JP2005006151A - 非線形フィルタ回路 - Google Patents

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誠 中村
Hideyuki Nosaka
秀之 野坂
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Abstract

【課題】従来の非線形フィルタでは、伝送速度を10Gbit/s以上の高速にした場合、フィルタ回路を構成している各回路の遅延時間がフィルタの仕様遅延量よりも大きくなる場合があった。また、フィードフォワード型の線形フィルタでは雑音が加算されS/Nが劣化する問題があった。このため、これらの問題を解決した高速動作が可能な非線形フィルタの実現が課題となっていた。
【解決手段】本発明においては、入力データを先ず分岐し、一方の分岐線を減算器の一方の入力に接続し、他方の入力データを第1の識別器、遅延回路、信号に重み付けを行う乗算器を順次経由して上記減算器の他方の入力に接続する基本構成としている。さらに変形として、減算器出力側に第2の識別器を接続する構成、遅延線と乗算器の組み合わせを多段に接続する構成等についても開示している。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル信号伝送方式の受信回路において、波形等化を行う非線形フィルタに関するものである。特に本願は、光ファイバの偏波分散等により生じる符号間干渉を電気的に補償する非線形フィルタに関するもので、具体的には、光伝送システムにおいて光受信回路の構成回路である等化回路として適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平06−252702号公報
【非特許文献1】“PMD mitigation 10Gbit/s using linear and nonlinear integratedelectronic equalizer circuits”, H. Bulow, F. Buchali, W. Baumert, R. Ballentin and T. Wehren, IEEE Electronics Letters, 20th Jan., 2000, Vol.36, pp.163−164, Fig.1.
【非特許文献2】”Electric Equalization of PMD and Chromatic Dispersion InducedDistortion After 100km Standard Fiber at 10Gbit/s”, D. Schlump, B. Wedding, and H. Bulow, ECOC’98, 20−24 Sep., 1998, Technical Digest, pp. 535−536, Fig.2.
光伝送方式では、伝送媒体である光ファイバーによる偏波分散による群遅延時間により信号伝達後の受信信号には符号間干渉、波形歪が生じる。特に、伝送速度の高速化、分散値の大きなMMF(Multi−Mode Fiber)化においては、この偏波分散の影響が大きい。この符号間干渉、波形歪を取り除くために、非線形フィルタである判定帰還型等化器(DFE:Decision Feedback Equalizer)が従来用いられてきた。
【0003】
従来の非線形フィルタの構成を図9に示す。このフィルタは減算器1、乗算器2、遅延回路(Delay)3、識別器(DEC)4で構成されている。図10に、図9に示した従来の非線形フィルタ回路(DFE)の基本動作を示す。原信号“Source Signal”に対し、光ファイバを透過することにより偏波分散(PMD:Polarization−Mode Dispersion)が生じる。すなわち、受信回路の入力データ(図10における“Signal with PMD”)は図11に示すように偏波モードによる群遅延tgにより原信号Soとそれに対して遅れた信号Sdとに分かれる。光電変換装置(O/E)10で光信号を電気信号に変換することにより、電気信号としてはSOEおよびSDEの互いに時間のずれを生じた波形となる。これが偏波分散で、この偏波分散は例えば図10における“入力データ(Signal with PMD)”に示すような符号間干渉を受けた波形になる。この干渉波形(図中斜線部)を取り除くために、フィルタ回路が用いられる。
【0004】
図9に示したような従来のフィードバック型構成の非線形フィルタ回路では、入力データを識別器(DEC)4においてクロック周期(図10のCLKの位置)で一旦“1”、“0”の判別を行い、その信号を遅延(通常伝送速度の1周期T)させ、乗算器2において重み係数“Tap Weight”Cにより重み付けを行った“Delay+乗算器出力”すなわち歪成分(斜線部)と同程度の波形として入力側の減算器1にフィードバックして、入力データ(Signal with PMD)から減算することにより干渉波形を取り除く。
【0005】
しかしながら、上記従来回路において伝送速度が、例えば10Gbit/sを越えて高速になるとフィルタ回路を構成する各回路自身の内部遅延時間の影響により正常に動作できなくなる。すなわち、フィルタを構成する各回路は実際にはそれぞれ遅延時間があり、このフィルタを構成している各回路自身の遅延時間が遅延回路3の遅延時間(上記、通常伝送速度の1周期T)に加算される。遅延回路の遅延時間をtDelayとし、各回路のそれぞれの回路遅延時間を△tDEC(識別器)、△tMIX(乗算器)、△tSUB(減算器)とすると、全遅延時間TDelay_Allは、
Delay_All=tDelay+△tDEC+△tMIX+△tSUB (1)
となる。ここで、各回路のみによる遅延時間の合計texcessは、
excess=△tDEC+△tMIX+△tSUB (2)
である。各回路の遅延時間texcessが例えば10Gbit/s以上の高速では遅延時間tDelayに比べて無視できない程の大きな場合、この遅延時間texcessを考慮する必要が生じる。
【0006】
特に、tDelayを0としても、texcessが全遅延時間として設定した時間Tを超えてしまう場合、間題となる。すなわち、
Delay_All=texcess > T (3)
の場合である。通常のフィードバック型における非線形フィルタの場合、この遅延時間の設定時間Tはデータ速度の1周期である。この場合の最高動作速度“Operation−SpeedMAX”は、
Operation−SpeedMAX=1/TDelay_All (4)
で与えられる式で制限される。
【0007】
図12に、上述の場合(texcess > T)のタイミングチャート例を示す。本来は図10に示すように、入力データに重畳するPMD(斜線部)が減算器出力で相殺される筈が、texcess > Tでは図12に示すように信号が存在しないタイミングで減算を行うことになるため逆に波形を崩してしまう(図10及び図12の最下段参照)。
【0008】
一方、従来技術としてフィードバックを使用しない等化器にトランスバーサル・フィルタがある。トランスバーサル・フィルタは、帰還ループをもたないため判定帰還型等化器のように帰還ループの遅延時間が動作速度を制限するという間題はないが、線形加算型フィルタのため雑音を加算してしまうという間題がある。図13(a)に、一般的なトランスバーサル・フィルタの構成図を示す。遅延回路31〜3n、乗算器20〜2n、加算器9から構成され、遅延回路31乃至3nにおいてそれぞれ時間T〜T×nづつ遅延させた複数の信号に乗算器20〜2nで重み付け(B〜B)を行い加算器9で加算することにより、波形等化を行う。ただし、乗算器20には遅延を与えない(T)信号を入力している。
【0009】
図13(b)に、雑音加算の概念図を示す。加算器9の入力信号(図中▲1▼、▲2▼)に重畳した雑音(図で線幅が少し広い部分)が、加算器9で足し合わされるため雑音が増加してしまう。図に示した例について、加算器入力波形1(図中▲1▼)の信号をs(t)+|n|、加算器9の入力波形2(図中▲2▼)の信号をs(t)+|n|とすると、出力波形(図中▲3▼)s(t)は、
(t)=(B・s(t)−B・s(t))+|n|・(|B|+|B|) (5)
となる。雑音はランダムな確率密度の和になるため、重み付けの係数が“負”になったとしても絶対値和を求めることになり、雑音が増加する。これにより、信号雑音比(S/N)が劣化するため結局受信感度の劣化につながる。
【0010】
以上述べたように、従来回路では、高速伝送に適用するためには構成回路自身の遅延時間により動作速度の上限が決められてしまうという間題があり、さらに例えば10Gbit/sを越えて高速動作させるためにはこの回路遅延時間が小さな素子すなわち高価な高速デバイスを用いる必要があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の非線形フィルタでは、伝送速度を例えば10Gbit/sを越えて高速化した場合、フィルタ回路の重要なパラメータである遅延時間がフィルタを構成している各回路自身の遅延時間により所定の遅延量よりも大きくなってしまう場合があった。従来のDFE回路は帰還構成のためこの遅延量により動作速度が制限され高速化が困難という問題を有する。さらに、従来のトランスバーサルフィルタのようなフィードフォワード型線形フィルタでは雑音が加算されS/Nが劣化し受信感度が悪くなるという間題を有していた。
【0012】
本発明の目的は以上の間題を解決し、例えば40Gbit/s,100kmの光ファイバ伝送による偏波分散補償に適用できる、高速動作が可能な非線形フィルタを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1においては
入力データを入力端子直後で分岐し、該分岐した一方の入力信号を第1の入力信号として減算器の第1の入力端子に接続し、該分岐した他方の入力信号を第2の入力信号として符号識別、遅延、重み付けの各処理を施した信号を前記減算器の第2の入力端子に接続し、前記減算器において第1の入力端子の入力信号から前記減算器における第2の入力端子の入力信号を減算する構成の非線形フィルタ回路であって、前記第1の入力信号を、前記減算器の第1の入力端子に接続し、前記第2の入力信号を、第1の識別器に接続し、前記第1の識別器の出力を前記第1の遅延回路に接続し、さらに前記第1の遅延回路の出力を係数が外部から与えられている前記乗算器に接続し、前記乗算器の出力を前記減算器の第2の入力端子に接続した構成の非線形フィルタ回路について規定している。
【0014】
請求項2においては、請求項1に記載の非線形フィルタ回路において、前記識別器としてスライサを使用した非線形フィルタ回路について規定している。
請求項3においては、請求項1または請求項2に記載の非線形フィルタ回路において、前記減算器の出力に第2の識別器を接続した非線形フィルタ回路について規定している。
請求項4においては、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の非線形フィルタ回路において、前記第1の入力信号の経路となっている入力端子と前記減算器の第1の入力端子との間に第2の遅延回路を接続した非線形フィルタ回路について規定している。
請求項5においては、請求項4に記載の非線形フィルタ回路において、前記第1の遅延回路の出力を入力とする第3の遅延回路ならびに、該第3の遅延回路出力に重み付けをする第2の乗算器を接続し、さらに、該第3の遅延回路出力に前記遅延回路と乗算器との組み合わせと同じ回路構成をn個接続し、前記乗算器の全ての出力を入力とする加算器に接続し、該加算器の出力端子を上記減算器回路の第2の入力端子に接続した非線形フィルタ回路について規定している。
【0015】
請求項6においては、請求項1乃至請求項5に何れかに記載の非線形フィルタ回路において、当該フィルタ回路の入力側にさらに線形フィルタ回路を接続した非線形フィルタ回路について規定している。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る第1の実施の形態である非線形フィルタ回路の具体的な回路例を示す回路構成図である。本非線形フィルタ回路は図1に示すように、減算器1、乗算器2、遅延回路3、識別器4、第2の識別器5、減算器1における第1の入力端子6および減算器1における第2の入力端子7で構成されている。
入力データ(Data)を入力端子直後で分岐し、データを遅延させるパスを別に設けることにより、従来の遅延パスをフィードバックループ内で構成した回路に比べ減算器1の遅延時間分早くすることができる。なお、識別器4の代わりにスライサーを用いた場合には、クロック信号の印加を省略でき、回路構成を簡単にすることができる。
【0017】
図2に、図1に示す回路の動作を説明するタイミング図を示した。光の送信側の原信号を“Source Signal”としてNRZ(Non−Return−to−Zero)の方形波信号を入力する場合を想定すると、光ファイバーの偏波分散等により符号間干渉が生じ受信回路(O/E;図11参照)の“入力データ”(Signal with PMD)では、斜線部のような干渉信号が生じている。この斜線部を取り除くために、入力信号を分岐し、分岐した一方の信号を識別器(DEC1)4で符号判定し、遅延回路(Delay1)3により斜線部に最適なある遅延時間を設定し、さらに乗算器(MIX)2により入力データの分散量に応じた量Cによる重み付け(Tap Weight)を行う。この重み付けの値Cは、出力信号(DEC2出力)をモニタする等の手段により最適な値を外部より与えるものである。
入力部で分岐した他方の“入力データ”からこの“DEC1+Delay1+MIX”信号を減算処理することにより、図中“減算器出力”の波形に示すように斜線部を取り除くことができる。さらに、この“減算器出力”波形を第2の識別器(DEC2)で、識別再生することにより、ディジタル信号に再生された“DEC2出力”を得ることができる。このように、本回路においては、従来の帰還ループをなくしフィードフォワード構成とすることにより遅延時間を減少させることを可能としている。
【0018】
図3に本発明に係る第2の実施の形態を示す。本第2の実施の形態においては、減算器1、乗算器2、遅延回路3、識別器4、第2の識別器5、減算器の第1の入力端子6、減算器の第2の入力端子7、第2の遅延回路8で構成されている。本第2の実施の形態では第2の遅延回路(図中“Delay0”)を追加することにより、第1の実施の形態における構成に比べ、分岐した識別器4、乗算器2の遅延時間をさらに補償することができる。
すなわち、本第2の実施の形態では全遅延時間TDelay_Allは、第1の遅延回路の遅延時間をtDelay1、第2の遅延回路の遅延時間をtDelay0、識別器4、乗算器2等による回路遅延時間をtexcessとして、
Delay_All=tDelay1+texcess−tDelay (7)
と表される。また、回路遅延時間texcessが設定遅延時間Tに比べ大きな場合
(texcess>T)、第1の遅延回路3の遅延時間を0とする構成、すなわち第1の遅延回路4のない構成でもフィルタ回路を実現できる。
【0019】
図4に、図3において示した回路の動作を説明するタイミング図を示す。先に示したのと同様に原信号“Source Signal”としてNRZの方形波信号を入力する場合を想定すると、光ファイバーの偏波分散等により符号間干渉が生じ受信回路の“入力データ(Signal with PMD)”では、図中の斜線部のような符号間干渉が生じている。この斜線部を取り除くために、識別器(DEC1)4で符号判定し、遅延回路(Delay1)3により斜線部に最適な遅延時間を設定し、さらに乗算器(MIX)2により入力データの分散量に応じた係数Cによる重み付けを行う。この重み付けの値Cは、出力信号をモニタする等の手段により最適な値を外部より与えるものである。“入力データ”からこの“DEC1+Delay1+MIX”信号を減算処理することにより、“減算器出力”の波形に示すように斜線部を取り除くことができる。さらに、この減算器出力波形を第2の識別器(DEC2)5で、識別再生することにより、ディジタル信号に再生された”DEC2出力”を得ることができる。
上記第2の実施の形態による構成とすることにより遅延時間を短縮し得ることを以下図5により説明する。ここで、フィルタを構成している各回路の遅延時間△tDEC(識別器)、△tMIX(乗算器)、△tSUB(減算器)は固定の値である。したがって、図1に示す回路では減算回路はフィードバックループ内に含まれていないため、その遅延時間の影響(△tSUB)を除去することが出来、texcess のみが残留遅延時間となる。これに対し、遅延回路の遅延時間tDelay
は回路定数により可変であり、図3に示す回路の場合は、遅延時間は二つのデータ経路の差分となるため、遅延回路(tDelay0)を追加することにより、さらに遅延時間を短縮することができる。
【0020】
一方、本発明回路はトランスバーサル・フィルタと同じフィードフォワード型であるが雑音増加に対しては、第2の判定回路(DEC2)5を持つことにより雑音は加算されず、S/N劣化がない。本発明回路による雑音抑圧の説明を図6に示す。図6(a)は本発明によるフィルタ回路の基本構成を示す。図6(b)に示した例について、入力信号1(図6(a)における▲1▼)の信号をs(t)+|n|、入力信号2(図6(a)における▲2▼)の信号をC・s(t)とすると、出力信号(図6(a)における▲3▼)s(t)は、
(t)=(s(t)−C・s(t))+|n| (6)
となり雑音は入力信号と同じ量でS/Nの劣化は生じない。ここで、Cは重み付け係数である。
従って上記回路によれば、非線形フィルタ回路において、従来帰還ループ内の構成回路自身による遅延時間のため正常に動作できないような速度でもフィルタ特性を実現することが可能である。さらに、フィードフォワード型であるが雑音抑圧効果を実現することができる。すなわち高速に動作可能でS/N劣化のない非線形フィルタを提供することができる。
【0021】
図7に、本発明による第3の実施の形態を示す。本第3の実施の形態におけるフィルタ回路は、減算器1、乗算器21〜2n、第1の遅延回路31〜3n、第1の識別器4、第2の識別器5、第2の遅延回路8、加算器9の各要素回路で構成されている。
本第3の実施の形態は、図1に示した回路を多段遅延構成にした場合である。図1に示した回路の遅延回路3の出力に遅延回路(Delay 1〜Delay n)と重み係数(C1〜Cn)を与える乗算器2を多段に接続し、それぞれの乗算器各段の出力を加算器9で加算し、その加算結果を減算器1の一方の入力端子に接続し、減算器1の他方の入力端子に入力されている遅延回路8を経由した受信信号からこの遅延、重み付けした信号を引き算する構成である。
この多段構成により、各遅延回路の遅延時間をT(データ伝送周期)とした場合、すなわちDelay 1=Delay 2=……=Delay n=Tの場合、偏波分散の遅延時間がTを超えてもPMD補償が可能となる。一方、偏波分散の遅延時間τがTよりも小さい場合は、遅延回路の遅延時間Tをτに合わせて、1周期Tよりも小さくすることにより有効にPMD補償が可能となる。
【0022】
図8に、図7に示す回路の動作例は、分散による遅延時間をT×2とした場合の例である。すなわち、受信回路の“入力データ(Signal with PMD)”では、図中の斜線部のように原信号“Source Signal”に対してT×2だけ遅れた波形が生じ、これが符号間干渉を起こす場合である。多段に接続した遅延回路31〜3nと重み付け用乗算器20〜2nにより、この時間Tを超えた遅延波形を取り除くことができる。本実施の形態では、各遅延回路の遅延時間をTとし重み付けを
[C,C,C,……Cn]=[0,C,0,……,0] (8)
として、出力信号をモニタする等の手段により最適な重み付けの値を外部より与えることにより遅延波形(斜線部)を取り除くことができる。
【0023】
以上のとおり、本発明の非線形フィルタ回路によれば、フィルタを構成している各回路による遅延時間があってもこの時間を差し引いて動作可能な高速非線形フィルタ回路を容易に実現できる。
【0024】
さらに、本発明の非線形フィルタ回路の入力側に、線形フィルタ回路を接続すれば、入力信号の主ビット波形の等化処理を行った上で,符号間干渉による波形の歪を除去した出力信号が得られる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による非線形フィルタにより、ディジタル伝送システムの受信回路において伝送速度が40Gbit/s以上と高速な場合でも符号間干渉を補償することが可能となる。これによりディジタル伝送を行う受信器において、受信感度劣化を改善できるので伝送距離を例えば従来の20kmに比べて5倍以上の100km以上に長くすることができ、高価な中継器がいらなくなるためシステムの低コスト化も可能となる。特に、分散の影響の大きな高速光ファイバー伝送システムにおいて、有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態である非線形フィルタ回路を示す回路構成図。
【図2】第1の実施の形態における動作を説明するタイミング図。
【図3】本発明による第2の実施の形態である非線形フィルタ回路を示す回路構成図。
【図4】第2の実施の形態における動作を説明するタイミング図。
【図5】本発明と従来方式との遅延時間の差を説明する遅延時間配分図。
【図6】(a)本発明による非線形フィルタの回路構成図、(b)雑音抑圧の過程を説明する波形図。
【図7】本発明による第3の実施の形態である非線形フィルタ回路を示す回路構成図。
【図8】第3の実施の形態における動作を説明するタイミング図。
【図9】従来の非線形フィルタの回路構成図。
【図10】従来の非線形フィルタ回路の動作を説明するタイミング図。
【図11】光偏波分散を説明する光偏波面と電気信号との関係を示す模式図。
【図12】遅延時間を考慮した従来の非線形フィルタのタイミング図。
【図13】従来の線形フィルタ回路における雑音増加を説明する図で、(a)は従来の線形フィルタの回路構成図、(b)は雑音加算の状況を示す波形図。
【符号の説明】
1:減算器 2:乗算器 3:遅延回路
4:第1の識別器 5:第2の識別器 6: 減算器の第1の入力端子
7:減算器の第2の入力端子 8: 第2の遅延回路
9:加算器 10:光電変換装置(O/E)

Claims (6)

  1. 入力データを入力端子直後で分岐し、該分岐した一方の入力信号を第1の入力信号として減算器の第1の入力端子に接続し、該分岐した他方の入力信号を第2の入力信号として符号識別、遅延、重み付けの各処理を施した信号を前記減算器の第2の入力端子に接続し、前記減算器において第1の入力端子の入力信号から前記減算器における第2の入力端子の入力信号を減算する構成の非線形フィルタ回路であって、
    前記第1の入力信号を、前記減算器の第1の入力端子に接続し、
    前記第2の入力信号を、第1の識別器に接続し、前記第1の識別器の出力を前記第1の遅延回路に接続し、さらに前記第1の遅延回路の出力を係数が外部から与えられている前記乗算器に接続し、前記乗算器の出力を前記減算器の第2の入力端子に接続した
    ことを特徴とする非線形フィルタ回路。
  2. 請求項1に記載の非線形フィルタ回路において、
    前記識別器としてスライサを使用した
    ことを特徴とする非線形フィルタ回路。
  3. 請求項1または請求項2に記載の非線形フィルタ回路において、
    前記減算器の出力に第2の識別器を接続した
    ことを特徴とする非線形フィルタ回路。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の非線形フィルタ回路において、
    前記第1の入力信号の経路となっている入力端子と前記減算器の第1の入力端子との間に第2の遅延回路を接続した
    ことを特徴とする非線形フィルタ回路。
  5. 請求項4に記載の非線形フィルタ回路において、
    前記第1の遅延回路の出力を入力とする第3の遅延回路ならびに、該第3の遅延回路出力に重み付けをする第2の乗算器を接続し、
    さらに、該第3の遅延回路出力に前記遅延回路と乗算器との組み合わせと同じ回路構成をn個接続し、
    前記乗算器の全ての出力を入力とする加算器に接続し、
    該加算器の出力端子を上記減算器回路の第2の入力端子に接続した
    ことを特徴とする非線形フィルタ回路。
  6. 請求項1乃至請求項5に何れかに記載の非線形フィルタ回路において、
    当該フィルタ回路の入力側にさらに線形フィルタ回路を接続した
    ことを特徴とする非線形フィルタ回路。
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