JP2005003045A - 直動案内軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スライダ本体側の循環チューブとエンドキャップ側の方向転換路との位置決めを精度良く行うことができるようにしてころの円滑な循環を確保すると共に、組立作業性の向上を図ることができる直動案内軸受装置を提供する。
【解決手段】スライダ本体2Aの孔7に挿入される循環チューブ8の端部及びスライダ本体2Aの端面に固定されるエンドキャップ9の内のいずれか一方に凸部14を形成すると共に、他方に凸部14が係合する凹部15を形成し、且つ前記凸部14及び前記凹部15の内の少なくとも―方に循環チューブ8の端面の周方向に沿う傾斜面16を設ける。
【選択図】 図5
【解決手段】スライダ本体2Aの孔7に挿入される循環チューブ8の端部及びスライダ本体2Aの端面に固定されるエンドキャップ9の内のいずれか一方に凸部14を形成すると共に、他方に凸部14が係合する凹部15を形成し、且つ前記凸部14及び前記凹部15の内の少なくとも―方に循環チューブ8の端面の周方向に沿う傾斜面16を設ける。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば工作機械や産業機械分野等に用いられる直動案内軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の直動案内軸受装置としては、例えば図10に示すものが知られている。
この直動案内軸受装置は、軸方向に延びる案内レール1と、該案内レール1上に軸方向に相対移動可能に跨架されたスライダ2とを備えている。
案内レール1の幅方向の両側面にはそれぞれ軸方向に延びる転動体転動溝3が片側上下二条列ずつ、合計4条列形成されており、スライダ2のスライダ本体2Aには、その両袖部4の内側面にそれぞれ転動体転動溝3に対向する転動体転動溝5が形成されている。
両転動体転動溝3,5の間には転動体としての多数のころ6が転動自在に装填され、これらのころ6の転動を介してスライダ2が案内レール1上を軸方向に沿って相対移動できるようになっている。
【0003】
この移動につれて、案内レール1とスライダ2との間に介在するころ6は転動してスライダ2の軸方向の端部に移動するが、スライダ2を軸方向に継続移動させていくためには、これらのころ6を無限に循環させる必要がある。
このため、スライダ本体2Aの両側の袖部4内にそれぞれ軸方向に貫通する上下二つ(合計4つ)の孔7を形成して該孔7に内部がころ6の通路(転動体通路)8aとされた循環チューブ8を挿入すると共に、スライダ本体2Aの軸方向の両端にそれぞれ転動体循環部品としての一対のエンドキャップ9をねじ等を介して固定し、このエンドキャップ9に上記両転動体転動溝3,5間と上記転動体通路8aとを連通する半円弧状に湾曲した方向転換路9a(図3及び図4参照)を形成することにより、ころ6の無限循環軌道を形成している。
【0004】
なお、エンドキャップ9に設けられた方向転換路9aは、上側の転動体通路8aと下側の両転動体転動溝3,5間とを連通するものと、下側の転動体通路8aと上側の両転動体転動溝3,5間とを連通するものが互いに干渉しないように交差して形成されている。
ところで、エンドキャップ9をスライダ本体2Aの端面に固定する際には、スライダ本体2A側の循環チューブ8(転動体通路8a)とエンドキャップ9側の方向転換路9aとの位置決めがころ6のスムースな循環を確保する上で重要になる。
【0005】
このような位置決めに関する技術としては、例えばスリーブ(循環チューブ)の両端に欠円状の欠肉部を形成すると共に、側板(エンドキャップ)の方向転換路の開口端にスリーブの欠肉部に合致した凸部を形成し、該凸部をケーシング(スライダ本体)の円孔(スリーブの挿入孔)内およびスリーブの欠肉部に嵌合することで、ケーシングとスリーブと側板とを互いに位置決めするようにしたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
この場合、ケーシング、スリーブおよび側板が別部材で構成されているので、スリーブの組付けは、ケーシングの一方の端面に側板を取り付け、他方の端面からケーシングに貫設された円孔内にスリーブを挿入し、その際にスリーブの内周形状と側板の方向転換路の開口端形状が一致するように位相を合わせる。
【0007】
【特許文献1】
特許第2865854号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1においては、ころ6の循環を円滑にするために循環チューブ8(転動体通路8a)とエンドキャップ9側の方向転換路9aとの連結部の位置合せを精度良く行おうとした場合、凸部と欠肉部との嵌め合い精度を厳しくする必要があるため、正確に循環チューブ8の位相を合わせないとエンドキャップ9と循環チューブ8とが組み合わなくなる。そうすると、循環チューブ8をスライダ本体2Aの孔7に挿入する際に循環チューブ8の位相を正確に合わせる必要があるため、作業性が低下して組立作業に時間がかかり、コストアップにつながるという問題がある。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、スライダ本体側の循環チューブとエンドキャップ側の方向転換路との位置決めを精度良く行うことができるようにしてころの円滑な循環を確保することができると共に、組立作業性の向上を図ることができる直動案内軸受装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、軸方向に延びる転動体転動溝を有する案内レールと、該案内レールの前記転動体転動溝に対向する転動体転動溝を有し、これらの両転動体転動溝間に挿入された転動体としての多数のころの転動を介して軸方向に沿って相対移動可能に前記案内レールに跨架されたスライダとを備え、
前記スライダは、軸方向に貫通する孔内に挿入されて内部が転動体通路をなす循環チューブを有するスライダ本体と、前記両転動体転動溝間と前記転動体通路とを連通する湾曲状の方向転換路を有して前記スライダ本体の軸方向の両端面に固定された一対のエンドキャップとを具備する直動案内軸受装置であって、
前記循環チューブの端部及び前記エンドキャップの内のいずれか一方に凸部を設けると共に、他方に前記凸部が係合する凹部を設け、且つ前記凸部及び前記凹部の内の少なくとも―方に前記循環チューブの端面の周方向に沿う傾斜面を設けたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である直動案内軸受装置の循環チューブ側の凸部を説明するための説明図、図2は図1のA−A線断面図、図3はエンドキャップ側の凹部を説明するための説明図、図4は図3のB−B線断面図、図5は凸部と凹部の係合構造の一例を説明するための説明図、図6は凸部と凹部の係合構造の変形例を説明するための説明図、図7は凸部の変形例を説明するための説明図、図8及び図9は傾斜面の形成例を説明するための説明図である。なお、この実施の形態では、既に図10で説明した従来の直動案内軸受装置と重複する部分については各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0011】
本発明の実施の形態の一例である直動案内軸受装置10は、図1に示すように、スライダ本体2Aに貫設した4箇所の孔7に樹脂製の循環チューブ8が挿入され、該循環チューブ8の内周部にはころ6が若干のすき間を存して通過できる方形断面の転動体通路8aが形成されている。循環チューブ8は、半割状のものを径方向に接合させた状態になっている。循環チューブ8の長さはスライダ本体2Aと略同一長さとされており、また、図2に示すように、循環チューブ8の外周面と孔7の内周面との間にはすき間7aが設けられている。
【0012】
上側の両転動体転動溝3,5と下側の両転動体転動溝3,5との間には上下のころ6を保持する保持部材11が介装されており、保持部材11の軸方向端部にはエンドキャップ9の位置決め溝12が設けられている。
エンドキャップ9の方向転換路9aは、図3及び図4に示すように、上側の転動体通路8aと下側の両転動体転動溝3,5間とを連通するものと、下側の転動体通路8aと上側の両転動体転動溝3,5間とを連通するものが互いに干渉しないように立体的に交差して形成されている。また、エンドキャップ9のスライダ本体2A側を向く面には、前記位置決め溝12に嵌合される位置決め突起13が突設されている。
【0013】
ここで、この実施の形態では、循環チューブ8の両端部に凸部14を設けると共に、エンドキャップ9の方向転換路9aの開口端の周囲に前記凸部14が係合する凹部15を設け、且つ、図5に示すように、前記凸部14及び前記凹部15に前記循環チューブ8の端面の周方向に沿う傾斜面16を設けている。
そして、スライダ本体2Aの一方の端面の位置決め溝12にエンドキャップ9の位置決め突起13を嵌合し、この状態でスライダ本体2Aの他方の端面から孔7内に循環チューブ8を挿入し、該循環チューブ8の一方の端部の凸部14をエンドキャップ9側の凹部15に係合させることで循環チューブ8と孔7との間にすき間7aを設けた状態で該循環チューブ8を支持するようにしている。
【0014】
これにより、循環チューブ8内の転動体通路8aとエンドキャップ9側の方向転換路9aとの位置合わせを正確に行うことができ、ころ6の円滑な循環を確保することができる。また、前記凸部14及び前記凹部15に循環チューブ8の端面の周方向に沿う傾斜面16を設けているので、循環チューブ8の位相が傾斜面16の傾斜範囲内のズレであれば循環チューブ8を押し込むことで容易に凸部14を凹部15に係合させて正確な位置合わせを行うことができ、この結果、組立作業性の向上を図ることができる。
【0015】
なお、本発明の直動案内軸受装置は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、凸部14の周方向に沿う面の全面を傾斜面16とした場合を例に採ったが、これに代えて、図6に示すように、凸部14の周方向に沿う面の先端のみを傾斜面16として基端部に直線部17を設けることで、より安定した係合構造とすることができる。
【0016】
また、上記実施の形態では、循環チューブ8の端部の一部に凸部14を設けた場合を例に採ったが、これに代えて、図7に示すように、循環チューブ8の端部全体に傾斜面16を有する凸部14を設けるようにしてもよい。このようにすることで、より大きな循環チューブ8の位相のズレにも対応することができる。
更に、凸部14及び凹部15に設ける傾斜面16は、図8に示すように、周方向の一部に設けてもよく、また、図9に示すように、周方向の全周に設けてもよい。
【0017】
更に、上記実施の形態では、凸部14及び凹部15の両方に傾斜面16を設けた場合を例に採ったが、これに限定されず、凸部14及び凹部15のいずれかに傾斜面16を設けるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態では、循環チューブ8側に凸部14を、エンドキャップ9側に凹部15を設けた場合を例に採ったが、これに代えて、循環チューブ8側に凹部15を、エンドキャップ9側に凸部14を設けるようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、スライダ本体側の循環チューブとエンドキャップ側の方向転換路との位置決めを精度良く行うことができるので、ころの円滑な循環を確保することができ、また、循環チューブの位相が傾斜面の傾斜範囲内のズレであれば循環チューブを押し込むことで容易に凸部を凹部に係合させて正確な位置合わせを行うことができるので、組立作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例である直動案内軸受装置の循環チューブ側の凸部を説明するための説明図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】エンドキャップ側の凹部を説明するための説明図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】凸部と凹部の係合構造の一例を説明するための説明図であり、(a)は係合前、(b)は係合後である。
【図6】凸部と凹部の係合構造の変形例を説明するための説明図であり、(a)は係合前、(b)は係合後である。
【図7】凸部の変形例を説明するための説明図であり、(a)は循環チューブの端部を軸方向から見た図、(b)は循環チューブの端部を径方向から見た図である。
【図8】傾斜面の形成例を説明するための説明図である。
【図9】傾斜面の形成例を説明するための説明図である。
【図10】従来の直動案内軸受装置を説明するためのエンドキャップの一部を切り欠いた図である。
【符号の説明】
1…案内レール
2…スライダ
2A…スライダ本体
3…転動体転動溝(案内レール側)
5…転動体転動溝(スライダ本体側)
6…ころ
7…孔
8…循環チューブ
8a…転動体通路
9…エンドキャップ
9a…方向転換路
10…直動案内軸受装置
14…凸部
15…凹部
16…傾斜面
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば工作機械や産業機械分野等に用いられる直動案内軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の直動案内軸受装置としては、例えば図10に示すものが知られている。
この直動案内軸受装置は、軸方向に延びる案内レール1と、該案内レール1上に軸方向に相対移動可能に跨架されたスライダ2とを備えている。
案内レール1の幅方向の両側面にはそれぞれ軸方向に延びる転動体転動溝3が片側上下二条列ずつ、合計4条列形成されており、スライダ2のスライダ本体2Aには、その両袖部4の内側面にそれぞれ転動体転動溝3に対向する転動体転動溝5が形成されている。
両転動体転動溝3,5の間には転動体としての多数のころ6が転動自在に装填され、これらのころ6の転動を介してスライダ2が案内レール1上を軸方向に沿って相対移動できるようになっている。
【0003】
この移動につれて、案内レール1とスライダ2との間に介在するころ6は転動してスライダ2の軸方向の端部に移動するが、スライダ2を軸方向に継続移動させていくためには、これらのころ6を無限に循環させる必要がある。
このため、スライダ本体2Aの両側の袖部4内にそれぞれ軸方向に貫通する上下二つ(合計4つ)の孔7を形成して該孔7に内部がころ6の通路(転動体通路)8aとされた循環チューブ8を挿入すると共に、スライダ本体2Aの軸方向の両端にそれぞれ転動体循環部品としての一対のエンドキャップ9をねじ等を介して固定し、このエンドキャップ9に上記両転動体転動溝3,5間と上記転動体通路8aとを連通する半円弧状に湾曲した方向転換路9a(図3及び図4参照)を形成することにより、ころ6の無限循環軌道を形成している。
【0004】
なお、エンドキャップ9に設けられた方向転換路9aは、上側の転動体通路8aと下側の両転動体転動溝3,5間とを連通するものと、下側の転動体通路8aと上側の両転動体転動溝3,5間とを連通するものが互いに干渉しないように交差して形成されている。
ところで、エンドキャップ9をスライダ本体2Aの端面に固定する際には、スライダ本体2A側の循環チューブ8(転動体通路8a)とエンドキャップ9側の方向転換路9aとの位置決めがころ6のスムースな循環を確保する上で重要になる。
【0005】
このような位置決めに関する技術としては、例えばスリーブ(循環チューブ)の両端に欠円状の欠肉部を形成すると共に、側板(エンドキャップ)の方向転換路の開口端にスリーブの欠肉部に合致した凸部を形成し、該凸部をケーシング(スライダ本体)の円孔(スリーブの挿入孔)内およびスリーブの欠肉部に嵌合することで、ケーシングとスリーブと側板とを互いに位置決めするようにしたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
この場合、ケーシング、スリーブおよび側板が別部材で構成されているので、スリーブの組付けは、ケーシングの一方の端面に側板を取り付け、他方の端面からケーシングに貫設された円孔内にスリーブを挿入し、その際にスリーブの内周形状と側板の方向転換路の開口端形状が一致するように位相を合わせる。
【0007】
【特許文献1】
特許第2865854号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1においては、ころ6の循環を円滑にするために循環チューブ8(転動体通路8a)とエンドキャップ9側の方向転換路9aとの連結部の位置合せを精度良く行おうとした場合、凸部と欠肉部との嵌め合い精度を厳しくする必要があるため、正確に循環チューブ8の位相を合わせないとエンドキャップ9と循環チューブ8とが組み合わなくなる。そうすると、循環チューブ8をスライダ本体2Aの孔7に挿入する際に循環チューブ8の位相を正確に合わせる必要があるため、作業性が低下して組立作業に時間がかかり、コストアップにつながるという問題がある。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、スライダ本体側の循環チューブとエンドキャップ側の方向転換路との位置決めを精度良く行うことができるようにしてころの円滑な循環を確保することができると共に、組立作業性の向上を図ることができる直動案内軸受装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、軸方向に延びる転動体転動溝を有する案内レールと、該案内レールの前記転動体転動溝に対向する転動体転動溝を有し、これらの両転動体転動溝間に挿入された転動体としての多数のころの転動を介して軸方向に沿って相対移動可能に前記案内レールに跨架されたスライダとを備え、
前記スライダは、軸方向に貫通する孔内に挿入されて内部が転動体通路をなす循環チューブを有するスライダ本体と、前記両転動体転動溝間と前記転動体通路とを連通する湾曲状の方向転換路を有して前記スライダ本体の軸方向の両端面に固定された一対のエンドキャップとを具備する直動案内軸受装置であって、
前記循環チューブの端部及び前記エンドキャップの内のいずれか一方に凸部を設けると共に、他方に前記凸部が係合する凹部を設け、且つ前記凸部及び前記凹部の内の少なくとも―方に前記循環チューブの端面の周方向に沿う傾斜面を設けたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例である直動案内軸受装置の循環チューブ側の凸部を説明するための説明図、図2は図1のA−A線断面図、図3はエンドキャップ側の凹部を説明するための説明図、図4は図3のB−B線断面図、図5は凸部と凹部の係合構造の一例を説明するための説明図、図6は凸部と凹部の係合構造の変形例を説明するための説明図、図7は凸部の変形例を説明するための説明図、図8及び図9は傾斜面の形成例を説明するための説明図である。なお、この実施の形態では、既に図10で説明した従来の直動案内軸受装置と重複する部分については各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0011】
本発明の実施の形態の一例である直動案内軸受装置10は、図1に示すように、スライダ本体2Aに貫設した4箇所の孔7に樹脂製の循環チューブ8が挿入され、該循環チューブ8の内周部にはころ6が若干のすき間を存して通過できる方形断面の転動体通路8aが形成されている。循環チューブ8は、半割状のものを径方向に接合させた状態になっている。循環チューブ8の長さはスライダ本体2Aと略同一長さとされており、また、図2に示すように、循環チューブ8の外周面と孔7の内周面との間にはすき間7aが設けられている。
【0012】
上側の両転動体転動溝3,5と下側の両転動体転動溝3,5との間には上下のころ6を保持する保持部材11が介装されており、保持部材11の軸方向端部にはエンドキャップ9の位置決め溝12が設けられている。
エンドキャップ9の方向転換路9aは、図3及び図4に示すように、上側の転動体通路8aと下側の両転動体転動溝3,5間とを連通するものと、下側の転動体通路8aと上側の両転動体転動溝3,5間とを連通するものが互いに干渉しないように立体的に交差して形成されている。また、エンドキャップ9のスライダ本体2A側を向く面には、前記位置決め溝12に嵌合される位置決め突起13が突設されている。
【0013】
ここで、この実施の形態では、循環チューブ8の両端部に凸部14を設けると共に、エンドキャップ9の方向転換路9aの開口端の周囲に前記凸部14が係合する凹部15を設け、且つ、図5に示すように、前記凸部14及び前記凹部15に前記循環チューブ8の端面の周方向に沿う傾斜面16を設けている。
そして、スライダ本体2Aの一方の端面の位置決め溝12にエンドキャップ9の位置決め突起13を嵌合し、この状態でスライダ本体2Aの他方の端面から孔7内に循環チューブ8を挿入し、該循環チューブ8の一方の端部の凸部14をエンドキャップ9側の凹部15に係合させることで循環チューブ8と孔7との間にすき間7aを設けた状態で該循環チューブ8を支持するようにしている。
【0014】
これにより、循環チューブ8内の転動体通路8aとエンドキャップ9側の方向転換路9aとの位置合わせを正確に行うことができ、ころ6の円滑な循環を確保することができる。また、前記凸部14及び前記凹部15に循環チューブ8の端面の周方向に沿う傾斜面16を設けているので、循環チューブ8の位相が傾斜面16の傾斜範囲内のズレであれば循環チューブ8を押し込むことで容易に凸部14を凹部15に係合させて正確な位置合わせを行うことができ、この結果、組立作業性の向上を図ることができる。
【0015】
なお、本発明の直動案内軸受装置は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、凸部14の周方向に沿う面の全面を傾斜面16とした場合を例に採ったが、これに代えて、図6に示すように、凸部14の周方向に沿う面の先端のみを傾斜面16として基端部に直線部17を設けることで、より安定した係合構造とすることができる。
【0016】
また、上記実施の形態では、循環チューブ8の端部の一部に凸部14を設けた場合を例に採ったが、これに代えて、図7に示すように、循環チューブ8の端部全体に傾斜面16を有する凸部14を設けるようにしてもよい。このようにすることで、より大きな循環チューブ8の位相のズレにも対応することができる。
更に、凸部14及び凹部15に設ける傾斜面16は、図8に示すように、周方向の一部に設けてもよく、また、図9に示すように、周方向の全周に設けてもよい。
【0017】
更に、上記実施の形態では、凸部14及び凹部15の両方に傾斜面16を設けた場合を例に採ったが、これに限定されず、凸部14及び凹部15のいずれかに傾斜面16を設けるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態では、循環チューブ8側に凸部14を、エンドキャップ9側に凹部15を設けた場合を例に採ったが、これに代えて、循環チューブ8側に凹部15を、エンドキャップ9側に凸部14を設けるようにしてもよい。
【0018】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、スライダ本体側の循環チューブとエンドキャップ側の方向転換路との位置決めを精度良く行うことができるので、ころの円滑な循環を確保することができ、また、循環チューブの位相が傾斜面の傾斜範囲内のズレであれば循環チューブを押し込むことで容易に凸部を凹部に係合させて正確な位置合わせを行うことができるので、組立作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例である直動案内軸受装置の循環チューブ側の凸部を説明するための説明図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】エンドキャップ側の凹部を説明するための説明図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】凸部と凹部の係合構造の一例を説明するための説明図であり、(a)は係合前、(b)は係合後である。
【図6】凸部と凹部の係合構造の変形例を説明するための説明図であり、(a)は係合前、(b)は係合後である。
【図7】凸部の変形例を説明するための説明図であり、(a)は循環チューブの端部を軸方向から見た図、(b)は循環チューブの端部を径方向から見た図である。
【図8】傾斜面の形成例を説明するための説明図である。
【図9】傾斜面の形成例を説明するための説明図である。
【図10】従来の直動案内軸受装置を説明するためのエンドキャップの一部を切り欠いた図である。
【符号の説明】
1…案内レール
2…スライダ
2A…スライダ本体
3…転動体転動溝(案内レール側)
5…転動体転動溝(スライダ本体側)
6…ころ
7…孔
8…循環チューブ
8a…転動体通路
9…エンドキャップ
9a…方向転換路
10…直動案内軸受装置
14…凸部
15…凹部
16…傾斜面
Claims (1)
- 軸方向に延びる転動体転動溝を有する案内レールと、該案内レールの前記転動体転動溝に対向する転動体転動溝を有し、これらの両転動体転動溝間に挿入された転動体としての多数のころの転動を介して軸方向に沿って相対移動可能に前記案内レールに跨架されたスライダとを備え、
前記スライダは、軸方向に貫通する孔内に挿入されて内部が転動体通路をなす循環チューブを有するスライダ本体と、前記両転動体転動溝間と前記転動体通路とを連通する湾曲状の方向転換路を有して前記スライダ本体の軸方向の両端面に固定された一対のエンドキャップとを具備する直動案内軸受装置であって、
前記循環チューブの端部及び前記エンドキャップの内のいずれか一方に凸部を設けると共に、他方に前記凸部が係合する凹部を設け、且つ前記凸部及び前記凹部の内の少なくとも―方に前記循環チューブの端面の周方向に沿う傾斜面を設けたことを特徴とする直動案内軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003165428A JP2005003045A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 直動案内軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003165428A JP2005003045A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 直動案内軸受装置 |
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ID=34091911
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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-
2003
- 2003-06-10 JP JP2003165428A patent/JP2005003045A/ja not_active Withdrawn
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