JP2005007097A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】作動保留球数の上限数を増大した場合に、作動保留球が貯まりやすい遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると(S21:YES)、各種乱数が取得され3種類用意されている変動パターンテーブルを用いて行なわれ、大当たりでない場合には、前回の変動パターン乱数の値により、演出にかかる時間のより長い変動パターンを多く含む長時間パターンテーブルか、演出にかかる時間のより短い変動パターンを多く含む通常パターンテーブルかのどちらかが選ばれており、その決定された種類のテーブルが用いられる。また、ここでテーブルの種類を決める変動パターン乱数の値は、通常時と高確率状態時に設定でき、高確率状態では長時間変動パターンテーブルが選択される確率が高くなっている(S42〜S49)。
【選択図】 図12
【解決手段】遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると(S21:YES)、各種乱数が取得され3種類用意されている変動パターンテーブルを用いて行なわれ、大当たりでない場合には、前回の変動パターン乱数の値により、演出にかかる時間のより長い変動パターンを多く含む長時間パターンテーブルか、演出にかかる時間のより短い変動パターンを多く含む通常パターンテーブルかのどちらかが選ばれており、その決定された種類のテーブルが用いられる。また、ここでテーブルの種類を決める変動パターン乱数の値は、通常時と高確率状態時に設定でき、高確率状態では長時間変動パターンテーブルが選択される確率が高くなっている(S42〜S49)。
【選択図】 図12
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、パチスロ機等の遊技機に関し、詳細には、遊技球が特定の始動入賞口に入賞した場合の作動保留球に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機では、遊技球が流下する遊技領域内に図柄を表示する表示装置を備え、流下した遊技球が特定の始動入賞口に入賞すると、抽選が行なわれ、その抽選について大当たりとなるか否かを判定した結果を表示装置に図柄を変動表示させるなどして表示することが行なわれている。この図柄の変動表示中に始動入賞口に別の遊技球が入賞すると、この遊技球についての抽選の判定結果をすぐには表示装置に表示できないので、入賞球を作動保留球として記憶させ、変動表示が終了すると、記憶されていた作動保留球についての判定結果の表示を行なう。この作動保留球は、通常予め定められた上限数まで記憶され、上限数を超えた入賞球(オーバーフロー球)については記憶されず、破棄されている。現在は、上限数は4個に設定されている。
【0003】
作動保留球の数は、保留ランプ等により遊技者に報知されているので、遊技者は、作動保留球数が最大数になると、オーバーフローによる無駄を避けるために遊技球の発射を停止して作動保留球が消化されるのを待つ傾向がある。しかし、遊技球の発射が停止されると、遊技機の稼働率が低下するので、遊技場にとっては好ましくない。
【0004】
そこで、オーバーフローを防止するために、作動保留球の上限数を現在の4個から例えば100個にすることが検討されている。ところで、このように作動保留球の上限数を増大させた場合に、作動保留球数が多くなりすぎることが予想される。そこで、始動入賞口への入賞時に抽選を行ない、その遊技球が大当たりやリーチの場合のみ作動保留球とするような提案もなされている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−210107
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上限数を4個から100個のように大幅に増大させたとしても、最大上限数近くまで作動保留球数が貯まることはほとんどなく、遊技者は上限数の増大を実感できることが少なかった。
【0007】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、作動保留球数の上限数を増大した場合に、作動保留球が貯まりやすい遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の遊技機は、遊技球が流下する遊技盤と、当該遊技盤上に設けられた特定の入賞口への遊技球の入賞を検出する遊技球検出手段と、当該遊技球検出手段によって遊技球が検出されたことに起因して乱数値を取得する乱数取得手段と、当該乱数取得手段により取得された乱数値に基づいて当たりはずれを判定する当たり判定手段と、当該当たり判定手段の判定結果が表示される図柄表示手段と、当該図柄表示手段に前記判定結果を示すための図柄の変動による演出の種類を変動パターンとして記憶する変動パターン記憶手段と、当該変動パターン記憶手段に記憶された複数の変動パターンから1つの変動パターンを選択する変動パターン選択手段と、前記遊技球検出手段により検出された遊技球について前記当たり判定手段の判定結果が前記図柄表示手段にまだ表示されていない場合に、その検出された遊技球を作動保留球として、所定数に達するまでその数を計数して記憶する作動保留球数計数手段とを備えた遊技機において、前記変動パターン記憶手段は、前記複数の変動パターンを、演出にかかる時間のより短い変動パターンを多く含む第一のグループと、演出にかかる時間のより長い変動パターンを多く含む第二のグループとの少なくとも2つのグループに分けて記憶し、前記変動パターン選択手段に前記第一のグループから変動パターンを選択させる通常状態と、前記第二のグループから変動パターンを選択させる長時間演出状態とを切替えるよう制御する変動パターン選択制御手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
この構成の遊技機では、遊技球検出手段が始動入賞口等の特定の入賞口への遊技球の入賞を検出し、その遊技球の検出を契機に乱数取得手段が乱数値を取得し、取得された乱数値に基づいて当たり判定手段が当たりはずれを判定する。そして、その判定結果が図柄表示手段に表示される。判定結果は図柄の変動による演出により示され、その演出の種類は変動パターンとして変動パターン記憶手段に記憶される。そして、変動パターン選択手段が、変動パターン記憶手段に記憶された複数の変動パターンから1つを選択する。遊技球検出手段により検出されたがまだ図柄表示手段に判定結果が表示されていない遊技球については、作動保留球とされる。作動保留球は、作動保留球数計数手段によりその数が計数され、一定数を上限として作動保留球表示手段に表示される。変動パターン記憶手段に記憶されている変動パターンは、演出にかかる時間のより短い変動パターンを多く含む第一のグループと、演出にかかる時間のより長い変動パターンを多く含む第二のグループとの少なくとも2つのグループに分けられており、変動パターン選択制御手段が、変動パターン選択手段に前記第一のグループから変動パターンを選択させる通常状態と、第二のグループから変動パターンを選択させる長時間演出状態とを切替えるよう制御する。
【0010】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記変動パターン選択制御手段は、前記乱数取得手段が予め定められた特定の値を乱数値として取得した場合、又は、前記変動パターン選択手段が予め定められた特定の変動パターンを選択した場合に、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替えるよう制御することを特徴とする。
【0011】
この構成の遊技機では、請求項1に記載の発明の作用に加え、乱数取得手段が予め定められた特定の値を乱数値として取得した場合、又は、変動パターン選択手段が予め定められた特定の変動パターンを選択した場合には、変動パターン選択制御手段が通常状態から長時間演出状態に切替えるよう制御する。
【0012】
請求項3に記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記変動パターン選択制御手段が前記通常状態から前記長時間演出状態に切替えるか否かを決定するための抽選を行なう抽選手段を備え、当該抽選手段による抽選結果に基づき、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替える確率を高くする変動パターン選択切替確率設定手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成の遊技機では、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、抽選手段が通常状態から長時間演出状態に切替えるか否かを決定するための抽選を行なう。そして、その抽選結果に基づき、変動パターン選択切替確率設定手段は、通常状態から長時間演出状態に切替えられる確率を高くする。
【0014】
請求項4に記載の遊技機は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記変動パターン選択切替確率設定手段は、前記抽選結果が予め定められた特定の値であった場合に、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替える確率を高くすることを特徴とする。
【0015】
この構成の遊技機では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の作用に加え、変動パターン選択切替確率設定手段は、抽選結果が予め定められた特定の値であった場合に、通常状態から長時間演出状態に切替えられる確率を高くする。
【0016】
請求項5に記載の遊技機は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記乱数取得手段により取得された乱数値又は前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記作動保留球数表示手段が計数し記憶できる上限数を通常よりも多い上限数に変更する計数記憶数変更手段を備え、前記変動パターン選択制御手段は、前記計数記憶数変更手段により前記上限数が通常よりも多くされた場合に、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替えるよう制御することを特徴とする。
【0017】
この構成の遊技機では、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の作用に加え、計数記憶数変更手段が、乱数取得手段により取得された乱数値又は変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、作動保留球数計数手段が計数し記憶できる上限数を通常よりも多い上限数に変更する。そして、変動パターン選択制御手段が、通常状態から長時間演出状態に切替えるよう制御する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の正面図である。図2は、遊技盤2の正面図である。図3は、特別図柄表示装置8の正面図である。
【0019】
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり、前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技者が遊技球を発射するために操作する発射ハンドル7が設けられている。さらに、下皿6の上にはスピーカー48が設けられている。
【0020】
また、図2に示すように、遊技盤2前面中央に位置する遊技領域4の略中央には、LCDから構成された図柄表示画面28や各種ランプ、LEDを備えた特別図柄表示装置8が設けられている。この特別図柄表示装置8の左右上方には電飾風車9,10がそれぞれ設けられている。また、特別図柄表示装置8の左側方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、特別図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられている。そして、その特別図柄始動電動役物15の下方に、大入賞口16が設けられている。また、特別図柄始動電動役物15の左右には普通入賞口19,20がそれぞれ設けられており、大入賞口16の左右にも普通入賞口17,18がそれぞれ設けられている。
【0021】
また、特別図柄表示装置8の下部には、遊技盤2の表面から遊技盤2の奥方向に向かって遊技球を暫時載置可能なステージ21が略水平に設けられ、また、特別図柄表示装置8の左右両肩にはワープ口22,23がそれぞれ設けられている。これらのワープ口22,23を通過した遊技球は特別図柄表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってステージ21へ現出するようになっており、ステージ21に現出した遊技球が、ステージ21の直下に設けられている特別図柄始動電動役物15に向かって落下しやすくなるように、ステージ21に若干の勾配が設けられている。
【0022】
また、図3に示すように、特別図柄表示装置8は、中央に図柄表示画面28が設けられ、その上方には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24が設けられている。この普通図柄表示部24には、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。また、図柄表示画面28の左下部には、2桁の数字が表示される特別図柄保留表示部60が設けられている。この特別図柄保留表示部60には、特別図柄始動電動役物15(図2参照)に入賞し、図柄表示画面28に大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる特別図柄作動保留球数を100個まで表示することができるようになっている。99個までは2桁の数字で、100個に達すると図柄が変動して示される。
【0023】
さらに、図柄表示画面28の上方には、4個のLEDから成る普通図柄記憶数表示LED59が設けられている。この普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12(図2参照)を通過し、普通図柄表示部24に当たりの判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる普通図柄作動保留球数を、特別図柄作動保留球数同様4個まで、LEDの点灯で表示することができる。また、図柄表示画面28の左右には、それぞれ3個の電飾用のLED62が列設されている。尚、遊技盤2(図2参照)には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他のLED、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
【0024】
次に、図柄表示画面28について説明する。図3に示すように、図柄表示画面28には、左から、特別図柄表示部L1,特別図柄表示部L3,特別図柄表示部L2の順に、3つの特別図柄表示部が横一列に配置されている。この特別図柄表示部L1〜L3には、後述する図柄(特別図柄)が上から下方向にスクロールするように変動表示され、特別図柄表示部L1、特別図柄表示部L2、特別図柄表示部L3の順に停止するようになっている。尚、この特別図柄表示部L1〜L3の配置、停止表示させる順序、スクロールの方向などは任意に変更できる。また、図柄表示画面28上には、特別図柄表示部L1〜L3の背景に画像やキャラクターやメッセージ等も表示されるようになっている。さらに、特別図柄表示部L1〜L3には特別図柄が常に表示されているわけではなく、これらの表示に代えて画像やキャラクターやメッセージ等を表示できるようになっている。尚、特別図柄表示装置8は、その裏面に図柄表示基板44(図4参照)を備えている。
【0025】
次に、特別図柄表示部L1〜L3に各々表示される図柄について説明する。本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の10種類の図柄が表示される。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞すると、大当たりの判定が行われ、これら10種類の図柄が原則としてこの順序で順次表示される。停止した時に特別図柄表示部L1〜L3に表示されている図柄が全て同じ図柄で揃った場合(例えば、「7,7,7」のように3つ揃った場合)には、「大当たり」となり大入賞口16が開放される「大当たり遊技状態」が生起される。全て同じ図柄で揃わなかった場合には「はずれ」となる。従って、特別図柄表示部L1及びL2が停止した段階で同じ図柄が表示されている状態(リーチ状態)では、「大当たり」となる可能性があるために遊技者は「大当たり」への期待感が高まる。
【0026】
また、前記10図柄のうち「1」,「3」,「5」,「7」,「9」を確率変動図柄(特定図柄)とし、これらのうちのいずれかの図柄が横1列に同じ図柄で揃うことにより大当たりが報知された場合には、「確率変動当たり」となり、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率(大当たり確率)が高くなる。尚、本実施の形態では、この大当たり確率が高くなっている状態を「高確率状態」とし、通常の確率である状態を「低確率状態」とする。また、高確率状態での大当たり確率は63分の1であり、低確率状態での大当たり確率は315分の1とするが、必ずしもこの値に限られるものではない。尚、確率変動図柄以外の図柄である「0」,「2」,「4」,「6」,「8」は非確率変動図柄(非特定図柄)であり、これらのうちのいずれかの図柄が横1列に同じ図柄で揃うことにより大当たりが報知された場合には、低確率状態となり、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率は通常の確率となる。
【0027】
次に、特別図柄保留表示部60について説明する。図3に示すように、図柄表示画面28の左下部には、特別図柄保留表示部60が設けられている。大当たり遊技中や特別図柄の表示中に特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球については、すぐに大当たり判定の結果を図柄表示画面28に表示できないので、後に表示を行えるように乱数値や判定結果を記憶させる。この記憶された遊技球が作動保留球であり、特別図柄保留表示部60に2桁の数字が表示されることにより、作動保留球の数が遊技者に表示される。
【0028】
特別図柄保留表示部60に表示される作動保留球の数は100個までであり、この上限値を超える遊技球の入賞があっても乱数値は取得されず、大当たり判定も行なわれない。このように作動保留球の上限数を超えて遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞することをオーバーフローと称する。
【0029】
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
【0030】
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶さている制御プログラムを実行し、この制御プログラムに従ってパチンコ機1の制御を行う。
【0031】
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と接続している。さらに、音基板43、図柄表示基板44及び電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。また、サブ統合基板58は音基板43、図柄表示基板44、電飾基板46の総合的な制御を行っており、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は図柄表示画面28及び普通図柄表示部24に表示される図柄の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御している。尚、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582及びROM583が設けられ、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45及び電飾基板46にも図示外のRAM及びROMが内蔵されており、CPU43a〜46aや図示外の入力インタフェイス等がそれぞれ搭載されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
【0032】
電飾基板46には、電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、電飾用のLED62、及び電飾ランプ63が接続されている。また、図柄表示基板44には、特別図柄表示装置8、及び普通図柄表示部24が接続されている。音基板43には、スピーカー48が接続され、払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、電動役物の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20に入賞した入賞球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。
【0033】
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46及びサブ統合基板58に各々接続されて、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。尚、電源基板42には、交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を供給できるようになっている。尚、図4では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
【0034】
次に、図5を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図5は、ROM53の記憶エリアを示す概念図である。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンに関する情報が記憶されている変動パターン記憶エリア5304、演出にかかる時間のより長い変動パターンから選択する確率を高くするか否かの抽選を行なうための抽選テーブルを記憶する抽選テーブル記憶エリア5305が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。また、変動パターン記憶エリア5304には、通常の変動パターンテーブルを記憶する通常変動パターンテーブル記憶エリア5304aと、演出にかかる時間のより長い変動パターンを多く有する長時間パターンテーブル記憶エリア5304bと、大当たりの場合に用いる変動パターンを記憶する大当たりパターンテーブル記憶エリア5304cとが設けられている。
【0035】
次に、図6を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図6は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、各ゲートに遊技球が通過したか否かや各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12へ遊技球が通過した場合に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過数の内、未消化の保留球の数を作動保留球数として記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、特別図柄始動電動役物15への遊技球の通過時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞数の内、未消化の保留球の数を作動保留球数として記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208が設けられている。フラグ関係記憶エリア5208には、特別図柄表示部L1〜L3の状態を示す表示状態フラグを記憶する表示状態フラグ記憶エリア5208a、大当たり遊技状態であるか否かを示す大当たり遊技状態フラグを記憶する大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208b、高確率状態とするか否かを示す確率変動フラグを記憶する確率変動フラグ記憶エリア5208c、演出にかかる時間のより長い変動パターンテーブルから変動パターンを選択する長時間演出状態であるか否かを示す長時間演出フラグを記憶する長時間演出フラグ記憶エリア5208d、長時間演出状態に突入する確率を上げるか否かを示す長時間演出突入高確率フラグを記憶する長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eが設けられている。また、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。尚、RAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。
【0036】
ここで、フラグ関係記憶エリア5208内の各記憶エリアに記憶されているフラグについて説明する。表示状態フラグ記憶エリア5208aに記憶される表示状態フラグは、特別図柄表示部L1〜L3が変動している場合(変動中)には「1」、特別図柄表示部L1〜L3が停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、変動中、停止表示中のいずれでもない場合には「0」がセットされて記憶される。大当たり遊技状態フラグ関係記憶エリア5208bに記憶されている大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態である場合には、「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。確率変動フラグ記憶エリア5208cに記憶されている確率変動フラグは、確率変動状態(高確率状態)である場合には、「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。長時間演出フラグ記憶エリア5208dに記憶されている長時間演出フラグは、長時間変動パターンテーブルから変動パターンを選択する長時間演出状態である場合には「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。また、長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに記憶されている長時間演出突入高確率フラグは、長時間演出状態に突入するための確率を高くするようにされている場合には「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。
【0037】
次に、図7を参照して、カウンタ記憶エリア5201について説明する。図7は、RAM52のカウンタ記憶エリア5201を示す概念図である。図7に示すように、カウンタ記憶エリア5201には普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3、特別図柄作成第2カウンタLC4、特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6、特別図柄変動時間カウンタTC1、特別図柄停止時間カウンタTC2、高確率カウンタFC1等が各々記憶されている。これらの値は、後述する普通図柄処理や特別図柄処理などにおいて使用されるようになっている。
【0038】
尚、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3、特別図柄作成第2カウンタLC4、特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の値は、割込信号発生回路57(図4参照)からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1の制御プログラムのメインルーチンのカウンタ更新処理(図10参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。そして、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値まで範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。また、特別図柄変動時間カウンタTC1及び特別図柄停止時間カウンタTC2は、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用され、カウンタ更新処理(図10参照)にて所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。
【0039】
以下、各カウンタについて詳述する。普通当たり判定カウンタLC1の値は、普通当たりを判定するために使用される。普通当たりの判定は、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過を契機に行われる。普通当たりと判定されると、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を所定時間(例えば、30秒)開放する。普通当たり判定カウンタLC1の最大値は「255」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「256」以上となった際に「0」へ戻る。従って、普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までのいずれかの値を取り、1周期は、512msとなる。
【0040】
大当たり判定カウンタLC2の値は、大当たりを判定するために使用される。大当たりカウンタLC2の最大値は「314」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「315」以上となった際に「0」へ戻る。従って、大当たり判定カウンタLC2の値は「0」から「314」までのいずれかの値を取り、1周期は630msとなる。また、パチンコ機1の起動時に、大当たり判定カウンタLC2には、初期値として「0」がセットされており、更新により値が一巡して初期値「0」と同じ値となると、新たな初期値を取得し、その初期値に対して「1」ずつの加算がなされる。この新たな初期値は、CPU51が、メインルーチン処理(図10参照)を行わない間(メインルーチン処理が終了し、次の割込信号によりメインルーチン処理が開始されるまでの間)に繰り返し実行されている図示外の初期値乱数処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。例えば、初期値乱数処理により生成された乱数が「18」であった場合には、更新により「19」、「20」と加算され、「314」となったら、「0」へ戻り、「1」、「2」と加算され、「18」となったら、新たな初期値を取得する。尚、大当たり判定カウンタLC2の最大値は、単一の設定値としてもよいし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
【0041】
特別図柄作成第1カウンタLC3の値は、大当たりである場合に、特別図柄表示部L1,L2,L3に表示される大当たり図柄を決定するために使用される。また、リーチとなるはずれの場合には、特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄(左図柄)及び、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。さらに、リーチとならないはずれの場合には、特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄(左図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第1カウンタLC3の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。従って、特別図柄作成第1カウンタLC3の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は20msとなる。
【0042】
特別図柄作成第2カウンタLC4の値は、リーチとなるはずれの場合には、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。また、リーチとならないはずれの場合には、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第2カウンタLC4の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、10割込毎(20ms毎、特別図柄作成第1カウンタLC3の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。従って、特別図柄作成第2カウンタLC4の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は、200msとなる。
【0043】
特別図柄作成第3カウンタLC5の値は、リーチとならならいはずれの場合に、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第3カウンタLC5の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、100割込毎(200ms毎、特別図柄作成第2カウンタLC4の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。従って、特別図柄作成第3カウンタLC5の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は、2000msとなる。
【0044】
変動パターン決定カウンタLC6の値は変動パターンを決定するために使用される。変動パターンは、大当たり判定の結果を報知する際の演出様態の種類であり、変動パターン決定カウンタLC6の値や大当たり判定の結果により選択される。選択された変動パターンは、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶され、さらに、変動パターン指定コマンドとしてサブ統合基板58へ送信される。そして、サブ統合基板58から音基板43、図柄表示基板44及び電飾基板46へ送信される。また、変動パターン決定カウンタLC6の値は、長時間演出状態に移行するか否かの決定に用いられる。尚、特別図柄表示部L1〜L3の変動開始から全図柄停止までの時間はこの変動パターン毎に決定されており、ROM53の変動パターン記憶エリア5304に記憶されている。また、本実施の形態では変動パターンは62種類設けられている。そして、この変動パターン決定カウンタLC6の最大値は「65536」、最小値は「1」であり、10割込毎(2ms毎)に「1」加算され「65536」より大きくなった際に「1」へ戻る。そして、大当たりである場合、はずれの場合の2つの変動パターン決定テーブル(図示外)が設けられており、それぞれ「1」〜「65536」の値に対して、62種類の変動パターンのいずれかが割り振られている。
【0045】
特別図柄変動時間カウンタTC1は、特別図柄表示部L1〜L3が変動を開始してから、全ての図柄が停止するまでの時間(変動時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として変動時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで変動を終了させるタイミングを判断する。例えば、変動時間が10秒である場合には、初期値として「5000」をセットする。尚、変動時間は変動パターン毎に決められている。
【0046】
特別図柄停止時間カウンタTC2は、特別図柄表示部L1〜L3に図柄が停止表示される時間(停止表示時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として停止時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで停止表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、停止表示時間が5秒である場合には、初期値として「2500」をセットする。
【0047】
高確率カウンタFC1は、長時間演出状態になりやすい状態(長時間演出突入高確率状態)にある場合に、その状態が継続する回数を計数するために使用するカウンタである。後述する特別図柄処理の中で長時間演出突入高確率状態になった際に最大値がセットされ、以後のルーチンで1ずつ減算される。
【0048】
次に、図8、図9を参照して、普通当たり関係情報記憶エリア5203及び大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図8は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。図9は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。
【0049】
まず、普通当たり関係情報記憶エリア5203について説明する。図8に示すように、普通当たり関係情報記憶エリア5203には、判定エリア及び記憶エリア1〜4が設けられている。この普通当たり関係情報記憶エリア5203は、メインルーチン処理の普通図柄処理(図10、S16参照)において使用される。記憶エリア1〜4には、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過し、まだ普通当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(普通図柄作動保留球)が取得した普通当たり判定カウンタLC1の値を普通当たり乱数として記憶する。判定エリアには、現在行われている、普通当たり判定の結果報知又は普通当たり遊技の動作の基になった普通当たり乱数が記憶されている。
【0050】
普通図柄処理において普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過が確認された場合には、記憶エリア1〜4の中で、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値(普通図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに各値が記憶される。例えば、普通図柄作動保留球数が「3」であれば、記憶エリア3に記憶される。そして、判定エリアに記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の普通図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、記憶エリア1に記憶されている値が判定エリアにシフトされ、判定エリアに記憶されている値に基づいて普通当たりの判定結果の報知が実行される。また、記憶エリア1が判定エリアにシフトされたことに伴い、記憶エリア2の値を記憶エリア1へ、記憶エリア3の値を記憶エリア2へ、記憶エリア4の値を記憶エリア3へと順にシフトさせ、記憶エリア4の値がクリアされる。ここで、記憶エリアの数は4つである。すなわち、普通図柄始動ゲート12へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。従って、普通図柄作動保留球数の上限は4個であり、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値も「4」より大きい値を取ることはない。
【0051】
次に、大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図9に示すように、大当たり関係情報記憶エリア5205には、判定エリア及び記憶エリア1〜100が設けられている。この大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメインルーチン処理の特別図柄処理(図10、S14参照)において使用される。記憶エリア1〜100には、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞し、まだ大当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(特別図柄作動保留球)が取得した乱数を記憶する。判定エリアには、現在行われている、大当たり判定の結果報知又は大当たり遊技の動作の基になった乱数が記憶されている。
【0052】
特別図柄処理において特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が確認された場合には、記憶エリア1〜100の中で、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値(特別図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに各値が記憶される。例えば、特別図柄作動保留球数が「3」であれば、記憶エリア3に記憶される。そして、判定エリアに記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の特別図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、記憶エリア1に記憶されている値が判定エリアにシフトされ、判定エリアに記憶されている値に基づいて大当たりの判定結果の報知が実行される。また、記憶エリア1が判定エリアにシフトされたことに伴い、記憶エリア2の値を記憶エリア1へ、記憶エリア3の値を記憶エリア2へ、以下同様に値を順にシフトさせ、記憶エリア100の値がクリアされる。尚、全てのエリアについてシフトを行なわず、データの入っているエリアについてのみシフトさせるようにしてもよい。ここで、記憶エリアの数は100個である。すなわち、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は100である。従って、特別図柄作動保留球数の上限は100個であり、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値も「100」より大きい値を取ることはない。
【0053】
この判定エリア及び記憶エリア1〜100のそれぞれには、大当たり乱数カラムCLM1、変動パターン乱数カラムCLM2、特別図柄第1乱数カラムCLM3、特別図柄第2乱数カラムCLM4、特別図柄第3乱数カラムCLM5が設けられており、大当たり乱数、変動パターン乱数、第1特別図柄乱数、第2特別図柄乱数、第3特別図柄乱数の各値が記憶される。大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC6の値が、特別図柄第1乱数カラムCLM3には特別図柄作成第1カウンタLC3の値が,特別図柄第2乱数カラムCLM4には特別図柄作成第2カウンタLC4の値が,特別図柄第3乱数カラムCLM5には特別図柄作成第3カウンタLC5の値がそれぞれ記憶される。
【0054】
次に、本実施の形態のパチンコ機1の動作の詳細について、図10〜図12に示すフローチャートを参照して説明する。パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリア5302(図5参照)に記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメインルーチン処理は、割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号を、CPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込み信号は一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メインルーチン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。尚、1回のメインルーチン処理は、2ms以内に終了するように構築されている。また、パチンコ機1の電源切断時にはRAM52のチェックサムの計算や例えばハッシュ関数によるパスワードの生成が行われる。次回電源投入時には、同様の処理を行って計算されたRAM52のチェックサムや生成されたパスワードとの同一性チェックが行われる。前回電源終了時との同一性が認められない場合、パチンコ機1のCPU51はROM53の初期設定記憶エリア5301に記憶された値を使用して、例えば、各カウンタの値や各フラグのクリアを行うなど、パチンコ機1のリセットを行う。また、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合にも、パチンコ機1のリセットが行われる。パチンコ機1のリセットが行われない場合には、RAM52の各記憶エリアの値の状態が前回電源切断時と同じ状態に戻される、いわゆる復帰処理が行われる。
【0055】
図10は、メインルーチン処理のフローチャートである。図11及び図12は、メインルーチン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0056】
割込信号の感知によってメインルーチン処理が開始されると、まずコマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58に出力される。制御コマンドとは、例えば、特別図柄作動保留球数を示す特別図柄作動保留コマンド、普通図柄作動保留球数を示す普通図柄作動保留コマンド、大当たり判定結果を報知する際に使用される変動パターン指定コマンド、特別図柄指定コマンド、変動開始コマンド、全図柄停止コマンド、普通当たりの判定結果を報知する際に使用される普通図柄変動パターン指定コマンド、普通図柄指定コマンド、普通図柄全図柄停止コマンド、大当たり遊技状態の際に使用される大入賞口開放表示コマンド、大入賞口閉鎖表示コマンド、大当たり開始画面表示コマンド、大当たり終了画面表示コマンド等である。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメインルーチン処理においてコマンド関係記憶エリア5207に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
【0057】
次に、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17,18,19,20等への遊技球の入賞(通過を含む)を検出するものである。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20等の入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が用いられる。入賞と判断された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグに「1」が記憶されて「ON」とされる。
【0058】
尚、スイッチ読込処理を行っているメインルーチン処理はCPU51が割込信号を受信する間隔、すなわち2ms毎に実行されている。そこで、遊技球がスイッチを通過する速度と遊技球の大きさを考慮すると、1球の遊技球がスイッチを通過する間にスイッチ読込処理は複数回実施される。よって、1球の遊技球の入賞が連続した複数回のスイッチ読込処理で検出されることになる。そこで、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて遊技球が入賞したと判断する。尚、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。
【0059】
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201(図7参照)に各々記憶されている普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3,特別図柄作成第2カウンタLC4,特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の各値が上記の所定量だけ加算され、特別図柄変動時間カウンタTC1の各値が上記の所定量だけ減算される。尚、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3,特別図柄作成第2カウンタLC4,特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の値が各カウンタの最大値を越える場合には、各カウンタの値は最小値に戻るようにプログラムされている。
【0060】
カウンタ更新処理が終了すると、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大入賞口16を開閉する大当たり遊技状態の動作の制御が行われる。具体的には、大入賞口開放表示コマンド、大入賞口閉鎖表示コマンド、大当たり開始画面表示コマンド、大当たり終了画面表示コマンド等の制御コマンドがサブ統合基板58へ送信される。この特別電動役物処理は、RAM52の大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208bに記憶されている大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている場合に実行される。この大当たり遊技状態フラグは、大当たりの報知が終了した際にの特別図柄処理(S14)でセットされる。そして、次のメインルーチン処理の実施時にこの特別電動役物処理で大当たり遊技状態の動作が開始される。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態の動作を終了させる際に「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0061】
また、大当たり遊技状態の動作を終了させる際には、RAM52の確率変動フラグ記憶エリア5208cに記憶される確率変動フラグのセットも行う。停止図柄が確率変動図柄であった場合、すなわち大当たり関係情報記憶エリア5205の特別図柄第1乱数カラムCLM3の値が「1」,「3」,「5」,「7」,「9」である場合には、次の大当たりの確率が高くなる高確率状態となる。また、停止図柄が非確率変動図柄であった場合、すなわち特別図柄第1乱数カラムCLM3の値が「0」,「2」,「4」,「6」,「8」である場合には、次の大当たりの確率は通常の確率であり、低確率状態となる。そこで、確率変動図柄であった場合には、確率変動フラグ記憶エリア5208cに「1」が記憶されて確率変動フラグが「ON」となり、非確率変動図柄であった場合には、「0」が記憶されて「OFF」となる。また、大当たり遊技状態の動作を終了させる際には、RAM52の長時間演出フラグ記憶エリア5208dに記憶される長時間演出フラグのリセットを行い、「0」を記憶する。
【0062】
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理(S14)が行われる。この特別図柄処理では、大当たりの判定、特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始および終了の指示、通常状態と長時間演出状態との切替等が行われる。この特別図柄処理については、図11及び図12に示すフローチャートを参照して後述する。
【0063】
特別図柄処理が終了すると、次いで普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなり、その結果が普通図柄表示部24に表示された後に、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の開閉部材(いわゆるチューリップ)の開閉(普通当たり状態の動作)の制御が行われる。尚、普通当たりの判定及び普通図柄表示部24への図柄の表示は、次のS16の普通図柄処理にて行われる。
【0064】
次の普通図柄処理(S16)では、普通当たり乱数の取得、普通図柄当たりの判定、普通図柄当たりの判定結果の普通図柄表示部24への報知の指示等が行われる。S11のスイッチ読込処理にて入賞球フラグ記憶エリア5202の普通図柄作動スイッチ73に対応したフラグが立てられている場合には、普通当たり判定カウンタLC1の値が取得され、その遊技球の普通当たり乱数として記憶される。ここで、以前入賞した遊技球についての普通当たりの判定結果の報知、又は、普通当たり状態の動作が実行中である場合には、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203の記憶エリア1〜4の中の、普通図柄作動保留球数記憶エリアに記憶されている値に対応する番号の記憶エリアに記憶されて、その遊技球についての作動は保留される。そして、実行中の動作が終了した後に記憶エリア1〜4の値が判定エリアにシフトされて、判定エリアに記憶されている普通当たり乱数に基づいて普通当たりの判定が行われる。
【0065】
普通当たり乱数の値の基となる普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までの値を取るので、普通当たり乱数も「0」から「255」までの値をとる。そこで、本実施の形態では、普通当たり乱数が「64」から「255」の場合は普通当たりとし、「0」から「63」の場合ははずれとする。そして、サブ統合基板58に対して、普通図柄表示部24に判定の結果報知の指示を行うために、普通図柄変動パターン指定コマンド、普通図柄指定コマンド、普通図柄全図柄停止コマンド等の制御コマンドが送信される。普通当たりの場合には、普通図柄表示部24に当たり図柄として「7」が表示され、はずれの場合には、はずれ図柄として「−」が表示される。普通図柄表示部24に当たり図柄が表示された後には、前述した普通電動役物処理(S15)において特別図柄始動電動役物15の開閉部材の開閉が行われる。
【0066】
普通図柄処理が終了すると、賞品球の払い出しを行う払出制御が行われ(S17)、次いでエラーチェックが行われる(S18)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58送信するためのエラーコマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。このエラーコマンドを受けて、特別図柄表示装置8にエラー表示を行われたり、電飾ランプ63にエラー時の点灯・点滅パターンが行われたり、スピーカー48からエラー音が発音される。
【0067】
次いで、情報出力処理が行われる(S19)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、時間短縮情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメインルーチンの処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、繰り返しメインルーチン処理が実行される。
【0068】
ここで、ある遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞し、大当たりと判定された場合のパチンコ機1の動作を例に挙げて、メインルーチン処理の一連の流れを説明する。遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に発射すると、遊技球は遊技領域4を流下する。そして、その遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、スイッチ読込処理において、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア5202の対応するフラグが「ON」とされる(S11)。そして、特別図柄処理(S14)にて大当たり判定が行われ、特別図柄表示部L1〜L3の図柄の変動が開始される。そして、メインルーチン処理が繰り返し実施される中で、特別図柄表示部L1〜L3が順次停止し、大当たり図柄が停止表示される。大当たり図柄の停止表示が終了すると、RAM52の大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208bに「1」が記憶され、大当たり遊技状態フラグが「ON」とされるので(S14)、次に実施されるメインルーチン処理の特別電動役物処理(S13)で、大入賞口16の開放を行い、大当たり遊技状態の動作を開始する。そして、メインルーチン処理が繰り返し実施される中で、特別電動役物処理(S13)で所定条件に従って大当たり遊技状態の動作が実施される。そして、大当たり遊技状態が終了する際には、大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208bに「0」を記憶して大当たり遊技状態フラグが「OFF」とされ、この遊技球に係る一連の動作が終了する。
【0069】
次に、メインルーチン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図11及び図12に示すフローチャートを参照して説明する。前述したように、特別図柄処理では、大当たりの判定、図柄表示画面28の特別図柄表示部L1〜L3に表示する特別図柄の決定、変動パターン等の決定、サブ統合基板58へのコマンド出力、通常状態と長時間演出状態の切替等が行われる。
【0070】
図11に示すように、メインルーチンの特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。メインルーチンのスイッチ読込処理(図10:S11)において、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出した場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている。そこで、S21ではこの始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」であるか否かの判断がされ、「ON」でない場合には(S21:NO)、特別図柄始動電動役物15に遊技球は入賞していないので、そのままS25へ進む。
【0071】
始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」である場合には(S21:YES)、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球の数は100個である。そこで、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「100」であるか否かの判断が行われる(S22)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「100」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS25へ進む。
【0072】
特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「100」でない場合、すなわち「0」〜「99」のいずれかである場合には(S22:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算され(S23)、大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリア1〜100のうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S24)。具体的には、大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が大当たり乱数として、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC6の値が変動パターン乱数として、特別図柄第1乱数カラムCLM3には特別図柄作成第1カウンタLC3の値が第1特別図柄乱数として、特別図柄第2乱数カラムCLM4には特別図柄作成第2カウンタLC4の値が第2特別図柄乱数として、特別図柄第3乱数カラムCLM5には特別図柄作成第3カウンタLC5の値が第3特別図柄乱数としてそれぞれ記憶される。
【0073】
次いで、大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208bに記憶された大当たり遊技状態フラグにより大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S25)。大当たり遊技状態である場合には(S25:YES)、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば(S25:YES)、大当たり遊技状態であるので、なにもせずにメインルーチン処理へ戻る。
【0074】
大当たり遊技状態フラグが「ON」でない場合には(S25:NO)、大当たり遊技状態でないので、特別図柄表示部L1〜L3の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグ記憶エリア5208aに記憶された表示状態フラグにより、特別図柄表示部L1〜L3が変動中であるか否かの判断が行われる(S26)。表示状態フラグが「1」でない、すなわち、変動中でない場合には(S26:NO)、表示状態フラグにより停止表示中であるか否かの判断が行われる(S27)。表示状態フラグが「2」でない、すなわち、停止表示中でない場合には(S27:NO)、大当たり判定が行われる。
【0075】
そこで、図12に示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S28)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」以上でなければ(S28:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメインルーチン処理へ戻る。「1」以上であれば(S28:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算される(S29)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリア1に記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、記憶エリア2に記憶されている乱数が記憶エリア1へシフトされ、記憶エリア3に記憶されている乱数が記憶エリア2へシフトされ、以下同様にしてシフトされ、最後の記憶エリアの値がクリアされる(S30)。
【0076】
次いで、大当たり判定が行われ、変動パターンの選択や特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄の選択が行われる(S31〜S41)。まず、大当たり乱数(判定エリアの大当たり乱数カラムCLM1の値)が大当たり条件を満たすか否かにより、大当たりか否かの判定が行われる(S31)。大当たり条件は、大当たり乱数が大当たりとして決められている特定の値、例えば「7」であることである。また、高確率状態である場合には、大当たりとなる特定の値は「7」に限らず、複数の値、例えば、大当たり乱数が「3」,「7」,「33」,「77」,「177」となる。なお、大当たり乱数は大当たり判定カウンタLC2の値から取得されており、大当たり判定カウンタLC2は「0」〜「314」の間をとるので、大当たり乱数も「0」〜「314」のいずれかになっている。
【0077】
大当たりであると判定された場合には(S31:YES)、大当たり時の変動パターン決定処理(S32)が行われる。ここでは、変動パターンの決定、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。変動パターンは、ROM53の大当たりパターンテーブル記憶エリア5304cに記憶されている大当たりである場合の変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数(判定エリアの変動パターン乱数カラムCLM2の値)に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0078】
次に、より演出時間の長い変動パターンが選択される確率が通常状態よりも高くなっている長時間演出状態に切替えるか否かを判断する(S33)。具体的には、変動パターン乱数が予め決められている特定の値であった場合には、長時間演出状態に切替えると判断される。この特定の値は、後述する切替確率が高確率である場合には、通常時よりも多い数の値が指定されるようになっており、通常時よりも長時間演出状態に切替えられる確率が高くなっている。長時間演出状態に切替える場合には(S33:YES)、長時間演出フラグ記憶エリア5208dに「1」を記憶して長時間演出フラグを「ON」とする(S34)。長時間演出状態に切替えない場合には(S33:NO)、そのままS35に進む。
【0079】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S35)が行なわれる。特別図柄の停止図柄決定処理では、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、大当たりとするために特別図柄表示部L1〜L3には全て同じ図柄に決定される。そこで、判定エリアの第1特別図柄乱数の値が、第2特別図柄乱数及び第3特別図柄乱数に記憶され、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0080】
尚、これらの変動パターン指定コマンド、第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドは1回のメインルーチン処理においてコマンド関係記憶エリア5207に記憶されるが、サブ統合基板58への出力は1回のメインルーチン処理で1つのコマンドだけが送信され、順次1つずつ出力される。具体的には、コマンドが記憶されたメインルーチン処理の次回のメインルーチン処理のコマンド出力処理において変動パターン指定コマンドが出力され、次々回のメインルーチン処理において第1特別図柄指定コマンドが出力され、その次のメインルーチン処理において第2特別図柄指定コマンドが出力され、その次のメインルーチン処理において第3特別図柄指定コマンドが出力されるように制御されている。この出力方法は、大当たりでない場合(S31:NO)において記憶されるコマンドにおいても同様である。
【0081】
大当たりでない場合には(S31:NO)、長時間演出状態か否かを判断する(S36)。この判断は、RAM52の長時間演出フラグ記憶エリア5208dに記憶されている長時間演出フラグが「ON」かどうかにより行なわれる。長時間演出フラグが「ON」になっている場合には(S36:YES)、長時間変動パターンテーブルから変動パターンを選択する処理(S37)が行われる。長時間変動パターンテーブルには、より演出時間の長い変動パターンが多く含まれているので、より演出時間の長い変動パターンが選択される確率が通常状態よりも高くなっている。さらに、このS37において、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。変動パターンは、ROM53の長時間パターンテーブル記憶エリア5304bに記憶された演出時間の長い変動パターンを多く含む変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0082】
長時間演出状態と判断されなかった場合には(S36:NO)、通常変動パターンテーブルから変動パターンを選択する処理(S38)が行われる。また、変動パターンの決定に加えて、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。具体的には、変動パターンは、ROM53の通常パターンテーブル記憶エリア5304aに記憶された変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0083】
S37又はS38において変動パターン選択処理が終了すると、次に、長時間演出状態に切替えるか否かを判断する(S39)。具体的には、変動パターン乱数が予め決められている特定の値であった場合には、長時間演出状態に切替えると判断される。この特定の値は、後述する切替確率が高確率である場合には、通常時よりも多い数の値が指定されるようになっており、通常時よりも長時間演出状態に切替えられる確率が高くなっている。長時間演出状態に切替える場合には(S39:YES)、長時間演出フラグ記憶エリア5208dに「1」を記憶して長時間演出フラグを「ON」とする(S40)。長時間演出状態に切替えない場合には(S39:NO)、そのままS41に進む。
【0084】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S41)が行なわれ、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、変動パターンがリーチ表示を行う変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1と特別図柄表示部L2とが同じ図柄となり、特別図柄表示部L3のみが異なる図柄となる。そこで、判定エリアの第2特別図柄乱数の値が第3特別図柄乱数に記憶され、第1特別図柄乱数の値が第2特別図柄乱数に記憶される。なお、ここで第1特別図柄乱数の値と第3特別図柄乱数の値が同じとなってしまった場合には、例えば「1」加算したり、減算したりして第3特別図柄乱数の値を変更する。さらに、変動パターンがリーチ表示を行わない変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1〜L3の図柄が全て異なる図柄となる。そこで、第1特別図柄乱数の値と、第2特別図柄乱数の値と、第3特別図柄乱数の値との中で、同じ値がある場合には異なる値となるように値を変更する。そして、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0085】
S35及びS41の特別図柄の停止図柄決定処理が終了すると、通常状態から長時間演出状態へ切替える確率が高確率状態であるか否かを判断する(S42)。S33,S39で長時間演出状態に切替えるか否かを判断するためには、変動パターン乱数が使用される。すなわち、変動パターン乱数が使特定の値であった場合に、長時間演出状態に切替えると判断される。この長時間演出状態に切替えるための変動パターン乱数の特定の値は、通常0.1%程度の確率になるように設定されている。本実施の形態では、変動パターン乱数の数は65536なので、65個の値が用意されている。そこで、この確率を1%程度に高くして、655個にするか否かを抽選で決定している(S46参照)。抽選で当たりの場合には、予め決められた回数(例えば20回)だけ、この高確率状態が継続するようにしている。そこで、S42では、現在の切替確率が高確率状態か否かを判断するものである。具体的には、RAM52の長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに記憶されている長時間演出突入高確率フラグが「ON」にされているかどうかで判断する。
【0086】
現在高確率状態である場合は(S42:YES)、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶されている高確率カウンタFC1を1減算する(S43)。そして、高確率カウンタが「0」に達したか否かを判断し(S44)、「0」であれば(S44:YES)、長時間演出突入高確率フラグに「0」をセットして「OFF」とする(S45)。高確率カウンタがまだ「0」に達していなければ(S44:NO)、そのままS50に進む。
【0087】
現在高確率状態でない場合は(S42:NO)、切替確率を高確率にするか否かを決めるための抽選処理を行なう(S46)。この抽選処理は、ROM53の抽選テーブル記憶エリア5305に記憶されている抽選テーブルを用いて行なう。この抽選テーブルでは、当選確率(切替確率が高確率とされるための確率)は、例えば0.2%程度に設定されている。そして、次に、切替確率を高確率にするか否かを判定する(S47)。具体的には、抽選で引いた値を予め定めた値と比較し、一致した場合に高確率にすると判定する。高確率にする場合には(S47:YES)、長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに「1」を記憶して長時間演出突入高確率フラグを「ON」にする(S48)。そして、高確率カウンタFC1を予め決められた回数(例えば20回)にセットしてカウンタ記憶エリア5201に記憶する(S49)。高確率にしない場合には(S47:NO)、そのままS50に進む。
【0088】
S45の処理が終了すると、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が変動中であることを示す「1」が記憶され(S50)、特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。
【0089】
また、図11に示すS26において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部L1〜L3が変動中であると判断された場合には(S26:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S51)。この判断は、特別図柄変動時間カウンタTC1の値により行われる。S32,S37,S38でセットされた特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」となった場合には、変動時間が経過したので(S51:YES)、コマンド関係記憶エリア5207に全図柄停止コマンドが記憶される(S52)。そして、所定の停止表示時間(例えば、10秒)が特別図柄停止時間カウンタTC2に記憶され(S53)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中であることを示す「2」が記憶される(S54)。そして特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。S51にて、特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」でなく、変動時間はまだ経過していない場合には(S51:NO)、特別図柄表示部L1〜L3は引き続き変動を続ける。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
【0090】
また、S27において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中であると判断された場合には(S27:YES)、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S55)。この判断は、特別図柄停止時間カウンタTC2の値により行われる。S52でセットされた特別図柄停止時間カウンタTC2の値が、カウンタ更新処理において減算され、「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S55:YES)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が記憶される(S56)。そして第1特別図柄乱数、第2特別図柄乱数、第3特別図柄乱数の値が全て等しく、大当たりである場合には(S57:YES)、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となり(S58)、特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。大当たりでない場合には(S57:NO)、そのまま特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。S54にて、特別図柄停止時間カウンタTC2の値が「0」でなく、停止表示時間はまだ経過していない場合には(S55:NO)、特別図柄表示部L1〜L3には引き続き図柄が停止表示される。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
【0091】
以上説明したように、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると(S21:YES)、各種乱数が取得され(S24)、大当たり判定が行われて変動パターンや特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄が決定される(S31〜S41)。変動パターンの選択は、3種類用意されている変動パターンテーブル(大当たりパターンテーブル、通常パターンテーブル、長時間パターンテーブル)を用いて行なわれる。大当たりの場合には大当たりパターンテーブルが用いられる。また、大当たり判定時に、変動パターン乱数の値により、以降を長時間演出状態に切替えるか否かが判定されており(S33,S39)、長時間演出状態に切替えられていれば、演出時間のより長い変動パターンを多く含む長時間変動パターンテーブルが用いられる。また、ここで長時間演出状態に切替えるか否かを決める変動パターン乱数の値は、通常時と高確率状態時に設定でき、高確率状態では長時間変動パターンテーブルが選択される確率が高くなっている(S42〜S49)。そして、繰り返しメインルーチンが実行される中で、特別図柄処理も繰り返し実施され、変動時間が経過すると(S26:YES、S51:YES)、変動を停止させるための制御コマンドが記憶されて(S52)、停止表示が行われる。さらに特別図柄処理が繰り返し実施され、停止表示時間が経過すると(S27:YES、S55:YES)、大当たり判定結果の報知は終了し、大当たりであった場合には、大当たり遊技状態へ移行するために大当たり遊技状態フラグが「ON」とされる(S58)。そして、メインルーチンへ戻る。
【0092】
以上のように、本実施の形態のパチンコ機1によれば、変動パターン乱数の値に基づき、演出にかかる時間が長い変動パターンの出現率が高い長時間演出状態に切替えられる。従って、より長い演出時間が頻繁に出現し、その間に作動保留球が貯まりやすくなるため、遊技者は増大した保留数を有効に活用できている実感がわき、遊技に対する興趣を高めることができる。尚、長時間演出状態に切替えるための乱数は、変動パターン乱数に限らず、大当たり乱数その他の乱数を用いることができる。
【0093】
尚、上記実施の形態において、特別図柄始動電動役物15に設けられた始動口スイッチ72が、遊技球検出手段に相当し、図11のフローチャートのS24において乱数取得処理を実行するCPU51が乱数取得手段として機能する。また、図12のフローチャートのS31において大当たり判定処理を実行するCPU51が当たり判定手段として機能する。さらに、特別図柄表示装置8が、図柄表示手段に相当し、ROM53の変動パターン記憶エリア5304が変動パターン記憶手段に相当する。また、図12のフローチャートのS32,37,38において変動パターン選択処理を実行するCPU51が変動パターン選択手段として機能する。さらに、図11のフローチャートのS23において特別図柄作動球数加算処理を実行するCPU51が作動保留球数計数手段として機能する。また、図12のフローチャートのS33及びS34、S39及びS40において長時間演出状態切替判断処理及び長時間演出切替処理を実行するCPU51が変動パターン選択制御手段として機能する。さらに、図12のフローチャートのS46において切替確率抽選処理を実行するCPU51が抽選手段として機能する。
【0094】
尚、本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、特別図柄作動保留球数は、図3に示す特別図柄保留表示部60に数字ではなく、キャラクターで表示するように構成してもよい。この場合には、保留1個に相当する小さいキャラクターと保留10個に相当する大きめのキャラクターを用いて表示するなどの方法が考えられる。
【0095】
さらに、特別図柄作動保留球数の表示形態としては、上述の他、図13に示すようなものでもよい。図13は、変形例の特別図柄表示装置8の正面図である。この変形例では、図13に示すように、図柄表示画面28の右上方に、2個の7セグメントLEDから構成される特別図柄保留表示部60が設けられている。この7セグメントLEDにより、2桁の数字を表示して特別図柄作動保留球数を示すことができる。100個に達した場合には、表示を点滅させるなどして示せばよい。さらに、普通図柄記憶数表示LED59と同様に、LEDを使用して特別図柄作動保留球数を示してもよい。この場合には、10個のLEDを用意し、色を変えて表示するようにすればよい。
【0096】
次に、本発明の第2の実施の形態について以下に説明する。第2の実施の形態では、特別図柄作動保留球の上限数を通常時は従来同様の4個に設定しておき、大当たりの発生、特定の変動パターンの出現などを契機として上限数を100個に増大し、それに伴って、第1の実施の形態と同様に長時間演出状態に切替が可能になるように構成している。機械的・電気的な構成は第1の実施の形態とほぼ同様であるので説明を省略し、RAM52の構成についてのみ図14を参照して説明する。また、メインのフローチャートも同様であるので説明を省略し、特別図柄処理のフローチャートのみ図15及び図16を参照して説明する。
【0097】
まず、図14を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図14は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。図14に示すように、RAM52には、第1の実施の形態と同様にカウンタ記憶エリア5201、入賞球フラグ記憶エリア5202、普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、コマンド関係記憶エリア5207、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208が設けられている。フラグ関係記憶エリア5208には、表示状態フラグ記憶エリア5208a、大当たり遊技状態フラグを記憶する大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208b、確率変動フラグを記憶する確率変動フラグ記憶エリア5208c、長時間演出フラグ記憶エリア5208d、長時間演出突入高確率フラグを記憶する長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに加えて、特別図柄作動保留球数の上限数を通常の4個から100個に増大しているか否かを示す上限数増大フラグを記憶する上限数増大フラグ記憶エリア5208fが設けられている。上限数増大フラグ記憶エリア5208fに記憶されている上限数増大フラグは、上限数が100個にされている場合には「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。
【0098】
次に、第2の実施の形態の特別図柄処理の詳細について、図15及び図16に示すフローチャートを参照して説明する。前述したように、特別図柄処理では、大当たりの判定、図柄表示画面28の特別図柄表示部L1〜L3に表示する特別図柄の決定、変動パターン等の決定、サブ統合基板58へのコマンド出力、通常状態と長時間演出状態の切替等が行われる。
【0099】
図15に示すように、メインルーチンの特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S121)。メインルーチンのスイッチ読込処理(図10:S11)において、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出した場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている。そこで、S121ではこの始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」であるか否かの判断がされ、「ON」でない場合には(S121:NO)、特別図柄始動電動役物15に遊技球は入賞していないので、そのままS125へ進む。
【0100】
始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」である場合には(S121:YES)、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球の数は予め上限数が定められている。そこで、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が上限数に達しているか否かの判断が行われる(S122)。具体的には、RAM52の上限数増大フラグ記憶エリア5208fに記憶された上限数増大フラグが「ON」であれば「100」、「OFF」であれば「4」であるか否かを判断する。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が上限数と一致する場合には(S122:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS125へ進む。
【0101】
特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が上限数でない場合には(S122:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算され(S123)、大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリアのうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S124)。具体的には、大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が大当たり乱数として、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC6の値が変動パターン乱数として、特別図柄第1乱数カラムCLM3には特別図柄作成第1カウンタLC3の値が第1特別図柄乱数として、特別図柄第2乱数カラムCLM4には特別図柄作成第2カウンタLC4の値が第2特別図柄乱数として、特別図柄第3乱数カラムCLM5には特別図柄作成第3カウンタLC5の値が第3特別図柄乱数としてそれぞれ記憶される。
【0102】
次いで、大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208bに記憶された大当たり遊技状態フラグにより大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S125)。大当たり遊技状態である場合には(S125:YES)、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば(S125:YES)、大当たり遊技状態であるので、なにもせずにメインルーチン処理へ戻る。
【0103】
大当たり遊技状態フラグが「ON」でない場合には(S125:NO)、大当たり遊技状態でないので、特別図柄表示部L1〜L3の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグ記憶エリア5208aに記憶された表示状態フラグにより、特別図柄表示部L1〜L3が変動中であるか否かの判断が行われる(S126)。表示状態フラグが「1」でない、すなわち、変動中でない場合には(S126:NO)、表示状態フラグにより停止表示中であるか否かの判断が行われる(S127)。表示状態フラグが「2」でない、すなわち、停止表示中でない場合には(S127:NO)、大当たり判定が行われる。
【0104】
そこで、図16に示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S128)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」以上でなければ(S128:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメインルーチン処理へ戻る。「1」以上であれば(S128:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算される(S129)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリア1に記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、記憶エリア2に記憶されている乱数が記憶エリア1へシフトされ、記憶エリア3に記憶されている乱数が記憶エリア2へシフトされ、以下同様にしてシフトされ、最後の記憶エリアの値がクリアされる(S130)。
【0105】
次いで、大当たり判定が行われ、変動パターンの選択や特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄の選択が行われる。まず、特別図柄作動保留球の上限数が「4」か否かを判断する(S131)。RAM52の上限数増大フラグ記憶エリア5208fに記憶されている上限数増大フラグが「OFF」であれば、上限数は「4」である。上限数が「4」の場合には(S131:YES)、大当たり乱数(判定エリアの大当たり乱数カラムCLM1の値)が大当たり条件を満たすか否かにより、大当たりか否かの判定が行われる(S132)。大当たり条件は、大当たり乱数が大当たりとして決められている特定の値、例えば「7」であることである。また、高確率状態である場合には、大当たりとなる特定の値は「7」に限らず、複数の値、例えば、大当たり乱数が「3」,「7」,「33」,「77」,「177」となる。なお、大当たり乱数は大当たり判定カウンタLC2の値から取得されており、大当たり判定カウンタLC2は「0」〜「314」の間をとるので、大当たり乱数も「0」〜「314」のいずれかになっている。
【0106】
大当たりであると判定された場合には(S132:YES)、大当たり時の変動パターン決定処理(S133)が行われる。ここでは、変動パターンの決定、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。変動パターンは、ROM53の大当たりパターンテーブル記憶エリア5304cに記憶されている大当たりである場合の変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数(判定エリアの変動パターン乱数カラムCLM2の値)に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0107】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S134)が行なわれる。特別図柄の停止図柄決定処理では、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、大当たりとするために特別図柄表示部L1〜L3には全て同じ図柄に決定される。そこで、判定エリアの第1特別図柄乱数の値が、第2特別図柄乱数及び第3特別図柄乱数に記憶され、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0108】
大当たりでない場合には(S132:NO)、通常変動パターンテーブルから変動パターンを選択する処理(S135)が行われる。また、変動パターンの決定に加えて、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。具体的には、変動パターンは、ROM53の通常パターンテーブル記憶エリア5304aに記憶された変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0109】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S136)が行なわれ、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、変動パターンがリーチ表示を行う変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1と特別図柄表示部L2とが同じ図柄となり、特別図柄表示部L3のみが異なる図柄となる。そこで、判定エリアの第2特別図柄乱数の値が第3特別図柄乱数に記憶され、第1特別図柄乱数の値が第2特別図柄乱数に記憶される。なお、ここで第1特別図柄乱数の値と第3特別図柄乱数の値が同じとなってしまった場合には、例えば「1」加算したり、減算したりして第3特別図柄乱数の値を変更する。さらに、変動パターンがリーチ表示を行わない変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1〜L3の図柄が全て異なる図柄となる。そこで、第1特別図柄乱数の値と、第2特別図柄乱数の値と、第3特別図柄乱数の値との中で、同じ値がある場合には異なる値となるように値を変更する。そして、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0110】
一方、特別図柄作動保留球数の上限数が「4」でない場合は(S131:NO)、次に、大当たり乱数(判定エリアの大当たり乱数カラムCLM1の値)が大当たり条件を満たすか否かにより、大当たりか否かの判定が行われる(S141)。大当たり条件は、大当たり乱数が大当たりとして決められている特定の値、例えば「7」であることである。また、高確率状態である場合には、大当たりとなる特定の値は「7」に限らず、複数の値、例えば、大当たり乱数が「3」,「7」,「33」,「77」,「177」となる。なお、大当たり乱数は大当たり判定カウンタLC2の値から取得されており、大当たり判定カウンタLC2は「0」〜「314」の間をとるので、大当たり乱数も「0」〜「314」のいずれかになっている。
【0111】
大当たりであると判定された場合には(S141:YES)、大当たり時の変動パターン決定処理(S142)が行われる。ここでは、変動パターンの決定、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。変動パターンは、ROM53の大当たりパターンテーブル記憶エリア5304cに記憶されている大当たりである場合の変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数(判定エリアの変動パターン乱数カラムCLM2の値)に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0112】
次に、より演出時間の長い変動パターンが選択される確率が通常状態よりも高くなっている長時間演出状態に切替えるか否かを判断する(S143)。具体的には、変動パターン乱数が予め決められている特定の値であった場合には、長時間演出状態に切替えると判断される。この特定の値は、後述する切替確率が高確率である場合には、通常時よりも多い数の値が指定されるようになっており、通常時よりも長時間演出状態に切替えられる確率が高くなっている。長時間演出状態に切替える場合には(S143:YES)、長時間演出フラグ記憶エリア5208dに「1」を記憶して長時間演出フラグを「ON」とする(S144)。長時間演出状態に切替えない場合には(S143:NO)、そのままS145に進む。
【0113】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S145)が行なわれる。特別図柄の停止図柄決定処理では、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、大当たりとするために特別図柄表示部L1〜L3には全て同じ図柄に決定される。そこで、判定エリアの第1特別図柄乱数の値が、第2特別図柄乱数及び第3特別図柄乱数に記憶され、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0114】
大当たりでない場合には(S141:NO)、長時間演出状態か否かを判断する(S147)。この判断は、RAM52の長時間演出フラグ記憶エリア5208dに記憶されている長時間演出フラグが「ON」かどうかにより行なわれる。長時間演出フラグが「ON」になっている場合には(S147:YES)、長時間変動パターンテーブルから変動パターンを選択する処理(S149)が行われる。長時間変動パターンテーブルには、より演出時間の長い変動パターンが多く含まれているので、より演出時間の長い変動パターンが選択される確率が通常状態よりも高くなっている。さらに、このS149において、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。変動パターンは、ROM53の長時間パターンテーブル記憶エリア5304bに記憶された演出時間の長い変動パターンを多く含む変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0115】
長時間演出状態と判断されなかった場合には(S147:NO)、通常変動パターンテーブルから変動パターンを選択する処理(S148)が行われる。また、変動パターンの決定に加えて、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。具体的には、変動パターンは、ROM53の通常パターンテーブル記憶エリア5304aに記憶された変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0116】
S148又はS149において変動パターン選択処理が終了すると、次に、長時間演出状態に切替えるか否かを判断する(S150)。具体的には、変動パターン乱数が予め決められている特定の値であった場合には、長時間演出状態に切替えると判断される。この特定の値は、後述する切替確率が高確率である場合には、通常時よりも多い数の値が指定されるようになっており、通常時よりも長時間演出状態に切替えられる確率が高くなっている。長時間演出状態に切替える場合には(S150:YES)、長時間演出フラグ記憶エリア5208dに「1」を記憶して長時間演出フラグを「ON」とする(S151)。長時間演出状態に切替えない場合には(S150:NO)、そのままS152に進む。
【0117】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S152)が行なわれ、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、変動パターンがリーチ表示を行う変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1と特別図柄表示部L2とが同じ図柄となり、特別図柄表示部L3のみが異なる図柄となる。そこで、判定エリアの第2特別図柄乱数の値が第3特別図柄乱数に記憶され、第1特別図柄乱数の値が第2特別図柄乱数に記憶される。なお、ここで第1特別図柄乱数の値と第3特別図柄乱数の値が同じとなってしまった場合には、例えば「1」加算したり、減算したりして第3特別図柄乱数の値を変更する。さらに、変動パターンがリーチ表示を行わない変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1〜L3の図柄が全て異なる図柄となる。そこで、第1特別図柄乱数の値と、第2特別図柄乱数の値と、第3特別図柄乱数の値との中で、同じ値がある場合には異なる値となるように値を変更する。そして、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0118】
S145及びS152の特別図柄の停止図柄決定処理が終了すると、通常状態から長時間演出状態へ切替える確率が高確率状態であるか否かを判断する(S154)。S143,S150で長時間演出状態に切替えるか否かを判断するためには、変動パターン乱数が使用される。すなわち、変動パターン乱数が使特定の値であった場合に、長時間演出状態に切替えると判断される。この長時間演出状態に切替えるための変動パターン乱数の特定の値は、通常0.1%程度の確率になるように設定されている。本実施の形態では、変動パターン乱数の数は65536なので、65個の値が用意されている。そこで、この確率を1%程度に高くして、655個にするか否かを抽選で決定している(S155参照)。抽選で当たりの場合には、予め決められた回数(例えば20回)だけ、この高確率状態が継続するようにしている。そこで、S154では、現在の切替確率が高確率状態か否かを判断するものである。具体的には、RAM52の長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに記憶されている長時間演出突入高確率フラグが「ON」にされているかどうかで判断する。
【0119】
現在高確率状態である場合は(S154:YES)、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶されている高確率カウンタFC1を1減算する(S160)。そして、高確率カウンタが「0」に達したか否かを判断し(S161)、「0」であれば(S161:YES)、長時間演出突入高確率フラグに「0」をセットして「OFF」とする(S162)。高確率カウンタがまだ「0」に達していなければ(S161:NO)、そのままS137に進む。
【0120】
現在高確率状態でない場合は(S154:NO)、切替確率を高確率にするか否かを決めるための抽選処理を行なう(S155)。この抽選処理は、ROM53の抽選テーブル記憶エリア5305に記憶されている抽選テーブルを用いて行なう。この抽選テーブルでは、当選確率(切替確率が高確率とされるための確率)は、例えば0.2%程度に設定されている。そして、次に、切替確率を高確率にするか否かを判定する(S156)。具体的には、抽選で引いた値を予め定めた値と比較し、一致した場合に高確率にすると判定する。高確率にする場合には(S156:YES)、長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに「1」を記憶して長時間演出突入高確率フラグを「ON」にする(S157)。そして、高確率カウンタFC1を予め決められた回数(例えば20回)にセットしてカウンタ記憶エリア5201に記憶する(S158)。高確率にしない場合には(S156:NO)、そのままS137に進む。
【0121】
S134,S136,S158,S162の処理が終了後、特別図柄作動保留球数の上限数を変更するか否かを判断する(S137)。これは、判定エリアに記憶されている変動パターン乱数の値が予め定められた特定の値である場合に変更する。尚、変動パターン乱数に限らず、大当たり乱数などの他の乱数を用いてもよい。変更する場合には(S137:YES)、新たな上限数をセットし(S138)、変更しない場合は(S137:NO)、そのままS139に進む。そして、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が変動中であることを示す「1」を記憶し(S139)、特別図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。
【0122】
また、図15に示すS126において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部L1〜L3が変動中であると判断された場合には(S126:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S171)。この判断は、特別図柄変動時間カウンタTC1の値により行われる。S133,S135,S142,S148,S149でセットされた特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」となった場合には、変動時間が経過したので(S171:YES)、コマンド関係記憶エリア5207に全図柄停止コマンドが記憶される(S172)。そして、所定の停止表示時間(例えば、10秒)が特別図柄停止時間カウンタTC2に記憶され(S173)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中であることを示す「2」が記憶される(S174)。そして特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。S171にて、特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」でなく、変動時間はまだ経過していない場合には(S171:NO)、特別図柄表示部L1〜L3は引き続き変動を続ける。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
【0123】
また、S127において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中であると判断された場合には(S127:YES)、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S175)。この判断は、特別図柄停止時間カウンタTC2の値により行われる。S172でセットされた特別図柄停止時間カウンタTC2の値が、カウンタ更新処理において減算され、「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S175:YES)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が記憶される(S176)。そして第1特別図柄乱数、第2特別図柄乱数、第3特別図柄乱数の値が全て等しく、大当たりである場合には(S177:YES)、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となり(S178)、特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。大当たりでない場合には(S177:NO)、そのまま特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。S54にて、特別図柄停止時間カウンタTC2の値が「0」でなく、停止表示時間はまだ経過していない場合には(S175:NO)、特別図柄表示部L1〜L3には引き続き図柄が停止表示される。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
【0124】
以上説明したように、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると(S121:YES)、各種乱数が取得され(S124)、大当たり判定が行われて変動パターンや特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄が決定される(S131〜S152)。変動パターンの選択は、3種類用意されている変動パターンテーブル(大当たりパターンテーブル、通常パターンテーブル、長時間パターンテーブル)を用いて行なわれる。大当たりの場合には大当たりパターンテーブルが用いられる。また、大当たりの判定前には、まず、特別図柄作動保留球数の上限値が増大しているか否かを判定し(S131)、増大している場合には(S131:NO)、大当たり判定時に、変動パターン乱数の値により、以降を長時間演出状態に切替えるか否かを判定し(S143,S150)、長時間演出状態に切替えられていれば、演出時間のより長い変動パターンを多く含む長時間変動パターンテーブルが用いられる。また、ここで長時間演出状態に切替えるか否かを決める変動パターン乱数の値は、通常時と高確率状態時に設定でき、高確率状態では長時間変動パターンテーブルが選択される確率が高くなっている(S154〜S162)。さらに、変動パターン乱数の値が特定の値であれば、特別図柄作動保留球数の上限値を変更する(S137,S138)。そして、繰り返しメインルーチンが実行される中で、特別図柄処理も繰り返し実施され、変動時間が経過すると(S126:YES、S171:YES)、変動を停止させるための制御コマンドが記憶されて(S172)、停止表示が行われる。さらに特別図柄処理が繰り返し実施され、停止表示時間が経過すると(S127:YES、S175:YES)、大当たり判定結果の報知は終了し、大当たりであった場合には、大当たり遊技状態へ移行するために大当たり遊技状態フラグが「ON」とされる(S178)。そして、メインルーチンへ戻る。
【0125】
以上説明したように、第2の実施の形態のパチンコ機1によれば、変動パターン乱数の値により、まず、特別図柄作動保留球数の上限値が増大するか否かが決定され、増大している場合には、さらに、変動パターン乱数の値に基づき、演出にかかる時間が長い変動パターンの出現率が高い長時間演出状態に切替えられる。従って、より長い演出時間の間に作動保留球が貯まりやすくなるため、遊技者は増大した保留数を有効に活用できている実感がわき、遊技に対する興趣を高めることができる。
【0126】
尚、上記実施の形態において、特別図柄始動電動役物15に設けられた始動口スイッチ72が、遊技球検出手段に相当し、図15のフローチャートのS124において乱数取得処理を実行するCPU51が乱数取得手段として機能する。また、図15のフローチャートのS131及びS141において大当たり判定処理を実行するCPU51が当たり判定手段として機能する。さらに、特別図柄表示装置8が、図柄表示手段に相当し、ROM53の変動パターン記憶エリア5304が変動パターン記憶手段に相当する。また、図16のフローチャートのS133,135,S142,S148,S149において変動パターン選択処理を実行するCPU51が変動パターン選択手段として機能する。さらに、図15のフローチャートのS123において特別図柄作動球数加算処理を実行するCPU51が作動保留球数計数手段として機能する。また、図16のフローチャートのS143及びS144、S150及びS151において長時間演出状態切替判断処理及び長時間演出切替処理を実行するCPU51が変動パターン選択制御手段として機能する。さらに、図16のフローチャートのS155において切替確率抽選処理を実行するCPU51が抽選手段として機能する。また、図16のフローチャートのS138において上限数変更処理を行なうCPU51が計数記憶数変更手段として機能する。
【0127】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、請求項1に記載の遊技機によれば、変動パターン記憶手段に記憶されている変動パターンは、演出にかかる時間のより短い変動パターンを多く含む第一のグループと、演出にかかる時間のより長い変動パターンを多く含む第二のグループとの少なくとも2つのグループに分けられており、変動パターン選択制御手段が、変動パターン選択手段に前記第一のグループから変動パターンを選択させる通常状態と、第二のグループから変動パターンを選択させる長時間演出状態とを切替えるよう制御する。従って、長時間演出状態に切替えられた場合には、図柄の変動中に遊技球検出手段に検出される遊技球が増えるため、作動保留球の数が増え、遊技者の大当たりやリーチに対する期待を高めることができる。
【0128】
請求項2に記載の遊技機によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、乱数取得手段が予め定められた特定の値を乱数値として取得した場合、又は、変動パターン選択手段が予め定められた特定の変動パターンを選択した場合には、変動パターン選択制御手段が通常状態から長時間演出状態に切替えるよう制御する。従って、乱数値や変動パターンの選択結果により作動保留球の貯まる数が増えやすい長時間演出状態に切替えられるため、長時間演出状態へ突入する期待感を高めることができる。
【0129】
請求項3に記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、抽選手段が通常状態から長時間演出状態に切替えるか否かを決定するための抽選を行なう。そして、その抽選結果に基づき、変動パターン選択切替確率設定手段は、通常状態から長時間演出状態に切替えられる確率を高くする。従って、抽選結果により、通常よりも長時間演出状態へ突入する確率が高くなり、さらに長時間演出状態へ突入する期待感を高めることができる。
【0130】
請求項4に記載の遊技機によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、変動パターン選択切替確率設定手段は、抽選結果が予め定められた特定の値であった場合に、通常状態から長時間演出状態に切替えられる確率を高くする。従って、抽選結果が特定の値であれば、通常よりも長時間演出状態へ突入する確率が高くなり、さらに長時間演出状態へ突入する期待感を高めることができる。
【0131】
請求項5に記載の遊技機によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加え、計数記憶数変更手段が、乱数取得手段により取得された乱数値又は変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、作動保留球数計数手段が計数し記憶できる上限数を通常よりも多い上限数に変更する。そして、変動パターン選択制御手段が、通常状態から長時間演出状態に切替えるよう制御する。従って、作動保留球の上限数が通常よりも増大された場合に限って、長時間演出状態とされるので、保留球が貯まりやすくなることを簡易に遊技者に示すことができ、さらに期待感を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、パチンコ機1の正面図である。
【図2】図2は、遊技盤2の正面図である。
【図3】図3は、特別図柄表示装置8の正面図である。
【図4】図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、ROM53の記憶エリアを示す概念図である。
【図6】図6は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。
【図7】図7は、RAM52のカウンタ記憶エリア5201を示す概念図である。
【図8】図8は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。
【図9】図9は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。
【図10】図10は、メインルーチン処理のフローチャートである。
【図11】図11は、メインルーチン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【図12】図12は、特別図柄処理のフローチャートであり、図11に示すフローチャートの続きである。
【図13】図13は、特別図柄表示装置8の変形例の正面図である。
【図14】図14は、第2の実施形態における、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。
【図15】図15は、第2の実施形態において、メインルーチン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【図16】図16は、第2の実施形態において、メインルーチン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャートであり、図15に示すフローチャートの続きである。
【符号の説明】
1 パチンコ機
8 特別図柄表示装置
15 特別図柄始動電動役物
28 図柄表示画面
40 制御部
41 主基板
51 CPU
52 RAM
5206 特別図柄作動保留球数記憶エリア
53 ROM
5304 変動パターン記憶エリア
72 始動口スイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、パチスロ機等の遊技機に関し、詳細には、遊技球が特定の始動入賞口に入賞した場合の作動保留球に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機では、遊技球が流下する遊技領域内に図柄を表示する表示装置を備え、流下した遊技球が特定の始動入賞口に入賞すると、抽選が行なわれ、その抽選について大当たりとなるか否かを判定した結果を表示装置に図柄を変動表示させるなどして表示することが行なわれている。この図柄の変動表示中に始動入賞口に別の遊技球が入賞すると、この遊技球についての抽選の判定結果をすぐには表示装置に表示できないので、入賞球を作動保留球として記憶させ、変動表示が終了すると、記憶されていた作動保留球についての判定結果の表示を行なう。この作動保留球は、通常予め定められた上限数まで記憶され、上限数を超えた入賞球(オーバーフロー球)については記憶されず、破棄されている。現在は、上限数は4個に設定されている。
【0003】
作動保留球の数は、保留ランプ等により遊技者に報知されているので、遊技者は、作動保留球数が最大数になると、オーバーフローによる無駄を避けるために遊技球の発射を停止して作動保留球が消化されるのを待つ傾向がある。しかし、遊技球の発射が停止されると、遊技機の稼働率が低下するので、遊技場にとっては好ましくない。
【0004】
そこで、オーバーフローを防止するために、作動保留球の上限数を現在の4個から例えば100個にすることが検討されている。ところで、このように作動保留球の上限数を増大させた場合に、作動保留球数が多くなりすぎることが予想される。そこで、始動入賞口への入賞時に抽選を行ない、その遊技球が大当たりやリーチの場合のみ作動保留球とするような提案もなされている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−210107
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上限数を4個から100個のように大幅に増大させたとしても、最大上限数近くまで作動保留球数が貯まることはほとんどなく、遊技者は上限数の増大を実感できることが少なかった。
【0007】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、作動保留球数の上限数を増大した場合に、作動保留球が貯まりやすい遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の遊技機は、遊技球が流下する遊技盤と、当該遊技盤上に設けられた特定の入賞口への遊技球の入賞を検出する遊技球検出手段と、当該遊技球検出手段によって遊技球が検出されたことに起因して乱数値を取得する乱数取得手段と、当該乱数取得手段により取得された乱数値に基づいて当たりはずれを判定する当たり判定手段と、当該当たり判定手段の判定結果が表示される図柄表示手段と、当該図柄表示手段に前記判定結果を示すための図柄の変動による演出の種類を変動パターンとして記憶する変動パターン記憶手段と、当該変動パターン記憶手段に記憶された複数の変動パターンから1つの変動パターンを選択する変動パターン選択手段と、前記遊技球検出手段により検出された遊技球について前記当たり判定手段の判定結果が前記図柄表示手段にまだ表示されていない場合に、その検出された遊技球を作動保留球として、所定数に達するまでその数を計数して記憶する作動保留球数計数手段とを備えた遊技機において、前記変動パターン記憶手段は、前記複数の変動パターンを、演出にかかる時間のより短い変動パターンを多く含む第一のグループと、演出にかかる時間のより長い変動パターンを多く含む第二のグループとの少なくとも2つのグループに分けて記憶し、前記変動パターン選択手段に前記第一のグループから変動パターンを選択させる通常状態と、前記第二のグループから変動パターンを選択させる長時間演出状態とを切替えるよう制御する変動パターン選択制御手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
この構成の遊技機では、遊技球検出手段が始動入賞口等の特定の入賞口への遊技球の入賞を検出し、その遊技球の検出を契機に乱数取得手段が乱数値を取得し、取得された乱数値に基づいて当たり判定手段が当たりはずれを判定する。そして、その判定結果が図柄表示手段に表示される。判定結果は図柄の変動による演出により示され、その演出の種類は変動パターンとして変動パターン記憶手段に記憶される。そして、変動パターン選択手段が、変動パターン記憶手段に記憶された複数の変動パターンから1つを選択する。遊技球検出手段により検出されたがまだ図柄表示手段に判定結果が表示されていない遊技球については、作動保留球とされる。作動保留球は、作動保留球数計数手段によりその数が計数され、一定数を上限として作動保留球表示手段に表示される。変動パターン記憶手段に記憶されている変動パターンは、演出にかかる時間のより短い変動パターンを多く含む第一のグループと、演出にかかる時間のより長い変動パターンを多く含む第二のグループとの少なくとも2つのグループに分けられており、変動パターン選択制御手段が、変動パターン選択手段に前記第一のグループから変動パターンを選択させる通常状態と、第二のグループから変動パターンを選択させる長時間演出状態とを切替えるよう制御する。
【0010】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記変動パターン選択制御手段は、前記乱数取得手段が予め定められた特定の値を乱数値として取得した場合、又は、前記変動パターン選択手段が予め定められた特定の変動パターンを選択した場合に、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替えるよう制御することを特徴とする。
【0011】
この構成の遊技機では、請求項1に記載の発明の作用に加え、乱数取得手段が予め定められた特定の値を乱数値として取得した場合、又は、変動パターン選択手段が予め定められた特定の変動パターンを選択した場合には、変動パターン選択制御手段が通常状態から長時間演出状態に切替えるよう制御する。
【0012】
請求項3に記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記変動パターン選択制御手段が前記通常状態から前記長時間演出状態に切替えるか否かを決定するための抽選を行なう抽選手段を備え、当該抽選手段による抽選結果に基づき、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替える確率を高くする変動パターン選択切替確率設定手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成の遊技機では、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、抽選手段が通常状態から長時間演出状態に切替えるか否かを決定するための抽選を行なう。そして、その抽選結果に基づき、変動パターン選択切替確率設定手段は、通常状態から長時間演出状態に切替えられる確率を高くする。
【0014】
請求項4に記載の遊技機は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記変動パターン選択切替確率設定手段は、前記抽選結果が予め定められた特定の値であった場合に、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替える確率を高くすることを特徴とする。
【0015】
この構成の遊技機では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の作用に加え、変動パターン選択切替確率設定手段は、抽選結果が予め定められた特定の値であった場合に、通常状態から長時間演出状態に切替えられる確率を高くする。
【0016】
請求項5に記載の遊技機は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記乱数取得手段により取得された乱数値又は前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記作動保留球数表示手段が計数し記憶できる上限数を通常よりも多い上限数に変更する計数記憶数変更手段を備え、前記変動パターン選択制御手段は、前記計数記憶数変更手段により前記上限数が通常よりも多くされた場合に、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替えるよう制御することを特徴とする。
【0017】
この構成の遊技機では、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の作用に加え、計数記憶数変更手段が、乱数取得手段により取得された乱数値又は変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、作動保留球数計数手段が計数し記憶できる上限数を通常よりも多い上限数に変更する。そして、変動パターン選択制御手段が、通常状態から長時間演出状態に切替えるよう制御する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の正面図である。図2は、遊技盤2の正面図である。図3は、特別図柄表示装置8の正面図である。
【0019】
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり、前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には遊技者が遊技球を発射するために操作する発射ハンドル7が設けられている。さらに、下皿6の上にはスピーカー48が設けられている。
【0020】
また、図2に示すように、遊技盤2前面中央に位置する遊技領域4の略中央には、LCDから構成された図柄表示画面28や各種ランプ、LEDを備えた特別図柄表示装置8が設けられている。この特別図柄表示装置8の左右上方には電飾風車9,10がそれぞれ設けられている。また、特別図柄表示装置8の左側方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、特別図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられている。そして、その特別図柄始動電動役物15の下方に、大入賞口16が設けられている。また、特別図柄始動電動役物15の左右には普通入賞口19,20がそれぞれ設けられており、大入賞口16の左右にも普通入賞口17,18がそれぞれ設けられている。
【0021】
また、特別図柄表示装置8の下部には、遊技盤2の表面から遊技盤2の奥方向に向かって遊技球を暫時載置可能なステージ21が略水平に設けられ、また、特別図柄表示装置8の左右両肩にはワープ口22,23がそれぞれ設けられている。これらのワープ口22,23を通過した遊技球は特別図柄表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってステージ21へ現出するようになっており、ステージ21に現出した遊技球が、ステージ21の直下に設けられている特別図柄始動電動役物15に向かって落下しやすくなるように、ステージ21に若干の勾配が設けられている。
【0022】
また、図3に示すように、特別図柄表示装置8は、中央に図柄表示画面28が設けられ、その上方には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24が設けられている。この普通図柄表示部24には、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。また、図柄表示画面28の左下部には、2桁の数字が表示される特別図柄保留表示部60が設けられている。この特別図柄保留表示部60には、特別図柄始動電動役物15(図2参照)に入賞し、図柄表示画面28に大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる特別図柄作動保留球数を100個まで表示することができるようになっている。99個までは2桁の数字で、100個に達すると図柄が変動して示される。
【0023】
さらに、図柄表示画面28の上方には、4個のLEDから成る普通図柄記憶数表示LED59が設けられている。この普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12(図2参照)を通過し、普通図柄表示部24に当たりの判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる普通図柄作動保留球数を、特別図柄作動保留球数同様4個まで、LEDの点灯で表示することができる。また、図柄表示画面28の左右には、それぞれ3個の電飾用のLED62が列設されている。尚、遊技盤2(図2参照)には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他のLED、風車及び多数の障害釘等が設けられている。
【0024】
次に、図柄表示画面28について説明する。図3に示すように、図柄表示画面28には、左から、特別図柄表示部L1,特別図柄表示部L3,特別図柄表示部L2の順に、3つの特別図柄表示部が横一列に配置されている。この特別図柄表示部L1〜L3には、後述する図柄(特別図柄)が上から下方向にスクロールするように変動表示され、特別図柄表示部L1、特別図柄表示部L2、特別図柄表示部L3の順に停止するようになっている。尚、この特別図柄表示部L1〜L3の配置、停止表示させる順序、スクロールの方向などは任意に変更できる。また、図柄表示画面28上には、特別図柄表示部L1〜L3の背景に画像やキャラクターやメッセージ等も表示されるようになっている。さらに、特別図柄表示部L1〜L3には特別図柄が常に表示されているわけではなく、これらの表示に代えて画像やキャラクターやメッセージ等を表示できるようになっている。尚、特別図柄表示装置8は、その裏面に図柄表示基板44(図4参照)を備えている。
【0025】
次に、特別図柄表示部L1〜L3に各々表示される図柄について説明する。本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の10種類の図柄が表示される。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞すると、大当たりの判定が行われ、これら10種類の図柄が原則としてこの順序で順次表示される。停止した時に特別図柄表示部L1〜L3に表示されている図柄が全て同じ図柄で揃った場合(例えば、「7,7,7」のように3つ揃った場合)には、「大当たり」となり大入賞口16が開放される「大当たり遊技状態」が生起される。全て同じ図柄で揃わなかった場合には「はずれ」となる。従って、特別図柄表示部L1及びL2が停止した段階で同じ図柄が表示されている状態(リーチ状態)では、「大当たり」となる可能性があるために遊技者は「大当たり」への期待感が高まる。
【0026】
また、前記10図柄のうち「1」,「3」,「5」,「7」,「9」を確率変動図柄(特定図柄)とし、これらのうちのいずれかの図柄が横1列に同じ図柄で揃うことにより大当たりが報知された場合には、「確率変動当たり」となり、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率(大当たり確率)が高くなる。尚、本実施の形態では、この大当たり確率が高くなっている状態を「高確率状態」とし、通常の確率である状態を「低確率状態」とする。また、高確率状態での大当たり確率は63分の1であり、低確率状態での大当たり確率は315分の1とするが、必ずしもこの値に限られるものではない。尚、確率変動図柄以外の図柄である「0」,「2」,「4」,「6」,「8」は非確率変動図柄(非特定図柄)であり、これらのうちのいずれかの図柄が横1列に同じ図柄で揃うことにより大当たりが報知された場合には、低確率状態となり、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率は通常の確率となる。
【0027】
次に、特別図柄保留表示部60について説明する。図3に示すように、図柄表示画面28の左下部には、特別図柄保留表示部60が設けられている。大当たり遊技中や特別図柄の表示中に特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球については、すぐに大当たり判定の結果を図柄表示画面28に表示できないので、後に表示を行えるように乱数値や判定結果を記憶させる。この記憶された遊技球が作動保留球であり、特別図柄保留表示部60に2桁の数字が表示されることにより、作動保留球の数が遊技者に表示される。
【0028】
特別図柄保留表示部60に表示される作動保留球の数は100個までであり、この上限値を超える遊技球の入賞があっても乱数値は取得されず、大当たり判定も行なわれない。このように作動保留球の上限数を超えて遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞することをオーバーフローと称する。
【0029】
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
【0030】
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶さている制御プログラムを実行し、この制御プログラムに従ってパチンコ機1の制御を行う。
【0031】
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と接続している。さらに、音基板43、図柄表示基板44及び電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。また、サブ統合基板58は音基板43、図柄表示基板44、電飾基板46の総合的な制御を行っており、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は図柄表示画面28及び普通図柄表示部24に表示される図柄の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御している。尚、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582及びROM583が設けられ、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45及び電飾基板46にも図示外のRAM及びROMが内蔵されており、CPU43a〜46aや図示外の入力インタフェイス等がそれぞれ搭載されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
【0032】
電飾基板46には、電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、電飾用のLED62、及び電飾ランプ63が接続されている。また、図柄表示基板44には、特別図柄表示装置8、及び普通図柄表示部24が接続されている。音基板43には、スピーカー48が接続され、払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、電動役物の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20に入賞した入賞球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。
【0033】
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46及びサブ統合基板58に各々接続されて、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。尚、電源基板42には、交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12V及び5V等を供給できるようになっている。尚、図4では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47及びサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
【0034】
次に、図5を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図5は、ROM53の記憶エリアを示す概念図である。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンに関する情報が記憶されている変動パターン記憶エリア5304、演出にかかる時間のより長い変動パターンから選択する確率を高くするか否かの抽選を行なうための抽選テーブルを記憶する抽選テーブル記憶エリア5305が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。また、変動パターン記憶エリア5304には、通常の変動パターンテーブルを記憶する通常変動パターンテーブル記憶エリア5304aと、演出にかかる時間のより長い変動パターンを多く有する長時間パターンテーブル記憶エリア5304bと、大当たりの場合に用いる変動パターンを記憶する大当たりパターンテーブル記憶エリア5304cとが設けられている。
【0035】
次に、図6を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図6は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、各ゲートに遊技球が通過したか否かや各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12へ遊技球が通過した場合に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過数の内、未消化の保留球の数を作動保留球数として記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、特別図柄始動電動役物15への遊技球の通過時に取得される乱数を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞数の内、未消化の保留球の数を作動保留球数として記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208が設けられている。フラグ関係記憶エリア5208には、特別図柄表示部L1〜L3の状態を示す表示状態フラグを記憶する表示状態フラグ記憶エリア5208a、大当たり遊技状態であるか否かを示す大当たり遊技状態フラグを記憶する大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208b、高確率状態とするか否かを示す確率変動フラグを記憶する確率変動フラグ記憶エリア5208c、演出にかかる時間のより長い変動パターンテーブルから変動パターンを選択する長時間演出状態であるか否かを示す長時間演出フラグを記憶する長時間演出フラグ記憶エリア5208d、長時間演出状態に突入する確率を上げるか否かを示す長時間演出突入高確率フラグを記憶する長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eが設けられている。また、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。尚、RAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。
【0036】
ここで、フラグ関係記憶エリア5208内の各記憶エリアに記憶されているフラグについて説明する。表示状態フラグ記憶エリア5208aに記憶される表示状態フラグは、特別図柄表示部L1〜L3が変動している場合(変動中)には「1」、特別図柄表示部L1〜L3が停止表示されている場合(停止表示中)には「2」、変動中、停止表示中のいずれでもない場合には「0」がセットされて記憶される。大当たり遊技状態フラグ関係記憶エリア5208bに記憶されている大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態である場合には、「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。確率変動フラグ記憶エリア5208cに記憶されている確率変動フラグは、確率変動状態(高確率状態)である場合には、「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。長時間演出フラグ記憶エリア5208dに記憶されている長時間演出フラグは、長時間変動パターンテーブルから変動パターンを選択する長時間演出状態である場合には「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。また、長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに記憶されている長時間演出突入高確率フラグは、長時間演出状態に突入するための確率を高くするようにされている場合には「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。
【0037】
次に、図7を参照して、カウンタ記憶エリア5201について説明する。図7は、RAM52のカウンタ記憶エリア5201を示す概念図である。図7に示すように、カウンタ記憶エリア5201には普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3、特別図柄作成第2カウンタLC4、特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6、特別図柄変動時間カウンタTC1、特別図柄停止時間カウンタTC2、高確率カウンタFC1等が各々記憶されている。これらの値は、後述する普通図柄処理や特別図柄処理などにおいて使用されるようになっている。
【0038】
尚、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3、特別図柄作成第2カウンタLC4、特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の値は、割込信号発生回路57(図4参照)からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1の制御プログラムのメインルーチンのカウンタ更新処理(図10参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。そして、各カウンタには最小値(下限値)及び最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値まで範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。また、特別図柄変動時間カウンタTC1及び特別図柄停止時間カウンタTC2は、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用され、カウンタ更新処理(図10参照)にて所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。
【0039】
以下、各カウンタについて詳述する。普通当たり判定カウンタLC1の値は、普通当たりを判定するために使用される。普通当たりの判定は、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過を契機に行われる。普通当たりと判定されると、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を所定時間(例えば、30秒)開放する。普通当たり判定カウンタLC1の最大値は「255」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「256」以上となった際に「0」へ戻る。従って、普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までのいずれかの値を取り、1周期は、512msとなる。
【0040】
大当たり判定カウンタLC2の値は、大当たりを判定するために使用される。大当たりカウンタLC2の最大値は「314」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「315」以上となった際に「0」へ戻る。従って、大当たり判定カウンタLC2の値は「0」から「314」までのいずれかの値を取り、1周期は630msとなる。また、パチンコ機1の起動時に、大当たり判定カウンタLC2には、初期値として「0」がセットされており、更新により値が一巡して初期値「0」と同じ値となると、新たな初期値を取得し、その初期値に対して「1」ずつの加算がなされる。この新たな初期値は、CPU51が、メインルーチン処理(図10参照)を行わない間(メインルーチン処理が終了し、次の割込信号によりメインルーチン処理が開始されるまでの間)に繰り返し実行されている図示外の初期値乱数処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。例えば、初期値乱数処理により生成された乱数が「18」であった場合には、更新により「19」、「20」と加算され、「314」となったら、「0」へ戻り、「1」、「2」と加算され、「18」となったら、新たな初期値を取得する。尚、大当たり判定カウンタLC2の最大値は、単一の設定値としてもよいし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
【0041】
特別図柄作成第1カウンタLC3の値は、大当たりである場合に、特別図柄表示部L1,L2,L3に表示される大当たり図柄を決定するために使用される。また、リーチとなるはずれの場合には、特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄(左図柄)及び、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。さらに、リーチとならないはずれの場合には、特別図柄表示部L1に表示される第1停止図柄(左図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第1カウンタLC3の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。従って、特別図柄作成第1カウンタLC3の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は20msとなる。
【0042】
特別図柄作成第2カウンタLC4の値は、リーチとなるはずれの場合には、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。また、リーチとならないはずれの場合には、特別図柄表示部L2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第2カウンタLC4の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、10割込毎(20ms毎、特別図柄作成第1カウンタLC3の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。従って、特別図柄作成第2カウンタLC4の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は、200msとなる。
【0043】
特別図柄作成第3カウンタLC5の値は、リーチとならならいはずれの場合に、特別図柄表示部L3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。この特別図柄作成第3カウンタLC5の値は、最大値「9」、最小値「0」であり、100割込毎(200ms毎、特別図柄作成第2カウンタLC4の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。従って、特別図柄作成第3カウンタLC5の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は、2000msとなる。
【0044】
変動パターン決定カウンタLC6の値は変動パターンを決定するために使用される。変動パターンは、大当たり判定の結果を報知する際の演出様態の種類であり、変動パターン決定カウンタLC6の値や大当たり判定の結果により選択される。選択された変動パターンは、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶され、さらに、変動パターン指定コマンドとしてサブ統合基板58へ送信される。そして、サブ統合基板58から音基板43、図柄表示基板44及び電飾基板46へ送信される。また、変動パターン決定カウンタLC6の値は、長時間演出状態に移行するか否かの決定に用いられる。尚、特別図柄表示部L1〜L3の変動開始から全図柄停止までの時間はこの変動パターン毎に決定されており、ROM53の変動パターン記憶エリア5304に記憶されている。また、本実施の形態では変動パターンは62種類設けられている。そして、この変動パターン決定カウンタLC6の最大値は「65536」、最小値は「1」であり、10割込毎(2ms毎)に「1」加算され「65536」より大きくなった際に「1」へ戻る。そして、大当たりである場合、はずれの場合の2つの変動パターン決定テーブル(図示外)が設けられており、それぞれ「1」〜「65536」の値に対して、62種類の変動パターンのいずれかが割り振られている。
【0045】
特別図柄変動時間カウンタTC1は、特別図柄表示部L1〜L3が変動を開始してから、全ての図柄が停止するまでの時間(変動時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として変動時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで変動を終了させるタイミングを判断する。例えば、変動時間が10秒である場合には、初期値として「5000」をセットする。尚、変動時間は変動パターン毎に決められている。
【0046】
特別図柄停止時間カウンタTC2は、特別図柄表示部L1〜L3に図柄が停止表示される時間(停止表示時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として停止時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで停止表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、停止表示時間が5秒である場合には、初期値として「2500」をセットする。
【0047】
高確率カウンタFC1は、長時間演出状態になりやすい状態(長時間演出突入高確率状態)にある場合に、その状態が継続する回数を計数するために使用するカウンタである。後述する特別図柄処理の中で長時間演出突入高確率状態になった際に最大値がセットされ、以後のルーチンで1ずつ減算される。
【0048】
次に、図8、図9を参照して、普通当たり関係情報記憶エリア5203及び大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図8は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。図9は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。
【0049】
まず、普通当たり関係情報記憶エリア5203について説明する。図8に示すように、普通当たり関係情報記憶エリア5203には、判定エリア及び記憶エリア1〜4が設けられている。この普通当たり関係情報記憶エリア5203は、メインルーチン処理の普通図柄処理(図10、S16参照)において使用される。記憶エリア1〜4には、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過し、まだ普通当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(普通図柄作動保留球)が取得した普通当たり判定カウンタLC1の値を普通当たり乱数として記憶する。判定エリアには、現在行われている、普通当たり判定の結果報知又は普通当たり遊技の動作の基になった普通当たり乱数が記憶されている。
【0050】
普通図柄処理において普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過が確認された場合には、記憶エリア1〜4の中で、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値(普通図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに各値が記憶される。例えば、普通図柄作動保留球数が「3」であれば、記憶エリア3に記憶される。そして、判定エリアに記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の普通図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、記憶エリア1に記憶されている値が判定エリアにシフトされ、判定エリアに記憶されている値に基づいて普通当たりの判定結果の報知が実行される。また、記憶エリア1が判定エリアにシフトされたことに伴い、記憶エリア2の値を記憶エリア1へ、記憶エリア3の値を記憶エリア2へ、記憶エリア4の値を記憶エリア3へと順にシフトさせ、記憶エリア4の値がクリアされる。ここで、記憶エリアの数は4つである。すなわち、普通図柄始動ゲート12へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。従って、普通図柄作動保留球数の上限は4個であり、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値も「4」より大きい値を取ることはない。
【0051】
次に、大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図9に示すように、大当たり関係情報記憶エリア5205には、判定エリア及び記憶エリア1〜100が設けられている。この大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメインルーチン処理の特別図柄処理(図10、S14参照)において使用される。記憶エリア1〜100には、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞し、まだ大当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(特別図柄作動保留球)が取得した乱数を記憶する。判定エリアには、現在行われている、大当たり判定の結果報知又は大当たり遊技の動作の基になった乱数が記憶されている。
【0052】
特別図柄処理において特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が確認された場合には、記憶エリア1〜100の中で、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値(特別図柄作動保留球数)に対応する番号の記憶エリアに各値が記憶される。例えば、特別図柄作動保留球数が「3」であれば、記憶エリア3に記憶される。そして、判定エリアに記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の特別図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、記憶エリア1に記憶されている値が判定エリアにシフトされ、判定エリアに記憶されている値に基づいて大当たりの判定結果の報知が実行される。また、記憶エリア1が判定エリアにシフトされたことに伴い、記憶エリア2の値を記憶エリア1へ、記憶エリア3の値を記憶エリア2へ、以下同様に値を順にシフトさせ、記憶エリア100の値がクリアされる。尚、全てのエリアについてシフトを行なわず、データの入っているエリアについてのみシフトさせるようにしてもよい。ここで、記憶エリアの数は100個である。すなわち、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は100である。従って、特別図柄作動保留球数の上限は100個であり、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値も「100」より大きい値を取ることはない。
【0053】
この判定エリア及び記憶エリア1〜100のそれぞれには、大当たり乱数カラムCLM1、変動パターン乱数カラムCLM2、特別図柄第1乱数カラムCLM3、特別図柄第2乱数カラムCLM4、特別図柄第3乱数カラムCLM5が設けられており、大当たり乱数、変動パターン乱数、第1特別図柄乱数、第2特別図柄乱数、第3特別図柄乱数の各値が記憶される。大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC6の値が、特別図柄第1乱数カラムCLM3には特別図柄作成第1カウンタLC3の値が,特別図柄第2乱数カラムCLM4には特別図柄作成第2カウンタLC4の値が,特別図柄第3乱数カラムCLM5には特別図柄作成第3カウンタLC5の値がそれぞれ記憶される。
【0054】
次に、本実施の形態のパチンコ機1の動作の詳細について、図10〜図12に示すフローチャートを参照して説明する。パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリア5302(図5参照)に記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメインルーチン処理は、割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号を、CPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込み信号は一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メインルーチン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。尚、1回のメインルーチン処理は、2ms以内に終了するように構築されている。また、パチンコ機1の電源切断時にはRAM52のチェックサムの計算や例えばハッシュ関数によるパスワードの生成が行われる。次回電源投入時には、同様の処理を行って計算されたRAM52のチェックサムや生成されたパスワードとの同一性チェックが行われる。前回電源終了時との同一性が認められない場合、パチンコ機1のCPU51はROM53の初期設定記憶エリア5301に記憶された値を使用して、例えば、各カウンタの値や各フラグのクリアを行うなど、パチンコ機1のリセットを行う。また、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合にも、パチンコ機1のリセットが行われる。パチンコ機1のリセットが行われない場合には、RAM52の各記憶エリアの値の状態が前回電源切断時と同じ状態に戻される、いわゆる復帰処理が行われる。
【0055】
図10は、メインルーチン処理のフローチャートである。図11及び図12は、メインルーチン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0056】
割込信号の感知によってメインルーチン処理が開始されると、まずコマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58に出力される。制御コマンドとは、例えば、特別図柄作動保留球数を示す特別図柄作動保留コマンド、普通図柄作動保留球数を示す普通図柄作動保留コマンド、大当たり判定結果を報知する際に使用される変動パターン指定コマンド、特別図柄指定コマンド、変動開始コマンド、全図柄停止コマンド、普通当たりの判定結果を報知する際に使用される普通図柄変動パターン指定コマンド、普通図柄指定コマンド、普通図柄全図柄停止コマンド、大当たり遊技状態の際に使用される大入賞口開放表示コマンド、大入賞口閉鎖表示コマンド、大当たり開始画面表示コマンド、大当たり終了画面表示コマンド等である。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメインルーチン処理においてコマンド関係記憶エリア5207に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
【0057】
次に、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17,18,19,20等への遊技球の入賞(通過を含む)を検出するものである。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20等の入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が用いられる。入賞と判断された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグに「1」が記憶されて「ON」とされる。
【0058】
尚、スイッチ読込処理を行っているメインルーチン処理はCPU51が割込信号を受信する間隔、すなわち2ms毎に実行されている。そこで、遊技球がスイッチを通過する速度と遊技球の大きさを考慮すると、1球の遊技球がスイッチを通過する間にスイッチ読込処理は複数回実施される。よって、1球の遊技球の入賞が連続した複数回のスイッチ読込処理で検出されることになる。そこで、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて遊技球が入賞したと判断する。尚、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。
【0059】
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201(図7参照)に各々記憶されている普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3,特別図柄作成第2カウンタLC4,特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の各値が上記の所定量だけ加算され、特別図柄変動時間カウンタTC1の各値が上記の所定量だけ減算される。尚、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄作成第1カウンタLC3,特別図柄作成第2カウンタLC4,特別図柄作成第3カウンタLC5、変動パターン決定カウンタLC6の値が各カウンタの最大値を越える場合には、各カウンタの値は最小値に戻るようにプログラムされている。
【0060】
カウンタ更新処理が終了すると、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大入賞口16を開閉する大当たり遊技状態の動作の制御が行われる。具体的には、大入賞口開放表示コマンド、大入賞口閉鎖表示コマンド、大当たり開始画面表示コマンド、大当たり終了画面表示コマンド等の制御コマンドがサブ統合基板58へ送信される。この特別電動役物処理は、RAM52の大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208bに記憶されている大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている場合に実行される。この大当たり遊技状態フラグは、大当たりの報知が終了した際にの特別図柄処理(S14)でセットされる。そして、次のメインルーチン処理の実施時にこの特別電動役物処理で大当たり遊技状態の動作が開始される。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態の動作を終了させる際に「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0061】
また、大当たり遊技状態の動作を終了させる際には、RAM52の確率変動フラグ記憶エリア5208cに記憶される確率変動フラグのセットも行う。停止図柄が確率変動図柄であった場合、すなわち大当たり関係情報記憶エリア5205の特別図柄第1乱数カラムCLM3の値が「1」,「3」,「5」,「7」,「9」である場合には、次の大当たりの確率が高くなる高確率状態となる。また、停止図柄が非確率変動図柄であった場合、すなわち特別図柄第1乱数カラムCLM3の値が「0」,「2」,「4」,「6」,「8」である場合には、次の大当たりの確率は通常の確率であり、低確率状態となる。そこで、確率変動図柄であった場合には、確率変動フラグ記憶エリア5208cに「1」が記憶されて確率変動フラグが「ON」となり、非確率変動図柄であった場合には、「0」が記憶されて「OFF」となる。また、大当たり遊技状態の動作を終了させる際には、RAM52の長時間演出フラグ記憶エリア5208dに記憶される長時間演出フラグのリセットを行い、「0」を記憶する。
【0062】
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理(S14)が行われる。この特別図柄処理では、大当たりの判定、特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄や変動パターンの決定、指示、図柄の変動の開始および終了の指示、通常状態と長時間演出状態との切替等が行われる。この特別図柄処理については、図11及び図12に示すフローチャートを参照して後述する。
【0063】
特別図柄処理が終了すると、次いで普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなり、その結果が普通図柄表示部24に表示された後に、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の開閉部材(いわゆるチューリップ)の開閉(普通当たり状態の動作)の制御が行われる。尚、普通当たりの判定及び普通図柄表示部24への図柄の表示は、次のS16の普通図柄処理にて行われる。
【0064】
次の普通図柄処理(S16)では、普通当たり乱数の取得、普通図柄当たりの判定、普通図柄当たりの判定結果の普通図柄表示部24への報知の指示等が行われる。S11のスイッチ読込処理にて入賞球フラグ記憶エリア5202の普通図柄作動スイッチ73に対応したフラグが立てられている場合には、普通当たり判定カウンタLC1の値が取得され、その遊技球の普通当たり乱数として記憶される。ここで、以前入賞した遊技球についての普通当たりの判定結果の報知、又は、普通当たり状態の動作が実行中である場合には、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203の記憶エリア1〜4の中の、普通図柄作動保留球数記憶エリアに記憶されている値に対応する番号の記憶エリアに記憶されて、その遊技球についての作動は保留される。そして、実行中の動作が終了した後に記憶エリア1〜4の値が判定エリアにシフトされて、判定エリアに記憶されている普通当たり乱数に基づいて普通当たりの判定が行われる。
【0065】
普通当たり乱数の値の基となる普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までの値を取るので、普通当たり乱数も「0」から「255」までの値をとる。そこで、本実施の形態では、普通当たり乱数が「64」から「255」の場合は普通当たりとし、「0」から「63」の場合ははずれとする。そして、サブ統合基板58に対して、普通図柄表示部24に判定の結果報知の指示を行うために、普通図柄変動パターン指定コマンド、普通図柄指定コマンド、普通図柄全図柄停止コマンド等の制御コマンドが送信される。普通当たりの場合には、普通図柄表示部24に当たり図柄として「7」が表示され、はずれの場合には、はずれ図柄として「−」が表示される。普通図柄表示部24に当たり図柄が表示された後には、前述した普通電動役物処理(S15)において特別図柄始動電動役物15の開閉部材の開閉が行われる。
【0066】
普通図柄処理が終了すると、賞品球の払い出しを行う払出制御が行われ(S17)、次いでエラーチェックが行われる(S18)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58送信するためのエラーコマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。このエラーコマンドを受けて、特別図柄表示装置8にエラー表示を行われたり、電飾ランプ63にエラー時の点灯・点滅パターンが行われたり、スピーカー48からエラー音が発音される。
【0067】
次いで、情報出力処理が行われる(S19)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、時間短縮情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメインルーチンの処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、繰り返しメインルーチン処理が実行される。
【0068】
ここで、ある遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞し、大当たりと判定された場合のパチンコ機1の動作を例に挙げて、メインルーチン処理の一連の流れを説明する。遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に発射すると、遊技球は遊技領域4を流下する。そして、その遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、スイッチ読込処理において、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア5202の対応するフラグが「ON」とされる(S11)。そして、特別図柄処理(S14)にて大当たり判定が行われ、特別図柄表示部L1〜L3の図柄の変動が開始される。そして、メインルーチン処理が繰り返し実施される中で、特別図柄表示部L1〜L3が順次停止し、大当たり図柄が停止表示される。大当たり図柄の停止表示が終了すると、RAM52の大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208bに「1」が記憶され、大当たり遊技状態フラグが「ON」とされるので(S14)、次に実施されるメインルーチン処理の特別電動役物処理(S13)で、大入賞口16の開放を行い、大当たり遊技状態の動作を開始する。そして、メインルーチン処理が繰り返し実施される中で、特別電動役物処理(S13)で所定条件に従って大当たり遊技状態の動作が実施される。そして、大当たり遊技状態が終了する際には、大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208bに「0」を記憶して大当たり遊技状態フラグが「OFF」とされ、この遊技球に係る一連の動作が終了する。
【0069】
次に、メインルーチン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図11及び図12に示すフローチャートを参照して説明する。前述したように、特別図柄処理では、大当たりの判定、図柄表示画面28の特別図柄表示部L1〜L3に表示する特別図柄の決定、変動パターン等の決定、サブ統合基板58へのコマンド出力、通常状態と長時間演出状態の切替等が行われる。
【0070】
図11に示すように、メインルーチンの特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。メインルーチンのスイッチ読込処理(図10:S11)において、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出した場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている。そこで、S21ではこの始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」であるか否かの判断がされ、「ON」でない場合には(S21:NO)、特別図柄始動電動役物15に遊技球は入賞していないので、そのままS25へ進む。
【0071】
始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」である場合には(S21:YES)、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球の数は100個である。そこで、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「100」であるか否かの判断が行われる(S22)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「100」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS25へ進む。
【0072】
特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「100」でない場合、すなわち「0」〜「99」のいずれかである場合には(S22:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算され(S23)、大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリア1〜100のうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S24)。具体的には、大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が大当たり乱数として、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC6の値が変動パターン乱数として、特別図柄第1乱数カラムCLM3には特別図柄作成第1カウンタLC3の値が第1特別図柄乱数として、特別図柄第2乱数カラムCLM4には特別図柄作成第2カウンタLC4の値が第2特別図柄乱数として、特別図柄第3乱数カラムCLM5には特別図柄作成第3カウンタLC5の値が第3特別図柄乱数としてそれぞれ記憶される。
【0073】
次いで、大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208bに記憶された大当たり遊技状態フラグにより大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S25)。大当たり遊技状態である場合には(S25:YES)、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば(S25:YES)、大当たり遊技状態であるので、なにもせずにメインルーチン処理へ戻る。
【0074】
大当たり遊技状態フラグが「ON」でない場合には(S25:NO)、大当たり遊技状態でないので、特別図柄表示部L1〜L3の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグ記憶エリア5208aに記憶された表示状態フラグにより、特別図柄表示部L1〜L3が変動中であるか否かの判断が行われる(S26)。表示状態フラグが「1」でない、すなわち、変動中でない場合には(S26:NO)、表示状態フラグにより停止表示中であるか否かの判断が行われる(S27)。表示状態フラグが「2」でない、すなわち、停止表示中でない場合には(S27:NO)、大当たり判定が行われる。
【0075】
そこで、図12に示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S28)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」以上でなければ(S28:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメインルーチン処理へ戻る。「1」以上であれば(S28:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算される(S29)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリア1に記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、記憶エリア2に記憶されている乱数が記憶エリア1へシフトされ、記憶エリア3に記憶されている乱数が記憶エリア2へシフトされ、以下同様にしてシフトされ、最後の記憶エリアの値がクリアされる(S30)。
【0076】
次いで、大当たり判定が行われ、変動パターンの選択や特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄の選択が行われる(S31〜S41)。まず、大当たり乱数(判定エリアの大当たり乱数カラムCLM1の値)が大当たり条件を満たすか否かにより、大当たりか否かの判定が行われる(S31)。大当たり条件は、大当たり乱数が大当たりとして決められている特定の値、例えば「7」であることである。また、高確率状態である場合には、大当たりとなる特定の値は「7」に限らず、複数の値、例えば、大当たり乱数が「3」,「7」,「33」,「77」,「177」となる。なお、大当たり乱数は大当たり判定カウンタLC2の値から取得されており、大当たり判定カウンタLC2は「0」〜「314」の間をとるので、大当たり乱数も「0」〜「314」のいずれかになっている。
【0077】
大当たりであると判定された場合には(S31:YES)、大当たり時の変動パターン決定処理(S32)が行われる。ここでは、変動パターンの決定、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。変動パターンは、ROM53の大当たりパターンテーブル記憶エリア5304cに記憶されている大当たりである場合の変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数(判定エリアの変動パターン乱数カラムCLM2の値)に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0078】
次に、より演出時間の長い変動パターンが選択される確率が通常状態よりも高くなっている長時間演出状態に切替えるか否かを判断する(S33)。具体的には、変動パターン乱数が予め決められている特定の値であった場合には、長時間演出状態に切替えると判断される。この特定の値は、後述する切替確率が高確率である場合には、通常時よりも多い数の値が指定されるようになっており、通常時よりも長時間演出状態に切替えられる確率が高くなっている。長時間演出状態に切替える場合には(S33:YES)、長時間演出フラグ記憶エリア5208dに「1」を記憶して長時間演出フラグを「ON」とする(S34)。長時間演出状態に切替えない場合には(S33:NO)、そのままS35に進む。
【0079】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S35)が行なわれる。特別図柄の停止図柄決定処理では、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、大当たりとするために特別図柄表示部L1〜L3には全て同じ図柄に決定される。そこで、判定エリアの第1特別図柄乱数の値が、第2特別図柄乱数及び第3特別図柄乱数に記憶され、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0080】
尚、これらの変動パターン指定コマンド、第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドは1回のメインルーチン処理においてコマンド関係記憶エリア5207に記憶されるが、サブ統合基板58への出力は1回のメインルーチン処理で1つのコマンドだけが送信され、順次1つずつ出力される。具体的には、コマンドが記憶されたメインルーチン処理の次回のメインルーチン処理のコマンド出力処理において変動パターン指定コマンドが出力され、次々回のメインルーチン処理において第1特別図柄指定コマンドが出力され、その次のメインルーチン処理において第2特別図柄指定コマンドが出力され、その次のメインルーチン処理において第3特別図柄指定コマンドが出力されるように制御されている。この出力方法は、大当たりでない場合(S31:NO)において記憶されるコマンドにおいても同様である。
【0081】
大当たりでない場合には(S31:NO)、長時間演出状態か否かを判断する(S36)。この判断は、RAM52の長時間演出フラグ記憶エリア5208dに記憶されている長時間演出フラグが「ON」かどうかにより行なわれる。長時間演出フラグが「ON」になっている場合には(S36:YES)、長時間変動パターンテーブルから変動パターンを選択する処理(S37)が行われる。長時間変動パターンテーブルには、より演出時間の長い変動パターンが多く含まれているので、より演出時間の長い変動パターンが選択される確率が通常状態よりも高くなっている。さらに、このS37において、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。変動パターンは、ROM53の長時間パターンテーブル記憶エリア5304bに記憶された演出時間の長い変動パターンを多く含む変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0082】
長時間演出状態と判断されなかった場合には(S36:NO)、通常変動パターンテーブルから変動パターンを選択する処理(S38)が行われる。また、変動パターンの決定に加えて、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。具体的には、変動パターンは、ROM53の通常パターンテーブル記憶エリア5304aに記憶された変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0083】
S37又はS38において変動パターン選択処理が終了すると、次に、長時間演出状態に切替えるか否かを判断する(S39)。具体的には、変動パターン乱数が予め決められている特定の値であった場合には、長時間演出状態に切替えると判断される。この特定の値は、後述する切替確率が高確率である場合には、通常時よりも多い数の値が指定されるようになっており、通常時よりも長時間演出状態に切替えられる確率が高くなっている。長時間演出状態に切替える場合には(S39:YES)、長時間演出フラグ記憶エリア5208dに「1」を記憶して長時間演出フラグを「ON」とする(S40)。長時間演出状態に切替えない場合には(S39:NO)、そのままS41に進む。
【0084】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S41)が行なわれ、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、変動パターンがリーチ表示を行う変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1と特別図柄表示部L2とが同じ図柄となり、特別図柄表示部L3のみが異なる図柄となる。そこで、判定エリアの第2特別図柄乱数の値が第3特別図柄乱数に記憶され、第1特別図柄乱数の値が第2特別図柄乱数に記憶される。なお、ここで第1特別図柄乱数の値と第3特別図柄乱数の値が同じとなってしまった場合には、例えば「1」加算したり、減算したりして第3特別図柄乱数の値を変更する。さらに、変動パターンがリーチ表示を行わない変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1〜L3の図柄が全て異なる図柄となる。そこで、第1特別図柄乱数の値と、第2特別図柄乱数の値と、第3特別図柄乱数の値との中で、同じ値がある場合には異なる値となるように値を変更する。そして、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0085】
S35及びS41の特別図柄の停止図柄決定処理が終了すると、通常状態から長時間演出状態へ切替える確率が高確率状態であるか否かを判断する(S42)。S33,S39で長時間演出状態に切替えるか否かを判断するためには、変動パターン乱数が使用される。すなわち、変動パターン乱数が使特定の値であった場合に、長時間演出状態に切替えると判断される。この長時間演出状態に切替えるための変動パターン乱数の特定の値は、通常0.1%程度の確率になるように設定されている。本実施の形態では、変動パターン乱数の数は65536なので、65個の値が用意されている。そこで、この確率を1%程度に高くして、655個にするか否かを抽選で決定している(S46参照)。抽選で当たりの場合には、予め決められた回数(例えば20回)だけ、この高確率状態が継続するようにしている。そこで、S42では、現在の切替確率が高確率状態か否かを判断するものである。具体的には、RAM52の長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに記憶されている長時間演出突入高確率フラグが「ON」にされているかどうかで判断する。
【0086】
現在高確率状態である場合は(S42:YES)、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶されている高確率カウンタFC1を1減算する(S43)。そして、高確率カウンタが「0」に達したか否かを判断し(S44)、「0」であれば(S44:YES)、長時間演出突入高確率フラグに「0」をセットして「OFF」とする(S45)。高確率カウンタがまだ「0」に達していなければ(S44:NO)、そのままS50に進む。
【0087】
現在高確率状態でない場合は(S42:NO)、切替確率を高確率にするか否かを決めるための抽選処理を行なう(S46)。この抽選処理は、ROM53の抽選テーブル記憶エリア5305に記憶されている抽選テーブルを用いて行なう。この抽選テーブルでは、当選確率(切替確率が高確率とされるための確率)は、例えば0.2%程度に設定されている。そして、次に、切替確率を高確率にするか否かを判定する(S47)。具体的には、抽選で引いた値を予め定めた値と比較し、一致した場合に高確率にすると判定する。高確率にする場合には(S47:YES)、長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに「1」を記憶して長時間演出突入高確率フラグを「ON」にする(S48)。そして、高確率カウンタFC1を予め決められた回数(例えば20回)にセットしてカウンタ記憶エリア5201に記憶する(S49)。高確率にしない場合には(S47:NO)、そのままS50に進む。
【0088】
S45の処理が終了すると、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が変動中であることを示す「1」が記憶され(S50)、特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。
【0089】
また、図11に示すS26において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部L1〜L3が変動中であると判断された場合には(S26:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S51)。この判断は、特別図柄変動時間カウンタTC1の値により行われる。S32,S37,S38でセットされた特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」となった場合には、変動時間が経過したので(S51:YES)、コマンド関係記憶エリア5207に全図柄停止コマンドが記憶される(S52)。そして、所定の停止表示時間(例えば、10秒)が特別図柄停止時間カウンタTC2に記憶され(S53)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中であることを示す「2」が記憶される(S54)。そして特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。S51にて、特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」でなく、変動時間はまだ経過していない場合には(S51:NO)、特別図柄表示部L1〜L3は引き続き変動を続ける。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
【0090】
また、S27において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中であると判断された場合には(S27:YES)、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S55)。この判断は、特別図柄停止時間カウンタTC2の値により行われる。S52でセットされた特別図柄停止時間カウンタTC2の値が、カウンタ更新処理において減算され、「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S55:YES)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が記憶される(S56)。そして第1特別図柄乱数、第2特別図柄乱数、第3特別図柄乱数の値が全て等しく、大当たりである場合には(S57:YES)、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となり(S58)、特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。大当たりでない場合には(S57:NO)、そのまま特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。S54にて、特別図柄停止時間カウンタTC2の値が「0」でなく、停止表示時間はまだ経過していない場合には(S55:NO)、特別図柄表示部L1〜L3には引き続き図柄が停止表示される。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
【0091】
以上説明したように、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると(S21:YES)、各種乱数が取得され(S24)、大当たり判定が行われて変動パターンや特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄が決定される(S31〜S41)。変動パターンの選択は、3種類用意されている変動パターンテーブル(大当たりパターンテーブル、通常パターンテーブル、長時間パターンテーブル)を用いて行なわれる。大当たりの場合には大当たりパターンテーブルが用いられる。また、大当たり判定時に、変動パターン乱数の値により、以降を長時間演出状態に切替えるか否かが判定されており(S33,S39)、長時間演出状態に切替えられていれば、演出時間のより長い変動パターンを多く含む長時間変動パターンテーブルが用いられる。また、ここで長時間演出状態に切替えるか否かを決める変動パターン乱数の値は、通常時と高確率状態時に設定でき、高確率状態では長時間変動パターンテーブルが選択される確率が高くなっている(S42〜S49)。そして、繰り返しメインルーチンが実行される中で、特別図柄処理も繰り返し実施され、変動時間が経過すると(S26:YES、S51:YES)、変動を停止させるための制御コマンドが記憶されて(S52)、停止表示が行われる。さらに特別図柄処理が繰り返し実施され、停止表示時間が経過すると(S27:YES、S55:YES)、大当たり判定結果の報知は終了し、大当たりであった場合には、大当たり遊技状態へ移行するために大当たり遊技状態フラグが「ON」とされる(S58)。そして、メインルーチンへ戻る。
【0092】
以上のように、本実施の形態のパチンコ機1によれば、変動パターン乱数の値に基づき、演出にかかる時間が長い変動パターンの出現率が高い長時間演出状態に切替えられる。従って、より長い演出時間が頻繁に出現し、その間に作動保留球が貯まりやすくなるため、遊技者は増大した保留数を有効に活用できている実感がわき、遊技に対する興趣を高めることができる。尚、長時間演出状態に切替えるための乱数は、変動パターン乱数に限らず、大当たり乱数その他の乱数を用いることができる。
【0093】
尚、上記実施の形態において、特別図柄始動電動役物15に設けられた始動口スイッチ72が、遊技球検出手段に相当し、図11のフローチャートのS24において乱数取得処理を実行するCPU51が乱数取得手段として機能する。また、図12のフローチャートのS31において大当たり判定処理を実行するCPU51が当たり判定手段として機能する。さらに、特別図柄表示装置8が、図柄表示手段に相当し、ROM53の変動パターン記憶エリア5304が変動パターン記憶手段に相当する。また、図12のフローチャートのS32,37,38において変動パターン選択処理を実行するCPU51が変動パターン選択手段として機能する。さらに、図11のフローチャートのS23において特別図柄作動球数加算処理を実行するCPU51が作動保留球数計数手段として機能する。また、図12のフローチャートのS33及びS34、S39及びS40において長時間演出状態切替判断処理及び長時間演出切替処理を実行するCPU51が変動パターン選択制御手段として機能する。さらに、図12のフローチャートのS46において切替確率抽選処理を実行するCPU51が抽選手段として機能する。
【0094】
尚、本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、特別図柄作動保留球数は、図3に示す特別図柄保留表示部60に数字ではなく、キャラクターで表示するように構成してもよい。この場合には、保留1個に相当する小さいキャラクターと保留10個に相当する大きめのキャラクターを用いて表示するなどの方法が考えられる。
【0095】
さらに、特別図柄作動保留球数の表示形態としては、上述の他、図13に示すようなものでもよい。図13は、変形例の特別図柄表示装置8の正面図である。この変形例では、図13に示すように、図柄表示画面28の右上方に、2個の7セグメントLEDから構成される特別図柄保留表示部60が設けられている。この7セグメントLEDにより、2桁の数字を表示して特別図柄作動保留球数を示すことができる。100個に達した場合には、表示を点滅させるなどして示せばよい。さらに、普通図柄記憶数表示LED59と同様に、LEDを使用して特別図柄作動保留球数を示してもよい。この場合には、10個のLEDを用意し、色を変えて表示するようにすればよい。
【0096】
次に、本発明の第2の実施の形態について以下に説明する。第2の実施の形態では、特別図柄作動保留球の上限数を通常時は従来同様の4個に設定しておき、大当たりの発生、特定の変動パターンの出現などを契機として上限数を100個に増大し、それに伴って、第1の実施の形態と同様に長時間演出状態に切替が可能になるように構成している。機械的・電気的な構成は第1の実施の形態とほぼ同様であるので説明を省略し、RAM52の構成についてのみ図14を参照して説明する。また、メインのフローチャートも同様であるので説明を省略し、特別図柄処理のフローチャートのみ図15及び図16を参照して説明する。
【0097】
まず、図14を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図14は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。図14に示すように、RAM52には、第1の実施の形態と同様にカウンタ記憶エリア5201、入賞球フラグ記憶エリア5202、普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、コマンド関係記憶エリア5207、各種フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208が設けられている。フラグ関係記憶エリア5208には、表示状態フラグ記憶エリア5208a、大当たり遊技状態フラグを記憶する大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208b、確率変動フラグを記憶する確率変動フラグ記憶エリア5208c、長時間演出フラグ記憶エリア5208d、長時間演出突入高確率フラグを記憶する長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに加えて、特別図柄作動保留球数の上限数を通常の4個から100個に増大しているか否かを示す上限数増大フラグを記憶する上限数増大フラグ記憶エリア5208fが設けられている。上限数増大フラグ記憶エリア5208fに記憶されている上限数増大フラグは、上限数が100個にされている場合には「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。
【0098】
次に、第2の実施の形態の特別図柄処理の詳細について、図15及び図16に示すフローチャートを参照して説明する。前述したように、特別図柄処理では、大当たりの判定、図柄表示画面28の特別図柄表示部L1〜L3に表示する特別図柄の決定、変動パターン等の決定、サブ統合基板58へのコマンド出力、通常状態と長時間演出状態の切替等が行われる。
【0099】
図15に示すように、メインルーチンの特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S121)。メインルーチンのスイッチ読込処理(図10:S11)において、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出した場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている。そこで、S121ではこの始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」であるか否かの判断がされ、「ON」でない場合には(S121:NO)、特別図柄始動電動役物15に遊技球は入賞していないので、そのままS125へ進む。
【0100】
始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」である場合には(S121:YES)、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶される。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球の数は予め上限数が定められている。そこで、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が上限数に達しているか否かの判断が行われる(S122)。具体的には、RAM52の上限数増大フラグ記憶エリア5208fに記憶された上限数増大フラグが「ON」であれば「100」、「OFF」であれば「4」であるか否かを判断する。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が上限数と一致する場合には(S122:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS125へ進む。
【0101】
特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が上限数でない場合には(S122:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算され(S123)、大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリアのうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の記憶エリアに乱数が記憶される(S124)。具体的には、大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が大当たり乱数として、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC6の値が変動パターン乱数として、特別図柄第1乱数カラムCLM3には特別図柄作成第1カウンタLC3の値が第1特別図柄乱数として、特別図柄第2乱数カラムCLM4には特別図柄作成第2カウンタLC4の値が第2特別図柄乱数として、特別図柄第3乱数カラムCLM5には特別図柄作成第3カウンタLC5の値が第3特別図柄乱数としてそれぞれ記憶される。
【0102】
次いで、大当たり遊技状態フラグ記憶エリア5208bに記憶された大当たり遊技状態フラグにより大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S125)。大当たり遊技状態である場合には(S125:YES)、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば(S125:YES)、大当たり遊技状態であるので、なにもせずにメインルーチン処理へ戻る。
【0103】
大当たり遊技状態フラグが「ON」でない場合には(S125:NO)、大当たり遊技状態でないので、特別図柄表示部L1〜L3の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグ記憶エリア5208aに記憶された表示状態フラグにより、特別図柄表示部L1〜L3が変動中であるか否かの判断が行われる(S126)。表示状態フラグが「1」でない、すなわち、変動中でない場合には(S126:NO)、表示状態フラグにより停止表示中であるか否かの判断が行われる(S127)。表示状態フラグが「2」でない、すなわち、停止表示中でない場合には(S127:NO)、大当たり判定が行われる。
【0104】
そこで、図16に示すように、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するか否かの確認が行われる(S128)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」以上でなければ(S128:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメインルーチン処理へ戻る。「1」以上であれば(S128:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算される(S129)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の記憶エリア1に記憶されている乱数が判定エリアへシフトされ、記憶エリア2に記憶されている乱数が記憶エリア1へシフトされ、記憶エリア3に記憶されている乱数が記憶エリア2へシフトされ、以下同様にしてシフトされ、最後の記憶エリアの値がクリアされる(S130)。
【0105】
次いで、大当たり判定が行われ、変動パターンの選択や特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄の選択が行われる。まず、特別図柄作動保留球の上限数が「4」か否かを判断する(S131)。RAM52の上限数増大フラグ記憶エリア5208fに記憶されている上限数増大フラグが「OFF」であれば、上限数は「4」である。上限数が「4」の場合には(S131:YES)、大当たり乱数(判定エリアの大当たり乱数カラムCLM1の値)が大当たり条件を満たすか否かにより、大当たりか否かの判定が行われる(S132)。大当たり条件は、大当たり乱数が大当たりとして決められている特定の値、例えば「7」であることである。また、高確率状態である場合には、大当たりとなる特定の値は「7」に限らず、複数の値、例えば、大当たり乱数が「3」,「7」,「33」,「77」,「177」となる。なお、大当たり乱数は大当たり判定カウンタLC2の値から取得されており、大当たり判定カウンタLC2は「0」〜「314」の間をとるので、大当たり乱数も「0」〜「314」のいずれかになっている。
【0106】
大当たりであると判定された場合には(S132:YES)、大当たり時の変動パターン決定処理(S133)が行われる。ここでは、変動パターンの決定、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。変動パターンは、ROM53の大当たりパターンテーブル記憶エリア5304cに記憶されている大当たりである場合の変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数(判定エリアの変動パターン乱数カラムCLM2の値)に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0107】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S134)が行なわれる。特別図柄の停止図柄決定処理では、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、大当たりとするために特別図柄表示部L1〜L3には全て同じ図柄に決定される。そこで、判定エリアの第1特別図柄乱数の値が、第2特別図柄乱数及び第3特別図柄乱数に記憶され、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0108】
大当たりでない場合には(S132:NO)、通常変動パターンテーブルから変動パターンを選択する処理(S135)が行われる。また、変動パターンの決定に加えて、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。具体的には、変動パターンは、ROM53の通常パターンテーブル記憶エリア5304aに記憶された変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0109】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S136)が行なわれ、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、変動パターンがリーチ表示を行う変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1と特別図柄表示部L2とが同じ図柄となり、特別図柄表示部L3のみが異なる図柄となる。そこで、判定エリアの第2特別図柄乱数の値が第3特別図柄乱数に記憶され、第1特別図柄乱数の値が第2特別図柄乱数に記憶される。なお、ここで第1特別図柄乱数の値と第3特別図柄乱数の値が同じとなってしまった場合には、例えば「1」加算したり、減算したりして第3特別図柄乱数の値を変更する。さらに、変動パターンがリーチ表示を行わない変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1〜L3の図柄が全て異なる図柄となる。そこで、第1特別図柄乱数の値と、第2特別図柄乱数の値と、第3特別図柄乱数の値との中で、同じ値がある場合には異なる値となるように値を変更する。そして、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0110】
一方、特別図柄作動保留球数の上限数が「4」でない場合は(S131:NO)、次に、大当たり乱数(判定エリアの大当たり乱数カラムCLM1の値)が大当たり条件を満たすか否かにより、大当たりか否かの判定が行われる(S141)。大当たり条件は、大当たり乱数が大当たりとして決められている特定の値、例えば「7」であることである。また、高確率状態である場合には、大当たりとなる特定の値は「7」に限らず、複数の値、例えば、大当たり乱数が「3」,「7」,「33」,「77」,「177」となる。なお、大当たり乱数は大当たり判定カウンタLC2の値から取得されており、大当たり判定カウンタLC2は「0」〜「314」の間をとるので、大当たり乱数も「0」〜「314」のいずれかになっている。
【0111】
大当たりであると判定された場合には(S141:YES)、大当たり時の変動パターン決定処理(S142)が行われる。ここでは、変動パターンの決定、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。変動パターンは、ROM53の大当たりパターンテーブル記憶エリア5304cに記憶されている大当たりである場合の変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数(判定エリアの変動パターン乱数カラムCLM2の値)に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0112】
次に、より演出時間の長い変動パターンが選択される確率が通常状態よりも高くなっている長時間演出状態に切替えるか否かを判断する(S143)。具体的には、変動パターン乱数が予め決められている特定の値であった場合には、長時間演出状態に切替えると判断される。この特定の値は、後述する切替確率が高確率である場合には、通常時よりも多い数の値が指定されるようになっており、通常時よりも長時間演出状態に切替えられる確率が高くなっている。長時間演出状態に切替える場合には(S143:YES)、長時間演出フラグ記憶エリア5208dに「1」を記憶して長時間演出フラグを「ON」とする(S144)。長時間演出状態に切替えない場合には(S143:NO)、そのままS145に進む。
【0113】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S145)が行なわれる。特別図柄の停止図柄決定処理では、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、大当たりとするために特別図柄表示部L1〜L3には全て同じ図柄に決定される。そこで、判定エリアの第1特別図柄乱数の値が、第2特別図柄乱数及び第3特別図柄乱数に記憶され、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0114】
大当たりでない場合には(S141:NO)、長時間演出状態か否かを判断する(S147)。この判断は、RAM52の長時間演出フラグ記憶エリア5208dに記憶されている長時間演出フラグが「ON」かどうかにより行なわれる。長時間演出フラグが「ON」になっている場合には(S147:YES)、長時間変動パターンテーブルから変動パターンを選択する処理(S149)が行われる。長時間変動パターンテーブルには、より演出時間の長い変動パターンが多く含まれているので、より演出時間の長い変動パターンが選択される確率が通常状態よりも高くなっている。さらに、このS149において、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。変動パターンは、ROM53の長時間パターンテーブル記憶エリア5304bに記憶された演出時間の長い変動パターンを多く含む変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0115】
長時間演出状態と判断されなかった場合には(S147:NO)、通常変動パターンテーブルから変動パターンを選択する処理(S148)が行われる。また、変動パターンの決定に加えて、変動パターン指定コマンドの記憶、特別図柄変動時間カウンタTC1の記憶が行われる。具体的には、変動パターンは、ROM53の通常パターンテーブル記憶エリア5304aに記憶された変動パターン決定テーブルに従い、変動パターン乱数に対応するとされている変動パターンに決定される。そして、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。さらに、変動パターン毎に決められている変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1に記憶される。
【0116】
S148又はS149において変動パターン選択処理が終了すると、次に、長時間演出状態に切替えるか否かを判断する(S150)。具体的には、変動パターン乱数が予め決められている特定の値であった場合には、長時間演出状態に切替えると判断される。この特定の値は、後述する切替確率が高確率である場合には、通常時よりも多い数の値が指定されるようになっており、通常時よりも長時間演出状態に切替えられる確率が高くなっている。長時間演出状態に切替える場合には(S150:YES)、長時間演出フラグ記憶エリア5208dに「1」を記憶して長時間演出フラグを「ON」とする(S151)。長時間演出状態に切替えない場合には(S150:NO)、そのままS152に進む。
【0117】
次に、特別図柄の停止図柄決定処理(S152)が行なわれ、特別図柄表示部L1〜L3に表示される停止図柄が決定される。ここでは、変動パターンがリーチ表示を行う変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1と特別図柄表示部L2とが同じ図柄となり、特別図柄表示部L3のみが異なる図柄となる。そこで、判定エリアの第2特別図柄乱数の値が第3特別図柄乱数に記憶され、第1特別図柄乱数の値が第2特別図柄乱数に記憶される。なお、ここで第1特別図柄乱数の値と第3特別図柄乱数の値が同じとなってしまった場合には、例えば「1」加算したり、減算したりして第3特別図柄乱数の値を変更する。さらに、変動パターンがリーチ表示を行わない変動パターンである場合には、特別図柄表示部L1〜L3の図柄が全て異なる図柄となる。そこで、第1特別図柄乱数の値と、第2特別図柄乱数の値と、第3特別図柄乱数の値との中で、同じ値がある場合には異なる値となるように値を変更する。そして、決定された停止図柄を示す第1特別図柄指定コマンド、第2特別図柄指定コマンド、第3特別図柄指定コマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。
【0118】
S145及びS152の特別図柄の停止図柄決定処理が終了すると、通常状態から長時間演出状態へ切替える確率が高確率状態であるか否かを判断する(S154)。S143,S150で長時間演出状態に切替えるか否かを判断するためには、変動パターン乱数が使用される。すなわち、変動パターン乱数が使特定の値であった場合に、長時間演出状態に切替えると判断される。この長時間演出状態に切替えるための変動パターン乱数の特定の値は、通常0.1%程度の確率になるように設定されている。本実施の形態では、変動パターン乱数の数は65536なので、65個の値が用意されている。そこで、この確率を1%程度に高くして、655個にするか否かを抽選で決定している(S155参照)。抽選で当たりの場合には、予め決められた回数(例えば20回)だけ、この高確率状態が継続するようにしている。そこで、S154では、現在の切替確率が高確率状態か否かを判断するものである。具体的には、RAM52の長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに記憶されている長時間演出突入高確率フラグが「ON」にされているかどうかで判断する。
【0119】
現在高確率状態である場合は(S154:YES)、RAM52のカウンタ記憶エリア5201に記憶されている高確率カウンタFC1を1減算する(S160)。そして、高確率カウンタが「0」に達したか否かを判断し(S161)、「0」であれば(S161:YES)、長時間演出突入高確率フラグに「0」をセットして「OFF」とする(S162)。高確率カウンタがまだ「0」に達していなければ(S161:NO)、そのままS137に進む。
【0120】
現在高確率状態でない場合は(S154:NO)、切替確率を高確率にするか否かを決めるための抽選処理を行なう(S155)。この抽選処理は、ROM53の抽選テーブル記憶エリア5305に記憶されている抽選テーブルを用いて行なう。この抽選テーブルでは、当選確率(切替確率が高確率とされるための確率)は、例えば0.2%程度に設定されている。そして、次に、切替確率を高確率にするか否かを判定する(S156)。具体的には、抽選で引いた値を予め定めた値と比較し、一致した場合に高確率にすると判定する。高確率にする場合には(S156:YES)、長時間演出突入高確率フラグ記憶エリア5208eに「1」を記憶して長時間演出突入高確率フラグを「ON」にする(S157)。そして、高確率カウンタFC1を予め決められた回数(例えば20回)にセットしてカウンタ記憶エリア5201に記憶する(S158)。高確率にしない場合には(S156:NO)、そのままS137に進む。
【0121】
S134,S136,S158,S162の処理が終了後、特別図柄作動保留球数の上限数を変更するか否かを判断する(S137)。これは、判定エリアに記憶されている変動パターン乱数の値が予め定められた特定の値である場合に変更する。尚、変動パターン乱数に限らず、大当たり乱数などの他の乱数を用いてもよい。変更する場合には(S137:YES)、新たな上限数をセットし(S138)、変更しない場合は(S137:NO)、そのままS139に進む。そして、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が変動中であることを示す「1」を記憶し(S139)、特別図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。
【0122】
また、図15に示すS126において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部L1〜L3が変動中であると判断された場合には(S126:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S171)。この判断は、特別図柄変動時間カウンタTC1の値により行われる。S133,S135,S142,S148,S149でセットされた特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」となった場合には、変動時間が経過したので(S171:YES)、コマンド関係記憶エリア5207に全図柄停止コマンドが記憶される(S172)。そして、所定の停止表示時間(例えば、10秒)が特別図柄停止時間カウンタTC2に記憶され(S173)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中であることを示す「2」が記憶される(S174)。そして特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。S171にて、特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」でなく、変動時間はまだ経過していない場合には(S171:NO)、特別図柄表示部L1〜L3は引き続き変動を続ける。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
【0123】
また、S127において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中であると判断された場合には(S127:YES)、停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S175)。この判断は、特別図柄停止時間カウンタTC2の値により行われる。S172でセットされた特別図柄停止時間カウンタTC2の値が、カウンタ更新処理において減算され、「0」となった場合には、停止表示時間が経過したので(S175:YES)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1〜L3が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が記憶される(S176)。そして第1特別図柄乱数、第2特別図柄乱数、第3特別図柄乱数の値が全て等しく、大当たりである場合には(S177:YES)、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となり(S178)、特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。大当たりでない場合には(S177:NO)、そのまま特別図柄処理は終了し、メインルーチンへ戻る。S54にて、特別図柄停止時間カウンタTC2の値が「0」でなく、停止表示時間はまだ経過していない場合には(S175:NO)、特別図柄表示部L1〜L3には引き続き図柄が停止表示される。そこで、特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
【0124】
以上説明したように、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると(S121:YES)、各種乱数が取得され(S124)、大当たり判定が行われて変動パターンや特別図柄表示部L1〜L3に表示される図柄が決定される(S131〜S152)。変動パターンの選択は、3種類用意されている変動パターンテーブル(大当たりパターンテーブル、通常パターンテーブル、長時間パターンテーブル)を用いて行なわれる。大当たりの場合には大当たりパターンテーブルが用いられる。また、大当たりの判定前には、まず、特別図柄作動保留球数の上限値が増大しているか否かを判定し(S131)、増大している場合には(S131:NO)、大当たり判定時に、変動パターン乱数の値により、以降を長時間演出状態に切替えるか否かを判定し(S143,S150)、長時間演出状態に切替えられていれば、演出時間のより長い変動パターンを多く含む長時間変動パターンテーブルが用いられる。また、ここで長時間演出状態に切替えるか否かを決める変動パターン乱数の値は、通常時と高確率状態時に設定でき、高確率状態では長時間変動パターンテーブルが選択される確率が高くなっている(S154〜S162)。さらに、変動パターン乱数の値が特定の値であれば、特別図柄作動保留球数の上限値を変更する(S137,S138)。そして、繰り返しメインルーチンが実行される中で、特別図柄処理も繰り返し実施され、変動時間が経過すると(S126:YES、S171:YES)、変動を停止させるための制御コマンドが記憶されて(S172)、停止表示が行われる。さらに特別図柄処理が繰り返し実施され、停止表示時間が経過すると(S127:YES、S175:YES)、大当たり判定結果の報知は終了し、大当たりであった場合には、大当たり遊技状態へ移行するために大当たり遊技状態フラグが「ON」とされる(S178)。そして、メインルーチンへ戻る。
【0125】
以上説明したように、第2の実施の形態のパチンコ機1によれば、変動パターン乱数の値により、まず、特別図柄作動保留球数の上限値が増大するか否かが決定され、増大している場合には、さらに、変動パターン乱数の値に基づき、演出にかかる時間が長い変動パターンの出現率が高い長時間演出状態に切替えられる。従って、より長い演出時間の間に作動保留球が貯まりやすくなるため、遊技者は増大した保留数を有効に活用できている実感がわき、遊技に対する興趣を高めることができる。
【0126】
尚、上記実施の形態において、特別図柄始動電動役物15に設けられた始動口スイッチ72が、遊技球検出手段に相当し、図15のフローチャートのS124において乱数取得処理を実行するCPU51が乱数取得手段として機能する。また、図15のフローチャートのS131及びS141において大当たり判定処理を実行するCPU51が当たり判定手段として機能する。さらに、特別図柄表示装置8が、図柄表示手段に相当し、ROM53の変動パターン記憶エリア5304が変動パターン記憶手段に相当する。また、図16のフローチャートのS133,135,S142,S148,S149において変動パターン選択処理を実行するCPU51が変動パターン選択手段として機能する。さらに、図15のフローチャートのS123において特別図柄作動球数加算処理を実行するCPU51が作動保留球数計数手段として機能する。また、図16のフローチャートのS143及びS144、S150及びS151において長時間演出状態切替判断処理及び長時間演出切替処理を実行するCPU51が変動パターン選択制御手段として機能する。さらに、図16のフローチャートのS155において切替確率抽選処理を実行するCPU51が抽選手段として機能する。また、図16のフローチャートのS138において上限数変更処理を行なうCPU51が計数記憶数変更手段として機能する。
【0127】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、請求項1に記載の遊技機によれば、変動パターン記憶手段に記憶されている変動パターンは、演出にかかる時間のより短い変動パターンを多く含む第一のグループと、演出にかかる時間のより長い変動パターンを多く含む第二のグループとの少なくとも2つのグループに分けられており、変動パターン選択制御手段が、変動パターン選択手段に前記第一のグループから変動パターンを選択させる通常状態と、第二のグループから変動パターンを選択させる長時間演出状態とを切替えるよう制御する。従って、長時間演出状態に切替えられた場合には、図柄の変動中に遊技球検出手段に検出される遊技球が増えるため、作動保留球の数が増え、遊技者の大当たりやリーチに対する期待を高めることができる。
【0128】
請求項2に記載の遊技機によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、乱数取得手段が予め定められた特定の値を乱数値として取得した場合、又は、変動パターン選択手段が予め定められた特定の変動パターンを選択した場合には、変動パターン選択制御手段が通常状態から長時間演出状態に切替えるよう制御する。従って、乱数値や変動パターンの選択結果により作動保留球の貯まる数が増えやすい長時間演出状態に切替えられるため、長時間演出状態へ突入する期待感を高めることができる。
【0129】
請求項3に記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、抽選手段が通常状態から長時間演出状態に切替えるか否かを決定するための抽選を行なう。そして、その抽選結果に基づき、変動パターン選択切替確率設定手段は、通常状態から長時間演出状態に切替えられる確率を高くする。従って、抽選結果により、通常よりも長時間演出状態へ突入する確率が高くなり、さらに長時間演出状態へ突入する期待感を高めることができる。
【0130】
請求項4に記載の遊技機によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、変動パターン選択切替確率設定手段は、抽選結果が予め定められた特定の値であった場合に、通常状態から長時間演出状態に切替えられる確率を高くする。従って、抽選結果が特定の値であれば、通常よりも長時間演出状態へ突入する確率が高くなり、さらに長時間演出状態へ突入する期待感を高めることができる。
【0131】
請求項5に記載の遊技機によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の効果に加え、計数記憶数変更手段が、乱数取得手段により取得された乱数値又は変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、作動保留球数計数手段が計数し記憶できる上限数を通常よりも多い上限数に変更する。そして、変動パターン選択制御手段が、通常状態から長時間演出状態に切替えるよう制御する。従って、作動保留球の上限数が通常よりも増大された場合に限って、長時間演出状態とされるので、保留球が貯まりやすくなることを簡易に遊技者に示すことができ、さらに期待感を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、パチンコ機1の正面図である。
【図2】図2は、遊技盤2の正面図である。
【図3】図3は、特別図柄表示装置8の正面図である。
【図4】図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、ROM53の記憶エリアを示す概念図である。
【図6】図6は、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。
【図7】図7は、RAM52のカウンタ記憶エリア5201を示す概念図である。
【図8】図8は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。
【図9】図9は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。
【図10】図10は、メインルーチン処理のフローチャートである。
【図11】図11は、メインルーチン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【図12】図12は、特別図柄処理のフローチャートであり、図11に示すフローチャートの続きである。
【図13】図13は、特別図柄表示装置8の変形例の正面図である。
【図14】図14は、第2の実施形態における、RAM52の記憶エリアを示す概念図である。
【図15】図15は、第2の実施形態において、メインルーチン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【図16】図16は、第2の実施形態において、メインルーチン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャートであり、図15に示すフローチャートの続きである。
【符号の説明】
1 パチンコ機
8 特別図柄表示装置
15 特別図柄始動電動役物
28 図柄表示画面
40 制御部
41 主基板
51 CPU
52 RAM
5206 特別図柄作動保留球数記憶エリア
53 ROM
5304 変動パターン記憶エリア
72 始動口スイッチ
Claims (5)
- 遊技球が流下する遊技盤と、
当該遊技盤上に設けられた特定の入賞口への遊技球の入賞を検出する遊技球検出手段と、
当該遊技球検出手段によって遊技球が検出されたことに起因して乱数値を取得する乱数取得手段と、
当該乱数取得手段により取得された乱数値に基づいて当たりはずれを判定する当たり判定手段と、
当該当たり判定手段の判定結果が表示される図柄表示手段と、
当該図柄表示手段に前記判定結果を示すための図柄の変動による演出の種類を変動パターンとして記憶する変動パターン記憶手段と、
当該変動パターン記憶手段に記憶された複数の変動パターンから1つの変動パターンを選択する変動パターン選択手段と、
前記遊技球検出手段により検出された遊技球について前記当たり判定手段の判定結果が前記図柄表示手段にまだ表示されていない場合に、その検出された遊技球を作動保留球として、所定数に達するまでその数を計数して記憶する作動保留球数計数手段とを備えた遊技機において、
前記変動パターン記憶手段は、前記複数の変動パターンを、演出にかかる時間のより短い変動パターンを多く含む第一のグループと、演出にかかる時間のより長い変動パターンを多く含む第二のグループとの少なくとも2つのグループに分けて記憶し、
前記変動パターン選択手段に前記第一のグループから変動パターンを選択させる通常状態と、前記第二のグループから変動パターンを選択させる長時間演出状態とを切替えるよう制御する変動パターン選択制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記変動パターン選択制御手段は、前記乱数取得手段が予め定められた特定の値を乱数値として取得した場合、又は、前記変動パターン選択手段が予め定められた特定の変動パターンを選択した場合に、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替えるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記変動パターン選択制御手段が前記通常状態から前記長時間演出状態に切替えるか否かを決定するための抽選を行なう抽選手段を備え、
当該抽選手段による抽選結果に基づき、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替える確率を高くする変動パターン選択切替確率設定手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。 - 前記変動パターン選択切替確率設定手段は、前記抽選結果が予め定められた特定の値であった場合に、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替える確率を高くすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
- 前記乱数取得手段により取得された乱数値又は前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記作動保留球数計数手段が計数し記憶できる上限数を通常よりも多い上限数に変更する計数記憶数変更手段を備え、
前記変動パターン選択制御手段は、前記計数記憶数変更手段により前記上限数が通常よりも多くされた場合に、前記通常状態から前記長時間演出状態に切替えるよう制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
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- 2003-06-30 JP JP2003186137A patent/JP2005007097A/ja active Pending
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