に格納されるプログラムには、車載端末300がVoIPサーバ100に対して車両に係る状態情報を提供するためのプログラムが含まれている。記憶装置304に対するプログラムやデータの入手及び格納手法には、VoIPサーバ100で説明した手法と同様の手法を適用することができる。
【0050】
また、制御装置303は、バス308を介して入力手段(キー、ボタン、ポインティングデバイス等)305及び出力手段(ディスプレイ装置等)306とバス308を介して接続されている。また、制御装置303は、LANインターフェイス装置307を介して車内LAN(Local Area Network)と接続されている。
【0051】
そして、CPU301が必要に応じて記憶装置304内のプログラムをMM302にロード(読み込み)し、実行することによって、制御装置303は、VoIPサーバ100がアカウントを確認するための確認要求を送信する処理,状態情報をVoIPサーバ100が受け取るためのネットワーク情報を通知する処理,状態情報を車両200から収集する処理、状態情報をVoIPサーバ100に送信する処理等を実現する。
【0052】
アカウントの確認要求を通知する処理は、例えば次のように行われる。記憶装置304上には、車両200の運転者が使用する移動端末500のアカウント情報(ユーザ名や電話番号等)が、アカウント毎に予め登録される。運転者が複数のアカウント(移動端末)を使用する場合を想定したものである。或いは、車両200が複数人で使用(運転)されることが想定される場合には、運転者毎に1以上のアカウント情報が登録される。
【0053】
制御装置303は、車載端末300の電源が投入された場合に、車両200の運転者の確認(入力手段305から入力される運転者の識別情報を受け付ける)を行い、この運転者に対するアカウント情報が登録されているか否かを確認する。アカウント情報が登録されていれば、VoIPサーバ100がこのアカウントが登録されているか否かを確認するための確認要求を通知する。
【0054】
ネットワーク情報を通知する処理としては、VoIPサーバ100が車載端末300に車両200の状態情報を問い合わせる設定となっているときには、制御装置303は、VoIPサーバ100が車載端末300に接続(アクセス)するためのネットワーク情報(IPアドレス等。「接続情報」,「IP情報」とも表記)をVoIPサーバ100に送信する。このネットワーク情報は、例えば、上記した確認要求とともにVoIPサーバ100に通知される。
【0055】
状態情報を車両200から収集する処理は、次のように行われる。即ち、制御装置303は、車内LANを介して車両200内の様々な状態を検出する様々なセンサと接続されている。センサには、キーの状態(オンか否か(キーの位置がエンジンがかかっている状態に相当する位置(「オン」)か否か))を検出するセンサ,ハンズフリー装置の設置の有無を検出するセンサ,車速を検出するセンサ,エンジンの回転数を検出するセンサ,サイドブレーキが掛けられているか否かを検出するセンサ,変速機(トランスミッション)のギアの位置を検出するセンサ等が含まれる。制御装置303は、各センサからの出力を受け取り、これらに基づいて車両200の状態情報の生成をリアルタイムで行い、MM302又は記憶装置304に保存する。
【0056】
そして、制御装置303は、状態情報の送信処理として、生成した状態情報をVoIPサーバ100に送信する。状態情報の送信処理は、所定のタイミングで行われる。送信処理は、例えば所定間隔で定期的に行うことができる。或いは、一旦状態情報の生成及び送信を行った後、いずれかの状態種別についての状態が変化する毎に行うことができる。或いは、定期的に且つ状態が変化する毎に行うこともできる。或いは、VoIPサーバ100からの問い合わせを受信したときに生成及び送信が行われるように構成することもできる。
【0057】
このような構成により、本実施の形態の車載端末300は、上記の構成により、車両の状態を示す状態情報を生成する手段と、状態情報を着信制御装置に提供する手段とを実現する装置として機能する。
【0058】
〈第1の動作例〉
次に、上述したVoIPサーバ100及び車載端末300を含むシステムによる、通信端末500と他の通信端末(例えば、通信端末400又は500A)に対する呼接続の際における第1の動作例について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、呼接続の際におけるVoIPサーバ100,車載端末300,VoIP端末(通信端末500),発呼側VoIP端末(端末400又は500A:この例では移動端末500Aを想定)の第1の動作例を示すシーケンス図であり、図5は、第1の動作例においてVoIPサーバ100の制御装置103で実行される状態情報に基づく着信制御の判定処理の例を示すフローチャートである。
【0059】
動作の前提として、VoIPサーバ100の記憶装置104には、移動端末500に係る登録情報が予め登録される。登録情報は、上述したように、移動端末500のアカウント情報と、移動端末500が使用中のIP/ホスト名(接続情報)と、この接続情報の優先度や期限等を含むことができる。この登録情報は、図4に示す例では、移動端末500からVoIPサーバ100に通知されるようになっている。但し、登録情報は、例えば、車載端末300からVoIPサーバ100へ通知されるように構成しても良く、或いは、VoIPサーバ100の管理者がVoIPサーバ100の操作により登録するようにしても良い。
【0060】
図4に示すように、移動端末500が登録情報を通知する場合(S101)には、VoIPサーバ100は、登録情報に含まれているアカウント情報に基づいて通信端末500のアカウントを認証する(S102)。そして、アカウントの認証後、VoIPサーバ100は、移動端末500のIPネットワークに対する接続情報をデータベースに登録する(S103)。
【0061】
車載端末300は、車両200のエンジンキーのスイッチ位置が「ACC(アクセサリー:車内の電源ON)」になると起動する。そして、車載端末300は、運転者(利用者)の確認を行う。運転者の確認後、車載端末300は、IPネットワークに対する接続処理を行い、確認した運転者の使用する移動端末500のアカウントがVoIPサーバ100に登録されているか否かの確認を行うための問い合わせ(アカウント確認)と、VoIPサーバ100が車載端末300に対して状態情報を問い合わせるためのネットワーク情報(接続情報:車載端末300のIPアドレス等)とをVoIPサーバ100へ送信(通知)する(S104)。
【0062】
車載端末300からの通知を受信したVoIPサーバ100は、このアカウント確認に対して返答する(アカウント情報が登録されていることを確認し、確認の旨を車載端末300に通知する)。これにより、VoIPサーバ100において、車両200と移動端末500との関連づけが行われる。そして、VoIPサーバ100は、このアカウント確認を送信した車載端末300に対して、移動端末500に対する発呼要求時に車両200の状態情報を問い合わせるために、車載端末300のIP情報(接続情報)を登録する(S105)。
【0063】
なお、車載端末300は、VoIPサーバ100からアカウント確認に対する返答を受信した後において、電源接続中にネットワーク切断が発生した場合、或いはローミングを感知した場合には、ネットワークに対する接続処理を再度行い、新たな接続情報をVoIPサーバ100に通知する(S106)。
【0064】
他のVoIP端末(移動端末500A)から移動端末500に対する発呼要求が送信された(S107)場合、VoIPサーバ100は、発呼要求に対する着信側(着呼者)のアカウント情報を確認する(S108)。続いて、VoIPサーバは、発呼要求の接続先(着信先)を確認する(S109)。
【0065】
着呼者のアカウント及びその接続先が登録情報として予め登録されているアカウント情報及び接続情報に合致する場合には、処理がS110に進む。これに対し、着呼者のアカウントが登録情報に含まれるアカウント情報及び接続情報に合致しない場合には、通常の着信処理(着信先に対する着信信号の送信処理)が行われる。
【0066】
S110に処理が進んだ場合には、VoIPサーバ100は、車載端末300から通知された接続情報(車載端末300のIPアドレス等)が有効期限内であることを確認した上で、この接続情報を用いて、車載端末300に対し、状態情報の付与を要求する(S110)。
【0067】
車載端末300は、状態情報の付与要求をVoIPサーバ100から受信すると、状態情報を生成しVoIPサーバ100に送信する(S111)。このときの状態情報には、車両200の状態として、エンジンキーのスイッチ位置、サイドブレーキのON/OFF、変速機(ギア)の位置、エンジンの状態(例えば、回転数を検知して走行中であるか否かを判断)、速度情報とその速度情報の変化の割合(例えば、一定時間車速が0であるか否かを判断)、或いは移動端末500用のハンズフリー装置の設置の有無を含むことができる。
【0068】
VoIPサーバ100は、車載端末300から状態情報の返答の有無及び受信される状態情報の内容に基づいて通信判定処理を行う。この通信判定処理は、車両200の運転者が移動端末500からの呼び出しに応答可能な状態か否かを車両200の状態に基づいて判定する処理である(S112)。
【0069】
図5は、VoIPサーバ100(の制御装置103)による通信判定処理(S112)を示すフローチャートの一例であり、車両200が手動変速機(いわゆるマニュアル車)の場合の処理を示すフローチャートが示されている。
【0070】
VoIPサーバ100は、車載端末300から状態情報の要求に対する返答があるか否かを判定する(図5におけるステップ1120、以下S1120のように省略する)。VoIPサーバ100は、状態情報の付与要求を送信すると同時に所定時間を計時するタイマを起動させるように構成されており、タイマがタイムアウトになるまでに状態情報の返答がなかった場合(S1120;返答なし)には、通話(移動端末500に対する着信処理)を許可する(S1121)。車両200の停車により車載端末300の電源がオフにされ、車載端末300が状態情報を送信できなくなっている可能性があり、この場合には、移動端末500に呼を着信させても問題はないからである。
【0071】
S1120で車載端末300から状態情報の返答があった場合(S1120;返答あり)には、VoIPサーバ100は、状態情報を参照してハンズフリー装置の有無を判定する(S1122)。このとき、車両200にハンズフリー装置が設置されていると判定できる場合(S1122;あり)には、VoIPサーバ100は、通話を許可する(S1121)。
【0072】
S1122でハンズフリー装置が設置されていないと判定される場合(S1122;なし)には、VoIPサーバ100は、状態情報に含まれる車両200の速度情報から車速が0であるか否かを判定する(S1123)。このとき車速が0でない場合(S1123;YES)には、VoIPサーバ100は、車両200が走行中であるので、通話を不許可にする(S1124)。
【0073】
S1123で車速が0であると判定された場合(S1123;NO)には、VoIPサーバ100は、状態情報を参照して車両200のエンジン回転数が0であるか否かを判定する(S1125)。このとき、エンジン回転数が0である場合(S1125;0)には、VoIPサーバ100は、車両200が走行中でないと判定して通話を許可する(S1121)。
【0074】
S1125でエンジン回転数が0でないと判定された(S1125;>0)場合には、VoIPサーバ100は、車両200のサイドブレーキがONであるか否かを判定する(S1126)。このときサイドブレーキがONである場合には、VoIPサーバ100は、車両200が走行していないものとして、通話を許可する(S1121)。
【0075】
S1126でサイドブレーキがOFFであると判定された場合には、VoIPサーバ100は、車両200の車速が0である時間が一定時間以上であるか否かを判定する(S1127)。このとき車速が0である連続時間が一定時間以上である場合には、VoIPサーバ100は、車両200が停止していると判定して、通話を許可する(S1121)。
【0076】
S1127で車速が0である連続時間が一定時間未満である場合には、VoIPサーバ100は、車両200が信号などによる一時停止であると判断して、通信を不許可にする(S1128)。
【0077】
なお、図5に示した判定処理では、マニュアル車での一例であるため、変速機の情報による判定は行わなかったが、VoIPサーバ100は、自動変速機を持つ車両(いわゆるオートマチック車)の場合には変速機の位置がニュートラルまたはパーキングであるか否かを判定して車両200が停止しているか否かを判定してもよい。
【0078】
また、図5に示した判定処理では、キー(エンジンキー)の状態に基づく判定が省略されているが、キーの状態に基づく判定処理は、例えば次のように行われる。即ち、キーの位置が「アクセサリー」であれば、車両200のエンジンがかかっていないので、通話が許可される。これに対し、キーの位置が「オン」であれば、エンジンがかかっているので、少なくとも通話は許可されない。この場合には、他の状態(速度、エンジンの回転数等)に基づいて、通話が許可される。このようなキーの状態に基づく判定は、後述する図7のフローチャートにおいても同様である。
【0079】
図4に戻って、S112の判定処理で、車両200の運転者が運転中(車両200にハンズフリー装置が設置されてなく、且つ車両200が走行中又は一時停止中)である(通話が不許可である)と判定された場合(S113)には、VoIPサーバ100は、着信制御処理として、発呼要求に対する着信処理を行わない。即ち、VoIPサーバ100は、移動端末500に対する着信信号の送信処理を行わない。一方で、VoIPサーバ100は、発信側VoIP端末(移動端末500A)に対して移動端末500が応答不能である旨を通知する(S114)。この通知には、移動端末500のユーザが運転中のため呼び出しに応答できない旨の音声メッセージを含むことができる。
【0080】
これに対し、S112の判定処理で、車両200の運転者が運転中ではない(車両200が走行中でも一時停止中でもない)かハンズフリー装置を設置している、即ち通信を許可すると判定された場合(S115)には、VoIPサーバ100は、着信制御処理として、発呼要求に対する着信処理を行う。即ち、VoIPサーバ100は、着信信号を移動端末500に対して送信することによって、移動端末500に対する呼び出しを行う(S116)。
【0081】
移動端末500は、VoIPサーバ100からの着信信号を受信すると、着信音を出力することで、ユーザに対する呼び出しを行う。移動端末500のユーザ(運転者)は、この呼び出しに対して応答する(オフフック操作を行う)ことができる(S117)。すると、移動端末500は、着信信号に対する応答信号をVoIPサーバ100に送信する。応答信号を受信したVoIPサーバ100は、着信側の移動端末500のIPアドレスを発信側の移動端末500に転送する(S118)。
【0082】
移動端末500のIPアドレスを受信した移動端末500Aは、移動端末500との間で、VoIPによる通話を開始する(S119)。
【0083】
上記のような通話判定処理及び着信制御処理により、VoIPサーバ100は、着信側の移動端末500の運転者が車両200を運転中(車両200の走行又は一時停止中)であり、且つハンズフリー装置がないと判断できる場合には、発呼に対する着信信号(呼び出し信号)を移動端末500に送信しない。これによって、移動端末500のユーザが移動端末500からの呼び出しに応答してはならないタイミングで呼び出しがかかることを防止することができる。これによって、移動端末500のユーザ、即ち運転者は運転に集中することができ、安全に車両200を運転することができる。
【0084】
また、着信信号が移動端末500に送信されないことで、IPネットワークに対する負荷を軽減(ネットワークリソースの有効利用)を図ることができる。なお、着信信号の代わりに、発呼があったことを示すメッセージ(音声又はテキスト等)が移動端末500に送信され、移動端末500のメモリに記録され、移動端末500のユーザが停車後にそのメッセージの再生又は画面表示で発呼があったことを認識できるように構成しても良い。或いは、発呼に係る情報をVoIPサーバ100で記録し、移動端末500からの停車後の問い合わせで発呼に係る情報を転送するようにしても良い。
【0085】
一方、発呼側に着呼側が応答できない旨が通知されることによって、発呼者は移動端末500のユーザが運転中で呼び出しに応答できないことを明確に認識することができる。
【0086】
さらに、第1の動作例では、VoIPサーバ100(の制御装置103)に次のような処理を追加することができる。即ち、VoIPサーバ100は、発呼要求を受け取った場合には、この発呼要求元のアカウントを確認する。このとき、アカウントが移動端末500のアカウントであった場合には、VoIPサーバ500は、S110と同様の動作を行い、車両200の状態情報を取得する。そして、図5に示したような通話判定処理(S112と同様の動作)を行う。通話判定処理において、通話を許可すると判定される場合には、VoIPサーバ100は、発呼要求に対する着信処理、即ち着信先のVoIP端末(例えば、端末400や移動端末500A)に対して着信信号の送信処理を行う。
【0087】
これに対し、通話が不許可であると判定される場合には、VoIPサーバ100は、着信先に対する着信信号の送信処理を行わない。これによって、呼が切断され、移動端末500は通話を行うことができない。この場合、移動端末500(発呼側)に対し、運転中につき呼を切断した旨の通知(例えば「運転中の使用は控えてください」等のメッセージ)を返信することもできる。
【0088】
上記したような移動端末500からの発呼による着信が状態情報に基づいて制御されることにより、車両200が走行中又は一時停止中で且つハンズフリー装置が設置されていない場合には、移動端末500からの発呼による通話を行うことができない。これによって、運転者の運転中に移動端末500を使用することを防止することができる。特に、移動端末500を操作しても相手に繋がらないので、運転者に運転中の移動端末500を用いて発呼する気にさせない。これによって、運転者を運転に集中させることができる。
【0089】
〈第2の動作例〉
次に、上述したVoIPサーバ100及び車載端末300を含むシステムによる、第2の動作例について図6及び図7を用いて説明する。図6は、呼接続の際におけるVoIPサーバ100,車載端末300,VoIP端末(通信端末500),発呼側VoIP端末(端末400又は500A:この例では移動端末500Aを想定)の第2の動作例を示すシーケンス図であり、図7は、第2の動作例においてVoIPサーバ100の制御装置103で実行される状態情報に基づく着信制御の判定処理の例を示すフローチャートである。
【0090】
第1の動作例では、移動端末500に対する発呼要求に応じて、VoIPサーバ100が車載端末300から車両200の状態情報を取得する。これに対し、第2の動作例では、VoIPサーバ100は、アカウントの確認を行った後に車載端末300から所定時間毎に且つ車両200の状態が変化する毎に状態情報をネットワークを介して取得する。
【0091】
図6において、S201〜S203の処理は、図4に示したS101〜S103の処理と同様の処理である。
【0092】
車載端末300は、車両200のエンジンキーのスイッチ位置が「ACC(アクセサリー:車内の電源ON)」になると起動する。そして、車載端末300は、運転者(利用者)の確認を行う。運転者の確認後、車載端末300は、確認した運転者の移動端末500のアカウントがVoIPサーバ100に登録されているか否かの確認を行うための問い合わせ(アカウント確認要求)を送信する(S204)。アカウント確認要求は、運転者が複数のアカウントを持つ場合には、夫々のアカウントの確認要求を含む。
【0093】
車載端末300からアカウント確認を受信したVoIPサーバ100は、このアカウント確認要求に対して、対応するアカウントが登録されていることを夫々確認した後、その結果を返答する(S205)。
【0094】
VoIPサーバ100から返答を受信した車載端末300は、第1の動作例において説明したような内容の状態情報を生成・送信する(S206)。このような状態情報の生成・送信処理は、定期的に且つ状態が変化する毎に行われる(S207)。
【0095】
VoIPサーバ100は、車載端末300からネットワークを介して送信されてくる状態情報を受信し、S205で確認した各アカウントに対する利用者状態情報として状態情報を登録する(S208)。これによって、車両200の状態情報と移動端末500のアカウント情報とが関連づけて登録される。
【0096】
なお、状態情報は、原則として、最低一回VoIPサーバ100に提供されるように構成することもできる。但し、上記したS207の処理を行うことにより、VoIPサーバ100では、最新の状態情報を管理することができ、正確性の高い状態情報を後述する通話判定処理で使用することができる。
【0097】
ところで、VoIPサーバ100は、状態情報を受信及び更新している状態で、他のVoIP端末(例えば移動端末500A)からの移動端末500に対する発呼要求(S209)を受信した場合には、この発呼要求から着信先(着呼者)のアカウントを確認する(S210)。さらに、着呼者のアカウントに対応する接続先(着信先)を確認する(S211)。
【0098】
ここで、着呼者のアカウント及び接続先が登録情報として登録されているアカウント情報及び接続情報に合致する場合には、その接続先の確認(S211)の後、S212の通話判定処理(着呼者の状態判定)が行われる。これに対し、着呼者のアカウントが登録情報と合致しない場合には、通常の着信処理が行われる。
【0099】
S212では、VoIPサーバ100は、着呼者のアカウントに対する利用者状態情報として登録されている車両200の状態情報に基づいて、図7に示すような車両200の運転者が通信に応答可能であるか否かを判定する。
【0100】
図7は、S212の運転者(着呼者)が通信可能であるか否かの判定処理(通話判定処理)を示すフローチャートの一例であり、車両200が自動変速機を持つ車両(いわゆるオートマチック車)の場合の処理を示すフローチャートである。
【0101】
最初に、VoIPサーバ100は、利用者状態情報として登録されている最新の状態情報(最終更新データ)の有効期限が切れているか否かを判定する(S2120)。このとき、状態情報が有効期限切れである場合(S2120;期限切れ)には、VoIPサーバ100は、この移動端末500への通信を許可する(S2121)。車両200の停車により車載端末300の電源がオフにされ、車載端末300から状態情報が送信されなくなっている可能性があり、この場合には移動端末500に呼び出しをかけても問題はないからである。
【0102】
S2120で車載端末300から状態情報が有効期限内であると判定された場合には、VoIPサーバ100は、その状態情報に含まれた様々な状態から図4に示したS1122からS1126までと同様の処理をS2122からS2126で行う。従って、S2126までの判定処理の説明は省略する。
【0103】
S2126でサイドブレーキがOFFであると判定された場合には、VoIPサーバ100は、車両200の変速機の状態を判定して、変速機の位置がニュートラル(N)またはパーキング(P)であるか否かを判定して車両200が停止しているか否かを判定する(S2127)。このとき、変速機の位置が上記「N」又は「P」の位置である場合には、VoIPサーバ100は、車両200が停止しているものと判定して、通信を許可する(S2121)。
【0104】
なお、図7に示す判定処理は、オートマチック車での一例であるため、変速機の情報による判定を行ったが、VoIPサーバ100は、手動変速機を持つ車両(いわゆるマニュアル車)の場合にはS2121の判定処理は省略される。マニュアル車では、一時停止等でギアがニュートラルに入れられることが通常の操作として行われるからである。
【0105】
S2127で変速機の位置がニュートラルまたはパーキング以外であった場合(ギアの位置がD(ドライブ)/L(ロー)/R(リア)である場合)には、VoIPサーバ100は、車両200の車速が0である連続時間が一定時間以上であるか否かを判定する(S2128)。このとき車速が0である連続時間が一定時間以上である場合には、VoIPサーバ100は、車両200が停止していると判定して、通信を許可する(S2121)。
【0106】
S2128で車速が0である連続時間が一定時間未満である場合には、VoIPサーバ100は、車両200が信号などによる一時停止であると判断して、通信を不許可にする(S2129)。
【0107】
そして、このS212の判定処理で、車両200の運転者が運転中(走行中又は一時停止中)であり且つハンズフリー装置が設置されていない場合、即ち通話が不許可であると判定された場合(S213)には、VoIPサーバ100は、発信側VoIP端末(移動端末500A)に対して着信側のVoIP端末(移動端末500)が応答不能であると通知する(S214)。
【0108】
また、通話不許可の場合、VoIPサーバ100は、移動端末500に対し、着信信号(呼び出し信号)ではなく、移動端末500Aから発呼があったことを通知する(S215)。この場合、移動端末500での呼び出し処理(着信音の出力等)は行われない。もっとも、着呼者は、車両200の停車後に移動端末500Aからの発呼があったことを認識することができる。なお、通話不許可の場合に、着信側に対する信号又は情報の送信処理が何も行われないようにしても良い。
【0109】
また、S212の判定処理で、車両200の運転者が運転中(走行中又は一時停止中)ではない又はハンズフリー装置が設置されている場合、即ち通信を許可すると判定された場合(S216)には、VoIPサーバ100は、移動端末500に対して呼び出し(着信信号の送信処理)を行う(S217)。
【0110】
VoIPサーバ100から呼び出しを受けた移動端末500は、この呼び出しに対して応答する(S218)。応答を受信したVoIPサーバ100は、着信側の移動端末500のIPアドレスを発信側の移動端末500Aに転送する(S219)。
【0111】
このIPアドレスを受信した移動端末500Aは、着信側の移動端末500との間でVoIPによる通話を開始する(S220)。
【0112】
第2の動作例によれば、第1の動作例と同様に、通話が許可されない場合には、着信側の移動端末500に対する呼び出しが行われない。このため、運転者は車両200の運転に集中することができ、これによって、安全に車両200を走行させることができる。
【0113】
第2の動作例は、第1の動作例と、状態情報の生成及び送信タイミングが異なる。第2の動作例では、アカウント及び接続先の確認により、着信先が本発明の着信制御に係るものと判定できる場合には、予め登録されている最新の状態情報に基づいて直ちにその通話判定処理を行うことができる。但し、第1の動作例と比べると、車載端末300からVoIPサーバ100へ2回以上状態情報が送信されることが想定されるので、両者間の伝送データ量が増加する。
【0114】
上述した第2の動作例においても、第1の動作例と同様に、移動端末500の発呼に対して状態情報に基づく通話判定処理が行われ、通話が許可されない場合には、着信先に対する着信処理が行われない構成にすることができる。これにより、ハンズフリー装置が設置されていない場合における、運転者の車両の走行中又は一時停止中の移動端末500の発呼操作を防止することができる。
【0115】
以上説明した実施形態によれば、VoIPサーバ100、言い換えれば通話の局側で、車両200内に存する通信端末(移動端末500)に対する着信が規制される。これによって、移動端末500に対し、着信を規制するための特別な機能や構成を付加しなくて良い。従って、移動端末500は、汎用の移動端末を適用することができる。
【0116】
もっとも、図4や図6に示すように、VoIPサーバ100に対する登録情報の通知機能を移動端末500に付加することが考えられるが、このような処理は移動端末500に対し当該機能を実現するソフトウェアを搭載することで実現できる。従って、移動端末500に特殊なチップを搭載する等に比べて安価で且つ容易に実現することができる。
【0117】
また、実施形態で説明した処理により規制される対象は、移動端末500の通話(音声通信)のみであり、その規制方法も、移動端末500による電波の受信機能を停止したり、電波の受信を阻害したりするものではない。従って、着信信号が送信されないことにより通話(音声通信)が規制されても、移動端末500によるデータ通信(データの送受信)は阻害されない。このため、データの送受信は円滑に行うことができる。また、上記した着信信号を送信しない場合における着信の事実の通知は、音声でもテキスト等のデータでも円滑にVoIPサーバ100−移動端末500間で送受信することができる。
【0118】
【発明の効果】
本発明の通信端末に対する着信制御装置によれば、通信端末の使用者が車両を運転している場合に通信端末からの呼び出しがかかることを防止し、局側(網側)から車両の運転者によって使用される通信端末に対する着信制御を行い、局側(網側)で車両の状態を把握しこれに基づいて通信端末に対する着信制御を行うことができる、という優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る、インターネット電話サービスを提供するシステムの一例を示す概略図である。
【図2】本実施の形態に係る、本発明の通信端末制御プログラムを導入したVoIPサーバの概略構成図の一例である。
【図3】本実施の形態に係る、本発明の通信端末制御プログラムを導入した車載端末の概略構成図の一例である。
【図4】本実施の形態に係る、呼接続の際におけるVoIPサーバ,車載端末,VoIP端末,発呼側VoIP端末の第1の動作例を示すシーケンス図である。
【図5】第1の動作例においてVoIPサーバの制御装置で実行される状態情報に基づく着信制御の判定処理の例を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態に係る、呼接続の際におけるVoIPサーバ,車載端末,VoIP端末,発呼側VoIP端末の第2の動作例を示すシーケンス図である。
【図7】第2の動作例においてVoIPサーバの制御装置で実行される状態情報に基づく着信制御の判定処理の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 VoIPサーバ
101 CPU
102 メインメモリ
103 演算処理部
104 記憶装置
108 バス
109 CD−ROMドライブ装置
200 車両
300 車載端末
301 CPU
302 メインメモリ
303 演算処理部
304 記憶装置
305 入力手段
306 出力手段
307 LANインターフェイス装置
308 バス
309 CD−ROMドライブ装置
400 固定端末
500 移動端末
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信端末に対する着信制御に関し、特に、通信端末のユーザが運転中である場合における通信端末に対する着信制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話を車両内で利用する場合において、安全上の観点から、携帯電話に対するハンズフリー装置が設置されていない場合には、車両の運転手は携帯電話を用いて電話を掛けたり、携帯電話からの呼び出しに応じたりすることができないという規制がある。従って、運転者に対しては、以下のような利用上の制約がある。車両側の携帯電話から発信するときは、運転者は、車両を停車してから携帯電話を操作しなければならない。着信時には、車両側の携帯電話にいわゆるハンズフリー機能が備えられている場合には、運転者は、車両が走行中でも呼び出しに応じて通話が可能である。また、車両側の携帯電話に上記ハンズフリー機能が備えられていない場合には、運転者は、車両を停車してからでないと呼び出しに応じることができない。
【0003】
車両走行時の携帯電話の操作を制限する技術としては、ナビゲーション装置からの情報によって携帯型電話機の着信を制限する技術(例えば、特許文献1参照)が開示されている。また、特許文献2及び3に記載された技術がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−78009号公報
【特許文献2】
特開平10−327464号公報
【特許文献3】
特開平11−178012号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の携帯電話サービスでは、車両側でハンズフリー機能が実装されているか否か等に関係なく、局側で車両側の携帯電話(着信端末)に対する着信処理(着信信号の送信処理等)が行われていた。これは、局側では携帯電話の使用環境(車両の運転中か否か等)や使用状況(ハンズフリー機能の有無等)を伺い知ることができないからである。
【0006】
一方、特許文献1〜3には、車両側で車両の走行/停止等を判定し、走行中であれば携帯電話の着信を規制する技術が開示されている。これらは、何れも局側からの着信信号の受信を規制したり着信信号に応じた着信処理(呼び出し等)を規制したりする構成を携帯電話に付加することで実現されている。
【0007】
本発明の目的の一つは、通信端末の使用者が車両を運転している場合に通信端末からの呼び出しがかかることを防止することが可能な技術を提供することである。
【0008】
また、本発明の目的の一つは、局側(網側)から車両の運転者によって使用される通信端末に対する着信制御を行うことができる技術を提供することである。
【0009】
また、本発明の目的の一つは、局側(網側)で車両の状態を把握しこれに基づいて通信端末に対する着信制御を行うことができる技術を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
すなわち、本発明は、車両に係る状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記車両に係る通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定する判定手段と、
前記判定手段によって通話が許可される場合には、前記発呼に対する着信処理を行い、前記判定手段によって通話が許可されない場合には前記着信処理を規制する着信制御手段と
を含む通信端末に対する着信制御装置である。
【0011】
本発明において、運転者により使用される通信端末には、車両に搭載される通信端末と、車両内に持ち込まれる携帯または移動通信端末とが含まれる。また、「着信処理を規制する」とは、例えば、通信端末に対して着信信号(呼び出し信号)を送信しないことである。
【0012】
本発明による着信制御装置によれば、状態情報に基づいて通信端末に対する着信制御を行う。このため、状態情報から特定される車両の状態が運転者が通信端末の呼び出しに応答できないような状態である場合には、着信制御が規制されることで、通信端末で呼び出し処理が行われない。これによって、運転者は車両の運転に集中することができる。言い換えれば、運転者は、運転中に通信端末の呼び出しに対する応答操作を行うといった危険な行為を行わなくて済む。
【0013】
また、着信制御装置側で着信を規制することにより、通信端末は着信(呼び出し)を規制するための処理を何ら行わないで済む。言い換えれば、着信(呼び出し)を規制するために通信端末側で特別な構成を持つ必要がない。これによって、通信端末として汎用の通信端末を適用することができる。
【0014】
好ましくは、前記取得手段は、前記車両からネットワークを介して定期的に送信されてくる前記状態情報を取得し、
前記判定手段は、前記取得手段で取得された最新の状態情報に基づいて前記判定を行う。
【0015】
また、好ましくは、前記取得手段は、前記車両の状態が変化する毎に前記車両からネットワークを介して送信されてくる前記状態情報を取得する。
【0016】
また、好ましくは、前記取得手段は、前記発呼が受信された場合に、前記車両からネットワークを介して前記状態情報を取得する。
【0017】
以上のような構成によれば、着信制御装置は、車両から適宜のタイミングで判定処理に用いる状態情報を取得することができる。このように、状態情報は車両から取得することが、正確性の高い状態情報を得ることができる点で好ましい。但し、管理サーバのような管理装置が車両から状態情報を取得して管理し、着信制御装置が管理装置から状態情報を取得する構成を適用することも可能である。
【0018】
また、好ましくは、前記状態情報は、前記車両に前記通信端末に対するハンズフリー装置が設置されているか否かを判定するための情報を含み、
前記判定手段は、前記ハンズフリー装置が設置されていると判定する場合には前記通話を許可し、前記ハンズフリー装置が設置されていないと判定する場合には前記通話を許可しない。
【0019】
また、好ましくは、前記状態情報は、前記車両に前記通信端末に対するハンズフリー装置が設置されているか否かを判定するための情報と、前記車両が走行中又は一時停止中か否かを判定するための情報とを含み、
前記判定手段は、ハンズフリー装置が設置されていないと判定し且つ前記車両が走行中又は一時停止中であると判定する場合には前記通話を許可せず、ハンズフリー装置が設置されていると判定する場合、又はハンズフリー装置が設置されていないと判定し且つ前記車両が走行中でも一時停止中でもないと判定する場合には前記通話を許可する。
【0020】
また、好ましくは、前記状態情報は、前記車両が走行中又は一時停止中か否かを判定するための情報を含み、
前記判定手段は、前記車両が走行中又は一時停止中であると判定する場合には前記通話を許可せず、前記車両が走行中でも一時停止中でもないと判定する場合には前記通信を許可する。
【0021】
車両が走行中又は一時停止中か否かを判定するための情報には、エンジンキーの状態を含むことができる。エンジンキーの状態は、単独で走行又は一時停止中か否かの判定に使用することができる。その他に、走行速度,エンジンの回転数,サイドブレーキ(パーキングブレーキ),速度零の連続時間のうちの2以上を組み合わせることで、走行又は一時停止中か否かを判定することができる。さらに、車両がいわゆるオートマチック車である場合には、さらに、変速機のギア位置を走行又は一時停止中の判定の一要素に加えることが可能である。
【0022】
また、好ましくは、前記判定手段で前記通話が許可されない場合に、前記発信の発信元に応答不能を通知する通知手段をさらに含む。このようにすれば、発信元で、例えば着信先が車両の運転により呼び出しに応答できないことを把握することが可能となる。
【0023】
また、好ましくは、前記判定手段で前記通話が許可されない場合に、前記通信端末に対し、発呼があったことを通知する手段をさらに含む。このようにすれば、通信端末の使用者(運転者)は、例えば運転中に発呼があったことを知ることができる。
【0024】
また、好ましくは、前記通信端末に係る情報を予め登録する登録手段をさらに含み、
前記発呼で特定される接続先の通信端末に係る情報が前記登録手段で登録された前記通信端末に係る情報に合致する場合に、前記判定手段が前記取得手段で取得される前記状態情報に基づいて前記判定処理を行う。
【0025】
また、好ましくは、前記判定手段は、前記通信端末からの発呼が受信された場合に、この通信端末を用いた通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定し、
前記着信制御手段は、前記判定手段で前記通話が許可されるときには前記通信端末からの発呼の着信先に対する着信処理を行い、前記通話が許可されないときには前記着信先に対する着信処理を規制する。
【0026】
このようにすれば、状態情報に基づく判定により通話が許可されない場合には、通信端末を発呼側とする通話を行うことができないので、運転者が運転中に通信端末を操作して通話を行うことを防止することができる。
【0027】
また、本発明は、上述した着信制御装置とほぼ同様の特徴を持つ通信端末に対する着信制御方法として特定することができる。すなわち、コンピュータが、
車両に係る状態を示す状態情報を取得し、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定し、
前記判定によって通話が許可される場合には、前記発呼に応じた前記通信端末への着信処理を行い、前記判定によって通話が許可されない場合には前記着信処理を規制する
ことを含む通信端末に対する着信制御方法として特定することができる。
【0028】
また、本発明は、コンピュータを上述した着信制御装置として機能させる通信端末に対する着信制御プログラムとして特定することができる。すなわち、コンピュータに、
車両に係る情報を示す状態情報を取得するステップと、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するステップと、
前記判定によって通話が許可される場合には、前記発呼に応じた前記通信端末への着信処理を行い、前記判定によって通話が許可されない場合には前記着信処理を規制するステップと
を実行させる通信端末に対する着信制御プログラムとして特定することができる。
【0029】
また、本発明は、車両に係る状態を示す状態情報を生成する生成手段と、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、前記生成手段で生成された前記状態情報をネットワークを介して提供する提供手段と
を含む前記車両に搭載された車載端末である。
【0030】
好ましくは、車載端末の前記提供手段は、定期的に、または定期的に且つ車両の状態が変化する毎に前記状態情報を前記着信制御装置に提供する。
【0031】
また、好ましくは、車載端末の前記提供手段は、前記着信制御装置からの状態情報の付与要求に対して前記状態情報を提供する。
【0032】
本発明は、車載端末の通信端末に対する着信制御用情報の提供方法として特定することも可能である。すなわち、車両に搭載される車載端末が、
前記車両に係る状態を示す状態情報を生成し、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、生成された前記状態情報をネットワークを介して提供する
ことを含む車載端末の通信端末に対する着信制御用情報の提供方法として特定することができる。
【0033】
さらに、本発明は、コンピュータを上述した車載端末として機能させるプログラムとして特定することができる。すなわち、車両に搭載される車載端末に、
前記車両に係る状態を示す状態情報を生成するステップと、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、生成された前記状態情報をネットワークを介して提供するステップと
を実行させる通信端末に対する着信制御用情報の提供プログラムとして特定することができる。
【0034】
さらに、本発明は、車両に係る状態を示す状態情報を生成する生成手段と、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、前記生成手段で生成された前記状態情報をネットワークを介して提供する提供手段と
を含む車載端末が搭載された車両として特定することも可能である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係る着信制御システムを図1から図7の図面に基づいて説明する。本実施の形態に係る着信制御システムは、車両内でも利用可能な移動通信端末(「移動端末」とも称する。例えば携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistance)が適用される)によるVoIP(Voice over Internet Protocol)を用いた、いわゆるインターネット電話サービスに適用される。
【0036】
〈システム構成〉
図1は、本発明の実施の形態に係る、インターネット電話サービスを提供するシステムの一例を示す概略図である。図1において、本実施の形態に係るインターネット電話サービスは、通信端末間を転送される通話データ(音声情報)をVoIP技術によりIPネットワークで転送する。このため、図1に示すように、IPネットワークには、VoIPゲート・キーパーとして通信端末間の呼制御を行うVoIPサーバ100(着信制御装置に相当)が接続されている。
【0037】
また、インターネット電話サービスを利用可能な通信端末(VoIP端末)としては、IPネットワークに接続されるIP電話機能を持つ固定端末400(パーソナルコンピュータやワークステーション等)、或いは、所定の無線アクセスネットワークを介してIPネットワークに接続可能な移動端末500が適用される。移動端末500は、走行中の車両200内での使用も想定されている。移動端末500は、固定端末400や他の移動端末500Aとの間で、VoIPサーバ100による呼制御を通じて双方向で音声通信(通話)可能に構成される。また、移動端末500は、音声通信の他、IPネットワークに接続してデータ通信を行うことも可能に構成される。
【0038】
車両200には、車両200に係る状態を示す状態情報をVoIPサーバ100に通知すべく、車載端末(車載コンピュータ)300が搭載されており、車載端末300は、所定の無線アクセスネットワークを介してIPに接続し、VoIPサーバ100と通信可能に構成されている。なお、図1では、車両200内で利用される通信端末(発着信制御対象の通信端末)の例として、移動端末500が例示されている。但し、本発明では、移動端末500の代わりに、車両200に固定的に搭載されるVoIP端末を適用することもできる。
【0039】
VoIPサーバ100は、VoIPによるインターネット電話サービスを実現するために、通信端末間の呼制御(呼接続処理及び切断処理)を行う。例えば、VoIPサーバ100は、各通信端末からの発呼要求を受け付け、この発呼に対する着信先の通信端末に対する呼び出し処理(着信信号の送信処理)を行う。VoIPサーバ100は、車両と関連する特定の通信端末に対する発呼要求を受け取った場合には、その車両の状態情報を取得し、この状態情報を参照して、発呼要求に対する着信処理を行うか否かを判定し、この判定結果に基づく着信処理を行う。図1に示す例では、VoIPサーバ100は、移動端末500に対する発呼要求を受け取った場合に、車載コンピュータである車載端末300からネットワークを介して受信する車両200の状態情報を参照して、移動端末500に対する着信処理(呼び出し)を行うか否かを判定する。このように、VoIPサーバ100は、車両の状態情報に基づく着信制御を行う着信制御サービスを行う。
【0040】
〈VoIPサーバの構成〉
次に、VoIPサーバ100の構成について説明する。図2は、VoIPサーバ100の構成例を示す図である。VoIPサーバ100は、専用のサーバマシンを用いて構成される。但し、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション(WS)等の汎用のコンピュータを適用することもできる。
【0041】
図2に示すように、VoIPサーバ100は、CPU(central processing unit)101やメインメモリ(MM)102を含み、OS(オペレーティングシステム)やアプリケーションプログラムの様々なプログラムに基づいて処理を行う、制御装置103が設けられている。
【0042】
制御装置103には、バス108を介して、記憶装置104が接続される。記憶装置104には、ハードディスク装置等の大容量記憶媒体が適用される。記憶装置104には、VoIPサーバ100が所定の機能を実現するためのに必要なOSやアプリケーションプログラムがインストールされている。アプリケーションプログラムの一つには、VoIPサーバ100が本発明に係る呼制御(着信制御)を実現するために作成された、コンピュータで実行可能な着信制御プログラムが含まれている。
【0043】
これらのプログラムは、図示しないCD−ROM等の記憶媒体に格納されてVoIPサーバ100に提供され、図2に示されるCD−ROMドライブ装置109などを通じて、記憶装置104内に実行可能な状態でインストールされる。VoIPサーバ100は、ネットワークを用いてこのプログラムを受信し、記憶装置104にインストールした後、メインメモリ102にロードしてもよい。また、VoIPサーバ100は、受信したプログラムを直接メインメモリ102にロードするものであってもよい。
【0044】
そして、CPU101が必要に応じて記憶装置104内のプログラムをMM102にロード(読み込み)し、実行することによって、本発明に係る着信制御装置が備える各手段が実現される。
【0045】
記憶装置104内には、VoIPサーバ100が呼制御(本発明に係る着信制御を含む)を実現するために必要なデータベースが設けられている。このデータベースには、着信制御サービスの提供に係る登録情報が格納される。登録情報は、着信制御サービスの提供を受ける移動端末500のアカウント情報(ユーザの識別情報(ユーザID),電話番号等),移動端末500が使用しているIPアドレスやホスト名,着信制御サービスの優先度や有効期限等の情報を含む。また、データベースには、車載端末300から受信される車両200の状態情報を格納する。但し、状態情報はMM102に直接格納されるようにしても良い。
【0046】
状態情報は、移動端末500に対する着信を許可するか否かを判定するために使用される。状態情報は、車両200に移動端末500に対するハンズフリー装置が設置されているか否かを判定するための情報と、車両200が走行中又は一時停止中であるか否かを判定するための情報とを含む。車両200が走行中又は一時停止中であるか否かを判定するための情報には、車両200のキーの状態,サイドブレーキ(パーキングブレーキ)の状態,ギアの位置,エンジンの状態(回転数等),車両の速度とその変化等を夫々示す情報を含むことができる。
【0047】
そして、本実施の形態のVoIPサーバ100は、上記の構成により、本発明の着信制御装置の機能である、車両に係る状態を示す状態情報を取得する取得手段と、前記車両の運転者により使用される通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定する判定手段と、前記判定手段によって通話が許可される場合には、前記発呼に応じた前記通信端末への着信処理を行い、前記判定手段によって通話が許可されない場合には前記着信処理を規制する着信制御手段と、前記判定手段で前記通話が許可されない場合に、前記発信の発信元に応答不能を通知する通知手段と、前記判定手段で前記通話が許可されない場合に、前記通信端末に対し、発呼があったことを通知する手段と、前記通信端末に係る情報を予め登録する登録手段とを実現する。
【0048】
〈車載端末の構成〉
次に、本発明に係る車載端末300の構成の一例について説明する。図3は、車載端末300の構成例を示す図である。車載端末300は、CPU301とメインメモリ(MM)302とを含む制御装置303が設けられている。
【0049】
制御装置303は、CPU301によって実行されるOSや各種のアプリケーションプログラムを含む様々なプログラムがインストールされるとともに、各プログラムの実行に際して利用される様々なデータを格納する記憶装置(ハードディスク等)304とバス308を介して接続される。記憶装置304に格納されるプログラムには、車載端末300がVoIPサーバ100に対して車両に係る状態情報を提供するためのプログラムが含まれている。記憶装置304に対するプログラムやデータの入手及び格納手法には、VoIPサーバ100で説明した手法と同様の手法を適用することができる。
【0050】
また、制御装置303は、バス308を介して入力手段(キー、ボタン、ポインティングデバイス等)305及び出力手段(ディスプレイ装置等)306とバス308を介して接続されている。また、制御装置303は、LANインターフェイス装置307を介して車内LAN(Local Area Network)と接続されている。
【0051】
そして、CPU301が必要に応じて記憶装置304内のプログラムをMM302にロード(読み込み)し、実行することによって、制御装置303は、VoIPサーバ100がアカウントを確認するための確認要求を送信する処理,状態情報をVoIPサーバ100が受け取るためのネットワーク情報を通知する処理,状態情報を車両200から収集する処理、状態情報をVoIPサーバ100に送信する処理等を実現する。
【0052】
アカウントの確認要求を通知する処理は、例えば次のように行われる。記憶装置304上には、車両200の運転者が使用する移動端末500のアカウント情報(ユーザ名や電話番号等)が、アカウント毎に予め登録される。運転者が複数のアカウント(移動端末)を使用する場合を想定したものである。或いは、車両200が複数人で使用(運転)されることが想定される場合には、運転者毎に1以上のアカウント情報が登録される。
【0053】
制御装置303は、車載端末300の電源が投入された場合に、車両200の運転者の確認(入力手段305から入力される運転者の識別情報を受け付ける)を行い、この運転者に対するアカウント情報が登録されているか否かを確認する。アカウント情報が登録されていれば、VoIPサーバ100がこのアカウントが登録されているか否かを確認するための確認要求を通知する。
【0054】
ネットワーク情報を通知する処理としては、VoIPサーバ100が車載端末300に車両200の状態情報を問い合わせる設定となっているときには、制御装置303は、VoIPサーバ100が車載端末300に接続(アクセス)するためのネットワーク情報(IPアドレス等。「接続情報」,「IP情報」とも表記)をVoIPサーバ100に送信する。このネットワーク情報は、例えば、上記した確認要求とともにVoIPサーバ100に通知される。
【0055】
状態情報を車両200から収集する処理は、次のように行われる。即ち、制御装置303は、車内LANを介して車両200内の様々な状態を検出する様々なセンサと接続されている。センサには、キーの状態(オンか否か(キーの位置がエンジンがかかっている状態に相当する位置(「オン」)か否か))を検出するセンサ,ハンズフリー装置の設置の有無を検出するセンサ,車速を検出するセンサ,エンジンの回転数を検出するセンサ,サイドブレーキが掛けられているか否かを検出するセンサ,変速機(トランスミッション)のギアの位置を検出するセンサ等が含まれる。制御装置303は、各センサからの出力を受け取り、これらに基づいて車両200の状態情報の生成をリアルタイムで行い、MM302又は記憶装置304に保存する。
【0056】
そして、制御装置303は、状態情報の送信処理として、生成した状態情報をVoIPサーバ100に送信する。状態情報の送信処理は、所定のタイミングで行われる。送信処理は、例えば所定間隔で定期的に行うことができる。或いは、一旦状態情報の生成及び送信を行った後、いずれかの状態種別についての状態が変化する毎に行うことができる。或いは、定期的に且つ状態が変化する毎に行うこともできる。或いは、VoIPサーバ100からの問い合わせを受信したときに生成及び送信が行われるように構成することもできる。
【0057】
このような構成により、本実施の形態の車載端末300は、上記の構成により、車両の状態を示す状態情報を生成する手段と、状態情報を着信制御装置に提供する手段とを実現する装置として機能する。
【0058】
〈第1の動作例〉
次に、上述したVoIPサーバ100及び車載端末300を含むシステムによる、通信端末500と他の通信端末(例えば、通信端末400又は500A)に対する呼接続の際における第1の動作例について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、呼接続の際におけるVoIPサーバ100,車載端末300,VoIP端末(通信端末500),発呼側VoIP端末(端末400又は500A:この例では移動端末500Aを想定)の第1の動作例を示すシーケンス図であり、図5は、第1の動作例においてVoIPサーバ100の制御装置103で実行される状態情報に基づく着信制御の判定処理の例を示すフローチャートである。
【0059】
動作の前提として、VoIPサーバ100の記憶装置104には、移動端末500に係る登録情報が予め登録される。登録情報は、上述したように、移動端末500のアカウント情報と、移動端末500が使用中のIP/ホスト名(接続情報)と、この接続情報の優先度や期限等を含むことができる。この登録情報は、図4に示す例では、移動端末500からVoIPサーバ100に通知されるようになっている。但し、登録情報は、例えば、車載端末300からVoIPサーバ100へ通知されるように構成しても良く、或いは、VoIPサーバ100の管理者がVoIPサーバ100の操作により登録するようにしても良い。
【0060】
図4に示すように、移動端末500が登録情報を通知する場合(S101)には、VoIPサーバ100は、登録情報に含まれているアカウント情報に基づいて通信端末500のアカウントを認証する(S102)。そして、アカウントの認証後、VoIPサーバ100は、移動端末500のIPネットワークに対する接続情報をデータベースに登録する(S103)。
【0061】
車載端末300は、車両200のエンジンキーのスイッチ位置が「ACC(アクセサリー:車内の電源ON)」になると起動する。そして、車載端末300は、運転者(利用者)の確認を行う。運転者の確認後、車載端末300は、IPネットワークに対する接続処理を行い、確認した運転者の使用する移動端末500のアカウントがVoIPサーバ100に登録されているか否かの確認を行うための問い合わせ(アカウント確認)と、VoIPサーバ100が車載端末300に対して状態情報を問い合わせるためのネットワーク情報(接続情報:車載端末300のIPアドレス等)とをVoIPサーバ100へ送信(通知)する(S104)。
【0062】
車載端末300からの通知を受信したVoIPサーバ100は、このアカウント確認に対して返答する(アカウント情報が登録されていることを確認し、確認の旨を車載端末300に通知する)。これにより、VoIPサーバ100において、車両200と移動端末500との関連づけが行われる。そして、VoIPサーバ100は、このアカウント確認を送信した車載端末300に対して、移動端末500に対する発呼要求時に車両200の状態情報を問い合わせるために、車載端末300のIP情報(接続情報)を登録する(S105)。
【0063】
なお、車載端末300は、VoIPサーバ100からアカウント確認に対する返答を受信した後において、電源接続中にネットワーク切断が発生した場合、或いはローミングを感知した場合には、ネットワークに対する接続処理を再度行い、新たな接続情報をVoIPサーバ100に通知する(S106)。
【0064】
他のVoIP端末(移動端末500A)から移動端末500に対する発呼要求が送信された(S107)場合、VoIPサーバ100は、発呼要求に対する着信側(着呼者)のアカウント情報を確認する(S108)。続いて、VoIPサーバは、発呼要求の接続先(着信先)を確認する(S109)。
【0065】
着呼者のアカウント及びその接続先が登録情報として予め登録されているアカウント情報及び接続情報に合致する場合には、処理がS110に進む。これに対し、着呼者のアカウントが登録情報に含まれるアカウント情報及び接続情報に合致しない場合には、通常の着信処理(着信先に対する着信信号の送信処理)が行われる。
【0066】
S110に処理が進んだ場合には、VoIPサーバ100は、車載端末300から通知された接続情報(車載端末300のIPアドレス等)が有効期限内であることを確認した上で、この接続情報を用いて、車載端末300に対し、状態情報の付与を要求する(S110)。
【0067】
車載端末300は、状態情報の付与要求をVoIPサーバ100から受信すると、状態情報を生成しVoIPサーバ100に送信する(S111)。このときの状態情報には、車両200の状態として、エンジンキーのスイッチ位置、サイドブレーキのON/OFF、変速機(ギア)の位置、エンジンの状態(例えば、回転数を検知して走行中であるか否かを判断)、速度情報とその速度情報の変化の割合(例えば、一定時間車速が0であるか否かを判断)、或いは移動端末500用のハンズフリー装置の設置の有無を含むことができる。
【0068】
VoIPサーバ100は、車載端末300から状態情報の返答の有無及び受信される状態情報の内容に基づいて通信判定処理を行う。この通信判定処理は、車両200の運転者が移動端末500からの呼び出しに応答可能な状態か否かを車両200の状態に基づいて判定する処理である(S112)。
【0069】
図5は、VoIPサーバ100(の制御装置103)による通信判定処理(S112)を示すフローチャートの一例であり、車両200が手動変速機(いわゆるマニュアル車)の場合の処理を示すフローチャートが示されている。
【0070】
VoIPサーバ100は、車載端末300から状態情報の要求に対する返答があるか否かを判定する(図5におけるステップ1120、以下S1120のように省略する)。VoIPサーバ100は、状態情報の付与要求を送信すると同時に所定時間を計時するタイマを起動させるように構成されており、タイマがタイムアウトになるまでに状態情報の返答がなかった場合(S1120;返答なし)には、通話(移動端末500に対する着信処理)を許可する(S1121)。車両200の停車により車載端末300の電源がオフにされ、車載端末300が状態情報を送信できなくなっている可能性があり、この場合には、移動端末500に呼を着信させても問題はないからである。
【0071】
S1120で車載端末300から状態情報の返答があった場合(S1120;返答あり)には、VoIPサーバ100は、状態情報を参照してハンズフリー装置の有無を判定する(S1122)。このとき、車両200にハンズフリー装置が設置されていると判定できる場合(S1122;あり)には、VoIPサーバ100は、通話を許可する(S1121)。
【0072】
S1122でハンズフリー装置が設置されていないと判定される場合(S1122;なし)には、VoIPサーバ100は、状態情報に含まれる車両200の速度情報から車速が0であるか否かを判定する(S1123)。このとき車速が0でない場合(S1123;YES)には、VoIPサーバ100は、車両200が走行中であるので、通話を不許可にする(S1124)。
【0073】
S1123で車速が0であると判定された場合(S1123;NO)には、VoIPサーバ100は、状態情報を参照して車両200のエンジン回転数が0であるか否かを判定する(S1125)。このとき、エンジン回転数が0である場合(S1125;0)には、VoIPサーバ100は、車両200が走行中でないと判定して通話を許可する(S1121)。
【0074】
S1125でエンジン回転数が0でないと判定された(S1125;>0)場合には、VoIPサーバ100は、車両200のサイドブレーキがONであるか否かを判定する(S1126)。このときサイドブレーキがONである場合には、VoIPサーバ100は、車両200が走行していないものとして、通話を許可する(S1121)。
【0075】
S1126でサイドブレーキがOFFであると判定された場合には、VoIPサーバ100は、車両200の車速が0である時間が一定時間以上であるか否かを判定する(S1127)。このとき車速が0である連続時間が一定時間以上である場合には、VoIPサーバ100は、車両200が停止していると判定して、通話を許可する(S1121)。
【0076】
S1127で車速が0である連続時間が一定時間未満である場合には、VoIPサーバ100は、車両200が信号などによる一時停止であると判断して、通信を不許可にする(S1128)。
【0077】
なお、図5に示した判定処理では、マニュアル車での一例であるため、変速機の情報による判定は行わなかったが、VoIPサーバ100は、自動変速機を持つ車両(いわゆるオートマチック車)の場合には変速機の位置がニュートラルまたはパーキングであるか否かを判定して車両200が停止しているか否かを判定してもよい。
【0078】
また、図5に示した判定処理では、キー(エンジンキー)の状態に基づく判定が省略されているが、キーの状態に基づく判定処理は、例えば次のように行われる。即ち、キーの位置が「アクセサリー」であれば、車両200のエンジンがかかっていないので、通話が許可される。これに対し、キーの位置が「オン」であれば、エンジンがかかっているので、少なくとも通話は許可されない。この場合には、他の状態(速度、エンジンの回転数等)に基づいて、通話が許可される。このようなキーの状態に基づく判定は、後述する図7のフローチャートにおいても同様である。
【0079】
図4に戻って、S112の判定処理で、車両200の運転者が運転中(車両200にハンズフリー装置が設置されてなく、且つ車両200が走行中又は一時停止中)である(通話が不許可である)と判定された場合(S113)には、VoIPサーバ100は、着信制御処理として、発呼要求に対する着信処理を行わない。即ち、VoIPサーバ100は、移動端末500に対する着信信号の送信処理を行わない。一方で、VoIPサーバ100は、発信側VoIP端末(移動端末500A)に対して移動端末500が応答不能である旨を通知する(S114)。この通知には、移動端末500のユーザが運転中のため呼び出しに応答できない旨の音声メッセージを含むことができる。
【0080】
これに対し、S112の判定処理で、車両200の運転者が運転中ではない(車両200が走行中でも一時停止中でもない)かハンズフリー装置を設置している、即ち通信を許可すると判定された場合(S115)には、VoIPサーバ100は、着信制御処理として、発呼要求に対する着信処理を行う。即ち、VoIPサーバ100は、着信信号を移動端末500に対して送信することによって、移動端末500に対する呼び出しを行う(S116)。
【0081】
移動端末500は、VoIPサーバ100からの着信信号を受信すると、着信音を出力することで、ユーザに対する呼び出しを行う。移動端末500のユーザ(運転者)は、この呼び出しに対して応答する(オフフック操作を行う)ことができる(S117)。すると、移動端末500は、着信信号に対する応答信号をVoIPサーバ100に送信する。応答信号を受信したVoIPサーバ100は、着信側の移動端末500のIPアドレスを発信側の移動端末500に転送する(S118)。
【0082】
移動端末500のIPアドレスを受信した移動端末500Aは、移動端末500との間で、VoIPによる通話を開始する(S119)。
【0083】
上記のような通話判定処理及び着信制御処理により、VoIPサーバ100は、着信側の移動端末500の運転者が車両200を運転中(車両200の走行又は一時停止中)であり、且つハンズフリー装置がないと判断できる場合には、発呼に対する着信信号(呼び出し信号)を移動端末500に送信しない。これによって、移動端末500のユーザが移動端末500からの呼び出しに応答してはならないタイミングで呼び出しがかかることを防止することができる。これによって、移動端末500のユーザ、即ち運転者は運転に集中することができ、安全に車両200を運転することができる。
【0084】
また、着信信号が移動端末500に送信されないことで、IPネットワークに対する負荷を軽減(ネットワークリソースの有効利用)を図ることができる。なお、着信信号の代わりに、発呼があったことを示すメッセージ(音声又はテキスト等)が移動端末500に送信され、移動端末500のメモリに記録され、移動端末500のユーザが停車後にそのメッセージの再生又は画面表示で発呼があったことを認識できるように構成しても良い。或いは、発呼に係る情報をVoIPサーバ100で記録し、移動端末500からの停車後の問い合わせで発呼に係る情報を転送するようにしても良い。
【0085】
一方、発呼側に着呼側が応答できない旨が通知されることによって、発呼者は移動端末500のユーザが運転中で呼び出しに応答できないことを明確に認識することができる。
【0086】
さらに、第1の動作例では、VoIPサーバ100(の制御装置103)に次のような処理を追加することができる。即ち、VoIPサーバ100は、発呼要求を受け取った場合には、この発呼要求元のアカウントを確認する。このとき、アカウントが移動端末500のアカウントであった場合には、VoIPサーバ500は、S110と同様の動作を行い、車両200の状態情報を取得する。そして、図5に示したような通話判定処理(S112と同様の動作)を行う。通話判定処理において、通話を許可すると判定される場合には、VoIPサーバ100は、発呼要求に対する着信処理、即ち着信先のVoIP端末(例えば、端末400や移動端末500A)に対して着信信号の送信処理を行う。
【0087】
これに対し、通話が不許可であると判定される場合には、VoIPサーバ100は、着信先に対する着信信号の送信処理を行わない。これによって、呼が切断され、移動端末500は通話を行うことができない。この場合、移動端末500(発呼側)に対し、運転中につき呼を切断した旨の通知(例えば「運転中の使用は控えてください」等のメッセージ)を返信することもできる。
【0088】
上記したような移動端末500からの発呼による着信が状態情報に基づいて制御されることにより、車両200が走行中又は一時停止中で且つハンズフリー装置が設置されていない場合には、移動端末500からの発呼による通話を行うことができない。これによって、運転者の運転中に移動端末500を使用することを防止することができる。特に、移動端末500を操作しても相手に繋がらないので、運転者に運転中の移動端末500を用いて発呼する気にさせない。これによって、運転者を運転に集中させることができる。
【0089】
〈第2の動作例〉
次に、上述したVoIPサーバ100及び車載端末300を含むシステムによる、第2の動作例について図6及び図7を用いて説明する。図6は、呼接続の際におけるVoIPサーバ100,車載端末300,VoIP端末(通信端末500),発呼側VoIP端末(端末400又は500A:この例では移動端末500Aを想定)の第2の動作例を示すシーケンス図であり、図7は、第2の動作例においてVoIPサーバ100の制御装置103で実行される状態情報に基づく着信制御の判定処理の例を示すフローチャートである。
【0090】
第1の動作例では、移動端末500に対する発呼要求に応じて、VoIPサーバ100が車載端末300から車両200の状態情報を取得する。これに対し、第2の動作例では、VoIPサーバ100は、アカウントの確認を行った後に車載端末300から所定時間毎に且つ車両200の状態が変化する毎に状態情報をネットワークを介して取得する。
【0091】
図6において、S201〜S203の処理は、図4に示したS101〜S103の処理と同様の処理である。
【0092】
車載端末300は、車両200のエンジンキーのスイッチ位置が「ACC(アクセサリー:車内の電源ON)」になると起動する。そして、車載端末300は、運転者(利用者)の確認を行う。運転者の確認後、車載端末300は、確認した運転者の移動端末500のアカウントがVoIPサーバ100に登録されているか否かの確認を行うための問い合わせ(アカウント確認要求)を送信する(S204)。アカウント確認要求は、運転者が複数のアカウントを持つ場合には、夫々のアカウントの確認要求を含む。
【0093】
車載端末300からアカウント確認を受信したVoIPサーバ100は、このアカウント確認要求に対して、対応するアカウントが登録されていることを夫々確認した後、その結果を返答する(S205)。
【0094】
VoIPサーバ100から返答を受信した車載端末300は、第1の動作例において説明したような内容の状態情報を生成・送信する(S206)。このような状態情報の生成・送信処理は、定期的に且つ状態が変化する毎に行われる(S207)。
【0095】
VoIPサーバ100は、車載端末300からネットワークを介して送信されてくる状態情報を受信し、S205で確認した各アカウントに対する利用者状態情報として状態情報を登録する(S208)。これによって、車両200の状態情報と移動端末500のアカウント情報とが関連づけて登録される。
【0096】
なお、状態情報は、原則として、最低一回VoIPサーバ100に提供されるように構成することもできる。但し、上記したS207の処理を行うことにより、VoIPサーバ100では、最新の状態情報を管理することができ、正確性の高い状態情報を後述する通話判定処理で使用することができる。
【0097】
ところで、VoIPサーバ100は、状態情報を受信及び更新している状態で、他のVoIP端末(例えば移動端末500A)からの移動端末500に対する発呼要求(S209)を受信した場合には、この発呼要求から着信先(着呼者)のアカウントを確認する(S210)。さらに、着呼者のアカウントに対応する接続先(着信先)を確認する(S211)。
【0098】
ここで、着呼者のアカウント及び接続先が登録情報として登録されているアカウント情報及び接続情報に合致する場合には、その接続先の確認(S211)の後、S212の通話判定処理(着呼者の状態判定)が行われる。これに対し、着呼者のアカウントが登録情報と合致しない場合には、通常の着信処理が行われる。
【0099】
S212では、VoIPサーバ100は、着呼者のアカウントに対する利用者状態情報として登録されている車両200の状態情報に基づいて、図7に示すような車両200の運転者が通信に応答可能であるか否かを判定する。
【0100】
図7は、S212の運転者(着呼者)が通信可能であるか否かの判定処理(通話判定処理)を示すフローチャートの一例であり、車両200が自動変速機を持つ車両(いわゆるオートマチック車)の場合の処理を示すフローチャートである。
【0101】
最初に、VoIPサーバ100は、利用者状態情報として登録されている最新の状態情報(最終更新データ)の有効期限が切れているか否かを判定する(S2120)。このとき、状態情報が有効期限切れである場合(S2120;期限切れ)には、VoIPサーバ100は、この移動端末500への通信を許可する(S2121)。車両200の停車により車載端末300の電源がオフにされ、車載端末300から状態情報が送信されなくなっている可能性があり、この場合には移動端末500に呼び出しをかけても問題はないからである。
【0102】
S2120で車載端末300から状態情報が有効期限内であると判定された場合には、VoIPサーバ100は、その状態情報に含まれた様々な状態から図4に示したS1122からS1126までと同様の処理をS2122からS2126で行う。従って、S2126までの判定処理の説明は省略する。
【0103】
S2126でサイドブレーキがOFFであると判定された場合には、VoIPサーバ100は、車両200の変速機の状態を判定して、変速機の位置がニュートラル(N)またはパーキング(P)であるか否かを判定して車両200が停止しているか否かを判定する(S2127)。このとき、変速機の位置が上記「N」又は「P」の位置である場合には、VoIPサーバ100は、車両200が停止しているものと判定して、通信を許可する(S2121)。
【0104】
なお、図7に示す判定処理は、オートマチック車での一例であるため、変速機の情報による判定を行ったが、VoIPサーバ100は、手動変速機を持つ車両(いわゆるマニュアル車)の場合にはS2121の判定処理は省略される。マニュアル車では、一時停止等でギアがニュートラルに入れられることが通常の操作として行われるからである。
【0105】
S2127で変速機の位置がニュートラルまたはパーキング以外であった場合(ギアの位置がD(ドライブ)/L(ロー)/R(リア)である場合)には、VoIPサーバ100は、車両200の車速が0である連続時間が一定時間以上であるか否かを判定する(S2128)。このとき車速が0である連続時間が一定時間以上である場合には、VoIPサーバ100は、車両200が停止していると判定して、通信を許可する(S2121)。
【0106】
S2128で車速が0である連続時間が一定時間未満である場合には、VoIPサーバ100は、車両200が信号などによる一時停止であると判断して、通信を不許可にする(S2129)。
【0107】
そして、このS212の判定処理で、車両200の運転者が運転中(走行中又は一時停止中)であり且つハンズフリー装置が設置されていない場合、即ち通話が不許可であると判定された場合(S213)には、VoIPサーバ100は、発信側VoIP端末(移動端末500A)に対して着信側のVoIP端末(移動端末500)が応答不能であると通知する(S214)。
【0108】
また、通話不許可の場合、VoIPサーバ100は、移動端末500に対し、着信信号(呼び出し信号)ではなく、移動端末500Aから発呼があったことを通知する(S215)。この場合、移動端末500での呼び出し処理(着信音の出力等)は行われない。もっとも、着呼者は、車両200の停車後に移動端末500Aからの発呼があったことを認識することができる。なお、通話不許可の場合に、着信側に対する信号又は情報の送信処理が何も行われないようにしても良い。
【0109】
また、S212の判定処理で、車両200の運転者が運転中(走行中又は一時停止中)ではない又はハンズフリー装置が設置されている場合、即ち通信を許可すると判定された場合(S216)には、VoIPサーバ100は、移動端末500に対して呼び出し(着信信号の送信処理)を行う(S217)。
【0110】
VoIPサーバ100から呼び出しを受けた移動端末500は、この呼び出しに対して応答する(S218)。応答を受信したVoIPサーバ100は、着信側の移動端末500のIPアドレスを発信側の移動端末500Aに転送する(S219)。
【0111】
このIPアドレスを受信した移動端末500Aは、着信側の移動端末500との間でVoIPによる通話を開始する(S220)。
【0112】
第2の動作例によれば、第1の動作例と同様に、通話が許可されない場合には、着信側の移動端末500に対する呼び出しが行われない。このため、運転者は車両200の運転に集中することができ、これによって、安全に車両200を走行させることができる。
【0113】
第2の動作例は、第1の動作例と、状態情報の生成及び送信タイミングが異なる。第2の動作例では、アカウント及び接続先の確認により、着信先が本発明の着信制御に係るものと判定できる場合には、予め登録されている最新の状態情報に基づいて直ちにその通話判定処理を行うことができる。但し、第1の動作例と比べると、車載端末300からVoIPサーバ100へ2回以上状態情報が送信されることが想定されるので、両者間の伝送データ量が増加する。
【0114】
上述した第2の動作例においても、第1の動作例と同様に、移動端末500の発呼に対して状態情報に基づく通話判定処理が行われ、通話が許可されない場合には、着信先に対する着信処理が行われない構成にすることができる。これにより、ハンズフリー装置が設置されていない場合における、運転者の車両の走行中又は一時停止中の移動端末500の発呼操作を防止することができる。
【0115】
以上説明した実施形態によれば、VoIPサーバ100、言い換えれば通話の局側で、車両200内に存する通信端末(移動端末500)に対する着信が規制される。これによって、移動端末500に対し、着信を規制するための特別な機能や構成を付加しなくて良い。従って、移動端末500は、汎用の移動端末を適用することができる。
【0116】
もっとも、図4や図6に示すように、VoIPサーバ100に対する登録情報の通知機能を移動端末500に付加することが考えられるが、このような処理は移動端末500に対し当該機能を実現するソフトウェアを搭載することで実現できる。従って、移動端末500に特殊なチップを搭載する等に比べて安価で且つ容易に実現することができる。
【0117】
また、実施形態で説明した処理により規制される対象は、移動端末500の通話(音声通信)のみであり、その規制方法も、移動端末500による電波の受信機能を停止したり、電波の受信を阻害したりするものではない。従って、着信信号が送信されないことにより通話(音声通信)が規制されても、移動端末500によるデータ通信(データの送受信)は阻害されない。このため、データの送受信は円滑に行うことができる。また、上記した着信信号を送信しない場合における着信の事実の通知は、音声でもテキスト等のデータでも円滑にVoIPサーバ100−移動端末500間で送受信することができる。
【0118】
【発明の効果】
本発明の通信端末に対する着信制御装置によれば、通信端末の使用者が車両を運転している場合に通信端末からの呼び出しがかかることを防止し、局側(網側)から車両の運転者によって使用される通信端末に対する着信制御を行い、局側(網側)で車両の状態を把握しこれに基づいて通信端末に対する着信制御を行うことができる、という優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る、インターネット電話サービスを提供するシステムの一例を示す概略図である。
【図2】本実施の形態に係る、本発明の通信端末制御プログラムを導入したVoIPサーバの概略構成図の一例である。
【図3】本実施の形態に係る、本発明の通信端末制御プログラムを導入した車載端末の概略構成図の一例である。
【図4】本実施の形態に係る、呼接続の際におけるVoIPサーバ,車載端末,VoIP端末,発呼側VoIP端末の第1の動作例を示すシーケンス図である。
【図5】第1の動作例においてVoIPサーバの制御装置で実行される状態情報に基づく着信制御の判定処理の例を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態に係る、呼接続の際におけるVoIPサーバ,車載端末,VoIP端末,発呼側VoIP端末の第2の動作例を示すシーケンス図である。
【図7】第2の動作例においてVoIPサーバの制御装置で実行される状態情報に基づく着信制御の判定処理の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 VoIPサーバ
101 CPU
102 メインメモリ
103 演算処理部
104 記憶装置
108 バス
109 CD−ROMドライブ装置
200 車両
300 車載端末
301 CPU
302 メインメモリ
303 演算処理部
304 記憶装置
305 入力手段
306 出力手段
307 LANインターフェイス装置
308 バス
309 CD−ROMドライブ装置
400 固定端末
500 移動端末
Claims (19)
- 車両に係る状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記車両の運転者により使用される通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定する判定手段と、
前記判定手段によって通話が許可される場合には、前記発呼に応じた前記通信端末への着信処理を行い、前記判定手段によって通話が許可されない場合には前記着信処理を規制する着信制御手段と
を含む通信端末に対する着信制御装置。 - 前記取得手段は、前記車両からネットワークを介して定期的に送信されてくる前記状態情報を取得し、
前記判定手段は、前記取得手段で取得された最新の状態情報に基づいて前記判定を行う
請求項1記載の通信端末に対する着信制御装置。 - 前記取得手段は、前記車両の状態が変化する毎に前記車両からネットワークを介して送信されてくる前記状態情報を取得する
請求項1又は2記載の通信端末に対する着信制御装置。 - 前記取得手段は、前記発呼が受信された場合に、前記車両からネットワークを介して前記状態情報を取得する
請求項1〜3のいずれかに記載の通信端末に対する着信制御装置。 - 前記状態情報は、前記車両に前記通信端末に対するハンズフリー装置が設置されているか否かを判定するための情報を含み、
前記判定手段は、前記ハンズフリー装置が設置されていると判定する場合には前記通話を許可し、前記ハンズフリー装置が設置されていないと判定する場合には前記通話を許可しない
請求項1〜4のいずれかに記載の通信端末に対する着信制御装置。 - 前記状態情報は、前記車両に前記通信端末に対するハンズフリー装置が設置されているか否かを判定するための情報と、前記車両が走行中又は一時停止中か否かを判定するための情報とを含み、
前記判定手段は、ハンズフリー装置が設置されていないと判定し且つ前記車両が走行中又は一時停止中であると判定する場合には前記通話を許可せず、ハンズフリー装置が設置されていると判定する場合、又はハンズフリー装置が設置されていないと判定し且つ前記車両が走行中でも一時停止中でもないと判定する場合には前記通話を許可する
請求項1〜4のいずれかに記載の通信端末に対する着信制御装置。 - 前記状態情報は、前記車両が走行中又は一時停止中か否かを判定するための情報を含み、
前記判定手段は、前記車両が走行中又は一時停止中であると判定する場合には前記通話を許可せず、前記車両が走行中でも一時停止中でもないと判定する場合には前記通信を許可する
請求項1〜4のいずれかに記載の通信端末に対する着信制御装置。 - 前記判定手段で前記通話が許可されない場合に、前記発信の発信元に応答不能を通知する通知手段をさらに含む
請求項1〜7のいずれかに記載の通信端末に対する着信制御装置。 - 前記判定手段で前記通話が許可されない場合に、前記通信端末に対し、発呼があったことを通知する手段をさらに含む
請求項1〜8のいずれかに記載の通信端末に対する着信制御装置。 - 前記通信端末に係る情報を予め登録する登録手段をさらに含み、
前記発呼で特定される接続先の通信端末に係る情報が前記登録手段で登録された前記通信端末に係る情報に合致する場合に、前記判定手段が前記取得手段で取得される前記状態情報に基づいて前記判定処理を行う
請求項1〜9のいずれかに記載の通信端末に対する着信制御装置。 - 前記判定手段は、前記通信端末からの発呼が受信された場合に、この通信端末を用いた通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定し、
前記着信制御手段は、前記判定手段で前記通話が許可されるときには前記通信端末からの発呼の着信先に対する着信処理を行い、前記通話が許可されないときには前記着信先に対する着信処理を規制する
請求項1〜10のいずれかに記載の通信端末に対する着信制御装置。 - コンピュータが、
車両に係る状態を示す状態情報を取得し、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定し、
前記判定によって通話が許可される場合には、前記発呼に応じた前記通信端末への着信処理を行い、前記判定によって通話が許可されない場合には前記着信処理を規制する
ことを含む通信端末に対する着信制御方法。 - コンピュータに、
車両に係る情報を示す状態情報を取得するステップと、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するステップと、
前記判定によって通話が許可される場合には、前記発呼に応じた前記通信端末への着信処理を行い、前記判定によって通話が許可されない場合には前記着信処理を規制するステップと
を実行させる通信端末に対する着信制御プログラム。 - 車両に係る状態を示す状態情報を生成する生成手段と、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、前記生成手段で生成された前記状態情報をネットワークを介して提供する提供手段と
を含む前記車両に搭載された車載端末。 - 前記提供手段は、定期的に、または定期的に且つ車両の状態が変化する毎に前記状態情報を前記着信制御装置に提供する
請求項14に記載の車載端末。 - 前記提供手段は、前記着信制御装置からの状態情報の付与要求に対して前記状態情報を提供する
請求項14に記載の車載端末。 - 車両に搭載される車載端末が、
前記車両に係る状態を示す状態情報を生成し、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、生成された前記状態情報をネットワークを介して提供する
ことを含む車載端末の通信端末に対する着信制御用情報の提供方法。 - 車両に搭載される車載端末に、
前記車両に係る状態を示す状態情報を生成するステップと、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、生成された前記状態情報をネットワークを介して提供するステップと
を実行させる通信端末に対する着信制御用情報の提供プログラム。 - 車両に係る状態を示す状態情報を生成する生成手段と、
前記車両の運転者により使用される通信端末に対する着信を制御する着信制御装置に対し、この着信制御装置が前記通信端末を着信先とする発呼に対し、この発呼に基づく通話を許可するか否かを前記状態情報に基づいて判定するために、前記生成手段で生成された前記状態情報をネットワークを介して提供する提供手段と
を含む車載端末が搭載された車両。
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