JP2005002393A - スケール除去剤組成物 - Google Patents

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Kumiko Ohashi
くみこ 大橋
Haruka Takei
遼 武井
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Adeka Corp
Adeka Clean Aid Corp
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Adeka Clean Aid Corp
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Abstract

【課題】本発明の目的は、スケール除去性に優れ、ステンレス等の材質への腐食や損傷が少ない、自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物を提供することである。
【解決手段】本発明は、スケール除去性に優れ、ステンレス等の材質への腐食や損傷が少ない、自動食器洗浄機用のスケール除去剤組成物であり、(A)成分として塩酸及び/または硝酸を1〜10重量%、(B)成分として有機酸を1〜40重量%含有し、残部が水であることを特徴とする自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物を提供するものである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動食器洗浄機のスケール除去剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ホテル,レストラン,給食会社,病院,会社の食堂等において、使用後の食器を効率よく洗浄するために、自動食器洗浄機が広く用いられている。
また、食品に限らず各種製造工場,加工工場等においても、器具や容器、流通に用いられるプラスチックコンテナ等を洗浄するために自動洗浄機が用いられている。近年では、家庭においても自動食器洗浄機が広く使用されるようになっている。
【0003】
自動食器洗浄機用洗浄剤はアルカリ性であり、かつ高温で使用されることから、たとえば水道水中のカルシウム、マグネシウムなど硬度成分由来のスケール物質を生成する。
【0004】
従来、硬度成分由来のスケール除去剤としては、塩酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸などの無機酸や、シュウ酸、クエン酸などの有機酸が使用されている。
しかし、塩酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸などの無機酸の場合、劇物・毒物であるため配合量に制限があるものや、安全上の問題があること、リン分など環境に与える影響が大きいなどの問題があった。また、ステンレスや鋳鉄、銅、銅合金などを腐食するなどの問題があった。つまり、これらをそのまま食器洗浄機のスケール除去に使用した場合、安全や環境上の問題や、食器洗浄機の材質に腐食などの損傷を与えるという問題があった。一般に食器洗浄機のポンプ等の駆動系には鋳鉄、銅合金が使用されている部分があるため、腐食耐性の高いステンレス素材の機器を対象としたスケール除去剤を用いることは出来なかった。また食器洗浄機内に発生するスケールは、食器等から除去された汚れ、つまり食品由来の有機物等とコンプレックスを形成している。よって、水系で発生する無機系の純粋なスケールの除去を目的としたスケール除去剤では、必ずしも十分な除去性能を得られなかった。
【0005】
スケール除去剤の安全性や環境への負荷などの問題や腐食の問題の解決方法として、スルファミン酸と有機カルボン酸の併用(特許文献1参照)、ホスホン酸、カルボキシル基を2個以上持つ有機酸およびキレート剤の併用(特許文献2参照)、スルファミン酸とショ糖脂肪酸エステルの併用(特許文献3参照)などが提案されている。しかし、これらは、リン分または硫黄分を含み、さらにスケール除去性が十分でなく、腐食の問題も十分に解決されていない。さらには、これらは、透析機器や歯科医療用機器、ボイラや熱交換器、男子用小便器などのある特定の対象に対するスケール除去剤に関しての発明であり、これらの発明から自動食器洗浄機のスケール除去に関する知見を得ることはできない。
【0006】
また、食器洗浄機向けのスケール除去剤として、硝酸尿素、アミン系腐食抑制剤、ベンゾトリアゾール誘導体を特定の配合で使用することも提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、この方法では、スケール除去性が十分ではなく、さらに多量の防食剤を使用してもステンレス等への腐食の問題も十分には解決されていなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−64069号公報
【特許文献2】
特開平6−154790号公報
【特許文献3】
特開平7−26300号公報
【特許文献4】
特開平5−179472号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、スケール除去性に優れ、ステンレス等の材質への腐食や損傷が少ない、自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の無機酸と有機酸を併用することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、(A)成分として塩酸及び/または硝酸を1〜10重量%、(B)成分として有機酸を1〜40重量%含有し、残部が水であることを特徴とする自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物を提供するものである。
【0011】
また本発明は、(B)成分の有機酸が、クエン酸、グリコール酸、イセチオン酸のうち少なくとも一種以上である前記自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物を提供するものである。
【0012】
また本発明は、さらに(C)成分として防食剤を0.01〜5重量%含有することを特徴とする前記自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物を提供するものである。
【0013】
また本発明は、リンを含む無機酸及び/または硫黄を含む無機酸を含有しないことを特徴とする前記自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物は、必須の(A)成分として、塩酸、または硝酸、あるいは塩酸と硝酸の混合物を、1〜10重量%含有する。(A)成分の含有量は、スケール除去性、腐食防止性、安全性の点から、5〜9.5重量%が好ましく、7〜9重量%がより好ましい。1重量%以上含有しないとスケール除去性に劣り、10重量%より多く含有すると腐食が発生しやすくなり、安全性や排水の環境負荷の問題などで好ましくない。
【0015】
本発明に必須の(B)成分の有機酸は、1〜40重量%含有される。有機酸の例としては、クエン酸、グリコール酸、イセチオン酸などが挙げられ、これら単独でも2種以上でもよい。特にステンレスや鉄など、自動食器洗浄機の材質に対する腐食を抑制する点から、クエン酸が好ましい。(B)成分の有機酸の含有量は、腐食抑制効果の点から、10〜35重量%が好ましく、20〜30重量%がより好ましい。1重量%以上含有しないと、腐食抑制効果が発揮されず、40重量%より多いと、使用した後に、すすぎきれずに残留しやすくなる点から好ましくない。本発明での有機酸は、鉄の表面に酸化皮膜を形成するため、腐食に効果があると考えられる。また本発明に示した有機酸は、有機物とのコンプレックスを形成したスケールの除去性能が高く、食器洗浄機内に発生するスケールに対し効果があると考えられる。
【0016】
本発明のスケール除去剤組成物には、さらに腐食を抑制するために、(C)成分として、防食剤を0.01〜5重量%配合することが好ましい。防食剤は特に限定されないが、たとえばアルカノールアミド、イミダゾリン、キノリンをはじめとする脂肪族アミンまたは芳香族アミンのカチオン誘導体、シクロヘキシルアミン、モルホリンをはじめとするアルキルアミンのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの付加物、チオ尿素およびその置換体、アルデヒド類などが挙げられる。
【0017】
防食剤の配合量は、腐食の抑制効果の点から、0.1〜3重量%が好ましく、0.5〜1重量%がより好ましい。
【0018】
本発明のスケール除去剤組成物には、安全性や環境に対する負荷の問題から、リンを含む無機酸や硫黄を含む無機酸を含有しないことが好ましい。リンを含む無機酸の例としては、リン酸、亜燐酸(ホスホン酸)等が挙げられ、硫黄を含む無機酸の例としては、硫酸、亜硫酸、スルファミン酸等が挙げられ、さらに本発明ではこれらの塩も該当する。
【0019】
本発明のスケール除去剤組成物には、上記(A)〜(C)成分以外に、任意の成分として、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸等およびそれらの塩をはじめとするキレート剤、pH緩衝剤、洗浄助剤、界面活性剤、消泡剤、溶剤、高分子分散剤、色素、香料等が挙げられる。
【0020】
本発明のスケール除去剤組成物は、上記(A)〜(C)成分、さらに任意成分の残部として水を使用する。その製造方法は、これら成分を水に溶解すればよい。
【0021】
本発明のスケール除去剤組成物は、家庭用、業務用の自動食器洗浄機に使用される。さらには、厨房内設備や厨房機器、調理器具等のスケール除去にも優れた性能を示す。
【0022】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0023】
表1に示した配合で本発明のスケール除去剤組成物を調整した。
次に、本発明のスケール除去剤組成物の効果を確認するために、スケール除去試験、腐食度試験(ステンレス、鉄)を下記の評価方法で行ない評価し、結果を表1に示した。表2に記載した比較例を同様に評価して、比較とした。
【0024】
(1)スケール除去試験
各スケール除去剤組成物5重量%水溶液1Lに、炭酸カルシウム、燐酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウムから成るタブレット(直径25mm)25gを、25℃で3分間浸漬する。直ちに溶液をグラスフィルターで濾過し水道水で共洗後、105℃で2時間乾燥する。重量増加分を炭酸カルシウム、燐酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウムの溶解残分とし、溶解率を算出する。
溶解率(%)=[(25−溶解残分)/25]×100
◎:溶解率90%以上
○:溶解率75%以上、90%未満
△:溶解率50%以上、75%未満
×:溶解率50%未満
【0025】
(2)腐食度試験−1(ステンレス)
各スケール除去剤組成物(原液)にSUS303ステンレスパネル(18%クロム、8%ニッケル、鉄)を、40℃で30日間浸漬した後の重量変化を測定する。1日の浸漬面積あたりの重量減少量を基準に腐食度を判定する。
【0026】
(3)腐食度試験―2(鉄)
各スケール除去剤組成物5重量%水溶液に鋳鉄パネル(ニッケルメッキ)を、60℃で1日間浸漬した後の重量変化を測定する。浸漬面積あたりの重量減少量を基準に腐食度を判定する。
【0027】
【表1】
表1
Figure 2005002393
*1:イビットNo.2AS(朝日化学工業(株)製)(カチオン性アミン誘導体)
【0028】
【表2】
表2
Figure 2005002393
*1:イビットNo.2AS(朝日化学工業(株)製)(カチオン性アミン誘導体)
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、スケール除去性に優れ、ステンレス等の材質への腐食や損傷が少ない、自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. (A)成分として塩酸及び/または硝酸を1〜10重量%、(B)成分として有機酸を1〜40重量%含有し、残部が水であることを特徴とする自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物。
  2. (B)成分の有機酸が、クエン酸、グリコール酸、イセチオン酸のうち少なくとも一種以上である請求項1記載の自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物。
  3. さらに(C)成分として防食剤を0.01〜5重量%含有することを特徴とする請求項1または2のいずれか一項記載の自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物。
  4. リンを含む無機酸及び/または硫黄を含む無機酸を含有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の自動食器洗浄機用スケール除去剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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