JP2004532792A - 神経障害を治療するためのイミダゾ[1,2−a]ピラジン - Google Patents

神経障害を治療するためのイミダゾ[1,2−a]ピラジン Download PDF

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Abstract

式(I):
【化1】
Figure 2004532792

で示されるイミダゾ[1,2−a]ピラジン、および医薬組成物を含む、この化合物を含有する組成物、およびCRFレセプターを拮抗することにより治療可能な種々の精神医学障害および神経病学障害(例えば、不安およびうつ病)の治療でのそれらの使用を提供する。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は、新規なイミダゾ[1,2−a]ピラジンである化合物、およびそのような化合物の種々の神経障害の治療におけるCRFレセプターアンタゴニストとしての使用に関する。
【0002】
発明の背景
コルチコトロピン−放出因子(本明細書中CRFと呼ぶ)は、41アミノ酸ペプチドであり、下垂体前葉からのプロオピオメラノコルチン(POMC)由来ペプチド分泌の主要な生理学的レギュレーターである[J.Rivierら、Proc.Nat.Acad.Sci.(USA)80:4851(1983);W.Valeら、Science 213:1394(1981)]。下垂体での内分泌系役割に加え、CRFの免疫組織学的位置決定により、このホルモンが中枢神経系において広範な視床下部外の分布を有すること、および脳内における神経伝達物質または神経調節物質的役割と一致する、広範なスペクトルの自立神経系電気生理学的および行動効果を生じることが示されている[W.Valeら、Rec.Prog.Horm.Res.39:245(1983);G.F.Koob,Persp.Behav.Med.2:39(1985);E.B.De Souzaら、J.Neurosci.5:3189(1985)]。また、生理学的、心理学的および免疫学的ストレッサーに対する免疫系の応答を統合する際にCRFが重要な役割を果たすという証拠が存在する[J.E.Blalock,Physiological Reviews 69:1(1989);J.E.Morley,Life Sci.41:527(1987)]。
【0003】
臨床データにより、CRFがうつ病、不安関連障害および摂食障害を含む精神医学障害および神経病学疾患に関わりを有するという証拠が提示されている。CRFの役割はまた、アルツハイマー疾患、パーキンソン疾患、ハンチントン疾患、進行性核上性麻痺および萎縮性側索硬化症の病因論および病態生理学にあると仮定された。それはこれらが中枢神経系のCRFニューロンの機能不全に関連しているからである[概説に関しては、E.B.De Souza,Hosp.Practice 23:59(1988)参照]。
【0004】
情緒性障害または重症うつ病の場合、CRFの濃度は薬物を服用していない個体の脳脊髄液(CSF)において有意に上昇している[C.B.Nemeroffら、Science 226:1342(1984);C.M.Bankiら、Am.J.Psychiatry 144:873(1987);R.D.Franceら、Biol.Psychiatry 28:86(1988);M.Aratoら、Biol Psychiatry 25:355(1989)]。さらに、自殺者の正面皮質において、CRF分泌過多と一致してCRFレセプターの密度が有意に減少している[C.B.Nemeroffら、Arch.Gen.Psychiatry 45:577(1988)]。さらに、うつ病患者においては、CRF(静脈投与)に対する鈍化した副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)反応性が観察される[P.W.Goldら、Am J.Psychiatry 141:619(1984);F.Holsboerら、Psychoneuroendocrinology 9:147(1984);P.W.Goldら、New Eng.J.Med.314:1129(1986)]。ラットおよび非ヒト霊長類における前臨床試験により、CRFの分泌過多がヒトのうつ病で見出される症状に関連しているかもしれないという仮定に対するさらなる支持が提供される[R.M.Sapolsky,Arch.Gen.Psychiatry 46:1047(1989)]。三環系抗うつ薬がCRFレベルを変更し、それにより脳内におけるCRFレセプターの数を調節し得るという予備的な証拠がある[Grigoriadisら、Neuropsychopharmacology 2:53(1989)]。
【0005】
また、CRFは不安関連障害の原因に役割を果たしていると仮定されている。CRFは動物において不安形成性の(anxiogenic)影響を生じ、ベンゾジアゼピン/非ベンゾジアゼピン不安緩解剤とCRFとの間の相互作用は種々の行動不安モデルにおいて実証されている[D.R.Brittonら、Life Sci.31:363(1982);C.W.BerridgeおよびA.J.Dunn Regul.Peptides 16:83(1986)]。種々の行動パラダイムにおける推定CRFレセプターアンタゴニストa−へリックスヒツジCRF(9〜41)を用いる予備実験により、アンタゴニストがベンゾジアゼピンに類似の性質の「不安緩解様」効果を生じることが実証されている[C.W.BerridgeおよびA.J.Dunn Horm.Behav.21:393(1987),Brain Research Reviews 15:71(1990)]。
【0006】
神経化学的実験、内分泌的実験およびレセプター結合実験は全て、CRFとベンゾジアゼピン不安緩解剤との間の相互作用を実証し、これはこれらの障害におけるCRFの関与についてのさらなる証拠を提供する。クロロジアゼポキシドはラットにおけるコンフリクト(conflict)試験[K.T.Brittonら、Psychopharmacology 86:170(1985);K.T.Brittonら、Psychopharmacology 94:306(1988)]および聴覚刺激試験[N.R.Swerdlowら、Psychopharmacology 88:147(1986)]の両方においてCRFの「不安形成性」の影響を減弱する。オペラント(operant)コンフリクト試験において行動活性のみ伴わないベンゾジアゼピンレセプターアンタゴニスト(Ro15−1788)は、用量依存様式でCRFの効果を逆転させるが、他方ベンゾジアゼピンインバースアゴニスト(FG7142)はCRFの作用を増強させた[K.T.Brittonら、Psychopharmacology 94:306(1988)]。
【0007】
さらに、CRFは免疫学的、心血管性または心臓関連疾患(例えば、高血圧症、頻脈およびうっ血性心不全、脳卒中(stroke)、骨粗鬆症、早産、心理社会的萎縮症、ストレス誘発性発熱、潰瘍、下痢、手術後腸閉塞ならびに精神病理学的障害およびストレスに関連する結腸過敏症)に役割を有すると仮定されている。
【0008】
標準的な不安緩解剤および抗うつ薬が治療効果を生じるメカニズムおよび作用部位は未だに解明されるべきものとして残っている。しかしながら、該物質が、これらの障害で観察されるCRF分泌過多の抑制に関連しているとの仮説がある。種々の行動パラダイムにおけるCRFレセプターアンタゴニスト(α−へリックスCRF9−41)の効果を検査する予備実験によりCRFアンタゴニストがベンゾジアゼピンと性質的に類似の「不安緩解様」効果を生じることが実証されていることは、特に興味深いものである[概説に関しては、G.F.KoobおよびK.T.Britton、「Corticotropin−Releasing Factor」、Basic and Clinical Studies of a Neuropeptide、E.B.De SouzaおよびC.B.Nemeroff編、CRC Press、221頁(1990)参照]。
【0009】
以下の刊行物は、それぞれ、CRFアンタゴニスト化合物を記載するが、いずれも本明細書中に記載の化合物を開示していない:WO95/10506;WO99/51608;WO97/35539;WO99/01439;WO97/44308;WO97/35846;WO98/03510;WO99/11643;PCT/US99/18707;WO99/01454;およびWO00/01675。
【0010】
発明の要旨
本発明は、式I:
【化4】
Figure 2004532792
(式中、XはCHR、NR、O、S、S(O)または単結合であり、ここでnは0、1または2に等しく、Dは不飽和炭素原子を介して結合したアリールまたはヘテロアリール(ここで、アリールもしくはヘテロアリールは場合により1〜5個のA〜Aで置換されている)であり、RはC1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−8シクロアルキル、C −12シクロアルキルアルキル、NRまたは−C(R)(R)−O−R10であり、RはC1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキル(このC1−4アルキルもしくはC3−8シクロアルキルは、各々、場合により1〜3個のヒドロキシ、ハロゲンおよびC1−4アルコキシで置換されている)であり、またはXが結合の場合、Rはまた、場合によりCN、CF、C、C1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキル(これらのC1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキルは、各々、場合により1〜3個のヒドロキシ、ハロゲンおよびC1−4アルコキシで置換されている)であり、RおよびRは独立して、H、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−5シクロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ、ハロゲン、CNまたはNRから選択され、RはH、C1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり、RおよびRは各々、独立して、H、Cl−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C2−8アルコキシアルキル、C3−6シクロアルキル、C4−12シクロアルキルアルキル、アリール、アリール(C1−4アルキル)−、ヘテロアリールまたはヘテロアリール(C1−4アルキル)−であり、RおよびRは各々、独立してHまたはC1−4アルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって=CH、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルであり、R10はHまたはC1−4アルキルである)
で示される化合物を提供する。本発明の好ましい実施態様を、以下に記載する。
【0011】
この化合物は、CRFレセプターをアンタゴナイズする、すなわち、レセプターと結合して、アンタゴナイズされたレセプターにCRFが結合することを阻害する。従って、本発明の化合物は過度のCRF発現により特徴付けられる状態の治療用薬剤として有用であり、それゆえ本発明は、CRF過剰発現により特徴付けられる障害、例えば、不安関連−またはうつ病関連障害に苦しむ対象の治療方法を提供する。
【0012】
発明の詳細な説明
本発明は、式I:
【化5】
Figure 2004532792
(式中、種々の置換基は以下に記載するとおりである)
で示される化合物を提供する。
【0013】
はC1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−8シクロアルキル、C4−12シクロアルキルアルキル、NRまたは−C(R)(R)−O−R10である。RはC1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり、これは各々、場合により1〜3個のヒドロキシ、ハロゲンまたはC1−4アルコキシで置換されており、またはXが結合の場合、Rは、場合によりCN、CF、C、C1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキルでもあり、これらのC1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキルは、各々、場合により1〜3個のヒドロキシ、ハロゲンまたはC1−4アルコキシで置換されている。RおよびRは各々独立して、H、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−5シクロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ、ハロゲン、CNまたはNRから選択される。RはH、C1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキルである。RおよびRは各々、独立して、H、Cl−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C2−8アルコキシアルキル、C3−6シクロアルキル、C4−12シクロアルキルアルキル、アリール、アリール(C1−4アルキル)−、ヘテロアリールまたはヘテロアリール(C1−4アルキル)−である。RおよびRは各々、独立してHまたはC1−4アルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって=CH、C2−4アルケニルまたはC2−4アルキニルである。R10はHまたはC1−4アルキルである。R11はH、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−12シクロアルキルアルキル、フェニルまたはベンジルであり、ここで各フェニルまたはベンジルは、場合により、アリール部分が1〜3個のC1−4アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシまたはジメチルアミノで置換されている。R13およびR14は各々独立して、H、C1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、C4−16シクロアルキルアルキルまたはC1−4ハロアルキルである。
【0014】
XはCHR、NR、O、S、S(O)または単結合であり、ここでnは0、1または2に等しい。Dは不飽和炭素原子を介して結合したアリールまたはヘテロアリールであり、ここで、アリールは場合によりA、A、A、AおよびAから選ばれる1〜5個の基によって任意の可能な位置で置換されており、ヘテロアリールは場合によりA、A、A、AおよびAから選ばれる1〜4個の基によって任意の可能な位置で置換されている。A、A、A、AおよびAは各々独立して、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ハロ、C1−4ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−OR12、SH、−S(O)13、−COR12、−CO12、−OC(O)R13、−NR11COR12、−N(COR12、−NR11CONR1214であるか、またはA、A、A、AおよびAは各々独立して、フェニル、または1〜4個のC1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロ、シアノ、ジメチルアミノ、CF、C、OCF、SOMeもしくはアセチルで置換されているフェニルである。
【0015】
「アリール」は、6炭素ベンゼン環または縮合した6炭素環の他の芳香族誘導体のいずれかを意味する(例えば、Hawley’s Condensed Chemical Dictionary(第13版)、R.J.Lewis編、J.Wiley&Sons,Inc.,New York(1997)参照)。アリールとしては、フェニル、ナフチル、インダニルおよびインデニルが挙げられるが、これらに限定されない。「ヘテロアリール」環は、環構成炭素原子のうちの1つ以上、通常1〜4個が炭素以外の原子、すなわち、ヘテロ原子(代表的には、O、NまたはS)で置換されているアリール環である。ヘテロアリールとしては、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、チエニル、イソキサゾリル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル−S−オキシド、インドリニル、ベンゾオキサゾリン−2−オン−イルおよびベンゾジオキソラニルが挙げられる。「アルキル」は特定の数の炭素原子を有する、分岐したもしくは分岐していない飽和炭素原子鎖を意味する。「アルケニル」は、直鎖または分岐鎖のいずれかの立体配置の炭化水素鎖であって、鎖に沿って任意の安定な点に1つ以上の炭素−炭素不飽和結合を含む鎖(例えば、エテニル、プロペニルなど)を意味する。「アルキニル」は、直鎖または分岐鎖のいずれかの立体配置の炭化水素鎖であって鎖に沿って任意の安定な点に生じ得る1つ以上の炭素−炭素3重結合を含む鎖(例えば、エチニル、プロピニルなど)を意味する。「アルコキシ」は、酸素架橋を介して結合している、一定炭素原子数のアルキル基を意味する。「シクロアルキル」は、モノ(単)−、ビ(二)−またはポリ(多)−環式環系を含む飽和環基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)を含むことが意図される。「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲンで置換されている、一定炭素原子数の炭素原子を有する、分岐鎖および直鎖の両方のアルキルを含むことが意図される。「ハロアルコキシ」は、少なくとも1つのハロゲン原子で置換されているアルコキシ基を意味する。「置換されている」とは、指定した原子上の1つ以上の水素が、指定された群からの選択物により置換されていることを意味する。ただし、指定原子の規定の結合価は超えておらず、置換により安定な化合物が生じることを条件とする。「置換されていない」原子は、結合手により決定されている水素原子全てを保有する。置換基がケトである場合、原子上の2個の水素が置換されている。置換基および/または変数の組合わせは、このような組合わせが安定な化合物を生じる場合のみ許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物から有用な精製度での単離、そして有効な治療薬剤への製剤化において、無事に存在するのに十分なほど、強固である化合物を意味する。
【0016】
好ましくは、Rは−C(R)(R)−O−R10である。より好ましくは、本発明において、RはHであり、RはCまたはCであり、R10はCである。好ましくは、Rは置換されていないC1−4アルキルであり、より好ましくは、本発明においては、RはCである。好ましくは、RおよびRは各々、Hである。好ましくは、Xは単結合である。
【0017】
好ましくは、Dはフェニルであり、より好ましくは、式:
【化6】
Figure 2004532792
(式中、A、AおよびAは各々、H、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲンおよびC1−4ハロアルキルからなる群から選択される。さらにより好ましくは、AはH、CHまたはClであり、AはCl、−OCHまたは−OCHFであり、AはHまたはCHである。最も好ましくは、本発明において、AはClであり、AはHである)
で示されるフェニル基である。
【0018】
〜R12、X、DおよびA〜Aは各々、これらの置換基に関して本明細書中上記に列挙したグループの可能なメンバーのうちの任意のものである。例えば、C1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキルであるRは、これらのグループのありとあらゆるものである(すなわち、C1、C2、C3およびC4アルキル、ならびにC3、C4、C5、C6、C7およびC8シクロアルキルであり得る)。さらに、一つのグループ内の特定の基を置換基として選択することは、他の置換基の選択が全ての可能な選択物よりも低く限定されることを意味しない。
【0019】
好ましくは、Rは−CR10であり、好ましくは、R、RおよびR10は、各々H、C1、C2、C3またはC4アルキルである。さらに、各置換基は、他の置換基の存在から独立して、これら5個の選択肢(possibilities)のうちの任意の1つである。それゆえ、少なくとも125グループの好ましい化合物が存在し、これらは各々、RのうちのR、RおよびR10の組合わせの差異により、ただし好ましい、組み合わせにより特徴付けられる。である。これらの化合物群を表AおよびB中に示す(下記の表)。
【0020】
【表1】
Figure 2004532792
【0021】
【表2】
Figure 2004532792
【0022】
表Aには、本明細書中で提供する好ましい化合物における置換基「R」自体が記載されている。これらは、一番上の行に、左から右へと、H、次いでC1、C2、C3およびC4アルキルとして列挙されている。また、好ましい化合物における置換基「R」自体が、左側の上から下へ向けてH、C1、C2、C3およびC4アルキルの順で列挙されている。このように、表中の各セルは好ましい化合物中におけるRおよびRの特定の組合わせを特定している。表中の各セルは好ましい化合物におけるRおよびRの特定の組合わせを特定するものである。各セルは、それ自体は表内のセルの位置を特定する英数字の組合わせにより特定されている。
【0023】
表Bには、本明細書中で提供する好ましい化合物における置換基「R10」自体が明記されている。これらは、一番上の行に、左から右へと、H、次いでC1、C2、C3およびC4アルキルとして列挙されている。さらに、表1に記載したR/Rの組合わせを表の左側に沿って、上から下へ向けて、表A由来のセル番号によって記載している(例えば、「X1」はRおよびRがそれぞれHである化合物のセットを意味する)。このように、表Bの各セルはR、RおよびR10の特定の組み合わせを明示している(例えば、「B1」はR、RおよびR10がそれぞれHである化合物のセットを意味する)。
【0024】
好ましくは、RはC1、C2、C3またはC4アルキルである(それぞれ置換されていない)。以下の表Cは、これらの各々と、表B由来の各R/R/R10の組合わせとの組合わせをしめしている。
【0025】
【表3】
Figure 2004532792
【0026】
【表4】
Figure 2004532792
【0027】
【表5】
Figure 2004532792
【0028】
【表6】
Figure 2004532792
【0029】
また、上記の様に、最も好ましくはDはA(現時点で好ましくはHまたはCH)、A(好ましくはCl、−OCHまたは−OCHF)およびA(HまたはCH)で置換されているフェニルである。以下の表DおよびDDはこれらの系列(グルーピング)において可能な特定の各組合わせを含む化合物の個々のセットを示す。表DはAおよびAの組合わせを列挙する(例えば、セル「D1」は、AおよびAが各々Hである化合物のセットを表す)。表DDにはA/Aと種々の本発明において好ましいAのメンバーとの組合わせが列挙されている(例えば、セル「DD1」は、AがClであり、A/Aの組合わせがセル「D1」(すなわち、AおよびAが各々Hである)により表される化合物のセットを表す)。
【0030】
【表7】
Figure 2004532792
【0031】
【表8】
Figure 2004532792
【0032】
さらに、上記の様に、本発明はRおよびRの好ましいメンバーのいずれか(本明細書中上記の表Cにおいて名称「C1〜C500」で示されている)と表DD中に列挙されている特定のA/A/Aの組合わせとの組合わせ(これらのR*R/A*A*Aの組合わせ)を含む、本発明において好ましい化合物を提供する。従って、個々の好ましい化合物を以下の表E中に具体的に列挙する。表の最高段の行には、左から右に向けて、表DD中の対応するセル番号で示される、フェニル環Dの特定の種々の各A、AおよびA置換基の組合わせを含む化合物の各セットが列挙されている。表の一番左の列には、表C中の対応するセル番号により示される、種々の特定の個々のRおよびR置換基を含む化合物の各セットが列挙されている。この点において、セル番号C1(従って、RがC1アルキルであり、Rが−CROCR10であり、R、RおよびR10が各々Hである化合物)は、表E中にE1、E501、E1001、E1501、E2001、E2501、E3001、E3501、E4001、E4501、E5001およびE5501として記載されている個々の化合物に対応する。表C中の他のセルは表E中に記載された個々の化合物に対して類似の対応を有する。
【0033】
上に記載し列挙した化合物に加え、本発明は対応する製薬上許容される塩、放射標識型、種々の立体異性型およびプロドラッグ形態を提供する。本発明の化合物の「製薬上許容される塩」もまた、本明細書中に提供する。語句「製薬上許容される」とは、信頼できる医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは厄介な問題を伴わずに、妥当な利益/リスク比と釣り合って、人または動物の組織と接触する使用に適切である化合物、物質、組成物および/または投薬形態を意味するために使用される。
【0034】
「製薬上許容される塩」とは開示されている化合物の誘導体であって、その酸または塩基の塩を作製することにより親化合物が修飾されているものを意味する。製薬上許容される塩の例としては、アミンのような塩基性残基の無機酸塩もしくは有機酸塩、またはカルボン酸のような酸性残基のアルカリ塩もしくは有機塩が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0035】
製薬上許容される塩としては、例えば、非毒性の無機また配列有機酸から形成された親化合物の従来的な非毒性の塩もしくは四級アンモニウム塩が挙げられる。このような従来的な非毒性の塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩などの無機酸に由来する塩、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、酪酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、蓚酸、イセチオン酸などから製造される塩が挙げられる。
【0036】
本明細書中に提供される化合物の製薬上許容される塩の形態は、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から常法的な化学方法により合成される。一般的に、このような塩は、例えば、これらの化合物の遊離の酸または塩基形態を、適切な塩基または酸と化学量論量で、水または有機溶媒または2種類の混合物(通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性溶媒が好ましい)中で反応させることにより製造することができる。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17編、Mack Publishing Company,Easton,PA,1985,1418頁に見出される(これらは引用によりその全開示内容が本明細書中に包含される)。
【0037】
放射標識型化合物、すなわち、記載された原子の1つ以上が、その原子の放射活性同位体により置き換えられている(例えば、Cが14Cにより置換されている、およびHがHもしくは18Fにより置換されている)化合物もまた、本明細書中に提供されている。このような化合物は種々の用途の可能性を有する(例えば、候補医薬品が神経伝達物質タンパク質に結合する能力を決定する際の基準物質および試薬としての使用、またはインビボもしくはインビトロでの生物学的レセプターに結合した本発明の画像化化合物に関する使用)。
【0038】
本発明の化合物の各立体異性形態もまた、本明細書中に提供される。すなわち、これらの化合物は1つ以上の不斉中心または平面を有し得、これらの化合物の全てのキラル体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびラセミ体の形態が本発明に含まれる。オレフィン、C=Nの2重結合などの多数の幾何異性体もまた化合物中に存在し、全てのこのような安定な異性体が本発明の範囲内で考慮されている。化合物は、例えば、ラセミ形態のキラルクロマトグラフィーまたは化学的分割により、ラセミ形態のいずれか、もしくは光学的に純粋な形態で単離される。
【0039】
本発明の化合物のプロドラッグ形態もまた、提供される。このような「プロドラッグ」とは、本発明の化合物と、プロドラッグが投与される対象における毒性と関連する可能性のある親化合物の部分に、そのような影響の誘発を阻止するように共有結合している部分とを含む化合物である。しかしながら、プロドラッグはまた、対象の体内で、親化合物の治療能力を過度に減少させることなく親化合物を放出するように切断される。プロドラッグとしては、ヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基に何らかの基であって、哺乳動物被験体に投与された場合に開裂して、それぞれ、遊離のヒドロキシル、アミノまたはスルフヒドリル基を形成するような基が結合した化合物が挙げられる。プロドラッグの例としては、式(I−III)の化合物中のアルコールならびにアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
本明細書中に提供される化合物は、例えば、以下に記載の合成経路および反応式により製造されるが、これらに限定されない。
【0041】
合成
本発明のイミダゾ[1,2−a]ピラジン(1)は反応式1に概説される手順を用いて式(2)の中間体化合物から製造され得る。
【化7】
Figure 2004532792
式(2)の化合物(式中、L=脱離基、例えば、ハロゲン)を不活性溶媒(例えば、アルキルアルコール)の存在下または非存在下で、アンモニアまたは水性アンモニアを用いて、−80℃〜250℃の範囲の反応温度で処理して式(3)のプロドラッグ(式中、Lはハロゲンである)を得ることができる。不活性溶媒としては、低級アルカンニトリル(1〜6個の炭素、好ましくはアセトニトリル)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサン)、N,N−ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、N,N−ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、環式アミド(好ましくは、N−メチル−ピロリジン−2−オン)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)、芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼンまたはトルエン)、アルキルエステル(好ましくは、EtOAc)または、1〜10個の炭素と1〜10個のハロゲンのハロアルカン(好ましくは、ジクロロメタン)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0042】
次いで、得られた中間体(3)を、脂肪族アルコールまたは不活性溶媒のような溶媒中で、αハロケトン誘導体と反応させて式(4)の化合物を得ることができる。不活性溶媒としては、ポリエーテル(好ましくは、1,2−ジメトキシエタン)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフランもしくは1,4−ジオキサン)または芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼンもしくはトルエン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
式(4)の化合物を式(5)の芳香族化合物と結合させ、脱離基(L)を除去した式(6)の化合物を得ることができる。化合物(4)に関しては、Lはハロゲン化物、偽ハロゲン化物(psuedohalide)(例えば、メシラート、トシレートもしくはトリフラート)、またはチオメチルを表す。化合物(5)に関しては、Lは、リチウム、ブロモマグネシウム、クロロ亜鉛、(ジヒドロキシ)ホウ素、(ジアルコキシ)ホウ素、トリアルキルスズなどを表す。カップリング反応は適切な触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニル−ホスフィン)パラジウムジクロリド、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケルジクロリドなど)の存在下で行うことができる。特に有用な2つの方法としては、Negishiら(J.Org.Chem.1977,42,1821)の方法によるクロロヘテロ環の、インサイチュ製造型アリール亜鉛試薬を用いての連結、ならびにSuzukiら、(Chem.Letters 1989,1405)の方法によるアリールホウ素エステルを用いてのカップリングが挙げられる。通常、このタイプの反応に適切な溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミドあまたはジメチルスルホキシドが挙げられる。通常、温度は、周囲温度から溶媒の沸点までの範囲である。
【0044】
式(6)の化合物は、ジアルキルホルムアミド中でオキシハロゲン化リンを用いて処理することにより式(7)の化合物へと変換され得る。式(8)の化合物は、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジアルキルエーテルまたは芳香族炭化水素)中でアルキルリチウム、アルキルマグネシウムハライド、アルキルリチウム銅(II)(alkyllithiumcuprate)またはアルキル亜鉛試薬を用いて処理することにより式(7)の化合物から得ることができる。
【0045】
式(8)の化合物は、不活性溶媒中塩基の存在下でアルコールをアルキルハライドを用いてアルキル化することにより本発明の化合物(1)へと変換することができる。塩基としては、アルカリ金属水素化物(好ましくは、水素化ナトリウム)を挙げることができるが、これに限定されない。不活性溶媒としては、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくはテトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサン)、N,N−ジアルキルホルムアミド(好ましくは、ジメチルホルムアミド)、N,N−ジアルキルアセトアミド(好ましくは、ジメチルアセトアミド)、環式アミド(好ましくは、N−メチルピロリジン−2−オン)、ジアルキルスルホキシド(好ましくは、ジメチルスルホキシド)または芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼンもしくはトルエン)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい反応温度は−20℃〜100℃の範囲である。
【0046】
あるいは、本発明のイミダゾ[1,2−a]ピラジン(1)は、反応式2に概説される工程に従うことにより得ることができる。式(4)の化合物は、反応式1に概説される式(6)〜(7)の化合物の変換に関する条件と類似の条件に従って式(9)の化合物に変換され得る。式(10)の化合物は、反応式1に示される式(7)〜(8)の変換に関する以下の条件により化合物(9)から得ることができる。化合物(10)は、反応式1に記載の式(8)〜(1)に関して概説される条件と類似の条件下で化合物(11)へとアルキル化され得る。最終的に、式(11)の化合物は、式(4)〜(6)の変換に関する条件を用いて本発明の化合物(1)へと変換され得る。
【化8】
Figure 2004532792
【0047】
あるいは、本発明のイミダゾ[1,2−a]ピラジンは反応式3に概説される工程に従うことにより得ることができる。式(7)の化合物は、文献(Comprehensive Organic Transformations、R.C.Larock,1989,604〜614頁)に概説される以下の周知の方法により式(12)の化合物へと酸化され得る。
【化9】
Figure 2004532792
式(12)の化合物をウィティッヒ反応条件またはテッベ(Tebbe)反応条件に供して式(13)の化合物を得ることができ、これは式(14)の化合物へと還元され得る。
【0048】
イミダゾ[1,2−a]ピラジン誘導体の窒素含有側鎖アナログは、反応式4に概説される以下の手順により合成され得る。
【化10】
Figure 2004532792
式(3)の化合物は、不活性溶媒中酸の存在下での、第1アミン、アルデヒドおよびイソニトリルからなる3成分縮合反応により式(15)の3−アミノイミダゾ[1,2−a]ピラジン誘導体へと変換され得る。酸としては、2〜10個の炭素のアルカン酸(好ましくは、酢酸)、ハロアルカン酸(2〜10個の炭素、1〜10個のハロゲン、例えば、トリフルオロ酢酸)、1〜10個の炭素のアルカンスルホン酸(好ましくは、メタンスルホン酸)、塩酸を挙げる事ができるが、これらに限定されない。また、酸としてルイス酸が挙げられるが、ハロゲン化アルミニウム、三フッ化ホウ素エーテル化物(borontrifluoride etherates)、LiBF、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化スズ、ハロゲン化チタン、チタンアルコキシド、ハロゲン化亜鉛およびスカンジウムトリフラートに限定されるわけではない。不活性溶媒としては、ポリエーテル(好ましくは、1,2−ジメトキシエタン)、ジアルキルエーテル(好ましくは、ジエチルエーテル)、環式エーテル(好ましくは、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサン)、ハロアルカンまたは芳香族炭化水素(好ましくは、ベンゼンまたはトルエン)を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。式(15)の化合物は、反応式1に概説される条件と類似の条件に従うことにより式(17)の化合物へと変換され得る。
【0049】
さらに、これらの経路および反応式により製造される化合物に加えて、本発明は、製薬上許容されるキャリアおよび治療的に有効な量の化合物を含有する医薬組成物を提供する。「製薬上許容されるキャリア」とは、一般的に、生物学的に活性な薬剤の、動物(特に、哺乳動物)への送達に関して当該分野において許容されている媒体である。このような媒体は、それを決定しそれに責任のある当業者の権限の範囲内で、周知の多数の因子に応じて処方される。これには、処方される活性成分のタイプおよび性質、薬剤含有組成物が投与される対象、意図される組成物の投与経路、ならびに標的化される治療適応が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
製薬上許容される担体としては、水性および非水性の両方の液体媒体、ならびに種々の固体および半固体の投与形態が挙げられる。このようなキャリアとしては、活性薬剤に加えて多数の異なる成分および添加物が挙げられ、このような追加の成分は当業者に周知の種々の理由(例えば、活性成分の安定化)により製剤中に含まれる。適切な製薬上許容されるキャリアの説明、およびその選択に関連する因子は、種々の簡単に入手できる情報源に見出される(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版、Mack Publishing Company,Easton,PA,1985,参照によりこの内容を本明細書中に組込む)。
【0051】
本明細書中に提供される化合物は、41アミノ酸ペプチドであり、下垂体前葉からのプロオピオメラノコルチン(POMC)由来ペプチド分泌の主要な生理学的レギュレーターであるコルチコトロピン−放出因子(「CRF」)[J.Rivierら、Proc.Nat.Acad.Sci.(USA)80:4851(1983);W.Valeら、Science 213:1394(1981)]に対するレセプターのアンタゴニストである。また、CRFの免疫組織学的位置決定により、CRFが中枢神経系において広範な視床下部外の分布を有すること、および脳内における神経伝達物質または神経調節物質的役割と一致する、広範なスペクトルの自立神経系電気生理学的および行動効果を生じることが示されている[W.Valeら、Rec.Prog.Horm.Res.39:245(1983);G.F.Koob,Persp.Behav.Med.2:39(1985);E.B.De Souzaら、J.Neurosci.5:3189(1985)]。また、生理学的、心理学的および免疫学的ストレッサーに対する免疫系の応答を統合する際にCRFが重要な役割を果たすという証拠が存在する[J.E.Blalock,Physiological Reviews 69:1(1989);J.E.Morley,Life Sci.41:527(1987)]。
【0052】
情緒性障害または重症うつ病の場合、CRFの濃度は薬物を服用していない個体の脳脊髄液(CSF)において有意に上昇していることが見出されている[C.B.Nemeroffら、Science 226:1342(1984);C.M.Bankiら、Am.J.Psychiatry 144:873(1987);R.D.Franceら、Biol.Psychiatry 28:86(1988);M.Aratoら、Biol Psychiatry 25:355(1989)]。さらに、自殺者の正面皮質において、CRF分泌過多と一致してCRFレセプターの密度が有意に減少している[C.B.Nemeroffら、Arch.Gen.Psychiatry 45:577(1988)]。さらに、うつ病患者においては、CRF(静脈投与)に対する鈍化した副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)反応性が観察される[P.W.Goldら、Am J.Psychiatry 141:619(1984);F.Holsboerら、Psychoneuroendocrinology 9:147(1984);P.W.Goldら、New Eng.J.Med.314:1129(1986)]。
【0053】
CRFは動物において不安形成性の(anxiogenic)影響を生じる。さらに、ベンゾジアゼピン/非ベンゾジアゼピン不安緩解剤とCRFとの間の相互作用は種々の行動不安モデルにおいて実証されている[D.R.Brittonら、Life Sci.31:363(1982);C.W.BerridgeおよびA.J.Dunn Regul.Peptides 16:83(1986)]。種々の行動パラダイムにおける推定CRFレセプターアンタゴニストa−へリックスヒツジCRF(9〜41)を用いる予備実験により、アンタゴニストがベンゾジアゼピンに類似の性質の「不安緩解様」効果を生じることが実証されている[C.W.BerridgeおよびA.J.Dunn Horm.Behav.21:393(1987),Brain Research Reviews 15:71(1990)]。神経化学的実験、内分泌的実験およびレセプター結合実験は全て、CRFとベンゾジアゼピン不安緩解剤との間の相互作用を実証し、これはこれらの障害におけるCRFの関与についてのさらなる証拠を提供する。クロルジアゼポキシドはラットにおけるコンフリクト(conflict)試験[K.T.Brittonら、Psychopharmacology 86:170(1985);K.T.Brittonら、Psychopharmacology 94:306(1988)]および聴覚刺激試験[N.R.Swerdlowら、Psychopharmacology 88:147(1986)]の両方においてCRFの「不安形成性」の影響を減弱する。オペラント(operant)コンフリクト試験において行動活性のみ伴わないベンゾジアゼピンレセプターアンタゴニスト(Ro15−1788)は、用量依存様式でCRFの効果を逆転させるが、他方ベンゾジアゼピンインバースアゴニスト(FG7142)はCRFの作用を増強させた[K.T.Brittonら、Psychopharmacology 94:306(1988)]。参照により上記の文献の内容を本明細書中に組込む。
【0054】
従って、本明細書中に提供される、そのCRFレセプターの拮抗作用によりCRF過剰発現の影響を緩和する化合物は、これらおよび他の障害の治療に有用であることが期待される。この治療可能な障害は、これらに限定するわけではないが、情緒性障害、不安、うつ病、頭痛、過敏性腸症候群、外傷後ストレス障害、核上性麻痺、免疫抑制、アルツハイマー病、胃腸疾患、神経性食思不振症または他の摂食障害、薬物嗜癖、薬物またはアルコール退薬症状、炎症性障害、心血管および心臓関連障害、生殖能力の問題、ヒト免疫不全ウィルス感染、出血性ストレス、肥満、生殖不能、頭部および脊髄外傷、癲癇、卒中(stroke)、潰瘍、筋萎縮性側索硬化症および低血糖が挙げられる。
【0055】
それゆえ、本発明はさらにCRF過剰発現により特徴付けられる障害(例えば、上記のもの)に罹患した対象の治療方法を提供し、該方法は対象に本明細書中に提供される医薬組成物を投与することを含む。通常、このような組成物は、本明細書中に提供される化合物を治療的有効量、すなわち、CRF過剰発現により特徴付けられる障害を改善する、減ずるまたは阻害するために有効な量を含有する。通常、このような量は、組成物が投与される対象の体重1Kgあたり約0.1〜1000mgの化合物を含有する。治療的に有効な量は、当業者に満足の行く投与レジメにしたがって投与され得る。
【0056】
投与は、例えば、種々の非経口手段による。非経口投与に適した医薬組成物としては、デキストロース水溶液および生理食塩水溶液のような種々の水性媒体が挙げられる。グリコール溶液もまた有用なキャリアであり、好ましくは活性成分の水溶性塩、適切な安定化剤および必要であれば緩衝剤物質を含有する。亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸のような抗酸化剤は、単独または組合わせで適切な安定化剤であり、クエン酸およびその塩、ならびにEDTAもまた使用される。さらに、非経口溶液は、塩化ベンザルコニウム、メチル−またはプロピル−パラベンおよびクロロブタノールのような保存剤を含有し得る。
【0057】
あるいは、組成物は、カプセル剤、錠剤および散剤のような固体投薬形態、あるいはエリキシル剤、シロップ剤および/または懸濁液のような液体投薬形態で経口的に投与され得る。ゼラチンカプセル剤は、活性成分および以下のような適切なキャリア(しかしこれらに限定されない)を含有するように使用され得る:ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはセルロース誘導体。同様の希釈剤を用いて圧縮錠を作製することができる。錠剤およびカプセル剤は両方とも、一定期間に亘る医薬の連続的な放出を提供する徐放製品として製造することができる。圧縮錠は糖コーティングまたはフィルムコーティングして任意の不快な味をマスクすることができ、または活性成分を大気から保護するためもしくは胃腸管中での錠剤の選択的な崩壊を可能とするために使用することができる。
【0058】
本発明を以下の実施例により説明する。当業者であれば容易に理解するこの実施例は、本願特許請求の範囲に規定する本発明の範囲を決して制限するものではない。
【0059】
実施例
表1に、本明細書中上記の合成反応式ならびに以下に提供する実施例に従って製造される、本明細書中に提供される化合物の概要を示す。
【0060】
下記の化合物について、以下の一般的な手順を用いて、分析データを記録した。プロトンNMRスペクトルをVarian FT−NMR(300MHz)で記録した。重水素クロロホルムまたは重水素ジメチルスルホキシド中の内部テトラメチルシラン標準からの化学シフトをppm(δ)で、以下に詳述するように記録した。質量分析(MS)または高分解能質量分析(HRMS)を、Finnegan MAT 8230分光計(以下に詳述するキャリアガスとしてNHを用いる化学イオン化(CI)、もしくはガスクロマトグラフィー(GC)を用いる)、またはHewlett Packard 5988Aモデル分光計で記録した。Buchi Model 510融点装置で融点を記録し、補正していない。沸点は補正していない。精密検査の間のpH測定は全て指示紙(indicator paper)を用いて行った。
【0061】
試薬は市販の業者から購入し、必要な場合には、D.PerrinおよびW.L.F.Armarego,Purification of Laboratory Chemicals,第3版(New York:Pergamon Press,1988)に概説されているように一般的な手順に従って、使用前に精製した。クロマトグラフィー(薄層(TLC)または分取)を、以下に記載の溶媒系を用いてシリカゲル上で行った。混合溶媒系については、体積比を示す。そうでない場合には、重量部および重量割合である。
【0062】
【表9】
Figure 2004532792
【表10】
Figure 2004532792
【0063】
実施例1 8−(2,4−ジクロロフェニル)−2−エチル−3−(1−ヒドロキシエチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン
A部:3−アミノ−2−クロロピラジンの合成:(参考文献:S.Okadaら、Chem.Pharm.Bull.1971,19(7),1344〜1357)
2,3−ジクロロピラジン(20g,0.134mol)および28% 水性NHOH(120mL)の混合物を再封可能な圧力管中で140℃で24時間加熱した。溶液を冷却し、分離したオフホワイトの結晶をろ過し、乾燥させて物質16.6gを得た(96%,mp165〜166℃)。粗物質は、NMRによると実質的に純粋であり、精製することなく次の工程に使用した。
【0064】
B部:8−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピラジンの合成:
2−アミノ−3−クロロピラジン(19.5g,fw=129,0.15mol)のジオキサン(250.0mL)溶液を90%1−ブロモ−2−ブタノン(25g,fw=151,1.1mol,Aldrich)で処理し、窒素下で4時間攪拌し、続いて48時間還流した。赤煉瓦色の固体を混合物から分離した。TLC(1:50 MeOH/CHCl)は、出発物質の消失(Rf=0.42)と共に、新規なスポット(Rf=0.30)を示した。反応混合物を室温まで冷却し、固体をろ過し、固体をジエチルエーテルで洗浄した(2×100mL)。DMSO−D6中の塩のNMRは、純粋な生成物を示した。塩を水(500mL)に溶解し、固体NaCOを用いてpHを8に調節し、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して淡黄色の固体を得た。粗物質(20g,収率74%,mp73〜74℃)はNMRによると完全に純粋であり、精製することなく次の工程に使用した。
【0065】
C部:8−(2,4−ジクロロフェニル)−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピラジンの合成:
8−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピラジン(9.05g,0.05mol,fw=181)および2,4−ジクロロベンゼンボロン酸(10.5g,0.055mol,fw=190.81)のトルエン(200.0mL)溶液を2M水性NaCO(40.0mL)およびEtOH(20.0mL)で処理した。反応混合物を減圧下で脱気し、窒素をパージし(3回繰り返した)、次いでPd(PPhCl(740mg,0.001mol,fw=738.18,2mol%)を添加した。添加後、反応混合物を減圧下で脱気し窒素をパージした(3回繰り返した)。得られた混合物を窒素下で24時間還流した。TLC(1:50 MeOH/CHCl)は、微量の出発物質のスポット(Rf=0.30)と共に新規なスポット(Rf=0.53)および(Rf=0.35)を示した。反応混合物を室温まで冷却し、1:1 EtOAc/水(200ml)中で分配した。水層をEtOAc(2×150mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して黄色の油状物を得た。粗物質(15.1g,茶色がかった黄色の固体)を、15% EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、淡黄色固体のスポットとして頂点のスポットを得(760mg,mp71〜72℃)、8−(4−クロロフェニル)−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピラジンとして特徴付けた。C14l3ClについてのHRMS計算値:258.0798.実測値:258.0788(M+H)。カラムを30% EtOAc/ヘキサンでさらに溶出して所望の生成物(底部のスポット)を白色固体のスポットとして得た(8.6g,収率59%,125〜126℃)。C1412ClについてのHRMS計算値:292.0408.実測値:292.0409(M+H)。
【0066】
D部:8−(2,4−ジクロロフェニル)−2−エチル−3−ホルミル−イミダゾ[1,2−a]ピラジンの合成:POCl(99.6g,60.0mL,65.0mmol,fw=153.33)を、乾燥DMF(200mL)の冷却(0℃)攪拌溶液に滴下した。得られた混合物をさらに15分、攪拌し、次いで、8−(2,4−ジクロロフェニル)−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピラジン(14.6g,50.0mmol,fw=292)を反応混合物に加えた。反応混合物を徐々に室温にし、4日間攪拌した。反応混合物は色が黄色になった。TLC(1:50 MeOH/CHCl)は、出発物質のスポット(Rf=0.35)が存在しないことを示し、新規なスポット(Rf=0.4)を示した。反応混合物を氷(750g)でクエンチし、混合物を30分間攪拌し、固体炭酸ナトリウムで中和し、EtOAc(3×200mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して黄色の固体を得た。固体を、20% EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して白色固体を得た(11.7g,73%,93〜94℃)。C1511C1Oについての計算値:C,56.27;H,3.46;N,13.12.実測値:C,56.13;H,3.38;N,12.96。
【0067】
E部:表題化合物の合成:
実施例1のD部のアルデヒド(0.320g,1.0mmol)を無水THF(5.0mL)中に溶解し、窒素下で−78℃まで冷却した。この混合物にトルエン/THF(3.0mL,4.2mmol)中1.4M MeMgBrを滴下し、−78℃で3時間、攪拌した。TLC(1:10 MeOH/CHCl)は出発物質のスポット(Rf=0.88)が存在しないことを示し、新規なスポット(Rf=0.12)を示した。反応混合物を飽和NHCl(10.0mL)でクエンチし、混合物を10分間攪拌し、EtOAc(3×25mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して黄色油状物を得た。残渣を、2.5% MeOH/CHClを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して無定形湿潤白色固体を得た(207mg,62%)。C1616ClOについてのHRMS計算値:336.0670.実測値:336.0678(M+H)。
【0068】
実施例2 8−(2,4−ジクロロフェニル)−2−エチル−3−(1−メトキシエチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン
実施例1のE部由来のアルコール(90.0mg,0.268mmol)を乾燥DMF(2.0mL)に窒素下で溶解した。この混合物に60%NaH(21.4mg,0.536mmol,2当量)を加え、室温で30分攪拌した。MeI(過剰)を混合物に加え、一晩攪拌した。TLC(1:10 MeOH/CHCl)は新規なスポット(Rf=0.31)を示した。反応混合物を水(5.0mL)でクエンチし、混合物を10分攪拌し、EtOAc(3×15mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して黄色の油状物を得た。残渣を1% MeOH/CHClを用いるシリカゲルのでフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して黄色油状物を得た(32mg,収率34%.C1718ClOについての計算値:350.0827.実測値:350.0828(M+H)。
【0069】
表1に示した実施例3〜32の化合物を、本明細書中上記の実施例1および2に概説した実験条件に従うことにより製造した。
【0070】
実施例33
8−(2,4−ジクロロフェニル)−2−エチル−3−(1−オキソ−ブチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン
A部:8−(2,4−ジクロロフェニル)−2−エチル−3−(1−ヒドロキシブチル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン:
アルデヒド(1.6g,5.0mmol,実施例1のD部)を無水THF(25.0mL)に溶解し、窒素下で−78℃に冷却した。この混合物にジエチルエーテル中2.0M n−PrMgCl(6.7mL,14.4mmol)を滴下し、−78℃で4時間攪拌した。TLC(1:10 MeOH/CHCl)は出発物質のスポット(Rf=0.88)が存在しないことを示し、新規なスポットを示した(Rf=0.05)。反応混合物を飽和NHC1(30.0mL)を用いてクエンチし、混合物を10分間攪拌し、EtOAc(3×100mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して黄色油状物を得た。残渣を2.5% MeOH/CHClを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の生成物を白色固体として得た(1.63g,84%,mp159〜160℃)。
【0071】
B部:表題化合物:
トルエン(25mL)中のカルビノール(1.1g,0.003mol,fw364,実施例33のA部)混合物にMnOを加え、窒素下で24時間還流した。TLC(1:10 MeOH/CHCl)は出発物質のスポット(Rf=0.5)が存在しないこと、および新規なスポット(Rf=0.86)を示した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトを通してろ過し、セライトをEtOAc(3×50mL)で洗浄し、減圧下で濃縮して黄色油状物を得た。残渣を1% MeOH/CHClを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して白色固体を得た(580mg,53%,mp95〜96℃)。
【0072】
実施例34
8−(2,4−ジクロロフェニル)−2−エチル−3−(1−プロピルビニル)イミダゾ[1,2−a]ピラジン
ケトイミダゾピラジン(181mg,0.5mmol,実施例33のB部)のTHF(5.0mL)溶液に、室温で0.5M Tebbe試薬のトルエン溶液(1.2mL,0.6mmol)を窒素雰囲気下で滴下した。添加の間、反応混合物はわずかに発熱し、1時間攪拌を続けた。TLC(3:7 EtOAc/ヘキサン)は出発物質(Rf=0.5)が存在しないことを示すと共に、新規なスポットを示した(Rf=0.46)。反応混合物をEtO(15mL)で希釈し、次いで1.0N水性NaOHを3〜5滴加えた。気体を展開した後、混合物をセライトを通してろ過し、蒸発乾固させ、10% EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して黄色油状物を得た(81mg,45%)。C1920ClについてのHRMS計算値:360.1034。実測値:360.1033。
【0073】
実施例35の化合物を、本明細書中上記の実施例33および34に概説した実験条件に従うことにより製造した。
【0074】
実施例36
8−(2,4−ジクロロフェニル)−2−エチル−3−(N−プロピルベンジルアミノ)イミダゾ[1,2−a]ピラジン
【0075】
A部:3−ベンジルアミノ−8−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピラジン:
2−アミノ−3−クロロピラジン(1.3g,fw=129,10.0mmol)のMeOH(50.0mL)溶液を、プロピオンアルデヒド(0.58g,fw=58,10.0mmol,Aldrich)、AcOH(1.2g,20mmol,fw=60)およびベンジルイソシアニド(STENCH,1.17g,10.0mmol,fw=117.15,Aldrich)で処理した。得られた懸濁液を室温で一晩攪拌した。TLC(1:50 MeOH/CHCl)は未反応の出発物質スポット(Rf=0.42)と共に新規なスポット(Rf=0.24)を示した。未反応のイソシアニドを、1N HClを用いてpH1まで反応混合物を酸性化することにより破壊した。酸性化した後に、反応混合物を室温で30分間攪拌し、蒸発乾固させ、残渣を水に溶解し、KHCOを用いてpHを8に調節し、反応混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、無水MgSOで乾燥させた。溶媒を反応混合物からエバポレートさせ、残渣(淡黄色固体)を1:1 EtOAc/水性NaHCO(50ml)の間で分配した。水層をEtOAc(2×15mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して淡黄色固体を得た(3.0g)。粗物質をCHClで処理し、白色固体をろ取した(0.75出発物質回収(recovered starting material))。ろ液をエバポレートし、30% EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して所望の生成物を黄色油状物として得た(0.42g,収率34%)。
【0076】
B部:N−アルキル化:
DMF(2.0mL)中3−ベンジルアミノ−8−クロロ−2−エチルピラジン(415mg,0.00145mol,fw=286.45)の混合物を室温で窒素雰囲気下で60% NaH(70mg,0.00174mol,1.2当量)で処理し、15分間攪拌した。この混合物に1−ヨードプロパン(0.296g,0.00174mol,1.2当量)を添加し、室温で4時間攪拌した。TLC(1:50 MeOH/CHCl)は新規なスポット(Rf=0.33)を示し、生成物の下方にいくつかの弱いスポットを示した。出発物質のスポットは、この弱いスポットのうちの1つと重なっていたので、週末をまたがって(over weekend)反応を続けた。反応混合物から溶媒を減圧下エバポレートし、水でクエンチし、EtOAc(3×10mL)で抽出し、MgSOで乾燥させた。反応混合物から溶媒をエバポレートさせ、粗物質を15% EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロトマトグラフィーにより精製して所望の生成物を黄色油状物として得た(170mg,収率35%)。C 22ClについてのHRMS計算値:329.1533.実測値:329.1530(M+H)。
【0077】
C部:スズキ反応:
トルエン(5.0mL)中の上記のクロロ化合物(0.140g,0.43mmol,fw=328)、2,4−ジクロロベンゼンボロン酸(95mg,0.65mmol,fw=190.81)の混合物を2M水性NaCO(2.0mL)およびEtOH(1mL)で処理した。反応混合物を減圧下で脱気し、窒素をパージし(3回繰り返す)、次いでPd(PPhCl(18.5mg,0.005mmol,fw=738.18)を添加した。添加の後、反応混合物を減圧下で脱気し、窒素をパージした(3回繰り返す)。得られた混合物を窒素下で6時間還流した。TLC(1:50 MeOH/CHCl)は2つの新規なスポット(Rf=0.75および0.5)を少量の出発物質のスポット(Rf=0.33)と共に示した。反応混合物を室温まで冷却し、1:1 EtOAc/水(20ml)の間で分配した。水層をEtOAc(2×15mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮して黄色油状物を得た。粗物質を、10% EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して頂点のスポットを黄色固体として得た(20mg)。カラムを15% EtOAc/ヘキサンでさらに溶出して所望の生成物(底部のスポット)を黄色油状物として得た(60mg,収率40%,125〜126℃)。また、未反応のクロロピラジン誘導体(27.5mg)を回収した。頂点のスポットを実施例35のモノクロロ誘導体と特徴付けた。C2426ClについてのHRMS計算値:405.1846.実測値:405.1841(M+H)。底部のスポットは所望の生成物である。C2425ClについてのHRMS計算値:439.1456.実測値:439.1455(M+H)。
【0078】
実施例37〜40の化合物を、本明細書中上記の実施例36に概説した実験条件に従って製造した。

Claims (21)

  1. 式I:
    Figure 2004532792
    [式中、
    Xは、CHR、NR、O、S、S(O)または単結合(ここでnは0、1または2に等しい)であり、
    Dは、不飽和炭素原子を介して結合したアリールまたはヘテロアリール(ここで、アリールもしくはヘテロアリールは、任意の可能な位置で場合により1〜5個のA、A、A、AおよびAで置換されている)であり、
    、A、A、AおよびAは各々独立して、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ハロ、C1−4ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−OR12、SH、−S(O)13、−COR12、−CO12、−OC(O)R13、−NR11COR12、−N(COR12、−NR11CONR1214であるか、またはA、A、A、AおよびAは各々独立して、フェニル、または1〜4個のC1−3アルキル、C1−3アルコキシ、ハロ、シアノ、ジメチルアミノ、CF、C、OCF、SOMeもしくはアセチルで置換されているフェニルであり、
    は、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−8シクロアルキル、C4−12シクロアルキルアルキル、NRまたは−C(R)(R)−O−R10であり、
    はC1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり、これらは各々、場合により1〜3個のヒドロキシ、ハロゲンまたはC1−4アルコキシで置換されており、またはXが結合の場合、Rはまた、場合によりCN、CF、C、C1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり、これらのC1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキルは、各々、場合により1〜3個のヒドロキシ、ハロゲンおよびC1−4アルコキシで置換されており、
    およびRは独立して、H、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、C3−5シクロアルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ、ハロゲン、CNまたはNRから選択され、
    はH、C1−4アルキルまたはC3−8シクロアルキルであり、
    およびRは各々、独立して、H、Cl−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C2−8アルコキシアルキル、C3−6シクロアルキル、C4−12シクロアルキルアルキル、アリール、アリール(C1−4アルキル)−、ヘテロアリールまたはヘテロアリール(C1−4アルキル)−であり、
    およびRは各々、独立してHまたはC1−4アルキルであるか、またはRおよびRは一緒になって=CH、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルであり、
    10はHまたはC1−4アルキルであり、
    11はH、C1−4アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−12シクロアルキルアルキル、フェニルまたはベンジルであり、各フェニルまたはベンジルは、場合により、アリール部分が1〜3個のC1−4アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、ニトロ、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルコキシまたはジメチルアミノで置換されており、
    12、R13およびR14は各々独立して、H、C1−6アルキル、C3−10シクロアルキル、C4−16シクロアルキルアルキルまたはC1−4ハロアルキルである)
    で示される化合物。
  2. Xが単結合である、請求項1に記載の化合物。
  3. Dがフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  4. フェニルが式:
    Figure 2004532792
    (式中、各A、AおよびAはH、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロゲンおよびC1−4ハロアルキルからなる群から選択される基を表す)
    で示される、請求項2に記載の化合物。
  5. がH、CHまたはClである、請求項3に記載の化合物。
  6. がCl、−OCHまたは−OCHFである、請求項3に記載の化合物。
  7. がHまたはCHである、請求項3に記載の化合物。
  8. がH、CHまたはClであり、AがCl、−OCHまたは−OCHFであり、AがHまたはCHである、請求項3に記載の化合物。
  9. が−C(R)(R)−O−R10である、請求項1に記載の化合物。
  10. 、RおよびR10が、各々独立して、HまたはC1−4アルキルである、請求項8に記載の化合物。
  11. がHである、請求項9に記載の化合物。
  12. がCまたはCである、請求項9に記載の化合物。
  13. 10がHである、請求項11に記載の化合物。
  14. がHであり、RがCまたはCであり、R10がHである、請求項9に記載の化合物。
  15. が置換されていないC1−4アルキルである、請求項1に記載の化合物。
  16. がCである、請求項14に記載の化合物。
  17. およびRが、各々Hである、請求項1に記載の化合物。
  18. が−C(R)(R)−O−R10であり、Rが置換されていないC1−4アルキルであり、RおよびRが各々、Hであり、Xが単結合であり、Dが式:
    Figure 2004532792
    で示されるフェニルであり、RがHであり、RがCまたはCであり、R10がHであり、AがHであり、AがCl、−OCHまたは−OCHFであり、AがHである、請求項1に記載の化合物。
  19. 製薬上許容されるキャリアおよび請求項1に記載の化合物を治療的に有効な量で含有する、医薬組成物。
  20. CRFの過剰発現により特徴付けられる障害に罹患した対象を治療する方法であって、該対象に請求項18に記載の医薬組成物を投与量で投与することを含む方法。
  21. 障害に不安またはうつ病が含まれる、請求項19に記載の方法。
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