JP2005006990A - ゲーム装置、ゲームプログラム及びそのゲームプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
ゲーム装置、ゲームプログラム及びそのゲームプログラムを記録した記録媒体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】攻撃のバリエーションや演出を多彩とし、ゲームに対する興趣を高めることができるとともに、戦闘シーンにおけるプレイヤの興味を増大させることができるゲーム装置、ゲームプログラム及びそのゲームプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明のゲーム装置、ゲームプログラム及びそのゲームプログラムを記録した記録媒体は、所定の操作入力により当該操作入力に応じたキャラクタに付与される特別技として、特定の他のキャラクタに属する技のパラメータを記憶し、別の操作入力に応じて、記憶されたパラメータの特別技を用いて他のキャラクタを攻撃する。
【選択図】 図14
【解決手段】本発明のゲーム装置、ゲームプログラム及びそのゲームプログラムを記録した記録媒体は、所定の操作入力により当該操作入力に応じたキャラクタに付与される特別技として、特定の他のキャラクタに属する技のパラメータを記憶し、別の操作入力に応じて、記憶されたパラメータの特別技を用いて他のキャラクタを攻撃する。
【選択図】 図14
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲーム装置、ゲームプログラム及びそのゲームプログラムを記録した記録媒体に関するものであり、特に、表示画面上に複数のキャラクタを表示し、プレイヤにキャラクタの行動形態を選択させることでゲームを進行していくゲーム装置、ゲームプログラム及びゲームプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータやTV装置の画面上におけるゲーム上の仮想的な世界の中で、プレイヤがコントローラ等の操作手段によりコマンド入力等を行ってゲームに登場するキャラクタを操り、予め設定された物語を進行していくゲームが種々提供されている。このようなゲームは、一般的に”RPG”(Role Playing Game)と称される。
【0003】
このようなRPGでは、プレイヤが操るキャラクタ(以下、「主キャラクタ」という)とコンピュータによって制御される敵キャラクタとが戦闘する戦闘シーンが盛り込まれ、この戦闘で敵キャラクタを倒すことによって経験値や仮想貨幣などを入手し、キャラクタレベルを上げながら物語を進行していくものが一般的に知られている。
【0004】
この種のRPGにおける戦闘シーンにおいて、主キャラクタが取り得る行動は、その主キャラクタのレベルに応じた能力や所持アイテム(武器、魔法等)に応じた行動能力等の設定によって一義的に決まり、コマンド選択後のキャラクタの行動形態は、選択されたコマンドに基づき、コンピュータがゲームプログラムに含まれるキャラクタの行動制御用のアルゴリズムに従って自動的に処理を行う。
【0005】
またRPGには、キャラクタが、魔法を使った魔法攻撃の行動を取る際、例えばドラゴンのような、より有利な属性を持つものに変身するものがある。さらに、この中には、主キャラクタが所定の条件を満たした場合に、行動の相手である敵キャラクタそのものに変身可能となるものがある(例えば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−200354号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなRPGでは、キャラクタが他のものに変身するためには、魔法の呪文を唱えるなど特別の操作を行われることが必要とされている。しかしながら、キャラクタが修得し利用できる魔法のレベルは、その時点でキャラクタに備わるキャラクタレベルによって定められてしまっている。すなわち、キャラクタはキャラクタレベルが上昇してドラゴン等に変身する呪文についての魔法のレベルが備わらない限り、その呪文を使用して変身することができない。したがって、ドラゴン等に変身して行う魔法攻撃は、ゲームの開始当初から使用されることが困難であり頻繁には行われることがないため、ゲームにおける行動の演出が単調となり、プレイヤがゲームに飽きてしまう虞れがあった。
【0008】
また特許文献1に記載されるRPGにおいても、戦闘によって獲得できる戦利ステータスのレベルの蓄積量が所定値に達し、かつ、特別敵キャラと対戦して勝利することにより初めて、敵キャラクタに変身することが可能となっている。このため、ゲームの始まり当初から敵キャラクタに変身する行動を頻繁に使用することができず、魔法攻撃が単調となり、プレイヤがゲームに飽きてしまう虞れがあった。
【0009】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、行動のバリエーションや演出を多彩とし、ゲームに対する興趣を高めることができるとともに、戦闘シーンにおけるプレイヤの興味を増大させることができるゲーム装置、ゲームプログラム及びそのゲームプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明のゲーム装置、ゲームプログラム及びそのゲームプログラムを記録した記録媒体は、所定の操作入力により当該操作入力に応じたキャラクタに付与される特別技として、特定の他のキャラクタに属する技のパラメータを記憶し、別の操作入力に応じて、記憶されたパラメータの特別技を用いて他のキャラクタに対する行動を起こすことを特徴とする。
【0011】
より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0012】
(1) プレイヤによって操作可能な操作手段およびパラメータを記憶可能な記憶部を備え、既存のまたは別途設けた表示装置の画面上に複数のキャラクタを表示し、前記操作手段からの操作入力に応じて前記複数のキャラクタのいずれかに対する行動形態を決定し前記画面上でゲームを進行するコンピュータにより実行可能なゲームプログラムであって、コンピュータを、前記操作手段からの所定の操作入力により、前記行動形態が決定されるキャラクタとは別のキャラクタに属する技のパラメータを特別技パラメータとして記憶部に記憶する特別技付与手段、前記操作手段からの操作入力に応じて、前記記憶部に記憶された特別技パラメータを用いる前記キャラクタの行動形態を決定する行動形態決定手段、として機能させるためのゲームプログラム。
【0013】
(1)の発明によれば、本発明のプログラムを実行するコンピュータは、操作手段からの操作入力に応じて行動形態を決定するキャラクタについて、所定の操作入力により、別のキャラクタに属する技のパラメータを記憶する。このことによりキャラクタに特別技が付与される。そして、キャラクタの行動形態を決定する場合に、記憶されたパラメータに基づく特別技を用いることができる。このことにより、あるキャラクタの行動形態を決定する際に、そのキャラクタが本来備えていない特別技を採用することができる。しかも、特別技の記憶は所定の操作入力により行われるため、プレイヤは例えば戦闘において敵キャラクタを倒すといったイベントの操作労力をかけなくとも特別技が付与される。したがって、キャラクタの戦闘能力レベルや、プレイヤの操作技量に関係なく、敵キャラクタが使用する特別技が使用可能となる。そして、行動のバリエーションが増え、特別技を収集する楽しみが付加されるようになり、戦闘における魔法攻撃といった技を用いた演出も多彩となり、ゲームに対する興趣を高めることができる。また、プレイヤは特別技が付与されるのを期待して敵キャラクタとの戦闘を行うようになり、戦闘シーンにおけるプレイヤの興味を増大させることができる。ここで、プレイヤキャラクタは、実施の形態における主キャラクタに対応する。また、技のパラメータは、モンスターテーブルおよび図鑑テーブルに記憶される魔法の各種パラメータに対応する。また、特別技付与手段は、実施の形態における撮影コマンド処理(ST77)に対応し、行動形態決定手段は、コマンド処理(ST35)に対応する。
【0014】
(2) (1)記載のゲームプログラムであって、前記行動形態決定手段が行動を決定するキャラクタを所定の順序で選択するように前記コンピュータをさらに機能させ、前記行動形態決定手段は、前記特別技付与手段により特別技パラメータが記憶された後以降、前記選択がされたキャラクタについて特別技パラメータを用いることが可能であるように前記コンピュータを機能させるゲームプログラム。
【0015】
(2)の発明によれば、複数のキャラクタがそれぞれ順番に行動を起こすいわゆるRPGゲームにおいて、行動形態決定手段は、特別技付与手段が特別技を付与した後、この特別技を用いることができる。このことにより、キャラクタは特別技の付与がなされた直後の番の行動からこの特別技を用いることができる。したがって、特別技は取得後すぐに使用可能なので、プレイヤにとって有利な戦闘を進められる可能性が高くなる。ゲーム開始後から例えば魔法攻撃といった特別技を用いた遊技を行うことができるため、多彩な演出を行うことができる。
【0016】
(3) プレイヤによって操作可能な操作手段と、既存のまたは別途設けた表示装置の画面上に複数のキャラクタを表示し、前記操作手段からの操作入力に応じて前記複数のキャラクタのいずれかに対する行動形態を決定し前記画面上でゲームを進行させる装置本体と、を備えたゲーム装置であって、前記装置本体は、キャラクタのパラメータを記憶する記憶手段と、前記操作手段からの所定の操作入力により、前記行動形態が決定されるキャラクタとは別のキャラクタに属する技のパラメータを特別技パラメータとして記憶部に記憶する特別技付与手段、前記操作手段からの操作入力に応じて、前記記憶部に記憶された特別技パラメータを用いる前記キャラクタの行動形態を決定する行動形態決定手段と、を有することを特徴とするゲーム装置。
【0017】
(4) プレイヤによって操作可能な操作手段およびパラメータを記憶可能な記憶部を備えるとともに、既存のまたは別途設けた表示装置の画面上に複数のキャラクタを表示し、前記操作手段からの操作入力に応じて前記複数のキャラクタのいずれかに対する行動形態を決定し前記画面上でゲームを進行するコンピュータにより実行可能なゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、コンピュータを、前記操作手段からの所定の操作入力により、前記行動形態が決定されるキャラクタとは別のキャラクタに属する技のパラメータを特別技パラメータとして記憶部に記憶する特別技付与手段、前記操作手段からの操作入力に応じて、前記記憶部に記憶された特別技パラメータを用いる前記キャラクタの行動形態を決定する行動形態決定手段、として機能させるためのゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。
【0018】
(3)または(4)の発明によれば、いわゆるRPGゲームのキャラクタは、キャラクタ本来備えていない特別技を用いて行動を起こすことができる。しかも、この特別技の付与が所定の操作入力により行われるため、プレイヤはRPGにおいて必要とされる敵キャラクタを倒す等の操作労力をかけなくとも特別技を獲得することができる。したがって、キャラクタのレベルに関係なく、特別技が使用可能となるので、行動のバリエーションが増え、特別技を収集する楽しみが付加される。また、魔法攻撃の演出も多彩となり、ゲームに対する興趣を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明をゲーム装置に適用した場合の全体構成を示す。このゲーム装置は、装置本体1と、プレイヤの操作に応じて装置本体1に対する制御指令を出力する操作手段としてのコントローラ4と、装置本体1からの画像信号に基づき画像を表示する表示手段15とで構成される。このゲーム装置では、CRTのような表示装置15の表示面(以下「ディスプレイ」という)16に種々の画像を表示することでゲームが実行される。
【0021】
このゲーム装置で実行されるゲームは、装置本体1とは別の外部記録媒体に記録されたゲームプログラムを読み込むことで実行される。そのゲームプログラムを記憶した外部記録媒体としては、CD−ROMやDVD−ROMのほか、FD(フレキシブルディスク)その他任意の記録媒体を利用できる。本実施例ではDVD−ROMを用いた場合について説明する。装置本体1の中央上部には開閉可能なカバー2が設けられ、このカバー2を開放することで、当該装置本体1の内部に設けられた記録媒体駆動装置としてのDVD−ROMドライブ29(図2)にDVD−ROM31を装填できる。
【0022】
コントローラ4は、プレイヤの操作によって装置本体1内のCPU21(図2)に制御指令を出すための入力部を種々備える。コントローラ4の左側部分には、入力部として、ゲームに登場するキャラクタを移動させるときやメニューの選択項目を移動させるときに主に操作される上方向ボタン7、下方向ボタン8、左方向ボタン9、および右方向ボタン10が設けられている。コントローラ4の右側部分には、各種項目の決定やキャンセルを行うときに主に操作される△ボタン11、○ボタン12、×ボタン13、および□ボタン14が設けられている。コントローラ4の中央部には、上下に選択ボタン6およびスタートボタン5が設けられている。
【0023】
表示装置15は、ビデオ信号および音声信号の入力端子を有するもので、それぞれ装置本体1のビデオ出力端子および音声出力端子との間で端子ケーブル18および19により接続される。表示装置15としては、後述の画像出力部25(図2)から出力される画像データを表示可能なディスプレイ16と、後述の音声出力部27(図2)から出力される音声データを出力可能なスピーカ17L、17Rとを一体的に有する既存のTV受像機が用いられる。なお、装置本体1と操作手段であるコントローラ4とは、図1に示すように信号ケーブル20で接続される。
【0024】
また、装置本体1の側面部には、メモリカード32(図2)の差し込み口としてのメモリースロット3が設けられている。メモリカード32は、プレイヤがゲームを中断するときなどにゲームデータを一時的に記録するための記憶媒体である。このメモリカード32に記録されたデータは、カードリーダとしての機能を有する後述の通信インタフェース30(図2)を介して読み取られる。
【0025】
[電気的構成]
図2は、上記ゲーム装置のシステム構成を示す。装置本体1は、制御手段としてのCPU21と、記憶手段としてのROM22およびRAM23と、画像処理部24と、画像出力部25と、音声処理部26と、音声出力部27と、デコーダ28と、DVD−ROMドライブ29と、通信インタフェース30とを含み構成される。
【0026】
DVD−ROMドライブ29は、DVD−ROM31を着脱自在に構成し、ここに装着したDVD−ROM31内のゲームプログラムは、CPU21においてROM22に格納されたOS(Operating System)等の基本動作プログラムに従い読み出される。読み出されたゲームプログラムは、デコーダ28により所定の信号に変換されRAM23に格納される。
【0027】
RAM23に格納されたゲームプログラムは、CPU21において基本動作プログラムあるいはコントローラ4からの入力信号に従って実行される。実行されるゲームプログラムに応じてDVD−ROM31より画像データおよび音声データが読み出され、画像データは画像処理部24に、音声データは音声処理部26にそれぞれ送られる。
【0028】
画像処理部24は、受信した画像データを画像信号に変換し、当該画像信号を画像出力部25よりディスプレイ16に供給する。音声処理部26は、受信した音声データを音声信号に変換し、当該音声データを音声出力部27よりスピーカ17L,17Rに供給する。
【0029】
通信インタフェース30は、コントローラ4およびメモリカード32を着脱自在に接続でき、この通信インタフェース30を介して、メモリカード32からのデータの読み出しおよびメモリカード32へのデータの書込みが行われると共に、コントローラ4からの信号がCPU21等の各部に送られる。
【0030】
次に、DVD−ROM31に記録されたゲームプログラムに基づいてCPU21により実行される処理内容と、それに伴いディスプレイ16に表示されるゲーム内容について具体例を説明する。
【0031】
装置本体1が電源ONの状態において、DVD−ROMドライブ29にDVD−ROM31が装着されると、ディスプレイ16には「オープニングデモ」が表示される。「オープニングデモ」は、ゲームの開始を告げる演出表示である。この「オープニングデモ」を所定時間表示した後、ゲームタイトルが大きく描かれた「タイトル画面」を表示し、後述の図4に示す「メインゲーム処理」を開始する。
【0032】
[タイトル画面]
図3(1)は、「タイトル画面」の一例を示す。ここでは、”SHADOW HEARTS”というゲームタイトルの文字を表示し、その下に、2つの選択項目(”NEW GAME”および”CONTINUE”)を表示している。また、”NEW GAME”および”CONTINUE”のどちらかの選択項目の左位置にカーソル41が表示され、プレイヤによる上方向ボタン7または下方向ボタン8の操作によりカーソル41の位置が入れ替わる。そして、プレイヤにより○ボタン12が操作されたとき、選択のためのカーソル41が指し示している選択項目が選択される。
【0033】
図4に示す「メインゲーム処理」では、最初に、上記「タイトル画面」上で2つの選択項目のどちらが選択されたかを判定する(ST1)。”NEW GAME”が選択されたことを判定したときは(ST1で”YES”)、プロローグおよびゲーム内容を表示し(ST2)、その後、図3(2)に示す「ワールドマップ」を表示する(ST4)。一方、上記「タイトル画面」上で”CONTINUE”が選択されたことを判定したときは(ST1で”NO”)、前回のゲーム終了時の状況をセットしてゲームの状態を復帰し(ST3)、その後、プロローグおよびゲーム内容を表示せずに上記「ワールドマップ」を表示する(ST4)。
【0034】
なお、本実施例にかかるゲームには、プレイヤの操作に基づいて行動するプレイヤキャラクタである主キャラクタと、ゲームプログラムにのみ基づいて行動する敵キャラクタが登場し、この双方のキャラクタ間の戦闘を中心として展開するゲームがディスプレイ上で実現される。また、本実施例では、主キャラクタとして、”主キャラクタA”111、”主キャラクタB”112および”主キャラクタC”113の3人が登場し、ゲームはこの3人のキャラクタで形成されるパーティ単位で行動するものとする。また、各キャラクタ毎に、予め各種のステータスが設定されている。このステータスには、ゲーム回数や敵キャラクタを倒した回数等によって加算される経験値、所持金、武器、能力等が定められている。
【0035】
図3(2)は、「ワールドマップ」の一例を示す。この「ワールドマップ」上では、ゲームストーリーの舞台である「A国」の主要都市が表示され、5つの都市名で示される選択項目(”都市A”42a,”都市B”42b,”都市C”42c,”都市D”42d,”都市E”42e)が表示される。これらは、予め用意された「サブマップ」に移行するための選択項目である。プレイヤによる上方向ボタン7または下方向ボタン8の操作により各選択項目を示すカーソル41が移動し、プレイヤによる○ボタン12の操作により一つの選択項目が選択される。こうして「サブマップ」が選択されると、当該「サブマップ」毎の画面に移行すると共に、当該「サブマップ」に応じて設定された種々のゲームが行えるようになる。具体的には、各都市内部の情景が場面展開にあわせて背景画像としてプリレンダ表示され、その中を主キャラクタ達が移動しながら各種イベントを攻略し、ストーリーが進んでいく構成となっている。
【0036】
また、この「ワールドマップ」上において、プレイヤによる□ボタン14の操作がされたときは「メニュー画面」が表示され、プレイヤは当該「メニュー画面」において種々の設定等が行える。
【0037】
[メインゲーム処理]
再び図4において、「ワールドマップ」上に表示される選択項目のいずれかが選択されたときは(ST5で”YES”)、選択に応じた「サブマップ」の開始画面が表示され、主キャラクタのパーティは当該「サブマップ」上で行動を開始する(ST6)。一方、上記ST5で”NO”のときは、「ワールドマップ」上で□ボタン14が操作され「メニュー画面」の表示要求があるかどうか判別する(ST20)。ここで”YES”のときは、「メニュー画面」を表示すると共に、プレイヤの操作に応じた種々の設定処理を行い(ST21)、再びST5の処理に戻る。ここで、「サブマップ」上での行動とは、主キャラクタが歩いたり、通行人に話しかけたり、買物をしたりといった行動である。また、この「サブマップ」上でも□ボタン14の操作により「メニュー画面」を表示させることができ、各種の操作が可能となる。例えば、「道具」コマンドを選択することで、後述の「道具コマンド処理」が実行され味方キャラクタの能力を回復させることができ、「売買」コマンドを選択することで、後述の売買処理が実行され、所持しているアイテムの売買が可能となる。
【0038】
その後、「サブマップ」上で行動を開始した主キャラクタのパーティが敵キャラクタに遭遇すると(ST7で”YES”)、「バトル処理」を開始する(ST8)。「バトル処理」が開始されると、主キャラクタのパーティと敵キャラクタとの間で戦いを行う「戦闘シーン」へと移る。この「バトル処理」については後述する。一方、敵キャラクタに遭遇しない場合(ST7で”NO”のとき)であっても、何らかのイベントが発生したときは(ST9で”YES”)、ST16に移って当該イベントに応じたムービーを表示し、イベントも発生しないときは(ST9で”NO”)、上記ST6の処理に戻る。
【0039】
「バトル処理」により実行される「戦闘シーン」において、主キャラクタのパーティが敵キャラクタから逃げることに成功した場合は(ST10で”YES”)、ST16に移り、その状況に応じたムービーを表示する。一方、敵キャラクタから逃げることに失敗した場合あるいは敵キャラクタとの戦闘を行った場合は(ST10で”NO”)、続いて、「戦闘シーン」において、主キャラクタのパーティが敵キャラクタに勝ったかどうか判定する(ST11)。ここで、”YES”のとき、すなわち主キャラクタのパーティが敵キャラクタに勝ったときは、戦った敵キャラクタの種類やその戦闘内容に応じて当該パーティの各キャラクタに対し、経験値等のポイントを加算したり、アイテムやお金等を与える(ST12)。そして、各キャラクタの経験値に応じて当該キャラクタのレベルをアップさせる(ST13)。その後、状況に応じたムービーを表示する(ST16)。上記ST11の判定で、”NO”のとき、すなわち主キャラクタのパーティが敵キャラクタに勝つことができなかったときは、続いて、主キャラクタのパーティ全員が死亡したかどうか判定する(ST14)。ここで”NO”のときはST16に移り、”YES”のときは、ゲームオーバーとなり(ST15)、このメインゲーム処理を終了する。
【0040】
ST16でムービーを表示した後、当該サブマップのリクエスト条件をクリアした場合は(ST17で”YES”)、続いてエンディングに移るかどうか判定し(ST18)、ここで”YES”であれば所定のエンディング表示を行い、この「メインゲーム処理」を終了する。この一方、ここで”NO”であればST4の処理に戻りゲームを続行する。
【0041】
[バトル処理]
図5は、「バトル処理」の手順を示す。まず、図6に示すような「戦闘シーン」の開始画面を表示する(ST29)。この開始画面では、手前に主キャラクタのパーティ(”主キャラクタA”111、”主キャラクタB”112、”主キャラクタC”113)が表示され、その向かい側には、各主キャラクタに対応した位置に3人の敵キャラクタ(”敵キャラクタA”114、”敵キャラクタB”115、”敵キャラクタC”116)が表示される。また、この開始画面の右下位置には、主キャラクタのステータスに関する情報が表示される。具体的には、各主キャラクタ毎にヒットポイント(以下「HP」という)、マジックポイント(以下「MP」という)およびサニティポイント(以下「SP」という)がそれぞれ予め定められ、この開始画面では、これらのポイントについての残存ポイント数(現在所持しているポイント数/最初に所持していたポイント数)が表される。なお、「HP」が残存していることで、そのキャラクタが行動決定、アイテム使用など各種コマンドを実行可能となり、当該ポイントが無くなった主キャラクタは、行動不能となる。「MP」は、これを有することで魔法等の特殊能力が使えるポイントであり、当該ポイントが無くなった主キャラクタは、特殊能力が使用できなくなる。「SP」は、これを有することで主キャラクタの正気が保たれるポイントで、当該ポイントが無くなった主キャラクタは、正気を失い異常状態に陥る。この異常状態に陥ったときは、当該主キャラクタに対するコマンド操作が無効となり、敵味方にかまわず攻撃を仕掛けるといった異常な行動に暴走する。
【0042】
次に、敵キャラクタのHPを表示する「HP表示処理」を行う(ST30)。この「HP表示処理」により、戦闘する相手である敵キャラクタについてのHPが表示され、敵キャラクタとの対戦に必要な労力やメリットを判断する材料となる。ただし、敵キャラクタのHPが表示されるのは、主キャラクタの中に、特別なキャラクタが存在する場合のみである。この「HP表示処理」についての詳細は後述する。
【0043】
次に、主キャラクタおよび敵キャラクタをも含めた、攻撃等の行動が行える順番を管理しているウェイトポイント(WP)を所定条件の下に減算する「WP減算処理」を行う(ST31)。この「WP減算処理」では、主キャラクタについて言えば、プレイヤによるコマンド選択を有効とするキャラクタの順番が管理される。なお、この「WP減算処理」についての詳細は後述する。
【0044】
「WP減算処理」でコマンド選択が有効となった(後述するターンが回ってきた)キャラクタが敵キャラクタかどうか判定し(ST32)、”YES”のときは、敵キャラクタが主キャラクタに対して行動を実行するように、ゲームプログラムに従って自動処理を行い(ST33)、当該敵キャラクタのWPを初期値に戻す(ST36)。一方、ST32の判定で、コマンド選択が有効となったキャラクタが主キャラクタであると判定したときは、続いて、プレイヤの操作によるコマンド選択を受付ける「コマンド受付処理」を行う(ST34)。なお、この「コマンド受付処理」についての詳細は後述する。
【0045】
続いて、「コマンド受付処理」で受付けたプレイヤによるコマンド選択の内容を確認し、そのコマンド種別に応じた表示処理を実行する「コマンド処理」を行う(ST35)。この「コマンド処理」により、選択された主キャラクタの行動形態に従った表示処理が実行される。例えば、戦闘を行うコマンド(後述の「戦う」コマンド)が選択された場合は敵キャラクタと戦闘を行うような表示処理が実行され、特殊能力を使うコマンド(後述の「特殊」コマンド)が選択された場合は敵キャラクタに対して魔法攻撃を行ったり、攻撃された味方に対し回復魔法を使って回復させる等の表示処理が実行される。また、この「コマンド処理」では、プレイヤの操作タイミングによる技術介入を可能とする「ジャッジメント処理」も行われる。この「コマンド処理」についての詳細は後述する。
【0046】
「コマンド処理」実行後、上記「WP減算処理」でコマンド選択が有効となったキャラクタのWPを初期値(255)に戻す(ST36)。続いて、「バトル処理」の終了条件を満たしているかどうか判定し(ST37)、”NO”のときは、上記ST30の処理に戻り、”YES”のときは「ソウルポイント加算処理」を実行する(ST38)。この「ソウルポイント加算処理」についての詳細は後述する。ここで、「バトル処理」の終了条件とは、戦闘画面に登場した敵キャラクタが全滅したこと、プレイヤにおいて「逃げる」コマンドが選択され敵キャラクタから逃げることに成功したこと、主キャラクタのパーティが全滅したこと、戦闘を終了させるようなイベントが発生したこと、のいずれかである。
【0047】
「ソウルポイント加算処理」実行後、戦闘に勝ったかどうかを判定し(ST39)、”NO”のときはバトル処理を終了し、”YES”のときはモンスター図鑑にデータを保存する処理を行う(ST40)。このモンスター図鑑にデータを保存する処理では、倒した相手であるモンスターに属するパラメータをRAM23上の図鑑データに記憶する。この後、「バトル処理」を終了する。
【0048】
図7は、上記「バトル処理」におけるST31の「WP減算処理」の手順を示す。まず、”主キャラクタA”111のWP(”主キャラクタA”111のWPを「WP1」と表す)を算出し、RAM23の所定領域にセットする(ST41)。WPの初期値は「255」に指定され、このWP1は、前回の「WP減算処理」でRAM23にセットされたWP1の値から”主キャラクタA”111に設定されている能力値APを減算することで、算出される。この「WP」の算出方法は、その他のキャラクタについても同様とし、能力値APについては各キャラクタによって異なるものとする。各キャラクタには、経験値によって決定されるキャラクタレベル(LV)に応じて種々のキャラクタ個別能力が予め設定されており、上記「AP」は、このステータスを基に算出される。
【0049】
一例として、図8は、”主キャラクタA”111および”主キャラクタB”112のキャラクタ個別能力について示す。この図8に示すように、各キャラクタには、経験値によって変化するキャラクタレベル(LV)に応じ各種キャラクタ個別能力が設定されている。キャラクタ個別能力の種類としては、上述の「HP」、「MP」、「SP」のほか、物理的攻撃力(STR)、物理的防御力(VIT)、すばやさ(AGL)、魔法攻撃力(INT)、魔法防御力(POW)および運(LUC)がある。これらは数値によって表され、キャラクタレベルが同一であってもキャラクタの種類によって異なった値が設定されている。「AP」は、この中の「AGL」および「LUC」によって算出される。具体的には、AP=AGL+LUC/2の計算式により算出される。
【0050】
このように”主キャラクタA”111の「WP1」を求めた後、続いて、この求められた「WP1」が”0”かどうかの判定を行う(ST42)。ここで”YES”のときは、”主キャラクタA”111についてのコマンド選択を有効とする(ST53)。従って、戦闘シーンにおいて、”主キャラクタA”111に攻撃等の動作をさせるコマンド指定がプレイヤによってできるようになる。
【0051】
ST42で”NO”のときは、”主キャラクタB”112のWP(”主キャラクタB”112のWPを「WP2」と表す)を算出し、RAMの所定領域にセットする(ST43)。続いて、求められた「WP2」が”0”かどうかの判定を行い(ST44)、”YES”のときは、”主キャラクタB”112についてのコマンド選択を有効とし(ST53)、”NO”のときは、ST45に移る。
【0052】
ST45では、”主キャラクタC”113のWP(”主キャラクタC”113のWPを「WP3」と表す)を算出し、RAM23の所定領域にセットする。続いて、求められた「WP3」が”0”かどうかの判定を行い(ST46)、”YES”のときは、”主キャラクタC”113についてのコマンド選択を有効とし(ST53)、”NO”のときは、ST47に移る。
【0053】
ST47では、”敵キャラクタA”114のWP(”敵キャラクタA”114のWPを「WP4」と表す)を算出し、RAM23の所定領域にセットする。続いて、求められた「WP4」が”0”かどうかの判定を行い(ST48)、”YES”のときは、”敵キャラクタA”114についてのコマンド選択を有効とし(ST53)、”NO”のときは、ST49に移る。
【0054】
ST49では、”敵キャラクタB”115のWP(”敵キャラクタB”115のWPを「WP5」と表す)を算出し、RAM23の所定領域にセットする。続いて、求められた「WP5」が”0”かどうかの判定を行い(ST50)、”YES”のときは、”敵キャラクタB”115についてのコマンド選択を有効とし(ST53)、”NO”のときは、ST51に移る。
【0055】
ST51では、”敵キャラクタC”116のWP(”敵キャラクタC”116のWPを「WP6」と表す)を算出し、RAM23の所定領域にセットする。続いて、求められた「WP6」が”0”かどうかの判定を行い(ST52)、”YES”のときは、”敵キャラクタC”116についてのコマンド選択を有効とした後(ST53)WP減算処理を終了する。この一方で、”NO”のときは、再びST41に戻って、当該「WP減算処理」を最初から繰り返す。
【0056】
[コマンド選択画面]
この「WP減算処理」において、コマンド選択が有効となったキャラクタが主キャラクタのとき、ディスプレイ16では、図6に示すように、コマンド選択が有効となった主キャラクタの頭上に選択マーク43が表示される。そして、このような表示の後は、続いて、選択マーク43が頭上に表示された主キャラクタ(ここでは”主キャラクタA”111)がズームアップされ、図9に示すような「コマンド選択画面」が表示される。
【0057】
図9に示す「コマンド選択画面」では、”主キャラクタA”111の行動形態を決定するためのコマンドが選択項目として示されたコマンドメニュー44が表示される。そして、コマンドメニュー44の左側に表示される選択カーソル45をプレイヤによる上方向ボタン7または下方向ボタン8の操作により移動させ、○ボタン12が操作されたときに選択カーソル45が左位置に表示されているコマンドが選択され、”主キャラクタA”111の行動形態が決定される。この図9では、コマンドメニュー44に「戦う」、「特殊」、「アイテム」、「召喚」、「防御」、「撮影」および「逃げる」の7つのコマンドが表示される。ここでは、「戦う」コマンドの左位置に選択カーソル45が表示されており、当該コマンドが決定された場合を示す。また、コマンドメニュー44の上方には、この”主キャラクタA”111の「HP」、「MP」および「SP」の値が表示されている。
【0058】
[コマンド受付処理]
図10は、上記「バトル処理」(図5)におけるST34の「コマンド受付処理」の手順を示す。まず、上記「WP減算処理」においてコマンド選択が有効となったキャラクタが主キャラクタのときにおいて、当該主キャラクタの「SP」が”0”かどうかを判定する(ST55)。ここで”YES”の場合は、当該主キャラクタについて「キャラクタ暴走処理」を行い(ST56)、上記ST387(図5)の処理に移る。「キャラクタ暴走処理」が実行された場合、当該キャラクタに対するコマンド操作が無効となり、敵味方にかまわず攻撃を仕掛けるといった異常な行動に暴走する。一方、上記ST55で”NO”のときは、プレイヤによるコマンド操作があったかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)においてコマンドが操作されたかどうかを判定する(ST57)。
【0059】
[キャラクタ暴走処理]
図11は、上記「コマンド受付処理」(図10)におけるST56の「キャラクタ暴走処理」の手順を示す。まず、主キャラクタの行動を決定するコマンドの種別をランダムに選択し、当該コマンドに基づいた行動(攻撃、攻撃魔法の使用、回復魔法の使用等)の対象となるキャラクタを敵味方関係無くランダムに選択する(ST61)。例えば「戦う」コマンドが選択された場合、攻撃を加える対象のキャラクタを敵味方関係無くランダムに選択する。そして、選択されたコマンド等に基づき決定されるキャラクタの動作を表示する後述の「ジャッジメント処理」を自動処理し(ST62)、この「キャラクタ暴走処理」(図15)を終了する。
【0060】
図12および図13は、「キャラクタ暴走処理」が実行されたときの具体的な表示例を示し、ここでは、一例として、”主キャラクタA”111のSPが”0”となり、当該”主キャラクタA”111について「キャラクタ暴走処理」を実行したときの様子を示す。
【0061】
図12は、キャラクタ暴走処理の実行開始直後の表示態様を示し、”主キャラクタA”111の足元から黒煙117が上がってきて、体を取り囲んでいく様子を表示する。このとき、ディスプレイ16には、「主キャラクタAが暴走した!!」という文字も表示される。その後、図13に示すように、”主キャラクタA”111の頭上に暴走したことを示す暴走マーク118が表示されると共に、「へへへへっ......楽しいねえ...!」という文字も表示される。そして、この後、”主キャラクタA”111は、上記ST61(図11)で選択された対象キャラクタに対し、攻撃等の行動を行う。
【0062】
上記実施形態では、一度暴走状態に陥ると、全てのコマンド操作を受け付けなくなるが、一部のコマンドのみ所定の条件で受け付けるようにしてもよい。例えば、「アイテム」コマンドのみを受け付けるが、選択された「アイテム」を誰に使うかを分からなくしたり、「戦う」コマンドを3ターンに1回受け付けたりする。また、主キャラクタが暴走するのは「SP=0」となったときであり、また、暴走しっぱなしではなく、時間が経つと正常に戻るようにしてもよい。
【0063】
図14は、上記「バトル処理」(図5)におけるST36の「コマンド処理」の手順を示す。まず、選択されたコマンドが「戦う」コマンドかどうかを判定する(ST65)。ここで”YES”のとき、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「戦う」がプレイヤにより選択されとき、DVD−ROM31より「武器テーブル」(詳細は図26に示す)を取り出し、RAM23の所定領域にセットする(ST66)。
【0064】
ST65で”NO”のときは、選択されたコマンドが「特殊」コマンドかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「特殊」がプレイヤにより選択されたかどうかを判定する(ST67)。ここで”YES”のときは、DVD−ROM31より「特殊テーブル」(詳細は図31に示す)を取り出し、RAM23の所定領域にセットする(ST68)。
【0065】
ST67で”NO”のときは、選択されたコマンドが「アイテム」コマンドかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「アイテム」がプレイヤにより選択されたかどうかを判定する(ST69)。ここで”YES”のときは、DVD−ROM31より「アイテムテーブル」(詳細は図33に示す)を取り出し、RAM23の所定領域にセットする(ST70)。
【0066】
ST69で”NO”のときは、選択されたコマンドが「召喚」コマンドかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「召喚」がプレイヤにより選択されたかどうかを判定する(ST71)。ここで”YES”のときは、RAM23に記憶された「図鑑テーブル」(詳細は図25)をRAM23の所定領域にセットする(ST72)。
【0067】
ST71で”NO”のときは、選択されたコマンドが「防御」コマンドかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「防御」がプレイヤにより選択されたかどうかを判定する(ST73)。ここで”YES”のときは、主キャラクタが敵キャラクタからの攻撃を防御する様子を表示する「防御」コマンド処理を実行する(ST75)。
【0068】
ST73で”NO”のときは、選択されたコマンドが「撮影」コマンドかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「撮影」がプレイヤにより選択されたかどうかを判定する(ST76)。ここで”YES”のときは、主キャラクタが敵キャラクタを写真に撮影する様子を表示する「撮影コマンド処理」を実行する(ST77)。撮影コマンド処理の詳細は後述する。
【0069】
ST76で”NO”のときは、主キャラクタが敵キャラクタから逃げる様子を表示する「逃げる」コマンド処理を実行する(ST78)。
【0070】
「戦う」コマンド、「特殊」コマンド、「アイテム」コマンドおよび「召喚」コマンドのうちのいずれかが選択され、各コマンドに対応するテーブルがRAM23の所定領域にセットされたときは、そのコマンドおよびテーブルに基づき決定される主キャラクタの動作を表示する「ジャッジメント処理」を実行し(ST74)、この後コマンド処理を終了する。
【0071】
[ジャッジメント処理]
図15は、「ジャッジメント処理」の手順を示す。まず、選択されたコマンドに基づき行われる行動(攻撃、攻撃魔法の使用、回復魔法の使用等)の対象となるキャラクタ(以下、「対象キャラクタ」という)がプレイヤによって選択されたかどうか判定する(ST81)。具体的には、上記「コマンド選択画面」(図9)においてコマンド選択が完了すれば、図16に示すような「対象キャラクタ選択画面」が表示され、当該画面において対象キャラクタがプレイヤによって選択される。対象キャラクタの選択は、次のように行われる。すなわち、「対象キャラクタ選択画面」において表示される選択マーク46がプレイヤによる上方向ボタン7または下方向ボタン8の操作により移動され、○ボタン12が操作されたときに選択マーク46が頭上に表示されているキャラクタが対象キャラクタとして決定される。図16では、”敵キャラクタA”114の頭上に選択マーク46が表示され、当該敵キャラクタが対象キャラクタとして決定された場合を示す。
【0072】
ST81で”YES”のときは、「ジャッジメントリング決定処理」を実行し(ST82)、続いて、「ジャッジメントリング判定処理」を実行する(ST83)。
【0073】
続いて、上記ST83の「ジャッジメントリング判定処理」で算出されるダメージ量または回復値に基づきHP、MPおよびSPの値を更新する(ST84)。ここでは、ダメージ量、回復値等に応じたHPおよびMPの加減算と、SPの減算が行われる。SPの減算は、このST84の処理が実行される毎に”1”減算するものとする。すなわち、キャラクタのターン毎に”1”減少するものとする。
【0074】
なお、SPの減算値を、ダメージ量、回復値等に応じて決定するようにしてもよい。例えば、ダメージ量、回復値に比例した値(例えば、ダメージ量、回復値等の1/10の値)をSPの減算値として決定するようにする。
【0075】
また、コマンド選択が有効となったときからジャッジメントリング100が表示されるまでの時間(秒数)をSPの減算値として決定するようにしてもよい。この場合、プレイヤがコマンド選択に要した時間がSPの減算値として設定されるため、プレイヤによるコマンド選択が素早ければSPの減算値は少なくて済むが、コマンド選択に時間がかかれば、そのかかった時間分がSPより減算されることとなる。
【0076】
次に、上記ST82およびST83により決定された内容に応じてキャラクタのステータスを更新する(ST85)。この処理でキャラクタのステータスが「異常ステータス」に更新されると、キャラクタが通常状態と異なる異常状態となる。この「異常ステータス」は、攻撃を受けたアイテムや魔法等の種類によって異なる。例えば、「毒」異常ステータスは、敵から魔法を受けたときや所定のアイテムによる攻撃を受けたときに、主キャラクタが行動を起こすターン毎にキャラクタの体力が自動的に減ってしまう異常ステータスである。また、「石化」異常ステータスは、敵から魔法を受けたときや所定のアイテムによる攻撃を受けたときに、キャラクタが石のように固まってしまい、コマンド入力が不可能となる異常ステータスである。
【0077】
そして、更新されたパラメータに基づいて、主キャラクタが対象キャラクタに対し所定の行動(攻撃、魔法をかける等)を行う演出画像の表示を実行し(ST86)、ジャッジメント処理を終了する。
【0078】
ここで、本発明にかかるゲームでは、主キャラクタが対象キャラクタに対し選択コマンドに基づいた行動を行う直前に、図17に示すように可変表示領域としてのジャッジメントリング100が表示され、このジャッジメントリング100を利用して上記効果を決定する上で必要なパラメータが決定される。
【0079】
ここで、図17に示すように、ジャッジメントリング100は、斜め方向に傾いた状態で表示される。そして、このジャッジメントリング100上には、当該ジャッジメントリング100の中心点を支点として時計の針のように時計方向に回転する変動領域としての回転バー101が表示される。また、ジャッジメントリング100上には、所定の角度範囲で色が塗られた領域(以下、「タイミングエリア」という)が表示される。このタイミングエリアは、プレイヤにとって相対的に有利となる「有効領域」である。
【0080】
その後、回転バー101の回転が開始され、当該回転バー101が上記タイミングエリア上を通過するときに、プレイヤが○ボタン12を操作できたかどうかによって、上記パラメータの内容が変更される。ここで、上記タイミングエリアは、図17に示すように3つのタイミングエリアで構成され、回転バー101が最初に通過するタイミングエリアを「第1タイミングエリア」102、次に通過するタイミングエリアを「第2タイミングエリア」103、最後に通過するタイミングエリアを「第3タイミングエリア」104とする。
【0081】
例えば、3つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたとき、すなわち3つのタイミングエリア上に回転バー101があるときに○ボタン12が操作できたとき、その後、主キャラクタが対象キャラクタに対し行う行動が有効となる。「戦う」コマンドが選択された場合であれば、所定の攻撃力で3回の攻撃を行い敵キャラクタにダメージを与え、「特殊」コマンドが選択され回復魔法を使用する場合であれば、所定の回復力を有する魔法を味方キャラクタに対し3回かけることができ、味方キャラクタに回復力を与えることができる。
【0082】
これに対し、1つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作タイミングを外したときは、そのタイミングエリアに割り振られた効果が無効となる。特に3回とも失敗した場合は効果はゼロとなる。また、本実施例では、ジャッジメントリング100の有効領域を視覚で認識する方式を採用しているが、要は、プレイヤの五感に働きかけてプレイヤが操作タイミングを認知できる構成であればよい。例えば、所定時間特定の音声を発生させ、その発生区間内の操作を要求する聴覚的な構成、あるいは、コントローラ4や携帯端末自体を振動させ、その振動の発生区間内の操作を要求する触覚的な構成とすることも可能である。
【0083】
図18は、回転バー101が第1タイミングエリア102上を通過するときに○ボタン12の操作がされたときの様子を示す。この図18に示すように、第1タイミングエリア102上で上手く操作できたときは、「Cool」の文字が表示される。
【0084】
図19は、回転バー101が第2タイミングエリア103上を通過するときに○ボタン12の操作がされたときの様子を示す。この図19に示すように、第2タイミングエリア102上で上手く操作できたときは、「Good」の文字が表示される。
【0085】
図20は、回転バー101が第3タイミングエリア104上を通過するときに○ボタン12の操作がされたときの様子を示す。この図20に示すように、第3タイミングエリア104上で上手く操作できたときは、「Perfect」の文字が表示される。
【0086】
図21は、回転バー101が第1タイミングエリア102上に差し掛かる前に○ボタン12の操作がされたとき、すなわちタイミングエリア上での○ボタン12の操作を失敗したときの様子を示す。この図21に示すように、タイミングエリア上での○ボタン12の操作を失敗したときは、「Miss」の文字が表示される。
【0087】
図22は、3つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたとき、すなわち3つのタイミングエリア上に回転バー101があるときに○ボタン12が操作できたときの、回転バー101の回転停止後の様子を示す。この図22に示すように、回転バー101の回転停止と同時にジャッジメントリング100は粉々に割れ、その破片が飛び散る様子が表示される。その後、図9において「戦う」コマンドが選択された”主キャラクタA”111は、図16において対象キャラクタとして選択された”敵キャラクタA”114に向かって移動し、攻撃を行う。このときの攻撃力(敵キャラクタのダメージ量)が、上記ジャッジメントリング100における○ボタン12の操作タイミングによって変化する。
【0088】
図23は、選択されたコマンドおよびジャッジメントリング100表示中の操作結果に基づき、”主キャラクタA”111が”敵キャラクタA”114に対し行動を行っている様子を示す。ここでは、「戦う」コマンドが選択された場合を示し、”主キャラクタA”111は”敵キャラクタA”114に対し攻撃を行っている様子を示している。上述の通り、ジャッジメントリング100表示中に3つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたときは、この画面において、”主キャラクタA”111は”敵キャラクタA”114に対し所定の攻撃力による攻撃を3回実行する。
【0089】
なお、上記実施形態では、1回目の操作に失敗したとしても2回目の操作にチャレンジできる場合であるが、1回失敗した時点で操作受付を終了するように構成してもよい。
【0090】
図24は、”主キャラクタA”111が”敵キャラクタA”114に対する攻撃を終了し、元の位置に戻ったときの様子を示す。ここで、キャラクタあるいは敵キャラクタの対象キャラクタに対する行動開始(図23に示す状態)から終了(図24に示す状態)までの期間を「1ターン」ということとし、この「1ターン」についての表示処理は、上記ST86(図15)の「演出画像表示処理」で行われる。
【0091】
[ジャッジメントリング決定処理]
図25は、上記ST82(図15)の「ジャッジメントリング決定処理」の手順を示す。ここでは、まず、RAM23にセットされた「武器テーブル」(図26)、「特殊テーブル」(図31)および「アイテムテーブル」(図33)のいずれかを参照し、タイミングエリアの範囲を決定する(ST91)。続いて、後述のジャッジメントリング補正パラメータに基づき、上記ST91で決定されたタイミングエリアの範囲および予め定められた回転バーの回転速度および回転数およびジャッジメントリングのサイズを補正する(ST92)。ここで、回転バーの回転速度は、基本速度として一周1.5秒に設定され、回転バーの回転数は、基本回転数として一回転に設定されている。そして、ST92で最終的に決定されたタイミングエリアの範囲でジャッジメントリング100を表示し、決定された回転バーの回転速度および回転数による回転バー101の回転表示を行うジャッジメントリング変動表示処理を行う(ST93)。タイミングエリアおよびジャッジメントリング補正パラメータについて、以下に説明する。
【0092】
図26は、「武器テーブル」を示す。これは、「戦う」コマンドがプレイヤにより選択されたときにセットされるテーブルである。この図26に示すように、主キャラクタの種類によって使用できる武器が定められており、その武器の種類に応じて使用アイテム個別能力と、各タイミングエリアの範囲とが設定されている。
【0093】
使用アイテム個別能力は、敵キャラクタのダメージ量(相手ダメージ量)の算出に用いられ、この使用アイテム個別能力の数値が大きいほど、敵キャラクタのダメージ量は大きくなる。
【0094】
タイミングエリアの範囲は、図28に示すように、回転バー101の回転開始位置100aを0°とした「先頭角度」および「終端角度」で囲まれた角度範囲で示され、これら「先頭角度」および「終端角度」は、この図26に示すように、使用武器の種類に応じて異なる値が設定されている。例えば、主キャラクタが”主キャラクタA”111で使用武器が武器A1の場合、第1タイミングエリア102は、先頭角度を45°とし終端角度を135°とした90°の角度範囲を当該タイミングエリアの範囲として設定される。第2タイミングエリア103は、先頭角度を180°とし終端角度を247°とした67°の角度範囲を当該タイミングエリアの範囲として設定される。第3タイミングエリア104は、先頭角度を292°とし終端角度を337°とした45°の角度範囲を当該タイミングエリアの範囲として設定されている。
【0095】
また、ジャッジメントリング100では、各タイミングエリアの所定範囲に、ここを通過するときに○ボタン12の操作ができれば敵キャラクタのダメージ量が20%増加すなわち1.2倍となる特別有効領域としての「120%領域」が設定されている。「120%領域」は、終端角度から当該「120%領域」の角度分を減算した角度位置から終端角度までの範囲で形成される。
【0096】
図27は、敵キャラクタの相手ダメージ量を算出する際の計算式を示す。
【0097】
「割当値」は、この図27に示すように、1回目の攻撃時は”0.2”、2回目の攻撃時は”0.3”、3回目の攻撃時は”0.5”に設定されている。
【0098】
「SP残量補正値」は、現在のSPが最大SPの25%を切るまで、すなわち「25−現SP/最大SP×100≦0」を満たす間は”1”で、現在のSPが最大SPの25%を切ったとき、すなわち「25−現SP/最大SP×100>0」を満たしたとき、SPは”0.01”加算した”1.01”となる。そして、その後SPが1ポイント減る毎に”0.01”ずつ加算されていく。すなわち、SPが1ポイント減る毎に、相手ダメージ量が1%ずつ上昇するように設定される。
【0099】
「キャラクタ個別能力」は、上記図8に示したSTR(物理的攻撃力)を示し、「使用アイテム個別能力」は、図26に示す主キャラクタおよび武器の種類に応じて設定された値である。
【0100】
「ジャッジメントリング補正値」は、回転バー101がタイミングエリアの120%領域上にあるときに○ボタン12の操作がされたときは”1.2”で、回転バー101がタイミングエリアの120%領域以外の領域上にあるときに○ボタン12の操作がされたときは”1”で、回転バー101がタイミングエリア上にあるときに○ボタン12の操作がされなかったときは”0”である。
【0101】
例えば、「戦う」コマンドが選択された場合において、3つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたとき、すなわち3つのタイミングエリア上に回転バー101があるときに○ボタン12が操作できたとき、その後、主キャラクタは敵キャラクタに対し攻撃を3回繰り返し所定のダメージを与える。例えば、”主キャラクタA”111が武器A1を用いて攻撃する場合、1回目の攻撃における相手ダメージ量は、「0.2×SP残量補正値×STR×6×1(1.2)」となり、この相手ダメージ量分のポイントが敵キャラクタのHPから減算される。同様に、2回目の攻撃における相手ダメージ量は、「0.3×SP残量補正値×STR×6×1(1.2)」、3回目の攻撃における相手ダメージ量は、「0.5×SP残量補正値×STR×6×1(1.2)」となり、それぞれ敵キャラクタのHPから減算される。
【0102】
一方、1つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作タイミングを外したときは、その後のタイミングエリアにおける「ジャッジメントリング補正値」は”0”となる。例えば、”主キャラクタA”111が武器A1を用いて攻撃する場合において、第1タイミングエリア上に回転バー101があるときに○ボタン12が操作できたとき、1回目の攻撃における相手ダメージ量は、「0.2×SP残量補正値×STR×6×1(1.2)」となるが、第2タイミングエリア上で○ボタン12の操作タイミングを外したときは、2回目および3回目の攻撃における「ジャッジメントリング補正値」は”0”となり、相手ダメージ量も”0”となる。
【0103】
ここで、敵キャラクタのHPが”0”になったとき、主キャラクタが当該敵キャラクタを倒したこととなる。
【0104】
図28は、コマンド決定時に表示されるジャッジメントリング100の表示態様を示す。ここでは、主キャラクタが”主キャラクタA”111で、武器A1を使用して「戦う」コマンドが選択されたときのコマンド決定時のジャッジメントリング100を示す。このジャッジメントリング100は、図26に示した「武器テーブル」に設定された各タイミングエリアの角度範囲で形成される。主キャラクタが”主キャラクタA”111で、武器A1を使用して「戦う」コマンドが選択された場合は、第1タイミングエリア102の先頭角度が45°で終端角度が135°、第2タイミングエリア103の先頭角度が180°で終端角度が247°、第3タイミングエリア104の先頭角度が292°で終端角度が337°である。また、この図28に示すように、「120%領域」は、第1タイミングエリア102では終端角度の135°から30°減算した「105°」から終端角度の「135°」までの範囲102aであり、第2タイミングエリア103では、終端角度の247°から23°減算した「224°」から終端角度の「247°」までの範囲103aであり、第3タイミングエリア104では、終端角度の337°から15°減算した「322°」から終端角度の「337°」までの範囲104aである。
【0105】
図29は、コマンド決定後のジャッジメントリング100の表示態様を示す。ここでは、回転バー101が回転を開始し、第1タイミングエリア102上を通過しているときの様子を示している。
【0106】
なお、上記「120%領域」については上記のような場合に限らない。例えば、図30(1)に示すように、「120%領域」を先端角度から所定角度までの範囲に設けたり、図30(2)に示すように、「120%領域」を2箇所設けるようにしてもよい。図30(1)では、先端角度の45°から20°加算した角度の65°までの範囲102aを「120%領域」とした場合を示す。また、図30(2)では、先端角度の45°から20°加算した角度の65°までの範囲102aと、終端角度の135°から30°減算した角度の105°までの範囲とを「120%領域」とした場合を示す。
【0107】
図31は、「特殊テーブル」を示す。これは、「特殊」コマンドがプレイヤにより選択されたときにセットされるテーブルである。ここで、「特殊」とは、キャラクタ毎に個別に設定された特別な能力(特殊能力)を使用するコマンドであって、例えば、”主キャラクタA”111の場合は、後述するフュージョンモンスターに変身し、通常状態では攻撃魔法が使用できなかったところが使用可能となる。この図31に示すように、主キャラクタの種類によって使用できる特殊能力が定められており、各特殊能力毎に、能力値および各タイミングエリアの範囲が設定されている。
【0108】
この図31に示すように、主キャラクタが”主キャラクタA”111のときは、特殊能力として攻撃魔法1〜3が使用可能で、これらに設定されている能力値は、これら攻撃魔法1〜3を用いて敵キャラクタに対しダメージを与えるための相手ダメージ量の算出に用いられる。この場合、使用する特殊能力の能力値が大きいほど、敵キャラクタのダメージ量、すなわち敵キャラクタのHPを減少させるためのポイント数が大きくなる。なお、これら攻撃魔法1〜3は、後述するフュージョンモンスターに変身したときに使用可能となる。
【0109】
一方、主キャラクタが”主キャラクタB”112のときは、特殊能力として回復魔法1〜3が使用可能で、これらに設定されている能力値は、これら回復魔法1〜3を用いて味方キャラクタを回復させるための回復値の算出に用いられる。この場合、使用する特殊能力の能力値が大きいほど、味方キャラクタの回復値、すなわち敵キャラクタからダメージを受け減少している味方キャラクタのHPを回復させるためのポイント数が大きくなる。
【0110】
タイミングエリアの範囲は、上記「武器テーブル」(図26)同様、回転バー101の回転開始位置100aを0°とした「先頭角度」および「終端角度」で囲まれた角度範囲で示され、これら「先頭角度」および「終端角度」は、使用する特殊能力の種類に応じて異なる値が設定されている。これに加え、この「特殊」テーブルでは、使用する特殊能力の種類によって第1タイミングエリア102しか設定されていない場合や、第1タイミングエリア102および第2タイミングエリア103の2つしか設定されていない場合がある。なお、”主キャラクタC”113には、このような特殊能力が用意されておらず、この「特殊テーブル」において能力値もタイミングエリアの範囲も設定されていない。
【0111】
図32は、特殊能力として攻撃魔法1〜3を使用したときの相手ダメージ量を算出する計算式と、特殊能力として回復魔法1〜3を使用したときの回復値を算出する計算式を示す。
【0112】
「割当値」は、この図32に示すように、1回目の特殊能力使用時は”0.2”、2回目の特殊能力使用時は”0.3”、3回目の特殊能力使用時は”0.5”に設定されている。
【0113】
図32(1)の攻撃魔法1〜3を使用したときの相手ダメージ量を算出する計算式に使用される「キャラクタ個別能力」は、上記図8に示したINT(魔法攻撃力)を示す。「使用する特殊能力の能力値」は図31に示す主キャラクタおよび使用する特殊能力の種類に応じて設定された能力値である。
【0114】
「ジャッジメントリング補正値」は、回転バー101がタイミングエリアの120%領域上にあるときに○ボタン12の操作がされたときは”1.2”で、回転バー101がタイミングエリアの120%領域以外の領域上にあるときに○ボタン12の操作がされたときは”1”で、回転バー101がタイミングエリア上にあるときに○ボタン12の操作がされなかったときは”0”である。
【0115】
例えば、「特殊」コマンドが選択され、使用する特殊能力として攻撃魔法が選択された場合において、表示される全てのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたときは、その後、主キャラクタは敵キャラクタに対し攻撃魔法による攻撃を行い所定のダメージを与える。例えば、”主キャラクタA”111が攻撃魔法1を用いて攻撃する場合は、タイミングエリアは一つしか設定されていないため、攻撃魔法による攻撃を1回のみ行う。このときの相手ダメージ量は、図32(1)より「0.2×INT×99×1(1.2)」となり、この相手ダメージ量分のポイントが敵キャラクタのHPから減算される。
【0116】
また、「特殊」コマンドが選択され、使用する特殊能力として回復魔法が選択された場合において、表示される全てのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたときは、その後、主キャラクタは味方キャラクタに対し回復魔法をかけ回復させる。例えば、”主キャラクタB”112が回復魔法1を用いる場合は、タイミングエリアは一つしか設定されていないため、回復魔法を味方キャラクタに対して1回のみ使用する。このときの味方キャラクタの回復値は、図32(2)より「0.2×19×1(1.2)」となり、この回復値分のポイントが味方キャラクタのHPに加算される。
【0117】
また、キャラクタ別にそれぞれのテーブルのタイミングエリアの範囲を比較してみると、図26の「武器テーブル」において、”主キャラクタA”111に設定されたタイミングエリアの範囲は、”主キャラクタB”112に設定されたタイミングエリアの範囲に比べ全般的に広い。例えば、武器A1に設定されたタイミングエリアの範囲の合計は、(135°−45°)+(247°−180°)+(337°−292°)=202°の角度範囲であり、武器B1に設定されたタイミングエリアの範囲の合計は、(125°−50°)+(205°−157°)+(282°−247°)=185°の角度範囲である。
【0118】
これは、”主キャラクタA”111が、男性キャラクタで、腕力が強く物理的攻撃力が高いという物語上の設定をしているためで、それに伴い”主キャラクタA”111は武器を用いた攻撃に秀でている。従って、武器を使用する場合すなわち武器テーブル選択時のタイミングエリアの範囲が広く設定され、ジャッジメントリング100の操作の難易度が低くなっている。
【0119】
一方、図31の「特殊テーブル」においては、逆に、”主キャラクタA”111に設定されたタイミングエリアの範囲に比べ、”主キャラクタB”112に設定されたタイミングエリアの範囲の方が広い。
【0120】
これは、”主キャラクタB”112が、女性キャラクタであり、魔術師という物語上の設定をしているためで、回復魔法を使用する場合すなわち特殊テーブル選択時のタイミングエリアの範囲が広く設定され、ジャッジメントリング100の操作の難易度が低くなっている。
【0121】
このように、物語の設定からくる各キャラクタの特徴をジャッジメントリング100の実行条件の中に取り入れたことで、単なる技術介入的な要素だけではなく、各キャラクタの特性に合ったコマンドを探し出す面白味も生まれ、ゲームの興趣がさらに増す。
【0122】
図33は、「アイテムテーブル」を示す。これは、「アイテム」コマンドがプレイヤにより選択されたときにセットされるテーブルであり、使用するアイテムの種類に応じて、使用アイテム個別能力及び各タイミングエリアの範囲が設定されている。なお、この「アイテムテーブル」に示すように、アイテムA〜Cは全ての主キャラクタにおいて共通に使用できる。このアイテムA〜Cは、敵キャラクタからダメージを受け減少している味方キャラクタのHPを回復させるためのアイテムである。従って、この「アイテムテーブル」における使用アイテム個別能力は、これらアイテムA〜Cによって味方キャラクタを回復させるための回復値の算出に用いられる。
【0123】
主キャラクタがアイテムA〜Cを使用したときの回復値を算出する計算式は、図32(2)と同一で、「割当値」は、1回目のアイテム使用時は”0.2”、2回目のアイテム使用時は”0.3”に設定される。
【0124】
図34は、「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」について示す。この「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」は、ジャッジメントリング100の表示態様(タイミングエリアの範囲、回転バー101の回転速度及び回転数、ジャッジメントリングのサイズ)を変化させるパラメータ(以下、「ジャッジメントリング補正パラメータ」という)と、その表示態様の変化の内容を示す。
【0125】
「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」に示すジャッジメントリング補正パラメータの種別として、「アイテム」、「敵魔法」、「イベント種別」がある。
【0126】
この「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」に示すように、ジャッジメントリング補正パラメータとしての「アイテム」には10種類のアイテム(アイテムD〜アイテムM)を設定しており、これらのアイテムは、各サブマップ上において主キャラクタのパーティが所定の条件をクリアすることで入手可能なものである。これらのアイテムを戦闘シーンや店などで使用した場合、表示されるジャッジメントリング100の表示態様は、通常状態と異なり、プレイヤにとって非常に有利な状態で表示される。
【0127】
それぞれのアイテムを使用したときの効果を説明する。
【0128】
(1)アイテムDまたはアイテムEを使用した場合、タイミングエリアの範囲は2倍に広がる。すなわち、○ボタン12の操作が楽になる。
【0129】
(2)アイテムFまたはアイテムGを使用した場合、回転バー101の回転速度が1/2となる。すなわち、○ボタン12の操作が楽になる。
【0130】
(3)アイテムHを使用した場合、タイミングエリアの範囲が2倍になると共に、回転速度が1/2になる。
【0131】
(4)アイテムIを使用した場合、回転バー101の回転速度が速くなったり遅くなったり不規則に変化するが、○ボタン12の操作を上手くやった場合は、攻撃力すなわち相手ダメージ量が3倍となり非常に有利な状態となる。
【0132】
(5)アイテムJを使用した場合、ジャッジメントリング100上の全ての範囲がタイミングエリアとなる。すなわち、どの位置で○ボタン12の操作を行っても成功となる。
【0133】
(6)アイテムKを使用した場合、回転バー101の回転数が通常1回のところ最大7回となる。この場合、プレイヤは慎重に○ボタン12の操作が行える。
【0134】
(7)アイテムLを使用した場合、上記アイテムIの効力が働くと共に、回転数が増加し、○ボタン12の操作が成功したときの回転数の消化数に応じて相手ダメージ量が増加する。
【0135】
(8)アイテムMを使用した場合、ジャッジメントリング100上にタイミングエリアは表示されないが、○ボタン12の操作タイミングに応じてランダムに攻撃する主キャラクタの人数および攻撃力が決定される。
【0136】
なお、この「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」において、何も記載されていない空白箇所は、通常時と変化しない場合である。
【0137】
このように、これらジャッジメントリング補正パラメータとしてのアイテムD〜アイテムMを入手することでプレイヤは非常に有利なゲーム展開が可能となるため、これらは比較的入手が困難なレアアイテムとして設定されている。
【0138】
ジャッジメントリング補正パラメータとして設定されている「敵魔法」とは、敵キャラクタの有する魔法(これを「敵魔法」という)のうちの特定の敵魔法を示し、これらの敵魔法を主キャラクタが受けた場合、ジャッジメントリング100の表示態様がプレイヤにとって不利な状態となる。この「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」では、ジャッジメントリング補正パラメータとしての「敵魔法」に6種類の敵魔法(敵魔法A〜敵魔法F)を設定している。
【0139】
それぞれの敵魔法を受けたときの効果を説明する。
【0140】
(1)主キャラクタが敵魔法Aを受けた場合、ジャッジメントリング100上のタイミングエリアの範囲が1/2となる。
【0141】
(2)主キャラクタが敵魔法Bを受けた場合、回転バー101の回転速度が2倍となる。
【0142】
(3)主キャラクタが敵魔法Cを受けた場合、ジャッジメントリング100のサイズが1/2となる。
【0143】
(4)主キャラクタが敵魔法Dを受けた場合、ジャッジメントリング100のサイズが2倍となるが、ジャッジメントリング100上のタイミングエリアの範囲は1/2となる。
【0144】
(5)主キャラクタが敵魔法Eを受けた場合、ジャッジメントリング100のサイズが2倍となるが、回転バー101の回転速度が速くなったり遅くなったり不規則に変化する。この場合において、○ボタン12の操作を上手くやったとしても、上記アイテムIのように攻撃力が3倍となることはなく、通常の攻撃力である。
【0145】
(6)主キャラクタが敵魔法Fを受けた場合、タイミングエリアの範囲、回転バー101の回転速度、及びジャッジメントリング100のサイズが1/2から2倍までの範囲でランダムに決定される。
【0146】
ジャッジメントリング補正パラメータとしての設定されている「イベント種別」は、主キャラクタのパーティが特定の敵キャラクタと対戦するイベントで、当該イベントが発生した場合、ジャッジメントリング100の表示態様がプレイヤにとって不利な状態となる。この「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」では、ジャッジメントリング補正パラメータとしての「イベント種別」に4種類のイベント種別(中ボスA〜C及びラスボス)を設定している。
【0147】
それぞれのイベント種別が発生したときの効果を説明する。
【0148】
(1)イベント種別「中ボスA」は、主キャラクタのパーティが敵のボスキャラクタの一種である「中ボスA」に遭遇し対戦するイベントである。このイベントが発生したとき、回転バー101の回転速度が2倍となる。
【0149】
(2)イベント種別「中ボスB」は、主キャラクタのパーティが敵のボスキャラクタの一種である「中ボスB」に遭遇し対戦するイベントである。このイベントが発生したとき、タイミングエリアの範囲が1/2となる。
【0150】
(3)イベント種別「中ボスC」は、主キャラクタのパーティが敵のボスキャラクタの一種である「中ボスC」に遭遇し対戦するイベントである。このイベントが発生したとき、タイミングエリアの範囲が1/2となり、さらに、回転バー101の回転速度が速くなったり遅くなったり不規則に変化する。
【0151】
(4)イベント種別「ラスボス」は、主キャラクタのパーティが敵のボスキャラクタの一種である「ラスボス」に遭遇し対戦するイベントである。このイベントが発生したとき、タイミングエリアの範囲が1/2となる。
【0152】
ここで、ボスキャラクタは、通常の敵キャラクタに比べ、倒すことで非常に多くの経験ポイントを獲得できる敵キャラクタであるため、上記のように、ジャッジメントリング100の表示態様は、プレイヤにとって操作が困難な状態となる。
【0153】
図35は、上記ST83(図15)の「ジャッジメントリング判定処理」の手順を示す。この処理は、上記「ジャッジメントリング決定処理」で、ジャッジメントリング100における回転バー101の回転が開始した後の処理で、まず、プレイヤによる○ボタン12の操作がなされ、当該操作信号の入力の有無を判定する(ST101)。ここで”NO”のときはST107の処理に移り、”YES”のとき、すなわち当該操作信号の入力を確認したときは、続いて、回転バー101がタイミングエリア上にあるかどうかを判定する(ST102)。
【0154】
ST102の判定で”NO”のときは、ST107の処理に移り、”YES”のとき、すなわち回転バー101がタイミングエリア上にあるときは、続いて、その回転バー101のある位置が120%領域上にあるかどうかを判定する(ST103)。ここで、ST102の判定で”NO”の場合とは、回転バー101がタイミングエリア上にあるとき○ボタン12の操作ができなかった場合である。この場合、これ以降の○ボタン12の操作は無効となり、ジャッジメントリング100の表示の終了条件を達成したこととなる。
【0155】
ST103の判定で”YES”のとき、すなわち回転バー101が120%領域上にあるときは、上記ジャッジメントリング補正値として”1.2”をRAM23の所定領域にセットする(ST104)。一方、ST103の判定で”NO”のとき、すなわち回転バー101が120%領域以外のタイミングエリア上にあるときは、上記ジャッジメントリング補正値として”1”をRAM23の所定領域にセットする(ST105)。
【0156】
続いて、選択されたコマンド、主キャラクタの種類および使用アイテムに基づき、相手ダメージ量または回復値を所定の計算式により算出し、この算出結果をRAM23の所定領域にセットする(ST106)。
【0157】
そして、ST107では、ジャッジメントリング100の表示の終了条件を達成したかどうか判定する。終了条件とは、(1)規定回転数(通常は1回で、ジャッジメントリング補正パラメータにより回転数が増加する場合がある)を消化したこと、(2)目押し操作の規定回数(通常は3回で、各種パラメータにより変化する)を消化したこと、である。このST107の判定で”YES”のときは、この「ジャッジメントリング判定処理」を終了し、”NO”のときは、上記ST101の処理に戻る。
【0158】
[ソウルポイント加算処理]
図36は、上記ST39(図5)の「ソウルポイント加算処理」の手順を示す。この処理は、戦闘シーンにおいて、上記「1ターン」終了後に行われる処理である。対戦する敵キャラクタには「ソウルポイント」と称するポイントが設定されている場合があり、主キャラクタが倒した敵キャラクタがソウルポイントが設定されているものであったとき、主キャラクタは当該ソウルポイントを獲得することができる。
【0159】
図37は、敵キャラクタとそのソウルポイントを示す「ソウルポイントテーブル」を示す。この図37に示すように、ソウルポイントには、”光”、”闇”、”風”、”地”、”水”、および”炎”の6種類の属性があり、獲得したソウルポイントは、各属性毎に、RAM23内に設けた「ソウルポイント加算カウンタ」に加算される。
【0160】
従って、「ソウルポイント加算処理」では、まず、「ソウルポイントテーブル」を参照し、倒した敵キャラクタに設定されているソウルポイントを加算する(ST111)。倒した敵キャラクタがモンスターAの場合、属性”地”のソウルポイントが”1”に設定されているため、当該属性”地”のソウルポイント加算カウンタに”1”を加算する。倒した敵キャラクタがモンスターBの場合、属性”闇”のソウルポイントが”2”に設定されているため、当該属性”闇”のソウルポイント加算カウンタに”2”を加算する。倒した敵キャラクタがモンスターCの場合、ソウルポイントが設定されていないため、ソウルポイント加算カウンタへの加算はされない。倒した敵キャラクタがモンスターDの場合、属性”地”のソウルポイントが”1”でかつ属性”炎”のソウルポイントが”4”に設定されているため、当該属性”地”のソウルポイント加算カウンタに”1”を加算し、かつ当該属性”炎”のソウルポイント加算カウンタに”4”を加算する。倒した敵キャラクタがモンスターEの場合、属性”光”のソウルポイントが”1”に設定されているため、当該属性”光”のソウルポイント加算カウンタに”1”を加算する。
【0161】
次に、ソウルポイントが加算されたかどうかを判定する。ここで”NO”のときは、この「ソウルポイント加算処理」を終了し、”YES”のときは、「ソウルポイント獲得数表示画面」を表示する(ST113)。
【0162】
図38(1)は、「ソウルポイント獲得数表示画面」の表示例を示す。”光”の文字が表示されている領域121には、属性”光”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ121aおよび数値によって表示される。”炎”の文字が表示されている領域122には、属性”炎”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ122aおよび数値によって表示されている。”地”の文字が表示されている領域123には、属性”地”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ123aおよび数値によって表示されている。”闇”の文字が表示されている領域124には、属性”闇”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ124aおよび数値によって表示されている。”風”の文字が表示されている領域125には、属性”風”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ125aおよび数値によって表示されている。”水”の文字が表示されている領域126には、属性”水”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ126aおよび数値によって表示されている。
【0163】
ソウルポイントは、その獲得数に応じてレベルが1つずつ上がるように設定されており、そのレベルが上がったとき、主キャラクタは、後述の「フュージョンモンスター」と戦うことができる。ここで、「フュージョンモンスター」とは、主キャラクタが当該フュージョンモンスターを倒したことを条件にその主キャラクタに特殊な能力を与えるように設定された敵キャラクタである。この特殊な能力とは、主キャラクタがフュージョンモンスターそのものに変身できる能力である。
【0164】
図39は、フュージョンモンスターと戦う条件であるレベル(以下、「フュージョンレベル」という)を上げるために必要なソウルポイント数についての一例を示す。ここで、フュージョンモンスターには、ソウルポイントの属性に対応した6種類のフュージョンモンスター(光フュージョンモンスター、炎フュージョンモンスター、地フュージョンモンスター、闇フュージョンモンスター、風フュージョンモンスター、水フュージョンモンスター)が設定されている。
【0165】
この図39に示す例では、「炎フュージョンモンスター」と戦う条件であるフュージョンレベルを上げるために必要なソウルポイント数について示す。この場合、ソウルポイントの獲得数が”80”に達したときは、フュージョンレベルが”2”に上がり、そのレベルに応じた炎フュージョンモンスターと戦うことができる。ソウルポイントの獲得数が”300”に達したときは、フュージョンレベルが”3”に上がり、そのレベルに応じた炎フュージョンモンスターと戦うことができる。さらに、ソウルポイントの獲得数が”999”に達したときは、フュージョンレベルが”MAX”となり、そのレベルに応じた炎フュージョンモンスターと戦うことができる。このようにソウルポイントの獲得数に応じてフュージョンレベルが上がるが、このフュージョンレベルが上がるとフュージョンモンスターの攻撃力も増加するように設定されている。そして、フュージョンモンスターを倒したとき、主キャラクタは、その倒したフュージョンモンスターそのものに変身できる能力が得られる。
【0166】
従って、図38(1)の各レベルゲージ121a〜126aの上方に表示される数値は、現在のフュージョンレベルを示している。例えば、属性”光”のソウルポイント獲得数が表示されるレベルゲージ121aの上方には、「Level:3」と表示され、フュージョンレベルが”3”であることを示している。各レベルゲージ121a〜126aの下方に表示される数値は、「現在のソウルポイント獲得数/最大獲得数」を数値で示すものである。例えば、属性”光”のソウルポイント獲得数が表示されるレベルゲージ121aの下方には、「998/999」と表示され、現在のソウルポイント獲得数が”998”で最大獲得数が”999”であることを示している。
【0167】
なお、レベルゲージ121a〜126aのインジケータは、ソウルポイントが所定数に達しフュージョンレベルが上がったとき、右端位置に達するように設定されている。従って、フュージョンレベルが上がると、その後、レベルゲージ121a〜126aのインジケータはクリアされる。
【0168】
図38(2)に示す「ソウルポイント獲得数表示画面」の表示例では、”光”の文字が表示されている領域121に「Level Max」との文字が表示され、属性”光”のソウルポイント獲得数が最大獲得数の”999”に達し、光フュージョンモンスターと戦うことができる条件であるフュージョンレベルが”MAX”に上がったことを示している。また、この図38(2)に示す「ソウルポイント獲得数表示画面」において、”炎”の文字が表示されている領域122には「Level Up!」との文字が表示され、属性”炎”のソウルポイント獲得数が”300”に達し、光フュージョンモンスターと戦うことができる条件であるフュージョンレベルが”2”から”3”に上がったことを示している。
【0169】
フュージョンモンスターと戦うかどうかは、プレイヤによるコマンド選択で決定される。なお、このコマンド選択は、フュージョンレベルが上がったときのみ有効である。例えば、図38(2)に示すような「Level Up!」や「Level Max」といった文字が表示されれば、フュージョンレベルが上がったことが容易に認識できるので、プレイヤは次の戦闘シーンにおいて、所定のコマンドを選択することにより、フュージョンモンスターと戦うことができる。
【0170】
フュージョンモンスターとの対戦は、通常の戦闘シーンとは異なる「墓場」で行われる。フュージョンレベルが上がったとき、コマンドメニューに「フュージョン」コマンドが追加され、当該「フュージョン」コマンドを選択したとき、主キャラクタは「墓場」に導かれ、フュージョンモンスターとの対戦が可能となる。
【0171】
図40は、「墓場」がディスプレイ16に表示されたときの様子を示す。ここでは、6つの墓石131〜136が表示され、これらは、それぞれ各フュージョンモンスターに対応している。”光”の文字が描かれている墓石131は光フュージョンモンスターに対応し、”炎”の文字が描かれている墓石132は炎フュージョンモンスターに対応し、”地”の文字が描かれている墓石133は地フュージョンモンスターに対応し、”闇”の文字が描かれている墓石134は闇フュージョンモンスターに対応し、”風”の文字が描かれている墓石135は風フュージョンモンスターに対応し、そして、”水”の文字が描かれている墓石136は水フュージョンモンスターに対応している。
【0172】
そして、いずれかの墓石を選択すれば、その墓石に対応したフュージョンモンスターが現れ、主キャラクタは当該フュージョンモンスターとの対戦が可能となる。
【0173】
また、図40の表示例では、それぞれの墓石の高さが異なって表示されているが、これは、各属性のフュージョンレベルを示している。例えば、光フュージョンモンスターに対応した墓石131は、属性”光”のフュージョンレベルが”MAX”であることを示し、炎フュージョンモンスターに対応した墓石132は、属性”炎”のフュージョンレベルが”3”であることを示し、地フュージョンモンスターに対応した墓石133は、属性”地”のフュージョンレベルが”1”であることを示し、闇フュージョンモンスターに対応した墓石134は、属性”闇”のフュージョンレベルが”1”であることを示し、風フュージョンモンスターに対応した墓石135は、属性”風”のフュージョンレベルが”3”であることを示し、そして、水フュージョンモンスターに対応した墓石136は、属性”水”のフュージョンレベルが”2”であることを示している。
【0174】
図41は、「墓場」コマンドがプレイヤにより選択されたときに行われる「墓場コマンド処理」の手順を示す。まず、プレイヤにより墓石が選択されたかどうかを判定する(ST121)。ここで”YES”のときは、その墓石に対応するフュージョンモンスターとの対戦を行う条件(バトル条件)を満たしているかどうかを判定する(ST122)。バトル条件としては、「選択された墓石に対応する属性のフュージョンレベルが上がったばかりのものであること」あるいは「すでにフュージョンレベルが上がっており、その後フュージョンモンスターとの対戦が行われていないものであること」のいずれかである。
【0175】
ST122で”YES”のときは、選択されたフュージョンモンスターとの対戦を行う上記「バトル処理」を行う。バトル処理(図5)においては、武器テーブル(図26)にある武器を使用してフュージョンモンスターに攻撃を行うことができる。これに加え、主キャラクタはフュージョンモンスターに対し「撮影」も行うことができる。主キャラクタが一旦、「撮影」を行った場合には、その後、逃げたり、敗れたりすることによりフュージョンモンスターを倒すことができなくとも、このフュージョンモンスターに変身できる能力を得ることができる(図14)。
【0176】
バトル処理(図5)において、主キャラクタがフュージョンモンスターを倒して勝ったとき(ST124で”YES”)、あるいはフュージョンモンスターを撮影することができた(ST125で”YES”)ときには、そのフュージョンモンスターに変身できる能力(「フュージョンソウル」という)を当該主キャラクタの使用アイテムに追加する「パラメータ変更処理」を行う(ST125)。
【0177】
図42は、選択した墓石の後方から、その墓石に対応するフュージョンモンスター137が現れたときの様子を示す。
【0178】
図43は、主キャラクタがフュージョンモンスターを倒したとき、あるいはフュージョンモンスターを撮影したときに表示される「フュージョンソウル獲得画面」を示す。ここでは、ディスプレイ16上に「Get Fusion Soul!」との文字が表示され、その下には、獲得したフュージョンソウルの名称が表示される。この図43では、フュージョンソウルの名称として「イーリスの魂」と表示される。ここで、「イーリス」とはフュージョンモンスターの名称である。
【0179】
このように、主キャラクタがフュージョンソウルを獲得すれば、その後の戦闘シーンにおいて、当該フュージョンソウルを利用した攻撃が可能となる。具体的には、フュージョンソウル獲得後の戦闘シーンにおいて、コマンドメニューに獲得したフュージョンソウルの名称(上記の場合「イーリス」)がコマンドとして追加される。そして、当該コマンドが選択されることで、主キャラクタはフュージョンモンスターに変身することができる。
【0180】
フュージョンモンスターへの変身は、単に容姿が変化するだけでなく、フュージョンモンスターの持つ能力の全てが利用できるようになる。すなわち、主キャラクタはフュージョンモンスターそのものになることができるのである。また、一旦倒されるとフュージョンモンスターを含むモンスターは、主キャラクタが戦闘において召喚コマンドを選択することによって、主キャラクタに召喚され、その代わりとなって相手の敵キャラクタを攻撃する。
【0181】
ここで、モンスターにはフュージョンモンスターを含む様々な種類があり、それぞれの種類ごとに異なる能力が付与されている。図44には、各モンスターの種類ごとに付与されるデータを示すモンスターテーブルを示す。モンスターテーブルは初めDVD−ROM31に記憶されており、CPU21はこれを取り出しRAM23の所定領域に記憶する。モンスターテーブルには、各モンスターの種類ごとに、モンスターが主キャラクタに倒された後、主キャラクタに利用される場合における特殊能力、能力値及びジャッジメントリングに関するパラメータが割り当てられる。例えば図44に示すモンスターテーブルでは、モンスターAに対し、攻撃魔法5が割り当てられ、主キャラクタに利用される場合の能力値は87、タイミングエリアは先頭角度が45°、終端角度が315°、そして120%領域が31°であることを示す。
【0182】
次に、戦闘の際、主キャラクタについて撮影コマンドを選択すると実行される撮影コマンド処理(ST77)について説明する。撮影コマンド処理では、撮影の対象となる敵キャラクタクタであるモンスターの種類について、対応するモンスターテーブルのデータが、上述の図鑑テーブルにコピーされる。この撮影コマンド処理は、バトル処理においてモンスターを倒した場合における(ST40)モンスター図鑑にデータを保存する処理と同一内容の処理である。図45に図鑑テーブルを示す。図鑑テーブルには、撮影コマンドにより撮影を行ったモンスターの種類、特殊能力の種類、能力値及びジャッジメントリングに関するパラメータが割り当てられる。このパラメータはモンスターテーブルの各欄から複写される。モンスターテーブルのデータの図鑑テーブルへのコピーは、主キャラクタが戦闘においてモンスターを倒した場合のST40の処理においても行われる。図45に示す図鑑テーブルは、モンスターテーブルから読み出されたモンスターAについてのパラメータが記憶された例を示す。なお、モンスターテーブルのデータが図鑑テーブルにコピーされ利用可能となった場合には、戦闘中であっても画面に例えば「モンスターAが召喚可能となりました。」といった表示を行い、召喚コマンドによる利用が可能であることを報知してもよい。
【0183】
なお、撮影コマンドにより、モンスターのパラメータが図鑑テーブルに一旦格納されると、パラメータはその後継続して参照可能となる。したがって、主キャラクタが撮影を行った後で、戦闘から逃げたとしても(ST78)モンスターのパラメータは消滅せずに、参照可能となっている。このようにして、操作技量のレベルが低く、敵を倒すことが困難な初心者プレイヤであっても、モンスターに対し撮影コマンドを使用し、その後召喚コマンドを使用することにより、モンスターに付与される効果の高い技を利用してゲームを継続していくことができる。
【0184】
図鑑テーブルに記憶されたモンスターは、メニュー表示及びその処理(図4のST21)の中で、プレイヤからの操作による要求があった場合に、表示することができる。
【0185】
図46は、獲得されたモンスターを、メニュー表示の画面を使って表示する「メニュー表示処理」の処理を示す。まず、メニュー画面の表示がされ(ST131)、プレイヤが希望する情報や設定を選択させる。このメニューの選択枝には一般のメニュー以外に特殊メニューである、「図鑑表示」が含まれる。続いて、プレイヤにより「図鑑表示」が選択されたか否かを判定する(ST132)。ここで”YES”のときは、これまで、戦闘シーンにおいて倒したか、あるいは撮影をすることによって獲得したモンスターが記載されたモンスター図鑑を表示する(ST133)。図47に、モンスター図鑑が表示された時の画面を示す。画面には、獲得したフュージョンモンスターであるモンスターAの姿140が、その名前である「イーリス」の文字141とともに表示される。また、このモンスターのステータス143も表示される。モンスターのステータス143の内容としては、行動の際に用いることができる魔法の種類である能力、最大HP、最大MP、属性、倒した場合に得ることが出来る獲得金および獲得アイテムである。「図鑑表示」選択の判断(ST132)において”NO”のときは、図鑑表示以外の一般のメニュー処理を行う(ST134)。そしてこの後、メニュー表示処理を終了する。このようにして、過去に撮影したか、または、倒したかによって獲得したモンスターは、モンスター図鑑に表示される。
【0186】
主キャラクタが戦闘を行う際には、モンスター図鑑に表示されるモンスターを召喚し、召喚されたモンスターの魔法攻撃能力を利用して、敵キャラクタを攻撃する行動を取ることができる。すなわち、コマンド処理(図14)において、”主キャラクタD”150が選択可能なキャラクタとなっている場合に召喚コマンドが選択されると(図14のST71において”YES”)、図鑑テーブルに記憶されるモンスターAに属する攻撃魔法5の能力値のパラメータがRAM23に設定される(ST72)。そして、これに続くジャッジメント処理(ST74)でRAM23に設定されたパラメータに基づいて、行動相手である敵キャラクタのダメージ量が算出される。このように、”主キャラクタD”150による行動を、図鑑テーブルに記憶されたモンスターAのパラメータを用いて行うことができる。召喚コマンドが選択された場合には、演出表示の処理(図15、ST86)において、モンスターが画面上に表示されて敵キャラクタの行動を行う。図48に、召喚コマンドが選択された場合の画面の表示例を示す。ここでは、”主キャラクタD”150が選択可能なキャラクタとなっているが、その代わりに”モンスターA”152が画面に現れて”敵キャラクタA”114に対し行動を起こす。召喚されたモンスターは、行動が終了した後消える。なお、この召喚コマンドにおいて召喚可能なモンスターは、パラメータが図鑑テーブルに記憶されたもののすべてではなく、その一部に限定してもよい。例えば、行動の能力が一定の値よりも高い、利用価値のあるモンスターだけが召喚可能である。この処理は、ST72の図鑑テーブルをセットする処理の際に、図鑑テーブルの能力値が所定の値よりも大きい場合にのみテーブルをセットすることにより行うことができる。
【0187】
[HP表示処理]
上述の通り、モンスターが獲得されそのパラメータがモンスター図鑑に載ると、そのモンスターが主キャラクタの行動の際に召喚により利用される。そしてこの場合には、獲得された種類のモンスターが戦闘相手として再び現れた際に、モンスターに属する情報を表示することができる。
【0188】
図49に、モンスターが図鑑に載った場合に、このモンスターのHP情報を戦闘中に表示するHP表示処理を示す。まず、HP表示処理では、特定キャラクタが戦闘に参加しているかどうか判定される(ST138)。主キャラクタの中には、戦闘中に戦闘相手のモンスターの情報を表示させる能力を持った特殊なものがある。例えば、通常であれば、行動を決定するまで知ることのできない戦闘相手のモンスターの情報を暴き出す能力を持った”主キャラクタD”150(図47)が存在する。ST138においてはこの”主キャラクタD”150が戦闘に参加しているかどうか判定する。そして、”主キャラクタD”が戦闘に参加している場合には(ST138において”YES”)、次に、行動の対象となっているモンスターが図鑑に保存されているかどうかを判断する(ST139)。ここで、モンスターが図鑑に保存されているものであると判断したときには(ST139でYES)、次に属性表示が設定されているかどうか判断する(ST140)。この属性表示は、”主キャラクタD”150について敵キャラクタの属性を表示させるための技を選択することにより設定される。ここで、”YES”である場合には、属性表示処理(ST141)を行い、”NO”である場合には最大HP/残りHP表示処理(ST142)を行う。このようにして、主キャラクタDが戦闘に参加している場合にのみ、その特典としてHPの表示がされる。
【0189】
図50に、最大HP/残りHP表示処理(ST142)によって、モンスターについての最大HPおよび残りHPが表示されている画面の例を示す。ここでは主キャラクタとして、”主キャラクタA”111、”主キャラクタB”112、および”主キャラクタC”113の他に、戦闘相手のモンスターの情報を暴き出す能力を持った”主キャラクタD”150が表示され、戦闘に加わっている様子が示される。そして、”敵キャラクタA”114の付近には”敵キャラクタA”114のHP152が現在値と最大値のそれぞれについて表示される。また、敵キャラクタB”115のHP115、”敵キャラクタC”116のHP154についても同様である。このように敵キャラクタのHPが表示されることにより、プレイヤは戦闘において相手が倒しやすいものかどうか、また、倒すのにどれだけの手間がかかるのかを事前に知ることができる。例えば、図50には、”敵キャラクタA”114のHPの現在値は18であり、”敵キャラクタC”116のHPの現在値は81であることが表示されている。この表示により、プレイヤは、”敵キャラクタA”114を倒すのは容易であるが、”敵キャラクタC”116を倒すには、手間と時間がかかり、主キャラクタの行動力を高めてから行動した方がよいことが分かる。また、モンスターには、倒された場合に、主キャラクタの側のHP、MPまたはSPを増加させる特別な利益、すなわちアイテムを持ったモンスターがある。このモンスターが戦闘に参加している場合に、”主キャラクタD”150も戦闘に参加していることにより、この特別な利益(アイテム)を表示させ、主キャラクタが特に注力して倒すべき相手を判断しやすくすることができるのである。
【0190】
この表示場面においては、選択マーク43の表示を伴いコマンド選択が有効となっているキャラクタは”主キャラクタA”111である。すなわち、行動するのは”主キャラクタD”150ではなく”主キャラクタA”111である。しかし、”主キャラクタD”150が戦闘に参加していると、このキャラクタに対するコマンド選択が有効でなくとも敵キャラクタの情報が暴き出され、味方である主キャラクタ全ての行動決定に際し利益を与える。このようにして、”主キャラクタD”150が戦闘に参加する場合に、相手の情報表示をいう特典が付与されるのである。プレイヤは主キャラクタのメンバーとして、”主キャラクタD”150が戦闘に参加することの期待感をもってゲームを進行させる。
【0191】
図51に、属性表示処理(ST141)によって、モンスターについてのHPが、MP、属性とともに表示されている画面の例を示す。ここで、”敵キャラクタA”114の付近には”敵キャラクタA”114の最大HP、最大MP、属性の現在値156が表示される。また、”敵キャラクタB”115、”敵キャラクタC”116についても同様である。このように敵キャラクタのHPのみならずMP、属性とともに表示されることにより、プレイヤは戦闘において相手の弱点は何なのか事前に知ることができる。
【0192】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、プレイヤが操作するコントローラ4は、装置本体1と一体に設けてもよい。
【0193】
更に、本発明は、プレイヤが操作可能な操作部と、画像及び音声を表示する表示部と、ゲームプログラムを格納する記憶部と、上記ゲームプログラムに従って制御処理を実行する制御部とを一体に具備した携帯型ゲーム装置、或いはデスクトップ型のゲーム装置にも同様に適用できる。
【0194】
更に、上記ゲームプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたサーバ装置に格納し、パーソナルコンピュータや携帯電話あるいは携帯情報端末(PDA)等から当該サーバ装置に接続してゲームが行える、いわゆるネットワークゲームにも適用できる。
【0195】
一例として図52のネットワークゲームシステムを用いて説明する。このネットワークゲームシステムでは、上述のゲームを行う端末としての携帯電話53A,53B,53Cは、基地局52A,52Bを介して、例えばパケット通信が可能なPDC網51に接続し、プレイヤの操作やゲーム状態に応じて、このPDC網51を介して情報センタ55にアクセスする。情報センタ55は、携帯電話53A,53B,53Cからの要求に応じて、ゲームプログラムのほかゲームに必要なデータ等が記憶されているサーバ57A,57Bからインターネット56等のネットワークを介して種々の情報を取得し、携帯電話53A,53B,53Cにゲームに必要な情報を送信する。なお、図52のサーバ58のように、ゲームデータ等が記憶されているサーバをインターネット56等のネットワークを介さずに特定もしくは専用の通信回線60で情報センタ55と接続するようにしてもよい。
【0196】
プレイヤがゲームを実行する方法としては、ゲーム開始前に、予めサーバ57A,57Bからゲームプログラムを携帯電話53A,53B,53Cにダウンロードしておき、当該ゲームプログラムの実行を携帯電話53A,53B,53C本体で行う。この他、ゲームプログラムの実行は携帯電話53A,53B,53Cからの命令に従ってサーバ57A,57B上で行い、そのゲーム内容を携帯電話53A,53B,53Cで閲覧するようにした、いわゆるブラウザのような役割を携帯電話53A,53B,53Cに受け持たせるような方式など、様々な方式が考えられる。また、PDC網51を用いて携帯電話を相互接続し、プレイヤ同士で本ゲームシステムを共有し、又は対戦できるようにしてもよい。
【0197】
なお、本実施形態の撮影コマンド処理および召喚コマンドに対応する図鑑テーブルにおいては、モンスターの中にフュージョンモンスターが含まれ、フュージョンモンスターも撮影および召喚することが可能である。しかし、フュージョンモンスターは、撮影コマンドを適用することができない特別な種類のモンスターとして、図鑑テーブルに登録されるモンスターには含まれないこととしてよい。
【0198】
また、モンスターテーブルに記憶されている各モンスターの能力の種類は攻撃魔法である。しかし、各モンスターの能力としては攻撃魔法に限らず、用いられたときに他の主キャラクタのHP、MPを回復する回復魔法または、ステータスの回復を行うための、ステータス系魔法でもよい。
【0199】
また、撮影コマンドの処理としては、撮影コマンドが選択された場合無条件に、モンスターのデータが図鑑テーブルに記憶される。しかし、モンスターのデータを図鑑テーブルに記憶させるための条件としては、撮影コマンドの選択により無条件に行うことに限らなくともよい。例えば、撮影コマンドの選択後、ジャッジメントリングと回転バーの表示を行い、回転バーがジャッジメントリングの各エリアに対応するタイミングでのコントローラの操作が全て成功した場合に、対象となるモンスターのパラメータをモンスターテーブルから図鑑テーブルへと転送するものであってよい。このことにより、撮影コマンド実行の成否にプレイヤの操作技術が関わることとなり、技術介入によるゲームの興趣が高まる。
【0200】
また、召喚コマンドが選択された場合に、召喚可能なモンスターとしては図鑑に記憶されたもの全てでなく、能力値によって限定されてよいとした。しかし、この限定は、各モンスターに属する他のパラメータを用いるものであってもよい。例えば、各モンスターごとに、敵との対戦遭遇率を示すエンカウント率パラメータを設定し、このエンカウント率が1%以下のモンスターのみ召喚コマンドの処理に用いることができるとしてよい。このことにより、普段は出現する頻度が低いモンスターを、召喚コマンドによる処理において多用することができる。
【0201】
【発明の効果】
本発明によれば、キャラクタが本来持っていない特別技を、特別技パラメータを参照して使用できるとともに、特別技の付与が所定の操作入力により行われるため、特別の手間をかけなくとも特別技が取得可能となる。したがって、キャラクタのレベルに関係なく、特別技が使用可能となり、行動のバリエーションが増え、特別技を収集する楽しみが付加される。また、ゲームに対する興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をゲーム装置に適用した場合の全体構成を示す図。
【図2】図1のゲーム装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】タイトル画面及びワールドマップの表示例。
【図4】メインゲーム処理の手順を示すフローチャート。
【図5】バトル処理の手順を示すフローチャート。
【図6】戦闘シーンの開始画面を示す図。
【図7】WP減算処理の手順を示すフローチャート。
【図8】主キャラクタA及び主キャラクタBのキャラクタ個別能力について示す図。
【図9】コマンド選択画面を示す図。
【図10】コマンド受付処理の手順を示すフローチャート。
【図11】キャラクタ暴走処理の手順を示すフローチャート。
【図12】キャラクタ暴走処理が実行されたときの表示例。
【図13】キャラクタ暴走処理が実行されたときの第2の表示例。
【図14】コマンド処理の手順を示すフローチャート。
【図15】ジャッジメント処理の手順を示すフローチャート。
【図16】対象キャラクタ選択画面を示す図。
【図17】コマンド決定時の表示画面を示す図。
【図18】回転バーが第1タイミングエリア上を通過するときに○ボタンの操作がされたときの様子を示す図。
【図19】回転バーが第2タイミングエリア上を通過するときに○ボタンの操作がされたときの様子を示す図。
【図20】回転バーが第3タイミングエリア上を通過するときに○ボタンの操作がされたときの様子を示す図。
【図21】タイミングエリア上での○ボタンの操作を失敗したときの様子を示す図。
【図22】全てのタイミングエリア上で○ボタンが成功したときの回転バーの回転停止後の様子を示す図。
【図23】主キャラクタAが敵キャラクタAに対し攻撃を行っている様子を示す図。
【図24】主キャラクタAが敵キャラクタAに対する攻撃を終了し元の位置に戻ったときの様子を示す図。
【図25】ジャッジメントリング決定処理の手順を示すフローチャート。
【図26】武器テーブルを示す図。
【図27】敵キャラクタの相手ダメージ量を算出する際の計算式を示す図。
【図28】コマンド決定時に表示されるジャッジメントリングの表示態様を示す図。
【図29】コマンド決定後のジャッジメントリングの表示態様を示す図。
【図30】120%領域の別の例を示す図。
【図31】特殊テーブルを示す図。
【図32】攻撃魔法を使用したときの相手ダメージ量を算出する計算式及び回復魔法を使用したときの回復値を算出する計算式を示す図。
【図33】アイテムテーブルを示す図。
【図34】ジャッジメントリング補正パラメータテーブルを示す図。
【図35】ジャッジメントリング判定処理の手順を示すフローチャート。
【図36】ソウルポイント加算処理の手順を示すフローチャート。
【図37】ソウルポイントテーブルを示す図。
【図38】ソウルポイント獲得数表示が面を示す図。
【図39】フュージョンレベルを上げるために必要なソウルポイント数についての一例を示す図。
【図40】墓場が表示されたときの様子を示す図。
【図41】墓場コマンド処理の手順を示すフローチャート。
【図42】墓場にフュージョンモンスターが現れたときの様子を示す図。
【図43】フュージョンソウル獲得画面を示す図。
【図44】モンスターテーブルを示す図。
【図45】図鑑テーブルを示す図。
【図46】メニュー表示処理の手順を示すフローチャート。
【図47】モンスター図鑑の画面を示す図。
【図48】主キャラクタAが召喚により攻撃を行っている様子を示す図。
【図49】HP表示処理の手順を示すフローチャート。
【図50】HP表示処理により、敵キャラクタのパラメータが表示されたことを示す図。
【図51】HP表示処理により、敵キャラクタのパラメータが表示されたことを示す図。
【図52】ネットワークゲームシステムの構成を示す図。
【符号の説明】
1 装置本体
4 コントローラ
15 表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲーム装置、ゲームプログラム及びそのゲームプログラムを記録した記録媒体に関するものであり、特に、表示画面上に複数のキャラクタを表示し、プレイヤにキャラクタの行動形態を選択させることでゲームを進行していくゲーム装置、ゲームプログラム及びゲームプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータやTV装置の画面上におけるゲーム上の仮想的な世界の中で、プレイヤがコントローラ等の操作手段によりコマンド入力等を行ってゲームに登場するキャラクタを操り、予め設定された物語を進行していくゲームが種々提供されている。このようなゲームは、一般的に”RPG”(Role Playing Game)と称される。
【0003】
このようなRPGでは、プレイヤが操るキャラクタ(以下、「主キャラクタ」という)とコンピュータによって制御される敵キャラクタとが戦闘する戦闘シーンが盛り込まれ、この戦闘で敵キャラクタを倒すことによって経験値や仮想貨幣などを入手し、キャラクタレベルを上げながら物語を進行していくものが一般的に知られている。
【0004】
この種のRPGにおける戦闘シーンにおいて、主キャラクタが取り得る行動は、その主キャラクタのレベルに応じた能力や所持アイテム(武器、魔法等)に応じた行動能力等の設定によって一義的に決まり、コマンド選択後のキャラクタの行動形態は、選択されたコマンドに基づき、コンピュータがゲームプログラムに含まれるキャラクタの行動制御用のアルゴリズムに従って自動的に処理を行う。
【0005】
またRPGには、キャラクタが、魔法を使った魔法攻撃の行動を取る際、例えばドラゴンのような、より有利な属性を持つものに変身するものがある。さらに、この中には、主キャラクタが所定の条件を満たした場合に、行動の相手である敵キャラクタそのものに変身可能となるものがある(例えば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−200354号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなRPGでは、キャラクタが他のものに変身するためには、魔法の呪文を唱えるなど特別の操作を行われることが必要とされている。しかしながら、キャラクタが修得し利用できる魔法のレベルは、その時点でキャラクタに備わるキャラクタレベルによって定められてしまっている。すなわち、キャラクタはキャラクタレベルが上昇してドラゴン等に変身する呪文についての魔法のレベルが備わらない限り、その呪文を使用して変身することができない。したがって、ドラゴン等に変身して行う魔法攻撃は、ゲームの開始当初から使用されることが困難であり頻繁には行われることがないため、ゲームにおける行動の演出が単調となり、プレイヤがゲームに飽きてしまう虞れがあった。
【0008】
また特許文献1に記載されるRPGにおいても、戦闘によって獲得できる戦利ステータスのレベルの蓄積量が所定値に達し、かつ、特別敵キャラと対戦して勝利することにより初めて、敵キャラクタに変身することが可能となっている。このため、ゲームの始まり当初から敵キャラクタに変身する行動を頻繁に使用することができず、魔法攻撃が単調となり、プレイヤがゲームに飽きてしまう虞れがあった。
【0009】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、行動のバリエーションや演出を多彩とし、ゲームに対する興趣を高めることができるとともに、戦闘シーンにおけるプレイヤの興味を増大させることができるゲーム装置、ゲームプログラム及びそのゲームプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明のゲーム装置、ゲームプログラム及びそのゲームプログラムを記録した記録媒体は、所定の操作入力により当該操作入力に応じたキャラクタに付与される特別技として、特定の他のキャラクタに属する技のパラメータを記憶し、別の操作入力に応じて、記憶されたパラメータの特別技を用いて他のキャラクタに対する行動を起こすことを特徴とする。
【0011】
より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0012】
(1) プレイヤによって操作可能な操作手段およびパラメータを記憶可能な記憶部を備え、既存のまたは別途設けた表示装置の画面上に複数のキャラクタを表示し、前記操作手段からの操作入力に応じて前記複数のキャラクタのいずれかに対する行動形態を決定し前記画面上でゲームを進行するコンピュータにより実行可能なゲームプログラムであって、コンピュータを、前記操作手段からの所定の操作入力により、前記行動形態が決定されるキャラクタとは別のキャラクタに属する技のパラメータを特別技パラメータとして記憶部に記憶する特別技付与手段、前記操作手段からの操作入力に応じて、前記記憶部に記憶された特別技パラメータを用いる前記キャラクタの行動形態を決定する行動形態決定手段、として機能させるためのゲームプログラム。
【0013】
(1)の発明によれば、本発明のプログラムを実行するコンピュータは、操作手段からの操作入力に応じて行動形態を決定するキャラクタについて、所定の操作入力により、別のキャラクタに属する技のパラメータを記憶する。このことによりキャラクタに特別技が付与される。そして、キャラクタの行動形態を決定する場合に、記憶されたパラメータに基づく特別技を用いることができる。このことにより、あるキャラクタの行動形態を決定する際に、そのキャラクタが本来備えていない特別技を採用することができる。しかも、特別技の記憶は所定の操作入力により行われるため、プレイヤは例えば戦闘において敵キャラクタを倒すといったイベントの操作労力をかけなくとも特別技が付与される。したがって、キャラクタの戦闘能力レベルや、プレイヤの操作技量に関係なく、敵キャラクタが使用する特別技が使用可能となる。そして、行動のバリエーションが増え、特別技を収集する楽しみが付加されるようになり、戦闘における魔法攻撃といった技を用いた演出も多彩となり、ゲームに対する興趣を高めることができる。また、プレイヤは特別技が付与されるのを期待して敵キャラクタとの戦闘を行うようになり、戦闘シーンにおけるプレイヤの興味を増大させることができる。ここで、プレイヤキャラクタは、実施の形態における主キャラクタに対応する。また、技のパラメータは、モンスターテーブルおよび図鑑テーブルに記憶される魔法の各種パラメータに対応する。また、特別技付与手段は、実施の形態における撮影コマンド処理(ST77)に対応し、行動形態決定手段は、コマンド処理(ST35)に対応する。
【0014】
(2) (1)記載のゲームプログラムであって、前記行動形態決定手段が行動を決定するキャラクタを所定の順序で選択するように前記コンピュータをさらに機能させ、前記行動形態決定手段は、前記特別技付与手段により特別技パラメータが記憶された後以降、前記選択がされたキャラクタについて特別技パラメータを用いることが可能であるように前記コンピュータを機能させるゲームプログラム。
【0015】
(2)の発明によれば、複数のキャラクタがそれぞれ順番に行動を起こすいわゆるRPGゲームにおいて、行動形態決定手段は、特別技付与手段が特別技を付与した後、この特別技を用いることができる。このことにより、キャラクタは特別技の付与がなされた直後の番の行動からこの特別技を用いることができる。したがって、特別技は取得後すぐに使用可能なので、プレイヤにとって有利な戦闘を進められる可能性が高くなる。ゲーム開始後から例えば魔法攻撃といった特別技を用いた遊技を行うことができるため、多彩な演出を行うことができる。
【0016】
(3) プレイヤによって操作可能な操作手段と、既存のまたは別途設けた表示装置の画面上に複数のキャラクタを表示し、前記操作手段からの操作入力に応じて前記複数のキャラクタのいずれかに対する行動形態を決定し前記画面上でゲームを進行させる装置本体と、を備えたゲーム装置であって、前記装置本体は、キャラクタのパラメータを記憶する記憶手段と、前記操作手段からの所定の操作入力により、前記行動形態が決定されるキャラクタとは別のキャラクタに属する技のパラメータを特別技パラメータとして記憶部に記憶する特別技付与手段、前記操作手段からの操作入力に応じて、前記記憶部に記憶された特別技パラメータを用いる前記キャラクタの行動形態を決定する行動形態決定手段と、を有することを特徴とするゲーム装置。
【0017】
(4) プレイヤによって操作可能な操作手段およびパラメータを記憶可能な記憶部を備えるとともに、既存のまたは別途設けた表示装置の画面上に複数のキャラクタを表示し、前記操作手段からの操作入力に応じて前記複数のキャラクタのいずれかに対する行動形態を決定し前記画面上でゲームを進行するコンピュータにより実行可能なゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、コンピュータを、前記操作手段からの所定の操作入力により、前記行動形態が決定されるキャラクタとは別のキャラクタに属する技のパラメータを特別技パラメータとして記憶部に記憶する特別技付与手段、前記操作手段からの操作入力に応じて、前記記憶部に記憶された特別技パラメータを用いる前記キャラクタの行動形態を決定する行動形態決定手段、として機能させるためのゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。
【0018】
(3)または(4)の発明によれば、いわゆるRPGゲームのキャラクタは、キャラクタ本来備えていない特別技を用いて行動を起こすことができる。しかも、この特別技の付与が所定の操作入力により行われるため、プレイヤはRPGにおいて必要とされる敵キャラクタを倒す等の操作労力をかけなくとも特別技を獲得することができる。したがって、キャラクタのレベルに関係なく、特別技が使用可能となるので、行動のバリエーションが増え、特別技を収集する楽しみが付加される。また、魔法攻撃の演出も多彩となり、ゲームに対する興趣を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明をゲーム装置に適用した場合の全体構成を示す。このゲーム装置は、装置本体1と、プレイヤの操作に応じて装置本体1に対する制御指令を出力する操作手段としてのコントローラ4と、装置本体1からの画像信号に基づき画像を表示する表示手段15とで構成される。このゲーム装置では、CRTのような表示装置15の表示面(以下「ディスプレイ」という)16に種々の画像を表示することでゲームが実行される。
【0021】
このゲーム装置で実行されるゲームは、装置本体1とは別の外部記録媒体に記録されたゲームプログラムを読み込むことで実行される。そのゲームプログラムを記憶した外部記録媒体としては、CD−ROMやDVD−ROMのほか、FD(フレキシブルディスク)その他任意の記録媒体を利用できる。本実施例ではDVD−ROMを用いた場合について説明する。装置本体1の中央上部には開閉可能なカバー2が設けられ、このカバー2を開放することで、当該装置本体1の内部に設けられた記録媒体駆動装置としてのDVD−ROMドライブ29(図2)にDVD−ROM31を装填できる。
【0022】
コントローラ4は、プレイヤの操作によって装置本体1内のCPU21(図2)に制御指令を出すための入力部を種々備える。コントローラ4の左側部分には、入力部として、ゲームに登場するキャラクタを移動させるときやメニューの選択項目を移動させるときに主に操作される上方向ボタン7、下方向ボタン8、左方向ボタン9、および右方向ボタン10が設けられている。コントローラ4の右側部分には、各種項目の決定やキャンセルを行うときに主に操作される△ボタン11、○ボタン12、×ボタン13、および□ボタン14が設けられている。コントローラ4の中央部には、上下に選択ボタン6およびスタートボタン5が設けられている。
【0023】
表示装置15は、ビデオ信号および音声信号の入力端子を有するもので、それぞれ装置本体1のビデオ出力端子および音声出力端子との間で端子ケーブル18および19により接続される。表示装置15としては、後述の画像出力部25(図2)から出力される画像データを表示可能なディスプレイ16と、後述の音声出力部27(図2)から出力される音声データを出力可能なスピーカ17L、17Rとを一体的に有する既存のTV受像機が用いられる。なお、装置本体1と操作手段であるコントローラ4とは、図1に示すように信号ケーブル20で接続される。
【0024】
また、装置本体1の側面部には、メモリカード32(図2)の差し込み口としてのメモリースロット3が設けられている。メモリカード32は、プレイヤがゲームを中断するときなどにゲームデータを一時的に記録するための記憶媒体である。このメモリカード32に記録されたデータは、カードリーダとしての機能を有する後述の通信インタフェース30(図2)を介して読み取られる。
【0025】
[電気的構成]
図2は、上記ゲーム装置のシステム構成を示す。装置本体1は、制御手段としてのCPU21と、記憶手段としてのROM22およびRAM23と、画像処理部24と、画像出力部25と、音声処理部26と、音声出力部27と、デコーダ28と、DVD−ROMドライブ29と、通信インタフェース30とを含み構成される。
【0026】
DVD−ROMドライブ29は、DVD−ROM31を着脱自在に構成し、ここに装着したDVD−ROM31内のゲームプログラムは、CPU21においてROM22に格納されたOS(Operating System)等の基本動作プログラムに従い読み出される。読み出されたゲームプログラムは、デコーダ28により所定の信号に変換されRAM23に格納される。
【0027】
RAM23に格納されたゲームプログラムは、CPU21において基本動作プログラムあるいはコントローラ4からの入力信号に従って実行される。実行されるゲームプログラムに応じてDVD−ROM31より画像データおよび音声データが読み出され、画像データは画像処理部24に、音声データは音声処理部26にそれぞれ送られる。
【0028】
画像処理部24は、受信した画像データを画像信号に変換し、当該画像信号を画像出力部25よりディスプレイ16に供給する。音声処理部26は、受信した音声データを音声信号に変換し、当該音声データを音声出力部27よりスピーカ17L,17Rに供給する。
【0029】
通信インタフェース30は、コントローラ4およびメモリカード32を着脱自在に接続でき、この通信インタフェース30を介して、メモリカード32からのデータの読み出しおよびメモリカード32へのデータの書込みが行われると共に、コントローラ4からの信号がCPU21等の各部に送られる。
【0030】
次に、DVD−ROM31に記録されたゲームプログラムに基づいてCPU21により実行される処理内容と、それに伴いディスプレイ16に表示されるゲーム内容について具体例を説明する。
【0031】
装置本体1が電源ONの状態において、DVD−ROMドライブ29にDVD−ROM31が装着されると、ディスプレイ16には「オープニングデモ」が表示される。「オープニングデモ」は、ゲームの開始を告げる演出表示である。この「オープニングデモ」を所定時間表示した後、ゲームタイトルが大きく描かれた「タイトル画面」を表示し、後述の図4に示す「メインゲーム処理」を開始する。
【0032】
[タイトル画面]
図3(1)は、「タイトル画面」の一例を示す。ここでは、”SHADOW HEARTS”というゲームタイトルの文字を表示し、その下に、2つの選択項目(”NEW GAME”および”CONTINUE”)を表示している。また、”NEW GAME”および”CONTINUE”のどちらかの選択項目の左位置にカーソル41が表示され、プレイヤによる上方向ボタン7または下方向ボタン8の操作によりカーソル41の位置が入れ替わる。そして、プレイヤにより○ボタン12が操作されたとき、選択のためのカーソル41が指し示している選択項目が選択される。
【0033】
図4に示す「メインゲーム処理」では、最初に、上記「タイトル画面」上で2つの選択項目のどちらが選択されたかを判定する(ST1)。”NEW GAME”が選択されたことを判定したときは(ST1で”YES”)、プロローグおよびゲーム内容を表示し(ST2)、その後、図3(2)に示す「ワールドマップ」を表示する(ST4)。一方、上記「タイトル画面」上で”CONTINUE”が選択されたことを判定したときは(ST1で”NO”)、前回のゲーム終了時の状況をセットしてゲームの状態を復帰し(ST3)、その後、プロローグおよびゲーム内容を表示せずに上記「ワールドマップ」を表示する(ST4)。
【0034】
なお、本実施例にかかるゲームには、プレイヤの操作に基づいて行動するプレイヤキャラクタである主キャラクタと、ゲームプログラムにのみ基づいて行動する敵キャラクタが登場し、この双方のキャラクタ間の戦闘を中心として展開するゲームがディスプレイ上で実現される。また、本実施例では、主キャラクタとして、”主キャラクタA”111、”主キャラクタB”112および”主キャラクタC”113の3人が登場し、ゲームはこの3人のキャラクタで形成されるパーティ単位で行動するものとする。また、各キャラクタ毎に、予め各種のステータスが設定されている。このステータスには、ゲーム回数や敵キャラクタを倒した回数等によって加算される経験値、所持金、武器、能力等が定められている。
【0035】
図3(2)は、「ワールドマップ」の一例を示す。この「ワールドマップ」上では、ゲームストーリーの舞台である「A国」の主要都市が表示され、5つの都市名で示される選択項目(”都市A”42a,”都市B”42b,”都市C”42c,”都市D”42d,”都市E”42e)が表示される。これらは、予め用意された「サブマップ」に移行するための選択項目である。プレイヤによる上方向ボタン7または下方向ボタン8の操作により各選択項目を示すカーソル41が移動し、プレイヤによる○ボタン12の操作により一つの選択項目が選択される。こうして「サブマップ」が選択されると、当該「サブマップ」毎の画面に移行すると共に、当該「サブマップ」に応じて設定された種々のゲームが行えるようになる。具体的には、各都市内部の情景が場面展開にあわせて背景画像としてプリレンダ表示され、その中を主キャラクタ達が移動しながら各種イベントを攻略し、ストーリーが進んでいく構成となっている。
【0036】
また、この「ワールドマップ」上において、プレイヤによる□ボタン14の操作がされたときは「メニュー画面」が表示され、プレイヤは当該「メニュー画面」において種々の設定等が行える。
【0037】
[メインゲーム処理]
再び図4において、「ワールドマップ」上に表示される選択項目のいずれかが選択されたときは(ST5で”YES”)、選択に応じた「サブマップ」の開始画面が表示され、主キャラクタのパーティは当該「サブマップ」上で行動を開始する(ST6)。一方、上記ST5で”NO”のときは、「ワールドマップ」上で□ボタン14が操作され「メニュー画面」の表示要求があるかどうか判別する(ST20)。ここで”YES”のときは、「メニュー画面」を表示すると共に、プレイヤの操作に応じた種々の設定処理を行い(ST21)、再びST5の処理に戻る。ここで、「サブマップ」上での行動とは、主キャラクタが歩いたり、通行人に話しかけたり、買物をしたりといった行動である。また、この「サブマップ」上でも□ボタン14の操作により「メニュー画面」を表示させることができ、各種の操作が可能となる。例えば、「道具」コマンドを選択することで、後述の「道具コマンド処理」が実行され味方キャラクタの能力を回復させることができ、「売買」コマンドを選択することで、後述の売買処理が実行され、所持しているアイテムの売買が可能となる。
【0038】
その後、「サブマップ」上で行動を開始した主キャラクタのパーティが敵キャラクタに遭遇すると(ST7で”YES”)、「バトル処理」を開始する(ST8)。「バトル処理」が開始されると、主キャラクタのパーティと敵キャラクタとの間で戦いを行う「戦闘シーン」へと移る。この「バトル処理」については後述する。一方、敵キャラクタに遭遇しない場合(ST7で”NO”のとき)であっても、何らかのイベントが発生したときは(ST9で”YES”)、ST16に移って当該イベントに応じたムービーを表示し、イベントも発生しないときは(ST9で”NO”)、上記ST6の処理に戻る。
【0039】
「バトル処理」により実行される「戦闘シーン」において、主キャラクタのパーティが敵キャラクタから逃げることに成功した場合は(ST10で”YES”)、ST16に移り、その状況に応じたムービーを表示する。一方、敵キャラクタから逃げることに失敗した場合あるいは敵キャラクタとの戦闘を行った場合は(ST10で”NO”)、続いて、「戦闘シーン」において、主キャラクタのパーティが敵キャラクタに勝ったかどうか判定する(ST11)。ここで、”YES”のとき、すなわち主キャラクタのパーティが敵キャラクタに勝ったときは、戦った敵キャラクタの種類やその戦闘内容に応じて当該パーティの各キャラクタに対し、経験値等のポイントを加算したり、アイテムやお金等を与える(ST12)。そして、各キャラクタの経験値に応じて当該キャラクタのレベルをアップさせる(ST13)。その後、状況に応じたムービーを表示する(ST16)。上記ST11の判定で、”NO”のとき、すなわち主キャラクタのパーティが敵キャラクタに勝つことができなかったときは、続いて、主キャラクタのパーティ全員が死亡したかどうか判定する(ST14)。ここで”NO”のときはST16に移り、”YES”のときは、ゲームオーバーとなり(ST15)、このメインゲーム処理を終了する。
【0040】
ST16でムービーを表示した後、当該サブマップのリクエスト条件をクリアした場合は(ST17で”YES”)、続いてエンディングに移るかどうか判定し(ST18)、ここで”YES”であれば所定のエンディング表示を行い、この「メインゲーム処理」を終了する。この一方、ここで”NO”であればST4の処理に戻りゲームを続行する。
【0041】
[バトル処理]
図5は、「バトル処理」の手順を示す。まず、図6に示すような「戦闘シーン」の開始画面を表示する(ST29)。この開始画面では、手前に主キャラクタのパーティ(”主キャラクタA”111、”主キャラクタB”112、”主キャラクタC”113)が表示され、その向かい側には、各主キャラクタに対応した位置に3人の敵キャラクタ(”敵キャラクタA”114、”敵キャラクタB”115、”敵キャラクタC”116)が表示される。また、この開始画面の右下位置には、主キャラクタのステータスに関する情報が表示される。具体的には、各主キャラクタ毎にヒットポイント(以下「HP」という)、マジックポイント(以下「MP」という)およびサニティポイント(以下「SP」という)がそれぞれ予め定められ、この開始画面では、これらのポイントについての残存ポイント数(現在所持しているポイント数/最初に所持していたポイント数)が表される。なお、「HP」が残存していることで、そのキャラクタが行動決定、アイテム使用など各種コマンドを実行可能となり、当該ポイントが無くなった主キャラクタは、行動不能となる。「MP」は、これを有することで魔法等の特殊能力が使えるポイントであり、当該ポイントが無くなった主キャラクタは、特殊能力が使用できなくなる。「SP」は、これを有することで主キャラクタの正気が保たれるポイントで、当該ポイントが無くなった主キャラクタは、正気を失い異常状態に陥る。この異常状態に陥ったときは、当該主キャラクタに対するコマンド操作が無効となり、敵味方にかまわず攻撃を仕掛けるといった異常な行動に暴走する。
【0042】
次に、敵キャラクタのHPを表示する「HP表示処理」を行う(ST30)。この「HP表示処理」により、戦闘する相手である敵キャラクタについてのHPが表示され、敵キャラクタとの対戦に必要な労力やメリットを判断する材料となる。ただし、敵キャラクタのHPが表示されるのは、主キャラクタの中に、特別なキャラクタが存在する場合のみである。この「HP表示処理」についての詳細は後述する。
【0043】
次に、主キャラクタおよび敵キャラクタをも含めた、攻撃等の行動が行える順番を管理しているウェイトポイント(WP)を所定条件の下に減算する「WP減算処理」を行う(ST31)。この「WP減算処理」では、主キャラクタについて言えば、プレイヤによるコマンド選択を有効とするキャラクタの順番が管理される。なお、この「WP減算処理」についての詳細は後述する。
【0044】
「WP減算処理」でコマンド選択が有効となった(後述するターンが回ってきた)キャラクタが敵キャラクタかどうか判定し(ST32)、”YES”のときは、敵キャラクタが主キャラクタに対して行動を実行するように、ゲームプログラムに従って自動処理を行い(ST33)、当該敵キャラクタのWPを初期値に戻す(ST36)。一方、ST32の判定で、コマンド選択が有効となったキャラクタが主キャラクタであると判定したときは、続いて、プレイヤの操作によるコマンド選択を受付ける「コマンド受付処理」を行う(ST34)。なお、この「コマンド受付処理」についての詳細は後述する。
【0045】
続いて、「コマンド受付処理」で受付けたプレイヤによるコマンド選択の内容を確認し、そのコマンド種別に応じた表示処理を実行する「コマンド処理」を行う(ST35)。この「コマンド処理」により、選択された主キャラクタの行動形態に従った表示処理が実行される。例えば、戦闘を行うコマンド(後述の「戦う」コマンド)が選択された場合は敵キャラクタと戦闘を行うような表示処理が実行され、特殊能力を使うコマンド(後述の「特殊」コマンド)が選択された場合は敵キャラクタに対して魔法攻撃を行ったり、攻撃された味方に対し回復魔法を使って回復させる等の表示処理が実行される。また、この「コマンド処理」では、プレイヤの操作タイミングによる技術介入を可能とする「ジャッジメント処理」も行われる。この「コマンド処理」についての詳細は後述する。
【0046】
「コマンド処理」実行後、上記「WP減算処理」でコマンド選択が有効となったキャラクタのWPを初期値(255)に戻す(ST36)。続いて、「バトル処理」の終了条件を満たしているかどうか判定し(ST37)、”NO”のときは、上記ST30の処理に戻り、”YES”のときは「ソウルポイント加算処理」を実行する(ST38)。この「ソウルポイント加算処理」についての詳細は後述する。ここで、「バトル処理」の終了条件とは、戦闘画面に登場した敵キャラクタが全滅したこと、プレイヤにおいて「逃げる」コマンドが選択され敵キャラクタから逃げることに成功したこと、主キャラクタのパーティが全滅したこと、戦闘を終了させるようなイベントが発生したこと、のいずれかである。
【0047】
「ソウルポイント加算処理」実行後、戦闘に勝ったかどうかを判定し(ST39)、”NO”のときはバトル処理を終了し、”YES”のときはモンスター図鑑にデータを保存する処理を行う(ST40)。このモンスター図鑑にデータを保存する処理では、倒した相手であるモンスターに属するパラメータをRAM23上の図鑑データに記憶する。この後、「バトル処理」を終了する。
【0048】
図7は、上記「バトル処理」におけるST31の「WP減算処理」の手順を示す。まず、”主キャラクタA”111のWP(”主キャラクタA”111のWPを「WP1」と表す)を算出し、RAM23の所定領域にセットする(ST41)。WPの初期値は「255」に指定され、このWP1は、前回の「WP減算処理」でRAM23にセットされたWP1の値から”主キャラクタA”111に設定されている能力値APを減算することで、算出される。この「WP」の算出方法は、その他のキャラクタについても同様とし、能力値APについては各キャラクタによって異なるものとする。各キャラクタには、経験値によって決定されるキャラクタレベル(LV)に応じて種々のキャラクタ個別能力が予め設定されており、上記「AP」は、このステータスを基に算出される。
【0049】
一例として、図8は、”主キャラクタA”111および”主キャラクタB”112のキャラクタ個別能力について示す。この図8に示すように、各キャラクタには、経験値によって変化するキャラクタレベル(LV)に応じ各種キャラクタ個別能力が設定されている。キャラクタ個別能力の種類としては、上述の「HP」、「MP」、「SP」のほか、物理的攻撃力(STR)、物理的防御力(VIT)、すばやさ(AGL)、魔法攻撃力(INT)、魔法防御力(POW)および運(LUC)がある。これらは数値によって表され、キャラクタレベルが同一であってもキャラクタの種類によって異なった値が設定されている。「AP」は、この中の「AGL」および「LUC」によって算出される。具体的には、AP=AGL+LUC/2の計算式により算出される。
【0050】
このように”主キャラクタA”111の「WP1」を求めた後、続いて、この求められた「WP1」が”0”かどうかの判定を行う(ST42)。ここで”YES”のときは、”主キャラクタA”111についてのコマンド選択を有効とする(ST53)。従って、戦闘シーンにおいて、”主キャラクタA”111に攻撃等の動作をさせるコマンド指定がプレイヤによってできるようになる。
【0051】
ST42で”NO”のときは、”主キャラクタB”112のWP(”主キャラクタB”112のWPを「WP2」と表す)を算出し、RAMの所定領域にセットする(ST43)。続いて、求められた「WP2」が”0”かどうかの判定を行い(ST44)、”YES”のときは、”主キャラクタB”112についてのコマンド選択を有効とし(ST53)、”NO”のときは、ST45に移る。
【0052】
ST45では、”主キャラクタC”113のWP(”主キャラクタC”113のWPを「WP3」と表す)を算出し、RAM23の所定領域にセットする。続いて、求められた「WP3」が”0”かどうかの判定を行い(ST46)、”YES”のときは、”主キャラクタC”113についてのコマンド選択を有効とし(ST53)、”NO”のときは、ST47に移る。
【0053】
ST47では、”敵キャラクタA”114のWP(”敵キャラクタA”114のWPを「WP4」と表す)を算出し、RAM23の所定領域にセットする。続いて、求められた「WP4」が”0”かどうかの判定を行い(ST48)、”YES”のときは、”敵キャラクタA”114についてのコマンド選択を有効とし(ST53)、”NO”のときは、ST49に移る。
【0054】
ST49では、”敵キャラクタB”115のWP(”敵キャラクタB”115のWPを「WP5」と表す)を算出し、RAM23の所定領域にセットする。続いて、求められた「WP5」が”0”かどうかの判定を行い(ST50)、”YES”のときは、”敵キャラクタB”115についてのコマンド選択を有効とし(ST53)、”NO”のときは、ST51に移る。
【0055】
ST51では、”敵キャラクタC”116のWP(”敵キャラクタC”116のWPを「WP6」と表す)を算出し、RAM23の所定領域にセットする。続いて、求められた「WP6」が”0”かどうかの判定を行い(ST52)、”YES”のときは、”敵キャラクタC”116についてのコマンド選択を有効とした後(ST53)WP減算処理を終了する。この一方で、”NO”のときは、再びST41に戻って、当該「WP減算処理」を最初から繰り返す。
【0056】
[コマンド選択画面]
この「WP減算処理」において、コマンド選択が有効となったキャラクタが主キャラクタのとき、ディスプレイ16では、図6に示すように、コマンド選択が有効となった主キャラクタの頭上に選択マーク43が表示される。そして、このような表示の後は、続いて、選択マーク43が頭上に表示された主キャラクタ(ここでは”主キャラクタA”111)がズームアップされ、図9に示すような「コマンド選択画面」が表示される。
【0057】
図9に示す「コマンド選択画面」では、”主キャラクタA”111の行動形態を決定するためのコマンドが選択項目として示されたコマンドメニュー44が表示される。そして、コマンドメニュー44の左側に表示される選択カーソル45をプレイヤによる上方向ボタン7または下方向ボタン8の操作により移動させ、○ボタン12が操作されたときに選択カーソル45が左位置に表示されているコマンドが選択され、”主キャラクタA”111の行動形態が決定される。この図9では、コマンドメニュー44に「戦う」、「特殊」、「アイテム」、「召喚」、「防御」、「撮影」および「逃げる」の7つのコマンドが表示される。ここでは、「戦う」コマンドの左位置に選択カーソル45が表示されており、当該コマンドが決定された場合を示す。また、コマンドメニュー44の上方には、この”主キャラクタA”111の「HP」、「MP」および「SP」の値が表示されている。
【0058】
[コマンド受付処理]
図10は、上記「バトル処理」(図5)におけるST34の「コマンド受付処理」の手順を示す。まず、上記「WP減算処理」においてコマンド選択が有効となったキャラクタが主キャラクタのときにおいて、当該主キャラクタの「SP」が”0”かどうかを判定する(ST55)。ここで”YES”の場合は、当該主キャラクタについて「キャラクタ暴走処理」を行い(ST56)、上記ST387(図5)の処理に移る。「キャラクタ暴走処理」が実行された場合、当該キャラクタに対するコマンド操作が無効となり、敵味方にかまわず攻撃を仕掛けるといった異常な行動に暴走する。一方、上記ST55で”NO”のときは、プレイヤによるコマンド操作があったかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)においてコマンドが操作されたかどうかを判定する(ST57)。
【0059】
[キャラクタ暴走処理]
図11は、上記「コマンド受付処理」(図10)におけるST56の「キャラクタ暴走処理」の手順を示す。まず、主キャラクタの行動を決定するコマンドの種別をランダムに選択し、当該コマンドに基づいた行動(攻撃、攻撃魔法の使用、回復魔法の使用等)の対象となるキャラクタを敵味方関係無くランダムに選択する(ST61)。例えば「戦う」コマンドが選択された場合、攻撃を加える対象のキャラクタを敵味方関係無くランダムに選択する。そして、選択されたコマンド等に基づき決定されるキャラクタの動作を表示する後述の「ジャッジメント処理」を自動処理し(ST62)、この「キャラクタ暴走処理」(図15)を終了する。
【0060】
図12および図13は、「キャラクタ暴走処理」が実行されたときの具体的な表示例を示し、ここでは、一例として、”主キャラクタA”111のSPが”0”となり、当該”主キャラクタA”111について「キャラクタ暴走処理」を実行したときの様子を示す。
【0061】
図12は、キャラクタ暴走処理の実行開始直後の表示態様を示し、”主キャラクタA”111の足元から黒煙117が上がってきて、体を取り囲んでいく様子を表示する。このとき、ディスプレイ16には、「主キャラクタAが暴走した!!」という文字も表示される。その後、図13に示すように、”主キャラクタA”111の頭上に暴走したことを示す暴走マーク118が表示されると共に、「へへへへっ......楽しいねえ...!」という文字も表示される。そして、この後、”主キャラクタA”111は、上記ST61(図11)で選択された対象キャラクタに対し、攻撃等の行動を行う。
【0062】
上記実施形態では、一度暴走状態に陥ると、全てのコマンド操作を受け付けなくなるが、一部のコマンドのみ所定の条件で受け付けるようにしてもよい。例えば、「アイテム」コマンドのみを受け付けるが、選択された「アイテム」を誰に使うかを分からなくしたり、「戦う」コマンドを3ターンに1回受け付けたりする。また、主キャラクタが暴走するのは「SP=0」となったときであり、また、暴走しっぱなしではなく、時間が経つと正常に戻るようにしてもよい。
【0063】
図14は、上記「バトル処理」(図5)におけるST36の「コマンド処理」の手順を示す。まず、選択されたコマンドが「戦う」コマンドかどうかを判定する(ST65)。ここで”YES”のとき、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「戦う」がプレイヤにより選択されとき、DVD−ROM31より「武器テーブル」(詳細は図26に示す)を取り出し、RAM23の所定領域にセットする(ST66)。
【0064】
ST65で”NO”のときは、選択されたコマンドが「特殊」コマンドかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「特殊」がプレイヤにより選択されたかどうかを判定する(ST67)。ここで”YES”のときは、DVD−ROM31より「特殊テーブル」(詳細は図31に示す)を取り出し、RAM23の所定領域にセットする(ST68)。
【0065】
ST67で”NO”のときは、選択されたコマンドが「アイテム」コマンドかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「アイテム」がプレイヤにより選択されたかどうかを判定する(ST69)。ここで”YES”のときは、DVD−ROM31より「アイテムテーブル」(詳細は図33に示す)を取り出し、RAM23の所定領域にセットする(ST70)。
【0066】
ST69で”NO”のときは、選択されたコマンドが「召喚」コマンドかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「召喚」がプレイヤにより選択されたかどうかを判定する(ST71)。ここで”YES”のときは、RAM23に記憶された「図鑑テーブル」(詳細は図25)をRAM23の所定領域にセットする(ST72)。
【0067】
ST71で”NO”のときは、選択されたコマンドが「防御」コマンドかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「防御」がプレイヤにより選択されたかどうかを判定する(ST73)。ここで”YES”のときは、主キャラクタが敵キャラクタからの攻撃を防御する様子を表示する「防御」コマンド処理を実行する(ST75)。
【0068】
ST73で”NO”のときは、選択されたコマンドが「撮影」コマンドかどうか、すなわち、上記「コマンド選択画面」(図9)において選択項目の「撮影」がプレイヤにより選択されたかどうかを判定する(ST76)。ここで”YES”のときは、主キャラクタが敵キャラクタを写真に撮影する様子を表示する「撮影コマンド処理」を実行する(ST77)。撮影コマンド処理の詳細は後述する。
【0069】
ST76で”NO”のときは、主キャラクタが敵キャラクタから逃げる様子を表示する「逃げる」コマンド処理を実行する(ST78)。
【0070】
「戦う」コマンド、「特殊」コマンド、「アイテム」コマンドおよび「召喚」コマンドのうちのいずれかが選択され、各コマンドに対応するテーブルがRAM23の所定領域にセットされたときは、そのコマンドおよびテーブルに基づき決定される主キャラクタの動作を表示する「ジャッジメント処理」を実行し(ST74)、この後コマンド処理を終了する。
【0071】
[ジャッジメント処理]
図15は、「ジャッジメント処理」の手順を示す。まず、選択されたコマンドに基づき行われる行動(攻撃、攻撃魔法の使用、回復魔法の使用等)の対象となるキャラクタ(以下、「対象キャラクタ」という)がプレイヤによって選択されたかどうか判定する(ST81)。具体的には、上記「コマンド選択画面」(図9)においてコマンド選択が完了すれば、図16に示すような「対象キャラクタ選択画面」が表示され、当該画面において対象キャラクタがプレイヤによって選択される。対象キャラクタの選択は、次のように行われる。すなわち、「対象キャラクタ選択画面」において表示される選択マーク46がプレイヤによる上方向ボタン7または下方向ボタン8の操作により移動され、○ボタン12が操作されたときに選択マーク46が頭上に表示されているキャラクタが対象キャラクタとして決定される。図16では、”敵キャラクタA”114の頭上に選択マーク46が表示され、当該敵キャラクタが対象キャラクタとして決定された場合を示す。
【0072】
ST81で”YES”のときは、「ジャッジメントリング決定処理」を実行し(ST82)、続いて、「ジャッジメントリング判定処理」を実行する(ST83)。
【0073】
続いて、上記ST83の「ジャッジメントリング判定処理」で算出されるダメージ量または回復値に基づきHP、MPおよびSPの値を更新する(ST84)。ここでは、ダメージ量、回復値等に応じたHPおよびMPの加減算と、SPの減算が行われる。SPの減算は、このST84の処理が実行される毎に”1”減算するものとする。すなわち、キャラクタのターン毎に”1”減少するものとする。
【0074】
なお、SPの減算値を、ダメージ量、回復値等に応じて決定するようにしてもよい。例えば、ダメージ量、回復値に比例した値(例えば、ダメージ量、回復値等の1/10の値)をSPの減算値として決定するようにする。
【0075】
また、コマンド選択が有効となったときからジャッジメントリング100が表示されるまでの時間(秒数)をSPの減算値として決定するようにしてもよい。この場合、プレイヤがコマンド選択に要した時間がSPの減算値として設定されるため、プレイヤによるコマンド選択が素早ければSPの減算値は少なくて済むが、コマンド選択に時間がかかれば、そのかかった時間分がSPより減算されることとなる。
【0076】
次に、上記ST82およびST83により決定された内容に応じてキャラクタのステータスを更新する(ST85)。この処理でキャラクタのステータスが「異常ステータス」に更新されると、キャラクタが通常状態と異なる異常状態となる。この「異常ステータス」は、攻撃を受けたアイテムや魔法等の種類によって異なる。例えば、「毒」異常ステータスは、敵から魔法を受けたときや所定のアイテムによる攻撃を受けたときに、主キャラクタが行動を起こすターン毎にキャラクタの体力が自動的に減ってしまう異常ステータスである。また、「石化」異常ステータスは、敵から魔法を受けたときや所定のアイテムによる攻撃を受けたときに、キャラクタが石のように固まってしまい、コマンド入力が不可能となる異常ステータスである。
【0077】
そして、更新されたパラメータに基づいて、主キャラクタが対象キャラクタに対し所定の行動(攻撃、魔法をかける等)を行う演出画像の表示を実行し(ST86)、ジャッジメント処理を終了する。
【0078】
ここで、本発明にかかるゲームでは、主キャラクタが対象キャラクタに対し選択コマンドに基づいた行動を行う直前に、図17に示すように可変表示領域としてのジャッジメントリング100が表示され、このジャッジメントリング100を利用して上記効果を決定する上で必要なパラメータが決定される。
【0079】
ここで、図17に示すように、ジャッジメントリング100は、斜め方向に傾いた状態で表示される。そして、このジャッジメントリング100上には、当該ジャッジメントリング100の中心点を支点として時計の針のように時計方向に回転する変動領域としての回転バー101が表示される。また、ジャッジメントリング100上には、所定の角度範囲で色が塗られた領域(以下、「タイミングエリア」という)が表示される。このタイミングエリアは、プレイヤにとって相対的に有利となる「有効領域」である。
【0080】
その後、回転バー101の回転が開始され、当該回転バー101が上記タイミングエリア上を通過するときに、プレイヤが○ボタン12を操作できたかどうかによって、上記パラメータの内容が変更される。ここで、上記タイミングエリアは、図17に示すように3つのタイミングエリアで構成され、回転バー101が最初に通過するタイミングエリアを「第1タイミングエリア」102、次に通過するタイミングエリアを「第2タイミングエリア」103、最後に通過するタイミングエリアを「第3タイミングエリア」104とする。
【0081】
例えば、3つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたとき、すなわち3つのタイミングエリア上に回転バー101があるときに○ボタン12が操作できたとき、その後、主キャラクタが対象キャラクタに対し行う行動が有効となる。「戦う」コマンドが選択された場合であれば、所定の攻撃力で3回の攻撃を行い敵キャラクタにダメージを与え、「特殊」コマンドが選択され回復魔法を使用する場合であれば、所定の回復力を有する魔法を味方キャラクタに対し3回かけることができ、味方キャラクタに回復力を与えることができる。
【0082】
これに対し、1つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作タイミングを外したときは、そのタイミングエリアに割り振られた効果が無効となる。特に3回とも失敗した場合は効果はゼロとなる。また、本実施例では、ジャッジメントリング100の有効領域を視覚で認識する方式を採用しているが、要は、プレイヤの五感に働きかけてプレイヤが操作タイミングを認知できる構成であればよい。例えば、所定時間特定の音声を発生させ、その発生区間内の操作を要求する聴覚的な構成、あるいは、コントローラ4や携帯端末自体を振動させ、その振動の発生区間内の操作を要求する触覚的な構成とすることも可能である。
【0083】
図18は、回転バー101が第1タイミングエリア102上を通過するときに○ボタン12の操作がされたときの様子を示す。この図18に示すように、第1タイミングエリア102上で上手く操作できたときは、「Cool」の文字が表示される。
【0084】
図19は、回転バー101が第2タイミングエリア103上を通過するときに○ボタン12の操作がされたときの様子を示す。この図19に示すように、第2タイミングエリア102上で上手く操作できたときは、「Good」の文字が表示される。
【0085】
図20は、回転バー101が第3タイミングエリア104上を通過するときに○ボタン12の操作がされたときの様子を示す。この図20に示すように、第3タイミングエリア104上で上手く操作できたときは、「Perfect」の文字が表示される。
【0086】
図21は、回転バー101が第1タイミングエリア102上に差し掛かる前に○ボタン12の操作がされたとき、すなわちタイミングエリア上での○ボタン12の操作を失敗したときの様子を示す。この図21に示すように、タイミングエリア上での○ボタン12の操作を失敗したときは、「Miss」の文字が表示される。
【0087】
図22は、3つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたとき、すなわち3つのタイミングエリア上に回転バー101があるときに○ボタン12が操作できたときの、回転バー101の回転停止後の様子を示す。この図22に示すように、回転バー101の回転停止と同時にジャッジメントリング100は粉々に割れ、その破片が飛び散る様子が表示される。その後、図9において「戦う」コマンドが選択された”主キャラクタA”111は、図16において対象キャラクタとして選択された”敵キャラクタA”114に向かって移動し、攻撃を行う。このときの攻撃力(敵キャラクタのダメージ量)が、上記ジャッジメントリング100における○ボタン12の操作タイミングによって変化する。
【0088】
図23は、選択されたコマンドおよびジャッジメントリング100表示中の操作結果に基づき、”主キャラクタA”111が”敵キャラクタA”114に対し行動を行っている様子を示す。ここでは、「戦う」コマンドが選択された場合を示し、”主キャラクタA”111は”敵キャラクタA”114に対し攻撃を行っている様子を示している。上述の通り、ジャッジメントリング100表示中に3つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたときは、この画面において、”主キャラクタA”111は”敵キャラクタA”114に対し所定の攻撃力による攻撃を3回実行する。
【0089】
なお、上記実施形態では、1回目の操作に失敗したとしても2回目の操作にチャレンジできる場合であるが、1回失敗した時点で操作受付を終了するように構成してもよい。
【0090】
図24は、”主キャラクタA”111が”敵キャラクタA”114に対する攻撃を終了し、元の位置に戻ったときの様子を示す。ここで、キャラクタあるいは敵キャラクタの対象キャラクタに対する行動開始(図23に示す状態)から終了(図24に示す状態)までの期間を「1ターン」ということとし、この「1ターン」についての表示処理は、上記ST86(図15)の「演出画像表示処理」で行われる。
【0091】
[ジャッジメントリング決定処理]
図25は、上記ST82(図15)の「ジャッジメントリング決定処理」の手順を示す。ここでは、まず、RAM23にセットされた「武器テーブル」(図26)、「特殊テーブル」(図31)および「アイテムテーブル」(図33)のいずれかを参照し、タイミングエリアの範囲を決定する(ST91)。続いて、後述のジャッジメントリング補正パラメータに基づき、上記ST91で決定されたタイミングエリアの範囲および予め定められた回転バーの回転速度および回転数およびジャッジメントリングのサイズを補正する(ST92)。ここで、回転バーの回転速度は、基本速度として一周1.5秒に設定され、回転バーの回転数は、基本回転数として一回転に設定されている。そして、ST92で最終的に決定されたタイミングエリアの範囲でジャッジメントリング100を表示し、決定された回転バーの回転速度および回転数による回転バー101の回転表示を行うジャッジメントリング変動表示処理を行う(ST93)。タイミングエリアおよびジャッジメントリング補正パラメータについて、以下に説明する。
【0092】
図26は、「武器テーブル」を示す。これは、「戦う」コマンドがプレイヤにより選択されたときにセットされるテーブルである。この図26に示すように、主キャラクタの種類によって使用できる武器が定められており、その武器の種類に応じて使用アイテム個別能力と、各タイミングエリアの範囲とが設定されている。
【0093】
使用アイテム個別能力は、敵キャラクタのダメージ量(相手ダメージ量)の算出に用いられ、この使用アイテム個別能力の数値が大きいほど、敵キャラクタのダメージ量は大きくなる。
【0094】
タイミングエリアの範囲は、図28に示すように、回転バー101の回転開始位置100aを0°とした「先頭角度」および「終端角度」で囲まれた角度範囲で示され、これら「先頭角度」および「終端角度」は、この図26に示すように、使用武器の種類に応じて異なる値が設定されている。例えば、主キャラクタが”主キャラクタA”111で使用武器が武器A1の場合、第1タイミングエリア102は、先頭角度を45°とし終端角度を135°とした90°の角度範囲を当該タイミングエリアの範囲として設定される。第2タイミングエリア103は、先頭角度を180°とし終端角度を247°とした67°の角度範囲を当該タイミングエリアの範囲として設定される。第3タイミングエリア104は、先頭角度を292°とし終端角度を337°とした45°の角度範囲を当該タイミングエリアの範囲として設定されている。
【0095】
また、ジャッジメントリング100では、各タイミングエリアの所定範囲に、ここを通過するときに○ボタン12の操作ができれば敵キャラクタのダメージ量が20%増加すなわち1.2倍となる特別有効領域としての「120%領域」が設定されている。「120%領域」は、終端角度から当該「120%領域」の角度分を減算した角度位置から終端角度までの範囲で形成される。
【0096】
図27は、敵キャラクタの相手ダメージ量を算出する際の計算式を示す。
【0097】
「割当値」は、この図27に示すように、1回目の攻撃時は”0.2”、2回目の攻撃時は”0.3”、3回目の攻撃時は”0.5”に設定されている。
【0098】
「SP残量補正値」は、現在のSPが最大SPの25%を切るまで、すなわち「25−現SP/最大SP×100≦0」を満たす間は”1”で、現在のSPが最大SPの25%を切ったとき、すなわち「25−現SP/最大SP×100>0」を満たしたとき、SPは”0.01”加算した”1.01”となる。そして、その後SPが1ポイント減る毎に”0.01”ずつ加算されていく。すなわち、SPが1ポイント減る毎に、相手ダメージ量が1%ずつ上昇するように設定される。
【0099】
「キャラクタ個別能力」は、上記図8に示したSTR(物理的攻撃力)を示し、「使用アイテム個別能力」は、図26に示す主キャラクタおよび武器の種類に応じて設定された値である。
【0100】
「ジャッジメントリング補正値」は、回転バー101がタイミングエリアの120%領域上にあるときに○ボタン12の操作がされたときは”1.2”で、回転バー101がタイミングエリアの120%領域以外の領域上にあるときに○ボタン12の操作がされたときは”1”で、回転バー101がタイミングエリア上にあるときに○ボタン12の操作がされなかったときは”0”である。
【0101】
例えば、「戦う」コマンドが選択された場合において、3つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたとき、すなわち3つのタイミングエリア上に回転バー101があるときに○ボタン12が操作できたとき、その後、主キャラクタは敵キャラクタに対し攻撃を3回繰り返し所定のダメージを与える。例えば、”主キャラクタA”111が武器A1を用いて攻撃する場合、1回目の攻撃における相手ダメージ量は、「0.2×SP残量補正値×STR×6×1(1.2)」となり、この相手ダメージ量分のポイントが敵キャラクタのHPから減算される。同様に、2回目の攻撃における相手ダメージ量は、「0.3×SP残量補正値×STR×6×1(1.2)」、3回目の攻撃における相手ダメージ量は、「0.5×SP残量補正値×STR×6×1(1.2)」となり、それぞれ敵キャラクタのHPから減算される。
【0102】
一方、1つのタイミングエリア上で○ボタン12の操作タイミングを外したときは、その後のタイミングエリアにおける「ジャッジメントリング補正値」は”0”となる。例えば、”主キャラクタA”111が武器A1を用いて攻撃する場合において、第1タイミングエリア上に回転バー101があるときに○ボタン12が操作できたとき、1回目の攻撃における相手ダメージ量は、「0.2×SP残量補正値×STR×6×1(1.2)」となるが、第2タイミングエリア上で○ボタン12の操作タイミングを外したときは、2回目および3回目の攻撃における「ジャッジメントリング補正値」は”0”となり、相手ダメージ量も”0”となる。
【0103】
ここで、敵キャラクタのHPが”0”になったとき、主キャラクタが当該敵キャラクタを倒したこととなる。
【0104】
図28は、コマンド決定時に表示されるジャッジメントリング100の表示態様を示す。ここでは、主キャラクタが”主キャラクタA”111で、武器A1を使用して「戦う」コマンドが選択されたときのコマンド決定時のジャッジメントリング100を示す。このジャッジメントリング100は、図26に示した「武器テーブル」に設定された各タイミングエリアの角度範囲で形成される。主キャラクタが”主キャラクタA”111で、武器A1を使用して「戦う」コマンドが選択された場合は、第1タイミングエリア102の先頭角度が45°で終端角度が135°、第2タイミングエリア103の先頭角度が180°で終端角度が247°、第3タイミングエリア104の先頭角度が292°で終端角度が337°である。また、この図28に示すように、「120%領域」は、第1タイミングエリア102では終端角度の135°から30°減算した「105°」から終端角度の「135°」までの範囲102aであり、第2タイミングエリア103では、終端角度の247°から23°減算した「224°」から終端角度の「247°」までの範囲103aであり、第3タイミングエリア104では、終端角度の337°から15°減算した「322°」から終端角度の「337°」までの範囲104aである。
【0105】
図29は、コマンド決定後のジャッジメントリング100の表示態様を示す。ここでは、回転バー101が回転を開始し、第1タイミングエリア102上を通過しているときの様子を示している。
【0106】
なお、上記「120%領域」については上記のような場合に限らない。例えば、図30(1)に示すように、「120%領域」を先端角度から所定角度までの範囲に設けたり、図30(2)に示すように、「120%領域」を2箇所設けるようにしてもよい。図30(1)では、先端角度の45°から20°加算した角度の65°までの範囲102aを「120%領域」とした場合を示す。また、図30(2)では、先端角度の45°から20°加算した角度の65°までの範囲102aと、終端角度の135°から30°減算した角度の105°までの範囲とを「120%領域」とした場合を示す。
【0107】
図31は、「特殊テーブル」を示す。これは、「特殊」コマンドがプレイヤにより選択されたときにセットされるテーブルである。ここで、「特殊」とは、キャラクタ毎に個別に設定された特別な能力(特殊能力)を使用するコマンドであって、例えば、”主キャラクタA”111の場合は、後述するフュージョンモンスターに変身し、通常状態では攻撃魔法が使用できなかったところが使用可能となる。この図31に示すように、主キャラクタの種類によって使用できる特殊能力が定められており、各特殊能力毎に、能力値および各タイミングエリアの範囲が設定されている。
【0108】
この図31に示すように、主キャラクタが”主キャラクタA”111のときは、特殊能力として攻撃魔法1〜3が使用可能で、これらに設定されている能力値は、これら攻撃魔法1〜3を用いて敵キャラクタに対しダメージを与えるための相手ダメージ量の算出に用いられる。この場合、使用する特殊能力の能力値が大きいほど、敵キャラクタのダメージ量、すなわち敵キャラクタのHPを減少させるためのポイント数が大きくなる。なお、これら攻撃魔法1〜3は、後述するフュージョンモンスターに変身したときに使用可能となる。
【0109】
一方、主キャラクタが”主キャラクタB”112のときは、特殊能力として回復魔法1〜3が使用可能で、これらに設定されている能力値は、これら回復魔法1〜3を用いて味方キャラクタを回復させるための回復値の算出に用いられる。この場合、使用する特殊能力の能力値が大きいほど、味方キャラクタの回復値、すなわち敵キャラクタからダメージを受け減少している味方キャラクタのHPを回復させるためのポイント数が大きくなる。
【0110】
タイミングエリアの範囲は、上記「武器テーブル」(図26)同様、回転バー101の回転開始位置100aを0°とした「先頭角度」および「終端角度」で囲まれた角度範囲で示され、これら「先頭角度」および「終端角度」は、使用する特殊能力の種類に応じて異なる値が設定されている。これに加え、この「特殊」テーブルでは、使用する特殊能力の種類によって第1タイミングエリア102しか設定されていない場合や、第1タイミングエリア102および第2タイミングエリア103の2つしか設定されていない場合がある。なお、”主キャラクタC”113には、このような特殊能力が用意されておらず、この「特殊テーブル」において能力値もタイミングエリアの範囲も設定されていない。
【0111】
図32は、特殊能力として攻撃魔法1〜3を使用したときの相手ダメージ量を算出する計算式と、特殊能力として回復魔法1〜3を使用したときの回復値を算出する計算式を示す。
【0112】
「割当値」は、この図32に示すように、1回目の特殊能力使用時は”0.2”、2回目の特殊能力使用時は”0.3”、3回目の特殊能力使用時は”0.5”に設定されている。
【0113】
図32(1)の攻撃魔法1〜3を使用したときの相手ダメージ量を算出する計算式に使用される「キャラクタ個別能力」は、上記図8に示したINT(魔法攻撃力)を示す。「使用する特殊能力の能力値」は図31に示す主キャラクタおよび使用する特殊能力の種類に応じて設定された能力値である。
【0114】
「ジャッジメントリング補正値」は、回転バー101がタイミングエリアの120%領域上にあるときに○ボタン12の操作がされたときは”1.2”で、回転バー101がタイミングエリアの120%領域以外の領域上にあるときに○ボタン12の操作がされたときは”1”で、回転バー101がタイミングエリア上にあるときに○ボタン12の操作がされなかったときは”0”である。
【0115】
例えば、「特殊」コマンドが選択され、使用する特殊能力として攻撃魔法が選択された場合において、表示される全てのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたときは、その後、主キャラクタは敵キャラクタに対し攻撃魔法による攻撃を行い所定のダメージを与える。例えば、”主キャラクタA”111が攻撃魔法1を用いて攻撃する場合は、タイミングエリアは一つしか設定されていないため、攻撃魔法による攻撃を1回のみ行う。このときの相手ダメージ量は、図32(1)より「0.2×INT×99×1(1.2)」となり、この相手ダメージ量分のポイントが敵キャラクタのHPから減算される。
【0116】
また、「特殊」コマンドが選択され、使用する特殊能力として回復魔法が選択された場合において、表示される全てのタイミングエリア上で○ボタン12の操作が上手くできたときは、その後、主キャラクタは味方キャラクタに対し回復魔法をかけ回復させる。例えば、”主キャラクタB”112が回復魔法1を用いる場合は、タイミングエリアは一つしか設定されていないため、回復魔法を味方キャラクタに対して1回のみ使用する。このときの味方キャラクタの回復値は、図32(2)より「0.2×19×1(1.2)」となり、この回復値分のポイントが味方キャラクタのHPに加算される。
【0117】
また、キャラクタ別にそれぞれのテーブルのタイミングエリアの範囲を比較してみると、図26の「武器テーブル」において、”主キャラクタA”111に設定されたタイミングエリアの範囲は、”主キャラクタB”112に設定されたタイミングエリアの範囲に比べ全般的に広い。例えば、武器A1に設定されたタイミングエリアの範囲の合計は、(135°−45°)+(247°−180°)+(337°−292°)=202°の角度範囲であり、武器B1に設定されたタイミングエリアの範囲の合計は、(125°−50°)+(205°−157°)+(282°−247°)=185°の角度範囲である。
【0118】
これは、”主キャラクタA”111が、男性キャラクタで、腕力が強く物理的攻撃力が高いという物語上の設定をしているためで、それに伴い”主キャラクタA”111は武器を用いた攻撃に秀でている。従って、武器を使用する場合すなわち武器テーブル選択時のタイミングエリアの範囲が広く設定され、ジャッジメントリング100の操作の難易度が低くなっている。
【0119】
一方、図31の「特殊テーブル」においては、逆に、”主キャラクタA”111に設定されたタイミングエリアの範囲に比べ、”主キャラクタB”112に設定されたタイミングエリアの範囲の方が広い。
【0120】
これは、”主キャラクタB”112が、女性キャラクタであり、魔術師という物語上の設定をしているためで、回復魔法を使用する場合すなわち特殊テーブル選択時のタイミングエリアの範囲が広く設定され、ジャッジメントリング100の操作の難易度が低くなっている。
【0121】
このように、物語の設定からくる各キャラクタの特徴をジャッジメントリング100の実行条件の中に取り入れたことで、単なる技術介入的な要素だけではなく、各キャラクタの特性に合ったコマンドを探し出す面白味も生まれ、ゲームの興趣がさらに増す。
【0122】
図33は、「アイテムテーブル」を示す。これは、「アイテム」コマンドがプレイヤにより選択されたときにセットされるテーブルであり、使用するアイテムの種類に応じて、使用アイテム個別能力及び各タイミングエリアの範囲が設定されている。なお、この「アイテムテーブル」に示すように、アイテムA〜Cは全ての主キャラクタにおいて共通に使用できる。このアイテムA〜Cは、敵キャラクタからダメージを受け減少している味方キャラクタのHPを回復させるためのアイテムである。従って、この「アイテムテーブル」における使用アイテム個別能力は、これらアイテムA〜Cによって味方キャラクタを回復させるための回復値の算出に用いられる。
【0123】
主キャラクタがアイテムA〜Cを使用したときの回復値を算出する計算式は、図32(2)と同一で、「割当値」は、1回目のアイテム使用時は”0.2”、2回目のアイテム使用時は”0.3”に設定される。
【0124】
図34は、「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」について示す。この「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」は、ジャッジメントリング100の表示態様(タイミングエリアの範囲、回転バー101の回転速度及び回転数、ジャッジメントリングのサイズ)を変化させるパラメータ(以下、「ジャッジメントリング補正パラメータ」という)と、その表示態様の変化の内容を示す。
【0125】
「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」に示すジャッジメントリング補正パラメータの種別として、「アイテム」、「敵魔法」、「イベント種別」がある。
【0126】
この「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」に示すように、ジャッジメントリング補正パラメータとしての「アイテム」には10種類のアイテム(アイテムD〜アイテムM)を設定しており、これらのアイテムは、各サブマップ上において主キャラクタのパーティが所定の条件をクリアすることで入手可能なものである。これらのアイテムを戦闘シーンや店などで使用した場合、表示されるジャッジメントリング100の表示態様は、通常状態と異なり、プレイヤにとって非常に有利な状態で表示される。
【0127】
それぞれのアイテムを使用したときの効果を説明する。
【0128】
(1)アイテムDまたはアイテムEを使用した場合、タイミングエリアの範囲は2倍に広がる。すなわち、○ボタン12の操作が楽になる。
【0129】
(2)アイテムFまたはアイテムGを使用した場合、回転バー101の回転速度が1/2となる。すなわち、○ボタン12の操作が楽になる。
【0130】
(3)アイテムHを使用した場合、タイミングエリアの範囲が2倍になると共に、回転速度が1/2になる。
【0131】
(4)アイテムIを使用した場合、回転バー101の回転速度が速くなったり遅くなったり不規則に変化するが、○ボタン12の操作を上手くやった場合は、攻撃力すなわち相手ダメージ量が3倍となり非常に有利な状態となる。
【0132】
(5)アイテムJを使用した場合、ジャッジメントリング100上の全ての範囲がタイミングエリアとなる。すなわち、どの位置で○ボタン12の操作を行っても成功となる。
【0133】
(6)アイテムKを使用した場合、回転バー101の回転数が通常1回のところ最大7回となる。この場合、プレイヤは慎重に○ボタン12の操作が行える。
【0134】
(7)アイテムLを使用した場合、上記アイテムIの効力が働くと共に、回転数が増加し、○ボタン12の操作が成功したときの回転数の消化数に応じて相手ダメージ量が増加する。
【0135】
(8)アイテムMを使用した場合、ジャッジメントリング100上にタイミングエリアは表示されないが、○ボタン12の操作タイミングに応じてランダムに攻撃する主キャラクタの人数および攻撃力が決定される。
【0136】
なお、この「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」において、何も記載されていない空白箇所は、通常時と変化しない場合である。
【0137】
このように、これらジャッジメントリング補正パラメータとしてのアイテムD〜アイテムMを入手することでプレイヤは非常に有利なゲーム展開が可能となるため、これらは比較的入手が困難なレアアイテムとして設定されている。
【0138】
ジャッジメントリング補正パラメータとして設定されている「敵魔法」とは、敵キャラクタの有する魔法(これを「敵魔法」という)のうちの特定の敵魔法を示し、これらの敵魔法を主キャラクタが受けた場合、ジャッジメントリング100の表示態様がプレイヤにとって不利な状態となる。この「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」では、ジャッジメントリング補正パラメータとしての「敵魔法」に6種類の敵魔法(敵魔法A〜敵魔法F)を設定している。
【0139】
それぞれの敵魔法を受けたときの効果を説明する。
【0140】
(1)主キャラクタが敵魔法Aを受けた場合、ジャッジメントリング100上のタイミングエリアの範囲が1/2となる。
【0141】
(2)主キャラクタが敵魔法Bを受けた場合、回転バー101の回転速度が2倍となる。
【0142】
(3)主キャラクタが敵魔法Cを受けた場合、ジャッジメントリング100のサイズが1/2となる。
【0143】
(4)主キャラクタが敵魔法Dを受けた場合、ジャッジメントリング100のサイズが2倍となるが、ジャッジメントリング100上のタイミングエリアの範囲は1/2となる。
【0144】
(5)主キャラクタが敵魔法Eを受けた場合、ジャッジメントリング100のサイズが2倍となるが、回転バー101の回転速度が速くなったり遅くなったり不規則に変化する。この場合において、○ボタン12の操作を上手くやったとしても、上記アイテムIのように攻撃力が3倍となることはなく、通常の攻撃力である。
【0145】
(6)主キャラクタが敵魔法Fを受けた場合、タイミングエリアの範囲、回転バー101の回転速度、及びジャッジメントリング100のサイズが1/2から2倍までの範囲でランダムに決定される。
【0146】
ジャッジメントリング補正パラメータとしての設定されている「イベント種別」は、主キャラクタのパーティが特定の敵キャラクタと対戦するイベントで、当該イベントが発生した場合、ジャッジメントリング100の表示態様がプレイヤにとって不利な状態となる。この「ジャッジメントリング補正パラメータテーブル」では、ジャッジメントリング補正パラメータとしての「イベント種別」に4種類のイベント種別(中ボスA〜C及びラスボス)を設定している。
【0147】
それぞれのイベント種別が発生したときの効果を説明する。
【0148】
(1)イベント種別「中ボスA」は、主キャラクタのパーティが敵のボスキャラクタの一種である「中ボスA」に遭遇し対戦するイベントである。このイベントが発生したとき、回転バー101の回転速度が2倍となる。
【0149】
(2)イベント種別「中ボスB」は、主キャラクタのパーティが敵のボスキャラクタの一種である「中ボスB」に遭遇し対戦するイベントである。このイベントが発生したとき、タイミングエリアの範囲が1/2となる。
【0150】
(3)イベント種別「中ボスC」は、主キャラクタのパーティが敵のボスキャラクタの一種である「中ボスC」に遭遇し対戦するイベントである。このイベントが発生したとき、タイミングエリアの範囲が1/2となり、さらに、回転バー101の回転速度が速くなったり遅くなったり不規則に変化する。
【0151】
(4)イベント種別「ラスボス」は、主キャラクタのパーティが敵のボスキャラクタの一種である「ラスボス」に遭遇し対戦するイベントである。このイベントが発生したとき、タイミングエリアの範囲が1/2となる。
【0152】
ここで、ボスキャラクタは、通常の敵キャラクタに比べ、倒すことで非常に多くの経験ポイントを獲得できる敵キャラクタであるため、上記のように、ジャッジメントリング100の表示態様は、プレイヤにとって操作が困難な状態となる。
【0153】
図35は、上記ST83(図15)の「ジャッジメントリング判定処理」の手順を示す。この処理は、上記「ジャッジメントリング決定処理」で、ジャッジメントリング100における回転バー101の回転が開始した後の処理で、まず、プレイヤによる○ボタン12の操作がなされ、当該操作信号の入力の有無を判定する(ST101)。ここで”NO”のときはST107の処理に移り、”YES”のとき、すなわち当該操作信号の入力を確認したときは、続いて、回転バー101がタイミングエリア上にあるかどうかを判定する(ST102)。
【0154】
ST102の判定で”NO”のときは、ST107の処理に移り、”YES”のとき、すなわち回転バー101がタイミングエリア上にあるときは、続いて、その回転バー101のある位置が120%領域上にあるかどうかを判定する(ST103)。ここで、ST102の判定で”NO”の場合とは、回転バー101がタイミングエリア上にあるとき○ボタン12の操作ができなかった場合である。この場合、これ以降の○ボタン12の操作は無効となり、ジャッジメントリング100の表示の終了条件を達成したこととなる。
【0155】
ST103の判定で”YES”のとき、すなわち回転バー101が120%領域上にあるときは、上記ジャッジメントリング補正値として”1.2”をRAM23の所定領域にセットする(ST104)。一方、ST103の判定で”NO”のとき、すなわち回転バー101が120%領域以外のタイミングエリア上にあるときは、上記ジャッジメントリング補正値として”1”をRAM23の所定領域にセットする(ST105)。
【0156】
続いて、選択されたコマンド、主キャラクタの種類および使用アイテムに基づき、相手ダメージ量または回復値を所定の計算式により算出し、この算出結果をRAM23の所定領域にセットする(ST106)。
【0157】
そして、ST107では、ジャッジメントリング100の表示の終了条件を達成したかどうか判定する。終了条件とは、(1)規定回転数(通常は1回で、ジャッジメントリング補正パラメータにより回転数が増加する場合がある)を消化したこと、(2)目押し操作の規定回数(通常は3回で、各種パラメータにより変化する)を消化したこと、である。このST107の判定で”YES”のときは、この「ジャッジメントリング判定処理」を終了し、”NO”のときは、上記ST101の処理に戻る。
【0158】
[ソウルポイント加算処理]
図36は、上記ST39(図5)の「ソウルポイント加算処理」の手順を示す。この処理は、戦闘シーンにおいて、上記「1ターン」終了後に行われる処理である。対戦する敵キャラクタには「ソウルポイント」と称するポイントが設定されている場合があり、主キャラクタが倒した敵キャラクタがソウルポイントが設定されているものであったとき、主キャラクタは当該ソウルポイントを獲得することができる。
【0159】
図37は、敵キャラクタとそのソウルポイントを示す「ソウルポイントテーブル」を示す。この図37に示すように、ソウルポイントには、”光”、”闇”、”風”、”地”、”水”、および”炎”の6種類の属性があり、獲得したソウルポイントは、各属性毎に、RAM23内に設けた「ソウルポイント加算カウンタ」に加算される。
【0160】
従って、「ソウルポイント加算処理」では、まず、「ソウルポイントテーブル」を参照し、倒した敵キャラクタに設定されているソウルポイントを加算する(ST111)。倒した敵キャラクタがモンスターAの場合、属性”地”のソウルポイントが”1”に設定されているため、当該属性”地”のソウルポイント加算カウンタに”1”を加算する。倒した敵キャラクタがモンスターBの場合、属性”闇”のソウルポイントが”2”に設定されているため、当該属性”闇”のソウルポイント加算カウンタに”2”を加算する。倒した敵キャラクタがモンスターCの場合、ソウルポイントが設定されていないため、ソウルポイント加算カウンタへの加算はされない。倒した敵キャラクタがモンスターDの場合、属性”地”のソウルポイントが”1”でかつ属性”炎”のソウルポイントが”4”に設定されているため、当該属性”地”のソウルポイント加算カウンタに”1”を加算し、かつ当該属性”炎”のソウルポイント加算カウンタに”4”を加算する。倒した敵キャラクタがモンスターEの場合、属性”光”のソウルポイントが”1”に設定されているため、当該属性”光”のソウルポイント加算カウンタに”1”を加算する。
【0161】
次に、ソウルポイントが加算されたかどうかを判定する。ここで”NO”のときは、この「ソウルポイント加算処理」を終了し、”YES”のときは、「ソウルポイント獲得数表示画面」を表示する(ST113)。
【0162】
図38(1)は、「ソウルポイント獲得数表示画面」の表示例を示す。”光”の文字が表示されている領域121には、属性”光”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ121aおよび数値によって表示される。”炎”の文字が表示されている領域122には、属性”炎”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ122aおよび数値によって表示されている。”地”の文字が表示されている領域123には、属性”地”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ123aおよび数値によって表示されている。”闇”の文字が表示されている領域124には、属性”闇”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ124aおよび数値によって表示されている。”風”の文字が表示されている領域125には、属性”風”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ125aおよび数値によって表示されている。”水”の文字が表示されている領域126には、属性”水”のソウルポイント獲得数がレベルゲージ126aおよび数値によって表示されている。
【0163】
ソウルポイントは、その獲得数に応じてレベルが1つずつ上がるように設定されており、そのレベルが上がったとき、主キャラクタは、後述の「フュージョンモンスター」と戦うことができる。ここで、「フュージョンモンスター」とは、主キャラクタが当該フュージョンモンスターを倒したことを条件にその主キャラクタに特殊な能力を与えるように設定された敵キャラクタである。この特殊な能力とは、主キャラクタがフュージョンモンスターそのものに変身できる能力である。
【0164】
図39は、フュージョンモンスターと戦う条件であるレベル(以下、「フュージョンレベル」という)を上げるために必要なソウルポイント数についての一例を示す。ここで、フュージョンモンスターには、ソウルポイントの属性に対応した6種類のフュージョンモンスター(光フュージョンモンスター、炎フュージョンモンスター、地フュージョンモンスター、闇フュージョンモンスター、風フュージョンモンスター、水フュージョンモンスター)が設定されている。
【0165】
この図39に示す例では、「炎フュージョンモンスター」と戦う条件であるフュージョンレベルを上げるために必要なソウルポイント数について示す。この場合、ソウルポイントの獲得数が”80”に達したときは、フュージョンレベルが”2”に上がり、そのレベルに応じた炎フュージョンモンスターと戦うことができる。ソウルポイントの獲得数が”300”に達したときは、フュージョンレベルが”3”に上がり、そのレベルに応じた炎フュージョンモンスターと戦うことができる。さらに、ソウルポイントの獲得数が”999”に達したときは、フュージョンレベルが”MAX”となり、そのレベルに応じた炎フュージョンモンスターと戦うことができる。このようにソウルポイントの獲得数に応じてフュージョンレベルが上がるが、このフュージョンレベルが上がるとフュージョンモンスターの攻撃力も増加するように設定されている。そして、フュージョンモンスターを倒したとき、主キャラクタは、その倒したフュージョンモンスターそのものに変身できる能力が得られる。
【0166】
従って、図38(1)の各レベルゲージ121a〜126aの上方に表示される数値は、現在のフュージョンレベルを示している。例えば、属性”光”のソウルポイント獲得数が表示されるレベルゲージ121aの上方には、「Level:3」と表示され、フュージョンレベルが”3”であることを示している。各レベルゲージ121a〜126aの下方に表示される数値は、「現在のソウルポイント獲得数/最大獲得数」を数値で示すものである。例えば、属性”光”のソウルポイント獲得数が表示されるレベルゲージ121aの下方には、「998/999」と表示され、現在のソウルポイント獲得数が”998”で最大獲得数が”999”であることを示している。
【0167】
なお、レベルゲージ121a〜126aのインジケータは、ソウルポイントが所定数に達しフュージョンレベルが上がったとき、右端位置に達するように設定されている。従って、フュージョンレベルが上がると、その後、レベルゲージ121a〜126aのインジケータはクリアされる。
【0168】
図38(2)に示す「ソウルポイント獲得数表示画面」の表示例では、”光”の文字が表示されている領域121に「Level Max」との文字が表示され、属性”光”のソウルポイント獲得数が最大獲得数の”999”に達し、光フュージョンモンスターと戦うことができる条件であるフュージョンレベルが”MAX”に上がったことを示している。また、この図38(2)に示す「ソウルポイント獲得数表示画面」において、”炎”の文字が表示されている領域122には「Level Up!」との文字が表示され、属性”炎”のソウルポイント獲得数が”300”に達し、光フュージョンモンスターと戦うことができる条件であるフュージョンレベルが”2”から”3”に上がったことを示している。
【0169】
フュージョンモンスターと戦うかどうかは、プレイヤによるコマンド選択で決定される。なお、このコマンド選択は、フュージョンレベルが上がったときのみ有効である。例えば、図38(2)に示すような「Level Up!」や「Level Max」といった文字が表示されれば、フュージョンレベルが上がったことが容易に認識できるので、プレイヤは次の戦闘シーンにおいて、所定のコマンドを選択することにより、フュージョンモンスターと戦うことができる。
【0170】
フュージョンモンスターとの対戦は、通常の戦闘シーンとは異なる「墓場」で行われる。フュージョンレベルが上がったとき、コマンドメニューに「フュージョン」コマンドが追加され、当該「フュージョン」コマンドを選択したとき、主キャラクタは「墓場」に導かれ、フュージョンモンスターとの対戦が可能となる。
【0171】
図40は、「墓場」がディスプレイ16に表示されたときの様子を示す。ここでは、6つの墓石131〜136が表示され、これらは、それぞれ各フュージョンモンスターに対応している。”光”の文字が描かれている墓石131は光フュージョンモンスターに対応し、”炎”の文字が描かれている墓石132は炎フュージョンモンスターに対応し、”地”の文字が描かれている墓石133は地フュージョンモンスターに対応し、”闇”の文字が描かれている墓石134は闇フュージョンモンスターに対応し、”風”の文字が描かれている墓石135は風フュージョンモンスターに対応し、そして、”水”の文字が描かれている墓石136は水フュージョンモンスターに対応している。
【0172】
そして、いずれかの墓石を選択すれば、その墓石に対応したフュージョンモンスターが現れ、主キャラクタは当該フュージョンモンスターとの対戦が可能となる。
【0173】
また、図40の表示例では、それぞれの墓石の高さが異なって表示されているが、これは、各属性のフュージョンレベルを示している。例えば、光フュージョンモンスターに対応した墓石131は、属性”光”のフュージョンレベルが”MAX”であることを示し、炎フュージョンモンスターに対応した墓石132は、属性”炎”のフュージョンレベルが”3”であることを示し、地フュージョンモンスターに対応した墓石133は、属性”地”のフュージョンレベルが”1”であることを示し、闇フュージョンモンスターに対応した墓石134は、属性”闇”のフュージョンレベルが”1”であることを示し、風フュージョンモンスターに対応した墓石135は、属性”風”のフュージョンレベルが”3”であることを示し、そして、水フュージョンモンスターに対応した墓石136は、属性”水”のフュージョンレベルが”2”であることを示している。
【0174】
図41は、「墓場」コマンドがプレイヤにより選択されたときに行われる「墓場コマンド処理」の手順を示す。まず、プレイヤにより墓石が選択されたかどうかを判定する(ST121)。ここで”YES”のときは、その墓石に対応するフュージョンモンスターとの対戦を行う条件(バトル条件)を満たしているかどうかを判定する(ST122)。バトル条件としては、「選択された墓石に対応する属性のフュージョンレベルが上がったばかりのものであること」あるいは「すでにフュージョンレベルが上がっており、その後フュージョンモンスターとの対戦が行われていないものであること」のいずれかである。
【0175】
ST122で”YES”のときは、選択されたフュージョンモンスターとの対戦を行う上記「バトル処理」を行う。バトル処理(図5)においては、武器テーブル(図26)にある武器を使用してフュージョンモンスターに攻撃を行うことができる。これに加え、主キャラクタはフュージョンモンスターに対し「撮影」も行うことができる。主キャラクタが一旦、「撮影」を行った場合には、その後、逃げたり、敗れたりすることによりフュージョンモンスターを倒すことができなくとも、このフュージョンモンスターに変身できる能力を得ることができる(図14)。
【0176】
バトル処理(図5)において、主キャラクタがフュージョンモンスターを倒して勝ったとき(ST124で”YES”)、あるいはフュージョンモンスターを撮影することができた(ST125で”YES”)ときには、そのフュージョンモンスターに変身できる能力(「フュージョンソウル」という)を当該主キャラクタの使用アイテムに追加する「パラメータ変更処理」を行う(ST125)。
【0177】
図42は、選択した墓石の後方から、その墓石に対応するフュージョンモンスター137が現れたときの様子を示す。
【0178】
図43は、主キャラクタがフュージョンモンスターを倒したとき、あるいはフュージョンモンスターを撮影したときに表示される「フュージョンソウル獲得画面」を示す。ここでは、ディスプレイ16上に「Get Fusion Soul!」との文字が表示され、その下には、獲得したフュージョンソウルの名称が表示される。この図43では、フュージョンソウルの名称として「イーリスの魂」と表示される。ここで、「イーリス」とはフュージョンモンスターの名称である。
【0179】
このように、主キャラクタがフュージョンソウルを獲得すれば、その後の戦闘シーンにおいて、当該フュージョンソウルを利用した攻撃が可能となる。具体的には、フュージョンソウル獲得後の戦闘シーンにおいて、コマンドメニューに獲得したフュージョンソウルの名称(上記の場合「イーリス」)がコマンドとして追加される。そして、当該コマンドが選択されることで、主キャラクタはフュージョンモンスターに変身することができる。
【0180】
フュージョンモンスターへの変身は、単に容姿が変化するだけでなく、フュージョンモンスターの持つ能力の全てが利用できるようになる。すなわち、主キャラクタはフュージョンモンスターそのものになることができるのである。また、一旦倒されるとフュージョンモンスターを含むモンスターは、主キャラクタが戦闘において召喚コマンドを選択することによって、主キャラクタに召喚され、その代わりとなって相手の敵キャラクタを攻撃する。
【0181】
ここで、モンスターにはフュージョンモンスターを含む様々な種類があり、それぞれの種類ごとに異なる能力が付与されている。図44には、各モンスターの種類ごとに付与されるデータを示すモンスターテーブルを示す。モンスターテーブルは初めDVD−ROM31に記憶されており、CPU21はこれを取り出しRAM23の所定領域に記憶する。モンスターテーブルには、各モンスターの種類ごとに、モンスターが主キャラクタに倒された後、主キャラクタに利用される場合における特殊能力、能力値及びジャッジメントリングに関するパラメータが割り当てられる。例えば図44に示すモンスターテーブルでは、モンスターAに対し、攻撃魔法5が割り当てられ、主キャラクタに利用される場合の能力値は87、タイミングエリアは先頭角度が45°、終端角度が315°、そして120%領域が31°であることを示す。
【0182】
次に、戦闘の際、主キャラクタについて撮影コマンドを選択すると実行される撮影コマンド処理(ST77)について説明する。撮影コマンド処理では、撮影の対象となる敵キャラクタクタであるモンスターの種類について、対応するモンスターテーブルのデータが、上述の図鑑テーブルにコピーされる。この撮影コマンド処理は、バトル処理においてモンスターを倒した場合における(ST40)モンスター図鑑にデータを保存する処理と同一内容の処理である。図45に図鑑テーブルを示す。図鑑テーブルには、撮影コマンドにより撮影を行ったモンスターの種類、特殊能力の種類、能力値及びジャッジメントリングに関するパラメータが割り当てられる。このパラメータはモンスターテーブルの各欄から複写される。モンスターテーブルのデータの図鑑テーブルへのコピーは、主キャラクタが戦闘においてモンスターを倒した場合のST40の処理においても行われる。図45に示す図鑑テーブルは、モンスターテーブルから読み出されたモンスターAについてのパラメータが記憶された例を示す。なお、モンスターテーブルのデータが図鑑テーブルにコピーされ利用可能となった場合には、戦闘中であっても画面に例えば「モンスターAが召喚可能となりました。」といった表示を行い、召喚コマンドによる利用が可能であることを報知してもよい。
【0183】
なお、撮影コマンドにより、モンスターのパラメータが図鑑テーブルに一旦格納されると、パラメータはその後継続して参照可能となる。したがって、主キャラクタが撮影を行った後で、戦闘から逃げたとしても(ST78)モンスターのパラメータは消滅せずに、参照可能となっている。このようにして、操作技量のレベルが低く、敵を倒すことが困難な初心者プレイヤであっても、モンスターに対し撮影コマンドを使用し、その後召喚コマンドを使用することにより、モンスターに付与される効果の高い技を利用してゲームを継続していくことができる。
【0184】
図鑑テーブルに記憶されたモンスターは、メニュー表示及びその処理(図4のST21)の中で、プレイヤからの操作による要求があった場合に、表示することができる。
【0185】
図46は、獲得されたモンスターを、メニュー表示の画面を使って表示する「メニュー表示処理」の処理を示す。まず、メニュー画面の表示がされ(ST131)、プレイヤが希望する情報や設定を選択させる。このメニューの選択枝には一般のメニュー以外に特殊メニューである、「図鑑表示」が含まれる。続いて、プレイヤにより「図鑑表示」が選択されたか否かを判定する(ST132)。ここで”YES”のときは、これまで、戦闘シーンにおいて倒したか、あるいは撮影をすることによって獲得したモンスターが記載されたモンスター図鑑を表示する(ST133)。図47に、モンスター図鑑が表示された時の画面を示す。画面には、獲得したフュージョンモンスターであるモンスターAの姿140が、その名前である「イーリス」の文字141とともに表示される。また、このモンスターのステータス143も表示される。モンスターのステータス143の内容としては、行動の際に用いることができる魔法の種類である能力、最大HP、最大MP、属性、倒した場合に得ることが出来る獲得金および獲得アイテムである。「図鑑表示」選択の判断(ST132)において”NO”のときは、図鑑表示以外の一般のメニュー処理を行う(ST134)。そしてこの後、メニュー表示処理を終了する。このようにして、過去に撮影したか、または、倒したかによって獲得したモンスターは、モンスター図鑑に表示される。
【0186】
主キャラクタが戦闘を行う際には、モンスター図鑑に表示されるモンスターを召喚し、召喚されたモンスターの魔法攻撃能力を利用して、敵キャラクタを攻撃する行動を取ることができる。すなわち、コマンド処理(図14)において、”主キャラクタD”150が選択可能なキャラクタとなっている場合に召喚コマンドが選択されると(図14のST71において”YES”)、図鑑テーブルに記憶されるモンスターAに属する攻撃魔法5の能力値のパラメータがRAM23に設定される(ST72)。そして、これに続くジャッジメント処理(ST74)でRAM23に設定されたパラメータに基づいて、行動相手である敵キャラクタのダメージ量が算出される。このように、”主キャラクタD”150による行動を、図鑑テーブルに記憶されたモンスターAのパラメータを用いて行うことができる。召喚コマンドが選択された場合には、演出表示の処理(図15、ST86)において、モンスターが画面上に表示されて敵キャラクタの行動を行う。図48に、召喚コマンドが選択された場合の画面の表示例を示す。ここでは、”主キャラクタD”150が選択可能なキャラクタとなっているが、その代わりに”モンスターA”152が画面に現れて”敵キャラクタA”114に対し行動を起こす。召喚されたモンスターは、行動が終了した後消える。なお、この召喚コマンドにおいて召喚可能なモンスターは、パラメータが図鑑テーブルに記憶されたもののすべてではなく、その一部に限定してもよい。例えば、行動の能力が一定の値よりも高い、利用価値のあるモンスターだけが召喚可能である。この処理は、ST72の図鑑テーブルをセットする処理の際に、図鑑テーブルの能力値が所定の値よりも大きい場合にのみテーブルをセットすることにより行うことができる。
【0187】
[HP表示処理]
上述の通り、モンスターが獲得されそのパラメータがモンスター図鑑に載ると、そのモンスターが主キャラクタの行動の際に召喚により利用される。そしてこの場合には、獲得された種類のモンスターが戦闘相手として再び現れた際に、モンスターに属する情報を表示することができる。
【0188】
図49に、モンスターが図鑑に載った場合に、このモンスターのHP情報を戦闘中に表示するHP表示処理を示す。まず、HP表示処理では、特定キャラクタが戦闘に参加しているかどうか判定される(ST138)。主キャラクタの中には、戦闘中に戦闘相手のモンスターの情報を表示させる能力を持った特殊なものがある。例えば、通常であれば、行動を決定するまで知ることのできない戦闘相手のモンスターの情報を暴き出す能力を持った”主キャラクタD”150(図47)が存在する。ST138においてはこの”主キャラクタD”150が戦闘に参加しているかどうか判定する。そして、”主キャラクタD”が戦闘に参加している場合には(ST138において”YES”)、次に、行動の対象となっているモンスターが図鑑に保存されているかどうかを判断する(ST139)。ここで、モンスターが図鑑に保存されているものであると判断したときには(ST139でYES)、次に属性表示が設定されているかどうか判断する(ST140)。この属性表示は、”主キャラクタD”150について敵キャラクタの属性を表示させるための技を選択することにより設定される。ここで、”YES”である場合には、属性表示処理(ST141)を行い、”NO”である場合には最大HP/残りHP表示処理(ST142)を行う。このようにして、主キャラクタDが戦闘に参加している場合にのみ、その特典としてHPの表示がされる。
【0189】
図50に、最大HP/残りHP表示処理(ST142)によって、モンスターについての最大HPおよび残りHPが表示されている画面の例を示す。ここでは主キャラクタとして、”主キャラクタA”111、”主キャラクタB”112、および”主キャラクタC”113の他に、戦闘相手のモンスターの情報を暴き出す能力を持った”主キャラクタD”150が表示され、戦闘に加わっている様子が示される。そして、”敵キャラクタA”114の付近には”敵キャラクタA”114のHP152が現在値と最大値のそれぞれについて表示される。また、敵キャラクタB”115のHP115、”敵キャラクタC”116のHP154についても同様である。このように敵キャラクタのHPが表示されることにより、プレイヤは戦闘において相手が倒しやすいものかどうか、また、倒すのにどれだけの手間がかかるのかを事前に知ることができる。例えば、図50には、”敵キャラクタA”114のHPの現在値は18であり、”敵キャラクタC”116のHPの現在値は81であることが表示されている。この表示により、プレイヤは、”敵キャラクタA”114を倒すのは容易であるが、”敵キャラクタC”116を倒すには、手間と時間がかかり、主キャラクタの行動力を高めてから行動した方がよいことが分かる。また、モンスターには、倒された場合に、主キャラクタの側のHP、MPまたはSPを増加させる特別な利益、すなわちアイテムを持ったモンスターがある。このモンスターが戦闘に参加している場合に、”主キャラクタD”150も戦闘に参加していることにより、この特別な利益(アイテム)を表示させ、主キャラクタが特に注力して倒すべき相手を判断しやすくすることができるのである。
【0190】
この表示場面においては、選択マーク43の表示を伴いコマンド選択が有効となっているキャラクタは”主キャラクタA”111である。すなわち、行動するのは”主キャラクタD”150ではなく”主キャラクタA”111である。しかし、”主キャラクタD”150が戦闘に参加していると、このキャラクタに対するコマンド選択が有効でなくとも敵キャラクタの情報が暴き出され、味方である主キャラクタ全ての行動決定に際し利益を与える。このようにして、”主キャラクタD”150が戦闘に参加する場合に、相手の情報表示をいう特典が付与されるのである。プレイヤは主キャラクタのメンバーとして、”主キャラクタD”150が戦闘に参加することの期待感をもってゲームを進行させる。
【0191】
図51に、属性表示処理(ST141)によって、モンスターについてのHPが、MP、属性とともに表示されている画面の例を示す。ここで、”敵キャラクタA”114の付近には”敵キャラクタA”114の最大HP、最大MP、属性の現在値156が表示される。また、”敵キャラクタB”115、”敵キャラクタC”116についても同様である。このように敵キャラクタのHPのみならずMP、属性とともに表示されることにより、プレイヤは戦闘において相手の弱点は何なのか事前に知ることができる。
【0192】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、プレイヤが操作するコントローラ4は、装置本体1と一体に設けてもよい。
【0193】
更に、本発明は、プレイヤが操作可能な操作部と、画像及び音声を表示する表示部と、ゲームプログラムを格納する記憶部と、上記ゲームプログラムに従って制御処理を実行する制御部とを一体に具備した携帯型ゲーム装置、或いはデスクトップ型のゲーム装置にも同様に適用できる。
【0194】
更に、上記ゲームプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたサーバ装置に格納し、パーソナルコンピュータや携帯電話あるいは携帯情報端末(PDA)等から当該サーバ装置に接続してゲームが行える、いわゆるネットワークゲームにも適用できる。
【0195】
一例として図52のネットワークゲームシステムを用いて説明する。このネットワークゲームシステムでは、上述のゲームを行う端末としての携帯電話53A,53B,53Cは、基地局52A,52Bを介して、例えばパケット通信が可能なPDC網51に接続し、プレイヤの操作やゲーム状態に応じて、このPDC網51を介して情報センタ55にアクセスする。情報センタ55は、携帯電話53A,53B,53Cからの要求に応じて、ゲームプログラムのほかゲームに必要なデータ等が記憶されているサーバ57A,57Bからインターネット56等のネットワークを介して種々の情報を取得し、携帯電話53A,53B,53Cにゲームに必要な情報を送信する。なお、図52のサーバ58のように、ゲームデータ等が記憶されているサーバをインターネット56等のネットワークを介さずに特定もしくは専用の通信回線60で情報センタ55と接続するようにしてもよい。
【0196】
プレイヤがゲームを実行する方法としては、ゲーム開始前に、予めサーバ57A,57Bからゲームプログラムを携帯電話53A,53B,53Cにダウンロードしておき、当該ゲームプログラムの実行を携帯電話53A,53B,53C本体で行う。この他、ゲームプログラムの実行は携帯電話53A,53B,53Cからの命令に従ってサーバ57A,57B上で行い、そのゲーム内容を携帯電話53A,53B,53Cで閲覧するようにした、いわゆるブラウザのような役割を携帯電話53A,53B,53Cに受け持たせるような方式など、様々な方式が考えられる。また、PDC網51を用いて携帯電話を相互接続し、プレイヤ同士で本ゲームシステムを共有し、又は対戦できるようにしてもよい。
【0197】
なお、本実施形態の撮影コマンド処理および召喚コマンドに対応する図鑑テーブルにおいては、モンスターの中にフュージョンモンスターが含まれ、フュージョンモンスターも撮影および召喚することが可能である。しかし、フュージョンモンスターは、撮影コマンドを適用することができない特別な種類のモンスターとして、図鑑テーブルに登録されるモンスターには含まれないこととしてよい。
【0198】
また、モンスターテーブルに記憶されている各モンスターの能力の種類は攻撃魔法である。しかし、各モンスターの能力としては攻撃魔法に限らず、用いられたときに他の主キャラクタのHP、MPを回復する回復魔法または、ステータスの回復を行うための、ステータス系魔法でもよい。
【0199】
また、撮影コマンドの処理としては、撮影コマンドが選択された場合無条件に、モンスターのデータが図鑑テーブルに記憶される。しかし、モンスターのデータを図鑑テーブルに記憶させるための条件としては、撮影コマンドの選択により無条件に行うことに限らなくともよい。例えば、撮影コマンドの選択後、ジャッジメントリングと回転バーの表示を行い、回転バーがジャッジメントリングの各エリアに対応するタイミングでのコントローラの操作が全て成功した場合に、対象となるモンスターのパラメータをモンスターテーブルから図鑑テーブルへと転送するものであってよい。このことにより、撮影コマンド実行の成否にプレイヤの操作技術が関わることとなり、技術介入によるゲームの興趣が高まる。
【0200】
また、召喚コマンドが選択された場合に、召喚可能なモンスターとしては図鑑に記憶されたもの全てでなく、能力値によって限定されてよいとした。しかし、この限定は、各モンスターに属する他のパラメータを用いるものであってもよい。例えば、各モンスターごとに、敵との対戦遭遇率を示すエンカウント率パラメータを設定し、このエンカウント率が1%以下のモンスターのみ召喚コマンドの処理に用いることができるとしてよい。このことにより、普段は出現する頻度が低いモンスターを、召喚コマンドによる処理において多用することができる。
【0201】
【発明の効果】
本発明によれば、キャラクタが本来持っていない特別技を、特別技パラメータを参照して使用できるとともに、特別技の付与が所定の操作入力により行われるため、特別の手間をかけなくとも特別技が取得可能となる。したがって、キャラクタのレベルに関係なく、特別技が使用可能となり、行動のバリエーションが増え、特別技を収集する楽しみが付加される。また、ゲームに対する興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をゲーム装置に適用した場合の全体構成を示す図。
【図2】図1のゲーム装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】タイトル画面及びワールドマップの表示例。
【図4】メインゲーム処理の手順を示すフローチャート。
【図5】バトル処理の手順を示すフローチャート。
【図6】戦闘シーンの開始画面を示す図。
【図7】WP減算処理の手順を示すフローチャート。
【図8】主キャラクタA及び主キャラクタBのキャラクタ個別能力について示す図。
【図9】コマンド選択画面を示す図。
【図10】コマンド受付処理の手順を示すフローチャート。
【図11】キャラクタ暴走処理の手順を示すフローチャート。
【図12】キャラクタ暴走処理が実行されたときの表示例。
【図13】キャラクタ暴走処理が実行されたときの第2の表示例。
【図14】コマンド処理の手順を示すフローチャート。
【図15】ジャッジメント処理の手順を示すフローチャート。
【図16】対象キャラクタ選択画面を示す図。
【図17】コマンド決定時の表示画面を示す図。
【図18】回転バーが第1タイミングエリア上を通過するときに○ボタンの操作がされたときの様子を示す図。
【図19】回転バーが第2タイミングエリア上を通過するときに○ボタンの操作がされたときの様子を示す図。
【図20】回転バーが第3タイミングエリア上を通過するときに○ボタンの操作がされたときの様子を示す図。
【図21】タイミングエリア上での○ボタンの操作を失敗したときの様子を示す図。
【図22】全てのタイミングエリア上で○ボタンが成功したときの回転バーの回転停止後の様子を示す図。
【図23】主キャラクタAが敵キャラクタAに対し攻撃を行っている様子を示す図。
【図24】主キャラクタAが敵キャラクタAに対する攻撃を終了し元の位置に戻ったときの様子を示す図。
【図25】ジャッジメントリング決定処理の手順を示すフローチャート。
【図26】武器テーブルを示す図。
【図27】敵キャラクタの相手ダメージ量を算出する際の計算式を示す図。
【図28】コマンド決定時に表示されるジャッジメントリングの表示態様を示す図。
【図29】コマンド決定後のジャッジメントリングの表示態様を示す図。
【図30】120%領域の別の例を示す図。
【図31】特殊テーブルを示す図。
【図32】攻撃魔法を使用したときの相手ダメージ量を算出する計算式及び回復魔法を使用したときの回復値を算出する計算式を示す図。
【図33】アイテムテーブルを示す図。
【図34】ジャッジメントリング補正パラメータテーブルを示す図。
【図35】ジャッジメントリング判定処理の手順を示すフローチャート。
【図36】ソウルポイント加算処理の手順を示すフローチャート。
【図37】ソウルポイントテーブルを示す図。
【図38】ソウルポイント獲得数表示が面を示す図。
【図39】フュージョンレベルを上げるために必要なソウルポイント数についての一例を示す図。
【図40】墓場が表示されたときの様子を示す図。
【図41】墓場コマンド処理の手順を示すフローチャート。
【図42】墓場にフュージョンモンスターが現れたときの様子を示す図。
【図43】フュージョンソウル獲得画面を示す図。
【図44】モンスターテーブルを示す図。
【図45】図鑑テーブルを示す図。
【図46】メニュー表示処理の手順を示すフローチャート。
【図47】モンスター図鑑の画面を示す図。
【図48】主キャラクタAが召喚により攻撃を行っている様子を示す図。
【図49】HP表示処理の手順を示すフローチャート。
【図50】HP表示処理により、敵キャラクタのパラメータが表示されたことを示す図。
【図51】HP表示処理により、敵キャラクタのパラメータが表示されたことを示す図。
【図52】ネットワークゲームシステムの構成を示す図。
【符号の説明】
1 装置本体
4 コントローラ
15 表示装置
Claims (4)
- プレイヤによって操作可能な操作手段およびパラメータを記憶可能な記憶部を備え、既存のまたは別途設けた表示装置の画面上に複数のキャラクタを表示し、前記操作手段からの操作入力に応じて前記複数のキャラクタのいずれかに対する行動形態を決定し前記画面上でゲームを進行するコンピュータにより実行可能なゲームプログラムであって、
コンピュータを、前記操作手段からの所定の操作入力により、前記行動形態が決定されるキャラクタとは別のキャラクタに属する技のパラメータを特別技パラメータとして記憶部に記憶する特別技付与手段、
前記操作手段からの操作入力に応じて、前記記憶部に記憶された特別技パラメータを用いる前記キャラクタの行動形態を決定する行動形態決定手段、として機能させるためのゲームプログラム。 - 請求項1記載のゲームプログラムであって、
前記行動形態決定手段が行動を決定するキャラクタを所定の順序で選択するように前記コンピュータをさらに機能させ、
前記行動形態決定手段は、前記特別技付与手段により特別技パラメータが記憶された後以降、前記選択がされたキャラクタについて特別技パラメータを用いることが可能であるように前記コンピュータを機能させるゲームプログラム。 - プレイヤによって操作可能な操作手段と、既存のまたは別途設けた表示装置の画面上に複数のキャラクタを表示し、前記操作手段からの操作入力に応じて前記複数のキャラクタのいずれかに対する行動形態を決定し前記画面上でゲームを進行させる装置本体と、を備えたゲーム装置であって、
前記装置本体は、キャラクタのパラメータを記憶する記憶手段と、
前記操作手段からの所定の操作入力により、前記行動形態が決定されるキャラクタとは別のキャラクタに属する技のパラメータを特別技パラメータとして記憶部に記憶する特別技付与手段、
前記操作手段からの操作入力に応じて、前記記憶部に記憶された特別技パラメータを用いる前記キャラクタの行動形態を決定する行動形態決定手段と、を有することを特徴とするゲーム装置。 - プレイヤによって操作可能な操作手段およびパラメータを記憶可能な記憶部を備えるとともに、既存のまたは別途設けた表示装置の画面上に複数のキャラクタを表示し、前記操作手段からの操作入力に応じて前記複数のキャラクタのいずれかに対する行動形態を決定し前記画面上でゲームを進行するコンピュータにより実行可能なゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
コンピュータを、前記操作手段からの所定の操作入力により、前記行動形態が決定されるキャラクタとは別のキャラクタに属する技のパラメータを特別技パラメータとして記憶部に記憶する特別技付与手段、
前記操作手段からの操作入力に応じて、前記記憶部に記憶された特別技パラメータを用いる前記キャラクタの行動形態を決定する行動形態決定手段、として機能させるためのゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体。
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JP7491977B2 (ja) | 2022-10-26 | 2024-05-28 | 任天堂株式会社 | ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置、およびゲーム処理方法 |
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