JP2004535176A - 生物学的対象物を分離および単離するための小型装置ならびに使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、生物学的対象物を分離および単離するための小型装置、生物学的対象物を単離、分離、培養および/または分析するための該装置の使用、ならびに該装置を使用して生物学的対象物を分離および単離するための方法に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的対象物(biological objects)を分離および単離するための小型装置、この装置を使用して生物学的対象物を分離および単離するための方法、ならびにその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学、そして特にゲノミクスは、現在、その分析のためのデータを作成および処理する方式において革命を体験している。生物を配列決定するための主要なプロジェクトに起因してますます遺伝配列データが利用可能となっている一方、生物学、医学界および製薬工業における従事者は、大規模およびマルチパラメータ分析においてこれらのデータの全てを統合しようとしている。
【0003】
マイクロ技術(microtechnology)の世界、特にマイクロシステム(microsystems)の世界は、小型化、表面官能化(surface functionalization)、マイクロ流体工学(microfluidics)および大規模かつ低コストでの製造技術に関するその専門知識に起因して、この要求を満足させるための手段を有する。
【0004】
現在、これら2つの世界の融合によって、DNAチップという名称で公知のマルチパラメータ分析ツールがもたらされた。これらのツールは、生物学的高分子(蛋白質および主としてDNA)の分析に捧げられる。
【0005】
マイクロ技術を介して生物学的プロトコルをますますより小さな寸法と統合させている、広範囲の分野において、世界中に顕著な量の研究が存在する。
【0006】
例えば、マイクロタイトレーションプレート(microtitration plates)は、ロボット工学の進歩につれて、96ウェルの標準フォーマットから384次いで1536ウェルのフォーマットへ移った。これらのますます小型化されたマイクロ技術の使用によって、使用される試薬容量を減少させること、および従って分析の費用を減少させることが可能となる。
【0007】
DNAチップの特定の場合において、分析原理は、20μmのオーダーという、ますますより小さなピッチ(pitches)を有するX−Yアレイにおいて核酸プローブを配列する(order)ことを含む。
【0008】
同様に、生物学的サンプルを処理する工程は、サイズ減少に進む傾向にあり、DNAチップまたはそれらにおける重合連鎖反応(polymerization chain reactions)(PCR)と細胞溶解機能(cell lysis function)とのますます一般的な統合を伴う。
【0009】
従って、誘電泳動(dielectrophoresis)によって電子チップ(electronic chips)上に細胞を分離および固定する[好適な緩衝液中に懸濁された細胞が、それらの誘電性の関数として分離される]ことが、特に米国特許第6,071,394号において既に提案されている。しかし、この技術は、個別化分析(individualized analyses)のための単一の生物学的対象物を分離および単離することを可能にしない。
【0010】
使用される試薬の容量を減少させる現在の傾向の更なる結果は、固体表面上に固定された生物学的試薬上における被検体試験の使用であり、均質溶液を含むチューブ中での試験の使用を次第に止める。
【0011】
従って、種々の解決策が、種々の材料(例えば、ガラス、プラスチックまたは金属)上に問題の生物学的分子を固定するために提案されている。例えば、支持体上に核酸プローブを固定するための、3つの原理的アプローチが、現在、公知である:
− 核酸プローブに親和性を有するポリマーである、ポリ−L−リシンで覆われたガラス支持体の使用(Schena M. et al., Science, 1995, 270 (5235) 467-470)、
− 官能化シランで覆われたガラスの使用[この場合、核酸プローブは、相補的官能基を保有し、シランと共有結合を形成する](O'Donnell M. J. et al., Anal. Chem., 1997, 69, 2438-2443)、
− 例えば金で作製された、金属電極の使用[単純モノマーと核酸プローブを保有するモノマーとを共重合することを可能にする]。
【0012】
プロテオミクスの分野において同様に、ピロール官能基を保有する導電性ポリマー(ポリピロール類)によってペプチドを固定させることが、特に報告されている(Livache T. et al., Biosensors & Bioelectronics, 1998, 13, 629-634)。
【0013】
生存している生物学的対象物(例えば、細菌または真核細胞)を、以下の種々の技術によって固体支持体上に固定することもまた、可能である:
− 固定される細胞に特異的である抗体を、固体支持体にグラフトする(grafting)こと;実際に、分子生物学において一般的に使用される微生物(細菌、酵母)に対する抗体[例えば、Fitzgerald Industries International, Inc.社によって市販されている抗−E.coli 1434抗体、ならびにリンパ系高等真核細胞(lymphoid higher eukaryotic cells)の表面レセプター(CDレセプター)に対する抗体]が存在する、
− 特定の細胞タイプに特異的であるペプチドを支持体へグラフトすること(Holland J. et al., Biomaterials, 1996, 17, 2147-2156)、
− 細胞接着を可能にするポリマーによる、支持体の非特異的官能化(Aframian D. J. et al., Tissue Eng., 2000, 6 (3), 209-216)。
【0014】
これらの技術は、それらが、固定される生物学的対象物と支持体との間に特異的結合を形成させる限りにおいて有用であるが、それらは、これらが最終的に支持体上に個々に固定され得る前に、調製および単離の多数の工程を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明者らは、生物学的対象物を分離および単離するための新規の小型装置を提供し、多数のポイントを有するアレイアプローチを保持することを可能にする[ここで、各ポイントは、1つ且つたった1タイプまたはカテゴリーの生物学的対象物を含有するが、調製、分離または単離の前操作は回避または減少され得、従って、処理する生物学的対象物を扱いそしてピペッティングする(pipetting)ための多数の操作を有意に減少させる]という課題を自らに課した。
【課題を解決するための手段】
【0016】
従って、本発明は、該装置と一体化された少なくとも1つの第一電極を有し、反応マイクロキュベットのアレイ(各マイクロキュベットは、受入領域(reception zone)からなる底部(bottom)を有する)が備えられた構造からなる、生物学的対象物(biological objects)を分離および/または単離するための小型装置であって、該底部がホール(holes)を有さず、そして各マイクロキュベットの該底部の最大表面積が、単一の生物学的対象物(a single biological object)を単離するように規定され、該構造が、該第一電極と、該装置と一体化されたまたは該装置に対して外部にある少なくとも1つの第二電極との間で、電位差を生じさせるために、供給回路(supply circuit)へ接続されていることを特徴とする、小型装置に関する。
【0017】
この装置によって、今後は、固定される生物学的対象物のカップリング表面が受入領域を完全に覆う場合に、1マイクロキュベット当たり単一の生物学的対象物のみを固定することが可能となり、従って、各マイクロキュベットは、選択されそして固定された生物学的対象物の単一タイプのみを含有し、これは引き続いて集合的に処理され得る。
【0018】
本発明によれば、固定される生物学的対象物のカップリング領域(coupling zone)は、従って、受入領域の表面積と実質的に同一の表面積、または受入領域の表面積よりも大きな表面積を有する。
【0019】
本発明によれば、各マイクロキュベットの底部の最大表面積は、好ましくは、単離される生物学的対象物の最小表面積の2倍未満であるかまたはこれに等しい。本発明の好ましい実施形態において、該底部の表面積は、単離される生物学的対象物の最小表面積未満であるかまたはこれに等しい。
【0020】
より詳細には、この表面積は、一般的に、1μm2〜400μm2、特に1〜50μm2である。
【0021】
本発明によれば、各マイクロキュベットの底部の最大表面積は、好ましくは、単離される生物学的対象物の最小表面積未満である。
【0022】
本発明によれば、生物学的対象物は、その容器(container)およびその内容物(content)によって特徴付けられる。該容器は、該内容物を区画化することを可能にするエレメント(element)に対応する。該容器は、例えば、細菌細胞壁、ウイルスのエンベロープ、細胞膜、脂質二重層、ミセル、内在蛋白質によって横切られたリン脂質二重層などであり得る。該内容物は、該容器によって構成される区画(compartment)中に隔離された生物学的材料に対応する。該内容物は、例えば、核酸、蛋白質、リボソーム、膜小胞(membrane vesicles)、またはその複合混合物(complex mixture)に対応し得る。
【0023】
挙げられ得る生物学的対象物の例は、任意の細胞、健康なまたはそうでない、原核または真核に関わらず、ウイルス、リポソームなどである。
【0024】
挙げられ得る細胞の例は、細菌、酵母、真菌、微小藻類(microalgae)、ならびに野菜、動物およびヒト起源の細胞である。
【0025】
挙げられ得るウイルスの例は、HIVウイルス、バクテリオファージなどである。
【0026】
本発明に従う装置は、有利には、受入領域(これは、実際に、捕捉領域(trap zone)を構成する)上に問題の単一の生物学的対象物を固定することによって、または問題の既に固定された生物学的対象物から誘導される1以上の要素(elements)[これらの誘導体は、生物学的対象物の可能な溶解、それらの局所化PCR処理、または他の生物学的、化学的もしくは電気的処理に由来する産物を含む]を引き続いて固定することによって、細胞分析の分野において使用され得る。これらの誘導体が核酸に対応する場合、DNAチップが語られ、そしてこれらの誘導体が蛋白質である場合、蛋白質チップが語られる。
【0027】
反応マイクロキュベットのアレイ(array of reaction microcuvettes)は、絶縁材料の1またはそれ以上の層および/または生体適合性プラスチックの付属グリッド(attached grid)によって少なくとも部分的に載せられ(surmounted)て、マイクロリザーバのアレイを形成し得、各マイクロリザーバは少なくとも1つのマイクロキュベットを含む。これらのマイクロリザーバは、例えば、絶縁材料の層のリソグラフィーによって作製され得る。
【0028】
絶縁材料は、例えば、絶縁ポリマー(例えば、ポリイミド類および樹脂類(例えば、SU−8樹脂))から選択され得る。
【0029】
マイクロリザーバのサイズは、最小容量で該単一の単離された生物学的対象物を処理するように規定される。これらのマイクロリザーバは、一般的に、5〜500μm、そして好ましくは5〜100μmの幅および/または長さを有する。
【0030】
本発明の特定の実施形態によれば、該小型装置は、導電層(conductive layers)(電極)と絶縁材料の層との交互を含み得る。
【0031】
本発明の1実施形態によれば、該装置と一体化された第一電極の1つの面は、マイクロキュベットの底部を構成し得る。
【0032】
本発明の別の実施形態によれば、該装置のマイクロキュベットの底部は、ガラス、プラスチックまたはシリコンの層によって構成されている。
【0033】
本発明に従う装置が一体化された第二電極を含む場合、後者は、絶縁材料の第一層上に配置され(deposited)ており、そしてマイクロキュベットの底部から隔離された面にある。
【0034】
本発明に従う装置が外部第二電極(external second electrode)を含む場合、後者は、好ましくは絶縁材料の1以上の層からなる、キャップ(cap)またはフタ(lid)に固定され得る。
【0035】
本発明に従う装置の一体化部(integral part)を形成する代わりに、絶縁材料の層の1つは、従って、該装置を少なくとも部分的に覆いそして必要に応じて少なくとも1つの電極を含む、取り外し可能な付属ピース(attached piece)(マスク、キャップ、フタ)の形態であり得る。
【0036】
本発明に従う装置はまた、該装置と一体化された少なくとも1つの第三電極を有し得、絶縁材料の第二層が、該第二電極と該第三電極との間に挿入される。この場合、そして本発明の改変型によれば、該装置は、互いに絶縁された複数の該第二および/または第三電極を含み得る。
【0037】
本発明に従う装置または、前記電極の少なくともいくつかに多重化するための集積回路(an integrated circuit for multiplexing)を備え得る。
【0038】
この装置と一体化された多重化回路(the multiplex circuit integrated with this device)は、異なる機能[:同一装置内での種々の試薬の固定、受入領域の隔離された加熱、局所pH測定、電気シグナルの読み取りなど]について使用され得る。
【0039】
本発明に従う装置において、絶縁材料の第一および/または第二層の1つ、ならびに/あるいは第二および/または第三電極の1つの少なくとも1つのエッジが、マイクロリザーバのエッジの少なくとも一部を構成し得る。
【0040】
本発明によれば、第一、第二および第三電極、ならびに外部電極は、少なくとも1つの金属層(例えばクロム、金もしくは白金)からなる。
【0041】
これらの金属層は、一般的に、0.1〜10μmの厚みを有する。
【0042】
本発明の1実施形態によれば、単離される生物学的対象物を固定し得る試薬が、反応マイクロキュベットの受入領域の少なくとも一部上に固定される。
【0043】
生物学的対象物を固定するために使用される試薬の性質は、固定される該対象物の性質およびマイクロキュベットの底部の性質の関数として変化し得る。
【0044】
詳細には、マイクロキュベットの底部が上述の電極からなる場合、使用される試薬は、好ましくは、固定される生物学的対象物のタイプに特異的な、蛋白質、ペプチドまたは任意の分子(例えば、抗体、レセプター、糖蛋白、レシチン、細胞接着分子(CAM)、ラミニン、フィブロネクチン、インテグリン、糖など)がその上に固定される、導電性コポリマー(例えば、ポリピロール類)から選択される。
【0045】
導電性コポリマー(conductive copolymers)は、例えば、国際出願WO 94/22889に記載されている。
【0046】
ピロール類が、本発明によれば、特に好ましい。
【0047】
導電性コポリマーのモノマー上に固定される特異的分子は、特に、プロテインA、プロテインG、フィブロネクチンから、そしてより一般的には、細胞接着蛋白質および表面レセプターに対して標的化される抗体から選択され得る。
【0048】
導電性コポリマーのモノマー上に、そして特にピロールモノマー上にこれらの分子を固定することは、種々の技術に従って行われ得る:
− 該特異的分子を導電性ポリマーのモノマー上に直接的に固定する[この場合、該モノマーは、使用される該分子の第一級アミン官能基と反応し得る−NHSまたはアルデヒド官能基のキャリアである]、
− または、該特異的分子を、連続的ストレプトアビジン−ビオチン−特異的分子化学的スタック(chemical stack)によって、ビオチン官能基を保有する導電性ポリマーのモノマー上に間接的に固定する。この化学的スタックを作製するために、ビオチン官能基を保有する導電性ポリマーのモノマーを共重合させ、次いでストレプトアビジンで次にビオチンへ結合された特異的分子で該装置を処理するように、本発明に従う装置を集合的に処理し、ピロール−ビオチン−ストレプトアビジン−ビオチン−特異的分子コポリマーを得る。
【0049】
第1実施形態において、直接的相互作用を可能にするために、生物学的対象物を固定するために使用される試薬は、後者に特異的であり得る:マイクロキュベット−生物学的対象物の試薬。
【0050】
第2実施形態において、使用される試薬は、生物学的対象物に特異的でない。従って、後者は、官能化される必要がある。
【0051】
このために、固定される生物学的対象物は、例えば、使用される試薬と反応し得る特異的抗体で予め官能化され得る。この場合、導電性ポリマーによって捕捉領域(trap zone)上にのみ固定されたプロテインAまたはGが、固定化される該対象物上に予め固定された抗体のFcフラグメントを認識する。
【0052】
導電性ポリマーのモノマー上に固定され得るペプチドの中でも、特に、固定される生物学的対象物の膜表面レセプターに特異的な結合ペプチド[例えば、アルギニン−グリシン−アスパルテート(RGD)配列を含有しそしてインテグリン(真核細胞の表面上の細胞接着蛋白質)について親和性を有するペプチド]が、言及され得る。
【0053】
マイクロキュベットの底部がガラス、プラスチックまたはシリコンの層からなる場合、使用される試薬は、好ましくは以下である:
− 固定される対象物のタイプに特異的でないポリマー、例えば、ポリ−L−リシンまたはフィブロネクチン;該ポリマーは、受入領域上に局所的に配置される[剥離技術(lift-off technique):写真画像化可能な(photoimageable)樹脂の配置、局在化露光次いで該樹脂上における該ポリマーの堆積、次いで該樹脂の脱ブロッキング(deblocking)]、
− 蛋白質またはペプチド;この場合、該蛋白質およびペプチドは、該試薬がその上に固定される、−NHSまたはアルデヒド官能基で修飾されたシランの層で覆われている、該ガラス、プラスチックまたはシリコンの層へ固定され;この場合に使用される蛋白質およびペプチドは、上述のものと同一の性質である。
【0054】
本発明の第2実施形態によれば、反応マイクロキュベットの受入領域は、単離されるように意図される生物学的対象物を固定し得る試薬を含まない。
【0055】
この場合、生物学的対象物の固定は、電場によって、直接行われる。
【0056】
この実施形態は、単離される生物学的対象物を固定し得る試薬での本発明に従う装置の事前の官能化を回避するので、特に有利である。この実施形態は、細菌を単離および固定することに、より特に、非常に好適である。
【0057】
上述のように、本発明に従う装置は、複数の第一および/または第二および/または第三電極を含み得る。これらの電極は、マイクロキュベットにおいて生じた反応に応答しての電気シグナルを読み取ることを可能にするために、マイクロリザーバごとに独立していてもよく、あるいは全てのマイクロキュベットにおいて同一の処理(例えば、生物学的対象物の溶解のための電場または共重合のための電場の適用)を可能とするために、互いに接続されていてもよい。
【0058】
電極の種々のレベルは、生物学的対象物の特異的固定を許容し得、次いで、一旦該対象物がマイクロキュベットに固定されると、次いで、これらの対象物の溶解(例えば、生物学的細胞が含まれる場合)、次いでヌクレオチド増幅由来の核酸プローブの電解共重合(electrical copolymerization)による固定が、直接各マイクロリザーバにおいて行われ、大量に核酸プローブを保有するマイクロリザーバを得る。
【0059】
本発明に従う装置が集積多重回路(integrated multiplex circuit)を備える場合、所定の装置のマイクロキュベットに種々の試薬を固定し、そして各マイクロリザーバの電極によって発生される全シグナルを処理するためのアレンジをすることが可能である。
【0060】
従って、集積多重回路が備えられている場合、本発明に従う装置は、種々の試薬を含有するマイクロキュベットを含んで、単一の装置上に種々のタイプの生物学的対象物を固定することを可能にし得る。
【0061】
集積多重回路と関連される電極の存在はまた、マイクロキュベットまたはマイクロリザーバのレベルでの電気的検出を可能にし、この検出は、例えば、化学的または物理的攻撃に応答しての分子の放出または生物学的対象物の電気的挙動のモニタリングと関連する。
【0062】
本発明に従う小型装置は、クロージング手段(closing means)(例えば、キャップまたは透明フィルム)が備えられ得、全てのマイクロリザーバを個々にまたは集合的に閉鎖することを可能にする。
【0063】
本発明に従う小型装置の他の特徴は、添付の図1〜9において明らかとなるであろう。
【0064】
当然ながら、これらの図に例示される装置は本発明の特定の実施形態に対応し、そして決してその限定を構成しないことが理解されるべきである。
【0065】
このような装置を製造するための方法は、公知であり、そして例えば特許出願FR-A-2 781 886に記載されている。
【0066】
本発明はまた、生物学的対象物の単離、分離、培養および/または分析のための、本発明に従う小型装置の少なくとも1つの使用に関する。
【0067】
例として、本発明に従う小型装置、そして特に図2によって示されるタイプの装置は、1マイクロキュベット当たり1つの単一の生物学的対象物(例えば、生物学的細胞)を固定するために使用され得、該細胞は、引き続いて、連続的細胞分裂によって該細胞を増殖させるために、直接該装置において培養される。各マイクロリザーバ中に均質な細胞集団を有する装置が、このようにして得られる。細胞分裂によって産生された娘細胞は、引き続いて回収され得、一方、母細胞はマイクロキュベットの底部上に固定されたままである。
【0068】
従って、本発明に従う装置は、娘細胞(従って、これは、分裂し得る細胞株にのみ対応する)を回収することを可能にする。この使用は、それが、細菌培養物の死滅した細胞(これは、プラスミドによって形質転換されそして抗生物質によって処理されている)を除去することを可能にする限りにおいて、有益である。
【0069】
本発明に従う装置はまた、1マイクロキュベット当たり1細胞の割合で、配列されたアレイに種々の細胞を固定化し、次いで分析するように意図されるマクロ分子を抽出することによって、細胞の異種パネル(heterogeneous panel)の内容物を分析するための手段として使用され得る。この範囲において、以下が可能である:
− 固定化される細胞の各タイプに特異的な種々の試薬を固定するために、複数の独立した第一電極を備える装置(例えば、図4および5の装置)を使用すること、
− あるいは、その底部が化学カップリング官能基を保有するガラス層からなるマイクロキュベットを有する図9のもののような装置、または図1および3によって示されるもののような装置を使用して、そして固定化される細胞の各タイプの関数として特異的な試薬を局所的にピペッティングする(pipette)こと。
【0070】
引き続いて、細胞の固定化が、例えば、細胞の異種培養物(a heterogeneous culture of cells)中への該装置の浸漬によって、または均質細胞の種々の培養物(various cultures of homogeneous cells)中への連続的浸漬によって行われ、細胞の各タイプに特異的な試薬の存在は、細胞のアレイを配列する(order)ことを可能にする。
【0071】
これらの細胞を固定化するために使用される全ての装置中に存在する第二電極は、集合的にプレ官能化(pre-functionalized)され得るか(例えば、細胞の各タイプ由来の蛋白質の1タイプを抽出するために、特異的抗体によって)、あるいは、より一般的には、それらは、例えばPCR反応に続いて、細胞由来の産物を電気化学的に固定するために使用され得る。
【0072】
図4および5に示される装置はまた、細胞に対する化学的または生物学的試薬の高スループットスクリーニング(high throughput screening)(HTS)を行うために使用され得る。この場合、複数の独立した第一電極は、マイクロリザーバ中の細胞に対する化学的または生物学的試薬の作用に応答して、個別化電気測定(individualized electrical measurement)を可能にする。
【0073】
これらのHTSスクリーニングは、培養物中の動物細胞において行われ得、そしてこの場合、マイクロキュベットの底部の表面積は、試験される細胞の最小セクション(即ち、慣用的な動物細胞について約100μm2)に等しいかまたはこれより小さい。
【0074】
更に、本発明に従う装置は、細胞の一時的なエレクトロポレーションを行うために使用され得る。
【0075】
本発明はまた、生物学的対象物を分離および/または単離するための方法であって、以下:
−第一工程において、上記に定義される小型装置の少なくとも1つを生物学的対象物の均質化溶液(特に、生物学的細胞の培養溶液)と接触させて、1マイクロキュベット当たり多くとも1つの生物学的対象物の割合で、該対象物を受入領域上のマイクロキュベットの底部に固定させることを可能にすること、
−次いで、第二工程において、固定されていない生物学的対象物を洗浄して、該単離される対象物がその上に固定化されている小型装置を得ること、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0076】
このようにして該装置上において単離および固定された生物学的対象物は、次いで、上述の技術に従って、例えば有効成分の効果下でのそれらの電気的特性の変化を測定することによって、研究され得る。
【0077】
この方法に従って使用される小型装置が多重回路(multiplex circuit)を有する場合、個別化電気測定(individualized electrical measurements)を各マイクロキュベットにおいて行うことが可能である。
【0078】
本発明に従う方法の第一実施形態によれば、生物学的対象物の固定は、電場によって行われる。この場合、該装置と一体化された第一電極がマイクロキュベットの底部を構成する装置が、好ましく使用される。
【0079】
本発明に従う方法の第二実施形態によれば、生物学的対象物の固定は、反応マイクロキュベットの底部の少なくとも一部上に固定された試薬によって行われる。この場合、マイクロキュベットの底部は、同様に第一電極によって、またはガラス、プラスチックもしくはシリコンの層によって構成され得る。
【0080】
本発明に従う方法は、必要に応じて、第三工程を含み得、この間に、マイクロキュベットの底部に固定された該対象物を、特に生物学的細胞が含まれる場合に、溶解させて、それらが含有する遺伝材料を、それらが固定されているマイクロキュベットに対応するマイクロリザーバへ放出させる。
【0081】
該固定された対象物の溶解は、電気ショック、熱ショックまたは音波処理(sonication)によって行われ得る。
【0082】
このようにして放出された遺伝材料(genetic material)は、次いで、第四工程において、PCR反応に必要な種々の試薬[これらの試薬は、特に、ピロール基によって官能化された少なくとも1つのプライマーを含む]を該マイクロキュベットへ導入することによって、PCRを使用して、集合的に増幅され得る。このようにして得られた増幅された配列は、次いで、第五工程の間、電解重合(electropolymerization)によって電極上に集合的に固定される。
【0083】
この方法の1つの特定の実施形態によれば、第三および第四工程は、同時に行われ得る。
【0084】
本発明のなお別の特定の実施形態によれば、そして図1および3によって示されるもののような装置または図9によって示されるもののような装置が使用される場合、所定の標的の蛋白質またはヌクレオチドリガンドを見出すためのスクリーニングツールとして、これらの装置を使用することが可能である。
【0085】
蛋白質リガンドを見出そうとする場合、初期細胞培養物は、細胞発現バンク(cell expression bank)であり、そして該バンクの細胞の固定化は、上述のように行われる。
【0086】
この改変型に従って使用される装置は、電極上において、該標的によって予め官能化される。該標的は、分子(例えば、ペプチド、蛋白質、ヌクレオチド配列、ぺプチドグリカン、糖または任意の他の化学分子)であり得る。この標的はまた、ピロール基によって官能化され得、そして従って電解重合によって電極上に固定される。
【0087】
各マイクロキュベットにおいて、組換え蛋白質が、固定化された細胞によって発現されそして、該細胞の溶解または分泌によって、該細胞から放出される。各細胞内でのこの発現の間、標識化された蛋白質前駆体(例えば、S35−メチオニン)を混合して、その結果、このようにして発現された蛋白質自体を標識することが可能である。
【0088】
該標的との親和性を示す蛋白質は、該標的で官能化された電極上に特異的に固定される。該蛋白質がそれらの発現の間に標識されると、次いでそれらの検出が行われ得る。そうでなければ、蛋白質/リガンド相互作用の検出は、例えば標識された抗−ユニバーサル−エピトープ抗体(anti-universal-epitope antibody)を反応させることを含む、更なる工程に従って行われる必要があり、そしてこの場合、このユニバーサルエピトープを含む該組換え蛋白質の全てを発現する発現バンク(expression bank)を使用することが必要である。
【0089】
従って、陽性ウェルは、該標的の潜在的蛋白質リガンドを含有する。このリガンドの親和性のレベルは、例えば、連続的なますます厳格な洗浄によってまたは他の公知のリガンドとの競合によって、評価され得る。
【0090】
一旦上述の反応が生じると、陽性ウェルに対応するクローンを回収することが残っている。
【0091】
固定化された細胞が依然として生育可能である場合、この回収が、上述のように、単に該装置を培養しそして該陽性ウェル中の娘細胞をピペッティングすることによって、行われ得る。
【0092】
上述の反応が細胞分裂に対して有害である場合、予めケアを行って、該バンクの個別化された細胞を含有する初期装置(チップA)を複製する。
【0093】
1つの複製方法は、例えば、チップAを培養すること、次いで該娘細胞を規則正しく同一の新しい装置(チップB)へ移すことを含み、チップAのマイクロリザーバは、撹拌しながら、必要に応じてチップBのマイクロリザーバの向かい側に配置される。
【0094】
次いで、チップAは、問題の蛋白質リガンドを含有するウェルを測定するために上述の処理を受け、一方チップBは、これらの陽性ウェルに対応するクローンを(例えば、ピペッティングによって)回収することを可能にする。
【0095】
本発明のこの特定の実施形態の例として、細胞発現バンクは、抗体または抗体サブドメメインを分泌する発現バンクである。電極上に固定される標的は、それに対して抗体が見出される、蛋白質、ペプチド、ウイルス、オリゴヌクレオチドである。
【0096】
上記の規定に加えて、本発明はまた、本発明に従う小型装置上に細菌を固定化させる実施例ならびに本発明に従う装置上にDNAチップを作製するためのプロトコルを記載する実施例を参照する、以下の説明から明らかとなるであろう他の規定を含む。
【実施例】
【0097】
実施例1:プロテインAによる小型装置上における細菌の単離および固定
プロテインAの溶液を、リン酸緩衝液(PBS)中0.1mg/mlで調製する。
【0098】
次いで、このプロテインA溶液の液滴を、本発明に従いそして添付の図1に記載されるような小型装置上に、ピペットを使用して配置し、その結果、液滴はマイクロキュベットの全てを覆う。
【0099】
この装置において、各マイクロリザーバは、230μmの直径および40μmの深さを有し;各マイクロキュベットの底部の表面積は40μm2である。
【0100】
次いで、電場を該チップの2つの電極間に、10秒間適用する:プロテインAを固定するよう意図される電極において電位は+2.9V、他の電極は接地させる。
【0101】
固定が行われると、次いで該装置をPBS溶液でリンスする。
【0102】
更に、細菌/抗体複合体を含有するPBS溶液を調製する。
【0103】
このために、PBS中のE.coli DH5αの溶液(109細菌/ml)、ならびに0.5mg/mlの対応の抗−E.coli抗体(Dako)の溶液を、先ず調製する。
【0104】
次いで、これらの2つの溶液を混合し(v/v)、そして1時間30分室温で撹拌しながら放置して、細菌/抗体複合体を形成させる。次いで、細菌/抗体複合体を遠心分離により濃縮させ、過剰の抗体を、上清みを抽出することによって除去する。該操作を、該細菌/抗体複合体をPBS中の溶液へと戻した後に、三回繰り返す。
【0105】
次いで、該細菌/抗体複合体を含有する溶液の液滴を、プロテインAによって官能化された小型装置上に配置させ、その結果、該液滴はマイクロキュベットの全てを覆う。
【0106】
次いで、該小型装置を放置して室温で1時間30分インキュベートさせて、細菌/抗体複合体をマイクロキュベットの底部に固定化させる。
【0107】
インキュベーションの終了時、次いで、該装置をPBSで完全にリンスして、プロテインAと反応しなかった細菌/抗体複合体を除去する。
【0108】
E.coli細菌が1マイクロキュベット当たり1細菌の割合で固定化されている装置が、得られる。
【0109】
この様式で製造された本発明に従う小型装置は、次いで、種々の生物学的適用において使用され得る。
【0110】
実施例2:電場の作用下における小型装置上での細菌の単離および固定
1)電場を使用した細菌の固定
脱イオン水中のE.coli DH5α細菌の懸濁液を、109細菌/mlの割合で調製する。
【0111】
次いで、上記実施例1において使用されるものと同一の小型装置を、この細菌懸濁液中に浸漬する。
【0112】
次いで、電場を、該チップの2つの電極間に、10秒間適用する:細菌が固定されるように意図される電極における電位は+0.9V、他の電極の電位は−2Vに設定される。
【0113】
固定が行われると、次いで該装置を水でリンスし、そして窒素ブローガン(nitrogen blow gun)を使用して乾燥させる。
【0114】
E.coli細菌が1マイクロキュベット当たり1細菌の割合で固定化されている装置が、得られる。
【0115】
この様式で製造された本発明に従う小型装置は、次いで、種々の生物学的適用において使用され得る。
【0116】
実施例3:本発明に従う小型装置からのPCRによるDNAチップの製造
この実施例は、本発明に従う小型装置上でDNAチップを製造するための一般的なプロトコルを記載する。
【0117】
1)本発明に従う小型装置上でのセンスプライマーの配置
ピロール基(0.77μM)により5’位において修飾されたセンスプライマーの2.3-4M溶液を、2.3-2Mの過塩素酸リチウム中において調製する。
【0118】
この溶液を、本発明に従いそして上記実施例2において作製された小型装置上に配置させる。
【0119】
次いで電場を、該チップの2つの電極間に3秒間適用する:該プライマーが固定されるように意図される電極における電位は+2.9V、他の電極は接地させる。
【0120】
次いで、小型装置を水でリンスし、そして窒素ブローガンを使用して乾燥させる。
【0121】
2)細菌の溶解
この工程を、2分間94℃の温度まで該細菌を加熱させることによって行う。
【0122】
3)PCRの実施
PCRを、以下の溶液を使用して行う:トリス−HCl 1mM、KCl 5mM、MgCl2 2mM、dNTP 0.8mM;ビオチンを使用して5’位で標識したアンチセンスプライマー:0.1μM、BSA 1mg/ml、ROCHE製のTaq DNAポリメラーゼ(0.02単位/μl)、およびセンスプライマー(0.01μM)。
【0123】
次いで、チップをオイル中に浸漬させる。
【0124】
PCRを、以下の条件下で行う:94℃で3分、次いで94℃で30秒、60℃で30秒および72℃で1分30秒を30サイクル;次いで、72℃で3分、そして最後に25℃で30秒。該サイクルを、Hybaid thermocycler中で行う。
【0125】
続いて、該小型装置を、PCRサイクルの終了後、水でリンスする。
【0126】
増幅させたDNAを、ストレプトアビジン・フィコエリトリンを使用して、蛍光標識する。
【0127】
引き続いて、該蛍光の可視化を、蛍光顕微鏡の助けを借りて行う。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】図1は、支持体7および電気供給回路(electrical supply circuit)103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、ここで、各マイクロキュベット5の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域9を形成する第一電極1からなり、該第一電極1の上に、絶縁材料の第一層2が載せられており、その上に第二電極3が載っており、その上に絶縁材料の第二層4が載せられて、マイクロリザーバ6を形成する。
【図2】図2は、支持体27および電気供給回路103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、ここで、各マイクロキュベット25の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域29を形成する第一電極21からなり、該第一電極21の上に、絶縁材料の第一層22が載せられており、その上に絶縁材料の第二層24が載せられて、マイクロリザーバ26を形成し、この装置は外部電極28を備えている。
【図3】図3は、支持体37および電気供給回路103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、ここで、各マイクロキュベット35の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域39を形成する第一電極31からなり、該第一電極31の上に、絶縁材料の第一層32が載せられており、その上に第二電極33が載せられ、その上に、絶縁材料の第二層34が載せられてマイクロリザーバ36を形成し、この装置は外部電極38を備えている。
【図4】図4は、互いに電気的に絶縁された複数の第一電極41を含み、支持体47および電気供給回路103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、そしてここで、各マイクロキュベット45の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域49を形成する第一電極41からなり、該第一電極41の上に、部分的に、絶縁材料の第一層42が載せられ、その上に第二電極43が載っており、その上に、絶縁材料の第二層44が載せられてマイクロリザーバ46を形成し、この装置は外部電極48を備えている。
【図5】図5は、互いに電気的に絶縁された複数の第一電極51を含み、支持体50および電気供給回路103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、そしてここで、各マイクロキュベット55の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域59を形成する第一電極51からなり、該第一電極51の上に、部分的に、絶縁材料の第一層52が載せられ、その上に第二電極53が載っており、その上に絶縁材料の第二層54が載せられてマイクロリザーバ56を形成し、この装置は外部電極58および集積多重回路104を備えている。
【図6】図6は、支持体67を備えた、本発明に従う小型装置を示し、ここで、各マイクロキュベット65の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域69を形成する第一電極61からなり、該第一電極61の上に、絶縁材料の第一層62が載せられ、その上に第二電極63が載っており、その上に、絶縁材料の第二層64が載せられ、それ自体の上に第三電極101が載せられ、その上に絶縁材料の第三層102が載せられてマイクロリザーバ66を形成する。
【図7】図7は、マイクロリザーバ76の各々を閉鎖することを可能にする取り外し可能なクロージング手段100を更に備えること以外、図1に示されるものと同一の、本発明に従う小型装置を示す。
【図8】図8は、マイクロリザーバ86の各々を閉鎖することを可能にする取り外し可能なクロージング手段100(ここで、外部電極88が一体化されている)を更に備えること以外、図5に示されるものと同一の、本発明に従う小型装置を示す。
【図9】図9は、支持体97および電気供給回路103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、ここで、各マイクロキュベット95の底部は、その上に試薬が固定される受入領域99を形成するガラスまたはシリコン層93からなり、該ガラスまたはシリコン層93の上に、マイクロリザーバ96を形成する絶縁材料の第一層92(この上に、第一電極91が載っており、それ自体の上に、絶縁材料の第二層94が載せられている)が載せられ、この装置は外部電極98を備えている。
【0001】
本発明は、生物学的対象物(biological objects)を分離および単離するための小型装置、この装置を使用して生物学的対象物を分離および単離するための方法、ならびにその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学、そして特にゲノミクスは、現在、その分析のためのデータを作成および処理する方式において革命を体験している。生物を配列決定するための主要なプロジェクトに起因してますます遺伝配列データが利用可能となっている一方、生物学、医学界および製薬工業における従事者は、大規模およびマルチパラメータ分析においてこれらのデータの全てを統合しようとしている。
【0003】
マイクロ技術(microtechnology)の世界、特にマイクロシステム(microsystems)の世界は、小型化、表面官能化(surface functionalization)、マイクロ流体工学(microfluidics)および大規模かつ低コストでの製造技術に関するその専門知識に起因して、この要求を満足させるための手段を有する。
【0004】
現在、これら2つの世界の融合によって、DNAチップという名称で公知のマルチパラメータ分析ツールがもたらされた。これらのツールは、生物学的高分子(蛋白質および主としてDNA)の分析に捧げられる。
【0005】
マイクロ技術を介して生物学的プロトコルをますますより小さな寸法と統合させている、広範囲の分野において、世界中に顕著な量の研究が存在する。
【0006】
例えば、マイクロタイトレーションプレート(microtitration plates)は、ロボット工学の進歩につれて、96ウェルの標準フォーマットから384次いで1536ウェルのフォーマットへ移った。これらのますます小型化されたマイクロ技術の使用によって、使用される試薬容量を減少させること、および従って分析の費用を減少させることが可能となる。
【0007】
DNAチップの特定の場合において、分析原理は、20μmのオーダーという、ますますより小さなピッチ(pitches)を有するX−Yアレイにおいて核酸プローブを配列する(order)ことを含む。
【0008】
同様に、生物学的サンプルを処理する工程は、サイズ減少に進む傾向にあり、DNAチップまたはそれらにおける重合連鎖反応(polymerization chain reactions)(PCR)と細胞溶解機能(cell lysis function)とのますます一般的な統合を伴う。
【0009】
従って、誘電泳動(dielectrophoresis)によって電子チップ(electronic chips)上に細胞を分離および固定する[好適な緩衝液中に懸濁された細胞が、それらの誘電性の関数として分離される]ことが、特に米国特許第6,071,394号において既に提案されている。しかし、この技術は、個別化分析(individualized analyses)のための単一の生物学的対象物を分離および単離することを可能にしない。
【0010】
使用される試薬の容量を減少させる現在の傾向の更なる結果は、固体表面上に固定された生物学的試薬上における被検体試験の使用であり、均質溶液を含むチューブ中での試験の使用を次第に止める。
【0011】
従って、種々の解決策が、種々の材料(例えば、ガラス、プラスチックまたは金属)上に問題の生物学的分子を固定するために提案されている。例えば、支持体上に核酸プローブを固定するための、3つの原理的アプローチが、現在、公知である:
− 核酸プローブに親和性を有するポリマーである、ポリ−L−リシンで覆われたガラス支持体の使用(Schena M. et al., Science, 1995, 270 (5235) 467-470)、
− 官能化シランで覆われたガラスの使用[この場合、核酸プローブは、相補的官能基を保有し、シランと共有結合を形成する](O'Donnell M. J. et al., Anal. Chem., 1997, 69, 2438-2443)、
− 例えば金で作製された、金属電極の使用[単純モノマーと核酸プローブを保有するモノマーとを共重合することを可能にする]。
【0012】
プロテオミクスの分野において同様に、ピロール官能基を保有する導電性ポリマー(ポリピロール類)によってペプチドを固定させることが、特に報告されている(Livache T. et al., Biosensors & Bioelectronics, 1998, 13, 629-634)。
【0013】
生存している生物学的対象物(例えば、細菌または真核細胞)を、以下の種々の技術によって固体支持体上に固定することもまた、可能である:
− 固定される細胞に特異的である抗体を、固体支持体にグラフトする(grafting)こと;実際に、分子生物学において一般的に使用される微生物(細菌、酵母)に対する抗体[例えば、Fitzgerald Industries International, Inc.社によって市販されている抗−E.coli 1434抗体、ならびにリンパ系高等真核細胞(lymphoid higher eukaryotic cells)の表面レセプター(CDレセプター)に対する抗体]が存在する、
− 特定の細胞タイプに特異的であるペプチドを支持体へグラフトすること(Holland J. et al., Biomaterials, 1996, 17, 2147-2156)、
− 細胞接着を可能にするポリマーによる、支持体の非特異的官能化(Aframian D. J. et al., Tissue Eng., 2000, 6 (3), 209-216)。
【0014】
これらの技術は、それらが、固定される生物学的対象物と支持体との間に特異的結合を形成させる限りにおいて有用であるが、それらは、これらが最終的に支持体上に個々に固定され得る前に、調製および単離の多数の工程を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明者らは、生物学的対象物を分離および単離するための新規の小型装置を提供し、多数のポイントを有するアレイアプローチを保持することを可能にする[ここで、各ポイントは、1つ且つたった1タイプまたはカテゴリーの生物学的対象物を含有するが、調製、分離または単離の前操作は回避または減少され得、従って、処理する生物学的対象物を扱いそしてピペッティングする(pipetting)ための多数の操作を有意に減少させる]という課題を自らに課した。
【課題を解決するための手段】
【0016】
従って、本発明は、該装置と一体化された少なくとも1つの第一電極を有し、反応マイクロキュベットのアレイ(各マイクロキュベットは、受入領域(reception zone)からなる底部(bottom)を有する)が備えられた構造からなる、生物学的対象物(biological objects)を分離および/または単離するための小型装置であって、該底部がホール(holes)を有さず、そして各マイクロキュベットの該底部の最大表面積が、単一の生物学的対象物(a single biological object)を単離するように規定され、該構造が、該第一電極と、該装置と一体化されたまたは該装置に対して外部にある少なくとも1つの第二電極との間で、電位差を生じさせるために、供給回路(supply circuit)へ接続されていることを特徴とする、小型装置に関する。
【0017】
この装置によって、今後は、固定される生物学的対象物のカップリング表面が受入領域を完全に覆う場合に、1マイクロキュベット当たり単一の生物学的対象物のみを固定することが可能となり、従って、各マイクロキュベットは、選択されそして固定された生物学的対象物の単一タイプのみを含有し、これは引き続いて集合的に処理され得る。
【0018】
本発明によれば、固定される生物学的対象物のカップリング領域(coupling zone)は、従って、受入領域の表面積と実質的に同一の表面積、または受入領域の表面積よりも大きな表面積を有する。
【0019】
本発明によれば、各マイクロキュベットの底部の最大表面積は、好ましくは、単離される生物学的対象物の最小表面積の2倍未満であるかまたはこれに等しい。本発明の好ましい実施形態において、該底部の表面積は、単離される生物学的対象物の最小表面積未満であるかまたはこれに等しい。
【0020】
より詳細には、この表面積は、一般的に、1μm2〜400μm2、特に1〜50μm2である。
【0021】
本発明によれば、各マイクロキュベットの底部の最大表面積は、好ましくは、単離される生物学的対象物の最小表面積未満である。
【0022】
本発明によれば、生物学的対象物は、その容器(container)およびその内容物(content)によって特徴付けられる。該容器は、該内容物を区画化することを可能にするエレメント(element)に対応する。該容器は、例えば、細菌細胞壁、ウイルスのエンベロープ、細胞膜、脂質二重層、ミセル、内在蛋白質によって横切られたリン脂質二重層などであり得る。該内容物は、該容器によって構成される区画(compartment)中に隔離された生物学的材料に対応する。該内容物は、例えば、核酸、蛋白質、リボソーム、膜小胞(membrane vesicles)、またはその複合混合物(complex mixture)に対応し得る。
【0023】
挙げられ得る生物学的対象物の例は、任意の細胞、健康なまたはそうでない、原核または真核に関わらず、ウイルス、リポソームなどである。
【0024】
挙げられ得る細胞の例は、細菌、酵母、真菌、微小藻類(microalgae)、ならびに野菜、動物およびヒト起源の細胞である。
【0025】
挙げられ得るウイルスの例は、HIVウイルス、バクテリオファージなどである。
【0026】
本発明に従う装置は、有利には、受入領域(これは、実際に、捕捉領域(trap zone)を構成する)上に問題の単一の生物学的対象物を固定することによって、または問題の既に固定された生物学的対象物から誘導される1以上の要素(elements)[これらの誘導体は、生物学的対象物の可能な溶解、それらの局所化PCR処理、または他の生物学的、化学的もしくは電気的処理に由来する産物を含む]を引き続いて固定することによって、細胞分析の分野において使用され得る。これらの誘導体が核酸に対応する場合、DNAチップが語られ、そしてこれらの誘導体が蛋白質である場合、蛋白質チップが語られる。
【0027】
反応マイクロキュベットのアレイ(array of reaction microcuvettes)は、絶縁材料の1またはそれ以上の層および/または生体適合性プラスチックの付属グリッド(attached grid)によって少なくとも部分的に載せられ(surmounted)て、マイクロリザーバのアレイを形成し得、各マイクロリザーバは少なくとも1つのマイクロキュベットを含む。これらのマイクロリザーバは、例えば、絶縁材料の層のリソグラフィーによって作製され得る。
【0028】
絶縁材料は、例えば、絶縁ポリマー(例えば、ポリイミド類および樹脂類(例えば、SU−8樹脂))から選択され得る。
【0029】
マイクロリザーバのサイズは、最小容量で該単一の単離された生物学的対象物を処理するように規定される。これらのマイクロリザーバは、一般的に、5〜500μm、そして好ましくは5〜100μmの幅および/または長さを有する。
【0030】
本発明の特定の実施形態によれば、該小型装置は、導電層(conductive layers)(電極)と絶縁材料の層との交互を含み得る。
【0031】
本発明の1実施形態によれば、該装置と一体化された第一電極の1つの面は、マイクロキュベットの底部を構成し得る。
【0032】
本発明の別の実施形態によれば、該装置のマイクロキュベットの底部は、ガラス、プラスチックまたはシリコンの層によって構成されている。
【0033】
本発明に従う装置が一体化された第二電極を含む場合、後者は、絶縁材料の第一層上に配置され(deposited)ており、そしてマイクロキュベットの底部から隔離された面にある。
【0034】
本発明に従う装置が外部第二電極(external second electrode)を含む場合、後者は、好ましくは絶縁材料の1以上の層からなる、キャップ(cap)またはフタ(lid)に固定され得る。
【0035】
本発明に従う装置の一体化部(integral part)を形成する代わりに、絶縁材料の層の1つは、従って、該装置を少なくとも部分的に覆いそして必要に応じて少なくとも1つの電極を含む、取り外し可能な付属ピース(attached piece)(マスク、キャップ、フタ)の形態であり得る。
【0036】
本発明に従う装置はまた、該装置と一体化された少なくとも1つの第三電極を有し得、絶縁材料の第二層が、該第二電極と該第三電極との間に挿入される。この場合、そして本発明の改変型によれば、該装置は、互いに絶縁された複数の該第二および/または第三電極を含み得る。
【0037】
本発明に従う装置または、前記電極の少なくともいくつかに多重化するための集積回路(an integrated circuit for multiplexing)を備え得る。
【0038】
この装置と一体化された多重化回路(the multiplex circuit integrated with this device)は、異なる機能[:同一装置内での種々の試薬の固定、受入領域の隔離された加熱、局所pH測定、電気シグナルの読み取りなど]について使用され得る。
【0039】
本発明に従う装置において、絶縁材料の第一および/または第二層の1つ、ならびに/あるいは第二および/または第三電極の1つの少なくとも1つのエッジが、マイクロリザーバのエッジの少なくとも一部を構成し得る。
【0040】
本発明によれば、第一、第二および第三電極、ならびに外部電極は、少なくとも1つの金属層(例えばクロム、金もしくは白金)からなる。
【0041】
これらの金属層は、一般的に、0.1〜10μmの厚みを有する。
【0042】
本発明の1実施形態によれば、単離される生物学的対象物を固定し得る試薬が、反応マイクロキュベットの受入領域の少なくとも一部上に固定される。
【0043】
生物学的対象物を固定するために使用される試薬の性質は、固定される該対象物の性質およびマイクロキュベットの底部の性質の関数として変化し得る。
【0044】
詳細には、マイクロキュベットの底部が上述の電極からなる場合、使用される試薬は、好ましくは、固定される生物学的対象物のタイプに特異的な、蛋白質、ペプチドまたは任意の分子(例えば、抗体、レセプター、糖蛋白、レシチン、細胞接着分子(CAM)、ラミニン、フィブロネクチン、インテグリン、糖など)がその上に固定される、導電性コポリマー(例えば、ポリピロール類)から選択される。
【0045】
導電性コポリマー(conductive copolymers)は、例えば、国際出願WO 94/22889に記載されている。
【0046】
ピロール類が、本発明によれば、特に好ましい。
【0047】
導電性コポリマーのモノマー上に固定される特異的分子は、特に、プロテインA、プロテインG、フィブロネクチンから、そしてより一般的には、細胞接着蛋白質および表面レセプターに対して標的化される抗体から選択され得る。
【0048】
導電性コポリマーのモノマー上に、そして特にピロールモノマー上にこれらの分子を固定することは、種々の技術に従って行われ得る:
− 該特異的分子を導電性ポリマーのモノマー上に直接的に固定する[この場合、該モノマーは、使用される該分子の第一級アミン官能基と反応し得る−NHSまたはアルデヒド官能基のキャリアである]、
− または、該特異的分子を、連続的ストレプトアビジン−ビオチン−特異的分子化学的スタック(chemical stack)によって、ビオチン官能基を保有する導電性ポリマーのモノマー上に間接的に固定する。この化学的スタックを作製するために、ビオチン官能基を保有する導電性ポリマーのモノマーを共重合させ、次いでストレプトアビジンで次にビオチンへ結合された特異的分子で該装置を処理するように、本発明に従う装置を集合的に処理し、ピロール−ビオチン−ストレプトアビジン−ビオチン−特異的分子コポリマーを得る。
【0049】
第1実施形態において、直接的相互作用を可能にするために、生物学的対象物を固定するために使用される試薬は、後者に特異的であり得る:マイクロキュベット−生物学的対象物の試薬。
【0050】
第2実施形態において、使用される試薬は、生物学的対象物に特異的でない。従って、後者は、官能化される必要がある。
【0051】
このために、固定される生物学的対象物は、例えば、使用される試薬と反応し得る特異的抗体で予め官能化され得る。この場合、導電性ポリマーによって捕捉領域(trap zone)上にのみ固定されたプロテインAまたはGが、固定化される該対象物上に予め固定された抗体のFcフラグメントを認識する。
【0052】
導電性ポリマーのモノマー上に固定され得るペプチドの中でも、特に、固定される生物学的対象物の膜表面レセプターに特異的な結合ペプチド[例えば、アルギニン−グリシン−アスパルテート(RGD)配列を含有しそしてインテグリン(真核細胞の表面上の細胞接着蛋白質)について親和性を有するペプチド]が、言及され得る。
【0053】
マイクロキュベットの底部がガラス、プラスチックまたはシリコンの層からなる場合、使用される試薬は、好ましくは以下である:
− 固定される対象物のタイプに特異的でないポリマー、例えば、ポリ−L−リシンまたはフィブロネクチン;該ポリマーは、受入領域上に局所的に配置される[剥離技術(lift-off technique):写真画像化可能な(photoimageable)樹脂の配置、局在化露光次いで該樹脂上における該ポリマーの堆積、次いで該樹脂の脱ブロッキング(deblocking)]、
− 蛋白質またはペプチド;この場合、該蛋白質およびペプチドは、該試薬がその上に固定される、−NHSまたはアルデヒド官能基で修飾されたシランの層で覆われている、該ガラス、プラスチックまたはシリコンの層へ固定され;この場合に使用される蛋白質およびペプチドは、上述のものと同一の性質である。
【0054】
本発明の第2実施形態によれば、反応マイクロキュベットの受入領域は、単離されるように意図される生物学的対象物を固定し得る試薬を含まない。
【0055】
この場合、生物学的対象物の固定は、電場によって、直接行われる。
【0056】
この実施形態は、単離される生物学的対象物を固定し得る試薬での本発明に従う装置の事前の官能化を回避するので、特に有利である。この実施形態は、細菌を単離および固定することに、より特に、非常に好適である。
【0057】
上述のように、本発明に従う装置は、複数の第一および/または第二および/または第三電極を含み得る。これらの電極は、マイクロキュベットにおいて生じた反応に応答しての電気シグナルを読み取ることを可能にするために、マイクロリザーバごとに独立していてもよく、あるいは全てのマイクロキュベットにおいて同一の処理(例えば、生物学的対象物の溶解のための電場または共重合のための電場の適用)を可能とするために、互いに接続されていてもよい。
【0058】
電極の種々のレベルは、生物学的対象物の特異的固定を許容し得、次いで、一旦該対象物がマイクロキュベットに固定されると、次いで、これらの対象物の溶解(例えば、生物学的細胞が含まれる場合)、次いでヌクレオチド増幅由来の核酸プローブの電解共重合(electrical copolymerization)による固定が、直接各マイクロリザーバにおいて行われ、大量に核酸プローブを保有するマイクロリザーバを得る。
【0059】
本発明に従う装置が集積多重回路(integrated multiplex circuit)を備える場合、所定の装置のマイクロキュベットに種々の試薬を固定し、そして各マイクロリザーバの電極によって発生される全シグナルを処理するためのアレンジをすることが可能である。
【0060】
従って、集積多重回路が備えられている場合、本発明に従う装置は、種々の試薬を含有するマイクロキュベットを含んで、単一の装置上に種々のタイプの生物学的対象物を固定することを可能にし得る。
【0061】
集積多重回路と関連される電極の存在はまた、マイクロキュベットまたはマイクロリザーバのレベルでの電気的検出を可能にし、この検出は、例えば、化学的または物理的攻撃に応答しての分子の放出または生物学的対象物の電気的挙動のモニタリングと関連する。
【0062】
本発明に従う小型装置は、クロージング手段(closing means)(例えば、キャップまたは透明フィルム)が備えられ得、全てのマイクロリザーバを個々にまたは集合的に閉鎖することを可能にする。
【0063】
本発明に従う小型装置の他の特徴は、添付の図1〜9において明らかとなるであろう。
【0064】
当然ながら、これらの図に例示される装置は本発明の特定の実施形態に対応し、そして決してその限定を構成しないことが理解されるべきである。
【0065】
このような装置を製造するための方法は、公知であり、そして例えば特許出願FR-A-2 781 886に記載されている。
【0066】
本発明はまた、生物学的対象物の単離、分離、培養および/または分析のための、本発明に従う小型装置の少なくとも1つの使用に関する。
【0067】
例として、本発明に従う小型装置、そして特に図2によって示されるタイプの装置は、1マイクロキュベット当たり1つの単一の生物学的対象物(例えば、生物学的細胞)を固定するために使用され得、該細胞は、引き続いて、連続的細胞分裂によって該細胞を増殖させるために、直接該装置において培養される。各マイクロリザーバ中に均質な細胞集団を有する装置が、このようにして得られる。細胞分裂によって産生された娘細胞は、引き続いて回収され得、一方、母細胞はマイクロキュベットの底部上に固定されたままである。
【0068】
従って、本発明に従う装置は、娘細胞(従って、これは、分裂し得る細胞株にのみ対応する)を回収することを可能にする。この使用は、それが、細菌培養物の死滅した細胞(これは、プラスミドによって形質転換されそして抗生物質によって処理されている)を除去することを可能にする限りにおいて、有益である。
【0069】
本発明に従う装置はまた、1マイクロキュベット当たり1細胞の割合で、配列されたアレイに種々の細胞を固定化し、次いで分析するように意図されるマクロ分子を抽出することによって、細胞の異種パネル(heterogeneous panel)の内容物を分析するための手段として使用され得る。この範囲において、以下が可能である:
− 固定化される細胞の各タイプに特異的な種々の試薬を固定するために、複数の独立した第一電極を備える装置(例えば、図4および5の装置)を使用すること、
− あるいは、その底部が化学カップリング官能基を保有するガラス層からなるマイクロキュベットを有する図9のもののような装置、または図1および3によって示されるもののような装置を使用して、そして固定化される細胞の各タイプの関数として特異的な試薬を局所的にピペッティングする(pipette)こと。
【0070】
引き続いて、細胞の固定化が、例えば、細胞の異種培養物(a heterogeneous culture of cells)中への該装置の浸漬によって、または均質細胞の種々の培養物(various cultures of homogeneous cells)中への連続的浸漬によって行われ、細胞の各タイプに特異的な試薬の存在は、細胞のアレイを配列する(order)ことを可能にする。
【0071】
これらの細胞を固定化するために使用される全ての装置中に存在する第二電極は、集合的にプレ官能化(pre-functionalized)され得るか(例えば、細胞の各タイプ由来の蛋白質の1タイプを抽出するために、特異的抗体によって)、あるいは、より一般的には、それらは、例えばPCR反応に続いて、細胞由来の産物を電気化学的に固定するために使用され得る。
【0072】
図4および5に示される装置はまた、細胞に対する化学的または生物学的試薬の高スループットスクリーニング(high throughput screening)(HTS)を行うために使用され得る。この場合、複数の独立した第一電極は、マイクロリザーバ中の細胞に対する化学的または生物学的試薬の作用に応答して、個別化電気測定(individualized electrical measurement)を可能にする。
【0073】
これらのHTSスクリーニングは、培養物中の動物細胞において行われ得、そしてこの場合、マイクロキュベットの底部の表面積は、試験される細胞の最小セクション(即ち、慣用的な動物細胞について約100μm2)に等しいかまたはこれより小さい。
【0074】
更に、本発明に従う装置は、細胞の一時的なエレクトロポレーションを行うために使用され得る。
【0075】
本発明はまた、生物学的対象物を分離および/または単離するための方法であって、以下:
−第一工程において、上記に定義される小型装置の少なくとも1つを生物学的対象物の均質化溶液(特に、生物学的細胞の培養溶液)と接触させて、1マイクロキュベット当たり多くとも1つの生物学的対象物の割合で、該対象物を受入領域上のマイクロキュベットの底部に固定させることを可能にすること、
−次いで、第二工程において、固定されていない生物学的対象物を洗浄して、該単離される対象物がその上に固定化されている小型装置を得ること、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0076】
このようにして該装置上において単離および固定された生物学的対象物は、次いで、上述の技術に従って、例えば有効成分の効果下でのそれらの電気的特性の変化を測定することによって、研究され得る。
【0077】
この方法に従って使用される小型装置が多重回路(multiplex circuit)を有する場合、個別化電気測定(individualized electrical measurements)を各マイクロキュベットにおいて行うことが可能である。
【0078】
本発明に従う方法の第一実施形態によれば、生物学的対象物の固定は、電場によって行われる。この場合、該装置と一体化された第一電極がマイクロキュベットの底部を構成する装置が、好ましく使用される。
【0079】
本発明に従う方法の第二実施形態によれば、生物学的対象物の固定は、反応マイクロキュベットの底部の少なくとも一部上に固定された試薬によって行われる。この場合、マイクロキュベットの底部は、同様に第一電極によって、またはガラス、プラスチックもしくはシリコンの層によって構成され得る。
【0080】
本発明に従う方法は、必要に応じて、第三工程を含み得、この間に、マイクロキュベットの底部に固定された該対象物を、特に生物学的細胞が含まれる場合に、溶解させて、それらが含有する遺伝材料を、それらが固定されているマイクロキュベットに対応するマイクロリザーバへ放出させる。
【0081】
該固定された対象物の溶解は、電気ショック、熱ショックまたは音波処理(sonication)によって行われ得る。
【0082】
このようにして放出された遺伝材料(genetic material)は、次いで、第四工程において、PCR反応に必要な種々の試薬[これらの試薬は、特に、ピロール基によって官能化された少なくとも1つのプライマーを含む]を該マイクロキュベットへ導入することによって、PCRを使用して、集合的に増幅され得る。このようにして得られた増幅された配列は、次いで、第五工程の間、電解重合(electropolymerization)によって電極上に集合的に固定される。
【0083】
この方法の1つの特定の実施形態によれば、第三および第四工程は、同時に行われ得る。
【0084】
本発明のなお別の特定の実施形態によれば、そして図1および3によって示されるもののような装置または図9によって示されるもののような装置が使用される場合、所定の標的の蛋白質またはヌクレオチドリガンドを見出すためのスクリーニングツールとして、これらの装置を使用することが可能である。
【0085】
蛋白質リガンドを見出そうとする場合、初期細胞培養物は、細胞発現バンク(cell expression bank)であり、そして該バンクの細胞の固定化は、上述のように行われる。
【0086】
この改変型に従って使用される装置は、電極上において、該標的によって予め官能化される。該標的は、分子(例えば、ペプチド、蛋白質、ヌクレオチド配列、ぺプチドグリカン、糖または任意の他の化学分子)であり得る。この標的はまた、ピロール基によって官能化され得、そして従って電解重合によって電極上に固定される。
【0087】
各マイクロキュベットにおいて、組換え蛋白質が、固定化された細胞によって発現されそして、該細胞の溶解または分泌によって、該細胞から放出される。各細胞内でのこの発現の間、標識化された蛋白質前駆体(例えば、S35−メチオニン)を混合して、その結果、このようにして発現された蛋白質自体を標識することが可能である。
【0088】
該標的との親和性を示す蛋白質は、該標的で官能化された電極上に特異的に固定される。該蛋白質がそれらの発現の間に標識されると、次いでそれらの検出が行われ得る。そうでなければ、蛋白質/リガンド相互作用の検出は、例えば標識された抗−ユニバーサル−エピトープ抗体(anti-universal-epitope antibody)を反応させることを含む、更なる工程に従って行われる必要があり、そしてこの場合、このユニバーサルエピトープを含む該組換え蛋白質の全てを発現する発現バンク(expression bank)を使用することが必要である。
【0089】
従って、陽性ウェルは、該標的の潜在的蛋白質リガンドを含有する。このリガンドの親和性のレベルは、例えば、連続的なますます厳格な洗浄によってまたは他の公知のリガンドとの競合によって、評価され得る。
【0090】
一旦上述の反応が生じると、陽性ウェルに対応するクローンを回収することが残っている。
【0091】
固定化された細胞が依然として生育可能である場合、この回収が、上述のように、単に該装置を培養しそして該陽性ウェル中の娘細胞をピペッティングすることによって、行われ得る。
【0092】
上述の反応が細胞分裂に対して有害である場合、予めケアを行って、該バンクの個別化された細胞を含有する初期装置(チップA)を複製する。
【0093】
1つの複製方法は、例えば、チップAを培養すること、次いで該娘細胞を規則正しく同一の新しい装置(チップB)へ移すことを含み、チップAのマイクロリザーバは、撹拌しながら、必要に応じてチップBのマイクロリザーバの向かい側に配置される。
【0094】
次いで、チップAは、問題の蛋白質リガンドを含有するウェルを測定するために上述の処理を受け、一方チップBは、これらの陽性ウェルに対応するクローンを(例えば、ピペッティングによって)回収することを可能にする。
【0095】
本発明のこの特定の実施形態の例として、細胞発現バンクは、抗体または抗体サブドメメインを分泌する発現バンクである。電極上に固定される標的は、それに対して抗体が見出される、蛋白質、ペプチド、ウイルス、オリゴヌクレオチドである。
【0096】
上記の規定に加えて、本発明はまた、本発明に従う小型装置上に細菌を固定化させる実施例ならびに本発明に従う装置上にDNAチップを作製するためのプロトコルを記載する実施例を参照する、以下の説明から明らかとなるであろう他の規定を含む。
【実施例】
【0097】
実施例1:プロテインAによる小型装置上における細菌の単離および固定
プロテインAの溶液を、リン酸緩衝液(PBS)中0.1mg/mlで調製する。
【0098】
次いで、このプロテインA溶液の液滴を、本発明に従いそして添付の図1に記載されるような小型装置上に、ピペットを使用して配置し、その結果、液滴はマイクロキュベットの全てを覆う。
【0099】
この装置において、各マイクロリザーバは、230μmの直径および40μmの深さを有し;各マイクロキュベットの底部の表面積は40μm2である。
【0100】
次いで、電場を該チップの2つの電極間に、10秒間適用する:プロテインAを固定するよう意図される電極において電位は+2.9V、他の電極は接地させる。
【0101】
固定が行われると、次いで該装置をPBS溶液でリンスする。
【0102】
更に、細菌/抗体複合体を含有するPBS溶液を調製する。
【0103】
このために、PBS中のE.coli DH5αの溶液(109細菌/ml)、ならびに0.5mg/mlの対応の抗−E.coli抗体(Dako)の溶液を、先ず調製する。
【0104】
次いで、これらの2つの溶液を混合し(v/v)、そして1時間30分室温で撹拌しながら放置して、細菌/抗体複合体を形成させる。次いで、細菌/抗体複合体を遠心分離により濃縮させ、過剰の抗体を、上清みを抽出することによって除去する。該操作を、該細菌/抗体複合体をPBS中の溶液へと戻した後に、三回繰り返す。
【0105】
次いで、該細菌/抗体複合体を含有する溶液の液滴を、プロテインAによって官能化された小型装置上に配置させ、その結果、該液滴はマイクロキュベットの全てを覆う。
【0106】
次いで、該小型装置を放置して室温で1時間30分インキュベートさせて、細菌/抗体複合体をマイクロキュベットの底部に固定化させる。
【0107】
インキュベーションの終了時、次いで、該装置をPBSで完全にリンスして、プロテインAと反応しなかった細菌/抗体複合体を除去する。
【0108】
E.coli細菌が1マイクロキュベット当たり1細菌の割合で固定化されている装置が、得られる。
【0109】
この様式で製造された本発明に従う小型装置は、次いで、種々の生物学的適用において使用され得る。
【0110】
実施例2:電場の作用下における小型装置上での細菌の単離および固定
1)電場を使用した細菌の固定
脱イオン水中のE.coli DH5α細菌の懸濁液を、109細菌/mlの割合で調製する。
【0111】
次いで、上記実施例1において使用されるものと同一の小型装置を、この細菌懸濁液中に浸漬する。
【0112】
次いで、電場を、該チップの2つの電極間に、10秒間適用する:細菌が固定されるように意図される電極における電位は+0.9V、他の電極の電位は−2Vに設定される。
【0113】
固定が行われると、次いで該装置を水でリンスし、そして窒素ブローガン(nitrogen blow gun)を使用して乾燥させる。
【0114】
E.coli細菌が1マイクロキュベット当たり1細菌の割合で固定化されている装置が、得られる。
【0115】
この様式で製造された本発明に従う小型装置は、次いで、種々の生物学的適用において使用され得る。
【0116】
実施例3:本発明に従う小型装置からのPCRによるDNAチップの製造
この実施例は、本発明に従う小型装置上でDNAチップを製造するための一般的なプロトコルを記載する。
【0117】
1)本発明に従う小型装置上でのセンスプライマーの配置
ピロール基(0.77μM)により5’位において修飾されたセンスプライマーの2.3-4M溶液を、2.3-2Mの過塩素酸リチウム中において調製する。
【0118】
この溶液を、本発明に従いそして上記実施例2において作製された小型装置上に配置させる。
【0119】
次いで電場を、該チップの2つの電極間に3秒間適用する:該プライマーが固定されるように意図される電極における電位は+2.9V、他の電極は接地させる。
【0120】
次いで、小型装置を水でリンスし、そして窒素ブローガンを使用して乾燥させる。
【0121】
2)細菌の溶解
この工程を、2分間94℃の温度まで該細菌を加熱させることによって行う。
【0122】
3)PCRの実施
PCRを、以下の溶液を使用して行う:トリス−HCl 1mM、KCl 5mM、MgCl2 2mM、dNTP 0.8mM;ビオチンを使用して5’位で標識したアンチセンスプライマー:0.1μM、BSA 1mg/ml、ROCHE製のTaq DNAポリメラーゼ(0.02単位/μl)、およびセンスプライマー(0.01μM)。
【0123】
次いで、チップをオイル中に浸漬させる。
【0124】
PCRを、以下の条件下で行う:94℃で3分、次いで94℃で30秒、60℃で30秒および72℃で1分30秒を30サイクル;次いで、72℃で3分、そして最後に25℃で30秒。該サイクルを、Hybaid thermocycler中で行う。
【0125】
続いて、該小型装置を、PCRサイクルの終了後、水でリンスする。
【0126】
増幅させたDNAを、ストレプトアビジン・フィコエリトリンを使用して、蛍光標識する。
【0127】
引き続いて、該蛍光の可視化を、蛍光顕微鏡の助けを借りて行う。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】図1は、支持体7および電気供給回路(electrical supply circuit)103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、ここで、各マイクロキュベット5の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域9を形成する第一電極1からなり、該第一電極1の上に、絶縁材料の第一層2が載せられており、その上に第二電極3が載っており、その上に絶縁材料の第二層4が載せられて、マイクロリザーバ6を形成する。
【図2】図2は、支持体27および電気供給回路103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、ここで、各マイクロキュベット25の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域29を形成する第一電極21からなり、該第一電極21の上に、絶縁材料の第一層22が載せられており、その上に絶縁材料の第二層24が載せられて、マイクロリザーバ26を形成し、この装置は外部電極28を備えている。
【図3】図3は、支持体37および電気供給回路103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、ここで、各マイクロキュベット35の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域39を形成する第一電極31からなり、該第一電極31の上に、絶縁材料の第一層32が載せられており、その上に第二電極33が載せられ、その上に、絶縁材料の第二層34が載せられてマイクロリザーバ36を形成し、この装置は外部電極38を備えている。
【図4】図4は、互いに電気的に絶縁された複数の第一電極41を含み、支持体47および電気供給回路103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、そしてここで、各マイクロキュベット45の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域49を形成する第一電極41からなり、該第一電極41の上に、部分的に、絶縁材料の第一層42が載せられ、その上に第二電極43が載っており、その上に、絶縁材料の第二層44が載せられてマイクロリザーバ46を形成し、この装置は外部電極48を備えている。
【図5】図5は、互いに電気的に絶縁された複数の第一電極51を含み、支持体50および電気供給回路103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、そしてここで、各マイクロキュベット55の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域59を形成する第一電極51からなり、該第一電極51の上に、部分的に、絶縁材料の第一層52が載せられ、その上に第二電極53が載っており、その上に絶縁材料の第二層54が載せられてマイクロリザーバ56を形成し、この装置は外部電極58および集積多重回路104を備えている。
【図6】図6は、支持体67を備えた、本発明に従う小型装置を示し、ここで、各マイクロキュベット65の底部は、その上に試薬が必要に応じて固定される受入領域69を形成する第一電極61からなり、該第一電極61の上に、絶縁材料の第一層62が載せられ、その上に第二電極63が載っており、その上に、絶縁材料の第二層64が載せられ、それ自体の上に第三電極101が載せられ、その上に絶縁材料の第三層102が載せられてマイクロリザーバ66を形成する。
【図7】図7は、マイクロリザーバ76の各々を閉鎖することを可能にする取り外し可能なクロージング手段100を更に備えること以外、図1に示されるものと同一の、本発明に従う小型装置を示す。
【図8】図8は、マイクロリザーバ86の各々を閉鎖することを可能にする取り外し可能なクロージング手段100(ここで、外部電極88が一体化されている)を更に備えること以外、図5に示されるものと同一の、本発明に従う小型装置を示す。
【図9】図9は、支持体97および電気供給回路103を備えた、本発明に従う小型装置を示し、ここで、各マイクロキュベット95の底部は、その上に試薬が固定される受入領域99を形成するガラスまたはシリコン層93からなり、該ガラスまたはシリコン層93の上に、マイクロリザーバ96を形成する絶縁材料の第一層92(この上に、第一電極91が載っており、それ自体の上に、絶縁材料の第二層94が載せられている)が載せられ、この装置は外部電極98を備えている。
Claims (36)
- 生物学的対象物を分離および/または単離するための小型装置であって、該装置と一体化された少なくとも1つの第一電極を有し、反応マイクロキュベットのアレイ(各マイクロキュベットは、受入領域からなる底部を有する)が備えられた構造からなり、該底部がホールを有さず、そして各マイクロキュベットの該底部の最大表面積が、単一の生物学的対象物を単離するように規定され、該構造が、該第一電極と、該装置と一体化されたまたは該装置に対して外部にある少なくとも1つの第二電極との間で、電位差を生じさせるために、供給回路(supply circuit)へ接続されていることを特徴とする、小型装置。
- 各マイクロキュベットの底部の最大表面積が、好ましくは、単離される生物学的対象物の最小表面積の2倍未満であるかまたはこれに等しいことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記底部の表面積が、単離される生物学的対象物の最小表面積未満であるかまたはこれに等しいことを特徴とする、請求項2に記載の装置。
- 各マイクロキュベットの底部の最大表面積が、1μm2〜400μm2であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
- 各マイクロキュベットの底部の最大表面積が1〜50μm2であることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
- 反応マイクロキュベットのアレイが、絶縁材料の1またはそれ以上の層および/または生体適合性プラスチックの付属グリッドを少なくとも部分的に載せて、マイクロリザーバのアレイを形成することを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
- 前記装置と一体化された第一電極の一面が、マイクロキュベットの底部を構成することを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
- 前記マイクロキュベットの底部が、ガラス、プラスチックまたはシリコンの層によって構成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
- 前記絶縁材料がポリイミド類および樹脂類から選択されることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の装置。
- 前記マイクロリザーバが5〜500μmの幅および/または長さを有することを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載の装置。
- 互いに電気的に絶縁されている複数の前記第一電極を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
- 前記第二電極が前記装置と一体化されていること、および該電極が、絶縁材料の第一層上に配置されておりそして前記マイクロキュベットの底部から隔離された面(plane)にあることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
- 前記装置と一体化された少なくとも1つの第三電極を有し、絶縁材料の第二層が該第二電極と該第三電極との間に挿入されていることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
- 互いに絶縁された複数の前記第二および/または第三電極を含むことを特徴とする、請求項13に記載の装置。
- 前記第二電極が外部にあること、およびそれがキャップ(cap)またはフタ(lid)に固定されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
- 前記電極の少なくともいくつかに多重化するための集積回路を備えていることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
- 前記単離される生物学的対象物を固定し得る試薬を、前記反応マイクロキュベットの受入領域の少なくとも一部上に固定することを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
- 前記試薬が、固定される細胞のタイプに特異的な固定された蛋白質、ペプチドまたは任意の分子上の導電性コポリマーから選択されることを特徴とする、請求項7と組み合わせた請求項17に記載の装置。
- 前記導電性コポリマーがポリピロール類から選択されることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
- 前記試薬が、ピロール−ビオチン−ストレプトアビジン−ビオチン−特異的分子コポリマーであることを特徴とする、請求項18または19に記載の装置。
- 前記試薬が、固定される細胞のタイプに特異的でないポリマーから選択されることを特徴とする、請求項8と組み合わせた請求項17に記載の装置。
- 前記ポリマーがポリ−L−リシンであることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
- 前記試薬が蛋白質またはペプチドであること、およびガラス、プラスチックまたはシリコンの前記層が、その上に該試薬が固定されている、−NHSまたはアルデヒド官能基で修飾されたシランの層で覆われていることを特徴とする、請求項8と組み合わせた請求項17に記載の装置。
- 種々の試薬を含有するマイクロキュベットを含むことを特徴とする、請求項17に記載の装置。
- クロージング(closing)手段を備えることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
- 生物学的対象物の単離、分離、培養および/または分析のための、前記請求項のいずれか1項に記載の小型装置の少なくとも1つの使用。
- 生物学的対象物を分離および/または単離するための方法であって、以下:
−第一工程において、請求項1〜25のいずれか1項に記載の小型装置の少なくとも1つを生物学的対象物の均質化溶液(特に、生物学的細胞の培養溶液)と接触させて、1マイクロキュベット当たり多くとも1つの生物学的対象物の割合で、該対象物を前記受入領域上のマイクロキュベットの底部に固定させることを可能にすること、
−第二工程において、固定されていない生物学的対象物を洗浄して、該単離される対象物がその上に固定化されている小型装置を得ること、
を含むことを特徴とする、方法。 - 前記生物学的対象物の固定が、電場によって行われることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
- 前記生物学的対象物の固定が、前記反応マイクロキュベットの底部の少なくとも一部上に固定された試薬によって行われることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
- マイクロリザーバを有する装置が使用されること、および第三工程[この間に、前記マイクロキュベットの底部に固定された対象物を溶解させて、それらが含有する遺伝材料を、それらが固定されているマイクロキュベットに対応するマイクロリザーバへ放出させる]を含むことを特徴とする、請求項27〜29のいずれか1項に記載の方法。
- 第四工程を含み、この間に、前記放出された遺伝材料がPCRによって増幅されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
- 前記第三および第四工程が同時に行われることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
- 前記増幅された配列が、第五工程の間の電解重合(electropolymerization)によって電極上に固定されることを特徴とする、請求項31または32に記載の方法。
- 使用される装置が多重回路(multiplex circuit)を有すること、および個別化電気測定が各マイクロキュベットにおいて行われることを特徴とする、請求項27〜33のいずれか1項に記載の方法。
- 使用される装置が多重回路を有すること、および単離される生物学的対象物が、細胞の異種パネル(heterogeneous panel)由来であることを特徴とする、請求項27〜34のいずれか1項に記載の方法。
- 所定の標的の蛋白質またはヌクレオチドリガンドを見出すためのスクリーニングツールとしての、請求項1〜25のいずれか1項に記載の装置の少なくとも1つの使用。
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