JP2005002868A - 圧縮機 - Google Patents

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Takashi Shimizu
孝志 清水
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Abstract

【課題】二重ケーシング構造の圧縮機において、吐出管の折損を防止する
【解決手段】吐出管(27)が、外側ケーシング(11)及び内側ケーシング(16)を貫通している。内側ケーシング(16)に、その外周面から径方向外側に突出した突起(59)を設ける。この突起(59)は、内側ケーシング(16)が上方向に変位したときに、吐出管(27)の変形が許容される所定量以下の範囲で外側上蓋部(13)の下端面(13a)に当接するような位置に配置される。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外側ケーシング及び内側ケーシングを備える二重ケーシング構造の圧縮機に関し、特に、吐出管の折損を防止する対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、圧縮機は、例えば蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路において冷媒を圧縮するのに用いられている。この種の圧縮機として、例えば特許文献1に開示されているように、外側ケーシング及び内側ケーシングを備える二重ケーシング構造のものが知られている。この圧縮機では、縦長密閉型の外側ケーシングの内側に縦長の内側ケーシングを備え、この内側ケーシングに圧縮機構と電動機とが設置された構成となっている。内側ケーシングは、外側ケーシングの底部に設置された支持スプリングにより弾性的に支持されている。この圧縮機では、吸入管が、外側ケーシングに嵌め込まれ、内側ケーシングには圧縮機構の吸入口が開口している。これにより、外側ケーシングと内側ケーシングとの間の空間が、冷媒ガスから油を分離するアキュムレーション空間として構成されている。一方、外側ケーシング及び内側ケーシングには、吐出管が双方を貫通するように設けられている。
【0003】
上記文献に開示されている圧縮機では、内側ケーシングの側面に環状の部材が嵌合されている。この環状の部材は、外側ケーシングの内周面の近傍まで水平方向(横方向)に突出している。これにより、圧縮機の起動時等において、内側ケーシングが水平方向に振動しても、環状の部材が外側ケーシングの内壁に当たることとなり、内側ケーシング自体が外側ケーシングに衝突するのが防止されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−96693号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものでは、内側ケーシングの側面に環状の部材を嵌合させる構成であり、水平方向の振動を制限することにより、内側ケーシング自体と外側ケーシングとが衝突するのを防止するものである。このため、横方向の振動は規制できるものの、上下方向(縦方向)の振動までは規制できず、外側ケーシング及び内側ケーシングの双方を貫通する吐出管の折損が生じるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、二重ケーシング構造の圧縮機において、吐出管の折損を防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、外側ケーシング(11)に対する内側ケーシング(16)の上下方向の変位を所定量以下に制限する変位制限手段(56,57)を設けるようにしたものである。
【0008】
具体的に、請求項1の発明は、外側ケーシング(11)と、該外側ケーシング(11)内に弾性的に支持された内側ケーシング(16)とを備え、内側ケーシング(16)に圧縮機構(30)及び該圧縮機構(30)を駆動する電動機(40)が収納された圧縮機を前提として、上記外側ケーシング(11)及び内側ケーシング(16)を貫通し、上記外側ケーシング(11)に対する内側ケーシング(16)の変位を許容する吐出管(27)と、上記外側ケーシング(11)に対する内側ケーシング(16)の上下方向の変位を所定量以下に制限する変位制限手段(56,57)とを備えている。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記外側ケーシング(11)は、筒状の胴部(12)と、該胴部(12)の両端に固定される一対の蓋部(13,14)とからなり、上記胴部(12)の上端に固定された上側の蓋部(13)は、胴部(12)の内側に嵌合し、上記変位制限手段の上方制限部(56)は、上記上側の蓋部(13)と、該上側の蓋部(13)の下端面(13a)に当接可能に内側ケーシング(16)の外面に突設された突起(59)とにより構成されている。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、上記変位制限手段の下方制限部(57)は、外側ケーシング(11)の内面下端部から上方に突出する外側突起(61)と、該外側突起(61)の上端面に当接可能に内側ケーシング(16)の外面下端部から下方に突出する内側突起(62)とにより構成されている。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、上記内側ケーシング(16)の外面下端部と外側ケーシング(11)の内面下端部との間には、内側ケーシング(16)を弾性的に支持するためのコイルバネ(23)が上下方向に伸縮可能に配設され、上記外側突起(61)及び内側突起(62)は、それぞれコイルバネ(23)の内側に配置されている。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項2から4の何れか1項の発明において、上記外側ケーシング(11)の内側底部には、摩耗粉を吸着するための磁石(64)が配置されている。
【0013】
すなわち、請求項1の発明では、吐出管(27)が外側ケーシング(11)及び内側ケーシング(16)を貫通している。内側ケーシング(16)は、外側ケーシング(11)に対して変位するのが許容されている。そして、変位制限手段(56,57)は、外側ケーシング(11)に対する内側ケーシング(16)の上下方向の変位を所定量以下に制限する。
【0014】
また、請求項2の発明では、内側ケーシング(16)が外側ケーシング(11)に対して上方向に変位すると、内側ケーシング(16)の突起(59)は、胴部(12)の内側に嵌合している上側の蓋部(13)の上端面(13a)に当接する。これにより、内側ケーシング(16)の変位が所定量以下に制限されるので、内側ケーシング(16)はそれ以上には変位しない。
【0015】
また、請求項3の発明では、内側ケーシング(16)が外側ケーシング(11)に対して下方向に変位すると、内側突起(62)は、外側突起(61)の上端面に当接する。これにより、内側ケーシング(16)の変位が所定量以下に制限されるので、内側ケーシング(16)はそれ以上には変位しない。
【0016】
また、請求項4の発明では、内側ケーシング(16)は、コイルバネ(23)の伸縮により下方向に変位する。このとき、コイルバネ(23)の内側に外側突起(61)及び内側突起(62)が配設されているので、コイルバネ(23)は、この突起(61,62)の存在によって横方向の変位が規制されながら伸縮する。そして、コイルバネ(23)が縮むときには、内側突起(61)と外側突起(61)とが互いに当接する。
【0017】
また、請求項5の発明では、内側ケーシング(16)の振動により、外側ケーシング(11)、内側ケーシング(16)、突起(59)、内側突起(62)及び外側突起(61)が摩耗する。これらの摩耗粉は、外側ケーシング(11)の底部に配置されている磁石(64)に吸着される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0019】
本実施形態は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの冷媒回路において圧縮行程を行う圧縮機に関するものである。断面構造図である図1に示すように、この圧縮機(1) は、外側ケーシング(11)と内側ケーシング(16)とからなる二重構造のケーシング(10)を備えている。内側ケーシング(16)内には、圧縮機構(30)と、該圧縮機構(30)を駆動する電動機(40)とが収納されている。外側ケーシング(11)及び内側ケーシング(16)は、それぞれ鋳鉄、鋼等の強磁性材料により構成されている。
【0020】
外側ケーシング(11)は、縦長円筒状の外側胴部(12)と、該外側胴部(12)の上端に固定された椀状の外側上蓋部(13)と、外側胴部(12)の下端に固定された外側下蓋部(14)とを備えている。外側上蓋部(13)は、その下端面(13a)が外側胴部(12)の上端部近傍における内側に位置するように、外側胴部(12)の内側に嵌め込まれている。外側上蓋部(13)及び外側下蓋部(14)は、それぞれ上記外側胴部(12)に溶接により気密に接合されている。
【0021】
上記内側ケーシング(16)は、縦長円筒状で且つ上記外側胴部(12)よりも小径で長さの短い内側胴部(17)と、該内側胴部(17)の上端に固定された椀状の内側上蓋部(18)と、内側胴部(17)の下端に固定された平板状の内側下蓋部(19)とを備えている。内側上蓋部(18)は、内側胴部(17)の内側に嵌合されている。内側上蓋部(18)及び内側下蓋部(19)は、それぞれ、上記内側胴部(17)に溶接により気密に接合されている。
【0022】
外側ケーシング(11)と内側ケーシング(16)との間には、後述するように、運転中に吸入冷媒で満たされる空間(以下、吸入空間(S1)という)が区画されている。
【0023】
内側ケーシング(16)は、外側ケーシング(11)の内側で弾性的に支持されている。具体的に、外側ケーシング(11)の外側下蓋部(14)には、内側胴部(17)よりも径方向内側に位置する水平面を有する台座部(21)が設けられている。この台座部(21)には、その水平面から上方に突出する円柱状の脚部(22)が設けられている。この脚部(22)の上端面には、コイルバネ(23)が配設されている。このコイルバネ(23)は、上下方向に伸縮するように配置され、その上端が内側下蓋部(19)の下端面に当接する一方、下端が上記脚部(22)の上端面に当接している。
【0024】
上記圧縮機構(30)は、ロータリーピストン式の圧縮機構(30)である。この圧縮機構(30)は、シリンダ(31)と、フロントヘッド(32)と、リアヘッド(33)と、回転ピストン(34)とを備えている。シリンダ(31)は、内側胴部(17)に圧入されて固定されている。このシリンダ(31)は、厚肉の円筒状に形成され、電動機(40)の駆動軸(43)と同心状に配置されている。フロントヘッド(32)はシリンダ(31)の上端面に、またリアヘッド(33)はシリンダ(31)の下端面にそれぞれ配置されており、シリンダ(31)、フロントヘッド(32)及びリアヘッド(33)は、図示しないボルト等で締結されて一体に組み立てられてている。そして、シリンダ(31)の内周面と、フロントヘッド(32)の下端面と、リアヘッド(33)の上端面と、回転ピストン(34)の外周面との間に、円環状の圧縮室(36)が区画形成されている。シリンダ(31)には、半径方向に貫通し、内端部が圧縮室(36)に開口する吸入孔(37)が形成されている。
【0025】
フロントヘッド(32)には、上下方向に貫通して内側ケーシング(16)内の空間(以下、吐出空間(S2)という)と圧縮室(36)とに連通する吐出口(図示省略)が形成されるとともに、該吐出口を開閉する吐出弁(図示省略)が設けられている。吐出弁は、圧縮室(36)内の圧力と吐出空間(S2)内の圧力との圧力差が所定値以上に大きくなると吐出口を開放するように構成されている。また、フロントヘッド(32)及びリアヘッド(33)には、マフラー(38)が取り付けられている。このマフラー(38)は、冷媒吐出時に生ずる騒音を低減するためのものである。
【0026】
上記電動機(40)には、ブラシレスDCモータが用いられている。上記電動機(40)は、内側胴部(17)における上端寄りの位置に固定された筒状の固定子(41)と、該固定子(41)の内側に回転自在に装着された回転子(42)とを備えている。上記駆動軸(43)は、回転子(42)に連結され、回転子(42)と一体に回転するように構成されている。固定子(41)と回転子(42)との間には、エアギャップ(44)が形成されている。
【0027】
固定子(41)は、固定子鉄心(41a)と、コイル(41b)とから構成されている。固定子鉄心(41a)は、円筒状に形成された鉄心本体(41c)と、この鉄心本体(41c)から内側に突出するコイル(41b)を巻き付けるためのティース(41d)とからなる。ティース(41d)は、複数本設けられており、周方向に等間隔に配置されている。鉄心本体(41c)は、ティース(41d)を構成する部分が形成された電磁鋼板を積層した積層体の両端に、ティース(41d)を構成する部分が形成されていない電磁鋼板を所定枚数だけ積層させた構成とされている。鉄心本体(41c)には、ボルト挿通孔(41e)が上下方向に貫通するように形成されている。
【0028】
固定子(41)には、コイル(41b)の巻線方式として、集中巻(直巻)方式が採用されている。すなわち、各ティース(41d)にコイル(41b)がそれぞれ個別に巻き付けられている。そして、コイル(41b)が巻き付けられた互いに隣り合うティース(41d)同士の間には、図示省略するが隙間(ギャップ)が形成されている。この固定子(41)は3相巻線構造であり、かつ、同相のコイル(41b)同士が対向するように配置されている。
【0029】
回転子(42)は、プレス加工により打ち抜かれた電磁鋼板を積層した回転子鉄心に永久磁石(図示省略)を埋設した構成とされている。
【0030】
上記電動機(40)の駆動軸(43)は、内側ケーシング(16)の中心線上を上下方向に延びるように配置され、圧縮室(36)を貫通している。駆動軸(43)は、圧縮室(36)の中に位置する部分が、該駆動軸(43)の回転中心から所定量偏心し、その上下の部分よりも大径の偏心部(43a)に構成されている。この偏心部(43a)に、上記圧縮機構(30)の回転ピストン(34)が嵌め込まれている。回転ピストン(34)は円環状で、運転中に、その外周面が実質的にシリンダ(31)の内周面と一点で接触する(実際には僅かなクリアランスが設けられている)ように形成されている。そして、駆動軸(43)の回転により、回転ピストン(34)がシリンダ(31)内を回動し、これにより、圧縮室(36)は、その容積を縮小させるように構成されている。
【0031】
フロントヘッド(32)とリアヘッド(33)には、駆動軸(43)の下端を支持する下部軸受部(32a,33a)が形成されている。この下部軸受部(32a,33a)は、それぞれ滑り軸受けからなる。一方、電動機(40)の固定子(41)の上側には、軸受プレート(47)が配設されている。この軸受プレート(47)には、駆動軸(43)の上端を支持する転がり軸受からなる上部軸受部(47a)と、冷媒を通過させるための貫通孔(47b)と、ボルト(49)を挿通させるためのボルト挿通孔(47c)とが設けられている。ボルト(49)は、軸受プレート(47)及び固定子鉄心(41a)のボルト挿通孔(47c,41e)に挿通されるとともにフロントヘッド(32)の締結孔(32b)に螺合されている。
【0032】
ケーシング(10)には、圧縮機構(30)に冷媒を導入する吸入管(26)と、冷媒を機外へ導く吐出管(27)とが設けられている。吸入管(26)は、外側胴部(12)に固定された第1吸入管(26a)と、内側胴部(17)に固定された第2吸入管(26b)とにより構成されている。
【0033】
外側ケーシング(11)の外側胴部(12)には、僅かに外側に膨出した膨出部(51)が形成されていて、上記第1吸入管(26a)はこの膨出部(51)を貫通している。第1吸入管(26a)は、その内端部が膨出部(51)の内面と面一の状態になるように取り付けられている。外側胴部(12)の内面には、膨出部(51)の内側を覆うようにガスフィルター(52)が取り付けられている。このガスフィルター(52)は、冷媒ガス中に含まれる不純物を除去するためのものである。
【0034】
第2吸入管(26b)は、内側胴部(17)を貫通しており、この内側胴部(17)にろう付けされている。そして、第2吸入管(26b)の内端部は、シリンダ(31)の吸入孔(37)に圧入されている。つまり、シリンダ(31)は内側胴部(17)に焼き嵌めされているが、このシリンダ(31)と内側胴部(17)との間を完全にシールするのは困難である。そこで、第2吸入管(26b)の外端部を内側胴部(17)にろう付けするとともに、内端部をシリンダ(31)の吸入孔(37)に圧入することにより、吐出空間(S1)内の冷媒が吸入孔(37)内に漏れないようになっている。これにより、圧縮室(36)へ吸入される冷媒ガスが加熱されるのを防止している。
【0035】
第1吸入管(26a)と第2吸入管(26b)とは、互いに上下方向に位置ずれしている。具体的に、第1吸入管(26a)は、その上端部の位置が第2吸入管(26b)の下端部の位置とほぼ同じ高さになるような位置に配置されている。これにより、第1吸入管(26a)を通して流れてきた冷媒ガスが直接第2吸入管(26b)に流入するのを抑制でき、冷媒ガスに含まれる油分を上記吸入空間(S1)で効率的に分離できるようになっている。尚、第1吸入管(26a)と第2吸入管(26b)とは、互いに上下方向に位置ずれする構成に代え、あるいはそのような構成とともに、互いに周方向に位置ずれしている構成としてもよい。
【0036】
シリンダ(31)には、油吸込管(54)が取り付けられている。この油吸込管(54)は、その上端部が吸入孔(37)内における第2吸入管(26b)よりも下流側に開口している。そして、油吸込管(54)は、シリンダ(31)から下方に延び、下端部が内側ケーシング(16)内の底部に開口している。油吸込管(54)は、吸入空間(S1)内に貯溜されている油を吸い上げて、この油を内側ケーシング(16)内へ戻すためのものである。
【0037】
上記吐出管(27)は、外側ケーシング(11)の外側上蓋部(13)の上端部と内側ケーシング(16)の内側上蓋部(18)の上端部との双方を上下方向に貫通している。この吐出管(27)は、圧縮機構(30)から吐出されて吐出空間(S2)に充満する吐出冷媒を機外へ案内する通路を構成している。吐出管(27)には、外側上蓋部(13)と内側上蓋部(18)との中間部において、吸入空間(S1)内で略1周周回するように形成された周回部(27a)が設けられている。この周回部(27a)が設けられることにより、内側ケーシング(16)が外側ケーシング(11)に対して変位した場合において、吐出管(27)は、この内側ケーシング(16)の変位に伴って弾性変形し、これにより、変位が所定範囲内であれば、折損することなくその内側ケーシング(16)の変位を許容するようになっている。
【0038】
本実施形態に係る圧縮機(1)には、外側ケーシングに対する内側ケーシングの変位を制限する変位制限手段(56,57)が設けられている。この変位制限手段は、内側ケーシング(16)の上方向の変位を所定量以下に制限する上方制限部(56)と、内側ケーシング(16)の下方向の変位を所定量以下に制限する下方制限部(57)とからなる。
【0039】
上記上方制限部(56)は、外側上蓋部(13)と、内側ケーシング(16)の外面に突設された突起(59)とにより構成されている。この突起(59)は、外側上蓋部(13)の下端面(13a)のすぐ下方に位置して内側上蓋部(18)及び内側胴部(17)に跨って溶接されている。突起(59)は、内側胴部(17)よりも半径方向外側に突出していて、その先端部は、外側上蓋部(13)の下端面(13a)における内周端部よりも半径方向外側に位置している。そして、この突起(59)は、吐出管(27)の上方向の弾性変形量が許容値以下の範囲内で外側上蓋部(13)の下端面(13a)に当接するような位置に配置されている。この突起(59)は、図2に示すように、3つ設けられており、それぞれ周方向に等間隔に配置されている。また、突起(59)が内側胴部(17)よりも半径方向外側に突出するように形成されることにより、内側ケーシング(16)の横方向、即ち水平方向の変位が規制されている。
【0040】
上記下方制限部(57)は、外側ケーシング(11)の内面に突設された外側突起(61)と、内側ケーシング(16)の外面に突設された内側突起(62)とにより構成されている。外側突起(61)は、外側下蓋部(14)の脚部(22)の上面から上方に突出するように、また内側突起(62)は、内側下蓋部(19)の下端面から下方に突出するように、それぞれ砲台状に形成されている。そして、外側突起(61)及び内側突起(62)は、上記コイルバネ(23)の内側に配置されていて、外側突起(61)の上端面と内側突起(62)の下端面とが互いに対向するように設けられている。この外側突起(61)の上端面と内側突起(62)の下端面との間隔は、吐出管(27)の下方向の弾性変形量が許容値以下の範囲内で互いに当接するような間隔となっている。
【0041】
上記突起(59)、外側突起(61)及び内側突起(62)は、いずれも鋳鉄、鋼等の強磁性材料からなる。一方、外側ケーシング(11)内の底部には、摩耗粉を吸着するための磁石(64)が配置されている。この磁石(64)は、外側ケーシング(11)、内側ケーシング(16)、突起(59)、内側突起(62)及び外側突起(61)の衝突による摩耗粉を吸着し、外側ケーシング(11)の底部に溜まっている油が汚れないように維持するためのものである。
【0042】
外側ケーシング(11)には外側ターミナル(66)が、また内側ケーシング(16)には内側ターミナル(67)がそれぞれ固定されている。上記電動機(40)は、内側ターミナル(67)及び外側ターミナル(66)にリード線(図示省略)を介して接続されている。外側ターミナル(66)には外部の電源配線が接続されており、電源電圧が電動機(40)に印加されるようになっている。
【0043】
次に、この圧縮機(1) の運転動作について説明する。まず、上記電動機(40)に通電すると、駆動軸(43)が回転し、圧縮機構(30)では、回転ピストン(34)がシリンダ(31)の内周面にほぼ内接する状態を保ちながら所定の周回軌道上を旋回する。そして、冷媒ガスは、第1吸入管(26a)を通して吸入空間(S1)へ導入される。このとき、冷媒ガスは、ガスフィルター(52)を通過し、冷媒ガス中に含まれる不純物が除去される。この冷媒ガスは、吸入空間(S1)において油分が分離された後、第2吸入管(26b)を通って内側ケーシング(16)内の圧縮機構(30)へ吸入される。吸入空間(S1)で分離された油分は、外側ケーシング(11)内の底部に貯溜される。
【0044】
圧縮機構(30)では、冷媒ガスは、圧縮室(36)の容積が縮小するのに伴って高圧になる。そして、圧縮室(36)の圧力が内側ケーシング(16)内の圧力よりも所定値以上に大きくなると、圧縮機構(30)の吐出弁が開口し、冷媒ガスは圧縮室(36)から吐出空間(S2)へ吐出される。このとき、冷媒ガスが吐出される際に生ずる騒音がマフラー(38)によって低減されている。そして、吐出空間(S2)では、冷媒ガスが上方に向かって流れる。この冷媒ガスは、電動機(40)のエアギャップ(44)及びティース(41d)間のギャップを流れ、これにより電動機(40)が冷却されている。そして、この冷媒ガスは、その一部が軸受プレート(47)の貫通孔(47b)を流れる一方、その他が上部軸受部(47a)を流れる。このため、上部軸受部(47a)を構成するこりがり軸受が冷媒中の油分によって潤滑されている。そして、この冷媒ガスは、吐出管(27)を通して圧縮機(1)の外へ吐出される。
【0045】
上記圧縮機(1)の駆動時や圧縮機(1)の輸送時には、内側ケーシング(16)が振動して外側ケーシング(11)に対して変位することがある。このとき、内側ケーシング(16)には、外側胴部(12)に向かって突出する突起(59)が設けられており、また、コイルバネ(23)の内側に外側突起(61)及び内側突起(62)が配設されているために、内側ケーシング(16)は、水平方向(横方向)にはほとんど変位することなく主として上下方向(縦方向)に変位する。そして、内側ケーシング(16)が上方向に変位したときには、内側ケーシング(16)は、突起(59)が外側上蓋部(13)の下端面(13a)に当接するまで変位可能である。このとき、吐出管(27)は、その周回部(27a)において外側ケーシング(11)に対する内側ケーシング(16)の変位に伴って上下方向に弾性変形する。そして、突起(59)が外側上蓋部(13)の下端面(13a)に当接したときでも、吐出管(27)の変形量は、弾性変形許容値以下となっているので、吐出管(27)は折損することはない。
【0046】
一方、内側ケーシング(16)が下方向に変位したときには、内側ケーシング(16)は、外側突起(61)の上端面と内側突起(62)の下端面とが当接するまで変位可能である。このとき、外側突起(61)及び下側突起(62)が当接したときでも、吐出管(27)の変形量は弾性変形許容値以下となっているので、吐出管(27)は折損することはない。
【0047】
したがって、本実施形態によれば、内側ケーシング(16)が外側ケーシング(11)に対して変位し、それに伴って吐出管(27)が弾性変形したとしても吐出管(27)の変形が許容値以下に制限されるので、吐出管(27)の折損を確実に防止することができる。
【0048】
また、本実施形態では、上方制限部(56)を、内側ケーシング(16)の外周面に突設する突起(59)と、外側上蓋部(13)の下端面(13a)とにより構成しているので、内側ケーシング(16)の上方向の変位に対して簡易な構造で且つ確実に吐出管(27)の折損を防止することができる。
【0049】
また、本実施形態では、下方制限部(57)を、内側ケーシング(16)の内側突起(62)と外側ケーシング(11)の外側突起(61)とにより構成しているので、内側ケーシング(16)の下方向の変位に対して簡易な構造で且つ確実に吐出管(27)の折損を防止することができる。
【0050】
また、本実施形態では、突起(59)を内側胴部(17)よりも径方向外側に突出させるとともに、外側突起(61)及び内側突起(62)をコイルバネ(23)の内側に配設しているので、コイルバネ(23)は、この突起(61,62)の存在によって横方向の変位が規制されながら伸縮する。したがって、本発明によれば、内側ケーシング(16)の横方向の変位を規制することができるので、内側ケーシング(16)の変位を吐出管(27)の許容変形以下に確実に制限することができる。
【0051】
また、本実施形態では、外側ケーシング(11)、内側ケーシング(16)、突起(59)、内側突起(62)及び外側突起(61)の摩耗粉を磁石(64)によって吸着するようにしたので、外側ケーシング(11)の底部に貯溜されている油が汚れることなく維持することができる。これにより、各摺動部に供給される油分に摩耗粉が含まれるのを抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、外側ケーシング(11)に対する内側ケーシング(16)の上下方向の変位が所定量以下に制限されているので、外側ケーシング(11)及び内側ケーシング(16)の双方を貫通している吐出管(27)は、その周回部(27a)において吐出管(27)を略1周周回させるだけで、吐出管(27)が折損するのを防止できる。これにより、周回部(27a)を収容する容積を低減できるために、外側ケーシング(11)を小型化することができる。
【0053】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態について、内側ケーシング(16)は、コイルバネ(23)により弾性的に支持される構成に限られるものではなく、これに代え、例えばゴムや板バネを用いて弾性的に支持される構成にしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、上方制限部(56)を、外側上蓋部(13)と、この外側上蓋部(13)の下端面(13a)に当接可能な内側ケーシング(16)の突起(59)とによって構成したが、これに代え、上方制限部(56)を、外側ケーシング(11)の上蓋部(13)から下方に突出する外側突起(61)と、この外側突起(61)の下端面に当接可能に、内側ケーシング(16)の上蓋部(18)から上方に突出する内側突起(62)とにより構成してもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、下方制限部(57)を、外側突起(61)及び内側突起(62)によって構成したが、これに代え、外側下蓋部(14)を外側胴部(12)の内側に嵌合させるとともに、内側ケーシング(16)の下端部に半径方向外側に向かって突出する突起(59)を形成し、下方制限部(57)を、外側下蓋部(14)と、この外側下蓋部(14)の上端面に当接可能な内側ケーシング(16)の突起(59)とにより構成してもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0057】
請求項1の発明のによれば、内側ケーシング(16)の変位を制限する変位制限手段(56,57)を設けるようにしたので、内側ケーシング(16)が外側ケーシング(11)に対して変位し、それに伴って吐出管(27)が弾性変形したとしても、吐出管(27)の変形が許容される所定量以下に制限することができるので、吐出管(27)の折損を確実に防止することができる。
【0058】
また、請求項2の発明によれば、変位制限手段の上方制限部(56)を、内側ケーシング(16)の外周面に突設する突起(59)と、胴部(12)の内側に嵌合する上側の蓋部(13)とにより構成しているので、簡易な構造で且つ確実に吐出管(27)の折損を防止することができる。
【0059】
また、請求項3の発明によれば、変位制限手段の下方制限部(57)を、内側ケーシング(16)の内側突起(62)と、外側ケーシング(11)の外側突起(61)とにより構成しているので、簡易な構造で且つ確実に吐出管(27)の折損を防止することができる。
【0060】
また、請求項4の発明によれば、内側ケーシング(16)の横方向の変位を規制することができるので、内側ケーシング(16)の変位を吐出管(27)の変形が許容される所定量以下に確実に制限することができる。
【0061】
また、請求項5の発明によれば、外側ケーシング(11)、内側ケーシング(16)、突起(59)、内側突起(62)及び外側突起(61)の摩耗粉を磁石(64)によって吸着するようにしたので、外側ケーシング(11)の底部に貯溜されている油が汚れることなく維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る圧縮機の全体構成を示す断面図である。
【図2】外側上蓋部の断面図である。
【符号の説明】
(11) 外側ケーシング
(12) 外側胴部
(13) 外側上蓋部
(13a) 下端面
(14) 外側下蓋部
(16) 内側ケーシング
(23) コイルバネ
(27) 吐出管
(30) 圧縮機構
(40) 電動機
(56) 上方制限部
(57) 下方制限部
(59) 突起
(61) 外側突起
(62) 内側突起
(64) 磁石

Claims (5)

  1. 外側ケーシング(11)と、該外側ケーシング(11)内に弾性的に支持された内側ケーシング(16)とを備え、内側ケーシング(16)に圧縮機構(30)及び該圧縮機構(30)を駆動する電動機(40)が収納された圧縮機であって、
    上記外側ケーシング(11)及び内側ケーシング(16)を貫通し、上記外側ケーシング(11)に対する内側ケーシング(16)の変位を許容する吐出管(27)と、
    上記外側ケーシング(11)に対する内側ケーシング(16)の上下方向の変位を所定量以下に制限する変位制限手段(56,57)とを備えている
    ことを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記外側ケーシング(11)は、筒状の胴部(12)と、該胴部(12)の両端に固定される一対の蓋部(13,14)とからなり、
    上記胴部(12)の上端に固定された上側の蓋部(13)は、胴部(12)の内側に嵌合し、
    上記変位制限手段の上方制限部(56)は、上記上側の蓋部(13)と、該上側の蓋部(13)の下端面(13a)に当接可能に内側ケーシング(16)の外面に突設された突起(59)とにより構成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項1において、
    上記変位制限手段の下方制限部(57)は、外側ケーシング(11)の内面下端部から上方に突出する外側突起(61)と、該外側突起(61)の上端面に当接可能に内側ケーシング(16)の外面下端部から下方に突出する内側突起(62)とにより構成されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項3において、
    上記内側ケーシング(16)の外面下端部と外側ケーシング(11)の内面下端部との間には、内側ケーシング(16)を弾性的に支持するためのコイルバネ(23)が上下方向に伸縮可能に配設され、
    上記外側突起(61)及び内側突起(62)は、それぞれコイルバネ(23)の内側に配置されている
    ことを特徴とする圧縮機。
  5. 請求項2から4の何れか1項において、
    上記外側ケーシング(11)の内側底部には、摩耗粉を吸着するための磁石(64)が配置されている
    ことを特徴とする圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103527489A (zh) * 2013-07-23 2014-01-22 广东美芝制冷设备有限公司 旋转压缩机和具有其的冷冻循环装置
WO2015010260A1 (zh) * 2013-07-23 2015-01-29 广东美芝制冷设备有限公司 旋转压缩机和具有其的冷冻循环装置
CN112253458A (zh) * 2020-10-13 2021-01-22 珠海格力电器股份有限公司 一种双层壳体压缩机及空调器

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