JP2005002618A - ブラスト装置の吊り下げ方法及び吊り下げ機構 - Google Patents

ブラスト装置の吊り下げ方法及び吊り下げ機構 Download PDF

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Abstract

【課題】短期間で安価に、かつ、安全に取付けを行うことが可能で、ブラスト作業性も優れたブラスト装置の吊り下げ方法及び吊り下げ機構を提供する。
【解決手段】構造物11の表面12にブラスト材13を吹き付けて構造物11の表面12を研掃するブラスト装置14を吊り下げるブラスト装置の吊り下げ方法であって、構造物11のブラスト作業面12aの上部に配置された複数のアンカー部材15に水平ワイヤ16を配設する工程と、水平ワイヤ16に構造物11の周囲を移動可能な横移動台車18を取付け、横移動台車18にブラスト装置14を吊り下げる垂直ワイヤ19の上端部を固定する工程とを有し、吊り下げ機構10は水平ワイヤ16に、水平ワイヤ16の一端20が固着されていると共に、構造物11に水平状態で巻き付けられた水平ワイヤ16の中間部をロック可能に保持する把持部21を有するワイヤ緊張手段17を設けている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構築物の表面にブラスト材を吹き付けて構造物の表面を研掃するブラスト装置を吊り下げるブラスト装置の吊り下げ方法及び吊り下げ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、既存の構造物の一例であるコンクリート柱の表面に新しいコンクリート層を設けて補強する場合に、コンクリート層の接合強度を高めるために、ブラスト手段を用いて、既存のコンクリート表面にブラスト材の一例である小さな鋼球を吹き付けて表面を削ると共に、表面を粗くするように表面を研掃している。このようなブラスト手段を備えたブラスト装置の一例として、作業車に上下動及び前後動可能に設けた移動支柱に硬球噴射体を取付け、この硬球噴射体に硬球噴射ノズル(吹き付け機構)をコンクリート表面に対して上下又は左右に移動可能に取付け、さらに、硬球噴射ノズルに硬球移送管が接続されて、硬球移送管を地上に設けた硬球分離装置に接続した形態のものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−008739号公報(要約、図1〜図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1記載のブラスト装置においては、作業車を必要とすると共に、コンクリート柱が高くなると、作業車に設けた移動支柱を移動するための駆動構造が複雑で大型化するため、設備費用が高くなると共に、操作性が劣っていた。この点を改善する別の装置として、コンクリート柱の上端部に、複数のアンカー部材を打設し、アンカー部材を介してコンクリート柱を囲んで設けられたリング状のガイドレールに揚重機の一例であるホイストを取付け、このホイストにブラスト装置を吊り下げてブラスト装置を昇降させる形態のものが知られている。
このブラスト装置の吊り下げ方法においては、ブラスト装置の上昇又は下降による一回の垂直面の研掃幅は約300mmであるので、コンクリート柱の全周をブラストするためには、ホイストをコンクリート柱の周方向にガイドレールに沿って順次、移動させている。
しかしながら、このブラスト装置の吊り下げ方法においては、未だ解決すべき以下のような問題があった。
ブラストするコンクリート柱の直径はいろいろあるので、直径が異なる毎に所定の直径を有するガイドレールを製作する必要があり、これにより、施工期間が長くなると共に、工事費用が高くなった。また、重量のあるガイドレールをコンクリート柱の上端部に取付ける作業は高所作業のため、危険な作業であった。さらに、コンクリート柱が高くなると、ホイストの揚程が不足するため、上下方向に複数回に分けてブラストすることになり、ブラストの作業性が劣っていた。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、短期間で安価に、しかも、安全に取付け作業を行うことが可能で、ブラストの作業性も優れたブラスト装置の吊り下げ方法及び吊り下げ機構を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係るブラスト装置の吊り下げ方法は、構築物の表面にブラスト材を吹き付けて前記構造物の表面を研掃するブラスト装置を吊り下げるブラスト装置の吊り下げ方法であって、
前記構築物のブラスト作業面の上部位置に高さを揃えて配置された複数のアンカー部材に水平ワイヤを配設する工程と、
前記水平ワイヤに前記構造物の周囲を移動可能な横移動台車を取付け、該横移動台車に前記ブラスト装置を吊り下げる垂直ワイヤの上端部を固定する工程とを有し、
しかも、前記水平ワイヤには、該水平ワイヤの一端が固着されていると共に、前記構造物に水平状態で巻き付けられた前記水平ワイヤの中間部をロック可能に保持する把持部を有するワイヤ緊張手段を設けている。
これによって、一端が固着されていると共に中間部をロック可能に保持する把持部を有するワイヤ緊張手段が設けられた水平ワイヤをアンカー部材上に、構造物に水平状態で巻き付けて配置し、次いで、水平ワイヤに構造物の周囲を移動可能な横移動台車を取付け、さらに、横移動台車に固定した垂直ワイヤにブラスト装置を吊り下げることができる。
【0007】
第2の発明に係るブラスト装置の吊り下げ方法は、第1の発明に係るブラスト装置の吊り下げ方法において、前記ブラスト装置は、前記垂直ワイヤの中間部を把持状態で該ブラスト装置を昇降させる電動型昇降手段を有する。これによって、ブラスト装置自体が、垂直ワイヤに沿って昇降することができ、しかも、昇降ストロークが長くても、従来のように複数回に分けてブラストする必要が無く、1回でブラストすることができる。
【0008】
前記目的に沿う第3の発明に係るブラスト装置の吊り下げ機構は、構築物の表面にブラスト材を吹き付けて前記構造物の表面を研掃するブラスト装置を吊り下げるためのブラスト装置の吊り下げ機構であって、
前記構築物のブラスト作業面の上部位置にあって、実質的に同一高さ位置に取付けられた複数のアンカー部材と、
前記アンカー部材に保持され前記構造物を囲む水平ワイヤと、
前記水平ワイヤを前記構造物の周囲に緊張状態で取付けるワイヤ緊張手段と、
前記水平ワイヤに掛止し、前記構造物の周囲を移動可能な横移動台車と、
前記横移動台車にその上端が固定されて、前記ブラスト装置を吊り下げる垂直ワイヤとを有する。
これによって、複数のアンカー部材上に、構造物を囲む水平ワイヤをワイヤ緊張手段により構造物の周囲に緊張状態で取付け、構造物の周囲を移動可能な横移動台車を水平ワイヤに掛止し、横移動台車に垂直ワイヤを介してブラスト装置を吊り下げることにより、構築物の周囲の長さが変わったとしても、水平ワイヤに掛止した横移動台車を構造物の周囲に移動することができる。
【0009】
第4の発明に係るブラスト装置の吊り下げ機構は、第3の発明に係るブラスト装置の吊り下げ機構において、前記ワイヤ緊張手段は、前記水平ワイヤの一端が固着されていると共に、前記構造物に水平状態で巻き付けられた前記水平ワイヤの中間部をロック可能に保持する把持部を有する。これによって、構築物の周囲の長さが変わったとしても、一本の長い水平ワイヤで対応することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るブラスト装置の吊り下げ機構を模式的に示す正面図、図2は同ブラスト装置の吊り下げ機構を模式的に示す平面図、図3は同ブラスト装置の吊り下げ機構のワイヤ緊張手段の構成図、図4は図3の矢視A−A断面図、図5は本発明の一実施の形態に係るブラスト装置の吊り下げ機構の横移動台車の側面図、図6は同正面図、図7はブラスト装置の部分側断面図、図8は同正面図である。
【0011】
図1〜図3及び図7に示すように、本発明の一実施の形態に係るブラスト装置の吊り下げ機構10は、構築物の一例であるコンクリート柱11の表面12にブラスト材の一例である多数の鋼球( 以下、単に鋼球と呼ぶ) 13を吹き付けてコンクリート柱11の表面12を研掃するブラスト装置14を吊り下げる機構である。ブラスト装置の吊り下げ機構10は、コンクリート柱11のブラスト作業面12aの上部位置にあって、実質的に同一高さ位置に取付けられた複数(本実施の形態では4個)のアンカー部材15と、アンカー部材15に横移動可能に固定されコンクリート柱11を囲む水平ワイヤ16と、水平ワイヤ16をコンクリート柱11の周囲に緊張状態で取付けるワイヤ緊張手段17と、水平ワイヤ16に掛止し、コンクリート柱11の周囲を移動可能な横移動台車18と、横移動台車18にその上端が固定されて、ブラスト装置14を吊り下げる垂直ワイヤ19とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0012】
図1及び図2に示すように、棒状のアンカー部材15は、コンクリート柱11のブラスト作業面12aの上部の外周に水平方向に間隔をあけて配置され、水平ワイヤ16が落下するのを防止するために、先端部には図示しない落下防止片が設けられている。アンカー部材15は実質的に水平方向に配置され、しかも、半径方向に突出して設けられている。アンカー部材15の地上からの高さHは、一例として、約50mとする。
【0013】
水平ワイヤ16は4個のアンカー部材15上にコンクリート柱11の上部の周囲を囲んで実質的に水平に載置されており、しかも、水平ワイヤ16には、水平ワイヤ16の長さや張力を調整するためのワイヤ緊張手段17が接続されている。即ち、ワイヤ緊張手段17は、図1〜図3に示すように、水平ワイヤ16の一端20が固着されていると共に、コンクリート柱11に水平状態で巻き付けられた水平ワイヤ16の中間部をロック可能に保持する把持部21を有している。しかも、水平ワイヤ16の他端部には、水平ワイヤ16の他端が抜けるのを防止するためのストッパー22が設けられており、ストッパー22はねじ機構により着脱可能になっている。
【0014】
図3及び図4に示すように、ワイヤ緊張手段17の把持部21は、水平ワイヤ16の出入りをガイドすると共に、手動操作レバー24(図1参照)により減速機(図示せず)を介して回転するドライブローラ25と、水平ワイヤ16の張力Tによって水平ワイヤ16をドライブローラ25に押し付けてロックする押し付け部25aとを有している。
【0015】
図3及び図4を参照して、ワイヤ緊張手段17により水平ワイヤ16の長さや張力Tを調整するメカニズムについて説明する。
水平ワイヤ16に吊り下げられた横移動台車18、垂直ワイヤ19及びブラスト装置14等の自重による張力Tが水平ワイヤ16にa方向(略水平方向)に作用すると、ドライブローラ25の左側にオフセットして配置されたガイドシーブ26がb方向に移動する。ガイドシーブ26がb方向に移動すると、ガイドシーブ26に基端部が連結されたシーブプレート27及びシーブプレート27の先端部に連結されたローラチェーンキット28もドライブローラ25に対して反時計回りに移動する。
【0016】
ローラチェーンキット28の移動により、ローラチェーンキット28に所定のピッチで設けられた押えローラ29はドライブローラ25の中心Oに向かうc方向に移動し、水平ワイヤ16をV溝部30に押し込むことになる。
水平ワイヤ16がV溝部30に押し込まれると、楔作用により更にd方向の力が作用し、水平ワイヤ16とドライブローラ25との間に大きな摩擦力が発生することになる。
【0017】
この摩擦力は水平ワイヤ16の張力Tに比例するため、水平ワイヤ16は張力Tに応じた保持力で確実にドライブローラ25にロックされ、この状態で手動操作レバー24によりドライブローラ25を反時計回りに回転すると、ガイドシーブ26側の水平ワイヤ16をドライブローラ25に取り込むことになり、コンクリート柱11の上部の周囲を囲む水平ワイヤ16の長さを短くすることになる。
【0018】
一方、手動操作レバー24によりドライブローラ25を時計回りに回転すると、ストッパー22側の水平ワイヤ16をドライブローラ25に取り込むことになり、コンクリート柱11の上部の周囲を囲む水平ワイヤ16の長さを長くすることになる。かかる構成により、ワイヤ緊張手段17の手動操作レバー24を操作することにより水平ワイヤ16の長さを調整することができるので、コンクリート柱11の直径に応じて水平ワイヤ16をコンクリート柱11に巻き付けることができる。
【0019】
図5及び図6に示すように、横移動台車18は正面視して略矩形枠状に形成された鋼板製の台車フレーム31と、台車フレーム31の上下、左右の4隅に設けられ、かつ、軸受(図示せず)を介してコンクリート柱11の表面12を転動する4個の水平ガイドローラ32〜35と、台車フレーム31の外側に設けられ、接続金具(図示せず)を介して垂直ワイヤ19の上端を固定する固定用孔36が先端部に形成されたワイヤ固定部材37と、水平ワイヤ16が掛止する掛止部38が形成され、走行(左右)方向に間隔をあけて台車フレーム31の上部の水平ガイドローラ32、33近傍にそれぞれ設けられた板状のワイヤ掛止金具39、40とを備えている。
【0020】
かかる構成によって、水平ワイヤ16をアンカー部材15上に載置した後、横移動台車18のワイヤ掛止金具39、40を水平ワイヤ16に掛止して、横移動台車18の水平ガイドローラ32〜35がコンクリート柱11の表面12に接するように、水平ワイヤ16の長さや張力Tをワイヤ緊張手段17によって調整することができる。さらに、台車フレーム31の上部の走行方向中間位置には、ねじ機構からなる位置決め手段41が設けられており、ワイヤ掛止金具39、40の掛止部38に掛止された水平ワイヤ16を位置決め手段41により台車フレーム31に固定して、横移動台車18を水平ワイヤ16に位置決めするようになっている。
【0021】
図1及び図5に示すように、横移動台車18のワイヤ固定部材37の先端部には地表まで届く長さの垂直ワイヤ19が固定されており、垂直ワイヤ19の中間部には、垂直ワイヤ19に沿って昇降可能なブラスト装置14が吊り下げられている。
図1、図7及び図8に示すように、ブラスト手段42を下部に取付けたブラスト装置14は上部に、垂直ワイヤ19の中間部を把持状態でブラスト装置14を昇降させる電動型昇降手段23を有している。電動型昇降手段23の詳細を示していないが、ワイヤ緊張手段17の把持部21と同じ機構、即ち、ドライブローラと、垂直ワイヤ19の張力Sによって垂直ワイヤ19をドライブローラに押し付けてロックする押し付け機構とを有している。即ち、垂直ワイヤ19はエンドレスタイプとなっている。
【0022】
図7及び図8に示すように、電動型昇降手段23のドライブローラは、サーボモータ43により減速機44を介して回転駆動される。また、垂直ワイヤ19の下端部にはブラスト装置14の落下防止用のストッパー22a(図1参照)が設けられており、ストッパー22aは水平ワイヤ16のストッパー22と同様、ねじ機構により着脱可能になっている。
【0023】
かかる構成により、電動型昇降手段23のサーボモータ43を正回転駆動することによって、ブラスト装置14は垂直ワイヤ19に沿って上昇し、一方、サーボモータ43を逆回転駆動することによって、ブラスト装置14は垂直ワイヤ19に沿って下降することにより、ブラスト手段42がコンクリート柱11の表面12に沿って昇降することができる。なお、ブラスト手段42の昇降速度は、ブラスト条件(コンクリート柱11のブラスト作業面12aの状況、吹き付ける鋼球13のサイズ、吹き付け量、吹き付け速度、吹き付け時間等)を考慮して、約0.6〜6m/minとしている。
【0024】
図7及び図8を参照しながら、昇降フレーム45を介してブラスト装置14に設けられたブラスト手段42について説明する。
昇降フレーム45は、鋼板や鋼管等を組み合わせて形成されており、内側に吸引部50が設けられている。ブラスト手段42は球径が1.4mmの鋼球13を遠心力により吹き飛ばす回転羽根46と、回転羽根46により吹き飛ばされた鋼球13を所定の上向き傾斜角度α(=25〜35°)でガイドする鋼球ガイド47と、鋼球ガイド47の先部とラップして配置され、コンクリート柱11の表面12に衝突する鋼13の外部への飛散及び落下を防止する下側飛散防止カバー48とを有している。
【0025】
ブラスト手段42は、さらに、コンクリート柱11の表面12で反射した鋼球13の上側への飛散を防止すると共に、吸引部50の一部を構成する上側飛散防止カバー51と、コンクリート柱11の表面12で反射した鋼球13を回収し、この鋼球13を回転羽根46に供給する回収ボックス52とを備えている。回転羽根46は所定の間隔をあけて対向して配置された円板状の一対のディスクの間に、円周方向に等ピッチで複数のブレード49を放射状に配置した構成となっている。回収ボックス52内の鋼球13は、ゲート、ディストリビュータ、コントローラを介して、下部に配置されたモータ53により駆動される回転羽根46に供給されて、コンクリート柱11の表面12に遠心投射されるように構成されている。
【0026】
図7及び図8に示すように、ブラスト手段42には、コンクリート柱11の表面12の研掃面54を覆うリング状に形成された吸着パッド55が昇降フレーム45を介して設けられており、ブラスト手段42は研掃面54に吸着パッド55を吸着させた状態で、コンクリート柱11の表面12の研掃を行うことができるように構成されている。なお、吸着パッド55の外径Dは550mm程度、材質はシリコン製としている。
【0027】
吸着パッド55の中央部を除く両側にはそれぞれ、付勢部材(コイルスプリング)を備えた複数の押し付け機構(例えば、スプリング付きボルト)が、昇降フレーム45にフランジを介して取付けられている。この押し付け機構により、コンクリート柱11の表面12が垂直方向に直線で水平方向に湾曲する曲面であっても、吸着パッド55の周囲をコンクリート柱11の表面12に密着させることができるようになっている。なお、図7及び図8に示すように、吸着パッド55をコンクリート柱11の表面12に対して適切な位置に配置すると共に、吸着パッド55に無理な力をかけて損傷させないように、吸着パッド55の外側近傍の上下にはそれぞれ、水平方向に間隔をあけて2個の位置決め部材56が設けられている。
【0028】
図7及び図8に示すように、コンクリート柱11の表面12を研掃する際発生する研掃屑である粉塵は、昇降フレーム45の上部で、しかも、コンクリート柱11の表面12側に開口した吸引部50の後部に設けられた集塵配管の一部を構成する集塵パイプ57に取り込まれるようになっている。なお、吸引部50の幅W、即ち、研掃面54の幅(鋼球13の投射幅)は300mm程度としている。
【0029】
図1及び図7に示すように、ブラスト手段42の集塵パイプ57には、地上に固定配置された集塵装置(図示せず)に接続された集塵配管の一部を構成する集塵ホース58が連通されている。集塵装置にはブロア及び除塵手段が設けられており、集塵装置は集塵ホース58、集塵パイプ57を介して吸引部50のエアを粉塵と共に吸引し、粉塵を分離することができる。集塵装置のブロアによって吸引部50のエア及び粉塵が吸引されて吸引部50が負圧になるため、吸着パッド55を研掃面54に吸着させることができる。なお、図7、図8中の符号59は制御盤を、符号60は吸引部50に設けられ、粉塵を含むエアの流路を変えるための衝突板を、符号61は電源ボックスを、符号62は回転羽根46の下方に貯まる鋼球13をエジェクタを介して回収ボックス52に回収するための鋼球回収用配管を表している。また、図1中の符号63は地上から鋼球回収用配管62に高圧のエアを供給するためのエアホースを、符号64は地上からブラスト装置14に電力を供給するための電線を表している。
【0030】
次いで、本発明の一実施の形態に係るブラスト装置の吊り下げ方法を適用したブラスト作業について、主として図1及び図2を参照しながら説明する。
(1)準備作業
(1−1)アンカー部材15、ワイヤ緊張手段17を取付けた水平ワイヤ16、横移動台車18、垂直ワイヤ19、ブラスト装置14及び集塵装置等、ブラスト作業に必要な機器をトラックにより研掃の対象となるコンクリート柱11のある場所に搬送する。なお、ブラスト手段42には既に、鋼球13がセットされているものとする。
【0031】
(1−2)コンクリート柱11のブラスト作業面12aの上部位置に高さを揃えて4本のアンカー部材15を取付ける。
(1−3)4本のアンカー部材15上に、水平ワイヤ16を配設し、しかも、水平ワイヤ16の一端20が固着されていると共に、コンクリート柱11に水平状態で巻き付けられた水平ワイヤ16の中間部をロック可能に保持する把持部21を有するワイヤ緊張手段17を設ける。
(1−4)水平ワイヤ16にコンクリート柱11の周囲を移動可能な横移動台車18を取付ける。この際、水平ワイヤ16に横移動台車18のワイヤ掛止金具39、40を掛止すると共に、横移動台車18の水平ガイドローラ32〜35がコンクリート柱11の表面12に接するように、ワイヤ緊張手段17によって水平ワイヤ16の長さや張力を調整する。なお、横移動台車18は作業開始位置に設定する。
【0032】
(1−5)ブラスト装置14を吊り下げるための垂直ワイヤ19の上端を、接続金具を介して横移動台車18のワイヤ固定部材37に固定する。
(1−6)垂直ワイヤ19の下端部に、電動型昇降手段23の把持部によりブラスト装置14を保持する。
(1−7)垂直ワイヤ19に張力Sをかけながら電動型昇降手段23のサーボモータ43を駆動して、地面に載置されたブラスト装置14を垂直ワイヤ19に沿って上側に移動させ、地面から所定の高さ位置まで吊り上げる。
(1−8)ブラスト手段42の集塵パイプ57に集塵ホース58を接続する。
【0033】
(2)ブラスト作業
(2−1)集塵装置、ブラスト装置14の電動型昇降手段23及びブラスト手段42を運転して、ブラスト装置14をゆっくり上昇させながら、ブラスト手段42の回転羽根46によりコンクリート柱11の表面12に鋼球13をショットブラストする。
(2−2)鋼球13によりショットブラストされたコンクリート柱11の表面12から粉塵が発生し、吸引部50内の粉塵は、集塵パイプ57及び集塵ホース58を介して集塵装置に吸引されてエアと分離される。
(2−3)一方、コンクリート柱11の表面12から反射した鋼球13は、回収ボックス52に回収され、再度回転羽根46によりコンクリート柱11の表面12に吹き付けられる。
【0034】
(2−4)前記(2−1)〜(2−3)を繰り返して行い、コンクリート柱11のブラスト作業面12aの下部から上部まで所定の高さ分ショットブラストを行う。これにより、幅が約300mm程度の研掃された面をコンクリート柱11の垂直面に形成することができる。
(2−5)集塵装置、ブラスト装置14の電動型昇降手段23及びブラスト手段42を停止する。
(2−6)横移動台車18を人手により、水平ワイヤ16に沿って約300mm時計回りに移動して横移動台車18を水平ワイヤ16に固定する。この際、ワイヤ緊張手段17により水平ワイヤ16の張力や長さを調整する。
(2−7)集塵装置、ブラスト装置14の電動型昇降手段23及びブラスト手段42を再び運転して、ブラスト装置14をゆっくり下降させながら、ブラスト手段42の回転羽根46によりコンクリート柱11の表面12に鋼球13をショットブラストする。
【0035】
(2−8)前記(2−2)及び(2−3)を繰り返して行い、コンクリート柱11のブラスト作業面12aの上部から下部まで所定の高さ分ショットブラストする。これにより、幅が約600mm程度のブラスト作業が終了した面をコンクリート柱11の垂直面に形成することができる。
(2−9)前記(2−1)〜(2−8)を所定の回数繰り返して行い、コンクリート柱11の全周をショットブラストする。
(3)撤去作業
撤去作業は基本的には準備作業と逆の順序で行う。従って、説明は割愛する。
【0036】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のブラスト装置の吊り下げ方法及び吊り下げ機構を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
ブラスト装置の吊り下げ機構10においては、ワイヤ緊張手段17は、水平ワイヤ16の一端が固着されていると共に、コンクリート柱11に水平状態で巻き付けられた水平ワイヤ16の中間部をロック可能に保持する把持部21を有する構成としたが、これに限定されず、必要に応じて、その他の構成のワイヤ緊張手段を用いて水平ワイヤを配設することもできる。
【0037】
垂直ワイヤ19の中間部を把持状態でブラスト装置14を昇降させる電動型昇降手段23を設けたが、これに限定されず、状況に応じて、横移動台車18にホイストを設け、昇降手段の無いブラスト装置をホイストに吊り下げることもできる。
構築物をコンクリート柱11として説明したが、これに限定されず、必要に応じて、その他の構造物、例えば、塗装をするためにショットブラストする鋼製の柱としてもよい。従って、ブラスト材を鋼球13としたが、これに限定されず、必要に応じて、その他の硬球、例えば、プラスチック、セラミック等を使用してもよい。
コンクリート柱の断面形状を円形としたが、これに限定されず、必要に応じて、垂直方向に直線で水平方向に湾曲する曲面であれば、断面形状が円形でなくてもよい。
【0038】
【発明の効果】
請求項1、2記載のブラスト装置の吊り下げ方法においては、アンカー部材上に、一端が固着されていると共に中間部をロック可能に保持する把持部を有するワイヤ緊張手段が設けられた水平ワイヤを構造物に水平状態で巻き付けて配置し、水平ワイヤに構造物の周囲を移動可能な横移動台車を取付け、さらに、横移動台車に固定した垂直ワイヤにブラスト装置を吊り下げることができるので、構築物の周囲の長さが変わったとしても、一本の水平ワイヤで対応することができ、この結果、従来のガイドレールの場合に比較して、短期間で安価に、しかも、安全に取付け作業を行うことが可能である。さらに、取付け作業が簡略化されると共に、ハンドリング性が向上し、しかも、ワイヤ緊張手段がコンパクトにできる。
【0039】
特に、請求項2記載のブラスト装置の吊り下げ方法においては、ブラスト装置自体が、垂直ワイヤに沿って昇降することができ、しかも、昇降ストロークが長くても、従来のように複数回に分けてブラストする必要が無く、1回でブラストすることができるので、昇降手段が簡略化されてコンパクトになり、かつ、ブラスト作業性が向上する。
請求項3、4記載のブラスト装置の吊り下げ機構においては、複数のアンカー部材上に、ワイヤ緊張手段により構造物の周囲に緊張状態で取付けた水平ワイヤに横移動台車を掛止し、横移動台車に垂直ワイヤを介してブラスト装置を吊り下げることにより、構築物の周囲の長さが変わったとしても、横移動台車を構造物の周囲に移動することができる。従って、従来のガイドレールの場合に比較して、短期間に安価に、しかも、安全に取付け作業を行うことが可能である。
特に、請求項4記載のブラスト装置の吊り下げ機構においては、構築物の周囲の長さが変わったとしても、一本の水平ワイヤで対応することができるので、取付け作業が簡略化されると共に、ハンドリング性が向上し、しかも、ワイヤ緊張手段がコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るブラスト装置の吊り下げ機構を模式的に示す正面図である。
【図2】同ブラスト装置の吊り下げ機構を模式的に示す平面図である。
【図3】同ブラスト装置の吊り下げ機構のワイヤ緊張手段の構成図である。
【図4】図3の矢視A−A断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るブラスト装置の吊り下げ機構の横移動台車の側面図である。
【図6】同正面図である。
【図7】ブラスト装置の部分側断面図である。
【図8】同正面図である。
【符号の説明】
10:ブラスト装置の吊り下げ機構、11:コンクリート柱(構築物)、12:表面、12a:ブラスト作業面、13:鋼球(ブラスト材)、14:ブラスト装置、15:アンカー部材、16:水平ワイヤ、17:ワイヤ緊張手段、18:横移動台車、19:垂直ワイヤ、20:一端、21:把持部、22、22a:ストッパー、23:電動型昇降手段、24:手動操作レバー、25:ドライブローラ、25a:押し付け部、26:ガイドシーブ、27:シーブプレート、28:ローラチェーンキット、29:押えローラ、30:V溝部、31:台車フレーム、32〜35:水平ガイドローラ、36:固定用孔、37:ワイヤ固定部材、38:掛止部、39、40:ワイヤ掛止金具、41:位置決め手段、42:ブラスト手段、43:サーボモータ、44:減速機、45:昇降フレーム、46:回転羽根、47:鋼球ガイド、48:下側飛散防止カバー、49:ブレード、50:吸引部、51:上側飛散防止カバー、52:回収ボックス、53:モータ、54:研掃面、55:吸着パッド、56:位置決め部材、57:集塵パイプ(集塵配管)、58:集塵ホース(集塵配管)、59:制御盤、60:衝突板、61:電源ボックス、62:鋼球回収用配管、63:エアホース、64:電線

Claims (4)

  1. 構築物の表面にブラスト材を吹き付けて前記構造物の表面を研掃するブラスト装置を吊り下げるブラスト装置の吊り下げ方法であって、
    前記構築物のブラスト作業面の上部位置に高さを揃えて配置された複数のアンカー部材に水平ワイヤを配設する工程と、
    前記水平ワイヤに前記構造物の周囲を移動可能な横移動台車を取付け、該横移動台車に前記ブラスト装置を吊り下げる垂直ワイヤの上端部を固定する工程とを有し、
    しかも、前記水平ワイヤには、該水平ワイヤの一端が固着されていると共に、前記構造物に水平状態で巻き付けられた前記水平ワイヤの中間部をロック可能に保持する把持部を有するワイヤ緊張手段を設けていることを特徴とするブラスト装置の吊り下げ方法。
  2. 請求項1記載のブラスト装置の吊り下げ方法において、前記ブラスト装置は、前記垂直ワイヤの中間部を把持状態で該ブラスト装置を昇降させる電動型昇降手段を有することを特徴とするブラスト装置の吊り下げ方法。
  3. 構築物の表面にブラスト材を吹き付けて前記構造物の表面を研掃するブラスト装置を吊り下げるためのブラスト装置の吊り下げ機構であって、
    前記構築物のブラスト作業面の上部位置にあって、実質的に同一高さ位置に取付けられた複数のアンカー部材と、
    前記アンカー部材に保持され前記構造物を囲む水平ワイヤと、
    前記水平ワイヤを前記構造物の周囲に緊張状態で取付けるワイヤ緊張手段と、
    前記水平ワイヤに掛止し、前記構造物の周囲を移動可能な横移動台車と、
    前記横移動台車にその上端が固定されて、前記ブラスト装置を吊り下げる垂直ワイヤとを有することを特徴とするブラスト装置の吊り下げ機構。
  4. 請求項3記載のブラスト装置の吊り下げ機構において、前記ワイヤ緊張手段は、前記水平ワイヤの一端が固着されていると共に、前記構造物に水平状態で巻き付けられた前記水平ワイヤの中間部をロック可能に保持する把持部を有することを特徴とするブラスト装置の吊り下げ機構。
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