JP2005001278A - インクジェット記録装置における記録ヘッドの位置ずれ検出方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録ヘッドの高さ方向のずれ量を簡単に把握できるようにするインクジェット記録装置とその記録ヘッドの位置ずれ検出方法の提供を課題とする。
【解決手段】直線状に複数のノズル40を配列してなるインクジェット記録ヘッド32と、インクジェット記録ヘッド32が搭載され、記録媒体60の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジ12と、を備えたインクジェット記録装置10において、キャリッジ12を第1速度S1で移動させながら、3以上の奇数本の第1直線P1を印字し、次いで記録媒体60を搬送することなく、キャリッジ12を第1速度S1とは異なる第2速度S2で移動させながら、第1直線P1と同一の印字タイミングで同数本の第2直線P2を印字してなる調整パターンを作成し、その調整パターンによってインクジェット記録ヘッド32の記録媒体60との距離のずれ量を検出する。
【選択図】 図7
【解決手段】直線状に複数のノズル40を配列してなるインクジェット記録ヘッド32と、インクジェット記録ヘッド32が搭載され、記録媒体60の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジ12と、を備えたインクジェット記録装置10において、キャリッジ12を第1速度S1で移動させながら、3以上の奇数本の第1直線P1を印字し、次いで記録媒体60を搬送することなく、キャリッジ12を第1速度S1とは異なる第2速度S2で移動させながら、第1直線P1と同一の印字タイミングで同数本の第2直線P2を印字してなる調整パターンを作成し、その調整パターンによってインクジェット記録ヘッド32の記録媒体60との距離のずれ量を検出する。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙等の記録媒体上にインク滴を吐出して画像(文字も含む。以下、同じ)を記録するインクジェット記録装置に関し、更に詳しくは、キャリッジに搭載されるインクジェット記録ヘッド(以下、単に「記録ヘッド」という場合がある)の高さ方向に対する位置ずれ量(傾き量)を検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジに、インクジェット記録ヘッドを搭載し、記録媒体の所定ピッチ毎の搬送と、キャリッジの往復移動とを交互に繰り返しながら、そのインクジェット記録ヘッドのノズルからインク滴を吐出して、所望とする画像データに基づいた画像を記録媒体に記録(形成)するインクジェット記録装置は知られている。このようなインクジェット記録装置にあっては、近年、高速化(単位時間当たりのプリント枚数を増加させること)が進んでおり、それに対応するべく、キャリッジの移動速度を高速化したり、インクジェット記録ヘッドを(記録媒体の搬送方向へ)長尺化することなどが行われている。
【0003】
しかしながら、このような長尺化が進むと、図2で示すように、キャリッジ12の高さ(傾き)、記録媒体を支持するプラテン54の高さ(傾き)、記録媒体を搬送する搬送ローラー36や排出ローラー38の高さによって、インクジェット記録ヘッド32のファーストノズル(記録媒体の搬送方向下流側のノズル)42側又はラストノズル(記録媒体の搬送方向上流側のノズル)44側(図14参照)と記録媒体との距離が変動してしまうおそれがある。つまり、インクジェット記録ヘッド32において、高さ方向(鉛直方向)に微小な位置ずれ(傾き)が発生するおそれがあり、このような位置ずれ(傾き)が生じると、印字結果にずれが生じてしまうという問題があった。
【0004】
例えばキャリッジ12やプラテン54の高さが変動して、インクジェット記録ヘッド32と記録媒体との間隔が増大した場合には、インク飛翔距離が長くなるので、着弾位置が理想とする位置よりも走査方向下流側(図13(A)における右方向側)にずれ、減少した場合には、インク飛翔距離が短くなるので、着弾位置が理想とする位置よりも走査方向上流側(図13(A)における左方向側)にずれてしまうという問題があった。
【0005】
また、例えば搬送ローラー36やプラテン54の記録媒体の搬送方向上流側が下方にずれた場合や、キャリッジ12の記録媒体の搬送方向上流側が上方にずれた場合には、インクジェット記録ヘッド32のラストノズル44側と記録媒体との間隔が増大するので、図13(B)で示すように、ラストノズル44側が上記と同様に右方向側にずれ、逆の場合には、その間隔が減少するので、ラストノズル44側が上記と同様に左方向側にずれてしまうという問題があった。
【0006】
同様に、排出ローラー38やプラテン54の記録媒体の搬送方向下流側が下方にずれた場合や、キャリッジ12の記録媒体の搬送方向下流側が上方にずれた場合には、インクジェット記録ヘッド32のファーストノズル42側と記録媒体との間隔が増大するので、ファーストノズル42側が上記と同様に右方向側にずれ、逆の場合には、その間隔が減少するので、ファーストノズル42側が上記と同様に左方向側にずれてしまうという問題があった。なお、走査方向が反対方向になれば、それぞれずれる方向が左右逆になるだけで、結果的には同様である。
【0007】
更に、図14(A)で示すように、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各インクジェット記録ヘッド32をキャリッジ12に搭載した際に、各インクジェット記録ヘッド32が水平方向に位置ずれすることもある。この場合、例えばブラック(K)のインクジェット記録ヘッド32では、図14(B)で示すように、その傾いた状態が反映されて印字されてしまう(この場合は、走査方向が反対方向になっても同様に印字される)。何れにしても、インクジェット記録ヘッドに微小でも位置ずれ(傾き)が生じると、インクジェット記録ヘッドから記録用紙までのインク飛翔距離が変化するので、所望とする位置にインクが着弾せず、画質の劣化を招くことになる。
【0008】
そのため、従来では、奇数行と偶数行のキャリッジ走査方向の相対位置を微小量ずつずらした、少なくとも3行からなる複数の縦罫線状調整パターンを印刷し、2行で縦罫線が一致しているところと、3行以上で縦罫線全体が最も直線となるところとを判断することで、インクジェット記録ヘッド(印字)の水平方向の傾き量を算出し、その算出結果に基づいて、印字の傾き量を補正して印刷を行うようにしていた(例えば、特許文献1参照)。具体的には、インクジェット記録ヘッド内で理論的に複数ブロックにノズルを分け、そのブロック毎に噴射タイミングをずらすことで、水平方向の位置ずれを調整していた。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−17076号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成では、上記したように縦罫線ずれの要因をインクジェット記録ヘッドの水平方向の傾きとしか捉えることができない。すなわち、縦罫線がずれる要因は、インクジェット記録ヘッドの水平方向の傾き以外に、高さ方向(鉛直方向)の傾き、つまり、ノズル配列方向両端におけるインクジェット記録ヘッドと記録用紙とのインク飛翔距離に差があることも影響しているが、このことが考慮されていない。そのため、上記従来技術の構成では、キャリッジ(インクジェット記録ヘッド)の走査速度が変化した場合等に、罫線ずれが発生するおそれがある。
【0011】
また、従来、インク飛翔距離が変化することの対策として、キャリッジの高さ(傾き)及びプラテンの高さ(傾き)等に対しては、レーザー変位計などの高さ測定器を用いて調整を行っていた。しかしながら、このような高さ測定器を用いる方法では、工場からの出荷時に調整することになるため、組み立て時間を増加させてしまう問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、インクジェット記録ヘッドが長尺化されたり、キャリッジの走査速度が変化しても、印字結果にずれが発生しないように、予めインクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量(傾き量)を、測定器などを用いずに、かつ実機毎に簡単に把握できるようにするインクジェット記録装置と、その記録ヘッドの位置ずれ検出方法を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のインクジェット記録装置における記録ヘッドの位置ずれ検出方法は、直線状に複数のノズルを配列してなるインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドが搭載され、記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジと、を備えたインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドの前記記録媒体との距離のずれ量を検出する方法であって、前記キャリッジを第1速度で移動させながら、3以上の奇数本の第1直線を印字し、次いで前記記録媒体を搬送することなく、該キャリッジを第1速度とは異なる第2速度で移動させながら、第1直線と同一の印字タイミングで同数本の第2直線を印字してなる調整パターンと、前記ずれ量とを対応させたことを特徴としている。
【0014】
請求項1の発明では、調整パターンとインクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量とを対応させたので、調整パターンを印字することにより、インクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量が検出される。したがって、従来のように測定器を用いる必要がなく、実機毎に簡単にそのずれ量を把握することができる。
【0015】
また、請求項2に記載のインクジェット記録装置における記録ヘッドの位置ずれ検出方法は、請求項1に記載のインクジェット記録装置における記録ヘッドの位置ずれ検出方法において、前記調整パターンの中央には基準線が設けられ、該基準線から、前記第1直線と前記第2直線の飛翔距離差が零となるパターンまでの間隔数により、前記ずれ量が検出されることを特徴としている。
【0016】
請求項2の発明では、調整パターンの中央に基準線が設けられ、その基準線から、飛翔距離が零となるパターン(第1直線及び第2直線)までの間隔数を数えることにより、インクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量が検出される。このため、簡単にそのずれ量を把握することができる。
【0017】
また、請求項3に記載のインクジェット記録装置は、直線状に複数のノズルを配列してなるインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドが搭載され、記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジと、を備えたインクジェット記録装置において、前記キャリッジを第1速度で移動させながら、3以上の奇数本の第1直線を印字し、次いで前記記録媒体を搬送することなく、該キャリッジを第1速度とは異なる第2速度で移動させながら、第1直線と同一の印字タイミングで同数本の第2直線を印字してなる調整パターン作成手段を有することを特徴としている。
【0018】
請求項3の発明では、3以上の奇数本からなる直線状の調整パターンが作成される。このため、その調整パターンとインクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量とを対応させることにより、インクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量を検出することができる。したがって、従来のように測定器を用いる必要がなく、実機毎に簡単にそのずれ量を把握することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を基に詳細に説明する。まず、最初にインクジェット記録装置10の概要を説明し、次に、本発明に係る要部について説明をする。なお、記録媒体は記録紙60として説明をする。また、図1において、記録紙60のインクジェット記録装置10における搬送方向と直交する方向を主走査方向として矢印Mで表し、搬送方向を副走査方向として矢印Fで表す。
【0020】
図1、図2で示すように、インクジェット記録装置10は、後述するインクジェット記録ヘッド32(インクジェット記録ユニット30)を搭載するキャリッジ12を備えている。このキャリッジ12の記録紙60の搬送方向上流側(以下、単に「上流側」という)には一対のブラケット14が突設されており、そのブラケット14には円形状の開孔14Aが穿設されている。そして、その開孔14Aに、主走査方向に架設されたシャフト20が挿通されている。
【0021】
また、主走査方向の両端側には、主走査機構16を構成する駆動プーリー(図示省略)と従動プーリー(図示省略)が配設されており、その駆動プーリーと従動プーリーに巻回されて、主走査方向に走行するタイミングベルト22の一部がキャリッジ12に固定されている。したがって、キャリッジ12は主走査方向に往復移動可能に支持される構成であり、その移動速度は、約1.0m/秒の高速度とされている。
【0022】
また、このインクジェット記録装置10には、画像印刷前の記録紙60を束にして入れておく給紙トレイ26が設けられており、その給紙トレイ26の上方には、インクジェット記録ヘッド32によって画像が印刷された記録紙60が排出される排紙トレイ28が設けられている。そして、給紙トレイ26から1枚ずつ給紙された記録紙60を所定のピッチで副走査方向へ搬送する一対の搬送ローラー36及び一対の排出ローラー38からなる副走査機構18が設けられている。また、このインクジェット記録装置10には、印刷時において、各種設定を行うコントロールパネル24が設けられている。
【0023】
インクジェット記録ユニット30は、インクジェット記録ヘッド32と、それにインクを供給するインクタンク34とが一体に構成されたものであり、その下面(インク吐出面)に形成されたインクジェット記録ヘッド32のノズル40(図4、図14参照)が、記録紙60と対向するようにキャリッジ12上に搭載されている。したがって、インクジェット記録ヘッド32が主走査機構16によって主走査方向に移動しながら、記録紙60に対してノズル40からインク滴を吐出することにより、所定のバンド領域に対して画像の記録が行われる。
【0024】
そして、主走査方向への1回の移動が終了すると、記録紙60は、副走査機構18によって副走査方向に所定ピッチ搬送され、再びインクジェット記録ヘッド32が主走査方向(前述とは反対方向)に移動しながら、次のバンド領域に対して画像の記録を行うようになっており、このような動作を複数回繰り返すことによって、記録紙60に画像データに基づく画像が記録される。
【0025】
以上のような構成のインクジェット記録装置10において、次にインクジェット記録ヘッド32の高さ方向(鉛直方向)のずれ量(傾き量)を検出する方法について説明する。まず、図3で示すように、キャリッジ12を主走査方向へ走査速度S1で移動させながら、3以上の奇数本(図示のものは7本)の直線状第1調整パターンP1を印字する。そして、記録紙60を副走査方向に搬送させることなく、再びキャリッジ12を主走査方向へ走査速度S1よりも速い走査速度S2で移動させながら、上記と同数の直線状第2調整パターンP2を印字する。
【0026】
なお、このとき、インクジェット記録ヘッド32の噴射周波数(印字タイミング)は、走査速度S1、S2共に同一である。また、図3(A)では、それぞれの直線が判別されるように、印字された第1調整パターンP1及び第2調整パターンP2が、上下に分離した状態で示されているが、実際には、記録紙60を副走査方向に搬送させていないので、図3(B)で示すように印字される。また、図3(B)において、上方(矢印Uで表す)をファーストノズル42側、下方(矢印Dで表す)をラストノズル44側とし(図5、図6、図14参照)、図3(A)で示すように、走査速度S1で印字したときをX1dot、走査速度S2で印字したときをX2dotとする。
【0027】
このような調整パターンP1、P2において、インクジェット記録ヘッド32と記録紙60との間に高さ変動が一切なければ、図3(B)で示すように、第1調整パターンP1と第2調整パターンP2は、中央の直線が基準線Cにおいて互いに重なり合い(完全に一致し)、その他の直線が両側に向かうに従って拡がるような所定間隔を隔てて(1dot分ずつずれて)平行に印字される。つまり、このような印字がなされた場合には、調整が不必要な基準位置(理想とする高さ位置)にインクジェット記録ヘッド32が配置されているとみなされる。
【0028】
ここで、その調整パターンを求める式について説明すると、上記したように、インクジェット記録ヘッド32の噴射周波数(印字タイミング)が同一であるため、走査速度S1で走査したときの解像度をR1、走査速度S2で走査したときの解像度をR2とした場合、次の式(1)が成り立つ。
R1=R2×S2/S1…………(1)
【0029】
そして更に、X2をNdot(基準間隔)とすると、X1は次の式(2)によって求められる。
X1=N×R1/R2+1…………(2)
【0030】
ここで、1を加算するのは、X1の間隔が、X2の基準間隔に対して、基準線Cを中心に、X1の解像度で1dot分ずつ加算された(ずれた)間隔となるようにして、視覚による認識が可能となるようにするためである。つまり、1を加算しなければ、調整パターンP1と調整パターンP2は全て重なり合い、ずれ量の判断ができなくなるからである。
【0031】
また、図4で示すように、インクジェット記録ヘッド32は主走査方向に速度Sで移動しながら、インクをノズル40から噴射するので、記録紙60の理想(所望)とする位置に着弾させるには、その位置よりも主走査方向上流側でインクを噴射する。ここで、その噴射速度をVとし、インクジェット記録ヘッド32と記録紙60との距離をYDとすると、実際に噴射した位置と実際に印字される(着弾する)位置との距離XDは、次の式(3)で求められる。
XD=YD×S/V…………(3)
【0032】
しかしながら、例えば図5で示すように、ファーストノズル42側が上方にずれるか、又は図6で示すように、ラストノズル44側が上方にずれて、記録紙60との距離YDが△YD分増大した場合には、理想とする印字位置と実際に印字された(着弾された)位置とは若干の差が出る。この距離の差△XDは次の式(4)で求められる。なお、ファーストノズル42側が下方にずれるか、又はラストノズル44側が下方にずれて、記録紙60との距離YDが△YD分減少した場合も同様である。
△XD=△YD×S/V…………(4)
【0033】
つまり、図7で示すように、インクジェット記録ヘッド32(ノズル40)と記録紙60との距離YDが、△YD分ずれた場合(ファーストノズル42側及びラストノズル44側が共に△YD分ずれた場合も含む)、理想とする印字位置(点線で表した記録紙60上)と実際に印字された(着弾された)位置(実線で表した記録紙60上)との距離の差△XDは、次のようにして求められる。
【0034】
すなわち、インクジェット記録ヘッド32が遅い走査速度S1(図示の右側の記録ヘッド32)で移動した際の理想とする印字位置と実際に印字された(着弾された)位置との距離の差△XD1は、次の式(5)で求められる。
△XD1=△YD×S1/V…………(5)
【0035】
そして、インクジェット記録ヘッド32が速い走査速度S2(図示の左側の記録ヘッド32)で移動した際の理想とする印字位置と実際に印字された(着弾された)位置との距離の差△XD2は、次の式(6)で求められる。
△XD2=△YD×S2/V…………(6)
【0036】
したがって、インクジェット記録ヘッド32の高さが理想とする位置から変動していた場合には、第1調整パターンP1及び第2調整パターンP2は、基準線Cにおいて、次の式(7)で得られる差分の間隔を有して印字されることになる(理想とする位置(△YD=0)であれば、基準線Cにおいて、△XD2−△XD1=0となる)。
△XD2−△XD1=△YD×(S2−S1)/V…………(7)
【0037】
なお、図7ではインクジェット記録ヘッド32が2つ並んで描かれているが、実際には1つ(例えば、ブラック)のインクジェット記録ヘッド32であり、上記したように、右側が走査速度S1のとき、左側が走査速度S2のときである。また、この式(7)により、△YDを算出することができる。
△YD=V×(△XD2−△XD1)/(S2−S1)…………(8)
【0038】
さて、次に、このようにして求められた調整パターンからインクジェット記録ヘッド32の高さ方向のずれ量(傾き量)を具体的に検出する手段について説明する。今、図3(B)で示す第1調整パターンP1及び第2調整パターンP2の印字間隔を、基準線Cを0(ゼロ)として、右に+1、+2、+3、左に−1、−2、−3とし、ノズル40全体(記録ヘッド32)が記録紙60と平行に1mmずつ上方に変動すると、印字される直線が1つずつ右にずれ、下方に変動すると、印字される直線が1つずつ左にずれるように設定する。
【0039】
また、上記したように、ノズル40全体(記録ヘッド32)が記録紙60と平行に上下にずれた場合には、矢印U(矢印D)と平行な直線のみで構成された調整パターンが印字され、ファーストノズル42側及び/又はラストノズル44側が上下にずれて傾いた場合には、矢印U(矢印D)と平行にならない直線を含んで構成された調整パターンが印字される。
【0040】
そして、理想とする位置であれば、基準線Cにおいて、△XD2−△XD1=0となる(第1調整パターンP1と第2調整パターンP2のファーストノズル42側とラストノズル44側が共に一致する)ことから、第1調整パターンP1と第2調整パターンP2において、ファーストノズル42側とラストノズル44側で互いに一致する位置が、インクジェット記録ヘッド32の理想的な高さ位置(本来なら基準線C上で一致する位置)となる。これらのことからインクジェット記録ヘッド32の位置ずれ量(傾き量)を検出する。
【0041】
具体的に説明すると、インクジェット記録ヘッド32を搭載したキャリッジ12を主走査方向に移動させながら第1調整パターンP1及び第2調整パターンP2を印字する。そして、例えば図8で示すような調整パターンが印字されたとすると、この調整パターンから次のことが読み取れる。すなわち、ファーストノズル42側では+2において第1調整パターンP1と第2調整パターンP2が略一致し、ラストノズル44側では−1において第1調整パターンP1と第2調整パターンP2が略一致している。
【0042】
この結果から次のことが判る。まず、この第1調整パターンP1と第2調整パターンP2は1本の線に重なり合うとき(完全に一致するとき)がないので、ノズル40(記録ヘッド32)は記録紙60と平行には上下にずれていないことが判る。そして、ファーストノズル42側又はラストノズル44側が基準線C上で一致していないので、両方とも基準となる高さ(理想とする高さ)位置からずれていることが判る。
【0043】
ここで、上記したように上方に1mmずつずれると、右(+)方向に1つずつ線がずれ、下方に1mmずつずれると左(−)方向に1つずつ線がずれるように設定してあるので、この図8で示す調整パターンでは、ファーストノズル42側が上方に2mm、ラストノズル44側が下方に1mmずれていることが判る。つまり、本来ならば基準線C上でファーストノズル42側及びラストノズル44側が共に一致していなければならないが、上記のように、左右にずれた位置で一致していることから、インクジェット記録ヘッド32の高さ方向のずれ量が判断できる。
【0044】
したがって、この場合には、後述する位置調整手段により、ファーストノズル42側を2mm下方にずらし、ラストノズル44側を1mm上方にずらすようにキャリッジ12等を調整すればよい。調整後は、図3(B)で示した調整パターンが印字されることは言うまでもない。
【0045】
また、同様にして、例えば図9で示すような調整パターンが印字されたとすると、この調整パターンでは、ファーストノズル42側では−1で略一致し、ラストノズル44側では+2で略一致しているので、ファーストノズル42側では1mm下方にずれ、ラストノズル44側では2mm上方にずれていることが判る。したがって、この場合には、ファーストノズル42側を1mm上方にずらし、ラストノズル44側を2mm下方にずらすように、キャリッジ12等を調整すればよい。
【0046】
このように、まず、最初にインクジェット記録ヘッド32の高さと、調整パターンとして印字される複数本(奇数本)の直線との間で位置ずれ量を設定すれば(例えば、1mmずれたら、左右どちらかへ線が1本ずれるように設定すれば)、調整パターンを印字することにより、インクジェット記録ヘッド32の高さ方向のずれ量(傾き量)が簡単に検出可能となる。つまり、従来のような測定器を用いなくても、実機毎に簡単にインクジェット記録ヘッド32の調整すべき内容を把握することができる。
【0047】
こうして、インクジェット記録ヘッド32の高さ方向のずれ量(傾き量)が算出されたら、実際にキャリッジ12等の位置を調整する。次に、その位置調整(補正)手段の一例について説明をする。図10で示すように、ノズル40全体(記録ヘッド32)を上下に移動させる場合には、キャリッジ12の高さを変える。この場合には、シャフト20自体の高さを調整する。
【0048】
その調整手段としては、例えばシャフト20の両端をガイド46に穿設された長孔46Aに挿通し、更に操作部材としてのレバー48に穿設された長孔48Aに挿通する。このレバー48は一端がインクジェット記録装置10の側壁等に枢支されており、他端を上下に移動させることにより、シャフト20を上下に微小ながら移動させることができるようになっている。したがって、所望とする位置に移動させた後、そのレバー48を固定することにより、キャリッジ12の高さを調整することができる。
【0049】
また、ファーストノズル42側又はラストノズル44側のどちらかを調整する場合は、図11で示すように、例えばキャリッジ12の上端に係合部50を設け、その係合部50に下流側から係合する調整部材としての側面視略「L」字状プレート52をインクジェット記録装置10に設ける。そして、そのプレート52の下流側への突出長さを可変可能に構成する。このような構成にすれば、図11(A)で示すように、プレート52の長さを上流側に向かって移動させたときには、キャリッジ12はシャフト20を中心に後傾するので、ファーストノズル42側が上方に移動する。なお、このとき、ラストノズル44側が僅かに下方に下がるが、この場合は上記したように、シャフト20の高さを微調整すればよい。
【0050】
また、図11(B)で示すように、プレート52の長さを下流側に向かって移動させたときには、キャリッジ12はシャフト20を中心に前傾するので、ラストノズル44側が上方に移動する。なお、このとき、ファーストノズル42側が僅かに下方に下がるが、この場合は上記したように、シャフト20の高さを微調整すればよい。
【0051】
何れにしても、印字された調整パターンによって、インクジェット記録ヘッド32と記録紙60との高さ方向のずれ量(傾き量)が検出され、その検出結果に基づいてインクジェット記録ヘッド32の高さを調整することができるので、色ずれが発生して画質が損なわれるような不具合は生じない。なお、上記したように、図示の位置調整手段は一例であって、これに限定されるものではなく、位置調整手段は任意に構成して構わないものである。
【0052】
更に、ここで、図12で示すフローチャートを基に、本実施形態の作用を説明すると、まず、実際のインクジェット記録装置10(実機)毎に調整パターンを印字する。そして、その結果をステップT1で検討する。このとき印字された調整パターンが図3で示す調整パターンであった場合には、調整する必要がないので、そのまま終了する。
【0053】
しかしながら、それ以外だった場合には、調整パターンからインクジェット記録ヘッド32の位置ずれ量(傾き量)を算出し、ファーストノズル42側やラストノズル44側の位置を上記したような位置調整手段により調整する。そして、調整後、再度調整パターンを印字し、その結果をステップT2で検討する。このとき印字された調整パターンが図3で示す調整パターンであった場合には、調整終了となるが、それ以外だった場合には、再度調整を実施し、正確に位置調整されるまで、上記工程を繰り返し行う。
【0054】
なお、上記したインクジェット記録装置10は、記録紙60上への画像(文字を含む)の記録に限定されるものではない。すなわち、記録媒体は紙に限定されるものでなく、また、吐出する液体もインクに限定されるものではない。例えば、高分子フィルムやガラス上にインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルターを作成したり、溶接状態の半田を基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成したりする等、工業用的に用いられる液滴噴射装置全般に含まれる。
【0055】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、調整パターンを印字することにより、インクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量が検出される。したがって、従来のように測定器を用いる必要がなく、実機毎に簡単にそのずれ量を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の一部破断概略斜視図
【図2】インクジェット記録ヘッドを搭載したキャリッジを示す概略側面図
【図3】理想とする高さ位置にインクジェット記録ヘッドがあるときの調整パターンを示す説明図
【図4】インクジェット記録ヘッドを主走査方向へ移動させながら、インクを噴射したときの様子を示す説明図
【図5】インクジェット記録ヘッドが傾いたときの印字結果を示す説明図
【図6】インクジェット記録ヘッドが傾いたときの印字結果を示す説明図
【図7】インクジェット記録ヘッドの高さが変動した場合において、インクジェット記録ヘッドを主走査方向へ移動させながら、インクを噴射したときの様子を示す説明図
【図8】変動した高さ位置にインクジェット記録ヘッドがあるときの調整パターンを示す説明図
【図9】変動した高さ位置にインクジェット記録ヘッドがあるときの調整パターンを示す説明図
【図10】キャリッジの高さ位置を調整する手段を示す説明図
【図11】キャリッジの傾きを調整する手段を示す説明図
【図12】調整パターンにより、インクジェット記録ヘッドの高さ位置を調整する工程を示すフローチャート
【図13】インクジェット記録ヘッドの高さが変動したときの印字結果を示す説明図
【図14】インクジェット記録ヘッドの水平方向の位置が変動したときの印字結果を示す説明図
【符号の説明】
10 インクジェット記録装置
12 キャリッジ
30 インクジェット記録ユニット
32 インクジェット記録ヘッド
40 ノズル
42 ファーストノズル
44 ラストノズル
60 記録紙(記録媒体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙等の記録媒体上にインク滴を吐出して画像(文字も含む。以下、同じ)を記録するインクジェット記録装置に関し、更に詳しくは、キャリッジに搭載されるインクジェット記録ヘッド(以下、単に「記録ヘッド」という場合がある)の高さ方向に対する位置ずれ量(傾き量)を検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジに、インクジェット記録ヘッドを搭載し、記録媒体の所定ピッチ毎の搬送と、キャリッジの往復移動とを交互に繰り返しながら、そのインクジェット記録ヘッドのノズルからインク滴を吐出して、所望とする画像データに基づいた画像を記録媒体に記録(形成)するインクジェット記録装置は知られている。このようなインクジェット記録装置にあっては、近年、高速化(単位時間当たりのプリント枚数を増加させること)が進んでおり、それに対応するべく、キャリッジの移動速度を高速化したり、インクジェット記録ヘッドを(記録媒体の搬送方向へ)長尺化することなどが行われている。
【0003】
しかしながら、このような長尺化が進むと、図2で示すように、キャリッジ12の高さ(傾き)、記録媒体を支持するプラテン54の高さ(傾き)、記録媒体を搬送する搬送ローラー36や排出ローラー38の高さによって、インクジェット記録ヘッド32のファーストノズル(記録媒体の搬送方向下流側のノズル)42側又はラストノズル(記録媒体の搬送方向上流側のノズル)44側(図14参照)と記録媒体との距離が変動してしまうおそれがある。つまり、インクジェット記録ヘッド32において、高さ方向(鉛直方向)に微小な位置ずれ(傾き)が発生するおそれがあり、このような位置ずれ(傾き)が生じると、印字結果にずれが生じてしまうという問題があった。
【0004】
例えばキャリッジ12やプラテン54の高さが変動して、インクジェット記録ヘッド32と記録媒体との間隔が増大した場合には、インク飛翔距離が長くなるので、着弾位置が理想とする位置よりも走査方向下流側(図13(A)における右方向側)にずれ、減少した場合には、インク飛翔距離が短くなるので、着弾位置が理想とする位置よりも走査方向上流側(図13(A)における左方向側)にずれてしまうという問題があった。
【0005】
また、例えば搬送ローラー36やプラテン54の記録媒体の搬送方向上流側が下方にずれた場合や、キャリッジ12の記録媒体の搬送方向上流側が上方にずれた場合には、インクジェット記録ヘッド32のラストノズル44側と記録媒体との間隔が増大するので、図13(B)で示すように、ラストノズル44側が上記と同様に右方向側にずれ、逆の場合には、その間隔が減少するので、ラストノズル44側が上記と同様に左方向側にずれてしまうという問題があった。
【0006】
同様に、排出ローラー38やプラテン54の記録媒体の搬送方向下流側が下方にずれた場合や、キャリッジ12の記録媒体の搬送方向下流側が上方にずれた場合には、インクジェット記録ヘッド32のファーストノズル42側と記録媒体との間隔が増大するので、ファーストノズル42側が上記と同様に右方向側にずれ、逆の場合には、その間隔が減少するので、ファーストノズル42側が上記と同様に左方向側にずれてしまうという問題があった。なお、走査方向が反対方向になれば、それぞれずれる方向が左右逆になるだけで、結果的には同様である。
【0007】
更に、図14(A)で示すように、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各インクジェット記録ヘッド32をキャリッジ12に搭載した際に、各インクジェット記録ヘッド32が水平方向に位置ずれすることもある。この場合、例えばブラック(K)のインクジェット記録ヘッド32では、図14(B)で示すように、その傾いた状態が反映されて印字されてしまう(この場合は、走査方向が反対方向になっても同様に印字される)。何れにしても、インクジェット記録ヘッドに微小でも位置ずれ(傾き)が生じると、インクジェット記録ヘッドから記録用紙までのインク飛翔距離が変化するので、所望とする位置にインクが着弾せず、画質の劣化を招くことになる。
【0008】
そのため、従来では、奇数行と偶数行のキャリッジ走査方向の相対位置を微小量ずつずらした、少なくとも3行からなる複数の縦罫線状調整パターンを印刷し、2行で縦罫線が一致しているところと、3行以上で縦罫線全体が最も直線となるところとを判断することで、インクジェット記録ヘッド(印字)の水平方向の傾き量を算出し、その算出結果に基づいて、印字の傾き量を補正して印刷を行うようにしていた(例えば、特許文献1参照)。具体的には、インクジェット記録ヘッド内で理論的に複数ブロックにノズルを分け、そのブロック毎に噴射タイミングをずらすことで、水平方向の位置ずれを調整していた。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−17076号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成では、上記したように縦罫線ずれの要因をインクジェット記録ヘッドの水平方向の傾きとしか捉えることができない。すなわち、縦罫線がずれる要因は、インクジェット記録ヘッドの水平方向の傾き以外に、高さ方向(鉛直方向)の傾き、つまり、ノズル配列方向両端におけるインクジェット記録ヘッドと記録用紙とのインク飛翔距離に差があることも影響しているが、このことが考慮されていない。そのため、上記従来技術の構成では、キャリッジ(インクジェット記録ヘッド)の走査速度が変化した場合等に、罫線ずれが発生するおそれがある。
【0011】
また、従来、インク飛翔距離が変化することの対策として、キャリッジの高さ(傾き)及びプラテンの高さ(傾き)等に対しては、レーザー変位計などの高さ測定器を用いて調整を行っていた。しかしながら、このような高さ測定器を用いる方法では、工場からの出荷時に調整することになるため、組み立て時間を増加させてしまう問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、インクジェット記録ヘッドが長尺化されたり、キャリッジの走査速度が変化しても、印字結果にずれが発生しないように、予めインクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量(傾き量)を、測定器などを用いずに、かつ実機毎に簡単に把握できるようにするインクジェット記録装置と、その記録ヘッドの位置ずれ検出方法を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のインクジェット記録装置における記録ヘッドの位置ずれ検出方法は、直線状に複数のノズルを配列してなるインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドが搭載され、記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジと、を備えたインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドの前記記録媒体との距離のずれ量を検出する方法であって、前記キャリッジを第1速度で移動させながら、3以上の奇数本の第1直線を印字し、次いで前記記録媒体を搬送することなく、該キャリッジを第1速度とは異なる第2速度で移動させながら、第1直線と同一の印字タイミングで同数本の第2直線を印字してなる調整パターンと、前記ずれ量とを対応させたことを特徴としている。
【0014】
請求項1の発明では、調整パターンとインクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量とを対応させたので、調整パターンを印字することにより、インクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量が検出される。したがって、従来のように測定器を用いる必要がなく、実機毎に簡単にそのずれ量を把握することができる。
【0015】
また、請求項2に記載のインクジェット記録装置における記録ヘッドの位置ずれ検出方法は、請求項1に記載のインクジェット記録装置における記録ヘッドの位置ずれ検出方法において、前記調整パターンの中央には基準線が設けられ、該基準線から、前記第1直線と前記第2直線の飛翔距離差が零となるパターンまでの間隔数により、前記ずれ量が検出されることを特徴としている。
【0016】
請求項2の発明では、調整パターンの中央に基準線が設けられ、その基準線から、飛翔距離が零となるパターン(第1直線及び第2直線)までの間隔数を数えることにより、インクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量が検出される。このため、簡単にそのずれ量を把握することができる。
【0017】
また、請求項3に記載のインクジェット記録装置は、直線状に複数のノズルを配列してなるインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドが搭載され、記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジと、を備えたインクジェット記録装置において、前記キャリッジを第1速度で移動させながら、3以上の奇数本の第1直線を印字し、次いで前記記録媒体を搬送することなく、該キャリッジを第1速度とは異なる第2速度で移動させながら、第1直線と同一の印字タイミングで同数本の第2直線を印字してなる調整パターン作成手段を有することを特徴としている。
【0018】
請求項3の発明では、3以上の奇数本からなる直線状の調整パターンが作成される。このため、その調整パターンとインクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量とを対応させることにより、インクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量を検出することができる。したがって、従来のように測定器を用いる必要がなく、実機毎に簡単にそのずれ量を把握することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を基に詳細に説明する。まず、最初にインクジェット記録装置10の概要を説明し、次に、本発明に係る要部について説明をする。なお、記録媒体は記録紙60として説明をする。また、図1において、記録紙60のインクジェット記録装置10における搬送方向と直交する方向を主走査方向として矢印Mで表し、搬送方向を副走査方向として矢印Fで表す。
【0020】
図1、図2で示すように、インクジェット記録装置10は、後述するインクジェット記録ヘッド32(インクジェット記録ユニット30)を搭載するキャリッジ12を備えている。このキャリッジ12の記録紙60の搬送方向上流側(以下、単に「上流側」という)には一対のブラケット14が突設されており、そのブラケット14には円形状の開孔14Aが穿設されている。そして、その開孔14Aに、主走査方向に架設されたシャフト20が挿通されている。
【0021】
また、主走査方向の両端側には、主走査機構16を構成する駆動プーリー(図示省略)と従動プーリー(図示省略)が配設されており、その駆動プーリーと従動プーリーに巻回されて、主走査方向に走行するタイミングベルト22の一部がキャリッジ12に固定されている。したがって、キャリッジ12は主走査方向に往復移動可能に支持される構成であり、その移動速度は、約1.0m/秒の高速度とされている。
【0022】
また、このインクジェット記録装置10には、画像印刷前の記録紙60を束にして入れておく給紙トレイ26が設けられており、その給紙トレイ26の上方には、インクジェット記録ヘッド32によって画像が印刷された記録紙60が排出される排紙トレイ28が設けられている。そして、給紙トレイ26から1枚ずつ給紙された記録紙60を所定のピッチで副走査方向へ搬送する一対の搬送ローラー36及び一対の排出ローラー38からなる副走査機構18が設けられている。また、このインクジェット記録装置10には、印刷時において、各種設定を行うコントロールパネル24が設けられている。
【0023】
インクジェット記録ユニット30は、インクジェット記録ヘッド32と、それにインクを供給するインクタンク34とが一体に構成されたものであり、その下面(インク吐出面)に形成されたインクジェット記録ヘッド32のノズル40(図4、図14参照)が、記録紙60と対向するようにキャリッジ12上に搭載されている。したがって、インクジェット記録ヘッド32が主走査機構16によって主走査方向に移動しながら、記録紙60に対してノズル40からインク滴を吐出することにより、所定のバンド領域に対して画像の記録が行われる。
【0024】
そして、主走査方向への1回の移動が終了すると、記録紙60は、副走査機構18によって副走査方向に所定ピッチ搬送され、再びインクジェット記録ヘッド32が主走査方向(前述とは反対方向)に移動しながら、次のバンド領域に対して画像の記録を行うようになっており、このような動作を複数回繰り返すことによって、記録紙60に画像データに基づく画像が記録される。
【0025】
以上のような構成のインクジェット記録装置10において、次にインクジェット記録ヘッド32の高さ方向(鉛直方向)のずれ量(傾き量)を検出する方法について説明する。まず、図3で示すように、キャリッジ12を主走査方向へ走査速度S1で移動させながら、3以上の奇数本(図示のものは7本)の直線状第1調整パターンP1を印字する。そして、記録紙60を副走査方向に搬送させることなく、再びキャリッジ12を主走査方向へ走査速度S1よりも速い走査速度S2で移動させながら、上記と同数の直線状第2調整パターンP2を印字する。
【0026】
なお、このとき、インクジェット記録ヘッド32の噴射周波数(印字タイミング)は、走査速度S1、S2共に同一である。また、図3(A)では、それぞれの直線が判別されるように、印字された第1調整パターンP1及び第2調整パターンP2が、上下に分離した状態で示されているが、実際には、記録紙60を副走査方向に搬送させていないので、図3(B)で示すように印字される。また、図3(B)において、上方(矢印Uで表す)をファーストノズル42側、下方(矢印Dで表す)をラストノズル44側とし(図5、図6、図14参照)、図3(A)で示すように、走査速度S1で印字したときをX1dot、走査速度S2で印字したときをX2dotとする。
【0027】
このような調整パターンP1、P2において、インクジェット記録ヘッド32と記録紙60との間に高さ変動が一切なければ、図3(B)で示すように、第1調整パターンP1と第2調整パターンP2は、中央の直線が基準線Cにおいて互いに重なり合い(完全に一致し)、その他の直線が両側に向かうに従って拡がるような所定間隔を隔てて(1dot分ずつずれて)平行に印字される。つまり、このような印字がなされた場合には、調整が不必要な基準位置(理想とする高さ位置)にインクジェット記録ヘッド32が配置されているとみなされる。
【0028】
ここで、その調整パターンを求める式について説明すると、上記したように、インクジェット記録ヘッド32の噴射周波数(印字タイミング)が同一であるため、走査速度S1で走査したときの解像度をR1、走査速度S2で走査したときの解像度をR2とした場合、次の式(1)が成り立つ。
R1=R2×S2/S1…………(1)
【0029】
そして更に、X2をNdot(基準間隔)とすると、X1は次の式(2)によって求められる。
X1=N×R1/R2+1…………(2)
【0030】
ここで、1を加算するのは、X1の間隔が、X2の基準間隔に対して、基準線Cを中心に、X1の解像度で1dot分ずつ加算された(ずれた)間隔となるようにして、視覚による認識が可能となるようにするためである。つまり、1を加算しなければ、調整パターンP1と調整パターンP2は全て重なり合い、ずれ量の判断ができなくなるからである。
【0031】
また、図4で示すように、インクジェット記録ヘッド32は主走査方向に速度Sで移動しながら、インクをノズル40から噴射するので、記録紙60の理想(所望)とする位置に着弾させるには、その位置よりも主走査方向上流側でインクを噴射する。ここで、その噴射速度をVとし、インクジェット記録ヘッド32と記録紙60との距離をYDとすると、実際に噴射した位置と実際に印字される(着弾する)位置との距離XDは、次の式(3)で求められる。
XD=YD×S/V…………(3)
【0032】
しかしながら、例えば図5で示すように、ファーストノズル42側が上方にずれるか、又は図6で示すように、ラストノズル44側が上方にずれて、記録紙60との距離YDが△YD分増大した場合には、理想とする印字位置と実際に印字された(着弾された)位置とは若干の差が出る。この距離の差△XDは次の式(4)で求められる。なお、ファーストノズル42側が下方にずれるか、又はラストノズル44側が下方にずれて、記録紙60との距離YDが△YD分減少した場合も同様である。
△XD=△YD×S/V…………(4)
【0033】
つまり、図7で示すように、インクジェット記録ヘッド32(ノズル40)と記録紙60との距離YDが、△YD分ずれた場合(ファーストノズル42側及びラストノズル44側が共に△YD分ずれた場合も含む)、理想とする印字位置(点線で表した記録紙60上)と実際に印字された(着弾された)位置(実線で表した記録紙60上)との距離の差△XDは、次のようにして求められる。
【0034】
すなわち、インクジェット記録ヘッド32が遅い走査速度S1(図示の右側の記録ヘッド32)で移動した際の理想とする印字位置と実際に印字された(着弾された)位置との距離の差△XD1は、次の式(5)で求められる。
△XD1=△YD×S1/V…………(5)
【0035】
そして、インクジェット記録ヘッド32が速い走査速度S2(図示の左側の記録ヘッド32)で移動した際の理想とする印字位置と実際に印字された(着弾された)位置との距離の差△XD2は、次の式(6)で求められる。
△XD2=△YD×S2/V…………(6)
【0036】
したがって、インクジェット記録ヘッド32の高さが理想とする位置から変動していた場合には、第1調整パターンP1及び第2調整パターンP2は、基準線Cにおいて、次の式(7)で得られる差分の間隔を有して印字されることになる(理想とする位置(△YD=0)であれば、基準線Cにおいて、△XD2−△XD1=0となる)。
△XD2−△XD1=△YD×(S2−S1)/V…………(7)
【0037】
なお、図7ではインクジェット記録ヘッド32が2つ並んで描かれているが、実際には1つ(例えば、ブラック)のインクジェット記録ヘッド32であり、上記したように、右側が走査速度S1のとき、左側が走査速度S2のときである。また、この式(7)により、△YDを算出することができる。
△YD=V×(△XD2−△XD1)/(S2−S1)…………(8)
【0038】
さて、次に、このようにして求められた調整パターンからインクジェット記録ヘッド32の高さ方向のずれ量(傾き量)を具体的に検出する手段について説明する。今、図3(B)で示す第1調整パターンP1及び第2調整パターンP2の印字間隔を、基準線Cを0(ゼロ)として、右に+1、+2、+3、左に−1、−2、−3とし、ノズル40全体(記録ヘッド32)が記録紙60と平行に1mmずつ上方に変動すると、印字される直線が1つずつ右にずれ、下方に変動すると、印字される直線が1つずつ左にずれるように設定する。
【0039】
また、上記したように、ノズル40全体(記録ヘッド32)が記録紙60と平行に上下にずれた場合には、矢印U(矢印D)と平行な直線のみで構成された調整パターンが印字され、ファーストノズル42側及び/又はラストノズル44側が上下にずれて傾いた場合には、矢印U(矢印D)と平行にならない直線を含んで構成された調整パターンが印字される。
【0040】
そして、理想とする位置であれば、基準線Cにおいて、△XD2−△XD1=0となる(第1調整パターンP1と第2調整パターンP2のファーストノズル42側とラストノズル44側が共に一致する)ことから、第1調整パターンP1と第2調整パターンP2において、ファーストノズル42側とラストノズル44側で互いに一致する位置が、インクジェット記録ヘッド32の理想的な高さ位置(本来なら基準線C上で一致する位置)となる。これらのことからインクジェット記録ヘッド32の位置ずれ量(傾き量)を検出する。
【0041】
具体的に説明すると、インクジェット記録ヘッド32を搭載したキャリッジ12を主走査方向に移動させながら第1調整パターンP1及び第2調整パターンP2を印字する。そして、例えば図8で示すような調整パターンが印字されたとすると、この調整パターンから次のことが読み取れる。すなわち、ファーストノズル42側では+2において第1調整パターンP1と第2調整パターンP2が略一致し、ラストノズル44側では−1において第1調整パターンP1と第2調整パターンP2が略一致している。
【0042】
この結果から次のことが判る。まず、この第1調整パターンP1と第2調整パターンP2は1本の線に重なり合うとき(完全に一致するとき)がないので、ノズル40(記録ヘッド32)は記録紙60と平行には上下にずれていないことが判る。そして、ファーストノズル42側又はラストノズル44側が基準線C上で一致していないので、両方とも基準となる高さ(理想とする高さ)位置からずれていることが判る。
【0043】
ここで、上記したように上方に1mmずつずれると、右(+)方向に1つずつ線がずれ、下方に1mmずつずれると左(−)方向に1つずつ線がずれるように設定してあるので、この図8で示す調整パターンでは、ファーストノズル42側が上方に2mm、ラストノズル44側が下方に1mmずれていることが判る。つまり、本来ならば基準線C上でファーストノズル42側及びラストノズル44側が共に一致していなければならないが、上記のように、左右にずれた位置で一致していることから、インクジェット記録ヘッド32の高さ方向のずれ量が判断できる。
【0044】
したがって、この場合には、後述する位置調整手段により、ファーストノズル42側を2mm下方にずらし、ラストノズル44側を1mm上方にずらすようにキャリッジ12等を調整すればよい。調整後は、図3(B)で示した調整パターンが印字されることは言うまでもない。
【0045】
また、同様にして、例えば図9で示すような調整パターンが印字されたとすると、この調整パターンでは、ファーストノズル42側では−1で略一致し、ラストノズル44側では+2で略一致しているので、ファーストノズル42側では1mm下方にずれ、ラストノズル44側では2mm上方にずれていることが判る。したがって、この場合には、ファーストノズル42側を1mm上方にずらし、ラストノズル44側を2mm下方にずらすように、キャリッジ12等を調整すればよい。
【0046】
このように、まず、最初にインクジェット記録ヘッド32の高さと、調整パターンとして印字される複数本(奇数本)の直線との間で位置ずれ量を設定すれば(例えば、1mmずれたら、左右どちらかへ線が1本ずれるように設定すれば)、調整パターンを印字することにより、インクジェット記録ヘッド32の高さ方向のずれ量(傾き量)が簡単に検出可能となる。つまり、従来のような測定器を用いなくても、実機毎に簡単にインクジェット記録ヘッド32の調整すべき内容を把握することができる。
【0047】
こうして、インクジェット記録ヘッド32の高さ方向のずれ量(傾き量)が算出されたら、実際にキャリッジ12等の位置を調整する。次に、その位置調整(補正)手段の一例について説明をする。図10で示すように、ノズル40全体(記録ヘッド32)を上下に移動させる場合には、キャリッジ12の高さを変える。この場合には、シャフト20自体の高さを調整する。
【0048】
その調整手段としては、例えばシャフト20の両端をガイド46に穿設された長孔46Aに挿通し、更に操作部材としてのレバー48に穿設された長孔48Aに挿通する。このレバー48は一端がインクジェット記録装置10の側壁等に枢支されており、他端を上下に移動させることにより、シャフト20を上下に微小ながら移動させることができるようになっている。したがって、所望とする位置に移動させた後、そのレバー48を固定することにより、キャリッジ12の高さを調整することができる。
【0049】
また、ファーストノズル42側又はラストノズル44側のどちらかを調整する場合は、図11で示すように、例えばキャリッジ12の上端に係合部50を設け、その係合部50に下流側から係合する調整部材としての側面視略「L」字状プレート52をインクジェット記録装置10に設ける。そして、そのプレート52の下流側への突出長さを可変可能に構成する。このような構成にすれば、図11(A)で示すように、プレート52の長さを上流側に向かって移動させたときには、キャリッジ12はシャフト20を中心に後傾するので、ファーストノズル42側が上方に移動する。なお、このとき、ラストノズル44側が僅かに下方に下がるが、この場合は上記したように、シャフト20の高さを微調整すればよい。
【0050】
また、図11(B)で示すように、プレート52の長さを下流側に向かって移動させたときには、キャリッジ12はシャフト20を中心に前傾するので、ラストノズル44側が上方に移動する。なお、このとき、ファーストノズル42側が僅かに下方に下がるが、この場合は上記したように、シャフト20の高さを微調整すればよい。
【0051】
何れにしても、印字された調整パターンによって、インクジェット記録ヘッド32と記録紙60との高さ方向のずれ量(傾き量)が検出され、その検出結果に基づいてインクジェット記録ヘッド32の高さを調整することができるので、色ずれが発生して画質が損なわれるような不具合は生じない。なお、上記したように、図示の位置調整手段は一例であって、これに限定されるものではなく、位置調整手段は任意に構成して構わないものである。
【0052】
更に、ここで、図12で示すフローチャートを基に、本実施形態の作用を説明すると、まず、実際のインクジェット記録装置10(実機)毎に調整パターンを印字する。そして、その結果をステップT1で検討する。このとき印字された調整パターンが図3で示す調整パターンであった場合には、調整する必要がないので、そのまま終了する。
【0053】
しかしながら、それ以外だった場合には、調整パターンからインクジェット記録ヘッド32の位置ずれ量(傾き量)を算出し、ファーストノズル42側やラストノズル44側の位置を上記したような位置調整手段により調整する。そして、調整後、再度調整パターンを印字し、その結果をステップT2で検討する。このとき印字された調整パターンが図3で示す調整パターンであった場合には、調整終了となるが、それ以外だった場合には、再度調整を実施し、正確に位置調整されるまで、上記工程を繰り返し行う。
【0054】
なお、上記したインクジェット記録装置10は、記録紙60上への画像(文字を含む)の記録に限定されるものではない。すなわち、記録媒体は紙に限定されるものでなく、また、吐出する液体もインクに限定されるものではない。例えば、高分子フィルムやガラス上にインクを吐出してディスプレイ用カラーフィルターを作成したり、溶接状態の半田を基板上に吐出して部品実装用のバンプを形成したりする等、工業用的に用いられる液滴噴射装置全般に含まれる。
【0055】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、調整パターンを印字することにより、インクジェット記録ヘッドの高さ方向のずれ量が検出される。したがって、従来のように測定器を用いる必要がなく、実機毎に簡単にそのずれ量を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の一部破断概略斜視図
【図2】インクジェット記録ヘッドを搭載したキャリッジを示す概略側面図
【図3】理想とする高さ位置にインクジェット記録ヘッドがあるときの調整パターンを示す説明図
【図4】インクジェット記録ヘッドを主走査方向へ移動させながら、インクを噴射したときの様子を示す説明図
【図5】インクジェット記録ヘッドが傾いたときの印字結果を示す説明図
【図6】インクジェット記録ヘッドが傾いたときの印字結果を示す説明図
【図7】インクジェット記録ヘッドの高さが変動した場合において、インクジェット記録ヘッドを主走査方向へ移動させながら、インクを噴射したときの様子を示す説明図
【図8】変動した高さ位置にインクジェット記録ヘッドがあるときの調整パターンを示す説明図
【図9】変動した高さ位置にインクジェット記録ヘッドがあるときの調整パターンを示す説明図
【図10】キャリッジの高さ位置を調整する手段を示す説明図
【図11】キャリッジの傾きを調整する手段を示す説明図
【図12】調整パターンにより、インクジェット記録ヘッドの高さ位置を調整する工程を示すフローチャート
【図13】インクジェット記録ヘッドの高さが変動したときの印字結果を示す説明図
【図14】インクジェット記録ヘッドの水平方向の位置が変動したときの印字結果を示す説明図
【符号の説明】
10 インクジェット記録装置
12 キャリッジ
30 インクジェット記録ユニット
32 インクジェット記録ヘッド
40 ノズル
42 ファーストノズル
44 ラストノズル
60 記録紙(記録媒体)
Claims (3)
- 直線状に複数のノズルを配列してなるインクジェット記録ヘッドと、
前記インクジェット記録ヘッドが搭載され、記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジと、
を備えたインクジェット記録装置において、
前記インクジェット記録ヘッドの前記記録媒体との距離のずれ量を検出する方法であって、
前記キャリッジを第1速度で移動させながら、3以上の奇数本の第1直線を印字し、次いで前記記録媒体を搬送することなく、該キャリッジを第1速度とは異なる第2速度で移動させながら、第1直線と同一の印字タイミングで同数本の第2直線を印字してなる調整パターンと、前記ずれ量とを対応させたことを特徴とするインクジェット記録装置における記録ヘッドの位置ずれ検出方法。 - 前記調整パターンの中央には基準線が設けられ、該基準線から、前記第1直線と前記第2直線の飛翔距離差が零となるパターンまでの間隔数により、前記ずれ量が検出されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置における記録ヘッドの位置ずれ検出方法。
- 直線状に複数のノズルを配列してなるインクジェット記録ヘッドと、
前記インクジェット記録ヘッドが搭載され、記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジと、
を備えたインクジェット記録装置において、
前記キャリッジを第1速度で移動させながら、3以上の奇数本の第1直線を印字し、次いで前記記録媒体を搬送することなく、該キャリッジを第1速度とは異なる第2速度で移動させながら、第1直線と同一の印字タイミングで同数本の第2直線を印字してなる調整パターン作成手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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JP2003168152A JP2005001278A (ja) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | インクジェット記録装置における記録ヘッドの位置ずれ検出方法及びインクジェット記録装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-06-12 JP JP2003168152A patent/JP2005001278A/ja active Pending
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