JP2004094752A - 非接触icカード用リピータ - Google Patents
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Abstract
【課題】現状のシステムを変更することなく、非接触ICカードとリーダライタとの通信可能距離を延長して非接触ICカードの利用範囲を拡張する通信装置(リピータ)を提供する。
【解決手段】前記リーダライタ100との送受信を司るリーダライタアンテナ30と、このリーダライタアンテナ30が受信した受信信号を復調する受信回路31と、この受信回路31により復調された受信信号を波形整形する波形整形回路32と、波形整形された受信信号を変調する変調器33と、変調器33により変調された変調波を電力増幅する電力増幅器34と、前記ICカード200との送受信を司るループアンテナ35と、このループアンテナ35が受信した受信信号を復調する検波復調器36と、復調された受信信号を波形整形する波形整形回路38と、その信号を(主としてレスポンス信号)を変調する変調器42と、変調された送信信号を電力増幅する電力増幅器39と、前記各回路を制御する制御回路43と、前記全ての回路に電力を供給する電池37から構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】前記リーダライタ100との送受信を司るリーダライタアンテナ30と、このリーダライタアンテナ30が受信した受信信号を復調する受信回路31と、この受信回路31により復調された受信信号を波形整形する波形整形回路32と、波形整形された受信信号を変調する変調器33と、変調器33により変調された変調波を電力増幅する電力増幅器34と、前記ICカード200との送受信を司るループアンテナ35と、このループアンテナ35が受信した受信信号を復調する検波復調器36と、復調された受信信号を波形整形する波形整形回路38と、その信号を(主としてレスポンス信号)を変調する変調器42と、変調された送信信号を電力増幅する電力増幅器39と、前記各回路を制御する制御回路43と、前記全ての回路に電力を供給する電池37から構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触ICカード用リピータに関し、さらに詳しくは、リーダライタと非接触ICカードを仲介するリピータに関するものである。
【従来の技術】
近年、ICカードと呼ばれる新しい情報記録媒体が、市場に広く出回っている。ICカードは、クレジットカード、銀行カード、ポイントカード等のカード状あるいはシート状の形状を備え、カード内にIC(Integrated Circuit)が組み込まれているものを総称した名称である。ICカードは大きく分けて接触型、非接触型の2種類に分けられる。特に非接触型ICカードは、鉄道の駅改札における乗降時に使用される定期券等として、多くの駅で磁気カード方式と併用して採用されている。また、前記した非接触ICカードはデータのやり取りを電波で行うため、利用者が改札口を通過する際に、定期券入れから一々定期券を取り出すことなく定期券入れをリーダライタにかざすだけで情報交換できるため、ますます利便性が大きく向上するものと期待され、従来の磁気カード方式に代わるものとして注目されている。また、非接触ICカードの原理をICタグに転用した場合には、荷物、部品を移動しながら非接触で管理できるので、物流方面や交通課金システムへの応用も期待されている。
しかし、現状の非接触ICカードはリーダライタとの通信距離が電波法規等の規制により10cm程度と短く、ICカードをリーダライタに近接しなければ使用できないため、現状では駅の自動改札、銀行等の特定の場面にその利用範囲が限定されていた。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる課題に鑑み、現状のシステムを変更することなく、非接触ICカードとリーダライタとの通信可能距離を延長して非接触ICカードの利用範囲を拡張する通信装置(リピータ)を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、非接触ICカードとリーダライタ間の通信可能距離を延長するリピータであって、前記リピータは、前記リーダライタとの間における無線信号の送受信を司るリーダライタ用アンテナと、該リーダライタ用アンテナから入力される入力信号を復調するリーダライタ用受信手段と、前記リーダライタ用アンテナから出力される送信信号を変調及び電力増幅するリーダライタ用送信手段と、前記非接触ICカードとの間での無線信号の送受信を司るループアンテナと、該ループアンテナからの受信信号を復調するカード受信手段と、前記ループアンテナから出力される送信信号を変調及び電力増幅するカード送信手段と、前記各手段を制御する制御手段と、前記全ての手段に電力を供給する電源手段と、を備え、前記リピータと前記非接触ICカードは相互に通信可能距離に配置され、前記リピータが前記リーダライタとの無線通信を行う場合は、前記リピータからの送信電力を増幅することにより、前記リーダライタと非接触ICカードとの通信可能距離を延長することを特徴とする。
リーダライタと非接触ICカード(以下、単にICカードと記す)との通信距離は、例えば、ISO14443タイプAの規格に準ずれば約10cmである。従って、その距離以上に離間して通信するためには、リーダライタからの電波の電力パワーを強める必要がある。しかし、電波の法規制上の理由の他に、鉄道の自動改札では複数のリーダライタが近くに併設され通信エリアが重なることを防ぐ意味でも電力パワーを強めることは困難である。また、ICカードは電池を内部に持たず、リーダライタからの搬送波により電力を生成しているので、その意味でもリーダライタ間の距離を有効な電磁界範囲を越えて離すことは困難である。また、従来のリーダライタから出力される信号には、搬送波以外にポーリングやコマンド信号が含まれており、それらの信号はかなり長い距離電波として伝搬されるため、その信号を正しく復調できれば信号の通信は可能である。そこで、本発明ではリーダライタとICカードとの間に搬送電力を新たに生成するリピータを介在させ、それにより、リピータからリーダライタへの送信信号については増幅した電波により情報の通信をおこない、リピータとICカード間では、至近距離により従来通り通信を行うようにする。
かかる発明によれば、リーダライタとICカード間に電波を増幅するリピータを介在させることにより、リーダライタとICカード間の通信距離を実質的に延長することができ、ICカードの利用範囲を拡張することができる。
【0004】
請求項2は、非接触ICカードとリーダライタ間の通信可能距離を延長するリピータであって、前記リピータは、前記リーダライタとの間における無線信号の送受信を司るリーダライタ用アンテナと、該リーダライタ用アンテナから入力される入力信号を復調するリーダライタ用受信手段と、前記リーダライタ用アンテナの負荷を変動させ送信信号を送出するリーダライタ用送信手段と、前記非接触ICカードとの間での無線信号の送受信を司るループアンテナと、該ループアンテナからの受信信号を復調するカード受信手段と、前記ループアンテナから出力される送信信号を変調及び電力増幅するカード送信手段と、前記各手段を制御する制御手段と、前記全ての手段に電力を供給する電源手段と、を備え、前記リピータと前記非接触ICカードは相互に通信可能距離に配置され、前記リピータが前記リーダライタとの無線通信を行う場合は、前記リピータからの送信電力を増幅することにより、前記リーダライタと非接触ICカードとの通信可能距離を延長することを特徴とする。
請求項1では、リーダライタ用送信手段が送信信号を変調及び電力増幅するように働いたが、この他に、リーダライタ用アンテナの負荷を変動させ送信信号を送出する方法も有効である。そこで、本発明ではリーダライタとICカードとの間にリーダライタ用アンテナの負荷を変動させるリピータを介在させ、それにより、リピータからリーダライタへの送信信号については負荷変動した電波により情報の通信をおこない、リピータとICカード間では、至近距離により従来通り通信を行うようにする。
かかる発明によれば、リーダライタとICカード間に負荷変動するリピータを介在させることにより、リーダライタとICカード間の通信距離を実質的に延長することができ、ICカードの利用範囲を拡張することができる。
請求項3は、前記制御手段は、前記リーダライタと前記非接触ICカードとの間における通信手順が、予め決められた通信手順となるように前記リピータを制御することを特徴とする。
リーダライタとICカードとのプロトコル(通信手順)はISOにより規格が決められている。また、それに準じたシステムが多数稼動しており、それらのシステムとの互換性も考慮する必要がある。従って、リピータの制御もこのプロトコルに準じて行うように制御される。
かかる発明によれば、リピータの制御を予め決まられたプロトコルに準じて行うため、従来の既存システムとの互換性を維持しつつ、通信距離を延長することができる。
【0005】
請求項4は、前記カード送信手段は、前記非接触ICカードへ送信する電力の強さが、前記リーダライタが送信する電力の強さと同じになるように予め設定されていることを特徴とする。
本発明のリピータはリーダライタとICカード間に存在して、リーダライタとICカードとの間の通信距離を実質的に延長するためにあるものである。従って、ICカード側から見れば、通信相手はあくまでもリーダライタであり、電力を生成する搬送波の電力の強さは、所定の距離からのリーダライタから送信される電力の強さと等しい必要がある。
かかる発明によれば、リピータからICカードに送信される電力の強さが、リーダライタから送信される電力の強さと同じであるので、ICカードとの互換性を保つことができる。
請求項5は、前記制御手段は、前記リーダライタから非接触ICカードを識別するポーリング信号を受信した場合、該信号を波形整形後、所定の変調方式に基づいて変調して前記非接触ICカードに送信するように前記カード送信手段を制御することを特徴とする。
ICカードは、まず初めにリーダライタから電力供給用搬送波を受信することにより、動作を開始する。しかし、リーダライタからの距離が遠いために、搬送波から必要な電力を得ることができない。そこで、ICカードとリーダライタとの間に配置したリピータが電源を入れると同時に、ICカードを駆動するために電力供給用の搬送波を送信する。それにより、ICカードは電力を生成して動作を開始し、その後、リピータが最初のポーリング信号をリーダライタから受信すると、その信号を変調してICカードに送信することにより、リーダライタからのポーリング信号を受信することができる。
かかる発明によれば、リーダライタとICカード間が通信不可能な程度に離れていても、リピータからの電力供給用の搬送波によりICカードは駆動可能となり、その後、リピータが最初のポーリング信号をリーダライタから受信することにより、リーダライタとICカードは正しい通信手順に従って通信を行うことができる。
【0006】
請求項6は、前記リーダライタは、前記リピータを介して該リピータと通信可能な距離に配置された非接触ICカードと情報の授受を行なうことを特徴とする。
リピータとリーダライタ間は通常のICカードとの通信距離よりも離れている。従って、リーダライタとICカード間で直接通信を行うことはできない。そこで、リピータとICカード間の距離を通信可能な範囲に設定することにより、リピータを介してリーダライタとICカード間の通信を可能とすることができる。かかる発明によれば、リピータとICカード間の距離を通信可能な範囲に設定するので、リーダライタはICカードと通信不可能な距離でもリピータを介してICカードと通信を行うことができる。
請求項7は、前記リーダライタ送信手段は、前記非接触ICカードと前記リーダライタとの通信限界距離より長い距離で通信可能なように、送信電力が予め設定されていることを特徴とする。
リピータとリーダライタとの通信距離は、電波の法規制により極端に長くすることはできない。従って、ある所定の距離を想定して、その間で通信が可能なように送信電力が決定される。つまり、リピータ内のリーダライタ送信手段の送信電力は、リピータとリーダライタの距離に見合った送信電力に設定される。
かかる発明によれば、リピータの送信電力がリーダライタの距離に見合った電力に設定されるので、不要な輻射を最小限にすることができる。
請求項8は、前記カード送信手段の変調方式は、搬送波の振幅を変動させて2値を形成する振幅変調方式であることを特徴とする。
リピータとICカード間の通信は、基本的に従来の規格に準じた方式を採用することが互換性の点でも好ましいことである。つまり、リーダライタからの送信変調方式に準ずることが必要である。従来の近接型では、振幅変調して搬送波の周波数を変えないで、振幅を変動させてデータの2値を形成するASK(振幅変調方式)が採用されている。
かかる発明によれば、リピータからICカードへの変調方式は、リーダライタからの受信と同一方式であるので、従来のICカードとの互換性を維持しつつ、搬送波により電力を生成することができる。
【0007】
請求項9は、非金属により構成された第1の外装カバーと、導電材料により構成された第2の外装カバーと、を備え、前記第1の外装カバー内には前記リーダライタ用アンテナが内蔵され、前記第2の外装カバー内には前記ループアンテナと非接触ICカードが通信可能距離に配置されて内蔵されていることを特徴とする。
リピータはICカードと近接して常に配置されることが重要である。その理由は、リピータとリーダライタ間は所定以上に離間しても通信が可能となるように、リピータからの送信電力を増幅したり、負荷変動している。しかし、リピータとICカード間は、ICカードが搬送波により電力を生成するために、その搬送波を送信するリピータの搬送波を受信可能な位置に配置されなければならない。そして、動作するときは常にその状態で一対で存在する必要がある。それには、非金属のカバー内にはリーダライタ用アンテナを内蔵し、そのアンテナと隔離するために、導電性のカバーでループアンテナとICカードを内蔵する。
かかる発明によれば、リーダライタ用アンテナとループアンテナを電磁的に隔離して、しかも、ループアンテナとICカードを近接して配置するため、リピータとICカードとの通信が確実におこなわれると共に、ループアンテナに不要な電波が混入することを防ぐことができる。
請求項10は、前記非接触ICカードは、前記第2の外装カバーから出し入れ自在な保持手段により保持されていることを特徴とする。
ICカードは使用目的により、リピータを必要としない場合もある。つまり、駅の自動改札の場合はICカードのみをリーダライタにかざして使用される。また、リピータを必要とする場合は、例えば、駐車場や入退出管理が行われている部屋に入出場する時であり、その場合はICカードをリピータの保持部に保持して両者一対で使用される。このように、両方の場合に対応するためにICカードをリピータから出し入れ自在にできるようにしておくことが重要である。
かかる発明によれば、ICカードをリピータから出し入れ自在にできる構成になっているので、使用目的に応じてリピータを対応させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
先ず、本発明の実施形態の説明の前に、一般的なリーダライタと非接触ICカード(以下、単にICカードと記す)の構成と、その動作について説明しておく。図5は、リーダライタの構成を示すブロック図である。このリーダライタ100は、外部にありリーダライタ100に対してデータの授受を行ってシステム全体を制御するコンピュータ50と、外部のコンピュータ50とのデータの通信プロトコルを司る送受信装置1と、リーダライタ100全体の動作を制御する制御装置2と、制御装置2を動作させる手順を記録したファームウェアを格納するメモリ装置3と、制御装置2からのデータを搬送波に乗せて変調する変調器4と、操作コマンドを入力する入力装置5と、制御装置2からの情報を表示する表示装置6と、制御装置2からの交流信号である電力供給用信号と変調器4からの書き込みコマンドを電力増幅する電力増幅器7と、ループアンテナ9から受信した信号から2値化データに変換する検波復調器8と、図示しないICカードとの電力用搬送波とデータの授受をするループアンテナ9と、から構成されている。
次に、本構成によるリーダライタ100の動作を説明する前に、対を成すICカードの構成を先に説明しておく。図6は、ICカードの構成を示すブロック図である。このICカード200は、前記リーダライタ100からの電力用搬送波によりデータの授受をするループアンテナ20と、書き込みコマンド読み出しコマンドを送受する送受信回路21と、ループアンテナ20からの電力用搬送波を受け、それを整流して直流電力に変換する電力生成回路22と、制御用ファームウェアとデータの一時記憶を司るメモリ装置23と、制御回路26からの搬送波に送信コマンドを乗せて変調する変調器24と、送受信回路21からの搬送波データから2値化データに変換する復調器25と、ICカード200の全体の動作を制御する制御回路26から構成されている。
【0009】
次に、図5と図6を併せて参照してそれぞれの動作について説明する。リーダライタ100は、図示しない電源が入れられると制御装置2のイニシャル動作後、メモリ装置3に記憶されたプログラムに従い動作を開始する。まず、制御装置2は、ICカード200に供給する電力供給用信号と、ポーリング信号を電力増幅器7から送信する。その信号は、ループアンテナ9から電磁波として外部に放射される。次に、ICカード200がリーダライタ100に近接すると、ループアンテナ20が電力供給用信号を受信し、電力生成回路22によりその搬送波を整流して直流電力に変換して、カード内の全ての回路に供給する。電力を供給されて制御回路26が駆動すると、メモリ装置23に格納されたプログラムに従って、制御を開始する。次に、ICカード200の制御回路26は、まず送受信回路21からコマンドを復調器25で復調して2値化信号に変換し、そのコマンドを解析する。その結果自分が呼び出されていることを認識すると、レスポンスを、変調器24により変調して送受信回路21を介してループアンテナ20から送信する。このレスポンスをリーダライタ100がループアンテナ9で受信して、検波復調器8で2値化コードに変換し、制御回路2により解析してICカード200が規格に合致したカードであると認識する。それにより、以後リーダライタ100とICカード200の間で通信が行われる。
ICカード200の無電池タイプは、リーダライタ100に、このカードを近接して非接触状態でリーダライタ100からの搬送波を内部のループアンテナ20で受信し、それを整流して自らの電力として駆動するタイプである。従って、あくまでも最初のアクセスは、リーダライタ100側であり(これをReader talk firstと呼ぶ)、その後、リーダライタ100からの固有の呼び出しコードを認識して初めて返信するものである。ここで、ICカード200とリーダライタ100の距離は非常に近接しており(約10cm)、その距離以内であれ、ICカード200は充分動作は可能であるが、それ以上の距離になると、ICカード200は搬送波をループアンテナ20で受信することができなくなる。このように、従来のICカードは使用目的が駅自動改札等の至近距離による使用目的に限定され、リーダライタと離れた場所からICカードとのデータの通信は不可能であった。そこで、本発明により、例えば、駐車場に入場する場合、車両内のリピータと距離が離間した駐車場のゲートに設置されたリーダライタ間で無線により通信して、認証された加入者に限りゲートを開ける入場管理と、駐車場から退場する際の料金精算を自動的に行うシステムや、入退出システムに適用が可能である。
【0010】
次に、図1は、本発明の実施形態に係る信号増幅装置(以下、リピータと記す)の構成を示すブロック図である。本実施形態のリピータ300は、前記リーダライタ100との間でポーリング信号、レスポンス信号、及びコマンド信号等の無線信号の送受信を司るリーダライタアンテナ30と、このリーダライタアンテナ30が受信した受信信号を復調する受信回路31と、この受信回路31により復調された受信信号を波形整形する波形整形回路32と、波形整形された受信信号を変調する変調器33と、変調器33により変調された変調波を電力増幅する電力増幅器34と、前記ICカード200との間でポーリング信号、レスポンス信号、及びコマンド信号等の無線信号の送受信を司るループアンテナ35と、このループアンテナ35が受信した受信信号を復調する検波復調器36と、復調された受信信号を波形整形する波形整形回路38と、その信号を(主としてレスポンス信号)を変調する変調器42と、変調された送信信号を電力増幅する電力増幅器39と、前記各回路を制御する制御回路43と、前記全ての回路に電力を供給する電池37から構成されている。
【0011】
図2は、本実施形態の概略動作を説明するためのリーダライタ、リピータ、及びICカードの位置関係を模式的に示す図である。この図でリーダライタ100とリピータ300間の距離Lと、リピータ300とICカード200間の距離lの間にはL≫lの関係が有り、リーダライタ100とリピータ300の間の距離は従来のリーダライタとICカードの距離より大きく取れる。また、リピータ300とICカード200間の距離lは従来通り10cm以内に保持される。リーダライタ100からは常に搬送波が出力されている。その状態でリピータ300が通信可能距離Lに近づくと、アンテナ30によりポーリング信号40を受信する。リピータ300はこの信号の受信によりICカード200に対して搬送波を送信する。ICカード200はリピータ300との通信可能距離l内に配置されているので、その搬送波を受信して駆動する。それと同時に、リピータ300がICカード200にリーダライタ100から受信したポーリング信号と同じポーリング信号を送信する。ICカード200がそのポーリング信号を受信してレスポンス信号を返すと、リピータ300はそのレスポンス信号を電力増幅、又は負荷変動としてリーダライタ100にアンテナ30を介してレスポンス信号41として送信する。
このように、本発明ではリピータ300とICカード200は相互に通信可能距離に配置され、リピータ300によりリーダライタ100とICカード200との通信距離を延長することが可能となる。これにより、例えば、駐車場に入場する場合、車両内のリピータと距離が離れた駐車場のゲートに設置されたリーダライタ間で無線により通信して、認証された加入者に限りゲートを開ける入場管理と、駐車場から退場する際の料金精算を自動的に行うことができる。また、ICカードを持参する人に限り扉を開閉するシステムにも応用が可能である。
【0012】
図3は、本発明の実施形態に係るリーダライタ、リピータ、及びICカード間のプロトコルの流れを示す図である。この図は左からリーダライタ100、リピータ300、ICカード200が配置され、それぞれの距離は図2の通りLとlに配置されている。また、各信号の矢印の向きは信号が送信される向きを表し、矢印の交点が信号を受信した点であり、その交点の記号(黒丸)はリピータ300が波形整形してICカード200に送信することを表し、記号(白丸)はリピータ300が電力増幅してリーダライタ100に送信することを表している。そして、リーダライタ100とICカード200の間のタイムラグは、許容される時間内であるように設計される。
【0013】
図3を参照して本実施形態のリピータ300の動作を中心に説明する。ここで、ICカード200はポーリングAに対応しているものとする。まず、リーダライタ100は常時、電力供給用信号60とポーリングA61を変調された搬送波として送信している(リーダライタ100の詳しい動作は前記図5で説明したのでここでは省略する)。そして、リピータ300が電源をONすると電力供給用信号62が送信され、ICカード200は動作可能状態となる。その状態で通信可能距離Lに来ると(しかし、電力供給用信号60はICカード200には到達しない。)、ポーリングA61をリーダライタアンテナ30で受信して、その信号が受信回路31により復調され、そのまま波形整形回路32により整形後、さらに変調器33により変調され、ポーリング(A)63として変調器33により変調してさらに電力増幅器34によりレベル変換してICカード200に送信する。ICカード200はポーリング(A)63を受信すると、その応答としてポーリング(A)レスポンス64を送信する。リピータ300がその信号をループアンテナ35で受信して検波復調器36で復調して、波形整形回路38により整形し、ポーリング(A)レスポンス65として変調器42により変調して電力増幅器39で電力増幅してリーダライタアンテナ30から送信する。
リーダライタ100はこのポーリング(A)レスポンス65を受信すると、正しいICカードであるかを認証するために認証コマンドC66を送信する。認証コマンドC66をリーダライタアンテナ30で受信して、その信号が受信回路31により復調されて、そのまま波形整形回路32により整形され、さらに変調器33により変調され、認証コマンドC67として変調器33によりレベル変換してICカード200に送信する。ICカード200は認証コマンドC67を受信すると、その応答として認証コマンドCレスポンス68を送信する。リピータ300がその信号をループアンテナ35で受信して検波復調器36で復調して、波形整形回路38により整形し、認証コマンドCレスポンス69として変調器42により変調して電力増幅器39で電力増幅してリーダライタアンテナ30から送信する。リーダライタ100はこの認証コマンドCレスポンス69を受信すると、正しいICカードであることを認証して、リードライト信号70を送信する。以下、同様にしてリードライト動作が行われる。このように、あたかもリーダライタ100とICカード200は、間にリピータが介在しないかのように交信が行われるので、従来の互換性を維持しつつ、通信距離を伸ばすことができる。
【0014】
図4は、本発明の実施形態に係るリピータの外観構成図である。図4(a)は上面図であり、(b)は側断面図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。リピータ300は、上下2段構造で構成され、上段は樹脂等の非誘電材料の外装カバー52と、それにより囲まれたリーダライタアンテナ30により構成され、下段はコの字型の金属等の導電性カバー54と、その内部にループアンテナ35とICカード200が収納された構成である。また、リーダライタアンテナ30とループアンテナ35はスタッド53により夫々のカバーに固定されている。また、ICカード200はガイドレール55により出し入れ自在な構成であり、ループアンテナ35との距離は交信可能な距離に配置されている。尚、図示を省略するが、この他に電池37と各回路の構成要素を集積したICが内部に実装される。
この構成により、リーダライタアンテナ30は非金属の外装カバー52により覆われているが、外部のリーダライタとの交信は何の支障も無く可能であり、しかもループアンテナ35とは金属カバー54により電磁的に遮蔽されており、ループアンテナ35が外部から不要な電波を受信することを防いでいる。しかも、ループアンテナ35はICカード200とは常に近接されて配置され、図示しない電源スイッチをONすることにより、リーダライタ100と距離が離れていてもリーダライタ100とICカード200の通信が可能となる。尚、ICカード200の保持方法は本実施形態に限定されるものではなく、他の方法でも構わない。また、各部品の配置も一例であり、他の配置でも構わない。
【0015】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1の発明によれば、リーダライタとICカード間に電波を増幅するリピータを介在させることにより、リピータとリーダライタ間の通信時には、送信電波の電力を増幅することにより、リーダライタとICカード間の通信距離を実質的に延長することができ、ICカードの利用範囲を拡張することができる。
また請求項2では、リーダライタとICカード間に負荷変動するリピータを介在させることにより、リーダライタとICカード間の通信距離を実質的に延長することができ、ICカードの利用範囲を拡張することができる。
また請求項3では、リピータの制御を予め決まられたプロトコルに準じて行うため、リーダライタとICカード間のプロトコルが維持され、従来の既存システムとの互換性を維持しつつ、通信距離を延長することができる。
また請求項4では、リピータからICカードに送信される電力の強さが、リーダライタから送信される電力の強さと同じであるので、あたかもICカードはリーダライタと直接通信をしている状況を作り出し、ICカードとの互換性を保つことができる。
【0016】
また請求項5では、リーダライタとICカード間が通信不可能な程度に離れていても、リピータからの電力供給用の搬送波によりICカードは駆動可能となり、その後、リピータが最初のポーリング信号をリーダライタから受信することにより、リーダライタとICカードは正しい通信手順に従って通信を行うことができる。
また請求項6では、リピータとICカード間の距離を通信可能な範囲に設定するので、リーダライタはICカードと通信不可能な距離でもリピータを介してICカードと通信を行うことができる。
また請求項7では、リピータの送信電力がリーダライタの距離に見合った電力に設定されるので、必要以上に大きなパワーを出力することを防ぎ、不要輻射を最小限にすることができる。
また請求項8では、リピータからICカードへの変調方式が、振幅変調方式であるので、従来のICカードとの互換性を維持しつつ、搬送波により電力を生成することができる。
また請求項9では、リーダライタ用アンテナとループアンテナを電磁的に隔離して、しかも、ループアンテナとICカードを近接して配置されるため、リピータとICカードとの通信が確実におこなわれると共に、ループアンテナに不要な電波が混入することを防ぐことができる。
また請求項10では、ICカードをリピータから出し入れ自在にできる構成になっているので、使用目的に応じてICカードのみで使用することができ、しかも異なる種類のICカードを入れ替えてリピータを対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るリピータの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の概略動作を説明するためのリーダライタ、リピータ、及びICカードの位置関係を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るリーダライタ、リピータ、及びICカード間のプロトコルの流れを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るリピータの外観構成図である。
【図5】リーダライタの構成を示すブロック図である。
【図6】ICカードの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
30 リーダライタアンテナ、31 受信回路、32、38 波形整形回路、33、42 変調器、34、39 電力増幅器、35 ループアンテナ、36 検波復調器、37 電池、43 制御回路、300 リピータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触ICカード用リピータに関し、さらに詳しくは、リーダライタと非接触ICカードを仲介するリピータに関するものである。
【従来の技術】
近年、ICカードと呼ばれる新しい情報記録媒体が、市場に広く出回っている。ICカードは、クレジットカード、銀行カード、ポイントカード等のカード状あるいはシート状の形状を備え、カード内にIC(Integrated Circuit)が組み込まれているものを総称した名称である。ICカードは大きく分けて接触型、非接触型の2種類に分けられる。特に非接触型ICカードは、鉄道の駅改札における乗降時に使用される定期券等として、多くの駅で磁気カード方式と併用して採用されている。また、前記した非接触ICカードはデータのやり取りを電波で行うため、利用者が改札口を通過する際に、定期券入れから一々定期券を取り出すことなく定期券入れをリーダライタにかざすだけで情報交換できるため、ますます利便性が大きく向上するものと期待され、従来の磁気カード方式に代わるものとして注目されている。また、非接触ICカードの原理をICタグに転用した場合には、荷物、部品を移動しながら非接触で管理できるので、物流方面や交通課金システムへの応用も期待されている。
しかし、現状の非接触ICカードはリーダライタとの通信距離が電波法規等の規制により10cm程度と短く、ICカードをリーダライタに近接しなければ使用できないため、現状では駅の自動改札、銀行等の特定の場面にその利用範囲が限定されていた。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる課題に鑑み、現状のシステムを変更することなく、非接触ICカードとリーダライタとの通信可能距離を延長して非接触ICカードの利用範囲を拡張する通信装置(リピータ)を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、非接触ICカードとリーダライタ間の通信可能距離を延長するリピータであって、前記リピータは、前記リーダライタとの間における無線信号の送受信を司るリーダライタ用アンテナと、該リーダライタ用アンテナから入力される入力信号を復調するリーダライタ用受信手段と、前記リーダライタ用アンテナから出力される送信信号を変調及び電力増幅するリーダライタ用送信手段と、前記非接触ICカードとの間での無線信号の送受信を司るループアンテナと、該ループアンテナからの受信信号を復調するカード受信手段と、前記ループアンテナから出力される送信信号を変調及び電力増幅するカード送信手段と、前記各手段を制御する制御手段と、前記全ての手段に電力を供給する電源手段と、を備え、前記リピータと前記非接触ICカードは相互に通信可能距離に配置され、前記リピータが前記リーダライタとの無線通信を行う場合は、前記リピータからの送信電力を増幅することにより、前記リーダライタと非接触ICカードとの通信可能距離を延長することを特徴とする。
リーダライタと非接触ICカード(以下、単にICカードと記す)との通信距離は、例えば、ISO14443タイプAの規格に準ずれば約10cmである。従って、その距離以上に離間して通信するためには、リーダライタからの電波の電力パワーを強める必要がある。しかし、電波の法規制上の理由の他に、鉄道の自動改札では複数のリーダライタが近くに併設され通信エリアが重なることを防ぐ意味でも電力パワーを強めることは困難である。また、ICカードは電池を内部に持たず、リーダライタからの搬送波により電力を生成しているので、その意味でもリーダライタ間の距離を有効な電磁界範囲を越えて離すことは困難である。また、従来のリーダライタから出力される信号には、搬送波以外にポーリングやコマンド信号が含まれており、それらの信号はかなり長い距離電波として伝搬されるため、その信号を正しく復調できれば信号の通信は可能である。そこで、本発明ではリーダライタとICカードとの間に搬送電力を新たに生成するリピータを介在させ、それにより、リピータからリーダライタへの送信信号については増幅した電波により情報の通信をおこない、リピータとICカード間では、至近距離により従来通り通信を行うようにする。
かかる発明によれば、リーダライタとICカード間に電波を増幅するリピータを介在させることにより、リーダライタとICカード間の通信距離を実質的に延長することができ、ICカードの利用範囲を拡張することができる。
【0004】
請求項2は、非接触ICカードとリーダライタ間の通信可能距離を延長するリピータであって、前記リピータは、前記リーダライタとの間における無線信号の送受信を司るリーダライタ用アンテナと、該リーダライタ用アンテナから入力される入力信号を復調するリーダライタ用受信手段と、前記リーダライタ用アンテナの負荷を変動させ送信信号を送出するリーダライタ用送信手段と、前記非接触ICカードとの間での無線信号の送受信を司るループアンテナと、該ループアンテナからの受信信号を復調するカード受信手段と、前記ループアンテナから出力される送信信号を変調及び電力増幅するカード送信手段と、前記各手段を制御する制御手段と、前記全ての手段に電力を供給する電源手段と、を備え、前記リピータと前記非接触ICカードは相互に通信可能距離に配置され、前記リピータが前記リーダライタとの無線通信を行う場合は、前記リピータからの送信電力を増幅することにより、前記リーダライタと非接触ICカードとの通信可能距離を延長することを特徴とする。
請求項1では、リーダライタ用送信手段が送信信号を変調及び電力増幅するように働いたが、この他に、リーダライタ用アンテナの負荷を変動させ送信信号を送出する方法も有効である。そこで、本発明ではリーダライタとICカードとの間にリーダライタ用アンテナの負荷を変動させるリピータを介在させ、それにより、リピータからリーダライタへの送信信号については負荷変動した電波により情報の通信をおこない、リピータとICカード間では、至近距離により従来通り通信を行うようにする。
かかる発明によれば、リーダライタとICカード間に負荷変動するリピータを介在させることにより、リーダライタとICカード間の通信距離を実質的に延長することができ、ICカードの利用範囲を拡張することができる。
請求項3は、前記制御手段は、前記リーダライタと前記非接触ICカードとの間における通信手順が、予め決められた通信手順となるように前記リピータを制御することを特徴とする。
リーダライタとICカードとのプロトコル(通信手順)はISOにより規格が決められている。また、それに準じたシステムが多数稼動しており、それらのシステムとの互換性も考慮する必要がある。従って、リピータの制御もこのプロトコルに準じて行うように制御される。
かかる発明によれば、リピータの制御を予め決まられたプロトコルに準じて行うため、従来の既存システムとの互換性を維持しつつ、通信距離を延長することができる。
【0005】
請求項4は、前記カード送信手段は、前記非接触ICカードへ送信する電力の強さが、前記リーダライタが送信する電力の強さと同じになるように予め設定されていることを特徴とする。
本発明のリピータはリーダライタとICカード間に存在して、リーダライタとICカードとの間の通信距離を実質的に延長するためにあるものである。従って、ICカード側から見れば、通信相手はあくまでもリーダライタであり、電力を生成する搬送波の電力の強さは、所定の距離からのリーダライタから送信される電力の強さと等しい必要がある。
かかる発明によれば、リピータからICカードに送信される電力の強さが、リーダライタから送信される電力の強さと同じであるので、ICカードとの互換性を保つことができる。
請求項5は、前記制御手段は、前記リーダライタから非接触ICカードを識別するポーリング信号を受信した場合、該信号を波形整形後、所定の変調方式に基づいて変調して前記非接触ICカードに送信するように前記カード送信手段を制御することを特徴とする。
ICカードは、まず初めにリーダライタから電力供給用搬送波を受信することにより、動作を開始する。しかし、リーダライタからの距離が遠いために、搬送波から必要な電力を得ることができない。そこで、ICカードとリーダライタとの間に配置したリピータが電源を入れると同時に、ICカードを駆動するために電力供給用の搬送波を送信する。それにより、ICカードは電力を生成して動作を開始し、その後、リピータが最初のポーリング信号をリーダライタから受信すると、その信号を変調してICカードに送信することにより、リーダライタからのポーリング信号を受信することができる。
かかる発明によれば、リーダライタとICカード間が通信不可能な程度に離れていても、リピータからの電力供給用の搬送波によりICカードは駆動可能となり、その後、リピータが最初のポーリング信号をリーダライタから受信することにより、リーダライタとICカードは正しい通信手順に従って通信を行うことができる。
【0006】
請求項6は、前記リーダライタは、前記リピータを介して該リピータと通信可能な距離に配置された非接触ICカードと情報の授受を行なうことを特徴とする。
リピータとリーダライタ間は通常のICカードとの通信距離よりも離れている。従って、リーダライタとICカード間で直接通信を行うことはできない。そこで、リピータとICカード間の距離を通信可能な範囲に設定することにより、リピータを介してリーダライタとICカード間の通信を可能とすることができる。かかる発明によれば、リピータとICカード間の距離を通信可能な範囲に設定するので、リーダライタはICカードと通信不可能な距離でもリピータを介してICカードと通信を行うことができる。
請求項7は、前記リーダライタ送信手段は、前記非接触ICカードと前記リーダライタとの通信限界距離より長い距離で通信可能なように、送信電力が予め設定されていることを特徴とする。
リピータとリーダライタとの通信距離は、電波の法規制により極端に長くすることはできない。従って、ある所定の距離を想定して、その間で通信が可能なように送信電力が決定される。つまり、リピータ内のリーダライタ送信手段の送信電力は、リピータとリーダライタの距離に見合った送信電力に設定される。
かかる発明によれば、リピータの送信電力がリーダライタの距離に見合った電力に設定されるので、不要な輻射を最小限にすることができる。
請求項8は、前記カード送信手段の変調方式は、搬送波の振幅を変動させて2値を形成する振幅変調方式であることを特徴とする。
リピータとICカード間の通信は、基本的に従来の規格に準じた方式を採用することが互換性の点でも好ましいことである。つまり、リーダライタからの送信変調方式に準ずることが必要である。従来の近接型では、振幅変調して搬送波の周波数を変えないで、振幅を変動させてデータの2値を形成するASK(振幅変調方式)が採用されている。
かかる発明によれば、リピータからICカードへの変調方式は、リーダライタからの受信と同一方式であるので、従来のICカードとの互換性を維持しつつ、搬送波により電力を生成することができる。
【0007】
請求項9は、非金属により構成された第1の外装カバーと、導電材料により構成された第2の外装カバーと、を備え、前記第1の外装カバー内には前記リーダライタ用アンテナが内蔵され、前記第2の外装カバー内には前記ループアンテナと非接触ICカードが通信可能距離に配置されて内蔵されていることを特徴とする。
リピータはICカードと近接して常に配置されることが重要である。その理由は、リピータとリーダライタ間は所定以上に離間しても通信が可能となるように、リピータからの送信電力を増幅したり、負荷変動している。しかし、リピータとICカード間は、ICカードが搬送波により電力を生成するために、その搬送波を送信するリピータの搬送波を受信可能な位置に配置されなければならない。そして、動作するときは常にその状態で一対で存在する必要がある。それには、非金属のカバー内にはリーダライタ用アンテナを内蔵し、そのアンテナと隔離するために、導電性のカバーでループアンテナとICカードを内蔵する。
かかる発明によれば、リーダライタ用アンテナとループアンテナを電磁的に隔離して、しかも、ループアンテナとICカードを近接して配置するため、リピータとICカードとの通信が確実におこなわれると共に、ループアンテナに不要な電波が混入することを防ぐことができる。
請求項10は、前記非接触ICカードは、前記第2の外装カバーから出し入れ自在な保持手段により保持されていることを特徴とする。
ICカードは使用目的により、リピータを必要としない場合もある。つまり、駅の自動改札の場合はICカードのみをリーダライタにかざして使用される。また、リピータを必要とする場合は、例えば、駐車場や入退出管理が行われている部屋に入出場する時であり、その場合はICカードをリピータの保持部に保持して両者一対で使用される。このように、両方の場合に対応するためにICカードをリピータから出し入れ自在にできるようにしておくことが重要である。
かかる発明によれば、ICカードをリピータから出し入れ自在にできる構成になっているので、使用目的に応じてリピータを対応させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
先ず、本発明の実施形態の説明の前に、一般的なリーダライタと非接触ICカード(以下、単にICカードと記す)の構成と、その動作について説明しておく。図5は、リーダライタの構成を示すブロック図である。このリーダライタ100は、外部にありリーダライタ100に対してデータの授受を行ってシステム全体を制御するコンピュータ50と、外部のコンピュータ50とのデータの通信プロトコルを司る送受信装置1と、リーダライタ100全体の動作を制御する制御装置2と、制御装置2を動作させる手順を記録したファームウェアを格納するメモリ装置3と、制御装置2からのデータを搬送波に乗せて変調する変調器4と、操作コマンドを入力する入力装置5と、制御装置2からの情報を表示する表示装置6と、制御装置2からの交流信号である電力供給用信号と変調器4からの書き込みコマンドを電力増幅する電力増幅器7と、ループアンテナ9から受信した信号から2値化データに変換する検波復調器8と、図示しないICカードとの電力用搬送波とデータの授受をするループアンテナ9と、から構成されている。
次に、本構成によるリーダライタ100の動作を説明する前に、対を成すICカードの構成を先に説明しておく。図6は、ICカードの構成を示すブロック図である。このICカード200は、前記リーダライタ100からの電力用搬送波によりデータの授受をするループアンテナ20と、書き込みコマンド読み出しコマンドを送受する送受信回路21と、ループアンテナ20からの電力用搬送波を受け、それを整流して直流電力に変換する電力生成回路22と、制御用ファームウェアとデータの一時記憶を司るメモリ装置23と、制御回路26からの搬送波に送信コマンドを乗せて変調する変調器24と、送受信回路21からの搬送波データから2値化データに変換する復調器25と、ICカード200の全体の動作を制御する制御回路26から構成されている。
【0009】
次に、図5と図6を併せて参照してそれぞれの動作について説明する。リーダライタ100は、図示しない電源が入れられると制御装置2のイニシャル動作後、メモリ装置3に記憶されたプログラムに従い動作を開始する。まず、制御装置2は、ICカード200に供給する電力供給用信号と、ポーリング信号を電力増幅器7から送信する。その信号は、ループアンテナ9から電磁波として外部に放射される。次に、ICカード200がリーダライタ100に近接すると、ループアンテナ20が電力供給用信号を受信し、電力生成回路22によりその搬送波を整流して直流電力に変換して、カード内の全ての回路に供給する。電力を供給されて制御回路26が駆動すると、メモリ装置23に格納されたプログラムに従って、制御を開始する。次に、ICカード200の制御回路26は、まず送受信回路21からコマンドを復調器25で復調して2値化信号に変換し、そのコマンドを解析する。その結果自分が呼び出されていることを認識すると、レスポンスを、変調器24により変調して送受信回路21を介してループアンテナ20から送信する。このレスポンスをリーダライタ100がループアンテナ9で受信して、検波復調器8で2値化コードに変換し、制御回路2により解析してICカード200が規格に合致したカードであると認識する。それにより、以後リーダライタ100とICカード200の間で通信が行われる。
ICカード200の無電池タイプは、リーダライタ100に、このカードを近接して非接触状態でリーダライタ100からの搬送波を内部のループアンテナ20で受信し、それを整流して自らの電力として駆動するタイプである。従って、あくまでも最初のアクセスは、リーダライタ100側であり(これをReader talk firstと呼ぶ)、その後、リーダライタ100からの固有の呼び出しコードを認識して初めて返信するものである。ここで、ICカード200とリーダライタ100の距離は非常に近接しており(約10cm)、その距離以内であれ、ICカード200は充分動作は可能であるが、それ以上の距離になると、ICカード200は搬送波をループアンテナ20で受信することができなくなる。このように、従来のICカードは使用目的が駅自動改札等の至近距離による使用目的に限定され、リーダライタと離れた場所からICカードとのデータの通信は不可能であった。そこで、本発明により、例えば、駐車場に入場する場合、車両内のリピータと距離が離間した駐車場のゲートに設置されたリーダライタ間で無線により通信して、認証された加入者に限りゲートを開ける入場管理と、駐車場から退場する際の料金精算を自動的に行うシステムや、入退出システムに適用が可能である。
【0010】
次に、図1は、本発明の実施形態に係る信号増幅装置(以下、リピータと記す)の構成を示すブロック図である。本実施形態のリピータ300は、前記リーダライタ100との間でポーリング信号、レスポンス信号、及びコマンド信号等の無線信号の送受信を司るリーダライタアンテナ30と、このリーダライタアンテナ30が受信した受信信号を復調する受信回路31と、この受信回路31により復調された受信信号を波形整形する波形整形回路32と、波形整形された受信信号を変調する変調器33と、変調器33により変調された変調波を電力増幅する電力増幅器34と、前記ICカード200との間でポーリング信号、レスポンス信号、及びコマンド信号等の無線信号の送受信を司るループアンテナ35と、このループアンテナ35が受信した受信信号を復調する検波復調器36と、復調された受信信号を波形整形する波形整形回路38と、その信号を(主としてレスポンス信号)を変調する変調器42と、変調された送信信号を電力増幅する電力増幅器39と、前記各回路を制御する制御回路43と、前記全ての回路に電力を供給する電池37から構成されている。
【0011】
図2は、本実施形態の概略動作を説明するためのリーダライタ、リピータ、及びICカードの位置関係を模式的に示す図である。この図でリーダライタ100とリピータ300間の距離Lと、リピータ300とICカード200間の距離lの間にはL≫lの関係が有り、リーダライタ100とリピータ300の間の距離は従来のリーダライタとICカードの距離より大きく取れる。また、リピータ300とICカード200間の距離lは従来通り10cm以内に保持される。リーダライタ100からは常に搬送波が出力されている。その状態でリピータ300が通信可能距離Lに近づくと、アンテナ30によりポーリング信号40を受信する。リピータ300はこの信号の受信によりICカード200に対して搬送波を送信する。ICカード200はリピータ300との通信可能距離l内に配置されているので、その搬送波を受信して駆動する。それと同時に、リピータ300がICカード200にリーダライタ100から受信したポーリング信号と同じポーリング信号を送信する。ICカード200がそのポーリング信号を受信してレスポンス信号を返すと、リピータ300はそのレスポンス信号を電力増幅、又は負荷変動としてリーダライタ100にアンテナ30を介してレスポンス信号41として送信する。
このように、本発明ではリピータ300とICカード200は相互に通信可能距離に配置され、リピータ300によりリーダライタ100とICカード200との通信距離を延長することが可能となる。これにより、例えば、駐車場に入場する場合、車両内のリピータと距離が離れた駐車場のゲートに設置されたリーダライタ間で無線により通信して、認証された加入者に限りゲートを開ける入場管理と、駐車場から退場する際の料金精算を自動的に行うことができる。また、ICカードを持参する人に限り扉を開閉するシステムにも応用が可能である。
【0012】
図3は、本発明の実施形態に係るリーダライタ、リピータ、及びICカード間のプロトコルの流れを示す図である。この図は左からリーダライタ100、リピータ300、ICカード200が配置され、それぞれの距離は図2の通りLとlに配置されている。また、各信号の矢印の向きは信号が送信される向きを表し、矢印の交点が信号を受信した点であり、その交点の記号(黒丸)はリピータ300が波形整形してICカード200に送信することを表し、記号(白丸)はリピータ300が電力増幅してリーダライタ100に送信することを表している。そして、リーダライタ100とICカード200の間のタイムラグは、許容される時間内であるように設計される。
【0013】
図3を参照して本実施形態のリピータ300の動作を中心に説明する。ここで、ICカード200はポーリングAに対応しているものとする。まず、リーダライタ100は常時、電力供給用信号60とポーリングA61を変調された搬送波として送信している(リーダライタ100の詳しい動作は前記図5で説明したのでここでは省略する)。そして、リピータ300が電源をONすると電力供給用信号62が送信され、ICカード200は動作可能状態となる。その状態で通信可能距離Lに来ると(しかし、電力供給用信号60はICカード200には到達しない。)、ポーリングA61をリーダライタアンテナ30で受信して、その信号が受信回路31により復調され、そのまま波形整形回路32により整形後、さらに変調器33により変調され、ポーリング(A)63として変調器33により変調してさらに電力増幅器34によりレベル変換してICカード200に送信する。ICカード200はポーリング(A)63を受信すると、その応答としてポーリング(A)レスポンス64を送信する。リピータ300がその信号をループアンテナ35で受信して検波復調器36で復調して、波形整形回路38により整形し、ポーリング(A)レスポンス65として変調器42により変調して電力増幅器39で電力増幅してリーダライタアンテナ30から送信する。
リーダライタ100はこのポーリング(A)レスポンス65を受信すると、正しいICカードであるかを認証するために認証コマンドC66を送信する。認証コマンドC66をリーダライタアンテナ30で受信して、その信号が受信回路31により復調されて、そのまま波形整形回路32により整形され、さらに変調器33により変調され、認証コマンドC67として変調器33によりレベル変換してICカード200に送信する。ICカード200は認証コマンドC67を受信すると、その応答として認証コマンドCレスポンス68を送信する。リピータ300がその信号をループアンテナ35で受信して検波復調器36で復調して、波形整形回路38により整形し、認証コマンドCレスポンス69として変調器42により変調して電力増幅器39で電力増幅してリーダライタアンテナ30から送信する。リーダライタ100はこの認証コマンドCレスポンス69を受信すると、正しいICカードであることを認証して、リードライト信号70を送信する。以下、同様にしてリードライト動作が行われる。このように、あたかもリーダライタ100とICカード200は、間にリピータが介在しないかのように交信が行われるので、従来の互換性を維持しつつ、通信距離を伸ばすことができる。
【0014】
図4は、本発明の実施形態に係るリピータの外観構成図である。図4(a)は上面図であり、(b)は側断面図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。リピータ300は、上下2段構造で構成され、上段は樹脂等の非誘電材料の外装カバー52と、それにより囲まれたリーダライタアンテナ30により構成され、下段はコの字型の金属等の導電性カバー54と、その内部にループアンテナ35とICカード200が収納された構成である。また、リーダライタアンテナ30とループアンテナ35はスタッド53により夫々のカバーに固定されている。また、ICカード200はガイドレール55により出し入れ自在な構成であり、ループアンテナ35との距離は交信可能な距離に配置されている。尚、図示を省略するが、この他に電池37と各回路の構成要素を集積したICが内部に実装される。
この構成により、リーダライタアンテナ30は非金属の外装カバー52により覆われているが、外部のリーダライタとの交信は何の支障も無く可能であり、しかもループアンテナ35とは金属カバー54により電磁的に遮蔽されており、ループアンテナ35が外部から不要な電波を受信することを防いでいる。しかも、ループアンテナ35はICカード200とは常に近接されて配置され、図示しない電源スイッチをONすることにより、リーダライタ100と距離が離れていてもリーダライタ100とICカード200の通信が可能となる。尚、ICカード200の保持方法は本実施形態に限定されるものではなく、他の方法でも構わない。また、各部品の配置も一例であり、他の配置でも構わない。
【0015】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1の発明によれば、リーダライタとICカード間に電波を増幅するリピータを介在させることにより、リピータとリーダライタ間の通信時には、送信電波の電力を増幅することにより、リーダライタとICカード間の通信距離を実質的に延長することができ、ICカードの利用範囲を拡張することができる。
また請求項2では、リーダライタとICカード間に負荷変動するリピータを介在させることにより、リーダライタとICカード間の通信距離を実質的に延長することができ、ICカードの利用範囲を拡張することができる。
また請求項3では、リピータの制御を予め決まられたプロトコルに準じて行うため、リーダライタとICカード間のプロトコルが維持され、従来の既存システムとの互換性を維持しつつ、通信距離を延長することができる。
また請求項4では、リピータからICカードに送信される電力の強さが、リーダライタから送信される電力の強さと同じであるので、あたかもICカードはリーダライタと直接通信をしている状況を作り出し、ICカードとの互換性を保つことができる。
【0016】
また請求項5では、リーダライタとICカード間が通信不可能な程度に離れていても、リピータからの電力供給用の搬送波によりICカードは駆動可能となり、その後、リピータが最初のポーリング信号をリーダライタから受信することにより、リーダライタとICカードは正しい通信手順に従って通信を行うことができる。
また請求項6では、リピータとICカード間の距離を通信可能な範囲に設定するので、リーダライタはICカードと通信不可能な距離でもリピータを介してICカードと通信を行うことができる。
また請求項7では、リピータの送信電力がリーダライタの距離に見合った電力に設定されるので、必要以上に大きなパワーを出力することを防ぎ、不要輻射を最小限にすることができる。
また請求項8では、リピータからICカードへの変調方式が、振幅変調方式であるので、従来のICカードとの互換性を維持しつつ、搬送波により電力を生成することができる。
また請求項9では、リーダライタ用アンテナとループアンテナを電磁的に隔離して、しかも、ループアンテナとICカードを近接して配置されるため、リピータとICカードとの通信が確実におこなわれると共に、ループアンテナに不要な電波が混入することを防ぐことができる。
また請求項10では、ICカードをリピータから出し入れ自在にできる構成になっているので、使用目的に応じてICカードのみで使用することができ、しかも異なる種類のICカードを入れ替えてリピータを対応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るリピータの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の概略動作を説明するためのリーダライタ、リピータ、及びICカードの位置関係を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るリーダライタ、リピータ、及びICカード間のプロトコルの流れを示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るリピータの外観構成図である。
【図5】リーダライタの構成を示すブロック図である。
【図6】ICカードの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
30 リーダライタアンテナ、31 受信回路、32、38 波形整形回路、33、42 変調器、34、39 電力増幅器、35 ループアンテナ、36 検波復調器、37 電池、43 制御回路、300 リピータ
Claims (10)
- 非接触ICカードとリーダライタ間の通信可能距離を延長するリピータであって、
前記リピータは、前記リーダライタとの間における無線信号の送受信を司るリーダライタ用アンテナと、該リーダライタ用アンテナから入力される入力信号を復調するリーダライタ用受信手段と、前記リーダライタ用アンテナから出力される送信信号を変調及び電力増幅するリーダライタ用送信手段と、前記非接触ICカードとの間での無線信号の送受信を司るループアンテナと、該ループアンテナからの受信信号を復調するカード受信手段と、前記ループアンテナから出力される送信信号を変調及び電力増幅するカード送信手段と、前記各手段を制御する制御手段と、前記全ての手段に電力を供給する電源手段と、を備え、
前記リピータと前記非接触ICカードは相互に通信可能距離に配置され、前記リピータが前記リーダライタとの無線通信を行う場合は、前記リピータからの送信電力を増幅することにより、前記リーダライタと非接触ICカードとの通信可能距離を延長することを特徴とする非接触ICカード用リピータ。 - 非接触ICカードとリーダライタ間の通信可能距離を延長するリピータであって、
前記リピータは、前記リーダライタとの間における無線信号の送受信を司るリーダライタ用アンテナと、該リーダライタ用アンテナから入力される入力信号を復調するリーダライタ用受信手段と、前記リーダライタ用アンテナの負荷を変動させ送信信号を送出するリーダライタ用送信手段と、前記非接触ICカードとの間での無線信号の送受信を司るループアンテナと、該ループアンテナからの受信信号を復調するカード受信手段と、前記ループアンテナから出力される送信信号を変調及び電力増幅するカード送信手段と、前記各手段を制御する制御手段と、前記全ての手段に電力を供給する電源手段と、を備え、
前記リピータと前記非接触ICカードは相互に通信可能距離に配置され、前記リピータが前記リーダライタとの無線通信を行う場合は、前記リピータからの送信電力を増幅することにより、前記リーダライタと非接触ICカードとの通信可能距離を延長することを特徴とする非接触ICカード用リピータ。 - 前記制御手段は、前記リーダライタと前記非接触ICカードとの間における通信手順が、予め決められた通信手順となるように前記リピータを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触ICカード用リピータ。
- 前記カード送信手段が、前記非接触ICカードへ送信する電力の強さが、前記リーダライタが送信する電力の強さと同じになるように予め設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触ICカード用リピータ。
- 前記制御手段は、前記リーダライタから非接触ICカードを識別するポーリング信号を受信した場合、該信号を波形整形後、所定の変調方式に基づいて変調して前記非接触ICカードに送信するように前記カード送信手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触ICカード用リピータ。
- 前記リーダライタは、前記リピータを介して該リピータと通信可能な距離に配置された非接触ICカードと情報の授受を行なうことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の非接触ICカード用リピータ。
- 前記リーダライタ送信手段は、前記非接触ICカードと前記リーダライタとの通信限界距離より長い距離で通信可能なように、送信電力が予め設定されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の非接触ICカード用リピータ。
- 前記カード送信手段の変調方式は、搬送波の振幅を変動させて2値を形成する振幅変調方式であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の非接触ICカード用リピータ。
- 非金属により構成された第1の外装カバーと、導電材料により構成された第2の外装カバーと、を備え、
前記第1の外装カバー内には前記リーダライタ用アンテナが内蔵され、前記第2の外装カバー内には前記ループアンテナ及び非接触ICカードが通信可能距離に配置されて内蔵されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触ICカード用リピータ。 - 前記非接触ICカードは、前記第2の外装カバーから出し入れ自在な保持手段により保持されていることを特徴とする請求項9に記載の非接触ICカード用リピータ。
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