JP2005003451A - 蛍光検出基板、蛍光検出装置及び方法 - Google Patents

蛍光検出基板、蛍光検出装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】制御光の反射率を高める。
【解決手段】本発明のディスク状DNAチップは、ターゲットDNA及び蛍光標識剤が表面側から滴下可能とされ、プローブDNAが固定可能とされ、プローブDNAとターゲットDNAとの相互反応の場となる複数のセル6が形成された表面層5と、表面層5の下層に形成された平板状の第1の光透過層4と、第1の光透過層4の下層に形成された平板状の第2の光透過層3とが積層されている。第2の光透過層3には、蛍光標識剤の蛍光の励起光及び当該励起光を所望の位置に照射するための制御光とが裏面側から照射される。第1の光透過層4は、プローブDNAとターゲットDNAとが相互反応した後にセル6に残存している溶液の屈折率及び第2の光透過層3の屈折率よりも、高い屈折率を有している。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばDNAチップ等のバイオインフォマティクス(生命情報科学)分野において特に有用な蛍光検出基板、蛍光検出装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、マイクロアレイ技術によって所定のDNAが微細配列された、いわゆるDNAチップ又はDNAマイクロアレイ(以下、DNAチップと総称する。)と呼ばれるバイオアッセイ用の集積基板が、遺伝子の突然変異、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等に利用されており、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範に活用され始めている。
【0003】
このDNAチップは、ガラス基板やシリコン基板上に多種多数のDNAオリゴヌクレオチド鎖や、cDNA(complementary DNA)等が集積されていることから、ハイブリダイゼーション等の分子間相互反応の網羅的解析が可能となる点が特徴とされている。
【0004】
DNAチップによる解析手法の一例を簡潔に説明すれば、ガラス基板やシリコン基板上に固相化(固定化)されたDNAプローブに対して、細胞、組織等から抽出したmRNA(messenger RNA)を逆転写PCR(Polymerase Chain Reaction)反応等によって蛍光プローブdNTPを組み込みながらPCR増幅し、上記基板上においてハイブリダイゼーションを行い、所定の検出器で蛍光測定を行うというものである。
【0005】
ここで、被処理ターゲット物質数の増大並びに検出精度及び検出速度の向上を図るために、光ディスクの分野で培われた基板技術及びサーボ技術を、DNAチップ技術に応用することができる(特許文献1参照。)。具体的には、プローブDNAが固相化された複数の微小セルが表面に形成されたディスク基板をDNAチップ技術に適用することができる。
【0006】
このようなディスク基板を用いてDNA解析を行う場合には、当該ディスク基板を回転させながら、蛍光標識したターゲットDNAが含有した溶液を微小セル上に滴下し、プローブDNAとターゲットDNAとを相互反応(ハイブリダイゼーション)させる。続いて、相互反応に寄与しなかったターゲットDNAをディスク基板上から洗浄する。続いて、ディスク基板を回転させながら励起光を微小セルに照射し、励起光の照射により蛍光標識から発生する蛍光を光検出器で検出し、その蛍光の発光位置からターゲットDNAと結合したプローブDNAを特定する。
【0007】
このようなディスク基板状のDNAチップを用いたDNA解析では、ディスク基板を回転させながら相互反応を行わせることができるとともに、ディスク基板を高速回転させて蛍光検出を行うことができるので、解析装置を簡易化することができるとともに、検出速度の向上を図ることができる。
【0008】
なお、ディスク基板を回転させながら蛍光の発光位置を特定するには、ディスク基板を回転させながら所望の1つの微小セルにのみに励起光を照射し、その照射位置が認識できる制御機能が必要となる。
【0009】
このような制御を行うには、いわゆる光ディスクドライブと同様に、対物レンズを用いた光学系を用いてフォーカスサーボ制御及び位置決めサーボ制御等を適用すればよい。
【0010】
ただし、DNA解析装置では、励起光が蛍光標識剤に吸収されてしまうため励起光の反射光は非常に微小となってしまう。そのため、DNA解析装置では、フォーカスサーボ制御や位置決めサーボ制御を行うために、励起光の波長とは異なる波長の制御光を対物レンズを介してディスク基板に照射し、その反射光に基づきサーボ制御のためのエラー信号を生成する必要がある。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−238674号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ディスク基板状のDNAチップを取り扱う解析装置では、ターゲットDNAを含有した溶液をディスク基板に滴下する滴下機構と、蛍光を検出するための光学系とを同一装置内に設ければ、装置の取り扱いが非常に便利になる。滴下機構と光学系とを同一の装置に配置するには、滴下機構をディスク基板の上方側に設け、光学系をディスク基板の下方側に設けるのが、スペースを有効利用する上で好適である。
【0013】
ここで、一つの解析装置内に、滴下機構と光学系とを設けた場合のサーボ用のレーザ光の照射経路を図7に示す。
【0014】
図7に示すように、ディスク基板102の上方に設けられた滴下機構101からターゲットDNAを含有した溶液を滴下する場合、当該ディスク基板102の上面102a側にプローブDNAが固相化された微小セル103が形成される。
【0015】
それに対して、サーボ用の制御光Vはディスク基板102の下面102b側から入射されるが、サーボ制御のためのエラー信号を正確に生成するためには、微小セル103の近傍のディスク基板の上部境界層102cからの反射光を検出するのが望ましい。
【0016】
しかしながら、サーボ用の制御光Vをディスク基板102の下面102b側から入射した場合、その制御光Vを一端ディスク基板102を通過させなければならないので、ディスク基板1の上部境界層102cからは、高い反射率を得ることができない。
【0017】
例えば、ハイブリダイゼーション等で用いられた溶液が微小セルに残存したとし、ディスク基板の材質が石英ガラスであるとすると、上部境界層102cの反射率は、約2.5%となり非常に低い。高い反射率が得られないと、サーボ制御のためのエラー信号として充分なS/N比を得ることができない。
【0018】
また、ディスク基板の上部境界層102cでは、制御光Vの波長の反射率を高くすることが望ましいが、励起光及び蛍光の波長は反対に透過率が高い方が望ましい。
【0019】
そこで、本発明では、励起光及び蛍光とは異なる波長の装置制御用の制御光の反射率を高めた蛍光検出基板、蛍光検出装置及び方法を提供することを目的とする。
【0020】
例えば、本発明により、滴下機構を基板の上方側に設け、蛍光検出のための光学系を基板の下方側に設けた解析装置に適用可能なバイオアッセイ基板であって、励起光及び蛍光とは異なる波長の装置制御用の制御光の反射率を高めたバイオアッセイ基板を提供する。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る蛍光検出基板は、測定溶液の蛍光検出を行なう蛍光検出基板であって、上記測定溶液の蛍光検出を行なうための検出領域を有する表面層と、上記表面層へ積層された第1の光透過層と、上記第1の光透過層へ積層された第2の光透過層とを備え、第2の光透過層には、上記蛍光検出を行なうための励起光及び当該励起光を所望の位置に照射するための制御光とが照射され、上記第1の光透過層は、上記測定溶液の屈折率及び上記第2の光透過層の屈折率よりも、高い屈折率を有している。
【0022】
本発明に係る蛍光検出装置は、測定溶液の蛍光検出を行なうための検出領域を有する表面層と、上記表面層へ積層された第1の光透過層と、上記第1の光透過層へ積層された第2の光透過層とを備え、第2の光透過層に上記蛍光検出を行なうための励起光及び当該励起光を所望の位置に照射するための制御光とが照射され、上記第1の光透過層が上記測定溶液の屈折率及び上記第2の光透過層の屈折率よりも高い屈折率を有する蛍光検出基板に対して、上記励起光及び制御光を照射する照射手段と、上記蛍光を検出する蛍光検出手段とを備える。
【0023】
本発明に係る蛍光検出方法は、測定溶液の蛍光検出を行なうための検出領域を有する表面層と、上記表面層へ積層された第1の光透過層と、上記第1の光透過層へ積層された第2の光透過層とを備え、第2の光透過層に上記蛍光検出を行なうための励起光及び当該励起光を所望の位置に照射するための制御光とが照射され、上記第1の光透過層が上記測定溶液の屈折率及び上記第2の光透過層の屈折率よりも高い屈折率を有する蛍光検出基板に対して、上記励起光及び制御光を照射するとともに、上記蛍光を検出する。
【0024】
具体的に、本発明が適用されたバイオアッセイ基板は、ターゲット物質及び蛍光標識剤が表面側から滴下可能とされ、上記プローブ物質が固定可能とされ、プローブ物質とターゲット物質との相互反応の場となる複数の反応領域が形成された表面層と、上記表面層の反応領域の下層に形成された平板状の第1の光透過層と、上記第1の光透過層の下層に形成された平板状の第2の光透過層とが積層されている。
【0025】
上記バイオアッセイ基板は、解析装置に装填され、装填された状態でプローブ物質とターゲット物質との相互反応に基づく生化学分析が行われる。
【0026】
上記解析装置には、バイオアッセイ基板に対して溶液を滴下する滴下機構と、バイオアッセイ基板上に存在する蛍光標識剤の蛍光を検出のための光学系とが設けられている。上記バイオアッセイ基板は、溶液が表面に滴下されるように水平に解析装置に対して装填される。滴下装置は、装填されたバイオアッセイ基板の上方に配置され、光学系は、装填されたバイオアッセイ基板の下方に配置される。
【0027】
上記解析装置は、蛍光標識剤が結合されたターゲット物質、又は、蛍光標識剤及びターゲット物質を、上記反応領域に滴下される。ターゲット物質に対応したプローブ物質が固定された反応領域では、滴下されたターゲット物質とプローブ物質とが相互反応する。さらに、相互反応した後のプローブ物質及びターゲット物質には、蛍光標識剤も結合する。
【0028】
相互反応が終了すると、続いて、上記解析装置は、上記バイオアッセイ基板に裏面側から励起光及び制御光を照射する。励起光は、上記蛍光標識剤を発光させるための励起波長のレーザ光である。また、制御光は、上記励起光を任意の反応領域に照射するためのフォーカスサーボ及び位置決めサーボ用の制御光である。バイオアッセイ基板に入射された制御光は、当該バイオアッセイ基板により反射され、再度光学系に入射する。光学系は、その反射光に基づき、フォーカスサーボ及び位置決めサーボ制御のエラー信号を生成する。
【0029】
そして、以上のような本発明が適用されたバイオアッセイ基板では、上記第1の光透過層の屈折率が、上記プローブ物質と上記ターゲット物質とが相互反応した後に上記反応領域に残存している溶液の屈折率及び上記第2の光透過層の屈折率よりも、高くされている。
【0030】
このため、上記バイオアッセイ基板では、裏面側から入射されたフォーカスサーボ及び位置決めサーボ用の制御光の、上記第2の光透過層と上記溶液との間の境界部分での反射量が、大きくなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として、本発明を適用したDNAチップ(以下、ディスク基板と呼ぶ。)、並びに、このディスク基板を用いてDNA解析を行うDNA解析装置について説明をする。
【0032】
(ディスク基板)
図1に本発明の実施の形態のディスク基板1の模式的な平面図を示し、図2に当該ディスク基板1の部分断面図を示す。
【0033】
ディスク基板1は、例えば、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、MD(Mini Disk)等の光ディスクと同様の円形の平板状の形状を呈している。また、ディスク基板1の中心には、中心孔2が形成されている。中心孔2には、当該ディスク基板1がDNA解析装置に装填されたときに、当該ディスク基板1を保持及び回転させるためのチャッキング機構が挿入される。
【0034】
ディスク基板1は、図2に示すように、基板層3と中間層4とDNA層5とを有している。基板層3は最下層に形成されており、中間層4は基板層3の上層に形成されており、DNA層5は中間層4の上層であり最上層に形成されている。なお、以下、ディスク基板1のDNA層5側の表面を上面1a、基板層3側の表面を下面1bというものとする。
【0035】
基板層3は、石英ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリスチレン、その他の円板状に成型可能な合成樹脂等の材料で形成されている。また、基板層3の材料は、詳細を後述する励起光及び制御光並びに蛍光の波長の光を透過する材料である。
【0036】
中間層4は、基板層3の屈折率よりも高い屈折率を有しており、且つ、ハイブリダイゼーションを行った後にディスク基板上に残存している溶液の屈折率よりも高い屈折率を有している。また、中間層4の材料は、詳細を後述する励起光及び制御光並びに蛍光の波長の光を透過する材料である。なお、この中間層4の屈折率及び膜厚等の設定については、詳細を後述する。
【0037】
DNA層5には、上面1a側に、プローブDNAとターゲットDNAとの相互反応の場となる複数のセル6が形成されている。各セル6は、ディスク基板1の中心から円周方向に放射状に向かう複数の列上に、等間隔に並んで配置されている。また、DNA層5には、アドレスピット7が形成されている。アドレスピット7は、各セル6のディスク基板1上の配置を特定するための情報である。アドレスピット7は、光学ヘッドによりレーザ光を照射してその反射光を検出することにより、情報内容を読み取ることができる光学的な情報ピットである。このアドレスピット7から情報を光学的に読み取ることによって、対応する位置に配置されているセル6を特定することが可能となる。
【0038】
図3に、1つのセル6の模式図を示す。
【0039】
セル6は、図3に示すように、開口部が略矩形状とされた穴状の小室である反応領域8を有している。セル6は、プローブDNA(検出用ヌクレオチド鎖D)とターゲットDNA(標的ヌクレオチド鎖T)との間のハイブリダイゼーション反応の場となる。この反応領域8は、サンプルDNAが含まれた溶液等が滴下されたときにその溶液を保留することができる程度の深さ及び大きさとなっており、この結果ハイブリダイゼーションが可能となっている。 また、セル6には、反応領域8に電場を形成するために、反応領域8の両端側に正電極9aと負電極9bとが形成されている。正電極9a及び負電極9bに対しては、例えばディスク基板1の中心孔2を介して外部から与えられる電圧が印加される。さらに、セル6内の負電極9b側の端面10には、プローブDNAが固相化できるように表面処理が施されている。
【0040】
以上のようなディスク基板1では、円板状に形成されているため、光ディスクシステムと同様の再生システムを利用することにより、フォーカシングサーボ、半径方向に対する位置決めサーボ制御、アドレスピット7の情報を検出することができる。そのため、アドレスピット7の情報を1つ1つのセル6に対応させて形成しておくことにより、アドレスピット7の情報を読み出すことで特定の1つのセル6(或いは、グルーピングされた複数のセル)に対してのみレーザ光を照射することができる。
【0041】
従って、例えば、特定の1つのセル6(又はグルーピングされた複数のセル6)に特定のプローブDNA(検出用ヌクレオチド鎖D)を固定化することができ、また、蛍光が発生しているセル6の位置を特定することもでき、このことから、さらに、ハイブリダイゼーションにより相互反応が生じたDNAの解析することができる。
【0042】
また、プローブDNA(検出用ヌクレオチド鎖D)毎に別個独立の条件を設定して、ハイブリダイゼーション反応を進行させることもできる。例えば、疾病発症のマーカー遺伝子をディスク基板1上にグルーピングして固定化して、1つのディスク基板1を用いて同時に複数の疾病の発現状況を確認することができる。
【0043】
また、Tm(Melting Temperature)又はGC含有率の違いに基づいて、固定化する検出用ヌクレオチド鎖をグルーピングしておくことも可能である。これにより、アクティブなハイブリダイゼーション反応が得られるバッファ組成、濃度等の反応条件、洗浄条件、滴下するサンプル溶液濃度等を、検出用ヌクレオチド鎖の性質に応じてきめ細かく選択することが可能となり、解析作業において疑陽性又は疑陰性が示される危険性を減少させることができる。
【0044】
(DNA解析装置)
つぎに、以上のようなディスク基板1を用いるDNA解析装置11について、図4を参照して説明をする。
【0045】
DNA解析装置11は、図4に示すように、ディスク基板1を保持して回転をさせるディスク装填部12と、ハイブリダイゼーションのための各種溶液を貯留するとともにディスク基板1のセル6にその溶液を滴下する滴下部13と、ディスク基板1から励起光を検出するための励起光検出部14と、上記の各部の管理及び制御を行う制御/サーボ部15とを備えている。
【0046】
ディスク装填部12は、ディスク基板1の中心孔2内に挿入して当該ディスク基板1を保持するチャッキング機構21と、チャッキング機構21を駆動することによりディスク基板1を回転させるスピンドルモータ22と有している。ディスク装填部12は、上面1a側が上方向となるようにディスク基板1を水平に保持した状態で、当該ディスク基板1を回転駆動する。ディスク装填部12では、ディスク基板1を水平に保持することによって、セル6に滴下された溶液が垂れてしまうといった問題を回避することができる。
【0047】
滴下部13は、試料溶液Sを貯留する貯留部23と、貯留部23内の試料溶液Sをディスク基板1に滴下する滴下ヘッド24とを有している。滴下ヘッド24は、水平に装填されたディスク基板1の上面1aの上方に配置されている。さらに、滴下ヘッド24は、ディスク基板1のアドレスピット7から読み出される位置情報及び回転同期情報に基づいてディスク基板1との相対位置を半径方向に制御し、ターゲットDNA(標的ヌクレオチド鎖T)を含有する試料溶液Sを所定のセル6の反応領域8に正確に追従して滴下する構成とされている。また、貯留部23と滴下ヘッド24との組み合わせは、ハイブリダイゼーションのために使用する試料溶液の数だけある。
【0048】
また、滴下部13では、ディスク基板1上の所定の位置に正確に試料溶液Sを滴下するために、例えば、いわゆる「インクジェットプリンティング法」に基づく滴下方法が採用されている。「インクジェットプリンティング法」は、滴下ヘッド24にいわゆるインクジェットプリンタで用いられるインク噴出機構を適用する方法であり、インクジェットプリンタのようなノズルヘッドからディスク基板1に試料溶液Sを噴射するものである。
【0049】
励起光検出部14は、光学ヘッド30を有している。光学ヘッド30は、水平に装填されたディスク基板1の下方側、すなわち、下面1b側に配置されている。光学ヘッド30は、例えば、図示していないスレッド機構等により、ディスク基板1の半径方向に移動自在とされている。
【0050】
光学ヘッド30は、対物レンズ31と、対物レンズ31を移動可能に支持する2軸アクチュエータ32と、導光ミラー33とを有している。対物レンズ31は、その中心軸がディスク基板1の表面に対して略垂直となるように2軸アクチュエータ32に支持されている。従って、対物レンズ31は、ディスク基板1の下方側から入射された光束を当該ディスク基板1に対して集光することができる。2軸アクチュエータ32は、ディスク基板1の表面に対して垂直な方向、及び、ディスク基板1の半径方向の2方向に対物レンズ31を移動可能に支持している。2軸アクチュエータ32を駆動することにより、対物レンズ31により集光された光の焦点を、ディスク基板1の表面に対して垂直な方向及び半径方向に移動させることができる。従って、この光学ヘッド30では、光ディスクシステムにおけるジャストフォーカス制御並びに位置決め制御と同様の制御を行うことができる。
【0051】
導光ミラー33は、光路X上に対して45°の角度で配置されている。光路Xは、励起光P、蛍光F、サーボ光V及び反射光Rが、光学ヘッド30に対して入射及び出射する光路である。導光ミラー33には、励起光P及びサーボ光Vが光路X上から入射される。導光ミラー33は、励起光P及びサーボ光Vを反射して90°屈折させて、対物レンズ31に入射する。対物レンズ31に入射された励起光P及びサーボ光Vは、当該対物レンズ31により集光されてディスク基板1に照射される。また、導光ミラー33には、蛍光F及びサーボ光Vの反射光Rが、ディスク基板1から対物レンズ31を介して入射される。導光ミラー33は、蛍光F及び反射光Rを反射して90°屈折させて、光路X上に出射する。
【0052】
なお、光学ヘッド30をスレッド移動させる駆動信号及び2軸アクチュエータ32を駆動する駆動信号は、制御/サーボ部15から与えられる。
【0053】
また、励起光検出部14は、励起光Pを出射する励起光源34と、励起光源34から出射された励起光Pを平行光束とするコリメータレンズ35と、コリメータレンズ35により平行光束とされた励起光Pを光路X上で屈折させて導光ミラー33に照射する第1のダイクロックミラー36とを有している。
【0054】
励起光源34は、蛍光標識剤を励起可能な波長のレーザ光源を有する発光手段である。励起光源34から出射される励起光Pは、ここでは波長が405nmのレーザ光である。なお、励起光Pの波長は、蛍光標識剤を励起できる波長であればどのような波長であってもよい。コリメータレンズ35は、励起光源34から出射された励起光Pを平行光束にする。第1のダイクロックミラー36は、波長選択性を有する反射鏡であり、励起光Pの波長の光のみを反射して、蛍光F及びサーボ光V(その反射光R)の波長の光を透過する。第1のダイクロックミラー36は、光路X上に45°の角度を持って挿入されており、コリメータレンズ35から出射された励起光Pを反射して90°屈折させ、導光ミラー33に励起光Pを照射している。
【0055】
また、励起光検出部14は、蛍光Fを検出するアバランジェフォトダイオード37と、蛍光Fを集光する集光レンズ38と、光学ヘッド30から光路X上に出射された蛍光Fを屈折させてアバランジェフォトダイオード37に照射する第2のダイクロックミラー39とを有している。
【0056】
アバランジェフォトダイオード37は、非常に感度の高い光検出器であり、微弱な光量の蛍光Fを検出することが可能である。なお、アバランジェフォトダイオード37により検出する蛍光Fの波長は、ここでは470nm程度である。また、この蛍光Fの波長は、蛍光標識剤の種類により異なるものである。集光レンズ38は、アバランジェフォトダイオード37上に蛍光Fを集光するためのレンズである。第2のダイクロックミラー39は、光路X上に45°の角度を挿入されているとともに、導光ミラー33側から見て第1のダイクロックミラー36の後段に配置されている。従って、第2のダイクロックミラー39には、蛍光F、サーボ光V及び反射光Rが入射し、励起光Pは入射しない。第2のダイクロックミラー39は、波長選択性を有する反射鏡であり、蛍光Fの波長の光のみを反射して、サーボ光(反射光R)の波長の光を透過する。第2のダイクロックミラー39は、光学ヘッド30の導光ミラー33から出射された蛍光Fを反射して90°屈折させ、集光レンズ38を介してアバランジェフォトダイオード37に蛍光Fを照射する。
【0057】
アバランジェフォトダイオード37では、このように検出した蛍光Fの光量に応じた電気信号を発生し、その電気信号を制御/サーボ部15に供給する。
【0058】
また、励起光検出部14は、サーボ光Vを出射するサーボ光源40と、サーボ光源40から出射されたサーボ光Vを平行光束とするコリメータレンズ41と、サーボ光Vの反射光Rを検出するフォトディテクト回路42と、非点収差を生じさせてフォトディテクト回路42に対して反射光Rを集光するシリンドリカルレンズ43と、サーボ光Vと反射光Rとを分離する光セパレータ44とを有している。
【0059】
サーボ光源40は、例えば780nmの波長のレーザ光を出射するレーザ光源を有する発光手段である。なお、サーボ光Vの波長は、アドレスピット7が検出できる程度の波長であり、励起光P及び蛍光Fの波長と異なっていれば780nmに限らずどのような波長であってもよい。コリメータレンズ41は、サーボ光源40から出射されたサーボ光Vを平行光束にする。平行光束とされたサーボ光Vは光セパレータ44に入射される。
【0060】
フォトディテクト回路42は、反射光Rを検出するディテクタと、検出した反射光Rからフォーカスエラー信号、位置決めエラー信号、及びアドレスピット7の再生信号を生成する信号生成回路とを有している。反射光Rは、サーボ光Vがディスク基板1で反射して生成された光であるので、その波長は、サーボ光と同一の780nmである。
【0061】
なお、フォーカスエラー信号は、対物レンズ32により集光された光の合焦位置と、ディスク基板1のDNA層5との位置ずれ量を示すエラー信号である。フォーカスエラー信号が0となったときに、対物レンズ32とディスク基板1との間の距離が最適になる。位置決めエラー信号は、所定のセル6の位置と、焦点位置とのディスク半径方向に対する位置ずれ量を示す信号である。位置決めエラー信号が0となったときに、サーボ光Vのディスク半径方向に対する照射位置が任意のセル6に一致したこととなる。アドレスピット7の再生信号は、ディスク基板7に記録されているアドレスピット7に記述されている情報内容を示す信号である。この情報内容を読み出すことにより、現在サーボ光Vを照射しているセル7を特定することができる。
【0062】
フォトディテクト回路42は、反射光Rに基づき生成されたフォーカスエラー信号、位置決めエラー信号及びアドレスピット7の再生信号を制御/サーボ部15に供給する。
【0063】
シリンドリカルレンズ43は、フォトディテクト回路42上に反射光Rを集光するとともに非点収差を生じさせるためのレンズである。このように非点収差を生じさせることによりフォトディテクト回路42によりフォーカスエラー信号を生成させることができる。
【0064】
光セパレータ44は、偏向ビームスプリッタからなる光分離面44aと1/4波長板44bにより構成されている。光セパレータ44では、1/4波長板44bの逆側から入射された光を光分離面44aが透過し、その透過光の反射光が1/4波長板44側から入射された場合には光分離面44aが反射する機能を有している。光セパレータ44は、光分離面44aが光路X上に45°の角度を挿入されているとともに、導光ミラー33側から見て第2のダイクロックミラー39の後段に配置されている。従って、光セパレータ44では、コリメータレンズ41から出射されたサーボ光Vを透過して光学ヘッド30内の導光ミラー33に対してそのサーボ光Vを入射させているとともに、光学ヘッド30の導光ミラー33から出射された反射光Rを反射することにより90°屈折され、シリンドリカルレンズ43を介してフォトディテクト回路42に反射光Rを照射する。
【0065】
制御/サーボ部15は、励起光検出部14により検出されたフォーカスエラー信号、位置決めエラー信号及びアドレスピット7の再生信号に基づき、各種のサーボ制御を行う。
【0066】
すなわち、制御/サーボ部15は、フォーカスエラー信号に基づき光学ヘッド30内の2軸アクチュエータ32を駆動して対物レンズ31とディスク基板1との間の間隔を制御し、フォーカスエラー信号が0となるようにサーボ制御を行う。また、制御/サーボ部15は、位置決めエラー信号に基づき光学ヘッド30内の2軸アクチュエータ32を駆動して対物レンズ31をディスク基板1の半径方向に移動制御し、フォーカスエラー信号が0となるようにサーボ制御を行う。また、制御/サーボ部15は、アドレスピット7の再生信号に基づき光学ヘッド30のスレッド移動制御を行って光学ヘッド30を所定の半径位置に移動し、目的のセル位置に対物レンズ31を移動させる。
【0067】
以上のような構成のDNA解析装置11では、次のような処理を行う。すなわち、ディスク基板1を回転させながら、セル6上に蛍光標識したターゲットDNAが含有した溶液を滴下し、プローブDNAとターゲットDNAとを相互反応(ハイブリダイゼーション)させる。
【0068】
励起光検出部14には、水平に装填されたディスク基板1を回転させ、励起光Pを当該ディスク基板1の下面1b側から入射させてセル6内の蛍光標識剤に照射し、その励起光Pに応じてその蛍光標識剤から発生した蛍光Fをディスク基板1の下方から検出する。
【0069】
ここで、DNA解析装置11では、励起光Pとサーボ光Vとを同一の対物レンズ31を介してディスク基板1に照射している。そのため、DNA解析装置11では、サーボ光Vを用いたフォーカス制御、位置決め制御並びにアドレス制御を行うことによって、励起光Pの照射位置、すなわち、蛍光Fの発光位置を特定することが可能となり、その蛍光の発光位置からターゲットDNAと結合したプローブDNAを特定することができる。
【0070】
(DNA解析手順)
つぎに、以上のようなDNA解析装置11を用いたDNA解析手順について説明をする。
【0071】
まず、DNA解析装置11のディスク装填部12にディスク基板1を水平に装填する。
【0072】
続いて、DNA解析装置11により、フォーカスサーボ制御及び位置決めサーボ制御並びにアドレス制御を行いながらディスク基板1を回転させ、滴下ヘッド24からプローブDNAが含有した溶液を所定のセル6に対して滴下する。
【0073】
続いて、DNA解析装置11により、フォーカスサーボ制御及び位置決めサーボ制御並びにアドレス制御を行いながらディスク基板1を回転させ、滴下ヘッド24から蛍光標識されたターゲットDNAが含有した溶液S、又は、ターゲットDNAが含有した溶液及び蛍光標識剤が含有した溶液を、所定のセル6に対して滴下する。
【0074】
続いて、プローブDNAとターゲットDNAとのハイブリダイゼーションを促進するために、例えば、ディスク基板1を恒温槽に移し、数時間加温する。
【0075】
続いて、ディスク基板1を、例えば界面活性剤SDSを含むSSC(Saline−Sodium Citrate)バッファ溶液を用いて洗浄し、プローブDNAと相互反応をしなかったターゲットDNAをディスク基板1から除去する。
【0076】
続いて、DNA解析装置11のディスク装填部12に、ターゲットDNAが固相化されたディスク基板1を水平に装填する。
【0077】
続いて、DNA解析装置11により、フォーカスサーボ制御及び位置決めサーボ制御並びにアドレス制御を行いながらディスク基板1を回転させ、励起光Pを所定のセル6に照射する。この励起光Pの照射とともに、アドレス情報を検出しながら蛍光Fが発生しているか否かを検出する。
【0078】
そして、DNA解析装置11は、ディスク基板1上の各セル6の位置と蛍光Fの発光の有無を示すマップ作成し、その作成したマップに基づきターゲットDNAの解析を行う。
【0079】
(中間層4の設定条件)
つぎに、ディスク基板1の下方から入射されたサーボ光Vが、中間層4で反射されるための条件について説明をする。
【0080】
図5に示すように、ディスク基板1の下方(下面1b)側から入射されたサーボ光Vは、中間層4内で多重反射される。
【0081】
ここで、各定数を次のように定義する。
・雰囲気の屈折率=1
・基板層3の屈折率=n
・中間層4の屈折率=n
・中間層4の膜厚=d
・セル6上に残存している検体(ターゲット物質)を含む溶液50の屈折率=n
・サーボ光Vの波長=λ
・基板層3と中間層4の界面による振幅反射率=r
・基板層3と中間層4の界面による振幅透過率=t
・中間層4とセル6上に残存している検体(ターゲット物質)を含む溶液50との界面による振幅屈折率=r
・中間層4とセル6上に残存している検体(ターゲット物質)を含む溶液50との界面による振幅透過率=t
また、n>n,n>nである。さらに、基板層3及びセル6上に残存している検体(ターゲット物質)を含む溶液50の膜圧は、サーボ光Vのコヒーレント長よりも十分大きいとする。
【0082】
このとき、ストークスの定理からr=−r´、t´=1−r (ただし、´は逆側の入射の場合の振幅反射率及び透過率を表す。)の関係を用いて、基板層4側から垂直にサーボ光Vが入射した場合の、検体(ターゲット物質)を含む溶液50と中間層4との間の多重干渉による反射の振幅(rmulti)と透過の振幅(tmulti)を求めると、以下の式1及び式2に示すようになる。
【0083】
【数1】
Figure 2005003451
【0084】
上式から中間層4による強度反射率(Rmulti)及び強度透過率(Tmulti)を算出すると、以下の式3及び式4に示すようになる。
【0085】
【数2】
Figure 2005003451
【0086】
ここで、本実施の形態のディスク基板1のような3層構造の場合、光学的な反射面は、基板層3の表面(下面1b)及び中間層4の2つが考えられるが、フォーカスサーボを考慮した場合には、DNA層5により近い中間層4からの反射がより大きいことが望ましい。基板層3の表面(下面1b)の強度反射率をRとして、以上の条件を数式で表すと、下記式5に示すようになる。
【0087】
【数3】
Figure 2005003451
【0088】
さらに、基板層3の表面(下面1b)の振幅反射率をrとすれば、以下の式6に示すようになる。
【0089】
【数4】
Figure 2005003451
【0090】
従って、式1〜式4を、上記式6に代入すると、下記式7が導かれる。
【0091】
【数5】
Figure 2005003451
【0092】
すなわち、以上の式7の条件に従い、サーボ光波長λ、中間層4の屈折率(すなわち材料)及び中間層4の膜圧dを設定すれば、安定したフォーカスサーボをかけることができる。
【0093】
例えば、基板層3の材質を石英、中間層4の材質をRutlie型2酸化チタン、中間層4の膜圧を92nm、検体(ターゲット物質)を含む溶液50を純粋としたとき、上記式3、式4から強度反射率(Rmulti)及び強度透過率(Tmulti)を求めると、図6に示すようなスペクトルが得られる。この図6によれば、発振波長780nmのレーザ光をサーボ光として用いれば、中間層4から約19%の強度反射率が得られることがわかる。
【0094】
例えば、中間層4が存在しない場合における基板層3と溶液50との間の境界からの強度反射率R12を算出すると、波長780nmであれば、下式に示すように、0.25%であるので、基板層3を設けたほうが大幅に反射率が高くなっていることがわかる。
【0095】
【数6】
Figure 2005003451
【0096】
また、波長780nmでの基板層3の表面(下面1b)の強度反射率をRは、波長780nmであれば、下式に示すように、3.6%であるので、基板層3からの反射率の方が大きく、安定したフォーカスサーボがかけられることがわかる。
【0097】
【数7】
Figure 2005003451
【0098】
さらに、中間層4では、サーボ光Vの反射率をより高くすることが望ましいが、励起光P及び蛍光Fに対しては反対に、より透過率が高い方が望ましい。すなわち、サーボ光Vの波長での反射率を大きく、励起光P及び蛍光Fの波長で小さくなるように、サーボ光波長λ、中間層4の屈折率(すなわち材料)及び中間層4の膜圧dを設定すればよい。
【0099】
励起光Pの波長を430nm、蛍光Fの波長を470nm、サーボ光の波長を780nmであるとする。このとき、励起光P及び蛍光Fの透過率は、図6に示すように、95%、98%と非常に高くなる。これに対して、サーボ光Vの透過率は81%であり、サーボ光Vの透過率よりも、励起光P及び蛍光Fの透過率の方が非常に大きくなる。
【0100】
つまり、励起光P及び蛍光Fの波長を、式4に示す条件において透過率がピーク値に近い波長に設定し、サーボ光Vの波長を式3に示す条件において反射率がピーク値に近い波長に設定すれば、大きな強度の蛍光Fを得ることができるとともに、安定したサーボをかけることができる。
【0101】
【発明の効果】
本発明に係る蛍光検出基板では、上記測定溶液の蛍光検出を行なうための検出領域を有する表面層と、上記表面層へ積層された第1の光透過層と、上記第1の光透過層へ積層された第2の光透過層とを備え、第2の光透過層には、上記蛍光検出を行なうための励起光及び当該励起光を所望の位置に照射するための制御光とが照射され、上記第1の光透過層は、上記測定溶液の屈折率及び上記第2の光透過層の屈折率よりも、高い屈折率を有している。
【0102】
このため上記蛍光検出基板では、フォーカスサーボ制御及び位置決めサーボ制御を正確且つ高速に行うことが可能となる。
【0103】
例えば、本発明が適用されたバイオアッセイ基板では、プローブ物質とターゲット物質との相互反応の場となる複数の反応領域が形成された表面層と、第1の光透過層と、第2の光透過層とが積層されている。第1の光透過層の屈折率は、上記プローブ物質と上記ターゲット物質とが相互反応した後に上記反応領域に残存している溶液の屈折率及び上記第2の光透過層の屈折率よりも、高くされている。
【0104】
このため、本発明に係るバイオアッセイ基板では、裏面側から入射されたフォーカスサーボ及び位置決めサーボ用の制御光の、上記第2の光透過層と上記溶液との間の境界部分での反射量が、大きくなる。
【0105】
そのため、本発明に係るバイオアッセイ基板では、フォーカスサーボ制御及び位置決めサーボ制御を正確且つ高速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のバイオアッセイ基板の平面図である。
【図2】本発明の実施の形態のバイオアッセイ基板の断面図である。
【図3】上記バイオアッセイ基板に形成されたセルの模式図である。
【図4】上記バイオアッセイ基板が適用されるDNA解析装置の構成図である。
【図5】上記バイオアッセイ基板の中間層でのサーボ光の多重反射について説明するための図である。
【図6】基板層の材質を石英、中間層の材質をRutlie型2酸化チタン、中間層の膜圧を92nm、検体を含む溶液を純粋としたときの、強度反射率(Rmulti)及び強度透過率(Tmulti)のスペクトルを示す図である。
【図7】従来のDNA解析装置内に滴下機構と光学系とを設けた場合のサーボ用のレーザ光の照射経路を示す図である。
【符号の説明】
1 ディスク基板、2 中心孔、3 基板層、4 中間層、5 DNA層、6セル

Claims (10)

  1. 測定溶液の蛍光検出を行なう蛍光検出基板において、
    上記測定溶液の蛍光検出を行なうための検出領域を有する表面層と、
    上記表面層へ積層された第1の光透過層と、
    上記第1の光透過層へ積層された第2の光透過層とを備え、
    第2の光透過層には、上記蛍光検出を行なうための励起光及び当該励起光を所望の位置に照射するための制御光とが照射され、
    上記第1の光透過層は、上記測定溶液の屈折率及び上記第2の光透過層の屈折率よりも、高い屈折率を有していること
    を特徴とする蛍光検出基板。
  2. 上記第1の光透過層における上記励起光又は蛍光の多重干渉による透過率が、上記制御光の多重干渉による透過率より大きい値となるように、上記励起光又は上記蛍光の波長、上記制御光の波長、並びに上記測定溶液および上記第2の光透過層の屈折率に応じた、上記第1の透過層の屈折率および膜厚を備えることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出基板。
  3. 上記第1の光透過層における上記制御光の多重干渉による反射率が、上記制御光の上記第2の光透過層の表面反射における反射率より大きい値となるように、上記制御光の波長、並びに上記測定溶液及び上記第2の光透過層の屈折率に応じた、上記第1の透過層の屈折率および膜厚を備えることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出基板。
  4. 上記第1の光透過層における上記励起光または蛍光の多重干渉による透過率が極大値周辺となるように、上記励起光又は上記蛍光の波長、並びに上記測定溶液及び上記第2の光透過層の屈折率に応じた、上記第1の透過層の屈折率および膜厚を備えることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出基板。
  5. 上記第1の光透過層における上記制御光の多重干渉による反射率が極大値周辺となるように、上記制御光、並びに上記測定溶液及び上記第2の光透過層の屈折率に応じた、上記第1の透過層の屈折率および膜厚を備えることを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出基板。
  6. 上記検出領域にプローブ物質が固定化され、上記プローブ物質に対応したターゲット物質が注入されると、注入されたターゲット物質はプローブ物質と相互反応を起こし、相互反応後のプローブ物質もしくはターゲット物質には、上記励起光に応じた蛍光標識剤が結合しており、上記蛍光標識剤の蛍光の検出により上記プローブ物質及び上記ターゲット物質の上記相互反応を検出することを特徴とする請求項1に記載の蛍光検出基板。
  7. 上記プローブ物質及び上記ターゲット物質は、ヌクレオチド鎖もしくはタンパク質であり、上記相互反応は、上記プローブ物質と上記ターゲット物質の結合反応であることを特徴とする請求項6に記載の蛍光検出基板。
  8. 上記プローブ物質が固定化された検出領域に、上記ターゲット物質を表面側から滴下可能とし、上記励起光及び上記制御光を裏面側から照射し、上記蛍光標識剤の蛍光を裏面から測定することを特徴とする請求項6に記載の蛍光検出基板。
  9. 測定溶液の蛍光検出を行なうための検出領域を有する表面層と、上記表面層へ積層された第1の光透過層と、上記第1の光透過層へ積層された第2の光透過層とを備え、第2の光透過層に上記蛍光検出を行なうための励起光及び当該励起光を所望の位置に照射するための制御光とが照射され、上記第1の光透過層が上記測定溶液の屈折率及び上記第2の光透過層の屈折率よりも高い屈折率を有する蛍光検出基板に対して、上記励起光及び制御光を照射する照射手段と、
    上記蛍光を検出する蛍光検出手段とを備える蛍光検出装置。
  10. 測定溶液の蛍光検出を行なうための検出領域を有する表面層と、上記表面層へ積層された第1の光透過層と、上記第1の光透過層へ積層された第2の光透過層とを備え、第2の光透過層に上記蛍光検出を行なうための励起光及び当該励起光を所望の位置に照射するための制御光とが照射され、上記第1の光透過層が上記測定溶液の屈折率及び上記第2の光透過層の屈折率よりも高い屈折率を有する蛍光検出基板に対して、上記励起光及び制御光を照射するとともに、上記蛍光を検出する蛍光検出方法。
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