JP2005000036A - コーティング種子 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた発芽性能を有するコーティング種子を提供する。
【解決手段】本発明のコーティング種子は、トルマリン鉱石粉体のような遠赤外線を放射する一種又二種以上の鉱石粉体を含有する。このような所謂機能性鉱物は、遠赤外線4〜14μmの育成光線を放射し、種子付近の土壌温度が高くなるため、発芽が助長される。又鉱石に含有される数多くの天然のミネラルが農作物の生育を促進させ耐病性を増強する。又トルマリン鉱石は多孔質鉱石であって、微弱電流を流し続ける電気特性を持っているので微弱電流が植物の毛根を刺激し発育を促進させる。トルマリン鉱石はホウ素を含有しているため毛根からの水分の吸い上げを促進し毛根の肥料焼けを防止できる。このため発芽勢、発芽率とも数値が高く、優れた発芽性能を有するコーティング種子となる。
【解決手段】本発明のコーティング種子は、トルマリン鉱石粉体のような遠赤外線を放射する一種又二種以上の鉱石粉体を含有する。このような所謂機能性鉱物は、遠赤外線4〜14μmの育成光線を放射し、種子付近の土壌温度が高くなるため、発芽が助長される。又鉱石に含有される数多くの天然のミネラルが農作物の生育を促進させ耐病性を増強する。又トルマリン鉱石は多孔質鉱石であって、微弱電流を流し続ける電気特性を持っているので微弱電流が植物の毛根を刺激し発育を促進させる。トルマリン鉱石はホウ素を含有しているため毛根からの水分の吸い上げを促進し毛根の肥料焼けを防止できる。このため発芽勢、発芽率とも数値が高く、優れた発芽性能を有するコーティング種子となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発芽率や発芽速度等発芽性能の向上を図るため表面にコーティング層を形成するコーティング種子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
農作物の種子の発芽率を向上させるために、播種前に種子を水に浸漬したり、薬剤で処理することは古くから行なわれてきた。又、最近では機械播種に適応するように種子を赤土やクレー等の造粒材で一定の大きさにコーティングする技術も知られている。このようなコーティング種子については、例えば特許文献1、特許文献2あるいは特許文献3に記載されるようなコーティング種子が提案されていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−192011号公報
【特許文献2】
特許第2676394号公報
【特許文献3】
特許第2565409号公報
【0004】
このようなコーティングは、取扱いの容易さ、あるいは機械播種における精度向上、あるいは発芽率の向上等を目指すものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、種子は播種される際の気象条件や播種技術、種子固有の特性などにより、発芽率や発芽速度に変動を生じやすく、優れた発芽性能を有する種子を安定して得ることは困難であった。更に、発芽性能の不安定な種子を天然鉱物等でコーティングした種子は、その被覆により、裸種子以上に発育性能が不安定になりやすかった。又、近年では間引き労力を低減させるために、一粒播きに適した付加価値の高いコーティング種子が必要とされるようになり、そのための発芽改良処理が必要とされていた。
【0006】
この発明は、従来のコーティング種子が有する上記の問題点を解消すべくなされたものであり、優れた発芽性能を有するコーティング種子を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明のコーティング種子は、種子に湿潤剤を付与しながら粉末状のコーティング材を加え表面にコーティング層を形成するコーティング種子において、前記コーティング材は、遠赤外線を放射する一種又二種以上の鉱石粉体を含有することを特徴とするものである。
【0008】
このような鉱石としては、例えば医王石、石英閃緑石、マグマ鉱石、貝殻類、紫金石、石英斑岩、麦飯石、黒曜石、花崗岩、千枚岩、食滑石、珪岩、雲母、黒鉛珪石、健緑石、三仙石、黒点蛇紋石、石英、花崗斑石、ラナストーン、波動石、草花石、大谷石、黄土、セラミック類、サンゴ類、ダイヤモンド、水晶、真珠、石英片岩、石英、ルビー、エメラルド、ヒスイ輝石、石英変岩石、蛇紋石、角閃石、段戸石、凝灰石、小野鉱石、白雲石、シンメイストーン、クリストバライト、石質隕石、夏目砕石、火成岩、トムロ石、力石等が挙げられる。
【0009】
このような鉱石粉体をコーティング材に含有させると、遠赤外線により種子付近の土壌温度が高くなるため発芽が助長される。
【0010】
なお医王石は富山県と石川県の県境にある医王山でとれる天然鉱石で、学名を石英閃緑玲岩といい、瑪瑙・水晶に似た組成を持つ火山岩の一種で、含有ケイ酸が70%あり、活性イオンとなって土壌の水素イオンと反応して多量のマイナスイオンを放出すると同時に土壌中に酸素を多量に発生させ、種子が酸欠により発芽不良を起こすことがない。
【0011】
又、貴宝石(登録商標)とも呼ばれる石英斑岩に属する鉱石は、高い遠赤外線放射エネルギーとマイナスイオン発生量を持つ水晶に近い天然鉱石であり、麦飯石はアルミノケイ酸(長石)と石英からなり火成岩類中の石英斑岩に属する鉱石である。これらの鉱石粉体は、夫々天然のミネラルを含有しており、これらのミネラルが農作物の生育を促進させ耐病性を増強する。
【0012】
請求項2記載のコーティング種子のコーティング材は、トルマリン鉱石の粉体を含有することを特徴とするものである。
【0013】
トルマリンは電気石と呼ばれる結晶鉱物であって、基本的には硼素を含む珪酸塩鉱物であり、三方又は六方の異極反面像族に属し、上下非対称の異極像を示すものである。その代表的な化学式は次のようになる。
3{NaX3Al6(BO3)3Si6O18(OHF)4}
X=Mg,Fe,Mn,Li,Al等
【0014】
この結晶鉱物は含まれる金属元素Xの種類によって多彩な色を示し、例えばFeやMnを含むショールトルマリン(鉄電気石あるいは黒電気石)は黒色、Liを含むリチアトルマリン(リチア電気石)は紅色、緑色等、又Mgを含むドラバイトトルマリン(苦土電気石)は黄色、褐色等を示す。比重は3.1〜3.2、硬度はモース硬度で7.0〜7.5であって、従来より圧電性及び焦電性の電気的性質を備えた結晶鉱物であることが知られていた。
【0015】
又トルマリンは「永久電極」と称される電気的性質をも備えることが確認されている。これは永久磁石における永久磁極に相当するものであり、その分極電荷は、ショールトルマリンでは20mmの大きさで5.34V、2mmの大きさでも2.34Vの分極電荷が確認されており、リチアトルマリンでは20mmの大きさで3.3Vの静電圧を有することが立証されている。
【0016】
ところで、トルマリンの永久電極はその結晶体を細かく粉砕しても失われないので、この性質を利用し、数μmのトルマリンの微粉砕粒子と水とを接触させることによって、無数の電極による微弱な(電解圧以下の電圧で)水の電気分解を行い、その結果界面活性機能を備えた水を得ることができる。またトルマリン電極による微弱な水の電気分解は、空気中に含まれる水分(湿気)に対しても起こる。
【0017】
従って空気中の水分子と接触し得るトルマリン粉体を含有する製品は、水分子を電気分解して周囲に界面活性物質を放出する。この界面活性物質は−の電荷を持ちヒドロキシルイオンといわれるものであるが、いわゆる「マイナス空気イオン」に相当するものであり、又トルマリンは、安定した波長の遠赤外線を放射する物質であることが認められている。
【0018】
このような性質を備えるトルマリン鉱石の粉体をコーティング材に用いると、遠赤外線により種子付近の土壌温度が高くなるため、より一層発芽が助長される。又トルマリン鉱石は微弱電流を流し続けているため植物の毛根を刺激し、発育を促進させる。又ホウ素を含有しているため毛根からの水分の吸い上げを促進し毛根の肥料焼けを防止できる。
【0019】
請求項3記載のコーティング種子のコーティング材は、千枚岩粉体1.0〜10.0重量%、トルマリン鉱石の焼成物粉体10.0〜30.0重量%、残部シリカ粉体よりなりトルマリンの電気的特性を備える粉末状組成物を含有することを特徴とするものである。この粉末状組成物での各粉体の大きさは数十μ以下、望ましくは数μ以下とする。この粉末状組成物は、ショールライト(登録商標)とも呼ばれるもので、成分及び特性が天然ショールトルマリン鉱石に極めて近く、トルマリン同様の電気的性質、遠赤外線放射エネルギーを備えるものである。
【0020】
請求項4記載のコーティング種子の湿潤剤は、キトサンを含有する水溶液であることを特徴とするものである。この水溶液は例えばキトサン、エタノール、食酢及び水で構成される。キトサンは、植物病原菌の感染を阻止する効果を有すると共に、植物の生育を促進して収穫量が増す効果も期待できるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明のコーティング種子は、トルマリン鉱石粉体あるいはこれに加えて医王石、石英斑岩、麦飯石、黒曜石、草花石、ラジウム含有鉱石、ゼオライトの内一種又は二種以上の鉱石粉体、あるいはトルマリンの電気的特性を備える粉末状組成物などの所謂機能性鉱物の粉体がコーティング材に含有されている。
【0022】
この所謂機能性鉱物は、トルマリン鉱石に代表されるような遠赤外線4〜14μmの育成光線を放射し、多孔質鉱石であって、微弱電流を流し続ける電気特性を持った鉱物であることが望ましく、しかもコーティング材としては0.1重量%以上50重量%以下含有されていること、その平均粒径は1.7mmから0.1μmの粉体を用いることが望ましい。
【0023】
本発明において用いる所謂機能性鉱物粉体は、種子の造粒コーティングの目的に通常使用されるその他のコーティング用粉体材料と均一に混合されてもよい。使用可能なコーティング材料には種々の公知又は新規なコーティング材料を使用することが可能である。例えば種子のコーティングに一般的に用いられる珪藻土、クレー、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、シリカ、バーミキュライト、カオリン、タルク、赤土、非晶質シリカ、パイロ、カオリナイト、モンモリナイト、サポナイト、パリゴルスカイト、クロライト、イライト、火山灰、白土、酸化チタン、木炭、竹炭、活性炭、セラミック活性炭、カニ殻粉末、炭素粉等を一種以上適宜組合せて使用することができる。
【0024】
又コーティングの粉体に加えるバインダーとしては公知のバインダーを使用することができる。例えば、アラビアゴム、ゼラチン、PVA,CMC、でんぷん、ブルラン等の水溶性バインダーを用いる。又、撥水剤、疎水剤、その他の成分として植物ホルモン、植物栄養剤、殺菌剤、酸素発生剤、発芽促進剤、着色剤、植物生長抑制剤、肥料等の補助成分を含有しても良い。
【0025】
以上のようなコーティング材を用いて、種子を造粒コーティングするには、種子をコーティング容器に入れ、容器を回転させながら、湿潤剤である水溶液を噴霧などの方法により付与しながら、粉末状の鉱石粉体等を加えて種子に付着させ、該種子の表面にコーティング層を形成せしめる。コーティング容器については、傾斜回転パン型造粒機や流動層型造粒機など種々の公知の造粒装置を用いることができ特に制限は無い。
【0026】
湿潤剤としては、水あるいはキトサンを含有する水溶液を用いる。キトサン水溶液は例えばキトサン、エタノール、食酢及び水で構成される。種子をキトサン液にドブ漬けして、トルマリン粉末をまぶしたコーティング種子は材料が全て天然物であるため、現状農薬等人体に対して影響を与えるコーティング種子と異なって、農家の人がコーティング種子を直接手に触れても全く安全であり自然環境の汚染がない。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明の具体例及び効果を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。表1に本発明の実施例1〜6及び比較例として造粒コーティングしていない裸の種子についての試験結果を示す。なお各実施例及び比較例で用いた種子は夫々ほうれん草種子であって、実施例1〜6においては種子をコーティング容器に入れ、表1に示す湿潤剤を噴霧等の方法により付加しながら、表1に示すコーティング材である鉱物粉体を添加し、造粒コーティングした後乾燥させたものである。
【0028】
【表1】
【0029】
なお、湿潤剤であるキトサン水溶液の配合は、キトサン0.01%、エタノール0.03%、食酢0.1%、水99.86%とした。又、トルマリンの電気的特性を備える粉末状組成物としては千枚岩粉体1.0〜10.0重量%、トルマリン鉱石の焼成物粉体10.0〜30.0重量%、残部シリカ粉体よりなる粉末状組成物で330メッシュのものを用いた。
【0030】
このようにして得られた本発明のコーティング種子の発芽性能を調査するため、比較例である裸種子と同時に育苗培土を詰めたプラグトレーに播種し、上面から十分に潅水して、育苗ハウス内で栽培した。4日目に発芽している種子の割合である発芽勢(%)及び試験開始から7日後の発芽している種子の割合である発芽率(%)を調査した。
【0031】
表1より明らかなように、実施例1〜6のコーティング種子では何れも発芽勢及び発芽率とも裸種子より良好な数値を示している。特に、湿潤剤にキトサン水溶液を採用した場合(実施例2,4,6)は、発芽勢が68〜78%と裸種子の約6倍の数値を示し、発芽率も92〜98%と裸種子の約1.25倍の値となっている。又、湿潤剤に水を用いた場合(実施例1,3,5)でも裸種子に比べ発芽勢で約3倍、発芽率で約1.14倍の値と良好な試験結果を示していた。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のコーティング種子のコーティング材は、遠赤外線を放射する一種又二種以上の鉱石粉体を含有するので、遠赤外線により種子付近の土壌温度が高くなるため、発芽が助長される。又鉱石に含有される数多くの天然のミネラルが農作物の生育を促進させ耐病性を増強する。
【0033】
請求項2記載のコーティング種子のコーティング材は、トルマリン鉱石の粉体を含有するので、トルマリン鉱石の微弱電流が植物の毛根を刺激し発育を促進させる。又トルマリン鉱石はホウ素を含有しているため毛根からの水分の吸い上げを促進し毛根の肥料焼けを防止できる。このため発芽勢、発芽率とも数値が高く、優れた発芽性能を有するコーティング種子となる。
【0034】
請求項3記載のコーティング種子のコーティング材は、トルマリンの電気的特性を備える粉末状組成物を含有するので、トルマリン同様の優れた発芽性能を備える。請求項4記載のコーティング種子の湿潤剤は、キトサンを含有する水溶液であるので、発芽勢、発芽率の向上が期待できる。
【発明の属する技術分野】
この発明は、発芽率や発芽速度等発芽性能の向上を図るため表面にコーティング層を形成するコーティング種子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
農作物の種子の発芽率を向上させるために、播種前に種子を水に浸漬したり、薬剤で処理することは古くから行なわれてきた。又、最近では機械播種に適応するように種子を赤土やクレー等の造粒材で一定の大きさにコーティングする技術も知られている。このようなコーティング種子については、例えば特許文献1、特許文献2あるいは特許文献3に記載されるようなコーティング種子が提案されていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−192011号公報
【特許文献2】
特許第2676394号公報
【特許文献3】
特許第2565409号公報
【0004】
このようなコーティングは、取扱いの容易さ、あるいは機械播種における精度向上、あるいは発芽率の向上等を目指すものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、種子は播種される際の気象条件や播種技術、種子固有の特性などにより、発芽率や発芽速度に変動を生じやすく、優れた発芽性能を有する種子を安定して得ることは困難であった。更に、発芽性能の不安定な種子を天然鉱物等でコーティングした種子は、その被覆により、裸種子以上に発育性能が不安定になりやすかった。又、近年では間引き労力を低減させるために、一粒播きに適した付加価値の高いコーティング種子が必要とされるようになり、そのための発芽改良処理が必要とされていた。
【0006】
この発明は、従来のコーティング種子が有する上記の問題点を解消すべくなされたものであり、優れた発芽性能を有するコーティング種子を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明のコーティング種子は、種子に湿潤剤を付与しながら粉末状のコーティング材を加え表面にコーティング層を形成するコーティング種子において、前記コーティング材は、遠赤外線を放射する一種又二種以上の鉱石粉体を含有することを特徴とするものである。
【0008】
このような鉱石としては、例えば医王石、石英閃緑石、マグマ鉱石、貝殻類、紫金石、石英斑岩、麦飯石、黒曜石、花崗岩、千枚岩、食滑石、珪岩、雲母、黒鉛珪石、健緑石、三仙石、黒点蛇紋石、石英、花崗斑石、ラナストーン、波動石、草花石、大谷石、黄土、セラミック類、サンゴ類、ダイヤモンド、水晶、真珠、石英片岩、石英、ルビー、エメラルド、ヒスイ輝石、石英変岩石、蛇紋石、角閃石、段戸石、凝灰石、小野鉱石、白雲石、シンメイストーン、クリストバライト、石質隕石、夏目砕石、火成岩、トムロ石、力石等が挙げられる。
【0009】
このような鉱石粉体をコーティング材に含有させると、遠赤外線により種子付近の土壌温度が高くなるため発芽が助長される。
【0010】
なお医王石は富山県と石川県の県境にある医王山でとれる天然鉱石で、学名を石英閃緑玲岩といい、瑪瑙・水晶に似た組成を持つ火山岩の一種で、含有ケイ酸が70%あり、活性イオンとなって土壌の水素イオンと反応して多量のマイナスイオンを放出すると同時に土壌中に酸素を多量に発生させ、種子が酸欠により発芽不良を起こすことがない。
【0011】
又、貴宝石(登録商標)とも呼ばれる石英斑岩に属する鉱石は、高い遠赤外線放射エネルギーとマイナスイオン発生量を持つ水晶に近い天然鉱石であり、麦飯石はアルミノケイ酸(長石)と石英からなり火成岩類中の石英斑岩に属する鉱石である。これらの鉱石粉体は、夫々天然のミネラルを含有しており、これらのミネラルが農作物の生育を促進させ耐病性を増強する。
【0012】
請求項2記載のコーティング種子のコーティング材は、トルマリン鉱石の粉体を含有することを特徴とするものである。
【0013】
トルマリンは電気石と呼ばれる結晶鉱物であって、基本的には硼素を含む珪酸塩鉱物であり、三方又は六方の異極反面像族に属し、上下非対称の異極像を示すものである。その代表的な化学式は次のようになる。
3{NaX3Al6(BO3)3Si6O18(OHF)4}
X=Mg,Fe,Mn,Li,Al等
【0014】
この結晶鉱物は含まれる金属元素Xの種類によって多彩な色を示し、例えばFeやMnを含むショールトルマリン(鉄電気石あるいは黒電気石)は黒色、Liを含むリチアトルマリン(リチア電気石)は紅色、緑色等、又Mgを含むドラバイトトルマリン(苦土電気石)は黄色、褐色等を示す。比重は3.1〜3.2、硬度はモース硬度で7.0〜7.5であって、従来より圧電性及び焦電性の電気的性質を備えた結晶鉱物であることが知られていた。
【0015】
又トルマリンは「永久電極」と称される電気的性質をも備えることが確認されている。これは永久磁石における永久磁極に相当するものであり、その分極電荷は、ショールトルマリンでは20mmの大きさで5.34V、2mmの大きさでも2.34Vの分極電荷が確認されており、リチアトルマリンでは20mmの大きさで3.3Vの静電圧を有することが立証されている。
【0016】
ところで、トルマリンの永久電極はその結晶体を細かく粉砕しても失われないので、この性質を利用し、数μmのトルマリンの微粉砕粒子と水とを接触させることによって、無数の電極による微弱な(電解圧以下の電圧で)水の電気分解を行い、その結果界面活性機能を備えた水を得ることができる。またトルマリン電極による微弱な水の電気分解は、空気中に含まれる水分(湿気)に対しても起こる。
【0017】
従って空気中の水分子と接触し得るトルマリン粉体を含有する製品は、水分子を電気分解して周囲に界面活性物質を放出する。この界面活性物質は−の電荷を持ちヒドロキシルイオンといわれるものであるが、いわゆる「マイナス空気イオン」に相当するものであり、又トルマリンは、安定した波長の遠赤外線を放射する物質であることが認められている。
【0018】
このような性質を備えるトルマリン鉱石の粉体をコーティング材に用いると、遠赤外線により種子付近の土壌温度が高くなるため、より一層発芽が助長される。又トルマリン鉱石は微弱電流を流し続けているため植物の毛根を刺激し、発育を促進させる。又ホウ素を含有しているため毛根からの水分の吸い上げを促進し毛根の肥料焼けを防止できる。
【0019】
請求項3記載のコーティング種子のコーティング材は、千枚岩粉体1.0〜10.0重量%、トルマリン鉱石の焼成物粉体10.0〜30.0重量%、残部シリカ粉体よりなりトルマリンの電気的特性を備える粉末状組成物を含有することを特徴とするものである。この粉末状組成物での各粉体の大きさは数十μ以下、望ましくは数μ以下とする。この粉末状組成物は、ショールライト(登録商標)とも呼ばれるもので、成分及び特性が天然ショールトルマリン鉱石に極めて近く、トルマリン同様の電気的性質、遠赤外線放射エネルギーを備えるものである。
【0020】
請求項4記載のコーティング種子の湿潤剤は、キトサンを含有する水溶液であることを特徴とするものである。この水溶液は例えばキトサン、エタノール、食酢及び水で構成される。キトサンは、植物病原菌の感染を阻止する効果を有すると共に、植物の生育を促進して収穫量が増す効果も期待できるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
次にこの発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明のコーティング種子は、トルマリン鉱石粉体あるいはこれに加えて医王石、石英斑岩、麦飯石、黒曜石、草花石、ラジウム含有鉱石、ゼオライトの内一種又は二種以上の鉱石粉体、あるいはトルマリンの電気的特性を備える粉末状組成物などの所謂機能性鉱物の粉体がコーティング材に含有されている。
【0022】
この所謂機能性鉱物は、トルマリン鉱石に代表されるような遠赤外線4〜14μmの育成光線を放射し、多孔質鉱石であって、微弱電流を流し続ける電気特性を持った鉱物であることが望ましく、しかもコーティング材としては0.1重量%以上50重量%以下含有されていること、その平均粒径は1.7mmから0.1μmの粉体を用いることが望ましい。
【0023】
本発明において用いる所謂機能性鉱物粉体は、種子の造粒コーティングの目的に通常使用されるその他のコーティング用粉体材料と均一に混合されてもよい。使用可能なコーティング材料には種々の公知又は新規なコーティング材料を使用することが可能である。例えば種子のコーティングに一般的に用いられる珪藻土、クレー、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、シリカ、バーミキュライト、カオリン、タルク、赤土、非晶質シリカ、パイロ、カオリナイト、モンモリナイト、サポナイト、パリゴルスカイト、クロライト、イライト、火山灰、白土、酸化チタン、木炭、竹炭、活性炭、セラミック活性炭、カニ殻粉末、炭素粉等を一種以上適宜組合せて使用することができる。
【0024】
又コーティングの粉体に加えるバインダーとしては公知のバインダーを使用することができる。例えば、アラビアゴム、ゼラチン、PVA,CMC、でんぷん、ブルラン等の水溶性バインダーを用いる。又、撥水剤、疎水剤、その他の成分として植物ホルモン、植物栄養剤、殺菌剤、酸素発生剤、発芽促進剤、着色剤、植物生長抑制剤、肥料等の補助成分を含有しても良い。
【0025】
以上のようなコーティング材を用いて、種子を造粒コーティングするには、種子をコーティング容器に入れ、容器を回転させながら、湿潤剤である水溶液を噴霧などの方法により付与しながら、粉末状の鉱石粉体等を加えて種子に付着させ、該種子の表面にコーティング層を形成せしめる。コーティング容器については、傾斜回転パン型造粒機や流動層型造粒機など種々の公知の造粒装置を用いることができ特に制限は無い。
【0026】
湿潤剤としては、水あるいはキトサンを含有する水溶液を用いる。キトサン水溶液は例えばキトサン、エタノール、食酢及び水で構成される。種子をキトサン液にドブ漬けして、トルマリン粉末をまぶしたコーティング種子は材料が全て天然物であるため、現状農薬等人体に対して影響を与えるコーティング種子と異なって、農家の人がコーティング種子を直接手に触れても全く安全であり自然環境の汚染がない。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明の具体例及び効果を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。表1に本発明の実施例1〜6及び比較例として造粒コーティングしていない裸の種子についての試験結果を示す。なお各実施例及び比較例で用いた種子は夫々ほうれん草種子であって、実施例1〜6においては種子をコーティング容器に入れ、表1に示す湿潤剤を噴霧等の方法により付加しながら、表1に示すコーティング材である鉱物粉体を添加し、造粒コーティングした後乾燥させたものである。
【0028】
【表1】
【0029】
なお、湿潤剤であるキトサン水溶液の配合は、キトサン0.01%、エタノール0.03%、食酢0.1%、水99.86%とした。又、トルマリンの電気的特性を備える粉末状組成物としては千枚岩粉体1.0〜10.0重量%、トルマリン鉱石の焼成物粉体10.0〜30.0重量%、残部シリカ粉体よりなる粉末状組成物で330メッシュのものを用いた。
【0030】
このようにして得られた本発明のコーティング種子の発芽性能を調査するため、比較例である裸種子と同時に育苗培土を詰めたプラグトレーに播種し、上面から十分に潅水して、育苗ハウス内で栽培した。4日目に発芽している種子の割合である発芽勢(%)及び試験開始から7日後の発芽している種子の割合である発芽率(%)を調査した。
【0031】
表1より明らかなように、実施例1〜6のコーティング種子では何れも発芽勢及び発芽率とも裸種子より良好な数値を示している。特に、湿潤剤にキトサン水溶液を採用した場合(実施例2,4,6)は、発芽勢が68〜78%と裸種子の約6倍の数値を示し、発芽率も92〜98%と裸種子の約1.25倍の値となっている。又、湿潤剤に水を用いた場合(実施例1,3,5)でも裸種子に比べ発芽勢で約3倍、発芽率で約1.14倍の値と良好な試験結果を示していた。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のコーティング種子のコーティング材は、遠赤外線を放射する一種又二種以上の鉱石粉体を含有するので、遠赤外線により種子付近の土壌温度が高くなるため、発芽が助長される。又鉱石に含有される数多くの天然のミネラルが農作物の生育を促進させ耐病性を増強する。
【0033】
請求項2記載のコーティング種子のコーティング材は、トルマリン鉱石の粉体を含有するので、トルマリン鉱石の微弱電流が植物の毛根を刺激し発育を促進させる。又トルマリン鉱石はホウ素を含有しているため毛根からの水分の吸い上げを促進し毛根の肥料焼けを防止できる。このため発芽勢、発芽率とも数値が高く、優れた発芽性能を有するコーティング種子となる。
【0034】
請求項3記載のコーティング種子のコーティング材は、トルマリンの電気的特性を備える粉末状組成物を含有するので、トルマリン同様の優れた発芽性能を備える。請求項4記載のコーティング種子の湿潤剤は、キトサンを含有する水溶液であるので、発芽勢、発芽率の向上が期待できる。
Claims (4)
- 種子に湿潤剤を付与しながら粉末状のコーティング材を加え表面にコーティング層を形成するコーティング種子において、前記コーティング材は、遠赤外線を放射する一種又二種以上の鉱石粉体を含有することを特徴とするコーティング種子。
- 前記コーティング材は、トルマリン鉱石の粉体を含有することを特徴とする請求項1記載のコーティング種子。
- 前記コーティング材は、千枚岩粉体1.0〜10.0重量%、トルマリン鉱石の焼成物粉体10.0〜30.0重量%、残部シリカ粉体よりなりトルマリンの電気的特性を備える粉末状組成物を含有することを特徴とする請求項2記載のコーティング種子。
- 前記湿潤剤は、キトサンを含有する水溶液であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のコーティング種子。
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