JP2004537926A - ブロードバンド通信システムにおけるスペクトル管理のための高度な漏話識別 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、束ねられた電話線またはケーブルを介して高帯域幅の通信サービスを伝送する加入者ループ間での漏話の識別に関し、具体的には、デジタル加入者回線(「DSL」)サービス・ループでの漏話の識別に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2001年7月31日に出願した「Method Of Identifying The Quantity And Type Of Crosstalkers Disturbing A Subscriber Loop」という名称の米国特許仮出願第60/309075号明細書の特典を主張するものであり、2001年8月3日に出願した「Crosstalk Identification For Spectrum Management In Broadband Telecommunication Systems」という名称の米国特許第09/922064号明細書の一部継続出願である。
【0003】
漏話の識別は、漏話を消去することによって、また、通信システムにおけるローカル施設のスペクトル管理の一部として、その影響を最小限にすることを可能にする。漏話ディスターバ(disturber:妨害するもの)の識別は、重回帰(MR)分析を含むさまざまな方法、およびマッチング追跡(MP:照合追跡)アルゴリズムの使用を含む疎な解(sparse solution)に関連する最良基準セット(BBS:Best Basis Set)問題の適用を通じて実施される。
【0004】
電話会社のローカルネットワークの中核をなしているのが、ローカル加入者ループである。ローカル加入者ループは、現在、DSLサービスなどのブロードバンドデジタル通信サービスを提供するために使用されている。こうしたブロードバンドDSLサービスには、サービス総合デジタル加入者網(「ISDN」)、高速デジタル加入者回線(「HDSL」)、非対称デジタル加入者回線(「ADSL」)、および超高速非対称デジタル加入者回線(「VDSL」)技術が含まれる。DSLサービスは、一般家庭や法人の顧客が、従来のアナログモデム技術を使用した場合に可能であった速度よりも速い速度で、デジタルデータの送受信ができるようにするものである。
【0005】
DSL技術は、無装荷ループ(18kft)または搬送波有効範囲(CSA:Carrier Serving Area)ループ(9から12kft)などの、加入者ループクラスを介して動作するように設計されている。デジタル加入者回線(DSL)技術は、既存の広く普及した銅線の電話ループ施設を活用して、毎秒メガビット(Mbps)という高速のインターネットアクセスおよび他のサービスを提供する。
【0006】
一般家庭の顧客の大半および法人の顧客の多くが、中央局(「CO」)のローカル交換機から加入者の陸線電話までを接続した、このような金属製(銅製)のツイストペア(撚り対線)ケーブルによってサービスを提供されている。各加入者について、電話およびDSL信号は、単一のツイストペア上を中央局(CO)から加入者まで移動する。多くの、時には何千にも上るツイストペアが単一のケーブルにまとめられる。ペアをより合せることによって、各ペア上の平衡回路間での電磁結合の平均量を低レベルに維持し、その結果、音声周波数でさまざまな回路間の漏話結合が低くなる。ツイストペアのケーブル布線は、音声サービスを搬送するように設計および構築されたものであり、一般に数kHzまでの音声周波数で、理解起こり得る漏話について非常に低い確率が求められるだけである。
【0007】
ただし一般に、漏話は周波数の上昇と共に増加し、DSL周波数はメガヘルツ(「MHz」)の領域にまで延在しているため、漏話が高速DSLの大きな制限となっている。いくつかの個々のツイストペアが1本のバインダ(結合筒帯)にまとめられ、いくつかのバインダが各電話ケーブル内に存在する(典型的には、1本のバインダには12、13、25、50、または100本のペアがある)ため、同じバインダ内のペア間での漏話は、異なるバインダ内のペア間でよりもかなり高い。電話ケーブル布線は、12から100チャネルの間で漏話が存在する多入力多出力のインターフェースチャネルであるとみなすことができるが、通常、各ペア内に強力なクロストーカ(漏話源)はそれほど多くはない。
【0008】
DSL技術はまだかなり新しいものである。現在までの一般的な方法は、各ツイストペア上の各信号をまったく別々に処理し、漏話はそれについて何も知られていない単なる付加的なガウス雑音であると想定するものであった。加入者はこの方法を使用して、音声帯域モデムよりもはるかに速い最高数メガバイト毎秒(「Mbps」)まで、相対的に高速のサービスを享受することができる。これが、現在のDSLスペクトル管理の固定的な方法である。
【0009】
時が経つにつれ、DSLユーザが増加し、それぞれがより高速のサービスを要求することになろうと予測される。その結果、漏話が増加し、漏話に対してより無防備な高帯域幅サービスが増えることになる。漏話を識別し、こうした漏話を消去し、さらにそれによってローカルループ施設内の使用起こり得る周波数スペクトルを入念に管理するための、的確なシステムおよび方法がなければ、結局のところ顧客の失望、遅延、および高いコストを発生させることになる問題を避ける方法はないであろう。
【0010】
ISDN基本アクセス、HDSL、およびADSLに関するDSL標準(規格)を担当している米国規格協会(ANSI)の審議会T1E1.4は、1998年に、スペクトル管理に関連する標準を開発するプロジェクトを立ち上げた。2001年にANSI標準T1.417「ループ伝送系のスペクトル管理」が承認され、2001年1月に発行された。このANSI標準は、比較的に硬直した規則をループ施設全体にわたって均等に適用するものである。たとえば対称DSL(「SDSL」)のクラスなど、新しいDSL系に関していくつかの提案がなされている。残念ながらこの発想は、現在承認されている9つのDSL系のクラスを示した表1に示されているように、スペクトル管理の問題を複雑にするものである。
【0011】
【表1】
【0012】
図8は、クラス6を除くこれらのスペクトル管理クラスのそれぞれについて、クラス1を表す回線110およびクラス9を表す回線180、ならびにその間で表されたその他それぞれのラインによって、現在採用されているパワースペクトル密度(「PSD」)テンプレートを示す図である。ANSI標準に準拠するために、1つの装置によって伝送される信号のPSDは、すべての周波数でこのテンプレートに該当するものでなければならない。これは通常、製造時に検証されるが、現場で問題が発生した場合は、ローカルオペレータが、おそらくこの標準に違反して伝送しているシステムの識別を含む、不一致および苦情を解決しなければならない。
【0013】
DSLスペクトル管理に関する現在の規則は、固定的に最悪の場合の漏話タイプおよび漏話結合を想定している。これらの規則は、ANSI標準で想定されたほぼ最悪の場合の結合とはかなり異なる可能性のある、ケーブル内の特定のペアに関連する個々のタイプの漏話源または漏話結合を考慮に入れていない。動的なスペクトル管理では、特定のケーブルそれぞれの個々のタイプの漏話源および漏話結合を考慮に入れるため、DSLサービスの提供を受けられる顧客の数およびそれらのビットレートを大幅に増加させることができるであろう。したがって、ループごとを基準の漏話を特徴付けることのできるシステムには、施設の漏話のより良い特徴付けを生み出す可能性がある。さらに、ループスペクトル管理のデータベース内のこうした漏話データを使用することは、個々の加入者ループについて最適な性能を提供するために調査し、関連付け、活用すべき可能性を有する。
【0014】
機械化された精度の高い方法で、加入者の場所での特殊な装置または介入を必要とすることなく、漏話環境をループごとの基準に特徴付けることのできる技法を有することが望ましい。
【0015】
さらに、DSL系のスペクトル管理のために、漏話を識別するための自動化システムを使用することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、複数の顧客に提供されているDSLサービスの構成に応じて、システムオペレータが実際のまたは潜在的な漏話ディスターバを識別できるようにする、ローカルループ間の漏話を識別するための手段を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、ローカルループ施設内でスペクトルを管理するための手段を提供する、ループ施設内のいくつかのDSL回線/加入者間でのスペクトル互換性を保証するために、高帯域幅のDSL系での漏話を識別するための方法およびシステムが使用される。
【0018】
周波数領域内で漏話を識別するための新しい方法は、測定されたスペクトルと、漏話基準セットとみなすことのできる事前に定義されたPSDのセットとの間の相関係数を計算する。基準セットのサイズは、漏話ディスターバのタイプに従って、完全な基準セットの特異値分解を使用することによって管理できる。
【0019】
本発明の方法では、加入者ループの測定されたパワースペクトル密度が、起こり得る漏話ディスターバのグループに関するパワースペクトル密度の所定のセットと相関させられ、最も密接に相関するパワースペクトル密度を有する漏話ディスターバが、識別されたディスターバとして選択される。いったん識別されると、選択された漏話ディスターバのパワースペクトル密度は、前記加入者ループの測定されたパワースペクトル密度からスペクトル減算を使用して減じられ、その結果生じたパワースペクトル密度が、起こり得る漏話ディスターバのグループに関するパワースペクトル密度の所定のセットと再度相関させられて、付加的なディスターバを識別する。
【0020】
この方法は、重回帰(MR)技法またはマッチング追跡(MP)アルゴリズムを使用して、ベクトルの過完備(overcomplete)な集合からベクトルの最適な疎(sparse)表現を見つけることもできる。これらの技法は、相関を使用する漏話ディスターバ識別方法の精度を上げるために使用するか、または相関方法の代わりに使用することができる。
【0021】
この方法は、決定変数Qi(n)およびチャネル推定値
【0022】
【数1】
【0023】
から、信号ri(k)を受信することが可能、および決定値セット
【0024】
【数2】
【0025】
を生成することが起こり得る、DMT受信機に適用することができる。データスライサは、決定変数Qi(n)から決定値セット
【0026】
【数3】
【0027】
を抽出する。漏話PSD推定器は、決定値セット
【0028】
【数4】
【0029】
決定変数Qi(n)、およびチャネル推定値
【0030】
【数5】
【0031】
に基づいて、漏話ディスターバのパワースペクトル密度を推定し、漏話識別器は、その推定された漏話ディスターバのパワースペクトル密度を起こり得るディスターバのセットと相関させ、最大相関を表すディスターバを選択することによって、漏話ディスターバのタイプを識別する。さらに、漏話ディスターバのp番目の線形MMSE予測を予測するために、漏話予測器を追加することができる。この予測は、DMT受信機内での漏話ディスターバの影響を消去するために使用することができる。
【0032】
複数の加入者ループに使用起こり得るブロードバンドスペクトルを管理するために、漏話ディスターバの識別をオペレーションサポートシステム(OSS)に送信することもできる。この情報は、DSL受信機内での漏話ディスターバの影響を消去するために使用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、ローカルループ環境の一例における漏話を示す図である。ツイストペア銅線を含むDSLループ18は、2人の加入者20を中央局(「CO])12またはリモート端末(「RT」)に接続する。2つのループ間の近端漏話(「NEXT」)30は、ディスターバの送信機が配置されるループ端部(COまたはRTのいずれか)に存在する可能性があり、遠端漏話(「FEXT」)40は、ディスターバの送信機が配置されるのと反対側のループ18末端に存在する可能性がある。
【0034】
ツイストペア18は、受け取った信号ベクトルを
【0035】
Y(f)=R(f)+N(f)+H(f)D(f) (1)
【0036】
として表すことにより、マルチユーザチャネルとみなすことが可能であり、上式で、R(f)は受信されたメッセージベクトル、N(f)は独立した背景雑音のベクトル、D(f)は隣接ペア上に漏話を生み出す送信された信号のベクトル、およびH(f)は漏話結合の行列である。近端漏話(NEXT)の場合、R(f)はケーブルの一方の端から送信され、D(f)は他方の端から送信される。受信された漏話H(f)D(f)は、消去するか、最小にするか、そうでなければ白色雑音よりも干渉が少なくなるように処理することができる。
【0037】
ツイストペアマルチユーザチャネルは、通常、時間不変性(time invariant)である。漏話結合は、ケーブルの温度変化につれて変化する可能性があるが、非常にわずかなものにすぎない。ブロードバンドサービスの主アプリケーションはインターネットアクセスが「常時オン」であるため、漏話源はオンやオフになる可能性があるが、それほど頻繁ではない。時間不変性は、大きなサンプルサイズを使用して漏話結合の推定値をかなり正確なものにすることができる。モデムへの通信リンクを介してすべての回線に接続された第三者システムを運営する「第三者」は、結合統計値(joint statistics)を取得することが可能であり、送信されたすべてのデータの認識を漏話結合の推定に使用することができる。マルチユーザの漏話統計値にアクセスできる「第三者」またはオペレーションセンタは、情報に接していない技術者よりも漏話の問題を診断する能力がはるかに優れている。
【0038】
受信した漏話は、測定機器を単一のペアに一時的に接続することによって測定可能であり、漏話結合は、測定機器を複数のペアに接続することによって測定可能である。推定値の精度は、複数のペアケーブルのどの要素にアクセス可能であるかに強く依存しており、たとえば漏話結合は、送信機および受信機の両方からデータにアクセスすることによって、正確に推定することができる。漏話パラメータの推定は、非常に多くのデータサンプルを使用して、オフラインで実行することができる。漏話パラメータの認識は、スペクトルの管理および維持目的に役立てることが可能であり、実行時にモデムの性能を強化するためにも使用することができる。
【0039】
電話の外部施設には多くの予測のつかない変動があり、古いケーブルの中には漏話性能に乏しいものがある。漏話からは予期せぬ問題が発生する可能性があり、診断はかなり困難な場合がある。
【0040】
本発明の方法は、任意の単一の受信機内で実行することができる。第1のステップは、漏話を生み出しているDSL回線のタイプを識別することである。これを実施するために、受信機はどの種類のDSLが漏話を生み出しているかを推定する。これは、高周波数では実際には一般的なクロストーカタイプの数が、T1回線、サービス総合デジタル網(ISDN)、高ビットレートデジタル加入者回線(HDSL)、1ペア高ビットレートデジタル加入者回線(HDSL2)、非対称デジタル加入者回線(ADSL)、および対称デジタル加入者回線(SDSL)と、わずかであるために実施することができる。1ペア高速デジタル加入者回線(G.shdsl)および超高速デジタル加入者回線(VDSL)も、近いうちに漏話の発生源(ソース)となり得るであろう。これらのクロストーカタイプはそれぞれ、固有の漏話パワースペクトル密度(PSD)を有し、このPSDは従来の整合フィルタ相関技法を使用して推定される。この方法の基本的な実施は、図11のステップ310、320、および330で記述しており、以下に記述する反復プロセスの追加ステップも示している。
【0041】
図2を参照すると、本発明に従った漏話識別システムは、(RAMなどの1次メモリ、あるいは磁気ディスクドライブ、他の記憶媒体、またはそれらの組合せなどの2次メモリのいずれかを含むことが起こり得る)メモリ220、および入力/出力(I/O)ユニット230と通信する、プロセッサ210を備えたコンピュータ200に備えるものである。I/Oユニット230は、1つまたは複数の加入者ループ18のパワースペクトル密度を示すデータを受け取るように適合されている。ディスプレイ260は、PSD測定および漏話識別に関する図形および/またはテキストの情報を表示するために使用することができる。ユーザインターフェースを提供するために、キーボード、マウス、タッチパッド、トラックボールなどの他の入力/出力デバイス(図示せず)をコンピュータ200と連動して使用することができる。
【0042】
プロセッサ210は、1つまたは複数の加入者回線18上の漏話を識別するために、メモリ220内に記憶された本明細書に記載された方法のステップを実行する。付加的なソフトウェアを実行して、I/Oユニット230を介して入力された測定値からPSDを生成することもできる。あるいは、さまざまな加入者ループに関するPSDが測定起こり得る別の試験測定デバイスを、I/Oユニット230に接続することもできる。
【0043】
識別アルゴリズムは、以下でより詳細に説明するスペクトル減算を使用する一連の推定および消去プロセスにより、クロストーカが複数の場合にまで拡張される。
【0044】
クロストーカのタイプに関する認識は、DSL受信機内での漏話消去に使用することができる。漏話源のタイプがいったん決定されると、その決定が正しいと想定した漏話源の相関がわかる。これらの相関は、受信機内で検出される前に、受信される漏話のパワーを最小限にする、予測フィルタリングのタイプに関する最適な重み付けセットを構築するために使用される。予測フィルタの係数は、各タイプの漏話の既知の特性に基づいて、事前に決定される。
【0045】
漏話の発生源は「ディスターバ」と呼ばれることが多い。漏話には、近端漏話(NEXT)と遠端漏話(FEXT)という、2つのタイプがある。NEXTはFEXTよりも強く、具体的に言えば、多くのDSLが重複スペクトルを使用する場合にはおよそ1MHz未満である。クロストーカが1つの場合、受信される漏話PSDは、隣接ペア上で送信されるPSDと漏話結合転送関数との積である。クロストーカが複数の場合、受信される漏話PSDは各構成要素の線形和(linear sum)である。図3は、N対のツイストペア銅線18を有するケーブルバインダ100を示す図である。図3の線40は、銅線18の第1の2つのツイストペア間のNEXTを表し、線41は銅線18の第1のペアと最後のペアの間のNEXTを表す。
【0046】
漏話は、パワー和で表して特徴付けることができる。一つのバインダグループ中の所与のペアについてのパワー和NEXTは、そのバインダグループ中の他のペアのペア対ペアNEXT結合パワーをこの所与のペアと合計することで形成される。典型的な25ペアのバインダグループの場合の、25パワー和が図4に示されている。パワー和は、通常はパワー和「損失」として表され、損失が少なくなるほどNEXT結合は高くなる。NEXTパワー和損失は、対数−対数(log−log)スケールの周波数ではほぼ線形である。当業界で研究に使用されることの多いNEXTモデルは、周波数の関数として、最悪の場合1%のパワー和漏話損失が予測されるものとして提示されている。すなわち平均で、テストされたペアの1%が、所与の周波数でモデルが想定したものよりも低いパワー和漏話損失の対象となるということである。こうしたモデルは、周波数に対してなめらかな曲線であり、損失は10周波数あたり約15dBで減少する。この統計モデルは、最悪の場合1%のNEXTパワー和レベルが周波数の変化とともに曲線をたどることを保証するものであるが、この雑音レベルは異なる周波数の異なるペア上に現われる可能性がある。1つの特定のペアに対して24ディスターバのNEXTパワーレベルは、周波数の変化と共に描かれた場合になめらかな曲線ではなく、パワー和で使用される干渉の数が減少するにつれて、統計モデルからの偏差は大きくなる。全バインダグループ以下でのパワー和損失は、漏話信号が現われるペアの分布に依存する。
【0047】
25ペアのバインダグループの場合、300の別個のペア対ペア結合がある(対称型と想定)。ツイストペア栫18のバインダグループからの6つの測定されたペア対ペアNEXT結合の例が、図5に示されている。周波数とのペア対ペアのそれぞれの組合せについて、多種多彩な結合の強さがあることに留意されたい。パワー和プロセスは、この変動の一部をなめらかにし、平均化する。
【0048】
ペア番号kで受信された信号は、
【0049】
【数6】
【0050】
で表すことが可能であり、上式でRk(f)は受信されたメッセージ信号、Nk(f)は独立した背景雑音、Di(f)はペアi上で送信された信号、Hik(f)はペアiとペアkの間の漏話結合、ペアk上でシステムから受信されペアi上で送信する漏話はHik(f)Di(f)である。漏話には、各ペア間の漏話結合Hik(f)、クロストーカが伝送したスペクトルDi(f)、サンプリングされて受け取られた漏話のシーケンスなどの、識別または推定が起こり得るいくつかの要素がある。DSLモデムは、漏話サンプルを測定することができる。正しい決定であると想定すると、漏話および雑音の受信されたサンプリング合計は、
【0051】
【数7】
【0052】
を
【0053】
【数8】
【0054】
から減じることによって、各受信機内で容易に取得される。これらのサンプルおよびそれらの統計値を活用して、受信機の性能を向上させることができる。多くの場合、最も強力な漏話ディスターバが最初に推定および減算され、次いで、次に強力なものという具合に、一連の推定および消去のプロセスが実行される。
【0055】
DSL系の実行中に漏話が測定された場合には、測定または推定されたものが、当該DSL系の帯域幅内の漏話である。そのため、隣接するペア上で実行中の他のDSLサービスは、それらの帯域幅がその漏話源のある系の帯域幅と大幅に重複していなければ、検出される可能性はない。典型的な例は、重複していないダウンストリームADSLへのISDNの漏話であろう。この場合、当該DSLサービスの性能低下はほとんどないが、スペクトル管理の観点からすると、所与のペアへの漏話を発生するすべてのサービスの正確なマップを手に入れることが重要である。さらに、たとえDSLサービスを搬送していない可能性のあるペア上で漏話を生み出しているサービスでも、識別することが重要であろう。所与のペアに漏話を発生するすべてのサービスの正確なマップ化は、当該ペアが使用されていなければ、システム識別のモデムベースの方法によって達成することは不可能な目標である。この場合、こうした漏話の完全な作図を達成する方法は、たとえばスペクトル分析器または選択電圧計を使用して、事前PSD測定を実行することである。
【0056】
漏話識別アルゴリズムの重要な一態様は、周波数領域内の漏話相関の計算である。相関受信機は、既知の波形で伝送された信号がAWGNチャネルを介して伝送された可能性が等しく高い場合に、最適な検出器であることが認められている。これは、シュワルツの不等式を使用して出力信号対雑音比を最大にすることを示すことの可能な整合フィルタ受信機と数学的に等価である。ここでは、伝送される信号はわかっているが漏話結合はわかっていない場合に適合されるのを除いて、相関受信機の基本構造が使用される。
【0057】
標準偏差σXおよびσYならびに平均μXおよびμYの、2つのデータ列X={x1,...,xN}とY={y1,...,yN}の間の相関係数ρX,Yは、
【0058】
【数9】
【0059】
として定義され、上式では、
【0060】
【数10】
【0061】
であり、
【0062】
【数11】
【0063】
である。相関係数は、2つのデータセットがどの程度よく一緒に動くか(正の値)、またはばらばらに動くか(負の値)についての測定値である。
【0064】
データ列Y={y1,...,yN}は、未知のDSLディスターバの測定された漏話パワースペクトル密度(PSD)である。データ列X={x1,...,xN}は、既知のDSLディスターバによって生じた、参照または基準の漏話PSDプロファイルである。漏話PSDの各基準セットは、測定された強いペア対ペア漏話結合および特定タイプの伝送されたDSL PSDの単一の標準(canonical)セット(集合)から生成される。各タイプの伝送されたDSL PSDにすべての標準漏話結合を掛け合わせて、そのDSLの基準セットを生成する。この基準漏話セットのメンバは、問題となるかまたは測定可能であるのに十分な強さの任意の漏話と、高い相関関係にあるものと想定される。ペア対ペア結合の標準セットの一例は、図6に示されている。この標準セットは、300の起こり得るペア対ペアNEXT結合のうちの、漏話損失合計が最も少ない14を含む。漏話損失合計は、10kHz〜2MHz帯域内で401の等間隔の周波数サンプルのdBを合計することによって取得される。
【0065】
この例のT1ディスターバNEXT PSDの基準セットは、図7に示されている。ISDN、HDSL、ADSL、2B1Q SDSL、およびHDSL2の基準セットも、同様に生成することができる。漏話転送関数の標準セットに属するメンバの数が増加すると、識別アルゴリズムの正確さも上がることになる。ペア対ペア結合の標準セットの他の例は、測定された300の独立したペア対ペア結合すべてとすることができる。特に有用なNEXT基準セットは、スペクトル管理標準T1.417に定義されたようなANSI 1% NEXTモデルから取得された所与のDSLタイプについて、49番目のディスターバパワーを超えるかまたはこれに等しいパワーを有する、ISDN、HDSL、ADSL、2B1Q SDSL、およびHDSL2 NEXTセットを含むことがわかっている。
【0066】
標準漏話PSD基準セットを決定するにはいくつかの方法がある。基準セット
【0067】
【数12】
【0068】
は、すべての標準漏話PSDを含む全ランクNxP行列である。ベクトル
【0069】
【数13】
【0070】
は、標準基準に属するi番目の漏話PSDであり、Xl (i)は周波数flでのそのサンプルである。ベクトルa≡[a1 a2 ... aP]Tは重み付け係数を含み、E≡[e1 e2 ... eN]Tは誤差ベクトルである。誤差ベクトルEが存在するのは、測定された漏話Yが、標準基準の結合に近いが等しくはないであろうペア対ペア結合関数に起因するという事実によるものである。
【0071】
漏話ディスターバの識別は、一般に、辞書サイズの増加と共に向上する。ただし、辞書が大きいということは、かなり複雑な計算による検索であることを意味する。標準セット用に選択されるサイズは、正確さと計算の複雑さのどちらを取るかの兼ね合いによる。前述のように、標準PSD基準セットは、測定されたすべての使用起こり得るペア対ペア漏話結合を使用すること、およびそれらを対象となるすべてのDSLタイプと組み合わせることによって形成可能である。ただし、この方法では非常に大規模な基準セットが生み出される。この大規模な基準セットのサイズを縮小するために、各DSLタイプ内の漏話パワーを、最小の漏話損失合計を選択した第1のBベクトルのみを使用してランク付けすることができる。漏話損失合計は、当該帯域内にある周波数サンプルのdBを合計することによって取得される。
【0072】
同じタイプ(ただしペア対ペア結合は異なる)のクロストーカの類似性は、異なるタイプのクロストーカの類似性よりもはるかに大きい。本発明は、以下の方法を適用することによって、この所見を活用する。各タイプのクロストーカについて、そのタイプのすべてのPSDが及ぶスペースからの主要な寸法が抽出される。次に、そのタイプの完全なクロストーカセットの代わりに、これらの寸法に対応するベクトルが使用される。クロストーカのタイプが識別された後、識別された漏話タイプに関係するオリジナルの(および大規模な)基準のサブセット内で、実際のものに近い基準におけるペア対ペア結合の検索が実行される。
【0073】
上述のベクトルを取得するために、すべての起こり得るPSD結合のセットまたは行列Ξが、各タイプのクロストーカまたはディスターバjに関係するA部分行列に区分される。これらの部分行列それぞれで特異値分解(SVD)を実行すると、その結果、以下の数式
【0074】
Ξ(j)=U(j)D(j)V(j)’、1≦j≦A (4)
【0075】
となり、上式でU(j)およびV(j)は直交し、D(j)は特異値を含む対角行列である。Ξ(j)の近似に使用することが望ましい寸法の数qjが与えられると、qjの最大特異値に対応するU(j)の列が抽出される。次にこれらの列は、所与のタイプのクロストーカに基準として使用される。この新しい基準は、
【0076】
【数14】
【0077】
ベクトルを有し、オリジナルの
【0078】
【数15】
【0079】
よりもかなり小さいことに留意されたい。さらに、各U(j)内のすべてのベクトルは直交しているため、以前の基準に関連付けられた任意の多重共線性問題を軽減する。
【0080】
このサイズが縮小された新しい基準を使用することで、サンプル内にどのタイプの漏話が存在するかを効率よく識別することができるが、どの特定のペア対ペア結合が漏話に関連付けられているかは識別されない。ただし、漏話タイプを識別した後に、そのタイプのクロストーカに関連付けられたオリジナルの漏話基準のサブセットを使用して、分析を再度実行することができる。実際には、我々は、P=A×Bベクトル間のオリジナルの検索問題を、2つの検索問題、すなわち
【0081】
【数16】
【0082】
ベクトル間の第1の問題と、Bベクトル間の第2の問題に分解した。
【0083】
本発明の方法では、単一のディスターバの場合、最後の小節で述べるように、測定された漏話PSDはそれぞれの基準PSDと相関され、識別は最高の相関を有するクロストーカのタイプというだけである。本明細書に記載された例では、最も一般的なDSLタイプは、ISDN基本インターフェース(BRI)、HDSL、T1、ADSL、400kbps SDSL、1040kbps SDSL、1552kbps SDSL、およびHDSL2であるとしてシミュレートされている。すべての伝送系PSDは、スペクトル管理標準T1.417に定義されたとおりである。ADSLおよびHDSL2は、異なるPSDアップストリーム(上流側)およびダウンストリーム(下流側)を有する。
【0084】
未知のディスターバのNEXT PSDが図9に示されている。各DSL漏話基準セットの各メンバで計算された相関(14メンバの標準漏話結合セットの例の場合)が、以下に記載の表2のセットに示されている。最高の相関、したがって未知のディスターバの識別を有するDSLが、1552kbps SDSLとして正しく識別されている。
【0085】
【表2】
【0086】
他の未知のディスターバのNEXT PSDが図10に示されている。計算された各DSL漏話基準セットの各メンバとの相関(14メンバの標準漏話結合セットの例の場合)が、表3に示されている。最高の相関、したがってこの未知のディスターバの識別を有するDSLが、ダウンストリームADSLとして正しく識別されている。
【0087】
【表3】
【0088】
実際の場合には、かなりのパワーを持つ単一ディスターバのDSLタイプがほぼ毎回正しく識別されることが見出されている。
【0089】
少なくとも2つの異なるサービスがバインダ内に存在する場合、漏話の混合の事例が発生する。測定された漏話PSDが異なる種類のディスターバの寄与からなる場合、前述の識別アルゴリズムは、クロストーカのセット全体をすべて同時に識別することはなく、最も強い候補のみを識別する。
【0090】
混合漏話の場合のこの制限を克服するために、本発明の方法は、図11に示されたようにスペクトル減算法に基づいた周波数領域オニオンピーリング法を使用する。スペクトル減算は、本来、雑音の多い信号スペクトルから平均雑音スペクトルの推定値を減算することによって、付加的な雑音で観測された信号のパワースペクトルを復元するための、音声および音楽処理で提案された方法である。
【0091】
方法の開始300では、反復カウンタがゼロに設定され305、ステップ310で、加入者ループ18のPSDの測定が実行される。次のステップ320では、以下の様に、第1の推定PSDが測定PSDに設定される。
【0092】
【数17】
【0093】
ステップ325では反復カウンタが1に設定され、ステップ330で、受信した漏話の推定PSDが基準セットと相関され、前述の手順に従って漏話の第1の発生源、すなわち最高の相関を有する発生源が識別される。
【0094】
付加的な漏話ディスターバの識別に使用されるオニオンピーリング(onion-peeling)法については、単一のペアで受信される漏話に焦点をあてることで説明可能である。数式(2)の添え字kが落とされ、
【0095】
【数18】
【0096】
は、サンプル時間領域内で受信された雑音受信信号であり、上式ではそれぞれ、r(m)は受信されたメッセージ信号、n(m)は付加的な背景雑音、およびy(m)は雑音観測値である。さらに簡略化するために、各漏話成分をci(m)=hi(m)di(m)と定義し、その結果、複合受信漏話は
【0097】
【数19】
【0098】
となる。次に背景雑音を無視し、周波数領域、Y(f)=R(f)+C(f)に変換する。パワースペクトル減算は、以下のように定義され、
【0099】
【数20】
【0100】
上式で
【0101】
【数21】
【0102】
は信号PSDの推定値、
【0103】
【数22】
【0104】
は雑音観測値の瞬時PSD、bは有意の誤差(residual error)を最小にするために選択された係数、および
【0105】
【数23】
【0106】
は時間平均化された雑音スペクトルである。雑音がゆっくりと変化するプロセスであるということが基本前提であり、その結果、平均化によって雑音スペクトルが不鮮明になることはない。
【0107】
c(m)=c1(m)+c2(m)を、2つの異なるDSL系に関係する2つの漏話項で構成された複合漏話とする。(前述の)識別アルゴリズムは漏話c1(m)を生成した最強のディスターバを識別するものと想定し、そのPSDの推定値
【0108】
【数24】
【0109】
を取得することができる。ステップ340で、最大相関がセットしきい値よりも大きいかどうかに関して判断される。大きくない場合、アルゴリズムはすべての漏話成分を識別したことになる。大きい場合、次の処理を行うために、識別された成分を減算しなければならない。基本的には、複合漏話c(m)を、雑音c1(m)に埋め込まれた有用な信号c2(m)の雑音観測値とみなすことができる。漏話識別アルゴリズムの出力は、PSDマスクおよび推定されたペア対ペア結合関数に基づいて取得された真のPSDであるため、最強のクロストーカ(雑音)の推定PSD
【0110】
【数25】
【0111】
で平均化オペレーションを実行する必要はない。さらにこの場合には、雑音観測値の瞬時PSD|Y(f)|2(音声および音楽信号の非定常性に起因する問題の最初の公式化で必要)を測定されたPSD|C(f)|2に置き換えることができる。したがって、漏話識別に関するパワースペクトル減算は、
【0112】
【数26】
【0113】
と定義することが可能であり、図11のステップ350で残余PSD
【0114】
【数27】
【0115】
が得られる。
【0116】
ペア対ペア結合関数にかなりの変動があるため、スペクトル減算の結果がパワースペクトルの負の推定値を生じる可能性がある。パワースペクトルは周波数の負でない関数であり、これらの変数のどの負の推定値も、負でない値にマッピングするべきである。負の推定値を避けるために、パワースペクトルは、
【0117】
【数28】
【0118】
の形のマッピング関数T[]を使用して、ステップ360および370で後処理される。経験からすると、βの適切な値は、およそ0.0からおよそ0.1までの範囲である。関数Φ[・]の最も単純な選択は、Φ[|C(f)|2]=雑音レベル(noise floor)=−140dBm/Hzである。他の選択として、Φ[|C(f)|2]=β|C(f)|2も可能である。
【0119】
漏話識別アルゴリズムを実施するための流れ図が、図11に示されている。残余PSD
【0120】
【数29】
【0121】
が漏話識別アルゴリズムに与えられると、第2のディスターバの性質が明らかになり、そのPSD
【0122】
【数30】
【0123】
を推定できるようになる。ステップ325および330は、すべてのディスターバが識別されるまで反復される、すなわち、ステップ340で最大相関がしきい値よりも小さいかまたは等しければ、その反復はステップ380で終わる。最大漏話相関が経験的に決定された一定のしきい値よりも大きい場合に限り、識別されたクロストーカを保持および使用することによって全体の正確さが向上することが、シミュレーションによって明らかになった。しきい値は、好ましくはおよそ0.7から0.99の間であり、さらに好ましくはおよそ0.9である。この技法の一例を以下に示す。
【0124】
図12で提示された、測定された混合漏話が、偶然にもSDSL @1040kbpsおよびHDSLからの漏話混合であると考えてみる。漏話識別アルゴリズムは、表4に示された結果を得る。
【0125】
【表4】
【0126】
図11に記載された本発明の漏話識別方法は、第1の最強ディスターバをSDSL @1040kbpsであると識別する。次の反復では、HDSLを第2の最強ディスターバとして識別する。最後に第3の反復では、残りのNEXTの最大相関が、設定されたしきい値0.90よりも小さい。
【0127】
スペクトル減算を使用すると、有意の漏話PSDの品質および情報コンテンツの低下を引き起こす可能性がある。文献には、SNRの範囲の全体に一貫した性能の向上を提供することを目指した、スペクトル減算のいくつかの変形がある。
【0128】
スペクトル減算式は、雑音信号スペクトルとスペクトル減算フィルタの周波数応答の積として、
【0129】
【数31】
【0130】
として示すことが可能であり、ここではb=0であることが想定され、上式で、スペクトル減算フィルタの周波数応答は、
【0131】
【数32】
【0132】
として定義される。スペクトル減算フィルタH(f)はゼロ位相フィルタであり、その大きさ応答(magnitude response)の範囲は0≦H(f)≦1である。フィルタはSNR依存減衰器として働く。各周波数での減衰はSNRが減少するにつれて増加し、反対にSNRが増加するにつれて減少する。
【0133】
雑音を除去するための最小平均平方誤差(least mean squared error)線形フィルタは、ウィーナフィルタである。ウィーナフィルタの実施には、信号および雑音処理のパワースペクトル(または等価の相関関数)が必要である。ウィーナフィルタは信号および雑音の集合(ensemble)平均スペクトルに基づくものであり、平均化演算は信号および雑音プロセスのさまざまな観測値の集合の全体に実行される。他方で、スペクトル減算フィルタは雑音観測の瞬時スペクトルおよび時間平均化された雑音のスペクトルを使用する。これが必要であるのは、スペクトル減算では、雑音プロセスの実現(realization)が1つしか使用できないためである。
【0134】
スペクトル減算は、雑音パワースペクトルの推定値を1つしか必要としないので、計算的に効率がよい。ただし、信号処理の統計値を使用しないため、使用できる事前情報があまりにも少ない。ただし、エルゴードプロセスの場合、時間平均化スペクトルは集合平均化スペクトルに近づき、その結果としてスペクトル減算フィルタは漸近的にウィーナフィルタに近づく。音声および音楽信号を処理する際には、これらの信号が本質的に非定常である(したがってエルゴード的でない)ことから、この特性は保持されない。ただし、スペクトル減算がこのケースの漏話識別に適用される場合、関連する量は真のPSDであり、瞬時のまたは時間平均化されたものではない。したがって、スペクトル減算の実施は、一種の最適なウィーナフィルタリングとみなすことができる。この解釈により、スペクトル減算は、一連の漏話識別に適用された場合、非常に適切に機能すると思われる理由が説明付けられる。直面する重大な制限は、負の値を負でない値にマッピングする必要性による、非線形処理の歪みである。数式(8)が実施される場合、この歪みは繰り返す毎に大きくなり、この方法が正確に識別できる異なるタイプのクロストーカの数を少ない数に制限している。実用上の見地からすると、かなりの数の干渉元が任意の1つのDSL系に劣化を生じさせるという可能性はほとんどないため、これが重大な制限であるとは思われない。
【0135】
重回帰法およびマッチング追跡(MP)アルゴリズムの使用を含む、漏話の発生源を識別するために使用できる相関以外の方法がある。こうした方法は、相関による漏話ディスターバの識別に代わるものとなるか、または相関方法を改良するために使用することができる。以下に示すような多重ディスターバ識別の問題を解く2つの他の方法は、識別の正確さを向上させ、スペクトル減算法に起因する非線形歪みの問題を回避する。
【0136】
線形重回帰法
【0137】
【数33】
【0138】
を、未知のDSLディスターバによって発生する、測定された漏話PSDの周波数サンプルセットとする。同様に、
【0139】
【数34】
【0140】
を、既知のディスターバによって発生する基準漏話PSDプロファイルの周波数サンプルセットとする。Pをすべての基準漏話PSDプロファイルの数とし、その結果、k番目の基準漏話PSDプロファイルの周波数サンプルセットは
【0141】
【数35】
【0142】
であり、上式では
【0143】
【数36】
【0144】
である。問題は、すべての漏話PSDプロファイルのセットが
【0145】
【数37】
【0146】
で与えられるとすれば、漏話Yを生じる単一のディスターバを見つけること、すなわち、2つの変数X(k)とYの間の関係を割り出すことである。これは、線形回帰で解かれる従来の統計上の問題である。具体的に言えば、線形回帰モデルは、
【0147】
【数38】
【0148】
であり、上式で回帰係数a(k)およびb(k)は、2乗残余の合計
【0149】
【数39】
【0150】
が最小であるという条件によって決定される。回帰係数の適合は、N周波数サンプルを介して実行される。これを実行中にP残余が取得され、S(k)が最小のDSLがディスターバとして識別される。
【0151】
2乗残余の合計S(k)は、(3)の相関係数に関係して表せることを示すのは簡単である。実際、S(k)をつなげて、いくつかの処理を行った後では、最適な回帰係数の式は、
【0152】
【数40】
【0153】
として表すことができる。次に、項
【0154】
【数41】
【0155】
は定数であるため、2乗残余S(k)の最小合計の検索は、最高相関係数のρX (k) ,Yの検索と等価である。したがって、ディスターバが単一の場合に記載した相関方法は、単一の線形回帰問題を解くことと等価である。
【0156】
この興味深い結果は、重回帰問題のような複数のディスターバを識別する問題に対処する可能性を正当化するものである。実際の線形重回帰モデルは(1≦i≦N、1≦kj≦P、1≦j≦M)
【0157】
【数42】
【0158】
上式で、Mは妨害しているDSLタイプの仮説定数である。この問題を解くために、標準的な技法を使用することができる。
【0159】
こうした重回帰問題を解くために標準技法が使用できるが、重回帰技法を適用するためには、いくつかの非標準限定を使用する必要がある。すべての非ゼロ係数は正でなければならず、すなわち、各ディスターバによるスペクトル密度へのパワー寄与は正である。さらに、パワーが評価される周波数よりも潜在性の高いディスターバスペクトルが多いが、標準回帰法は独立変数の数が厳密に観測数よりも少ないことが必要である。モデル化されたスペクトルへのグループのパワー寄与の合計に基づいて、事前に指定されたグループのモデルから独立変数(ディスターバ)の資格を取り上げることができる。観測よりも多くの独立変数を有するという問題は、本発明に記載された、漏話基準セットのサイズを劇的に減らすことができる特異値分解方法を使用して、解くことができる。係数が正のままであることをチェックする方法は、あらゆる係数についていわゆるtまたはf統計を計算することによって効率よく対処することが可能であり、その結果、我々は推定値の変化に基づいて、あらゆる反復でいくらかの列を削除することができる。これらの量は、停止基準にも使用することができる。重回帰技法を使用する主な利点のうちの1つは、計算が必要な中間残余がないため、残余の計算による非線形歪みの影響が軽減されることである。
【0160】
マッチング追跡法
数式(13)を、M=Pで、すなわち基準のすべてのPSDプロファイルを考慮し、
【0161】
【数43】
【0162】
を提起して、書き直すと、以下のようになる。
【0163】
【数44】
【0164】
ベクトル表記に移ると、数式(14)は以下のように表すことが可能であり、
【0165】
【数45】
【0166】
上式ではそれぞれ、Y≡[y1 y2 ... yN]Tはすべての周波数にわたって未知のディスターバから測定された漏話PSDを含むベクトルであり、
【0167】
【数46】
【0168】
はすべてのPSDプロファイルを含む全ランクNxP行列であり、a≡[a1 a2 ... aP]Tは重み付け係数を含むベクトルであり、およびE≡[e1 e2 ... eN]Tはすべての周波数ポイントにわたる残余を含むベクトルである。
【0169】
漏話識別に関する実用上の多くの場合には、N<Pである。たとえば、本発明者は事前に、N=401であり、Pは80から2560の間(明らかに、Pの値が大きいほど識別を誤る率は低くなる)である場合を考察した。N<Pであるため、行列Ξは
【0170】
【数47】
【0171】
のベクトルの過完備な集合を構成する。さらに、実際には、1つのバインダ内で測定可能である(または有害である)とみなすことができるのは、多くとも10のクロストーカの組合せでしかない。したがって、P重み付け係数aj、1≦j≦Pの中で、非ゼロと予測すべきものは、ほんのわずかであるはずである。
【0172】
前述の考察に基づき、複数のクロストーカを識別する問題は、ベクトルの過完備な集合からベクトルの最適な疎表現を見つける問題と等価であるとみなすことができる。残念ながら、最近では、この問題の最適な解決策はNP完全問題(NP-complete problem)であり、法外な経費のかかる組合せ検索が必要であることがわかってきている。したがって、より実用的ではあるが次善の、ベクトル選択アルゴリズムが開発された。これらのアルゴリズムの中で、複数のクロストーカを識別する問題に好適なものは、マッチング追跡(MP)アルゴリズムおよびその変形、ならびにFOCal Undetermined System Solver(FOCUSS)である。信号ベクトルをY、過完備基準をΞとすると、これらのアルゴリズムは、辞書Ξの中の基準ベクトルを使用して、所与の許容範囲内で最もコンパクトなYの表現を見つけるという問題を解くものである。
【0173】
これらの技法を当該の問題に適用するためには、オリジナルのアルゴリズムにいくつかの修正を行わなければならない。具体的に言えば、前述の非標準限定に加えて、以下の修正のうちの一部または全部を考慮しなければならない。反復するごとに、選択した列の方向に沿って、測定されたデータとその予測(project)との差を実行しなければならない。この差は、常に正でなければならない。列が選択されると、これが辞書Ξに追加され、残余は計算されない。列が選択されると、辞書全体がその方向に沿って予測され、残余は計算されない。
【0174】
図13では、漏話ディスターバを識別する方法でのMRまたはBBS技法の使用が示されている。図13では、ステップ410で、所与の回線のパワースペクトル密度(PSD)が測定される。ステップ420では、単一の値分解を使用して、起こり得る漏話ディスターバの基準セットが減らされる。次に減らされた漏話基準セットは、ステップ430で、前述のMRまたはBBSのいずれかの技法を使用して、漏話ディスターバの識別に使用される。ステップ440では、漏話ディスターバの実際のペア対ペア結合が、MRまたはBBS技法を使用して推定されるが、識別されたディスターバに関してはオリジナルの完全な基準セットが使用される。
【0175】
前述の漏話識別の2つの方法に相関方法を組み合わせることも可能である。これは、相関方法を第1のクロストーカの初期推定に使用し、その後、こうした推定をMRおよびBBS技法を使用してさらに精密にすることで実行可能である。相関方法はクロストーカのタイプを識別し、MRまたはBBSアルゴリズムは、この情報を活用してクロストーカの推定をさらに精密にする。この方法の組合せは適切な残余の構築に非常に有効であり、その結果、識別の全体的な正確さを向上させることとなる。これらの方法をどのように組み合わせるかの例が、図14に示されている。図14のステップ510では、所与の回線のパワースペクトル密度(PSD)が測定される。ステップ520で反復カウンタが設定され、ステップ530では、前述の相関技法を使用して漏話ディスターバの識別が最初に推定される。ステップ535では、その推定された漏話が、MRまたはBBS技法を使用してより精密にされる。ステップ540では停止基準が適用され、識別された漏話ディスターバが停止基準を満たすと、ステップ580でこの方法が終了する。停止基準を満たさない場合、ステップ550で、前述のようにスペクトル減算を使用して残余が計算され、ステップ525で、反復カウンタのカウントが1つ増やされる。その後、次の反復で、可能性が次に高い漏話ディスターバが推定され、このプロセスは停止基準を満たすまで続けられる。
【0176】
以上の説明は、本発明を例示および記述するためのみに提示されたものである。本発明を網羅するか、または開示された任意の精密な形式に制限することを意図するものではない。上記教示に鑑みて、多くの修正形態および変形形態が可能である。記載された応用例は、当分野の他の技術者が、企図された特定の使用に好適なようにさまざまな応用例でさまざまな修正を使用して本発明を最適に使用できるようにするために、本発明の原理およびその実用的な適用分野を最適に説明するために選択および記述されたものである。たとえば、加入者回線でのパワースペクトル密度の測定は、ネットワーク分析器または他の等価のデバイスを介して実行される直接測定であるか、またはモデムからシステムに提供された情報に基づいて推定された測定値を含むかの、いずれかであってよいことが知られている。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】中央局に接続された2つのDSL加入者ループを有する、DSL加入者ループシステムを示す図である。
【図2】本発明に従った漏話識別システムの例示的実施形態を示す図である。
【図3】Nのツイストペア銅線を有するケーブルバインダを示す図である。
【図4】25のツイストペア銅線を有するバインダに関する、dB単位のNEXT損失のパワー和を示す図である。
【図5】測定されたペア対ペアNEXT損失の例を示す図である。
【図6】ペア対ペアNEXT結合の標準セットの14メンバの一例を示す図である。
【図7】T1 NEXT結合の基準セットの14メンバの一例を示す図である。
【図8】各スペクトル管理クラスのパワースペクトル密度(「PSD」)テンプレートを示す図である。
【図9】第1の未知のディスターバのNEXT PSDを示す図である。
【図10】第2の未知のディスターバのNEXT PSDを示す図である。
【図11】本発明の漏話識別および減算アルゴリズムを示す流れ図である。
【図12】SDSL @1040kbpsおよびHDSLからの混合漏話を含む、測定された混合漏話を示す図である。
【図13】減らされたものとオリジナルの両方の漏話基準セットによる重回帰(MR)およびBBSの疎な解法を使用する、漏話識別アルゴリズムを示す流れ図である。
【図14】マッチング追跡などの、重回帰(MR)またはBBSの疎な解法の使用を組み込んだ、漏話識別アルゴリズムを示す流れ図である。
Claims (26)
- 加入者ループ内の漏話の妨害源を識別する方法であって、
加入者ループ上に存在する雑音のパワースペクトル密度を測定するステップと、
前記加入者ループのパワースペクトル密度と、起こり得る漏話ディスターバのグループに関するパワースペクトル密度の所定のセットとを相関させるステップと、
最も密接に相関するパワースペクトル密度を有する漏話ディスターバを選択するステップと、
追加の数学技法を使用して、前記漏話ディスターバの選択をさらに精密に行うステップとを含むことを特徴とする方法。 - 残余パワースペクトル密度を生成するために、スペクトル減算を使用して、前記加入者ループの前記測定されたパワースペクトル密度から前記識別された漏話ディスターバに関する前記パワースペクトル密度を減じるステップと、
前記残余パワースペクトル密度と、前記起こり得る漏話ディスターバのグループに関するパワースペクトル密度の所定のセットとを相関させるステップと、
前記残余パワースペクトル密度と最も密接に相関するパワースペクトル密度を有する漏話ディスターバを選択するステップと、
追加の数学技法を使用して、前記漏話ディスターバの選択をさらに精密に行うステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記減算、相関、選択、および識別のステップが、停止基準に達するまで繰り返し実行されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記停止基準は所定の相関しきい値であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
- それぞれでの前記さらに精密に行うステップは、重回帰技法の適用を含むことを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の方法。
- 前記さらに精密に行うステップは、マッチング追跡(MP)アルゴリズムの使用を含むことを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の方法。
- 前記さらに精密に行うステップは、FOCal Undetermined Problem Solver(FOCUSS)の使用を含むことを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の方法。
- 前記減算ステップの結果として生じる負のパワースペクトル密度は負でない値にマッピングされることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記漏話ディスターバを消去するために、前記選択された漏話ディスターバの識別をシステムに送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記漏話ディスターバを消去するために、前記選択された漏話ディスターバの推定されたペア対ペア結合をシステムに送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 加入者ループ上の漏話ディスターバを識別するための方法であって、
加入者ループ上に存在する雑音のパワースペクトル密度を測定するステップと、
漏話ディスターバを識別するために、重回帰を使用して、前記加入者ループのパワースペクトル密度を、起こり得る漏話ディスターバのグループに関するパワースペクトル密度の所定のセットとマッチングさせるステップとを含むことを特徴とする方法。 - 前記重回帰のすべての非ゼロ係数は正でなければならないことを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 前記重回帰技法の適用において、モデル化されたスペクトルへのグループのパワー寄与の合計に基づいて、事前に指定されたグループのモデルから、選択された漏話ディスターバの資格が取り上げられることを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 加入者ループ上の漏話ディスターバを識別するための方法であって、
加入者ループ上に存在する雑音のパワースペクトル密度を測定するステップと、
漏話ディスターバのセットを識別するために、最良基準選択技法を使用して、前記加入者ループのパワースペクトル密度を、起こり得る漏話ディスターバのグループに関するパワースペクトル密度の所定のセットとマッチングさせるステップとを含むことを特徴とする方法。 - 前記最良基準選択技法は、マッチング追跡(MP)アルゴリズムを使用することを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 前記最良基準選択技法は、FOCal Undetermined Problem Solver(FOCUSS)を使用することを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 選択した列の方向に沿った、前記残余パワースペクトル密度とその予測との差は、常に正でなければならないことを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 列が選択されると前記列は辞書Ξに追加され、残余は計算されないことを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 前記加入者ループ上に存在する雑音の前記測定されたパワースペクトル密度が、起こり得るディスターバのグループに関するパワースペクトル密度の所定のセットと比較される、加入者ループ内の前記漏話の妨害源を識別するためのシステムで、前記起こり得るディスターバのグループに関するパワースペクトル密度の所定のセットを決定する方法は、
テストループ束の中のテストループを介して信号を伝送するステップと、
標準漏話結合のセットを生成するために前記ペア対ペア漏話結合を測定するステップと、
前記伝送ステップと測定ステップとを各テストループで反復するステップと、
前記起こり得るディスターバの前記パワースペクトル密度のセットを生成するために、各タイプのDSLの前記パワースペクトル密度と前記標準漏話結合のセットとを掛け合わせるステップとを含むことを特徴とする方法。 - 前記漏話基準セットを含む前記行列は各タイプの起こり得る漏話ディスターバに関係する部分行列に区分され、減じられた漏話基準セットを生成するために、各部分行列上で特異値分解が実行されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
- 前記漏話基準セットを含む前記行列は各タイプの起こり得る漏話ディスターバに関係する部分行列に区分され、減じられた漏話基準セットを生成するために、各部分行列上で特異値分解が実行されるディスターバのタイプは、減じられた漏話基準セットを使用して識別されることを特徴とする請求項1、2、11、および14のいずれかに記載の方法。
- 漏話基準セットの利用可能性に基づいて、加入者ループ上の漏話ディスターバを識別するための方法であって、
前記加入者ループ上に存在する雑音のパワースペクトル密度を測定するステップと、
前記漏話基準セットの行列で、そのサイズを減じるために特異値分解を実行するステップと、
第1の数学技法を使用して、前記サイズが減じられた漏話基準セットで前記加入者ループのディスターバを識別するステップと、
前記識別されたディスターバタイプに関係するオリジナルの漏話基準セットの一部で、第2の数学技法を使用して、前記ディスターバに関係する最も近いペア対ペア結合を識別するステップとを含むことを特徴とする方法。 - 前記第1の数学技法は、相関技法、重回帰技法、または最良基準選択技法であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
- 前記第2の数学技法は、相関技法、重回帰技法、または最良基準選択技法であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
- 前記最良基準選択技法はマッピング追跡(MP)アルゴリズムであることを特徴とする請求項23または24に記載の方法。
- 前記最良基準選択技法はFOCal Undetermined Problem Solver(FOCUSS)であることを特徴とする請求項23または24に記載の方法。
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