JP2005007311A - 多連槽式連続汚濁水浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】汚濁水浄化用タンクを複数連続配列し、且つ該タンク上部に設けた駆動手段Mとスクリュウ軸3により乱流を起し効率的に撹拌・凝集分離させる為に、各タンク間に設けた水路管1a、1b、1c、1dの取り付け位置を左右交互にずらして設け、且つ、該各撹拌反応タンクT1、T2、T3の中心部の上下方向ほぼ中程に、内寸法がスクリュウ外形寸法より一回り大きめな正四角筒形状の側板1fを設け、且つ、該各タンクの内周四辺中央部の上下中程に、水流抵抗板1eを溶着し、且つ、該各タンクの底部四隅に正三角形状の持続乱流用の乱流発生部材1gを所定角度程傾斜させて溶着し、且つ該各タンク間に設けた水路管1b、1cの出口側部のほぼ上下中央部にコの字形状、又は富士山形状に折り曲げた所定長さ寸法を有する仕切り板1h、1h'を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多連槽式連続濁水浄化装置に関するものであり、特に赤土やヘドロ等による濁水や牛・豚等の大容量の家畜汚水に凝集分離剤を注入して短時間に連続浄水化させるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、凝集分離剤を使用した凝集沈殿装置は凝集反応槽内に中心用撹拌翼と、内壁に沿って回転する外周用撹拌翼を具備しており、凝集反応槽の直径が大きくなった場合でも、種粒子と微フロックの衝突確率を上げる事で処理能力の向上を図っているが、この装置では1槽内に設ける撹拌翼が多く、回転速度の制御が煩雑になる可能性がある。(例えば特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特公平10−337407号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は小数の撹拌翼で効果的な乱流を起す事で、大容量の汚水や濁水を短時間で効率良く凝集分離し、連続浄水化させる多連槽式連続汚濁水浄化装置を開発・提供する事にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決する為の手段として、この発明は、汚濁水浄化用タンクを複数連続配列し、且つ、該タンク上部に設けた駆動手段とプロペラ軸に軸着した乱流発生プロペラ羽根の回転により、効率的に乱流を発生させる為に、各タンク間に設けた水路管の取り付け位置を左右交互にずらして設け、且つ、該各撹拌反応タンクの中心部の上下方向ほぼ中程に、内寸法がプロペラ羽根外径寸法より一周り大きめな正四角筒形状の側板を設け、且つ、該各タンクの内周四側面中央部の上下中程に、水流抵抗板を溶着し、且つ、該各タンクの底部四隅に正三角形状の乱流発生部材を所定角度に傾斜させて溶着し、且つ、該各タンク間に設けた水路管の出口側部のほぼ上下中央部にコの字形状、又は富士山形状に折り曲げた所定長さ寸法を有する仕切り板を溶着して設けたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
そこで、この発明の一実施例を図1〜図3に従って詳述すると、平面視が正方形又は矩形で、且つ、箱形状をした撹拌反応タンク(1)を多連槽に配列して設け、且つ、該各撹拌反応タンクの各槽(T1)(T2)(T3)の上部中心にインバーター減速機付モートル等の駆動手段(M)を設け、且つ、該各駆動手段のプロペラ軸部に、上下に任意調節可能な乱流発生プロペラ羽根(2)を軸着して設け、且つ、該プロペラ軸の先端部に四方をターンバックル等の引き締め調整部材(6)で固定した軸受部材(5)を設け、且つ、各槽底版に沈殿汚泥排出口(7)を設けて、各槽毎に安定した回転と回転速度の可変調整を可能にした事を特徴とする多連槽式連続汚濁水浄化装置から構成される。
【0007】
又、平面視形状が正方形又は矩形で、且つ、箱形状をした撹拌反応タンク(1)を多連槽に配列して設け、且つ、該各撹拌反応タンクの水路管(1a)(1b)(1c)(1d)の左右方向の取付位置を、タンク中心線部(CL)を境に左右交互にずらして設け、且つ、上下方向の取付位置を階段状に所定寸法(h1)(h2)(h3)程徐々に下方にずらして設け、且つ、該各撹拌反応タンク(T1)(T2)(T3)の中心部の上下方向ほぼ中程に、内寸法が乱流発生プロペラ羽根外径寸法より一周り大きめな正四角筒形状の側板(1f)を設け、且つ、該各撹拌反応タンク(T1)(T2)(T3)の内周四側面中央部の上下中程に、左右並列に二ヶ所の縦長矩形状の切欠穴(1e’)を有する水流抵抗板(1e)を溶着し、且つ、該各撹拌反応タンク(T1)(T2)(T3)の底部四隅に正三角形状の乱流発生部材(1g)を所定の傾斜角度(α)に傾斜させて溶着し、且つ、該各タンク間に設けた水路管(1b)(1c)の出口側部のほぼ上下中央部にコの字形状、又は富士山形状に折り曲げた所定長さ寸法(l1)(l2)を有する仕切り板(1h)(1h’)を溶着して設け、各槽毎に持続乱流を継続して発生させて、短時間で確実に大容量の汚水又は濁水と凝集分離剤を接触させ、凝集分離させる事を特徴とする請求項1記載の多連槽式連続汚濁水浄化装置から構成される。
【0008】
まず、最初に、凝集分離剤を用いた水処理工程概念とこの発明の位置づけについて説明すると、汚水又は濁水の処理は主に撹拌反応タンクと凝集沈殿タンクで構成され、この発明は前者側を示し、汚水又は濁水に凝集分離剤を添加し、乱流撹拌を起す事で汚水又は濁水に含まれる水中懸濁物質をフロック化させ、更には水中のフロックを沈降させて上澄み水を放流する仕組みに成っている。
【0009】
続いて、汚濁水(PW)が浄化水(CW)に成るまでの給水から排水に至るまでの流水経路を説明すると、汚水又は濁水は水路管(1g)から給水し、第1撹拌反応タンク(T1)で凝集分離剤の添加と同時に撹拌され、水路管(1b)を通って第2撹拌反応タンク(T2)の仕切り板部(1h)へ移され、更に撹拌されて水路管(1c)を通って第3撹拌反応タンク(T3)の仕切り板部(1h’)へ移され、更に撹拌分離されて水路管(1d)を通って排水放流される構造に成っている。
【0010】
次に、この発明の部品構成・内部構造及び調整方法について概要を説明すると、まず、部品構成は大きく分けて多連槽に配列された撹拌反応タンク(1)と、プロペラ軸(3)を任意の速度で回転させるインバーター減速機付モートル(M)と、プロペラ軸(3)と、上下に任意調整可能な乱流発生プロペラ羽根(2)とで構成される。そして、モートルとプロペラ軸部の構造は、カップリング(4)によって同軸に連結され、更にプロペラ軸(3)の先端部は軸ブレを防止する為に、外周4箇所にフックを溶着した軸受部材(5)を設け、且つ、該タンク底部の四角にフックを取り付け、ターンバックル(6)で四方に引っ張って固定させている。この際、プロペラ軸(3)の回転ムラがある場合は、4箇所のターンバックル(6)のナットを一旦緩め、再度ターンバックルの調整ネジを微調整しながら芯合せを行い、ナットで固定させる。最後に多連槽各槽底版に沈殿汚泥排出口(7)を設けて、作業終了時には槽内に堆積した沈殿汚泥を除去する。
【0011】
次に、撹拌反応タンク(1)の水路管(1a)(1b)(1c)(1d)の上下取り付け寸法に高低差を設けた理由について述べると、図1(B)に示す様に、第1タンクから第2タンク、更には、第2タンクから第3タンクへと徐々に所定寸法(h1)(h2)(h3)程低く位置をずらして取り付けているのは、給水から排水に至るまでに逆流せずに、確実に一定方向に水が流れる様にしたものである。
【0012】
又、水路管(1a)(1b)(1c)(1d)の左右方向の取り付け寸法を、タンク中心線部(CL)を境に左右交互にずらして設けた理由は、水の流れに抵抗をもたせて、乱流を起させて凝集分離し易くしたものである。
【0013】
又、更に大容量の汚濁水を短時間で凝集分離させる為に、第1タンク部(T1)のプロペラ軸(3)に軸着された乱流発生プロペラ羽根(2)の外径寸法より一周り大きめな正四角筒形状の側板(1f)を設けてより乱流を起し易くし、且つ、該各タンク(T1)(T2)(T3)の内周四側面中央部の上下ほぼ中程に左右並列に二ヶ所の矩形状の切欠穴(1e’)を有する水流抵抗板(1e)を溶着している。
【0014】
そして、第1タンク(T1)部の乱流発生プロペラ羽根の数を2枚使用している理由は短時間に大容量の汚濁水(PW)に凝集を起させる為に、凝集分離剤を投入し効果的な乱流を発生させる必要がある為で、第2タンク部(T2)及び第3タンク部(T3)、第一タンク(T1)の凝集反応により生成したフロックをより大きく成長させ沈降し易くする為、1枚ずつ使用している。
【0015】
又、一連の凝集反応を効率良く行う為に、プロペラ軸(3)を回転させる駆動用モートル(M)の回転数を第1タンク(T1)用が350rpm、第2タンク(T2)用が300rpm、第3タンク(T3)用が280rpmと徐々に回転速度を落して撹拌している。
【0016】
更に、図2(A)に示す様に、第2タンク(T2)及び第3タンク(T3)の水路管(1b)(1c)の出口部にコの字形状に折り曲げた仕切り板(1h)(1h’)を設けているのは、乱流撹拌を効率良く行う為に設けている。
【0017】
【発明の効果】
撹拌反応タンク(1)を3連槽にし、且つ、該各槽(タンク)毎に撹拌用駆動モートル(M)とプロペラ軸(3)を連結して設け、各モートルの回転速度を、効率の良い最適な回転速度に調整する事で、汚濁水(PW)を凝集汚泥と浄化水(CW)に強制反応・分離させて、短時間に大容量水(30t/h〜300t/h)を確実に処理する事を可能にする等、極めて有益なる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示し、(A)は平面図で、(B)は(A)の一部欠截a−a断面図である。
【図2】この発明の一実施例を示し、(A)は図1(B)のb−b断面図で、(B)は(A)のa−a矢視図である。
【図3】この発明の一実施例を示し、モートル等の駆動手段とプロペラ軸部の拡大詳細図である。
【符号の説明】
1 撹拌反応タンク
1a 水路管
1b 水路管
1c 水路管
1d 水路管
1e 水流抵抗板
1e’ 切欠穴
1f 側板
1g 乱流発生部材
1h 仕切り板
1h’ 仕切り板
2 乱流発生プロペラ羽根
3 プロペラ軸
4 カップリング
5 軸受部材
6 ターンバックル等の引き締め調整部材
7 沈殿物排出口
CL タンク中心線部
M インバーター減速機付モートル等の駆動手段
T1 第1撹拌反応タンク
T2 第2撹拌反応タンク
T3 第3撹拌反応タンク
α 所定角度(傾斜角度)
h1 所定寸法
h2 所定寸法
h3 所定寸法
l1 第2タンクの仕切り板の長さ寸法
l2 第3タンク仕切り板の長さ寸法
PW 汚濁水
CW 浄化水
Claims (2)
- 平面視が正方形又は矩形で、且つ、箱形状をした撹拌反応タンク(1)を多連槽に配列して設け、且つ、該撹拌反応タンクの各槽の上部中心部にインバーター減速機付モートル等の駆動手段(M)を設け、且つ、該各駆動手段の軸部に上下に任意調整可能な乱流発生プロペラ羽根(2)を設け、且つ、該プロペラ軸(3)の先端部に四方をターンバックル等の引き締め調整部材(6)で固定した軸受け部材(5)を設けて、各槽毎に安定した回転と回転速度の可変調整を可能にした事を特徴とする多連槽式連続汚濁水浄化装置。
- 平面視が正方形又は矩形で、且つ、箱形状をした撹拌反応タンク(1)を多連槽に配列して設け、且つ、該撹拌反応タンクの水路管(1a)(1b)(1c)(1d)の左右方向の取付位置を、タンク中心線部(CL)を境に左右交互にずらして設け、且つ、上下方向の取付位置を階段状に所定寸法(h1)(h2)(h3)程徐々に下方にずらして設け、且つ、該各撹拌反応タンクの中心部の上下方向ほぼ中程に、内寸法が乱流発生プロペラ羽根(2)外径寸法より一周り大きめな正四角筒形状の側板(1f)を設け、且つ、該各撹拌反応タンクの内周四側面中央部の上下中程に、左右並列に二ヶ所の縦長矩形状の切欠穴(1e’)を有する水流抵抗板(1e)を溶着し、且つ、該各撹拌反応タンクの底部四隅に正三角形状の乱流発生部材(1g)を、所定角度(α)に傾斜させて溶着し、且つ、該各タンク間に設けた水路管(1b)(1c)の出口側部のほぼ上下中央部にコの字形状、又は富士山形状に折り曲げた所定長さ寸法(l1)(l2)を有する仕切り板(1h)(1h’)を溶着して設け、各槽毎に持続乱流を発生させて短時間で確実に大容量の汚濁水を凝集分離により、浄化させる事を特徴とする請求項1記載の多連槽式連続汚濁水浄化装置。
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