JP2005003112A - 等速ジョイント用ブーツ - Google Patents

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Abstract

【課題】大端部内周面に張り出して形成された厚肉部を有する等速ジョイント用ブーツのシール性能を向上する
【解決手段】等速ジョイント用ブーツは、円弧状に凹ませて形成された溝部を外周面に有する等速ジョイントの外筐が挿入される大端部と、等速ジョイント用ブーツの大端部の内周面に、前記溝部に対応して設けられかつ断面が弧状に張り出して形成された厚肉部を有し、該厚肉部の表面から突き出して形成され、大端部の周方向に沿って延在するシール部が設けられ、該シール部の突端部に、等速ジョイントの外筐の溝面よりも曲率が大きい曲面部または平面部を設けてなる構成とする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のディファレンシャル(デフ)ギアから車軸ハブへ動力を伝達するドライブシャフト等に備えられる等速ジョイント(Constant Velocity Universal Joint)を保護するためのブーツに関し、特に、大端部側の内周面に円弧状に張り出して形成された厚肉部を有する等速ジョイント用ブーツに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車用のドライブシャフトには、例えばそのインボード側(車体側)に等速ジョイントが用いられる。そして、等速ジョイントを潤滑するためのグリースを封入するとともに、外部からの埃や水等の異物の浸入を防ぐため、等速ジョイントの屈曲部をカバーする可撓性のブーツが装着される。このようなブーツは、通常その大端部および小端部をそれぞれインボード側の等速ジョイントの外筐の外周面と、ドライブシャフト軸部の外周面とにそれぞれバンドによって締結することによって固定される。
【0003】
また、等速ジョイントを軽量化するために、該等速ジョイントの外筐を、外筐の内面に溝面が形成される部分以外は、外筐の外周面を凹ませて薄肉化されたトリポッドジョイントが知られている。なお、トリポッドジョイントとは、等速ジョイントの一種であり、軸の周まわりに三叉錠に配列されたころが設けられ、ケーシングまたは外筐の内周側に、これらのころが摺動する溝部が形成されてなるものをいう。この場合、ブーツの大端部側に挿入されるトリポッドジョイントの外筐の外周面には、円弧状に凹ませて形成された溝部(凹部)が周上複数形成されることになる。このような場合には、ブーツの大端部の内周面には、トリポッドジョイントの外筐の外周面部の溝部に適合するように、円弧状に張り出して形成された厚肉部が形成される。そして、ブーツの大端部の内周面には、その周方向にわたって延在する突条が形成され、この突条がシールリップとして機能することによって大端部の内周面と等速ジョイントの外筐の外周面との間のシールがなされる。
【0004】
上述したように、ブーツの大端部の突条の内周面と等速ジョイントの外筐の外周面との間のシール面の断面視形状が単純な円形ではなく、凹凸を有するものである場合、このような凹凸部においてシール性能が低下し、グリースが漏出したり、異物が侵入するといった問題がある。従来、こうした凹凸部におけるシール性能を確保するために、例えばブーツの大端部側の端面から厚肉部内にV字溝状の切り込みを設け、ブーツ成型時の収縮を抑えることによってシール性能を確保することが提案されている。(例えば、特許文献1を参照。)また、ブーツの大端部内周面の厚肉部の両端に、ブーツの筒軸方向に延在するリップシールを設けることが提案されている。(例えば、特許文献2を参照。)
【0005】
【特許文献1】
特開平10−110738号公報(第1頁、図1、図2等)
【特許文献2】
特開平10−196673号公報(第1頁、図1等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術では、未だ満足すべきシール性能が得られておらず、大端部側の内周面に円弧状に張り出して形成された厚肉部を有する等速ジョイント用ブーツのシール性能をさらに向上することが要望されている。
本発明の課題は、大端部側の内周面に円弧状に張り出して形成された厚肉部を有する等速ジョイント用ブーツのシール性を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明は、円弧状に凹ませて形成された溝部を外周面に有する等速ジョイントの外筐が挿入される大端部を有し、大端部の内周面には、等速ジョイントの溝部に対応して設けられかつ断面が弧状に張り出して形成された厚肉部を有し、この厚肉部の表面から突き出して形成され、大端部の周方向に沿って延在するシール部が設けられ、このシール部の突端部に、等速ジョイントの溝部の溝面よりも曲率が大きい曲面部を設けてなる等速ジョイント用ブーツによって上述した課題を解決する。
【0008】
すなわち、このようなブーツを等速ジョイントの外筐の外周面に固定する場合には、大端部に等速ジョイントを挿入してバンド等の締結手段によって締結する。そして、ブーツの大端部内面のシール部の内周面である突端部と、等速ジョイントの外筐の外周面との接触力は、締結手段の締結力によって発生するが、この締結力はブーツの径方向に作用するものであるから、例えばブーツの厚肉部の両端部における等速ジョイントの外筐の溝面との接触面のように、接触面の法線方向とブーツの径方向とのずれ(角度)が大きい箇所においては、接触面圧に相当する接触面法線方向の分力が小さくなり、その結果十分な接触面圧が確保できず、シール性能の不良を招くことを本発明の発明者らは見出したのである。
【0009】
この点、本発明によれば、ブーツの厚肉部に形成されたシール部の突端部に、等速ジョイントの外筐の溝面の曲率よりも曲率の大きい曲面部を設けているから、締結していない状態では等速ジョイントの外筐の溝面とシール部の突端部との間には例えば三日月状の隙間が形成される。そして、締結手段によって、ブーツが弾性変形し、この隙間が埋まるように締結すると、ブーツの厚肉部の両端をそれぞれ回転中心として、ブーツの厚肉部のシール部の突端部が等速ジョイントの外筐の溝面に沿うように回転するモーメントが発生する。この結果、ブーツの厚肉部の両端部における等速ジョイントの外筐の溝面とシール部の突端部間との接触面圧が向上し、シール性能が向上する。また、厚肉部の周方向中央部のシール部の突端部に平面部を設けてなる構成としても、同様の効果を得ることができる。
【0010】
また、厚肉部を含む大端部内周には、周方向に連続する1または複数のシール部が突設されており、大端部に等速ジョイントを挿入したときに、厚肉部内周に位置するシール部の突端部と、等速ジョイントの外筐の溝面の中央との間に隙間が形成されるように構成することによっても上述した発明と同様の効果が得られる。
【0011】
この場合において、隙間が最大となる箇所の間隔をtとしたときに、tは0より大きければ良く、好ましくは大端部を等速ジョイントの外筐の外周面に嵌め込んだときの外周面の直径Aが約95mmである場合、tを約0.3mmに設定するとよい。すなわち、この値が小さすぎると、本発明の効果を十分に得られない一方、大きすぎる場合には、ブーツの厚肉部の周方向中央部におけるシール性能が不足する懸念があるので、上述した数値とするとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる等速ジョイント用ブーツの一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の等速ジョイント用ブーツの外観を示す立面図である。図1に示すように、ブーツ1は全体を筒状に形成され、等速ジョイントであるトリポッドジョイント側に固定される大端部3と、ドライブシャフトの軸部側に固定される小端部5とを有する。そして、大端部3と小端部5との間には、可撓性を有し屈曲可能に構成された蛇腹状のベローズ7が形成されている。なお、本実施形態の場合には、ブーツ1は、例えば熱可塑性のポリエステル系エラストマ等の弾性を有する樹脂から形成され、また大端部の内周側に設けられるグロメット部8は該樹脂と同等か該樹脂よりも低硬度の樹脂によって形成されるが、これに限らず、例えば同一の樹脂によってブーツとグロメット部とを、射出成型等によって一体成型するようにしてもよい。また、樹脂に代えて、ゴム系材料を用いるようにしてもよい。
【0013】
ベローズ7は、ブーツ1の筒軸方向すなわち図1における上下方向に、周方向に延在する凸状部7aおよび凹状部7bが繰り返し配列されて構成されている。すなわち、凸状部7aにおいては、ベローズ7の断面は外周側に凸となり、凹状部7bにおいては、ベローズ7の断面は内周側に凸となる。本実施形態の場合には、例えば5つの凸状部7aが設けられ、各7aのそれぞれ大端部3側に対応する凹状部7bが設けられている。そして、各凸状部7aおよび凹状部7bは、それぞれ小端部5側から大端部3側に向かうにつれて径が大きく設定され、その結果、ベローズ7は、全体として略円錐状に形成されている。
【0014】
大端部3の側部外周面には、軸方向にわたって略一定の外径に形成された面部9が設けられている。この面部9には、ブーツ1を等速ジョイントである図示しないトリポッドジョイントの外筐の外周面部に締結するための図示しないバンドが装着される。また、面部9のブーツ1の筒軸方向の両端には、それぞれバンドが軸方向にずれることを防止するための段部11、13が形成されている。
【0015】
一方、大端部3の内周面部には、トリポッドジョイントの外筐の外周面と接する取付面15が形成されている。この取付面15は、ブーツ1の筒軸方向に対しては略平行に形成されている。そして、取付面15の表面には、大端部3の周方向にわたって連続して形成された2本の平行する突条であるシールリップ16が設けられている。シールリップ16は、その断面視形状を、取付面15を底辺とする三角形または台形に形成され、大端部3を等速ジョイントの外筐に嵌め込み、バンドによって締結したときに、シールリップとして機能する。一方、ブーツ1の筒軸方向から見た形状については、図2を参照して説明する。
図2は、図1の等速ジョイント用ブーツ1をシールリップ16の頂部の位置で切って見たII−II部矢視断面図である。図2に示すように、大端部3の外周面は、円形に形成されている。そして、大端部3の内周面側には、外周面に沿った円形に形成された部分と、内周側に円弧状に張り出して形成された部分とが設けられている。以下、前者を薄肉部17、後者を厚肉部19と称して説明する。なお、上述したシールリップ16は、薄肉部17、厚肉部19両方の表面にわたって、連続して形成されている。
【0016】
図2に示すように、厚肉部19は、ブーツ1が装着されるトリポッドジョイントの表面の溝部に対応して、本実施形態の場合、周上例えば3箇所に、略等間隔に設けられている。上述したように、厚肉部19の表面はブーツ1の筒軸方向から見たときに円弧状に形成され、また、ブーツ1の筒軸方向に対しては、シールリップ16を除いて略一定の断面形状である。また、シールリップ16の、突端部(ブーツ1の中心からみて最小径部)である内周面21は、厚肉部19の表面と略平行に形成されている。換言すれば、この内周面21は、シールリップ16の突端ということもできる。そして、厚肉部19には、ブーツ1の大端部3側の端面から、ブーツ1の筒軸方向に沿って穿設された孔(凹部)23が形成されている。本実施形態の場合には、一つの厚肉部19に対して、孔23は、周方向に離間して例えば2つずつ設けられている。孔23の奥側、つまり小端部5側は、平坦な端面によって閉塞されている。さらに、孔23の断面視形状は、例えば円形である。
【0017】
図3は、図1のブーツの大端部3に、トリポッドジョイント25を挿入したときの、トリポッドジョイントの外筐の外周面に形成された溝部27と、ブーツ1のシールリップ16の内周面21との関係を示す拡大図である。図3に示すように、シールリップ16の内周面21の曲率は、トリポッドジョイントの外筐の溝部27の溝面の曲率よりも大きく設定されている。その結果、大端部3の外周面を締結手段であるバンドによって締結する前の状態では、シールリップ16の内周面21とトリポッドジョイントの溝部27の溝面との間には、ブーツ筒軸方向の断面視形状が三日月状の隙間29が形成される。ここで、図3の上段に示すグラフは、大端部3の周方向における厚肉部19の中心Oからの距離をXとし、隙間をTとしたときの、XとTとの関係を示すものである。このグラフに示すように、TはX=0において最大値tを取り、Xの増加とともに1次関数的に減少する。そして、厚肉部19の端部において、T=0となり、つまりシールリップ16の内周面21とトリポッドジョイント25の溝部27の溝面とが接する。そして、トリポッドジョイント25の外筐を挿入したときの大端部3の外周面直径Aが約95mmである場合に、t=0.3mmとなるように設定されている。また、図3に示すように、ブーツ1の周方向における厚肉部19の両端部が、薄肉部17と交わる箇所において、シールリップ16の内周面21は、トリポッドジョイント25の外筐の溝部27の縁の曲面に適合しかつ応力集中を避けるため、Rをつけて滑らかに形成されている。そして、ブーツ1の大端部3は、その側部外周面の面部9を、金属製のバンドによって締結することによってトリポッドジョイント25の外筐の外周面に固定される。
【0018】
一方、ブーツ1の小端部5側は、その内周面に図示しないドライブシャフトの軸部との取付面30が形成されている。そして、小端部5の外周面には、図示しない締結用バンドが装着される面部31が形成され、その軸方向両端部には、それぞれバンドのずれを防止するための段部33および35がそれぞれ設けられている。
【0019】
上述した本実施形態の等速ジョイント用ブーツ1をトリポッドジョイント25の外筐の外周面に固定したものと、比較例として、既存の等速ジョイント用ブーツを本実施形態と同じトリポッドジョイント25に固定したものとを対比して、各ブーツ内部に封入された潤滑用グリースの漏れを比較評価した。なお、比較例のブーツは、大端部内周面の厚肉部の表面の突条の内周面の曲率が、トリポッドジョイントの外筐の溝部の溝面の曲率と同じに設定されている点で本実施形態のブーツと相違し、それ以外の点では同じものである。その結果、本実施形態のほうが、比較例よりもグリースの漏れ量が少なく、特にトリポッドジョイント25の溝部27の縁とブーツの大端部の厚肉部19の両端部との間からのグリースの漏出量が少なく、本実施形態のほうが比較例よりもシール性能が良好であることが確認された。
【0020】
以上のように、本実施形態によれば、シールリップ16の内周面21に、トリポッドジョイント25の外筐の溝面の曲率よりも曲率の大きい曲面部を形成することによって、ブーツ1のシール性能を向上することができる。
【0021】
すなわち、比較例の場合においては、バンドによる締結力は基本的には径方向の力としてブーツ大端部の内周面とトリポッドジョイントの外筐の外周面との接触面間に作用すると考えられる。図4は、比較例の場合における接触面の応力の分布を示す図である。なお、図4に示す比較例において、上述した実施例と同様の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図4において、バンドの締結によって生ずる応力を破線で示し、これによって生ずる接触面に対する垂直応力を実線で示している。
【0022】
図4に示すように、薄肉部においては、バンドの締結によって生ずる応力は接触面における垂直応力と等しく、その大きさも大きいことがわかる。これに対し、ブーツの厚肉部の、特に周方向両端部においては、バンドの締結力が接触面に対して角度をもって作用するため、接触面についての垂直応力となる分力は小さくなる。したがって、このような接触面間における接触圧は他の部分よりも小さくなり、その結果他の部分よりもシール性能が低くなっていると考えられる。
【0023】
これに対し、本実施形態によれば、上述したように、ブーツ1の大端部3をバンドによって締結していない状態では、ブーツの厚肉部19のシールリップ16の内周面21とトリポッドジョイント25の外筐の溝部27の溝面との間に隙間29が形成される。そして、大端部3の外周面をバンドで締結し、ブーツの厚肉部19のシールリップ16の内周面21が溝面に沿って接するようにブーツの厚肉部19を変形させると、大端部3の周方向におけるブーツの厚肉部19の両端部をそれぞれ軸として、ブーツの厚肉部19のシールリップ16の内周面21が溝面に沿うように回転させる回転モーメントが生ずると考えられる。
【0024】
図5は、本実施形態の場合におけるバンドの締結により生ずる径方向の力F、接触面の応力分布および厚肉部内に作用する回転モーメントMを示す図である。図5において、トリポッドジョイント25の外筐の溝部27に図示した矢印は、この溝面におけるバンド締結時の垂直応力分布を示している。図5に示すように、回転モーメントMにより発生する力は、周方向における厚肉部19の端部、つまり薄肉部17との境界部において最大となると考えられる。これによって厚肉部19は、ブーツ1の筒軸方向視において内周側に凸となるような曲げモーメントを受ける。そして、この回転モーメントおよび曲げモーメントは、厚肉部19のシールリップ16の内周面21とトリポッドジョイント25の外筐の溝面との接触面圧を均一に分布させるように作用するので、図5に示すように、本実施形態におけるブーツの厚肉部の、特に周方向両端部における接触面圧は、図4に示す比較例のものより大きくなり、また均等化されるものと考えられる。そして、その結果、シール性能が向上したものと考えられる。
【0025】
なお、本発明は、上述した実施形態によって限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えることができる。例えば、上述した実施形態においては、厚肉部の表面のシールリップ全長にわたって、トリポッドジョイントの外筐の溝面よりも大きい曲率に形成しているが、例えばブーツの周方向における厚肉部の中央部のシールリップのみを溝面よりも大きな曲率の曲面に形成したり、あるいは平面に形成してもよい。例えば、図6は、本発明を適用してなる等速ジョイント用ブーツの他の実施形態であって、周方向における厚肉部の中央部における表面の曲率を、他の部分よりも大きく形成し、これによって等速ジョイントの外筐を嵌め込んだ際に、厚肉部の中央部付近に隙間が形成されるようにしたものの図である。このようにしても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0026】
また、上述した実施形態においては、ブーツは小端部側から大端部側へかけて徐々に径が大きくなるように形成され、その結果全体的に円錐状となっているが、これに限らず、他の形状としてもよい。
【0027】
また、トリポッドジョイントの外筐の溝面とブーツの厚肉部のシールリップの内周面との間に隙間を形成するためには、ブーツを成型する金型のシールリップ内周面部を、予めトリポッドジョイント25の外筐の溝部内の溝面の曲率と異なった形状、寸法としておいてもよい。また、トリポッドジョイント25の外筐の溝部内の溝面の曲率と同じ形状、寸法の金型を用い、厚肉部におけるひけ量(熱収縮量)を制御してもよい。ここで、ひけ量を制御するために、厚肉部内に形成される孔の位置や大きさを調節してもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、等速ジョイント用ブーツのシール性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる等速ジョイント用ブーツの一実施形態の縦断面図である。
【図2】図1の等速ジョイント用ブーツのII−II部矢視図である。
【図3】図1の等速ジョイント用ブーツのシールリップの内周面と、トリポッドジョイントの外筐の外周面に形成された溝部との関係を示す拡大図である。
【図4】比較例のブーツの大端部のシールリップの内周面とトリポッドジョイントの外筐の外周面との接触面における応力の分布を示す図である。
【図5】図1のブーツの大端部をバンドで締結により生ずる径方向の力F、内周面とトリポッドジョイントの外筐の外周面との接触面における応力分布および厚肉部内に作用する回転モーメントを示す図である。
【図6】本発明を適用してなる等速ジョイント用ブーツの他の実施形態の厚肉部およびトリポッドジョイントの外筐の表面の溝部の拡大図である。
【符号の説明】
1 等速ジョイント用ブーツ
3 大端部
5 小端部
7 ベローズ
7a 凸状部
7b 凹状部
16 シールリップ
17 薄肉部
19 厚肉部
25 トリポッドジョイント
27 溝部

Claims (4)

  1. 円弧状に凹ませて形成された溝部を外周面に有する等速ジョイントの外筐が挿入される大端部を有し、該大端部の内周面には、等速ジョイントの前記溝部に対応して設けられかつ断面が弧状に張り出して形成された厚肉部を有し、該厚肉部の表面から突き出して形成され、前記大端部の周方向に沿って延在するシール部が設けられ、該シール部の突端部に、等速ジョイントの前記溝部の溝面よりも曲率が大きい曲面部を設けてなる等速ジョイント用ブーツ。
  2. 円弧状に凹ませて形成された溝部を外周面に有する等速ジョイントの外筐が挿入される大端部を有し、該大端部の内周面には、等速ジョイントの前記溝部に対応して設けられかつ断面が弧状に張り出して形成された厚肉部を有し、該厚肉部の表面から突き出して形成され、前記大端部の周方向に沿って延在するシール部が設けられ、前記厚肉部の周方向中央部の該シール部の突端部に平面部を設けてなる等速ジョイント用ブーツ。
  3. 円弧状に凹ませて形成された溝部を外周面に有する等速ジョイントの外筐が挿入される大端部を有してなり、該大端部の内周面に等速ジョイントの前記溝部に対応して設けられかつ断面が弧状に張り出して形成された厚肉部を有し、該厚肉部を含む前記大端部内周には、周方向に連続する1または複数のシール部が突設されており、前記大端部に等速ジョイントの前記外筐を挿入したときに、前記厚肉部内周に位置するシール部の突端部と、等速ジョイントの前記外筐の溝面の周方向中央部との間に隙間が形成されるように構成されてなる等速ジョイント用ブーツ。
  4. 前記隙間が最大となる箇所の間隔をtとしたときに、
    0 < t
    としたことを特徴とする請求項3に記載の等速ジョイント用ブーツ。
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