JP2005005423A - プリント配線板とその処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】識別記号を付与することによって、使用されている材料がハロゲン化合物を含有しているかどうかを認識して、リサイクル処理の際に、ハロゲン化合物の含有の有無によって区分し、確実にリサイクルすることが可能であるプリント配線板を提供することを目的とする。
【解決手段】使用されている材料の、ハロゲン化合物の含有の有無を認識して、ハロゲン化合物を含有しているものと含有していないものとを容易かつ確実に区分するために、識別記号を付与し、容易にリサイクルすることを可能にしたプリント配線板である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ等の各種電子機器に広く用いられるプリント配線板とその処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサー、ビデオ一体型カメラなどの普及に伴い、プリント配線板の需要はますます増加する傾向にあるが、それら電子機器が使用後に廃棄される際に、プリント配線板は、埋立て処分されるのが一般的であった。
【0003】
近年では資源の有効利用のために、プリント配線板を、埋立て処分ではなくリサイクルする活動が盛んである。
【0004】
このリサイクルの主な方法は、プリント配線板を焼却することにより有価資源である銅を抽出するものや、粉砕後に加熱加圧してセメント製造用触媒や道路補修材にする方法等がある。
【0005】
しかし、いずれの場合にも高温加熱されることが多く、プリント配線板の基材に難燃剤として含まれているハロゲン化合物やプリント配線板のソルダレジストに着色顔料として含まれるハロゲン化合物が原因となって、加熱時にダイオキシン類等の有害物質が発生する可能性があると言われている。
【0006】
そこで、近年になって、プリント配線板に使用する材料からハロゲンをなくす研究開発が盛んとなり基材であれば、ハロゲン化合物に代えてリン化合物や水酸化アルミニウム等を難燃剤に用いる方法や、ソルダレジストの着色顔料であるフタロシアニングリーンに代えて、青色顔料を用いたり、青色顔料と黄色顔料を混合して用いる方法などが実用化されている。このようにして、開発された所謂ハロゲンフリーのプリント配線板が市場に供給され始めている。
【0007】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−7974号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように開発されたハロゲンフリープリント配線板は、燃焼時にダイオキシン類を発生することもなく、環境負荷低減に貢献できるものであるが、そのリサイクル処理の際に、従来のハロゲンを含有しているプリント配線板と同時に処理されると従来品からはダイオキシン類発生の可能性があるため、両者を明確に区分した後に別々に処理しなければハロゲンフリー製品の意味をなさない。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明は、プリント配線板に使用されている材料がハロゲン化合物を含有しているかどうかの識別記号が付与されているプリント配線板を提供し、材料にハロゲンを含有するプリント配線板とハロゲンフリーのプリント配線板を容易かつ確実に区分でき、さらに自動化が可能なプリント配線板の処理方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載した発明は、予めリサイクルしようとするプリント配線板がハロゲンフリーであるか否かであることを区別するために、プリント配線板上にバーコード、2次元コード等の識別記号を付与することを特徴とし、これを判読することによって、当該プリント配線板がハロゲンフリーであることを認識できるという作用を有し、さらに判読作業を自動化することにより、分別作業を自動化できるという特徴も有する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の識別記号を導体パターンによって形成することを特徴とするものであり、導体パターン形成時に同時に識別記号を形成することで効率化を図ることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1に記載の識別記号をソルダレジストによって形成することを特徴とするものであり、ソルダレジスト形成時に同時に識別記号を形成することで効率化を図ることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1に記載の識別記号をロードマップ(別名、部品配置図、またはサービスマップ)によって形成することを特徴とするものであり、ロードマップ形成時に同時に識別記号を形成することで効率化を図ることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、予め形成されたソルダレジストの上にレーザー等によって、識別記号を刻み込むプリント配線板であり、プリント配線板の形成に使用する材料としてソルダレジストが最終使用する材料である場合、材料がハロゲンフリーであることを確認した後、レーザー等で識別記号を形成することができる。ハロゲン化合物を含有するプリント配線板とハロゲンフリーのプリント配線板を確実に区分することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、予め形成されたロードマップインキの上にレーザー等によって、識別記号を刻み込むプリント配線板であり、プリント配線板の形成に使用する材料としてロードマップインキが最終使用する材料である場合、材料がハロゲンフリーであることを確認した後、レーザー等で識別記号を形成することができる。ハロゲン化合物を含有するプリント配線板とハロゲンフリーのプリント配線板を確実に区分することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、予めハロゲンフリーであることを情報として入力された記憶媒体を付与されていることを特徴とするプリント配線板であり、ハロゲン化合物を含有したプリント配線板との分別の際に、情報の読取装置を通すだけで、自動的に分別作業が行われるという作用を有する。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の記憶媒体をICチップとし、それをプリント配線板上に実装することを特徴とするものであり、電子機器の機能を達成するための部品を実装する際に同時に実装することができるため、効率よくICを付与できるという作用を有する。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の記憶媒体をICチップとし、それを予めプリント配線板の内部に埋め込むことを特徴とするものであり、表面をICチップの実装に使用しないため、表面の配線密度を向上することができ、電子機器の機能を達成するための部品の実装密度を低下させないという作用を有する。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の識別記号、請求項7に記載の記憶媒体を判読し、プリント配線板に使用されている材料がハロゲン化合物を含有しているものと、含有していないものを分別し、ハロゲン化合物を含有するプリント配線板の焼却等の加熱処理を回避することで、ダイオキシン等の有害物質の発生を防ぐことができる。
【0021】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1、図2は、本発明の実施の形態1におけるプリント配線板を示す平面図である、図1、図2において、1はプリント配線板、2は導体パターン、3はソルダレジスト、4はロードマップ、5はバーコード等の識別記号である。
【0023】
以上のように構成されたプリント配線板について以下説明する
まず、図1(a)に示すように、導体パターン2をエッチング等の公知の方法で形成する際に、ハロゲンフリーであることを示す所定の形状のバーコードを同時に形成したものであり、極めて容易に判読可能な識別記号5をプリント配線板に付与することができる。
【0024】
図1(b)は、図1(a)の導体パターン2に代えて、ソルダレジスト3で識別記号を形成したものであり、印刷その他の方法で容易にプリント配線板1上に付与することができる。また、図1(c)は、ロードマップ4を印刷等の方法で形成する際に、同時に識別記号5を付与したものである。
【0025】
これらの実施例において、識別記号5は、バーコードによらず、2次元コード等の識別が可能なマーキングであればよい。さらに、識別記号5の形成は、各々、導体パターン2、ソルダレジスト3、ロードマップ4と必ずしも同時に形成する必要は無く、専用の工程を設けて付与してもかまわない。
【0026】
また図2(a)は、プリント配線板1のソルダレジスト3上にレーザー等を用いて、ソルダレジスト3の一部を除去することによって、バーコード等の識別記号を形成したものである。
【0027】
さらに、図2(b)は、図2(a)と同様にロードマップインキ4上にレーザー等の手段によって識別記号を刻印したものである。本実施の形態では、レーザーによって刻印することを実施例としたが、機械的な切削加工によって刻印してもかまわない。
【0028】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における多層のプリント配線板の製造方法を示す断面図である。図3において、2は導体パターン、6は内層材、7はプリプレグ、8は金属はく、9は記憶媒体としてのICチップ、10は多層プリント配線板である。
【0029】
以上のように構成された多層プリント配線板について以下説明する。
【0030】
少なくとも片面に導体パターン2を有する内層材6(図3(A))に予めハロゲンフリーであることを情報として入力されたICチップ9を接着剤で仮固定し(図3(B))、その上下にガラス織布、不織布、アラミド織布、不織布等にエポキシ等の樹脂を含浸した後、樹脂を半硬化の所謂Bステージ状態にしたプリプレグ7と、銅等で形成された金属はく8を重ね合わせ(図3(C))、加熱加圧することにより、各層を接着し(図3(D))、表層に導体パターンをエッチング等の方法で形成する(図3(E))。
【0031】
このようにして、内部にハロゲンフリーであることを示すICチップ9を内蔵した多層プリント配線板10を得ることができる。
【0032】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3におけるプリント配線板を示す断面図である。図4において、1はプリント配線板、2は導体パターン、9は記憶媒体としてのICチップである。
【0033】
以上のように構成されたプリント配線板について以下説明する。
【0034】
プリント配線板1に機器の機能を達成するための各種電子部品を実装する際に同時にハロゲンフリーであることを情報として入力されたICチップ9を実装する。
【0035】
このようにして、ハロゲンフリーであることを示すICチップ9を極めて容易に付与されたプリント配線板1を得ることができる。
【0036】
なお、各種電子部品の実装とは別に工程を設けてICチップ9を搭載してもかまわない。また、記憶媒体としてのICチップに代えて磁気テープ等を部品のはんだ付け実装後に付与することも可能であり、この場合は磁気テープ等がはんだ耐熱性を備える必要はないので、安価で容易に実施することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明は、リサイクルしようとしているプリント配線板がハロゲンを含まないものであることを、極めて容易かつ確実に判別することができる。
【0038】
これによりハロゲンを含有するプリント配線板と分別してリサイクルすることが可能となり、リサイクル時の加熱に伴うダイオキシン類などの有害物質発生を抑制することができるという効果を有するものである。さらに本発明は、地球環境の保護、および産業政策上においても極めて有効なものであるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるプリント配線板の平面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるプリント配線板の平面図
【図3】本発明の実施の形態2におけるプリント配線板の製造工程を示す断面図
【図4】本発明の実施の形態3におけるプリント配線板の断面図
【符号の説明】
1 プリント配線板
2 導体パターン
3 ソルダレジスト
4 ロードマップ
5 識別記号
6 内層材
7 プリプレグ
8 金属はく
9 ICチップ
10 多層プリント配線板

Claims (10)

  1. プリント配線板に使用されている材料がハロゲン化合物を含有しているかどうかの識別記号を付与したプリント配線板。
  2. 識別記号は導体パターンによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 識別記号はソルダレジストによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  4. 識別記号はロードマップによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  5. 識別記号はソルダレジストにレーザーにより刻み込まれたものであることを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板。
  6. 識別記号はロードマップにレーザーにより刻み込まれたものであることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板。
  7. プリント配線板に使用されている材料がハロゲン化合物を含有していないことを情報として入力した記憶媒体を付与したプリント配線板。
  8. 記憶媒体は、ICチップであってプリント配線板上に実装、付与されていることを特徴とする請求項7に記載のプリント配線板。
  9. 記憶媒体は、ICチップであってプリント配線板に内蔵、付与されていることを特徴とする請求項7に記載のプリント配線板。
  10. 請求項1に記載の識別記号、請求項7に記載の記憶媒体を判読し、プリント配線板に使用されている材料がハロゲン化合物を含有しているものと、含有していないものを分別することを特徴とするプリント配線板の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014123682A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Ngk Spark Plug Co Ltd 基板の製造方法
WO2017199476A1 (ja) * 2016-05-20 2017-11-23 株式会社不二機販 アルミニウムの凝着防止方法

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