JP2005011560A - 燃料タンクおよび携帯機器 - Google Patents
燃料タンクおよび携帯機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005011560A JP2005011560A JP2003171736A JP2003171736A JP2005011560A JP 2005011560 A JP2005011560 A JP 2005011560A JP 2003171736 A JP2003171736 A JP 2003171736A JP 2003171736 A JP2003171736 A JP 2003171736A JP 2005011560 A JP2005011560 A JP 2005011560A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel
- fuel tank
- fuel cell
- portable device
- grip
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Abstract
【課題】燃料電池を電源とする携帯機器に使用でき、前記燃料電池に使用される燃料を大量に収容でき、携帯機器寸法が大きくなることのない燃料タンク、および前記燃料タンクを備えた携帯機器の提供。
【解決手段】燃料電池を電源とする携帯機器の備える燃料電池または前記燃料電池に設けられた改質器に燃料を供給する燃料タンクであって、前記携帯機器において使用者が把持する把持部の表面に設けられてグリップを形成した燃料タンク、および前記燃料タンクを備える携帯機器。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料電池を電源とする携帯機器の備える燃料電池または前記燃料電池に設けられた改質器に燃料を供給する燃料タンクであって、前記携帯機器において使用者が把持する把持部の表面に設けられてグリップを形成した燃料タンク、および前記燃料タンクを備える携帯機器。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンクおよび携帯機器にかかり、特に、デジタルカメラなどの携帯機器の備える燃料電池部に供給する燃料を大量に収容でき、しかも、前記携帯機器の寸法が大きくなることのない燃料タンク、および前記燃料タンクを備える携帯機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラ、ラップトップ型コンピュータやノートブック型コンピュータ、携帯電話などの携帯機器は、現在広く使用されている。
【0003】
前記形態機器の電源としては、従来、アルカリマンガン電池などの一次電池、およびニッケル水素電池やリチウム電池などの二次電池などが一般的であった。
【0004】
近年、これらの携帯機器をより長時間使用したいとの要求が高まって来たが、前記一次電池や二次電池は、これらの要求には充分には応えられなかった。
【0005】
そこで、これらの電池パックよりも軽量、小型であって、長時間電力を供給できる電源として、燃料電池を用いた電源システムが注目されている。
【0006】
このような電源システムとしては、たとえば発電用燃料が封入された燃料封入部と、外燃料封入部から供給される発電用燃料によって電力を発生させる発電モジュールとを備え、前記燃料封入部と前記発電モジュールとが互いに着脱可能に構成されている電源システムが提案された(特許文献1、2)。また、燃料電池本体と水素吸蔵ボンベと制御部と水素供給手段等とを有し、前記水素吸蔵ボンベが前記水素供給手段に対して着脱可能に設けられた機器搭載用燃料電池装置が提案された(特許文献3)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−289211号公報
【特許文献2】
特開2003−36879号公報
【特許文献3】
特開平9−213359号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料電池は、燃料の量で発電量が制限されるので、燃料電池を搭載した携帯機器を長時間に亘って使用しようとすると、前記携帯機器に大量の燃料を収容しなければならない。
【0009】
前記特許文献1〜3に記載された着脱型の燃料封入部や水素吸蔵ボンベにおいては大量の燃料を収容しようとすると寸法が大きくなるので、携帯機器も、寸法の大きな燃料封入部や水素吸蔵ボンベを収納できるように寸法を大きくする必要があった。
【0010】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、燃料電池を電源とする携帯機器に使用でき、前記燃料電池に使用される燃料を大量に収容できるにも関わらず、携帯機器の外形、寸法が大きくなることのない燃料タンク、および前記燃料タンクを備えた携帯機器の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、燃料電池を電源とする携帯機器において、前記燃料電池または前記燃料電池に設けられた改質器に燃料を供給する燃料タンクであって、前記携帯機器において使用者が把持する把持部の表面に設けられてグリップを形成してなることを特徴とする燃料タンクに関する。
【0012】
前記燃料タンクは、前述のように携帯機器の把持部の表面に設けられているから、大きな面積を確保でき、したがって厚さは薄くても大きな内容量を確保できる。したがって、多くの燃料を収容できるにも関わらず、携帯機器の外形、寸法が大きくなることはない。
【0013】
また、携帯機器の把持部は、携帯機器の全体から見れば小さな部分であるから、把持部の表面に燃料タンクを設けても外観に大きな違和感が生じることは無い。
【0014】
前記携帯機器の備える燃料電池は、メタノールなどの燃料を直接酸化して発電する直接型燃料電池であってもよく、また燃料を改質して水素を取り出す改質器を併用する場合には、前記改質器で得られた水素を燃料とする水素燃料型燃料電池であってもよい。
【0015】
前記携帯機器は、通常の形態として把持部を有する携帯機器が挙げられ、具体的にはデジタルカメラ、ビデオカメラ、および卓上掃除機などが挙げられる。
【0016】
前記携帯機器がデジタルカメラであるときは、前記燃料タンクは、前記デジタルカメラにおける撮影者が把持する側の端部に設けることができる。
【0017】
一方、前記携帯機器がビデオカメラであるときは、前記燃料タンクは、前記ビデオカメラにおいて撮影者が撮影時に把持するハンドル状またはグリップ状の部分であるハンドル部に設けることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、使用者が把持する側の面が柔軟性と弾力性とを有する材料から形成されてなる燃料タンクに関する。
【0019】
前記燃料タンクは、携帯機器の把持部を形成するとともに、少なくとも使用者が把持する側の面が柔軟性と弾力性とを有するから、把持部の感触が向上する。
【0020】
さらに、前記燃料タンクは、使用者が把持することにより圧縮力を受けるから、前記燃料タンクと燃料電池部とを接続する配管に、燃料の逆流を防止する逆止弁を設けるだけで、この圧縮力を利用して内部の燃料を燃料電池または改質器に強制的に送り込むことができる。したがって、燃料送入ポンプを前記配管上に設けなくてもよいから、携帯機器を更にコンパクトに構成できる。
【0021】
前記燃料タンクは、前記携帯機器の表面に配設された後述する袋体であってもよく、また、前記携帯機器の一部分を覆って把持部を形成するブーツ状部材と前記携帯機器の前記ブーツ状部材で覆われた表面との間に形成される空間であってもよい。前記ブーツ状部材で携帯機器の表面を覆って燃料タンクを形成する場合には、前記ブーツ状部材と前記携帯機器との接触部は燃料に対して液密であることが好ましい。
【0022】
前記袋体およびブーツ状部材は、常温でゴム弾性を有するゴム弾性材料から形成することができる。
【0023】
前記ゴム弾性材料としては、
軟質塩化ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂などの軟質樹脂、
ポリウレタン系エラストマ、ポリアミド系エラストマ、ポリオレフィン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、ゴム状エポキシ樹脂などの熱可塑性または熱硬化性のエラストマ、
天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、イソプレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体ゴムなどのジエン系ゴムなどが挙げられる。
【0024】
請求項3に記載の発明は、前記携帯機器における前記グリップを形成するとともに、内部に前記燃料が収容される1または2以上の袋体を有する燃料タンクに関する。
【0025】
前記燃料タンクにおいては、燃料は袋体に密閉されているから、燃料漏れの危険が特に少ない点で好ましい。
【0026】
袋体は、1個であっても複数であってもよい。また、袋体の形態としては、後述するチューブ状袋体のほか、平面形状が四角形の封筒状袋体などが挙げられる。
【0027】
請求項4に記載の発明は、前記袋体がチューブ状の形態を有してなる燃料タンクに関する。
【0028】
前記燃料タンクは、燃料を収容する袋体を備える形態の燃料タンクのうち、前記袋体がチューブ状の形態を有するチューブ状袋体であるものの例である。
【0029】
前記燃料タンクにおいては、袋体の長さを長く取れるから、内部に大量の燃料を収容できる点で好ましい。加えて、把持部の表面に前記袋体を複数列巻回すれば、握り心地の特に良好なグリップを形成できる。
【0030】
請求項5に記載の発明は、前記燃料電池部に供給する燃料を収容する燃料収容室と、前記燃料収容室の外側または内側に設けられ、前記燃料電池部で生じた水を収容する水収容室とを備えてなる燃料タンクに関する。
【0031】
前記燃料タンクにおいては、燃料収容室中の燃料電池部で燃料が消費されるにつれ、前記燃料電池で生成した水が水収容室に注入されるから、燃料タンク全体としては、当初の膨らんだ状態を維持できる。
【0032】
したがって、前記燃料タンクによって形成されるグリップは、燃料が消費されても当初の良好な握り心地を保持し、握り心地が悪化することはない。
【0033】
請求項6に記載の発明は、燃料電池を電源とし、使用者が把持する把持部を有する携帯機器であって、前記把持部の表面に設けられた請求項1〜5の何れか1項に記載の燃料タンクによってグリップが形成されてなることを特徴とする携帯機器に関する。
【0034】
前記携帯機器においては、燃料タンクは前記携帯機器の表面に設けられているから、燃料電池用の燃料を大量に収容したときでも、外形や寸法が大きくなることはない。
【0035】
また、前記携帯機器の使用者が、前記燃料タンクによって形成されたグリップを把持することによって受ける圧縮力によって、前記携帯機器内部の燃料電池部に燃料を強制的に送り込むことができる。したがって、前記携帯機器においては、燃料を燃料電池または改質器に送入する燃料送入ポンプが不要になるから、前記携帯機器をコンパクトに構成できる。
【0036】
加えて、前記携帯機器は、把持部の表面に燃料タンクを有しているから、違和感の無い外観を有している。
【0037】
【発明の実施の形態】
1.実施形態1
本発明に係る携帯機器に包含されるデジタルカメラの一例について、外観を図1に、燃料タンク周辺の内部構造を図2に示す。
【0038】
図1に示すように、実施形態1に係るデジタルカメラ100は、正面中央部にレンズ部102を、正面の向かって右上部にストロボ104を有する。
【0039】
デジタルカメラ100の上面には、シャッターボタン106が設けられている。
【0040】
デジタルカメラ100の向かって左側の端部には、デジタルカメラ100に内蔵された燃料電池12にメタノールを供給する燃料タンク2が装着され、撮影者が撮影時に把持するグリップ108が形成されている。デジタルカメラ100におけるグリップ108が形成された側の端部は、撮影者が撮影時に把持する部分であるから、把持部とも称することができる。
【0041】
また、図2に示すように、デジタルカメラ100の筐体110におけるチューブ2を嵌装する部分には、円形溝状の凹陥部110Aが形成され、燃料タンク2の脱落を防止している。
【0042】
燃料タンク2は、ゴム弾性材料からなる環状のチューブ状袋体であり、外袋20と外袋20の内側に設けられた内袋22とからなっている。
【0043】
内袋22にはメタノールが収容され、内袋22と外袋20との間の空間には燃料電池12で生成した水が貯留される。
【0044】
デジタルカメラ100の筐体110の内側には、メタノールを分解して水素と炭酸ガスとに改質する改質器14と、改質器14で得られた水素により発電する燃料電池12とが設けられている。
【0045】
内袋22と改質器14とは燃料供給管路4によって接続されている。燃料供給管路4には、内袋22から改質器14に向かう方向にのみメタノールを流通させる逆止弁6が介装されている。
【0046】
一方、燃料電池12と外袋20とは水排出管路8によって接続されている。水排出管路8には、燃料電池12から外袋20に向かい方向にのみ水を流通させる逆止弁10が設けられている。
【0047】
以下、デジタルカメラ100の作用について説明する。
【0048】
図2および図3に示すように、撮影者がグリップ108を把持すると、燃料タンク2が圧縮され、燃料タンク2の内部の内袋22も圧縮される。これにより、メタノールが燃料供給管路4を通って改質器14に送られる。
【0049】
改質器14に供給されたメタノールは燃料電池12で生成した水によって水素と炭酸ガスとに分解される。分解によって得られた水素は、燃料電池12に供給される。
【0050】
燃料電池12においては、改質器14からの水素が酸化されて発電が行われる。そして、前記酸化反応によって生じた水は、一部は改質器14に回され、残りは水排出管路8によって燃料タンク2に戻され、外袋20と内袋22との間に溜まる。
【0051】
したがって、内袋22に収容されたメタノールが消費されるにつれ、図3において(A)に示すように、内袋22にメタノールが充填された状態から、図3において(B)に示すように、内袋22と外袋20との間に水が充填された状態に移行する。
【0052】
したがって、内袋22に収容されていたメタノールが消費されても、燃料タンク2は常に膨らんだ状態に保たれるから、グリップ108は常に良好な握り心地に保持される。
【0053】
また、燃料タンク2には通常の燃料カートリッジに比較して大量のメタノールを収容できるから、デジタルカメラ100は長時間使用できる。加えて、燃料タンク2はグリップ状の外観を有し、しかも、デジタルカメラに把持部が通常形成される位置に設けられているから、外観的にも違和感がない。
【0054】
更に、前述のように、撮影者がグリップ108を把持する力によって燃料タンク2が圧縮されるから、外袋20と同時に内袋22も圧縮されてメタノールが改質器14に送られる。したがって、燃料供給管路4に燃料供給ポンプを設ける必要はない。
【0055】
また、燃料供給管路4には逆止弁6が設けられているから、撮影者がグリップ108を把持する把持力を緩めて燃料タンク2内部が減圧状態になってもメタノールが改質器14から内袋22に向かって逆流することがない。
【0056】
デジタルカメラ100では、燃料電池12と改質器14とが使用されているが、燃料電池12および改質器14に代えて、メタノールで直接発電する直接型燃料電池を使用してもよい。この場合は、燃料供給管路4を燃料電池に直結することができる。
【0057】
2.実施形態2
本発明に係る携帯機器に包含されるデジタルカメラの別の例について、外観を図4に、燃料タンクおよびその周囲の内部構造を図5に示す。
【0058】
図4に示すように、実施形態2に係るデジタルカメラ200は、実施形態1に係るデジタルカメラと同様に、正面中央部にレンズ部202を、正面の向かって右上部にストロボ204を有する。
【0059】
デジタルカメラ200の上面には、シャッターボタン206が設けられている。
【0060】
デジタルカメラ200の向かって左側の端部は、本発明における把持部に相当し、ゴム弾性材料からなるブーツ状部材32が装着され、撮影者が撮影時に把持するグリップ208が形成されている。
【0061】
デジタルカメラ200の筐体210におけるブーツ状部材32が装着される部分には、円形溝状の凹陥部210Aが互いに隣接して3列に形成されている。一方、ブーツ状部材32における凹陥部210Aに対応する位置にも、内部が中空状に形成された膨出部32Aが円周方向に3列形成されている。そして膨出部32Aと凹陥部210Aとによって燃料タンク30が形成され、内部にメタノールが収容される。
【0062】
ブーツ状部材32の両端には断面が三角形状に形成されたビード部32Bが形成されている。筐体210におけるブーツ状部材32が装着される部分と、前記部分に隣接する部分との間には段差210Bが形成されている。段差210Bとブーツ状部材32との間には押え部材212が固定されている。一方、筐体210のブーツ状部材32が装着される側の端面には端板214が被せられている。
【0063】
ブーツ状部材32のビード部32Bの一方は、押え部材212によって筐体210に固定され、前記ビード部32Bの他方は、端板214によって筐体210に固定されている。更に、ブーツ状部材32における膨出部32Aの間の部分も適宜の手段、たとえば接着によって筐体210に固定されている。
【0064】
燃料電池38にはメタノールを改質して水素を取り出す改質器40が設けられている。
【0065】
筐体210の内部には、燃料タンク30から改質器40にメタノールを供給する燃料供給管路34、および燃料電池40で生成した水を燃料電池38から排出する水排出管路44が設けられている。燃料供給管路34には逆止弁36が設けられ、改質器38から燃料タンク30へのメタノールの逆流を防止している。また水排出管路44は排出水収容部42に連通している。
【0066】
以下、デジタルカメラ200の作用について説明する。
【0067】
撮影者がグリップ208を把持すると、膨出部32Aが押し潰されるように変形し、燃料タンク30は圧縮力を受ける。前記圧縮力により、燃料タンク30内のメタノールは、燃料供給管路34を通って改質器40に供給されて炭酸ガスと水とに分解される。
【0068】
燃料電池38には、改質器40で生成した水素が供給されて発電が行われる。そして燃料電池38で発生した水は、水排出管路44を通って排出水収容部42に排出される。
【0069】
前記デジタルカメラ200は、ブーツ状部材32を筐体210に装着し、押え部材212および端板214によって固定することにより、燃料タンク30を形成できる。したがって、実施形態1に係るデジタルカメラの特長に加えて燃料タンクおよびその周辺の構成が簡略化できるという特長を有する。
【0070】
なお、燃料電池38および改質器40に代えてメタノールで直接発電する直接型燃料電池を使用できることは、実施形態1に係る燃料電池と同様である。
【0071】
3.実施形態3
本発明に係る携帯機器に包含されるデジタルカメラの更に別の例について、外観を図6に、燃料タンクおよびその周囲の内部構造を図7に示す。
【0072】
デジタルカメラ300の上面には、シャッターボタン306が設けられている。
【0073】
デジタルカメラ300の向かって左側の端部は、本発明における把持部に相当し、封筒状の燃料タンク50がそれぞれの面に1個づつ、合計4個固定されて撮影者が撮影時に把持するグリップ308が形成されている。
【0074】
図7に示すように、デジタルカメラ300におけるグリップ308の内側には、改質器62と燃料電池60とが設けられている。改質器62および燃料電池60は、それぞれ実施形態1における改質器14および燃料電池12と同様の改質器および燃料電池である。
【0075】
燃料タンク50は、封筒状の外袋54と、外袋54の内側に設けられた封筒状の内袋52とを有する。外袋54および内袋52は、何れもゴム弾性材料から形成されている。
【0076】
内袋52の内部にメタノールが収容されている。一方、燃料電池60で生成した水は、外袋54と内袋52との間の部分に貯留される。
【0077】
内袋52と改質器62とは、燃料供給管路54によって接続されている。燃料供給管路54には、燃料タンク50から改質器62に向かう方向にのみメタノールを流通させる逆止弁56が介装されている。
【0078】
一方、外袋54と内袋52との間の空間と燃料電池60とは、水排出管路70によって接続されている。水排出管路70には、燃料電池60から外袋54に向かう方向にのみ水を流通させる逆止弁72が設けられている。
【0079】
以下、デジタルカメラ300の作用について説明する。
【0080】
撮影者がグリップ308を把持すると、燃料タンク50が外側から圧縮されるから、外袋54および内袋52も圧縮される。ここで、水排出管路70には逆止弁72が設けられているから、外袋54が圧縮されても、外袋54と内袋52との間の空間の水が燃料電池60に向かって逆流することはなく、前記空間内に保持される。したがって、燃料タンク50に加わった圧縮力は、そのまま内袋52に加わり、内袋52内部のメタノールは燃料供給管路54を通って改質器62に向かって押し出される。
【0081】
内袋52から供給されたメタノールは、燃料電池60で生じた水によって改質器62において水素と炭酸ガスとに分解される。そして、水素のみが燃料電池60に供給されて発電が行われる。
【0082】
燃料電池60で生じた水は、一部が改質器62に戻され、残りが水排出管路70を通って外袋54と内袋52との間の空間に貯留される。
【0083】
デジタルカメラ300においても、グリップ308は、内部にメタノールが充填されて膨らんだ燃料タンク50によって覆われた状態にあるから、握り心地が良好である。そして、内袋52内のメタノールが消費されると、燃料電池60で生じた水が外袋54と内袋52との間の空間に貯留される。したがって、燃料タンク50は、メタノールが消費されても当初の膨らんだ状態を保持するから、グリップ308においては、当初の良好な握り心地が保持される。
【0084】
また、燃料タンク50における外袋54および内袋52は、何れも封筒状であるから、たとえば、ゴム弾性材料から形成された管状の成形体を、所定の長さ毎に熱融着するなどの方法により成形できる。したがって、実施形態1および実施形態2のデジタルカメラの有する燃料タンクに比較して成形が容易である。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、燃料電池を電源とする携帯機器に使用でき、前記燃料電池に使用される燃料を大量に収容できるにも関わらず、携帯機器の外形、寸法が大きくなることのない燃料タンク、および前記燃料タンクを備えた携帯機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施形態1に係るデジタルカメラの外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、実施形態1に係るデジタルカメラの把持部およびその周辺部の内部構造を示す断面図である。
【図3】図3は、実施形態1に係るデジタルカメラにおいて、燃料タンクにメタノールが充填された状態、およびメタノールが完全に消費された状態を示す断面図である。
【図4】図4は、実施形態2に係るデジタルカメラの外観を示す斜視図である。
【図5】図5は、実施形態2に係るデジタルカメラの把持部およびその周辺部の内部構造を示す断面図である。
【図6】図6は、実施形態3に係るデジタルカメラの外観を示す斜視図である。
【図7】図7は、実施形態3に係るデジタルカメラの把持部およびその周辺部の内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
2 燃料タンク
4 燃料供給流路
8 水排出流路
12 燃料電池
20 外袋
22 内袋
30 燃料タンク
32 ブーツ状部材
38 燃料電池
100 デジタルカメラ
108 把持部
200 デジタルカメラ
208 把持部
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンクおよび携帯機器にかかり、特に、デジタルカメラなどの携帯機器の備える燃料電池部に供給する燃料を大量に収容でき、しかも、前記携帯機器の寸法が大きくなることのない燃料タンク、および前記燃料タンクを備える携帯機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラ、ラップトップ型コンピュータやノートブック型コンピュータ、携帯電話などの携帯機器は、現在広く使用されている。
【0003】
前記形態機器の電源としては、従来、アルカリマンガン電池などの一次電池、およびニッケル水素電池やリチウム電池などの二次電池などが一般的であった。
【0004】
近年、これらの携帯機器をより長時間使用したいとの要求が高まって来たが、前記一次電池や二次電池は、これらの要求には充分には応えられなかった。
【0005】
そこで、これらの電池パックよりも軽量、小型であって、長時間電力を供給できる電源として、燃料電池を用いた電源システムが注目されている。
【0006】
このような電源システムとしては、たとえば発電用燃料が封入された燃料封入部と、外燃料封入部から供給される発電用燃料によって電力を発生させる発電モジュールとを備え、前記燃料封入部と前記発電モジュールとが互いに着脱可能に構成されている電源システムが提案された(特許文献1、2)。また、燃料電池本体と水素吸蔵ボンベと制御部と水素供給手段等とを有し、前記水素吸蔵ボンベが前記水素供給手段に対して着脱可能に設けられた機器搭載用燃料電池装置が提案された(特許文献3)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−289211号公報
【特許文献2】
特開2003−36879号公報
【特許文献3】
特開平9−213359号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料電池は、燃料の量で発電量が制限されるので、燃料電池を搭載した携帯機器を長時間に亘って使用しようとすると、前記携帯機器に大量の燃料を収容しなければならない。
【0009】
前記特許文献1〜3に記載された着脱型の燃料封入部や水素吸蔵ボンベにおいては大量の燃料を収容しようとすると寸法が大きくなるので、携帯機器も、寸法の大きな燃料封入部や水素吸蔵ボンベを収納できるように寸法を大きくする必要があった。
【0010】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、燃料電池を電源とする携帯機器に使用でき、前記燃料電池に使用される燃料を大量に収容できるにも関わらず、携帯機器の外形、寸法が大きくなることのない燃料タンク、および前記燃料タンクを備えた携帯機器の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、燃料電池を電源とする携帯機器において、前記燃料電池または前記燃料電池に設けられた改質器に燃料を供給する燃料タンクであって、前記携帯機器において使用者が把持する把持部の表面に設けられてグリップを形成してなることを特徴とする燃料タンクに関する。
【0012】
前記燃料タンクは、前述のように携帯機器の把持部の表面に設けられているから、大きな面積を確保でき、したがって厚さは薄くても大きな内容量を確保できる。したがって、多くの燃料を収容できるにも関わらず、携帯機器の外形、寸法が大きくなることはない。
【0013】
また、携帯機器の把持部は、携帯機器の全体から見れば小さな部分であるから、把持部の表面に燃料タンクを設けても外観に大きな違和感が生じることは無い。
【0014】
前記携帯機器の備える燃料電池は、メタノールなどの燃料を直接酸化して発電する直接型燃料電池であってもよく、また燃料を改質して水素を取り出す改質器を併用する場合には、前記改質器で得られた水素を燃料とする水素燃料型燃料電池であってもよい。
【0015】
前記携帯機器は、通常の形態として把持部を有する携帯機器が挙げられ、具体的にはデジタルカメラ、ビデオカメラ、および卓上掃除機などが挙げられる。
【0016】
前記携帯機器がデジタルカメラであるときは、前記燃料タンクは、前記デジタルカメラにおける撮影者が把持する側の端部に設けることができる。
【0017】
一方、前記携帯機器がビデオカメラであるときは、前記燃料タンクは、前記ビデオカメラにおいて撮影者が撮影時に把持するハンドル状またはグリップ状の部分であるハンドル部に設けることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、使用者が把持する側の面が柔軟性と弾力性とを有する材料から形成されてなる燃料タンクに関する。
【0019】
前記燃料タンクは、携帯機器の把持部を形成するとともに、少なくとも使用者が把持する側の面が柔軟性と弾力性とを有するから、把持部の感触が向上する。
【0020】
さらに、前記燃料タンクは、使用者が把持することにより圧縮力を受けるから、前記燃料タンクと燃料電池部とを接続する配管に、燃料の逆流を防止する逆止弁を設けるだけで、この圧縮力を利用して内部の燃料を燃料電池または改質器に強制的に送り込むことができる。したがって、燃料送入ポンプを前記配管上に設けなくてもよいから、携帯機器を更にコンパクトに構成できる。
【0021】
前記燃料タンクは、前記携帯機器の表面に配設された後述する袋体であってもよく、また、前記携帯機器の一部分を覆って把持部を形成するブーツ状部材と前記携帯機器の前記ブーツ状部材で覆われた表面との間に形成される空間であってもよい。前記ブーツ状部材で携帯機器の表面を覆って燃料タンクを形成する場合には、前記ブーツ状部材と前記携帯機器との接触部は燃料に対して液密であることが好ましい。
【0022】
前記袋体およびブーツ状部材は、常温でゴム弾性を有するゴム弾性材料から形成することができる。
【0023】
前記ゴム弾性材料としては、
軟質塩化ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂などの軟質樹脂、
ポリウレタン系エラストマ、ポリアミド系エラストマ、ポリオレフィン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ、ゴム状エポキシ樹脂などの熱可塑性または熱硬化性のエラストマ、
天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、イソプレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体ゴムなどのジエン系ゴムなどが挙げられる。
【0024】
請求項3に記載の発明は、前記携帯機器における前記グリップを形成するとともに、内部に前記燃料が収容される1または2以上の袋体を有する燃料タンクに関する。
【0025】
前記燃料タンクにおいては、燃料は袋体に密閉されているから、燃料漏れの危険が特に少ない点で好ましい。
【0026】
袋体は、1個であっても複数であってもよい。また、袋体の形態としては、後述するチューブ状袋体のほか、平面形状が四角形の封筒状袋体などが挙げられる。
【0027】
請求項4に記載の発明は、前記袋体がチューブ状の形態を有してなる燃料タンクに関する。
【0028】
前記燃料タンクは、燃料を収容する袋体を備える形態の燃料タンクのうち、前記袋体がチューブ状の形態を有するチューブ状袋体であるものの例である。
【0029】
前記燃料タンクにおいては、袋体の長さを長く取れるから、内部に大量の燃料を収容できる点で好ましい。加えて、把持部の表面に前記袋体を複数列巻回すれば、握り心地の特に良好なグリップを形成できる。
【0030】
請求項5に記載の発明は、前記燃料電池部に供給する燃料を収容する燃料収容室と、前記燃料収容室の外側または内側に設けられ、前記燃料電池部で生じた水を収容する水収容室とを備えてなる燃料タンクに関する。
【0031】
前記燃料タンクにおいては、燃料収容室中の燃料電池部で燃料が消費されるにつれ、前記燃料電池で生成した水が水収容室に注入されるから、燃料タンク全体としては、当初の膨らんだ状態を維持できる。
【0032】
したがって、前記燃料タンクによって形成されるグリップは、燃料が消費されても当初の良好な握り心地を保持し、握り心地が悪化することはない。
【0033】
請求項6に記載の発明は、燃料電池を電源とし、使用者が把持する把持部を有する携帯機器であって、前記把持部の表面に設けられた請求項1〜5の何れか1項に記載の燃料タンクによってグリップが形成されてなることを特徴とする携帯機器に関する。
【0034】
前記携帯機器においては、燃料タンクは前記携帯機器の表面に設けられているから、燃料電池用の燃料を大量に収容したときでも、外形や寸法が大きくなることはない。
【0035】
また、前記携帯機器の使用者が、前記燃料タンクによって形成されたグリップを把持することによって受ける圧縮力によって、前記携帯機器内部の燃料電池部に燃料を強制的に送り込むことができる。したがって、前記携帯機器においては、燃料を燃料電池または改質器に送入する燃料送入ポンプが不要になるから、前記携帯機器をコンパクトに構成できる。
【0036】
加えて、前記携帯機器は、把持部の表面に燃料タンクを有しているから、違和感の無い外観を有している。
【0037】
【発明の実施の形態】
1.実施形態1
本発明に係る携帯機器に包含されるデジタルカメラの一例について、外観を図1に、燃料タンク周辺の内部構造を図2に示す。
【0038】
図1に示すように、実施形態1に係るデジタルカメラ100は、正面中央部にレンズ部102を、正面の向かって右上部にストロボ104を有する。
【0039】
デジタルカメラ100の上面には、シャッターボタン106が設けられている。
【0040】
デジタルカメラ100の向かって左側の端部には、デジタルカメラ100に内蔵された燃料電池12にメタノールを供給する燃料タンク2が装着され、撮影者が撮影時に把持するグリップ108が形成されている。デジタルカメラ100におけるグリップ108が形成された側の端部は、撮影者が撮影時に把持する部分であるから、把持部とも称することができる。
【0041】
また、図2に示すように、デジタルカメラ100の筐体110におけるチューブ2を嵌装する部分には、円形溝状の凹陥部110Aが形成され、燃料タンク2の脱落を防止している。
【0042】
燃料タンク2は、ゴム弾性材料からなる環状のチューブ状袋体であり、外袋20と外袋20の内側に設けられた内袋22とからなっている。
【0043】
内袋22にはメタノールが収容され、内袋22と外袋20との間の空間には燃料電池12で生成した水が貯留される。
【0044】
デジタルカメラ100の筐体110の内側には、メタノールを分解して水素と炭酸ガスとに改質する改質器14と、改質器14で得られた水素により発電する燃料電池12とが設けられている。
【0045】
内袋22と改質器14とは燃料供給管路4によって接続されている。燃料供給管路4には、内袋22から改質器14に向かう方向にのみメタノールを流通させる逆止弁6が介装されている。
【0046】
一方、燃料電池12と外袋20とは水排出管路8によって接続されている。水排出管路8には、燃料電池12から外袋20に向かい方向にのみ水を流通させる逆止弁10が設けられている。
【0047】
以下、デジタルカメラ100の作用について説明する。
【0048】
図2および図3に示すように、撮影者がグリップ108を把持すると、燃料タンク2が圧縮され、燃料タンク2の内部の内袋22も圧縮される。これにより、メタノールが燃料供給管路4を通って改質器14に送られる。
【0049】
改質器14に供給されたメタノールは燃料電池12で生成した水によって水素と炭酸ガスとに分解される。分解によって得られた水素は、燃料電池12に供給される。
【0050】
燃料電池12においては、改質器14からの水素が酸化されて発電が行われる。そして、前記酸化反応によって生じた水は、一部は改質器14に回され、残りは水排出管路8によって燃料タンク2に戻され、外袋20と内袋22との間に溜まる。
【0051】
したがって、内袋22に収容されたメタノールが消費されるにつれ、図3において(A)に示すように、内袋22にメタノールが充填された状態から、図3において(B)に示すように、内袋22と外袋20との間に水が充填された状態に移行する。
【0052】
したがって、内袋22に収容されていたメタノールが消費されても、燃料タンク2は常に膨らんだ状態に保たれるから、グリップ108は常に良好な握り心地に保持される。
【0053】
また、燃料タンク2には通常の燃料カートリッジに比較して大量のメタノールを収容できるから、デジタルカメラ100は長時間使用できる。加えて、燃料タンク2はグリップ状の外観を有し、しかも、デジタルカメラに把持部が通常形成される位置に設けられているから、外観的にも違和感がない。
【0054】
更に、前述のように、撮影者がグリップ108を把持する力によって燃料タンク2が圧縮されるから、外袋20と同時に内袋22も圧縮されてメタノールが改質器14に送られる。したがって、燃料供給管路4に燃料供給ポンプを設ける必要はない。
【0055】
また、燃料供給管路4には逆止弁6が設けられているから、撮影者がグリップ108を把持する把持力を緩めて燃料タンク2内部が減圧状態になってもメタノールが改質器14から内袋22に向かって逆流することがない。
【0056】
デジタルカメラ100では、燃料電池12と改質器14とが使用されているが、燃料電池12および改質器14に代えて、メタノールで直接発電する直接型燃料電池を使用してもよい。この場合は、燃料供給管路4を燃料電池に直結することができる。
【0057】
2.実施形態2
本発明に係る携帯機器に包含されるデジタルカメラの別の例について、外観を図4に、燃料タンクおよびその周囲の内部構造を図5に示す。
【0058】
図4に示すように、実施形態2に係るデジタルカメラ200は、実施形態1に係るデジタルカメラと同様に、正面中央部にレンズ部202を、正面の向かって右上部にストロボ204を有する。
【0059】
デジタルカメラ200の上面には、シャッターボタン206が設けられている。
【0060】
デジタルカメラ200の向かって左側の端部は、本発明における把持部に相当し、ゴム弾性材料からなるブーツ状部材32が装着され、撮影者が撮影時に把持するグリップ208が形成されている。
【0061】
デジタルカメラ200の筐体210におけるブーツ状部材32が装着される部分には、円形溝状の凹陥部210Aが互いに隣接して3列に形成されている。一方、ブーツ状部材32における凹陥部210Aに対応する位置にも、内部が中空状に形成された膨出部32Aが円周方向に3列形成されている。そして膨出部32Aと凹陥部210Aとによって燃料タンク30が形成され、内部にメタノールが収容される。
【0062】
ブーツ状部材32の両端には断面が三角形状に形成されたビード部32Bが形成されている。筐体210におけるブーツ状部材32が装着される部分と、前記部分に隣接する部分との間には段差210Bが形成されている。段差210Bとブーツ状部材32との間には押え部材212が固定されている。一方、筐体210のブーツ状部材32が装着される側の端面には端板214が被せられている。
【0063】
ブーツ状部材32のビード部32Bの一方は、押え部材212によって筐体210に固定され、前記ビード部32Bの他方は、端板214によって筐体210に固定されている。更に、ブーツ状部材32における膨出部32Aの間の部分も適宜の手段、たとえば接着によって筐体210に固定されている。
【0064】
燃料電池38にはメタノールを改質して水素を取り出す改質器40が設けられている。
【0065】
筐体210の内部には、燃料タンク30から改質器40にメタノールを供給する燃料供給管路34、および燃料電池40で生成した水を燃料電池38から排出する水排出管路44が設けられている。燃料供給管路34には逆止弁36が設けられ、改質器38から燃料タンク30へのメタノールの逆流を防止している。また水排出管路44は排出水収容部42に連通している。
【0066】
以下、デジタルカメラ200の作用について説明する。
【0067】
撮影者がグリップ208を把持すると、膨出部32Aが押し潰されるように変形し、燃料タンク30は圧縮力を受ける。前記圧縮力により、燃料タンク30内のメタノールは、燃料供給管路34を通って改質器40に供給されて炭酸ガスと水とに分解される。
【0068】
燃料電池38には、改質器40で生成した水素が供給されて発電が行われる。そして燃料電池38で発生した水は、水排出管路44を通って排出水収容部42に排出される。
【0069】
前記デジタルカメラ200は、ブーツ状部材32を筐体210に装着し、押え部材212および端板214によって固定することにより、燃料タンク30を形成できる。したがって、実施形態1に係るデジタルカメラの特長に加えて燃料タンクおよびその周辺の構成が簡略化できるという特長を有する。
【0070】
なお、燃料電池38および改質器40に代えてメタノールで直接発電する直接型燃料電池を使用できることは、実施形態1に係る燃料電池と同様である。
【0071】
3.実施形態3
本発明に係る携帯機器に包含されるデジタルカメラの更に別の例について、外観を図6に、燃料タンクおよびその周囲の内部構造を図7に示す。
【0072】
デジタルカメラ300の上面には、シャッターボタン306が設けられている。
【0073】
デジタルカメラ300の向かって左側の端部は、本発明における把持部に相当し、封筒状の燃料タンク50がそれぞれの面に1個づつ、合計4個固定されて撮影者が撮影時に把持するグリップ308が形成されている。
【0074】
図7に示すように、デジタルカメラ300におけるグリップ308の内側には、改質器62と燃料電池60とが設けられている。改質器62および燃料電池60は、それぞれ実施形態1における改質器14および燃料電池12と同様の改質器および燃料電池である。
【0075】
燃料タンク50は、封筒状の外袋54と、外袋54の内側に設けられた封筒状の内袋52とを有する。外袋54および内袋52は、何れもゴム弾性材料から形成されている。
【0076】
内袋52の内部にメタノールが収容されている。一方、燃料電池60で生成した水は、外袋54と内袋52との間の部分に貯留される。
【0077】
内袋52と改質器62とは、燃料供給管路54によって接続されている。燃料供給管路54には、燃料タンク50から改質器62に向かう方向にのみメタノールを流通させる逆止弁56が介装されている。
【0078】
一方、外袋54と内袋52との間の空間と燃料電池60とは、水排出管路70によって接続されている。水排出管路70には、燃料電池60から外袋54に向かう方向にのみ水を流通させる逆止弁72が設けられている。
【0079】
以下、デジタルカメラ300の作用について説明する。
【0080】
撮影者がグリップ308を把持すると、燃料タンク50が外側から圧縮されるから、外袋54および内袋52も圧縮される。ここで、水排出管路70には逆止弁72が設けられているから、外袋54が圧縮されても、外袋54と内袋52との間の空間の水が燃料電池60に向かって逆流することはなく、前記空間内に保持される。したがって、燃料タンク50に加わった圧縮力は、そのまま内袋52に加わり、内袋52内部のメタノールは燃料供給管路54を通って改質器62に向かって押し出される。
【0081】
内袋52から供給されたメタノールは、燃料電池60で生じた水によって改質器62において水素と炭酸ガスとに分解される。そして、水素のみが燃料電池60に供給されて発電が行われる。
【0082】
燃料電池60で生じた水は、一部が改質器62に戻され、残りが水排出管路70を通って外袋54と内袋52との間の空間に貯留される。
【0083】
デジタルカメラ300においても、グリップ308は、内部にメタノールが充填されて膨らんだ燃料タンク50によって覆われた状態にあるから、握り心地が良好である。そして、内袋52内のメタノールが消費されると、燃料電池60で生じた水が外袋54と内袋52との間の空間に貯留される。したがって、燃料タンク50は、メタノールが消費されても当初の膨らんだ状態を保持するから、グリップ308においては、当初の良好な握り心地が保持される。
【0084】
また、燃料タンク50における外袋54および内袋52は、何れも封筒状であるから、たとえば、ゴム弾性材料から形成された管状の成形体を、所定の長さ毎に熱融着するなどの方法により成形できる。したがって、実施形態1および実施形態2のデジタルカメラの有する燃料タンクに比較して成形が容易である。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、燃料電池を電源とする携帯機器に使用でき、前記燃料電池に使用される燃料を大量に収容できるにも関わらず、携帯機器の外形、寸法が大きくなることのない燃料タンク、および前記燃料タンクを備えた携帯機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施形態1に係るデジタルカメラの外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、実施形態1に係るデジタルカメラの把持部およびその周辺部の内部構造を示す断面図である。
【図3】図3は、実施形態1に係るデジタルカメラにおいて、燃料タンクにメタノールが充填された状態、およびメタノールが完全に消費された状態を示す断面図である。
【図4】図4は、実施形態2に係るデジタルカメラの外観を示す斜視図である。
【図5】図5は、実施形態2に係るデジタルカメラの把持部およびその周辺部の内部構造を示す断面図である。
【図6】図6は、実施形態3に係るデジタルカメラの外観を示す斜視図である。
【図7】図7は、実施形態3に係るデジタルカメラの把持部およびその周辺部の内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
2 燃料タンク
4 燃料供給流路
8 水排出流路
12 燃料電池
20 外袋
22 内袋
30 燃料タンク
32 ブーツ状部材
38 燃料電池
100 デジタルカメラ
108 把持部
200 デジタルカメラ
208 把持部
Claims (6)
- 燃料電池を電源とする携帯機器において、前記燃料電池または前記燃料電池に設けられた改質器に燃料を供給する燃料タンクであって、
前記携帯機器において使用者が把持する把持部の表面に設けられてグリップを形成してなることを特徴とする燃料タンク。 - 使用者が把持する側の面が柔軟性と弾力性とを有する材料から形成されてなる請求項1に記載の燃料タンク。
- 前記携帯機器における前記グリップを形成するとともに、内部に前記燃料が収容される1または2以上の袋体を有する請求項1または2に記載の燃料タンク。
- 前記袋体はチューブ状の形態を有してなる請求項3に記載の燃料タンク。
- 前記燃料電池部に供給する燃料を収容する燃料収容室と、前記燃料収容室の外側または内側に設けられ、前記燃料電池部で生じた水を収容する水収容室とを備えてなる請求項1〜4の何れか1項に記載の燃料タンク。
- 燃料電池を電源とし、使用者が把持する把持部を有する携帯機器であって、前記把持部の表面に設けられた請求項1〜5の何れか1項に記載の燃料タンクによってグリップが形成されてなることを特徴とする携帯機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003171736A JP2005011560A (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | 燃料タンクおよび携帯機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003171736A JP2005011560A (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | 燃料タンクおよび携帯機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005011560A true JP2005011560A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34096094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003171736A Pending JP2005011560A (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | 燃料タンクおよび携帯機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005011560A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007311363A (ja) * | 2007-07-30 | 2007-11-29 | Sanyo Electric Co Ltd | 燃料電池システム |
-
2003
- 2003-06-17 JP JP2003171736A patent/JP2005011560A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007311363A (ja) * | 2007-07-30 | 2007-11-29 | Sanyo Electric Co Ltd | 燃料電池システム |
JP4712007B2 (ja) * | 2007-07-30 | 2011-06-29 | 三洋電機株式会社 | 燃料電池システム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3715610B2 (ja) | 燃料電池用燃料供給源 | |
US20080284370A1 (en) | Portable Battery Operated Power Supply | |
US9224997B2 (en) | Battery pack and handheld power tool having a battery pack | |
JP4248286B2 (ja) | 燃料電池システム、燃料パック、カメラ、カメラ付き携帯電話、及び携帯端末 | |
CN109428028A (zh) | 蓄电模块 | |
JP2007227092A (ja) | 燃料電池用燃料カートリッジ及び燃料電池システム | |
JP2006523937A (ja) | 直接酸化燃料電池に燃料を補給するための装置 | |
WO2008095885A1 (en) | Electronic device charger | |
US7537856B2 (en) | Fuel cell, fuel supply apparatus therefor, and fuel supply system therefor | |
JP2006196313A (ja) | 燃料電池搭載機器及び燃料カートリッジ | |
US20080241668A1 (en) | Portable power supply device | |
KR20080043310A (ko) | 연료전지용 연료보급용기, 연료보급방법 및 연료보급용기용홀더 | |
JP4532924B2 (ja) | 携帯機器 | |
JP4496731B2 (ja) | 燃料タンク及びこれを用いた燃料電池システム | |
JP2007242606A (ja) | 燃料電池デバイスおよびその方法 | |
JP4155373B2 (ja) | 小型電気機器用の電池パック | |
JP2005011560A (ja) | 燃料タンクおよび携帯機器 | |
JP5660352B2 (ja) | 注液式空気電池 | |
JP2005143033A (ja) | 燃料電池を備えた携帯端末装置用クレイドル及び携帯端末システム | |
US20080090109A1 (en) | Portable fuel cell power source and methods related thereto | |
US20170237097A1 (en) | Fuel source for electrochemical fuel cell power supply | |
JP2004350727A (ja) | キャリングケース | |
JP2008064929A (ja) | カメラ用補助電源モジュール | |
US7816054B2 (en) | Electronic equipment containing a fuel cell | |
WO2009154069A1 (ja) | 燃料充填キット及び燃料充填方法 |