JP2009094777A - 信号波形劣化補償回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】波形の歪みを高速且つ簡易に自動補償する。
【解決手段】入力した光信号を分岐部100にて2つに分岐し、バランスフォトダイオード103−1,103−2にて電気信号へ変換した信号を、FIRフィルタ105−1,105−2にて重み付け係数を用いてそれぞれ波形歪み補償を行う際に、FIRフィルタ105−1,105−2から出力された信号を信号比較部106にて互いに比較し、比較結果に基づいてFIRフィルタ105−1,105−2のうち一方のFIRフィルタを選択し、選択されたFIRフィルタの重み付け係数に当該FIRフィルタに現在設定されている重み付け係数を設定し、他方のFIRフィルタの重み付け係数に、選択されたFIRフィルタに現在設定されている重み付け係数とは異なる重み付け係数を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高速光通信システムにて伝送される信号の波形の歪みを補償するための信号波形劣化補償回路に関する。
高速伝送システムでは、様々な要因で生じる信号波形の歪みが伝送距離を制限している。例えば、長距離・大容量の高速光通信システムでは、伝送媒体である光ファイバ中の光の分散現象などにより伝送される信号波形の歪みが発生し、情報誤りを引き起こす。これらの波形歪みを補償する手段としてFIRフィルタ(もしくは、トランスバーサルフィルタ、重み付け遅延等化フィルタとも呼ばれる)が有効である。これは入力信号を複数段にわたって遅延させた上、各段の遅延信号を重み付け加算することで波形を整形し、歪みを補償した所望の波形を出力させるものである。FIRフィルタを用いた波形歪み補償回路は、複数のタップで構成される遅延素子と、各遅延素子の出力を重み付けするための増幅器とから構成される。また、当該補償回路の入力信号は、各タップで所望の遅延と利得の重み付けとを与えられた後、加算される。各タップでの重み付け係数を選択することで、波形歪みが補正可能となる。
また、光信号を2系統に分岐し、分岐された2系統の光信号をそれぞれ電気信号へ変換した後、クロック再生及びデータ再生を行い、それぞれ再生された2系統のクロックの中間位相を持つクロック信号を用いて2系統のデータ信号をラッチすることにより2系統のデータ信号の位相をそろえる回路が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−60443号公報
定常的な波形歪みを補償する場合には、上述したように初期トレーニングによって重み付け係数を決定することができる。すなわち、既知のテスト信号を入力し、既知の信号列が正しく出力されるように重み付け係数を初期設定し、固定すれば良い。
しかしながら、波形歪みが時間的に変動するような場合には、歪みの変化に応じて最適な重み付け係数が異なるため、上述したような固定の係数による補償では対応できない。
例えば、通信速度が40Gbps超の高速の光通信システムでは、光ファイバ伝送中の分散現象として、偏波モード分散が顕著となってくる。この偏波モード分散は、温度変化や振動などの外的要因によって時間的に変動するため、最適な波形歪み補償を保つためには、重み付け係数を逐次調整する自律適応機能が求められる。
そのために、符号誤り訂正回路などから信号誤り度合いの情報をフィードバックし、誤り率が所望値を満たすまで重み付け係数の調整を繰り返す手法が取られている。
しかしながら、符号誤り訂正回路は、入力信号を並列分離(DMUX)して低速に置換した信号に対して処理されるものである。そのため、非常に大規模なフィードバックループとなってしまい、調整時間を要してしまうという問題点がある。もしくは、最適な重み付け係数に短時間で収束させるための高度なアルゴリズムを駆使しなければならないという問題点がある。
本発明の目的は、上述した課題を解決する信号波形劣化補償回路を提供することである。
上記目的を達成するために本発明は、
入力した光信号を2つに分岐して電気信号へ変換した信号を、重み付け係数を用いてそれぞれ波形歪み補償を行う2つのフィルタを有してなる信号波形劣化補償回路において、
前記2つのフィルタから出力された信号を互いに比較し、該比較結果に基づいて前記2つのフィルタのうち一方のフィルタを選択し、前記選択されたフィルタの前記重み付け係数に該フィルタに現在設定されている重み付け係数を設定し、他方のフィルタの前記重み付け係数に、前記選択されたフィルタに現在設定されている重み付け係数とは異なる重み付け係数を設定することを特徴とする。
以上説明したように本発明においては、入力した光信号を2つに分岐して電気信号へ変換した信号を、2つのフィルタにて重み付け係数を用いてそれぞれ波形歪み補償を行う際に、2つのフィルタから出力された信号を互いに比較し、比較結果に基づいて2つのフィルタのうち一方のフィルタを選択し、選択されたフィルタの重み付け係数に当該フィルタに現在設定されている重み付け係数を設定し、他方のフィルタの重み付け係数に、選択されたフィルタに現在設定されている重み付け係数とは異なる重み付け係数を設定する構成としたため、波形の歪みを高速且つ簡易に自動補償することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の信号波形劣化補償回路の第1の実施の形態を示す図である。本形態は、自律適応型波形歪み補償付きDQPSK用受信器の構成である。
本形態は図1に示すように、スプリッタである分岐部100と、π/4遅延干渉計101と、−π/4遅延干渉計102と、バランスフォトダイオード103−1,103−2と、増幅器のトランス・インピーダンス・アンプであるTIA104−1,104−2と、FIRフィルタ105−1,105−2と、信号比較部106と、係数選択部107と、ロジック処理部108とから構成されている。
光ファイバ内を伝送された光信号を分岐部100で入力系統1,2に分岐する。分岐した光信号各々を、π/4遅延干渉計101と−π/4遅延干渉計102とをそれぞれ経由させた上で、バランスドフォトダイオード103−1,103−2にてそれぞれを電気信号に変換する。そして、当該電気信号をTIA104−1,104−2でそれぞれ増幅した後、2系統のデータ信号として次段に出力する。ここまでが通常のDQPSK用受信器と同様の構成である。
その後、TIA104−1,104−2からそれぞれ出力された2系統のデータ信号をFIR(Finite Impulse Response)フィルタ105−1,105−2にそれぞれ入力し、波形歪み補償処理を行う。このとき、後述する重み付け係数を用いて波形歪み補償処理を行う。FIRフィルタ105−1,105−2から出力された2系統のデータ信号は各々、次段のロジック処理部108へ出力する一方で、2系統のデータ信号を比較するための信号比較部106へ入力する。
信号比較部106における信号比較の結果から係数選択部107にて、後述のアルゴリズムによってFIRフィルタ105−1,105−2を選択し、選択されたFIRフィルタ105−1,105−2の重み付け係数に基づいて2系統のFIRフィルタ105−1,105−2の重み付け係数を制御する。
以下に、図1に示した形態おける時間的に変動する信号波形歪みを自動的に補償する動作原理を説明する。本形態では、入力系統1,2の2系統の入力信号に対して、各々個別にFIRフィルタ105−1,105−2で波形歪み補償処理を行う。2系統の入力信号は同一の光ケーブルを経由してきたものであるため、同様の分散劣化を受けており、本来はFIRフィルタ105−1,105−2の重み付け係数は2系統で同一で良い。
また、初期状態の波形歪みに対しては、初期トレーニングにより重み付け係数を決定することができる。そのため、この値をFIRフィルタ105−1の重み付け係数f(n)の初期値とし、FIRフィルタ105−2の重み付け係数g(n)はf(n)から信号誤りが生じない程度の係数補正値である微小量αだけずらしたg(n)=f(n)+αに設定する。FIRフィルタ105−1,105−2における波形歪み補償処理後の2系統間の信号を比較し、信号品質の良好である方の重み付け係数は保持し、次ステップの重み付け係数とする。他方の次ステップの重み付け係数は、この選択された重み付け係数から再びαだけずらした値に設定する。ここで、信号品質が良好であるかどうかを判断する基準は、FIRフィルタ105−1,105−2からそれぞれ出力された信号の誤り率であるエラーレートに基づくものである。つまり、エラーレートが低い方が、信号品質が良好である方とする。このエラーレートを算出するためには、一般的に行われているCRC等のエラー検出方法を用いるものであれば良い。
図2は、図1に示した係数選択部107におけるFIRフィルタ105−1,105−2の重み付け係数の選択方法を説明するためのフローチャートである。ここでは、(n-1)回目の重み付け係数の選択(STEP:n-1)、n回目の重み付け係数の選択(STEP:n)及び(n+1)回目の重み付け係数の選択(STEP:n+1)を例に挙げて説明する。また、STEP:n-1にて、FIRフィルタ105−1の重み付け係数がf(n-1)であり、また、FIRフィルタ105−2の重み付け係数g(n-1)がf(n-1)-αである場合を例に挙げて説明する。
STEP:n-1の重み付け係数の選択の後、信号比較部106にてFIRフィルタ105−1,105−2からの出力信号を比較する。FIRフィルタ105−1からの出力信号がFIRフィルタ105−2からの出力信号よりも良好であると判断した場合、FIRフィルタ105−1における次ステップ(STEP:n)の重み付け係数f(n)に現在の重み付け係数f(n-1)を設定する。また、FIRフィルタ105−2における次ステップ(STEP:n)の重み付け係数g(n)にf(n)+αを設定する。
一方、FIRフィルタ105−2からの出力信号がFIRフィルタ105−1からの出力信号よりも良好であると判断した場合は、FIRフィルタ105−2における次ステップ(STEP:n)の重み付け係数g(n)に現在の重み付け係数g(n-1)を設定する。また、FIRフィルタ105−1における次ステップ(STEP:n)の重み付け係数f(n)にg(n)+αを設定する。
STEP:nの重み付け係数の選択の後、さらに信号比較部106にてFIRフィルタ105−1,105−2からの出力信号を比較する。FIRフィルタ105−1からの出力信号がFIRフィルタ105−2からの出力信号よりも良好であると判断した場合、FIRフィルタ105−1における次ステップ(STEP:n+1)の重み付け係数f(n+1)に現在の重み付け係数f(n)を設定する。また、FIRフィルタ105−2における次ステップ(STEP:n+1)の重み付け係数g(n+1)にf(n+1)-αを設定する。
一方、FIRフィルタ105−2からの出力信号がFIRフィルタ105−1からの出力信号よりも良好であると判断した場合は、FIRフィルタ105−2における次ステップ(STEP:n+1)の重み付け係数g(n+1)に現在の重み付け係数g(n)を設定する。また、FIRフィルタ105−1における次ステップ(STEP:n+1)の重み付け係数f(n+1)にg(n+1)-αを設定する。
このように、上述した係数選択ルーチンを繰り返すことで、係数補正値αをステップとする係数補正を絶えず加え、時間的に変動する波形歪みに対して、常に最適な補償処理を保つことができる。なお、係数補正値αを現在の重み付け係数に加える際、上述したようにステップ毎に、現在の重み付け係数に対する係数補正値αの加算と減算とが交互に行われるものである。
以下に、上述した重み付け係数選択の手法の考え方を説明する。
図3は、重み付け係数が固定値である場合の重み付け係数とエラーレートとの関係の一例を示す図である。図3は、横軸にFIRフィルタ105−1,105−2の重み付け係数を取り、各重み付け係数でのFIRフィルタ105−1,105−2の出力信号の誤り率であるエラーレート(Error rate)を縦軸に模式的に示したものである。
ここで、FIRフィルタ105−1,105−2のタップは複数段となるため、重み付け係数は1次元の値では表せないが、説明を簡易とするため横軸方向の値として示している。図中の破線は、誤り率の許容限界(誤り訂正限界)を示しており、誤り率がこの値以下となるように重み付け係数を選択されていれば、受信器として正常動作できる。
図3に示すように、静的な波形歪みであれば、図3の左図に示すように、一旦、最適な重み付け係数を選択して固定すれば良い。しかし、波形歪みが時間的に変動する場合には、係数固定では、図3の右図に示すように係数に対する誤り率の曲線が変化し、誤り率の許容限界を超える場合が生じてしまう。
図4は、本発明における重み付け係数が動的に変更された場合の重み付け係数とエラーレートとの関係の一例を示す図である。
本発明では、2系統のデータ信号を別々のFIRフィルタ105−1,105−2で処理する。2つのデータ信号は同一の伝送経路を伝達されてきたものであるため、波形歪みの起源が同一である。そのため、図4に示す係数に対する誤り率の曲線も同一である。
FIRフィルタ105−1,105−2のどちらか一方の重み付け係数を、一旦、最適値に決定し、他方の重み付け係数を最適値から係数補正値である微小量αずらした値に設定する。このとき係数補正値αは、誤り率の許容限界内にあることが条件である。
図4の左図においては、上述した係数選択ルーチンを繰り返すことで、2系統のFIRフィルタ105−1,105−2の重み付け係数は、最適値をはさんで−α〜+αの範囲にあり、誤り率の許容内を保持する。
図4の右図のように、波形歪みが時間的に変動し、重み付け係数が最適値からずれ始めると、常に係数補正値αのステップで重み付け係数を揺らして良好な状態を選択し続けている。そのため、重み付け係数は、誤り率の許容限界内を保持するとともに、αのステップで最適値に近づいていく。
以上のように本発明では、2系統のデータ信号を微小量の係数補正値αを用いた異なる重み付け係数でそれぞれ補正し、両者の波形比較から良好な状態を選択し続けることで、簡易に波形歪みのモニタリングと補正とを行うことができる。実際のFIRフィルタ105−1,105−2では重み付け係数は複数である。そのため、係数補正値αの設定は、FIRフィルタ105−1,105−2のタップ数や収束性能、適用するシステムが必要とする波形歪み補償量、収束時間などに応じて予め設定されるものである。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の信号波形劣化補償回路の第2の実施の形態を示す図である。本形態は第1の実施の形態と同様に、自律適応型波形歪み補償付きDQPSK用受信器の構成である。
本形態は図5に示すように、図1に示した第1の実施の形態のFIRフィルタ105−1,105−2の出力にアイモニタ109−1,109−2がそれぞれ接続されている。また、アイモニタ109−1,109−2の出力が波形比較部110に接続されている。また、波形比較部110の出力が図1に示した第1の実施の形態の係数選択部107に接続されている。
FIRフィルタ105−1,105−2の出力信号のアイ波形開口の形状をアイモニタ109−1,109−2にてそれぞれ取得して出力する。そして、波形比較部110にて、アイモニタ109−1,109−2からそれぞれ出力されたアイ波形開口の形状を比較し、アイ波形開口領域の大きな方を良好であると判断する。
続いて、係数選択部107にて、波形比較部110における比較結果に基づいて、FIRフィルタ105−1,105−2のうち一方のFIRフィルタを選択し、選択されたFIRフィルタの重み付け係数に基づいて、次ステップの重み付け係数を設定する。具体的には、FIRフィルタ105−1,105−2のうち、良好であると判断されたアイ波形開口の形状の信号を出力したFIRフィルタの重み付け係数を保持し、次ステップの重み付け係数とする。また、この係数から係数補正値である微小量αだけずらした係数を、他方の系統のFIRフィルタの次ステップでの重み付け係数とする。その後、第1の実施の形態で説明した係数選択ルーチンを繰り返すことで、係数補正値αをステップとする係数補正を絶えず加え、時間的に変動する波形歪みに対して、常に最適な補償処理を保つことができる。なお、係数補正値αを現在の重み付け係数に加える際、第1の実施の形態と同様にステップ毎に、現在の重み付け係数に対する係数補正値αの加算と減算とが交互に行われるものである。
(第3の実施の形態)
図6は、本発明の信号波形劣化補償回路の第3の実施の形態を示す図である。本形態は第1の実施の形態と同様に、自律適応型波形歪み補償付きDQPSK用受信器の構成である。
本形態は図6に示すように、図1に示した第1の実施の形態のFIRフィルタ105−1,105−2の出力に信号平均値抽出部111−1,111−2がそれぞれ接続されている。また、信号平均値抽出部111−1,111−2の出力が平均値比較部112に接続されている。また、平均値比較部112の出力が図1に示した第1の実施の形態の係数選択部107に接続されている。
FIRフィルタ105−1,105−2の出力信号の信号平均値を信号平均値抽出部111−1,111−2にて抽出する。そして、平均値比較部112にて、信号平均値抽出部111−1,111−2にてそれぞれ抽出された信号平均値を比較する。ここで、波形歪みが大きな場合にはdutyずれにより信号の平均値が所望の値から乖離していくことから、信号平均値が所望の値に近い方を良好であると判断する。この所望の値は、平均値比較部112に予め設定されている。
続いて、係数選択部107にて、平均値比較部112における比較結果に基づいて、FIRフィルタ105−1,105−2のうち一方のFIRフィルタを選択し、選択されたFIRフィルタの重み付け係数に基づいて、次ステップの重み付け係数を設定する。具体的には、FIRフィルタ105−1,105−2のうち、良好であると判断された信号平均値の系統のFIRフィルタの重み付け係数を保持し、次ステップの重み付け係数とする。また、この係数から係数補正値である微小量αだけずらした係数を、他方の系統のFIRフィルタの次ステップでの重み付け係数とする。その後、第1の実施の形態で説明した係数選択ルーチンを繰り返すことで、係数補正値αをステップとする係数補正を絶えず加え、時間的に変動する波形歪みに対して、常に最適な補償処理を保つことができる。なお、係数補正値αを現在の重み付け係数に加える際、第1の実施の形態と同様にステップ毎に、現在の重み付け係数に対する係数補正値αの加算と減算とが交互に行われるものである。
(第4の実施の形態)
図7は、本発明の信号波形劣化補償回路の第4の実施の形態を示す図である。本形態は第1の実施の形態と同様に、自律適応型波形歪み補償付きDQPSK用受信器の構成である。
本形態は図7に示すように、図1に示した第1の実施の形態のFIRフィルタ105−1,105−2の出力に信号積算値抽出部113−1,113−2がそれぞれ接続されている。また、信号積算値抽出部113−1,113−2の出力が積算値比較部114に接続されている。また、積算値比較部114の出力が図1に示した第1の実施の形態の係数選択部107に接続されている。
FIRフィルタ105−1,105−2の出力信号の信号積算値を信号積算値抽出部113−1,113−2にて抽出する。そして、積算値比較部114にて、信号積算値抽出部113−1,113−2にてそれぞれ抽出された信号積算値を比較する。ここで、波形歪みが大きな場合にはdutyずれにより信号の積算値が所望の値から乖離していくことから、信号積算値が所望の値に近い方を良好であると判断する。この所望の値は、積算値比較部114に予め設定されている。
続いて、係数選択部107にて、積算値比較部114における比較結果に基づいて、FIRフィルタ105−1,105−2のうち一方のFIRフィルタを選択し、選択されたFIRフィルタの重み付け係数に基づいて、次ステップの重み付け係数を設定する。具体的には、FIRフィルタ105−1,105−2のうち、良好であると判断された信号積算値の系統のFIRフィルタの重み付け係数を保持し、次ステップの重み付け係数とする。また、この係数から係数補正値である微小量αだけずらした係数を、他方の系統のFIRフィルタの次ステップでの重み付け係数とする。その後、第1の実施の形態で説明した係数選択ルーチンを繰り返すことで、係数補正値αをステップとする係数補正を絶えず加え、時間的に変動する波形歪みに対して、常に最適な補償処理を保つことができる。なお、係数補正値αを現在の重み付け係数に加える際、第1の実施の形態と同様にステップ毎に、現在の重み付け係数に対する係数補正値αの加算と減算とが交互に行われるものである。
(第5の実施の形態)
図8は、本発明の信号波形劣化補償回路の第5の実施の形態を示す図である。本形態は第1の実施の形態と同様に、自律適応型波形歪み補償付きDQPSK用受信器の構成である。
本形態は図8に示すように、図1に示した第1の実施の形態のFIRフィルタ105−1の出力にインダクタとキャパシタとの並列回路であるLCタンク115−1,115−2が接続され、また、FIRフィルタ105−2の出力にLCタンク115−3,115−4が接続されている。また、LCタンク115−1〜115−4の出力が平均値差分比較部116に接続されている。また、平均値差分比較部116の出力が図1に示した第1の実施の形態の係数選択部107に接続されている。
LCタンク115−1,115−2は、FIRフィルタ105−1から出力された信号から、互いに異なる特定の周波数ポイントで信号振幅値を抽出する。また、LCタンク115−3,115−4は、FIRフィルタ105−2から出力された信号から、互いに異なる特定の周波数ポイントで信号振幅値を抽出する。
LCタンク115−1,115−2にてそれぞれ抽出された信号振幅値の差分値を平均値差分比較部116にて求める。また、同様にLCタンク115−3,115−4にてそれぞれ抽出された信号振幅値の差分値を平均値差分比較部116にて求める。そして、2つの求められた差分値を平均値差分比較部116にて比較する。
FIRフィルタ105−1〜105−2から出力されるデータ信号は、波形歪みが補償されるにつれて広帯域、平滑な周波数応答特性となる。一方で波形歪みがある場合には、周波数応答特性において、歪みの起源に応じて図8に示すような特異なディップや、帯域低下が見られる。よって各データ信号について、各々2点以上の特定の周波数ポイントでの信号振幅値の差分値を求めると、差分値が小さな方が、周波数応答特性が平滑であり、すなわち波形歪みが小さいと判断できる。
なお、ここでは、1系統につき2つのLCタンクが接続された場合を例に挙げて説明したが、3つ以上のLCタンクが接続されているものであっても良い。その場合、各系統につき、3点以上の特定の周波数ポイントでの信号振幅値が抽出することができ、それらの差分を求めることとなる。
このことから、2系統のデータ信号で、上述の差分値が小さな方が良好であると判断する。
続いて、係数選択部107にて、平均値差分比較部116における比較結果に基づいて、FIRフィルタ105−1,105−2のうち一方のFIRフィルタを選択し、選択されたFIRフィルタの重み付け係数に基づいて、次ステップの重み付け係数を設定する。具体的には、FIRフィルタ105−1,105−2のうち、良好と判断された方の系統のFIRフィルタの重み付け係数を保持し、次ステップの重み付け係数とする。また、この重み付け係数から係数補正値である微小量αだけずらした係数を、他方の系統のFIRフィルタの次ステップでの重み付け係数とする。その後、第1の実施の形態で説明した係数選択ルーチンを繰り返すことで、係数補正値αをステップとする係数補正を絶えず加え、時間的に変動する波形歪みに対して、常に最適な補償処理を保つことができる。なお、係数補正値αを現在の重み付け係数に加える際、第1の実施の形態と同様にステップ毎に、現在の重み付け係数に対する係数補正値αの加算と減算とが交互に行われるものである。
以上説明したように本発明においては、2系統の入力データ信号を各々、別々のFIRフィルタ105−1,105−2で波形歪み補償処理し、その際に重み付け係数を、2系統間で常に微小一定量だけずらしておく。FIRフィルタ105−1,105−2における処理後の波形比較から良い方の係数を保持、またその係数に再び微小一定量だけずらした値を他方の係数とする。このルーチンを繰り返すことにより、大規模なフィードバックループを要することなく、絶えず微小一定量をステップに係数の補正を加えることができ、時間的に変動する波形歪みに対しても、常に最適な補償処理を保つことができる。
つまり、信号波形の歪み補償するためのFIRフィルタ105−1,105−2の重み付け係数の最適化を2系統の信号の比較だけで行うものである。それにより、符号誤り訂正回路などの信号パラレル変換(DMUX)後の低速信号処理ブロックからの情報を必要としないため、受信フロントエンドの高速ブロック内だけの簡易かつ高速な係数最適化処理が実現できる。
これにより、40Gbps超の高速伝送システム、あるいは符号誤り訂正回路などの特別な機能ブロックを持たない汎用システムにも適用可能な、高速かつ簡易な波形歪み自動補償を実現することができる。
なお、本発明の実施の形態では、信号伝送方式としてDQPSK方式を想定して説明したが、本発明は伝送方式の種類を限定されることはなく、同一の伝送経路を伝達されてきた信号を分岐して受信器に入力するものであれば、同様に適用できる。
本発明の信号波形劣化補償回路の第1の実施の形態を示す図である。 図1に示した係数選択部におけるFIRフィルタの重み付け係数の選択方法を説明するためのフローチャートである。 重み付け係数が固定値である場合の重み付け係数とエラーレートとの関係の一例を示す図である。 本発明における重み付け係数が動的に変更された場合の重み付け係数とエラーレートとの関係の一例を示す図である。 本発明の信号波形劣化補償回路の第2の実施の形態を示す図である。 本発明の信号波形劣化補償回路の第3の実施の形態を示す図である。 本発明の信号波形劣化補償回路の第4の実施の形態を示す図である。 本発明の信号波形劣化補償回路の第5の実施の形態を示す図である。
符号の説明
100 分岐部
101 π/4遅延干渉計
102 −π/4遅延干渉計
103−1,103−2 バランスフォトダイオード
104−1,104−2 TIA
105−1,105−2 FIRフィルタ
106 信号比較部
107 係数選択部
108 ロジック処理部
109−1,109−2 アイモニタ
110 波形比較部
111−1,111−2 信号平均値抽出部
112 平均値比較部
113−1,113−2 信号積算値抽出部
114 積算値比較部
115−1〜115−4 LCタンク
116 平均値差分比較部

Claims (7)

  1. 入力した光信号を2つに分岐して電気信号へ変換した信号を、重み付け係数を用いてそれぞれ波形歪み補償を行う2つのフィルタを有してなる信号波形劣化補償回路において、
    前記2つのフィルタから出力された信号を互いに比較し、該比較結果に基づいて前記2つのフィルタのうち一方のフィルタを選択し、前記選択されたフィルタの前記重み付け係数に該フィルタに現在設定されている重み付け係数を設定し、他方のフィルタの前記重み付け係数に、前記選択されたフィルタに現在設定されている重み付け係数とは異なる重み付け係数を設定することを特徴とする信号波形劣化補償回路。
  2. 請求項1に記載の信号波形劣化補償回路において、
    前記2つのフィルタから出力された信号を互いに比較する比較部と、
    該比較結果に基づいて前記2つのフィルタのうち一方のフィルタを選択し、前記選択されたフィルタの前記重み付け係数に該フィルタに現在設定されている重み付け係数を設定し、他方のフィルタの前記重み付け係数に、前記選択されたフィルタに現在設定されている重み付け係数に係数補正値を加算または減算した重み付け係数を設定する係数選択部とを有し、
    前記係数選択部は、前記重み付け係数を設定する際に、前記加算と前記減算とを交互に行うことを特徴とする信号波形劣化補償回路。
  3. 請求項2に記載の信号波形劣化補償回路において、
    前記比較部は、前記2つのフィルタからそれぞれ出力された信号の誤り率を互いに比較し、
    前記係数選択部は、前記比較結果に基づいて前記誤り率の低い信号を出力したフィルタを選択することを特徴とする信号波形劣化補償回路。
  4. 請求項2に記載の信号波形劣化補償回路において、
    前記2つのフィルタから出力された信号のアイ波形開口をそれぞれ取得する2つのアイモニタを有し、
    前記比較部は、前記2つのアイモニタにてそれぞれ取得されたアイ波形開口を互いに比較し、
    前記係数選択部は、前記比較結果に基づいて前記アイ波形開口の大きな信号を出力したフィルタを選択することを特徴とする信号波形劣化補償回路。
  5. 請求項2に記載の信号波形劣化補償回路において、
    前記2つのフィルタから出力された信号の信号平均値をそれぞれ抽出する2つの信号平均値抽出部を有し、
    前記比較部は、前記2つの信号平均値抽出部にてそれぞれ抽出された信号平均値を互いに比較し、
    前記係数選択部は、前記比較結果に基づいて前記信号平均値が予め設定された値に近い信号を出力したフィルタを選択することを特徴とする信号波形劣化補償回路。
  6. 請求項2に記載の信号波形劣化補償回路において、
    前記2つのフィルタから出力された信号の信号積算値をそれぞれ抽出する2つの信号積算値抽出部を有し、
    前記比較部は、前記2つの信号積算値抽出部にてそれぞれ抽出された信号積算値を互いに比較し、
    前記係数選択部は、前記比較結果に基づいて前記信号積算値が予め設定された値に近い信号を出力したフィルタを選択することを特徴とする信号波形劣化補償回路。
  7. 請求項2に記載の信号波形劣化補償回路において、
    前記2つのフィルタそれぞれに複数接続されたLCタンクを有し、
    前記複数のLCタンクは、互いに異なる周波数ポイントで、前記フィルタから出力された信号の信号振幅値をそれぞれ抽出し、
    前記比較部は、前記複数のLCタンクにて抽出した信号振幅値の互いの差分値を前記2つのフィルタそれぞれについて求め、前記差分値を互いに比較し、
    前記係数選択部は、前記比較結果に基づいて前記差分値の小さな信号を出力したフィルタを選択することを特徴とする信号波形劣化補償回路。
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