JP5026355B2 - 電気分散等化回路 - Google Patents

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本発明は、電気分散等化回路に関し、特に、光ファイバ中を伝播する光信号を光電変換した後に、電気的に信号処理を施すことによって、信号波形を整形する電気回路の分野に属する。
近年、光ファイバアクセスやADSL(Asymmetrical Digital Subscriber Line)等の技術を利用した高速インターネットの普及に伴い、光ファイバにより構築された基幹回線において、より広帯域・長距離に亘って、信号を確実に伝送することが可能になる技術が求められている。
一般に、基幹回線においては、波長多重化された光信号が用いられており、光信号が減衰した際に、光ファイバアンプを用いて、まとめて増幅することによって、何千kmにも亘る伝送を、光電変換して電気信号に戻してから信号再生を行うことなく、光信号のままで、効率的な長距離伝送を行うように構成している。
しかしながら、伝送距離の延伸、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)方式による波長の高密度化、1チャネル当たりの伝送速度の増加に従い、信号波形の劣化が激しくなってくるため、減衰した光強度を光ファイバアンプで増幅するだけでは、十分に低いBER(Bit Error Ratio:ビット誤り率)を確保することができなくなってくる。
信号波形の主な劣化要因としては、CD(Chromatic Dispersion:波長分散)、PMD(Polarization Mode Dispersion:偏波モード分散)等がある。ここで、CDは、波長によって光ファイバを伝播する光の速度が異なる現象のことである。一般に、伝送に用いる光信号の波長は、完全に単一の波長ではなく、変調速度に応じた若干の波長幅を有しているため、光ファイバ中を信号パルスが伝播するにつれて、CDによって、信号パルスが次第に平均化され、パルス幅が広がってきてしまう。
また、PMDは、光ファイバ中を伝播する光信号の2つの偏光モードの伝播速度が異なることを意味しているが、該PMDによっても、CDによる信号波形の劣化と類似した波形の劣化が生じてしまう。光ファイバ中を伝播する信号光は、一般に、或る偏光の向きを有しているが、光信号が光ファイバを伝播する際に、この信号光は伝播速度が異なる2つの偏光モードに分離して伝播する。このため、長い距離を伝播すると、PMDのために、両者の偏光モードのずれ量が大きくなり、信号パルス幅が広がったり、さらには、1つの信号パルスが2つに分離したりするなどの波形の乱れが生じてしまう。
1チャネル当たりのシンボル伝送速度(シンボルレート)が低いときには、CDによるパルス幅の広がりやPMDによる偏光モードのずれ量は、信号の1ビット当たりの時間幅と比べて小さく、隣のビットと干渉し合うISI(Inter-Symbol Interference:符号間干渉)が発生する頻度は少ないので、BER(ビット誤り率)に対する影響は小さい。しかし、1チャネル当たりのシンボルレートが高くなればなるほど、隣接するビットと干渉し易くなり、通信エラーが増加するという問題が生じる。
シンボルレートの増加に伴うCD,PMDの影響以外にも、波形の劣化要因として、例えば、WDMの高密度化に伴う帯域制限光フィルタによる波形劣化や、他にも非線形効果などが挙げられる。
これらの信号波形の劣化を抑制する方法として、例えば、CDについて言えば、光学的に波長分散を補償する分散補償ファイバを用いる方法など、光学的な方法も提案されている。しかし、光学的な方法だけを用いて改善することが可能な波長分散の量としては限界があり、また、補償することができる波形劣化の要因についても限定されてしまう。例えば、時間的に変動するPMDなどには適用することができない。
一方、最近は、基幹回線で用いられる10Gbit/s,40Gbit/s程度にも及ぶ高速の信号に関する信号劣化を改善する別の方法として、EE(Electronic Equalizer:電気等化回路)を用いた手法が注目されている。EE(電気等化回路)を用いた手法が注目されるのは、光学的な方法を用いる場合に比べて、小型、低価格、かつ、応答が高速であり適応等化が比較的し易く、このために、種々の波形劣化要因に適用し易いというメリットがあるためである。
ここに、EE(電気等化回路)は、乱れた信号波形を電気的に等化するための回路であり、主に、以下の3種類の回路構成が用いられている。
すなわち、FFE(Feed Forward Equalizer:フィード・フォワード型等化回路)、DFE(Decision Feedback Equalizer:判定帰還型等化回路)、MLSE(Maximum Likelihood Sequence Estimation:最尤系列推定法)型の等化回路の3種である。このうち、前2者はアナログ等化回路であり、最後のMLSE型の等化回路はディジタル等化回路である。
なかでも、FFE型の等化回路は、構成が比較的容易であることのみならず、各種のISI(符号間干渉)の中でも、或るビットの波形が後ろのビットに影響を与えているISIについてのみ等化し、それ以外のビットについては等化することができないというDFE型の等化回路とは異なり、ビットの前・後ろの両方の信号(つまり両方のビット)のISIを等化することができる。また、MLSE型の等化回路では、シンボルレートと同程度以上の速度のA/D変換器が必要になり、10Gbit/sクラスの高速の信号を取り扱うためには、精度や消費電力の面から、まだ実用上の困難が伴う点が多い技術であるのに対して、FFE型の等化回路は、高速信号に対しても、実用性が高く、現状でも最も広く用いられている。
従来技術におけるFFE型の等化回路(タップ数が4の場合)の構成は、図5のような構成になっていて、遅延回路、乗算回路、加算回路が必須の回路である。図5のうち、図5(a)は、従来技術における4タップFFE型等化回路(フィード・フォワード型等化回路)のブロック構成を示すブロック構成図であり、図5(b)は、図5(a)の4タップFFE型等化回路のタップ間遅延時間を説明するための模式図である。なお、図5(b)に示すタップ間遅延時間に関しては、後述の(既存技術1)において説明する。
図5(a)の回路構成のFFE型等化回路においては、タップ数N(N:2以上の整数)に応じた複数個の遅延回路(タップ数がN個の場合、(N−1)個の遅延回路(図5(a)の4タップ構成の場合、第1の遅延回路11、第2の遅延回路12、第3の遅延回路13の3個))、複数個の乗算回路(タップ数がN個の場合、N個の乗算回路(図5(a)の場合、第1の乗算回路21、第2の乗算回路22、第3の乗算回路23、第4の乗算回路24の4個))、および、複数個の加算回路(タップ数がN個の場合、(N−1)個の加算回路(図5(a)の場合、第1の加算回路31、第2の加算回路32、第3の加算回路33の3個))により構成している。
遅延回路(第1の遅延回路11、第2の遅延回路12、第3の遅延回路13)は、縦列接続され、入力信号INを、あらかじめ決められた一定の遅延時間ずつ順次遅延させて出力する機能を有する。
乗算回路(第1の乗算回路21、第2の乗算回路22、第3の乗算回路23、第4の乗算回路24)は、入力信号INおよび各遅延回路(第1の遅延回路11、第2の遅延回路12、第3の遅延回路13)の出力信号からそれぞれの乗算回路に入力される入力信号に対して、各乗算回路ごとにあらかじめ指定された一定のタップ係数(それぞれ、タップ係数a1,a2,a3,a4)を乗じた信号を出力する機能を有する。通常、タップ係数(タップ係数a1,a2,a3,a4)の値としては、−1〜1の範囲内の値を採るように設計される。
また、加算回路(第1の加算回路31、第2の加算回路32、第3の加算回路33)は、2つの入力信号を足し合わせた信号を出力する機能を有し、まず、第1の乗算回路21、第2の乗算回路22の出力信号を加算し、しかる後、第1の乗算回路21、第2の乗算回路22の出力信号の加算結果と第3の乗算回路23の出力信号とを加算し、さらに、その加算結果に第4の乗算回路24の出力信号を加算することによって、各乗算回路(第1の乗算回路21、第2の乗算回路22、第3の乗算回路23、第4の乗算回路24)の出力信号を順次加算する機能を有する。
なお、FFE型の等化回路を構成する各遅延回路、各乗算回路、各加算回路は、全て線形の演算回路である。したがって、図5のFFE型の等化回路全体は、線形の信号処理を行う回路となる。つまり、入力されてくる入力信号INをあらかじめ定めた一定の遅延時間ずつ遅延させながら、あらかじめ設定した或るタップ係数を乗じて、足し合わせることによって、PMD等の波形劣化要因が加わったとき、該波形劣化要因を補正する機能を生み出すことができる。
かくのごとき構成を利用した既存技術としては、例えば、非特許文献1のS.Wadaらによる“Compensation for PMD-induced time-variant waveform distortions in 43-Gbit/s NRZ transmission by ultra-wideband electrical equalizer module”(IEEE OFC,OWE2(2006))や非特許文献2のM.Nakamuraらによる“Electrical PMD equalizer ICs for a 40-Gbit/s transmission”(TuG4 OFC2005,(2005))に記載のものが挙げられる。以下に、該非特許文献1,2に記載のFFE型等化回路について、それぞれ、既存技術1,2として説明する。
(既存技術1)
まず、前記非特許文献1に記載のFFE型等化回路について既存技術1として説明する。
該既存技術1は、前述した図5(a)の場合と同様、4タップのFFE型の回路構成を有し、各タップ係数a1〜a4との演算を行う各信号経路間それぞれの遅延時間の差を示すタップ間隔つまりタップ間遅延時間TD(タップ1を有する第1の乗算回路21とタップ2を有する第2の乗算回路22との間の遅延時間の差を示すタップ1−2間遅延時間、タップ2を有する第2の乗算回路22とタップ3を有する第3の乗算回路23との間の遅延時間の差を示すタップ2−3間遅延時間、タップ3を有する第3の乗算回路23とタップ4を有する第4の乗算回路24との間の遅延時間の差を示すタップ3−4間遅延時間)は、図5(b)に示すように、対象システムにおけるシンボルレートBの逆数であるビット間隔τ(=1/B)の半分つまり(τ/2)に設定されている。
以下では、図5を用いて、遅延時間がどのように定まるかについて説明する。
前記非特許文献1に記載の図5のような既存技術1において、各タップ係数ai(i=1〜4)を入力するタップ(タップi)が接続されている乗算回路(第1の乗算回路21、第2の乗算回路22、第3の乗算回路23、第4の乗算回路24)それぞれを入力信号が通過していく場合について、FFE型の等化回路(IC)の信号通過経路(タップiスルー)すなわち入力信号INから出力信号OUTに至るまでに通過する各演算回路の経路を記述すると、以下のようになる。
<タップ1スルー>(つまり、第1の乗算回路21を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の乗算回路21
⇒第1の加算回路31⇒第2の加算回路32⇒第3の加算回路33
⇒出力信号OUT
<タップ2スルー>(つまり、第2の乗算回路22を通過する場合)
入力信号IN⇒第1の遅延回路11
⇒第2の乗算回路22
⇒第1の加算回路31⇒第2の加算回路32⇒第3の加算回路33
⇒出力信号OUT
<タップ3スルー>(つまり、第3の乗算回路23を通過する場合)
入力信号IN⇒第1の遅延回路11⇒第2の遅延回路12
⇒第3の乗算回路23
⇒第2の加算回路32⇒第3の加算回路33
⇒出力信号OUT
<タップ4スルー>(つまり、第4の乗算回路24を通過する場合)
入力信号IN⇒第1の遅延回路11⇒第2の遅延回路12⇒第3の遅延回路13
⇒第4の乗算回路24
⇒第3の加算回路33
⇒出力信号OUT
したがって、第1の乗算回路21〜第4の乗算回路24の各遅延時間を同じ値と仮定すれば、タップ係数a1を入力するタップ1を有する第1の乗算回路21を経由する場合と、タップ係数a2を入力するタップ2を有する第2の乗算回路22を経由する場合との信号の遅延時間の差(タップ1−2間遅延時間T12)は、第1の遅延回路11を経由する時間だけで決定されることが分かる。
また、タップ係数a2を入力するタップ2を有する第2の乗算回路22を経由する場合と、タップ係数a3を入力するタップ3を有する第3の乗算回路23を経由する場合との信号の遅延時間の差(タップ2−3間遅延時間T23)は、第2の遅延回路12を経由する時間と第1の加算回路31を経由する時間との差で与えられることが分かる。
また、タップ係数a3を入力するタップ3を有する第3の乗算回路23を経由する場合と、タップ係数a4を入力するタップ4を有する第4の乗算回路24を経由する場合との信号の遅延時間の差(タップ3−4間遅延時間T34)は、第3の遅延回路13を経由する時間と第2の加算回路32を経由する時間との差で与えられることが分かる。
ここで、第1、第2、第3の加算回路31,32,33を構成する各加算回路の遅延時間は通常短いので、タップ1−2間遅延時間T12、タップ2−3間遅延時間T23、タップ3−4間遅延時間T34は、図5(b)に示すように、おおまかには、各遅延回路(第1、第2、第3の遅延回路11,12,13)それぞれの遅延時間で決定されることになる。
タップ1−2間遅延時間T12、タップ2−3間遅延時間T23、タップ3−4間遅延時間T34の設定方法としては、適用するシステムにおけるシンボルレートBの逆数である伝送ビット間隔τ(=(1/B):Bはシンボルレート)と同じ値に設定する整数型の場合と、伝送ビット間隔の半分((τ/2)=1/[2*B])に設定する場合の2種類が広く使用されている。4タップ構成の場合には、整数型も可能であるが、本既存技術1の場合には、図5(b)に示すように、タップ1−2間遅延時間T12、タップ2−3間遅延時間T23、タップ3−4間遅延時間T34をいずれも伝送ビット間隔の半分(τ/2)とする分数型の構成が用いられている。
タップ1−2間遅延時間T12、タップ2−3間遅延時間T23、タップ3−4間遅延時間T34は、前述のように、それぞれ、主に、各遅延回路(第1、第2、第3の遅延回路11,12,13)それぞれの遅延時間によって決定される。したがって、各遅延回路(第1、第2、第3の遅延回路11,12,13)それぞれの遅延時間は相等しく、伝送ビット間隔τの半分(τ/2)に設定される。
各遅延回路(第1、第2、第3の遅延回路11,12,13)の具体的な実現方法として、本既存技術1においては、基板上の配線を用いて、信号を該配線上を伝播させることによって実現している。しかし、この他にも、遅延バッファを遅延段として用いる実現方法もある。該遅延バッファとは、能動素子で構成されたアンプであって、増幅を目的とせず(つまり利得(ゲイン)が“1”であり)、信号を遅延させることだけを目的としたものである。
基板上の配線を用いる方法は、遅延バッファを用いる場合に比べて、遅延回路に消費電力を要しないという利点がある。しかしながら、配線を用いる方法の場合、信号の伝送レートが十分に高速の場合でない限り、基板上に長い配線が必要となり、FFE型の等化回路のICチップサイズが大きくなってしまうという課題がある。
例えば、伝送シンボルレートが10Gbit/sの場合、伝送ビット間隔τ=100psとなるので、図5に示す4タップの分数型(タップ間遅延時間(τ/2))の回路構成を実現しようとする場合、タップ1−2間遅延時間T12、タップ2−3間遅延時間T23、タップ3−4間遅延時間T34として、それぞれ、50psが必要となり、等化回路全体の総タップ間遅延時間として150psとすることが必要になる。
タップ1−2間遅延時間T12、タップ2−3間遅延時間T23、タップ3−4間遅延時間T34は、前述のように、第1、第2、第3の遅延回路11,12,13の各遅延時間でほぼ決定されるので、総タップ間遅延時間に相当する150psの遅延時間を各遅延回路11,12,13の基板上の配線によって実現しようとすると、比誘電率10のInPの基板上に配線する場合、約15mmの長さの配線が必要になる。この結果、FFE型の等化回路として数mm角のICチップの中で実現しようとしても、ICチップサイズの増大を招いてしまう。
さらに、チップサイズを小さくするために、コンパクトに曲がりくねった配線とした場合には、インピーダンス整合が取れた配線を実現することが難しくなるという課題が生じる。
これに対して、利得(ゲイン)が“1”のバッファを遅延バッファとして用いる方式の場合、基板上の配線を用いる場合に比較して、より多くの消費電力を要するという課題はあるものの、配線を長く引き回さなくても、遅延バッファの遅延時間を利用して、所要の遅延時間を得ることができるため、チップサイズを小さくすることができるという利点が得られる。また、前述のように、チップサイズを小さくするために曲がりくねった配線を用いる場合よりも、遅延バッファというデバイスを用いて構成した遅延回路の方が、高い設計性が得られる。
かくのごとく、遅延バッファを遅延回路として用いる電気分散等化回路としては、次に示す既存技術2の技術がある。
(既存技術2)
次に、前記非特許文献2に記載のFFE型の電気分散等化回路について既存技術2として説明する。
本既存技術2においては、40Gbit/sの光信号を等化するために、EE(Electronic Equalizer:電気等化回路)を構成している。しかしながら、縦列接続した複数(図5の場合3個)の遅延バッファを遅延回路として用いると、遅延バッファの数が増加するとともに、信号波形が徐々に劣化してくるという問題が生じる。
例えば、群遅延平坦性について、或る1つの遅延バッファ回路が平坦ではない群遅延特性を有する場合、かくのごとき遅延バッファを多段に接続すると、各遅延バッファにおける群遅延時間の非平坦性が順次蓄積していき、群遅延時間の平坦性が次第に劣化してくるという問題が生じる。例えば、光ファイバ中に20Gbit/s(つまり1bit当たりの時間間隔50ps)のNRZ信号を伝播する場合、信号帯域となる0〜14GHz程度の周波数範囲において、群遅延時間の偏差が、1bit当たりの時間間隔50psに比して、十分に小さいことが必要である。
群遅延時間の偏差が大きく群遅延特性の劣悪な遅延回路を等化回路に用いると以下のような問題が生じる。すなわち、劣悪な群遅延特性を有する等化回路にディジタル信号を入力した場合、ディジタル信号は、広い範囲の周波数成分を含むため、群遅延時間の偏差が大きい回路では、周波数によって(すなわちビット列によって)遅延時間が大きく変動してしまう。
この結果、FFE型の等化回路であるEDC(Electric Dispersion Compensation:電気分散補償)回路の後段に接続されるCDR(Clock and Data Recovery:クロック・データ再生)回路においては、周期的なクロック信号として再生されたタイミングに基づいて、EDC回路の出力信号を識別してディジタル信号に変換するため、EDC回路における群遅延時間の偏差に伴い、遅延時間に乱れが生じてしまった場合には、EDC回路の出力信号をディジタル信号として再生する際に、識別エラーが発生し、BER(Bit Error Ratio)が劣化するという問題が発生する。
さらに、縦列接続した複数(図5の場合、3個)の遅延バッファを遅延回路として用いる場合、群遅延偏差の他にも、信号の非線形性の増加や、雑音の混入など、遅延バッファ数が増加すればするほど、信号の特性劣化が顕著になる。
ただし、従来技術1のように基板上の配線を遅延回路に用いた場合であっても、信号間の干渉や電源からの雑音の混入によって、遅延時間を長くすればするほど、信号特性は劣化する。
以上のように、一般に、電気分散等化回路の総タップ間遅延時間が長ければ長いほど、通過する信号は特性の劣化を受け、総タップ間遅延時間が短ければ短いほど、通過した信号の特性劣化を小さく抑えることができる。さらに、遅延回路として、遅延バッファのような能動回路を使用する場合には、総タップ間遅延時間が増加すれば増加するほど、遅延段数が増加するため、素子数が増加し、消費電力、チップ面積の面において不利になる。遅延回路として配線を用いる場合であっても、総タップ間遅延時間が増加すれば増加するほど、チップ面積が増大してしまう。
したがって、システム的には、総タップ間遅延時間をできるだけ短くした上で、タップ数を何個にして、必要な特性を出すのかが重要な課題になる。
ここで、FFE型の電気分散等化回路を構成する場合、タップ数は少なければ少ないほど、制御の観点から、タップ係数の値の設定は容易であり、また、タップとしてICチップの外部に出す端子の個数も少なくて済む。しかし、調整することができるタップ数が少なければ少ないほど、特性を最適に調整する自由度が減少するため、特性的には多少なりとも劣る傾向が生じる。
40Gbit/sクラスのFFE型の電気分散等化回路としては、従来技術として、3〜5タップのものがある。これらは、表1に示すように、各信号経路(各タップスルー)全てについて等間隔のタップ間遅延時間を用いて構成されている。つまり、3タップFFE型等化回路の場合は、各タップ間遅延時間は整数ビット間隔(τ)、4,5タップFFE型等化回路の場合は、各タップ間遅延時間は半整数(分数)のビット間隔(τ/2)が採用されている。
Figure 0005026355
例えば、44Gbit/s(シンボルレートB=22GSymbol/s)の場合、シンボルレートBの逆数のタップ間隔はτ=45psであって、3タップ、5タップFFE型等化回路の場合の総タップ間遅延時間は、2τ=90psとなり、4タップFFE型等化回路の場合の総タップ間遅延時間は、1.5τ=68psとなる。
つまり、表1に示す3〜5タップのFFE型の電気分散等化回路の中では、4タップFFEが、総タップ間遅延時間が最も短く、したがって、信号特性が優れ、また、消費電力の小さいFFE型等化回路を設計し易い。しかしながら、4タップFFE型等化回路には、次のような欠点がある。すなわち、4タップFFE型等化回路の欠点として、タップ間遅延時間に対する信号特性のマージンが狭いという問題がある。前述のように、4タップFFE型等化回路の場合、タップ間遅延時間は、ビット間隔の半分(0.5τ)が最適であるが、この最適な値からずれると、信号の特性が急激に劣化してしまう。
このことは、次のような2つの点で課題となる。
(1)FFE型の電気分散等化回路を構成するデバイスの特性ばらつき、特性変動
プロセスのばらつきや、デバイス・配線モデリングの不完全性のために、設計した通りのICを完全には作製することができないこと、さらに、温度による変動も伴うこと。
(2)求められるシステムの範囲
FFE型の電気分散等化回路には、信号のシンボルレートとして一定の範囲内の対応が求められる。例えば、システムが利用するFEC(Forward Error Correction:エラー訂正用符号化)の種類によって、ビットレート(または1チャネル当たりのシンボルレート)には一定の幅が求められる。FECによって、使用するシンボルレート(22GSymbol/s)が、例えば21.5G〜22.5Gのように、5%変動すると、最適なタップ間遅延時間も5%変化する。
ここで、一例として、以下のような評価系を用いて、システムシミュレーションを行い、タップ間遅延時間TDの変動に対する信号特性のマージンの計算結果について説明する。マージンを評価するために、システムの特性を示す指標として、Q値を用いる。また、以下の具体的な計算には、光伝送シミュレータVPIphotonicsTM(VPI Systems社製)を用いている。
また、Q値としては、BERと一対一に対応する実効Q値を用いる。この実効Q値は、BERと以下の式で関係付けられる。
BER=(1/2)・erfc(Q/sqrt(2))
ここで、erfc(x)は、相補誤差関数を表し、単調減少関数である。BERが低ければ低いほど、Q値は高く、良好な特性を有していることを意昧する。したがって、FFE型の電気分散等化回路として、Q値が最大になるように(BERが最小になるように)、タップ係数を調整することになる。つまり、タップ係数を最適に調整したときに、より広い範囲の状況において良好なQ値を出すことができれば、優れたFFE型の電気分散等化回路を構成しているということになる。
40Gbit/s RZ−DQPSKシステムを例にとり、偏波分散を加えた状態で、図6の評価系を用いて、前記Q値を求め、これにより、FFE型の電気分散等化回路の性能を評価する。図6は、FFE型の電気分散等化回路の性能を評価するための評価系の系統図である。
図6において、DQPSK光送信機101から出る光に対し、ASE(Amplified Spontaneous Emission:増幅された自発放出)光源102から発生するノイズをカプラで混合して、これにより、光ファイバアンプで発生するASE雑音を模する。ASE雑音を含む光信号の状態で、偏波分散(PMD:Polarization Mode Dispersion)エミュレータ103によって意図的にPMDを印加する。PMDが印加された光信号は、OE変換器104により電気信号に変換された後、FFE型の電気分散等化回路100に入力され、FFE型の電気分散等化回路100から出力される信号を、分離装置・エラー検出器105に入力することによって、Q値を評価する。かくのごとき評価系によるQ値評価は、実験的に行うこともできるし、あるいは、光通信シミュレータを用いてシミュレーションすることもできる。
RZ−DQPSKシステムにおける従来の4タップFFE型電気分散等化回路の場合について、受信系の周波数帯域を固定し、各タップ間遅延時間(TD)を一様に変化させた場合(TD=T12=T23=T34)のQ値の変化を、図6の評価系の光伝送シミュレーションによって計算した結果を図7に示す。つまり、図7は、従来の4タップFFE型等化回路を用いた場合の、タップ間遅延時間TDに対するQ値の依存性を示す特性図であり、横軸がタップ間遅延時間(TD)を、縦軸がQ値を示している。
ここで、OSNR(Optical Signal to Noise Ratio:光信号雑音比)は18dBであり、信号伝送速度は44Gbit/s(DQPSKはI,Qの2チャネルを使用するので、1チャネル当たりのシンボルレートB=22Gbit/s)である。また、受信系の3dB帯域は0.8Bとしている。なお、各乗算回路21〜24へそれぞれ印加するタップ係数a1〜a4については、それぞれの点で最適化している。
図7から、Q値が最大(ほぼ14.9dB)となる最適なタップ間遅延時間TDは、0.5τ(B=22Gbit/sのとき23ps)であることが分かる。一方、各乗算回路にタップi(i=1〜4)に入力するタップ係数を最適化しているにも関わらず、タップ間遅延時間TDがこの最適な状況つまり0.5τからずれると、図6に示すように、Q値(すなわちBER特性)が急激に劣化してくる。
つまり、図6から分かるように、α(=タップ間遅延時間TD/ビット間隔τ)が0.5からずれると、Q値特性が劣化してくる。Q値のペナルティ(劣化分)を0.2dB以下に抑えるため(Q値を14.7dB以上に保つ)ためには、タップ間遅延時間TDを0.42τ(=0.42/B)〜0.55τ(=0.55/B)程度に抑える必要があり、タップ間遅延時間TDつまり遅延回路の遅延時間の余裕は0.13τ(=0.13/B)程度しかない。
かくのごとく、従来技術による4タップFFE型電気分散等化回路においては、IC特性の設計とのずれや、温度による特性変動、ビットレートの対応範囲も含めて、このタップ間遅延時間TDのずれを、伝送ビット間隔τの0.13倍以内すなわち0.13τという範囲内に常に収めるということは容易ではないという問題がある。
S.Wada et al.,"Compensation for PMD-induced time-variant waveform distortions in 43-Gbit/s NRZ transmission by ultra-wideband electrical equalizer module",IEEE OFC,OWE2(2006). M.Nakamura et al., "Electrical PMD equalizer ICs for a 40-Gbit/s transmission",TuG4 OFC2005,(2005).
背景技術において前述したように、従来のFFE型電気分散等化回路の場合、特性劣化を最小限に抑えるためには、表1のごとく総タップ間遅延時間が最も短い4タップFFE型電気分散等化回路が良いが、該4タップFFE型電気分散等化回路においては、図7にて説明したごとく、タップ間隔つまりタップ間遅延時間TDに対する信号特性のマージンが狭いという課題があった。
また、FFE型電気分散等化回路のタップ間遅延時間TDは、タップ数に応じて、伝送ビット間隔τと等間隔(整数型)または分数(1/2)間隔(分数型)のときに、最適な特性を示すことは良く知られていることであって、タップ数を増加させる場合、例えば4タップFFE型電気分散等化回路と同じ総タップ間遅延時間1.5τを用いて、5タップFFE型電気分散等化回路を作製したとしても、十分な分散補償特性を確保することはできない。
さらに、分数(1/2)間隔(分数型)としてタップ数を増やす意図をもって、4タップFFE型電気分散等化回路の各タップの中間に1タップずつ追加して、7タップFFE型電気分散等化回路を構成する場合、タップ数が増え過ぎて、タップ制御が複雑になってしまい、タップ最適化ルーチンが複雑かつ時間を要するようになって、応答速度の劣化を招いてしまう。さらに、外部の制御系だけでなく、FFE型電気分散等化回路の内部でも、乗算回路やタップ制御回路が増加してしまい、消費電力・素子数・チップ面積の増大を招くという課題があった。
本発明は、かくのごとき状況に鑑みてなされたものであり、FFE型の電気分散等化回路の総タップ間遅延時間を変化することなく、最少のタップの追加により自由度を増やして、受信モジュールの特性変動に対する信号特性のマージンがより広いFFE型の電気分散等化回路を提供することを目的としている。
本発明は、前述の課題を解決するために、以下のごとき各技術手段から構成されている。
第1の技術手段は、入力信号とあらかじめ定めたタップ係数との乗算を行う乗算回路と、入力信号をあらかじめ設定した時間遅延させる遅延回路と、入力信号の加算処理を行う加算回路とを少なくとも備えたFFE型の電気分散等化回路であって、
n,m(n>m)を整数として、(2n+m)個の乗算回路と、(2n+m−1)個またはそれ以上の遅延回路と、1個以上の加算回路とからなって、(2n+m)タップの等化回路を構成する場合に、適用するシステムの伝送シンボルレートの逆数であるビット間隔をτとするとき、
第i番目(i=1〜(2n+m−1)の整数)の前記乗算回路を通過するタップiスルーの信号の遅延時間と、第(i+1)番目の前記乗算回路を通過するタップ(i+1)スルーの信号の遅延時間との差のタップi−(i+1)間遅延時間TDが、式(1)
Figure 0005026355
の関係にあることを特徴とする。
第2の技術手段は、入力信号とあらかじめ定めたタップ係数との乗算を行う乗算回路と、入力信号をあらかじめ設定した時間遅延させる遅延回路と、入力信号の加算処理を行う加算回路とを少なくとも備えたFFE型の電気分散等化回路であって、
n,m(n>m)を整数として、(2n+m)個の乗算回路と、(2n+m−1)個またはそれ以上の遅延回路と、1個以上の加算回路とからなって、(2n+m)タップの等化回路を構成する場合に、適用するシステムの伝送シンボルレートの逆数であるビット間隔をτとするとき、
第i番目(i=1〜(2n+m−1)の整数)の前記乗算回路を通過するタップiスルーの信号の遅延時間と、第(i+1)番目の前記乗算回路を通過するタップ(i+1)スルーの信号の遅延時間との差のタップi−(i+1)間遅延時間TDが、式(2)
Figure 0005026355
の関係にあることを特徴とする。
第3の技術手段は、前記第1または第2の技術手段に記載の電気分散等化回路において、(2n+m−1)タップの等化回路に対して、該(2n+m−1)タップの等化回路の総タップ間遅延時間を変えることなく、さらに1つのタップを追加することにより、前記タップi−(i+1)間遅延時間TDを前記式(1)または前記式(2)の関係となる(2n+m)タップのFFE型の等化回路を構成することを特徴とする。
第4の技術手段は、前記第1ないし第3の技術手段のいずれかに記載の電気分散補償回路において、前記遅延回路が、能動素子を用いた回路によって構成されていることを特徴とする。
本発明の電気分散等化回路によれば、FFE型の電気分散等化回路の総タップ間遅延時間を増加させず、つまり、信号特性の劣化を招くことなく、タップ数の増加を最小限として、受信モジュールやシステム要求に対する信号特性のマージンを増加させることができるという効果が得られる。
以下に、本発明に係る電気分散等化回路の最良の実施形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴について、その概要をまず説明する。本発明は、乗算回路と遅延回路と加算回路とから構成されるFFE型の電気分散等化回路において、n、m(n>m)を整数とした場合に、(2n+m)個の乗算回路と(2n+m−1)個またはそれ以上の遅延回路と1個以上の加算回路とから構成し、適用するシステムの伝送シンボルレートBの逆数であるビット間隔をτ(=1/B)とするとき、第i番目のタップスルー(信号経路)と第(i+1)番目のタップスルー(信号経路)との間のタップi−(i+1)間遅延時間TDを、次の式(1)または式(2)
Figure 0005026355
Figure 0005026355
の関係とすることにより、信号経路それぞれにおいて信号が通過する時間(タップ間遅延時間)を所望の時間に調整し易くするとともに、自由度が大きく、受信モジュールの要求の変動に対する信号特性のマージンが大きいFFE型の電気分散等化回路を提供することを可能としている。
図1は、本発明によるFFE型(フィード・フォワード型)の電気分散等化回路の一例を示す構成図(図1(a))と該FFE型等化回路のタップ間遅延時間を説明するための模式図(図1(b))である。
図1のFFE型の電気分散等化回路の構成は、4個の遅延回路(第1の遅延回路11、第2の遅延回路12、第3の遅延回路13、第4の遅延回路14)、5個の乗算回路(第1の乗算回路21、第2の乗算回路22、第3の乗算回路23、第4の乗算回路24、第5の乗算回路25)、4個の加算回路(第1の加算回路31、第2の加算回路32、第3の加算回路33、第4の加算回路34)からなる5タップのFFE型の回路としており、従来技術の図5の4タップFFE型の等化回路の中心部分に、最小限(1個)のタップを新たに追加した回路構成としている。
ここで、図1の各遅延回路、各乗算回路、各加算回路は、図5の従来技術の回路の場合と全く同様の機能を有しており、遅延回路は入力信号をあらかじめ設定した時間遅延させるものであり、乗算回路は入力信号とあらかじめ定めたタップ係数との乗算を行うものであり、加算回路は入力信号の加算処理を行うものである。
つまり、遅延回路(第1の遅延回路11、第2の遅延回路12、第3の遅延回路13、第4の遅延回路14)は、縦列接続され、入力信号INを、あらかじめ決められた一定の遅延時間ずつ順次遅延させて出力する機能を有する。
乗算回路(第1の乗算回路21、第2の乗算回路22、第3の乗算回路23、第4の乗算回路24、第5の乗算回路25)は、入力信号INおよび各遅延回路(第1の遅延回路11、第2の遅延回路12、第3の遅延回路13、第4の遅延回路14)の出力信号からそれぞれの乗算回路に入力される入力信号に対して、各乗算回路ごとにあらかじめ指定された一定のタップ係数(それぞれ、タップ係数a1,a2,a3,a4,a5)を乗じた信号を出力する機能を有する。通常、タップ係数(タップ係数a1,a2,a3,a4,a5)の値としては、−1〜1の範囲内の値を採るように設計される。
また、加算回路(第1の加算回路31、第2の加算回路32、第3の加算回路33、第4の加算回路34)は、2つの入力信号を足し合わせた信号を出力する機能を有し、まず、第1の乗算回路21、第2の乗算回路22の出力信号を加算し、しかる後、第1の乗算回路21、第2の乗算回路22の出力信号の加算結果と第3の乗算回路23の出力信号とを加算し、さらに、その加算結果に第4の乗算回路24の出力信号を加算し、最後に、第4の乗算回路24の出力信号までの加算結果に第5の乗算回路25の出力信号を加算することによって、各乗算回路(第1の乗算回路21、第2の乗算回路22、第3の乗算回路23、第4の乗算回路24、第5の乗算回路25)の出力信号を順次加算する機能を有する。
ただし、図1のFFE型の電気分散等化回路の構成においては、各タップ係数(a1,a2,a3,a4,a5)それぞれと演算を行う各乗算回路(第1の乗算回路21、第2の乗算回路22、第3の乗算回路23、第4の乗算回路24、第5の乗算回路25)を通過する各信号経路(タップスルー)について、隣接する信号経路(タップスルー)間の信号の遅延時間の差を示す各タップ間隔(つまり各タップ間遅延時間)が、図5の従来技術の回路の場合とは異なり、等間隔すなわち一様にはなっておらず、異なる間隔になっている。
すなわち、図1(b)に示すように、各遅延回路(第1、第2、第3、第4の遅延回路11,12,13,14)のうち、両端の第1、第4の遅延回路11,14の遅延時間によってほぼ決定されるタップ1−2間遅延時間T12、タップ4−5間遅延時間T45は、伝送ビット間隔τの半分つまり(τ/2)に設定されているが、中央の第2、第3の遅延回路12,13の遅延時間によってほぼ決定されるタップ2−3間遅延時間T23、タップ3−4間遅延時間T34は、タップ1−2間遅延時間T12、タップ4−5間遅延時間T45の半分つまり伝送ビット間隔τの(1/4)の(τ/4)に設定されている。
この結果、図1の5タップFFE型の電気分散等化回路は、図5に示した従来技術の4タップFFE型の電気分散等化回路に対して、総タップ間遅延時間(1.5τ)を変化させることなく、図5の4タップFFE型の電気分散等化回路のタップ2,3の間に1つのタップを追加した場合と等価な回路構成となっている。したがって、図1の5タップFFE型の電気分散等化回路の構成において、中心に位置する第3のタップ係数a3を0にした場合には、当該5タップFFE型の電気分散等化回路の動作は、図5の4タップFFE型の電気分散等化回路と等価になるので、タップ係数を最適化した場合の信号特性は、4タップFFE型の電気分散等化回路に比して決して劣ることはない。
さらに、図1の5タップFFE型の電気分散等化回路は、図5の4タップFFE型の電気分散等化回路に対して最小限(1個)のタップを追加することによって、自由度を増やして、受信モジュールの特性変動に対する信号特性のマージンが、図5の4タップFFE型の電気分散等化回路よりも、より広い回路として構成することができる。
図1において、各タップ係数ai(i=1〜5)を入力するタップ(タップi)が接続されている乗算回路(第1の乗算回路21、第2の乗算回路22、第3の乗算回路23、第4の乗算回路24、第5の乗算回路25)それぞれを入力信号が通過していく場合について、FFE型の電気分散等化回路(IC)の信号通過経路(タップiスルー)すなわち入力信号INから出力信号OUTに至るまでに通過する各演算回路の経路を記述すると、以下のようになる。
<タップ1スルー>(つまり、第1の乗算回路21を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の乗算回路21
⇒第1の加算回路31⇒第2の加算回路32⇒第3の加算回路33⇒第4の加算回路34
⇒出力信号OUT
<タップ2スルー>(つまり、第2の乗算回路22を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の遅延回路11
⇒第2の乗算回路22
⇒第1の加算回路31⇒第2の加算回路32⇒第3の加算回路33⇒第4の加算回路34
⇒出力信号OUT
<タップ3スルー>(つまり、第3の乗算回路23を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の遅延回路11⇒第2の遅延回路12
⇒第3の乗算回路23
⇒第2の加算回路32⇒第3の加算回路33⇒第4の加算回路34
⇒出力信号OUT
<タップ4スルー>(つまり、第4の乗算回路24を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の遅延回路11⇒第2の遅延回路12⇒第3の遅延回路13
⇒第4の乗算回路24
⇒第3の加算回路33⇒第4の加算回路34
⇒出力信号OUT
<タップ5スルー>(つまり、第5の乗算回路25を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の遅延回路11⇒第2の遅延回路12⇒第3の遅延回路13⇒第4の遅延回路14
⇒第5の乗算回路25
⇒第4の加算回路34
⇒出力信号OUT
したがって、第1の乗算回路21〜第5の乗算回路25の各遅延時間を同じ値と仮定すれば、各タップ間隔つまり各タップ間遅延時間(タップ1スルーとタップ2スルーとの間のタップ1−2間遅延時間TD12、タップ2スルーとタップ3スルーとの間のタップ2−3間遅延時間TD23、タップ3スルーとタップ4スルーとの間のタップ3−4間遅延時間TD34、タップ4スルーとタップ5スルーとの間のタップ4−5間遅延時間TD45)は、ほぼ、以下のように決定される。
タップ1スルーとタップ2スルーとの間のタップ1−2間遅延時間TD12は、
TD12=第1の遅延回路11の遅延時間
であり、タップ2スルーとタップ3スルーとの間のタップ2−3間遅延時間TD23は、
TD23=第2の遅延回路12と第1の加算回路31の遅延時間差
であり、タップ3スルーとタップ4スルーとの間のタップ3−4間遅延時間TD34は、
TD34=第3の遅延回路13と第2の加算回路32の遅延時間差
であり、タップ4スルーとタップ5スルーとの間のタップ4−5間遅延時間TD45は、
TD45=第4の遅延回路14と第3の加算回路33の遅延時間差
である。
図1(a)の5タップFFE型の電気分散等化回路について、従来技術の場合と同様の図6に示した評価系を用いて、タップ間隔つまりタップ間遅延時間TDに対してQ値特性をシミュレーションした結果を図2に示している。つまり、図2は、図1の5タップFFE型の電気分散等化回路を用いた場合の、タップ間遅延時間TDに対するQ値の依存性を示す特性図であり、横軸がタップ間遅延時間(TD)を、縦軸がQ値を示している。
図2の場合も、図7の従来技術の場合と同様、OSNR(Optical Signal to Noise Ratio:光信号雑音比)は18dB、信号伝送速度(ビットレート)は44Gbit/s(1チャネル当たりのシンボルレートB=22Gbit/s)、受信回路の3dB帯域は0.8Bである。
また、図2に示す特性図の横軸のタップ間遅延時間TDは、5個のタップスルーに関する4個のタップ間遅延時間のうち、両端のタップスルーに関するタップ1−2間遅延時間T12、タップ4−5間遅延時間T45を表している(TD=T12=T45)。つまり、タップ1−2間遅延時間T12、タップ4−5間遅延時間T45については、前述のように、図5の従来技術の場合と同様、伝送ビット間隔τ(伝送シンボルレートBの逆数)の半分すなわち(τ/2)に設定されているものの、残りの内側のタップスルーに関するタップ2−3間遅延時間T23、タップ3−4間遅延時間T34は、図5の従来技術の場合とは異なり、タップ1−2間遅延時間T12、タップ4−5間遅延時間T45の半分の(TD/2)すなわち伝送ビット間隔τの(1/4)となる(τ/4)に設定されている。
つまり、図1の5タップFFE型の電気分散等化回路の場合、図5の従来技術とは異なり、タップ1スルーとタップ2スルーとの間およびタップ4スルーとタップ5スルーとの間のタップ間隔すなわちタップ間遅延時間(T12=T45=TD)と、タップ2スルーとタップ3スルーとの間およびタップ3スルーとタップ4スルーとの間のタップ間隔すなわちタップ間遅延時間(T23=T34=TD/2)とを、変化させて、それぞれの点でQ値が最も高くなるように、5個のタップ係数a1〜a5を最適化している。
図1の5タップFFE型の電気分散等化回路において、TD=0.5τのとき、図2に示すように、従来の4タップFFE型の電気分散等化回路の場合の図6と同様にほぼQ=14.9dBとなっているが、このときは、中心の3番目のタップ係数a3(つまり第3の乗算回路23のタップ3に入力されるタップ係数a3)は0であり、図5の従来の4タップFFE型電気分散等化回路の場合における図7の場合と等価であることがわかる。
かかる場合において、Q値の劣化分を0.2dB以下に抑えて、Q値として14.7dB以上という要件を満たすために必要なタップ間遅延時間TDつまりタップ間隔の範囲は、図2に示すように、0.4τ(=0.4/B)〜0.67τ(=0.67/B)であり、図5の従来の4タップFFE型の電気分散等化回路の場合(0.32τ〜0.55τ)の0.13τ(=0.13/B)に比し、マージンが約2倍(0.27τ(=0.27/B))に広がったことを確認することができる。
つまり、図1の5タップFFE型の電気分散等化回路においては、各タップスルー間の全てに亘ってタップ間隔を一様にしないで、各タップスルー間で変化させることにより、図5の従来の4タップFFE型電気分散等化回路から総タップ間遅延時間を変化させることなく、図5の従来の4タップFFE型電気分散等化回路に1つのタップを追加する構成とすることによって、従来の4タップFFE型電気分散等化回路と同等のQ値を確保しつつ、タップ間隔つまりタップ間遅延時間に対する信号特性のマージンを従来の等化回路よりも拡大することができるという効果が得られている。
ここで、本実施形態においては、図1のような回路構成を一例として示したが、一般に知られているように、各タップスルーに関するタップ間隔つまりタップ間遅延時間TDが、図1にて説明したような関係になるように設計されてさえいれば、回路構成は図1と異なる構成であっても良い。例えば、図3は、本発明によるFFE型の電気分散等化回路の図1とは異なる例を示す構成図であり、加算回路の接続位置を図1から変更した回路構成の例を示している。図3において、FFE型の電気分散等化回路の信号通過経路(タップiスルー)すなわち入力信号INから出力信号OUTに至るまでに通過する各演算回路の経路を記述すると、以下のようになる。
<タップ1スルー>(つまり、第1の乗算回路21を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の乗算回路21
⇒第1の加算回路31
⇒出力信号OUT
<タップ2スルー>(つまり、第2の乗算回路22を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の遅延回路11
⇒第2の乗算回路22
⇒第2の加算回路32⇒第1の加算回路31
⇒出力信号OUT
<タップ3スルー>(つまり、第3の乗算回路23を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の遅延回路11⇒第2の遅延回路12
⇒第3の乗算回路23
⇒第3の加算回路33⇒第2の加算回路32⇒第1の加算回路31
⇒出力信号OUT
<タップ4スルー>(つまり、第4の乗算回路24を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の遅延回路11⇒第2の遅延回路12⇒第3の遅延回路13
⇒第4の乗算回路24
⇒第4の加算回路34⇒第3の加算回路33⇒第2の加算回路32⇒第1の加算回路31
⇒出力信号OUT
<タップ5スルー>(つまり、第5の乗算回路25を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の遅延回路11⇒第2の遅延回路12⇒第3の遅延回路13⇒第4の遅延回路14
⇒第5の乗算回路25
⇒第4の加算回路34⇒第3の加算回路33⇒第2の加算回路32⇒第1の加算回路31
⇒出力信号OUT
例えば、図3の回路構成の場合、各乗算回路(乗算回路21,22,23,24,25)の遅延時間が同じと仮定すれば、タップ1スルー、タップ2スルーの2つの経路の遅延時間差つまりタップ1−2間遅延時間TD12については、第1の遅延回路11と第2の加算回路32との遅延時間の和として与えられ、そして、タップ4スルー、タップ5スルーの2つの経路のタップ4−5間遅延時間TD45については、第4の遅延回路14の遅延時間として与えられる。したがって、タップ1−2間遅延時間TD12およびタップ4−5間遅延時間TD45が伝送ビット間隔の半分である(τ/2)になるように設計すれば良いことになる。
また、タップ2スルー、タップ3スルーの2つの経路の遅延時間差つまりタップ2−3間遅延時間TD23については、第2の遅延回路12と第3の加算回路33との遅延時間の和として与えられ、そして、タップ3スルー、タップ4スルーの2つの経路のタップ3−4間遅延時間TD34については、第3の遅延回路13と第4の加算回路34との遅延時間の和として与えられる。したがって、タップ2−3間遅延時間TD23およびタップ3−4間遅延時間TD34が、タップ1−2間遅延時間TD12、タップ4−5間遅延時間TD45の半分つまり伝送ビット間隔の(1/4)である(τ/4)になるように設計すれば良いことになる。
また、図4のように、遅延回路が複数に分割された回路構成であっても、図1、図3の5タップFFE型の電気分散等化回路の場合と同様の効果が得られる。図4は、本発明によるFFE型の電気分散等化回路の図3と異なる例を示す構成図であり、図3における第1〜第4の遅延回路11〜14の各遅延回路を、それぞれ、第1aの遅延回路〜第4aの遅延回路11a〜14aと第1bの遅延回路〜第4bの遅延回路11b〜14bとの2つに分割して、分割した一方の第1aの遅延回路〜第4aの遅延回路11a〜14aを、それぞれ、図3の第1〜第4の遅延回路11〜14と同じ位置に接続し、他方の第1bの遅延回路〜第4bの遅延回路11b〜14bを、対応する各加算回路(第1〜第4の加算回路31〜34)の前段に接続している例を示している。
図4の回路構成の場合においても、各タップスルー(信号経路)におけるタップ間遅延時間TDを、図1の回路構成において規定された場合と同様に設定する必要がある。例えば、図4のタップ1スルー、タップ2スルーの2つの経路の遅延時間差つまりタップ1−2間遅延時間TD12については、以下の2つの経路における遅延時間の差として与えられる。
<タップ1スルー>(つまり、第1の乗算回路21を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1の乗算回路21
⇒第1の加算回路31
⇒出力信号OUT
<タップ2スルー>(つまり、第2の乗算回路22を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1aの遅延回路11a
⇒第2の乗算回路22
⇒第2の加算回路32
⇒第1bの遅延回路11b⇒第1の加算回路31
⇒出力信号OUT
したがって、各乗算回路(第1、第2の乗算回路21,22)の遅延時間が同じと仮定すれば、タップ1−2間遅延時間T12は、第1a、第1bの遅延回路11a,11bと第2の加算回路32との遅延時間の和として与えられ、この遅延時間の和が、伝送ビット間隔τの半分である(τ/2)になるように設計すれば良いことになる。
また、例えば、図4のタップ3スルーは以下に示すような信号経路になるので、タップ2スルー、タップ3スルーの2つの経路の遅延時間差つまりタップ2−3間遅延時間T23ついては、各乗算回路(第2、第3の乗算回路22,23)の遅延時間が同じと仮定すれば、第2a、第2bの遅延回路12a,12bと第3の加算回路33との遅延時間の和として与えられ、この遅延時間の和が、伝送ビット間隔τの(1/4)である(τ/4)になるように設計すれば良いことになる。
<タップ3スルー>(つまり、第3の乗算回路23を通過する場合)
入力信号IN
⇒第1aの遅延回路11a⇒第2aの遅延回路12a
⇒第3の乗算回路23
⇒第3の加算回路33
⇒第2bの遅延回路12b⇒第2の加算回路32
⇒第1bの遅延回路11b⇒第1の加算回路31
⇒出力信号OUT
以上の各実施形態において具体的なシミュレーションを行うに当たっては、タップ間隔すなわちタップ間遅延時間TDを変化させる際に、電気分散等化回路の各信号経路全てのタップ間遅延時間を独立にして変化させてシミュレーションを行う場合、変化の種類が多過ぎるため、タップ間隔すなわちタップ間遅延時間TDを全ての信号経路について一様にした状態でシミュレーションを行った。
しかし、タップ間遅延時間TDが、信号経路間で、非一様に変化させた場合であっても、例えば、タップ1−2間遅延時間T12とタップ3−4間遅延時間3−4が異なる変化を受けた場合であっても、図1、図3、図4に例示したように、総タップ間遅延時間を維持した状態で、電気分散等化回路のタップ数を例えば4タップから5タップに1つだけ増加させることによって、信号特性の改善が得られることは明らかである。
なお、図1、図3、図4に示した各FFE型の電気分散等化回路における各遅延回路(第1〜第4の遅延回路11〜14、または、第1a〜第4aの遅延回路11a〜14aおよび第1b〜第4bの遅延回路11b〜14b)を、スイッチング素子などの能動素子を用いた能動回路(すなわち遅延バッファ回路等)によって構成することが、遅延特性、チップサイズの縮小などの観点から望ましい。
また、以上の実施形態の説明においては、FFE型の電気分散等化回路の構成として、5タップFFE型として、5個の乗算回路、4個の遅延回路、4個の加算回路を用いた場合について説明したが、乗算回路、遅延回路、加算回路の各回路の個数は、かかる場合に限るものではなく、乗算回路、遅延回路、加算回路の各回路を少なくとも備えて構成すれば良い。つまり、一般に、n,m(n>m)を整数としたときに、(2n+m)タップのFFE型の電気分散等化回路を構成する場合、(2n+m)個の乗算回路と、(2n+m−1)個またはそれ以上の個数の遅延回路とによって構成すれば良い。また、加算回路は、4個や(2n+m−1)個などでなくとも、1個の加算回路を用いて電気分散等化回路の出力直前で全ての信号経路の信号を加算するようにしても良いし、電気分散等化回路の出力までの間に順次加算することによって、全ての信号経路を通過した信号を加算するように構成すれば良く、1個以上であれば、任意の個数で構わない。
ここで、適用するシステムの伝送シンボルレートをB、その逆数であるビット間隔をτ(=1/B)とするとき、i番目のタップiスルーと(i+1)番目のタップ(i+1)スルーとの間のタップi−(i+1)間遅延時間TDは、次の式(1)または式(2)
Figure 0005026355
Figure 0005026355
の関係になるように調整すれば良い。
(本発明による実施形態の効果)
以上に詳細に説明したように、本発明による実施形態として例示した電気分散等化回路の回路構成によれば、例えば5タップFFE型の電気分散等化回路の各タップスルー間の遅延時間の差つまりタップ間隔(タップ間遅延時間)を一様にしないで、変化させることにより、4タップFFE型の電気分散等化回路に対して、総タップ間遅延時間を増加させず、つまり、信号特性の劣化を招くことなく、タップ数の増加を最小限の1個のみに抑えて構成することにより、受信モジュールの要求や適用システムの要求に対する信号特性のマージンを増加させることができるという効果が得られる。
すなわち、本発明による実施形態として例示した電気分散等化回路においては、4タップFFE型の電気分散等化回路の端に同じタップ間隔(例えばτ/2)でタップ数を増やして、該4タップFFE型の電気分散等化回路に比し、5タップFFE型の電気分散等化回路としての総タップ間遅延時間を増やす代わりに、総タップ間遅延時間を変えないように、タップ間隔を変化させた状態で、4タップFFE型の電気分散等化回路の中心部分に、最小限(1個)のタップを追加することによって、自由度を増やして、受信モジュールの特性変動に対するマージンがより広い5タップ構成のFFE型の電気分散等化回路を実現している。
本発明によるFFE型の電気分散等化回路の一例を示す構成図(図1(a))と、該FFE型等化回路のタップ間遅延時間を説明するための模式図(図1(b))である。 図1の5タップFFE型の電気分散等化回路を用いた場合の、タップ間遅延時間TDに対するQ値の依存性を示す特性図である。 本発明によるFFE型の電気分散等化回路の図1とは異なる例を示す構成図である。 本発明によるFFE型の電気分散等化回路の図3と異なる例を示す構成図である。 従来技術における4タップFFE型等化回路のブロック構成を示すブロック構成図(図5(a))と、該4タップFFE型等化回路のタップ間遅延時間を説明するための模式図(図5(b))である。 FFE型の電気分散等化回路の性能を評価するための評価系の系統図である。 従来の4タップFFE型等化回路を用いた場合の、タップ間遅延時間TDに対するQ値の依存性を示す特性図である。
符号の説明
11…第1の遅延回路、11a…第1aの遅延回路、11b…第1bの遅延回路、12…第2の遅延回路、12a…第2aの遅延回路、12b…第2bの遅延回路、13…第3の遅延回路、13a…第3aの遅延回路、13b…第3bの遅延回路、14…第4の遅延回路、14a…第4aの遅延回路、14b…第4bの遅延回路、21…第1の乗算回路、22…第2の乗算回路、23…第3の乗算回路、24…第4の乗算回路、25…第5の乗算回路、31…第1の加算回路、32…第2の加算回路、33…第3の加算回路、34…第4の加算回路、100…FFE型の電気分散等化回路、101…DQPSK光送信機、102…ASE光源、103…偏波分散エミュレータ、104…OE変換器、105…分離装置・エラー検出器。

Claims (3)

  1. 入力信号とあらかじめ定めたタップ係数との乗算を行う乗算回路と、入力信号をあらかじめ設定した時間遅延させる遅延回路と、入力信号の加算処理を行う加算回路とを少なくとも備えたFFE型の電気分散等化回路であって、
    n,m(n>m)を整数として、(2n+m)個の乗算回路と、(2n+m−1)個またはそれ以上の遅延回路と、1個以上の加算回路とからなって、(2n+m)タップの等化回路を構成する場合に、適用するシステムの伝送シンボルレートの逆数であるビット間隔をτとするとき、
    第i番目(i=1〜(2n+m−1)の整数)の前記乗算回路を通過するタップiスルーの信号の遅延時間と、第(i+1)番目の前記乗算回路を通過するタップ(i+1)スルーの信号の遅延時間との差のタップi−(i+1)間遅延時間TDが、式(1)
    i=1〜(n−1)の場合 :TD=τ/2
    i=n〜(n+m)の場合 :TD=τ/4 (1)
    i=(n+m+1)〜(2n+m−1)の場合:TD=τ/2
    の関係にあることを特徴とする電気分散等化回路。
  2. 請求項1に記載の電気分散等化回路において、(2n+m−1)タップの等化回路に対して、該(2n+m−1)タップの等化回路の総タップ間遅延時間を変えることなく、さらに1つのタップを追加することにより、前記タップi−(i+1)間遅延時間TDを前記式(1)の関係となる(2n+m)タップのFFE型の等化回路を構成することを特徴とする電気分散等化回路。
  3. 請求項1又は2に記載の電気分散等化回路において、前記遅延回路が、能動素子を用いた回路によって構成されていることを特徴とする電気分散等化回路。

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