JP2004534206A - 物体をイメージするためのデバイスおよび方法 - Google Patents
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Abstract
表面に並んだかまたは沈澱した微視的な物体を同定または分類し得る自動収集およびイメージ分析するためのデバイスおよび方法を開示する。例えば、検出可能に標識し得る希少な標的細胞のようなかかる物体を、磁気的または非磁気的に固定化し、自動レーザースキャニングに付して、標的または非標的物体の一連のデジタル化したx−yサブイメージまたは部分イメージを生成し、これらを結合して再構築された完全なイメージを形成し、それによって、サイズ、形態または免疫表現型に基づくイメージした物体の検出、計数、区別および特徴付けが許容される。
Description
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、 35 U.S.C.119条(e)の下に、全体の開示を本明細書の一部とみなす2001年1月5日に出願された米国仮特許出願番号06/259,959号に基づく優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は、一般的に、物体のスキャンおよびイメージを得るためのデバイスおよび方法に関し、より詳細には二次元平面に分布する生物流体から得た細胞のごとき物体の部分的なサブイメージから再構築したイメージに関する。本発明により提供するスキャンニングおよびイメージング技術は、磁気手段によって並べられ、ついで、デジタル化オプトエレクトロニクス手段によって調べる細胞のイメージングに特に有利である。
【0003】
発明の背景
1674年のAntoni van Leeuwenhoekによる顕微鏡の発明により、細胞のごとき微小な存在の可覚化が可能となった。Paul Ehrlichによる細胞の異なるコンポーネントを染色する色素の導入は約200年後に光学顕微鏡と組み合わさって、細胞分析の新たな時代の最初のステップと考え得る。区別を付けて標識した細胞を同定し、区別し得る細胞標識技術および細胞標識機器使用における改良により、細胞生物学の世界を開拓する我々の能力がおおいに改善されてきている。過去25年間に、自動化赤血球カウンターが、細胞化学的に染色した血液スメアの手動による検査にとって代わっている。形態計測手段による細胞分類に用いる基準には、細胞質に対する核の比率、細胞および核のサイズおよび形状、細胞質顆粒の数およびサイズのごときパラメータが含まれていた。細胞は成熟する間にその形態的外観を徐々に変化させるため、そのことは、細胞の指定における実質的な観察者間の変動にさらなる不確実性を導入している。悪性腫瘍と関連する形態的変化は成熟プロセスの間の細胞の外観と関連させることができ、また、異常な頻度の典型的でない細胞が悪性腫瘍であるとしてかかる細胞を指定するための基準として用いられる場合もある。
【0004】
細胞分類における改良は、免疫表現型に基づく同定から生じている。T−リンパ球の周囲のヒツジ赤血球のロゼットの形成のごとき初期の技術は、特定の細胞表面または細胞内抗原を認識する蛍光抗体で標識した細胞のフローサイトメトリー分析に置換わってきている。マルチパラメータを用いるフローサイトメトリー分析によって、サイズおよび染色特性に基づいて検出された事象を列挙および分類する能力が大幅に改良されてきているが、それは、例えば形態学的手段による細胞のごとき検出された事象をさらに識別しない。これらの原理を用いる現在の方法およびデバイスは、白血病およびリンパ腫のごとき種々の疾患を診断および分類することか、あるいはAIDSのごとき疾患の進行を追跡することをあてにしている。技術が改良されるにつれてより大量の情報が得られ、このことがその次に、希少な標的種についての検出方法の感度および特異性を拡張することのより大きな要望につながっている。さらなる改良を必要とする適用の例は、血液1ml当りに1未満のガン腫細胞の頻度でしか存在し得ないガン患者の血中の上皮起源の循環するガン腫細胞の同定および計数である。磁気手段によって富化した上皮細胞とマルチパラメータ・フローサイトメトリーによる分析と組合せて使用すると、健全な個人と乳ガンを患う患者との間に“循環する腫瘍細胞”の数に顕著な差異が見出された(Racilaら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 4589−4594, 1995)。幾つかの実験においては、かかる“循環する腫瘍細胞”(CTC)は、以下の特徴を発現している事象として定義された:上皮細胞マーカーであるサイトケラチンについて陽性、白血球マーカーであるCD45について陰性、核酸色素での染色について陽性、および、細胞と和合性である光散乱特性。しかしながら、細胞としての検出された事象およびさらなる分子的事実の形態学的確認はフローサイトメトリー法を欠いており、しかし検出された希少な事象が実際に原発性腫瘍に由来する腫瘍細胞であることを確かめることが明らかに必要である。自動化イメージ分析システムを導入して手動による方法における異なる操作者間の細胞分類の主観的な誤差を減少させているが、予備的な細胞富化工程を伴わないかかる従来のシステムは、いまだ固有的に感度が低い。幾つかの自動化細胞イメージングシステムが記載されており、あるいは細胞分析用に市販されている。Chromavisionによって開発されたシステムであるACISTMまたはAutomated Cellular Imaging System(Douglassら, 米国特許第6,151,405号)は、自動化コンピュータ制御顕微鏡および/またはヘルスケア専門技術者による視覚的検査によって観察されるサイズ、形状、色および染色強度での調製した細胞の顕微鏡検査による比色パターン認識を用いている。該システムは顕微鏡スライド上の細胞の検査を用い、組織切片用に設計されていた。Applied Imaging Corp.のSlideScanTMまたはMDSTMシステム(Saundersら, 米国特許第5,432,054号)は、色、強度、サイズ、パターンおよび形状で細胞または“物体”を検出し、つづいて視覚的に同定および分類する自動化インテリジェント顕微鏡およびイメージングシステムと記述されている。ACISシステムと比較して、このシステムはより高い能力を提供する蛍光標識を検出する能力を有している。しかしながら、これらおよび他の現在利用可能な方法は、血中の循環する腫瘍細胞のごとき希少な事象の正確な分類およびタイピングに対して十分に感度が高くない。したがって、本発明は、前記した方法に対する改良を探求し、例えば高感度免疫表現型タイピングと結合して、血液または他の流体中のCTCのごとき希少な標的種を検出し、計数し、正確に分類できるように使用し得る、物体を自動化イメージングする単純かつ有効な手段および方法を提供する。
【0005】
発明の概要
本発明は、Tibbeら(Natute Biotech. 17, 1210−13, 1999)によって記載されているごときCell TracksTM細胞分析システムのごときシステムに新規なイメージング能力を適用できるデバイスおよび方法を提供する。Tibbeによって記載され、出典明示して本明細書の一部とみなすデバイスおよび方法は、他の標的物体にも適用し得る。しかしながら、第1の適用は、血液からの希少な細胞の迅速な免疫磁気的選抜につづく単離した細胞の自動並び替えおよび自動化イメージ分析である。簡単には、本発明の好ましい具体例において、血液からの磁気的な収集および富化の後に、磁気的に標識した細胞をニッケル(Ni)の強磁性線にそって並べ、コンパクトディスクプレイヤーからのもののごとき慣用的な対物レンズによって焦点合せしたレーザーによってスキャンする。細胞は1またはそれを超える蛍光標識で選択的に染色されているため、測定した蛍光放出および強度を用いて、細胞の型を同定または分類し得る。液体流動システムは本発明のシステムによって必要とされない。ニッケル線の付近の角張った(angular)マグネットによって誘導される磁場により、磁気的に標識した細胞は固定位置に維持される。これにより、より広範な分析のために蛍光発光および蛍光強度を測定した後に、検出した事象を再検査して、検出した事象をさらに同定することが可能となる。かかる事象のイメージを微視的に概観することができ、独立した形態的基準をあてはめて実際の細胞として該事象を同定することができる。したがって、本発明によれば、新規なスキャンニングおよびイメージング法は、細胞を検出、同定および計数するための改良された診断システムを提供し、それには体液から免疫磁気的に標識した標的細胞を収集および並べるための有効な自動化手段が含まれ、ここで、かかる収集した細胞は異なる蛍光標識(群)で標識した非−標的細胞から標的を区別する少なくとも1の免疫特異的蛍光標識も担持している。収集し、並べられた細胞のイメージは個々のデジタル化されたサブイメージおよびそのx−y座標から再構築され、それによって物体の完全に結合されたイメージが供され、標的事象として検出された物体の改善された分類が許容される。
【0006】
本発明によれば、Cell Tracksシステムのごときシステムに新たなレーザースキャニングおよびイメージング技術を統合させて、高品質の蛍光イメージを得る。本明細書中に記載し、かつ、特許請求する知見は、従来の技術におけるシステムおよび方法を超える、希少な細胞の検出、計数および分類を大幅に改良している。いわゆる希少な事象と呼ばれる非常に低頻度の細胞の有効な検出には、細胞の損失を避けるために細胞の取扱いを最小限にとどめることが必要である。さらに、希少な細胞を分離してきて富化する体積は、検出の感度を上昇させるためにできるだけ大きくなくてはならない。開示する新規な技術の開発および適用により、ここでは、特定の事象の蛍光イメージを得ることができ、高精度の同定が生じ、かくして、本発明のシステムを体液中の希少な事象を検出するための強力なツールとしている。
【0007】
発明の詳細な説明
ここで、本発明を以下の説明中の好ましい具体例に参照してさらに説明する:
位置情報:
図1に再度参照すると、以前に測定した事象の完全なイメージを作製し得、ここで、完全なイメージとは結合した複数のデジタル化したサブイメージからなる再構築したイメージと定義し、該事象は図1中の試料チャンバー上に必ず再位置決定されなければならず、そのためには各サブイメージについてx−y試料座標としての空間情報が必要である。y−軸方向の位置情報を得るために、マグネットおよび試料チャンバーの両方を移動させるステージは、0.2μmの分解能を有するエンコーダーを備えている。特定の事象のサブイメージの線数を測定してx−軸方向の位置情報を得る。線数と一緒にエンコーダーのシグナルはメモリーに保存され、各サブイメージについての測定されたPMTシグナルに結合される。このようにして、すべての測定されたサブイメージ事象が関係付けられ、試料に対してx−y位置に指し示される。
【0008】
特定の事象またはサブイメージを測定した位置に戻すためには、現在の線数から特定の事象を測定した線数を差し引いたものに等しい線数だけレーザー焦点をシフトする。同時に、ステージを特定のエンコーダー位置までy−軸方向に移動する。エンコーダーシグナルを得るもう1の方法は、位置を記録するためのシグナルを提供する以下に記載するNi線にプロファイルを加えることである。このアプローチにより、さらに、大幅に単純で安価なステージを使用して試料を移動させることができる。
【0009】
イメージングの方法:
図1に示すシステムは、フレームレート25Hzであって手動調節の標準モノクローム監視電荷結合素子(CCD)カメラからなる。除去可能なミラーを光線に挿入することによって、コンパクトディスク(CD)対物レンズによって捕捉した蛍光が球面の色消しレンズ(f=150mm)によってピンホールに代わってCCD上に焦点合わせされる。CD対物レンズは単一の球面レンズからなり、それはCDプレーヤーで使用されているように780nmの波長に対して回折限界のスポットサイズが得られるように最適化されている。レンズのNAは0.45であって、レンズ直径は4mmである。焦点スポットのイメージを、それを細胞をスキャンするために用いた場合として図2aに示す。イメージの楕円形状は、それらの個々の焦点距離の2倍よりもわずかに大きい距離に位置する2の円筒レンズを用いて得られる。この楕円焦点の短軸は4μm(FWHM)に設定しており、これは同時に1を超える細胞に焦点が合うことを回避するために細胞の直径よりも小さい。長軸はNi線の間隔よりも大きい。Ni線に焦点合わせされた光は反射され、フィードバック対照として用いている。Ni線は0.5mm厚さのグラス基板上に存在する。レーザー光(635nm)を、この適用に対して最適化していないCD−対物レンズを有するガラス基板を通してNi線に焦点合わせすると、不均一なレーザー焦点となる。
【0010】
レーザー焦点の強度プロファイルは不均一であるのみならず、細胞の直径は典型的には5ないし20μmであるため、細胞の直径よりも小さい。しかしながら、細胞の直径よりも小さく、しかも不均一な強度プロファイルを有するレーザー焦点を有する均一な照射は、レーザー走査型顕微鏡において行われているように、光線中で光学コンポーネントを移動することにより細胞表面を横切ってレーザーをスキャンすることによって得ることができる(Corle, TR, Confocal Scanning Microscopy and Related Imaging Systems, Academic Press, NY, 1995)。本発明のシステムにおいては、この方法はフィードバックの損失を生じ、それが次にx−軸方向の位置情報の損失を生じるであろう。図2bはy−軸方向の図2aの焦点スポットイメージの個々の画素強度を加えた後に得られた強度プロファイルを示す。破線は10μmのNi線間隔を示している。合計した強度プロファイルは、線の間隔を横切る±6%の強度変動を示している。この焦点を通してy−軸方向に細胞を移動すると、細胞がレーザー焦点を通過した後に細胞のすべての部分がほぼ等しい照射を受ける結果を有するであろう。この方法を用いて、個々のサブイメージの合計に基づく並んだ細胞の完全な高品質蛍光イメージを得る。
【0011】
マグネチックステージおよびチャンバー:
マグネットおよびチャンバーは、y−軸方向で焦点を通して細胞を移動させるステージ上にすでに設置されている。特定の細胞の完全なイメージを得るためには、レーザー焦点を特定のサブイメージ事象を測定する線までシフトさせ、ステージを10mm/秒の速度でy−軸方向に対応するエンコーダー位置まで移動する。細胞位置までの距離が25マイクロになった場合にステージを5μm/秒の速度まで落とす。y−軸方向にこの一定の低速でステージを移動させている間に、細胞をレーザー焦点によってスキャンし、各サブイメージについての蛍光シグナルをCCD上に捕捉する(図3)。
【0012】
キャプチャーボードは25HzでCCDのサブイメージを捕捉し、これらはメモリーに保存される。各々のつづくサブイメージにおいては、スキャン方向のレーザー焦点が細胞の直径よりも小さいため、細胞の異なる部分が照射される。サブイメージの捕捉と一緒にエンコーダー位置が読まれ、その双方がコンピュータメモリーに保存される。合計40ミクロンが、各々150×250画素を有する200の捕捉されたサブイメージに対応して捕捉され、これは互いに対して平均0.2μmシフトしている。これは、CCD表面における2.63画素のシフトに対応する。エンコーダー値を用いれば、捕捉されたサブイメージはその関連するエンコーダー値×2.63の差に対応する画素数にわたってシフトし、その後に合計されるかまたは結合される。このことにより、図3に模式的に図示するごとく再構築された完全な細胞イメージが生じる。y−軸方向のサブイメージ分解能は0.2μmであるエンコーダー分解能によって決まる。x−軸方向の分解能はx−軸方向で記録されたイメージの画素数によって決まり、画素当り0.07μmである。両方の分解能とも回折限界よりも小さい。したがって、最終的な分解能はエンコーダーまたはカメラによって決まるのではなく、イメージング光学部品によって決まることは当業者であれば理解されるであろう。
【0013】
照射の均一性:
本発明の方法における照射の均一性を、10μm離したNi線の間に磁気的に標識した細胞が並ぶ面に設置した高濃度の蛍光色素溶液の薄層を用いて試験した。その色素層を前記したごとく5μm/秒の速度でスキャンし、イメージした。連続して捕捉したサブイメージを図4aに示す。蛍光色素の均一な層のために、照射が均一であれば均一な蛍光イメージが期待される。得られたイメージを図4bに示す。イメージのy−軸方向の中心軌跡に沿って強度単位で測定した観察シグナルは±7%変動することが判明した。この変動の1の解釈は色素層の不均一性とし得、これは発光し、捕捉される蛍光に影響するであろう。2番目の解釈はステージが一定速度で移動しなかったということである。ステージの位置はカメラのフレームレートおよびキャプチャーボードと同調しておらず、y−軸方向のステージの速度および位置にかかわりなく、イメージは25Hzで撮られた。ステージがある領域で5μm/秒よりも高速で移動すると、この領域ではより少ないイメージしか捕捉されず、合計強度が低くなってしまう。しかしながら、ステージの速度における変動を測定すると、測定したイメージ強度において観察された変動よりも遥かに小さいものであることが判明した。したがって、中心軌跡に沿った見かけの不均一性は、色素層の不均一性に起因するにちがいない。x−軸方向またはNi線もしくはスキャン方向に対して垂直な強度プロファイルも図4bに示す。この方向のサブイメージの強度は、Ni線間の中央に最大値を有し、Ni線の端部付近で低下する。Ni線は発光した蛍光を妨害して収集角を小さくしてしまい、これはその次に対物レンズの有効NAを小さくする。図5aにおいては、対物レンズによって検出した有効立体角をチャンバー中の位置の関数として計算している。シミュレーションは、10μmの線間隔および14μmの深さまたは層の厚さを用いて行なった。図5bのグラフはz−軸方向の図5aの計算した立体角値の合計を示し、したがってx−位置の関数としての収集および測定した強度の測定を提供している。観察された計算強度プロファイルは、均一な色素層について測定された強度と一致する。Ni線に近接する物体の有効NAは大きく低下し、均一な発光を用いてもx−軸方向の不均一な捕捉強度を生じる。図5aの円によって示すように7μmよりも小さい直径を有する物体はNi線の遮蔽効果に起因する強度における損失なしにイメージされるであろう。この領域における有効NAはNi線によって低下するからである。
【0014】
細胞イメージング:
Racilaら(Proc. Natl. Acad. Sci., 95, 4589−94, 1998)は、免疫磁気的標識につづくフローサイトメーターにおける免疫表現型決定分析を含む一連の工程を用いる血液から乳ガン細胞を分離する方法を記載している。この発明のシステムにおいては、細胞を免疫表現型決定し得、蛍光イメージを得ることによってその同一性を確認している。当該手法を全血に加えた乳ガンセルラインであるSKBR3の培養細胞の検出によって試験した。加えた試料は実施例の記載と同様に調製した。図6aは、フローサイトメトリーにおけるAPC/Cy7チャネル−対−APCチャネルのスキャッタープロットを示している。SKBR3細胞は領域1に局在している。残渣はブロードなバンドとして出現し、存在する場合には、白血球は領域2に局在する。スキャッタープロットを測定した後に、本明細書中に開示する新規なイメージング技術で幾つかの事象をイメージした。スキャッタープロット中の物体または細胞を選択した後、イメージングシステムは細胞の測定した位置まで自動的に戻り、イメージングルーチンが開始する。領域1の事象から採取した一連のイメージは、細胞質が蛍光染色されている細胞を示している。これらの細胞の核は暗い領域として見える。イメージは領域1に局在していない残渣については異なる。図6bは対応する測定した蛍光シグナルと一緒にSKBR3細胞のイメージを示している。蛍光イメージと測定されたPMTシグナルとはよく相関している。
【0015】
シグナル対ノイズ比:
イメージングのスキャン速度を低下すれば、より多数の特定の事象のサブイメージが捕捉され、原理的には、より良好なシグナル対ノイズ比を生じるであろう。しかしながら、イメージスキャン速度を低下した場合でもAPC標識したSKBR3細胞についてのイメージ品質における改善は全く観察されなかった。イメージスキャン速度の限界は、色素分子のフォトブリーチング(photo−bleaching)速度によって決まる。SKBR3細胞を2度目にスキャンした場合にCCDカメラで蛍光を全く検出し得なかったことは、大部分のAPC分子が最初のスキャン後にすでに光破壊(photo−destroy)されていたことを示している。したがって、スキャン速度を低下させても検出される蛍光シグナルにおける差異は生じず、蛍光バックグラウンドの上昇を生じるだけである。したがって、最適なスキャン速度は、個々の色素特性に依存し、使用する各蛍光色素について異なるであろう。したがって、シグナル対ノイズ比を改善するためには、迅速にスキャンすることが良好となり得る。一方で、25Hzのフレームレートを有するカメラを用いる場合に5μm/秒よりも速いスキャンニングは、分解能の損失を生じるであろう。捕捉されるイメージは0.2μmを超えて離れているからである。より高速のフレームレートを有するCCDカメラは分解能を失うことなくより迅速にスキャンすることが必要であろう。標準的な監視CCDカメラをより高感度のもので置換えれば、ほんやりと染色された細胞のイメージングも可能になるであろう。
【0016】
共焦点イメージング:
Cell Tracksシステムにおける磁気収集法は、スライド上の遠心沈澱を用いるサイトスピン・システムで通常観察されるように細胞に応力を加えたり、細胞を歪めたりしない。したがって、磁気的に並べた細胞はそれら固有の三次元形状および体積を維持している。本明細書中に記載するデバイスおよび方法は、細胞の共焦点イメージングを得るために用いることもでき、したがって、細胞の内側の蛍光色素の三次元分布がより正確に決定できることによってイメージ品質を高めるために用いることもできる(Corle, TR, Confocal Scanning Microscopy and Related Imaging Systems, Academic Press, NY, 1995)。
【0017】
Ni線を使用しないイメージング:
Cell Tracksシステムにおいては、Ni線を用いて細胞を並べ、かつ、細胞をその対応するエンコーダー値とともに測定する線数を用いて細胞を再位置決定(re−locate)する。しかしながら、本明細書中に記載するイメージング発明は、Ni線または磁気線の存在に依存せず、目的とする細胞または他の蛍光物体が存在するか、またはそれらを沈澱させ得るいずれの表面上でも用い得る。スキャン方向のエンコーダーデータのみが、保存し、撮られたサブイメージからイメージを再構築するために必要であろう。
【0018】
本発明の好ましい具体例を実施するために必要な基本的要件は:
1)スキャン方向のサブイメージの合計した強度プロファイルが、これは完全なイメージの品質に直接的に関係するため、可能な限り均一でなければならない。本発明においては、変動は6%未満である。
2)合計した強度プロファイルの均一性は、スキャン方向に対して垂直な方向で、スキャンする物体の直径よりも広い範囲まで拡大していなければならない。
3)ステージは細胞において観察される最小の細部以下の分解能で移動することができなければならない。
【0019】
本発明の改良されたスキャニングおよびイメージング・システムが前記した好ましい具体例に限定されるものではなく、これらの改良を取込んだ本発明の好ましい具体例が、先に記載したように、多くの分野ならびに一般的には細胞を診断するための適用および特定の標的種の適用において利用し得ることも判明していることは当業者であれば明らかであろう。以下の実施例は特定の具体例を説明するものであって本発明の現在わかっているベストモードを包含するものであるが、それによって本発明の範囲を限定するものではない。
【0020】
実施例1
これらの実験については、10μlの固定化SKBR3細胞(50,000細胞/ml)を290μlのEDTA血液と混合した。同時に、100μlの抗−EpCAMでコートした強磁性流体(タンパク質、ストレプトアビジンおよびビオチニル化EpCAM抗体でコートした約200nmサイズの磁性粒子)、上皮細胞に特異的であってSKBR3細胞上に存在することが知られている抗体(Immunicon Corp., Huntingdon Valley, PAで培養した)、抗サイトケラチン種または上皮細胞に存在する細胞骨格タンパク(例えば、上皮由来のSKBR3細胞)を認識するモノクローナル抗体にコンジュゲートした10μlのアロフィコシアニン(APC)および10μlのCD45−APC/Cy7(Caltag, Burlingame, CA)を添加して、白血球を同定し、サイトケラチン抗体に非特異的に結合し得る白血球を同定した。15分間インキュベートした後に、50μlのこの血液反応混合物をチャンバーに注入した。そのチャンバーをCell Tracksマグネットアセンブリーに置き、2分間の収集時間の後に、フィードバックシステムのスイッチを入れて測定を開始した。単一の測定において、各々15mmの長さであって30μmの線周期で、並んだ細胞を含む40の線をスキャンした。0.5mmのチャンバーの高さでは、スキャンした体積は9μlを表した。収集した標識SKBR3細胞をスキャンした結果を、対応する測定した免疫蛍光シグナルとともに図6aおよび6bに示す。図6aは、EpCAM標識した磁性ナノ粒子によって捕捉し、並べた全血中のSKBR3細胞のCD45−APC/Cy7色素−対−CAM5.2抗体−APC蛍光のスキャッタープロットを示す。領域1、SKBR3細胞領域、および残渣を含むブロードなバンドの測定した事象の幾つかの代表的なイメージを示す。領域2は、存在する場合には白血球が出現しNi線に沿って並ぶ領域である。図6bは1のSKBR3細胞のイメージとその対応する測定した蛍光シグナルを示す。
【0021】
実施例2
この実験においては、100μlのEDTA抗凝固血液、5μgのCD45標識した強磁性ナノ粒子を含有する50μlの強磁性流体、1.5μlのCD4−APCおよび25μlの10−5Mオキサジン750パークロレート(Exciton Inc., Dayton, OH)を添加した。最適濃度の試薬は、各試薬の一連の力価測定によって得た。15分間インキュベートした後に、300μlのPBSを添加し、50μlの血液混合物を、すでにマグネット間に設置されたキャピラリーに入れた。そのキャピラリーはマグネットの70°傾斜した面の間にそれが嵌合するような形状のガラス底部を有する。0.5mmの厚さを有する2の両面テープ(3M Co., St.Paul, MN)を3mmの間隔でガラス上に置いてキャピラリーの側壁を形成した。約30μmの幅および約0.2μmの厚さを有するNi線は、7740 PyrexRガラスウェハー(Corning International, Germany)上に標準的なフォトリソグラフィー技術によって作製した。ウェハーを4mm×25mmのピースに切断し、これらをNi線を底部に面させつつ両面テープ上に設置してキャピラリーの頂部を形成した。キャピラリーの内部寸法は高さ=0.5mm、長さ=25mm、幅=3mmである。ここに示す測定においては、y−軸方向のスキャン速度は4mm/秒であり、チャンバーは15mmにわたってスキャンし、40の線をスキャンして、2分30秒の測定時間となった。線の周期は30μmであるため、スキャンした表面は18mm2である。チャンバーの高さは0.5mmであるため、スキャンした体積は9μlである。示差白血球カウントについては、試薬を添加すると4.77の希釈率となった。線の間に細胞を並べるために要する時間を短縮し、かつ、弱く磁気的に標識された細胞がより上部の表面に引寄せられたことを確認するために、キャピラリーをマグネットと一緒に、血液をキャピラリーに入れた後に逆さまに設置した。2分後にマグネットと共にキャピラリーを再度逆転し、ほぼ1分後に、フィードバックシステムのスイッチを入れて測定を開始した。発光スペクトルを分離するために、APC蛍光については660df32バンドパスフィルターを、オキサジン750については730df100バンドパスフィルター(両方ともOmega Optical Co., Bratteleboro, VT製のフィルター)を用いた。オキサジン750染色細胞の蛍光強度が免疫−蛍光CD4−APC標識細胞のものよりも顕著に大きいため、スペクトルの重複の補正が必要である。補正後に得られたスキャッタープロットの典型的な例を図7に示す。4の集団が明らかに見え、CD4+リンパ球、CD4+単球、CD4−リンパ球および好中球と同定された。図に示すゲート設定を用いて各ゲートにおける事象の数を決定した。測定した白血球の合計数は12350であって、測定時間は2.5分であった。検出した物体からの蛍光の分布を調べるために、ソフトウェアを書き込んで、使用者がスキャッタープロット中の目的の物体を指すことができるようにした。ついで、システムをこの事象の場所まで移動させて、イメージを採取した。予期せぬことには、イメージは、オキサジン750染色から得た蛍光が核に由来するものではなく顆粒に由来することを明らかに示した(Shapiro HM, Stephens S: Flow cytometry of DNA Content Using Oxazine 750 or Related Laser Dyes With 633 nm Excitation. Cytometry 1986: 7: 107−110)。顆粒球ゲートにおける事象から得た6のイメージおよび単球ゲートにおける事象から得た2のイメージを示す。
【0022】
実施例3
実施例2に記載した実験を、時間分解イメージを全血中のオキサジン750染色し、CD45強磁性流体捕捉した白血球からCell Tracksシステムを用いて採取した以外は繰返した。図8は20秒間隔で採取したイメージの4の例を示す。細胞内の蛍光の分布は、明らかに時間間隔の間で変化しており、フレーム3および4で追跡した細胞から明らかなように、異なる細胞は異なって挙動している。両方のフレームにおいて、極めて近接する2の細胞からのイメージを採取し、オキサジン750の取込みおよび細胞分布の差異は明らかである。これらの例から、例えば、薬剤または他の成分に対する血中の細胞の応答をリアルタイムで調べることができるように、Cell Tracksシステムが細胞の機能分析を行なうユニークな能力を有することは明らかである。
【0023】
特定の具体例に参照しつつ本発明を説明したが、当業者であれば例えば本明細書中に記載した特定の実験条件でそれから多くの変形を作成することができることは理解されるであろう。また、本発明による開示が、本発明のより広い範囲および意図から逸脱することなく本発明の幾つかの好ましい具体例および目的および利点しか示していないことは理解され、評価されるべきである。本発明によるこれらの発見が当業者によって想定される機器および方法の多くのさらなる潜在的な適用の例示でしかなく、したがって本発明を限定することを意図するものでないことは理解され、評価されるべきである。したがって、本発明の他の目的および利点は、添付する請求の範囲と一緒に以下の詳細な説明から当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい具体例を利用しているCell Tracksシステムの概略図。イメージングに重要なコンポーネントを太字で示す。
【図2】a)細胞をスキャンするために用いた場合の発光する焦点スポットのイメージ;短軸は4μmであって長軸は15μmである。破線はNi線の位置を示す。b)図2aに図示したx軸方向の合計した画素強度を示すグラフ。
【図3】イメージ再構築法の模式図を示す。検出した事象または細胞を、エンコーダーを備えたステージを移動させることによってレーザーでスキャンする。CCDカメラが個々のサブイメージを捕捉し、それらをステージのx−y座標を示す対応するエンコーダー位置と一緒にコンピュータメモリーに保存する。スキャンが完了した後に、サブイメージを結合して、つづくサブイメージを互いに対してシフトすべき画素の数にさかののぼって計算する(calculated back)エンコーダー値を用いることによって物体の完全に再構築したイメージを形成する。シフトしたサブイメージの合計により、細胞の完全に再構築した蛍光イメージを得る。
【図4】a)均一な層の色素をスキャンした場合に捕捉された蛍光シグナル。b)図4aでスキャンした色素に関するx−軸よびy−軸方向の蛍光強度の合計を示す2のグラフ。
【図5】a)チャンバー中の位置の関数として対物レンズによって捕捉された立体角のグラフィック表示。空気中のコンパクトディスク(CD)対物レンズの開口数は0.45であり、これによりステージ上のチャンバー内部の有効開口数は0.34となる。このNAは0.37 srの立体角(□)に相当する。ニッケル線の間隔は10μmである。円は7μmの直径を有する並んだ物体を表す。2点の有効収光角を図に示す。b)z−軸方向の図4aの計算した立体角の相対合計を示す。
【図6】全血に加えた、EpCAM抗体標識した磁性粒子によって捕捉し、並べたSKBR3細胞のCD45抗体−APC/Cy7−対−CAM5.2抗体−APC蛍光のスキャッタープロット。領域1、SKBR3細胞領域、および残渣を含有するブロードなバンドの測定した事象の幾つかの代表的なサブイメージを示す。領域2は、存在する場合には白血球が出現してNi線にそって並ぶ領域である。b)対応する測定した蛍光シグナルを有するSKBR3細胞の完全イメージ。
【図7】CD45標識した磁性ナノ粒子によって捕捉され、並べられた全血中の白血球のオキサジン750蛍光−対−CD4−APC蛍光のスキャッタープロット。単球および顆粒球領域の幾つかの代表的なイメージを示す。
【図8】Cell Tracksシステムを利用した全血中のオキサジン750で染色したCD45強磁性流体捕捉白血球の時間分解イメージング:時間の間隔は20秒間隔の0ないし120秒である。
関連出願の相互参照
本願は、 35 U.S.C.119条(e)の下に、全体の開示を本明細書の一部とみなす2001年1月5日に出願された米国仮特許出願番号06/259,959号に基づく優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は、一般的に、物体のスキャンおよびイメージを得るためのデバイスおよび方法に関し、より詳細には二次元平面に分布する生物流体から得た細胞のごとき物体の部分的なサブイメージから再構築したイメージに関する。本発明により提供するスキャンニングおよびイメージング技術は、磁気手段によって並べられ、ついで、デジタル化オプトエレクトロニクス手段によって調べる細胞のイメージングに特に有利である。
【0003】
発明の背景
1674年のAntoni van Leeuwenhoekによる顕微鏡の発明により、細胞のごとき微小な存在の可覚化が可能となった。Paul Ehrlichによる細胞の異なるコンポーネントを染色する色素の導入は約200年後に光学顕微鏡と組み合わさって、細胞分析の新たな時代の最初のステップと考え得る。区別を付けて標識した細胞を同定し、区別し得る細胞標識技術および細胞標識機器使用における改良により、細胞生物学の世界を開拓する我々の能力がおおいに改善されてきている。過去25年間に、自動化赤血球カウンターが、細胞化学的に染色した血液スメアの手動による検査にとって代わっている。形態計測手段による細胞分類に用いる基準には、細胞質に対する核の比率、細胞および核のサイズおよび形状、細胞質顆粒の数およびサイズのごときパラメータが含まれていた。細胞は成熟する間にその形態的外観を徐々に変化させるため、そのことは、細胞の指定における実質的な観察者間の変動にさらなる不確実性を導入している。悪性腫瘍と関連する形態的変化は成熟プロセスの間の細胞の外観と関連させることができ、また、異常な頻度の典型的でない細胞が悪性腫瘍であるとしてかかる細胞を指定するための基準として用いられる場合もある。
【0004】
細胞分類における改良は、免疫表現型に基づく同定から生じている。T−リンパ球の周囲のヒツジ赤血球のロゼットの形成のごとき初期の技術は、特定の細胞表面または細胞内抗原を認識する蛍光抗体で標識した細胞のフローサイトメトリー分析に置換わってきている。マルチパラメータを用いるフローサイトメトリー分析によって、サイズおよび染色特性に基づいて検出された事象を列挙および分類する能力が大幅に改良されてきているが、それは、例えば形態学的手段による細胞のごとき検出された事象をさらに識別しない。これらの原理を用いる現在の方法およびデバイスは、白血病およびリンパ腫のごとき種々の疾患を診断および分類することか、あるいはAIDSのごとき疾患の進行を追跡することをあてにしている。技術が改良されるにつれてより大量の情報が得られ、このことがその次に、希少な標的種についての検出方法の感度および特異性を拡張することのより大きな要望につながっている。さらなる改良を必要とする適用の例は、血液1ml当りに1未満のガン腫細胞の頻度でしか存在し得ないガン患者の血中の上皮起源の循環するガン腫細胞の同定および計数である。磁気手段によって富化した上皮細胞とマルチパラメータ・フローサイトメトリーによる分析と組合せて使用すると、健全な個人と乳ガンを患う患者との間に“循環する腫瘍細胞”の数に顕著な差異が見出された(Racilaら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 4589−4594, 1995)。幾つかの実験においては、かかる“循環する腫瘍細胞”(CTC)は、以下の特徴を発現している事象として定義された:上皮細胞マーカーであるサイトケラチンについて陽性、白血球マーカーであるCD45について陰性、核酸色素での染色について陽性、および、細胞と和合性である光散乱特性。しかしながら、細胞としての検出された事象およびさらなる分子的事実の形態学的確認はフローサイトメトリー法を欠いており、しかし検出された希少な事象が実際に原発性腫瘍に由来する腫瘍細胞であることを確かめることが明らかに必要である。自動化イメージ分析システムを導入して手動による方法における異なる操作者間の細胞分類の主観的な誤差を減少させているが、予備的な細胞富化工程を伴わないかかる従来のシステムは、いまだ固有的に感度が低い。幾つかの自動化細胞イメージングシステムが記載されており、あるいは細胞分析用に市販されている。Chromavisionによって開発されたシステムであるACISTMまたはAutomated Cellular Imaging System(Douglassら, 米国特許第6,151,405号)は、自動化コンピュータ制御顕微鏡および/またはヘルスケア専門技術者による視覚的検査によって観察されるサイズ、形状、色および染色強度での調製した細胞の顕微鏡検査による比色パターン認識を用いている。該システムは顕微鏡スライド上の細胞の検査を用い、組織切片用に設計されていた。Applied Imaging Corp.のSlideScanTMまたはMDSTMシステム(Saundersら, 米国特許第5,432,054号)は、色、強度、サイズ、パターンおよび形状で細胞または“物体”を検出し、つづいて視覚的に同定および分類する自動化インテリジェント顕微鏡およびイメージングシステムと記述されている。ACISシステムと比較して、このシステムはより高い能力を提供する蛍光標識を検出する能力を有している。しかしながら、これらおよび他の現在利用可能な方法は、血中の循環する腫瘍細胞のごとき希少な事象の正確な分類およびタイピングに対して十分に感度が高くない。したがって、本発明は、前記した方法に対する改良を探求し、例えば高感度免疫表現型タイピングと結合して、血液または他の流体中のCTCのごとき希少な標的種を検出し、計数し、正確に分類できるように使用し得る、物体を自動化イメージングする単純かつ有効な手段および方法を提供する。
【0005】
発明の概要
本発明は、Tibbeら(Natute Biotech. 17, 1210−13, 1999)によって記載されているごときCell TracksTM細胞分析システムのごときシステムに新規なイメージング能力を適用できるデバイスおよび方法を提供する。Tibbeによって記載され、出典明示して本明細書の一部とみなすデバイスおよび方法は、他の標的物体にも適用し得る。しかしながら、第1の適用は、血液からの希少な細胞の迅速な免疫磁気的選抜につづく単離した細胞の自動並び替えおよび自動化イメージ分析である。簡単には、本発明の好ましい具体例において、血液からの磁気的な収集および富化の後に、磁気的に標識した細胞をニッケル(Ni)の強磁性線にそって並べ、コンパクトディスクプレイヤーからのもののごとき慣用的な対物レンズによって焦点合せしたレーザーによってスキャンする。細胞は1またはそれを超える蛍光標識で選択的に染色されているため、測定した蛍光放出および強度を用いて、細胞の型を同定または分類し得る。液体流動システムは本発明のシステムによって必要とされない。ニッケル線の付近の角張った(angular)マグネットによって誘導される磁場により、磁気的に標識した細胞は固定位置に維持される。これにより、より広範な分析のために蛍光発光および蛍光強度を測定した後に、検出した事象を再検査して、検出した事象をさらに同定することが可能となる。かかる事象のイメージを微視的に概観することができ、独立した形態的基準をあてはめて実際の細胞として該事象を同定することができる。したがって、本発明によれば、新規なスキャンニングおよびイメージング法は、細胞を検出、同定および計数するための改良された診断システムを提供し、それには体液から免疫磁気的に標識した標的細胞を収集および並べるための有効な自動化手段が含まれ、ここで、かかる収集した細胞は異なる蛍光標識(群)で標識した非−標的細胞から標的を区別する少なくとも1の免疫特異的蛍光標識も担持している。収集し、並べられた細胞のイメージは個々のデジタル化されたサブイメージおよびそのx−y座標から再構築され、それによって物体の完全に結合されたイメージが供され、標的事象として検出された物体の改善された分類が許容される。
【0006】
本発明によれば、Cell Tracksシステムのごときシステムに新たなレーザースキャニングおよびイメージング技術を統合させて、高品質の蛍光イメージを得る。本明細書中に記載し、かつ、特許請求する知見は、従来の技術におけるシステムおよび方法を超える、希少な細胞の検出、計数および分類を大幅に改良している。いわゆる希少な事象と呼ばれる非常に低頻度の細胞の有効な検出には、細胞の損失を避けるために細胞の取扱いを最小限にとどめることが必要である。さらに、希少な細胞を分離してきて富化する体積は、検出の感度を上昇させるためにできるだけ大きくなくてはならない。開示する新規な技術の開発および適用により、ここでは、特定の事象の蛍光イメージを得ることができ、高精度の同定が生じ、かくして、本発明のシステムを体液中の希少な事象を検出するための強力なツールとしている。
【0007】
発明の詳細な説明
ここで、本発明を以下の説明中の好ましい具体例に参照してさらに説明する:
位置情報:
図1に再度参照すると、以前に測定した事象の完全なイメージを作製し得、ここで、完全なイメージとは結合した複数のデジタル化したサブイメージからなる再構築したイメージと定義し、該事象は図1中の試料チャンバー上に必ず再位置決定されなければならず、そのためには各サブイメージについてx−y試料座標としての空間情報が必要である。y−軸方向の位置情報を得るために、マグネットおよび試料チャンバーの両方を移動させるステージは、0.2μmの分解能を有するエンコーダーを備えている。特定の事象のサブイメージの線数を測定してx−軸方向の位置情報を得る。線数と一緒にエンコーダーのシグナルはメモリーに保存され、各サブイメージについての測定されたPMTシグナルに結合される。このようにして、すべての測定されたサブイメージ事象が関係付けられ、試料に対してx−y位置に指し示される。
【0008】
特定の事象またはサブイメージを測定した位置に戻すためには、現在の線数から特定の事象を測定した線数を差し引いたものに等しい線数だけレーザー焦点をシフトする。同時に、ステージを特定のエンコーダー位置までy−軸方向に移動する。エンコーダーシグナルを得るもう1の方法は、位置を記録するためのシグナルを提供する以下に記載するNi線にプロファイルを加えることである。このアプローチにより、さらに、大幅に単純で安価なステージを使用して試料を移動させることができる。
【0009】
イメージングの方法:
図1に示すシステムは、フレームレート25Hzであって手動調節の標準モノクローム監視電荷結合素子(CCD)カメラからなる。除去可能なミラーを光線に挿入することによって、コンパクトディスク(CD)対物レンズによって捕捉した蛍光が球面の色消しレンズ(f=150mm)によってピンホールに代わってCCD上に焦点合わせされる。CD対物レンズは単一の球面レンズからなり、それはCDプレーヤーで使用されているように780nmの波長に対して回折限界のスポットサイズが得られるように最適化されている。レンズのNAは0.45であって、レンズ直径は4mmである。焦点スポットのイメージを、それを細胞をスキャンするために用いた場合として図2aに示す。イメージの楕円形状は、それらの個々の焦点距離の2倍よりもわずかに大きい距離に位置する2の円筒レンズを用いて得られる。この楕円焦点の短軸は4μm(FWHM)に設定しており、これは同時に1を超える細胞に焦点が合うことを回避するために細胞の直径よりも小さい。長軸はNi線の間隔よりも大きい。Ni線に焦点合わせされた光は反射され、フィードバック対照として用いている。Ni線は0.5mm厚さのグラス基板上に存在する。レーザー光(635nm)を、この適用に対して最適化していないCD−対物レンズを有するガラス基板を通してNi線に焦点合わせすると、不均一なレーザー焦点となる。
【0010】
レーザー焦点の強度プロファイルは不均一であるのみならず、細胞の直径は典型的には5ないし20μmであるため、細胞の直径よりも小さい。しかしながら、細胞の直径よりも小さく、しかも不均一な強度プロファイルを有するレーザー焦点を有する均一な照射は、レーザー走査型顕微鏡において行われているように、光線中で光学コンポーネントを移動することにより細胞表面を横切ってレーザーをスキャンすることによって得ることができる(Corle, TR, Confocal Scanning Microscopy and Related Imaging Systems, Academic Press, NY, 1995)。本発明のシステムにおいては、この方法はフィードバックの損失を生じ、それが次にx−軸方向の位置情報の損失を生じるであろう。図2bはy−軸方向の図2aの焦点スポットイメージの個々の画素強度を加えた後に得られた強度プロファイルを示す。破線は10μmのNi線間隔を示している。合計した強度プロファイルは、線の間隔を横切る±6%の強度変動を示している。この焦点を通してy−軸方向に細胞を移動すると、細胞がレーザー焦点を通過した後に細胞のすべての部分がほぼ等しい照射を受ける結果を有するであろう。この方法を用いて、個々のサブイメージの合計に基づく並んだ細胞の完全な高品質蛍光イメージを得る。
【0011】
マグネチックステージおよびチャンバー:
マグネットおよびチャンバーは、y−軸方向で焦点を通して細胞を移動させるステージ上にすでに設置されている。特定の細胞の完全なイメージを得るためには、レーザー焦点を特定のサブイメージ事象を測定する線までシフトさせ、ステージを10mm/秒の速度でy−軸方向に対応するエンコーダー位置まで移動する。細胞位置までの距離が25マイクロになった場合にステージを5μm/秒の速度まで落とす。y−軸方向にこの一定の低速でステージを移動させている間に、細胞をレーザー焦点によってスキャンし、各サブイメージについての蛍光シグナルをCCD上に捕捉する(図3)。
【0012】
キャプチャーボードは25HzでCCDのサブイメージを捕捉し、これらはメモリーに保存される。各々のつづくサブイメージにおいては、スキャン方向のレーザー焦点が細胞の直径よりも小さいため、細胞の異なる部分が照射される。サブイメージの捕捉と一緒にエンコーダー位置が読まれ、その双方がコンピュータメモリーに保存される。合計40ミクロンが、各々150×250画素を有する200の捕捉されたサブイメージに対応して捕捉され、これは互いに対して平均0.2μmシフトしている。これは、CCD表面における2.63画素のシフトに対応する。エンコーダー値を用いれば、捕捉されたサブイメージはその関連するエンコーダー値×2.63の差に対応する画素数にわたってシフトし、その後に合計されるかまたは結合される。このことにより、図3に模式的に図示するごとく再構築された完全な細胞イメージが生じる。y−軸方向のサブイメージ分解能は0.2μmであるエンコーダー分解能によって決まる。x−軸方向の分解能はx−軸方向で記録されたイメージの画素数によって決まり、画素当り0.07μmである。両方の分解能とも回折限界よりも小さい。したがって、最終的な分解能はエンコーダーまたはカメラによって決まるのではなく、イメージング光学部品によって決まることは当業者であれば理解されるであろう。
【0013】
照射の均一性:
本発明の方法における照射の均一性を、10μm離したNi線の間に磁気的に標識した細胞が並ぶ面に設置した高濃度の蛍光色素溶液の薄層を用いて試験した。その色素層を前記したごとく5μm/秒の速度でスキャンし、イメージした。連続して捕捉したサブイメージを図4aに示す。蛍光色素の均一な層のために、照射が均一であれば均一な蛍光イメージが期待される。得られたイメージを図4bに示す。イメージのy−軸方向の中心軌跡に沿って強度単位で測定した観察シグナルは±7%変動することが判明した。この変動の1の解釈は色素層の不均一性とし得、これは発光し、捕捉される蛍光に影響するであろう。2番目の解釈はステージが一定速度で移動しなかったということである。ステージの位置はカメラのフレームレートおよびキャプチャーボードと同調しておらず、y−軸方向のステージの速度および位置にかかわりなく、イメージは25Hzで撮られた。ステージがある領域で5μm/秒よりも高速で移動すると、この領域ではより少ないイメージしか捕捉されず、合計強度が低くなってしまう。しかしながら、ステージの速度における変動を測定すると、測定したイメージ強度において観察された変動よりも遥かに小さいものであることが判明した。したがって、中心軌跡に沿った見かけの不均一性は、色素層の不均一性に起因するにちがいない。x−軸方向またはNi線もしくはスキャン方向に対して垂直な強度プロファイルも図4bに示す。この方向のサブイメージの強度は、Ni線間の中央に最大値を有し、Ni線の端部付近で低下する。Ni線は発光した蛍光を妨害して収集角を小さくしてしまい、これはその次に対物レンズの有効NAを小さくする。図5aにおいては、対物レンズによって検出した有効立体角をチャンバー中の位置の関数として計算している。シミュレーションは、10μmの線間隔および14μmの深さまたは層の厚さを用いて行なった。図5bのグラフはz−軸方向の図5aの計算した立体角値の合計を示し、したがってx−位置の関数としての収集および測定した強度の測定を提供している。観察された計算強度プロファイルは、均一な色素層について測定された強度と一致する。Ni線に近接する物体の有効NAは大きく低下し、均一な発光を用いてもx−軸方向の不均一な捕捉強度を生じる。図5aの円によって示すように7μmよりも小さい直径を有する物体はNi線の遮蔽効果に起因する強度における損失なしにイメージされるであろう。この領域における有効NAはNi線によって低下するからである。
【0014】
細胞イメージング:
Racilaら(Proc. Natl. Acad. Sci., 95, 4589−94, 1998)は、免疫磁気的標識につづくフローサイトメーターにおける免疫表現型決定分析を含む一連の工程を用いる血液から乳ガン細胞を分離する方法を記載している。この発明のシステムにおいては、細胞を免疫表現型決定し得、蛍光イメージを得ることによってその同一性を確認している。当該手法を全血に加えた乳ガンセルラインであるSKBR3の培養細胞の検出によって試験した。加えた試料は実施例の記載と同様に調製した。図6aは、フローサイトメトリーにおけるAPC/Cy7チャネル−対−APCチャネルのスキャッタープロットを示している。SKBR3細胞は領域1に局在している。残渣はブロードなバンドとして出現し、存在する場合には、白血球は領域2に局在する。スキャッタープロットを測定した後に、本明細書中に開示する新規なイメージング技術で幾つかの事象をイメージした。スキャッタープロット中の物体または細胞を選択した後、イメージングシステムは細胞の測定した位置まで自動的に戻り、イメージングルーチンが開始する。領域1の事象から採取した一連のイメージは、細胞質が蛍光染色されている細胞を示している。これらの細胞の核は暗い領域として見える。イメージは領域1に局在していない残渣については異なる。図6bは対応する測定した蛍光シグナルと一緒にSKBR3細胞のイメージを示している。蛍光イメージと測定されたPMTシグナルとはよく相関している。
【0015】
シグナル対ノイズ比:
イメージングのスキャン速度を低下すれば、より多数の特定の事象のサブイメージが捕捉され、原理的には、より良好なシグナル対ノイズ比を生じるであろう。しかしながら、イメージスキャン速度を低下した場合でもAPC標識したSKBR3細胞についてのイメージ品質における改善は全く観察されなかった。イメージスキャン速度の限界は、色素分子のフォトブリーチング(photo−bleaching)速度によって決まる。SKBR3細胞を2度目にスキャンした場合にCCDカメラで蛍光を全く検出し得なかったことは、大部分のAPC分子が最初のスキャン後にすでに光破壊(photo−destroy)されていたことを示している。したがって、スキャン速度を低下させても検出される蛍光シグナルにおける差異は生じず、蛍光バックグラウンドの上昇を生じるだけである。したがって、最適なスキャン速度は、個々の色素特性に依存し、使用する各蛍光色素について異なるであろう。したがって、シグナル対ノイズ比を改善するためには、迅速にスキャンすることが良好となり得る。一方で、25Hzのフレームレートを有するカメラを用いる場合に5μm/秒よりも速いスキャンニングは、分解能の損失を生じるであろう。捕捉されるイメージは0.2μmを超えて離れているからである。より高速のフレームレートを有するCCDカメラは分解能を失うことなくより迅速にスキャンすることが必要であろう。標準的な監視CCDカメラをより高感度のもので置換えれば、ほんやりと染色された細胞のイメージングも可能になるであろう。
【0016】
共焦点イメージング:
Cell Tracksシステムにおける磁気収集法は、スライド上の遠心沈澱を用いるサイトスピン・システムで通常観察されるように細胞に応力を加えたり、細胞を歪めたりしない。したがって、磁気的に並べた細胞はそれら固有の三次元形状および体積を維持している。本明細書中に記載するデバイスおよび方法は、細胞の共焦点イメージングを得るために用いることもでき、したがって、細胞の内側の蛍光色素の三次元分布がより正確に決定できることによってイメージ品質を高めるために用いることもできる(Corle, TR, Confocal Scanning Microscopy and Related Imaging Systems, Academic Press, NY, 1995)。
【0017】
Ni線を使用しないイメージング:
Cell Tracksシステムにおいては、Ni線を用いて細胞を並べ、かつ、細胞をその対応するエンコーダー値とともに測定する線数を用いて細胞を再位置決定(re−locate)する。しかしながら、本明細書中に記載するイメージング発明は、Ni線または磁気線の存在に依存せず、目的とする細胞または他の蛍光物体が存在するか、またはそれらを沈澱させ得るいずれの表面上でも用い得る。スキャン方向のエンコーダーデータのみが、保存し、撮られたサブイメージからイメージを再構築するために必要であろう。
【0018】
本発明の好ましい具体例を実施するために必要な基本的要件は:
1)スキャン方向のサブイメージの合計した強度プロファイルが、これは完全なイメージの品質に直接的に関係するため、可能な限り均一でなければならない。本発明においては、変動は6%未満である。
2)合計した強度プロファイルの均一性は、スキャン方向に対して垂直な方向で、スキャンする物体の直径よりも広い範囲まで拡大していなければならない。
3)ステージは細胞において観察される最小の細部以下の分解能で移動することができなければならない。
【0019】
本発明の改良されたスキャニングおよびイメージング・システムが前記した好ましい具体例に限定されるものではなく、これらの改良を取込んだ本発明の好ましい具体例が、先に記載したように、多くの分野ならびに一般的には細胞を診断するための適用および特定の標的種の適用において利用し得ることも判明していることは当業者であれば明らかであろう。以下の実施例は特定の具体例を説明するものであって本発明の現在わかっているベストモードを包含するものであるが、それによって本発明の範囲を限定するものではない。
【0020】
実施例1
これらの実験については、10μlの固定化SKBR3細胞(50,000細胞/ml)を290μlのEDTA血液と混合した。同時に、100μlの抗−EpCAMでコートした強磁性流体(タンパク質、ストレプトアビジンおよびビオチニル化EpCAM抗体でコートした約200nmサイズの磁性粒子)、上皮細胞に特異的であってSKBR3細胞上に存在することが知られている抗体(Immunicon Corp., Huntingdon Valley, PAで培養した)、抗サイトケラチン種または上皮細胞に存在する細胞骨格タンパク(例えば、上皮由来のSKBR3細胞)を認識するモノクローナル抗体にコンジュゲートした10μlのアロフィコシアニン(APC)および10μlのCD45−APC/Cy7(Caltag, Burlingame, CA)を添加して、白血球を同定し、サイトケラチン抗体に非特異的に結合し得る白血球を同定した。15分間インキュベートした後に、50μlのこの血液反応混合物をチャンバーに注入した。そのチャンバーをCell Tracksマグネットアセンブリーに置き、2分間の収集時間の後に、フィードバックシステムのスイッチを入れて測定を開始した。単一の測定において、各々15mmの長さであって30μmの線周期で、並んだ細胞を含む40の線をスキャンした。0.5mmのチャンバーの高さでは、スキャンした体積は9μlを表した。収集した標識SKBR3細胞をスキャンした結果を、対応する測定した免疫蛍光シグナルとともに図6aおよび6bに示す。図6aは、EpCAM標識した磁性ナノ粒子によって捕捉し、並べた全血中のSKBR3細胞のCD45−APC/Cy7色素−対−CAM5.2抗体−APC蛍光のスキャッタープロットを示す。領域1、SKBR3細胞領域、および残渣を含むブロードなバンドの測定した事象の幾つかの代表的なイメージを示す。領域2は、存在する場合には白血球が出現しNi線に沿って並ぶ領域である。図6bは1のSKBR3細胞のイメージとその対応する測定した蛍光シグナルを示す。
【0021】
実施例2
この実験においては、100μlのEDTA抗凝固血液、5μgのCD45標識した強磁性ナノ粒子を含有する50μlの強磁性流体、1.5μlのCD4−APCおよび25μlの10−5Mオキサジン750パークロレート(Exciton Inc., Dayton, OH)を添加した。最適濃度の試薬は、各試薬の一連の力価測定によって得た。15分間インキュベートした後に、300μlのPBSを添加し、50μlの血液混合物を、すでにマグネット間に設置されたキャピラリーに入れた。そのキャピラリーはマグネットの70°傾斜した面の間にそれが嵌合するような形状のガラス底部を有する。0.5mmの厚さを有する2の両面テープ(3M Co., St.Paul, MN)を3mmの間隔でガラス上に置いてキャピラリーの側壁を形成した。約30μmの幅および約0.2μmの厚さを有するNi線は、7740 PyrexRガラスウェハー(Corning International, Germany)上に標準的なフォトリソグラフィー技術によって作製した。ウェハーを4mm×25mmのピースに切断し、これらをNi線を底部に面させつつ両面テープ上に設置してキャピラリーの頂部を形成した。キャピラリーの内部寸法は高さ=0.5mm、長さ=25mm、幅=3mmである。ここに示す測定においては、y−軸方向のスキャン速度は4mm/秒であり、チャンバーは15mmにわたってスキャンし、40の線をスキャンして、2分30秒の測定時間となった。線の周期は30μmであるため、スキャンした表面は18mm2である。チャンバーの高さは0.5mmであるため、スキャンした体積は9μlである。示差白血球カウントについては、試薬を添加すると4.77の希釈率となった。線の間に細胞を並べるために要する時間を短縮し、かつ、弱く磁気的に標識された細胞がより上部の表面に引寄せられたことを確認するために、キャピラリーをマグネットと一緒に、血液をキャピラリーに入れた後に逆さまに設置した。2分後にマグネットと共にキャピラリーを再度逆転し、ほぼ1分後に、フィードバックシステムのスイッチを入れて測定を開始した。発光スペクトルを分離するために、APC蛍光については660df32バンドパスフィルターを、オキサジン750については730df100バンドパスフィルター(両方ともOmega Optical Co., Bratteleboro, VT製のフィルター)を用いた。オキサジン750染色細胞の蛍光強度が免疫−蛍光CD4−APC標識細胞のものよりも顕著に大きいため、スペクトルの重複の補正が必要である。補正後に得られたスキャッタープロットの典型的な例を図7に示す。4の集団が明らかに見え、CD4+リンパ球、CD4+単球、CD4−リンパ球および好中球と同定された。図に示すゲート設定を用いて各ゲートにおける事象の数を決定した。測定した白血球の合計数は12350であって、測定時間は2.5分であった。検出した物体からの蛍光の分布を調べるために、ソフトウェアを書き込んで、使用者がスキャッタープロット中の目的の物体を指すことができるようにした。ついで、システムをこの事象の場所まで移動させて、イメージを採取した。予期せぬことには、イメージは、オキサジン750染色から得た蛍光が核に由来するものではなく顆粒に由来することを明らかに示した(Shapiro HM, Stephens S: Flow cytometry of DNA Content Using Oxazine 750 or Related Laser Dyes With 633 nm Excitation. Cytometry 1986: 7: 107−110)。顆粒球ゲートにおける事象から得た6のイメージおよび単球ゲートにおける事象から得た2のイメージを示す。
【0022】
実施例3
実施例2に記載した実験を、時間分解イメージを全血中のオキサジン750染色し、CD45強磁性流体捕捉した白血球からCell Tracksシステムを用いて採取した以外は繰返した。図8は20秒間隔で採取したイメージの4の例を示す。細胞内の蛍光の分布は、明らかに時間間隔の間で変化しており、フレーム3および4で追跡した細胞から明らかなように、異なる細胞は異なって挙動している。両方のフレームにおいて、極めて近接する2の細胞からのイメージを採取し、オキサジン750の取込みおよび細胞分布の差異は明らかである。これらの例から、例えば、薬剤または他の成分に対する血中の細胞の応答をリアルタイムで調べることができるように、Cell Tracksシステムが細胞の機能分析を行なうユニークな能力を有することは明らかである。
【0023】
特定の具体例に参照しつつ本発明を説明したが、当業者であれば例えば本明細書中に記載した特定の実験条件でそれから多くの変形を作成することができることは理解されるであろう。また、本発明による開示が、本発明のより広い範囲および意図から逸脱することなく本発明の幾つかの好ましい具体例および目的および利点しか示していないことは理解され、評価されるべきである。本発明によるこれらの発見が当業者によって想定される機器および方法の多くのさらなる潜在的な適用の例示でしかなく、したがって本発明を限定することを意図するものでないことは理解され、評価されるべきである。したがって、本発明の他の目的および利点は、添付する請求の範囲と一緒に以下の詳細な説明から当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい具体例を利用しているCell Tracksシステムの概略図。イメージングに重要なコンポーネントを太字で示す。
【図2】a)細胞をスキャンするために用いた場合の発光する焦点スポットのイメージ;短軸は4μmであって長軸は15μmである。破線はNi線の位置を示す。b)図2aに図示したx軸方向の合計した画素強度を示すグラフ。
【図3】イメージ再構築法の模式図を示す。検出した事象または細胞を、エンコーダーを備えたステージを移動させることによってレーザーでスキャンする。CCDカメラが個々のサブイメージを捕捉し、それらをステージのx−y座標を示す対応するエンコーダー位置と一緒にコンピュータメモリーに保存する。スキャンが完了した後に、サブイメージを結合して、つづくサブイメージを互いに対してシフトすべき画素の数にさかののぼって計算する(calculated back)エンコーダー値を用いることによって物体の完全に再構築したイメージを形成する。シフトしたサブイメージの合計により、細胞の完全に再構築した蛍光イメージを得る。
【図4】a)均一な層の色素をスキャンした場合に捕捉された蛍光シグナル。b)図4aでスキャンした色素に関するx−軸よびy−軸方向の蛍光強度の合計を示す2のグラフ。
【図5】a)チャンバー中の位置の関数として対物レンズによって捕捉された立体角のグラフィック表示。空気中のコンパクトディスク(CD)対物レンズの開口数は0.45であり、これによりステージ上のチャンバー内部の有効開口数は0.34となる。このNAは0.37 srの立体角(□)に相当する。ニッケル線の間隔は10μmである。円は7μmの直径を有する並んだ物体を表す。2点の有効収光角を図に示す。b)z−軸方向の図4aの計算した立体角の相対合計を示す。
【図6】全血に加えた、EpCAM抗体標識した磁性粒子によって捕捉し、並べたSKBR3細胞のCD45抗体−APC/Cy7−対−CAM5.2抗体−APC蛍光のスキャッタープロット。領域1、SKBR3細胞領域、および残渣を含有するブロードなバンドの測定した事象の幾つかの代表的なサブイメージを示す。領域2は、存在する場合には白血球が出現してNi線にそって並ぶ領域である。b)対応する測定した蛍光シグナルを有するSKBR3細胞の完全イメージ。
【図7】CD45標識した磁性ナノ粒子によって捕捉され、並べられた全血中の白血球のオキサジン750蛍光−対−CD4−APC蛍光のスキャッタープロット。単球および顆粒球領域の幾つかの代表的なイメージを示す。
【図8】Cell Tracksシステムを利用した全血中のオキサジン750で染色したCD45強磁性流体捕捉白血球の時間分解イメージング:時間の間隔は20秒間隔の0ないし120秒である。
Claims (25)
- a.標的存在物(target entities)を含有すると疑われる試料を得、
b.該標的存在物を該標的存在物に特異的である磁性粒子で磁気的に標識し、
c.収集表面に向けて該標的存在物を磁気的に操作し、
d.該収集した標的存在物を照射し、
e.該収集した標的存在物の一連のサブイメージを収集し、ついで
f.該サブイメージを再結合して該収集した標的存在物の完全なイメージを構築することを含む標的存在物を分析的にイメージするための方法。 - 該標的存在物が細胞である請求項1記載の方法。
- 該細胞が腫瘍細胞である請求項2記載の方法。
- 該磁性標識がコロイド状磁性粒子である請求項1記載の方法。
- 該コロイド状磁性粒子が上皮細胞接着分子(EpCAM)に対して特異的である請求項4記載の方法。
- 該収集表面がガラス基板上の平行なNi線を含む請求項1記載の方法。
- さらに、該照射工程が複数の波長の光源を使用することを含む請求項1記載の方法。
- a.収集表面を含む試料チャンバー、
b.磁気的に標識した標的存在物を該収集表面に向けて操作することができるマグネットの配置、
c.少なくとも1の光源、
d.該収集した標的存在物のサブイメージを捕捉することができるカメラ、および
e.該サブイメージを再結合して該収集した標的存在物の完全なイメージを構築することができるコンピュータ
を含む標的存在物を分析的にイメージするための装置。 - 該収集表面がガラス基板上のニッケル線を含む請求項8記載の装置。
- 該光源がレーザーである請求項8記載の装置。
- 磁気的かつ検出可能に標識したミクロンサイズの物体が磁気手段によって線状アレイで並ぶ平面上に位置する該物体を自動的にスキャンするための方法であって、
(a)該標識した物体を含有する液体試料を平行な磁化可能な複数の線を該平面上に担持するチャンバーに負荷し、ここに該標識した標的物体は2ないし約20μm、好ましくは約5ないし約15μmの範囲のサイズを有し;
(b)該チャンバーを顕微鏡の移動可能な磁性x−yステージ上に置き、それによって該磁化可能な線の付近に磁場を発生し、その結果、存在する場合には、該物体がx−軸に沿った線状のアレイで近接する磁気線の間に並びかつ位置的に固定化され;
(c)該並んだ物体を担持する該ステージを、x−軸に沿って、固定焦点合せした光線の光路にデジタル化逐次様式で移動し、該光線は該並んだ物体を各々該標的および非標的物体上の検出可能な標識を励起するのに特徴的な複数の波長で順次照射し、それによって該ステージ上の該サブイメージの特異的なx−y位置にコードされた該物体のセグメント化されたサブイメージに対応する複数の一連の発光シグナルを発生し;
(d)CCDデバイスのスキャン速度と釣り合った速度で、キャプチャーボードに結合したCCDデバイスによって一連のセグメント化されたサブイメージを獲得し、保存し;
(e)該ステージ上の該サブイメージのそれぞれのx−y位置を指し示して該一連のサブイメージをコンピュータメモリーに保存し;ついで
(f)該物体の保存したサブイメージを併合して各検出した物体の再構築した完全なイメージを生成し、それによって標的または非標的物体のいずれかとしての該物体を位置決定し、計数し、同定し、および分類することができることを含む該方法。 - 物体がコロイド状磁性粒子によって磁気的に標識されている請求項11記載の方法。
- 該コロイド状磁性粒子が50ないし300nmの直径を有する請求項12記載の方法。
- 物体が、各々が該物体上の検出可能な標識に実質的に特異的な1またはそれを超える検出可能な蛍光物質で標識されている請求項11記載の方法。
- 検出可能な標識が有機蛍光物質および無機蛍光物質の群から選択される請求項14記載の方法。
- 物体が細胞である請求項11記載の方法。
- 該磁気線が約20ないし40μmの幅であって、約10ないし20μmの距離で離れている請求項11記載の方法。
- 該磁気線が常磁性物質から構成される請求項11記載の方法。
- 該レーザー光源が標識した物体上の該蛍光物質を励起するのに適当な波長を有する請求項11記載の方法。
- CCDがステージのスキャン速度と釣り合ったフレームレートを有し、それによって少なくとも0.2μmの分解能が維持される請求項1記載の方法。
- (a)1またはそれを超えるレーザー光源;
(b)フィードバック検出器を有する偏光ビームスプリッター;
(c)ダイクロイックミラーアセンブリー;
(d)焦点合せレンズアセンブリー;
(e)付着したx−軸方向の少なくとも2の平行な磁化可能な線を有し、それによって線状アレイを形成する試料チャンバー、ここに該試料チャンバーは該x−yステージに安定して付着したマグネットシステムに挿入されており、それによって該収集した標識した物体を逐次およびデジタル化した様式で該焦点合せした光線に収集し、並べ、および輸送する手段が提供され;
(f)CCDカメラおよび1またはそれを超えるPMTチューブによってデジタル化されたサブイメージとして該標識した物体から放出される一連のデジタル化されたシグナルイメージを獲得するための手段;
(g)該獲得したサブイメージを対応するz−yステージ位置に指し示してコンピュータメモリーに保存するための手段;および
(h)該物体の該撮られたサブイメージを併合して該線状アレイ上の該物体の完全なイメージを再構築するための手段
を含む、該物体が磁気手段によって線形アレイに並ぶ平面上の磁気的かつ検出可能に標識されたミクロンサイズの物体を自動的にスキャンするための装置。 - 該線状アレイ上の平行な磁性線が約10μm離れている請求項21記載の装置。
- 該磁性線が常磁性物質から構成される請求項21記載の装置。
- 該常磁性物質がニッケルである請求項21記載の装置。
- CCDがステージのスキャン速度と釣り合ったフレームレートを有し、それによって少なくとも0.2μmの分解能が維持される請求項21記載の方法。
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