JP2005001283A - 押出機用背圧調整装置 - Google Patents
押出機用背圧調整装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005001283A JP2005001283A JP2003168567A JP2003168567A JP2005001283A JP 2005001283 A JP2005001283 A JP 2005001283A JP 2003168567 A JP2003168567 A JP 2003168567A JP 2003168567 A JP2003168567 A JP 2003168567A JP 2005001283 A JP2005001283 A JP 2005001283A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- back pressure
- flow path
- extruder
- screw
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/25—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C48/36—Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
- B29C48/50—Details of extruders
- B29C48/505—Screws
- B29C48/53—Screws having a varying channel depth, e.g. varying the diameter of the longitudinal screw trunk
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/25—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C48/255—Flow control means, e.g. valves
- B29C48/2556—Flow control means, e.g. valves provided in or in the proximity of dies
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/25—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C48/36—Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
- B29C48/362—Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using static mixing devices
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
【解決手段】押出機のスクリュ12から押し出される溶融樹脂が流通する樹脂流路14の途中に配設される押出機用背圧調整装置であって、固定ブロック21と、複数の抵抗調整体を備え、前記固定ブロック21に移動可能に取り付けられ、選択された抵抗調整体が前記樹脂流路14の一部となる可動ブロック24とを有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出機用背圧調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、樹脂フィルム、樹脂パイプ等の樹脂製の長尺部材を成形したり、金属箔(はく)、樹脂フィルム等の薄膜状の基材や金属線等の線状の基材の表面に樹脂層をコーティングしたり、複数の基材間に樹脂層を挟み込んでラミネートしたりするために、押出機から押し出された溶融樹脂を所定の断面形状を備えるダイの出口から押し出すようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この場合、押出機のスクリュにかかる背圧が押し出される樹脂の品質に大きな影響を及ぼすことが知られている。そのため、通常は、前記ダイに背圧調整装置が取り付けられている。
【0004】
図2は従来の背圧調整装置を示す断面図である。
【0005】
図において101は押出機のバレル(胴体)としてのシリンダであり、該シリンダ101の中には図示されない駆動源によって回転させられるスクリュ102が配設されている。また、前記シリンダ101の前端(図における右端)には、前記スクリュ102によって押し出された溶融樹脂の流路を直角に曲げるためのクロスヘッド103が取り付けられ、さらに、該クロスヘッド103には、図示されないダイに接続される樹脂導出管106が取り付けられている。そして、前記クロスヘッド103内には、樹脂流路104が形成され、前記シリンダ101の先端部から前記スクリュ102によって押し出された溶融樹脂が流通するようになっている。なお、前記シリンダ101の先端部には、スクリーンメッシュと該スクリーンメッシュを支持するブレーカプレートとから成る濾(ろ)過装置105が配設されている。
【0006】
ここで、前記樹脂流路104は、径が細くなるテーパ状の縮径部104a、ニードルバルブ111を収容する大径部104b、前記ニードルバルブ111のテーパ状の先端面111aと向かい合うテーパ状の拡径部104c、及び、前記大径部104bの側壁に接続され前記スクリュ102の軸方向に直交する方向に延在する直交部104dから成る。なお、該直交部104dには、前記樹脂導出管106内に形成された樹脂導出流路106aが接続される。
【0007】
また、前記クロスヘッド103には、大径部104bのスクリュ102と反対側を塞(ふさ)ぐための閉塞(そく)部材107が取り付けられている。なお、該閉塞部材107には挿入孔(こう)が形成され、該挿入孔に前記ニードルバルブ111が挿入されている。また、前記閉塞部材107にはナット部材108が取り付けられ、該ナット部材108にニードルバルブ111の後方部分(図における右方部分)に形成された雄ねじが螺(ら)合される。そして、前記ニードルバルブ111の後端(図における右端)には、図示されないハンドルや伸縮駆動手段等が取り付けられている。これにより、オペレータがハンドルを操作してニードルバルブ111を回転させると、該ニードルバルブ111は軸方向に移動する。なお、113は、閉塞部材107の挿入孔とニードルバルブ111の外周との隙(すき)間から溶融樹脂が漏れることを防止するためのシール部材であり、シール押さえ部材112によって固定されている。
【0008】
そして、前記背圧調整装置においては、オペレータが前記ハンドルを操作してニードルバルブ111を回転させることによって、前記スクリュ102にかかる背圧を調整する。この場合、ニードルバルブ111を回転させて軸方向に移動させると、ニードルバルブ111の先端面111aと前記樹脂流路104の拡径部104cとの隙間が変化し、該隙間を通過する溶融樹脂に与えられる抵抗が変化するので、前記溶融樹脂の動圧が変化して、前記スクリュ102にかかる背圧が変化する。これにより、前記スクリュ102にかかる背圧を所望の値に調整することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−179233号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の背圧調整装置は、ニードルバルブ111の先端面111aと樹脂流路104の拡径部104cとの隙間を調整するようになっているので、前記ニードルバルブ111を配設するために閉塞部材107、ナット部材108、シール部材113、シール押さえ部材112等の部材が必要であり、また、前記樹脂流路104にニードルバルブ111を収容する大径部104bや拡径部104cを形成する必要があるので、クロスヘッド103の構造が複雑になってしまう。
【0011】
また、溶融樹脂がニードルバルブ111の先端面111aと前記拡径部104cとの隙間を通過する際に、前記先端面111aに衝突した部分が高温となり、前記拡径部104cの壁面に沿って通過した部分が低温となるので、前記溶融樹脂の温度にばらつきが発生してしまう。さらに、図において矢印で示されるように、該溶融樹脂が前記大径部104b内においてニードルバルブ111の周囲を通過した後にスクリュ102の軸方向に直交する方向に延在する直交部104dに流入するようになっているので、前記溶融樹脂の滞留が発生してしまう。
【0012】
そこで、オリフィスを溶融樹脂の流路の途中に配設する背圧調整装置が提案されている。
【0013】
図3は従来の他の背圧調整装置を示す断面図である。
【0014】
この場合、クロスヘッド103は、ニードルバルブ111を有していないので、該ニードルバルブ111を配設するための閉塞部材107、ナット部材108、シール部材113、シール押さえ部材112等の部材も有していない。また、樹脂流路104は、大径部104b及び拡径部104cを備えておらず、縮径部104aに続く部分が途中で直交するだけの単純な形状となっている。ここで、樹脂導出管106内には、樹脂導出流路106aの途中にオリフィス115aを配設するためのオリフィスアダプタ115が装填(てん)されている。なお、該オリフィスアダプタ115をクロスヘッド103内の位置115’に装填して、樹脂流路104の途中にオリフィス115aを配設することもできる。そして、前記オリフィス115aを通過すると溶融樹脂に抵抗が与えられ、該溶融樹脂の動圧が上昇して、前記スクリュ102に背圧がかかるようになっている。
【0015】
そのため、クロスヘッド103の構造が簡素化され、また、樹脂流路104の形状がスムーズなので、溶融樹脂の温度にばらつきが発生したり、溶融樹脂の滞留が発生したりすることがない。
【0016】
しかし、樹脂の種類が変更されたり、成形条件が変更されたりして、スクリュ102にかかる背圧を調整することが必要な場合、前記他の背圧調整装置においては、オリフィス115aを備えるオリフィスアダプタ115を交換しなければならない。この場合、クロスヘッド103や樹脂導出管106だけでなく、図示されない周辺の機器類も取り付けたり取り外したりする必要があるので、背圧を調整するために時間がかかってしまう。また、他のサイズのオリフィス115aに交換することによって背圧を調整するので、背圧の微調整を行うことができない。さらに、前記オリフィス115aの位置がスクリュ102から離れてしまうことは、該スクリュ102にかかる背圧を調整するという観点から、望ましいことではない。
【0017】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、構造が簡素で、溶融樹脂の温度にばらつきが発生したり、該溶融樹脂の滞留が発生したりすることがなく、スクリュに近い位置において容易に背圧を調整することができる押出機用背圧調整装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の押出機用背圧調整装置においては、押出機のスクリュから押し出される溶融樹脂が流通する樹脂流路の途中に配設される押出機用背圧調整装置であって、固定ブロックと、複数の抵抗調整体を備え、前記固定ブロックに移動可能に取り付けられ、選択された抵抗調整体が前記樹脂流路の一部となる可動ブロックとを有する。
【0019】
本発明の他の押出機用背圧調整装置においては、さらに、前記固定ブロックは、円柱形状であって、前記樹脂流路の一部を構成する樹脂流通孔を備え、前記可動ブロックは、円筒形状であって、前記固定ブロックの周囲に回転可能に取り付けられる。
【0020】
本発明の更に他の押出機用背圧調整装置においては、さらに、前記抵抗調整体は、溶融樹脂に付与される抵抗が、それぞれ、相違するオリフィス流路であり、前記可動ブロックの円筒の軸芯から放射線方向に延在する。
【0021】
本発明の更に他の押出機用背圧調整装置においては、さらに、前記可動ブロックは、選択された回転角度に固定可能である。
【0022】
本発明の更に他の押出機用背圧調整装置においては、さらに、前記固定ブロックは、溶融樹脂が流通する濾過装置を備える。
【0023】
本発明の更に他の押出機用背圧調整装置においては、さらに、前記濾過装置は、複数個であって、いずれか一つの濾過装置が前記樹脂流路の途中に位置し、他の一つの濾過装置が交換可能な場所に位置する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図4は本発明の第1の実施の形態における押出機を示す側断面図である。
【0026】
図において、80は押出機であり、支持台81の上面に取り付けられた装置支持部材82によって支持されるバレルとしてのシリンダ11を有する。また、該シリンダ11内には、スクリュ12が回転可能に配設されている。そして、前記シリンダ11の後方部分(図における左方部分)に取り付けられた原料投入ホッパ83からシリンダ11内に供給された固相の原料樹脂88は、前記スクリュ12が回転されることによって、シリンダ11の前方(図における右方)に向けて搬送されつつ、混練され、可塑化され、溶融樹脂となってシリンダ11の前端(図における右端)から排出される。なお、前記原料投入ホッパ83内の原料樹脂88は、いかなるものであってもよいが、例えば、ペレット状、フレーク状、繊維状、粒子状、塊状等の形態をしたPVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチレン)、ポリアミド、ポリイミド、PE(ポリエチレン)、ポリエステル、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)、ABS樹脂、メタクリル樹脂、生分解性樹脂等の樹脂である。
【0027】
そして、前記シリンダ11の後方(図における左方)には変速機としてのギヤボックス86が配設され、前記スクリュ12の後端(図における左端)は、前記ギヤボックス86内において従動ギヤ86aに接続されている。また、該従動ギヤ86aは、前記スクリュ12の駆動源としての電動モータ87の回転軸に接続された駆動ギヤ87aに噛(か)み合わされている。なお、前記従動ギヤ86aと駆動ギヤ87aとの間に、必要に応じて、変速又は駆動力伝達のために他のギヤを介在させることもできる。これにより、前記電動モータ87の回転軸の回転が減速されて従動ギヤ86aに伝達され、前記スクリュ12が回転させられる。なお、前記押出機80は、スクリュ12が二本の二軸押出機であってもよいし、スクリュ12が三本以上の多軸押出機であってもよいが、ここでは、スクリュ12が一本の単軸押出機であるものとして説明する。
【0028】
また、前記シリンダ11の外周には、加熱装置としてのヒータ84が複数個取り付けられ、シリンダ11の温度を制御するようになっている。さらに、該シリンダ11には、樹脂中に揮発成分や空気が混入して気泡が発生する場合にガス抜きを行うためのベントポート85が配設されている。図に示される例において、スクリュ12は、供給部、圧縮部及び計量部から成るフルフライトスクリュである。この場合、フライトの外形及びピッチは一定であり、溝深さは供給部から計量部に向かってテーパ状に浅くなるように形成されている。なお、前記スクリュ12は、フルフライトスクリュ以外のいかなるものであってもよく、例えば、サブフライトスクリュ、ミキシングエレメント付きスクリュ、ベント式スクリュ等であってもよい。
【0029】
そして、シリンダ11の前端には、押出機80のヘッドとしてのクロスヘッド13及び樹脂導出管16を介してダイ18が接続され、前記シリンダ11の前端から押し出された溶融樹脂は、所定の断面形状を備える前記ダイ18の出口から押し出される。なお、前記シリンダ11の先端部には、スクリーンメッシュと該スクリーンメッシュを支持するブレーカプレートとから成る濾過装置15が配設されている。また、前記クロスヘッド13は、前記スクリュ12によって押し出された溶融樹脂の流路を直角に曲げるための部材であり、前記流路の出口に樹脂導出管16が取り付けられている。なお、押出機80のヘッドとしては、溶融樹脂の流路を直角に曲げるためのクロスヘッド13以外のものを使用することもできるが、ここでは、説明の都合上、クロスヘッド13を使用した場合についてのみ説明する。
【0030】
さらに、前記ダイ18は、例えば、ストランドダイ、リングダイ、Tダイ、パイプダイ等であるが、いかなる種類のものであっても、いかなる形状の成形品を成形するためのものであってもよい。これにより、樹脂フィルム、樹脂パイプ等の樹脂製の長尺部材を成形したり、金属箔、樹脂フィルム等の薄膜状の基材や金属線等の線状の基材の表面に樹脂層をコーティングしたり、複数の基材間に樹脂層を挟み込んでラミネートしたりすることができる。
【0031】
また、前記スクリュ12にかかる背圧がシリンダ11の前端から押し出された溶融樹脂の品質に大きな影響を及ぼすので、前記スクリュ12から押し出される溶融樹脂が流通する樹脂流路の途中に、具体的には、前記ダイ18に、後述される背圧調整装置10が配設されている。
【0032】
次に、該背圧調整装置10について説明する。
【0033】
図1は本発明の第1の実施の形態における背圧調整装置を示す側断面図、図5は本発明の第1の実施の形態における背圧調整装置を示す横断面図であり図1のA矢視図である。
【0034】
図1において、10は押出機用背圧調整装置としての背圧調整装置であり、図1に示されるように、クロスヘッド13内には、樹脂流路14が形成され、シリンダ11の先端部からスクリュ12によって押し出された溶融樹脂が流通するようになっている。この場合、前記樹脂流路14は、断面が円形であり、内径が前記シリンダ11の内径よりも小さくなっている。そのため、前記樹脂流路14におけるシリンダ11の前端(図1における右端)に接続される部分には、テーパ状の形状を備えた縮径部14aが形成され、内径が徐々に縮小されるようになっている。また、前記樹脂流路14の縮径部14aに続く部分は、スクリュ12の軸と同一の方向(図1における横方向)に延在するが、途中に直角に折れ曲がる折れ曲がり部としてベンド部14bが形成され、該ベンド部14bに続く直交部14cは、前記スクリュ12の軸と直交する方向(図1における縦方向)に延在する。なお、前記直交部14cには、樹脂導出管16内に形成された樹脂導出流路16aが接続される。
【0035】
そして、前記樹脂流路14の縮径部14aとベンド部14bとの間の部分には、溶融樹脂に付与される抵抗を調整するための抵抗調整体を選択する抵抗調整装置としてのセレクタユニット20が配設される。前記抵抗調整体は、シリンダ11の先端部からスクリュ12によって押し出されて樹脂流路14を流通する溶融樹脂に付与される抵抗を調整して、前記溶融樹脂の動圧を調整することによって、前記スクリュ12にかかる背圧を調整する。ここで、背圧とは、押し出される溶融樹脂によってスクリュ12が受ける圧力である。
【0036】
本実施の形態におけるクロスヘッド13には、前記樹脂流路14と直交する方向(図5における横方向)に延在する断面が円形の空洞13aが形成され、該空洞13a内に円柱状の前記セレクタユニット20が挿入されて取り付けられている。該セレクタユニット20は、固定ブロック21と、複数の抵抗調整体を備え、前記固定ブロック21に移動可能に取り付けられ、選択された抵抗調整体が樹脂流路14の一部となる可動ブロック24とを有する。具体的には、前記セレクタユニット20は、概略円柱状の形状を備える固定ブロック21、及び、概略円筒状の形状を備えるセレクタとしての可動ブロック24を有し、前記固定ブロック21が前記可動ブロック24内に挿入されている。すなわち、該可動ブロック24は前記固定ブロック21の周囲に回転可能に取り付けられている。
【0037】
この場合、該固定ブロック21と可動ブロック24とは相互に回転可能であるが、前記固定ブロック21の一端に形成されたフランジ部21aが固定部材としてのボルト31によって、クロスヘッド13の側面に取り付けられ、固定されているので、前記可動ブロック24が前記固定ブロック21及びクロスヘッド13に対して回転するようになっている。ここで、前記可動ブロック24の一端に形成された環状のフランジであるセレクタフランジ24aには、固定部材としてのボルト32によって環状の押さえ板27が取り付けられている。そして、該押さえ板27の中心部に形成された挿入孔には、支持軸として機能する支持ボルト28が回転可能に挿入されている。この場合、該支持ボルト28は、前記固定ブロック21のフランジ部21aと反対側の端面に形成されたねじ孔(あな)に螺合されて固定されているので、前記押さえ板27は、支持ボルト28を中心にして、前記固定ブロック21に対して回転可能に取り付けられた状態となっている。
【0038】
これにより、前記可動ブロック24が前記固定ブロック21及びクロスヘッド13に対して回転可能に、かつ、軸方向に移動不能に取り付けられた状態となる。なお、図5に示される例においては、前記固定ブロック21のフランジ部21aと可動ブロック24のセレクタフランジ24aとによって、クロスヘッド13を両側面から挟み込むようになっている。
【0039】
また、前記可動ブロック24が固定ブロック21及びクロスヘッド13に対して回転するので、前記可動ブロック24と固定ブロック21及びクロスヘッド13との隙間から溶融樹脂が漏れ出す可能性もある。そこで、必要に応じて、シール部材33a、シール部材33b等を配設して、溶融樹脂の漏れを防止することが望ましい。
【0040】
そして、前記固定ブロック21には樹脂流通孔22が形成されている。該樹脂流通孔22は、固定ブロック21の円柱状の部分を円柱の軸方向と直交する方向に延在して貫通する。そして、図1に示されるように、樹脂流通孔22は、セレクタユニット20がクロスヘッド13に取り付けられた状態で、該クロスヘッド13に形成された樹脂流路14の縮径部14aに続く部分と同軸上に位置するようになっている。なお、前記樹脂流通孔22の内径は、樹脂流路14の縮径部14aに続く部分の内径と同一である。
【0041】
また、前記可動ブロック24には、抵抗調整体としてのオリフィス流路が複数個形成されている。図1に示される例において、前記可動ブロック24には、前記オリフィス流路としてオリフィス流路25a〜25fが形成され、さらに、該オリフィス流路25a〜25fのそれぞれに対応する通過流路26a〜26fが形成されている。前記オリフィス流路25a〜25f及び通過流路26a〜26fは、図1に示されるように、可動ブロック24の円筒状の部分を円筒の軸方向と直交する一つの横断面上に位置し、該横断面上における前記円筒の軸芯との交点を中心とする放射線方向にそれぞれ延在する。また、各オリフィス流路25a〜25fの軸線と、それぞれに対応する通過流路26a〜26fの軸線とは、互いに同一直線上に位置する。
【0042】
そして、セレクタユニット20がクロスヘッド13に取り付けられた状態で可動ブロック24を適宜回転させることによって、前記オリフィス流路25a〜25f及び通過流路26a〜26fのいずれか一組が、クロスヘッド13に形成された樹脂流路14の縮径部14aに続く部分及び固定ブロック21の樹脂流通孔22と同軸上に位置するようになっている。図1に示される例においては、オリフィス流路25d及び通過流路26dが、前記樹脂流路14の縮径部14aに続く部分及び樹脂流通孔22と同軸上に位置しており、前記樹脂流路14の一部を形成している。すなわち、図1に示される例において、シリンダ11の先端部からスクリュ12によって押し出された溶融樹脂は、濾過装置15、縮径部14a、樹脂流路14の縮径部14aに続く部分、オリフィス流路25d、樹脂流通孔22、通過流路26d、ベンド部14b及び直交部14cを順次通過してクロスヘッド13内を流通し、樹脂導出管16の樹脂導出流路16aに流入する。
【0043】
ここで、オリフィス流路25a〜25fは、それぞれ、流路の径が相違し、内部を流通する溶融樹脂に付与される抵抗が相違するようになっている。図1に示されるように、オリフィス流路25aでは、流路がほぼストレートで流路の径が絞られておらず、流通する溶融樹脂には抵抗がほとんど付与されないが、オリフィス流路25b、オリフィス流路25c、オリフィス流路25d及びオリフィス流路25eの順に流路の径が順次絞られていき、オリフィス流路25fでは流路の径が最小となり、流通する溶融樹脂に最大の抵抗が付与されるようになっている。すなわち、オリフィス流路25a〜25fにおける流路の径は、オリフィス流路25aからオリフィス流路25fまで六段階に変化して順次小さくなり、オリフィス流路25a〜25fを流通する溶融樹脂に付与される抵抗は、オリフィス流路25aからオリフィス流路25fまで六段階に変化して順次大きくなる。なお、オリフィス流路25a〜25fのいずれにおいても、入口と出口、すなわち、樹脂流路14及び樹脂流通孔22に接続される部分の内径は、樹脂流路14及び樹脂流通孔22の内径と同一である。また、前記通過流路26a〜26fの内径は、いずれも、樹脂流路14及び樹脂流通孔22の内径と同一である。さらに、前記オリフィス流路の数は六個より多くても少なくてもよい。すなわち、前記オリフィス流路は、必ずしも六段階に変化するものでなくてもよく、例えば、七段階以上に変化するものであってもよいし、五段階以下に変化するものであってよい。
【0044】
なお、前記セレクタフランジ24a又は押さえ板27には、図示されない回転レバー、ハンドル等の操作部材が接続され、オペレータが前記操作部材を操作し、可動ブロック24を回転させることができるようになっていることが望ましい。これにより、オペレータは、容易に可動ブロック24を回転させて、オリフィス流路25aからオリフィス流路25fまでの六段階の抵抗から所望のオリフィス流路を選択することができる。また、前記セレクタフランジ24a、押さえ板27、クロスヘッド13の側面等に角度目盛りを配設して、該角度目盛り上にオリフィス流路25a〜25fのそれぞれに対応する回転角度を示すことによって、前記オペレータは、可動ブロック24を所望のオリフィス流路及び対応する通過流路が樹脂流路14及び樹脂流通孔22と同軸上に位置するような回転角度を容易に見つけ出すことができる。
【0045】
この場合、オリフィス流路25a〜25f及び通過流路26a〜26fのいずれか一組が樹脂流路14及び樹脂流通孔22と同軸上に位置するような回転角度に可動ブロック24を固定することができるように、ピン、ボルト等から成る固定部材を配設してもよい。該固定部材によって、前記可動ブロック24をクロスヘッド13又は固定ブロック21に対して固定して回転不能とすることによって、オリフィス流路25a〜25f及び通過流路26a〜26fと樹脂流路14及び樹脂流通孔22との位置がずれることを防止することができる。なお、前記固定部材が配設されない場合、支持ボルト28を締め付けて、押さえ板27を固定ブロック21の端面に押し付けることによって、前記押さえ板27及び可動ブロック24を固定ブロック21に対して回転不能としてもよい。
【0046】
また、前記可動ブロック24を、例えば、30度ずつステップ状に回転させることができるようにして、オリフィス流路25a〜25f及び通過流路26a〜26fのいずれか一組が樹脂流路14及び樹脂流通孔22と同軸上に位置するような回転角度を容易に選択することができるようにしてもよい。なお、この場合も、ピン、ボルト等から成る固定部材によって、選択された回転角度に可動ブロック24を固定するようにしてもよい。
【0047】
さらに、前記セレクタフランジ24a又は押さえ板27にギヤ等の駆動部材を配設し、パルスモータ等のアクチュエータによって、可動ブロック24を回転させることができるようにしてもよい。この場合、前記アクチュエータは、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、キーボード、マウス、押しボタン、タッチパネル等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示手段、通信インターフェイス等を備える制御装置によって制御される。そして、可動ブロック24の回転角度を検出する角度検出装置を配設し、該角度検出装置が検出した可動ブロック24の回転角度を制御装置にフィードバックすることによって、可動ブロック24は、所定の角度だけ自動的に回転させられ、オリフィス流路25aからオリフィス流路25fまでの六段階の抵抗から所望のオリフィス流路が選択される。
【0048】
次に、前記構成の背圧調整装置10の動作について説明する。
【0049】
まず、図1に示されるように、オリフィス流路25d及び通過流路26dが、樹脂流路14及び樹脂流通孔22と同軸上に位置しており、前記樹脂流路14の一部を形成しているものとする。この場合、押出機80のスクリュ12によってシリンダ11の前端から押し出された溶融樹脂は、濾過装置15を通過した後、縮径部14a、樹脂流路14の縮径部14aに続く部分、オリフィス流路25d、樹脂流通孔22、通過流路26d、ベンド部14b及び直交部14cを順次通過してクロスヘッド13内を流通し、樹脂導出管16の樹脂導出流路16aからダイ18に流入し、該ダイ18の所定の断面形状を備える出口から押し出される。これにより、樹脂フィルム、樹脂パイプ等の樹脂製の長尺部材を成形したり、金属箔、樹脂フィルム等の薄膜状の基材や金属線等の線状の基材の表面に樹脂層をコーティングしたり、複数の基材間に樹脂層を挟み込んでラミネートしたりすることができる。
【0050】
この場合、前記オリフィス流路25dでは流路の径が絞られているので、該オリフィス流路25dを流通することによって、溶融樹脂には抵抗が付与され、動圧が上昇する。そのため、スクリュ12にかかる背圧はオリフィス流路25dがない場合よりも高くなる。すなわち、スクリュ12にかかる背圧は、抵抗調整体としてのオリフィス流路25dが選択されていることによって、ある程度高くなるように調整されている。
【0051】
続いて、例えば、樹脂の種類が変更されたり、成形条件が変更されたりして、スクリュ12にかかる背圧を調整することが必要になったとする。この場合、オペレータは、図示されないハンドル等の操作部材を操作し、可動ブロック24を回転させて、所望の背圧をスクリュ12にかけるためのオリフィス流路をオリフィス流路25a〜25fの中から選択する。例えば、今までよりもやや高い背圧をスクリュ12にかけることが必要な場合、前記オリフィス流路25dよりも高い抵抗を溶融樹脂に付与するオリフィス流路25e又はオリフィス流路25fを選択する。また、例えば、今までよりもやや低い背圧をスクリュ12にかけることが必要な場合、前記オリフィス流路25dよりも低い抵抗を溶融樹脂に付与するオリフィス流路25a、オリフィス流路25b又はオリフィス流路25cを選択する。
【0052】
なお、オリフィス流路25aでは流路がほぼストレートで流路の径が絞られていないので、前記オリフィス流路25a自体によっては、溶融樹脂にほとんど抵抗が付与されることはないが、濾過装置15や縮径部14aによって溶融樹脂にほとんど抵抗が付与されるので、前記オリフィス流路25aが選択された場合であっても、ある程度の背圧をスクリュ12にかけることができる。
【0053】
また、所望のオリフィス流路を選択したにも関わらずスクリュ12にかかる背圧が所望の値にならなかった場合、又は、調整された後の背圧の値が適正な値でなかった場合には、可動ブロック24を回転させて、さらに他のオリフィス流路を選択することができる。この場合、本実施の形態における背圧調整装置10によって溶融樹脂に付与される抵抗が、オリフィス流路25aからオリフィス流路25fまでの六段階、すなわち、多段階に設定されているので、溶融樹脂に付与される抵抗を微妙に調整することができ、スクリュ12にかかる背圧の微調整が可能となっている。
【0054】
このように、本実施の形態において、背圧調整装置10は、溶融樹脂に付与される抵抗を複数段階に調整するために、複数個のオリフィス流路、すなわち、オリフィス流路25a〜25fを備える可動ブロック24を有し、該可動ブロック24を回転させて所望のオリフィス流路をクロスヘッド13内の樹脂流路14の途中に配設するようになっている。
【0055】
そのため、可動ブロック24を回転させることによって、スクリュ12にかかる背圧を短時間で、容易に、かつ、適切に調整することができる。しかも、溶融樹脂の漏れを少なくすることができる。また、クロスヘッド13の構造や、該クロスヘッド13内の樹脂流路14の形状を簡素化することができる。特に、背圧調整装置10は、円柱状の固定ブロック21と円筒状の可動ブロック24とから成るので構造が簡素化され、また、角部が少ないので清掃が容易である。
【0056】
さらに、溶融樹脂がスクリュ12の軸と同一軸に沿って流通し、溶融樹脂の流れがスムーズになるので、溶融樹脂の温度にばらつきが発生したり、溶融樹脂の滞留が発生したりすることがない。また、前記オリフィス流路は、樹脂流路14の縮径部14aに続く部分に位置するので、スクリュ12に近い位置においてスクリュ12にかかる背圧を調整することができる。
【0057】
さらに、可動ブロック24は、樹脂流路14と直交する方向の軸を中心として回転するので、前記樹脂流路14を流通する溶融樹脂によって、回転させられる方向に力を受けることがない。そのため、選択されたオリフィス流路と樹脂流路14及び樹脂流通孔22との位置がずれることがない。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0059】
図6は本発明の第2の実施の形態における背圧調整装置を示す側断面図、図7は本発明の第2の実施の形態における背圧調整装置を示す横断面図であり図6のB矢視図である。
【0060】
本実施の形態においては、シリンダ11の先端部に、前記第1の実施の形態において説明した濾過装置15が配設されておらず、固定ブロック21の内部に濾過装置38が配設されている。なお、該濾過装置38は、前記第1の実施の形態において説明した濾過装置15と同様のものであり、スクリーンメッシュと該スクリーンメッシュを支持するブレーカプレートとから成る。そして、前記濾過装置38は、シリンダ11の先端部の内径と同程度の外径を備えているので、固定ブロック21に形成された樹脂流通孔37は、図6に示されるように、前記濾過装置38より上流側の部分において拡径し、前記濾過装置38より下流側の部分において縮径するようになっている。なお、前記樹脂流通孔37の入口と出口、すなわち、オリフィス流路25及び通過流路26に接続される部分の内径は、樹脂流路14の内径と同一である。これにより、前記樹脂流通孔37の内径は、入口から濾過装置38に向けて拡大し、濾過装置38を通過した後、出口に向けて縮小する。このように、本実施の形態において、前記濾過装置38は、クロスヘッド13の内部において樹脂流路14の途中に位置し、該樹脂流路14を流通する溶融樹脂を濾過するようになっている。
【0061】
また、前記シリンダ11の先端部には、内部に接続流路36が形成されたアダプタ35が配設されている。この場合、前記接続流路36は、断面が円形であり、内径が前記シリンダ11の内径よりも小さくなっている。そのため、前記接続流路36におけるシリンダ11の前端に接続される部分には、テーパ状の形状を備えた縮径部36aが形成され、内径が徐々に縮小されるようになっている。また、前記接続流路36の縮径部36aに続く部分は、スクリュ12の軸と同一の方向(図6における横方向)に延在して、クロスヘッド13内に形成された樹脂流路14に接続される。
【0062】
次に、本実施の形態における固定ブロック21の構成について説明する。
【0063】
図8は本発明の第2の実施の形態における固定ブロックを示す平面図、図9は本発明の第2の実施の形態における固定ブロックを示す正面図であり図8のC矢視図、図10は本発明の第2の実施の形態における固定ブロックを示す横断面図であり図9のD矢視図である。
【0064】
この場合、固定ブロック21には、樹脂流通孔37に続いて濾過装置収容孔21bが形成され、該濾過装置収容孔21b内に濾過装置38が収容される。なお、濾過装置収容孔21bの内径は樹脂流通孔37の内径の最大値よりも大きく、濾過装置収容孔21bと樹脂流通孔37との境界に形成された段部に前記濾過装置38の周縁部が当接する。
【0065】
さらに、前記固定ブロック21には、濾過装置収容孔21bに続いて押さえ部材収容凹部21cが形成され、該押さえ部材収容凹部21c内に濾過装置押さえ部材41が収容される。そして、該濾過装置押さえ部材41には、固定ブロック21に形成された樹脂流通孔37と同様の樹脂流通孔37aが形成され、前記濾過装置収容孔21bと樹脂流通孔37aとの境界に形成された段部に前記濾過装置38の周縁部が当接する。これにより、該濾過装置38は、固定ブロック21と濾過装置押さえ部材41とによって両側から周縁部を挟まれて固定される。
【0066】
また、前記濾過装置押さえ部材41は、固定部材挿入孔41aを備え、該固定部材挿入孔41aに挿入されたボルト等の固定部材42によって固定ブロック21に固定される。なお、図10に示される21dは、フランジ部21aをクロスヘッド13の側面に固定するためのボルト31が挿入される挿入孔である。また、他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0067】
このように、本実施の形態においては、背圧調整装置10の固定ブロック21の内部に濾過装置38が配設されている。そのため、溶融樹脂の流通方向に関して濾過装置38の下流にオリフィス流路のような溶融樹脂に抵抗を付与する部材が存在しないので、溶融樹脂が濾過装置38をスムーズに通過することができ、該濾過装置38の濾過機能が向上する。
【0068】
また、スクリュ12にかかる背圧を調整するためのオリフィス流路とスクリュ12との間に、前記第1の実施の形態における濾過装置15のような、溶融樹脂に抵抗を付与する部材が存在しないので、より適切にスクリュ12にかかる背圧を調整することができる。
【0069】
さらに、前記濾過装置38を交換する場合には、固定ブロック21を取り外すだけでよいので、短時間で容易に濾過装置38の交換を行うことができる。また、背圧調整装置10と濾過装置38とを一体的に構成したので、部品点数を少なくすることができる。
【0070】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0071】
図11は本発明の第3の実施の形態における背圧調整装置を示す横断面図である。
【0072】
本実施の形態においては、固定ブロック21の内部に濾過装置38が複数個配設され、該濾過装置38を切り替えて使用することができ、一つの濾過装置38を使用している間に使用していない濾過装置38を交換することができるようになっている。なお、前記濾過装置38の数はいくつであってもよいが、ここでは、説明の都合上、二つである場合についてのみ説明する。この場合、固定ブロック21は、前記第2の実施の形態における固定ブロック21よりも長く形成され、軸方向に並列に二つの濾過装置38が配設され、かつ、可動ブロック24に対して軸方向(図11における横方向)に移動可能に取り付けられている。
【0073】
そして、前記固定ブロック21の一端には、該固定ブロック21を移動させるためにオペレータが操作するためのハンドル46aを備えるハンドル軸部材46が取り付けられている。また、該ハンドル軸部材46は、クロスヘッド13に固定されたハンドル支持部材45によって、固定ブロック21の軸方向に移動可能に支持されている。なお、前記固定ブロック21の一端には、該固定ブロック21が回転しないようにするための回り止め部材47が取り付けられ、該回り止め部材47は、ハンドル支持部材45によって、固定ブロック21の軸方向に移動可能に支持されている。
【0074】
また、固定ブロック21の軸方向に固定するために、ピン、ボルト等から成る固定部材を配設して、ハンドル軸部材46をハンドル支持部材45に対して固定することができるようにしてもよい。該固定部材によって、前記固定ブロック21を軸方向に移動不能とすることによって、濾過装置38と樹脂流路14との位置がずれることを防止することができる。
【0075】
図11に示される例において、固定ブロック21は、ハンドル軸部材46が取り付けられている側に配設されている濾過装置38がクロスヘッド13の外に引き出され、交換することができる状態となっている。この場合、前記第2の実施の形態において説明したように、固定ブロック21を取り外すだけで前記濾過装置38を交換することができる。また、反対側に配設されている濾過装置38は、クロスヘッド13の内部において、前記第2の実施の形態における図6に示されるように、樹脂流路14の途中に位置し、該樹脂流路14を流通する溶融樹脂を濾過する。
【0076】
なお、本実施の形態においては、前記固定ブロック21がフランジ部21aを有していないので、代わりに、固定板51が固定部材としてのボルト52によって、クロスヘッド13の側面に取り付けられている。また、前記固定板51には、押さえ板53が固定部材としてのボルト54によって取り付けられている。そして、固定ブロック21の外周面と可動ブロック24の内周面との間に配設されたシール部材55を押さえるためのシール押さえ部材56は、押さえ距離調節ボルト56aを介して前記押さえ板53によって支持されている。
【0077】
また、前記可動ブロック24のセレクタフランジ24aにも、押さえ板53が固定部材としてのボルト54によって取り付けられている。そして、固定ブロック21の外周面と可動ブロック24の内周面との間に配設されたシール部材55を押さえるためのシール押さえ部材56は、押さえ距離調節ボルト56aを介して前記押さえ板53によって支持されている。
【0078】
なお、図11に示される例において、前記セレクタフランジ24aは固定部材としてのボルト58によってクロスヘッド13の側面に固定されている。この場合、前記ボルト58は、オリフィス流路25a〜25f及び通過流路26a〜26fのいずれか一組が樹脂流路14及び樹脂流通孔22と同軸上に位置するような回転角度に可動ブロック24を固定するための固定部材として機能するものである。そのため、前記ボルト58は、可動ブロック24を回転させて、所望のオリフィス流路を選択する際には取り外され、所望のオリフィス流路が選択されると取り付けられる。
【0079】
このように、本実施の形態においては、固定ブロック21の内部に濾過装置38が複数個配設され、該濾過装置38を切り替えて使用することができるようになっている。また、一つの濾過装置38を使用している間に使用していない濾過装置38を交換することができるようになっている。
【0080】
そのため、濾過装置38を交換するために押出機80の動作を停止させる必要がないので、スループットを向上させることができる。また、濾過装置38が目詰まりした場合には、他の濾過装置38に切り替えることができるので、濾過装置38が目詰まりによって、溶融樹脂に付与される抵抗が変化することがなく、スクリュ12にかかる背圧の不必要な変化を防止することができる。
【0081】
なお、前記第1〜第3の実施の形態においては、背圧調整装置10がクロスヘッド13に配設された場合について説明したが、前記背圧調整装置10はいかなる箇所に配設されてもよく、例えば、シリンダ11の前端部分、樹脂導出管16、ダイ18等に配設されてもよい。
【0082】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0083】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、押出機用背圧調整装置の構造を簡素化することができ、また、溶融樹脂の温度にばらつきが発生したり、該溶融樹脂の滞留が発生したりすることがなく、さらに、スクリュに近い位置において容易に、かつ、適切にスクリュにかかる背圧を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における背圧調整装置を示す側断面図である。
【図2】従来の背圧調整装置を示す断面図である。
【図3】従来の他の背圧調整装置を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における押出機を示す側断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における背圧調整装置を示す横断面図であり図1のA矢視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における背圧調整装置を示す側断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における背圧調整装置を示す横断面図であり図6のB矢視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における固定ブロックを示す平面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における固定ブロックを示す正面図であり図8のC矢視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における固定ブロックを示す横断面図であり図9のD矢視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態における背圧調整装置を示す横断面図である。
【符号の説明】
10 背圧調整装置
12 スクリュ
14 樹脂流路
15、38 濾過装置
21 固定ブロック
22、37、37a 樹脂流通孔
24 可動ブロック
25a、25b、25c、25d、25e、25f オリフィス流路
80 押出機
Claims (6)
- (a)押出機のスクリュから押し出される溶融樹脂が流通する樹脂流路の途中に配設される押出機用背圧調整装置であって、
(b)固定ブロックと、
(c)複数の抵抗調整体を備え、前記固定ブロックに移動可能に取り付けられ、選択された抵抗調整体が前記樹脂流路の一部となる可動ブロックとを有することを特徴とする押出機用背圧調整装置。 - (a)前記固定ブロックは、円柱形状であって、前記樹脂流路の一部を構成する樹脂流通孔を備え、
(b)前記可動ブロックは、円筒形状であって、前記固定ブロックの周囲に回転可能に取り付けられる請求項1に記載の押出機用背圧調整装置。 - 前記抵抗調整体は、溶融樹脂に付与される抵抗が、それぞれ、相違するオリフィス流路であり、前記可動ブロックの円筒の軸芯から放射線方向に延在する請求項2に記載の押出機用背圧調整装置。
- 前記可動ブロックは、選択された回転角度に固定可能である請求項2又は3に記載の押出機用背圧調整装置。
- 前記固定ブロックは、溶融樹脂が流通する濾過装置を備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の押出機用背圧調整装置。
- 前記濾過装置は、複数個であって、いずれか一つの濾過装置が前記樹脂流路の途中に位置し、他の一つの濾過装置が交換可能な場所に位置するる請求項5に記載の押出機用背圧調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003168567A JP3929937B2 (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 押出機用背圧調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003168567A JP3929937B2 (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 押出機用背圧調整装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005001283A true JP2005001283A (ja) | 2005-01-06 |
JP3929937B2 JP3929937B2 (ja) | 2007-06-13 |
Family
ID=34093975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003168567A Expired - Fee Related JP3929937B2 (ja) | 2003-06-13 | 2003-06-13 | 押出機用背圧調整装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3929937B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006272712A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Ajinomoto Co Inc | ポリブチレンサクシネート積層フィルムの製造方法 |
JP2008114414A (ja) * | 2006-11-01 | 2008-05-22 | Ngk Insulators Ltd | 二軸押出機 |
WO2015072464A1 (ja) * | 2013-11-12 | 2015-05-21 | 有限会社ジーピーシ・ツチヤ | 流体用スクリーンチェンジャー |
-
2003
- 2003-06-13 JP JP2003168567A patent/JP3929937B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006272712A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Ajinomoto Co Inc | ポリブチレンサクシネート積層フィルムの製造方法 |
JP2008114414A (ja) * | 2006-11-01 | 2008-05-22 | Ngk Insulators Ltd | 二軸押出機 |
WO2015072464A1 (ja) * | 2013-11-12 | 2015-05-21 | 有限会社ジーピーシ・ツチヤ | 流体用スクリーンチェンジャー |
JP2015116817A (ja) * | 2013-11-12 | 2015-06-25 | 有限会社ジーピーシ・ツチヤ | 流体用スクリーンチェンジャー |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3929937B2 (ja) | 2007-06-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Rauwendaal | Understanding extrusion | |
US5804111A (en) | Extrusion method for removing volatile contents from solid state resin materials and apparatus therefor | |
US2595455A (en) | Extruder | |
JP5639385B2 (ja) | 混練押出装置 | |
US5413475A (en) | Serial two-stage extruder | |
CN108136645A (zh) | 挤出机 | |
US3930782A (en) | Apparatus for extruding plastic material | |
JP2015214143A (ja) | 押出機用スクリュ並びに押出機および押出方法 | |
JP5088818B2 (ja) | 樹脂多重管の押出成形装置 | |
JP3929937B2 (ja) | 押出機用背圧調整装置 | |
US8425818B2 (en) | Underwater pelletizing machine and method of extruding foamed thermoplastic pellets | |
CN112677442A (zh) | 线材制造装置和粒材制造装置 | |
MXPA96001497A (en) | Mixer-amas extruder apparatus | |
US7128464B2 (en) | Method and device for regulating pressure in a single-screw degassing extruder or in a cascade extruder | |
JP2004216725A (ja) | タイヤの成型方法およびリボン状ゴム押出機 | |
JPS6147684B2 (ja) | ||
JP7214383B2 (ja) | 濾過装置及び濾過装置の作動方法 | |
US20050048156A1 (en) | Extruder | |
EP2203294A1 (en) | Extruder screw for machines extruding plastics material | |
JP2013188671A (ja) | 高せん断加工装置 | |
KR20160012128A (ko) | 고분자 재료를 처리하는 기계 | |
JPS59118438A (ja) | 熱可塑性樹脂の押出し装置 | |
JP3816201B2 (ja) | 樹脂供給用クロスヘッド | |
CN113646095A (zh) | 具有主动背压控制装置的涂布器 | |
JPH06254945A (ja) | 脱気用押出機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20060125 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060125 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060914 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061010 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061120 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20061120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070306 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070307 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100316 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120316 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140316 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |