JP2005003639A - 障害物検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波センサの取り付け前において、予めID番号等の識別データを超音波センサ毎に設定しておく必要をなくし、設置上の手間を軽減する。
【解決手段】複数の超音波センサ1が信号線22によりディジーチェーン接続される。ECU2は、最も上流の超音波センサ1に割り当てられるべきID番号”n”が格納された初期設定用データフレームDFiを、最も上流の超音波センサ1に向けて送信する。最も上流の超音波センサ1は、このID番号”n”をデクリメントして新たなID番号”n−1”を生成し、これをデータフレームDFiに格納させて、これを下流の超音波センサに送信する。これを最下流の超音波センサ1まで繰り返すことにより、各超音波センサ1にID番号が割り当てられる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の超音波センサ1が信号線22によりディジーチェーン接続される。ECU2は、最も上流の超音波センサ1に割り当てられるべきID番号”n”が格納された初期設定用データフレームDFiを、最も上流の超音波センサ1に向けて送信する。最も上流の超音波センサ1は、このID番号”n”をデクリメントして新たなID番号”n−1”を生成し、これをデータフレームDFiに格納させて、これを下流の超音波センサに送信する。これを最下流の超音波センサ1まで繰り返すことにより、各超音波センサ1にID番号が割り当てられる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、超音波センサを利用して障害物までの距離を検出し、その距離が所定距離以内となった場合に警報等を発して運転者等に注意を促す障害物検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車両の周辺にある障害物の有無と、そのおよその距離を検知し、これにより自動車が障害物に衝突することを防止する障害物検知装置が、近年高級車を中心として導入されつつある(例えば非特許文献1参照)。障害物を検知するセンサとしては、超音波センサが通常用いられる。
【0003】
この文献では、自動車の後方から所定距離以内の障害物を検知するバックソナーと、自動車の4つのコーナ部から所定距離以内の障害物を検知するクリアランスソナーとを設けている。クリアランスソナーは、自動車の4つのコーナ部のそれぞれに超音波センサを設けることにより構成される。また、バックソナーは、自動車後方のリアバンパーの複数箇所に超音波センサを設置することにより構成される。これら複数の超音波センサが、ECU(Electronic Control Unit)からの制御信号により制御され、1個ずつ順々に、例えば0.2ms間隔で作動し、障害物への距離を判定している。
【0004】
【非特許文献1】
ヴォクシー新型車解説書(トヨタ自動車株式会社編、P3−104〜113、2001年11月16日発行)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなECUによる集中制御を実行する場合、各装置にはID番号が割り当てられる。
障害物検知装置においても、上記のように、多数の超音波センサを順次動作させる制御を行う場合には、個々の超音波センサそれぞれに、異なるID番号を割り振る必要がある。
【0006】
従来、このように異なるID番号を割り振るには、予め1つ1つの超音波センサに、アドレス設定スイッチなどにより異なるID番号を与え、その後、ID番号ごとに予め決められた場所に各超音波センサを設置していた。このため、機能の面では同一である超音波センサを、ID番号を逐一確認しつつ適切な場所に取り付けなければならず、設置上の手間が大きかった。
この発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、多数の超音波センサを含む場合であっても、その設置前にはID番号等を設定しておく必要がなく、設置後に簡単にID番号等を設定することができ、設定の手間が少ない障害物検知装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明に係る障害物検知装置は、振動子により送波器に振動を与えて超音波を発生させ、物体で反射した前記超音波を受波器で受信して前記物体までの距離を判定するように構成された複数の超音波センサと、これら複数の超音波センサを制御する制御信号を出力する制御装置とを備えた障害物検知装置において、前記複数の超音波センサは互いにディジーチェーン接続されると共に、前記制御信号が前記制御装置から最も上流の前記超音波センサに最初に送信され、その後順に下流の前記超音波センサに転送されるように構成され、前記複数の超音波センサの各々は、前記制御装置又は上流の前記超音波センサから、前記複数の超音波センサを識別するための識別情報を受信する受信手段と、受信された識別情報に基づき、予め定められた規則に従って新たな識別情報を生成する識別情報生成手段と、前記受信手段で受信された識別情報又は前記識別情報生成手段で生成された識別情報のいずれか一方を記憶する記憶手段と、前記識別情報生成手段で生成された識別情報を下流の前記超音波センサへ送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明に係る障害物検知装置によれば、ディジーチェーン接続された複数の超音波センサが、制御装置又は上流の超音波センサからの識別情報を受信部において受信する。この受信された識別情報に基づき、新たな識別情報が識別情報生成手段により生成され、下流の超音波センサに送信される。記憶手段には、前記受信部で受信された識別情報又は前記識別情報生成手段で生成された識別情報のいずれか一方が記憶される。すなわち、本発明では、制御装置が、最初に最も上流の超音波センサに識別情報を送信すれば、下流の超音波センサの識別情報は、各超音波センサに設けられた識別情報生成手段により生成される。従って、本発明では、超音波センサの取り付け前には識別情報を付与することは必要なく、取り付け後に制御装置において最も上流の超音波センサの識別情報を与えるだけで、全ての超音波センサの識別情報の付与が自動的に完了する。従って、超音波センサの取り付け時の負担が軽減される。
【0009】
ここにいう識別情報とは、例えばID番号である。この場合、前記規則は、受信されたID番号をデクリメント又はインクリメントするものとすることができる。
また、本発明において、前記制御信号は、データを格納するための複数のデータスロットを備え、この複数のデータスロットの各々は、前記複数の超音波センサの前記記憶手段に記憶された前記識別情報に対応する識別情報が割り当てられ、前記複数の超音波センサは、前記識別情報が共通する前記データスロットに、送信すべきデータを含ませて送信するように構成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本実施の形態に係る障害物検知装置100の全体構成を示している。図1(a)に示すように、この障害物検知装置100は、複数個(ここでは4個)の超音波センサ1(1)〜(4)と、制御装置としてのECU2とを備えている。
【0011】
この4個の超音波センサ1(1)〜(4)は、電圧電源線21により電源電圧を供給されていると共に、信号線22によりディジーチェーン接続されている。信号線22は、双方向通信が可能な通信線であり、例えば周知のツイスト・ペア・ケーブルやフラットケーブルを利用することができる。信号線22は、ECU2を始点とし、まず超音波センサ1(4)に接続され、以下、超音波センサ1(3)、1(2)、1(1)の順に、4個の超音波センサ1(1)〜(4)をディジーチェーン接続する。ECU2は、複数の超音波センサ1を制御するため、図2に概念的に示すようなデータフレームDFをこの信号線22を介して超音波センサ1に送信する。各超音波センサ1(1)〜(4)は、ECU2又は上流の超音波センサ1よりこのデータフレームDFを受信した場合に、測定動作を開始するように構成される。データフレームDFは、図2に示すように、データを格納するための複数のスロットS1〜S4を備えている。各スロットには、ID番号がそれぞれ割り振られている。後述するように、各超音波センサ1(1)〜(4)もID番号を割り振られ、それぞれ自身が有するID番号と一致するデータスロットSに、送信しようとする測定データ等を格納して返送する。また、各超音波センサ1(1)〜(4)には、接地電位を与えるための接地線23も接続される。
【0012】
図1(b)は、各超音波センサ1(1)〜(4)の端子と、その端子への各線の接続状態を説明するものである。各超音波センサ1(1)〜(4)は、6つの端子T1〜T6を備えている。
端子T1は、電圧電源線21を接続するための電源電圧端子である。また、端子T3及びT5は、上流の超音波センサ1又はECU2から伸びる信号線22と接続され、上流の超音波センサ1又はECU2との間で制御信号を送受信するための制御信号用端子であり、T3は受信用、T5は送信用である。また、端子T2及びT4は、下流の超音波センサ1から伸びる信号線22と接続され、下流の超音波センサ1との間で制御信号を送受信するための制御信号用端子であり、T2は送信用、T4は受信用である。また、端子T6は、接地線23を接続するための接地端子である。
【0013】
図3は、超音波センサ1と、電源電圧線21、信号線22及び接地線23とを接続する接続部分の拡大図を示している。超音波センサ1は、図3に示すように、コネクタ18を介して電源電圧線21、信号線22及び接地線23と接続される。コネクタ18を超音波センサ1の内壁面に挿入した後、端子T1〜T6に対応する位置に設けられた孔Hに圧接端子24を挿入する。これにより、電源電圧線21、信号線22及び接地線23の被覆が除去され、下部に存在する端子T1〜T6との電気的な接触が確立される。このような圧接端子24を利用することにより、1本の電源電圧線21、接地線23で複数の超音波センサ1を接続することができ、もって配線の数を少なくすることができる。近年、自動車の多機能化の進展のため、自動車において配線が占める割合は増加の一途を辿っており、このような配線方法は、配線の数はできるだけ少なくしたいという要望に沿うものである。なお、この実施の形態では、図3に示すように、信号線22は、電源電圧線21や接地線23とは異なり、コネクタ18が介在されるごとに切断されている。
【0014】
図4は、超音波センサ1の内部構造を詳細に示すブロック図である。図4に示すように、超音波センサ1は、電源電圧を各部へ供給するための電源部10と、信号の入出力処理や信号変換処理等を担当する通信IC11A及び11Bと、制御部12と、発振・受信回路13と、増幅器14と、送受波器15と、増幅器16と、メモリ17とを備えている。
発振・受信回路13は、内蔵される圧電振動子(図示せず)により振動波を発生させるものである。その振動波は、増幅器14で増幅させた後送受波器15に出力される。これにより超音波が送受波器15から出力される。また、発振・受信回路13は、障害物で反射され送受波器15で受信された超音波を、増幅器16で増幅させた後受信する機能も備えている。
【0015】
制御部12は、発振・受信回路13を制御すると共に、発振・受信回路13からの出力信号を解析し、障害物と超音波センサ1との間の距離を判定する機能を有する。また、メモリ17は、後述するように、超音波センサ1の識別情報としてのID番号を記憶するためのものである。ID番号のデータは、ECU2又は上流の超音波センサ1より、信号線22を介して送信され、通信IC11Aを介して制御部12に受信されるものである。
【0016】
制御部12は、この受信されたID番号のデータを、その超音波センサ1のID番号として、メモリ17に記憶させる。また、その記憶されたID番号をデクリメントして下流の超音波センサ1のID番号を生成し、これを通信IC11Bを介して下流の超音波センサ11に送信する機能を有する。
【0017】
次に、この実施の形態に係る障害物検知装置100における各超音波センサ1へのID番号の付与の手順を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、ECU2は、初期設定用データフレームDFiを準備し、この初期設定用データフレームDFiに、最も上流の超音波センサ1(図1では超音波センサ1(4))に付与するID番号”n”のデータを書き込んで、最も上流の超音波センサ1に送信する(S1)。
【0018】
この初期設定用データフレームDFiを受信した超音波センサ1の制御部12は、この初期設定データフレームDFi中に含まれるID番号”n”を、メモリ17に記憶させる(S2)。
また、制御部12は、ID番号”n”をデクリメントして新たなID番号”n−1”を生成し、これを初期設定用データフレームDFiに書き込んで、下流の超音波センサ1に送信する(S3)。
【0019】
下流の超音波センサ1は、上流の超音波センサ1よりデータフレームDF(初期設定用データフレームDFiを含む)を受信した場合、上流の超音波センサ1に向けて、受信がされた旨を示すACK信号を返信する。上流の超音波センサ1が、下流の超音波センサ1よりACK信号を受信した場合には(S4のYes)、その下流の超音波センサ1においても、S2乃至S4の動作が繰り返される。上流の超音波センサ1がACK信号を受信しなかった場合には(S4のNo)、上流の超音波センサ1は、自身が最下流の超音波センサ1である旨を示すACK信号を、自身のID番号(n−k)と共にECU2に返信する(S6)。これにより、各超音波センサ1へのID番号の付与が終了する(S7)。
【0020】
ECU2は、この返信されたACK信号に含まれるID番号から、ディジーチェーン接続された超音波センサ1の個数kを判定し、また、各超音波センサ1に割り当てられるID番号n、n−1、・・・n−(k−1)を判定する。
これに基づき、データフレームDFに、この超音波センサ1の数kに対応した数のスロットS1、S2、・・・Skを用意すると共に、各スロットS1、S2、・・・Skに、各超音波センサ1に割り当てられたID番号n−(k−1)、・・・、n−1、nを割り当てる。このようなデータフレームDFを最上流の超音波センサ1に送信し、以下、このデータフレームDFを順次下流の超音波センサ1に転送させることにより、複数の超音波センサ1の動作を順次開始させることができる。
【0021】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、様々な追加、変更等が可能である。
例えば、上記実施の形態では、下流の超音波センサ1は、上流の超音波センサ1等より送信されたID番号を、そのまま自身のID番号としてメモリ17に記憶する。そして、この記憶したID番号をデクリメントして更に下流の超音波センサ1に送信している。しかし、下流の超音波センサ1が、上流の超音波センサ1等より送信されたID番号をデクリメントした後、そのデクリメントしたID番号を自身のID番号としてメモリ17に記憶させてもよい。この場合、さらにもう1つ下流の超音波センサ1は、このデクリメントしたID番号を、さらにデクリメントして、自身のID番号として記憶すればよい。
【0022】
また、上記の実施の形態では、上流の超音波センサ1より送られたID番号をデクリメントしていたが、逆にこれをインクリメントして下流の超音波センサ1に渡しても構わないことは言うまでもない。要するに、全ての超音波センサ1の制御部12において予め定められた規則に従って下流のID番号を決定するのであればよい。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明に係る障害物検知装置によれば、多数の超音波センサを含む場合であっても、その設置前にはID番号等を設定しておく必要がなく、設置後に簡単にID番号等を設定することができ、設定の手間を少なくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る障害物検知装置100の構造を示すブロック図である。
【図2】ECU2から送信されるデータフレームDFを示す。
【図3】超音波センサ1と、電源電圧線21、信号線22、及び接地線23との間の接続状態を示す拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る超音波センサ1の構造を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る障害物検知装置100において、核超音波センサ1にID番号を付与する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・超音波センサ、 100・・・障害物検知装置、 2・・・ECU、 10・・・電源部、 11A、11B・・・通信IC、 12・・・制御部、 13・・・発振・受信回路、 14、16・・・増幅器、 15・・・送受波器、 T1・・・電源電圧端子、 T3、T4、T5・・・制御信号用端子、 T6・・・接地端子、 17・・・メモリ、 18・・・コネクタ、 21・・・電源電圧線、 22・・・信号線、 23・・・接地線、 24・・・圧接端子、 DF・・・データフレーム、 S・・・スロット。
【発明の属する技術分野】
この発明は、超音波センサを利用して障害物までの距離を検出し、その距離が所定距離以内となった場合に警報等を発して運転者等に注意を促す障害物検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車両の周辺にある障害物の有無と、そのおよその距離を検知し、これにより自動車が障害物に衝突することを防止する障害物検知装置が、近年高級車を中心として導入されつつある(例えば非特許文献1参照)。障害物を検知するセンサとしては、超音波センサが通常用いられる。
【0003】
この文献では、自動車の後方から所定距離以内の障害物を検知するバックソナーと、自動車の4つのコーナ部から所定距離以内の障害物を検知するクリアランスソナーとを設けている。クリアランスソナーは、自動車の4つのコーナ部のそれぞれに超音波センサを設けることにより構成される。また、バックソナーは、自動車後方のリアバンパーの複数箇所に超音波センサを設置することにより構成される。これら複数の超音波センサが、ECU(Electronic Control Unit)からの制御信号により制御され、1個ずつ順々に、例えば0.2ms間隔で作動し、障害物への距離を判定している。
【0004】
【非特許文献1】
ヴォクシー新型車解説書(トヨタ自動車株式会社編、P3−104〜113、2001年11月16日発行)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなECUによる集中制御を実行する場合、各装置にはID番号が割り当てられる。
障害物検知装置においても、上記のように、多数の超音波センサを順次動作させる制御を行う場合には、個々の超音波センサそれぞれに、異なるID番号を割り振る必要がある。
【0006】
従来、このように異なるID番号を割り振るには、予め1つ1つの超音波センサに、アドレス設定スイッチなどにより異なるID番号を与え、その後、ID番号ごとに予め決められた場所に各超音波センサを設置していた。このため、機能の面では同一である超音波センサを、ID番号を逐一確認しつつ適切な場所に取り付けなければならず、設置上の手間が大きかった。
この発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、多数の超音波センサを含む場合であっても、その設置前にはID番号等を設定しておく必要がなく、設置後に簡単にID番号等を設定することができ、設定の手間が少ない障害物検知装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明に係る障害物検知装置は、振動子により送波器に振動を与えて超音波を発生させ、物体で反射した前記超音波を受波器で受信して前記物体までの距離を判定するように構成された複数の超音波センサと、これら複数の超音波センサを制御する制御信号を出力する制御装置とを備えた障害物検知装置において、前記複数の超音波センサは互いにディジーチェーン接続されると共に、前記制御信号が前記制御装置から最も上流の前記超音波センサに最初に送信され、その後順に下流の前記超音波センサに転送されるように構成され、前記複数の超音波センサの各々は、前記制御装置又は上流の前記超音波センサから、前記複数の超音波センサを識別するための識別情報を受信する受信手段と、受信された識別情報に基づき、予め定められた規則に従って新たな識別情報を生成する識別情報生成手段と、前記受信手段で受信された識別情報又は前記識別情報生成手段で生成された識別情報のいずれか一方を記憶する記憶手段と、前記識別情報生成手段で生成された識別情報を下流の前記超音波センサへ送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明に係る障害物検知装置によれば、ディジーチェーン接続された複数の超音波センサが、制御装置又は上流の超音波センサからの識別情報を受信部において受信する。この受信された識別情報に基づき、新たな識別情報が識別情報生成手段により生成され、下流の超音波センサに送信される。記憶手段には、前記受信部で受信された識別情報又は前記識別情報生成手段で生成された識別情報のいずれか一方が記憶される。すなわち、本発明では、制御装置が、最初に最も上流の超音波センサに識別情報を送信すれば、下流の超音波センサの識別情報は、各超音波センサに設けられた識別情報生成手段により生成される。従って、本発明では、超音波センサの取り付け前には識別情報を付与することは必要なく、取り付け後に制御装置において最も上流の超音波センサの識別情報を与えるだけで、全ての超音波センサの識別情報の付与が自動的に完了する。従って、超音波センサの取り付け時の負担が軽減される。
【0009】
ここにいう識別情報とは、例えばID番号である。この場合、前記規則は、受信されたID番号をデクリメント又はインクリメントするものとすることができる。
また、本発明において、前記制御信号は、データを格納するための複数のデータスロットを備え、この複数のデータスロットの各々は、前記複数の超音波センサの前記記憶手段に記憶された前記識別情報に対応する識別情報が割り当てられ、前記複数の超音波センサは、前記識別情報が共通する前記データスロットに、送信すべきデータを含ませて送信するように構成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本実施の形態に係る障害物検知装置100の全体構成を示している。図1(a)に示すように、この障害物検知装置100は、複数個(ここでは4個)の超音波センサ1(1)〜(4)と、制御装置としてのECU2とを備えている。
【0011】
この4個の超音波センサ1(1)〜(4)は、電圧電源線21により電源電圧を供給されていると共に、信号線22によりディジーチェーン接続されている。信号線22は、双方向通信が可能な通信線であり、例えば周知のツイスト・ペア・ケーブルやフラットケーブルを利用することができる。信号線22は、ECU2を始点とし、まず超音波センサ1(4)に接続され、以下、超音波センサ1(3)、1(2)、1(1)の順に、4個の超音波センサ1(1)〜(4)をディジーチェーン接続する。ECU2は、複数の超音波センサ1を制御するため、図2に概念的に示すようなデータフレームDFをこの信号線22を介して超音波センサ1に送信する。各超音波センサ1(1)〜(4)は、ECU2又は上流の超音波センサ1よりこのデータフレームDFを受信した場合に、測定動作を開始するように構成される。データフレームDFは、図2に示すように、データを格納するための複数のスロットS1〜S4を備えている。各スロットには、ID番号がそれぞれ割り振られている。後述するように、各超音波センサ1(1)〜(4)もID番号を割り振られ、それぞれ自身が有するID番号と一致するデータスロットSに、送信しようとする測定データ等を格納して返送する。また、各超音波センサ1(1)〜(4)には、接地電位を与えるための接地線23も接続される。
【0012】
図1(b)は、各超音波センサ1(1)〜(4)の端子と、その端子への各線の接続状態を説明するものである。各超音波センサ1(1)〜(4)は、6つの端子T1〜T6を備えている。
端子T1は、電圧電源線21を接続するための電源電圧端子である。また、端子T3及びT5は、上流の超音波センサ1又はECU2から伸びる信号線22と接続され、上流の超音波センサ1又はECU2との間で制御信号を送受信するための制御信号用端子であり、T3は受信用、T5は送信用である。また、端子T2及びT4は、下流の超音波センサ1から伸びる信号線22と接続され、下流の超音波センサ1との間で制御信号を送受信するための制御信号用端子であり、T2は送信用、T4は受信用である。また、端子T6は、接地線23を接続するための接地端子である。
【0013】
図3は、超音波センサ1と、電源電圧線21、信号線22及び接地線23とを接続する接続部分の拡大図を示している。超音波センサ1は、図3に示すように、コネクタ18を介して電源電圧線21、信号線22及び接地線23と接続される。コネクタ18を超音波センサ1の内壁面に挿入した後、端子T1〜T6に対応する位置に設けられた孔Hに圧接端子24を挿入する。これにより、電源電圧線21、信号線22及び接地線23の被覆が除去され、下部に存在する端子T1〜T6との電気的な接触が確立される。このような圧接端子24を利用することにより、1本の電源電圧線21、接地線23で複数の超音波センサ1を接続することができ、もって配線の数を少なくすることができる。近年、自動車の多機能化の進展のため、自動車において配線が占める割合は増加の一途を辿っており、このような配線方法は、配線の数はできるだけ少なくしたいという要望に沿うものである。なお、この実施の形態では、図3に示すように、信号線22は、電源電圧線21や接地線23とは異なり、コネクタ18が介在されるごとに切断されている。
【0014】
図4は、超音波センサ1の内部構造を詳細に示すブロック図である。図4に示すように、超音波センサ1は、電源電圧を各部へ供給するための電源部10と、信号の入出力処理や信号変換処理等を担当する通信IC11A及び11Bと、制御部12と、発振・受信回路13と、増幅器14と、送受波器15と、増幅器16と、メモリ17とを備えている。
発振・受信回路13は、内蔵される圧電振動子(図示せず)により振動波を発生させるものである。その振動波は、増幅器14で増幅させた後送受波器15に出力される。これにより超音波が送受波器15から出力される。また、発振・受信回路13は、障害物で反射され送受波器15で受信された超音波を、増幅器16で増幅させた後受信する機能も備えている。
【0015】
制御部12は、発振・受信回路13を制御すると共に、発振・受信回路13からの出力信号を解析し、障害物と超音波センサ1との間の距離を判定する機能を有する。また、メモリ17は、後述するように、超音波センサ1の識別情報としてのID番号を記憶するためのものである。ID番号のデータは、ECU2又は上流の超音波センサ1より、信号線22を介して送信され、通信IC11Aを介して制御部12に受信されるものである。
【0016】
制御部12は、この受信されたID番号のデータを、その超音波センサ1のID番号として、メモリ17に記憶させる。また、その記憶されたID番号をデクリメントして下流の超音波センサ1のID番号を生成し、これを通信IC11Bを介して下流の超音波センサ11に送信する機能を有する。
【0017】
次に、この実施の形態に係る障害物検知装置100における各超音波センサ1へのID番号の付与の手順を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、ECU2は、初期設定用データフレームDFiを準備し、この初期設定用データフレームDFiに、最も上流の超音波センサ1(図1では超音波センサ1(4))に付与するID番号”n”のデータを書き込んで、最も上流の超音波センサ1に送信する(S1)。
【0018】
この初期設定用データフレームDFiを受信した超音波センサ1の制御部12は、この初期設定データフレームDFi中に含まれるID番号”n”を、メモリ17に記憶させる(S2)。
また、制御部12は、ID番号”n”をデクリメントして新たなID番号”n−1”を生成し、これを初期設定用データフレームDFiに書き込んで、下流の超音波センサ1に送信する(S3)。
【0019】
下流の超音波センサ1は、上流の超音波センサ1よりデータフレームDF(初期設定用データフレームDFiを含む)を受信した場合、上流の超音波センサ1に向けて、受信がされた旨を示すACK信号を返信する。上流の超音波センサ1が、下流の超音波センサ1よりACK信号を受信した場合には(S4のYes)、その下流の超音波センサ1においても、S2乃至S4の動作が繰り返される。上流の超音波センサ1がACK信号を受信しなかった場合には(S4のNo)、上流の超音波センサ1は、自身が最下流の超音波センサ1である旨を示すACK信号を、自身のID番号(n−k)と共にECU2に返信する(S6)。これにより、各超音波センサ1へのID番号の付与が終了する(S7)。
【0020】
ECU2は、この返信されたACK信号に含まれるID番号から、ディジーチェーン接続された超音波センサ1の個数kを判定し、また、各超音波センサ1に割り当てられるID番号n、n−1、・・・n−(k−1)を判定する。
これに基づき、データフレームDFに、この超音波センサ1の数kに対応した数のスロットS1、S2、・・・Skを用意すると共に、各スロットS1、S2、・・・Skに、各超音波センサ1に割り当てられたID番号n−(k−1)、・・・、n−1、nを割り当てる。このようなデータフレームDFを最上流の超音波センサ1に送信し、以下、このデータフレームDFを順次下流の超音波センサ1に転送させることにより、複数の超音波センサ1の動作を順次開始させることができる。
【0021】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、様々な追加、変更等が可能である。
例えば、上記実施の形態では、下流の超音波センサ1は、上流の超音波センサ1等より送信されたID番号を、そのまま自身のID番号としてメモリ17に記憶する。そして、この記憶したID番号をデクリメントして更に下流の超音波センサ1に送信している。しかし、下流の超音波センサ1が、上流の超音波センサ1等より送信されたID番号をデクリメントした後、そのデクリメントしたID番号を自身のID番号としてメモリ17に記憶させてもよい。この場合、さらにもう1つ下流の超音波センサ1は、このデクリメントしたID番号を、さらにデクリメントして、自身のID番号として記憶すればよい。
【0022】
また、上記の実施の形態では、上流の超音波センサ1より送られたID番号をデクリメントしていたが、逆にこれをインクリメントして下流の超音波センサ1に渡しても構わないことは言うまでもない。要するに、全ての超音波センサ1の制御部12において予め定められた規則に従って下流のID番号を決定するのであればよい。
【0023】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明に係る障害物検知装置によれば、多数の超音波センサを含む場合であっても、その設置前にはID番号等を設定しておく必要がなく、設置後に簡単にID番号等を設定することができ、設定の手間を少なくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る障害物検知装置100の構造を示すブロック図である。
【図2】ECU2から送信されるデータフレームDFを示す。
【図3】超音波センサ1と、電源電圧線21、信号線22、及び接地線23との間の接続状態を示す拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る超音波センサ1の構造を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る障害物検知装置100において、核超音波センサ1にID番号を付与する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1・・・超音波センサ、 100・・・障害物検知装置、 2・・・ECU、 10・・・電源部、 11A、11B・・・通信IC、 12・・・制御部、 13・・・発振・受信回路、 14、16・・・増幅器、 15・・・送受波器、 T1・・・電源電圧端子、 T3、T4、T5・・・制御信号用端子、 T6・・・接地端子、 17・・・メモリ、 18・・・コネクタ、 21・・・電源電圧線、 22・・・信号線、 23・・・接地線、 24・・・圧接端子、 DF・・・データフレーム、 S・・・スロット。
Claims (3)
- 振動子により送波器に振動を与えて超音波を発生させ、物体で反射した前記超音波を受波器で受信して前記物体までの距離を判定するように構成された複数の超音波センサと、
これら複数の超音波センサを制御する制御信号を出力する制御装置と
を備えた障害物検知装置において、
前記複数の超音波センサは互いにディジーチェーン接続されると共に、前記制御信号が前記制御装置から最も上流の前記超音波センサに最初に送信され、その後順に下流の前記超音波センサに転送されるように構成され、
前記複数の超音波センサの各々は、
前記制御装置又は上流の前記超音波センサから、前記複数の超音波センサを識別するための識別情報を受信する受信手段と、
受信された前記識別情報に基づき、予め定められた規則に従って新たな識別情報を生成する識別情報生成手段と、
前記受信手段で受信された識別情報又は前記識別情報生成手段で生成された識別情報を記憶する記憶手段と、
前記識別情報生成手段で生成された識別情報を下流の前記超音波センサへ送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする障害物検知装置。 - 前記識別情報はID番号であり、前記規則は、受信されたID番号をデクリメント又はインクリメントするものである請求項1に記載の障害物検知装置。
- 前記制御信号は、データを格納するための複数のデータスロットを備え、この複数のデータスロットの各々は、前記複数の超音波センサの前記記憶手段に記憶された前記識別情報に対応する識別情報が割り当てられ、
前記複数の超音波センサは、前記識別情報が共通する前記データスロットに、送信すべきデータを含ませて送信するように構成された請求項1に記載の障害物検知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003170467A JP2005003639A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 障害物検知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003170467A JP2005003639A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 障害物検知装置 |
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JP2005003639A true JP2005003639A (ja) | 2005-01-06 |
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ID=34095256
Family Applications (1)
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JP2003170467A Pending JP2005003639A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 障害物検知装置 |
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JP (1) | JP2005003639A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009540453A (ja) * | 2006-06-13 | 2009-11-19 | エーティーラブ・インコーポレーテッド | 半導体装置及び接触センサ装置 |
RU2513097C2 (ru) * | 2008-01-21 | 2014-04-20 | Роберт Бош Гмбх | Ультразвуковая система помощи водителю, способ ее конфигурирования и соответствующий ультразвуковой датчик |
-
2003
- 2003-06-16 JP JP2003170467A patent/JP2005003639A/ja active Pending
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