JP2004536032A - 再石灰化歯科用接着フィルム - Google Patents
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Abstract
本発明は、再石灰化による歯の局所処置のための歯科用接着フィルムに関する。該フィルムは、歯に接着する水溶性または水膨潤性の支持物質と、該物質中に貯蔵されている活性成分とからなる。フィルムは、貧水溶性であり、10〜300nm(ナノメートル)の間の平均粒度を有する、リン酸塩、フッ化物、フルオロリン酸塩およびこれらの混合物を含む群から、好ましくはヒドロキシルアパタイトおよび/またはフルオロアパタイトから選ばれる微粒子カルシウム塩を、活性成分として含有する。さらに支持物質は、好ましくはタンパク質成分を、好ましくは貧水溶性であるカルシウム塩とタンパク質成分とからなる微粒子複合物質の形態で含有する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯の表面または歯肉に一定の接着性を有し、水溶性または水膨潤性であり、再石灰化活性化合物として微分散の貧水溶性カルシウム塩が組み込まれている接着フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄剤、例えば練り歯磨きまたはマウスウォッシュは、歯の健康をケアおよび保持するために使用される。口内において比較的長い滞留時間を有する口内剤またはチューインガム調剤も、或る活性化合物を歯肉または歯の表面上に導入するために適している。最後に、歯肉または歯の表面に接着する接着フィルムを、う食または歯周炎に対する活性化合物と共に備え付けることは既に提案されている。
【0003】
虫歯の第1段階の1つとして、エナメル質の損傷および象牙質の開溝(「トムズピット(Tomes Pits)」)が観察され、これは、酸形成細菌の影響下での溶解プロセスにより生ずる。象牙質の溝が開くことは、例えば温度変化に過敏な歯頚により気づく。痛みの症状のみを、脱感作活性化合物を添加することにより制御する一方で、そのような歯表面の損傷の形成を防ぐことが、アパタイトの溶解を減少させる添加により、既に試みられている。近年、歯の再石灰化ケア組成物により存在する損害を減少させることも、既に提案されている。即ち、Chow および Brown (J. Dent. Res. 54, (1975年), 第65〜70頁) により、リン酸二カルシウム二水和物を、象牙質の再石灰化のために使用することが提案されている。US 4,097,588 は、Ca2HPO4・2H2Oで飽和されている再石灰化作用を有するマウスウォッシュを開示している。
【0004】
EP 0 165 454 B1 では、微分散形態(粒径4マイクロメーター未満)のヒドロキシアパタイトまたはフルオロアパタイトが、歯のケア組成物の成分として提案されている。
EP 0 381 193 A2 は、局所的活性化合物、例えばフッ化ナトリウムまたは硝酸カリウムも含有し得る、口の粘膜に適用するためのフィルムを開示している。
WO 95/33441 A1 は、イットリウム、セリウム、アルミニウムまたはジルコニウムの微分散(コロイド状)金属化合物を含有する、知覚過敏の歯の処置のためのリン酸塩無含有組成物を記載し、これはまた、口腔用接着パッチの形態で適用されることが予定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ本発明の目的は、再石灰化作用を有するカルシウム塩、特にリン酸塩、フッ化物、フルオロリン酸塩、およびまたヒドロキシアパタイトおよびフルオロアパタイトのための有効な適用形態を見出すことであった。これは、損傷したエナメル質の局所的再石灰化をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明に従い、歯に接着する水溶性または膨潤性の支持物質およびその中に組み込まれている活性化合物からなる、局所的な歯の再石灰化処置のための歯科用接着フィルムにより達成された。この含有されている活性化合物は、任意にヒドロキシルイオン、炭酸イオンまたは塩化物イオンも含み得る、リン酸塩、フッ化物、フルオロリン酸塩およびこれらの混合物から選ばれる貧水溶性の微分散カルシウム塩である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
支持フィルムは、この場合、水溶性または水膨潤性のあらゆる所望の固体軟質物質から構成され得る。適切な物質は、好ましくは水および/または水混和性溶媒で軟化される天然または合成ポリマーである。そのような物質の例は、例えば US 3,444,858 により、水およびグリセロールにより軟化されたゼラチンである。適切な支持物質のさらなる例は、WO 00/18365 A1 により、例えばプルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガカント、グアール、アカシアゴム(Akazien-Gum)、アラビアゴム、アミロース、ヒドロキシプロピルデンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、コラーゲン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、メチルメタクリレート/アクリル酸コポリマーおよびこれらの混合物である。本発明の好ましい実施態様において、含有されている支持物質は、植物性および微生物性ガム、ゼラチン、セルロースエーテル、アクリル酸またはメタクリル酸およびアクリル酸またはメタクリル酸エステルのコポリマー、ポリビニルアルコール、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン並びにこれらの混合物から選ばれる水溶性または水膨潤性の天然または合成ポリマー物質である。
【0008】
支持物質の組成物において特に重要なことは、活性化合物が、支持物から制御された方法で比較的長期間にわたり放出されること、即ち、支持物質は、口内において唾液の作用下であまりに急速に分解せず、またはあまりに急速に溶解せず、活性化合物は、それが歯または歯肉に作用する前に飲み込まれないことである。
【0009】
支持物質の崩壊または溶解を、様々な方法で遅らすことができ、これにより、活性化合物の放出が特に制御される。そのような手段は、例えば水溶性ポリマーの架橋、あまり水溶性ではないポリマーの添加、疎水性成分、例えばステアリン酸マグネシウムの添加、または WO 99/04764 A1 に提案されているような、タンニン酸またはタンニンで架橋されたタンパク質またはセルロースエーテルの使用である。
【0010】
適切な物質からの支持フィルムの調製は、既知の方法に従い、ポリマーまたはポリマー混合物溶液の調製、その中への活性化合物の溶解または分散、および非接着性基材(例えばシリコーンで被覆されている基材)上の薄層内におけるこの溶液または分散液の乾燥により行われる。溶媒の蒸発後、完成フィルムを、基材から分離し、所望により歯の適用のために適切な寸法に切断することができる。
【0011】
貧水溶性カルシウム塩とは、20℃での水中において0.1質量%(1g/L)未満でしか溶解しない塩を意味すると理解されるべきである。この種の適切な塩は、例えばカルシウムヒドロキシホスフェート(Ca5[OH(PO4)3])またはヒドロキシアパタイト、カルシウムフルオロホスフェート(Ca5[F(PO4)3])またはフルオロアパタイト、組成物Ca5(PO4)3(OH,F)およびフッ化カルシウム(CaF2)または蛍石(Fluorit または Flusspat)のフッ素ドープヒドロキシアパタイト、および他のリン酸カルシウム、例えばリン酸二カルシウム、リン酸三カルシウムまたはリン酸四カルシウム (Ca2P2O7、Ca3(PO4)2、Ca4P2O9)、オキシアパタイト(Ca10(PO4)6O)または不定比ヒドロキシアパタイト(Ca5-1/2(x+y)(PO4)3-x(HPO4)x(OH)1-y)である。
【0012】
適切な再石灰化活性化合物は、好ましくは微分散の貧水溶性カルシウム塩であり、これは、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイトおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる。なぜなら歯の材料(その修復が再石灰化の目的である)は、約95%のヒドロキシアパタイトから構成されているからである。
【0013】
わずかにだけ水溶性であるこれらのカルシウム塩は、10〜300nm(ナノメートル)の平均粒度を有することが特に有利であることが分かっている。ここで粒度とは、最大縦範囲の方向における粒子の直径を意味すると理解されるべきである。平均粒度は、体積平均値に関する。そのようなカルシウム塩を、例えば DE 198 58 662 A1 から知られている方法により、厚み5〜50nmおよび長さ10〜150nmを有する棒状の一次粒子の形態で調製することができる。
【0014】
エナメル質および骨の支持組織の生物学的形成プロセスにおいて、ヒドロキシアパタイトは、歯および骨内の、主としてコラーゲンから構成されるタンパク質マトリックス上に規則的に付着する。硬質で荷重可能な無機質構造の形成は、ここで「マトリックスタンパク質」により制御される。マトリックスタンパク質は、コラーゲン、およびコラーゲン上に付着するさらなるタンパク質から形成され、それにより制御された無機質化プロセス、「生体無機質化」をもたらす。
【0015】
タンパク質は、ナノ粒子の表面上に吸着され、ナノ粒子の凝固および凝集を妨げ、結晶成長を遅らせる保護コロイドとしても機能する。損傷した歯石の再石灰化においてでさえ、重要なことは、ゆるい結晶構造のみを形成し得る未制御の結晶成長が起こらないことである。逆に結晶成長は、保護コロイドとしてのタンパク質の結果により制御された方法で、きつく充分に固い結晶構造が形成され得るように、遅延化または進行されるべきである。
好ましい実施態様における本発明の歯科用接着フィルムは、タンパク質、タンパク質分解生成物、およびタンパク質またはタンパク質分解生成物の誘導体から選ばれるタンパク質成分をさらに含有する。
【0016】
ここで適切なタンパク質は、無関係に由来するあらゆるタンパク質であり、これらは動物性タンパク質および植物性タンパク質の両方である。適切な動物性タンパク質は、例えばコラーゲン、フィブロイン、エラスチン、ケラチン、アルブミンおよびカゼインである。適切な植物性タンパク質は、例えばコムギおよびコムギ麦芽タンパク質(グルテン)、コメタンパク質、大豆タンパク質、オートムギタンパク質、エンドウタンパク質、アーモンドタンパク質およびジャガイモタンパク質である。単細胞タンパク質、例えば酵母タンパク質または細菌タンパク質も適している。
【0017】
本発明にとって好ましいタンパク質は、動物性タンパク質、例えばコラーゲン、ケラチンおよびカゼインである。
さらなる好ましい実施態様にとってタンパク質はまた、植物起源または海洋性起源から由来し得る。
【0018】
タンパク質分解生成物とは、非水溶性タンパク質の加水分解、酸化分解または還元分解で、比較的低い分子量を有し、向上した水溶性を有するオリゴおよびポリペプチド構造を生じさせることにより得ることができる生成物を意味する。
非水溶性タンパク質の加水分解が、最も重要な分解法である。これを、酸、アルカリまたは酵素の触媒影響下で行うことができる。好適なタンパク質分解生成物は、特に、水溶性達成のために必要な場合を超えて分解されていないタンパク質である。
【0019】
わずかにのみ分解したタンパク質水解物は、例えば、本発明において好ましいゼラチンを含み、これは、15,000〜250,000Dの範囲の分子量を有し得る。ゼラチンは、主としてコラーゲンの酸性(コラーゲンタイプA)またはアルカリ性(コラーゲンタイプB)条件下における加水分解により得られるポリペプチドである。ゼラチンのゲル強度は、その分子量に比例する、即ち、より強度に加水分解されたゼラチンは、より少ない粘性の溶液を与える。ゼラチンのゲル強度は、ブルーム数(Bloom-Zahlen)で示される。ゼラチンの酵素開裂において、ポリマー寸法は大幅に低減され、非常に低いブルーム数につながる。
【0020】
タンパク質およびタンパク質分解生成物の誘導体とは、化学変性タンパク質またはタンパク質水解物を意味し、これらは、例えば遊離アミノ基のアシル化、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとヒドロキシル、アミノまたはカルボキシル基との付加、タンパク質、タンパク質分解生成物またはそれらのヒドロキシアルキル誘導体のヒドロキシル基の、例えばエポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドまたは3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを用いるアルキル化により得ることができる。
【0021】
特に好ましい実施態様において、タンパク質成分は、ゼラチン、カゼイン、これらの水解物、およびこれらの混合物から選ばれる。本発明の歯科用接着フィルムは、例えば支持物質として、例えば例えばゼラチンまたはコラーゲンのタンパク質成分から、主として構成され得る。しかしながら使用する支持物質が、別の物質、例えば植物性ゴム、単細胞バイオポリマー(キサンタンガム、プルラン)、セルロースまたはデンプンエーテル、ポリビニルピロリドン、またはセルロースエーテル、ポリ酢酸ビニルおよびポリアクリル酸の混合物である場合、タンパク質成分は、少なくとも1質量%、好ましくは1〜20質量%の量で好ましくは含有されているべきである。
【0022】
さらなる特に好ましい実施態様は、含有されている活性化合物が、貧水溶性カルシウム塩と、タンパク質、タンパク質分解生成物、およびタンパク質またはタンパク質分解生成物の誘導体から選ばれるタンパク質成分との複合物質であることにある。ここで複合物質とは、貧溶解性カルシウム塩とタンパク質成分とを含む接合物質を意味し、これは、微視的には不均一だが、巨視的には均一に見える凝集物であり、その中でカルシウム塩の一次粒子は、合同形態でタンパク質成分の構造上に存在する。そのような複合物質のタンパク質成分の割合は、複合物質の質量を基準に0.1〜60質量%の間、好ましくは1.0〜20質量%の間である。
【0023】
ヒドロキシアパタイトおよびコラーゲンからの複合物質の調製は、例えば R.Z. Wang らにより、J. Mater. Sci. Lett. 14 (1995年), 490 に記載されている。そこに存在するヒドロキシアパタイト粒子は、2〜10nmの粒度を有し、それゆえ非晶質または部分X線非晶質物質の範囲に属する。はっきりと認識できる結晶モルフォロジを有し、それゆえ粒度が10〜300nmの範囲にあるヒドロキシアパタイトナノ粒子が、好適である。同様に、10〜300nmの粒度を有する微分散の貧水溶性カルシウム塩が、微分散タンパク質、タンパク質水解物またはこれらの誘導体と共に、タンパク質構造の微分散カルシウム塩が凝集して、擬似空間を示すような空間構造を形成している複合物質が、より好適である。そのような好適なナノ粒状カルシウム塩およびタンパク質成分からなる複合物質は、特に有効な生体無機質化につながる。
【0024】
本発明にとって適切な複合物質を、水溶性カルシウム塩水溶液から水溶性リン酸塩および/またはフッ化物塩の水溶液を用いたタンパク質成分の存在下における沈殿により調製することができる。
これは、好ましくはタンパク質成分を、沈殿反応の前に、純粋、溶解またはコロイド状形態でアルカリ性リン酸塩および/またはフッ化物塩水溶液、またはカルシウム塩のアルカリ性溶液に混合するような方法で行われる。代りにタンパク質成分を、純粋、溶解またはコロイド状形態で導入し、次いであらゆる所望の順序で連続的に、または同時に、アルカリ性カルシウム塩溶液、およびまたアルカリ性リン酸塩および/またはフッ化物塩溶液を用いて処理することができる。
【0025】
製造プロセスにおける個々の成分の混合を、基本的にあらゆる可能な順序で行い得る。使用するアルカリ化剤は、好ましくはアンモニアである。この種のあらゆる沈殿反応における沈殿系のpHは、pH=5を超えるべきである。
製造プロセスのさらなる変法は、水溶性カルシウム塩の酸性溶液から、化学量論量の水溶性リン酸塩および/またはフッ化物塩と共に、または5未満のpHを有するヒドロキシアパタイトの酸性溶液から、好ましくは3未満のpHで、タンパク質成分の存在下において水性アルカリまたはアンモニアを使用してpHを5を超える値に上昇させることにより沈殿を行うことにある。
【0026】
さらなる変法は、純粋または分散形態のナノ粒状カルシウム塩、または水溶性カルシウム塩水溶液と水溶性リン酸塩および/またはフッ化物塩水溶液とからの沈殿反応により調製されたナノ粒状カルシウム塩の分散液を、タンパク質成分で処理することにある。好ましくは溶解または分散形態の後者において、添加の際にあらゆる所望の順序を選択することができる。
【0027】
好ましくは、タンパク質成分の溶液または分散液を導入し、ナノ粒状カルシウム塩の分散液を添加する。
アパタイトの沈殿を行う経過中のあらゆるプロセスにおいて、pHを5より上に維持することが推奨される。
【0028】
上記のあらゆる製造プロセスにおいて、得られる複合物質分散液を、所望により溶媒および反応混合物の他の成分から、当業者に既知の方法、例えば濾過、遠心分離により分離することができ、引き続きの乾燥、例えば凍結乾燥により無溶媒形態に単離することができる。
あらゆる製造プロセスにおいて使用する溶媒は、好ましくは水であるが、製造の各工程において有機溶媒、例えば1〜4個のC原子を有するアルコールまたはグリセロールも、使用することができる。
【0029】
本発明の特定の実施態様において、微分散カルシウム塩の一次粒子、または複合物質中に存在する微分散カルシウム塩の一次粒子を、1つまたはそれ以上の表面改質剤により被覆することができる。
それにより例えば、ナノ粒状カルシウム塩が分散困難である場合に、複合物質の製造を容易にすることができる。表面改質剤は、ナノ粒子の表面に吸着され、カルシウム塩の分散を向上させ、ナノ粒子の凝集を妨げるように改質させる。
【0030】
さらに複合物質の構造、およびタンパク質成分のナノ粒状カルシウム塩による装填は、表面改質により影響を受け得る。このようにして、再石灰化プロセスで複合物質を使用することにおいて、再石灰化の進行および速度に関係する影響をもたらすことができる。
表面改質剤とは、微分散粒子の表面に物理的に接着するが、これらと化学的に反応しない物質を意味すると理解されるべきである。表面上に吸着される表面改質剤の個々の分子は、本質的に、相互の分子間結合から自由である。表面改質剤は、特に分散剤を意味すると理解されるべきである。分散剤は、界面活性剤および保護コロイドの用語で当業者に知られている。適切な界面活性剤またはポリマー保護コロイドは、ドイツ特許出願 DE 198 58 662 A1 から推論し得る。
【0031】
カルシウム塩の一次粒子が表面改質されている本発明の複合物質を、上記と同様の沈殿法により製造することができるが、その場合、ナノ粒状カルシウム塩または複合物質の沈殿を、1種またはそれ以上の表面改質剤の存在下で行う。
好ましくは、表面改質ナノ粒状カルシウム塩を、まずカルシウム塩水溶液とリン酸塩および/またはフッ化物塩水溶液との表面改質剤存在下における沈殿反応により製造する。次いでこれらを、例えば減圧下での濃縮および引き続いての透析により、反応混合物の付随生成物から精製することができる。所望により溶媒をストリッピングすることによって、表面改質カルシウム塩と固体成分との分散物を、さらに調製することができる。次いで複合物質は、表面被覆カルシウム塩およびタンパク質成分から、純粋、溶解またはコロイド状形態のタンパク質成分の添加(この添加順序もまた、重要ではない)、所望により高温、好ましくは50〜100℃の範囲および1〜100分の時間での引き続きの反応により形成される。
【0032】
本発明の歯科用接着フィルムの調製のために、水または水性アルコール中におけるまだ液状の支持物質溶液は、活性化合物、即ち微分散の貧水溶性カルシウム塩、または好ましくは貧水溶性カルシウム塩とタンパク質成分との複合物質に添加される。このために、活性化合物を、無水および無溶媒粉末として、または代りに水性および水性アルコール性分散液として使用し得る。最後に、この場合に得られた分散液は、非接着基材上の薄膜内で乾燥される。ここで添加量は、活性化合物が、完成歯科用接着フィルム中にどれくらい含有されるべきかに依存する。本発明の好ましい実施態様において活性化合物は、即用の歯科用接着フィルム中に0.1〜10質量%の量で含有される。
【0033】
さらに、本発明に包含される再石灰化、微分散の貧水溶性カルシウム塩に、歯または歯肉の健康に有用であり、支持物質と適合性であるさらなる活性化合物を、含有させることができる。そのようなさらなる活性化合物は、例えば以下のものである:
・う食阻害フッ素化合物、例えばフッ化ナトリウム、フッ化スズまたはモノフルオロリン酸ナトリウム、
・歯石防止活性化合物、例えばオルガノホスフェート、例えば1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、ホスホノプロパン-1,2,3-トリカルボン酸(Na塩)、1-アザシクロヘプタン-2,2-ジホスホン酸(Na塩)、
・脱感作活性化合物、例えば硝酸カリウムまたはチョウジ油(オイゲノール)、
・創傷治癒および抗炎症物質、例えばアラントイン、尿素、アズレン、カモミレ活性化合物、チオシアネート、
・脱臭および抗菌物質、例えばクロルヘキシジン、ヘキセチジン(Hexetidin)、ブロモクロロフェン(Bromochlorophen)。
【0034】
感覚受容性を向上させるための助剤、例えば
・精油、例えばハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、アニス油、ウイキョウ油、キャラウェー油、果物アロマおよび合成精油、
・甘味料、例えばサッカリンナトリウム、アセスルファム-K(Acesulfam-K)、アスパルテーム(商標)、シクラミン酸ナトリウム、ステビオシド、タウマチン、スクロース、ラクトース、マルトース、フルクトースまたはグリシルリチン(Glycyrrhicin)、
・着色剤および顔料
も同様に含有させることができる。
【実施例】
【0035】
以下の実施例は、本発明の主題をより詳細に説明することを意図する。
1 . タンパク質溶液または分散液の調製
1 . 1 ゼラチンタイプA:
ゼラチンタイプA(豚皮の酸加水分解により得られるゼラチン)10gを、水100mlで処理し、マイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 2 ゼラチンタイプAおよびカゼイン:
ゼラチンタイプA 10gを、水100mlおよび20℃で飽和させたカゼイン溶液の上澄み液10mlで処理し、次いで5000rpmで遠心分離し、次いでマイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 3 ゼラチンタイプAの水解物:
ゼラチンタイプA 10gを、水100ml、およびゼラチン乾燥物を基準に0.005%の酵素乾燥物の使用濃度でアルカリ性プロテアーゼのサビナーゼ(Savinase)(製造業者: Novo Nordisk)を用いて処理した。20℃で20時間の攪拌後に、混合物をマイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 4 ゼラチンタイプAおよびカゼインの水解物:
ゼラチンタイプA 10gおよびカゼイン1gを、H2O 100mlで処理し、タンパク質成分の乾燥物を基準に0.005%の酵素乾燥物の使用濃度でアルカリ性プロテアーゼのサビナーゼ(製造業者: Novo Nordisk)を使用して、室温で一晩加水分解し、次いでマイクロ波で一回沸騰させ、その後に濾過した。
【0036】
1 . 5 ゼラチンタイプB:
ゼラチンタイプB(豚皮のアルカリ加水分解により得られるゼラチン)10gを、水100mlで処理し、マイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 6 ゼラチンタイプBおよびカゼイン:
ゼラチンタイプB 10gを、水100mlおよび20℃で飽和させたカゼイン溶液の上澄み液10mlで処理し、次いで5000rpmで遠心分離し、次いでマイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 7 ゼラチンタイプBの水解物:
ゼラチンタイプB 10gを、水100ml、およびゼラチン乾燥物を基準に0.005%の酵素乾燥物の使用濃度でアルカリ性プロテアーゼのサビナーゼ(製造業者: Novo Nordisk)を用いて処理した。20℃で20時間の攪拌後に、混合物をマイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 8 ゼラチンタイプBおよびカゼインの水解物:
ゼラチンタイプB 10gおよびカゼイン1gを、H2O 100mlで処理し、タンパク質成分の乾燥物を基準に0.005%の酵素乾燥物の使用濃度でアルカリ性プロテアーゼのサビナーゼ(製造業者: Novo Nordisk)を使用して、室温で一晩加水分解し、次いでマイクロ波で一回沸騰させ、その後に濾過した。
【0037】
2 . タンパク質成分の存在下での沈殿反応による複合物質の調製
2 . 1 ヒドロキシアパタイトおよびゼラチンタイプAからの複合物質:
塩化カルシウム2.21gを、完全脱イオン水137mlに溶解させ、温度を25℃で制御し、25質量%濃度のアンモニア水溶液を使用してpH=11に調節した。次いで実施例1.1により調製し、水浴で30〜40℃に加熱したタンパク質溶液20mlを、激しく攪拌しながら添加した。この後に、完全脱イオン水26ml中リン酸水素二アンモニウム1.58gの水溶液(25℃に温度制御され、アンモニア溶液を使用してpH=11に調節されている)を、1時間でゆっくりと滴下して加えた。この経過中に複合物質の沈殿が起こった。滴下時間の開示時のpHは10.4であり、pHを、引き続きのアンモニア溶液の添加により約10の値に維持した。20時間(25℃、攪拌)の反応時間後、水性懸濁液のpHは9.5に降下した。沈殿複合物質を、5000rpmで遠心分離し、完全脱イオン水を用いて約30〜40℃で洗浄し、凍結乾燥した。複合物質2.2gが得られた。この元素分析は炭素含有量2.3質量%を示した。これは、複合物質の総量を基準に、タンパク質物質の含有量5.6質量%に対応する。
2 . 2〜2 . 8 ヒドロキシアパタイトおよびさらなるタンパク質成分の複合物質:
実施例2.1に記載の方法に類似する方法で、複合物質が、ヒドロキシアパタイトおよび1.2〜1.8に記載するタンパク質成分から得られた。
【0038】
3 . 表面改質カルシウム塩分散液のタンパク質成分中への組込みによる複合物質の調製
3 . 1 ヒドロキシアパタイトおよびゼラチンブルーム (Gelatine Bloom) からの複合物質:
溶液AおよびBを、まず別々に調製した。
溶液A:硝酸カルシウム四水和物25.4gおよびリン酸水素二アンモニウム8.50gを、各場合に脱イオン水100mlに溶解させた。両方の溶液を一緒に混合して、白色沈殿を形成させた。37質量%濃度のHCl 10mlを添加した後、透明溶液が得られた。
溶液B:脱イオン水200ml、25質量%濃度のアンモニア水溶液200mlおよび Plantacare(商標) 1200 20gを一緒に混合し、氷浴で0℃に冷却した。
【0039】
溶液Aを、溶液Bに激しく攪拌しながら添加し、ヒドロキシアパタイト沈殿物を形成させた。過剰のアンモニアをストリッピングし、分散液を透析により精製した。次いで分散液を、分散液中の固形分がヒドロキシアパタイトとして計算して7.5質量%となるまで、分離する水の量を測定することにより、ロータリーエバポレーターで濃縮した。
この分散液を、実施例1.1と同様に調製した、10質量%濃度のゼラチンブルーム300(Gelatine Bloom 300)(製造業者: Fluka)水溶液100mlに室温で添加し、次いで80℃に加熱し、この温度で5分間攪拌した。次いで塊を凝固させ、室温で複合物質を形成させた。
【0040】
4 . 歯科用接着フィルムの調製
4 . 1 PVAc/HPCフィルム
以下の組成物のポリ酢酸ビニルおよびヒドロキシプロピルセルロースの水性アルコール性溶液中の複合物質分散液を、調製した:
ポリ酢酸ビニル(分子量172,000):5質量%
ヒドロキシプロピルセルロース:5質量%
水:9質量%
メタノール:80質量%
複合物質:1質量%。
分散液を、シリコーン被覆基材上の厚み2mmの層内に注ぎ、乾燥した。厚み約0.2mmのフィルムが得られ、これを1cm幅のテープに切断した。
【0041】
4 . 2 ゼラチンフィルム
ゼラチン水解物:10.0質量%
実施例3.1の複合物質:1.0質量%
エタノール:45.0質量%
水:35.0質量%
ガロイル没食子酸(Galloylgallussaeure):9.0質量%。
分散液を、シリコーン被覆基材上の厚み2mmの層内に注ぎ、乾燥した。厚み約0.2mmのフィルムが得られ、これを約1cm幅のテープに切断した。
【0001】
本発明は、歯の表面または歯肉に一定の接着性を有し、水溶性または水膨潤性であり、再石灰化活性化合物として微分散の貧水溶性カルシウム塩が組み込まれている接着フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄剤、例えば練り歯磨きまたはマウスウォッシュは、歯の健康をケアおよび保持するために使用される。口内において比較的長い滞留時間を有する口内剤またはチューインガム調剤も、或る活性化合物を歯肉または歯の表面上に導入するために適している。最後に、歯肉または歯の表面に接着する接着フィルムを、う食または歯周炎に対する活性化合物と共に備え付けることは既に提案されている。
【0003】
虫歯の第1段階の1つとして、エナメル質の損傷および象牙質の開溝(「トムズピット(Tomes Pits)」)が観察され、これは、酸形成細菌の影響下での溶解プロセスにより生ずる。象牙質の溝が開くことは、例えば温度変化に過敏な歯頚により気づく。痛みの症状のみを、脱感作活性化合物を添加することにより制御する一方で、そのような歯表面の損傷の形成を防ぐことが、アパタイトの溶解を減少させる添加により、既に試みられている。近年、歯の再石灰化ケア組成物により存在する損害を減少させることも、既に提案されている。即ち、Chow および Brown (J. Dent. Res. 54, (1975年), 第65〜70頁) により、リン酸二カルシウム二水和物を、象牙質の再石灰化のために使用することが提案されている。US 4,097,588 は、Ca2HPO4・2H2Oで飽和されている再石灰化作用を有するマウスウォッシュを開示している。
【0004】
EP 0 165 454 B1 では、微分散形態(粒径4マイクロメーター未満)のヒドロキシアパタイトまたはフルオロアパタイトが、歯のケア組成物の成分として提案されている。
EP 0 381 193 A2 は、局所的活性化合物、例えばフッ化ナトリウムまたは硝酸カリウムも含有し得る、口の粘膜に適用するためのフィルムを開示している。
WO 95/33441 A1 は、イットリウム、セリウム、アルミニウムまたはジルコニウムの微分散(コロイド状)金属化合物を含有する、知覚過敏の歯の処置のためのリン酸塩無含有組成物を記載し、これはまた、口腔用接着パッチの形態で適用されることが予定されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ本発明の目的は、再石灰化作用を有するカルシウム塩、特にリン酸塩、フッ化物、フルオロリン酸塩、およびまたヒドロキシアパタイトおよびフルオロアパタイトのための有効な適用形態を見出すことであった。これは、損傷したエナメル質の局所的再石灰化をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明に従い、歯に接着する水溶性または膨潤性の支持物質およびその中に組み込まれている活性化合物からなる、局所的な歯の再石灰化処置のための歯科用接着フィルムにより達成された。この含有されている活性化合物は、任意にヒドロキシルイオン、炭酸イオンまたは塩化物イオンも含み得る、リン酸塩、フッ化物、フルオロリン酸塩およびこれらの混合物から選ばれる貧水溶性の微分散カルシウム塩である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
支持フィルムは、この場合、水溶性または水膨潤性のあらゆる所望の固体軟質物質から構成され得る。適切な物質は、好ましくは水および/または水混和性溶媒で軟化される天然または合成ポリマーである。そのような物質の例は、例えば US 3,444,858 により、水およびグリセロールにより軟化されたゼラチンである。適切な支持物質のさらなる例は、WO 00/18365 A1 により、例えばプルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガカント、グアール、アカシアゴム(Akazien-Gum)、アラビアゴム、アミロース、ヒドロキシプロピルデンプン、デキストリン、ペクチン、キチン、キトサン、レバン、コラーゲン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、メチルメタクリレート/アクリル酸コポリマーおよびこれらの混合物である。本発明の好ましい実施態様において、含有されている支持物質は、植物性および微生物性ガム、ゼラチン、セルロースエーテル、アクリル酸またはメタクリル酸およびアクリル酸またはメタクリル酸エステルのコポリマー、ポリビニルアルコール、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン並びにこれらの混合物から選ばれる水溶性または水膨潤性の天然または合成ポリマー物質である。
【0008】
支持物質の組成物において特に重要なことは、活性化合物が、支持物から制御された方法で比較的長期間にわたり放出されること、即ち、支持物質は、口内において唾液の作用下であまりに急速に分解せず、またはあまりに急速に溶解せず、活性化合物は、それが歯または歯肉に作用する前に飲み込まれないことである。
【0009】
支持物質の崩壊または溶解を、様々な方法で遅らすことができ、これにより、活性化合物の放出が特に制御される。そのような手段は、例えば水溶性ポリマーの架橋、あまり水溶性ではないポリマーの添加、疎水性成分、例えばステアリン酸マグネシウムの添加、または WO 99/04764 A1 に提案されているような、タンニン酸またはタンニンで架橋されたタンパク質またはセルロースエーテルの使用である。
【0010】
適切な物質からの支持フィルムの調製は、既知の方法に従い、ポリマーまたはポリマー混合物溶液の調製、その中への活性化合物の溶解または分散、および非接着性基材(例えばシリコーンで被覆されている基材)上の薄層内におけるこの溶液または分散液の乾燥により行われる。溶媒の蒸発後、完成フィルムを、基材から分離し、所望により歯の適用のために適切な寸法に切断することができる。
【0011】
貧水溶性カルシウム塩とは、20℃での水中において0.1質量%(1g/L)未満でしか溶解しない塩を意味すると理解されるべきである。この種の適切な塩は、例えばカルシウムヒドロキシホスフェート(Ca5[OH(PO4)3])またはヒドロキシアパタイト、カルシウムフルオロホスフェート(Ca5[F(PO4)3])またはフルオロアパタイト、組成物Ca5(PO4)3(OH,F)およびフッ化カルシウム(CaF2)または蛍石(Fluorit または Flusspat)のフッ素ドープヒドロキシアパタイト、および他のリン酸カルシウム、例えばリン酸二カルシウム、リン酸三カルシウムまたはリン酸四カルシウム (Ca2P2O7、Ca3(PO4)2、Ca4P2O9)、オキシアパタイト(Ca10(PO4)6O)または不定比ヒドロキシアパタイト(Ca5-1/2(x+y)(PO4)3-x(HPO4)x(OH)1-y)である。
【0012】
適切な再石灰化活性化合物は、好ましくは微分散の貧水溶性カルシウム塩であり、これは、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイトおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる。なぜなら歯の材料(その修復が再石灰化の目的である)は、約95%のヒドロキシアパタイトから構成されているからである。
【0013】
わずかにだけ水溶性であるこれらのカルシウム塩は、10〜300nm(ナノメートル)の平均粒度を有することが特に有利であることが分かっている。ここで粒度とは、最大縦範囲の方向における粒子の直径を意味すると理解されるべきである。平均粒度は、体積平均値に関する。そのようなカルシウム塩を、例えば DE 198 58 662 A1 から知られている方法により、厚み5〜50nmおよび長さ10〜150nmを有する棒状の一次粒子の形態で調製することができる。
【0014】
エナメル質および骨の支持組織の生物学的形成プロセスにおいて、ヒドロキシアパタイトは、歯および骨内の、主としてコラーゲンから構成されるタンパク質マトリックス上に規則的に付着する。硬質で荷重可能な無機質構造の形成は、ここで「マトリックスタンパク質」により制御される。マトリックスタンパク質は、コラーゲン、およびコラーゲン上に付着するさらなるタンパク質から形成され、それにより制御された無機質化プロセス、「生体無機質化」をもたらす。
【0015】
タンパク質は、ナノ粒子の表面上に吸着され、ナノ粒子の凝固および凝集を妨げ、結晶成長を遅らせる保護コロイドとしても機能する。損傷した歯石の再石灰化においてでさえ、重要なことは、ゆるい結晶構造のみを形成し得る未制御の結晶成長が起こらないことである。逆に結晶成長は、保護コロイドとしてのタンパク質の結果により制御された方法で、きつく充分に固い結晶構造が形成され得るように、遅延化または進行されるべきである。
好ましい実施態様における本発明の歯科用接着フィルムは、タンパク質、タンパク質分解生成物、およびタンパク質またはタンパク質分解生成物の誘導体から選ばれるタンパク質成分をさらに含有する。
【0016】
ここで適切なタンパク質は、無関係に由来するあらゆるタンパク質であり、これらは動物性タンパク質および植物性タンパク質の両方である。適切な動物性タンパク質は、例えばコラーゲン、フィブロイン、エラスチン、ケラチン、アルブミンおよびカゼインである。適切な植物性タンパク質は、例えばコムギおよびコムギ麦芽タンパク質(グルテン)、コメタンパク質、大豆タンパク質、オートムギタンパク質、エンドウタンパク質、アーモンドタンパク質およびジャガイモタンパク質である。単細胞タンパク質、例えば酵母タンパク質または細菌タンパク質も適している。
【0017】
本発明にとって好ましいタンパク質は、動物性タンパク質、例えばコラーゲン、ケラチンおよびカゼインである。
さらなる好ましい実施態様にとってタンパク質はまた、植物起源または海洋性起源から由来し得る。
【0018】
タンパク質分解生成物とは、非水溶性タンパク質の加水分解、酸化分解または還元分解で、比較的低い分子量を有し、向上した水溶性を有するオリゴおよびポリペプチド構造を生じさせることにより得ることができる生成物を意味する。
非水溶性タンパク質の加水分解が、最も重要な分解法である。これを、酸、アルカリまたは酵素の触媒影響下で行うことができる。好適なタンパク質分解生成物は、特に、水溶性達成のために必要な場合を超えて分解されていないタンパク質である。
【0019】
わずかにのみ分解したタンパク質水解物は、例えば、本発明において好ましいゼラチンを含み、これは、15,000〜250,000Dの範囲の分子量を有し得る。ゼラチンは、主としてコラーゲンの酸性(コラーゲンタイプA)またはアルカリ性(コラーゲンタイプB)条件下における加水分解により得られるポリペプチドである。ゼラチンのゲル強度は、その分子量に比例する、即ち、より強度に加水分解されたゼラチンは、より少ない粘性の溶液を与える。ゼラチンのゲル強度は、ブルーム数(Bloom-Zahlen)で示される。ゼラチンの酵素開裂において、ポリマー寸法は大幅に低減され、非常に低いブルーム数につながる。
【0020】
タンパク質およびタンパク質分解生成物の誘導体とは、化学変性タンパク質またはタンパク質水解物を意味し、これらは、例えば遊離アミノ基のアシル化、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとヒドロキシル、アミノまたはカルボキシル基との付加、タンパク質、タンパク質分解生成物またはそれらのヒドロキシアルキル誘導体のヒドロキシル基の、例えばエポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドまたは3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドを用いるアルキル化により得ることができる。
【0021】
特に好ましい実施態様において、タンパク質成分は、ゼラチン、カゼイン、これらの水解物、およびこれらの混合物から選ばれる。本発明の歯科用接着フィルムは、例えば支持物質として、例えば例えばゼラチンまたはコラーゲンのタンパク質成分から、主として構成され得る。しかしながら使用する支持物質が、別の物質、例えば植物性ゴム、単細胞バイオポリマー(キサンタンガム、プルラン)、セルロースまたはデンプンエーテル、ポリビニルピロリドン、またはセルロースエーテル、ポリ酢酸ビニルおよびポリアクリル酸の混合物である場合、タンパク質成分は、少なくとも1質量%、好ましくは1〜20質量%の量で好ましくは含有されているべきである。
【0022】
さらなる特に好ましい実施態様は、含有されている活性化合物が、貧水溶性カルシウム塩と、タンパク質、タンパク質分解生成物、およびタンパク質またはタンパク質分解生成物の誘導体から選ばれるタンパク質成分との複合物質であることにある。ここで複合物質とは、貧溶解性カルシウム塩とタンパク質成分とを含む接合物質を意味し、これは、微視的には不均一だが、巨視的には均一に見える凝集物であり、その中でカルシウム塩の一次粒子は、合同形態でタンパク質成分の構造上に存在する。そのような複合物質のタンパク質成分の割合は、複合物質の質量を基準に0.1〜60質量%の間、好ましくは1.0〜20質量%の間である。
【0023】
ヒドロキシアパタイトおよびコラーゲンからの複合物質の調製は、例えば R.Z. Wang らにより、J. Mater. Sci. Lett. 14 (1995年), 490 に記載されている。そこに存在するヒドロキシアパタイト粒子は、2〜10nmの粒度を有し、それゆえ非晶質または部分X線非晶質物質の範囲に属する。はっきりと認識できる結晶モルフォロジを有し、それゆえ粒度が10〜300nmの範囲にあるヒドロキシアパタイトナノ粒子が、好適である。同様に、10〜300nmの粒度を有する微分散の貧水溶性カルシウム塩が、微分散タンパク質、タンパク質水解物またはこれらの誘導体と共に、タンパク質構造の微分散カルシウム塩が凝集して、擬似空間を示すような空間構造を形成している複合物質が、より好適である。そのような好適なナノ粒状カルシウム塩およびタンパク質成分からなる複合物質は、特に有効な生体無機質化につながる。
【0024】
本発明にとって適切な複合物質を、水溶性カルシウム塩水溶液から水溶性リン酸塩および/またはフッ化物塩の水溶液を用いたタンパク質成分の存在下における沈殿により調製することができる。
これは、好ましくはタンパク質成分を、沈殿反応の前に、純粋、溶解またはコロイド状形態でアルカリ性リン酸塩および/またはフッ化物塩水溶液、またはカルシウム塩のアルカリ性溶液に混合するような方法で行われる。代りにタンパク質成分を、純粋、溶解またはコロイド状形態で導入し、次いであらゆる所望の順序で連続的に、または同時に、アルカリ性カルシウム塩溶液、およびまたアルカリ性リン酸塩および/またはフッ化物塩溶液を用いて処理することができる。
【0025】
製造プロセスにおける個々の成分の混合を、基本的にあらゆる可能な順序で行い得る。使用するアルカリ化剤は、好ましくはアンモニアである。この種のあらゆる沈殿反応における沈殿系のpHは、pH=5を超えるべきである。
製造プロセスのさらなる変法は、水溶性カルシウム塩の酸性溶液から、化学量論量の水溶性リン酸塩および/またはフッ化物塩と共に、または5未満のpHを有するヒドロキシアパタイトの酸性溶液から、好ましくは3未満のpHで、タンパク質成分の存在下において水性アルカリまたはアンモニアを使用してpHを5を超える値に上昇させることにより沈殿を行うことにある。
【0026】
さらなる変法は、純粋または分散形態のナノ粒状カルシウム塩、または水溶性カルシウム塩水溶液と水溶性リン酸塩および/またはフッ化物塩水溶液とからの沈殿反応により調製されたナノ粒状カルシウム塩の分散液を、タンパク質成分で処理することにある。好ましくは溶解または分散形態の後者において、添加の際にあらゆる所望の順序を選択することができる。
【0027】
好ましくは、タンパク質成分の溶液または分散液を導入し、ナノ粒状カルシウム塩の分散液を添加する。
アパタイトの沈殿を行う経過中のあらゆるプロセスにおいて、pHを5より上に維持することが推奨される。
【0028】
上記のあらゆる製造プロセスにおいて、得られる複合物質分散液を、所望により溶媒および反応混合物の他の成分から、当業者に既知の方法、例えば濾過、遠心分離により分離することができ、引き続きの乾燥、例えば凍結乾燥により無溶媒形態に単離することができる。
あらゆる製造プロセスにおいて使用する溶媒は、好ましくは水であるが、製造の各工程において有機溶媒、例えば1〜4個のC原子を有するアルコールまたはグリセロールも、使用することができる。
【0029】
本発明の特定の実施態様において、微分散カルシウム塩の一次粒子、または複合物質中に存在する微分散カルシウム塩の一次粒子を、1つまたはそれ以上の表面改質剤により被覆することができる。
それにより例えば、ナノ粒状カルシウム塩が分散困難である場合に、複合物質の製造を容易にすることができる。表面改質剤は、ナノ粒子の表面に吸着され、カルシウム塩の分散を向上させ、ナノ粒子の凝集を妨げるように改質させる。
【0030】
さらに複合物質の構造、およびタンパク質成分のナノ粒状カルシウム塩による装填は、表面改質により影響を受け得る。このようにして、再石灰化プロセスで複合物質を使用することにおいて、再石灰化の進行および速度に関係する影響をもたらすことができる。
表面改質剤とは、微分散粒子の表面に物理的に接着するが、これらと化学的に反応しない物質を意味すると理解されるべきである。表面上に吸着される表面改質剤の個々の分子は、本質的に、相互の分子間結合から自由である。表面改質剤は、特に分散剤を意味すると理解されるべきである。分散剤は、界面活性剤および保護コロイドの用語で当業者に知られている。適切な界面活性剤またはポリマー保護コロイドは、ドイツ特許出願 DE 198 58 662 A1 から推論し得る。
【0031】
カルシウム塩の一次粒子が表面改質されている本発明の複合物質を、上記と同様の沈殿法により製造することができるが、その場合、ナノ粒状カルシウム塩または複合物質の沈殿を、1種またはそれ以上の表面改質剤の存在下で行う。
好ましくは、表面改質ナノ粒状カルシウム塩を、まずカルシウム塩水溶液とリン酸塩および/またはフッ化物塩水溶液との表面改質剤存在下における沈殿反応により製造する。次いでこれらを、例えば減圧下での濃縮および引き続いての透析により、反応混合物の付随生成物から精製することができる。所望により溶媒をストリッピングすることによって、表面改質カルシウム塩と固体成分との分散物を、さらに調製することができる。次いで複合物質は、表面被覆カルシウム塩およびタンパク質成分から、純粋、溶解またはコロイド状形態のタンパク質成分の添加(この添加順序もまた、重要ではない)、所望により高温、好ましくは50〜100℃の範囲および1〜100分の時間での引き続きの反応により形成される。
【0032】
本発明の歯科用接着フィルムの調製のために、水または水性アルコール中におけるまだ液状の支持物質溶液は、活性化合物、即ち微分散の貧水溶性カルシウム塩、または好ましくは貧水溶性カルシウム塩とタンパク質成分との複合物質に添加される。このために、活性化合物を、無水および無溶媒粉末として、または代りに水性および水性アルコール性分散液として使用し得る。最後に、この場合に得られた分散液は、非接着基材上の薄膜内で乾燥される。ここで添加量は、活性化合物が、完成歯科用接着フィルム中にどれくらい含有されるべきかに依存する。本発明の好ましい実施態様において活性化合物は、即用の歯科用接着フィルム中に0.1〜10質量%の量で含有される。
【0033】
さらに、本発明に包含される再石灰化、微分散の貧水溶性カルシウム塩に、歯または歯肉の健康に有用であり、支持物質と適合性であるさらなる活性化合物を、含有させることができる。そのようなさらなる活性化合物は、例えば以下のものである:
・う食阻害フッ素化合物、例えばフッ化ナトリウム、フッ化スズまたはモノフルオロリン酸ナトリウム、
・歯石防止活性化合物、例えばオルガノホスフェート、例えば1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、ホスホノプロパン-1,2,3-トリカルボン酸(Na塩)、1-アザシクロヘプタン-2,2-ジホスホン酸(Na塩)、
・脱感作活性化合物、例えば硝酸カリウムまたはチョウジ油(オイゲノール)、
・創傷治癒および抗炎症物質、例えばアラントイン、尿素、アズレン、カモミレ活性化合物、チオシアネート、
・脱臭および抗菌物質、例えばクロルヘキシジン、ヘキセチジン(Hexetidin)、ブロモクロロフェン(Bromochlorophen)。
【0034】
感覚受容性を向上させるための助剤、例えば
・精油、例えばハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、アニス油、ウイキョウ油、キャラウェー油、果物アロマおよび合成精油、
・甘味料、例えばサッカリンナトリウム、アセスルファム-K(Acesulfam-K)、アスパルテーム(商標)、シクラミン酸ナトリウム、ステビオシド、タウマチン、スクロース、ラクトース、マルトース、フルクトースまたはグリシルリチン(Glycyrrhicin)、
・着色剤および顔料
も同様に含有させることができる。
【実施例】
【0035】
以下の実施例は、本発明の主題をより詳細に説明することを意図する。
1 . タンパク質溶液または分散液の調製
1 . 1 ゼラチンタイプA:
ゼラチンタイプA(豚皮の酸加水分解により得られるゼラチン)10gを、水100mlで処理し、マイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 2 ゼラチンタイプAおよびカゼイン:
ゼラチンタイプA 10gを、水100mlおよび20℃で飽和させたカゼイン溶液の上澄み液10mlで処理し、次いで5000rpmで遠心分離し、次いでマイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 3 ゼラチンタイプAの水解物:
ゼラチンタイプA 10gを、水100ml、およびゼラチン乾燥物を基準に0.005%の酵素乾燥物の使用濃度でアルカリ性プロテアーゼのサビナーゼ(Savinase)(製造業者: Novo Nordisk)を用いて処理した。20℃で20時間の攪拌後に、混合物をマイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 4 ゼラチンタイプAおよびカゼインの水解物:
ゼラチンタイプA 10gおよびカゼイン1gを、H2O 100mlで処理し、タンパク質成分の乾燥物を基準に0.005%の酵素乾燥物の使用濃度でアルカリ性プロテアーゼのサビナーゼ(製造業者: Novo Nordisk)を使用して、室温で一晩加水分解し、次いでマイクロ波で一回沸騰させ、その後に濾過した。
【0036】
1 . 5 ゼラチンタイプB:
ゼラチンタイプB(豚皮のアルカリ加水分解により得られるゼラチン)10gを、水100mlで処理し、マイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 6 ゼラチンタイプBおよびカゼイン:
ゼラチンタイプB 10gを、水100mlおよび20℃で飽和させたカゼイン溶液の上澄み液10mlで処理し、次いで5000rpmで遠心分離し、次いでマイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 7 ゼラチンタイプBの水解物:
ゼラチンタイプB 10gを、水100ml、およびゼラチン乾燥物を基準に0.005%の酵素乾燥物の使用濃度でアルカリ性プロテアーゼのサビナーゼ(製造業者: Novo Nordisk)を用いて処理した。20℃で20時間の攪拌後に、混合物をマイクロ波により一回沸騰させた。
1 . 8 ゼラチンタイプBおよびカゼインの水解物:
ゼラチンタイプB 10gおよびカゼイン1gを、H2O 100mlで処理し、タンパク質成分の乾燥物を基準に0.005%の酵素乾燥物の使用濃度でアルカリ性プロテアーゼのサビナーゼ(製造業者: Novo Nordisk)を使用して、室温で一晩加水分解し、次いでマイクロ波で一回沸騰させ、その後に濾過した。
【0037】
2 . タンパク質成分の存在下での沈殿反応による複合物質の調製
2 . 1 ヒドロキシアパタイトおよびゼラチンタイプAからの複合物質:
塩化カルシウム2.21gを、完全脱イオン水137mlに溶解させ、温度を25℃で制御し、25質量%濃度のアンモニア水溶液を使用してpH=11に調節した。次いで実施例1.1により調製し、水浴で30〜40℃に加熱したタンパク質溶液20mlを、激しく攪拌しながら添加した。この後に、完全脱イオン水26ml中リン酸水素二アンモニウム1.58gの水溶液(25℃に温度制御され、アンモニア溶液を使用してpH=11に調節されている)を、1時間でゆっくりと滴下して加えた。この経過中に複合物質の沈殿が起こった。滴下時間の開示時のpHは10.4であり、pHを、引き続きのアンモニア溶液の添加により約10の値に維持した。20時間(25℃、攪拌)の反応時間後、水性懸濁液のpHは9.5に降下した。沈殿複合物質を、5000rpmで遠心分離し、完全脱イオン水を用いて約30〜40℃で洗浄し、凍結乾燥した。複合物質2.2gが得られた。この元素分析は炭素含有量2.3質量%を示した。これは、複合物質の総量を基準に、タンパク質物質の含有量5.6質量%に対応する。
2 . 2〜2 . 8 ヒドロキシアパタイトおよびさらなるタンパク質成分の複合物質:
実施例2.1に記載の方法に類似する方法で、複合物質が、ヒドロキシアパタイトおよび1.2〜1.8に記載するタンパク質成分から得られた。
【0038】
3 . 表面改質カルシウム塩分散液のタンパク質成分中への組込みによる複合物質の調製
3 . 1 ヒドロキシアパタイトおよびゼラチンブルーム (Gelatine Bloom) からの複合物質:
溶液AおよびBを、まず別々に調製した。
溶液A:硝酸カルシウム四水和物25.4gおよびリン酸水素二アンモニウム8.50gを、各場合に脱イオン水100mlに溶解させた。両方の溶液を一緒に混合して、白色沈殿を形成させた。37質量%濃度のHCl 10mlを添加した後、透明溶液が得られた。
溶液B:脱イオン水200ml、25質量%濃度のアンモニア水溶液200mlおよび Plantacare(商標) 1200 20gを一緒に混合し、氷浴で0℃に冷却した。
【0039】
溶液Aを、溶液Bに激しく攪拌しながら添加し、ヒドロキシアパタイト沈殿物を形成させた。過剰のアンモニアをストリッピングし、分散液を透析により精製した。次いで分散液を、分散液中の固形分がヒドロキシアパタイトとして計算して7.5質量%となるまで、分離する水の量を測定することにより、ロータリーエバポレーターで濃縮した。
この分散液を、実施例1.1と同様に調製した、10質量%濃度のゼラチンブルーム300(Gelatine Bloom 300)(製造業者: Fluka)水溶液100mlに室温で添加し、次いで80℃に加熱し、この温度で5分間攪拌した。次いで塊を凝固させ、室温で複合物質を形成させた。
【0040】
4 . 歯科用接着フィルムの調製
4 . 1 PVAc/HPCフィルム
以下の組成物のポリ酢酸ビニルおよびヒドロキシプロピルセルロースの水性アルコール性溶液中の複合物質分散液を、調製した:
ポリ酢酸ビニル(分子量172,000):5質量%
ヒドロキシプロピルセルロース:5質量%
水:9質量%
メタノール:80質量%
複合物質:1質量%。
分散液を、シリコーン被覆基材上の厚み2mmの層内に注ぎ、乾燥した。厚み約0.2mmのフィルムが得られ、これを1cm幅のテープに切断した。
【0041】
4 . 2 ゼラチンフィルム
ゼラチン水解物:10.0質量%
実施例3.1の複合物質:1.0質量%
エタノール:45.0質量%
水:35.0質量%
ガロイル没食子酸(Galloylgallussaeure):9.0質量%。
分散液を、シリコーン被覆基材上の厚み2mmの層内に注ぎ、乾燥した。厚み約0.2mmのフィルムが得られ、これを約1cm幅のテープに切断した。
Claims (8)
- 歯に接着する水溶性または膨潤性の支持物質およびその中に組み込まれている活性化合物からなる、局所的な歯の再石灰化処置のための歯科用接着フィルムであって、含有されている活性化合物が、任意にヒドロキシルイオン、炭酸イオンまたは塩化物イオンも含む、リン酸塩、フッ化物、フルオロリン酸塩およびこれらの混合物から選ばれる貧水溶性の微分散カルシウム塩であることを特徴とする歯科用接着フィルム。
- 貧水溶性の微分散カルシウム塩が、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイトおよびこれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の歯科用接着フィルム。
- 微分散カルシウム塩が、10〜300nm(ナノメートル)の平均粒度を有することを特徴とする請求項1または2に記載の歯科用接着フィルム。
- タンパク質、タンパク質分解生成物、およびタンパク質またはタンパク質分解生成物の誘導体から選ばれるタンパク質成分が、さらに含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の歯科用接着フィルム。
- 含有されている活性化合物が、貧水溶性カルシウム塩と、タンパク質、タンパク質分解生成物、およびタンパク質またはタンパク質分解生成物の誘導体から選ばれるタンパク質成分との複合物質であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の歯科用接着フィルム。
- タンパク質成分が、ゼラチン、カゼイン、これらの水解物およびこれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項4または5に記載の歯科用接着フィルム。
- タンパク質成分が、少なくとも0.1質量%、好ましくは1〜10質量%の量で含有されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の歯科用接着フィルム。
- 含有されている支持物質が、植物性および微生物性ガム、セルロースエーテル、アクリル酸またはメタクリル酸およびアクリル酸またはメタクリル酸エステルのコポリマー、ポリビニルアルコール、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン並びにこれらの混合物から選ばれる水溶性または水膨潤性の天然または合成ポリマー物質であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の歯科用接着フィルム。
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