JP2005006737A - アミノ酸含有薬液入りプラスチック容器の安定な保存用包装体 - Google Patents

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Junko Matsuda
純子 松田
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Abstract

【解決手段】酸化分解を受けるアミノ酸含有薬剤を医療用プラスチック容器に入れ密封し、これをガス非透過性包装材料で減圧包装する。
【効果】ガス非透過性の包装体で減圧包装することにより、L−システインなどアミノ酸を含有する薬液の初期含量低下を抑制することが可能となった。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用プラスチック容器を用いる場合のL−システイン、グリシン、グリチルリチン酸を含有する薬液の溶解・調製方法を簡易化し、かつ当該薬液含量の、初期低下を抑制することが可能な包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、L−システイン、グリシン、グリチルリチン酸を含むアミノ酸含有薬液は、抗アレルギー性肝疾患治療剤として、慢性肝疾患における肝機能異常の改善や、湿疹、皮膚炎、蕁麻疹、皮膚掻痒症などの治療に広く用いられている。そして、このものは一般にガラス製のアンプルやバイアル瓶に充填されて市販されている。
【0003】
アンプルやバイアル瓶はガラス製容器であるために重い上に破損しやすく、ガラス製アンプルの開封時などは、ガラス微細片の薬液への混入や手指を傷めることがあり、薬液にアルカリを含む場合、ガラスフレークの発生が懸念される。さらには使用済み容器の廃棄処理においても手間がかかるという欠点があった。かかる問題点の解決法として、ガラス製容器に比して軽量で破損の恐れがない医療用のプラスチック容器が提案され、製品が取扱いやすくなり、使用後の焼却処分も容易となるものである。
【0004】
ところで、一般的にアミノ酸溶液は熱、光、酸素等の影響により経時的に不安定であることが知られており、アミノ酸輸液の場合、酸化防止のため種々の工夫や努力がなされた。薬液への抗酸化剤の添加は気管支痙攣やアナフィラキシーショックと言った副作用に至ったり、加熱滅菌の工程においては急速な含量低下をはじめ異臭を発生させたり、沈殿を生じたりと問題も持ち込んだ。
【0005】
この様な問題を避けるためアミノ酸成分そのものを細かく規定し、脱酸素剤の包装体内への配置の場合でも薬液成分としてのシステインをさけたり(特開平7−89856)、システインを含む場合は、硫化水素吸着剤を脱酸素剤とともに包装体内に配置するものがある(特開平7−61925)。
【0006】
更に、アミノ酸配合注射液の結晶析出又は、酸化分解に対して、充填容器内のヘッドスペースを小さくする事により防止する(特開平10−286299)、あるいは、二次包装容器内に脱酸素剤とともにアミノ酸輸液剤を充填した一次包装容器を収納する(特開昭63−275346)等の報告がなされている。
【0007】
しかし、これらの方法では脱酸素剤が包装体内に存在する酸素を除去するまでの期間、酸化分解が進行し、初期の含量低下を抑制することは難しいものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、当該溶液の溶解・調製の段階で溶液中の溶存酸素を除去する操作を行ったものを、医療用プラスチック製容器に充填し、容器内の空間部分を不活性ガスで置換した後、密封し、直ちにガス非透過性の包装体に収容後、包装体内を減圧包装することにより、当該薬液の含量初期低下を抑制するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、L−システインなどのアミノ酸含有薬液であっても、酸化防止のための添加剤の選択や、含有アミノ酸の種類、亜硫酸塩の存在等の制限に煩わされることがない。また、溶解・調製時の溶存酸素の除去、容器内空間部分の不活性ガス置換を行い密封し、ガス非透過性の包装体で減圧包装することで、当該薬液含量の初期低下を抑制し、安定した包装体が得られることを見いだし、この知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
【0010】
本発明によれば、ガス非透過性の包装体内を減圧することにより、医療用プラスチック製容器の保管状態は、実質上微量酸素状態とせしめることができ、当該薬液の含量の初期低下を抑制可能となるものである。
【0011】
本発明に使用されるアミノ酸含有薬液とは、特にL−システインである。この化合物を含有する薬液の化合物濃度は、用途・用法により適宜求められ、また、他の電解質や薬剤を配合してもよい。当該薬液を密封するための医療用プラスチック製容器の材質は、医薬品収納用という性格から安全性が高いものであって、かつ、液体を通さないガス透過性の容器であれば特に制限はないが、好ましくは、一般にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性合成樹脂である。
【0012】
かかる医療用プラスチック製容器を包み込むためのガス非透過性の包装体は、ガスバリアー特性を示し、かつ液体非透過性であれば、いずれのものでもよい。例えば、内層/低密度ポリエチレン、中間層/エチレン・ビニルアルコール共重合体および外層/ナイロンからなる積層体が包合されたものや、また内層/低密度ポリエチレン、中間層/ナイロンおよび外層/酸化珪素蒸着ポリエステルからなる積層体が包合されたもので、内容物の確認ができる程度の透明性を有することが望ましいが、積層体フィルムはアルミ箔やアルミ蒸着フィルムをコートされたものでも良い。
【0013】
次に、実施例、比較例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。
【0014】
【実施例1】
グリチルリチン酸モノアンモニウム204g、グリシン2000gおよびL−システイン77gを溶解して100Lとし、メンブランフィルターでろ過した。ろ液を内容量20mLのポリエチレン製注射剤容器に充填(無菌充填システムであるブローフィルシール機:u.s.Automatic Liquid Packaging社製)し、容器内の空間部分を窒素で置換し、密封した後、このプラスチック容器を内層/低密度ポリエチレン、中間層/エチレン・ビニルアルコール共重合体、外層/ナイロンの積層体からなるガス非透過性包装体内に収納し、減圧包装した。
【0015】
【比較例1】
減圧包装する点を除き、実施例1と同様にして製造した。
【0016】
【定量試験】
以上のようにして得られた包装体を40℃75%R.H.の条件下で保存した後、含量の変動を調べる目的で、L−システインの定量試験を行った。製造直後の値を100.0%として、経時間における含量の結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
Figure 2005006737
【0018】
表1の結果によれば、包装体内の薬物含有量に関し、本発明の包装体であるガス非透過性の積層体で減圧包装した実施例1が、従来法である比較例1の脱気包装しないものと比較して、含量の初期低下が改善され、本発明である安定な保存用包装体として有効であることが証明された。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、L−システインなどのアミノ酸を含有する薬液を医療用プラスチック製容器の形態で初期の含量低下を抑制することは、ガス非透過性の包装体で減圧包装することにより成功することができたのである。
【0020】
また、本発明によれば、医療用プラスチック製容器を用いるので、ガラスアンプルのカット時に発生する薬液へのガラス微細片の混入がなく、かつ、軽量で破損の恐れも少なく、しかもガラス製アンプルの開封時における手指を傷めることがないなど取扱いに便利であるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考的な本発明のガス非透過性包装体の側面図である。
【符号の説明】
1 アミノ酸含有薬液の医療用プラスチック製容器
2 ガス非透過性包装体(減圧部)
3 ヒートシール部

Claims (4)

  1. 酸化分解を受けるアミノ酸含有薬液を充填した医療用プラスチック容器を、ガス非透過性包装材料で減圧包装することを特徴とするアミノ酸含有薬液の包装体。
  2. 医療用プラスチック容器を脱酸素剤とともにガス非透過性包装材料で減圧包装したものである請求項1記載のアミノ酸含有薬液の包装体。
  3. ガス非透過性包装材料の酸素透過度が0〜3cc/m2・day・atm(25℃、50%R.H.)である請求項1または2記載の包装体。
  4. アミノ酸含有薬液のアミノ酸成分がL−システイン、グリシンである請求項1または2記載の包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022203029A1 (ja) * 2021-03-24 2022-09-29 大日本印刷株式会社 液体入り組合せ容器、容器セットおよび液体入り容器の製造方法
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