JP2004532119A - 振動式フィーダのバースクリーンモジュール - Google Patents

Abstract

振動式フィーダのバースクリーンモジュールであって、材料の移動方向に延びるスクリーンバー（１）と、スクリーンバーの間に設けられて、材料の移動方向に拡がるスクリーン開口部（２）とを有する。さらに、スクリーンバー（１）の夫々の上方部分は、材料の移動方向で異なるレベル上に延びるように、少なくとも２つの部分（１ａ、１ｂ）に分離されて、かつ、バースクリーンモジュールの各レベルの上方部分（１ａと１ｂ）の全てが、夫々のレベルにおいて材料の移動方向に対して横切る方向に延びるように、階段状のステップを形成することを特徴とする。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、振動式フィーダのバースクリーンモジュールに関する。特に、本発明は、材料の移動方向に延びるスクリーンバーとともに、これらスクリーンバーの間に設けられて材料の移動方向にくさび形状に拡がる開口部を有する、振動式フィーダのバースクリーンモジュールに関する。
【背景技術】
【０００２】
バッチ処理（一括処理）を連続処理に替えるような場合に、振動式フィーダが利用されることがある。破砕プラントでは、例えば、材料を破砕機に供給するために振動式フィーダが利用されている。さらに、振動式フィーダは、材料をスクリーンやコンベヤ等に供給する際に、破砕処理やスクリーン処理で利用することができる。振動式フィーダはバスケット（または樋）と振動機構を有するが、また、１つまたは複数のバースクリーンモジュールを有する場合がある。フィーダに複数のバースクリーンモジュールを備える場合には、一般的にこれらは互いにずらして備えられて、材料の分離をより良好に行えるようにしている。
【０００３】
上記バースクリーンモジュールを用いることにより、供給物を二つの部分に分離することが可能になる。この際、スクリーン開口部の大きさが、この分離の限界を定めることになる。ここで、スクリーン開口部を通り抜けることができる材料をバースクリーンのアンダーサイズと呼び、また例えば石のような、スクリーン開口部よりも大きな大きさを有する材料の小片をバースクリーンのオーバーサイズと呼ぶものとする。このように、スクリーン開口部を基準として、例えば、処理上、次のステップまでさらに供給される必要がある大きな粒状の材料を、フィーダから分離することが可能になる。ここで、アンダーサイズの材料、つまり小さな粒状の材料は、一般的に、所謂廃棄物として分類されているが、しかしながらこの材料もまた、様々な製品の品質要求に基づいて、場合によっては、仕上げられた最終製品として利用されることができる。
【０００４】
従来一般のバースクリーンモジュールでは、スクリーンバーとこれらの間に設けられた開口部は、スクリーンバーの挿入側の端部からこの先端側の端部まで、同一レベル（または同一高さ）でくさび（wedge）形状に延びている。従って、このようにスクリーン開口部をくさび形状に形成すると、この挿入側の端部では（開口部が）比較的狭まるため、供給物から取り除かれる必要がある細かい粒状の材料は、スクリーン開口部の先端側でのみバースクリーンを通り抜けることができることになり、スクリーニング（ふるい分け）の性能と分離精度を低下させていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、上述した問題点を克服する振動式フィーダのバースクリーンモジュールを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、上記課題を解決するために、バースクリーンモジュールを構成する際に、各スクリーンバー上方部分を、材料の移動方向で、異なるレベル上で延びるように少なくとも２つの部分に分離して、さらに、バースクリーンモジュールの各レベル上の上方部分の全てが、夫々のレベルにおいて材料の移動方向に対して横切る方向に延びるように、階段状のステップを形成する。このように構成することにより、本発明に係るくさび形状のスクリーン開口部は、この挿入側の端部では、従来の技術のものと比べてより大きくなり、また各階段のレベルの先端部（排出側の端部）では、各スクリーン開口部は最大の大きさ（幅）を有することができる。従って、本発明に係るバースクリーンモジュールはより大きな自由表面領域を得ることができるため、供給される材料をオーバーサイズとアンダーサイズの粒状の大きさのグループにより効果的に分離することができる。また、階段ごとに、供給される材料が次のレベルに落下する際に、再度分類されるため、分類精度をより一層向上することができる。故に、本発明に係るバースクリーンモジュールを従来のバースクリーンモジュールと比較すると、同一の外部寸法を有したとしても、本発明に係るバースクリーンモジュールでは分離の性能と精度をより一層向上させることができる。
【０００７】
即ち、請求項１に記載した発明においては、振動式フィーダのバースクリーンモジュールであって、材料の移動方向に延びるスクリーンバー（１）と、前記スクリーンバーの間に設けられて、前記材料の移動方向に拡がるスクリーン開口部（２）とを有し、この際、前記スクリーンバー（１）の夫々の上方部分は、前記材料の移動方向で異なるレベル上に延びるように、少なくとも２つの部分（１ａ、１ｂ）に分離されて、かつ、前記バースクリーンモジュールの各レベルの前記上方部分（１ａと１ｂ）の全てが、夫々のレベルにおいて前記材料の移動方向に対して横切る方向に延びるように、階段状のステップを形成することを特徴とする。
また、請求項２〜８に記載した発明においては、本発明に係るさらなる特徴が開示されている。
以下、添付した図を参照して、本発明に係る実施の形態について詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
先行技術に係るバースクリーンモジュール（bar screen module）では、バースクリーンモジュールの挿入側の端部Ａからこの排出側の端部Ｂまで同一レベルで延びるように、複数のスクリーンバー（スクリーン用のバー）１を設けており、またこれらスクリーンバー１の間には、材料の移動方向に沿ってくさび形状に拡がるようにスクリーン開口部２を設けている（図１、２参照）。図示した実施の形態では、スクリーンバー１の底部には長手方向に延びるようにウェブプレート（web plate）３が設けられている。このため、上記スクリーン開口部２もまた、バースクリーンモジュールの挿入側の端部Ａからこの排出側の端部Ｂまで同一レベル上で延びている。但し、スクリーン開口部２がつまることがないように、スクリーン開口部２は材料の移動方向に沿って、わずかにくさび形状で拡大されなければならない。このことにより、先行技術に係るバースクリーンモジュールのスクリーン開口部２は、バースクリーンモジュールの挿入側の端部Ａでは比較的小さくなっており、このため、分離される必要がある、大きさの小さな小片の大部分は、スクリーン開口部２の先端に至るまで、つまり、排出側の端部Ｂに近づくまで、スクリーン開口部２を通過することができなかった。このことは、バースクリーンモジュールの分離の性能と精度に影響を与えていた。
【０００９】
本発明の実施の形態に係るバースクリーンモジュールでは、スクリーンバー１の上方部分を、材料の移動方向で異なるレベル上で延びるように少なくとも２つの部分１ａ、１ｂに分離する。この際、各レベル上の、上方の表面部分１ａ、１ｂの全ては、夫々のレベルにおいて材料の移動方向に対して横切る方向に延びるように、階段状のステップ（または階段の一段）を形成する。図３と４に示した実施の形態では、スクリーンバー１の上方部分を、異なるレベル上で延びるように、２つの上方の表面部分１ａ、１ｂに分離している。上記スクリーンバー１は一体成形されていてもよく、または別個のウェブプレート３とこの部材によって支持される上方の表面部分１ａ、１ｂから製造されていてもよい。
【００１０】
上記スクリーン開口部２はいずれのレベルにおいても同一の大きさを有しており、また、各階段状のステップの外側の端部（排出側の端部）で最大の大きさ（幅）を有し、かつ、挿入側の端部では、従来のバースクリーンモジュールのスクリーン開口部の大きさの約２倍の大きさを有する。従って、本発明に係る実施の形態では、このようにスクリーニング領域をより大きくすることにより、材料を粒子の大きさがオーバーサイズとアンダーサイズの大きさのグループに分離する作業を一層効果的に行うことができる。さらに、本発明に係る実施の形態では、供給される材料を、第１の階段状のステップから次のステップまで落下させる際に再度分離することができるため、このことにより（バースクリーンモジュールの）分離の性能と精度を一層向上することができる。
【００１１】
尚、分離される粒状の材料の大きさは、スクリーン開口部の大きさによって定められるが、階段状のステップのレベル間に求められる差もまた、基本的にはスクリーン開口部の大きさによって定められる。このレベル間に求められる差は、基本的にはスクリーン開口部の最大の大きさと同じ大きさである。
【００１２】
この際、スクリーンバーは、バースクリーンモジュールのフレームに対して、これらの挿入側の端部においてのみ取付けられており、スクリーンバーは単体で弾性を有する。従って、この構造では、スクリーンバーの自由端部は撓む（振動する）ことができる。このため、スクリーン開口部２内に石等をつまらせることなく、スクリーン開口部をより長方形状に近い形状に形成することができる。
【００１３】
各低位側のレベルの、隣り合う上方表面部分１ｂの挿入側の端部は、互いにほとんど接触するように位置して、階段部に横切る方向に延びるようにシェルフ（shelf）５を形成する。このシェルフ５により、例えば石のような供給される材料を、スクリーン開口部２内でつまらせることがないようにすることができる。例えば石のような、オーバーサイズの材料の小片がスクリーン開口部２内に部分的に侵入して、上記シェルフ５と衝突した場合には、この材料はスクリーン開口部２内から自動的にころがり出て、スクリーンバー１の低位側のレベルの上方の表面部分１ｂ上に落下する。これに対して、従来の技術のように材料がスクリーン開口部２内でつまった場合には、当然に（スクリーン開口部の）自由表面領域を減少させるため、スクリーニングの効果と分離の精度を損なわせることになる。最悪の場合には、石や、他の同様物がスクリーン開口部２内でつまると、このことによってバースクリーンの構造が損傷する事態が生じることも起こり得る。
【００１４】
バースクリーンモジュールの低位側のレベルの、上方表面部分１ｂの挿入側の端部を、互いに非常に接近して位置させることで、単体のスクリーンバーがこの挿入側の端部Ａで横方向に曲がることを防ぐことができる。バースクリーンモジュールの排出側の端部Ｂには横方向に延びるサポートバー４が設けられて、スクリーンバーを支持しており、サポートバーの上方側の端部には各スクリーンバー１の位置に合わせて溝（図示せず）が設けられており、また図示した実施の形態では、このウェブプレート３にて上記スクリーンバーの横方向の移動を限定させている。また、上記溝を用いて、スクリーンバーが排出側の端部Ｂで横方向に過度に移動することを防いでおり、このためバースクリーンモジュールが損傷することがないようにしている。
【００１５】
尚、サポートバー４はまたスクリーンバーが下方に過度に曲がることを防いでいるが、但し、スクリーンバーが排出側の端部Ｂで振動できるようにしている。
【００１６】
本発明に係る最も簡単な実施の形態では、単体のバースクリーンモジュールは４つのねじだけを用いて固定されており、このため簡単に取り外すことができる。これは、例えば（バースクリーン）モジュールが損傷したり、磨耗した場合や、または分離する粒状の材料の大きさを変更させる場合に対処するために、モジュールは取替えができなければならないためである。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】従来の技術に係るスクリーンバーを示す側面図である。
【図２】図１に示したスクリーンバーを備えるバースクリーンモジュールを示す斜視図である。
【図３】本発明の実施の形態に係るスクリーンバーを示す側面図である。
【図４】図３に示したスクリーンバーを備えるバースクリーンモジュールを示す斜視図である。

Claims (8)

1. 振動式フィーダのバースクリーンモジュールであって、材料の移動方向に延びるスクリーンバー（１）と、前記スクリーンバーの間に設けられて、前記材料の移動方向に拡がるスクリーン開口部（２）とを有し、この際、
   前記スクリーンバー（１）の夫々の上方部分は、前記材料の移動方向で異なるレベル上に延びるように、少なくとも２つの部分（１ａ、１ｂ）に分離されて、かつ、前記バースクリーンモジュールの各レベルの前記上方部分（１ａと１ｂ）の全てが、夫々のレベルにおいて前記材料の移動方向に対して横切る方向に延びるように、階段状のステップを形成することを特徴とするバースクリーンモジュール。
2. 前記スクリーン開口部（２）は全ての前記階段状のステップにおいて同一の大きさを有し、かつ前記階段状のステップの各々の排出側の端部において最大幅を有することを特徴とする請求項１に記載のバースクリーンモジュール。
3. 前記階段状のステップのレベル間の差は小さいことを特徴とする請求項１に記載のバースクリーンモジュール。
4. 前記スクリーンバー（１）は単体で弾性を有し、かつ前記バースクリーンモジュールの挿入側の端部（Ａ）側においてのみ取付けられることを特徴とする請求項１に記載のバースクリーンモジュール。
5. 前記スクリーン開口部（２）のくさび形状は非常に小さく、このため、前記スクリーン開口部（２）はおおよそ長方形状を有することを特徴とする請求項１に記載のバースクリーンモジュール。
6. 各低位側のレベルの、隣り合う上方表面部分（１ｂ）の挿入側の端部は、互いにほとんど接触するように位置して、横切る方向に延びるようにシェルフ（５）を形成することを特徴とする請求項１に記載のバースクリーンモジュール。
7. 前記バースクリーンモジュールの排出側の端部（Ｂ）には前記スクリーンバーを支持するサポートバー（４）が設けられ、この上方端部には前記スクリーンバー（１）の夫々の位置に合わせて溝が設けられており、前記スクリーンバーの横方向の移動を限定することを特徴とする請求項１に記載のバースクリーンモジュール。
8. 前記スクリーンバー（１）の夫々は、ウェブプレート（３）と該プレートによって支持される上方の表面部分（１ａ、１ｂ）を有することを特徴とする請求項１〜７のいずれかに記載のバースクリーンモジュール。