JP2005011895A - Led駆動回路 - Google Patents
Led駆動回路 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005011895A JP2005011895A JP2003172298A JP2003172298A JP2005011895A JP 2005011895 A JP2005011895 A JP 2005011895A JP 2003172298 A JP2003172298 A JP 2003172298A JP 2003172298 A JP2003172298 A JP 2003172298A JP 2005011895 A JP2005011895 A JP 2005011895A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- led
- circuit
- battery
- resistor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Led Devices (AREA)
Abstract
【課題】電力消費を低減できるとともに、LEDの輝度を一定に制御することができるLED駆動回路を提供する。
【解決手段】白色LED3を流れる電流は、定電流となるように定電流回路4によって制御される。制御回路6は、白色LED3に流れる電流の大きさに基づいて、昇圧回路2による昇圧動作が必要であるか否かを検知する。そして、昇圧回路2は、リチウムイオン電池1の電池電圧のみでは白色LED3を駆動させることができない場合にのみ昇圧動作を行い、リチウムイオン電池1の電池電圧によって白色LED3を駆動させることができる場合には昇圧動作を行わない。これによって、昇圧動作を必要最小限に抑えることができるので、昇圧動作による変換ロスを最小限に抑えることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】白色LED3を流れる電流は、定電流となるように定電流回路4によって制御される。制御回路6は、白色LED3に流れる電流の大きさに基づいて、昇圧回路2による昇圧動作が必要であるか否かを検知する。そして、昇圧回路2は、リチウムイオン電池1の電池電圧のみでは白色LED3を駆動させることができない場合にのみ昇圧動作を行い、リチウムイオン電池1の電池電圧によって白色LED3を駆動させることができる場合には昇圧動作を行わない。これによって、昇圧動作を必要最小限に抑えることができるので、昇圧動作による変換ロスを最小限に抑えることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LED駆動回路に関し、より特定的には、LEDを定電流で駆動するLED駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のLED駆動回路を示す図である。図5において、LED駆動回路は、リチウムイオン電池91と、昇圧回路92と、白色LED93と、定電流回路94と、抵抗95とを備える。昇圧回路92は、リチウムイオン電池91の電圧を、白色LED93を駆動可能な電圧に昇圧する。一般的なLED駆動回路では、白色LED93を駆動するのに必要な電圧がリチウムイオン電池91の電圧では足りない場合があるので、昇圧回路92が用いられる。昇圧回路92の具体例としては、チャージポンプ回路が考えられる。定電流回路94は、白色LED93に流れる電流が一定となるように制御にする。白色LED93が例えば表示装置のバックライトやフロントライトとして用いられる場合には、白色LED93の輝度を一定とする必要があるので、定電流回路94が用いられる。具体的には、定電流回路94は、基準電源941と、差動増幅器942と、MOS−FET943とを備えている。差動増幅器942は、基準電源941の電圧Vrefと抵抗95の電圧Vaとの差電圧を増幅し、Vref=VaとなるようにMOS−FET943のゲート電圧を制御する。
【0003】
また、多数のLEDを駆動させる回路としては、次のような回路も考えられている。図6は、複数のLEDを駆動させる場合における従来のLED駆動回路を示す図である。図6において、LED駆動回路は、リチウムイオン電池91と、昇圧回路92と、白色LED93と、抵抗95と、比較器96と、基準電源97とを備えている。なお、図6では、図面を見やすくするため、LEDを1個として示している。比較器96は、基準電源97の電圧Vrefと抵抗95の電圧Vaとを比較し、VrefがVaよりも大きい場合、出力がHIGHレベル(以下、“H”と記す。)となる。一方、VrefがVaよりも小さい場合、出力がLOWレベル(以下、“L”と記す。)となる。昇圧回路92は、比較器96からの出力が“H”の場合に昇圧動作を行い、比較器96からの出力が“L”の場合には昇圧動作を行わない。抵抗95の大きさをRとすれば、昇圧回路92は、白色LED93に流れる電流がVref/Rよりも小さい場合に昇圧動作を行い、白色LED93に流れる電流がVref/Rよりも大きい場合には昇圧動作を行わない。従って、昇圧回路92は、白色LED93に所定の電流(Vref/R)が流れるように制御されることとなる。この結果、白色LED93の輝度を一定に維持することができる。
【0004】
【特許文献1】
特許第3284128号明細書(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、例えば表示装置のバックライトやフロントライトに用いるLEDを駆動させる場合、従来では、明るさを保証するために複数のLEDが用いられていた。しかし、携帯ゲーム機や携帯電話等の携帯機器では電池が電源として用いられるため、電力消費を低減することが重要である。例えば携帯機器の表示装置にLEDを用いる場合には、このような電力消費低減の観点から、LEDの数を減らし、1個のみのLEDを用いることが考えられる。
【0006】
例えば、リチウムイオン電池によって1個の白色LEDを駆動させる場合を考える。リチウムイオン電池の電圧は、残容量に応じて変動し、4.2〜3.0(V)程度である。また、白色LEDの駆動に必要な電圧、すなわち、順方向電圧降下は3.3〜4.0(V)程度である(現在実用化されているGaN系の白色LEDの場合)。この例の場合、リチウムイオン電池の電圧は、残容量に応じて白色LEDの順方向電圧降下を含む範囲で変動する。すなわち、電池の残容量によって、電池電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも高い場合と低い場合とが生じる。電池電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも高い場合には、上記図5および図6のような昇圧回路が必要でないことがわかる。
【0007】
しかし、図5に示す回路では、たとえ単一の白色LEDを駆動させる場合であっても、昇圧回路92は常に動作する。つまり、図5に示す回路では、必要でない場合(電池電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも高い場合)にも昇圧回路が動作していることとなる。従って、昇圧回路において電池電圧を昇圧する際に生じる変換ロスが絶えず発生することとなり、電力を無駄に消費していることとなる。
【0008】
また、図6に示す回路では、単一のLEDを駆動させる場合のような、電池電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも高い場合を想定していない。従って、電池電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも高い場合には、昇圧回路の動作は停止するが、白色LEDに過大な電流が流れてしまう。従って、白色LEDの輝度を一定に維持することができない。さらに、過大な電流が流れるので、無駄な電力を消費してしまうことになる。
【0009】
それゆえ、本発明の目的は、電力消費を低減できるとともに、LEDの輝度を一定に制御することができるLED駆動回路を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。すなわち、請求項1に記載の発明は、電池(1)によってLED(3)を駆動するLED駆動回路であって、定電流回路(4)と、抵抗(5)と、電池と、昇圧回路(2)と、制御回路(6)とを備えている。定電流回路は、LEDの上流または下流に挿入され、LEDを流れる電流が所定の目標値となるように制御する。抵抗は、LEDの下流かつ定電流回路の下流に接続される。電池は、所定電圧の値を含む範囲で電圧が残容量に応じて変動する。ここで、所定電圧とは、LEDの順方向電圧降下と、所定の目標値となる場合における定電流回路の駆動電圧と、所定の目標値となる場合における抵抗の両端の電圧との和電圧である。昇圧回路は、電池とLEDとの間に接続され、内部に有するスイッチ(22)がオンになった場合、電池電圧を所定電圧以上の大きさに昇圧して出力する。また、昇圧回路は、当該スイッチがオフの場合、当該電池電圧をそのまま出力する。制御回路は、定電流回路に接続され、電池電圧と所定電圧との大小関係を検知して、電池電圧が所定電圧よりも小さくなった場合のみ、昇圧回路のスイッチをオンにする。
【0011】
上記によれば、制御回路は、時間経過に従って電池電圧が低下した結果、所定電圧よりも電池電圧が低くなったことを検知する。そして、所定電圧よりも電池電圧が低くなった場合、つまり、昇圧回路を動作させる必要が生じた場合にのみ、昇圧回路による昇圧動作が行われる。従って、昇圧回路を常に動作させる場合に比べて、昇圧動作による変換ロスを減少させることができる。それゆえ、LED駆動回路の電力消費を低減することができる。また、昇圧動作が行われているか否かにかかわらず、定電流回路によってLEDの輝度を一定に制御することができる。
【0012】
なお、LEDは例えばGaN系の白色LEDであり、電池は例えばリチウムイオン電池であってもよい。GaN系の白色LEDは、順方向電圧降下がおおよそ3.3〜4.0(V)程度である。また、リチウムイオン電池の電池電圧は、残容量の減少に従っておおよそ4.2〜3.0(V)程度に減少していく。定電流回路の駆動電圧や抵抗の両端の電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも十分小さい(一般的には、数百mV)ことを考えると、GaN系の白色LEDおよびリチウムイオン電池を用いる場合には、リチウムイオン電池の残容量に応じて、リチウムイオン電池の電圧で白色LEDを定電流で駆動させることができる状態とできない状態が生じることがわかる。つまり、GaN系の白色LEDおよびリチウムイオン電池を用いる場合には、昇圧回路を動作させる必要がある状態とその必要がない状態が生じる。本発明は、これらの状態が生じる場合に、昇圧回路を必要に応じて動作させることができる。従って、GaN系の白色LEDおよびリチウムイオン電池を用いる場合には、本発明が特に有効である。
【0013】
また、定電流回路は、トランジスタ(43)と、差動増幅器(42)とを含む構成であってもよい。トランジスタは、LEDに流れる電流の大きさを調整可能となるように導通電極(バイポーラトランジスタでは、エミッタおよびコレクタ。FETでは、ソースおよびドレイン。)が接続される。具体的には、定電流回路がLEDの上流に接続される場合には、2つの導通電極の一方が昇圧回路の下流側に接続され、他方がLEDの上流側に接続される。また、定電流回路がLEDの下流に接続される場合には、2つの導通電極の一方がLEDの下流側に接続され、他方が抵抗の上流側に接続される。差動増幅器は、トランジスタの制御電極に出力端が接続され、抵抗の両端の電圧に基づいてLEDに流れる電流の大きさを制御する。制御回路は、差動増幅器の出力端の電圧に基づいて、電池電圧と所定電圧との大小関係を検知する。
【0014】
上記によれば、差動増幅器の出力端の電圧が検知される。ここで、差動増幅器の出力端の電圧は、LEDに流れる電流の大きさによって変化する。さらに、LEDに流れる電流は、電池電圧が所定電圧よりも低下した場合に減少する。従って、差動増幅器の出力端の電圧を検知することによって、電池電圧と所定電圧との大小関係を容易に検知することができる。
【0015】
なお、差動増幅器の出力端の電圧を検知する場合には、定電流回路は、第1の基準電源(41)をさらに含んでいてもよい。第1の基準電源は、所定の目標値となる場合における抵抗の両端の電圧と等しい第1の基準電圧を発生する。このとき、差動増幅器は、第1の基準電源の正極側および抵抗の上流側に入力端が接続される。また、制御回路は、第2の基準電源(62)と、比較器(61)とを含む。第2の基準電源は、第2の基準電圧を発生する。第2の基準電圧は、抵抗の両端の電圧が第1の基準電圧と等しくなる場合における差動増幅器の出力電圧よりも大きく、かつ、抵抗の両端の電圧が第1の基準電圧よりも小さくなる場合における差動増幅器の出力電圧よりも小さい電圧値である。比較器は、第2の基準電源の正極側および差動増幅器の出力端に入力端が接続され、スイッチに出力端が接続される。さらに、比較器は、差動増幅器の出力端の電圧が第2の基準電圧よりも大きい場合、スイッチをオンにする信号を出力する。上記の構成によって、差動増幅器の出力端の電圧に応じて、昇圧回路のオン/オフを制御することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係るLED駆動回路を示す図である。図1において、LED駆動回路は、1セルのリチウムイオン電池1と、昇圧回路2と、白色LED3と、定電流回路4と、抵抗5と、制御回路6とを備える。昇圧回路2は、リチウムイオン電池1と白色LED3との間に接続される。定電流回路4は、白色LED3の下流に挿入される。抵抗5は、白色LED3および定電流回路4の下流に接続される。制御回路6は、定電流回路4に接続される。なお、他の実施の形態では、定電流回路4は、白色LED3の上流側に挿入されていてもよい。
【0017】
まず、LED駆動回路の概要を説明する。リチウムイオン電池1は、昇圧回路2を介して白色LED3に接続されており、白色LED3を駆動させる。白色LED3を流れる電流は、定電流となるように定電流回路4によって制御される。これによって、白色LED3の輝度が一定となるように制御することができる。制御回路6は、白色LED3に流れる電流の大きさに基づいて、昇圧回路2による昇圧動作が必要であるか否かを検知する。そして、昇圧動作が必要である場合にのみ、昇圧回路2に昇圧動作を行わせる。昇圧動作が必要な場合とは、リチウムイオン電池1の電池電圧のみでは白色LED3を駆動させることができない場合である。つまり、昇圧回路2は、リチウムイオン電池1の電池電圧のみでは白色LED3を駆動させることができない場合にのみ昇圧動作を行い、リチウムイオン電池1の電池電圧によって白色LED3を駆動させることができる場合には昇圧動作を行わない。これによって、昇圧動作を必要最小限に抑えることができるので、昇圧動作による変換ロスを最小限に抑えることができる。以上のように、本実施形態に係るLED駆動回路は、LEDに流れる電流を一定にするとともに、電力消費の低減を図るものである。以下、各部の詳細を説明する。
【0018】
本実施形態では、1セルのリチウムイオン電池1が用いられる。リチウムイオン電池1は、残容量に応じて電圧が変動する。つまり、リチウムイオン電池1を使用していると、時間経過に応じて次第に電池電圧が低下していく。本実施形態では、リチウムイオン電池1の電池電圧は、4.2(V)から3.0(V)程度にまで低下していくものとする。一方、白色LED3は、GaN系の白色LEDとする。一般的に、GaN系の白色LEDの順方向電圧降下は、3.3〜4.0(V)程度である。ここでは、白色LED3の順方向電圧降下を3.6(V)であるとする。
【0019】
昇圧回路2は、内部にスイッチを有しており、当該スイッチがオンになった場合にリチウムイオン電池1の電池電圧を昇圧して出力する。具体的には、昇圧回路2は、クロック発生回路21(図1では“CLOCK”と示す。)と、ANDゲート22と、コンデンサ23および27と、コイル24と、MOS−FET25と、ダイオード26とを備える。コンデンサ23は、リチウムイオン電池1の正極側に接続される接続点aとグランドとの間に接続される。接続点aと白色LED3のアノード側に接続される接続点cとの間には、上流から順にコイル24およびダイオード26が接続される。コイル24とダイオード26との間の接続点を接続点bとすると、接続点bとグランドとの間には、MOS−FET25が接続される。接続点cとグランドとの間には、コンデンサ27が接続される。また、ANDゲート22の入力端には、クロック発生回路21および制御回路6が接続される。ANDゲート22の出力端は、MOS−FET25の制御電極(ゲート端子)に接続される。
【0020】
クロック発生回路21は、クロック信号を発生する。ここでは、クロック信号のデューティー比は予め任意に設定することができるものとする。なお、他の実施形態においては、クロックの幅を動的に変化させることによって、昇圧する電圧値を制御するようにしてもよい。具体的には、接続点bの電圧値に基づいて、クロックの幅を変化させるようにしてもよい。
【0021】
ANDゲート22は、上記スイッチの役割を果たす。すなわち、制御回路6からANDゲート22への出力信号がHIGHレベル(以下、“H”と記す。)の場合、スイッチはオンになる。逆に、制御回路6からANDゲート22への出力信号がLOWレベル(以下、“L”と記す。)の場合、スイッチはオフになる。
【0022】
まず、昇圧回路2のスイッチがオンの場合について説明する。この場合、MOS−FET25のゲート端子には、クロック信号がそのまま入力される。さらに、クロック信号の信号レベルが“H”であるとき、MOS−FET25は導通状態となるので、電流はコイル24およびMOS−FET25を介してグランドへ流れる。ここで、クロック信号の信号レベルが“H”から“L”へ変化すると、MOS−FET25は導通状態から非導通状態へと変化する。これによって、コイル24に流れていた電流が流れなくなるので、コイル24には電流を流そうとする向きの起電力が生じる。その結果、接続点bの電圧は、電池電圧とコイル24の起電力により生じる電圧(キックバック電圧)との和となり、電池電圧が昇圧されることとなる。なお、このとき、コンデンサ27に電荷が蓄えられる。
【0023】
さらに、クロック信号において信号レベルが“L”から“H”へ変化すると、MOS−FET25は非導通状態から導通状態へと変化する。このとき、コイル24には上記とは逆向きの起電力が生じ、接続点bの電圧は電池電圧と当該起電力により生じるキックバック電圧との差となる。このとき、接続点bの電圧は、接続点cの電圧に対して一時的に負となることがあるが、ダイオード26によって電流が逆流することはない。また、接続点bの電圧が低下している間は、コンデンサ27に蓄えられた電荷が放出されることによって白色LED3に電流を流すことができる。以上のように、昇圧回路2のスイッチがオンの場合、MOS−FET25のゲート端子にクロック信号が入力され、昇圧回路2は電池電圧を昇圧する動作を行う。
【0024】
一方、昇圧回路2のスイッチがオフの場合、MOS−FET25は非導通状態である。従って、電池電圧が接続点cの電圧となる。すなわち、昇圧回路2のスイッチがオフの場合、昇圧回路2は電池電圧を昇圧する動作を行わない。なお、この一連の説明においては簡単のため、ダイオード26の順方向電圧降下とコイル24の直流抵抗とによって生じる電圧降下は無視している。
【0025】
なお、本実施形態においては、昇圧回路2は、コイル24によるキックバック電圧を用いて昇圧動作を行う構成であったが、昇圧回路の構成はこれに限らない。昇圧回路は、制御回路6によってオン/オフの制御が可能なものであれば、どのような構成であってもよい。昇圧回路は、例えば、チャージポンプ回路であってもよい。
【0026】
定電流回路4は、基準電源41と、差動増幅器42と、MOS−FET43とを備えている。白色LED3のカソード側に接続される接続点dとグランドとの間には、上流から順にMOS−FET43および抵抗5が接続される。MOS−FET43と抵抗5との間の接続点を接続点eとすると、差動増幅器42の負極側の入力端は接続点eに接続される。差動増幅器42の正極側の入力端は基準電源41の正極側に接続される。差動増幅器42の出力端は、MOS−FET43の制御電極(ゲート端子)に接続される。さらに、差動増幅器42の出力端は、制御回路6に接続される。
【0027】
差動増幅器42は、基準電源41の電圧Vref1と接続点eの電圧(抵抗5の両端の電圧)V_Rとの差電圧を増幅し、V_R=Vref1となるようにMOS−FET43のゲート電圧を制御する。従って、抵抗5の大きさをRとすれば、白色LED3を流れる電流は、Vref1/Rとなるように制御される。ここで、白色LED3を流れる電流の目標値を、Irefとする。すなわち、Iref=Vref1/Rである。
【0028】
制御回路6は、比較器61と、基準電源62とを備える。比較器61の正極側の入力端は差動増幅器42の出力端に接続され、比較器61の負極側の入力端には基準電源62の正極側が接続される。比較器61の出力端は、昇圧回路2のANDゲート22の入力端に接続される。
【0029】
比較器61は、差動増幅器42の出力電圧が基準電源62の電圧Vref2よりも大きい場合、出力する信号レベルを“H”にする。逆に、差動増幅器42の出力電圧が基準電源62の電圧Vref2よりも小さい場合、出力する信号レベルを“L”にする。すなわち、Vref2は、V_R=Vref1となる場合における差動増幅器42の出力電圧よりも大きく、かつ、V_R<Vref1となる場合における差動増幅器42の出力電圧よりも小さい値に定められる。
【0030】
なお、他の実施形態においては、比較器61は、接続点eの電圧V_Rと基準電源(電圧の大きさが基準電源62とは異なる)とを比較するものであってもよい。このとき、基準電源の基準電圧は、Vref1と同じ大きさに設定する。
【0031】
以上のように構成されるLED駆動回路において、白色LED3を定電流で(目標値Irefの大きさで)駆動させるためには、リチウムイオン電池1の電池電圧は、次の関係を満たす必要がある。
V_Li>=V_LED+V_FET+Va_ref …(1)
ここで、V_Liは、リチウムイオン電池1の電池電圧である。また、V_LEDは、白色LED3の順方向電圧降下であり、V_FETは、白色LED3を流れる電流が目標値Irefとなる場合における定電流回路4の駆動電圧であり、Va_refは、白色LED3を流れる電流が目標値Irefとなる場合における抵抗5の両端の電圧である。
【0032】
一方、上述したように、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liは、電池の残容量が減少していくにつれて4.2(V)から3.0(V)へと減少していく。また、白色LED3の順方向電圧降下は、3.6(V)である。さらに、定電流回路4の駆動電圧および抵抗5の両端の電圧は、白色LED3を流れる電流の目標値Irefの大きさによって変化するが、一般的には、おおよそ数百(mV)程度である。以上より、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liは、式(1)の右辺の値(ここでは、約3.6(V))を含む範囲(ここでは、4.2〜3.0(V))で変動する。つまり、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liは、式(1)の右辺より大きくなる状態と、小さくなる状態とが生じる。以上より、本実施形態では、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liの大きさによって白色LED3を定電流で駆動させることができる状態と、リチウムイオン電池1のみでは白色LED3を定電流で駆動させることができない状態とがあることがわかる。
【0033】
上記の状態は、リチウムイオン電池1の使用時間によって変化する。すなわち、リチウムイオン電池1の使用開始当初は、残容量が多いので電池電圧V_Liも高く、リチウムイオン電池1のみによって白色LED3を定電流で駆動させることが可能である。一方、使用開始から時間が経過することによってリチウムイオン電池1の残容量が少なくなると、電池電圧V_Liが低下していき、リチウムイオン電池1のみでは白色LED3を定電流で駆動させることが不可能になる。それゆえ、本実施形態では、リチウムイオン電池1の使用開始時点と、リチウムイオン電池1の残容量が少なくなった時点とではLED駆動回路の動作が異なる。以下、リチウムイオン電池1の使用開始時点と、リチウムイオン電池1の残容量が少なくなった時点とに分けて、LED駆動回路の動作を説明する。
【0034】
まず、リチウムイオン電池1の使用開始当初におけるLED駆動回路の動作を説明する。リチウムイオン電池1の使用開始当初は、式(1)の関係を満たしているので、白色LED3を定電流で駆動することが可能である。従って、接続点eの電圧V_Rは、V_R=Vref1=Iref・Rとなるように制御されている。つまり、差動増幅器42の正極側および負極側の入力端には、ほぼ同じ大きさ(Vref1)の電圧が入力される。従って、差動増幅器42の出力電圧は、Vref2よりも小さくなる。その結果、比較器52の出力電圧は“L”となるので、昇圧回路2は動作しない。つまり、制御回路6は、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liと、式(1)の右辺との大小関係を検知して、式(1)の関係が満たされる場合、電池電圧をそのまま出力する。以上より、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liが、式(1)に示す関係を満たす場合、昇圧回路2は動作せず、リチウムイオン電池1のみで白色LED3が駆動される。
【0035】
次に、時間が経過するにつれて電池電圧が低下していき、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liが、式(1)の関係を満たさなくなった場合を考える。この場合、定電流回路4は、白色LED3を流れる電流をIrefに維持することができなくなり、端子cの電圧V_RがVref1より低下する。V_Rの値が低下していくにつれて差動増幅器42の出力電圧は大きくなり、Vref2よりも大きくなる。その結果、比較器61の出力電圧は“H”となるので、昇圧回路2が昇圧動作を開始する。つまり、制御回路6は、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liと、式(1)の右辺との大小関係を検知して、式(1)の関係が満たされない場合、すなわち、V_Liが式(1)の右辺よりも小さくなった場合に、昇圧回路2のスイッチ(ANDゲート22)をオンにする。これによって、昇圧回路2の昇圧動作によって電池電圧が昇圧されるので、接続点cの電圧V_LED_Aは、式(1)の右辺よりも大きくなる。従って、白色LED3に流れる電流を定電流に維持することができる。
【0036】
図2は、LED駆動回路の動作時間と白色LEDのアノード側の電圧(接続点cにおける電圧V_LED_A)との関係を示すグラフである。なお、図2〜4において、実線は本実施形態に係るLED駆動回路の特性を示す曲線である。また、一点鎖線は図5に示す回路の特性を示す曲線であり、点線は図6に示す回路の特性を示す曲線であり、二点鎖線はリチウムイオン電池1の電池電圧V_Liの特性を示す曲線である。なお、点線の特性は、図6に示すLED駆動回路においてLEDの個数が1個の場合の特性とする。また、図2において、実線、点線および二点差線は同じ曲線となる部分があるが、図を見やすくする目的でずらして示している。
【0037】
図2に示すように、本実施形態に係るLED駆動回路の特性に関しては、約6時間30分の時点までは、接続点cの電圧V_LED_Aが、電池電圧V_Liと同じ電圧となっている。これは、約6時間30分の時点までは、昇圧回路2による昇圧動作が行われていないことを示す。そして、約6時間30分が経過した後において、接続点cの電圧V_LED_Aが一定値となっている。これは、約6時間30分経過後において昇圧回路2による昇圧動作が行われていることを示す。一方、図2示す一点鎖線から明らかなように、図5に示す回路では電圧が常に一定であり、常に昇圧動作が行われていることがわかる。このため、図5に示す回路では昇圧動作による変換ロスが原因で消費電力が大きくなってしまうのである。なお、図5では、電池電圧V_Liの大きさにかかわらず常に昇圧する様子を示す目的で、本実施形態におけるLED駆動回路よりも高い電圧に昇圧している。
【0038】
図3は、LED駆動回路の動作時間と白色LEDのカソード側の電圧(接続点dにおける電圧V_LED_K)との関係を示すグラフである。図3に示す特性は、図2に示す特性よりも電圧値が、白色LED3の順方向電圧降下(ここでは、3.6(V))だけ下がった特性である。なお、図3において、実線および点線は同じ曲線となるが、図を見やすくする目的でずらして示している。
【0039】
図4は、LED駆動回路の動作時間と抵抗の上流側における電圧(接続点eにおける電圧V_R)との関係を示すグラフである。図4において、実線および一点鎖線は同じ曲線となるが、図を見やすくする目的でずらして示している。図4に示すように、本実施形態に係るLED駆動回路では、電圧が一定値となっている、つまり、白色LED3に流れる電流が定電流に維持されている。一方、図6に示す回路では、約6時間30分が経過した後においては電圧が一定値となっているものの、それ以前の時点では電圧が一定値よりも大きくなっている。つまり、約6時間30分の時点までは、白色LEDに流れる電流が定電流となっていない。それゆえ、白色LEDの輝度を一定に維持することができていない。なお、これは、図6に示す回路は、1個のLEDを駆動する場合を想定して構成されていないことに起因する。
【0040】
以上のように、本発明によれば、リチウムイオン電池1の電池電圧が低下した場合にのみ、昇圧回路2による昇圧動作が行われる。そのゆえ、昇圧回路を常に動作させる場合に比べて、昇圧動作による変換ロスを減少させることができ、電力消費を低減することができる。また、定電流回路が設けられているので、昇圧動作が行われているか否かにかかわらず、白色LED3の輝度を一定に維持することができる。本発明に係るLED駆動回路は、以上のような特徴を有することから、携帯機器の表示装置のバックライト等に用いる場合に特に有効である。
【0041】
なお、本実施形態では、駆動対象であるLEDを白色LEDとして説明したが、他の実施の形態においては白色LEDに限られない。本発明は、電池電圧によってLEDを定電流で駆動させることができる状態と、電池電圧のみではLEDを定電流で駆動させることができない状態とが生じるような関係にある電池電圧およびLEDであれば、上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るLED駆動回路を示す図である。
【図2】LED駆動回路の動作時間と白色LEDのアノード側の電圧との関係を示すグラフである。
【図3】LED駆動回路の動作時間と白色LEDのカソード側の電圧との関係を示すグラフである。
【図4】LED駆動回路の動作時間と抵抗の上流側における電圧との関係を示すグラフである。
【図5】従来のLED駆動回路を示す図である。
【図6】複数のLEDを駆動させる場合における従来のLED駆動回路を示す図である。
【符号の説明】
1 リチウムイオン電池
2 昇圧回路
3 白色LED
4 定電流回路
5 抵抗
6 制御回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、LED駆動回路に関し、より特定的には、LEDを定電流で駆動するLED駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のLED駆動回路を示す図である。図5において、LED駆動回路は、リチウムイオン電池91と、昇圧回路92と、白色LED93と、定電流回路94と、抵抗95とを備える。昇圧回路92は、リチウムイオン電池91の電圧を、白色LED93を駆動可能な電圧に昇圧する。一般的なLED駆動回路では、白色LED93を駆動するのに必要な電圧がリチウムイオン電池91の電圧では足りない場合があるので、昇圧回路92が用いられる。昇圧回路92の具体例としては、チャージポンプ回路が考えられる。定電流回路94は、白色LED93に流れる電流が一定となるように制御にする。白色LED93が例えば表示装置のバックライトやフロントライトとして用いられる場合には、白色LED93の輝度を一定とする必要があるので、定電流回路94が用いられる。具体的には、定電流回路94は、基準電源941と、差動増幅器942と、MOS−FET943とを備えている。差動増幅器942は、基準電源941の電圧Vrefと抵抗95の電圧Vaとの差電圧を増幅し、Vref=VaとなるようにMOS−FET943のゲート電圧を制御する。
【0003】
また、多数のLEDを駆動させる回路としては、次のような回路も考えられている。図6は、複数のLEDを駆動させる場合における従来のLED駆動回路を示す図である。図6において、LED駆動回路は、リチウムイオン電池91と、昇圧回路92と、白色LED93と、抵抗95と、比較器96と、基準電源97とを備えている。なお、図6では、図面を見やすくするため、LEDを1個として示している。比較器96は、基準電源97の電圧Vrefと抵抗95の電圧Vaとを比較し、VrefがVaよりも大きい場合、出力がHIGHレベル(以下、“H”と記す。)となる。一方、VrefがVaよりも小さい場合、出力がLOWレベル(以下、“L”と記す。)となる。昇圧回路92は、比較器96からの出力が“H”の場合に昇圧動作を行い、比較器96からの出力が“L”の場合には昇圧動作を行わない。抵抗95の大きさをRとすれば、昇圧回路92は、白色LED93に流れる電流がVref/Rよりも小さい場合に昇圧動作を行い、白色LED93に流れる電流がVref/Rよりも大きい場合には昇圧動作を行わない。従って、昇圧回路92は、白色LED93に所定の電流(Vref/R)が流れるように制御されることとなる。この結果、白色LED93の輝度を一定に維持することができる。
【0004】
【特許文献1】
特許第3284128号明細書(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、例えば表示装置のバックライトやフロントライトに用いるLEDを駆動させる場合、従来では、明るさを保証するために複数のLEDが用いられていた。しかし、携帯ゲーム機や携帯電話等の携帯機器では電池が電源として用いられるため、電力消費を低減することが重要である。例えば携帯機器の表示装置にLEDを用いる場合には、このような電力消費低減の観点から、LEDの数を減らし、1個のみのLEDを用いることが考えられる。
【0006】
例えば、リチウムイオン電池によって1個の白色LEDを駆動させる場合を考える。リチウムイオン電池の電圧は、残容量に応じて変動し、4.2〜3.0(V)程度である。また、白色LEDの駆動に必要な電圧、すなわち、順方向電圧降下は3.3〜4.0(V)程度である(現在実用化されているGaN系の白色LEDの場合)。この例の場合、リチウムイオン電池の電圧は、残容量に応じて白色LEDの順方向電圧降下を含む範囲で変動する。すなわち、電池の残容量によって、電池電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも高い場合と低い場合とが生じる。電池電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも高い場合には、上記図5および図6のような昇圧回路が必要でないことがわかる。
【0007】
しかし、図5に示す回路では、たとえ単一の白色LEDを駆動させる場合であっても、昇圧回路92は常に動作する。つまり、図5に示す回路では、必要でない場合(電池電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも高い場合)にも昇圧回路が動作していることとなる。従って、昇圧回路において電池電圧を昇圧する際に生じる変換ロスが絶えず発生することとなり、電力を無駄に消費していることとなる。
【0008】
また、図6に示す回路では、単一のLEDを駆動させる場合のような、電池電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも高い場合を想定していない。従って、電池電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも高い場合には、昇圧回路の動作は停止するが、白色LEDに過大な電流が流れてしまう。従って、白色LEDの輝度を一定に維持することができない。さらに、過大な電流が流れるので、無駄な電力を消費してしまうことになる。
【0009】
それゆえ、本発明の目的は、電力消費を低減できるとともに、LEDの輝度を一定に制御することができるLED駆動回路を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。すなわち、請求項1に記載の発明は、電池(1)によってLED(3)を駆動するLED駆動回路であって、定電流回路(4)と、抵抗(5)と、電池と、昇圧回路(2)と、制御回路(6)とを備えている。定電流回路は、LEDの上流または下流に挿入され、LEDを流れる電流が所定の目標値となるように制御する。抵抗は、LEDの下流かつ定電流回路の下流に接続される。電池は、所定電圧の値を含む範囲で電圧が残容量に応じて変動する。ここで、所定電圧とは、LEDの順方向電圧降下と、所定の目標値となる場合における定電流回路の駆動電圧と、所定の目標値となる場合における抵抗の両端の電圧との和電圧である。昇圧回路は、電池とLEDとの間に接続され、内部に有するスイッチ(22)がオンになった場合、電池電圧を所定電圧以上の大きさに昇圧して出力する。また、昇圧回路は、当該スイッチがオフの場合、当該電池電圧をそのまま出力する。制御回路は、定電流回路に接続され、電池電圧と所定電圧との大小関係を検知して、電池電圧が所定電圧よりも小さくなった場合のみ、昇圧回路のスイッチをオンにする。
【0011】
上記によれば、制御回路は、時間経過に従って電池電圧が低下した結果、所定電圧よりも電池電圧が低くなったことを検知する。そして、所定電圧よりも電池電圧が低くなった場合、つまり、昇圧回路を動作させる必要が生じた場合にのみ、昇圧回路による昇圧動作が行われる。従って、昇圧回路を常に動作させる場合に比べて、昇圧動作による変換ロスを減少させることができる。それゆえ、LED駆動回路の電力消費を低減することができる。また、昇圧動作が行われているか否かにかかわらず、定電流回路によってLEDの輝度を一定に制御することができる。
【0012】
なお、LEDは例えばGaN系の白色LEDであり、電池は例えばリチウムイオン電池であってもよい。GaN系の白色LEDは、順方向電圧降下がおおよそ3.3〜4.0(V)程度である。また、リチウムイオン電池の電池電圧は、残容量の減少に従っておおよそ4.2〜3.0(V)程度に減少していく。定電流回路の駆動電圧や抵抗の両端の電圧が白色LEDの順方向電圧降下よりも十分小さい(一般的には、数百mV)ことを考えると、GaN系の白色LEDおよびリチウムイオン電池を用いる場合には、リチウムイオン電池の残容量に応じて、リチウムイオン電池の電圧で白色LEDを定電流で駆動させることができる状態とできない状態が生じることがわかる。つまり、GaN系の白色LEDおよびリチウムイオン電池を用いる場合には、昇圧回路を動作させる必要がある状態とその必要がない状態が生じる。本発明は、これらの状態が生じる場合に、昇圧回路を必要に応じて動作させることができる。従って、GaN系の白色LEDおよびリチウムイオン電池を用いる場合には、本発明が特に有効である。
【0013】
また、定電流回路は、トランジスタ(43)と、差動増幅器(42)とを含む構成であってもよい。トランジスタは、LEDに流れる電流の大きさを調整可能となるように導通電極(バイポーラトランジスタでは、エミッタおよびコレクタ。FETでは、ソースおよびドレイン。)が接続される。具体的には、定電流回路がLEDの上流に接続される場合には、2つの導通電極の一方が昇圧回路の下流側に接続され、他方がLEDの上流側に接続される。また、定電流回路がLEDの下流に接続される場合には、2つの導通電極の一方がLEDの下流側に接続され、他方が抵抗の上流側に接続される。差動増幅器は、トランジスタの制御電極に出力端が接続され、抵抗の両端の電圧に基づいてLEDに流れる電流の大きさを制御する。制御回路は、差動増幅器の出力端の電圧に基づいて、電池電圧と所定電圧との大小関係を検知する。
【0014】
上記によれば、差動増幅器の出力端の電圧が検知される。ここで、差動増幅器の出力端の電圧は、LEDに流れる電流の大きさによって変化する。さらに、LEDに流れる電流は、電池電圧が所定電圧よりも低下した場合に減少する。従って、差動増幅器の出力端の電圧を検知することによって、電池電圧と所定電圧との大小関係を容易に検知することができる。
【0015】
なお、差動増幅器の出力端の電圧を検知する場合には、定電流回路は、第1の基準電源(41)をさらに含んでいてもよい。第1の基準電源は、所定の目標値となる場合における抵抗の両端の電圧と等しい第1の基準電圧を発生する。このとき、差動増幅器は、第1の基準電源の正極側および抵抗の上流側に入力端が接続される。また、制御回路は、第2の基準電源(62)と、比較器(61)とを含む。第2の基準電源は、第2の基準電圧を発生する。第2の基準電圧は、抵抗の両端の電圧が第1の基準電圧と等しくなる場合における差動増幅器の出力電圧よりも大きく、かつ、抵抗の両端の電圧が第1の基準電圧よりも小さくなる場合における差動増幅器の出力電圧よりも小さい電圧値である。比較器は、第2の基準電源の正極側および差動増幅器の出力端に入力端が接続され、スイッチに出力端が接続される。さらに、比較器は、差動増幅器の出力端の電圧が第2の基準電圧よりも大きい場合、スイッチをオンにする信号を出力する。上記の構成によって、差動増幅器の出力端の電圧に応じて、昇圧回路のオン/オフを制御することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係るLED駆動回路を示す図である。図1において、LED駆動回路は、1セルのリチウムイオン電池1と、昇圧回路2と、白色LED3と、定電流回路4と、抵抗5と、制御回路6とを備える。昇圧回路2は、リチウムイオン電池1と白色LED3との間に接続される。定電流回路4は、白色LED3の下流に挿入される。抵抗5は、白色LED3および定電流回路4の下流に接続される。制御回路6は、定電流回路4に接続される。なお、他の実施の形態では、定電流回路4は、白色LED3の上流側に挿入されていてもよい。
【0017】
まず、LED駆動回路の概要を説明する。リチウムイオン電池1は、昇圧回路2を介して白色LED3に接続されており、白色LED3を駆動させる。白色LED3を流れる電流は、定電流となるように定電流回路4によって制御される。これによって、白色LED3の輝度が一定となるように制御することができる。制御回路6は、白色LED3に流れる電流の大きさに基づいて、昇圧回路2による昇圧動作が必要であるか否かを検知する。そして、昇圧動作が必要である場合にのみ、昇圧回路2に昇圧動作を行わせる。昇圧動作が必要な場合とは、リチウムイオン電池1の電池電圧のみでは白色LED3を駆動させることができない場合である。つまり、昇圧回路2は、リチウムイオン電池1の電池電圧のみでは白色LED3を駆動させることができない場合にのみ昇圧動作を行い、リチウムイオン電池1の電池電圧によって白色LED3を駆動させることができる場合には昇圧動作を行わない。これによって、昇圧動作を必要最小限に抑えることができるので、昇圧動作による変換ロスを最小限に抑えることができる。以上のように、本実施形態に係るLED駆動回路は、LEDに流れる電流を一定にするとともに、電力消費の低減を図るものである。以下、各部の詳細を説明する。
【0018】
本実施形態では、1セルのリチウムイオン電池1が用いられる。リチウムイオン電池1は、残容量に応じて電圧が変動する。つまり、リチウムイオン電池1を使用していると、時間経過に応じて次第に電池電圧が低下していく。本実施形態では、リチウムイオン電池1の電池電圧は、4.2(V)から3.0(V)程度にまで低下していくものとする。一方、白色LED3は、GaN系の白色LEDとする。一般的に、GaN系の白色LEDの順方向電圧降下は、3.3〜4.0(V)程度である。ここでは、白色LED3の順方向電圧降下を3.6(V)であるとする。
【0019】
昇圧回路2は、内部にスイッチを有しており、当該スイッチがオンになった場合にリチウムイオン電池1の電池電圧を昇圧して出力する。具体的には、昇圧回路2は、クロック発生回路21(図1では“CLOCK”と示す。)と、ANDゲート22と、コンデンサ23および27と、コイル24と、MOS−FET25と、ダイオード26とを備える。コンデンサ23は、リチウムイオン電池1の正極側に接続される接続点aとグランドとの間に接続される。接続点aと白色LED3のアノード側に接続される接続点cとの間には、上流から順にコイル24およびダイオード26が接続される。コイル24とダイオード26との間の接続点を接続点bとすると、接続点bとグランドとの間には、MOS−FET25が接続される。接続点cとグランドとの間には、コンデンサ27が接続される。また、ANDゲート22の入力端には、クロック発生回路21および制御回路6が接続される。ANDゲート22の出力端は、MOS−FET25の制御電極(ゲート端子)に接続される。
【0020】
クロック発生回路21は、クロック信号を発生する。ここでは、クロック信号のデューティー比は予め任意に設定することができるものとする。なお、他の実施形態においては、クロックの幅を動的に変化させることによって、昇圧する電圧値を制御するようにしてもよい。具体的には、接続点bの電圧値に基づいて、クロックの幅を変化させるようにしてもよい。
【0021】
ANDゲート22は、上記スイッチの役割を果たす。すなわち、制御回路6からANDゲート22への出力信号がHIGHレベル(以下、“H”と記す。)の場合、スイッチはオンになる。逆に、制御回路6からANDゲート22への出力信号がLOWレベル(以下、“L”と記す。)の場合、スイッチはオフになる。
【0022】
まず、昇圧回路2のスイッチがオンの場合について説明する。この場合、MOS−FET25のゲート端子には、クロック信号がそのまま入力される。さらに、クロック信号の信号レベルが“H”であるとき、MOS−FET25は導通状態となるので、電流はコイル24およびMOS−FET25を介してグランドへ流れる。ここで、クロック信号の信号レベルが“H”から“L”へ変化すると、MOS−FET25は導通状態から非導通状態へと変化する。これによって、コイル24に流れていた電流が流れなくなるので、コイル24には電流を流そうとする向きの起電力が生じる。その結果、接続点bの電圧は、電池電圧とコイル24の起電力により生じる電圧(キックバック電圧)との和となり、電池電圧が昇圧されることとなる。なお、このとき、コンデンサ27に電荷が蓄えられる。
【0023】
さらに、クロック信号において信号レベルが“L”から“H”へ変化すると、MOS−FET25は非導通状態から導通状態へと変化する。このとき、コイル24には上記とは逆向きの起電力が生じ、接続点bの電圧は電池電圧と当該起電力により生じるキックバック電圧との差となる。このとき、接続点bの電圧は、接続点cの電圧に対して一時的に負となることがあるが、ダイオード26によって電流が逆流することはない。また、接続点bの電圧が低下している間は、コンデンサ27に蓄えられた電荷が放出されることによって白色LED3に電流を流すことができる。以上のように、昇圧回路2のスイッチがオンの場合、MOS−FET25のゲート端子にクロック信号が入力され、昇圧回路2は電池電圧を昇圧する動作を行う。
【0024】
一方、昇圧回路2のスイッチがオフの場合、MOS−FET25は非導通状態である。従って、電池電圧が接続点cの電圧となる。すなわち、昇圧回路2のスイッチがオフの場合、昇圧回路2は電池電圧を昇圧する動作を行わない。なお、この一連の説明においては簡単のため、ダイオード26の順方向電圧降下とコイル24の直流抵抗とによって生じる電圧降下は無視している。
【0025】
なお、本実施形態においては、昇圧回路2は、コイル24によるキックバック電圧を用いて昇圧動作を行う構成であったが、昇圧回路の構成はこれに限らない。昇圧回路は、制御回路6によってオン/オフの制御が可能なものであれば、どのような構成であってもよい。昇圧回路は、例えば、チャージポンプ回路であってもよい。
【0026】
定電流回路4は、基準電源41と、差動増幅器42と、MOS−FET43とを備えている。白色LED3のカソード側に接続される接続点dとグランドとの間には、上流から順にMOS−FET43および抵抗5が接続される。MOS−FET43と抵抗5との間の接続点を接続点eとすると、差動増幅器42の負極側の入力端は接続点eに接続される。差動増幅器42の正極側の入力端は基準電源41の正極側に接続される。差動増幅器42の出力端は、MOS−FET43の制御電極(ゲート端子)に接続される。さらに、差動増幅器42の出力端は、制御回路6に接続される。
【0027】
差動増幅器42は、基準電源41の電圧Vref1と接続点eの電圧(抵抗5の両端の電圧)V_Rとの差電圧を増幅し、V_R=Vref1となるようにMOS−FET43のゲート電圧を制御する。従って、抵抗5の大きさをRとすれば、白色LED3を流れる電流は、Vref1/Rとなるように制御される。ここで、白色LED3を流れる電流の目標値を、Irefとする。すなわち、Iref=Vref1/Rである。
【0028】
制御回路6は、比較器61と、基準電源62とを備える。比較器61の正極側の入力端は差動増幅器42の出力端に接続され、比較器61の負極側の入力端には基準電源62の正極側が接続される。比較器61の出力端は、昇圧回路2のANDゲート22の入力端に接続される。
【0029】
比較器61は、差動増幅器42の出力電圧が基準電源62の電圧Vref2よりも大きい場合、出力する信号レベルを“H”にする。逆に、差動増幅器42の出力電圧が基準電源62の電圧Vref2よりも小さい場合、出力する信号レベルを“L”にする。すなわち、Vref2は、V_R=Vref1となる場合における差動増幅器42の出力電圧よりも大きく、かつ、V_R<Vref1となる場合における差動増幅器42の出力電圧よりも小さい値に定められる。
【0030】
なお、他の実施形態においては、比較器61は、接続点eの電圧V_Rと基準電源(電圧の大きさが基準電源62とは異なる)とを比較するものであってもよい。このとき、基準電源の基準電圧は、Vref1と同じ大きさに設定する。
【0031】
以上のように構成されるLED駆動回路において、白色LED3を定電流で(目標値Irefの大きさで)駆動させるためには、リチウムイオン電池1の電池電圧は、次の関係を満たす必要がある。
V_Li>=V_LED+V_FET+Va_ref …(1)
ここで、V_Liは、リチウムイオン電池1の電池電圧である。また、V_LEDは、白色LED3の順方向電圧降下であり、V_FETは、白色LED3を流れる電流が目標値Irefとなる場合における定電流回路4の駆動電圧であり、Va_refは、白色LED3を流れる電流が目標値Irefとなる場合における抵抗5の両端の電圧である。
【0032】
一方、上述したように、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liは、電池の残容量が減少していくにつれて4.2(V)から3.0(V)へと減少していく。また、白色LED3の順方向電圧降下は、3.6(V)である。さらに、定電流回路4の駆動電圧および抵抗5の両端の電圧は、白色LED3を流れる電流の目標値Irefの大きさによって変化するが、一般的には、おおよそ数百(mV)程度である。以上より、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liは、式(1)の右辺の値(ここでは、約3.6(V))を含む範囲(ここでは、4.2〜3.0(V))で変動する。つまり、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liは、式(1)の右辺より大きくなる状態と、小さくなる状態とが生じる。以上より、本実施形態では、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liの大きさによって白色LED3を定電流で駆動させることができる状態と、リチウムイオン電池1のみでは白色LED3を定電流で駆動させることができない状態とがあることがわかる。
【0033】
上記の状態は、リチウムイオン電池1の使用時間によって変化する。すなわち、リチウムイオン電池1の使用開始当初は、残容量が多いので電池電圧V_Liも高く、リチウムイオン電池1のみによって白色LED3を定電流で駆動させることが可能である。一方、使用開始から時間が経過することによってリチウムイオン電池1の残容量が少なくなると、電池電圧V_Liが低下していき、リチウムイオン電池1のみでは白色LED3を定電流で駆動させることが不可能になる。それゆえ、本実施形態では、リチウムイオン電池1の使用開始時点と、リチウムイオン電池1の残容量が少なくなった時点とではLED駆動回路の動作が異なる。以下、リチウムイオン電池1の使用開始時点と、リチウムイオン電池1の残容量が少なくなった時点とに分けて、LED駆動回路の動作を説明する。
【0034】
まず、リチウムイオン電池1の使用開始当初におけるLED駆動回路の動作を説明する。リチウムイオン電池1の使用開始当初は、式(1)の関係を満たしているので、白色LED3を定電流で駆動することが可能である。従って、接続点eの電圧V_Rは、V_R=Vref1=Iref・Rとなるように制御されている。つまり、差動増幅器42の正極側および負極側の入力端には、ほぼ同じ大きさ(Vref1)の電圧が入力される。従って、差動増幅器42の出力電圧は、Vref2よりも小さくなる。その結果、比較器52の出力電圧は“L”となるので、昇圧回路2は動作しない。つまり、制御回路6は、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liと、式(1)の右辺との大小関係を検知して、式(1)の関係が満たされる場合、電池電圧をそのまま出力する。以上より、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liが、式(1)に示す関係を満たす場合、昇圧回路2は動作せず、リチウムイオン電池1のみで白色LED3が駆動される。
【0035】
次に、時間が経過するにつれて電池電圧が低下していき、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liが、式(1)の関係を満たさなくなった場合を考える。この場合、定電流回路4は、白色LED3を流れる電流をIrefに維持することができなくなり、端子cの電圧V_RがVref1より低下する。V_Rの値が低下していくにつれて差動増幅器42の出力電圧は大きくなり、Vref2よりも大きくなる。その結果、比較器61の出力電圧は“H”となるので、昇圧回路2が昇圧動作を開始する。つまり、制御回路6は、リチウムイオン電池1の電池電圧V_Liと、式(1)の右辺との大小関係を検知して、式(1)の関係が満たされない場合、すなわち、V_Liが式(1)の右辺よりも小さくなった場合に、昇圧回路2のスイッチ(ANDゲート22)をオンにする。これによって、昇圧回路2の昇圧動作によって電池電圧が昇圧されるので、接続点cの電圧V_LED_Aは、式(1)の右辺よりも大きくなる。従って、白色LED3に流れる電流を定電流に維持することができる。
【0036】
図2は、LED駆動回路の動作時間と白色LEDのアノード側の電圧(接続点cにおける電圧V_LED_A)との関係を示すグラフである。なお、図2〜4において、実線は本実施形態に係るLED駆動回路の特性を示す曲線である。また、一点鎖線は図5に示す回路の特性を示す曲線であり、点線は図6に示す回路の特性を示す曲線であり、二点鎖線はリチウムイオン電池1の電池電圧V_Liの特性を示す曲線である。なお、点線の特性は、図6に示すLED駆動回路においてLEDの個数が1個の場合の特性とする。また、図2において、実線、点線および二点差線は同じ曲線となる部分があるが、図を見やすくする目的でずらして示している。
【0037】
図2に示すように、本実施形態に係るLED駆動回路の特性に関しては、約6時間30分の時点までは、接続点cの電圧V_LED_Aが、電池電圧V_Liと同じ電圧となっている。これは、約6時間30分の時点までは、昇圧回路2による昇圧動作が行われていないことを示す。そして、約6時間30分が経過した後において、接続点cの電圧V_LED_Aが一定値となっている。これは、約6時間30分経過後において昇圧回路2による昇圧動作が行われていることを示す。一方、図2示す一点鎖線から明らかなように、図5に示す回路では電圧が常に一定であり、常に昇圧動作が行われていることがわかる。このため、図5に示す回路では昇圧動作による変換ロスが原因で消費電力が大きくなってしまうのである。なお、図5では、電池電圧V_Liの大きさにかかわらず常に昇圧する様子を示す目的で、本実施形態におけるLED駆動回路よりも高い電圧に昇圧している。
【0038】
図3は、LED駆動回路の動作時間と白色LEDのカソード側の電圧(接続点dにおける電圧V_LED_K)との関係を示すグラフである。図3に示す特性は、図2に示す特性よりも電圧値が、白色LED3の順方向電圧降下(ここでは、3.6(V))だけ下がった特性である。なお、図3において、実線および点線は同じ曲線となるが、図を見やすくする目的でずらして示している。
【0039】
図4は、LED駆動回路の動作時間と抵抗の上流側における電圧(接続点eにおける電圧V_R)との関係を示すグラフである。図4において、実線および一点鎖線は同じ曲線となるが、図を見やすくする目的でずらして示している。図4に示すように、本実施形態に係るLED駆動回路では、電圧が一定値となっている、つまり、白色LED3に流れる電流が定電流に維持されている。一方、図6に示す回路では、約6時間30分が経過した後においては電圧が一定値となっているものの、それ以前の時点では電圧が一定値よりも大きくなっている。つまり、約6時間30分の時点までは、白色LEDに流れる電流が定電流となっていない。それゆえ、白色LEDの輝度を一定に維持することができていない。なお、これは、図6に示す回路は、1個のLEDを駆動する場合を想定して構成されていないことに起因する。
【0040】
以上のように、本発明によれば、リチウムイオン電池1の電池電圧が低下した場合にのみ、昇圧回路2による昇圧動作が行われる。そのゆえ、昇圧回路を常に動作させる場合に比べて、昇圧動作による変換ロスを減少させることができ、電力消費を低減することができる。また、定電流回路が設けられているので、昇圧動作が行われているか否かにかかわらず、白色LED3の輝度を一定に維持することができる。本発明に係るLED駆動回路は、以上のような特徴を有することから、携帯機器の表示装置のバックライト等に用いる場合に特に有効である。
【0041】
なお、本実施形態では、駆動対象であるLEDを白色LEDとして説明したが、他の実施の形態においては白色LEDに限られない。本発明は、電池電圧によってLEDを定電流で駆動させることができる状態と、電池電圧のみではLEDを定電流で駆動させることができない状態とが生じるような関係にある電池電圧およびLEDであれば、上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るLED駆動回路を示す図である。
【図2】LED駆動回路の動作時間と白色LEDのアノード側の電圧との関係を示すグラフである。
【図3】LED駆動回路の動作時間と白色LEDのカソード側の電圧との関係を示すグラフである。
【図4】LED駆動回路の動作時間と抵抗の上流側における電圧との関係を示すグラフである。
【図5】従来のLED駆動回路を示す図である。
【図6】複数のLEDを駆動させる場合における従来のLED駆動回路を示す図である。
【符号の説明】
1 リチウムイオン電池
2 昇圧回路
3 白色LED
4 定電流回路
5 抵抗
6 制御回路
Claims (4)
- 電池によってLEDを駆動するLED駆動回路であって、
前記LEDの上流または下流に挿入され、前記LEDを流れる電流が所定の目標値となるように制御する定電流回路と、
前記LEDの下流かつ前記定電流回路の下流に接続される抵抗と、
前記LEDの順方向電圧降下と、前記所定の目標値となる場合における前記定電流回路の駆動電圧と、前記所定の目標値となる場合における前記抵抗の両端の電圧との和を所定電圧とした場合、当該所定電圧の値を含む範囲で電圧が残容量に応じて変動する電池と、
前記電池と前記LEDとの間に接続され、内部に有するスイッチがオンになった場合、電池電圧を前記所定電圧以上の大きさに昇圧して出力し、当該スイッチがオフの場合、当該電池電圧をそのまま出力する昇圧回路と、
前記定電流回路に接続され、電池電圧と前記所定電圧との大小関係を検知して、電池電圧が前記所定電圧よりも小さくなった場合のみ、前記昇圧回路のスイッチをオンにする制御回路とを備える、LED駆動回路。 - 前記LEDは、GaN系の白色LEDであり、
前記電池は、リチウムイオン電池である、請求項1に記載のLED駆動回路。 - 前記定電流回路は、
前記LEDに流れる電流の大きさを調整可能となるように導通電極が接続されるトランジスタと、
前記トランジスタの制御電極に出力端が接続され、前記抵抗の両端の電圧に基づいて前記LEDに流れる電流の大きさを制御する差動増幅器とを含み、
前記制御回路は、前記差動増幅器の出力端の電圧に基づいて、電池電圧と前記所定電圧との大小関係を検知する、請求項1に記載のLED駆動回路。 - 前記定電流回路は、前記所定の目標値となる場合における前記抵抗の両端の電圧と等しい第1の基準電圧を発生する第1の基準電源をさらに含み、
前記差動増幅器は、前記第1の基準電源の正極側および前記抵抗の上流側に入力端が接続され、
前記制御回路は、
前記抵抗の両端の電圧が前記第1の基準電圧と等しくなる場合における前記差動増幅器の出力電圧よりも大きく、かつ、前記抵抗の両端の電圧が前記第1の基準電圧よりも小さくなる場合における前記差動増幅器の出力電圧よりも小さい電圧値である第2の基準電圧を発生する第2の基準電源と、
前記第2の基準電源の正極側および前記差動増幅器の出力端に入力端が接続され、前記スイッチに出力端が接続される比較器とを含み、
前記比較器は、前記差動増幅器の出力端の電圧が前記第2の基準電圧よりも大きい場合、前記スイッチをオンにする信号を出力する、請求項3に記載のLED駆動回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003172298A JP2005011895A (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | Led駆動回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003172298A JP2005011895A (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | Led駆動回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005011895A true JP2005011895A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34096492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003172298A Pending JP2005011895A (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | Led駆動回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005011895A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007074866A1 (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-05 | Sharp Kabushiki Kaisha | 発光素子駆動回路 |
JP2007281263A (ja) * | 2006-04-07 | 2007-10-25 | Sony Corp | 発光素子駆動回路及びそれを備えた携帯装置 |
KR100989021B1 (ko) * | 2005-06-20 | 2010-10-20 | 오스트리아마이크로시스템즈 아게 | 전기 부하 작동을 위한 전력 공급 시스템 및 방법 |
US8044607B2 (en) | 2006-06-09 | 2011-10-25 | Osram Ag | Circuit unit |
US8228005B2 (en) | 2009-07-31 | 2012-07-24 | Semiconductor Components Industries, Llc | Light-emitting-element driving circuit |
US8536797B2 (en) | 2010-08-24 | 2013-09-17 | Casio Computer Co., Ltd. | Semiconductor light source apparatus and semiconductor light source control method |
US8547030B2 (en) | 2010-02-04 | 2013-10-01 | Ams Ag | Current source, current source arrangement and their use |
US8554279B2 (en) | 2007-11-16 | 2013-10-08 | Semiconductor Components Industries, Llc. | Circuit for driving light-emitting element, and cellular phone |
US8638041B2 (en) | 2009-11-09 | 2014-01-28 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Light-emitting element drive circuit system, and electronic device |
-
2003
- 2003-06-17 JP JP2003172298A patent/JP2005011895A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100989021B1 (ko) * | 2005-06-20 | 2010-10-20 | 오스트리아마이크로시스템즈 아게 | 전기 부하 작동을 위한 전력 공급 시스템 및 방법 |
US8063585B2 (en) | 2005-06-20 | 2011-11-22 | Austriamicrosystems Ag | Power supply system and method for the operation of an electrical load |
KR101159931B1 (ko) | 2005-06-20 | 2012-06-25 | 오스트리아마이크로시스템즈 아게 | 전기 부하 작동을 위한 전력 공급 시스템 및 방법 |
WO2007074866A1 (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-05 | Sharp Kabushiki Kaisha | 発光素子駆動回路 |
JP2007281263A (ja) * | 2006-04-07 | 2007-10-25 | Sony Corp | 発光素子駆動回路及びそれを備えた携帯装置 |
US8044607B2 (en) | 2006-06-09 | 2011-10-25 | Osram Ag | Circuit unit |
US8554279B2 (en) | 2007-11-16 | 2013-10-08 | Semiconductor Components Industries, Llc. | Circuit for driving light-emitting element, and cellular phone |
US8228005B2 (en) | 2009-07-31 | 2012-07-24 | Semiconductor Components Industries, Llc | Light-emitting-element driving circuit |
US8638041B2 (en) | 2009-11-09 | 2014-01-28 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Light-emitting element drive circuit system, and electronic device |
US8547030B2 (en) | 2010-02-04 | 2013-10-01 | Ams Ag | Current source, current source arrangement and their use |
US8536797B2 (en) | 2010-08-24 | 2013-09-17 | Casio Computer Co., Ltd. | Semiconductor light source apparatus and semiconductor light source control method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7271642B2 (en) | Charge pump drive circuit for a light emitting diode | |
US7560915B2 (en) | Power supply apparatus provided with regulation function and boosting of a regulated voltage | |
TWI294256B (en) | Charge pump drive circuit for a light emitting diode | |
US8018409B2 (en) | Maximizing efficiency of battery-powered LED drivers | |
KR100963309B1 (ko) | 전원 시스템 및 출력 전압의 제어 방법 | |
US9362820B2 (en) | DCDC converter, semiconductor device, and power generation device | |
US20120195075A1 (en) | Direct current/direct current converter, and power supply apparatus and electronic device using the same | |
TW200607393A (en) | Boost controller capable of step-up ratio control | |
US20070085786A1 (en) | System and method for driving keypad backlight with balance-dimming capability | |
JP2009021314A (ja) | 発光素子駆動装置 | |
JP2010259222A (ja) | スイッチング装置及びその制御方法 | |
JP2005011895A (ja) | Led駆動回路 | |
KR20030015141A (ko) | Dc-dc 컨버터 및 그 구동 방법 | |
TWI283961B (en) | Voltage booster type switching regulator circuit | |
JP2007108192A (ja) | 大電流用補助電源 | |
JP2004140886A (ja) | スイッチングレギュレータ回路、及び車両用灯具 | |
JP2007236112A (ja) | スイッチング電源回路 | |
TWI354961B (ja) | ||
JP2008160934A (ja) | 電源回路およびこれを用いた電子機器 | |
JP2005261009A (ja) | スイッチング電源回路及びそれを用いた電子機器 | |
JPWO2002099947A1 (ja) | 電源装置及び電源装置の給電方法 | |
US9565728B2 (en) | LED driver device, and television receiver | |
JP2018181438A (ja) | Led電源装置及びled照明装置 | |
JP4000833B2 (ja) | Led電源制御回路及びその制御方法 | |
JP2017123261A (ja) | Led用電源装置及びled照明装置 |