JP2004536394A - ネットワークアーキテクチャにおいて連続式メッセージ送信ユニットを用いるシステムおよびその方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、閲覧者にメッセージを選択的に配信する技術を提供する。特定の実施形態において、潜在的な閲覧者に関する情報に基づいてメッセージを閲覧者に配信するためのシステム（１００）、方法、装置およびコンピュータ・プログラム・プロダクトが提供される。特定の実施形態において、対象となるメッセージは、クライアントのメッセージ・リクエストに応答し、サーバ（１０６）によってクライアントマシン（１０４）で利用可能となる。ここで、サーバはクライアントのリクエストの一部としてのクライアント・マシンＩＤおよび／またはユーザＩＤを取得し、かつデータベース（２２４）を照会してユーザに対する保留メッセージ、またはユーザのプロファイルに一致する保留メッセージの有無を調べる。特定の実施形態において、複数のメッセージを提供することができ、これらのメッセージは互いに連結してキャンペーンを構成する。クライアント（１０４）は、ウェブブラウザ等のフォアグランド・アプリケーションで使用されていない利用可能な帯域を用いて、このキャンペーンを受け取ることができる。
【選択図】図１Ａ
【選択図】図１Ａ
Description
【技術分野】
【０００１】
本発明はコンピュータ技術に関し、より詳細にはコンピュータネットワーク環境における情報提示に関するがこれに限定するものではない。
【背景技術】
【０００２】
インターネットは、クライアントサーバモデルを用い、かつ相互接続されたコンピュータからなる広域ネットワークである。インターネットは、クライアント・コンピュータによってアクセス可能なサーバ・コンピュータを備える。通常、サーバは、複数のファイルまたはページを有する、インターネット上のサイトのホストとなる。サーバのネットワークアドレスは、通常ＵＲＬ（Uniform Resource Locator）によって指定される。インターネットによって、インターネット・サービス・プロバイダ（ＩＳＰ）経由で、ユーザはクライアントから複数のサーバにアクセルすることができる。ユーザはクライアントのブラウザ・アプリケーションを用いることにより、特定のサーバのＵＲＬアドレスに基づいて、そのサーバに接続または「リンク」することができる。
【０００３】
インターネット・コンピュータネットワークは、元々政府の研究所と教育機関との間における学術情報のやり取りを促進するコミュニケーション・リンクとして設計されたものである。しかし、近年、ＷＷＷ（World Wide Web）の使用の増加により、インターネットは爆発的に成長し、科学界を越え、家庭、会社、教室まで広がった。ＷＷＷは、アプリケーション・プロトコルとしてＨＴＴＰ（Hypertext Transfer Protocol）を通常用いた複数のインターネットサーバを参照し、ユーザにテキスト、グラフィック、サウンド、ビデオ等と通信するためのファイルへのアクセスを提供する。次いで、ＨＴＴＰは、ＨＴＭＬ（Hyper Markup Language）と呼ばれるページ記述言語を用いて、ユーザへ表示されるウェブページの形式を特定する。ＨＴＭＬページは、他のサーバやページへのハイパーテキスト・リンクを含むことができ、この場合、対象となるサーバのＵＲＬがリンク内に記憶され、または埋め込まれる。
【０００４】
ウェブページ内のリンクを様々な形式でユーザに表示してよい。例えば、下線を引いたテキスト、太字のテキスト、周辺のテキストとは異なる色のテキスト、またはリンクであることを容易に識別可能とするためにユーザの注意を引くようになされたその他の形式のテキストで表示してよい。ユーザがリンクを選択する（例えばコンピュータマウスなどの入力デバイスでリンクを「クリック」する）と、ブラウザによってＴＣＰ／ＩＰ（Transmission Control Protocol/Internet Protocol）が、リンク内で指定されたＵＲＬによって識別されたサーバへリクエストをして、識別されたサーバからウェブページが得られる。ユーザのコンピュータモニタまたはディスプレイ上に表示されたグラフィック画像内にリンクを埋め込んでもよい。その画像の幾何領域がユーザにより選択されると、ブラウザは再び指定されたＵＲＬにより識別されたサーバにＴＣＰ／ＩＰリクエストする。このようにしてユーザは様々なサーバ間をナビゲート（すなわちサーフィン）して、ＨＴＭＬページまたは興味のあるドキュメントを発見し、検索できる。
【０００５】
インターネットが益々普及するにつれて、販売業者は自社の製品やサービスに対する新しい広告媒体として、インターネットに目を向けるようになった。自社のウェブサイトのスポンサーである販売業者は、自社のサイトのページ内に広告資料を通常載せている。しかし、独立型ウェブサイトの作成、維持には相当量の資源が必要であり、多くの販売業者にとって重荷となる可能性がある。また、独立型ウェブサイトのセットアップに要する時間、費用では、特定の季節的または限定的期間に、あるいは１度の使用に上記の方法を用いることは適さない。更に、広告媒体の対象者は、販売業者に誘われそのサイトを訪問した人物に限られてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記の問題を解決するために用いられる技術は、広告のスポンサーになることに同意したスポンサーまたはコンテンツ・プロバイダのウェブサイト上に広告を作成することである。この作成に適した広告は簡素であり、グラフィックバナーの形態をとる。このバナーは、宣伝する製品またはサービスに関する画像を含み、その画像は通常グラフィックファイル（例えば「.gif」ファイル）で記録され、スポンサーのページのＨＴＭＬ記述に従って表示される。販売業者は、しばしば特定のウェブサイトのスポンサーに、スポンサーサイト上のバナーの配置権利に対する広告料を支払う必要が生じる。また、バナーを多くのサイトに広域配信または表示してもよい。しかし、通常の広告バナーは、一方向通信を用い、インターネット双方向機能を利用して購入注文または指示をするかもしれない客またはユーザからデータを求めることはしない。
【０００７】
人口統計に基づいて対象を定めた広告を提供するために、この広告の広告主または配信者は、エンドユーザに関する人口統計データの取得を求めてよい。インターネット経由でユーザに関する人口統計データを取得するための通常の方法は、インターネットを利用するユーザにＨＴＭＬで書かれたフォームを提供して、情報をリクエストすることである。人口統計情報をこのように取得することは、しばしば困難を伴う。なぜなら、誰がこの情報を見るか分からない、またはこの情報が何に用いられるかが分からない場合は、ユーザは情報をフォームに記入したがらないからである。
必要とするものは、メッセージを閲覧者に選択的に配信するための改良技術である。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、閲覧者にメッセージを選択的に配信する技術を提供する。特定の実施形態において、潜在的な閲覧者に関する情報に基づいてメッセージを閲覧者に配信するためのシステム、方法、装置およびコンピュータ・プログラム・プロダクトが提供される。特定の実施形態において、対象となるメッセージは、クライアントのメッセージ・リクエストに応答し、サーバによってクライアント・マシンで利用可能となる。ここで、サーバはクライアントのリクエストの一部としてのクライアント・マシンＩＤおよび／またはユーザＩＤを取得し、かつデータベースを照会してユーザに対する保留メッセージ、またはユーザのプロファイルに一致する保留メッセージの有無を調べる。特定の実施形態において、互いに連結してキャンペーンを構成する複数のメッセージを提供することができる。クライアントは、ウェブブラウザ等のフォアグランド・アプリケーションで使用されていない利用可能な帯域を用いて、このキャンペーンを受け取ることができる。
【０００９】
代表的な実施形態において、本発明は情報をユーザに表示する方法を提供する。この発明は多様な段階を有する。例えば、クライアント上に第１のアプリケーションによって表示されるメッセージを示すイベントの発生を検出する段階は、この方法の一部となり得る。更に、コンテンツ・サーバでリポジトリから第１のメッセージに対するコンテンツを取り出す段階は、この方法に含まれる。また、クライアントで収集、分析される行動情報に基づいて、表示する１つまたは複数のメッセージの選択を開始する段階もこの方法に含まれる。最後に、選択したメッセージを表示する機会に窺って、クライアントでのアクティビティをモニタする段階をこの方法に従って実施することができる。
【発明の効果】
【００１０】
従来の技術よりも優れた本発明によって多数の利点が得られる。本発明による特定の実施形態において、特定のアプリケーションにより、必要とする狭さまたは広さの範囲で対象者を識別する機能が提供される。それによる利点としては、広告（特に大容量のリッチメディア広告）を供給するコストが、集中型アーキテクチャを用いた第１の世代の広告ネットワークで供給する場合と比べて劇的に下がることである。
【００１１】
これらの、並びに他の利益は本明細書内に記載されている。本明細書の本発明の性質および利点は、本明細書の残りの部分および添付図面を参照することによってさらに理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
本発明は、閲覧者にメッセージを選択的に配信する技術を提供する。特定の実施形態において、潜在的な閲覧者に関する情報に基づいてメッセージを閲覧者に配信するためのシステム、方法、装置およびコンピュータ・プログラム・プロダクトが提供される。特定の実施形態において、対象となるメッセージは、クライアントのメッセージ・リクエストに応答し、サーバによってクライアント・マシンで利用可能となる。ここで、サーバはクライアントのリクエストの一部としてのクライアント・マシンＩＤおよび／またはユーザＩＤを取得し、かつデータベースを照会してユーザに対する保留メッセージ、またはユーザのプロファイルに一致する保留メッセージの有無を調べる。特定の実施形態において、互いに連結してキャンペーンを構成する複数のメッセージを提供することができる。クライアントは、ウェブブラウザ等のフォアグランド・アプリケーションで使用されていない利用可能な帯域を用いて、このキャンペーンを受け取ることができる。
【００１３】
第１世代の広告ネットワークは集中型アーキテクチャを有するため、広告が表示される度に、コンテンツ（例えば広告）は通常中央サーバからユーザのブラウザに配信される。そのため、同一の広告がサーバから何度も（百万回あるいは１０億回でも）配信される。本発明のネットワーク・メッセージ・システムにより、このような従来技術のシステムよりも優れた効率性が可能となる。また、本発明のネットワーク・メッセージ・システムのアーキテクチャにより、サーバオンリー広告サーバを備えたものよりも、優れた従順性が可能となる。
【００１４】
図１Ａは、本発明の実施形態によるＣＭＵネットワーク・システム用コンピュータネットワーク・フレームワーク１００の概略図である。例えばクライアント・サーバ、広域ネットワーク（例えばインターネット）などのネットワーク１０２は、１つまたは複数のＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４、１つまたは複数のコンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６、１つまたは複数のＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８を連結している。
【００１５】
ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４には、エンドユーザにネットワークへのアクセスを提供する任意の型式のコンピュータを使用してよい。１実施形態において、ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４には、例えばマイクロソフト・ウィンドウズ（商標）、アップル・マッキントッシュ（商標）、リナックス、またはユニックス・オペレーティング・システムなどのオペレーティング・システムで動作するパーソナル・コンピュータを使用してよい。特定の実施形態において、ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４はウェブエンジン１１０を備えてもよく、このウェブエンジン１１０は、マイクロソフト・インターネット・エクスプローラ（商標）またはネットスケープ・ナビゲータ（商標）などのウェブブラウザを含むことができる。ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４を利用するエンドユーザは、ネットワーク１０２に接続された様々なウェブサイト（例えばコンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６）に格納された情報やウェブページにアクセスするためのウェブエンジン１１０を使用する。ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４は、ネットワーク経由で受け取る様々なＣＭＵを受け取り、処理し、表示するためのＣＭＵクライアント・システム１１２を備えてもよい。
【００１６】
コンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６はウェブ・コンテンツ１１４とウェブサーバ１１６を含んでよい。当業者には明らかなように、本発明の特定の実施形態において、このようなコンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６および他のサーバ・コンピュータを、適切に構成された任意のコンピュータ（例えばサン・マイクロシステムズ（商標）、ヒューレット・パッカードカンパニー（商標）またはインターナショナル・ビジネスマシーンズ（商標）から市販されているサーバ・コンピュータを含む）を用いて実装してよい。ウェブ・コンテンツ１１４は、ネットワークを介してアクセス可能な任意の情報（ウェブページなどを含む）を含んでよい。１実施形態において、ウェブ・コンテンツ１１４は、インターネットを介しての閲覧に一般的に使用可能な種類のものであってよい。例えば、本発明のウェブページは、ニュース、地図、クーポン、サービスの提供、ディレクトリ、商品の販売、およびエンドユーザをコンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６に引き付ける他の種類の情報を含んだＨＴＭＬ（HyperText Markup Language）ファイルを含んでよい。ウェブサーバ１１６はプログラム・コードを含んでよく、このプログラム・コードにより、コンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６はネットワーク１０２と通信することができる。
【００１７】
ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８には、ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４によって提示／表示される情報を供給可能なウェブサーバ１２０を含む任意の型式のコンピュータを使用してよい。この情報は例えば広告情報などの任意の種類の情報を含んでよい。また、ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８は、ネットワーク１０２と通信するＣＭＵサーバ・システム１１８を備えてもよい。
【００１８】
図１Ｂにおいて、本発明の実施形態によるネットワーク・メッセージ・システムの実例の概略図が示されている。このネットワーク・メッセージ・システムを、ユーザの現在のコンテキストおよび過去の行動に基づいて、メッセージを取り出し、これをユーザに表示するために利用してよい。本説明において、それぞれの構成要素における様々な副構成要素も、フレームワークの構成要素と見なしてよいことは理解されよう。例えば、システムの任意の構成要素上で実行される特定のソフトウェア・モジュールをそのシステムの構成要素と見なしてよい。ネットワーク１０２（例えばインターネット）に接続されたＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４に、ＣＭＵクライアント・システム１１２はインストールされ、動作する。ＣＭＵクライアント・システム１１２は、リトリーバ２０８、ディスプレーヤ２１０、フォームおよびログインヘルパ２１２を含んだ複数の構成要素を備えてよい。
【００１９】
ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４にインストールされ、動作するウェブエンジン１１０（例えば、マイクロソフト・インターネット・エクスプローラなどのインターネット・ブラウザ）を利用して、ユーザが１つのサイトまたはドメイン（例えばwww.yahoo.com）から他（例えばwww.amazon.com）へと、ネットワーク１０２に接続された複数のサイトにアクセスする（一般に「ネットサーフィン」として知られている）場合、リトリーバ２０８が、ネットワーク１０２経由でＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８へリクエスト２１６を送る。このリクエスト２１６は、少なくとも２つの情報、すなわちユーザ固有のカスタマＩＤ（つまりユーザＩＤ）２２０とユーザが入力した現在のドメイン（つまりマシンＩＤ）２２２とを含んでよい。
【００２０】
ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８は、リトリーバ２０８からリクエスト２１６を受け取り、指定されたドメイン２２２に対して何らかの保留メッセージがあるか否かを判断するためにチェックをする。指定されたドメインに関するメッセージがあると判断した場合、ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８は履歴ベースの対象設定データベース２２４を照会し、特定のユーザ２２０のドメイン２２２に対して何らかの特定の保留メッセージがあるか否かを判断する。メッセージがある場合、特定のメッセージ２２６は、ユーザのＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４上のリトリーバ２０８へ戻される。
【００２１】
１実施形態において、メッセージ２２６は、２つの構成要素、すなわち１ブロックのインコンテキスト・ルール２２８と、該メッセージのユーザに提示される部分を構成するコンテンツ２３０とを含んでよいことに留意されたい。インコンテキスト・ルール２２８に、メッセージ・コンテンツ２３０がユーザに表示される状態が記述されてよい。あるインコンテキスト・ルールにおける例示において、以下が含まれる。（１）取り出されたメッセージがユーザに提示されるドメイン、（２）取り出されたメッセージがユーザに提示される特定のウェブページ、（３）現在のＵＲＬ内で発見された場合にメッセージを提示させるＵＲＬサブストリング、（４）時刻および日付情報
【００２２】
また、ルール２２８は、ほぼ任意の種類の関連情報、例えばマイレージプログラム加入、クラブメンバーシップ、使用しているクレジットカードの種類、趣味および関心事、基本的な人口統計情報（性別、年齢、収入など）のようなユーザに関する特定の既知の属性を含んで／参照してよい。コンテンツ２３０は、テキスト、画像、図、色などを含んだ標準ＨＴＭＬと、メッセージの表示時に自動的に再生されるサウンドファイルと、他の形式のマルチメディアファイル／コンテンツとを含んでもよい。
【００２３】
リトリーバ２０８はＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８からメッセージ２２６を受け取ると、そのメッセージを次回の提示用にローカルキャッシュ２３２に格納してよい。ユーザがページからページへのサーフィンを続けると、コンテキスト・ウォッチャー２３４がユーザのコンテキスト（例えばＵＲＬ、日付／時刻など）を調べ、ローカルキャッシュ２３２内に記録され、かつインコンテキスト・ルールと一致するメッセージを探してよい。一致したメッセージが見つかると、ディスプレーヤ２１０またはフォームおよびログインヘルパ２１２が、一致したメッセージを表示する。
【００２４】
１実施形態において、メッセージ・キャッシュ２３２は、メッセージ・システム・サーバ１０８から受け取ったメッセージをバッファしてよい。これにより、クライアント・コンピュータ１０４は任意の所定の時間に複数のメッセージを保持することができる。例えば、メッセージ・キャッシュ２３２は、ユーザが訪れている現在のウェブサイトまたはウェブページに関するメッセージと、それと類似のウェブサイトまたはウェブページに関する追加メッセージとを含んでよい。例えば、エンドユーザがオンライン書店のカタログを閲覧している時に、メッセージ・キャッシュ２３２は本に関するメッセージと、オンライン書店のカタログから購入可能な映画に関する追加メッセージとを含んでよい。このように、ユーザが映画に関するウェブページにナビゲートするとすぐに、映画に関するメッセージを適切な提示形式のモジュールにルーティングすることができる。
【００２５】
１実施形態において、ディスプレーヤ２１０は、メッセージ・コンテンツ２３０が提示／表示され、かつユーザに連結された画像ディスプレイ（すなわちユーザの表示面）上に独立したウィンドウを開いてよい。別のオプションとして、メッセージ・コンテンツ２３０を、フォームおよびログインヘルパ２１２に付加した小さなウィンドウ内に提示してよい。使用する特定の伝達手段を、メッセージ２２６に埋め込まれた属性２３６として識別し、メッセージ作成中に選択してよい。
【００２６】
オプションとして、メッセージ２２６は、適切な時刻／日付以降にメッセージを確実に提示させないように用い得る１つまたは複数の満了日２３８を含んでよい。この満了日２３８をキャッシュ２３２でモニタして、クライアント・マシンから期限切れのメッセージを削除するように用いてもよい。別のオプションとして、メッセージはユーザに提示されるメッセージの中で、そのメッセージの優先度を判断する際に使用し得る優先情報２４０を、含んでもよい。
【００２７】
別の実施形態において、適切なコンテキスト・ルール２２８を満足する任意のユーザに提示されるメッセージ２２６を、ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８上で使用可能にしてよい。次いで、対象設定データベース２２４内の履歴ベースのプロファイルの一致を必要とせずに、これらのメッセージを、リトリーバ２０８によってＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４に送達してよい。１実施形態において、クライアント・コンピュータ１０４および／またはサーバ１０８は、ルールが満足しているか否かを判断する際に使用するためのユーザの好み、プロファイル、ユーザに関する履歴情報のデータストア２４２を含んでよい。
【００２８】
本発明の実施形態において、ネットワーク・メッセージ・システムを利用して、様々なメッセージ／コンテンツ、例えばインターネット・バナー広告技術等を送達してよい。本明細書の以下の部分で、本発明の実施形態によるネットワーク・メッセージ・システムにおいて使用し得る様々な構成要素を説明する。
【００２９】
前述のように、ネットワーク・メッセージ・システム用のメッセージは、２つの部分、すなわち（１）ルールファイル２２８、（２）提示用コンテンツ／メディアを含んでよい。ルールファイル２２８は、いつそして何処に関連するコンテンツ／メディアを表示するかを判断するためにクライアントによって利用される情報を含んでよい。ある例示のルールファイル属性は、メッセージの種類と、特定のメッセージ用のメディアおよびサイズの一覧表と、タイミング情報（開始日、終了日、頻度情報など）と、キャンペーンを何処で始めるべきかを示すトリガと、コンテンツを何処に表示させるかを示すトリガとを含む。
【００３０】
提示用コンテンツ／メディア２３０は、ＨＴＭＬ（Hypertext Markup Language）、画像、および／または他の形式のマルチメディアファイルを含んでよい。１実施形態において、コンテンツは、現在バナーに用いられている表示サイズを示す１つまたは複数の業界標準画像ファイルを含んでもよい。しかしながら、コンテンツを標準画像ファイルに限定する必要はなく、様々な形式のリッチメディア（フラッシュ、ビデオ、オーディオ等）を含んでよいことは理解されよう。
【００３１】
メッセージ・キャンペーンまたは一連のメッセージを、指定されたトリガの１つのトリッピングに基づいてクライアント上に起動してよい。すなわち、（モデル化および／または履歴による対象設定を利用しない場合）指定されたトリガの１つがヒットするまでメッセージを提示しなくてもよい。１実施形態において、１セットのトリガを１セットのＵＲＬ（Uniform Resource Locator）として定義してよい。１セットのＵＲＬをサーチストリングと組み合わせてもよい。特に、ＵＲＬマスクをサーチエンジンの照会と連動させるために用いてもよい。例えば、Ｙａｈｏｏサーチエンジンと共に用いられる標準サーチＵＲＬテンプレートがある。ユーザは、興味のある事柄のキーワード（「レーザ」、「ソニー」、「ＤＶＤ」など）をこのテンプレートに入力して、トリガを定義してよい。
【００３２】
トリガルールの１つにマッピングしたページにユーザがナビゲートした場合、トリガがトリップする。オプションとして、本発明の実施形態において、履歴による対象設定、かつ／またはモデル化を行って、ユーザへメッセージおよびコンテンツを提示する場合は、トリガをトリップさせる必要はない。一般に、トリガは、条件の満足時にクライアント・システム１１２に動作（例えばユーザにメッセージを示す）を行わせることを指示する条件である。トリガの１つの形態をＵＲＬとしてよい。興味のあるＵＲＬを確認すると、指定した動作が行われる。トリガがトリップすると、ルールファイルで指定された第１のメッセージ用のコンテンツがメッセージ・サーバから取り出され、メッセージ・キャンペーンが起動する。この起動トリガリストを見るための１つの方法は、トリガリストを「リアルタイム対象設定」を行うための機構として閲覧することである。すなわち、ユーザは、特定の行動に基づいて、メッセージ・サーバに送られた対応する行動情報の処理を必要とせずに、メッセージ・キャンペーンに対して選択され、対象となり得る。これにより、ユーザの行動の確認に対しての高速な応答が可能となる。この手法は、詳細な行動情報（ナビゲーション情報を含む）をネットワーク経由でメッセージ・サーバへ送信する必要がないため、プライバシー対策を強固とする上で有益となり得る。提示するメディアが取り出されると、クライアントはいつメッセージを提示するかを決定してよい。
【００３３】
１実施形態において、以下のすべての基準が満たされる場合に、クライアントはメッセージを提示してよい。（１）（上述のように）メッセージ・キャンペーンが起動した場合、（２）メッセージ・クライアント・システムと一致するサイズの画像に対するＨＴＭＬ画像（オリジナル画像と呼称してもよい）のリクエストをクライアントが検出した場合、（３）オリジナル画像がリクエストされているサーバのドメイン名称が、メッセージ・サーバ・システムの除外リストに含まれていない場合、（４）指定されたグローバルドメイン包含リストに、またはメッセージのプライベートドメイン包含リストに現在のウェブページのドメインが含まれている場合、および／または（５）現在のウェブページのドメインがメッセージのプライベートドメイン除外リストにない場合。
【００３４】
図２において、本発明の特定の実施形態におけるコンピュータ・システムの代表例のブロック図が示されている。図２に示すように、本発明の様々な特定の実施形態において、コンピューティング・システム２００は図２に示された１つまたは複数の構成要素を具体化することができる。他の特定用途向け代替品を利用する場合もあるが、簡略化するためにコンピュータ・システム２００を構成する構成要素は、他に記載がない限りハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせにおいて整合性のある１つまたは複数の処理システムにより実装されるものとする。
【００３５】
コンピュータ・システム２００は、通信チャネル（例えばバス２９０）を介して連結された複数の構成要素（ペンティアム（登録商標）またはｐｏｗｅｒＰＣ（登録商標）、デジタル・サウンド・プロセッサ（「ＤＳＰ」）などの１つまたは複数の汎用または特殊用途向けプロセッサ２７０などを含む）を備える。システム２００の構成要素は、特定の用途に応じて、１つまたは複数の入力デバイス２７２（例えばマウス、キーボード、マイク、ペンなど）と、１つまたは複数の出力デバイス２７４（例えば適当なディスプレイ、スピーカ、アクチュエータなど）とを含んでもよい。
【００３６】
システム２００は、ストレージ／メモリ・デバイス、ハードまたは取り外し可能ストレージ／メモリ・メディアなどのコンピュータ可読ストレージ媒体２７８に接続されたコンピュータ可読ストレージ媒体リーダ２７６も含む。更にこれらのデバイスまたはメディアは別途ストレージ・デバイス２８２およびメモリ２８４として示されており、これらは、特定の用途に応じてハードディスク・バリアント、フロッピー／コンパクトディスク・バリアント、デジタル多用途ディスク（ＤＶＤ）バリアント、スマートカード、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリなどを含むことができる。直接、あるいは専用線または公衆回線を経由してデバイス間の通信をするために、１つまたは複数の適当な通信インターフェース２８０、例えばモデム、ＤＳＬ、赤外線または他の適当な送受信器などを備えることができる。ここで専用線または公衆回線は上述のものを含むがこれに限定されない。
【００３７】
ワーキング・メモリ２８４は、使用時にシステム２００の構成要素に格納、またはロードされ、かつ構成要素を実行するオペレーティング・システム（「ＯＳ」）要素２９２と、他のプログラム２９４（アプリケーション・プログラム、モバイルコード、データなど）とを更に含む。特定のＯＳを、特定のデバイス、特徴、または特定のアプリケーション（例えばウィンドウズ、マック、リナックス、ユニックスまたはパームＯＳバリアント、専有ＯＳなど）による他の態様に応じて変更することができる。当業者には既知の様々なプログラム言語またはツールも利用することができる。後述のように、実施形態には、ブラウザまたは電子メールクライアント（ネットスケープ社、マイクロソフト社等の製品）などのネットワーク・クライアント、ＪＶＭ（Java Virtual Machine）などのモバイルコード・エグゼキュータ、マイクロソフト・ウインドウズ互換ＡＰＩなどのアプリケーション・プログラム・インターフェース（ＡＰＩ）などが含まれ得る（実施形態を常駐型アプリケーションと共に、またはモバイルコードおよび常駐型アプリケーション構成要素との組み合わせと共に実施してもよい）。
【００３８】
システム２００の１つまたは複数の構成要素を、ハードウェア、ソフトウェアまたは適切な組み合わせによって実装することができる。ソフトウェア（例えば、全体または部分的にアプリケーション・プログラム、オブジェクト、ダウンロード可能なサーブレットなど）で実装する場合、システム２００の構成要素はローカルまたはリモートストレージからメモリ（またはキャッシュメモリ等）まで過渡的またはより永続的に通信し、実行することができる。あるいは、別の適切な機構を利用して、構成要素をコンパイルされた形態または翻訳形態で実施することができる。更に入力、中間または結果データ、あるいは機能要素を、特定のアプリケーションによるストレージ・メディア、キャッシュ、あるいはより永続的な揮発性または非揮発性メモリ（例えばストレージ・デバイス２８２またはメモリ２８４）内に、より過渡的にまたはより永続的に常駐させることができる。
【００３９】
図３は、本発明の実施形態によるＣＭＵサーバ・システム１１８の例示における様々な機能態様の概略図である。図３で示されるＣＭＵサーバ・システム１１８の機能ブロックを、ハードウェア、ソフトウェアあるいはそれらの適切な組み合わせで実装することができる。特定の実施形態において、ＣＭＵサーバ・システム１１８は、ＣＭＵコンテンツ３０２と、ＣＭＵ開始トリガ３０４と、ＣＭＵ表示ルール３０６と、ハッシュ・テーブル３０８と、ＣＭＵキャンペーン・リスト３１０と、ＣＭＵコントローラ３１２と、共有ＵＲＬ履歴ストア３１４と、通信エンジン３１６とを備える。また、ある実施形態においてＣＭＵサーバ・システム１１８に別の機能態様が含まれてもよい。更にすべての特定の実施形態に、図３に示す構成要素が含まれる必要はない。
【００４０】
特定の実施形態において、ＣＭＵコンテンツ３０２はメッセージ２２６を作成するための使用され得る多様なコンテキストを含む。コンテンツ３０２は、広告情報、クーポン、実施要請、画像、マルチメディア・オブジェクト等を含むことができる。ＣＭＵ開始トリガ３０４は多様なトリガイベントを含み、このトリガイベントは、メッセージ２２６の表示に適したコンテキストの検出を開始するために検出され得る。特定の実施形態において、トリガは例えばウェブページのＵＲＬであってよい。ＣＭＵ表示ルール３０６は、検出され得る多様なコンテキストに関する情報を提供し、これらが検出されるとメッセージ２２６の表示が開始される。
【００４１】
本明細書において上述のように、メッセージ２２６は、２つの構成要素、すなわち１ブロックのインコンテキスト・ルール２２８と、そのメッセージのユーザに提示された部分を構成するコンテンツ２３０とを含む。従って、メッセージ２２６を、ＣＭＵコンテンツ３０２およびＣＭＵ表示ルール３０６を用いてＣＭＵサーバ・システム１１８によって作成してよい。インコンテキスト・ルール２２８にはメッセージ・コンテンツ２３０がユーザに表示される状態が記述されるが、このインコンテキスト・ルール２２８はＣＭＵ表示ルール３０６から取り出すことができる。あるＣＭＵ表示ルールにおける例示は以下が含まれる。（１）取り出されたメッセージがユーザに提示されるドメイン、（２）取り出されたメッセージがユーザに提示される特定のウェブページ、（３）現在のＵＲＬ内で発見された場合にメッセージを提示させるＵＲＬサブストリング（４）時刻および日付情報。また、ＣＭＵ表示ルール３０６は、ほぼ任意の種類の関連情報（例えば、マイレージプログラム加入、クラブメンバーシップ、使用しているクレジットカードの種類、趣味および関心事、基本的な人口統計情報（性別、年齢、収入など）のようなユーザに関する特定の既知の属性）を含んで／参照してよい。コンテンツ３０２は、テキスト、画像、図、色などを含んだ標準ＨＴＭＬと、メッセージの表示時に自動的に再生されるサウンドファイルと、他の形式のマルチメディアファイル／コンテンツとを含んでよい。
【００４２】
以下に図５を参照して詳細に説明するように、ハッシュ・テーブル３０８によってサーバの無効なリクエストの数を最小限に抑えることができる。
【００４３】
ＣＭＵキャンペーン・リスト３１０は、キャンペーンまたは一連のメッセージを格納するためのリポジトリを提供する。キャンペーンに関連する指定されたトリガの１つのトリッピングに基づいて、クライアント上にメッセージ・キャンペーンを起動させてよい。システム管理者または他の権限のあるユーザは、メッセージ・キャンペーンをＣＭＵキャンペーン・リスト３１０内に格納するためにシステムへ定義付けすることができる。本発明の特定の実施形態に従って、キャンペーンを対象のユーザのクライアント・マシンへ送ることができる。
【００４４】
ＣＭＵサーバ１１８は共有ＵＲＬ履歴ストア３１４も備える。ある実施形態において、あるユーザを、その履歴プロファイルに基づいてＣＭＵを受け取る対象にしてよい。履歴ベースの対象設定において、行動および／または属性を基にユーザを選択してよい。例えば、訪れたドメイン、閲覧したページの数、サイトで費やした時間などを含んだナビゲーション行動を基に、ユーザを選択してよい。上述の行動に、「ブラインドトリガ」を用いて、以前にタグ付けした任意のページの閲覧も含めることができる。ブラインドトリガは、ユーザがアクティビティを見ずにトラッキングしたページにトリガを設定することで作成される（それゆえブラインドを言う）。例えば、ＦＯＯ．ｃｏｍで何かを購入した人数を知りたいとする。それゆえブラインドトリガを設定して、受領ページへのナビゲーションを確認する。ユーザが訪れた回数を、ブラインドトリガが設定された期間に渡って総計することができる。特定の実施形態において、ユーザは如何なるフィードバックが起きていることも気づかないであろう。別の履歴対象設定要因は、ＺＩＰコードと、以前に閲覧したクーポン／メッセージに関するクリックスルー頻度、相互ブランドの加入ＩＤコードまたはタイプ、ユーザが活動状態であった週の数などを含む。
【００４５】
ＣＭＵサーバ１１８は、ネットワーク１０２を介して１つまたは複数のＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４と通信する通信エンジン３１６を更に含む。ＣＭＵコントローラ３１２は、ＣＭＵサーバ・システム１１８内の各構成要素の処理のアクティビティを調整する。
【００４６】
図４は、本発明の実施形態による表示ルールの代表例の概略図である。ＣＭＵ表示ルール３０６を用いて、ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４でのメッセージ（広告を含む）の提示、タイミング、構成を制御することができる。ＣＭＵ表示ルール３０６はグローバル包含リスト４０２を含む。グローバル包含リスト４０２はすべてのキャンペーンを表示してよいサイトを提供する。ローカル包含リスト４０４は特定のキャンペーンのみを表示してよいサイトを提供する。グローバル除外リスト４０６はキャンペーンを表示してはいけないサイトを提供する。広告除外リスト４１０は、表示しない広告の広告主を識別する。ローカル除外リスト４０８は、特定のキャンペーンを表示してはいけないサイトを示す。最後に、複数のキャンペーンがトリガされ、それらの表示の優先度を決定する場合に優先ルール４１２を使用してよい。
【００４７】
クライアントが以下の基準のすべてを満足した場合にキャンペーンが表示される。（１）キャンペーンが上述のように起動した場合、（２）クライアントが、キャンペーンと互換性のある画像（例えばサイズが同じ等）に対するＨＴＭＬ画像（オリジナル画像）のリクエストを確認した場合、（３）オリジナル画像がリクエストされているサーバのドメイン名が広告サーバ除外リスト４１０にない場合、（４）現在のウェブページのドメインが特定のグローバルドメイン包含リスト４０２またはＣＭＵプライベートドメイン包含リスト４０４にある場合、（５）現在のウェブページのドメインがＣＭＵのプライベートドメイン除外リスト４０８にない場合。ある実施形態において、メッセージの表示を制御する別の態様をＣＭＵ表示ルール３０６に含んでよい。更に、すべての特定の実施形態において、図４に示された機能的な態様が含まれなくてもよい。
【００４８】
図５は、本発明の実施形態によるハッシュ・テーブル３０８の例示の概略図である。クライアント上で動作するインターネット・ブラウザを利用してユーザがインターネットドメインを入力すると、クライアントはメッセージのリクエストを開始する。１実施形態において、クライアント・ハッシュ・テーブル３０８を使用することより、サーバの無効なリクエストの数を最小限に抑えてよい。このような実施形態において、ハッシュ・テーブルは、クライアントが所定のドメイン５０４でメッセージが使用可能か否かを判断するのに必要な情報を提供してよい。すなわち、まずクライアントは、ネットワーク経由でサーバにリクエストを送信する前に、ハッシュ・テーブル内のドメインを調査してよい。１実施形態において、サーバのリクエストは、ハッシュ・テーブル内に入力されているドメインに対して行われてよい。また、各クライアントは、ハッシュ・テーブルの更新バージョンに対して定期的にチェックしてよい（すなわち、サーバのリクエストを送信してよい）。
【００４９】
クライアントが現在のドメインに対して使用可能なメッセージがあることを確認すると、クライアントはサーバへ使用可能なメッセージ・ユニットに対してリクエストをしてよい。このリクエストに含まれる情報は以下を含んでよい。（１）クライアント・マシンを識別するマシンＩＤと、（２）ユーザを識別するユーザＩＤと、（３）ローカルの時刻と、（４）メッセージがリクエストされているドメインと、（５）このドメインに対して以前に取り出された、ローカルにキャッシュされたメッセージのリスト（このリストには、メッセージＩＤとバージョン番号が入力されてよい）。
【００５０】
サーバのリクエストに応じて、クライアントはルールファイルのリストを受け取って、ＣＭＵサーバ・システム１１８のルールファイル３０６から取り出す。次いでクライアントはリスト内のファイルをそれぞれ取り出してよい。
【００５１】
ルールファイルがサーバ１１８から取り出されると、クライアントはリクエストをして、コンテンツ・リスト内の最初の画像に対するコンテンツを取り出す。オプションとして、例えばある形式のリッチメディアなどの大容量のコンテンツ・ファイルを取り出す場合には、そのコンテンツを比較的送信中の回線容量を占有しないトリックキング処理を施してクライアントに送信してよい。
【００５２】
ユーザがインターネット・ブラウザを利用して、各ウェブページをナビゲートすると、クライアントは現在のＵＲＬを受け取り、ローカルにキャッシュされたルールファイルのリスト内で一致するトリガを探してよい。クライアントは一致するトリガが見つけると、以前に取得したコンテンツを提示してよい。１実施形態において、２つ以上のトリガの一致が見つかった場合、最も優先度の高いメッセージを選択してよい。クライアントはメッセージ・コンテンツを提示した後に、現在のメッセージのルールファイルに関連した他のコンテンツ／画像があるか否かをチェックしてよい。関連したコンテンツ／画像がある場合、リスト内の次の画像を取り出して、ローカルにキャッシュしてよい。次のトリガが適切だと認識した場合、このコンテンツ／画像を提示してよい。
【００５３】
図６は、本発明の実施形態によるキャンペーン・リストの実例の概略図である。図６に示すように、ＣＭＵキャンペーン・リスト３１０に複数のメッセージを格納することができる。キャンペーンに関連して指定されたトリガの１つのトリッピングに基づいて、メッセージ・キャンペーン２２６をクライアント上に起動してよい。システム管理者または他の権限のあるユーザは、ＣＭＵキャンペーン・リスト３１０内に格納するためにシステムへメッセージ・キャンペーンを定義付けすることができる。本発明の特定の実施形態に従って、キャンペーンを対象となるユーザのクライアント・マシンに送ってもよい。
【００５４】
図７は、本発明の実施形態よるＣＭＵメッセージを表す概略図である。前述したように、ネットワーク・メッセージ・システム用のメッセージは、（１）ルールファイル、（２）提示用コンテンツ／メディアを含んでよい。図７に示す１つの特定の実施形態において、メッセージ２２６は、そのメッセージのユーザに提示する部分を構成するコンテンツ２３０と、メッセージ・コンテンツ２３０がユーザに提示された状況を記述してよいＣＭＵ表示ルール２２８とを含む。特定の実施形態において、メッセージ２２６は任意の満了情報２３８と、任意の優先情報２４０とを含んでもよい。
【００５５】
コンテンツ２３０は、ＨＴＭＬ（Hypertext Markup Language）、テキスト、画像、図、色、メッセージ表示の際に自動的に再生されるサウンドファイル、他の形式のマルチメディアファイル／コンテンツを含んでよい。１実施形態において、コンテンツはバナーに現在使用されている表示サイズを示す１つまたは複数の業界標準画像ファイルも含んでよい。しかし、コンテンツ２３０は標準画像ファイルに限定される必要はなく、フラッシュ、ビデオ、オーディオなどの様々な形式のリッチメディアであってよいことは理解されよう。
【００５６】
ルール２２８のある例示は以下を含む。（１）取り出されたメッセージがユーザに提示されるドメイン、（２）取り出されたメッセージがユーザに提示される特定のウェブページ、（３）現在のＵＲＬ内で発見された場合にメッセージを提示させるＵＲＬサブストリング、（４）時刻および日付情報。また、ルール２２８は、ほぼ任意の種類の関連情報（例えば、マイレージプログラム加入、クラブメンバーシップ、使用しているクレジットカードの種類、趣味および関心事、基本的な人口統計情報（性別、年齢、収入など）のようなユーザに関する特定の既知の属性）を含んで／参照してよい。メッセージ２２６は、関連するコンテンツ／メディアをいつ表示するか、および何処に表示するかを決定するためにクライアントが利用する情報（表示属性２３６と呼ぶ）を含んでよい。追加のルール２２８の例示は、メッセージの種類と、メディアのリストおよび特定のメッセージのサイズと、タイミング情報（例えば開始日、終了日、頻度情報など）とを含む。トリガ２４４は、キャンペーンを開始する場所（開始トリガと呼ぶ）を示し、コンテンツを何処に表示するかを示すトリガを示すことができる。
【００５７】
図８は、本発明の実施形態によるＣＭＵクライアント・システムの代表例の概略図である。ＣＭＵクライアント・システム１１２は、ＣＭＵキャンペーン・リスト・リトリーバ８０８と、ＣＭＵメッセージ・プリフェッチャ８０６と、ＣＭＵトリガ設定エンジン８０４と、ハッシュ・テーブル・コントローラ８０２と、表示エンジン８１０と、キャッシュ８１２と、キャッシュ・クリーンアップ・エンジン８１４と、ユーザ選好８１６と、個人ＵＲＬ履歴ストア８１８と、通信エンジン８２０とを含んだ複数の構成要素を備えてよい。
【００５８】
ＣＭＵキャンペーン・リスト・リトリーバ８０８は、ＣＭＵサーバ・システム１１８からの更新をチェックすることができる。特定の実施形態において、例えばチェックを毎日行うことができる。特定の実施形態において、ＣＭＵリトリーバ８０８は、ネットワーク１０２を介してリクエスト２１６をＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８に送ることによって更新を行う。リクエスト２１６は、少なくとも２つの情報、すなわちユーザ固有のカスタマＩＤ（つまりユーザＩＤ）２２０と、ユーザにより入力された現在のドメイン（マシンＩＤ）２２２とを含んでよい。
【００５９】
ＣＭＵサ−バ・コンピュータ１０８は、リトリーバ８０８からリクエスト２１６を受け取り、指定されたドメイン２２２に対して何らかの保留メッセージがあるか否かを判断するためのチェックを行う。指定されたドメインに関連するメッセージがあると判断すると、ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８は履歴ベースの対象設定データベース２２４を照会して、この特定のユーザ２２０のドメイン２２２に対して何らかの特定の保留メッセージがあるか否かを判断する。メッセージがある場合、特定のメッセージ２２６はＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４上のリトリーバ８０８に戻される。
【００６０】
ＣＭＵメッセージ・プリフェッチャ８０６は、利用可能な帯域がある場合、ＣＭＵメッセージを取得する。メッセージを後で表示するためにキャッシュ８１２内に格納することができる。キャッシュ・クリーンアップ・エンジン８１４は、終了したキャンペーンをクリーンアップする。ＣＭＵトリガ設定エンジン８０４はユーザのコンテキスト（ＵＲＬ、日時／時刻など）を調査し、ローカルキャッシュ８１２に格納され、インコンテキスト・ルールと一致するメッセージを探してよい。一致したメッセージが見つかった場合、そのメッセージを表示エンジン８１０によって表示してよい。ハッシュ・テーブル・コントローラ８０２は、ハッシュ・テーブルの更新をチェックする。特定の実施形態において、例えばこのチェックを毎日行ってよい。
【００６１】
ユーザ選好８１６はユーザへの表示に対してＣＭＵを位置指定する選好と、ＣＭＵの表示に対する遅延時間の制御の選好とを含む。個人ＵＲＬ履歴ストア８１８は、クライアントのユーザが訪れたＵＲＬに関するファイルを保持する。特定の実施形態において、ＵＲＬ履歴ストア８１８はクライアント・マシン上に常駐して、ユーザのプライバシーを保護する。通信エンジン８２０は、ＣＭＵクライアント１１２とネットワーク１０２上の他のコンピュータとの間の通信を制御する。
【００６２】
図９は、ユーザのクライアント・コンピュータ１０４のビジュアル・ディスプレイ上に、ディスプレーヤ２１０によって提示された表示の代表的な例の概略図である。１実施形態において、クライアントは例えばポップアップ・ウィンドウ９００などの、クライアントが専用に作成した重なりウィンドウ（またはフレーム）内でメッセージを提示してよい。好ましい実施形態において、このフレームは、クライアント１０４上で動作するブラウザ・アプリケーション９０２（例えばマイクロソフト社のインターネット・エクスプローラ）とは別個に、クライアント上で動作するアプリケーション（例えばメッセージ・クライアント・システム）によって表示される。本発明の実施形態において、以下の属性の１つまたは複数を含んでよい。（１）ユーザによって再配置可能なメッセージ・ウィンドウ（例えば、ユーザがドラッグおよびドロップ手法によって、ブラウザのクライアント領域内の周辺に移動することができるメッセージ・ウィンドウ）、（２）上部右側コーナーに配置され得る、選択的にメッセージ・ウィンドウを閉じるためのクローズボックスまたはボタン９０４を有し得るメッセージ・ウィンドウ（例えば、マイクロソフト・ウィンドウズのアプリケーションのウィンドウの上部右側コーナーに配置されたもの）、（３）メッセージ、メッセージ・クライアント・システムおよび／またはユーザの選好に関する情報をユーザに提示するためのメッセージ・ウィンドウ（例えば、マイクロソフト・ウィンドウズのウィンドウ内に表示される「？」ボックス）、（４）ブランディング情報、（５）ユーザがブラウザのウィンドウをスクロール、サイズ変更または移動した際にメッセージ・ウィンドウがその相対位置を保持できるように、ブラウザのウィンドウのクライアント領域の原点に対するメッセージ・ウィンドウの位置のトラッキング、（６）ユーザが後で参照するために、提示されたメッセージの保存を可能とする保存制御特徴９０６、および／または（７）ネットワーク経由でメッセージを転送し、そのメッセージの画像部分をプリントする特徴。
【００６３】
オプションとして、特定のクライアント上に提示されたメッセージの行動をカスタマイズするために、１つまたは複数の選好がユーザにとって利用可能である。図示された例のように、メッセージのウィンドウが表示される位置と、ウェブページのロードの完了とメッセージの表示の間の遅延とに関する選好を設定することをユーザに許可してよい。別のオプションとして、ユーザがブラウザ・アプリケーション上に表示されたページで十分な時間を費やすならば、ページ毎に遅延時間を利用して複数のメッセージをユーザに循環させてもよい。
【００６４】
以下に、上述のような代表的な位置決め選好特徴を単に説明するための例を示す。ユーザはメッセージ・ウィンドウの位置をブラウザ・ウィンドウの上部左側コーナー、直接ブラウザ・ウィンドウ上、またはクライアント・コンピュータのビジュアル・ディスプレイの中央領域に表示するように構成することができる。以下に、上述のような提示遅延選好特徴を単に説明するための例を示す。ブラウザ・アプリケーションによってウェブページのロードが完了直後、ブラウザ・アプリケーションによってウェブページのロードが完了してから１．５秒後、および／またはウェブページがロードされてからユーザが設定した秒数の後のタイミングで、メッセージ・ウィンドウ内にメッセージが表示される。
【００６５】
新しいメッセージ・キャンペーンがネットワーク・メッセージ・システムに入力されると、それらのメッセージ・キャンペーンは発行するためのキューに入れられる。次いで、キューに入れられたメッセージ・キャンペーンは以下のように処理される。まず、各メッセージのＵＲＬトリガのドメインが取り出され、取り出されたドメインからドメイン・リストが作成される。次に作成されたドメインリストを用いて、クライアント・ハッシュ・テーブルを更新する。次いで、このトリガ情報はメッセージ・システム・サーバに送られ、メッセージに対するクライアントのリクエストに応答するためにメッセージ・システム・サーバによって使用される。それからルールファイル情報が取り出され、メッセージ・サーバ・システムに送られ、メッセージ・システム・サーバからメッセージ・コンテンツが取り出される。保留メッセージ／メッセージ・キャンペーンを公開するためのキューがクリアされるまでこの処理は繰り返される。
【００６６】
公開されたキャンペーンは、メッセージ・システム・サーバを経由してクライアント・マシンに配信される。メッセージ・システム・サーバは、ネットワーク・メッセージ・システムの全体に渡って以下の情報を配信してもよい。（１）クライアント・ハッシュ・テーブル、（２）ルールファイルリスト、（３）ルールファイル、メッセージに関連したコンテンツ。１実施形態において、公開処理が行われる毎にハッシュ・テーブルを更新してよい（例えば、新しいメッセージ／ドメインの組み合わせが付加されずに何も取り出されなければ、ハッシュ・テーブルを変更しないままにすることができる）。
【００６７】
クライアントからのリクエストに応じて、ルールファイルのリストはサーバによってネットワーク経由でクライアントに送信される。ユーザがブラウザ・アプリケーション経由で様々なドメインにナビゲートした場合、クライアント・マシンのユーザはクライアントからのリクエストをしてよい。リクエストの一部として、サーバに例えばユーザの現在のドメインやクライアント・マシンに既に常駐する（現在のドメインに対する）ルールファイルのリストなどの情報を提供してよい。
【００６８】
次に、サーバは現在のドメインで使用することができるメッセージを発見する。各メッセージのファイル名はファイルストア３０６に付加される。リストの各入力は、クライアントが入力に対してとるべきアクションを示すアクションコードを含む。これらのアクションは、例えば以下を含む。（１）付加、指定されたメッセージをクライアントのローカルキャッシュに付加する、（２）削除、クライアントのローカルキャッシュから指定されたメッセージを除去する、（３）更新、クライアントのキャッシュ内の指定されたメッセージを更新する。ルールファイルとメッセージに関連したコンテンツとを通常標準ウェブサービング手法を用いてクライアントに送達してよい。
【００６９】
図１０において、本発明の特定の実施形態における方法の代表的な例のフローチャートが示されている。フローチャートに示すように、ユーザに情報を表示する方法の例は、メッセージがクライアント上に第１のアプリケーションによって表示されることを示すイベントが発生したことを検出する段階（１００２）と、コンテンツ・サーバでリポジトリから第１のメッセージに対するコンテンツを取り出す段階（１００４）と、クライアントで収集され、分析された行動情報に基づいて、表示される１つまたは複数のメッセージの選択を開始する段階（１００６）と、選択したメッセージを表示する機会を窺って、クライアントにおけるアクティビティをモニタする段階（１００８）と、を含む。
【００７０】
様々な実施形態を以上に渡って説明したが、これらの実施形態は単に例示であり、それに限定するものではないことは理解されよう。それゆえ好ましい実施形態の外延と範囲は、如何なる上述の実施形態の例示にも限定されず、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【００７１】
【図１Ａ】本発明の実施形態によるネットワーク・メッセージ送信システム用コンピュータネットワーク・フレームワークの概略図である。
【図１Ｂ】本発明の実施形態によるネットワーク・メッセージ・システムの例示の概略図である。
【図２】本発明の実施形態によるハードウェア環境の代表例の概略図である。
【図３】本発明の実施形態による連続式メッセージ送信ユニット（ＣＭＵ）サーバ・システムの実例の概略図である。
【図４】本発明の実施形態による表示ルールの代表的な例の概略図である。
【図５】本発明の実施形態によるハッシュ・テーブルの実例の概略図である。
【図６】本発明の実施形態によるキャンペーン・リストの実例の概略図である。
【図７】本発明の実施形態によるＣＭＵメッセージの代表的な例の概略図である。
【図８】本発明の実施形態によるＣＭＵクライアント・システムの代表的な例の概略図である。
【図９】本発明の実施形態による、ビジュアル・ディプレイ上に提示された表示の実例の概略図である。
【図１０】本発明の実施形態による、ユーザに情報を提示する方法のフローチャートである。
【０００１】
本発明はコンピュータ技術に関し、より詳細にはコンピュータネットワーク環境における情報提示に関するがこれに限定するものではない。
【背景技術】
【０００２】
インターネットは、クライアントサーバモデルを用い、かつ相互接続されたコンピュータからなる広域ネットワークである。インターネットは、クライアント・コンピュータによってアクセス可能なサーバ・コンピュータを備える。通常、サーバは、複数のファイルまたはページを有する、インターネット上のサイトのホストとなる。サーバのネットワークアドレスは、通常ＵＲＬ（Uniform Resource Locator）によって指定される。インターネットによって、インターネット・サービス・プロバイダ（ＩＳＰ）経由で、ユーザはクライアントから複数のサーバにアクセルすることができる。ユーザはクライアントのブラウザ・アプリケーションを用いることにより、特定のサーバのＵＲＬアドレスに基づいて、そのサーバに接続または「リンク」することができる。
【０００３】
インターネット・コンピュータネットワークは、元々政府の研究所と教育機関との間における学術情報のやり取りを促進するコミュニケーション・リンクとして設計されたものである。しかし、近年、ＷＷＷ（World Wide Web）の使用の増加により、インターネットは爆発的に成長し、科学界を越え、家庭、会社、教室まで広がった。ＷＷＷは、アプリケーション・プロトコルとしてＨＴＴＰ（Hypertext Transfer Protocol）を通常用いた複数のインターネットサーバを参照し、ユーザにテキスト、グラフィック、サウンド、ビデオ等と通信するためのファイルへのアクセスを提供する。次いで、ＨＴＴＰは、ＨＴＭＬ（Hyper Markup Language）と呼ばれるページ記述言語を用いて、ユーザへ表示されるウェブページの形式を特定する。ＨＴＭＬページは、他のサーバやページへのハイパーテキスト・リンクを含むことができ、この場合、対象となるサーバのＵＲＬがリンク内に記憶され、または埋め込まれる。
【０００４】
ウェブページ内のリンクを様々な形式でユーザに表示してよい。例えば、下線を引いたテキスト、太字のテキスト、周辺のテキストとは異なる色のテキスト、またはリンクであることを容易に識別可能とするためにユーザの注意を引くようになされたその他の形式のテキストで表示してよい。ユーザがリンクを選択する（例えばコンピュータマウスなどの入力デバイスでリンクを「クリック」する）と、ブラウザによってＴＣＰ／ＩＰ（Transmission Control Protocol/Internet Protocol）が、リンク内で指定されたＵＲＬによって識別されたサーバへリクエストをして、識別されたサーバからウェブページが得られる。ユーザのコンピュータモニタまたはディスプレイ上に表示されたグラフィック画像内にリンクを埋め込んでもよい。その画像の幾何領域がユーザにより選択されると、ブラウザは再び指定されたＵＲＬにより識別されたサーバにＴＣＰ／ＩＰリクエストする。このようにしてユーザは様々なサーバ間をナビゲート（すなわちサーフィン）して、ＨＴＭＬページまたは興味のあるドキュメントを発見し、検索できる。
【０００５】
インターネットが益々普及するにつれて、販売業者は自社の製品やサービスに対する新しい広告媒体として、インターネットに目を向けるようになった。自社のウェブサイトのスポンサーである販売業者は、自社のサイトのページ内に広告資料を通常載せている。しかし、独立型ウェブサイトの作成、維持には相当量の資源が必要であり、多くの販売業者にとって重荷となる可能性がある。また、独立型ウェブサイトのセットアップに要する時間、費用では、特定の季節的または限定的期間に、あるいは１度の使用に上記の方法を用いることは適さない。更に、広告媒体の対象者は、販売業者に誘われそのサイトを訪問した人物に限られてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記の問題を解決するために用いられる技術は、広告のスポンサーになることに同意したスポンサーまたはコンテンツ・プロバイダのウェブサイト上に広告を作成することである。この作成に適した広告は簡素であり、グラフィックバナーの形態をとる。このバナーは、宣伝する製品またはサービスに関する画像を含み、その画像は通常グラフィックファイル（例えば「.gif」ファイル）で記録され、スポンサーのページのＨＴＭＬ記述に従って表示される。販売業者は、しばしば特定のウェブサイトのスポンサーに、スポンサーサイト上のバナーの配置権利に対する広告料を支払う必要が生じる。また、バナーを多くのサイトに広域配信または表示してもよい。しかし、通常の広告バナーは、一方向通信を用い、インターネット双方向機能を利用して購入注文または指示をするかもしれない客またはユーザからデータを求めることはしない。
【０００７】
人口統計に基づいて対象を定めた広告を提供するために、この広告の広告主または配信者は、エンドユーザに関する人口統計データの取得を求めてよい。インターネット経由でユーザに関する人口統計データを取得するための通常の方法は、インターネットを利用するユーザにＨＴＭＬで書かれたフォームを提供して、情報をリクエストすることである。人口統計情報をこのように取得することは、しばしば困難を伴う。なぜなら、誰がこの情報を見るか分からない、またはこの情報が何に用いられるかが分からない場合は、ユーザは情報をフォームに記入したがらないからである。
必要とするものは、メッセージを閲覧者に選択的に配信するための改良技術である。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、閲覧者にメッセージを選択的に配信する技術を提供する。特定の実施形態において、潜在的な閲覧者に関する情報に基づいてメッセージを閲覧者に配信するためのシステム、方法、装置およびコンピュータ・プログラム・プロダクトが提供される。特定の実施形態において、対象となるメッセージは、クライアントのメッセージ・リクエストに応答し、サーバによってクライアント・マシンで利用可能となる。ここで、サーバはクライアントのリクエストの一部としてのクライアント・マシンＩＤおよび／またはユーザＩＤを取得し、かつデータベースを照会してユーザに対する保留メッセージ、またはユーザのプロファイルに一致する保留メッセージの有無を調べる。特定の実施形態において、互いに連結してキャンペーンを構成する複数のメッセージを提供することができる。クライアントは、ウェブブラウザ等のフォアグランド・アプリケーションで使用されていない利用可能な帯域を用いて、このキャンペーンを受け取ることができる。
【０００９】
代表的な実施形態において、本発明は情報をユーザに表示する方法を提供する。この発明は多様な段階を有する。例えば、クライアント上に第１のアプリケーションによって表示されるメッセージを示すイベントの発生を検出する段階は、この方法の一部となり得る。更に、コンテンツ・サーバでリポジトリから第１のメッセージに対するコンテンツを取り出す段階は、この方法に含まれる。また、クライアントで収集、分析される行動情報に基づいて、表示する１つまたは複数のメッセージの選択を開始する段階もこの方法に含まれる。最後に、選択したメッセージを表示する機会に窺って、クライアントでのアクティビティをモニタする段階をこの方法に従って実施することができる。
【発明の効果】
【００１０】
従来の技術よりも優れた本発明によって多数の利点が得られる。本発明による特定の実施形態において、特定のアプリケーションにより、必要とする狭さまたは広さの範囲で対象者を識別する機能が提供される。それによる利点としては、広告（特に大容量のリッチメディア広告）を供給するコストが、集中型アーキテクチャを用いた第１の世代の広告ネットワークで供給する場合と比べて劇的に下がることである。
【００１１】
これらの、並びに他の利益は本明細書内に記載されている。本明細書の本発明の性質および利点は、本明細書の残りの部分および添付図面を参照することによってさらに理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
本発明は、閲覧者にメッセージを選択的に配信する技術を提供する。特定の実施形態において、潜在的な閲覧者に関する情報に基づいてメッセージを閲覧者に配信するためのシステム、方法、装置およびコンピュータ・プログラム・プロダクトが提供される。特定の実施形態において、対象となるメッセージは、クライアントのメッセージ・リクエストに応答し、サーバによってクライアント・マシンで利用可能となる。ここで、サーバはクライアントのリクエストの一部としてのクライアント・マシンＩＤおよび／またはユーザＩＤを取得し、かつデータベースを照会してユーザに対する保留メッセージ、またはユーザのプロファイルに一致する保留メッセージの有無を調べる。特定の実施形態において、互いに連結してキャンペーンを構成する複数のメッセージを提供することができる。クライアントは、ウェブブラウザ等のフォアグランド・アプリケーションで使用されていない利用可能な帯域を用いて、このキャンペーンを受け取ることができる。
【００１３】
第１世代の広告ネットワークは集中型アーキテクチャを有するため、広告が表示される度に、コンテンツ（例えば広告）は通常中央サーバからユーザのブラウザに配信される。そのため、同一の広告がサーバから何度も（百万回あるいは１０億回でも）配信される。本発明のネットワーク・メッセージ・システムにより、このような従来技術のシステムよりも優れた効率性が可能となる。また、本発明のネットワーク・メッセージ・システムのアーキテクチャにより、サーバオンリー広告サーバを備えたものよりも、優れた従順性が可能となる。
【００１４】
図１Ａは、本発明の実施形態によるＣＭＵネットワーク・システム用コンピュータネットワーク・フレームワーク１００の概略図である。例えばクライアント・サーバ、広域ネットワーク（例えばインターネット）などのネットワーク１０２は、１つまたは複数のＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４、１つまたは複数のコンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６、１つまたは複数のＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８を連結している。
【００１５】
ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４には、エンドユーザにネットワークへのアクセスを提供する任意の型式のコンピュータを使用してよい。１実施形態において、ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４には、例えばマイクロソフト・ウィンドウズ（商標）、アップル・マッキントッシュ（商標）、リナックス、またはユニックス・オペレーティング・システムなどのオペレーティング・システムで動作するパーソナル・コンピュータを使用してよい。特定の実施形態において、ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４はウェブエンジン１１０を備えてもよく、このウェブエンジン１１０は、マイクロソフト・インターネット・エクスプローラ（商標）またはネットスケープ・ナビゲータ（商標）などのウェブブラウザを含むことができる。ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４を利用するエンドユーザは、ネットワーク１０２に接続された様々なウェブサイト（例えばコンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６）に格納された情報やウェブページにアクセスするためのウェブエンジン１１０を使用する。ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４は、ネットワーク経由で受け取る様々なＣＭＵを受け取り、処理し、表示するためのＣＭＵクライアント・システム１１２を備えてもよい。
【００１６】
コンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６はウェブ・コンテンツ１１４とウェブサーバ１１６を含んでよい。当業者には明らかなように、本発明の特定の実施形態において、このようなコンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６および他のサーバ・コンピュータを、適切に構成された任意のコンピュータ（例えばサン・マイクロシステムズ（商標）、ヒューレット・パッカードカンパニー（商標）またはインターナショナル・ビジネスマシーンズ（商標）から市販されているサーバ・コンピュータを含む）を用いて実装してよい。ウェブ・コンテンツ１１４は、ネットワークを介してアクセス可能な任意の情報（ウェブページなどを含む）を含んでよい。１実施形態において、ウェブ・コンテンツ１１４は、インターネットを介しての閲覧に一般的に使用可能な種類のものであってよい。例えば、本発明のウェブページは、ニュース、地図、クーポン、サービスの提供、ディレクトリ、商品の販売、およびエンドユーザをコンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６に引き付ける他の種類の情報を含んだＨＴＭＬ（HyperText Markup Language）ファイルを含んでよい。ウェブサーバ１１６はプログラム・コードを含んでよく、このプログラム・コードにより、コンテンツ・サーバ・コンピュータ１０６はネットワーク１０２と通信することができる。
【００１７】
ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８には、ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４によって提示／表示される情報を供給可能なウェブサーバ１２０を含む任意の型式のコンピュータを使用してよい。この情報は例えば広告情報などの任意の種類の情報を含んでよい。また、ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８は、ネットワーク１０２と通信するＣＭＵサーバ・システム１１８を備えてもよい。
【００１８】
図１Ｂにおいて、本発明の実施形態によるネットワーク・メッセージ・システムの実例の概略図が示されている。このネットワーク・メッセージ・システムを、ユーザの現在のコンテキストおよび過去の行動に基づいて、メッセージを取り出し、これをユーザに表示するために利用してよい。本説明において、それぞれの構成要素における様々な副構成要素も、フレームワークの構成要素と見なしてよいことは理解されよう。例えば、システムの任意の構成要素上で実行される特定のソフトウェア・モジュールをそのシステムの構成要素と見なしてよい。ネットワーク１０２（例えばインターネット）に接続されたＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４に、ＣＭＵクライアント・システム１１２はインストールされ、動作する。ＣＭＵクライアント・システム１１２は、リトリーバ２０８、ディスプレーヤ２１０、フォームおよびログインヘルパ２１２を含んだ複数の構成要素を備えてよい。
【００１９】
ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４にインストールされ、動作するウェブエンジン１１０（例えば、マイクロソフト・インターネット・エクスプローラなどのインターネット・ブラウザ）を利用して、ユーザが１つのサイトまたはドメイン（例えばwww.yahoo.com）から他（例えばwww.amazon.com）へと、ネットワーク１０２に接続された複数のサイトにアクセスする（一般に「ネットサーフィン」として知られている）場合、リトリーバ２０８が、ネットワーク１０２経由でＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８へリクエスト２１６を送る。このリクエスト２１６は、少なくとも２つの情報、すなわちユーザ固有のカスタマＩＤ（つまりユーザＩＤ）２２０とユーザが入力した現在のドメイン（つまりマシンＩＤ）２２２とを含んでよい。
【００２０】
ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８は、リトリーバ２０８からリクエスト２１６を受け取り、指定されたドメイン２２２に対して何らかの保留メッセージがあるか否かを判断するためにチェックをする。指定されたドメインに関するメッセージがあると判断した場合、ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８は履歴ベースの対象設定データベース２２４を照会し、特定のユーザ２２０のドメイン２２２に対して何らかの特定の保留メッセージがあるか否かを判断する。メッセージがある場合、特定のメッセージ２２６は、ユーザのＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４上のリトリーバ２０８へ戻される。
【００２１】
１実施形態において、メッセージ２２６は、２つの構成要素、すなわち１ブロックのインコンテキスト・ルール２２８と、該メッセージのユーザに提示される部分を構成するコンテンツ２３０とを含んでよいことに留意されたい。インコンテキスト・ルール２２８に、メッセージ・コンテンツ２３０がユーザに表示される状態が記述されてよい。あるインコンテキスト・ルールにおける例示において、以下が含まれる。（１）取り出されたメッセージがユーザに提示されるドメイン、（２）取り出されたメッセージがユーザに提示される特定のウェブページ、（３）現在のＵＲＬ内で発見された場合にメッセージを提示させるＵＲＬサブストリング、（４）時刻および日付情報
【００２２】
また、ルール２２８は、ほぼ任意の種類の関連情報、例えばマイレージプログラム加入、クラブメンバーシップ、使用しているクレジットカードの種類、趣味および関心事、基本的な人口統計情報（性別、年齢、収入など）のようなユーザに関する特定の既知の属性を含んで／参照してよい。コンテンツ２３０は、テキスト、画像、図、色などを含んだ標準ＨＴＭＬと、メッセージの表示時に自動的に再生されるサウンドファイルと、他の形式のマルチメディアファイル／コンテンツとを含んでもよい。
【００２３】
リトリーバ２０８はＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８からメッセージ２２６を受け取ると、そのメッセージを次回の提示用にローカルキャッシュ２３２に格納してよい。ユーザがページからページへのサーフィンを続けると、コンテキスト・ウォッチャー２３４がユーザのコンテキスト（例えばＵＲＬ、日付／時刻など）を調べ、ローカルキャッシュ２３２内に記録され、かつインコンテキスト・ルールと一致するメッセージを探してよい。一致したメッセージが見つかると、ディスプレーヤ２１０またはフォームおよびログインヘルパ２１２が、一致したメッセージを表示する。
【００２４】
１実施形態において、メッセージ・キャッシュ２３２は、メッセージ・システム・サーバ１０８から受け取ったメッセージをバッファしてよい。これにより、クライアント・コンピュータ１０４は任意の所定の時間に複数のメッセージを保持することができる。例えば、メッセージ・キャッシュ２３２は、ユーザが訪れている現在のウェブサイトまたはウェブページに関するメッセージと、それと類似のウェブサイトまたはウェブページに関する追加メッセージとを含んでよい。例えば、エンドユーザがオンライン書店のカタログを閲覧している時に、メッセージ・キャッシュ２３２は本に関するメッセージと、オンライン書店のカタログから購入可能な映画に関する追加メッセージとを含んでよい。このように、ユーザが映画に関するウェブページにナビゲートするとすぐに、映画に関するメッセージを適切な提示形式のモジュールにルーティングすることができる。
【００２５】
１実施形態において、ディスプレーヤ２１０は、メッセージ・コンテンツ２３０が提示／表示され、かつユーザに連結された画像ディスプレイ（すなわちユーザの表示面）上に独立したウィンドウを開いてよい。別のオプションとして、メッセージ・コンテンツ２３０を、フォームおよびログインヘルパ２１２に付加した小さなウィンドウ内に提示してよい。使用する特定の伝達手段を、メッセージ２２６に埋め込まれた属性２３６として識別し、メッセージ作成中に選択してよい。
【００２６】
オプションとして、メッセージ２２６は、適切な時刻／日付以降にメッセージを確実に提示させないように用い得る１つまたは複数の満了日２３８を含んでよい。この満了日２３８をキャッシュ２３２でモニタして、クライアント・マシンから期限切れのメッセージを削除するように用いてもよい。別のオプションとして、メッセージはユーザに提示されるメッセージの中で、そのメッセージの優先度を判断する際に使用し得る優先情報２４０を、含んでもよい。
【００２７】
別の実施形態において、適切なコンテキスト・ルール２２８を満足する任意のユーザに提示されるメッセージ２２６を、ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８上で使用可能にしてよい。次いで、対象設定データベース２２４内の履歴ベースのプロファイルの一致を必要とせずに、これらのメッセージを、リトリーバ２０８によってＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４に送達してよい。１実施形態において、クライアント・コンピュータ１０４および／またはサーバ１０８は、ルールが満足しているか否かを判断する際に使用するためのユーザの好み、プロファイル、ユーザに関する履歴情報のデータストア２４２を含んでよい。
【００２８】
本発明の実施形態において、ネットワーク・メッセージ・システムを利用して、様々なメッセージ／コンテンツ、例えばインターネット・バナー広告技術等を送達してよい。本明細書の以下の部分で、本発明の実施形態によるネットワーク・メッセージ・システムにおいて使用し得る様々な構成要素を説明する。
【００２９】
前述のように、ネットワーク・メッセージ・システム用のメッセージは、２つの部分、すなわち（１）ルールファイル２２８、（２）提示用コンテンツ／メディアを含んでよい。ルールファイル２２８は、いつそして何処に関連するコンテンツ／メディアを表示するかを判断するためにクライアントによって利用される情報を含んでよい。ある例示のルールファイル属性は、メッセージの種類と、特定のメッセージ用のメディアおよびサイズの一覧表と、タイミング情報（開始日、終了日、頻度情報など）と、キャンペーンを何処で始めるべきかを示すトリガと、コンテンツを何処に表示させるかを示すトリガとを含む。
【００３０】
提示用コンテンツ／メディア２３０は、ＨＴＭＬ（Hypertext Markup Language）、画像、および／または他の形式のマルチメディアファイルを含んでよい。１実施形態において、コンテンツは、現在バナーに用いられている表示サイズを示す１つまたは複数の業界標準画像ファイルを含んでもよい。しかしながら、コンテンツを標準画像ファイルに限定する必要はなく、様々な形式のリッチメディア（フラッシュ、ビデオ、オーディオ等）を含んでよいことは理解されよう。
【００３１】
メッセージ・キャンペーンまたは一連のメッセージを、指定されたトリガの１つのトリッピングに基づいてクライアント上に起動してよい。すなわち、（モデル化および／または履歴による対象設定を利用しない場合）指定されたトリガの１つがヒットするまでメッセージを提示しなくてもよい。１実施形態において、１セットのトリガを１セットのＵＲＬ（Uniform Resource Locator）として定義してよい。１セットのＵＲＬをサーチストリングと組み合わせてもよい。特に、ＵＲＬマスクをサーチエンジンの照会と連動させるために用いてもよい。例えば、Ｙａｈｏｏサーチエンジンと共に用いられる標準サーチＵＲＬテンプレートがある。ユーザは、興味のある事柄のキーワード（「レーザ」、「ソニー」、「ＤＶＤ」など）をこのテンプレートに入力して、トリガを定義してよい。
【００３２】
トリガルールの１つにマッピングしたページにユーザがナビゲートした場合、トリガがトリップする。オプションとして、本発明の実施形態において、履歴による対象設定、かつ／またはモデル化を行って、ユーザへメッセージおよびコンテンツを提示する場合は、トリガをトリップさせる必要はない。一般に、トリガは、条件の満足時にクライアント・システム１１２に動作（例えばユーザにメッセージを示す）を行わせることを指示する条件である。トリガの１つの形態をＵＲＬとしてよい。興味のあるＵＲＬを確認すると、指定した動作が行われる。トリガがトリップすると、ルールファイルで指定された第１のメッセージ用のコンテンツがメッセージ・サーバから取り出され、メッセージ・キャンペーンが起動する。この起動トリガリストを見るための１つの方法は、トリガリストを「リアルタイム対象設定」を行うための機構として閲覧することである。すなわち、ユーザは、特定の行動に基づいて、メッセージ・サーバに送られた対応する行動情報の処理を必要とせずに、メッセージ・キャンペーンに対して選択され、対象となり得る。これにより、ユーザの行動の確認に対しての高速な応答が可能となる。この手法は、詳細な行動情報（ナビゲーション情報を含む）をネットワーク経由でメッセージ・サーバへ送信する必要がないため、プライバシー対策を強固とする上で有益となり得る。提示するメディアが取り出されると、クライアントはいつメッセージを提示するかを決定してよい。
【００３３】
１実施形態において、以下のすべての基準が満たされる場合に、クライアントはメッセージを提示してよい。（１）（上述のように）メッセージ・キャンペーンが起動した場合、（２）メッセージ・クライアント・システムと一致するサイズの画像に対するＨＴＭＬ画像（オリジナル画像と呼称してもよい）のリクエストをクライアントが検出した場合、（３）オリジナル画像がリクエストされているサーバのドメイン名称が、メッセージ・サーバ・システムの除外リストに含まれていない場合、（４）指定されたグローバルドメイン包含リストに、またはメッセージのプライベートドメイン包含リストに現在のウェブページのドメインが含まれている場合、および／または（５）現在のウェブページのドメインがメッセージのプライベートドメイン除外リストにない場合。
【００３４】
図２において、本発明の特定の実施形態におけるコンピュータ・システムの代表例のブロック図が示されている。図２に示すように、本発明の様々な特定の実施形態において、コンピューティング・システム２００は図２に示された１つまたは複数の構成要素を具体化することができる。他の特定用途向け代替品を利用する場合もあるが、簡略化するためにコンピュータ・システム２００を構成する構成要素は、他に記載がない限りハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせにおいて整合性のある１つまたは複数の処理システムにより実装されるものとする。
【００３５】
コンピュータ・システム２００は、通信チャネル（例えばバス２９０）を介して連結された複数の構成要素（ペンティアム（登録商標）またはｐｏｗｅｒＰＣ（登録商標）、デジタル・サウンド・プロセッサ（「ＤＳＰ」）などの１つまたは複数の汎用または特殊用途向けプロセッサ２７０などを含む）を備える。システム２００の構成要素は、特定の用途に応じて、１つまたは複数の入力デバイス２７２（例えばマウス、キーボード、マイク、ペンなど）と、１つまたは複数の出力デバイス２７４（例えば適当なディスプレイ、スピーカ、アクチュエータなど）とを含んでもよい。
【００３６】
システム２００は、ストレージ／メモリ・デバイス、ハードまたは取り外し可能ストレージ／メモリ・メディアなどのコンピュータ可読ストレージ媒体２７８に接続されたコンピュータ可読ストレージ媒体リーダ２７６も含む。更にこれらのデバイスまたはメディアは別途ストレージ・デバイス２８２およびメモリ２８４として示されており、これらは、特定の用途に応じてハードディスク・バリアント、フロッピー／コンパクトディスク・バリアント、デジタル多用途ディスク（ＤＶＤ）バリアント、スマートカード、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリなどを含むことができる。直接、あるいは専用線または公衆回線を経由してデバイス間の通信をするために、１つまたは複数の適当な通信インターフェース２８０、例えばモデム、ＤＳＬ、赤外線または他の適当な送受信器などを備えることができる。ここで専用線または公衆回線は上述のものを含むがこれに限定されない。
【００３７】
ワーキング・メモリ２８４は、使用時にシステム２００の構成要素に格納、またはロードされ、かつ構成要素を実行するオペレーティング・システム（「ＯＳ」）要素２９２と、他のプログラム２９４（アプリケーション・プログラム、モバイルコード、データなど）とを更に含む。特定のＯＳを、特定のデバイス、特徴、または特定のアプリケーション（例えばウィンドウズ、マック、リナックス、ユニックスまたはパームＯＳバリアント、専有ＯＳなど）による他の態様に応じて変更することができる。当業者には既知の様々なプログラム言語またはツールも利用することができる。後述のように、実施形態には、ブラウザまたは電子メールクライアント（ネットスケープ社、マイクロソフト社等の製品）などのネットワーク・クライアント、ＪＶＭ（Java Virtual Machine）などのモバイルコード・エグゼキュータ、マイクロソフト・ウインドウズ互換ＡＰＩなどのアプリケーション・プログラム・インターフェース（ＡＰＩ）などが含まれ得る（実施形態を常駐型アプリケーションと共に、またはモバイルコードおよび常駐型アプリケーション構成要素との組み合わせと共に実施してもよい）。
【００３８】
システム２００の１つまたは複数の構成要素を、ハードウェア、ソフトウェアまたは適切な組み合わせによって実装することができる。ソフトウェア（例えば、全体または部分的にアプリケーション・プログラム、オブジェクト、ダウンロード可能なサーブレットなど）で実装する場合、システム２００の構成要素はローカルまたはリモートストレージからメモリ（またはキャッシュメモリ等）まで過渡的またはより永続的に通信し、実行することができる。あるいは、別の適切な機構を利用して、構成要素をコンパイルされた形態または翻訳形態で実施することができる。更に入力、中間または結果データ、あるいは機能要素を、特定のアプリケーションによるストレージ・メディア、キャッシュ、あるいはより永続的な揮発性または非揮発性メモリ（例えばストレージ・デバイス２８２またはメモリ２８４）内に、より過渡的にまたはより永続的に常駐させることができる。
【００３９】
図３は、本発明の実施形態によるＣＭＵサーバ・システム１１８の例示における様々な機能態様の概略図である。図３で示されるＣＭＵサーバ・システム１１８の機能ブロックを、ハードウェア、ソフトウェアあるいはそれらの適切な組み合わせで実装することができる。特定の実施形態において、ＣＭＵサーバ・システム１１８は、ＣＭＵコンテンツ３０２と、ＣＭＵ開始トリガ３０４と、ＣＭＵ表示ルール３０６と、ハッシュ・テーブル３０８と、ＣＭＵキャンペーン・リスト３１０と、ＣＭＵコントローラ３１２と、共有ＵＲＬ履歴ストア３１４と、通信エンジン３１６とを備える。また、ある実施形態においてＣＭＵサーバ・システム１１８に別の機能態様が含まれてもよい。更にすべての特定の実施形態に、図３に示す構成要素が含まれる必要はない。
【００４０】
特定の実施形態において、ＣＭＵコンテンツ３０２はメッセージ２２６を作成するための使用され得る多様なコンテキストを含む。コンテンツ３０２は、広告情報、クーポン、実施要請、画像、マルチメディア・オブジェクト等を含むことができる。ＣＭＵ開始トリガ３０４は多様なトリガイベントを含み、このトリガイベントは、メッセージ２２６の表示に適したコンテキストの検出を開始するために検出され得る。特定の実施形態において、トリガは例えばウェブページのＵＲＬであってよい。ＣＭＵ表示ルール３０６は、検出され得る多様なコンテキストに関する情報を提供し、これらが検出されるとメッセージ２２６の表示が開始される。
【００４１】
本明細書において上述のように、メッセージ２２６は、２つの構成要素、すなわち１ブロックのインコンテキスト・ルール２２８と、そのメッセージのユーザに提示された部分を構成するコンテンツ２３０とを含む。従って、メッセージ２２６を、ＣＭＵコンテンツ３０２およびＣＭＵ表示ルール３０６を用いてＣＭＵサーバ・システム１１８によって作成してよい。インコンテキスト・ルール２２８にはメッセージ・コンテンツ２３０がユーザに表示される状態が記述されるが、このインコンテキスト・ルール２２８はＣＭＵ表示ルール３０６から取り出すことができる。あるＣＭＵ表示ルールにおける例示は以下が含まれる。（１）取り出されたメッセージがユーザに提示されるドメイン、（２）取り出されたメッセージがユーザに提示される特定のウェブページ、（３）現在のＵＲＬ内で発見された場合にメッセージを提示させるＵＲＬサブストリング（４）時刻および日付情報。また、ＣＭＵ表示ルール３０６は、ほぼ任意の種類の関連情報（例えば、マイレージプログラム加入、クラブメンバーシップ、使用しているクレジットカードの種類、趣味および関心事、基本的な人口統計情報（性別、年齢、収入など）のようなユーザに関する特定の既知の属性）を含んで／参照してよい。コンテンツ３０２は、テキスト、画像、図、色などを含んだ標準ＨＴＭＬと、メッセージの表示時に自動的に再生されるサウンドファイルと、他の形式のマルチメディアファイル／コンテンツとを含んでよい。
【００４２】
以下に図５を参照して詳細に説明するように、ハッシュ・テーブル３０８によってサーバの無効なリクエストの数を最小限に抑えることができる。
【００４３】
ＣＭＵキャンペーン・リスト３１０は、キャンペーンまたは一連のメッセージを格納するためのリポジトリを提供する。キャンペーンに関連する指定されたトリガの１つのトリッピングに基づいて、クライアント上にメッセージ・キャンペーンを起動させてよい。システム管理者または他の権限のあるユーザは、メッセージ・キャンペーンをＣＭＵキャンペーン・リスト３１０内に格納するためにシステムへ定義付けすることができる。本発明の特定の実施形態に従って、キャンペーンを対象のユーザのクライアント・マシンへ送ることができる。
【００４４】
ＣＭＵサーバ１１８は共有ＵＲＬ履歴ストア３１４も備える。ある実施形態において、あるユーザを、その履歴プロファイルに基づいてＣＭＵを受け取る対象にしてよい。履歴ベースの対象設定において、行動および／または属性を基にユーザを選択してよい。例えば、訪れたドメイン、閲覧したページの数、サイトで費やした時間などを含んだナビゲーション行動を基に、ユーザを選択してよい。上述の行動に、「ブラインドトリガ」を用いて、以前にタグ付けした任意のページの閲覧も含めることができる。ブラインドトリガは、ユーザがアクティビティを見ずにトラッキングしたページにトリガを設定することで作成される（それゆえブラインドを言う）。例えば、ＦＯＯ．ｃｏｍで何かを購入した人数を知りたいとする。それゆえブラインドトリガを設定して、受領ページへのナビゲーションを確認する。ユーザが訪れた回数を、ブラインドトリガが設定された期間に渡って総計することができる。特定の実施形態において、ユーザは如何なるフィードバックが起きていることも気づかないであろう。別の履歴対象設定要因は、ＺＩＰコードと、以前に閲覧したクーポン／メッセージに関するクリックスルー頻度、相互ブランドの加入ＩＤコードまたはタイプ、ユーザが活動状態であった週の数などを含む。
【００４５】
ＣＭＵサーバ１１８は、ネットワーク１０２を介して１つまたは複数のＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４と通信する通信エンジン３１６を更に含む。ＣＭＵコントローラ３１２は、ＣＭＵサーバ・システム１１８内の各構成要素の処理のアクティビティを調整する。
【００４６】
図４は、本発明の実施形態による表示ルールの代表例の概略図である。ＣＭＵ表示ルール３０６を用いて、ＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４でのメッセージ（広告を含む）の提示、タイミング、構成を制御することができる。ＣＭＵ表示ルール３０６はグローバル包含リスト４０２を含む。グローバル包含リスト４０２はすべてのキャンペーンを表示してよいサイトを提供する。ローカル包含リスト４０４は特定のキャンペーンのみを表示してよいサイトを提供する。グローバル除外リスト４０６はキャンペーンを表示してはいけないサイトを提供する。広告除外リスト４１０は、表示しない広告の広告主を識別する。ローカル除外リスト４０８は、特定のキャンペーンを表示してはいけないサイトを示す。最後に、複数のキャンペーンがトリガされ、それらの表示の優先度を決定する場合に優先ルール４１２を使用してよい。
【００４７】
クライアントが以下の基準のすべてを満足した場合にキャンペーンが表示される。（１）キャンペーンが上述のように起動した場合、（２）クライアントが、キャンペーンと互換性のある画像（例えばサイズが同じ等）に対するＨＴＭＬ画像（オリジナル画像）のリクエストを確認した場合、（３）オリジナル画像がリクエストされているサーバのドメイン名が広告サーバ除外リスト４１０にない場合、（４）現在のウェブページのドメインが特定のグローバルドメイン包含リスト４０２またはＣＭＵプライベートドメイン包含リスト４０４にある場合、（５）現在のウェブページのドメインがＣＭＵのプライベートドメイン除外リスト４０８にない場合。ある実施形態において、メッセージの表示を制御する別の態様をＣＭＵ表示ルール３０６に含んでよい。更に、すべての特定の実施形態において、図４に示された機能的な態様が含まれなくてもよい。
【００４８】
図５は、本発明の実施形態によるハッシュ・テーブル３０８の例示の概略図である。クライアント上で動作するインターネット・ブラウザを利用してユーザがインターネットドメインを入力すると、クライアントはメッセージのリクエストを開始する。１実施形態において、クライアント・ハッシュ・テーブル３０８を使用することより、サーバの無効なリクエストの数を最小限に抑えてよい。このような実施形態において、ハッシュ・テーブルは、クライアントが所定のドメイン５０４でメッセージが使用可能か否かを判断するのに必要な情報を提供してよい。すなわち、まずクライアントは、ネットワーク経由でサーバにリクエストを送信する前に、ハッシュ・テーブル内のドメインを調査してよい。１実施形態において、サーバのリクエストは、ハッシュ・テーブル内に入力されているドメインに対して行われてよい。また、各クライアントは、ハッシュ・テーブルの更新バージョンに対して定期的にチェックしてよい（すなわち、サーバのリクエストを送信してよい）。
【００４９】
クライアントが現在のドメインに対して使用可能なメッセージがあることを確認すると、クライアントはサーバへ使用可能なメッセージ・ユニットに対してリクエストをしてよい。このリクエストに含まれる情報は以下を含んでよい。（１）クライアント・マシンを識別するマシンＩＤと、（２）ユーザを識別するユーザＩＤと、（３）ローカルの時刻と、（４）メッセージがリクエストされているドメインと、（５）このドメインに対して以前に取り出された、ローカルにキャッシュされたメッセージのリスト（このリストには、メッセージＩＤとバージョン番号が入力されてよい）。
【００５０】
サーバのリクエストに応じて、クライアントはルールファイルのリストを受け取って、ＣＭＵサーバ・システム１１８のルールファイル３０６から取り出す。次いでクライアントはリスト内のファイルをそれぞれ取り出してよい。
【００５１】
ルールファイルがサーバ１１８から取り出されると、クライアントはリクエストをして、コンテンツ・リスト内の最初の画像に対するコンテンツを取り出す。オプションとして、例えばある形式のリッチメディアなどの大容量のコンテンツ・ファイルを取り出す場合には、そのコンテンツを比較的送信中の回線容量を占有しないトリックキング処理を施してクライアントに送信してよい。
【００５２】
ユーザがインターネット・ブラウザを利用して、各ウェブページをナビゲートすると、クライアントは現在のＵＲＬを受け取り、ローカルにキャッシュされたルールファイルのリスト内で一致するトリガを探してよい。クライアントは一致するトリガが見つけると、以前に取得したコンテンツを提示してよい。１実施形態において、２つ以上のトリガの一致が見つかった場合、最も優先度の高いメッセージを選択してよい。クライアントはメッセージ・コンテンツを提示した後に、現在のメッセージのルールファイルに関連した他のコンテンツ／画像があるか否かをチェックしてよい。関連したコンテンツ／画像がある場合、リスト内の次の画像を取り出して、ローカルにキャッシュしてよい。次のトリガが適切だと認識した場合、このコンテンツ／画像を提示してよい。
【００５３】
図６は、本発明の実施形態によるキャンペーン・リストの実例の概略図である。図６に示すように、ＣＭＵキャンペーン・リスト３１０に複数のメッセージを格納することができる。キャンペーンに関連して指定されたトリガの１つのトリッピングに基づいて、メッセージ・キャンペーン２２６をクライアント上に起動してよい。システム管理者または他の権限のあるユーザは、ＣＭＵキャンペーン・リスト３１０内に格納するためにシステムへメッセージ・キャンペーンを定義付けすることができる。本発明の特定の実施形態に従って、キャンペーンを対象となるユーザのクライアント・マシンに送ってもよい。
【００５４】
図７は、本発明の実施形態よるＣＭＵメッセージを表す概略図である。前述したように、ネットワーク・メッセージ・システム用のメッセージは、（１）ルールファイル、（２）提示用コンテンツ／メディアを含んでよい。図７に示す１つの特定の実施形態において、メッセージ２２６は、そのメッセージのユーザに提示する部分を構成するコンテンツ２３０と、メッセージ・コンテンツ２３０がユーザに提示された状況を記述してよいＣＭＵ表示ルール２２８とを含む。特定の実施形態において、メッセージ２２６は任意の満了情報２３８と、任意の優先情報２４０とを含んでもよい。
【００５５】
コンテンツ２３０は、ＨＴＭＬ（Hypertext Markup Language）、テキスト、画像、図、色、メッセージ表示の際に自動的に再生されるサウンドファイル、他の形式のマルチメディアファイル／コンテンツを含んでよい。１実施形態において、コンテンツはバナーに現在使用されている表示サイズを示す１つまたは複数の業界標準画像ファイルも含んでよい。しかし、コンテンツ２３０は標準画像ファイルに限定される必要はなく、フラッシュ、ビデオ、オーディオなどの様々な形式のリッチメディアであってよいことは理解されよう。
【００５６】
ルール２２８のある例示は以下を含む。（１）取り出されたメッセージがユーザに提示されるドメイン、（２）取り出されたメッセージがユーザに提示される特定のウェブページ、（３）現在のＵＲＬ内で発見された場合にメッセージを提示させるＵＲＬサブストリング、（４）時刻および日付情報。また、ルール２２８は、ほぼ任意の種類の関連情報（例えば、マイレージプログラム加入、クラブメンバーシップ、使用しているクレジットカードの種類、趣味および関心事、基本的な人口統計情報（性別、年齢、収入など）のようなユーザに関する特定の既知の属性）を含んで／参照してよい。メッセージ２２６は、関連するコンテンツ／メディアをいつ表示するか、および何処に表示するかを決定するためにクライアントが利用する情報（表示属性２３６と呼ぶ）を含んでよい。追加のルール２２８の例示は、メッセージの種類と、メディアのリストおよび特定のメッセージのサイズと、タイミング情報（例えば開始日、終了日、頻度情報など）とを含む。トリガ２４４は、キャンペーンを開始する場所（開始トリガと呼ぶ）を示し、コンテンツを何処に表示するかを示すトリガを示すことができる。
【００５７】
図８は、本発明の実施形態によるＣＭＵクライアント・システムの代表例の概略図である。ＣＭＵクライアント・システム１１２は、ＣＭＵキャンペーン・リスト・リトリーバ８０８と、ＣＭＵメッセージ・プリフェッチャ８０６と、ＣＭＵトリガ設定エンジン８０４と、ハッシュ・テーブル・コントローラ８０２と、表示エンジン８１０と、キャッシュ８１２と、キャッシュ・クリーンアップ・エンジン８１４と、ユーザ選好８１６と、個人ＵＲＬ履歴ストア８１８と、通信エンジン８２０とを含んだ複数の構成要素を備えてよい。
【００５８】
ＣＭＵキャンペーン・リスト・リトリーバ８０８は、ＣＭＵサーバ・システム１１８からの更新をチェックすることができる。特定の実施形態において、例えばチェックを毎日行うことができる。特定の実施形態において、ＣＭＵリトリーバ８０８は、ネットワーク１０２を介してリクエスト２１６をＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８に送ることによって更新を行う。リクエスト２１６は、少なくとも２つの情報、すなわちユーザ固有のカスタマＩＤ（つまりユーザＩＤ）２２０と、ユーザにより入力された現在のドメイン（マシンＩＤ）２２２とを含んでよい。
【００５９】
ＣＭＵサ−バ・コンピュータ１０８は、リトリーバ８０８からリクエスト２１６を受け取り、指定されたドメイン２２２に対して何らかの保留メッセージがあるか否かを判断するためのチェックを行う。指定されたドメインに関連するメッセージがあると判断すると、ＣＭＵサーバ・コンピュータ１０８は履歴ベースの対象設定データベース２２４を照会して、この特定のユーザ２２０のドメイン２２２に対して何らかの特定の保留メッセージがあるか否かを判断する。メッセージがある場合、特定のメッセージ２２６はＣＭＵクライアント・コンピュータ１０４上のリトリーバ８０８に戻される。
【００６０】
ＣＭＵメッセージ・プリフェッチャ８０６は、利用可能な帯域がある場合、ＣＭＵメッセージを取得する。メッセージを後で表示するためにキャッシュ８１２内に格納することができる。キャッシュ・クリーンアップ・エンジン８１４は、終了したキャンペーンをクリーンアップする。ＣＭＵトリガ設定エンジン８０４はユーザのコンテキスト（ＵＲＬ、日時／時刻など）を調査し、ローカルキャッシュ８１２に格納され、インコンテキスト・ルールと一致するメッセージを探してよい。一致したメッセージが見つかった場合、そのメッセージを表示エンジン８１０によって表示してよい。ハッシュ・テーブル・コントローラ８０２は、ハッシュ・テーブルの更新をチェックする。特定の実施形態において、例えばこのチェックを毎日行ってよい。
【００６１】
ユーザ選好８１６はユーザへの表示に対してＣＭＵを位置指定する選好と、ＣＭＵの表示に対する遅延時間の制御の選好とを含む。個人ＵＲＬ履歴ストア８１８は、クライアントのユーザが訪れたＵＲＬに関するファイルを保持する。特定の実施形態において、ＵＲＬ履歴ストア８１８はクライアント・マシン上に常駐して、ユーザのプライバシーを保護する。通信エンジン８２０は、ＣＭＵクライアント１１２とネットワーク１０２上の他のコンピュータとの間の通信を制御する。
【００６２】
図９は、ユーザのクライアント・コンピュータ１０４のビジュアル・ディスプレイ上に、ディスプレーヤ２１０によって提示された表示の代表的な例の概略図である。１実施形態において、クライアントは例えばポップアップ・ウィンドウ９００などの、クライアントが専用に作成した重なりウィンドウ（またはフレーム）内でメッセージを提示してよい。好ましい実施形態において、このフレームは、クライアント１０４上で動作するブラウザ・アプリケーション９０２（例えばマイクロソフト社のインターネット・エクスプローラ）とは別個に、クライアント上で動作するアプリケーション（例えばメッセージ・クライアント・システム）によって表示される。本発明の実施形態において、以下の属性の１つまたは複数を含んでよい。（１）ユーザによって再配置可能なメッセージ・ウィンドウ（例えば、ユーザがドラッグおよびドロップ手法によって、ブラウザのクライアント領域内の周辺に移動することができるメッセージ・ウィンドウ）、（２）上部右側コーナーに配置され得る、選択的にメッセージ・ウィンドウを閉じるためのクローズボックスまたはボタン９０４を有し得るメッセージ・ウィンドウ（例えば、マイクロソフト・ウィンドウズのアプリケーションのウィンドウの上部右側コーナーに配置されたもの）、（３）メッセージ、メッセージ・クライアント・システムおよび／またはユーザの選好に関する情報をユーザに提示するためのメッセージ・ウィンドウ（例えば、マイクロソフト・ウィンドウズのウィンドウ内に表示される「？」ボックス）、（４）ブランディング情報、（５）ユーザがブラウザのウィンドウをスクロール、サイズ変更または移動した際にメッセージ・ウィンドウがその相対位置を保持できるように、ブラウザのウィンドウのクライアント領域の原点に対するメッセージ・ウィンドウの位置のトラッキング、（６）ユーザが後で参照するために、提示されたメッセージの保存を可能とする保存制御特徴９０６、および／または（７）ネットワーク経由でメッセージを転送し、そのメッセージの画像部分をプリントする特徴。
【００６３】
オプションとして、特定のクライアント上に提示されたメッセージの行動をカスタマイズするために、１つまたは複数の選好がユーザにとって利用可能である。図示された例のように、メッセージのウィンドウが表示される位置と、ウェブページのロードの完了とメッセージの表示の間の遅延とに関する選好を設定することをユーザに許可してよい。別のオプションとして、ユーザがブラウザ・アプリケーション上に表示されたページで十分な時間を費やすならば、ページ毎に遅延時間を利用して複数のメッセージをユーザに循環させてもよい。
【００６４】
以下に、上述のような代表的な位置決め選好特徴を単に説明するための例を示す。ユーザはメッセージ・ウィンドウの位置をブラウザ・ウィンドウの上部左側コーナー、直接ブラウザ・ウィンドウ上、またはクライアント・コンピュータのビジュアル・ディスプレイの中央領域に表示するように構成することができる。以下に、上述のような提示遅延選好特徴を単に説明するための例を示す。ブラウザ・アプリケーションによってウェブページのロードが完了直後、ブラウザ・アプリケーションによってウェブページのロードが完了してから１．５秒後、および／またはウェブページがロードされてからユーザが設定した秒数の後のタイミングで、メッセージ・ウィンドウ内にメッセージが表示される。
【００６５】
新しいメッセージ・キャンペーンがネットワーク・メッセージ・システムに入力されると、それらのメッセージ・キャンペーンは発行するためのキューに入れられる。次いで、キューに入れられたメッセージ・キャンペーンは以下のように処理される。まず、各メッセージのＵＲＬトリガのドメインが取り出され、取り出されたドメインからドメイン・リストが作成される。次に作成されたドメインリストを用いて、クライアント・ハッシュ・テーブルを更新する。次いで、このトリガ情報はメッセージ・システム・サーバに送られ、メッセージに対するクライアントのリクエストに応答するためにメッセージ・システム・サーバによって使用される。それからルールファイル情報が取り出され、メッセージ・サーバ・システムに送られ、メッセージ・システム・サーバからメッセージ・コンテンツが取り出される。保留メッセージ／メッセージ・キャンペーンを公開するためのキューがクリアされるまでこの処理は繰り返される。
【００６６】
公開されたキャンペーンは、メッセージ・システム・サーバを経由してクライアント・マシンに配信される。メッセージ・システム・サーバは、ネットワーク・メッセージ・システムの全体に渡って以下の情報を配信してもよい。（１）クライアント・ハッシュ・テーブル、（２）ルールファイルリスト、（３）ルールファイル、メッセージに関連したコンテンツ。１実施形態において、公開処理が行われる毎にハッシュ・テーブルを更新してよい（例えば、新しいメッセージ／ドメインの組み合わせが付加されずに何も取り出されなければ、ハッシュ・テーブルを変更しないままにすることができる）。
【００６７】
クライアントからのリクエストに応じて、ルールファイルのリストはサーバによってネットワーク経由でクライアントに送信される。ユーザがブラウザ・アプリケーション経由で様々なドメインにナビゲートした場合、クライアント・マシンのユーザはクライアントからのリクエストをしてよい。リクエストの一部として、サーバに例えばユーザの現在のドメインやクライアント・マシンに既に常駐する（現在のドメインに対する）ルールファイルのリストなどの情報を提供してよい。
【００６８】
次に、サーバは現在のドメインで使用することができるメッセージを発見する。各メッセージのファイル名はファイルストア３０６に付加される。リストの各入力は、クライアントが入力に対してとるべきアクションを示すアクションコードを含む。これらのアクションは、例えば以下を含む。（１）付加、指定されたメッセージをクライアントのローカルキャッシュに付加する、（２）削除、クライアントのローカルキャッシュから指定されたメッセージを除去する、（３）更新、クライアントのキャッシュ内の指定されたメッセージを更新する。ルールファイルとメッセージに関連したコンテンツとを通常標準ウェブサービング手法を用いてクライアントに送達してよい。
【００６９】
図１０において、本発明の特定の実施形態における方法の代表的な例のフローチャートが示されている。フローチャートに示すように、ユーザに情報を表示する方法の例は、メッセージがクライアント上に第１のアプリケーションによって表示されることを示すイベントが発生したことを検出する段階（１００２）と、コンテンツ・サーバでリポジトリから第１のメッセージに対するコンテンツを取り出す段階（１００４）と、クライアントで収集され、分析された行動情報に基づいて、表示される１つまたは複数のメッセージの選択を開始する段階（１００６）と、選択したメッセージを表示する機会を窺って、クライアントにおけるアクティビティをモニタする段階（１００８）と、を含む。
【００７０】
様々な実施形態を以上に渡って説明したが、これらの実施形態は単に例示であり、それに限定するものではないことは理解されよう。それゆえ好ましい実施形態の外延と範囲は、如何なる上述の実施形態の例示にも限定されず、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ定義されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【００７１】
【図１Ａ】本発明の実施形態によるネットワーク・メッセージ送信システム用コンピュータネットワーク・フレームワークの概略図である。
【図１Ｂ】本発明の実施形態によるネットワーク・メッセージ・システムの例示の概略図である。
【図２】本発明の実施形態によるハードウェア環境の代表例の概略図である。
【図３】本発明の実施形態による連続式メッセージ送信ユニット（ＣＭＵ）サーバ・システムの実例の概略図である。
【図４】本発明の実施形態による表示ルールの代表的な例の概略図である。
【図５】本発明の実施形態によるハッシュ・テーブルの実例の概略図である。
【図６】本発明の実施形態によるキャンペーン・リストの実例の概略図である。
【図７】本発明の実施形態によるＣＭＵメッセージの代表的な例の概略図である。
【図８】本発明の実施形態によるＣＭＵクライアント・システムの代表的な例の概略図である。
【図９】本発明の実施形態による、ビジュアル・ディプレイ上に提示された表示の実例の概略図である。
【図１０】本発明の実施形態による、ユーザに情報を提示する方法のフローチャートである。
Claims (43)
- ユーザに情報を表示する方法であって、
メッセージがクライアント上の第１のアプリケーションによって表示されることを示すイベントの発生を検出する段階と、
コンテンツ・サーバでリポジトリから第１のメッセージに対するコンテンツを取り出す段階と、
前記クライアントで収集され、分析された行動情報に基づいて、表示する１つまたは複数のメッセージの選択を開始する段階と、
選択したメッセージを提示する機会を窺って、前記クライアントにおけるアクティビティをモニタする段階と、
を含む方法。 - メッセージがクライアント上の第１のアプリケーションによって提示されることを示すイベントの発生を検出する段階は、
前記第１のアプリケーションを利用して、１セットのルールのうち１つまたは複数のルールを満足させる情報を得るために、ネットワークと通信する前記クライアント上の第２のアプリケーションをモニタする段階を含み、
前記第２のアプリケーションは、前記ネットワークに接続されたサイトにアクセスするために、ユーザによって利用される、請求項１に記載の方法。 - コンテンツ・サーバでリポジトリから第１のメッセージに対するコンテンツを取り出す前記段階は、
前記第１のアプリケーションを利用して前記第２のアプリケーションから、前記１セットのルールのうち１つまたは複数のルールを満足させる情報を収集する段階と、
前記第１のアプリケーションを利用して、前記クライアント上に前記収集した情報の少なくとも一部を格納する段階と、
前記クライアント上に格納された前記収集した情報の前記一部に基づいて、前記第１のアプリケーションによって提示するためのコンテンツを前記ネットワーク経由で受け取る段階と、
を含む、請求項２に記載の方法。 - 選択したメッセージを提示する機会を窺ってモニタする前記段階は、
前記メッセージに対応するＨＴＭＬ画像を前記クライアントが表示した場合に、メッセージを提示する段階を含む、請求項１に記載の方法。 - メッセージを提示する前記段階は、ポップアップウィンドウ内にメッセージを提示する、請求項４に記載の方法。
- メッセージを提示する前記段階は、ユーザの指定した位置に前記メッセージを提示する、請求項４に記載の方法。
- メッセージを提示する前記段階は、初期設定位置に前記メッセージを提示する、請求項４に記載の方法。
- メッセージを提示する前記段階は、ＨＴＭＬバナーによって前記メッセージを提示する、請求項４に記載の方法。
- 前記提示するメッセージを保存する段階を更に含む、請求項４に記載の方法。
- 選択したメッセージを提示する機会を窺って、モニタする前記段階は、
前記クライアントが前記メッセージに対応するＨＴＭＬ画像を表示した場合と、
オリジナルメッセージがリクエストされたサーバのドメイン名が除外リストに存在しない場合と、
現在表示されているウェブページのドメインが、グローバル・ドメイン包含リストおよび個人ドメイン包含リストの少なくとも一方に含まれている場合と、
にメッセージを提示する段階を含む、請求項１に記載の方法。 - キャンペーンに対するコンテンツを入力する段階と、
前記キャンペーンを起動するための第１のセットのトリガルールを入力する段階であって、該第１のセットのトリガルールは少なくとも１つのルールを含む、第１のセットのトリガルールを入力する段階と、
キャンペーンの起動後、キャンペーンからのメッセージを表示するための第２のセットのトリガルールを入力する段階であって、該第２のセットのトリガルールは少なくとも１つのトリガルールを含む、第２のセットのトリガルールを入力する段階と、
前記キャンペーンをサーバに発行する段階と、
を含む方法。 - クライアント・コンピュータからリクエストを受け取る段階と、
前記リクエストに基づいて前記第１のセットのトリガルールの中から少なくとも１つのトリガが満足する場合、前記キャンペーンを起動する段階と、
を更に含む、請求項１１に記載の方法。 - 前記起動する段階は、前記クライアントにコンテンツおよび前記第２のセットのトリガルールを送信する段階を含む、請求項１２に記載の方法。
- 前記キャンペーンの満了日を入力する段階と、前記キャンペーンの起動時に前記クライアントに前記満了日を送信する段階とを更に含む、請求項１２に記載の方法。
- 前記第２のセットのトリガルールはドメインアドレスを含む、請求項１１に記載の方法。
- 前記第２のセットのトリガルールは、前記ドメインアドレスに関連した文字列を更に含む、請求項１５に記載の方法。
- メッセージがクライアント上の第１のアプリケーションによって表示されることを示すイベントの発生を検出する段階と、
コンテンツ・サーバでリポジトリから第１のメッセージに対するコンテンツを取り出すコードと
前記クライアントで収集、分析された行動情報に基づいて、表示する１つまたは複数のメッセージの選択を開始するコードと、
選択したメッセージを提示する機会を窺って、前記クライアントにおけるアクティビティをモニタするコードと、
を含むコンピュータ・プログラム・プロダクト。 - メッセージがクライアント上の第１のアプリケーションによって提示されることを示すイベントの発生を検出する前記コードは、
前記第１のアプリケーションを利用して、１セットのルールのうち１つまたは複数のルールを満足させる情報を得るために、前記クライアント上でネットワークと通信する第２のアプリケーションをモニタするコードを含み、
前記第２のアプリケーションは、前記ネットワークに接続されたサイトにアクセスするために、ユーザによって利用される、
請求項１７に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。 - コンテンツ・サーバでリポジトリから第１のメッセージに対するコンテンツを取り出す前記コードは、
前記第１のアプリケーションを利用して前期第２のアプリケーションから、前記１セットのルールのうち１つまたは複数のルールを満足させる情報を収集するコードと、
前記第１のアプリケーションを利用して、前記クライアント上に前記収集した情報の少なくとも一部を格納するコードと、
前記クライアント上に格納された前記収集した情報の前記一部に基づいて、前記第１のアプリケーションによって提示するためのコンテンツを前記ネットワーク経由で受け取るコードと、
を含む、請求項１８に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。 - 選択したメッセージを提示する機会を窺って、モニタする前記段階は、
前記クライアントが前記メッセージに対応するＨＴＭＬ画像を表示した場合に、メッセージを提示するコードを含む、請求項１７に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。 - メッセージを提示する前記コードは、ポップアップウィンドウ内にメッセージを提示するコードを含む、請求項２０に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
- メッセージを提示する前記コードは、ユーザの指定した位置に前記メッセージを提示するコードを含む、請求項２０に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
- メッセージを提示する前記コードは、初期設定位置に前記メッセージを提示するコードを含む、請求項２０に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
- メッセージを提示する前記コードは、ＨＴＭＬバナーによって前記メッセージを提示するコードを含む、請求項２０に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
- 前記提示されたメッセージを保存するコードを更に含む、請求項２０に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
- 選択したメッセージを提示する機会を窺って、モニタする前記コードは、
前記クライアントが前記メッセージに対応するＨＴＭＬ画像を表示した場合と、
オリジナルメッセージがリクエストされたサーバのドメイン名が除外リストに存在しない場合と、
現在表示されているウェブページのドメインが、グローバル・ドメイン包含リストおよび個人ドメイン包含リストの少なくとも一方に含まれている場合と、
にメッセージを提示するコードを含む、請求項１７に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。 - キャンペーンに対するコンテンツを入力するコードと、
前記キャンペーンを起動するための第１のセットのトリガルールを入力するコードであって、該第１のセットのトリガルールは少なくとも１つのルールを含む、第１のセットのトリガルールを入力するコードと、
キャンペーンの起動後、キャンペーンからメッセージを表示するための第２のセットのトリガルールを入力するコードであって、該第２のセットのトリガルールは少なくとも１つのトリガルールを含む、第２のセットのトリガルールを入力するコードと、
前記キャンペーンをサーバに公開するコードと、
を含むコンピュータ・プログラム・プロダクト。 - クライアント・コンピュータからリクエストを受け取るコードと、
前記リクエストに基づき、前記第１のセットのトリガルールの中から少なくとも１つのトリガが満足する場合に、前記キャンペーンを起動するコードと、
を更に含む、請求項２７に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。 - 起動する前記コードは、前記クライアントにコンテンツおよび前記第２のセットのトリガルールを送信するコードを含む、請求項２８に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
- 前記キャンペーンの満了日を入力するコードと、前記キャンペーンの起動時に前記クライアントに前記満了日を送信するコードとを更に含む、請求項２８に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
- 前記第２のセットのトリガルールはドメインアドレスを含む、請求項２７に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
- 前記第２のセットのトリガルールは、前記ドメインアドレスに関連した文字列を更に含む、請求項３１に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
- ユーザに情報を表示するシステムであって、
メッセージがクライアント上の第１のアプリケーションによって表示されることを示すイベントの発生を検出する手段と、
コンテンツ・サーバでリポジトリから第１のメッセージに対するコンテンツを取り出す手段と、
前記クライアントで収集、分析された行動情報に基づいて、表示する１つまたは複数のメッセージの選択を開始する手段と、
選択したメッセージを提示する機会を窺って、前記クライアントにおけるアクティビティをモニタする手段と、
を含むシステム。 - キャンペーンに対するコンテンツを入力する手段と、
前記キャンペーンを起動するための第１のセットのトリガルールを入力する手段であって、該第１のセットのトリガルールは少なくとも１つのルールを含む、第１のセットのトリガルールを入力する手段と、
キャンペーンの起動後、キャンペーンからメッセージを表示するための第２のセットのトリガルールを入力する手段であって、該第２のセットのトリガルールは少なくとも１つのトリガルールを含む、第２のセットのトリガルールを入力する手段と、
前記キャンペーンをサーバに公開する手段と、
を含むシステム。 - キャンペーンに対するコンテンツを入力する段階と、
キャンペーンの起動後、キャンペーンからメッセージを表示するための１セットのトリガルールを入力する段階であって、該１セットのトリガルールは少なくとも１つのトリガルールを含む、入力する段階と、
前記キャンペーンをサーバに発行する段階と、
を含む方法。 - 前記キャンペーンの満了日を入力する段階と、前記キャンペーンの起動時にクライアントに前記満了日を送信する段階とを更に含む、請求項３５に記載の方法。
- 前記１セットのトリガルールはドメインアドレスを含む、請求項３５に記載の方法。
- 前記１セットのトリガルールは、前記ドメインアドレスに関連した文字列を更に含む、請求項３５に記載の方法。
- キャンペーンに対するコンテンツを入力するコードと、
キャンペーンの起動後、キャンペーンからメッセージを表示するための１セットのトリガルールを入力するコードであって、該１セットのトリガルールは少なくとも１つのトリガルールを含む、入力するコードと、
前記キャンペーンをサーバに公開するコードと、
を含むコンピュータ・プログラム・プロダクト。 - 前記キャンペーンの満了日を入力するコードを更に含み、前記キャンペーンの起動時にクライアントに前記満了日を送信する、請求項３９に記載のコンピュータ・プログラム。
- 前記１セットのトリガルールはドメインアドレスを含む、請求項３９に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
- 前記１セットのトリガルールは、前記ドメインアドレスに関連した文字列を更に含む、請求項３９に記載のコンピュータ・プログラム・プロダクト。
- キャンペーンに対するコンテンツを入力する手段と、
キャンペーンの起動後、前記キャンペーンからメッセージを表示するための１セットのトリガルールを入力する手段であって、該１セットのトリガルールは少なくとも１つのルールを含む、入力する手段と、
前記キャンペーンをサーバに公開する手段と、
を含むシステム。
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