JP2005005352A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極形成の容易な両面受光タイプの太陽電池およびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】半導体基板1の一方の面の全面に第1の不純物固体拡散源2Aを形成し、他方の面に、開口部を有するようにパターニングされて第2の不純物固体拡散源2Bを形成する。不純物固体拡散源2A,2Bの直下に不純物拡散層3A,3Bが形成される。不純物拡散層3A,3B上にエミッタ電極6を形成し、不純物固体拡散源2Bの開口部にコレクタ電極4を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体基板1の一方の面の全面に第1の不純物固体拡散源2Aを形成し、他方の面に、開口部を有するようにパターニングされて第2の不純物固体拡散源2Bを形成する。不純物固体拡散源2A,2Bの直下に不純物拡散層3A,3Bが形成される。不純物拡散層3A,3B上にエミッタ電極6を形成し、不純物固体拡散源2Bの開口部にコレクタ電極4を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池およびその製造方法に係り、特に、基板の両面に受光面が形成された両面受光タイプに好適な太陽電池およびその製造方法
【0002】
【従来の技術】
最近、太陽電池の発電効率を高めるため、例えば、特開2002−158368号公報に記載のように、基板の両面に受光(発電)面を備えた両面受光(発電)タイプの太陽電池が開発されつつある。
【0003】
両面受光タイプの太陽電池では、例えば、p型基板を用いる場合、その両面にn+不純物拡散層を形成して、受光面とする。そして、電極は、p型基板と、n+不純物拡散層のそれぞれに形成する必要があるため、基板の一方の面のn+層には窓を形成(パターニング)して、露出したp型基板にコレクタ電極を形成する必要がある。
【0004】
ここで、パターニングされた不純物拡散層を有する太陽電池としては、例えば、「第16回ヨーロピアン・ホトボルテイク・ソーラー・エナージー・コンファレンス 第1424頁から第1426頁(16th European Photovoltaic Solar Conference, pp1424‐1426)」に記載されているものが知られている。ここでは、シリコン基板の一部に選択的に印刷・乾燥された拡散障壁層を用い、拡散障壁層の直下のシリコン基板への不純物拡散を妨害することによって、拡散障壁層直下のシリコン基板の不純物濃度を、拡散障壁層の開口部のシリコン基板の不純物濃度よりも低くしていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−158368号公報
【非特許文献1】
第16回ヨーロピアン・ホトボルテイク・ソーラー・エナージー・
コンファレンス 第1424頁から第1426頁(16th European
Photovoltaic Solar Conference, pp1424‐1426)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のパターニングされた不純物拡散層を有する太陽電池では、シリコン基板表面からの同一の深さに対して、拡散障壁層開口部の不純物濃度に対する、拡散障壁層直下の不純物濃度の比率は、約1/10それ以上であった。
【0007】
ここで、p型基板を用いて太陽電池を形成する場合、一方の面には全面にn+層を形成すると共に、他方の面には、コレクタ電極を形成する領域以外にn+層形成し、さらに、コレクタ電極を形成する位置には、p+層を形成して、コレクタ電極における小数キャリアの再結合を防止する必要がある。
【0008】
したがって、上述のパターニングされた不純物拡散層を有する太陽電池の製造法を用いてコレクタ電極を形成しようとすると、コレクタ電極を形成する領域のシリコン中のリン濃度が高くなり過ぎるため、コレクタ電極4を形成するのが困難だという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、電極形成の容易な両面受光タイプの太陽電池およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、半導体基板の一方の面の全面に形成された不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第1の不純物固体拡散源と、前記半導体基板の他方の面に、開口部を有するようにパターニングされて形成された不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第2の不純物固体拡散源と、これらの第1および第2の不純物固体拡散源の直下に形成された第1及び第2の不純物拡散層と、前記第1若しくは第2の不純物拡散層上に形成されたエミッタ電極と、前記不純物固体拡散源の開口部に形成されたコレクタ電極とを備えるようにしたものである。
かかる構成により、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行えるものとなる。
【0011】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記半導体基板は、p型シリコン半導体基板であり、前記不純物固体拡散源に含まれる不純物および不純物拡散層を形成する不純物は、共にリン化合物としたものである。
【0012】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記不純物固体拡散源は、不純物として五酸化ニリンを含むシラノールで構成するようにしたものである。
【0013】
(4)上記(1)において、好ましくは、前記半導体基板は、n型シリコン半導体基板であり、前記不純物固体拡散源に含まれる不純物および不純物拡散層を形成する不純物は、共にホウ素化合物としたものである。
【0014】
(5)上記(4)において、好ましくは、前記不純物固体拡散源は、不純物としての酸化ホウ素、あるいは不純物としての酸化ホウ秦と酸化シリコンの混合物で構成するようにしたものである。
【0015】
(6)また、上記目的を達成するために、本発明は、半導体基板の一方の面の全面に不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第1の不純物固体拡散源を形成し、前記半導体基板の他方の面に、開口部を有するようにしてパターニングして、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第2の不純物固体拡散源を形成し、これらの第1および第2の不純物固体拡散源の直下に第1及び第2の不純物拡散層を形成し、前記第1若しくは第2の不純物拡散層上にエミッタ電極を形成し、前記不純物固体拡散源の開口部にコレクタ電極を形成するようにしたものである。
かかる方法により、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行えるものとなる。
【0016】
(7)上記(6)において、好ましくは、前記第2の不純物固体拡散源のパターニングは、リフトオフ法によって行うようにしたものである。
【0017】
(8)上記(7)において、好ましくは、前記リフトオフは、ホトレジスト、スクリーン印刷用レジストインク、インクジェット印刷用水性インクのうちの少なくとも1つをスペーサとして行うようにしたものである。
【0018】
(9)上記(8)において、好ましくは、前記リフトオフのためのスペーサのパターニングは、ホトマスクを通した紫外線露光、スクリーン印刷、インクジェツト印刷のうちの少なくとも1つの方法によって行うようにしたものである。
【0019】
(10)上記(6)において、好ましくは、前記不純物拡散層上に形成されたエミッタ電極は、前もって形成された不純物固体拡散源上に金属ぺーストのパターンを形成し焼成することによって、この不純物固体拡散源を突き破って不純物拡散層と電気的に接触させることによって形成するようにしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を用いて、本発明の第1の実施形態による太陽電池の構成及び製造方法について説明する。
最初に、図1を用いて、本発明の第1の実施形態による太陽電池の構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による太陽電池の構成を示す断面図である。
【0021】
本実施形態による太陽電池は、基板の両面に受光面を有するとともに、一方の面(裏面)にコレクタ電極とエミッタ電極が構成された裏面コンタクトタイプの太陽電池である。
【0022】
p型シリコン半導体基板1の上面(表面)には、全面に、シリコン中でn型を呈する不純物であるリン等を含む不純物固体拡散源2Aが形成されている。この不純物固体拡散源2Aに接するp型シリコン半導体基板1の内部直下には、不純物固体拡散源2Aから固相拡散により形成されたn+不純物拡散層3Aが形成されている。
【0023】
p型シリコン半導体基板1の下面(裏面)には、コレクタ電極4A,4Bが形成される領域を除いて、シリコン中でn型を呈する不純物であるリン等を含む不純物固体拡散源2Bが形成されている。不純物固体拡散源2Bに接するp型シリコン半導体基板1の内部直下には、不純物固体拡散源2Bから固相拡散により形成されたn+不純物拡散層3Bが形成されている。
【0024】
さらに、p型シリコン半導体基板1の下面(裏面)には、コレクタ電極4A,4Bが形成される領域に、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を拡散したp+型不純物拡散層5A,5Bが形成され、このp+型不純物拡散層5A,5Bに接触して外部に露出したコレクタ電極4A,4Bが形成されている。
【0025】
また、p型シリコン半導体基板1の下面(裏面)であって、n+不純物拡散層3Bが形成されている位置には、不純物固体拡散源2Bの層を突き破ってエミッタ電極6A,6Bが形成されている。コレクタ電極4の材料としては、アルミを用いており、エミッタ電極6の材料としては、銀を用いている。
【0026】
p型シリコン半導体基板1とn+不純物拡散層3A,3Bのpn接合によって発電され、起電力はコレクタ電極4A,4Bとエミッタ電極6A,6Bの間の電力として取り出される。
【0027】
なお、以上の説明では、p型シリコン半導体基板1を用いた場合について説明したが、n型シリコン半導体基板を用いた場合には、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を含む不純物固体拡散源、およびp+不純物拡散層を形成し、コレクタ電極の下には、リン等を不純物としたn+不純物拡散層を形成すればよいものである。
【0028】
次に、図2を用いて、本発明の第1の実施形態による太陽電池の第1の製造方法について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態による太陽電池の第1の製造方法を示す工程図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0029】
図2(a)に示すように、p型シリコン半導体基板1の裏面(図示の下面)に、ホトレジストをスクリーン印刷法を用いてパターン状に塗布・乾燥し、不純物塗布拡散剤リフトオフ用スペーサ11A,11Bを形成する。
【0030】
次に、図2(b)に示すように、p型シリコン半導体基板1の裏面にシリコン中でn型を呈する不純物であるリン等を含む不純物塗布拡散剤を塗布・乾燥する。次に、p型シリコン半導体基板1の表面(図示の上側の面)に、上述と同じ不純物塗布拡散剤を塗布・乾燥する。リン等を含む不純物としては、リン化合物,例えば、五酸化二リンを含むシラノールを用いる。次に、ホトレジスト剥離液を用いて、不純物塗布拡散剤11A,11Bのリフトオフ加工を行う。これによって、p型シリコン半導体基板1の表面の全面に不純物固体拡散源2Aが形成され、裏面には開口パターンを有する不純物固体拡散源2Bが形成される。不純物固体拡散源2A,2Bとしては、上述の不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンでなり、その膜厚は0.3μm以下である。不純物拡散剤の塗布は、例えば、スピンコートにより行われ、スピンコートによって形成される膜厚は、一般に0.3μm以下となる。
【0031】
次に、図2(c)に示すように、不純物固体拡散源2A,2Bからの固相拡散により、p型シリコン半導体基板1中の不純物固体拡散源2Aの直下および不純物固体拡散源2Bの直上の部分に、それぞれ、n+型不純物拡散層3A,3Bを形成する。ここで、拡散温度は870℃とする。
【0032】
次に、図2(d)に示すように、不純物固体拡散源2Bの開口部から、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を拡散して、p+型不純物拡散層5A,5Bを形成する。次に、アルミニウムをスクリーン印刷法を用いてパターン状に塗布・焼成することによって、p+型不純物拡散層5A,5Bに接触したコレクタ電極4A,4Bを形成する。
【0033】
また、n+型不純物拡散層3Bの上に、銀電極6A,6Bをスクリーン印刷法を用いてパターン状に形成し、焼成することにより、エミッタ電極6とする。不純物固体拡散源2Bは、上述したように、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなり、その膜厚は0.3μm以下であるので、銀電極6A,6Bは不純物固体拡散源2Bを突き破って容易にシリコン面と電気的に接触させることができる。
【0034】
以上説明したように、半導体基板上に、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンでなるパターン状の不純物固体拡散源を設け、このパターニングをリフトオフ法により行い、この不純物固体拡散源の直下に不純物拡散層を形成することにより、不純物固体拡散源の開口部のシリコン基板中に不純物固体拡散源中の不純物が拡散することがない。したがって、不純物固体拡散源の開口部のシリコン基板中にp+層を形成し、さらにこのp+層に接触するコレクタ電極を形成するのが容易になる。
【0035】
また、パターン状の不純物固体拡散源が0,3μmよりも厚いと該不純物固体拡散源を突き破って直下の不純物拡散層と電気的に接触する貫通型エミッタ電極を形成するのが困難になるが、本実施形態の太陽電池では、不純物固体拡散源のパターニングをリフトオフ法によって行っているので、不純物固体拡散源の原料として粘度が10cP以下の材料を使用することができ、塗布・乾燥によって不純物固体拡散源を形成する場合に、厚さを0.3μm以下にすることが可能になる。したがって、不純物固体拡散源上にスクリーン印刷法等によって銀ぺースト等の金属ぺーストのパターンを形成し焼成することによって、直下の不純物拡散層と電気的に接触する貫通型エミッタ電極を形成することができる。
【0036】
なお、以上の例では、不純物塗布拡散剤リフトオフ用スペーサ11としてホトレジストを用いたが、これに代えて、スクリーン印刷用レジストインク、インクジェット印刷用インク等を用いても良いものである。
【0037】
また、以上の例では、不純物塗布拡散剤リフトオフ用スペーサ11のパターニング方法としてスクリーン印刷を用いたが、ホトマスクを通した紫外線露光、インクジェット印刷等を用いても良いものである。
【0038】
以上により、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行い得るものとなる。
【0039】
次に、図3を用いて、本発明の第1の実施形態による太陽電池の第2の製造方法について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態による太陽電池の第2の製造方法を示す工程図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0040】
図3(a)に示すように、p型シリコン半導体基板1の裏面にシリコン中でn型を呈する不純物であるリン等を含む不純物塗布拡散剤を塗布・乾燥し、不純物塗布拡散剤膜12Bを形成する。次に、p型シリコン半導体基板1の表面に同じ不純物塗布拡散剤を塗布・乾燥し、不純物塗布拡散剤膜12Aを形成する。
【0041】
次に、図3(b)に示すように、p型シリコン半導体基板1の表側・裏側共に、上記の不純物塗布拡散剤膜12の面を被覆する形でホトレジストを塗布し、裏側のみをホトマスクを通した紫外線露光によって加工して、拡散パターンエッチング用レジスト13A,13Bを形成する。この拡散パターンエッチング用レジスト13A.13Bをマスクとして、不純物塗布拡散剤膜12をフッ酸ウェットエッチングして不純物固体拡散源2A,2Bを形成する。したがって、p型シリコン半導体基板1の裏面には、パターニングされた不純物固体拡散源2Bが形成される。
【0042】
次に、図3(c)に示すように、そして、図2(c)と同様に、不純物固体拡散源2A,2Bからの固相拡散により、p型シリコン半導体基板1中の不純物固体拡散源2Aの直下および不純物固体拡散源2Bの直上の部分に、それぞれ、n+型不純物拡散層3A,3Bを形成する。ここで、拡散温度は870℃とする。
【0043】
次に、図3(d)に示すように、そして、図2(d)と同様に、不純物固体拡散源2Bの開口部から、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を拡散して、p+型不純物拡散層5A,5Bを形成する。次に、アルミニウムをスクリーン印刷法を用いてパターン状に塗布・焼成することによって、p+型不純物拡散層5A,5Bに接触したコレクタ電極4A,4Bを形成する。
【0044】
また、n+型不純物拡散層3Bの上に、銀電極6A,6Bをスクリーン印刷法を用いてパターン状に形成し、焼成することにより、エミッタ電極6とする。不純物固体拡散源2Bは、上述したように、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなり、その膜厚は0.3μm以下であるので、銀電極6A,6Bは不純物固体拡散源2Bを突き破って容易にシリコン面と電気的に接触させることができる。
【0045】
以上の製造方法ではリフトオフ法を用いる場合よりも工程は複雑になるが、図1に示した構成の太陽電池を実現することができる。
【0046】
以上の各例によれば、例えば、不純物拡散層3に含まれる不純物としてリンを用いた場合、n+型不純物拡散層3のうち不純物固体拡散源2に接した箇所のリンの濃度が1020cm−3であるのに対して、シリコン半導体基板1のうち不純物固体拡散源2から水平方向に1μm以上距離がある箇所では、リンの濃度は1016cm−3以下にすることができ、p+型不純物層5を容易に形成することができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、パターニングされた選択的不純物拡散層を有する太陽電池において、コレクタ電極およびその近傍のp+層形成が容易になり、また不純物固体拡散源を突き破ってn+型不純物拡散層と電気的に接触する貫通型エミッタ電極の形成が可能になるため、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行い得るものとなる。
【0048】
次に、図4〜図6を用いて、本発明の第2の実施形態による太陽電池の構成及び製造方法について説明する。
最初に、図4を用いて、本発明の第2の実施形態による太陽電池の構成について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態による太陽電池の構成を示す断面図である。なお、図1と同一符号は、同一構成を示している。
【0049】
本実施形態による太陽電池は、基板の両面に受光面を有するとともに、一方の面(裏面)にコレクタ電極が形成され、他方の面にエミッタ電極が構成された両面コンタクトタイプの太陽電池である。
【0050】
すなわち、エミッタ電極6は、p型シリコン半導体基板1の上面(表面)に形成された不純物固体拡散源2Aの上に形成されている。エミッタ電極6は、不純物固体拡散源2Aの層を突き破って、n+不純物拡散層3Aと接触している。
【0051】
なお、以上の構成以外の点は、図1に示したものと同様である。また、ここでは、p型シリコン半導体基板1を用いた場合について説明したが、n型シリコン半導体基板を用いた場合には、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を含む不純物固体拡散源、およびp+不純物拡散層を形成し、コレクタ電極の下には、リン等を不純物としたn+不純物拡散層を形成すればよいものである。
【0052】
次に、図5を用いて、本発明の第2の実施形態による太陽電池の第1の製造方法について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態による太陽電池の第1の製造方法を示す工程図である。なお、図2と同一符号は、同一部分を示している。
【0053】
図5(a)〜図5(c)の工程は、図2(a)〜図2(c)の工程と同様である。
【0054】
そして、図5(d)に示すように、不純物固体拡散源2Bの開口部から、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を拡散して、p+型不純物拡散層5A,5Bを形成する。次に、アルミニウムをスクリーン印刷法を用いてパターン状に塗布・焼成することによって、p+型不純物拡散層5A,5Bに接触したコレクタ電極4A,4Bを形成する。
【0055】
また、n+型不純物拡散層3Aの上に、銀電極6をスクリーン印刷法を用いてパターン状に形成し、焼成することにより、エミッタ電極6とする。不純物固体拡散源2Aは、上述したように、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなり、その膜厚は0.3μm以下であるので、銀電極6は不純物固体拡散源2Aを突き破って容易にシリコン面と電気的に接触させることができる。
【0056】
次に、図6を用いて、本発明の第2の実施形態による太陽電池の第2の製造方法について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態による太陽電池の第2の製造方法を示す工程図である。なお、図3と同一符号は、同一部分を示している。
【0057】
図6(a)〜図6(c)の工程は、図3(a)〜図3(c)の工程と同様である。
【0058】
そして、図6(d)に示すように、不純物固体拡散源2Bの開口部から、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を拡散して、p+型不純物拡散層5A,5Bを形成する。次に、アルミニウムをスクリーン印刷法を用いてパターン状に塗布・焼成することによって、p+型不純物拡散層5A,5Bに接触したコレクタ電極4A,4Bを形成する。
【0059】
また、n+型不純物拡散層3あの上に、銀電極6をスクリーン印刷法を用いてパターン状に形成し、焼成することにより、エミッタ電極6とする。不純物固体拡散源2Aは、上述したように、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなり、その膜厚は0.3μm以下であるので、銀電極6は不純物固体拡散源2Aを突き破って容易にシリコン面と電気的に接触させることができる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、パターニングされた選択的不純物拡散層を有する太陽電池において、コレクタ電極およびその近傍のp+層形成が容易になり、また不純物固体拡散源を突き破ってn+型不純物拡散層と電気的に接触する貫通型エミッタ電極の形成が可能になるため、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行い得るものとなる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行い得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による太陽電池の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による太陽電池の第1の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による太陽電池の第2の製造方法を示す工程図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による太陽電池の構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による太陽電池の第1の製造方法を示す工程図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による太陽電池の第2の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1…p型シリコン半導体基板
2…不純物固体拡散源
3…n+型不純物拡散層
4…コレクタ電極
5…p+型不純物層
6…エミッタ電極
11…不純物塗布拡散剤リフトオフ用スペーサ
12…不純物塗布拡散剤膜
13…拡散パターンエッチング用レジスト
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池およびその製造方法に係り、特に、基板の両面に受光面が形成された両面受光タイプに好適な太陽電池およびその製造方法
【0002】
【従来の技術】
最近、太陽電池の発電効率を高めるため、例えば、特開2002−158368号公報に記載のように、基板の両面に受光(発電)面を備えた両面受光(発電)タイプの太陽電池が開発されつつある。
【0003】
両面受光タイプの太陽電池では、例えば、p型基板を用いる場合、その両面にn+不純物拡散層を形成して、受光面とする。そして、電極は、p型基板と、n+不純物拡散層のそれぞれに形成する必要があるため、基板の一方の面のn+層には窓を形成(パターニング)して、露出したp型基板にコレクタ電極を形成する必要がある。
【0004】
ここで、パターニングされた不純物拡散層を有する太陽電池としては、例えば、「第16回ヨーロピアン・ホトボルテイク・ソーラー・エナージー・コンファレンス 第1424頁から第1426頁(16th European Photovoltaic Solar Conference, pp1424‐1426)」に記載されているものが知られている。ここでは、シリコン基板の一部に選択的に印刷・乾燥された拡散障壁層を用い、拡散障壁層の直下のシリコン基板への不純物拡散を妨害することによって、拡散障壁層直下のシリコン基板の不純物濃度を、拡散障壁層の開口部のシリコン基板の不純物濃度よりも低くしていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−158368号公報
【非特許文献1】
第16回ヨーロピアン・ホトボルテイク・ソーラー・エナージー・
コンファレンス 第1424頁から第1426頁(16th European
Photovoltaic Solar Conference, pp1424‐1426)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のパターニングされた不純物拡散層を有する太陽電池では、シリコン基板表面からの同一の深さに対して、拡散障壁層開口部の不純物濃度に対する、拡散障壁層直下の不純物濃度の比率は、約1/10それ以上であった。
【0007】
ここで、p型基板を用いて太陽電池を形成する場合、一方の面には全面にn+層を形成すると共に、他方の面には、コレクタ電極を形成する領域以外にn+層形成し、さらに、コレクタ電極を形成する位置には、p+層を形成して、コレクタ電極における小数キャリアの再結合を防止する必要がある。
【0008】
したがって、上述のパターニングされた不純物拡散層を有する太陽電池の製造法を用いてコレクタ電極を形成しようとすると、コレクタ電極を形成する領域のシリコン中のリン濃度が高くなり過ぎるため、コレクタ電極4を形成するのが困難だという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、電極形成の容易な両面受光タイプの太陽電池およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、半導体基板の一方の面の全面に形成された不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第1の不純物固体拡散源と、前記半導体基板の他方の面に、開口部を有するようにパターニングされて形成された不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第2の不純物固体拡散源と、これらの第1および第2の不純物固体拡散源の直下に形成された第1及び第2の不純物拡散層と、前記第1若しくは第2の不純物拡散層上に形成されたエミッタ電極と、前記不純物固体拡散源の開口部に形成されたコレクタ電極とを備えるようにしたものである。
かかる構成により、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行えるものとなる。
【0011】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記半導体基板は、p型シリコン半導体基板であり、前記不純物固体拡散源に含まれる不純物および不純物拡散層を形成する不純物は、共にリン化合物としたものである。
【0012】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記不純物固体拡散源は、不純物として五酸化ニリンを含むシラノールで構成するようにしたものである。
【0013】
(4)上記(1)において、好ましくは、前記半導体基板は、n型シリコン半導体基板であり、前記不純物固体拡散源に含まれる不純物および不純物拡散層を形成する不純物は、共にホウ素化合物としたものである。
【0014】
(5)上記(4)において、好ましくは、前記不純物固体拡散源は、不純物としての酸化ホウ素、あるいは不純物としての酸化ホウ秦と酸化シリコンの混合物で構成するようにしたものである。
【0015】
(6)また、上記目的を達成するために、本発明は、半導体基板の一方の面の全面に不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第1の不純物固体拡散源を形成し、前記半導体基板の他方の面に、開口部を有するようにしてパターニングして、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第2の不純物固体拡散源を形成し、これらの第1および第2の不純物固体拡散源の直下に第1及び第2の不純物拡散層を形成し、前記第1若しくは第2の不純物拡散層上にエミッタ電極を形成し、前記不純物固体拡散源の開口部にコレクタ電極を形成するようにしたものである。
かかる方法により、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行えるものとなる。
【0016】
(7)上記(6)において、好ましくは、前記第2の不純物固体拡散源のパターニングは、リフトオフ法によって行うようにしたものである。
【0017】
(8)上記(7)において、好ましくは、前記リフトオフは、ホトレジスト、スクリーン印刷用レジストインク、インクジェット印刷用水性インクのうちの少なくとも1つをスペーサとして行うようにしたものである。
【0018】
(9)上記(8)において、好ましくは、前記リフトオフのためのスペーサのパターニングは、ホトマスクを通した紫外線露光、スクリーン印刷、インクジェツト印刷のうちの少なくとも1つの方法によって行うようにしたものである。
【0019】
(10)上記(6)において、好ましくは、前記不純物拡散層上に形成されたエミッタ電極は、前もって形成された不純物固体拡散源上に金属ぺーストのパターンを形成し焼成することによって、この不純物固体拡散源を突き破って不純物拡散層と電気的に接触させることによって形成するようにしたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を用いて、本発明の第1の実施形態による太陽電池の構成及び製造方法について説明する。
最初に、図1を用いて、本発明の第1の実施形態による太陽電池の構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による太陽電池の構成を示す断面図である。
【0021】
本実施形態による太陽電池は、基板の両面に受光面を有するとともに、一方の面(裏面)にコレクタ電極とエミッタ電極が構成された裏面コンタクトタイプの太陽電池である。
【0022】
p型シリコン半導体基板1の上面(表面)には、全面に、シリコン中でn型を呈する不純物であるリン等を含む不純物固体拡散源2Aが形成されている。この不純物固体拡散源2Aに接するp型シリコン半導体基板1の内部直下には、不純物固体拡散源2Aから固相拡散により形成されたn+不純物拡散層3Aが形成されている。
【0023】
p型シリコン半導体基板1の下面(裏面)には、コレクタ電極4A,4Bが形成される領域を除いて、シリコン中でn型を呈する不純物であるリン等を含む不純物固体拡散源2Bが形成されている。不純物固体拡散源2Bに接するp型シリコン半導体基板1の内部直下には、不純物固体拡散源2Bから固相拡散により形成されたn+不純物拡散層3Bが形成されている。
【0024】
さらに、p型シリコン半導体基板1の下面(裏面)には、コレクタ電極4A,4Bが形成される領域に、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を拡散したp+型不純物拡散層5A,5Bが形成され、このp+型不純物拡散層5A,5Bに接触して外部に露出したコレクタ電極4A,4Bが形成されている。
【0025】
また、p型シリコン半導体基板1の下面(裏面)であって、n+不純物拡散層3Bが形成されている位置には、不純物固体拡散源2Bの層を突き破ってエミッタ電極6A,6Bが形成されている。コレクタ電極4の材料としては、アルミを用いており、エミッタ電極6の材料としては、銀を用いている。
【0026】
p型シリコン半導体基板1とn+不純物拡散層3A,3Bのpn接合によって発電され、起電力はコレクタ電極4A,4Bとエミッタ電極6A,6Bの間の電力として取り出される。
【0027】
なお、以上の説明では、p型シリコン半導体基板1を用いた場合について説明したが、n型シリコン半導体基板を用いた場合には、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を含む不純物固体拡散源、およびp+不純物拡散層を形成し、コレクタ電極の下には、リン等を不純物としたn+不純物拡散層を形成すればよいものである。
【0028】
次に、図2を用いて、本発明の第1の実施形態による太陽電池の第1の製造方法について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態による太陽電池の第1の製造方法を示す工程図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0029】
図2(a)に示すように、p型シリコン半導体基板1の裏面(図示の下面)に、ホトレジストをスクリーン印刷法を用いてパターン状に塗布・乾燥し、不純物塗布拡散剤リフトオフ用スペーサ11A,11Bを形成する。
【0030】
次に、図2(b)に示すように、p型シリコン半導体基板1の裏面にシリコン中でn型を呈する不純物であるリン等を含む不純物塗布拡散剤を塗布・乾燥する。次に、p型シリコン半導体基板1の表面(図示の上側の面)に、上述と同じ不純物塗布拡散剤を塗布・乾燥する。リン等を含む不純物としては、リン化合物,例えば、五酸化二リンを含むシラノールを用いる。次に、ホトレジスト剥離液を用いて、不純物塗布拡散剤11A,11Bのリフトオフ加工を行う。これによって、p型シリコン半導体基板1の表面の全面に不純物固体拡散源2Aが形成され、裏面には開口パターンを有する不純物固体拡散源2Bが形成される。不純物固体拡散源2A,2Bとしては、上述の不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンでなり、その膜厚は0.3μm以下である。不純物拡散剤の塗布は、例えば、スピンコートにより行われ、スピンコートによって形成される膜厚は、一般に0.3μm以下となる。
【0031】
次に、図2(c)に示すように、不純物固体拡散源2A,2Bからの固相拡散により、p型シリコン半導体基板1中の不純物固体拡散源2Aの直下および不純物固体拡散源2Bの直上の部分に、それぞれ、n+型不純物拡散層3A,3Bを形成する。ここで、拡散温度は870℃とする。
【0032】
次に、図2(d)に示すように、不純物固体拡散源2Bの開口部から、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を拡散して、p+型不純物拡散層5A,5Bを形成する。次に、アルミニウムをスクリーン印刷法を用いてパターン状に塗布・焼成することによって、p+型不純物拡散層5A,5Bに接触したコレクタ電極4A,4Bを形成する。
【0033】
また、n+型不純物拡散層3Bの上に、銀電極6A,6Bをスクリーン印刷法を用いてパターン状に形成し、焼成することにより、エミッタ電極6とする。不純物固体拡散源2Bは、上述したように、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなり、その膜厚は0.3μm以下であるので、銀電極6A,6Bは不純物固体拡散源2Bを突き破って容易にシリコン面と電気的に接触させることができる。
【0034】
以上説明したように、半導体基板上に、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンでなるパターン状の不純物固体拡散源を設け、このパターニングをリフトオフ法により行い、この不純物固体拡散源の直下に不純物拡散層を形成することにより、不純物固体拡散源の開口部のシリコン基板中に不純物固体拡散源中の不純物が拡散することがない。したがって、不純物固体拡散源の開口部のシリコン基板中にp+層を形成し、さらにこのp+層に接触するコレクタ電極を形成するのが容易になる。
【0035】
また、パターン状の不純物固体拡散源が0,3μmよりも厚いと該不純物固体拡散源を突き破って直下の不純物拡散層と電気的に接触する貫通型エミッタ電極を形成するのが困難になるが、本実施形態の太陽電池では、不純物固体拡散源のパターニングをリフトオフ法によって行っているので、不純物固体拡散源の原料として粘度が10cP以下の材料を使用することができ、塗布・乾燥によって不純物固体拡散源を形成する場合に、厚さを0.3μm以下にすることが可能になる。したがって、不純物固体拡散源上にスクリーン印刷法等によって銀ぺースト等の金属ぺーストのパターンを形成し焼成することによって、直下の不純物拡散層と電気的に接触する貫通型エミッタ電極を形成することができる。
【0036】
なお、以上の例では、不純物塗布拡散剤リフトオフ用スペーサ11としてホトレジストを用いたが、これに代えて、スクリーン印刷用レジストインク、インクジェット印刷用インク等を用いても良いものである。
【0037】
また、以上の例では、不純物塗布拡散剤リフトオフ用スペーサ11のパターニング方法としてスクリーン印刷を用いたが、ホトマスクを通した紫外線露光、インクジェット印刷等を用いても良いものである。
【0038】
以上により、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行い得るものとなる。
【0039】
次に、図3を用いて、本発明の第1の実施形態による太陽電池の第2の製造方法について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態による太陽電池の第2の製造方法を示す工程図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0040】
図3(a)に示すように、p型シリコン半導体基板1の裏面にシリコン中でn型を呈する不純物であるリン等を含む不純物塗布拡散剤を塗布・乾燥し、不純物塗布拡散剤膜12Bを形成する。次に、p型シリコン半導体基板1の表面に同じ不純物塗布拡散剤を塗布・乾燥し、不純物塗布拡散剤膜12Aを形成する。
【0041】
次に、図3(b)に示すように、p型シリコン半導体基板1の表側・裏側共に、上記の不純物塗布拡散剤膜12の面を被覆する形でホトレジストを塗布し、裏側のみをホトマスクを通した紫外線露光によって加工して、拡散パターンエッチング用レジスト13A,13Bを形成する。この拡散パターンエッチング用レジスト13A.13Bをマスクとして、不純物塗布拡散剤膜12をフッ酸ウェットエッチングして不純物固体拡散源2A,2Bを形成する。したがって、p型シリコン半導体基板1の裏面には、パターニングされた不純物固体拡散源2Bが形成される。
【0042】
次に、図3(c)に示すように、そして、図2(c)と同様に、不純物固体拡散源2A,2Bからの固相拡散により、p型シリコン半導体基板1中の不純物固体拡散源2Aの直下および不純物固体拡散源2Bの直上の部分に、それぞれ、n+型不純物拡散層3A,3Bを形成する。ここで、拡散温度は870℃とする。
【0043】
次に、図3(d)に示すように、そして、図2(d)と同様に、不純物固体拡散源2Bの開口部から、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を拡散して、p+型不純物拡散層5A,5Bを形成する。次に、アルミニウムをスクリーン印刷法を用いてパターン状に塗布・焼成することによって、p+型不純物拡散層5A,5Bに接触したコレクタ電極4A,4Bを形成する。
【0044】
また、n+型不純物拡散層3Bの上に、銀電極6A,6Bをスクリーン印刷法を用いてパターン状に形成し、焼成することにより、エミッタ電極6とする。不純物固体拡散源2Bは、上述したように、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなり、その膜厚は0.3μm以下であるので、銀電極6A,6Bは不純物固体拡散源2Bを突き破って容易にシリコン面と電気的に接触させることができる。
【0045】
以上の製造方法ではリフトオフ法を用いる場合よりも工程は複雑になるが、図1に示した構成の太陽電池を実現することができる。
【0046】
以上の各例によれば、例えば、不純物拡散層3に含まれる不純物としてリンを用いた場合、n+型不純物拡散層3のうち不純物固体拡散源2に接した箇所のリンの濃度が1020cm−3であるのに対して、シリコン半導体基板1のうち不純物固体拡散源2から水平方向に1μm以上距離がある箇所では、リンの濃度は1016cm−3以下にすることができ、p+型不純物層5を容易に形成することができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、パターニングされた選択的不純物拡散層を有する太陽電池において、コレクタ電極およびその近傍のp+層形成が容易になり、また不純物固体拡散源を突き破ってn+型不純物拡散層と電気的に接触する貫通型エミッタ電極の形成が可能になるため、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行い得るものとなる。
【0048】
次に、図4〜図6を用いて、本発明の第2の実施形態による太陽電池の構成及び製造方法について説明する。
最初に、図4を用いて、本発明の第2の実施形態による太陽電池の構成について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態による太陽電池の構成を示す断面図である。なお、図1と同一符号は、同一構成を示している。
【0049】
本実施形態による太陽電池は、基板の両面に受光面を有するとともに、一方の面(裏面)にコレクタ電極が形成され、他方の面にエミッタ電極が構成された両面コンタクトタイプの太陽電池である。
【0050】
すなわち、エミッタ電極6は、p型シリコン半導体基板1の上面(表面)に形成された不純物固体拡散源2Aの上に形成されている。エミッタ電極6は、不純物固体拡散源2Aの層を突き破って、n+不純物拡散層3Aと接触している。
【0051】
なお、以上の構成以外の点は、図1に示したものと同様である。また、ここでは、p型シリコン半導体基板1を用いた場合について説明したが、n型シリコン半導体基板を用いた場合には、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を含む不純物固体拡散源、およびp+不純物拡散層を形成し、コレクタ電極の下には、リン等を不純物としたn+不純物拡散層を形成すればよいものである。
【0052】
次に、図5を用いて、本発明の第2の実施形態による太陽電池の第1の製造方法について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態による太陽電池の第1の製造方法を示す工程図である。なお、図2と同一符号は、同一部分を示している。
【0053】
図5(a)〜図5(c)の工程は、図2(a)〜図2(c)の工程と同様である。
【0054】
そして、図5(d)に示すように、不純物固体拡散源2Bの開口部から、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を拡散して、p+型不純物拡散層5A,5Bを形成する。次に、アルミニウムをスクリーン印刷法を用いてパターン状に塗布・焼成することによって、p+型不純物拡散層5A,5Bに接触したコレクタ電極4A,4Bを形成する。
【0055】
また、n+型不純物拡散層3Aの上に、銀電極6をスクリーン印刷法を用いてパターン状に形成し、焼成することにより、エミッタ電極6とする。不純物固体拡散源2Aは、上述したように、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなり、その膜厚は0.3μm以下であるので、銀電極6は不純物固体拡散源2Aを突き破って容易にシリコン面と電気的に接触させることができる。
【0056】
次に、図6を用いて、本発明の第2の実施形態による太陽電池の第2の製造方法について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態による太陽電池の第2の製造方法を示す工程図である。なお、図3と同一符号は、同一部分を示している。
【0057】
図6(a)〜図6(c)の工程は、図3(a)〜図3(c)の工程と同様である。
【0058】
そして、図6(d)に示すように、不純物固体拡散源2Bの開口部から、シリコン中でp型を呈する不純物であるホウ素等を拡散して、p+型不純物拡散層5A,5Bを形成する。次に、アルミニウムをスクリーン印刷法を用いてパターン状に塗布・焼成することによって、p+型不純物拡散層5A,5Bに接触したコレクタ電極4A,4Bを形成する。
【0059】
また、n+型不純物拡散層3あの上に、銀電極6をスクリーン印刷法を用いてパターン状に形成し、焼成することにより、エミッタ電極6とする。不純物固体拡散源2Aは、上述したように、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなり、その膜厚は0.3μm以下であるので、銀電極6は不純物固体拡散源2Aを突き破って容易にシリコン面と電気的に接触させることができる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、パターニングされた選択的不純物拡散層を有する太陽電池において、コレクタ電極およびその近傍のp+層形成が容易になり、また不純物固体拡散源を突き破ってn+型不純物拡散層と電気的に接触する貫通型エミッタ電極の形成が可能になるため、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行い得るものとなる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、両面受光タイプの太陽電池における電極形成を容易に行い得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による太陽電池の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による太陽電池の第1の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による太陽電池の第2の製造方法を示す工程図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による太陽電池の構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による太陽電池の第1の製造方法を示す工程図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による太陽電池の第2の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1…p型シリコン半導体基板
2…不純物固体拡散源
3…n+型不純物拡散層
4…コレクタ電極
5…p+型不純物層
6…エミッタ電極
11…不純物塗布拡散剤リフトオフ用スペーサ
12…不純物塗布拡散剤膜
13…拡散パターンエッチング用レジスト
Claims (10)
- 半導体基板の一方の面の全面に形成された不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第1の不純物固体拡散源と、
前記半導体基板の他方の面に、開口部を有するようにパターニングされて形成された不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第2の不純物固体拡散源と、
これらの第1および第2の不純物固体拡散源の直下に形成された第1及び第2の不純物拡散層と、
前記第1若しくは第2の不純物拡散層上に形成されたエミッタ電極と、
前記不純物固体拡散源の開口部に形成されたコレクタ電極とを備えたことを特徴とする太陽電池。 - 請求項1記載の太陽電池において、
前記半導体基板は、p型シリコン半導体基板であり、
前記不純物固体拡散源に含まれる不純物および不純物拡散層を形成する不純物は、共にリン化合物であることを特徴とする太陽電池。 - 請求項2に記載の太陽電池において、
前記不純物固体拡散源は、不純物として五酸化ニリンを含むシラノールで構成されることを特徴とする太陽電池。 - 請求項1記載の太陽電池において、
前記半導体基板は、n型シリコン半導体基板であり、
前記不純物固体拡散源に含まれる不純物および不純物拡散層を形成する不純物は、共にホウ素化合物であることを特徴とする太陽電池。 - 請求項4記載の太陽電池において、
前記不純物固体拡散源は、不純物としての酸化ホウ素、あるいは不純物としての酸化ホウ秦と酸化シリコンの混合物で構成されることを特徴とする太陽電池。 - 半導体基板の一方の面の全面に不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第1の不純物固体拡散源を形成し、
前記半導体基板の他方の面に、開口部を有するようにしてパターニングして、不純物を含む酸化シリコンあるいは不純物を含む酸化チタンからなる第2の不純物固体拡散源を形成し、
これらの第1および第2の不純物固体拡散源の直下に第1及び第2の不純物拡散層を形成し、
前記第1若しくは第2の不純物拡散層上にエミッタ電極を形成し、
前記不純物固体拡散源の開口部にコレクタ電極を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法。 - 請求項6記載の太陽電池の製造方法において、
前記第2の不純物固体拡散源のパターニングは、リフトオフ法によって行われていることを特徴とする太陽電池の製造方法。 - 請求項7記載の太陽電池の製造方法において、
前記リフトオフは、ホトレジスト、スクリーン印刷用レジストインク、インクジェット印刷用水性インクのうちの少なくとも1つをスペーサとして行われていることを特徴とする太陽電池の製造方法。 - 請求項8記載の太陽電池の製造方法において、
前記リフトオフのためのスペーサのパターニングは、ホトマスクを通した紫外線露光、スクリーン印刷、インクジェツト印刷のうちの少なくとも1つの方法によって行われていることを特徴とする太陽電池の製造方法。 - 請求項6記載の太陽電池の製造方法において、
前記不純物拡散層上に形成されたエミッタ電極は、前もって形成された不純物固体拡散源上に金属ぺーストのパターンを形成し焼成することによって、この不純物固体拡散源を突き破って不純物拡散層と電気的に接触させることによって形成されることを特徴とする太陽電池の製造方法。
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