JP2004537613A - 輸送燃料のブレンド用成分からの硫黄除去のための多重ステージプロセス - Google Patents

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Abstract

望ましくない不純物として限定量の硫黄含有有機化合物を含む典型的には天然石油由来の供給原料から、減少した硫黄含量の燃料を製造するための経済的なプロセスを開示する。本プロセスは、アルキル化によるこれらの不純物のより高沸点生成物への変換と、より高分子量生成物の分留と、のための一体化された多重ステージプロセスを包含する。有利には、本プロセスは、高沸点画分の選択的水素添加を含み、これにより水素の炭化水素化合物、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物への組み込みが、硫黄及び/又は窒素の水素添加除去を補助する。生成物は、輸送燃料として直接使用することも、及び/又はブレンド用成分として使用してもよく、例えば、環境に対してより優しい燃料のブレンドにもっと適する成分を提供する。
【選択図】図1

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲条件にて液体であり、典型的には天然石油由来の輸送燃料に関する。広くいえば、本発明は、望ましくない不純物として限定量の硫黄含有有機化合物を含んでなる供給原料よりも硫黄含量が減少した生成物を製造する一体化された多重ステージプロセスに関する。特に、本発明は、これらの不純物のアルキル化によるより高沸点の生成物への変換、及びより高沸点の生成物の分留による除去のための一体化された多重ステージプロセスに関する。本発明の一体化されたプロセスは、高沸点画分の選択的水素添加を含むことが有利であり、炭化水素化合物、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物への水素の組み込みが硫黄及び/又は窒素の水添除去を補助する。生成物は、輸送燃料として直接用いられてもよく、及び/又はブレンド成分として用いられてもよく、環境により優しい燃料を提供する。
【背景技術】
【0002】
19世紀の終盤の数十年間の発明により、内燃機関が輸送を革命的に発展させたことは周知である。なかでも、Benz及びGottleib Wihelm Daimlerは、ガソリンなどの燃料の電気式着火を用いるエンジンを発明し開発し、Rudolf C. K. Dieselは、低コストの有機物燃料を利用するために燃料の自動着火に圧縮を用いる彼の名を冠したエンジンを発明し組み立てた。同様に、あまり重要ではないかもしれないが、輸送に用いる改良されたスパーク着火エンジンの開発が、ガソリン燃料組成物における改良とともに進められている。近代の高性能ガソリンエンジンは、燃料組成物のより進んだ規格を要求するが、コストが重要な問題として残されている。
【0003】
現在、輸送燃料は、天然石油に由来している。実際、石油は、いまだ、燃料及び石油化学原料として用いられる世界中の主要な炭化水素源である。天然石油又は原油の組成は大幅に変動するが、すべての原油は硫黄化合物を含み、ほとんどの原油は窒素化合物を含む。酸素を含むこともあるが、ほとんどの原油の酸素含量は低い。一般に、原油中の硫黄濃度は約8%未満であり、ほとんどの原油は約0.5〜約1.5%の範囲の硫黄濃度を有する。窒素濃度は、通常、0.2%未満であるが、1.6%程度に高いこともある。
【0004】
原油は、油井にて産出された形態で用いられることは滅多になく、精油所にて広範囲の燃料及び石油化学原料に転化される。典型的には、輸送燃料は、原油からの留分を処理してブレンドすることにより、特定の最終用途規格に適するように製造される。今日、入手可能な原油のほとんどが高い硫黄含量を有するので、性能規格及び/又は環境基準に適合する生成物を得るために、留分を脱硫しなければならない。燃料中の硫黄含有有機化合物は、環境汚染の主要源であり続けている。燃焼中、これらは硫黄酸化物に変換されるが、硫黄酸化物は硫黄酸素酸を発生させ、粒子状排出物の一因ともなる。
【0005】
輸送燃料におけるこれまでになく厳格な硫黄規格に直面して、石油供給原料及び生成物からの硫黄除去は、ここ数年中に、ますます重要になるであろう。欧州、日本及びアメリカ合衆国におけるディーゼル燃料中の硫黄に対する規制は、最近、規格を0.05wt%(最大)と低下させているが、将来の規格は現行の0.05wt%レベルよりもさらに低下する兆候がある。アメリカ合衆国におけるガソリン中硫黄規制は、現在のところ、各精油所油中、平均30ppmにまで制限する。2006年以後、平均規格は、最高80ppmに変えられるであろう。
【0006】
流動接触分解プロセスは、ガソリン及びディーゼル燃料などの望ましい燃料への石油の転化において現在用いられている主要な精油プロセスのひとつである。このプロセスにおいて、高分子量炭化水素供給原料は、流動状態又は分散状態にある熱い精油所由来の固体触媒粒子との接触を通して、より低分子量の生成物へと転化される。適切な炭化水素供給原料は、典型的には、205℃〜約650℃の範囲内で沸騰し、通常は、450℃〜約650℃の範囲の温度にて触媒と接触する。適切な供給原料は、軽質ガス油、重質ガス油、ワイドカットガス油、真空ガス油、ケロシン、傾瀉油、残留画分、これらの任意のもの並びにシェールオイル、タールサンド処理及び石炭液化から派生した画分から派生する還元原油及び循環油などの種々の鉱物油画分を含む。流動接触分解プロセスからの生成物は、典型的には沸点に基づき、軽質ナフサ(約10℃〜約221℃の間で沸騰する)、重質ナフサ(約10℃〜約249℃の間で沸騰する)、ケロシン(約180℃〜約300℃の間で沸騰する)、軽質循環油(約221℃〜約345℃の間で沸騰する)及び重質循環油(約345℃よりも高温で沸騰する)を含む。
【0007】
流動接触分解プロセスは、アメリカ合衆国におけるガソリンプールの大部分を提供するだけでなく、このプール中に現出する硫黄の大部分をも提供する。このプロセスからの液体生成物中の硫黄は、有機硫黄化合物の形態であり、これらの生成物が燃料として利用される際に硫黄酸化物に変換される望ましくない不純物である。これらの硫黄酸化物は、好ましくない空気汚染物である。加えて、これらは、有害なエンジン排出物をそれほど不快ではないガスに変換することを触媒するために自動車に用いられている接触転化剤として開発されている多くの触媒を不活性化し得る。したがって、触媒分解生成物の硫黄含量を可能な限り最低レベルまで減少させることが望ましい。
【0008】
原油の単純蒸留により調製される直留ガソリンの硫黄含有不純物は、通常、分解されたガソリン中における硫黄含有不純物とは非常に異なっている。前者は、メルカプタン及び硫化物を最も含むが、後者はチオフェン、ベンゾチオフェン、及びチオフェン並びにベンゾチオフェンの誘導体が豊富である。
【0009】
硫黄の少ない生成物は、供給原料をプロセスまたはプロセスからの生成物に水素処理することによる接触分解プロセスから慣用的に得られる。水素処理は、分解プロセスの生成物の触媒の存在下での水素による処理を含み、硫黄含有不純物中の硫黄を硫化水素に変換させる。硫化水素は分離することができ元素硫黄に転化することができる。残念ながら、このタイプの処理は、典型的には非常に高価である。なぜなら、水素源、高圧処理設備、高価な水素処理触媒及び得られる硫化水素を元素硫黄に変換するための硫黄回収プラントを必要とするからである。加えて、水素処理プロセスは、水素添加を通してオレフィン類を飽和炭化水素類に変換することにより、供給原料中のオレフィン類の望ましくない分解を生じさせる。このオレフィン類の水素添加による分解は、通常、望ましくない。なぜなら、高価な水素を消費し、また、オレフィン類は、ガソリンの高オクタン成分として価値があるからである。例えば、接触分解プロセスからのガソリン沸点範囲のナフサは、多量のオレフィン含量の結果として、比較的高いオクタン数を有する。これらの物質を水素処理することで、望ましい脱硫に加えて、オレフィン含量の減少を引き起こし、水素処理された生成物のオクタン数は、脱硫の程度が増加するにつれて減少する。
【0010】
慣用の水添脱硫触媒は、精油所輸送燃料のブレンド用に、石油留分から硫黄の大部分を除去するために用いられるが、多環芳香族硫黄化合物におけるように硫黄原子が立体障害されている化合物から硫黄を除去するには十分ではない。これは、硫黄ヘテロ原子が二重に障害されている場合(例えば、4,6-ジメチルジベンゾチオフェン)に、特にあてはまることである。慣用の水添脱硫触媒を高温で用いていることで、収率の損失、早すぎる触媒コーキング、及び生成物品質劣化(例えば、色)を引き起こすであろう。高圧を用いることは、多額の資本支出を必要とする。したがって、分留炭化水素液体から硫黄含有不純物を効率的に除去する低廉なプロセスが必要とされている。さらに、高度にオレフィン性であり且つ望ましくない不純物としてチオフェン化合物及びベンゾチオフェン化合物の両者を含む流動接触分解プロセスからの生成物などの分留炭化水素液体から、硫黄含有不純物を除去するために用いることができるこのようなプロセスが必要とされている。
【0011】
将来のより厳格な規格に適合させるために、このような障害硫黄化合物もまた、分留供給原料及び生成物から除去されなければならないであろう。輸送精油所燃料、特にガソリン用の成分から硫黄を経済的に除去するという切迫した必要性がある。
【0012】
従来技術は、供給原料及び生成物から硫黄を除去するプロセスばかりである。例えば、Robert J. Wittenbrink、Darryl P. Klein、Michels S. Touvelle、Michel Daage及びPaul J. Berlowitzの米国特許U. S. Patent No. 6,087,544は、分留供給ストリームよりも低い硫黄レベルを有する分留燃料を製造する分留供給ストリームを処理することに関する。このような燃料は、分留供給ストリームを約50〜100ppmの硫黄だけを含む軽質画分と重質画分とに分画することにより製造される。軽質画分は水素処理されて、軽質画分中の実質的に全量が除去される。脱硫軽質画分は、次いで、重質画分の1/2とブレンドされて、例えば脱硫軽質画分85wt%と未処理の重質画分15wt%とを含み、硫黄レベルが663ppmから310ppmまで低減した低硫黄分留燃料を製造する。しかし、この低い硫黄レベルを得るために、分留供給ストリームの約85wt%だけが低硫黄分留燃料製造物として回収されるに過ぎない。
【0013】
Philip D. Caesarらの米国特許U. S. Patent No. 2,448,211は、約140℃〜約400℃の間の温度で、活性天然クレイなどの触媒もしくはシリカ及び少なくとも1種のアモルファス金属酸化物から構成される合成吸着剤の存在下で、オレフィン性炭化水素類と反応することにより、チオフェン及びその誘導体がアルキル化され得ると述べている。適切な活性天然クレイ触媒としては、クレイ触媒上に塩化亜鉛又はリン酸が沈殿しているクレイ触媒を挙げることができる。適切なシリカ−アモルファス金属酸化物触媒としては、シリカと、アルミナ、ジルコニア、セリア及びトリア(thoria)などの物質と、の組み合わせを挙げることができる。Rowland C. Hansford及びPhilip D. Caesarの米国特許U. S. Patent No. 2,469,823は、三フッ化ホウ素が、チオフェン及びアルキルチオフェンのオレフィン性炭化水素類、アルキルハライド類、アルコール類及びメルカプタン類などのアルキル化剤によるアルキル化を触媒するために用いることができることを教示している。加えて、Zimmerschiedらの米国特許U. S. Patent No. 2,921,081は、酸性固体触媒が、酸化ジルコニウム及びジルコニウムのハロゲン化物からなる群より選択されるジルコニウム化合物と、オルソ−リン酸、ピロリン酸及びトリリン酸からなる群より選択される酸と、を組み合わせることにより調製することができることを開示している。Zimmerschiedらは、さらに、このような触媒の存在下で、227℃の温度にて、プロピレンによりチオフェンがアルキル化され得ることも教示する。
【0014】
Jerome A. Veselyの米国特許U. S. Patent No. 2,563,087は、チオフェンの選択的アルキル化及び得られるチオフェンアルキレートの分留により芳香族炭化水素類からチオフェンが除去され得ると述べている。選択的アルキル化は、チオフェン汚染芳香族炭化水素をアルキル化剤と混合して、この混合物を約−20℃〜約85℃の範囲に注意深く制御した温度にてアルキル化触媒と接触させることにより、行うことができる。適切なアルキル化剤としては、オレフィン類、メルカプタン類、鉱酸エステル類、及び脂肪族アルコール類、エーテル類及びカルボン酸のエステル類などのアルコキシ化合物を含むことが開示されている。さらに、適切なアルキル化触媒は、以下のものを含むと開示されている。(1)好ましくは無水物形態で用いられるフリーディル−クラフト(Fridel-Crafts)金属ハロゲン化物;(2)リン酸、好ましくはピロリン酸、又はこのような物質と硫酸との混合物(硫酸とリン酸との容量比は約4:1未満);及び(3)オルソ−リン酸またはピロリン酸などのリン酸と、キースラガー又はケイ質クレイなどのケイ質吸着剤との混合物(約400℃〜約500℃の温度まで焼成されて、一般に固体リン酸触媒と称されているシリコ−リン酸複合体を形成する)。
【0015】
Paul G. Bercik及びKirk J. Metzgerの米国特許U. S. Patent No. 3,894,941には、VI族はVIII族の金属を含む触媒及び半結晶性アルミノシリケート及びアモルファスシリカ−アルミナからなる担体を含む触媒の存在下で、1分子当たり3〜12個の炭素原子を有し且つ硫化水素を含まないメルカプタン含有炭化水素供給物を選択群の3級オレフィンと接触させることにより、メルカプタンをアルキルスルフィド類、sweet有機物スルフィドに変換する方法が記載されている。この特許は、変換ゾーン中の3級オレフィンの濃度が、0.1〜20液体容量%であると述べている。生成物はメルカプタンを実質的に含まないと言われているが、硫黄原子のレベルはこの方法によっては減少していない。
【0016】
Tamotsu Imai及びJeffery C. Brickerの米国特許U. S. Patent No. 4,775,462には、酸性炭化水素画分をスィートニング仕上げして、メルカプタンを燃料として許容可能といわれているチオエーテル類に転化する非酸化方法が記載されている。この方法は、メルカプタンのモル量と等量、典型的には約0.01wt%〜約20wt%の不飽和炭化水素の存在下で、メルカプタン含有炭化水素画分を酸性無機酸化物、重合性スルホン酸樹脂、インターカレート化合物、固体酸性触媒、アルミナ上に分散されたボロンハライドもしくはアルミナ上に分散されたアルミニウムハライドからなる触媒と接触させることを含む。生成物はメルカプタンを実質的に含まないと言われているが、硫黄原子のレベルはこのプロセスによっては減少していない。
【0017】
Quany N. Le及びMichael S. Sarliの米国特許U. S. Patent No. 5,171,916には、(A)結晶性メタロシリケート触媒を使用して、14〜24個の炭素原子及び少なくとも1のオレフィン性二重結合を有する脂肪族炭化水素で、循環油のへテロ原子含有芳香族をアルキル化して;及び(B)潤滑油沸点範囲にある高沸点アルキル化生成物を未変換形質循環油から分留により分離することにより、軽質循環油を高級化する方法が記載されている。さらに、未変換軽質循環油は、低減した硫黄濃度及び窒素濃度を有し、高沸点アルキル化生成物は、合成アルキル化芳香族潤滑油ベースストックとして有用であると述べている。
【0018】
Nick A. Collins及びJeffrey C. Trewellaの米国特許U. S. Patent No. 5,599,441には、(A)ナフサ中に存在するオレフィン類をアルキル化剤として用いて、ナフサを酸性触媒と接触させてチオフェン化合物をアルキル化し;(B)アルキル化ゾーンから流出物ストリームを除去し;及び(C)アルキル化ゾーン流出物ストリームからアルキル化チオフェン化合物を分留によって分離することにより、クラックドナフサからチオフェン性硫黄化合物を除去するプロセスが記載されている。さらに、追加のオレフィン類をクラックドナフサに添加して、プロセスに対する追加のアルキル化剤を提供してもよいと述べている。
【0019】
より最近では、Bruce D. Alexander、George A. Huff、Vivek R. Pradhan、Willian J. Reagan及びRoger H. Caytonの米国特許U. S. Patent No. 6,024,865は、炭化水素類の混合物から構成され、望ましくない不純物として硫黄含有芳香族化合物を含む供給原料から製造された減少した硫黄含量の生成物を開示する。プロセスは、供給原料をより多くの揮発性硫黄含有芳香族不純物を含むより低い沸点の画分と、より少ない揮発性硫黄含有芳香族不純物を含む少なくとも1のより高い沸点の画分と、に分留により分離する。次いで、各画分は、個別に、酸性触媒の存在下でアルキル化剤によるアルキル化により、硫黄含有芳香族不純物の含量の少なくとも一部をより高い沸点の硫黄含有生成物に効果的に変換する反応条件に供される。より高い沸点の硫黄含有生成物は、分留により除かれる。この特許は、さらに、例えば、第2のステージにおける高温とは対照的に、第1のステージにおいてより低温を用いる最初のアルキル化ステージにおけるアルキル化条件が第2のステージよりも厳しくない複数のステージにおいて、アルキル化が達成され得ることを述べている。
【0020】
Bruce D. Alexander、George A. Huff、Vivek R. Pradhan、William J. Regan及びRoger H. Claytonの米国特許U. S. Patent No. 6,059,962は、炭化水素類の混合物から構成され、望ましくない不純物として硫黄含有芳香族化合物を含む供給原料から、減少した硫黄含量の生成物が多重ステージプロセスにおいて製造されることを開示する。第1のステージは、(1)供給原料を、不純物の一部をより高い沸点の硫黄含有生成物に効果的に変換するアルキル化条件に供すること;及び(2)得られる生成物を分留により、より低い沸点の画分と、より高い沸点の画分と、に分離すること、を含む。より低い沸点の画分は、炭化水素類から構成され、供給原料よりも減少した硫黄含量である。より高い沸点の画分は、炭化水素類から構成され、未変換硫黄含有芳香族不純物を含み、さらに、より高い沸点の硫黄含有生成物を含む。それぞれの次のステージは、(1)前のステージからのより高い沸点の画分を、硫黄含有芳香族化合物の含量の少なくとも一部をより高い沸点の硫黄含有生成物に効果的に変換するアルキル化条件に供すること;及び(2)得られる生成物を分留により、より低い沸点の炭化水素画分と、より高い沸点の硫黄含有アルキル化生成物を含むより高い沸点の画分と、に分離すること、を含む。プロセスからの減少した硫黄含量の総炭化水素生成物は、種々のステージからのより低い沸点の画分から構成される。さらに、この特許は、例えば、第2のステージにおけるより高温とは対照的に、第1のステージにおいてより低温を用いるなど、第2のステージよりも最初のアルキル化ステージにおけるアルキル化条件が厳しくない条件の下で、複数のステージにおいて、アルキル化が達成され得ると述べている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、現在、望ましくない不純物として、限定量の硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物から構成される供給原料から、減少した硫黄含量の生成物を調製する接触プロセス、特に上述の欠点を有しないプロセスが必要とされている。本発明の別の目的は、炭化水素供給原料から不純物を効果的に除去する高価ではないプロセスを提供することにある。
【0022】
改良されたプロセスは、一体化されたシーケンスであり、適切なアルキル化促進触媒系、好ましくはオレフィン類を硫黄含有有機化合物へ組み込むことを増強することができるアルキル化触媒を用いて液相で実施され、こうして、周囲条件下で精油所輸送燃料液体用のブレンド成分として適切な有機化合物の混合物からの硫黄又は窒素の除去を補助する。
【0023】
有利なことに、改良された脱硫プロセスは、オレフィン性アルキル化剤の重合化からの望ましくないオリゴマー及びポリマーの形成など、望ましくない副産物の形成を最小化する。有益なことに、改良された脱硫プロセスは、オレフィン性分解ナフサから硫黄含有不純物を効果的に除去するが、ナフサのオクタン価をあまり減少しない。
【0024】
本発明は、環境に優しい輸送燃料の精油所ブレンド用成分を提供するために、上述の問題を解消することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
オレフィン類によるアルキル化を通しての一体化された多重ステージ選択的硫黄除去による輸送燃料の精油所ブレンド用成分の製造のための経済的なプロセスが開示される。本発明は、種々のタイプの炭化水素物質、特に、硫黄を含む石油由来の炭化水素油の処理を意図する。一般に、この油の硫黄含量は、1%を越え、約2〜3%までの範囲にある。本発明のプロセスは、ガソリン、ケロシン、軽質ナフサ、重質ナフサ、及び軽質循環油、好ましくは接触及び/又は熱分解プロセスからのナフサから構成される精油所供給原料の処理に特に適する。
【0026】
本発明の多重ステージ硫黄除去プロセスは、最初のアルキル化ゾーン及び最初のアルキル化ゾーンよりも厳しくない条件で運転される少なくとも1の次のアルキル化ゾーンの使用を含む。有益なことに、形成された生成物は、供給原料中の対応するメルカプタン類、スルフィド類及びチオフェン性化合物並びにベンゾチオフェン性化合物などの硫黄含有芳香族類よりも高分子量の有機硫黄化合物を含む。
【0027】
一側面において、本発明は、周囲条件にて液体であり且つ供給原料中の対応する硫黄含有化合物よりもより高分子量の有機硫黄化合物を含有する生成物の製造プロセスを提供する。本プロセスは、(a)オレフィン類を含む炭化水素類の混合物と、硫黄含有有機化合物と、を含み、約60℃〜約345℃の間で沸騰する物質から本質的になり、約4,000又は5,000ppmまでの硫黄含量を有する供給原料を提供する工程と、(b)該供給原料を、昇温された温度における最初の接触ステージにおいて、オレフィン類によるアルキル化を通して、不純物の一部をより高分子量の硫黄含有物質に変換させるに効果的な条件下で、酸性触媒と接触させ、こうして最初の生成物ストリームを形成する工程と、(c)続く接触ステージにおいて、最初の接触ステージにおける昇温された温度の平均よりも少なくとも10℃低い温度にて、オレフィン類によるアルキル化を通して、不純物の一部をより高分子量の硫黄含有物質に効果的に変換する条件下で、最初の生成物ストリームの少なくとも一部を酸性触媒と接触させ、こうして次の生成物ストリームを形成する工程と、を含む。
【0028】
別の側面において、本発明は、周囲条件にて液体であり且つ供給原料よりも減少した硫黄含量を有する生成物の製造プロセスであって、(a)オレフィン類を含む炭化水素類の混合物と、硫黄含有物質とを含み、約60℃〜約345℃の間で沸騰する物質から本質的になり、約4,000ppm又は5,000ppmまでの硫黄含量を有する供給原料を提供する工程と、(b)該供給原料を、昇温された温度における最初の接触ステージにおいて、オレフィン類によるアルキル化を通して不純物の一部をより高い沸点の硫黄含有物質に変換させるに効果的な条件下で、酸性触媒と接触させ、こうして最初の生成物ストリームを形成する工程と、(c)続く接触ステージにおいて、最初の接触ステージにおける昇温された温度の平均よりも少なくとも10℃低い温度にて、オレフィン類によるアルキル化を通して不純物の一部をより高い沸点の硫黄含有物質に効果的に変換する条件下で、最初の生成物ストリームの少なくとも一部を酸性触媒と接触させ、こうして次の生成物ストリームを形成する工程と、(d)該続く生成物ストリームを分留して、(i)約50ppm未満の硫黄含量を有する貧硫黄画分から本質的になる少なくとも1種の低沸点画分と、(ii)残りの硫黄を含有する富硫黄画分からなる高沸点画分と、を提供する工程と、を含む。本発明の好ましい実施形態において、多重ステージプロセスは、約30ppm未満の硫黄含量を有する低沸点画分を提供する。より好ましくは、約15ppm未満の硫黄含量、最も好ましくは約10ppm未満の硫黄含量を有する生成物を提供する。
【0029】
本発明の別の側面は、本明細書に開示されている任意のプロセスにより形成された組成物を含む。このような組成物は、約50ppm未満の硫黄含量、好ましくは約30ppm未満の硫黄含量、より好ましくは約15ppm未満の硫黄含量、最も好ましくは約10ppm未満の硫黄含量を有する。
【0030】
適切な供給原料としては、約200℃〜約425℃の間で沸騰する物質から本質的になる精油所分解プロセスの生成物を挙げることができる。好ましくは、このような精油所ストリームは、約220℃〜約400℃の間で沸騰する物質、より好ましくは約275℃〜約375℃の間で沸騰する物質から本質的になる。選択された供給原料が精油所分解プロセスからのナフサである場合、供給原料は、約20℃〜約250℃の間で沸騰する物質から本質的になる。好ましくは、供給原料は、約40℃〜約225℃の間で沸騰する物質、より好ましくは約60℃〜約200℃の間で沸騰する物質から本質的になるナフサストリームである。
【0031】
本発明のプロセスにとって、供給原料は、接触分解プロセスにより製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を除去することにより調製された処理ナフサから構成されることが有益である。好ましくは、供給原料のオレフィン含量は、モル比基準で、硫黄含有有機化合物のオレフィン含量と少なくとも等しい。
【0032】
本発明によれば、最初の接触ステージの酸性触媒は、次の接触ステージの酸性触媒と同一又は異なっていてもよい。接触ステージの少なくとも一つにおける酸性触媒として、固体リン酸触媒を用いることが有利である。
【0033】
続く接触ステージにおいて用いられる温度は、最初の接触ステージにおける昇温された温度の平均よりも少なくとも5℃低い温度であることが有益である。最初のアルキル化ステージと続くステージとの間での温度差は、好ましくは約−5℃〜約−115℃の範囲、より好ましくは−15℃〜約−75℃の範囲にある。固体リン酸触媒を接触ステージの少なくとも一つにおける酸性触媒として用いる場合には、次の接触ステージで用いられる温度は、最初の接触ステージにおける昇温された温度の平均よりも少なくとも25℃、より好ましくは少なくとも45℃低い。
【0034】
本発明の一側面において、最初の接触ステージにおいて用いられる昇温された温度は、約120℃〜約250℃の範囲にある。固体リン酸触媒が最初の接触ステージにおける酸性触媒として用いられる場合には、昇温された温度は、好ましくは約140℃〜約220℃の範囲、より好ましくは約160℃〜約190℃の範囲にある。固体リン酸触媒が、両方の接触ステージにおける酸性触媒として用いられる場合には、続くステージの温度は、好ましくは約90℃〜約250℃の範囲の温度、好ましくは約100℃〜約235℃の範囲の温度、より好ましくは約110℃〜約220℃の範囲の温度である。
【0035】
本発明の一側面において、低沸点画分と高沸点画分とに分離する蒸留ステップにおける温度カットポイントは、約70℃〜約200℃の範囲、好ましくは約150℃〜約190℃の範囲にある。高沸点画分は、約249℃よりも低い蒸留終点を有することが有利である。
【0036】
別の側面において、本発明は、蒸留終点を有する低沸点画分と、蒸留終点及び初留点が約80℃〜約220℃の範囲にあるような初留点を有する高沸点画分と、を提供する。
【0037】
また別の側面において、本発明は、周囲条件にて液体であり、供給原料よりも減少した硫黄含量を有する生成物の製造プロセスであって、(a)オレフィン類を含む炭化水素類の混合物と硫黄含有有機化合物とを含み、約60℃〜約345℃の間で沸騰する物質から本質的になり、約4,000ppm又は5,000ppmまでの硫黄含量を有する供給原料を提供する工程と、(b)該供給原料を、昇温された温度における最初の接触ステージにおいて、オレフィン類によるアルキル化を通して不純物の一部をより高沸点の硫黄含有物質に変換させるに効果的な条件下で、酸性触媒と接触させ、こうして最初の生成物ストリームを形成する工程と、(c)続く接触ステージにおいて、最初の接触ステージにおける昇温された温度の平均よりも少なくとも10℃低い温度にて、オレフィン類によるアルキル化を通して不純物の一部をより高い沸点の硫黄含有物質に効果的に変換する条件下で、最初の生成物ストリームの少なくとも一部を酸性触媒と接触させ、こうして次の生成物ストリームを形成する工程と、(d)該続く生成物ストリームを、約50ppm未満の硫黄含量を有する貧硫黄・富モノ芳香族画分からなる少なくとも1種の低沸点画分と、残りの硫黄を含む富硫黄・貧モノ芳香族画分からなる高沸点画分と、に分留する工程と、(e)高沸点画分を、1種以上の硫黄含有有機化合物の水素添加に適切な条件下で1種以上の硫黄含有有機化合物への水素の組み込みを強化する能力を示す水素添加触媒の存在下で水素添加条件にて、気体状二水素源で処理する工程と、(f)約50ppm未満の硫黄含量を有する高沸点液体を回収する工程と、を含む。高沸点液体の全部又は一部は、少なくとも1種の蒸留の低沸点画分とブレンドされていることが有利である。
【0038】
本発明の更に別の側面において、石油留分の水素処理は、コバルト、ニッケル、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される1種以上の金属を含む少なくとも1の水素添加触媒床を使用する。
【0039】
高沸点供給原料を気体状二水素源と接触させることは、ニッケル、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される1種上の金属を含む少なくとも1の水素添加触媒床を使用することが有利である。
【0040】
一般に、有用な水素添加触媒は、周期律表中d−遷移元素から選択される少なくとも1の活性金属を含み、触媒総量の約0.1〜約30wt%の量で不活性担体に組み込まれている。適切な活性金属としては、21〜30、39〜48及び72〜78の原子番号を有する周期律表中d−遷移元素を挙げることができる。
【0041】
水素処理に有用な触媒は、有機化合物の混合物への水素の組み込みを強化して、少なくとも硫化水素を形成することができる成分と、触媒担体成分と、を含む。触媒担体成分は、典型的には、シリカ、アルミナ又はシリカ−アルミナなどの耐火性無機酸化物を含む。本発明に用いるに適する耐火性無機酸化物は、好ましくは約50〜約200Åの範囲にあるポア直径を有し、より好ましくは最良の結果を得るために約80〜約150Åの範囲にあるポア直径を有する。触媒担体成分は、アルミナなどの耐火性無機酸化物を含むことが有利である。
【0042】
精油所留分の水素処理は、好ましくは、コバルト、及びニッケル、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される1種以上の金属を含み、各々が触媒の総量の約0.1〜約20wt%の量で不活性担体上に組み込まれている少なくとも1の水素添加触媒床を使用する。
【0043】
高沸点画分を気体状二水素源と接触させることは、好ましくは、ニッケルと、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される1種以上の金属と、を含み、各々が触媒総量の約0.1〜約20wt%の量で不活性担体に組み込まれている少なくとも1の水素添加触媒床を使用する。
【0044】
本発明は、例えば、多環芳香族硫黄化合物など、硫黄原子が立体障害されている化合物を含む酸化物供給原料中の硫黄含有有機化合物に対して、特に有用である。典型的には、硫黄含有有機化合物は、少なくとも、硫化物、ヘテロ芳香族硫化物、及び/又は置換ベンゾチオフェン及びジベンゾチオフェンからなる群より選択される化合物を含む。
【0045】
水素添加触媒は、金属の組み合わせを含むことが有益である。好ましくは、水素添加触媒は、コバルト、ニッケル、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも2種の金属を含む。より好ましくは、コメタルは、コバルト及びモリブデン又はニッケル及びモリブデンである。水素添加触媒は、各々が触媒総量の約0.1〜約20wt%の量で、アルミナなどの1の金属酸化物担体上に組み込まれている少なくとも2種の活性金属を含むことが有利である。
【0046】
本発明をより完全に理解するために、添付図面に詳細に示され、下記に記載する本発明の例示である実施形態を参照されたい。
【好ましい実施形態の説明】
【0047】
図1は、周囲条件にて液体である輸送燃料のブレンド用成分の連続製造に対する本発明の好ましい側面を図示する概略フローダイアグラムである。この概略フローダイアグラムにおける本発明の要素は、塩基性窒素含有化合物を除去する軽質ナフサの前処理と、処理されたナフサを連続的により厳格でない条件となる2個のアルキル化反応器列内でアルキル化することと、アルキレートを分画して硫黄枯渇画分からなる低沸点ブレンド成分と高沸点富硫黄画分を提供することと、を含む。この高沸点画分は、水素処理された画分からの硫黄及び/又は窒素の水添除去を補助する水素添加触媒の存在下で、水素添加条件にて、高沸点画分を二水素源(分子状水素)と反応させることを含むプロセスによりさらに処理される。
【0048】
本発明に用いる適切な供給原料は、一般に、周囲条件にて液体である炭化水素化合物から実質的になるほとんどの精油所ストリームを含む石油留分から派生したものである。石油留分は、約10℃〜約345℃の範囲内にある温度の広い範囲又は狭い範囲のいずれかで沸騰する液体である。しかし、このような液体は、さらに、石炭液化からの生成物の精製、オイルシェール又はタールサンドの処理中にもみられるものである。これらの留出物供給原料は、2.5wt%元素状硫黄程度に高い範囲であってもよいが、一般には、約0.1wt%元素状硫黄〜約0.9wt%元素状硫黄の範囲である。より高濃度の硫黄を含む留分供給原料は、一般に、高濃度硫黄原油、コークス炉留分、及び硫黄が比較的高濃度の供給原料を処理する流体接触分解ユニットからの接触循環油から派生した直留分(virgin distillate)である。本発明における留分供給原料の窒素含量もまた、一般に、原油の窒素含量、原油容量1バレル当たり精油の水素添加容量、及び留分水素添加供給原料成分の別の性質の関数である。より高濃度の窒素を含む留分供給原料は、一般に、コークス炉留分及び接触循環油である。これらの留分供給原料は、2000ppm程度に高い範囲の総窒素濃度を有することもあるが、一般的には約5ppm〜約900ppmの範囲である。
【0049】
適切な精油所ストリームは、一般的に、約10゜API〜約100゜API、好ましくは約10゜API〜約75又は100゜API、より好ましくは最良の結果を得るために約15゜API〜約50゜APIの範囲にあるAPI重力を有する。これらのストリームは、制限されるものではないが、流体接触プロセスナフサ、流体又は遅延(delayed)プロセスナフサ、軽質バージンナフサ、水素分解ナフサ、水素処理プロセスナフサ、アイソメレート、及び接触改質油、及びこれらの組み合わせを含む。接触改質油及び接触分解プロセスナフサは、しばしば、軽質接触ナフサ及び重質接触ナフサ、及び軽質接触改質油及び重質接触改質油などのより狭い沸点範囲のストリームに分割され得る。これらは、本発明による供給原料として特に個別修正することもできる。好ましいストリームは、軽質ナフサ、軽質及び重質接触分解ユニットナフサを含む接触分解ナフサ、軽質及び重質接触改質油を含む接触改質油、及びこのような精油所炭化水素ストリームの誘導体である。
【0050】
最初のアルキル化ゾーン、及び該最初のアルキル化ゾーンよりも厳しくない条件で運転される少なくとも1の続くアルキル化ゾーンの使用を含む本発明の多重ステージ脱硫プロセスは非常に効果的であるが、他種のものを含むよりは、ある種の石油留分にとってより良好である。例えば、接触分解プロセスからのナフサなどの多量の芳香族炭化水素類を含む石油留分に適用する場合には、ナフサ中の芳香族炭化水素類のアルキル化は、硫黄含有不純物の所望のアルキル化と競合する反応である。この芳香族炭化水素類の競合アルキル化は、一般的には望ましくない。なぜなら、アルキル化された芳香族炭化水素生成物の大部分が、望ましくない高沸点を有し、高沸点アルキル化硫黄含有不純物と一緒にプロセスから除去されてしまうからである。幸運なことに、多くの典型的な硫黄含有不純物は、芳香族炭化水素類よりも、より迅速にアルキル化される。したがって、硫黄含有不純物は、一定の程度まで、選択的にアルキル化され得る。しかし、芳香族炭化水素類の競合するアルキル化は、同時に起こる望ましくない多量の芳香族炭化水素類の除去なしには、硫黄含有不純物を実質的に完全に除去することは本質的に不可能である。
【0051】
オレフィン又はオレフィン類の混合物がアルキル化剤として用いられる本発明のいくつかの側面において、オレフィン重合もまた、望ましくない副反応として、所望の硫黄含有不純物のアルキル化と競合するであろう。この競合反応の結果として、オレフィン性アルキル化剤の重合成副産物への高い変換率を伴わずに硫黄含有不純物のアルキル化生成物への高い変換率を達成することができなくなることが多い。このようなオレフィン類の損失は、例えば、ガソリン沸騰範囲のオレフィン性ナフサを脱硫して、得られる生成物をガソリンブレンド用原料として使用する場合に、非常に望ましくない。この場合において、約6〜約10個の炭素原子を有する高オクタン価でガソリン沸騰範囲にあるオレフィン類は、厳しい条件下で高沸点重合性副産物に変換されてしまい、ガソリン成分として失われてしまう。
【0052】
本発明において用いられるより適切な供給原料としては、一般に約50℃〜約425℃の範囲の温度で沸騰する精油所留分ストリームから誘導される炭化水素類の種々の任意の複合体混合物を挙げることができる。一般に、このような供給原料は、炭化水素類の混合物から構成されるが、チオフェン性化合物及びベンゾチオフェン性化合物などの芳香族不純物を含有する少量の硫黄含有有機不純物を含む。好ましい供給原料は、約79℃以下の初留点を有し、約345℃以下、より好ましくは約249℃以下の蒸留終点を有する。所望により、供給原料は、約221℃以下の蒸留終点を有するものでもよい。
【0053】
上述の留分ストリームの1種以上を供給原料として使用するために組み合わせてもよいことは理解されるであろう。多くの場合において、種々の代替供給原料から得られる精油所輸送燃料又は精油所輸送燃料用ブレンド成分の性能は、匹敵し得る。これらの場合において、ストリームの有効容量(volume availability)、最も近い接続位置、及び短時間経済性などの戦略が、どのストリームを利用するかを決定する。
【0054】
接触分解の生成物は、本発明において用いるに非常に好ましい供給原料である。このタイプの供給原料は、約345℃以下で沸騰する液体、たとえば軽質ナフサ、重質ナフサ及び軽質循環油を含む。しかし、接触分解プロセスからの揮発性生成物の生産量全体を本発明における供給原料として利用することもできることも理解されるであろう。接触分解プロセス生成物は、望ましい供給原料である。なぜなら、これらは、比較的高いオレフィン含量を典型的に含み、通常、本発明の第1のアルキル化ステージの間に、追加のアルキル化剤を添加する必要をなくすからである。メルカプタンや硫化物などの硫黄含有有機化合物に加えて、チオフェン、ベンゾチオフェン及びチオフェンやベンゾチオフェンの誘導体などの硫黄含有芳香族化合物が、接触分解生成物における硫黄含有不純物の主要成分であることが多く、このような不純物は本発明によって容易に除去される。たとえば、石油由来のガスオイルの流動接触分解からの典型的な軽質ナフサは、最大約60wt%のオレフィン類と、最大約0.5wt%の硫黄とを含むことがあり、硫黄の大部分は、チオフェン性化合物及びベンゾチオフェン性化合物の形態であろう。本発明を実施する際に用いるに好ましい供給原料は、接触分解生成物を含み、少なくとも1wt%のオレフィン類を追加的に含むであろう。非常に好ましい供給原料は、接触分解生成物から構成され、少なくとも5wt%のオレフィン類を追加的に含むであろう。このような供給原料は、蒸留により分離される接触分解プロセスからの揮発性生成物の一部であってもよい。
【0055】
本発明の実施において、供給原料は、不純物として、硫黄含有芳香族化合物を含むであろう。本発明の一実施形態において、供給原料は、不純物として、チオフェン及びベンゾチオフェン化合物の両方を含むであろう。所望であれば、これらの硫黄含有芳香族化合物の少なくとも約50%または同等以上を、本発明の実施において、より高い沸点の硫黄含有物質に変換することもできる。本発明の一実施形態において、供給原料は、ベンゾチオフェンを含み、ベンゾチオフェンの少なくとも約50%は、アルキル化によってより高い沸点の硫黄含有物質に変換され、分別によって除去されるであろう。
【0056】
オレフィン類またはアルコール類により硫黄含有芳香族化合物のアルキル化を増強する能力を示す任意の酸性物質を、本発明の実施における触媒として用いることができる。硫酸などの液体酸を用いることもできるが、固体酸性触媒が特に望ましく、このような固体酸性触媒は、固体基体上に担持された液体酸を含む。固体酸性触媒は、このような物質と供給物とを接触させやすいので、液体触媒よりも一般に好ましい。たとえば、適切な温度で、固体粒子酸性触媒の1以上の固定床に供給ストリームを単に通過させるだけでよい。所望により、本発明の種々のステージで、異なる酸性触媒を用いることもできる。たとえば、あまり活性でない触媒を用いることによって続くステージのアルキル化工程におけるアルキル化条件の厳格さを緩和することができ、一方、最初のステージのアルキル化工程で、より活性な触媒を用いることができる。
【0057】
本発明の実施に有用な触媒としては、酸性高分子樹脂、担持された酸、酸性無機酸化物からなる触媒などの酸性物質をあげることができる。適切な酸性高分子樹脂としては、この分野で周知であり市販されている重合性スルホン酸樹脂をあげることができる。Rohm and Hass Co.,により製造されているAmberlyst 35(登録商標)は、このような物質の典型例である。
【0058】
触媒として有用な担持された酸は、限定されるものではないが、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ジルコニウムオキサイドまたはクレイなどの固体上に担持されたブロンステッド酸(たとえば、リン酸、スルホン酸、ホウ酸、HF、フルオロスルホン酸、トリフルオロ−メタンスルホン酸、及びジヒドロキスフルオロホウ酸)及びルイス酸(たとえば、BF3、BCl3、AlCl3、AlBr3、FeCl2、FeCl3、ZnCl2、SbF5、SbCl5及びAlCl3とHClとの組み合わせ)を含む。
【0059】
担持触媒は、所望の液体酸を所望の担体と組み合わせて、乾燥させることにより、典型的に調製される。リン酸を担体と組み合わせて調製される担持触媒が非常に好ましく、本明細書において、固体リン酸触媒という。これらの触媒は、効果が高くコストが低いので、好ましい。本願明細書に全体として組み込まれている米国特許U. S. Patent No. 2,921,081(Zimmerschiedら)は、酸化ジルコニウム及びジルコニウムのハロゲン化物からなる群より選択されるジルコニウム化合物と、オルソリン酸、ピロリン酸及びトリリン酸からなる群より選択される酸とを組み合わせることによる固体リン酸触媒の調製を開示する。本願明細書に全体として組み込まれている米国特許U. S. Patent No. 2,120,702(Ipatieffら)は、リン酸とケイ質材料とを組み合わせることによる固体リン酸の調製を開示する。
【0060】
本願明細書に全体として組み込まれている英国特許British Patent No. 863,539もまた、珪藻土(diatomaceous earth)又はキースラガーなどの固体ケイ質材料上にリン酸をデポジットすることによる固体リン酸触媒の調製を開示する。キースラガー上にリン酸をデポジットすることにより固体リン酸触媒が調製される場合には、触媒は、(i)1種以上の遊離リン酸、すなわちオルソリン酸、ピロリン酸又はトリリン酸と、(ii)酸とキースラガーとの化学反応から誘導されるリン酸珪素と、を含むと考えられる。無水リン酸珪素は、アルキル化触媒としては不活性であると考えられるが、これらは加水分解されて、触媒として活性なオルソリン酸及びポリリン酸の混合物を得ると考えられる。この混合物の正確な組成は、触媒が曝される水の量に依存するであろう。
【0061】
実質的に無水の炭化水素供給原料と一緒に用いる場合に、固体リン酸アルキル化触媒を十分な活性レベルに維持するためには、供給原料に、少量の水、又はイソプロピルアルコールなどのアルコールを添加して、十分な水和レベルに触媒を維持することが慣用的に行われている。アルコールは触媒と接触すると脱水され、次いで、得られる水が触媒を水和する作用をすると考えられる。触媒が含む水が少な過ぎる場合には、コーキングの結果として、迅速な不活性化を導き得る非常に高い活性を有する傾向にあり、さらに触媒は良好な物理的一体性を持つことができないであろう。触媒のさらなる水和は、その活性を減少させるように作用し、コークス形成を通じての迅速な不活性化へ向かう傾向を減少させる。しかし、このような触媒の過剰な水和は、触媒を軟化させ、物理的に凝固させ、固定床反応器内での高い圧力降下を生じさせ得る。したがって、固体リン酸触媒に対する最適な水和レベルがあり、この水和レベルは、反応条件、基体、及びアルキル化剤の関数であろう。
【0062】
固体リン酸触媒を用いる本発明の好ましい実施形態において、触媒の性能を増強する能力を示す量の水和剤が必要である。有利には、水和剤は、水及び約2〜約5個の炭素原子を有するアルカノールからなる群の少なくとも一員である。一般には、約50〜約1,000ppmの範囲の供給原料中の水濃度を与える量の水和剤で十分である。この水は、イソプロピルアルコールなどのアルコールの形態で利便に提供される。
【0063】
触媒として有用な酸性無機酸化物としては、限定されるものではないが、アルミナ、シリカ−アルミナ、天然及び合成支柱クレイ、ファジャサイト、モルデナイト、L、オメガ、X、Y、ベータ及びZSMゼオライトなどの天然及び合成ゼオライトをあげることができる。非常に適切なゼオライトとしては、ベータ、Y、ZSM−3、ZSM−4、ZSM−5、ZSM−18及びZSM−20をあげることができる。望ましくは、ゼオライトは、シリカ−アルミナなどの無機酸化物マトリックス材料中に組み込まれる。実際、本発明の実施には、酸触媒として、平衡分解触媒を用いることができる。触媒は、ルイス酸(BF3、BCl3、SbF5及びAlCl3など)、非ゼオライト固体無機酸化物(シリカ、アルミナ及びシリカ−アルミナなど)及びラージポア結晶性モレキュラーシーブ(ゼオライト、支柱クレイ及びアルミノホスフェートなど)の異なる物質の混合物を含むものでもよい。
【0064】
固体触媒を用いる本発明の実施形態において、固体触媒は、それが用いられるプロセスステージにおいて反応物質と迅速且つ効率的に接触することを可能とする物理的形態であることが望ましい。本発明が限定されるものではないが、固体触媒は、粒子の最大直径が約0.1mm〜約2cmの範囲にある平均値を有するような粒子状形態であることが好ましい。たとえば、約0.1mm〜約2cmの平均直径を有する実質的に球形のビーズの触媒を用いることができる。あるいは、約0.1mm〜約1cmの範囲にある直径と、約0.2mm〜約2cmの範囲にある長さとを有する棒状形態で触媒を用いることができる。
【0065】
上述のように、本発明の実施に用いられる供給原料は、硫黄含有有機化合物に加えて、不純物として、窒素含有機化合物を含みやすい。典型的な窒素含有不純物の多くは、たとえば有機塩基であり、本発明の酸性触媒の不活性化を引き起こし得る。このような不活性化は、塩基性窒素含有不純物が酸性触媒と接触し得る前に、塩基性窒素含有不純物を除去することにより、防止することができる。これらの塩基性不純物は、最初のアルキル化ステージにおいて利用される前に、供給原料から除去されることが最も利便である。本発明にて用いるに非常に好ましい供給原料は、接触分解プロセスにより製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を除去することにより調製される処理済ナフサから構成される。
【0066】
塩基性窒素含有不純物を除去する適切な方法としては、酸性物質による処理を典型的にあげることができる。このような方法は、酸の水溶液での洗浄などの手順及び酸性触媒の前方に位置付けられたガードベッドの使用などを含む。効果的なガードベッドの例としては、限定されるものではないが、A−ゼオライト、Y−ゼオライト、L−ゼオライト、モルデナイト、フッ化アルミナ、新鮮な分解触媒(fresh cracking catalyst)、平衡分解触媒、及び酸性高分子樹脂などを挙げることができる。ガードベッド技術が用いられる場合には、一方のベッドが供給原料を予備処理して酸性触媒を保護するために使用される間、他方のベッドが再生される態様で2個のガードベッドを用いることが望ましいことが多い。分解触媒が塩基性窒素含有不純物を除去するために利用される場合には、このような不純物を除去する能力が不活性化するようになるときに、接触分解ユニットの再生器内で再生することができる。塩基性窒素含有化合物を除去するために酸洗浄を用いる場合には、適切な酸の水溶液で供給原料を処理する。このために用いる適切な酸としては、限定されるものではないが、塩酸、硫酸及び酢酸を挙げることができる。水溶液中の酸の濃度は重要ではないが、約0.1wt%〜約30wt%の範囲になるように選択することが利便である。たとえば、接触分解プロセスからの重質ナフサから塩基性窒素含有化合物を除去するために、2wt%の硫酸水溶液を用いることができる。
【0067】
本発明の実施において、各ステージのアルキル化工程に対する供給物は、より高沸点の硫黄含有物質への選択された硫黄含有有機不純物の所望の程度の変換率を効果的に得ることができる温度及び時間で酸性触媒と接触する。温度及び接触時間は、本発明の最初のステージのアルキル化工程でのアルキル化条件よりも次の1又は複数のステージのアルキル化工程でのアルキル化条件が厳しくない条件となるように選択できる。これは、次のステージのアルキル化工程において、より低温、及び場合によってはより短い接触時間との組み合わせにより、達成され得ることは理解されるであろう。本発明の特定のアルキル化工程にかかわりなく、接触温度は、約50℃を越え、好ましくは85℃を越え、より好ましくは100℃を越えることが望ましい。接触は、一般に約50℃〜約260℃の範囲の温度、好ましくは約85℃〜約220℃の範囲の温度、より好ましくは約100℃〜約200℃の範囲の温度で行われるであろう。もちろん、最適な温度は、用いられる酸性触媒、選択された1種又は複数のアルキル化剤、1種又は複数のアルキル化剤の濃度、及び除去されるべき硫黄含有芳香族不純物の性質の関数であることは理解されるであろう。
【0068】
本発明は、炭化水素供給原料の硫黄含有芳香族不純物を比較的少量の高沸点物質に濃縮する一体化された多重ステージプロセスである。この濃縮の結果として、硫黄をより容易に且つ低コストで廃棄することができ、この廃棄のためには任意の慣用の方法を用いることができる。例えば、この物質を、硫黄含量がそれほど不都合ではない場合の重質燃料にブレンドすることもできる。あるいは、元の供給原料よりも体積が減少しているので、比較的低コストで効率的に水素処理することもできる。
【0069】
接触水素添加プロセスは、触媒の固定床、移動流動床又は沸騰床にて、比較的温和な条件で実施することができる。好ましくは、再生が必要になるまでに比較的長時間が経過するような条件、例えば、約200℃〜約450℃の平均反応ゾーン温度、好ましくは約250℃〜約400℃の平均反応ゾーン温度、最も好ましくは最良の結果のために約275℃〜約350℃の平均反応ゾーン温度で、約6〜約160気圧の範囲内の圧力の条件下で、触媒の固定床が用いられる。
【0070】
水添脱硫工程に対して必要な圧力及び水素の量を最小にしながら、水素添加が極端に良好に硫黄を除去する特に好ましい圧力範囲は、20〜60気圧の範囲内の圧力、より好ましくは約25〜40気圧の範囲内の圧力である。
【0071】
一般に、本発明に有用な水素添加プロセスは、蒸留画分予備加熱工程で始まる。蒸留画分は、最終予備加熱用の炉に入る前に、供給物/流出物熱交換機内で目標反応ゾーン入口温度まで予加熱される。蒸留画分は、予備加熱の前、予備加熱中及び/又は予備加熱後に、水素ストリームと接触してもよい。
【0072】
水素ストリームは、純粋水素であっても、炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、水、硫黄化合物などの希釈剤との混合物であってもよい。水素ストリーム純度は、少なくとも約50vol%水素、好ましくは少なくとも約65vol%水素、より好ましくは最良の結果のために少なくとも約75vol%水素である。水素は、水素プラント、接触改質設備又は他の水素製造プロセスから供給されてもよい。
【0073】
反応ゾーンは、同一又は異なる触媒を含む1個以上の固定床反応器からなるものでもよい。固定床反応器は、複数の触媒床を含むものでもよい。単一の固定床反応器内の複数の触媒床もまた、同一又は異なる触媒を含むことができる。
【0074】
水素添加反応は一般に発熱反応であるから、複数の固定床反応器の間、又は同一の反応器シェル内の複数の触媒床の間の熱移動装置からなるステージ間(interstage)冷却を用いてもよい。水素添加プロセスから発生する熱の少なくとも一部は、水素添加プロセスで使用するために回収されることが有利であることが多い。この熱回収オプションが得られない場合には、冷却は、冷却水又は冷却空気などの冷却ユーティリティを通して、あるいは反応器に直接注入される水素急冷ストリームを使用して、行われてもよい。2ステージプロセスは、反応器シェルあたりの発熱温度を低下させ、より良好な水素添加反応器温度制御を与えることができる。
【0075】
反応ゾーン流出物は、一般に冷却され、流出物ストリームは、水素を除去する分離装置に送られる。回収された水素の幾分かはプロセスに戻されてもよく、水素の幾分かはプラント又は精油所燃料などの外部システムにパージされてもよい。水素パージ速度は、最低の水素純度を維持し、硫化水素を除去するように制御されることが多い。戻された水素は、一般に、圧縮され、「メークアップ」水素の補給を受け、さらなる水素添加のためのプロセスに注入される。
【0076】
分離装置の液体流出物は、ストリッパ装置内で処理されてもよい。ストリッパ装置内では、軽質炭化水素類が除去されて、より適当な炭化水素プールに送られる。好ましくは、分離装置及び/又はストリッパ装置は、少なくとも1種の低沸点液体画分と1種の高沸点液体画分との流出物を提供することができる手段を含む。液体流出物及び/又は1種以上のその液体画分は、続いて処理されて、酸素をその中の液体有機化合物内に組み込み、及び/又は液体生成物からの硫黄又は窒素の酸化除去を補助する。液体生成物は、次いで、一般に、最終蒸留生成物の製造用のブレンド設備に送られる。
【0077】
水素添加プロセスにおいて用いられるべき運転条件は、約200℃〜約450℃の平均反応ゾーン温度、好ましくは約250℃〜約400℃の平均反応ゾーン温度、最も好ましくは最良の結果のために約275℃〜約350℃の平均反応ゾーン温度を含む。
【0078】
水素添加プロセスは、典型的には、約400psig〜約2000psigの範囲にある反応ゾーン圧力、より好ましくは約500psig〜約1500psigの範囲にある反応ゾーン圧力、最も好ましくは最良の結果のために約600psig〜約1200psigの範囲にある反応ゾーン圧力にて、運転する。水素循環速度は、最良の結果のために、一般に約500SCF/Bbl〜約20,000SCF/Bbl、好ましくは約2,000SCF/Bbl〜約15,000SCF/Bbl、最も好ましくは約3,000〜約13,000SCF/Bblの範囲である。これらの範囲よりも低い反応圧力及び水素循環速度は、結果的に、より高い触媒不活性化速度を生じさせ、よってあまり効率的でない脱硫、脱窒及び脱芳香族化を引き起こす。過剰に高い反応圧力は、エネルギー及び設備費用を増加させ、限外利益を減少させる。
【0079】
水素添加プロセスは、約0.2hr-1〜約10.0hr-1、好ましくは約0.5hr-1〜約6.0hr-1、最も好ましくは最良の結果のために約2.0hr-1〜約5.0hr-1の液体時間当たり空間速度で典型的に運転する。過剰に高い空間速度は、結果として全体の水素添加を減少させるであろう。
【0080】
本発明の好ましい実施形態において、石油留分は、水素処理装置を通過し、ここで水素処理触媒の存在下で水素処理されて、ヘテロ原子、特に硫黄が除去され、芳香族を飽和する。
【0081】
本発明による石油留分の水素処理に用いられる適切な触媒は、石油及び石油化学工業において用いられている任意の慣用の水素添加触媒である。このような触媒の一般的なタイプは、各々が不活性担体に組み込まれている少なくとも1種の活性金属から構成される。好ましくは、少なくとも1種の活性金属はVIII族金属であり、より好ましくは、金属はコバルト、ニッケル及び鉄からなる群より選択され、最も好ましくは、金属はコバルト及びニッケルからなる群より選択される。好ましい触媒は、少なくとも1種のVIII族金属及び少なくとも1種のVI族金属、好ましくはモリブデン及びタングステンからなる群より選択されるVI族金属から構成される触媒である。好ましくは、各々は、アルミナ、シリカアルミナ及びゼオライトなどの大きな表面積の担体物質上に組み込まれる。VIII族金属は、触媒の総量を基準として、典型的には約2%〜約20%の範囲の量、好ましくは約4%〜約12%の範囲の量で、存在する。VI族金属は、触媒の総量を基準として、典型的には約5%〜約50%の範囲の量、好ましくは約10%〜約40%の範囲の量、より好ましくは約20%〜約30%の範囲の量で、存在するであろう。1種以上のタイプの水素添加触媒を同一床にて用いることも本発明の範囲内である。
【0082】
本発明による触媒に用いられる適切な担体物質としては、無機耐火物質、例えば、アルミナ、シリカ、シリコンカーバイド、アモルファス及び結晶性(crystalconduit)シリカ−アルミナ、シリカマグネシア、アルミナ−マグネシア、ボリア、チタニア、ジルコニア及び混合物及びこれらのコゲルを挙げることができる。触媒用の好ましい担体物質としては、アルミナ、アモルファスシリカ−アルミナ、及び結晶性(crystalconduit)シリカ−アルミナ、特にクレイ又はゼオライトとして分類されるこれらの物質を挙げることができる。最も好ましい結晶性(crystalconduit)シリカ−アルミナは、例えば酸性改質剤の組み込みによるなどの合成方法、及び脱アルミ化などの後合成改質により改質され酸度が制御されたゼオライトである。
【0083】
水素処理による蒸留石油画分からのこのようなヘテロ芳香族スルフィドのさらなる減少は、これらの化合物を炭化水素類及び硫化水素(H2S)に変換するために、ストリームを非常に厳しい接触水素添加に供することを必要とする。典型的には、炭化水素部位が大きくなるほど、スルフィドを水素添加することはより困難になる。したがって、水素処理後に残る残留有機硫黄化合物は、最も緻密に置換されたスルフィド類である。
【0084】
本発明の非常に好ましい実施形態において、硫黄含有有機化合物は、このような不純物を含む炭化水素供給原料の流動接触分解から得られる種々の炭化水素生成物から除去される。流動接触分解プロセスにおいて、高分子量炭化水素液体又は蒸気は、熱く微細に分割された固体触媒粒子と、典型的には流動床反応器内で又は延長された上昇管反応器内で接触し、触媒−炭化水素混合物は、典型的にはモーターガソリン及び蒸留燃料中に存在する種類の低分子量炭化水素類まで所望程度の分解が効果的に生じるに十分な時間、流動状態又は分散状態で昇温された温度に維持される。
【0085】
流動接触分解プロセスにおける炭化水素供給原料の変換は、変換温度にて及び変換時間を約10秒以内に制限する流動速度にて、反応ゾーン内で分解触媒と接触することにより、効果的になされる。変換温度は、約430℃〜約700℃の範囲、好ましくは約450℃〜約650℃の範囲にあることが望ましい。炭化水素蒸気と、不活性量の炭素質物質又はコークスを含有する分解触媒とを含む反応ゾーンからの流出物は、次いで、分離ゾーンに送られる。炭化水素蒸気は、分離ゾーン内で、消費された分解触媒から分離され、これらの物質を沸点に基づいて分離するための分別蒸留装置に送られる。これらの揮発性炭化水素生成物は、典型的に、約430℃〜約650℃の範囲の温度で分別蒸留装置に入り、分別蒸留に必要な熱のすべてを供給する。
【0086】
炭化水素類の接触分解中、非揮発性炭素質物質又はコークスは、不可避的に触媒上に堆積する。炭素質物質が分解触媒上に蓄積するので、分解触媒の活性及びガソリンブレンドストックを製造するための触媒の選択率は、低下する。しかし、触媒は、触媒からコークスの大部分を除去することによって本来の触媒活性の大部分を回復することができる。これは、再生ゾーン又は再生機内で、気体状二酸素源(分子状酸素)を用いることにより、触媒の炭素質堆積物を燃焼することによって行われる。典型的には、再生ガスは空気から派生したものである。
【0087】
広範囲のプロセス条件が、流動接触分解プロセスの実施に有用であることが知られている。ガスオイル供給原料が用いられる場合には、処理率すなわち新鮮な供給物に対する総供給物の体積比は、約1.0から約3.0に変動し得る。変換レベルは、約40%から約100%に変動し得、ここで変換は、より軽質の物質又はコークスの形成により、大気圧にて221℃を超えて沸騰する炭化水素類の減少率(%)として定義される。反応器内でのオイルに対する流動触媒の質量比は、約2〜約20の範囲内で変動し得るので、流動分散物は約15〜約320kg/m3の範囲にある密度を有するであろう。流動速度は、約3.0〜約30m/secの範囲内で変動し得る。
【0088】
流動接触分解プロセスにおいて用いられる適切な炭化水素供給原料は、約0.2〜約6.0wt%の有機硫黄化合物形態の硫黄を含み得る。適切な供給原料としては、限定されるものではないが、軽質ガスオイル、重質ガスオイル、ワイドカットガスオイル、真空ガスオイル、ナフサ、デカントオイル(decanted oil)、残留留分及びこれらの任意のものから誘導される循環油などの硫黄含有石油留分並びに合成オイル、石炭液化及びオイルシェール及びタールサンドの処理から誘導される硫黄含有炭化水素留分を挙げることができる。任意のこれらの供給原料を単独又は任意の所望の組み合わせで用いることができる。
【0089】
本発明をよりよく理解するために、本発明のまた別の好ましい側面を図面に概略的に示す。典型的には、炭化水素化合物、不純物として硫黄含有有機化合物及び窒素含有有機化合物を含むガスオイルを流動接触分解プロセスにて接触分解して、オレフィン類(アルケンル類)をも含む軽質ナフサなどの付加価値製品を得る。
【0090】
さて、概略フローダイアグラムを参照すると、精油所源12からの軽質ナフサは、導管14を通過して、予備処理ユニット20に入る。軽質ナフサ供給原料は、パラフィン類、オレフィン類、ナフサ類、芳香族類を含む炭化水素化合物と、不純物(硫黄含有有機化合物及び窒素含有有機化合物)とを含む有機化合物から構成されている。有利には、軽質ナフサ供給原料は、さらに、供給原料の総量を基準として約10wt%〜約30wt%の範囲の量のアルケン類をも含む。より一般的には、適切な軽質ナフサ供給原料中のアルケン類の量は、低くても約5%程度であるか、または高くても50%程度である。
【0091】
しかし、軽質ナフサ供給原料は、さらに、約2,500ppm(質量)以下の硫黄、好ましくは約200ppm(質量)〜約1,000ppm(質量)の硫黄を硫黄含有有機化合物の形態で含む。硫黄含有有機化合物は、チオフェン、チオフェン誘導体、ベンゾチオフェン、ベンゾチオフェン誘導体、メルカプタン類、スルフィド類及びジスルフィド類を含む。典型的には、供給原料は、さらに、塩基性窒素含有有機化合物を不純物として含む。有利には、適切な供給原料中の塩基性窒素の量は、約30ppmから0に低下する範囲内である。
【0092】
塩基性窒素含有化合物の少なくとも一部は、例えば、硫酸水溶液を用いて、有益には供給原料の炭化水素成分の顕著な化学改質を生じさせない温和な接触条件下で、予備処理ニット20内での酸性物質との接触によって、供給原料から除去される。
【0093】
ユニット20からの処理された供給原料は、導管32を通過して、酸性触媒を含む最初のアルキル化反応器40に入る。処理された供給原料は、反応器40を通過するが、ここで、オレフィン類によるアルキル化を通して、主としてチオフェン不純物をより高沸点のチオフェン性物質に効果的に変換する反応条件下で酸性触媒と接触する。一般に、効果的な反応条件は、用いられる触媒に依存する。最初のアルキル化反応器内で固体リン酸材料を含む酸性触媒を用いる実施形態については、接触は、約90℃〜約250℃の範囲にある温度、好ましくは約100℃〜約235℃の範囲にある温度、より好ましくは約110℃〜約220℃の範囲にある温度にて行われる。
【0094】
アルキル化反応器40からの流出物は、導管42及び熱交換機60を通して送られ、ここで、流出物ストリームの温度は少なくとも5℃のあらかじめ選択された温度だけ低下する。最初のアルキル化ステージと次のステージとの間の温度差は、好ましくは約−5℃〜約−115℃の範囲、より好ましくは約−15℃〜約−75℃の範囲にある。
【0095】
温度が低下した流出ストリームは、熱交換機60から導管64を通って、下流側の酸性触媒を含むアルキル化反応器70まで通過する。流出ストリームは、反応器70を通過するが、ここで、オレフィン類によるアルキル化によって主としてメルカプタン類及びスルフィド類不純物をより高沸点の物質に効果的に変換する反応条件下で、酸性触媒と接触する。一般に、効果的な反応条件は、用いられる触媒に依存する。最初のアルキル化反応器内で固体リン酸材料を含む酸性触媒を用いる実施形態については、接触は、好ましくは約75℃〜約200℃の範囲、より好ましくは約90℃〜約150℃の範囲、最も好ましくは最良の結果のために約100℃〜約130℃の範囲にある温度にて、行われる。
【0096】
アルキル化されたストリームは、アルキル化反応器70から導管72を通って蒸留塔80に通過し、ここで、アルキル化反応のより高沸点の硫黄含有生成物が低沸点画分から分離され、硫黄含量が減少する。第1の供給原料画分の硫黄含量よりも少ない硫黄含量で約177℃の蒸留終点を有する低沸点画分は、導管86を通して蒸留塔80から抜き出される。この導管86からの低沸点画分は、低硫黄ガソリンブレンドストックとして用いることもできる。典型的には、この低沸点画分の硫黄含量は、約50ppm未満であり、好ましくは約30ppm未満であり、より好ましくは約15ppm未満である。
【0097】
約177℃の初留点を有し且つアルキル化反応器70内で製造された高沸点アルキル化硫黄含有物質を有する高沸点画分は、導管82を通して蒸留塔80から抜き出される。所望であれば、この高沸点物質は、次の使用又は廃棄のために抜き出されてもよい。本発明の好ましい実施形態において、この高沸点物質は、その硫黄含量の少なくとも一部を除去するために、導管82を通して水素処理ユニット90に送られる。
【0098】
二水素(分子状水素)を含有する気体状混合物は、導管94を通して、貯蔵場所又は精油所源92から水素処理ユニット90の接触反応器に供給される。典型的には、接触水素処理反応器は、高沸点物質の脱硫に対する水素添加促進作用を有する同一又は異なる触媒の1種以上の固定床を含む。反応器は、床を通る液体及び気体の上昇流、下降流、又は向流にて運転されてもよい。
【0099】
水素添加の程度は、触媒及び反応条件の選択を含むいくつかの因子、及び高沸点物質中の硫黄含有有機不純物の性質に依存する。反応条件は、硫黄含有有機不純物の硫黄含量の少なくとも約50%が硫化水素に変換され、好ましくは硫化水素の変換率が少なくとも約75%となるように選択されることが望ましい。
【0100】
典型的には、再生が必要になるまでに比較的長時間が経過するような条件下、例えば約50℃〜約450℃の平均反応ゾーン温度、好ましくは約75℃〜約225℃の平均反応ゾーン温度、最も好ましくは最良の結果のために約200℃〜約200℃の平均反応ゾーン温度で、約6〜約160気圧の範囲内の圧力の条件下で、接触反応器内で、適切な触媒の固定床が用いられる。1種以上の触媒の床及び次の分離及び蒸留は、一体化された水素処理及び分別システムとして一緒に運転する。このシステムは、流出物ストリームから、未反応二水素、硫化水素及び他の水素添加の非濃縮性生成物を分離する。
【0101】
硫化水素の除去後、生成物は、水素処理ユニット90から、導管96を通して、貯蔵場所又は精油所ブレンドユニット(図示せず)に送られる。典型的には、この生成物の硫黄含量は、約50pppm未満であり、好ましくは約30ppm未満であり、より好ましくは約15ppm未満である。所望であれば、得られる濃縮性成分の液体混合物は、少量の残留硫黄を含む低沸点画分と、多量の残留硫黄を含む高沸点画分とに分別される。
(実施例)
【0102】
以下の実施例は、本明細書に開示された発明のある特定の実施形態を説明するために提供する。しかし、これらの実施例は、新規な発明の範囲を限定するものではなく、開示された発明の範囲を逸脱しない限りにおいて多くの変形例がなされてもよいことを当業者は認定するであろう。
【0103】
[一般]
パイロットスケールのユニットは、プロセスストリームの反応器間冷却を伴う連続下降流モードで運転される2個の同一の固定床反応器を含むものであった。各反応器には、触媒300mLを装填した。プロセスストリームは、供給物秤量管、精密定量ポンプ(Zenith)、高圧供給ポンプ(Whitey)及び外部予備加熱器を通して、2個の反応器ユニットの第1の反応器に流入した。各反応器を6個の加熱ゾーンを具備する炉内に配置した。温度は、種々の位置で熱電対により、各触媒床の中心線に沿って測定し、これに従って加熱ゾーンを調節した。反応器間サンプリングシステムを2個の反応器の間に位置づけて、液体プロセスストリームが運転条件にてサンプリングできるようにした。
【0104】
運転中、プロセスストリームは、供給物秤量管、精密定量ポンプ(Zenith)、高圧供給ポンプ(Whitey)及び外部予備加熱器を通して2個の反応器ユニットの第1の反応器に装填された。第1の反応器からの流出物全体は、第2の反応器に送られた。第2の反応器からの液体生成物は、第2の反応器の出口圧力を所望の運転圧力に維持するために窒素が用いられる高圧分離器に流入した。分離器内の液体レベルは、Annin制御弁によって維持された。
【0105】
本発明のこれらの実施例において、約61℃〜約226℃の範囲にわたって沸騰するナフサ供給原料は、硫黄含有不純物を含有するガスオイル供給原料の流動接触分解からの生成物の分別蒸留によって得られたものであった。マルチカラムガスクロマトグラフィーを用いるナフサ供給原料の分析は、質量ベースで42.5%のオレフィン類(7.75%の環式オレフィン類)、15.6%の芳香族及び32.3%のパラフィン類(9.41%の環式パラフィン類)を含むことを示した。このナフサ供給原料をイソプピルアルコールと混合して、240ppmのアルカノールレベルを有する供給原料とした。
【0106】
特に断らない限り、実施例に用いた触媒は、Tylerスクリーンメッシュサイズ−12 +20(W. S. TylerによるUSA Standard Testing Seive)まで破砕された固体リン酸触媒(Louisville, Kentucky, USAのSud Chemie, Inc.,により供給されたC84-5-01)であった。
【0107】
特に断らない限り、%及びppmは、適当な質量を基準とする。
【実施例1】
【0108】
本発明のこの実施例において、2個の反応器に、Tylerスクリーンメッシュサイズ−12+20を有する固体リン酸触媒を装填して、1.5hr-1の液体時間あたり空間速度で運転した。反応器1を約172℃の温度に維持して、反応器2を約122℃の温度に維持した。すなわち、連続反応器の間の温度差は−50℃とした。プロセスストリームの分析は、Table Iに示す。2−メチルチオフェン及び3−メチルチオフェン全体は、約245ppmから約3ppmに減少し、約98.8%の減少率であった。C2−チオフェン類全体は、約125ppmから約29ppmに減少し、76.8%の減少率であった。110℃以下の温度で沸騰する全硫黄化合物は、約184ppmから約5.7ppmに減少し、96.9%の減少率であった。
【比較例】
【0109】
本比較例において、実施例1と同様に、2個の反応器に、Tylerスクリーンメッシュサイズ−12+20を有する固体リン酸触媒を装填して、1.5hr-1の液体時間あたり空間速度で運転した。しかし、反応器1は、約121℃の温度に維持して、反応器2は約172℃の温度に維持した。すなわち、連続反応器の間の温度差は+51℃とした。プロセスストリームの分析は、Table IIに示す。2−メチルチオフェン及び3−メチルチオフェン全体は、約254ppmから約5.42ppmに減少し、約97.8%の減少率であった。C2−チオフェン類全体は、約125ppmから約43.16ppmに減少し、約65.5%の減少率であった。110℃以下の温度で沸騰する全硫黄化合物は、約184ppmから約20.52ppmに減少し、わずかに約88.8%の減少率であった。
【0110】
比較例において、110℃以下の温度で沸騰する全硫黄化合物のレベルは、重要なことに、本発明の実施例1におけるレベルの3.58倍も大きかった。
【0111】
本発明の目的に対して、「主として」とは、約50%を超えることを意味する。「実質的に」とは、関連する化合物又はシステムの巨視的特性に測定可能な影響を与えるほどに十分な頻度で生じること、又はこのような割合で存在することを意味する。このような影響の頻度又は割合が明らかでない場合には、「実質的に」とは約20%以上として考える。用語「本質的になる供給原料」とは、供給原料の少なくとも95vol%を意味する。用語「本質的に含まない」とは、巨視的特性及び最終産物に無視できる影響を超えない影響を与えるに過ぎない小さな変動、典型的には約1%以下、が許されることを除いて、絶対的にという意味である。
【0112】
【表1】
Figure 2004537613
【0113】
【表2】
Figure 2004537613

Claims (25)

  1. 周囲条件にて液体であり且つ供給原料中の対応する硫黄含有化合物よりも高分子量の有機硫黄化合物を含む生成物の製造方法であって、
    オレフィン類を含む炭化水素類の混合物と、硫黄含有有機化合物とを含み、約60℃〜約345℃の間で沸騰する物質から本質的になり、約5,000ppmまでの硫黄含量を有する供給原料を提供する工程と;
    該供給原料を、昇温された最初の接触ステージにおいて、オレフィン類によるアルキル化によって不純物の一部をより高分子量の硫黄含有物質に変換するに有効な条件下で、酸性触媒と接触させ、こうして最初の生成物ストリームを形成する工程と;
    続く次の接触ステージにおいて、該最初の接触ステージにおける昇温された温度の平均よりも少なくとも10℃低い温度にて、オレフィン類によるアルキル化によって不純物の一部をより高分子量の硫黄含有物質に変換するに有効な条件下で、該最初の生成物ストリームの少なくとも一部を酸性触媒と接触させ、こうして次の生成物ストリームを形成する工程と;
    を含む方法。
  2. 石油供給原料は、接触分解プロセスからのナフサから構成される、請求項1に記載の方法。
  3. 石油供給原料は、熱分解プロセスからのナフサから構成される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記供給原料は、分解プロセスにより製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を除去することによって調製される処理済みナフサから構成される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記供給原料のオレフィン含量は、モル比基準で、硫黄含有有機化合物のオレフィン含量と少なくとも等しい、請求項1に記載の方法。
  6. 前記最初の接触ステージに用いられる昇温された温度は、約100℃〜約235℃の範囲にある、請求項1に記載の方法。
  7. 前記最初の接触ステージの酸性触媒は、前記続く次の接触ステージの酸性触媒とは異なる、請求項1に記載の方法。
  8. 前記接触ステージの少なくとも1における酸性触媒は、固体リン酸触媒から構成され、前記供給原料は該触媒の性能を増強する能力を示す量での水素添加剤から構成される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記水素添加剤は、約2〜約5個の炭素原子を有するアルカノール類からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記続く次の接触ステージにおける温度は、前記最初の接触ステージにおける昇温された温度の平均よりも少なくとも15℃低い、請求項8に記載の方法。
  11. 周囲条件にて液体であり且つ供給原料よりも減少した硫黄含量を有する生成物の製造方法であって、
    オレフィン類を含む炭化水素類の混合物と硫黄含有有機化合物とを含み、約60℃〜約345℃の間で沸騰する物質から本質的になり、約5,000ppmまでの硫黄含量を有する供給原料を提供する工程と;
    昇温された温度での最初の接触ステージにおいて、オレフィン類によるアルキル化を通して不純物の一部をより高沸点の硫黄含有物質に変換するに効果的な条件下で、該供給原料を酸性触媒と接触させ、こうして最初の生成物ストリームを形成させる工程と;
    続く次の工程において、該最初の接触ステージにおける昇温された温度の平均よりも少なくとも10℃低い温度にて、オレフィン類によるアルキル化を通して不純物の一部をより高沸点の硫黄含有物質に変換するに効果的な条件下で、該最初の生成物ストリームの少なくとも一部を酸性触媒と接触させ、こうして次の生成物ストリームを形成させる工程と;
    該次の生成物ストリームを分留して、約50ppm未満の硫黄含量を有する貧硫黄画分からなる少なくとも1の低沸点画分と、残りの硫黄を含む富硫黄画分からなる高沸点画分と、を提供する工程と;
    を含む方法。
  12. 前記供給原料は、分解プロセスにより製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を除去することによって調製される処理済みナフサから構成される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記供給原料のオレフィン含量は、モル比基準で、前記硫黄含有有機化合物のオレフィン含量と少なくとも等しい、、請求項11に記載の方法。
  14. 前記最初の接触ステージにて用いられる昇温された温度は、約100℃〜約235℃の範囲にある、請求項11に記載の方法。
  15. 前記接触ステージの少なくとも1の酸性触媒は固体リン酸触媒であり、前記供給原料は該触媒の性能を増強させる能力を示す量での水素添加剤から構成される、請求項11に記載の方法。
  16. 前記最初の接触ステージにて用いられる昇温された温度は約110℃〜約220℃の範囲にあり、前記続く次の接触ステージにて用いられる温度は前記最初の接触ステージにおける昇温された温度の平均よりも少なくとも30℃低い、請求項11に記載の方法。
  17. 前記1の低沸点画分は蒸留終点を有し、前記高沸点画分は、蒸留終点及び初留点が約80℃〜約220℃の範囲にあるような初留点を有する、請求項8に記載の方法。
  18. 前記高沸点画分は、約249℃以下の蒸留終点を有する、請求項8に記載の方法。
  19. 周囲条件にて液体であり、供給原料よりも減少した硫黄含量を有する生成物の製造方法であって、
    オレフィン類を含む炭化水素類の混合物と硫黄含有有機化合物とを含み、約60℃〜約345℃の間で沸騰する物質から本質的になり、約5,000ppmまでの硫黄含量を有する供給原料を提供する工程と;
    昇温された温度における最初の接触ステージにおいて、オレフィン類によるアルキル化を通して不純物の一部をより高沸点の硫黄含有物質に変換するに有効な条件下で、該供給原料を酸性触媒と接触させ、こうして最初の生成物ストリームを形成させる工程と;
    続く次のステージにて、該最初の接触ステージにおける昇温された温度の平均よりも少なくとも10℃低い温度にて、オレフィン類によるアルキル化を通して不純物の一部をより高沸点の硫黄含有物質に変換するに有効な条件下で、該最初の生成物ストリームの少なくとも一部を酸性触媒と接触させ、こうして次の生成物ストリームを形成させる工程と;
    該次の生成物ストリームを分留して、約50ppm未満の硫黄含量を有する貧硫黄・富モノ芳香族画分からなる少なくとも1の低沸点画分と、残りの硫黄を含む富硫黄・貧モノ芳香族画分からなる高沸点画分と、を提供する工程と;
    1種以上の硫黄含有有機化合物への水素の組み込みを増強させる能力を示す水素添加触媒の存在下及び1種以上の硫黄含有有機化合物の水素添加に適切な条件下での水素添加条件にて、該高沸点画分を気体状二水素源で処理する工程と;
    約50ppm未満の硫黄含量を有する高沸点液体を回収する工程と;
    を含む方法。
  20. 前記水素添加触媒は、各々が総触媒の約0.1〜約20wt%の量で不活性担体に組み込まれているd−遷移元素からなる群より選択される少なくとも1種の活性金属を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記水素添加触媒は、コバルト、ニッケル、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される1種以上の金属を含む、請求項19に記載の方法。
  22. 前記回収された生成物は、約30ppm未満の硫黄を含む、請求項19に記載の方法。
  23. 前記供給原料は、分解プロセスにより製造されたナフサから塩基性窒素含有不純物を除去することによって調製される処理済みナフサから構成される、請求項19に記載の方法。
  24. 前記気体状二水素源による高沸点画分の処理は、各々が総触媒の約0.1wt%〜約20wt%の量で不活性担体に組み込まれているニッケルと、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される1種以上の金属とを含む少なくとも1の水素添加触媒床を用いる、請求項19に記載の方法。
  25. 周囲条件にて液体であり、約50ppm未満の硫黄含量を有する輸送燃料生成物の精油所ブレンドに適する組成物であって、
    オレフィン類を含む炭化水素類の混合物と、硫黄含有有機化合物とを含み、約60℃〜約345℃の間の範囲で沸騰する物質から本質的になり、約5,000ppmまでの硫黄含量を有する供給原料を提供する工程と;
    昇温された温度での最初の接触ステージにて、オレフィン類によるアルキル化を通して不純物の一部をより高沸点の硫黄含有物質に変換するに有効な条件下で、該供給原料を酸性触媒と接触させ、こうして最初の生成物ストリームを形成する工程と;
    最初の接触ステージにおける昇温された温度の平均よりも少なくとも10℃低い温度にて、続く次の接触ステージ内で、オレフィン類によるアルキル化を通して不純物の一部をより高沸点の硫黄含有物質に変換するに効果的な条件下で、該最初の生成物ストリームの少なくとも一部を酸性触媒と接触させ、こうして続く次の生成物ストリームを形成する工程と;
    該続く次の生成物ストリームを分留して、約50ppm未満の硫黄含量を有する貧硫黄画分からなる少なくとも1の低沸点画分と、残りの硫黄を含む富硫黄画分からなる高沸点画分と、を提供する工程と;
    を含むプロセスにより形成された組成物。
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