JP2005005154A - 非水系電解液二次電池用電解液および非水系電解液二次電池 - Google Patents
非水系電解液二次電池用電解液および非水系電解液二次電池 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】非水溶媒およびリチウム塩を含有し、添加剤として、炭素、水素およびフッ素のみからなるフッ素化芳香族化合物を含有する非水系電解液二次電池用電解液。フッ素以外のハロゲンを有する芳香族化合物の含有量が、前記フッ素化芳香族化合物に対して200ppm以下である。この非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水系電解液二次電池用電解液及び非水系電解液二次電池に関する。詳しくは、本発明は、添加剤としてフッ素化芳香族化合物を含有する、保存特性に優れた非水系電解液二次電池用電解液と、この非水系電解液を用いた非水系電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、様々な機器の電源として電池に対する高性能化の要請が高まっている。その要請に応えるべく、種々の開発がなされ、携帯電話、ノートパソコンなどのいわゆる民生用の電源から自動車用などの駆動用車載電源まで広範な用途に、非水系電解液二次電池が実用化されつつある。
【0003】
非水系電解液二次電池の非水系電解液としては、通常、非水溶媒に電解質を溶解したものが用いられる。そして、非水系電解液には、二次電池の性能を改善するために、各種の添加剤を添加することが行われている。
【0004】
このような添加剤のうちで、フッ素化芳香族化合物、特に、フッ素、その他の所定の置換基が導入されたベンゼン類化合物、例えば、モノフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、トリフルオロトルエンは、これを非水系電解液に添加することにより、二次電池において充放電サイクルの増加に伴う負荷特性の低下が抑制されることが知られている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−112335号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フッ素化芳香族化合物を添加剤として含む非水系電解液を用いた二次電池では、保存特性、特に、高温保存条件における劣化の問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、添加剤としてフッ素化芳香族化合物を含む非水系電解液を用いた二次電池において、更に保存特性、特に高温保存条件における電池性能の劣化の問題を改善することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の非水系電解液二次電池用電解液は、非水溶媒およびリチウム塩と、炭素、水素およびフッ素のみからなるフッ素化芳香族化合物とを含有する非水系電解液二次電池用電解液において、該電解液中の、フッ素以外のハロゲンを有する芳香族化合物の含有量が、前記フッ素化芳香族化合物に対して200ppm以下であることを特徴とする。
【0009】
本発明の非水系電解液二次電池は、リチウムを吸蔵・放出することが可能な負極および正極と、非水系電解液とを有する非水系電解液二次電池において、該非水系電解液として、このような本発明の非水系電解液を用いたことを特徴とする。
【0010】
本発明者等は、上記課題を解決すべく、添加剤としてのフッ素化芳香族化合物に同伴されて非水系電解液に含有される成分と、非水系電解液の保存特性との関係に着目して検討した結果、工業的に製造されるフッ素化芳香族化合物には、フッ素以外のハロゲンが導入された芳香族化合物が不純物として混入してしまうこと、この結果、このようなフッ素化芳香族化合物を添加して調製した非水系電解液はフッ素以外のハロゲンが導入された芳香族化合物を含むものとなること、そしてこのフッ素以外のハロゲンを含む芳香族化合物が非水系電解液の保存特性に影響すること、を知見した。
【0011】
即ち、フッ素化芳香族化合物は通常各種フッ素化触媒を、フッ素を導入すべき芳香族化合物と反応させることにより工業的に製造されている。この反応系内にはフッ素化触媒等として、フッ素以外のハロゲン、特に塩素を含む化合物を存在させている。この工業的合成に際しては、特に、フッ素化反応は、他の合成反応と比較して収率が非常に低いために、活性を上げて収率を高めるべく、触媒を多量に用いる傾向が強い。そして、その結果、市販のフッ素化芳香族化合物は、後述する実験例1からも明らかなように、フッ素以外のハロゲンを有する芳香族化合物が不純物として製品のフッ素化芳香族化合物中に200ppmを超える量で混入してしまう。しかし、このフッ素以外のハロゲンを有する芳香族化合物の存在は、微量であっても、電池用途においては、その性能、特に保存特性に大きな影響をもたらすことが本発明者らの研究により判明した。そして、本発明者らは、このフッ素以外のハロゲンを有する芳香族化合物の非水電解液中の量を厳しく制限することによって、保存特性に優れた非水電解液二次電池用電解液が得られることを見出して本発明を完成した。
【0012】
本発明において、非水系電解液中のフッ素以外のハロゲンを含有する芳香族化合物の量を低減させることにより、非水系電解液二次電池の保存特性が良くなる理由は、フッ素以外の塩素、臭素、ヨウ素といったハロゲンを含有する芳香族化合物は、フッ素化芳香族化合物に比べて腐食性が高く、その腐食性が二次電池の保存特性に悪影響を及ぼしていること、従って、このフッ素以外のハロゲンを含有する芳香族化合物量を低減することにより保存特性を向上させることができることによると推定される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
まず、本発明の非水系電解液二次電池用電解液に含有されるフッ素化芳香族化合物について説明する。
【0015】
本発明の非水系電解液二次電池用電解液に、添加剤として含有されるフッ素化芳香族化合物は、炭素、水素およびフッ素のみからなるフッ素化芳香族化合物であって、特に好ましくは、下記一般式Iで表される化合物である。
【0016】
【化3】
(式I中、R1〜R5は、それぞれ独立に、水素、フッ素、あるいは、置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、またはフェニル基を示す。また、任意のR1〜R5が互いに結合して、置換基を有していても良い環を形成していても良い。)
【0017】
前記一般式Iで表される化合物としては、R1〜R5の置換基の種類に応じて次のようなものが挙げられる。ただし、本発明に係るフッ素化芳香族化合物は、何ら以下のものに限定されるものではない。
【0018】
R1〜R5が水素である、フルオロベンゼン、R1〜R5のうち1つがフッ素で残りが水素である、ジフルオロベンゼン、R1〜R5のうち2つがフッ素で残りが水素である、トリフルオロベンゼン、R1〜R5のうち3つがフッ素で残りが水素である、テトラフルオロベンゼン、R1〜R5のうち4つがフッ素で残りが水素である、ペンタフルオロベンゼン、R1〜R5の全てがフッ素であるヘキサフルオロベンゼンが挙げられる。これらの中でも、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼンが好ましく用いられる。
【0019】
R1〜R5のうちの任意場所に1〜5個の任意の数の、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、アミル基等の炭素数1以上、12以下、好ましくは8以下、さらに好ましくは4以下のアルキル基、を含む化合物としては、例えば、フルオロトルエン、フルオロキシレン、エチルフルオロベンゼン、フルオロトリメチルベンゼン、フルオロプロピルベンゼン、フルオロイソプロピルベンゼン、フルオロテトラメチルベンゼン、フルオロ−i−ブチルベンゼン、フルオロ−t−ブチルベンゼン、フルオロペンタメチルベンゼン、フルオロペンチルベンゼン、フルオロアミルベンゼン等が挙げられる。また、これらの化合物例のアルキル基によって置換されていない水素がフッ素により置き換えられていても良い。例えば、ジフルオロトルエン、トリフルオロトルエン、テトラフルオロトルエン、ペンタフルオロトルエン等も含まれる。これらの中でも、フルオロ−t−ブチルベンゼン、フルオロアミルベンゼンが好ましく用いられる。
【0020】
R1〜R5のうちの任意の場所に1〜5個の任意の数の、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、炭素数3以上、12以下、好ましくは8以下のシクロアルキル基を含む化合物としては、例えば、シクロプロピルフルオロベンゼン、シクロブチルフルオロベンゼン、シクロペンチルフルオロベンゼン、シクロヘキシルフルオロベンゼン、シクロヘキシルフルオロベンゼン等が挙げられる。また、これらの化合物例のシクロアルキル基によって置換されていない水素がアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基またはフッ素により置き換えられていても良い。これらの中で、シクロヘキシルフルオロベンゼンが好ましく用いられる。
【0021】
前記一般式Iで表される化合物は、R1〜R5のうちの任意の場所に1〜5個の任意の数の、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の、炭素数3以上、12以下、好ましくは8以下のシクロアルケニル基を含む化合物であっても良く、これらの化合物例のシクロアルケニル基によって置換されていない水素がアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基またはフッ素により置き換えられていても良い。
【0022】
R1〜R5のうち任意場所に1〜5個の任意の数のフェニル基を含む化合物としては、例えば、フルオロビフェニル等が挙げられる。また、これらの化合物例のフェニル基によって置換されていない水素がフッ素で置換された、ジフルオロビフェニル等であっても良く、これらの化合物例のフェニル基によって置換されていない水素が、アルキル基、シクロアルキル基、またはシクロアルケニル基により置き換えられていても良い。これらの中で、フルオロビフェニル類が好ましく用いられる。
【0023】
R1〜R5のアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、またはフェニル基は、更にフッ素等の置換基で置換されていても良い。
【0024】
R1〜R5の置換基が互いに結合してベンゼン環に縮合する環を形成する場合、ベンゼン環を除く部分の環の大きさは少なくとも5員環以上、8員環以下、好ましくは6員環以下であることが好ましい。また、形成された環は不飽和結合を有していても良く、フッ素等の置換基で置換されていても良い。このような化合物例としては、フルオロテトラリン、フルオロナフタレン等が挙げられる。
【0025】
前記一般式Iで表される化合物中のフッ素置換の個数としては、下限値は1以上で、上限値としては、通常5以下、好ましくは3以下のものが用いられる。
【0026】
上記一般式Iで表される化合物の分子量の下限値は、通常96以上であり、上限値は、通常500以下、中でも250以下である。一般式Iで表される化合物の分子量がこの上限値を超えると、電解液への溶解性が著しく低下する。
【0027】
本発明において、このようなフッ素化芳香族化合物の非水系電解液中の含有率は、下限値として、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは、0.2重量%以上、上限値としては、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。非水系電解液中のフッ素化芳香族化合物の含有率が上記上限値を超えると電解液に対して溶解しにくく、下限値を下回るとその添加効果が発揮されなくなる。
【0028】
前述の如く、このようなフッ素化芳香族化合物には、その製造工程において、フッ素以外のハロゲンを有する芳香族化合物が不純物として混入し、これらの化合物は保存特性に悪影響を及ぼすため、本発明において、非水系電解液中のこの化合物の含有量を制限する。このような芳香族化合物としては、代表的には、下記一般式IIで表される化合物が挙げられる。
【0029】
【化4】
(式II中、Xはフッ素以外のハロゲンを示し、R6〜R10は、それぞれ独立に、水素、フッ素、あるいは、置換基を有していても良い、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルコキシ基、フェニル基、またはフェノキシ基を示すが、R6〜R10のうちの任意の基が互いに結合して環を形成していても良い。該環は更に置換基を有していても良く、該環中に酸素原子を有していても良い。)
【0030】
上記一般式IIで表される化合物において、Xのフッ素以外のハロゲンとしては、具体的には塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0031】
上記一般式IIで表される化合物としては、R6〜R10の置換基の種類に応じて次のようなものが挙げられる。ただし、本発明に係るフッ素以外のハロゲンを有する芳香族化合物は、何ら以下のものに限定されるものではない。
【0032】
R6〜R10が水素である化合物としては、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼンが挙げられる。また、R6〜R10のうちの1つがハロゲン類で残りが水素である化合物としては、1,2−ジクロロベンゼン、1,3―ジクロロベンゼン、1,4―ジクロロベンゼン、1,2−ジブロモベンゼン、1,3―ジブロモベンゼン、1,4―ジブロモベンゼン、1,2−ジヨードベンゼン、1,3―ジヨードベンゼン、1,4―ジヨードベンゼン等が挙げられる。その他、R6〜R10のうち2つがハロゲン類で残りが水素である化合物、R6〜R10のうち3つがハロゲン類で残りが水素である化合物、R6〜R10のうち4つがハロゲン類で残りが水素である化合物、R6〜R10の全てがハロゲン類である化合物であっても良い。なお、ハロゲン類が2種以上含まれていても良いし、Xを除く水素がフッ素によって置換されている化合物であっても良い。このような化合物としては、例えば、クロロフルオロベンゼン、クロロジフルオロベンゼン、ジクロロフルオロベンゼン、ブロモフルオロベンゼン、ブロモジフルオロベンゼン、ジブロモフルオロベンゼン、フルオロヨードベンゼン、ジフルオロヨードベンゼン、フルオロジヨードベンゼンなどが挙げられる。これらの中でもクロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロジフルオロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロフルオロベンゼン等は、特にその非水系電解液中の含有量を制限することが好ましい。
【0033】
R6〜R10のうち任意場所に1〜5個の任意の数の、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の、炭素数1以上、12以下、好ましくは8以下、さらに好ましくは4以下のアルキル基を含む化合物としては、Xのハロゲン種が塩素の場合を代表例として例示すると、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、3−クロロ−o−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、2−クロロ−m−キシレン、4−クロロ−m−キシレン、5−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、2−エチルクロロベンゼン、3−エチルクロロベンゼン、4−エチルクロロベンゼン、1−クロロ−2,4,6−トリメチルベンゼン、1−クロロ−2,3,4−トリメチルベンゼン、1−クロロ−3,4,5−トリメチルベンゼン、1−クロロ−2,3,5−トリメチルベンゼン、1−クロロ−2,3,6−トリメチルベンゼン、1−クロロ−2,4,5−トリメチルベンゼン、1−クロロ−4−プロピルベンゼン、1−クロロ−4−イソプロピルベンゼン、1−クロロ−2,3,4,5−テトラメチルベンゼン、1−クロロ−2,3,4,6−テトラメチルベンゼン、1−クロロ−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、1−クロロ−4―ブチルベンゼン、1−クロロ−4−sec−ブチルベンゼン、1−クロロ−4−iso−ブチルベンゼン、1−クロロ−4−tert−ブチルベンゼン、クロロペンタメチルベンゼン、1−クロロ−4−ペンチルベンゼン等が挙げられる。なお、これらの化合物の塩素が臭素またはヨウ素である場合も含まれる。また、これらの化合物例のアルキル基によって置換されていない水素がフッ素以外のハロゲン類またはフッ素により置き換えられていても良い。このような化合物を塩素を代表例として例示すると、2,3−ジクロロトルエン、2,3,4−トリクロロトルエン、2,3,4,5−テトラクロロトルエン、2,3,4,5,6−ペンタクロロトルエン、クロロフルオロ−tert−ブチルベンゼン、クロロフルオロアミルベンゼン等が挙げられる。なお、これらの化合物の塩素の一部または全部が臭素および/またはヨウ素によって置き換えられているものも含まれる。これらの中でも、クロロフルオロ−tert−ブチルベンゼン、クロロフルオロアミルベンゼン等は、特にその非水系電解液中の含有量を制限することが特に好ましい。
【0034】
R6〜R10のうち任意場所に1〜5個の任意の数の、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の、炭素数1以上、12以下、好ましくは8以下、さらに好ましくは4以下のアルコキシ基を含む化合物としては、Xのハロゲン種が塩素の場合を代表例として例示すると、2−クロロアニソール、3−クロロアニソール、4−クロロアニソール、1,2−ジメトキシ−3−クロロベンゼン、1,2−ジメトキシ−4−クロロベンゼン、1,3−ジメトキシ−4−クロロベンゼン、1,3−ジメトキシ−5−クロロベンゼン、1,3−ジメトキシ−2−クロロベンゼン、1,4−ジメトキシ−2−クロロベンゼン、2−クロロフェネトール、3−クロロフェネトール、4−クロロフェネトール、1−クロロ−2,4,6−トリメトキシベンゼン、1−クロロ−2,3,4−トリメトキシベンゼン、1−クロロ−3,4,5−トリメトキシベンゼン、1−クロロ−2,3,5−トリメトキシベンゼン、1−クロロ−2,3,6−トリメトキシベンゼン、1−クロロ−2,4,5−トリメトキシベンゼン、1−クロロ−4−プロポキシベンゼン、1−クロロ−4−イソプロポキシベンゼン、1−クロロ−2,3,4,5−テトラメトキシベンゼン、1−クロロ−2,3,4,6−テトラメトキシベンゼン、1−クロロ−2,3,5,6−テトラメトキシベンゼン、1−クロロ−4―ブトキシベンゼン、1−クロロ−4−sec−ブトキシベンゼン、1−クロロ−4−iso−ブトキシチルベンゼン、1−クロロ−4−tert−ブトキシベンゼン、クロロペンタメトキシベンゼン、1−クロロ−4−ペントキシベンゼン等が挙げられる。また、これらの化合物の塩素が臭素またはヨウ素によって置き換えられているものも含まれる。また、これらの化合物例のアルコキシ基によって置換されていない水素がフッ素以外のハロゲン類、フッ素またはアルキル基により置き換えられていても良い。このような化合物を塩素を代表例として例示すると、2,3−ジクロロアニソール、2,4−ジクロロアニソール、3,4−ジクロロアニソール、3,5−ジクロロアニソール、2,3,4−トリクロロアニソール、2,3,4,5−テトラクロロアニソール、2,3,4,5,6−ペンタクロロアニソール、2−クロロ−4−メチルアニソール、2−クロロ−5−メチルアニソール、4−クロロ−2−メチルアニソール、4−クロロ−3−メチルアニソール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルアニソール、1,4−ジメトキシ−2,3,5,6−テトラクロロアニソール、クロロフルオロアニソール類等が挙げられる。これらの化合物の塩素の一部または全部が臭素および/またはヨウ素によって置き換えられているものも含まれる。例えば、ブロモフルオロアニソール類等が挙げられる。これらの中でも、クロロフルオロアニソール類、ブロモフルオロアニソール類、ジクロロアニソール類、ジブロモアニソール類は特に非水系電解液中の含有量を制限することが好ましい。
【0035】
R6〜R10のうち任意場所に1〜5個の任意の数の、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、炭素数3以上、12以下、好ましくは8以下のシクロアルキル基を含む化合物としては、Xのハロゲン種が塩素の場合を代表例として例示すると、1−シクロプロピル−2−クロロベンゼン、1−シクロブチル−2−クロロベンゼン、1−シクロペンチル−2−クロロベンゼン、1−シクロヘキシル−2−クロロベンゼン、1−シクロヘキシル−3−クロロベンゼン、1−シクロヘキシル−4−クロロベンゼン、2,3−ジシクロヘキシル−5−クロロベンゼン等が挙げられる。また、これらの化合物の塩素が臭素またはヨウ素によって置き換えられているものも含まれる。また、これらの化合物例のシクロアルキル基によって置換されていない水素がフッ素以外のハロゲン類、フッ素、アルキル基、またはアルコキシ基により置き換えられていても良い。
【0036】
前記一般式IIで表される化合物は、R6〜R10のうち任意場所に1〜5個の任意の数の、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の、炭素数3以上、12以下、好ましくは8以下のシクロアルケニル基を含む化合物、またこれらの化合物例のシクロアルケニル基によって置換されていない水素がフッ素以外のハロゲン類、フッ素、アルキル基、またはアルコキシ基により置き換えられている化合物であっても良い。
【0037】
前記一般式IIで表される化合物は、R6〜R10のうち任意場所に1〜5個の任意の数の、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の、炭素数3以上、12以下、好ましくは8以下のシクロアルコキシ基を含む化合物、またこれらの化合物例のシクロアルコキシ基によって置換されていないフッ素以外のハロゲン類、フッ素、アルキル基またはアルコキシ基により置き換えられている化合物であっても良い。
【0038】
R6〜R10のうち任意場所に1〜5個の任意の数のフェニル基を含む化合物としては、Xのハロゲン種が塩素の場合を代表例として例示すると、2−クロロビフェニル、3−クロロビフェニル、4−クロロビフェニル等が挙げられる。これらの化合物の塩素が臭素またはヨウ素によって置き換えられているものも含まれる。またこれらの化合物例のフェニル基によって置換されていない水素がフッ素以外のハロゲン類、フッ素、アルキル基、またはアルコキシ基により置き換えられていても良い。このような化合物を塩素を代表例として例示すると、2,2’−ジクロロビフェニル、3,3’−ジクロロビフェニル、4,4’−ジクロロビフェニル等が挙げられる。なお、これらの化合物の塩素の一部または全部が臭素および/またはヨウ素によって置き換えられているものも含まれる。
【0039】
R6〜R10のうち任意場所に1〜5個の任意の数のフェノキシ基を含む化合物としては、Xのハロゲン種が塩素の場合を代表例として例示すると、2−クロロジフェニルエーテル、3−クロロジフェニルエーテル、4−クロロジフェニルエーテル等が挙げられる。これらの化合物の塩素が臭素またはヨウ素によって置き換えられているものも含まれる。また、これらの化合物例のフェノキシ基によって置換されていない水素がフッ素以外のハロゲン類、フッ素、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルコキシ基、またはフェニル基により置き換えられていても良い。このような化合物を塩素を代表例として例示すると、2,2’−ジクロロジフェニルエーテル、3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロジフェニルエーテル、2−クロロ−o−ターフェニル等が挙げられる。なお、これらの化合物の塩素の一部または全部が臭素および/またはヨウ素によって置き換えられているものも含まれる。
【0040】
R6〜R10のうち任意の基が互いに結合してベンゼン環に縮合する環を形成する場合、ベンゼン環を除く部分の環の大きさは少なくとも5員環以上、8員環以下、好ましくは6員環以下であることが好ましい。また、形成された環が不飽和結合を有していても良く、該環中に、酸素原子を有していても良い。
【0041】
このような環を形成する場合の化合物例としては、その環が炭素のみの場合、2−クロロテトラリン、2−クロロナフタレン、2−ブロモテトラリン、2−ブロモナフタレン、2−ヨードテトラリン、2−ヨードナフタレン等が挙げられる。該環中に、酸素原子を有している化合物例としては、5−クロロ−2,3−ベンゾフラン、5−クロロジベンゾフラン、5−ブロモ−2,3−ベンゾフラン、5−ブロモジベンゾフラン、5−ヨード−2,3−ベンゾフラン、5−ヨードジベンゾフラン等が挙げられる。
【0042】
なお、R6〜R10のアルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、あるいは、R6〜R10のうちの任意の基が互いに結合して形成する環が有し得る置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルコキシ基、フェニル基、またはフェノキシ基等が挙げられる。
【0043】
前記一般式IIで表される化合物のハロゲン置換数は、下限値は1以上で、上限値は、通常6以下、好ましくは4以下であることが好ましい。
【0044】
前記一般式IIで表される化合物の分子量としては、下限値としては、通常112以上、上限値としては、通常500以下、中でも250以下であることが好ましい。この上限値を超えると電解液への溶解性が著しく低下する。
【0045】
本発明の非水系電解液では、前記一般式Iで表されるようなフッ素化芳香族化合物に対する、前記一般式IIで表される化合物等のフッ素以外のハロゲンを有する芳香族化合物の割合(以下、この割合を「ハロゲン化芳香族系不純物含有割合」と称す場合がある。)の上限値が200ppm以下、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下とする。この上限値を超えると、二次電池の保存特性に影響を及ぼし、高温保存条件における劣化等の問題を生じる。
【0046】
なお、ハロゲン化芳香族系不純物含有割合の下限値は通常1ppm程度である。この下限値を下回ることはフッ素化芳香族化合物の合成上、精製等に困難を伴い実現が難しく、また上記上限値を下回っていれば、電池性能において影響を及ぼすことはない。
【0047】
本発明の非水系電解液において、ハロゲン化芳香族系不純物含有割合を200ppm以下とするためには、例えば、工業的に入手されるフッ素化芳香族化合物を、高度な精密蒸留により精製して純度を高め、フッ素以外のハロゲンを含む芳香族化合物量を低減させる方法が挙げられる。その精密蒸留の条件としては、蒸留塔の段数が下限値として、通常20以上、好ましくは30以上、上限値としては、精密であるほど良いが、生産性と保存特性への寄与のバランスを考えると、70以下程度で良い。
【0048】
本発明の非水系電解液二次電池用電解液は、非水溶媒およびリチウム塩とフッ素化芳香族化合物とを含有し、上記ハロゲン化芳香族系不純物含有割合でフッ素以外のハロゲンを有する芳香族化合物を含むものである。
【0049】
本発明の非水系電解液に用いられる非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル等のカルボン酸エステル類、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられる。
【0050】
これらの中でエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の誘電率の高い環状カーボネート類と、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の粘度の低い鎖状カーボネート類とを併用するのが、電解液物性を向上させるという理由から好ましい。好適な組合せ例としては、2成分混合溶媒としては、エチレンカーボネート−ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート−エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート−ジエチルカーボネート等が挙げられ、3成分混合溶媒としては、エチレンカーボネート−ジメチルカーボネート−エチルメチルカーボネート、エチレンカーボネート−ジメチルカーボネート−ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート−エチルメチルカーボネート−ジエチルカーボネート等が挙げられる。
【0051】
非水溶媒としては、このように高誘電率溶媒と低粘度溶媒とを組み合わせて用いるのが電解液物性の向上の点で好ましいが、この場合の高誘電率溶媒の誘電率としては、下限値として通常25以上、中でも30以上、上限値として、通常120以下、中でも100以下であるものが好ましい。これは、この下限値を下回ると溶媒和の安定化エネルギーをかせげず、塩の解離度が著しく低下しやすくなるためである。
【0052】
一方、低粘度溶媒の粘度として好ましいものは、下限値として通常0.1cp以上、中でも0.2cp以上、上限値として通常3cp以下、中でも2cp以下のものが好ましい。これは、この上限値を超えると塩の移動度が悪くなり、その結果、電気伝導率の低下を招き、ひいては電池性能にも悪影響を及ぼし、更にはその注液性の悪化、電極への液浸透性の低下を招くためである。
【0053】
本発明に係る非水系電解液に用いられるリチウム塩としては、六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム等の無機リチウム塩、リチウムトリフレート、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド、リチウムビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド等の有機リチウム塩が挙げられる。これらの中でも、電池特性が良好なことから、六フッ過リン酸リチウム、ホウフッ化リチウム、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミドが好ましい。また、これらの任意の塩を任意の比率にて混合して用いても良い。これらのリチウム塩の非水系電解液中の濃度の下限値としては、通常0.5mol/l以上、中でも0.75mol/l以上、上限値としては、通常2mol/l以下、中でも1.5mol/l以下である。リチウム塩の濃度がこの上限値を超えると非水系電解液の粘度が高くなり、電気伝導率も低下する。また、下限値を下回ると電気伝導率が低くなるので、上記濃度範囲内で非水系電解液を調製することが好ましい。
【0054】
なお、本発明の非水系電解液には、必要に応じて他の成分、例えば従来公知の過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤等の各種の添加剤を含有させても良い。
【0055】
過充電防止剤としては、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物などが挙げられる。非水系電解液が過充電防止剤を含有する場合、その濃度は、通常0.1〜5重量%である。非水系電解液に過充電防止剤を含有させることは、過充電による電池の破裂・発火を抑制することができ、電池の安全性が向上するので好ましい。
【0056】
高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、エリスリタンカーボネート、スピロ−ビス−ジメチレンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジブチルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物などが挙げられる。非水系電解液がこれらの助剤を含有する場合、その濃度は、通常0.1〜5重量%である。
【0057】
本発明の非水系電解液二次電池用電解液は、前述の非水溶媒にリチウム塩、前記一般式Iで表される化合物等のフッ素化芳香族化合物及び必要に応じて用いられるその他の添加剤を添加混合して非水系電解液を調製する際に、前述の如く、ハロゲン化芳香族系不純物含有割合が200ppm以下となるように、高度に精製したフッ素化芳香族化合物を用いて調製することができる。
【0058】
以下にこのような本発明の非水系電解液を用いた本発明の非水系電解液二次電池について説明する。
【0059】
本発明の非水系電解液二次電池は、非水系電解液として本発明の非水系電解液を用いること以外は従来公知のリチウム二次電池と同様に構成され、通常、正極と負極とが、本発明の非水系電解液が含浸された多孔膜を介して、ケースに収納された構造を有している。従って、本発明の二次電池の形状は任意であり、例えば、円筒型、角型、ラミネート型、コイン型等のいずれであっても良く、また、小型、大型のいずれであっても良い。
【0060】
負極を構成する負極活物質としては、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料;酸化錫、酸化アンチモン錫、一酸化珪素、酸化バナジウム等のリチウムを吸蔵・放出可能な金属酸化物;リチウム金属;アルミニウム、珪素、錫、アンチモン、鉛、ヒ素、亜鉛、ビスマス、銅、カドミウム、銀、金、白金、パラジウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム等のリチウムと合金化可能な金属;前記金属を含む合金(金属間化合物を含む);リチウムと合金化可能な金属及び該金属を含む合金とリチウムとの複合合金化合物;窒化コバルトリチウム等の窒化金属リチウムなどを挙げることができる。これらは1種を単独で用いても、複数を併用しても良い。
【0061】
負極活物質として、なかでも好ましいものは、炭素質材料、特に、黒鉛や黒鉛の表面を黒鉛に比べて非晶質の炭素で被覆したものである。
【0062】
黒鉛は、学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が0.335〜0.338nm、特に0.335〜0.337nmであるものが好ましい。また、学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)は、30nm以上であるのが好ましく、50nm以上、特に100nm以上であるのが更に好ましい。灰分は、通常1重量%以下であるのが好ましく、0.5重量%以下、特に0.1重量%以下であるのが更に好ましい。
【0063】
黒鉛の表面を非晶質の炭素で被覆したものとして好ましいのは、X線回折における格子面(002面)のd値が0.335〜0.338nmである黒鉛を核材とし、その表面に該核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料が付着しており、かつ核材と核材よりもX線回折における格子面(002面)のd値が大きい炭素質材料との割合が重量比で99/1〜80/20であるものである。このようなものを用いると、高い容量で、かつ電解液と反応しにくい負極を製造することができる。
【0064】
炭素質材料の粒径は、レーザー回折・散乱法によるメジアン径で、1μm以上であるのが好ましく、3μm以上、特に5μm以上であれば更に好ましく、最も好ましいのは7μm以上である。また、上限値は、100μm以下が好ましく、50μm以下、特に40μm以下であれば更に好ましく、最も好ましいのは30μm以下である。
【0065】
炭素質材料のBET法による比表面積は、0.3m2/g以上であるのが好ましく、0.5m2/g以上、特に0.7m2/g以上であれば更に好ましく、最も好ましいのは0.8m2/g以上である。また、上限値は25.0m2/g以下が好ましく、20.0m2/g以下、特に15.0m2/g以下であるのが更に好ましく、最も好ましいのは10.0m2/g以下である。
【0066】
また、炭素質材料は、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトルで分析したときに、1570〜1620cm−1の範囲にあるピークPAのピーク強度IAと、1300〜1400cm−1の範囲にあるピークPBのピーク強度IBとの比で表されるR値(=IB/IA)が、0.01〜0.7の範囲であるものが好ましい。また、1570〜1620cm−1の範囲にあるピークの半値幅が、26cm−1以下、特に25cm−1以下であるものが好ましい。
【0067】
正極を構成する正極活物質としては、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料などのリチウムを吸蔵・放出可能な材料が挙げられる。
【0068】
活物質を結着する結着剤としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば良く、任意のものを使用することができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等の不飽和結合を有するポリマー及びその共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のアクリル酸系ポリマー及びその共重合体などが挙げられる。
【0069】
電極中には、機械的強度や電気伝導度を高めるために増粘剤、導電材、充填剤などを含有させても良い。
【0070】
増粘剤としては、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、ガゼイン等が挙げられる。
【0071】
導電材としては、銅またはニッケル等の金属材料、グラファイトまたはカーボンブラック等の炭素材料などが挙げられる。
【0072】
電極の製造は、常法によれば良い。例えば、負極または正極活物質に、結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー化し、これを集電体に塗布、乾燥した後に、プレスすることによって形成することができる。
【0073】
負極活物質層の乾燥、プレス後の密度は、通常1.45g/cm3以上であり、好ましくは1.55g/cm3以上、特に好ましくは1.60g/cm3以上である。負極活物質層の密度が高いほど電池の容量が増加するので好ましい。また、正極物質層の乾燥、プレス後の密度は、通常3.0g/cm3以上である。正極活物質層の密度が低すぎると電池の容量が不十分となる。
【0074】
集電体としては各種のものが用いることができるが、通常は金属や合金が用いられる。負極の集電体としては、銅、ニッケル、ステンレス等が挙げられ、好ましいのは銅である。また、正極の集電体としては、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属またはその合金が挙げられ、好ましいのはアルミニウムまたはその合金である。
【0075】
正極と負極の間には、短絡を防止するために通常は多孔膜を介在させる。この場合、電解液は多孔膜に含浸させて用いる。多孔膜の材質や形状は、電解液に安定であり、かつ保液性に優れていれば特に制限はなく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シートまたは不織布等が好ましい。
【0076】
本発明に係る電池に使用する電池の外装体の材質も任意であり、ニッケルメッキを施した鉄、ステンレス、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタン等が用いられる。
【0077】
【実施例】
以下に、実験例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0078】
実験例1
以下の2種類のフルオロベンゼン(以下「PhF」と略記する)について、ハロゲン化芳香族系不純物含有割合の分析を行った。
市販品: 東京化成社製PhF
精密蒸留品:東京化成社製PhFの精密蒸留品
【0079】
なお、PhFの精密蒸留品は、市販品の東京化成社製PhFを、常圧下、理論段数60段の蒸留塔を用いて、環流比10にて抜き出し、50ml毎に以下のGC分析を実施し、不純物量を確認しながら分取することにより得た。
【0080】
上記2種類のPhFについてガスクロマトグラフィー(GC)分析と、GC/MSによるGCにより分離した各成分の量質分析を実施した。それぞれの測定条件は下記の通りである。
〔GC分析〕
島津製作所製、GC−17Aを用いた。カラムはTC−1を使用。カラムオーブン温度:60℃保持、試料気化室温度:250℃、検出器温度:250℃の温度条件にて測定を実施した。不純物の含有量の数値は面積百分率にて表示。
〔GC/MS分析〕
GCの条件は以下の通り。カラム:DB−5、30m×0.25mmφ×0.25μのものを使用。温度条件は、カラムオーブン温度:40℃でスタート後、1分当たり10℃のレートにて280℃まで昇温、試料気化室温度:200℃にて測定を実施した。
【0081】
これらの分析結果は下記表1に示す通りであり、PhFの不純物で、前記一般式IIで表される化合物としては、下記表に示すようなものが検出された。
【0082】
【表1】
【0083】
実施例1,2、比較例1〜4
下記の方法により、PhFを用いて非水系電解液を調製し、この非水系電解液を用いてコイン型電池を作製してその保存試験を行った。
【0084】
〔非水系電解液の調製〕
乾燥アルゴン雰囲気下で、十分に乾燥を行った六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶質として用い、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)を容量比3:7にて混合した溶液にLiPF6を1mol/lの割合で溶解させた。その後、表2に示すPhFを2重量%、ビニレンカーボネート(VC)が2重量%となるように添加して電解液を調製した。ただし、比較例2,4では、PhFは添加しなかった。また、実施例1、比較例1,2ではVCは添加しなかった。
【0085】
〔正極の作製〕
正極活物質としてLiCoO2(85重量部)にカーボンブラック(6重量部)、ポリフッ化ビニリデン(9重量部)を加えて混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、スラリー状としたものを正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔上に均一に塗布し、乾燥後、所定の形状に打ち抜いて正極(密度3g/cm3)とした。
【0086】
〔負極の作製〕
負極活物質として、X線回折における格子面(002面)のd値が0.336nmである人造黒鉛粉末KS−44(ティムカル社製、商品名)(94重量部)にポリフッ化ビニリデン(6重量部)を混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散させスラリー状としたものを負極集電体である厚さ18μmの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、所定の形状に打ち抜いて負極(密度1.5g/cm3)とした。
【0087】
〔コイン型電池の作製〕
上記電解液、正極、及び負極を用いて、図1に示すようなコイン型非水系電解液電池を、乾燥アルゴン雰囲気下で作製した。即ち、正極1と負極2とを、各電解液を含浸させたポリプロピレンの微孔性フィルムからなるセパレータ5を介して積層し、ステンレス製の正極缶3と封口板4との間に収容した。続いて、正極缶3と封口板4とをガスケット6を介してかしめ密封して、コイン型電池を作成した。なお、図中、7は正極集電体、8は負極集電体である。
【0088】
〔保存試験〕
作製した電池を用いて25℃において、0.5mAの定電流で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3Vで充放電試験を行い初期容量を求めた。その後、充電状態で85℃、3日間の保存試験を実施した後、再度25℃において、0.5mAの定電流で3Vとなるまで放電させ、保存後の残存容量を求めた。初期の容量を100とした場合の残存容量の百分率は下記表2に示す通りとなった。
【0089】
【表2】
【0090】
表2より、PhFのようなフッ素化芳香族化合物を添加剤として用いた場合、本発明に従って、フッ素以外のハロゲンを含む芳香族化合物量を低減することにより、保存特性を向上させることができることが分かる。
【0091】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、添加剤としてフッ素化芳香族化合物を含む非水系電解液を用いた二次電池の保存特性を改善し、保存特性に優れ、特に高温保存条件における電池性能の劣化の問題のない非水系電解液二次電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で作製したコイン型電池を示す断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 正極缶
4 封口板
5 セパレータ
6 ガスケット
7 正極集電体
8 負極集電体
Claims (5)
- 非水溶媒およびリチウム塩と、炭素、水素およびフッ素のみからなるフッ素化芳香族化合物とを含有する非水系電解液二次電池用電解液において、該電解液中の、フッ素以外のハロゲンを有する芳香族化合物の含有量が、前記フッ素化芳香族化合物に対して200ppm以下であることを特徴とする非水系電解液二次電池用電解液。
- 請求項1に記載の非水系電解液二次電池用電解液において、前記フッ素化芳香族化合物を0.01〜10重量%含有することを特徴とする非水系電解液二次電池用電解液。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の非水系電解液二次電池用電解液において、前記フッ素以外のハロゲンを有する芳香族化合物が、下記式一般式IIで表される化合物であることを特徴とする非水系電解液二次電池用電解液。
- リチウムを吸蔵・放出することが可能な負極および正極と、非水系電解液とを有する非水系電解液二次電池において、該非水系電解液として、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の非水系電解液を用いたことを特徴とする非水系電解液二次電池。
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