JP2005004471A - Icカード用リーダライタ - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の距離にあるリーダライタ同士の相互通信を可能として、データ収集の迅速化を図ったリーダライタを提供する。
【解決手段】ポーリング(R/W2用)50をリーダライタ(R/W2)40に送信する。リーダライタ(R/W2)40は送られたポーリングを受信して、あるタイミングでポーリング(R/W2用)50を認識すると、レスポンス(R/W2用)51をリーダライタ(R/W1)30に返送する。このときリーダライタ(R/W1)30の近傍にICカード200がポーリング(R/W2用)50を受信したとしても、このポーリングがICカード200用でないと認識するので、レスポンス(ICカード用)52を返送しない。従って、リーダライタ(R/W1)30はレスポンス(R/W2用)54のみを受信してリーダライタ(R/W2)40であることを認識すると同時に、上位機器にレスポンス(R/W2用)を返送する。
【選択図】 図4
【解決手段】ポーリング(R/W2用)50をリーダライタ(R/W2)40に送信する。リーダライタ(R/W2)40は送られたポーリングを受信して、あるタイミングでポーリング(R/W2用)50を認識すると、レスポンス(R/W2用)51をリーダライタ(R/W1)30に返送する。このときリーダライタ(R/W1)30の近傍にICカード200がポーリング(R/W2用)50を受信したとしても、このポーリングがICカード200用でないと認識するので、レスポンス(ICカード用)52を返送しない。従って、リーダライタ(R/W1)30はレスポンス(R/W2用)54のみを受信してリーダライタ(R/W2)40であることを認識すると同時に、上位機器にレスポンス(R/W2用)を返送する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカード用リーダライタに関し、さらに詳しくは、複数の非接触型ICカード用リーダライタ同士の相互通信を確立する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ICカードと呼ばれる新しい情報記録媒体が市場に広く出回っている。ICカードは、クレジットカード、銀行カード、ポイントカード等のカード状あるいはシート状の形状を備え、カード内にIC(Integrated Circuit)が組み込まれているものを総称した名称である。その中で非接触型ICカードは、電鉄の駅への入退場時に使用される定期券或いはプリペイド乗車券として、現在の磁気カード方式に代わり多くの駅の改札で採用されている。
特に、非接触ICカードは、データのやり取りを電波で行うため、その制御のためのリーダライタが必要となり、現状ではリーダライタと非接触ICカードとの間で通信するのみに過ぎず、リーダライタ同士での通信機能を持っていなかった。むしろお互いの電波混信を防止するために、他のリーダライタが送信するコマンドをマスクしていたため、例えばICカード用携帯端末としてのリーダライタ同士で通信を行なうことはできなかった。
【0003】
図7は、従来のリーダライタと非接触ICカードとの通信状態を説明する図である。従来のリーダライタ(R/W1)300は、リーダライタ全体の動作制御とコマンドの解析等を行う制御部310と、信号を変調して搬送波に乗せて送信する送信部320と、ICカード350からのレスポンス等を受信して復調する受信部330と、送受信信号を放射又は受信するループアンテナ340とを備えて構成される。尚、リーダライタ(R/W1)300の近傍に他のリーダライタ(R/W2)360がある場合について以下図8を参照して説明する。またリーダライタ(R/W2)360の構成はリーダライタ(R/W1)300と同様である。
図8は図7のリーダライタ(R/W1)300とICカード350との処理シーケンスを説明する図である。まず、図示しない上位機器からカード用のポーリングが送信される。リーダライタ(R/W1)300はそのコマンドを受信すると、ポーリング(カード用)400をICカード350に送信する。ICカード350は送られたポーリングを受信して、あるタイミングでポーリング(カード用)400を受信すると、レスポンス(カード用)410をリーダライタ(R/W1)300に返送する。このときリーダライタ(R/W1)300の近傍に他のリーダライタ(R/W2)360がポーリング(カード用)400を受信したとしても、このポーリングがリーダライタ用でないと認識するので、レスポンス(R/W2用)420を返送しない。従って、リーダライタ(R/W1)300はレスポンス(カード用)410のみを受信してICカード350であることを認識すると同時に、上位機器にポーリング(カード用)レスポンスを返送する。上位機器がこのレスポンスを受信すると、以後、リーダライタ(R/W1)300を介して通信コマンド430をICカード350に送信し、ICカード350からレスポンス440が返送されて通常のデータ通信が行われる。
このように、従来のリーダライタでは、ICカードとの通信は可能であるが、リーダライタ同士の通信をおこなうことができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、非接触ICカードは、データのやり取りを電波で行うため、その制御のためのリーダライタが必要となり、現状ではリーダライタは非接触ICカードと通信するのみで、リーダライタ同士での通信機能を持っていなかった。むしろお互いの電波混信を防止するために、他のリーダライタが送信するコマンドをマスクしていたため、例えばICカード用携帯端末としてのリーダライタ同士で通信を行なうことができなかった。
本発明は、かかる課題に鑑み、所定の距離にあるリーダライタ同士の相互通信を可能として、データ収集の迅速化を図ったリーダライタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1の発明は、ICカードのループアンテナを介して、該ICカードとの間で所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うICカード用リーダライタにおいて、前記ICカード用リーダライタは、少なくとも1つ以上の他のICカード用リーダライタと通信手順を確立するための少なくとも1つ以上のポーリングコマンドを生成するポーリング生成手段と、前記他のICカード用リーダライタのポーリング生成手段から送信されたポーリングコマンドに応答する固有のレスポンスを生成するレスポンス生成手段とを備えたことを特徴とする。
従来のリーダライタは、ICカードとの通信を主体としているためにICカードのタイプに合致したポーリング信号のみを生成していた。従って、他のリーダライタが近くにあってそのポーリング信号を受信しても、自分が呼ばれていることを認識することができなかった。そこで本発明では、ポーリング信号を追加して他のリーダライタでも認識できるように、リーダライタ用のポーリング信号を送信するシーケンスに変更するものである。また、そのポーリング信号を受信して認識したリーダライタが応答するためのレスポンスを生成することも必要である。
かかる発明によれば、リーダライタ用のポーリング信号を生成する手段と、そのポーリング信号を認識したリーダライタが応答するレスポンス生成手段を備えるので、リーダライタ同士の通信を可能とすることができる。
【0006】
また、請求項2の発明は、前記ICカード用リーダライタは、前記ポーリング生成手段により前記他のICカード用リーダライタ固有のポーリングコマンドを生成して送信し、前記他のICカード用リーダライタが前記ポーリングコマンドを受信して前記レスポンス生成手段によりレスポンスを返送することにより、前記ICカード用リーダライタと前記他のICカード用リーダライタとの間での相互の通信を可能としたことを特徴とする。
各リーダライタに通信する相手のポーリングコマンドを相互に持ち、さらにポーリングを受信して自分が呼ばれていることを認識し、ポーリングを送信した相手に対して応答のレスポンスコマンドを相互に持つことにより、プロトコルが確立して確実に送信したい相手と通信を行うことができる。
かかる発明によれば、お互いのリーダライタでポーリングコマンドとレスポンスコマンドを持つので、プロトコルが確立して確実に送信したい相手と通信を行うことができる。
【0007】
また、請求項3の発明は、前記ICカード用リーダライタは、少なくとも1つ以上のICカードと通信を行うカード通信モードと、少なくとも1つ以上の他のICカード用リーダライタと通信を行うリーダライタ通信モードとを更に備え、前記ICカード用リーダライタ同士で相互に通信を行う場合、前記ICカード用リーダライタ同士の前記各モードを一致させることにより、相互に通信を可能としたことを特徴とする。
各リーダライタはICカードと他のリーダライタの両方と通信できる必要がある。しかし、それらの動作を同時に行うことはできない。その理由は同時に行った場合、ポーリングが衝突する確率が増えプロトコルが成立しなくなってしまう場合が発生するためである。そこで本発明では、各リーダライタにカード通信モードとリーダライタ通信モードを設け、通信するリーダライタのモードを一致させて通信を行うようにする。
かかる発明によれば、各リーダライタにカード通信モードとリーダライタ通信モードを設けるので、ポーリング信号等の衝突を回避して、プロトコルの成功確率を高くすることができる。
【0008】
また、請求項4の発明は、前記ICカード用リーダライタは、前記各モードを任意に切り替え可能なモード切替手段を備えたことを特徴とする。
固定的に設置されたリーダライタはホストコンピュータと接続されている。従って、モードの切替はこのホストコンピュータから行ってもよいし、或いは専用のスイッチを設けても構わない。特に、携帯用のリーダライタはホストコンピュータと接続されていないので、専用のスイッチを設ける必要がある。
かかる発明によれば、各モードを任意に切り替え可能なモード切替手段を備えているので、使用者は通信する相手によりモードを任意に切り替えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の一実施形態のICカード用リーダライタの構成を示すブロック図である。このICカード用リーダライタ100は、外部にありリーダライタ100に対してデータの授受を行ってシステム全体を制御するコンピュータ50と、外部のコンピュータ50とのデータの通信プロトコルを司る送受信装置1と、リーダライタ100全体の動作を制御する制御装置2と、制御装置2を動作させる手順を記録したファームウェアと複数の複変調方式を格納するメモリ装置3と、制御装置2からのデータを搬送波に乗せて変調する変調器4と、操作コマンドを入力する入力装置5と、制御装置2からの情報を表示する表示装置6と、制御装置2からの交流信号である電力供給用信号と変調器4からの書き込みコマンドを電力増幅する電力増幅器7と、ループアンテナ9から受信した搬送波から2値化データに変換する検波復調器8と、図示しないICカードとの電力用搬送波とデータの授受をするループアンテナ9と、乱数表を有し、その乱数表から乱数を発生する乱数発生装置10から構成されている。
【0010】
次に、本構成によるリーダライタ100の動作を説明する前に、対を成すICカードの構成を先に説明しておく。図2は、本発明の実施形態の非接触型ICカードの構成を示すブロック図である。実施形態の非接触型ICカード200は、リーダライタ100からの電力用搬送波によりデータの授受をするループアンテナ20と、書き込みコマンド読み出しコマンドを生成する送受信回路21と、ループアンテナ20からの電力用搬送波を受け、それを整流して直流電力に変換する電力生成回路22と、制御用ファームウェアとデータの一時記憶を司るメモリ装置23と、制御回路26からの送信コマンドに搬送波を乗せて変調する変調器24と、送受信回路21からの搬送波データから2値化データに変換する検波器25と、ICカード200の全体の動作を制御する制御回路26から構成されている。
【0011】
次に、図1と図2を併せて参照してそれぞれ単独の動作について説明する。リーダライタ100は、図示しない電源が入れられると制御装置2のイニシャル動作後、メモリ装置3に記憶されたプログラムに従い動作を開始する。まず、上位機器50との初期化が行われる。次に、制御装置2は、ICカード200に供給する電力供給用信号と、ポーリング信号を交互に電力増幅器7から送信する。その信号は、ループアンテナ9から電磁波として外部に放射される。例えば、ISO14443タイプBでは、中心搬送周波数13.56MHz±7KHz、AM変調度10%、変調方式ASK(Amplitude Shift Keying)、符号化方式はNRZ−L、通信速度が106kb/sで行われる。次に、ICカード200がリーダライタ100に近接すると、ループアンテナ20が電力供給用信号を受信し、電力生成回路22によりその搬送波を整流して直流電力に変換して、カード内の全ての回路に供給する。電力を供給されて制御回路26が駆動すると、メモリ装置23に格納されたプログラムに従って、制御を開始する。ICカード200は前記と同じ規格に従えば、通信方式は、負荷変動方式、リーダライタとの通信関係は、リーダライタ100からの固有の呼び出しコードを認識して初めて返信する。また、副搬送波は中心搬送波の1/16の847.5kHz、変調方式は副搬送波のASK、符号化方式はNRZ−L方式、通信速度は106kb/sである。
【0012】
次に、制御回路26は、まず送受信回路21からコマンドを検波器25で復調して2値化信号に変換し、そのコマンドを解析する。その結果自分が呼び出されていることを認識すると、レスポンスを変調器24により変調して送受信回路21を介してループアンテナ20から送信する。
このレスポンスをリーダライタ100がループアンテナ9で受信して、検波復調器8で2値化コードに変換し、制御回路2により解析してICカード200が規格に合致したカードであると認識する。それにより、以後リーダライタ100とICカード200の間でポーリングが行われる。
【0013】
図3は、本発明の第1の実施形態のリーダライタと他のリーダライタとの通信状態を説明する図である。リーダライタ(R/W1)30は、リーダライタ全体の動作制御とコマンドの解析等を行う制御部31と、信号を変調して搬送波に乗せて送信する送信部32と、ICカード200からのレスポンス等を受信して復調する受信部33と、送受信信号を放射又は受信するループアンテナ34とを備えて構成される。尚、リーダライタ(R/W1)30の近傍に他のリーダライタ(R/W2)40がある場合について以下図4を参照して説明する。またリーダライタ(R/W2)40の構成はリーダライタ(R/W1)30と同様である。
【0014】
図4は図3のリーダライタ(R/W1)30とリーダライタ(R/W2)40との処理シーケンスを説明する図である。まず、図示しない上位機器からリーダライタ(R/W2)用のポーリングが送信される。リーダライタ(R/W1)30はそのコマンドを受信すると、ポーリング(R/W2用)50をリーダライタ(R/W2)40に送信する。リーダライタ(R/W2)40は送られたポーリングを受信して、あるタイミングでポーリング(R/W2用)50を認識すると、レスポンス(R/W2用)51をリーダライタ(R/W1)30に返送する。このときリーダライタ(R/W1)30の近傍にICカード200がポーリング(R/W2用)50を受信したとしても、このポーリングがICカード200用でないと認識するので、レスポンス(ICカード用)52を返送しない。従って、リーダライタ(R/W1)30はレスポンス(R/W2用)54のみを受信してリーダライタ(R/W2)40であることを認識すると同時に、上位機器にレスポンス(R/W2用)を返送する。上位機器がこのレスポンスを受信すると、以後、リーダライタ(R/W1)30を介して通信コマンド53をリーダライタ(R/W2)40に送信し、リーダライタ(R/W2)40からレスポンス54が返送されて通常のデータ通信が行われる。
【0015】
図5は、本発明の第2の実施形態のリーダライタと他のリーダライタとの通信状態を説明する図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。図5が図3と異なる点は、制御部31にモードを切り替えるモード切替SWを設けた点である。尚、リーダライタ(R/W1)30の近傍に他のリーダライタ(R/W2)40がある場合について以下図6を参照して説明する。またリーダライタ(R/W2)40の構成はリーダライタ(R/W1)30と同様である。
【0016】
図6は図5のリーダライタ(R/W1)30とリーダライタ(R/W2)40との処理シーケンスを説明する図である。本実施形態では、各リーダライタにICカードとの通信を行うカード通信モードと、リーダライタ同士の通信を行うリーダライタ通信モードの2種類を備えた場合について説明する。この例ではリーダライタ(R/W1)30がカード通信モード42であり、リーダライタ(R/W2)40も同様にカード通信モード44に設定されているとする。まず、図示しない上位機器からカード用のポーリングが送信される。リーダライタ(R/W1)30はそのコマンドを受信すると、ポーリング(カード用)60をICカード200に送信する。ICカード200は送られたポーリングを受信して、あるタイミングでポーリング(カード用)60を認識すると、レスポンス(カード用)61をリーダライタ(R/W1)30に返送する。このときリーダライタ(R/W1)30の近傍にリーダライタ(R/W2)40がポーリング(カード用)60を受信したとしても、このポーリングがリーダライタ(R/W2)40用でないと認識するので、レスポンス(R/W2)62を返送しない。従って、リーダライタ(R/W1)30はレスポンス(カード用)61のみを受信してICカード200であることを認識すると同時に、上位機器にレスポンス(カード用)61を返送する。上位機器がこのレスポンスを受信すると、以後、リーダライタ(R/W1)30を介して通信コマンド63をICカード200に送信し、通常のデータ通信が行われる。
【0017】
次に、リーダライタ(R/W1)30がリーダライタ通信受信モード43であり、リーダライタ(R/W2)40はカード通信モード44のままに設定されているとする。図示しない上位機器からリーダライタ(R/W2)40用のポーリングが送信される。リーダライタ(R/W1)30はそのコマンドを受信すると、ポーリング(R/W2用)64をリーダライタ(R/W2)40に送信する。しかし、リーダライタ(R/W2)40はカード通信モードのため、このポーリングを認識することができずレスポンス(R/W2用)66を返送しない。同時にICカード200もポーリング(R/W2用)64を受信したとしても、このポーリングがICカード200用でないと認識するので、レスポンス(カード用)65を返送しない。このように互いのモードが異なっている場合は、ICカードもリーダライタもレスポンスを返送しないのでプロトコルは成立しない。
【0018】
次に、リーダライタ(R/W1)30がリーダライタ通信受信モード43のままで、リーダライタ(R/W2)40がリーダライタ通信送信モード45に切り替ったとする。図示しない上位機器からリーダライタ(R/W2)40用のポーリングが送信される。リーダライタ(R/W1)30はそのコマンドを受信すると、ポーリング(R/W2用)67をリーダライタ(R/W2)40に送信する。リーダライタ(R/W2)40は送られたポーリングを受信して、あるタイミングでポーリング(R/W2用)67を認識すると、レスポンス(R/W2用)69をリーダライタ(R/W1)30に返送する。このときリーダライタ(R/W1)30の近傍にICカード200がポーリング(R/W2用)67を受信したとしても、このポーリングがICカード200用でないと認識するので、レスポンス(カード用)68を返送しない。従って、リーダライタ(R/W1)30はレスポンス(R/W2用)69のみを受信してリーダライタ(R/W2)40であることを認識すると同時に、上位機器にレスポンス(R/W2用)を返送する。上位機器がこのレスポンスを受信すると、以後、リーダライタ(R/W1)30を介してデータ送信要求70をリーダライタ(R/W2)40に送信し、リーダライタ(R/W2)40からデータ送信71が開始されて通常のデータ通信が行われる。
【0019】
このように各リーダライタにカード通信モードとリーダライタ通信モードを設けることにより、ポーリング信号等の衝突を回避して、プロトコルの成功確率を高くすることができる。また、モードを切り替える手段は、固定的に設置されたリーダライタはホストコンピュータと接続されているので、モードの切替はこのホストコンピュータから行ってもよいし、或いは専用のスイッチを設けても構わない。特に、携帯用のリーダライタはホストコンピュータと接続されていないので、専用のスイッチを設ける必要がある。これにより、使用者は通信する相手によりモードを任意に切り替えることができ、利便性を高めることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、請求項1は、リーダライタ用のポーリング信号を生成する手段と、そのポーリング信号を認識したリーダライタが応答するレスポンス生成手段を備えるので、リーダライタ同士の通信を可能とすることができる。
請求項2は、お互いのリーダライタでポーリングコマンドとレスポンスコマンドを持つので、プロトコルが確立して確実に送信したい相手と通信を行うことができる。
請求項3は、各リーダライタにカード通信モードとリーダライタ通信モードを設けるので、ポーリング信号等の衝突を回避して、プロトコルの成功確率を高くすることができる。
請求項4は、各モードを任意に切り替え可能なモード切替手段を備えているので、使用者は通信する相手によりモードを任意に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のICカード用リーダライタの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態の非接触型ICカードの構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態のリーダライタと他のリーダライタとの通信状態を説明する図。
【図4】本発明の図3のリーダライタ(R/W1)30とリーダライタ(R/W2)40との処理シーケンスを説明する図。
【図5】本発明の第2の実施形態のリーダライタと他のリーダライタとの通信状態を説明する図。
【図6】本発明の図5のリーダライタ(R/W1)30とリーダライタ(R/W2)40との処理シーケンスを説明する図。
【図7】従来のリーダライタと非接触ICカードとの通信状態を説明する図。
【図8】図7のリーダライタ(R/W1)300とICカード350との処理シーケンスを説明する図。
【符号の説明】
1 送受信装置、2 制御装置、3 メモリ装置、4 変調器、5 入力装置、6 表示装置、7 電力増幅器、8 検波復調器、9 ループアンテナ、10乱数発生装置、50 コンピュータ、100 リーダライタ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカード用リーダライタに関し、さらに詳しくは、複数の非接触型ICカード用リーダライタ同士の相互通信を確立する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ICカードと呼ばれる新しい情報記録媒体が市場に広く出回っている。ICカードは、クレジットカード、銀行カード、ポイントカード等のカード状あるいはシート状の形状を備え、カード内にIC(Integrated Circuit)が組み込まれているものを総称した名称である。その中で非接触型ICカードは、電鉄の駅への入退場時に使用される定期券或いはプリペイド乗車券として、現在の磁気カード方式に代わり多くの駅の改札で採用されている。
特に、非接触ICカードは、データのやり取りを電波で行うため、その制御のためのリーダライタが必要となり、現状ではリーダライタと非接触ICカードとの間で通信するのみに過ぎず、リーダライタ同士での通信機能を持っていなかった。むしろお互いの電波混信を防止するために、他のリーダライタが送信するコマンドをマスクしていたため、例えばICカード用携帯端末としてのリーダライタ同士で通信を行なうことはできなかった。
【0003】
図7は、従来のリーダライタと非接触ICカードとの通信状態を説明する図である。従来のリーダライタ(R/W1)300は、リーダライタ全体の動作制御とコマンドの解析等を行う制御部310と、信号を変調して搬送波に乗せて送信する送信部320と、ICカード350からのレスポンス等を受信して復調する受信部330と、送受信信号を放射又は受信するループアンテナ340とを備えて構成される。尚、リーダライタ(R/W1)300の近傍に他のリーダライタ(R/W2)360がある場合について以下図8を参照して説明する。またリーダライタ(R/W2)360の構成はリーダライタ(R/W1)300と同様である。
図8は図7のリーダライタ(R/W1)300とICカード350との処理シーケンスを説明する図である。まず、図示しない上位機器からカード用のポーリングが送信される。リーダライタ(R/W1)300はそのコマンドを受信すると、ポーリング(カード用)400をICカード350に送信する。ICカード350は送られたポーリングを受信して、あるタイミングでポーリング(カード用)400を受信すると、レスポンス(カード用)410をリーダライタ(R/W1)300に返送する。このときリーダライタ(R/W1)300の近傍に他のリーダライタ(R/W2)360がポーリング(カード用)400を受信したとしても、このポーリングがリーダライタ用でないと認識するので、レスポンス(R/W2用)420を返送しない。従って、リーダライタ(R/W1)300はレスポンス(カード用)410のみを受信してICカード350であることを認識すると同時に、上位機器にポーリング(カード用)レスポンスを返送する。上位機器がこのレスポンスを受信すると、以後、リーダライタ(R/W1)300を介して通信コマンド430をICカード350に送信し、ICカード350からレスポンス440が返送されて通常のデータ通信が行われる。
このように、従来のリーダライタでは、ICカードとの通信は可能であるが、リーダライタ同士の通信をおこなうことができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、非接触ICカードは、データのやり取りを電波で行うため、その制御のためのリーダライタが必要となり、現状ではリーダライタは非接触ICカードと通信するのみで、リーダライタ同士での通信機能を持っていなかった。むしろお互いの電波混信を防止するために、他のリーダライタが送信するコマンドをマスクしていたため、例えばICカード用携帯端末としてのリーダライタ同士で通信を行なうことができなかった。
本発明は、かかる課題に鑑み、所定の距離にあるリーダライタ同士の相互通信を可能として、データ収集の迅速化を図ったリーダライタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1の発明は、ICカードのループアンテナを介して、該ICカードとの間で所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うICカード用リーダライタにおいて、前記ICカード用リーダライタは、少なくとも1つ以上の他のICカード用リーダライタと通信手順を確立するための少なくとも1つ以上のポーリングコマンドを生成するポーリング生成手段と、前記他のICカード用リーダライタのポーリング生成手段から送信されたポーリングコマンドに応答する固有のレスポンスを生成するレスポンス生成手段とを備えたことを特徴とする。
従来のリーダライタは、ICカードとの通信を主体としているためにICカードのタイプに合致したポーリング信号のみを生成していた。従って、他のリーダライタが近くにあってそのポーリング信号を受信しても、自分が呼ばれていることを認識することができなかった。そこで本発明では、ポーリング信号を追加して他のリーダライタでも認識できるように、リーダライタ用のポーリング信号を送信するシーケンスに変更するものである。また、そのポーリング信号を受信して認識したリーダライタが応答するためのレスポンスを生成することも必要である。
かかる発明によれば、リーダライタ用のポーリング信号を生成する手段と、そのポーリング信号を認識したリーダライタが応答するレスポンス生成手段を備えるので、リーダライタ同士の通信を可能とすることができる。
【0006】
また、請求項2の発明は、前記ICカード用リーダライタは、前記ポーリング生成手段により前記他のICカード用リーダライタ固有のポーリングコマンドを生成して送信し、前記他のICカード用リーダライタが前記ポーリングコマンドを受信して前記レスポンス生成手段によりレスポンスを返送することにより、前記ICカード用リーダライタと前記他のICカード用リーダライタとの間での相互の通信を可能としたことを特徴とする。
各リーダライタに通信する相手のポーリングコマンドを相互に持ち、さらにポーリングを受信して自分が呼ばれていることを認識し、ポーリングを送信した相手に対して応答のレスポンスコマンドを相互に持つことにより、プロトコルが確立して確実に送信したい相手と通信を行うことができる。
かかる発明によれば、お互いのリーダライタでポーリングコマンドとレスポンスコマンドを持つので、プロトコルが確立して確実に送信したい相手と通信を行うことができる。
【0007】
また、請求項3の発明は、前記ICカード用リーダライタは、少なくとも1つ以上のICカードと通信を行うカード通信モードと、少なくとも1つ以上の他のICカード用リーダライタと通信を行うリーダライタ通信モードとを更に備え、前記ICカード用リーダライタ同士で相互に通信を行う場合、前記ICカード用リーダライタ同士の前記各モードを一致させることにより、相互に通信を可能としたことを特徴とする。
各リーダライタはICカードと他のリーダライタの両方と通信できる必要がある。しかし、それらの動作を同時に行うことはできない。その理由は同時に行った場合、ポーリングが衝突する確率が増えプロトコルが成立しなくなってしまう場合が発生するためである。そこで本発明では、各リーダライタにカード通信モードとリーダライタ通信モードを設け、通信するリーダライタのモードを一致させて通信を行うようにする。
かかる発明によれば、各リーダライタにカード通信モードとリーダライタ通信モードを設けるので、ポーリング信号等の衝突を回避して、プロトコルの成功確率を高くすることができる。
【0008】
また、請求項4の発明は、前記ICカード用リーダライタは、前記各モードを任意に切り替え可能なモード切替手段を備えたことを特徴とする。
固定的に設置されたリーダライタはホストコンピュータと接続されている。従って、モードの切替はこのホストコンピュータから行ってもよいし、或いは専用のスイッチを設けても構わない。特に、携帯用のリーダライタはホストコンピュータと接続されていないので、専用のスイッチを設ける必要がある。
かかる発明によれば、各モードを任意に切り替え可能なモード切替手段を備えているので、使用者は通信する相手によりモードを任意に切り替えることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の一実施形態のICカード用リーダライタの構成を示すブロック図である。このICカード用リーダライタ100は、外部にありリーダライタ100に対してデータの授受を行ってシステム全体を制御するコンピュータ50と、外部のコンピュータ50とのデータの通信プロトコルを司る送受信装置1と、リーダライタ100全体の動作を制御する制御装置2と、制御装置2を動作させる手順を記録したファームウェアと複数の複変調方式を格納するメモリ装置3と、制御装置2からのデータを搬送波に乗せて変調する変調器4と、操作コマンドを入力する入力装置5と、制御装置2からの情報を表示する表示装置6と、制御装置2からの交流信号である電力供給用信号と変調器4からの書き込みコマンドを電力増幅する電力増幅器7と、ループアンテナ9から受信した搬送波から2値化データに変換する検波復調器8と、図示しないICカードとの電力用搬送波とデータの授受をするループアンテナ9と、乱数表を有し、その乱数表から乱数を発生する乱数発生装置10から構成されている。
【0010】
次に、本構成によるリーダライタ100の動作を説明する前に、対を成すICカードの構成を先に説明しておく。図2は、本発明の実施形態の非接触型ICカードの構成を示すブロック図である。実施形態の非接触型ICカード200は、リーダライタ100からの電力用搬送波によりデータの授受をするループアンテナ20と、書き込みコマンド読み出しコマンドを生成する送受信回路21と、ループアンテナ20からの電力用搬送波を受け、それを整流して直流電力に変換する電力生成回路22と、制御用ファームウェアとデータの一時記憶を司るメモリ装置23と、制御回路26からの送信コマンドに搬送波を乗せて変調する変調器24と、送受信回路21からの搬送波データから2値化データに変換する検波器25と、ICカード200の全体の動作を制御する制御回路26から構成されている。
【0011】
次に、図1と図2を併せて参照してそれぞれ単独の動作について説明する。リーダライタ100は、図示しない電源が入れられると制御装置2のイニシャル動作後、メモリ装置3に記憶されたプログラムに従い動作を開始する。まず、上位機器50との初期化が行われる。次に、制御装置2は、ICカード200に供給する電力供給用信号と、ポーリング信号を交互に電力増幅器7から送信する。その信号は、ループアンテナ9から電磁波として外部に放射される。例えば、ISO14443タイプBでは、中心搬送周波数13.56MHz±7KHz、AM変調度10%、変調方式ASK(Amplitude Shift Keying)、符号化方式はNRZ−L、通信速度が106kb/sで行われる。次に、ICカード200がリーダライタ100に近接すると、ループアンテナ20が電力供給用信号を受信し、電力生成回路22によりその搬送波を整流して直流電力に変換して、カード内の全ての回路に供給する。電力を供給されて制御回路26が駆動すると、メモリ装置23に格納されたプログラムに従って、制御を開始する。ICカード200は前記と同じ規格に従えば、通信方式は、負荷変動方式、リーダライタとの通信関係は、リーダライタ100からの固有の呼び出しコードを認識して初めて返信する。また、副搬送波は中心搬送波の1/16の847.5kHz、変調方式は副搬送波のASK、符号化方式はNRZ−L方式、通信速度は106kb/sである。
【0012】
次に、制御回路26は、まず送受信回路21からコマンドを検波器25で復調して2値化信号に変換し、そのコマンドを解析する。その結果自分が呼び出されていることを認識すると、レスポンスを変調器24により変調して送受信回路21を介してループアンテナ20から送信する。
このレスポンスをリーダライタ100がループアンテナ9で受信して、検波復調器8で2値化コードに変換し、制御回路2により解析してICカード200が規格に合致したカードであると認識する。それにより、以後リーダライタ100とICカード200の間でポーリングが行われる。
【0013】
図3は、本発明の第1の実施形態のリーダライタと他のリーダライタとの通信状態を説明する図である。リーダライタ(R/W1)30は、リーダライタ全体の動作制御とコマンドの解析等を行う制御部31と、信号を変調して搬送波に乗せて送信する送信部32と、ICカード200からのレスポンス等を受信して復調する受信部33と、送受信信号を放射又は受信するループアンテナ34とを備えて構成される。尚、リーダライタ(R/W1)30の近傍に他のリーダライタ(R/W2)40がある場合について以下図4を参照して説明する。またリーダライタ(R/W2)40の構成はリーダライタ(R/W1)30と同様である。
【0014】
図4は図3のリーダライタ(R/W1)30とリーダライタ(R/W2)40との処理シーケンスを説明する図である。まず、図示しない上位機器からリーダライタ(R/W2)用のポーリングが送信される。リーダライタ(R/W1)30はそのコマンドを受信すると、ポーリング(R/W2用)50をリーダライタ(R/W2)40に送信する。リーダライタ(R/W2)40は送られたポーリングを受信して、あるタイミングでポーリング(R/W2用)50を認識すると、レスポンス(R/W2用)51をリーダライタ(R/W1)30に返送する。このときリーダライタ(R/W1)30の近傍にICカード200がポーリング(R/W2用)50を受信したとしても、このポーリングがICカード200用でないと認識するので、レスポンス(ICカード用)52を返送しない。従って、リーダライタ(R/W1)30はレスポンス(R/W2用)54のみを受信してリーダライタ(R/W2)40であることを認識すると同時に、上位機器にレスポンス(R/W2用)を返送する。上位機器がこのレスポンスを受信すると、以後、リーダライタ(R/W1)30を介して通信コマンド53をリーダライタ(R/W2)40に送信し、リーダライタ(R/W2)40からレスポンス54が返送されて通常のデータ通信が行われる。
【0015】
図5は、本発明の第2の実施形態のリーダライタと他のリーダライタとの通信状態を説明する図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。図5が図3と異なる点は、制御部31にモードを切り替えるモード切替SWを設けた点である。尚、リーダライタ(R/W1)30の近傍に他のリーダライタ(R/W2)40がある場合について以下図6を参照して説明する。またリーダライタ(R/W2)40の構成はリーダライタ(R/W1)30と同様である。
【0016】
図6は図5のリーダライタ(R/W1)30とリーダライタ(R/W2)40との処理シーケンスを説明する図である。本実施形態では、各リーダライタにICカードとの通信を行うカード通信モードと、リーダライタ同士の通信を行うリーダライタ通信モードの2種類を備えた場合について説明する。この例ではリーダライタ(R/W1)30がカード通信モード42であり、リーダライタ(R/W2)40も同様にカード通信モード44に設定されているとする。まず、図示しない上位機器からカード用のポーリングが送信される。リーダライタ(R/W1)30はそのコマンドを受信すると、ポーリング(カード用)60をICカード200に送信する。ICカード200は送られたポーリングを受信して、あるタイミングでポーリング(カード用)60を認識すると、レスポンス(カード用)61をリーダライタ(R/W1)30に返送する。このときリーダライタ(R/W1)30の近傍にリーダライタ(R/W2)40がポーリング(カード用)60を受信したとしても、このポーリングがリーダライタ(R/W2)40用でないと認識するので、レスポンス(R/W2)62を返送しない。従って、リーダライタ(R/W1)30はレスポンス(カード用)61のみを受信してICカード200であることを認識すると同時に、上位機器にレスポンス(カード用)61を返送する。上位機器がこのレスポンスを受信すると、以後、リーダライタ(R/W1)30を介して通信コマンド63をICカード200に送信し、通常のデータ通信が行われる。
【0017】
次に、リーダライタ(R/W1)30がリーダライタ通信受信モード43であり、リーダライタ(R/W2)40はカード通信モード44のままに設定されているとする。図示しない上位機器からリーダライタ(R/W2)40用のポーリングが送信される。リーダライタ(R/W1)30はそのコマンドを受信すると、ポーリング(R/W2用)64をリーダライタ(R/W2)40に送信する。しかし、リーダライタ(R/W2)40はカード通信モードのため、このポーリングを認識することができずレスポンス(R/W2用)66を返送しない。同時にICカード200もポーリング(R/W2用)64を受信したとしても、このポーリングがICカード200用でないと認識するので、レスポンス(カード用)65を返送しない。このように互いのモードが異なっている場合は、ICカードもリーダライタもレスポンスを返送しないのでプロトコルは成立しない。
【0018】
次に、リーダライタ(R/W1)30がリーダライタ通信受信モード43のままで、リーダライタ(R/W2)40がリーダライタ通信送信モード45に切り替ったとする。図示しない上位機器からリーダライタ(R/W2)40用のポーリングが送信される。リーダライタ(R/W1)30はそのコマンドを受信すると、ポーリング(R/W2用)67をリーダライタ(R/W2)40に送信する。リーダライタ(R/W2)40は送られたポーリングを受信して、あるタイミングでポーリング(R/W2用)67を認識すると、レスポンス(R/W2用)69をリーダライタ(R/W1)30に返送する。このときリーダライタ(R/W1)30の近傍にICカード200がポーリング(R/W2用)67を受信したとしても、このポーリングがICカード200用でないと認識するので、レスポンス(カード用)68を返送しない。従って、リーダライタ(R/W1)30はレスポンス(R/W2用)69のみを受信してリーダライタ(R/W2)40であることを認識すると同時に、上位機器にレスポンス(R/W2用)を返送する。上位機器がこのレスポンスを受信すると、以後、リーダライタ(R/W1)30を介してデータ送信要求70をリーダライタ(R/W2)40に送信し、リーダライタ(R/W2)40からデータ送信71が開始されて通常のデータ通信が行われる。
【0019】
このように各リーダライタにカード通信モードとリーダライタ通信モードを設けることにより、ポーリング信号等の衝突を回避して、プロトコルの成功確率を高くすることができる。また、モードを切り替える手段は、固定的に設置されたリーダライタはホストコンピュータと接続されているので、モードの切替はこのホストコンピュータから行ってもよいし、或いは専用のスイッチを設けても構わない。特に、携帯用のリーダライタはホストコンピュータと接続されていないので、専用のスイッチを設ける必要がある。これにより、使用者は通信する相手によりモードを任意に切り替えることができ、利便性を高めることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、請求項1は、リーダライタ用のポーリング信号を生成する手段と、そのポーリング信号を認識したリーダライタが応答するレスポンス生成手段を備えるので、リーダライタ同士の通信を可能とすることができる。
請求項2は、お互いのリーダライタでポーリングコマンドとレスポンスコマンドを持つので、プロトコルが確立して確実に送信したい相手と通信を行うことができる。
請求項3は、各リーダライタにカード通信モードとリーダライタ通信モードを設けるので、ポーリング信号等の衝突を回避して、プロトコルの成功確率を高くすることができる。
請求項4は、各モードを任意に切り替え可能なモード切替手段を備えているので、使用者は通信する相手によりモードを任意に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のICカード用リーダライタの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態の非接触型ICカードの構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態のリーダライタと他のリーダライタとの通信状態を説明する図。
【図4】本発明の図3のリーダライタ(R/W1)30とリーダライタ(R/W2)40との処理シーケンスを説明する図。
【図5】本発明の第2の実施形態のリーダライタと他のリーダライタとの通信状態を説明する図。
【図6】本発明の図5のリーダライタ(R/W1)30とリーダライタ(R/W2)40との処理シーケンスを説明する図。
【図7】従来のリーダライタと非接触ICカードとの通信状態を説明する図。
【図8】図7のリーダライタ(R/W1)300とICカード350との処理シーケンスを説明する図。
【符号の説明】
1 送受信装置、2 制御装置、3 メモリ装置、4 変調器、5 入力装置、6 表示装置、7 電力増幅器、8 検波復調器、9 ループアンテナ、10乱数発生装置、50 コンピュータ、100 リーダライタ。
Claims (4)
- ICカードのループアンテナを介して、該ICカードとの間で所定の変復調方式に基づく搬送電力の送信とデータの授受を行うICカード用リーダライタにおいて、
前記ICカード用リーダライタは、少なくとも1つ以上の他のICカード用リーダライタと通信手順を確立するための少なくとも1つ以上のポーリングコマンドを生成するポーリング生成手段と、前記他のICカード用リーダライタのポーリング生成手段から送信されたポーリングコマンドに応答する固有のレスポンスを生成するレスポンス生成手段と、を備えたことを特徴とするICカード用リーダライタ。 - 前記ICカード用リーダライタは、前記ポーリング生成手段により前記他のICカード用リーダライタ固有のポーリングコマンドを生成して送信し、前記他のICカード用リーダライタが前記ポーリングコマンドを受信して前記レスポンス生成手段によりレスポンスを返送することにより、前記ICカード用リーダライタと前記他のICカード用リーダライタとの間での相互の通信を可能としたことを特徴とする請求項1に記載のICカード用リーダライタ。
- 前記ICカード用リーダライタは、少なくとも1つ以上のICカードと通信を行うカード通信モードと、少なくとも1つ以上の他のICカード用リーダライタと通信を行うリーダライタ通信モードと、を更に備え、
前記ICカード用リーダライタ同士で相互に通信を行う場合、前記ICカード用リーダライタ同士の前記各モードを一致させることにより、相互に通信を可能としたことを特徴とする請求項1に記載のICカード用リーダライタ。 - 前記ICカード用リーダライタは、前記各モードを任意に切り替え可能なモード切替手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のICカード用リーダライタ。
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