JP2004530727A - ピリダジノン - Google Patents
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Abstract
本発明は新規化合物、該化合物の製造法、およびその医薬としての使用、特に抗ウイルス剤として、特にサイトメガロウイルスに対する医薬としての使用に関する。
Description
【0001】
本発明は新規化合物、その製造法、およびその医薬としての使用、特に抗ウイルス剤と
して、特にサイトメガロウイルスに有効な医薬としての使用に関する。
【0002】
EP−A−071102は心臓血管系疾患用のベンゾトリアゾール置換ピリダジノンについて記載している。EP−A−8391は心臓血管系疾患用および抗ウイルス作用を有するベンズイミダゾール置換ピリダジノンにつき記載している。
【0003】
本発明は一般式(I):
【化1】
[ただし、式中、
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合する酸素またはNR6を表す;
Eは酸素、CR9R10またはNR7を表す;
Yは酸素またはNR8を表す;
DおよびXは同一または異なってそれぞれに酸素またはイオウを表す;
Gは水素を表す;
または
【0004】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、該C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルまたはC1−C6−アルキルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC6−C10−アリールからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0005】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0006】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0007】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールは下記式で示される基により任意に置換されていてもよい;
【化2】
【0008】
または
GはC5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環を表す;ただし、C5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0009】
GはC3−C10−シクロアルキルを表す;ただし、C3−C10−シクロアルキルはハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0010】
R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、それぞれ水素、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、C6−C10−アリールまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;また、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0011】
R1およびR2またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0012】
R1およびR3はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0013】
R5は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルコキシ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0014】
R6、R7およびR8は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0015】
R9およびR10は同一または異なって、それぞれ水素、NR11R12、OR13またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0016】
R11、R12およびR13は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルをあらわす;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい]
で示される化合物、およびその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物およびその薬理学的に許容し得る塩に関する。
【0017】
本発明に関連して、C1−C3−アルキル、C1−C4−アルキル、C1−C6−アルキルとはそれぞれ炭素原子1〜3個、1〜4個、1〜6個の直鎖または分枝のアルキル基を表す。列挙し得る例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、およびn−ヘキシルである。
【0018】
本発明に関連して、C3−C6−シクロアルキル、C3−C10−シクロアルキルとはそれぞれ炭素原子3〜6個、3〜10個のシクロアルキルを表す。列挙し得る例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびアダマンチルなどである。
【0019】
本発明に関連して、C1−C6−アルコキシとは酸素原子を介して結合する炭素原子1〜6個の直鎖、分枝または環状のアルキル基を表す。列挙し得る例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシなどである。特に断りのない限り、好適なのは炭素原子1〜6個の直鎖または分枝のアルキル基のもの、例えば、メトキシおよびエトキシである。
【0020】
本発明に関連して、C1−C6−アルコキシカルボニルとは、カルボニル基を介して結合する炭素原子1〜6個の直鎖、分枝または環状のアルコキシ基を表す。列挙し得る例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニルなどである。特に断りのない限り、好適なのは炭素原子1〜6個の直鎖または分枝のアルコキシ基のものである。
本発明に関連して、C6−C10−アリールとは炭素原子6〜10個の芳香族基を表す。好適なアリール基はフェニルおよびナフチルである。
【0021】
本発明に関連して、モノ−C1−C6−アルキルアミノとは炭素原子1〜6個の直鎖、分枝または環状のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。列挙し得る例は、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、シクロプロピルアミノ、t−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、シクロペンチルアミノおよびn−ヘキシルアミノなどである。
【0022】
本発明に関連して、ジ−C1−C6−アルキルアミノとは、2個の同一または異なる、それぞれ炭素原子1〜6個の直鎖、分枝または環状のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。列挙し得る例は、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−メチル−N−シクロプロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−t−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノなどである。
【0023】
本発明に関連して、モノ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルとは炭素原子1〜6個を有し、カルボニル基を介して結合する直鎖、分枝または環状のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。列挙し得る例は、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、シクロプロピルアミノカルボニル、t−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニル、シクロペンチルアミノカルボニルおよびn−ヘキシルアミノカルボニルなどである。
【0024】
本発明に関連して、ジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルとは、2個の同一または異なる、それぞれ炭素原子1〜6個を有し、カルボニル基を介して結合する直鎖、分枝または環状のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。列挙し得る例は、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−メチル−N−シクロプロピルアミノカルボニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−t−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノカルボニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノカルボニルなどである。
【0025】
本発明に関連して、ハロゲンは一般にフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。好ましくはフッ素、塩素および臭素である。特に好ましいのはフッ素および塩素である。
【0026】
本発明に関連して、5員ないし10員のヘテロアリール(C5−C10−ヘテロアリール)とは、ヘテロ原子を含んでなり、少なくとも1個の芳香環を有し、O、SおよびNからなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子を含み得る5員ないし10員の芳香環を表す。その一部としてのヘテロアリールはCまたはNを介して置換されていてもよい。列挙し得る例は、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリセニル、インドリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キナゾリニルなどである。
【0027】
本発明に関連して、5員ないし7員の飽和または部分的不飽和のヘテロ環(C5−C7−ヘテロ環)であって、S、NおよびOからなる群からの3個までのヘテロ原子を有するヘテロ環とは、一般に1個以上の二重結合を含み、環炭素原子または環窒素原子を介して結合するヘテロ環を表す。その一部としてのヘテロ環はCまたはNを介して置換されていてもよい。列挙し得る例は、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピロリニル、ピペリジニル、ジヒドロピリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼピニル、ジアゼピニルなどである。好ましいのはピペリジニル、モルホリニルおよびピロリジニルである。
【0028】
本発明に関連して、好適な塩とは、本発明による化合物の生理学的に許容し得る塩である。
本発明による化合物の生理学的に許容し得る塩は、本発明による物質の鉱酸、カルボン酸またはスルホン酸との酸付加塩である。特に好適なのは、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、フマール酸、マレイン酸または安息香酸などである。
【0029】
しかし、例示し得る塩としては、常用の塩基との塩、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムまたはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩)またはアンモニアまたは有機アミンから誘導されるアンモニウム塩、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジヒドロアビエチルアミン、1−エフェナミンまたはメチルピペリジンなどのと塩、または天然アミノ酸、例えば、グリシン、リジン、アルギニンまたはヒスチジンなどから誘導される塩も包含する。
【0030】
本発明による化合物は像および鏡像(エナンチオマー)として、あるいは像および鏡像の関係なし(ジアステレオマー)に、立体異性体の形状で存在し得る。本発明はこのエナンチオマーまたはジアステレオマーに、またはそのそれぞれの混合物にも関係する。ラセミ体はジアステレオマー同様に既知の方法により立体異性体として均一な成分に分離することができる。
【0031】
本発明による化合物はプロドラッグとしても存在し得る。これはR5上のヒドロキシル基に特に当てはまる;該ヒドロキシル基は実質的に活性を失わずにエステル化することができる。これらの好適なものを例示すると、脂肪族エステル、例えば、ブチルエステル、芳香族エステル、例えば、ベンジルエステル、またはα−アミノ酸エステル、例えば、コハク酸モノアミドなどである。
【0032】
好適なものとは一般式(I)で示される化合物で、その場合の式中の
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合する酸素またはNR6を表す;
Eは酸素、CR9R10またはNR7を表す;
Yは酸素またはNR8を表す;
DおよびXは同一または異なってそれぞれに酸素またはイオウを表す;
Gは水素を表す;
または
【0033】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、該C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルまたはC1−C6−アルキルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC6−C10−アリールからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0034】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0035】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールは下記式で示される基により任意に置換されていてもよい;
【化3】
【0036】
または
GはC5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環を表す;ただし、C5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0037】
GはC3−C10−シクロアルキルを表す;ただし、C3−C10−シクロアルキルはハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0038】
R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、それぞれに水素、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、C6−C10−アリールまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;また、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
ただし、R1、R2、R3およびR4は同時に水素ではない;
または
【0039】
R1およびR2またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0040】
R1およびR3はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0041】
R5は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルコキシ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0042】
R6、R7およびR8は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0043】
R9およびR10は同一または異なって、それぞれ水素、NR11R12、OR13またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0044】
R11、R12およびR13は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルをあらわす;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
である化合物およびその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物およびその薬理学的に許容し得る塩である。
【0045】
さらに好適なものとは一般式(I)で示される化合物で、その場合の式中の
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合するNR6を表す;
EはNR7を表す;
YはNR8を表す;
DおよびXは酸素を表す;
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルは3個までのハロゲン置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0046】
GはC5−C6−ヘテロアリールを表す;ただし、C5−C6−ヘテロアリールはハロゲンおよびC1−C3−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC3−C10−シクロアルキルを表す;ただし、C3−C10−シクロアルキルは3個までの置換基C1−C6−アルキルにより任意に置換されていてもよい;
【0047】
R1、R2およびR3は同一または異なって、それぞれに水素を表すか、またはC1−C3−アルキルを表す;
R4は水素、C6−C10−アリールまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;また、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
ただし、R1、R2、R3およびR4は同時に水素を表すことはない;
【0048】
R5は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R6、R7およびR8は水素を表す;
である化合物およびその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物およびその薬理学的に許容し得る塩である。
さらに好適なのは、一般式(I):
【0049】
【化4】
【0050】
(ただし、式中、
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合するNR6を表す;
EはNR7を表す;
YはNR8を表す;
DおよびXは酸素を表す;
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはハロゲンおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルは3個までのハロゲン置換基、好ましくはフッ素により任意に置換されていてもよい;
【0051】
R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、水素を表すか、またはC1−C3−アルキルを表す;
R5は水素を表す;
R6、R7およびR8は水素を表す)
で示される化合物およびその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物およびその薬理学的に許容し得る塩である。
【0052】
さらに好適なものとは一般式(I)で示される化合物で、その場合の式中の
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合するNR6を表す;
EはNR7を表す;
YはNR8を表す;
DおよびXは酸素を表す;
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはハロゲンおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルは3個までのハロゲン置換基、好ましくはフッ素により任意に置換されていてもよい;
【0053】
R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、水素を表すか、またはC1−C3−アルキルを表す;ただし、R1、R2、R3およびR4は同時に水素を表すことはない;
R5は水素を表す;
R6、R7およびR8は水素を表す)
で示される化合物およびその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物およびその薬理学的に許容し得る塩である。
【0054】
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、基Aが3位を介して芳香環に結合する化合物である。
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、DおよびXが酸素の化合物である。
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、A、EおよびYがNHの化合物である。
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、Gが置換基を有するフェニルの化合物である。
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、R1、R2およびR5が水素で、R3およびR4がメチルの化合物である。
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、R5が水素、ヒドロキシル、塩素またはフッ素の化合物である。
【0055】
本発明はさらに式(I)で示される化合物の製造法に関する。
方法[A]においては、
一般式(II):
【化5】
【0056】
(ただし、式中、Aは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、A、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物と一般式(III):
D=C=N−G (III)
(ただし、式中、DおよびGは上記定義のとおりである)
で示される化合物とを反応させて、一般式(Ia):
【0057】
【化6】
(ただし、式中、Aは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、A、D、G、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物とする。
【0058】
反応は不活性溶媒中、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)中で実施し、好ましい溶媒はテトラヒドロフランまたは塩化メチレンである。また、適切な場合には、塩基の存在下、例えば、アルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)、またはカリウム・tert−ブトキシド、または他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に実施し、好ましくはトリエチルアミンの存在下に、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に行う。
【0059】
以下、一般式(II)で示される化合物は(IIa)、(IIb)および(IIc)と表す。
一般式(III)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
【0060】
方法[B]においては、
一般式(II)で示される化合物と一般式(IV):
【化7】
(ただし、式中D、EおよびGは上記定義のとおりであり;L1はp−ニトロフェニルまたはハロゲン、好ましくは臭素または塩素を表す)
で示される化合物とを反応させて、一般式(I):
【0061】
【化8】
(ただし、式中、Aは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、A、D、E、G、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物とする。
【0062】
反応は不活性溶媒中、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、アセトニトリルまたはピリジンなど)中で実施し、好ましい溶媒はテトラヒドロフランまたは塩化メチレンである。また、適切な場合には、塩基の存在下、例えば、アルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)、またはカリウム・tert−ブトキシド、または他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に実施し、好ましくはトリエチルアミンの存在下に、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に行う。
一般式(IV)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
【0063】
方法[C]においては、
一般式(V):
【化9】
(ただし、式中、−NCDは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、D、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物と一般式(VI):
H−M−G (VI)
(ただし、式中、Gは上記定義のとおりであり;Mは酸素またはNR7を表す;ただし、R7は上記定義のとおりである)
で示される化合物とを反応させて、一般式(Ib):
【0064】
【化10】
(ただし、式中、−NH−C(D)−M−Gは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、D、G、M、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物とする。
【0065】
反応は不活性溶媒中、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)中で実施し、好ましい溶媒はテトラヒドロフランまたは塩化メチレンである。また、適切な場合には、塩基の存在下、例えば、アルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)、またはカリウム・tert−ブトキシド、または他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に実施し、好ましくはトリエチルアミンの存在下に、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に行う。
【0066】
一般式(VI)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
一般式(IIa):
【化11】
(ただし、式中、NH2は2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物を製造するために、一般式(VII):
【0067】
【化12】
(ただし、式中、NO2は2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4およびR5は上記定義のとおりである)
で示される化合物と、Xが酸素を表す場合には、先ずヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたは一般式(VIII):
【0068】
【化13】
(ただし、式中、R8は上記定義のとおりである)
でしめされる化合物とを反応させ、次いで、ニトロ基をアミノ基に還元する。これら2種の反応は1工程または2工程反応として起こり得る。
【0069】
1工程法の反応は、ヒドラジンとの反応およびパラジウム−炭素との反応を不活性溶媒中で同時に実施するが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はエタノールまたはイソプロパノールであって、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に行う。
【0070】
2工程法の反応では、最初に、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたは一般式(VIII)で示される化合物を用いて、不活性溶媒中で実施するが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はエタノールまたはイソプロパノールであって、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0071】
第二工程の反応は、水素供与体と、好ましくはヒドラジンまたは水素およびパラジウム−炭素と、または塩化スズと、不活性溶媒中で実施するが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はエタノール、イソプロパノール、またはニ塩化スズの場合にはジメチルホルムアミドであって、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下ないし3バールの気圧下に反応を行う。
【0072】
Xがイオウである場合、該化合物は先ずヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたは一般式(VIII)で示される化合物と反応させ、次いで酸素をロウエッソン(Lawesson)試薬によりイオウに変換し、次いでニトロ基をアミノ基に還元する。
【0073】
第一工程の反応は不活性溶媒中、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたは一般式(VIII)で示される化合物とで実施するが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はエタノールまたはイソプロパノールであって、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0074】
第二工程の反応は不活性溶媒中、ロウエッソン(Lawesson)試薬により実施するが、不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ニトロメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシドまたはピリジンなど)中で実施し、好ましい溶媒はトルエン、キシレンまたはジオキサンであって、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0075】
第三工程の反応は、水素供与体と、好ましくはヒドラジンまたは水素およびパラジウム−炭素と、または塩化スズと、不活性溶媒中で実施するが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はエタノール、イソプロパノール、またはニ塩化スズの場合にはジメチルホルムアミドであって、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下ないし3バールの気圧下に反応を行う。
【0076】
一般式(VII)で示される化合物は2つの異なる形状で存在し得る。本方法の説明では開鎖の形状のみを示す。
【化14】
【0077】
一般式(IIb):
【化15】
【0078】
(ただし、式中、NHR6は2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物を製造するためには、一般式(IIa)で示される化合物を一般式(IX):
L2−R6 (IX)
(ただし、式中、R6は上記定義のとおりであり;L2はハロゲン、好ましくは臭素またはヨウ素を表す)
で示される化合物と不活性溶媒中で反応させるが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はテトラヒドロフランまたはジエチルエーテルである。また、適切な場合には、塩基の存在下、例えば、水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)、またはアミド類(ナトリウムアミド、リチウム・ビス(トリメチルシリル)アミド、リチウム・ジイソプロピルアミドなど)、または有機金属化合物(ブチルリチウムまたはフェニルリチウムなど)、またはその他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)などの存在下に実施し、好ましくはジイソプロピルエチルアミン、カリウム・tert−ブトキシドまたはDBUの存在下に、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に行う。
【0079】
一般式(IX)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
一般式(IIc):
【化16】
(ただし、式中、OHは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物を製造するためには、先ずジアゾニウム化合物を一般式(IIa)で示される化合物から当業者周知の方法に従い製造し、次いで、これらのジアゾニウム化合物を加熱してフェノールとする(cf. Organikum, 17th edition, VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften, Berlin, p.543)。
【0080】
一般式(V)で示される化合物を製造するためには、一般式(IIa)で示される化合物をクロロギ酸トリクロロメチルと不活性溶媒中で反応させるが、不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、アセトニトリルまたはピリジンなど)である。好ましい溶媒はテトラヒドロフランまたはジクロロメタンであり、反応は適切な場合には塩基、例えば、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン、好ましくは1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレンの存在下に、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下にを行う。
【0081】
一般式(VII)で示される化合物を製造するためには、一般式(X):
【化17】
(ただし、式中、R1、R2、R3、R4およびR5は上記定義のとおりである)
で示される化合物と、発煙硝酸、濃硝酸またはニトロ化用酸とを、好ましくは−30℃〜0℃の温度で大気圧下に反応させる。
【0082】
一般式(X)で示される化合物は2つの異なる形状で存在し得る。本方法の説明では鎖状の形状のみを示す。
【化18】
【0083】
一般式(X)で示される化合物を製造するためには、一般式(XI):
【化19】
(ただし、式中、R1、R2、R3およびR4は上記定義のとおりである)
で示される化合物と、一般式(XII):
【0084】
【化20】
(ただし、式中、R5は上記定義のとおりである)
で示される化合物とをルイス酸、好ましくは塩化アルミニウムの存在下に不活性溶媒中で反応させるが、不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、ニトロベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)(好ましい溶媒は1,2−ジクロロエタン)であり、好ましくは−20℃ないし室温の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
一般式(XI)および(XII)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
【0085】
別途合成ルートにより、一般式(X)の化合物の内、R2が水素である一般式(Xa)で示される化合物を製造するためには、一般式(XIIIa):
【化21】
【0086】
(ただし、式中、R1、R3、R4およびR5は上記定義のとおりであり;R14は(C1−C6)−アルキル、好ましくはメチルまたはエチルを表す)
で示される化合物と塩基とを不活性溶媒中で反応させる。塩基とは、例えば、水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウム、水酸化リチウムまたは水酸化カリウムなど)またはアルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)であり、好ましくは水酸化ナトリウムである。不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)、またはその混合物(好ましくはテトラヒドロフランおよび/またはメタノール)であり、好ましくは0℃ないし室温の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0087】
一般式(X)で示される化合物は一般式(Xa)で示される化合物の工程について記載した合成ルートと同様に、一般式(XIII)で示される化合物からも製造することが可能である。
一般式(XIIIa)で示される化合物を製造するためには、一般式(XIV):
【化22】
【0088】
(ただし、式中、R1、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物とフッ化テトラブチルアンモニウムとを不活性溶媒中で反応させる。不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ニトロメタン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)(好ましくはテトラヒドロフランである)であり、好ましくは0℃ないし室温の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0089】
一般式(XIV)で示される化合物を製造するためには、一般式(XV):
【化23】
(R5は上記定義のとおりである)
で示される化合物と、一般式(XVI):
【0090】
【化24】
(ただし、式中、R1、R3、R4およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物とを不活性溶媒中で反応させる。不活性溶媒とは、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)、またはそれら溶媒の混合物であり、好ましい溶媒はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ヘプタンおよび/またはエチルベンゼンである。また、適切な場合には、塩基の存在下、例えば、水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)、またはナトリウムメトキシドまたはカリウムメトキシド、またはナトリウムエトキシドまたはカリウムエトキシド、またはカリウム・tert−ブトキシド、またはアミド類(ナトリウムアミド、リチウム・ビス(トリメチルシリル)アミド、リチウム・ジイソプロピルアミドなど)、または有機金属化合物(ブチルリチウムまたはフェニルリチウムなど)、またはその他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)などの存在下に実施し、好ましくはリチウム・ジイソプロピルアミドの存在下に、−78℃ないし室温の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0091】
一般式(XVI)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って製造することができる。
一般式(XV)で示される化合物を製造するためには、一般式(XVII):
【化25】
【0092】
(R5は上記定義のとおりである)
で示される化合物とシアン化トリメチルシリルおよびヨウ化亜鉛とを、適切な場合には不活性溶媒中にて反応させる。不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ニトロメタン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)(好ましくはテトラヒドロフランである)であり、好ましくは室温ないし100℃の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
一般式(XVII)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
【0093】
一般式(XIII):
【化26】
(ただし、式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物を製造するためには、一般式(XVIII):
【化27】
(ただし、式中、R3、R4およびR5は上記定義のとおりである)
で示される化合物と、一般式(XIX):
【0094】
【化28】
(ただし、式中、R1、R2およびR14は上記定義のとおりであり;L3はハロゲン、好ましくは臭素またはヨウ素を表す)
で示される化合物とを不活性溶媒中にて反応させる。不活性溶媒とは、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)または炭化水素類(ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、トルエンなど)であって、好ましい溶媒はテトラヒドロフランまたはトルエンであり、適切な場合には塩基の存在下、例えば、アミド類(ナトリウムアミド、リチウム・ヘキサメチルジシラジド、カリウム・ヘキサメチルジシラジド、リチウム・ジイソプロピルアミドなど)、またはその他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、ジイソプロピルエチルアミンなど)などの存在下に実施し、好ましくはナトリウムアミド、リチウム・ヘキサメチルジシラジド、カリウム・ヘキサメチルジシラジドまたはリチウム・ジイソプロピルアミドの存在下に、−78℃ないし室温の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0095】
一般式(XVIII)および(XIX)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる((XVIII)については、M.R. Schneider, H. Ball, J. Med. Chem. 1986, 29, 75-79; Robl, et al., Synthesis 1991, 56; J. Org. Chem. 1996, 61, 607, 参照)。
【0096】
一般式(IIa)で示される化合物において、R1およびR2が水素である一般式(IIaa)の化合物製造のための別途合成ルートにおいては、一般式(XX):
【化29】
(ただし、式中、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物とヒドラジンとを反応させる。反応は一般式(IIa)の化合物の調製について記載した2工程法の第一工程と同様に実施する。
【0097】
一般式(XX)で示される化合物を製造するためには、一般式(XXI):
【化30】
(ただし、式中、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物と還元剤とを反応させる。反応は一般式(IIa)の化合物の調製について記載した2工程法の第二工程と同様に実施する。
【0098】
一般式(XXI)で示される化合物を製造するためには、一般式(XXII):
【化31】
(ただし、式中、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物と発煙硝酸、濃硝酸またはニトロ化用酸とを、一般式(VII)の化合物の調製について記載した方法と同様に反応させる。
一般式(XXII)で示される化合物は、対応する出発物質から一般式(XIII)の化合物について記載した方法に従い合成することができる。
【0099】
一般式(XX)で示される化合物製造のための別途合成ルートにおいては、一般式(XXIII):
【化32】
【0100】
(ただし、式中、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりであり;R15はアリルまたはベンジルを表す)
で示される化合物と、ベンジルの場合には、還元剤と反応させる。反応は一般式(IIa)の化合物の調製について記載した2工程法の第二工程と同様に実施する。
アリルの場合には、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムおよびN,N−ジメチルバルビツール酸による方法を用いる(F. Garro-Helion, A. Merzouk, F. Guibe, J. Org. Chem. 1993, 58, 6109-6113 参照)。
【0101】
一般式(XXIII)で示される化合物は、対応する出発物質から一般式(XIII)の化合物について記載した方法に従い製造することができる。
上記の方法は例示として以下に示す工程図に従い説明し得る。
【0102】
スキーム1
【化33】
【0103】
スキーム2
【化34】
【0104】
スキーム3
【化35】
【0105】
スキーム4
【化36】
【0106】
本発明による一般式(I)で示される化合物は予見し得ない驚くべき活性スペクトルを有する。これらの化合物は代表的なヘルペスウイルス科の一群に対し、取分けヒトサイトメガロウイルス(HCMV)に対して、抗ウイルス作用を示す。従って、これらの化合物はヘルペスウイルス科が原因の疾患、取分けヒトサイトメガロウイルスを原因とする疾患の処置および予防に適している。
【0107】
これらの特異な性質により、一般式(I)で示される化合物は、疾患、取分けウイルス性疾患の処置と予防に適する薬物の製造に使用することができる。
これらの性質により、本発明化合物はヒトサイトメガロウイルス感染症およびこれらを原因とする疾患の処置と予防に有用な活性化合物である。
【0108】
例示し得る効能・効果の領域は、例えば、以下のとおりである:
1)AIDS患者におけるHCMV感染(網膜炎、間質性肺炎、胃腸感染)の処置および治療。
2)しばしば生命を脅かすHCMV肺炎、HCMV脳炎および胃腸・全身性HCMV感染の骨髄および臓器移植患者のサイトメガロウイルス感染症の処置および予防。
3)新生児および幼児におけるHCMV感染症の処置および予防。
4)妊婦における急性HCMV感染症の処置。
5)免疫抑制癌患者および癌治療を受けている患者におけるHCMV感染症の処置。
【0109】
該新規活性化合物はそれ自体で使用可能であり、また要すれば、他の抗ウイルス活性化合物、例えば、ガンシクロビルまたはアシクロビルなどと組合わせて使用することもできる。
【0110】
生物試験の説明
インビトロ作用:
抗HCMV(抗ヒトサイトメガロウイルス)細胞変性試験:
試験化合物はジメチルスルホキシド(DMSO)の50ミリモル(mM)溶液として使用する。使用した比較対照化合物は、ガンシクロビル(ganciclovir)、ホスカルネット (foscarnet) およびシドホビル (cidofovir) である。それぞれ、50、5、0.5および0.05mM−DMSO原液2μlずつを、96穴プレートの第2列A〜Hに二重測定用に容れた細胞培養培地98μl中に加え、それぞれ50μlの培地により第11列まで1:2の希釈を行う。第1列および第12列のウエルには50μlの培地を容れる。それぞれ、150μlの1×104細胞懸濁液(NHDF=正常ヒト皮膚線維芽細胞)(第1列=細胞対照)および第2〜12列には、HCMV感染および非感染NHDF細胞の混合物(M.O.I.=0.001〜0.002)、すなわち、1000非感染細胞あたり1〜2個の感染細胞をピペットによりウエルに加える。第12列(物質なし)はウイルス対照とする。最終の試験濃度は250〜0.0005μMとする。プレートを37℃/5%CO2で6日間、すなわち、ウイルス対照のすべての細胞が感染する(100%細胞変性作用[CPE])までインキュベートする。次いで、ウエルにホルマリンとギムザ色素を加え、固定染色(30分)し、蒸留水で2回洗浄し、乾燥キャビネット内で50℃で乾燥する。次いで、プレートをオーバヘッド顕微鏡により目視検査する(プラーク・マルチプライアー;テクノマラ(Technomara))。
【0111】
テストプレートを使用して、以下のデータを判定し得る:
CC50(NHDF)=未処理細胞対照と比較して細胞分裂停止作用のないことが証明された場合の物質濃度(μM);
EC50(HCMV)=未処理ウイルス対照に比較してCPE(細胞変性作用)が50%阻害される物質濃度(μM);
SI(選択性指標)=CC50(NHDF)/EC50(HCMV)。
【0112】
インビボ作用
HCMV異種移植ゲルフォーム(登録商標)モデル:
動物:
メス免疫不全マウス(16〜18g)、フォックスチェイス(Fox Chase)SCIDまたはフォックスチェイスSCID−NODもしくはSCID−ベージュ(3〜4週令)を飼育業者(ボンホルトガード(Bomholtgaard)、ジャクソン)から入手した。動物は隔離ユニット中無菌条件(敷き藁および食餌とも)下に維持する。
【0113】
ウイルス培養:
ヒトサイロメガロウイルス(HCMV)デイビススミス株を胎児ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF細胞)上インビトロで培養する。0.01の感染効率(MOI)でNHDFを感染させた後、ウイルス感染細胞を5〜7日後に採取し、最少必須培地(MEM)(10%ウシ胎仔血清(FCS)と10%DMSO)の存在下に−40℃で保存する。ウイルス感染細胞を10段階系列希釈した後、ニュートラルレッドにより生体染色して24穴プレート上、集密的NHDF細胞のタイターを決定する。
【0114】
スポンジの調製、移植、処置および評価:
コラーゲンスポンジ(ゲルフォーム(登録商標)(Gelfoam);ピーセル・アンド・ローレイ(Peasel & Lorey)、注文番号40734;K.T. Chong et al., 39th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 1999, p.439)1×1×1cmサイズのものを先ずリン酸緩衝塩溶液(PBS)で湿潤し、閉じ込められた気泡を脱ガス処理により除去し、このスポンジをMEM+10%FCS中に保存する。感染3時間後のウイルス感染NHDF細胞(HCMV−デイビスにより感染、M.O.I.=0.01)を脱離し、20μlのMEMおよび10%FCS中、湿潤スポンジに滴下する。12〜13時間後、感染したスポンジを5ng/μlの線維芽細胞増殖因子(bFGF)含有のPBS/0.1%BSA/1mM−DTT25μlとインキュベートする。移植のために、免疫不全マウスをアベルチン(Avertin)で麻酔し、腹側毛を乾燥シェーバーにより除去し、表皮を1〜2cm切開して緩め、湿潤スポンジを腹側皮膚下に移植する。手術傷は組織接着剤により閉鎖する。移植の24時間後、マウスには1日3回(午前7時、午後2時および午後7時)8日間、物質を経口投与する。投与量は体重あたり7または15または30または60mg/kgとし、適用容量は体重あたり10ml/kgとする。該物質は2%DMSO含有チロース(tylose)中の0.5%強度の懸濁液の形状に製剤化する。移植9日後、かつ物質の最終投与16時間後、動物を無痛状態で殺し、スポンジを取り出す。ウイルス感染細胞をコラゲナーゼ(330U/1.5ml)消化によりスポンジから解放し、MEM、10%ウシ胎仔血清、10%DMSOの存在下に、−140℃で保存する。評価を行うに際しては、ウイルス感染細胞を10段階系列希釈した後、24穴プレート上、集蜜的NHDF細胞をニュートラルレッドで生体染色し、タイターを決定した。決定するとは、物質処置後の感染ウイルス粒子の数をプラシーボ処置対照群と比較することである。
【0115】
本発明による化合物の代表的活性データを表1に示す。
表1
【表1】
【0116】
新規活性化合物は既知の方法に従い、不活性非毒性の医薬的に許容し得る担体または溶媒を用いて、常用の製剤、例えば、錠剤、被覆錠剤、ピル、顆粒剤、エーロゾル、シロップ、エマルジョン、懸濁液、および溶液などに変換することができる。この場合、治療的に活性な化合物はそれぞれの場合に、総混合物の約0.5〜90重量%の濃度で、すなわち、指定した投与量を達成するために十分な量で存在するようにする。
【0117】
該製剤は、例えば、活性化合物を溶媒および/または担体で、適切な場合には乳化剤および/または担体により拡散するが、選択肢として用いる希釈剤が水である場合には、補助溶媒として有機溶媒を使用することも可能である。
【0118】
投与は常套の方法で、好ましくは経口、非経口的、または局所的に、取分け舌下または静脈内にて実施する。
非経口投与の場合には、適切な液状担体物質を用いて活性化合物の溶液とする。
【0119】
一般に、静脈投与の場合には、有効な結果を得るために、体重あたり約0.001〜10mg/kg、好ましくは約0.05〜5mg/kgの量を投与することが有利であると証明されており、また経口投与の場合には、投与量は体重あたり約0.01〜25mg/kg、好ましくは0.1〜10mg/kgである。
【0120】
それにもかかわらず、ここにに示した量を変更することも必要な場合がある;すなわち、体重により、または投与ルートのタイプ、薬剤に対する個々人の反応、剤形のタイプ、および投与を実施する時間または間隔などに左右される。従って、ある場合には、上記の最少量よりも少なくしても十分であり、また他の場合には、上記の上限を超えなければならないこともあり得る。比較的大量を投与する場合には、これら単回用量の過半を一日に分散して投与することが賢明である。
【0121】
略 号:
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】
【表7】
【0127】
[出発物質]
一般手法[A]:
TMS−シアノヒドリンの合成
アルゴン気流下、徹底的に加熱乾燥した100ml三頚フラスコ中、55mmolのシアン化トリメチルシリルに、スパーテルの先端に付着させた無水ヨウ化亜鉛を加える。RTにて液状アルデヒド50mmolをゆっくりと滴下する(発熱反応)(固体アルデヒドは60℃で固体として一度に少しずつ加える)。生成する褐色の反応混合物を95℃で7〜8時間加熱する。次いで、生成物をクーゲルロールオーブン中高真空で蒸留する。生成する無色または淡黄色の液体はさらに精製することなく次工程反応に使用する。
以下の化合物はこの手法により調製した:
【0128】
実施例1A
フェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル
【化37】
シアン化トリメチルシリル5.63g(55mmol)およびベンズアルデヒド5.31g(50mmol)から生成物8.80g(理論量の86%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.38分
MS(DCI):m/z=223(M+NH4)+
【0129】
実施例2A
4−クロロフェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル
【化38】
シアン化トリメチルシリル5.63g(55mmol)および4−クロロベンズアルデヒド7.03g(50mmol)から生成物10.84g(理論量の90%)を得る。
HPLC(方法1):Rt=3.96分
MS(ESIpos):m/z=239 (M+H)+
【0130】
実施例3A
4−メトキシフェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル
【化39】
シアン化トリメチルシリル5.63g(55mmol)および4−メトキシベンズアルデヒド6.81g(50mmol)から生成物10.23g(理論量の87%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.56分
MS(EI):m/z=235 (M)+
【0131】
一般手法[B]:
TMS−シアノヒドリンと3−メチル−2−ブテン酸メチルとの反応
対象のTMS−シアノヒドリン1当量を、徹底的に加熱乾燥した250ml三頚フラスコ中アルゴン気流下に無水ジエチルエーテルに溶かし、この溶液を−78℃に冷却する。2M−LDA/THF/ヘプタン/エチルベンゼン溶液を30分間で滴下する。この混合物をこの温度でさらに30分間撹拌し、次いで、少量の無水ジエチルエーテルに溶かした3−メチル−2−ブテン酸メチル1当量を滴下する。この混合物を5時間かけて0℃〜10℃まで昇温する。次いで、塩化アンモニウム飽和溶液を加え、混合物を10分間撹拌する。相分離を行い、エーテル相を2回以上、塩化アンモニウム飽和溶液で洗浄する。硫酸マグネシウム上乾燥して濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターにて除去する。得られた生成物はさらに精製することなく次工程合成反応に使用する。
以下の化合物はこの手法により調製した:
【0132】
実施例4A
4−シアノ−3,3−ジメチル−4−フェニル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル
【化40】
2M−LDA溶液22.5mlで脱プロトン化したフェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル8.80g(43mmol)および3−メチル−2−ブテン酸メチル5.04g(43mmol)から標題化合物13.69g(理論量の67%)を粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=5.53分
MS(DCI):m/z=337 (M+NH4)+
【0133】
実施例5A
4−(4−クロロフェニル)−4−シアノ−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル
【化41】
2M−LDA溶液10.5mlで脱プロトン化した4−クロロフェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル4.80g(20mmol)および3−メチル−2−ブテン酸メチル2.28g(20mmol)から標題化合物7.48g(理論量の76%)を粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=5.64分
MS(DCI):m/z=371 (M+NH4)+
【0134】
実施例6A
4−シアノ−4−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル
【化42】
2M−LDA溶液22.8mlで脱プロトン化した4−メトキシフェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル10.23g(43.5mmol)および3−メチル−2−ブテン酸メチル4.96g(43.5mmol)から標題化合物14.60g(理論量の96%)を粗生成物として得る。
MS(DCI):m/z=367 (M+NH4)+
【0135】
一般手法[C]:
TBAFによる脱シリル化反応
アルゴン気流下にブタン酸メチル誘導体1当量を無水THFに溶かし(0.25M)、0℃に冷却する。この温度で1M−TBAF/THF溶液1.1当量をゆっくり滴下する。混合物をさらに3時間撹拌し、次いで水を加え、その混合物をジクロロメタンにて3回抽出する。硫酸マグネシウム上で乾燥、濾過、溶媒除去した後、生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:移動相シクロへキサン/酢酸エチル=85:15)により、またはクーゲルロール蒸留により精製する。
以下の化合物はこの手法により製造した:
【0136】
実施例7A
3,3−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸メチル
【化43】
4−シアノ−3,3−ジメチル−4−フェニル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル13.44g(42mmol)および1M−TBAF溶液46.3ml(46.3mmol)から標題化合物6.54g(理論量の62%)を粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=4.25分
MS(DCI):m/z=238(M+N4)+
【0137】
別途合成法
カリウム・ヘキサメチルジシラジド48.4ml(24.20mmol;0.5Mトルエン溶液)をテトラヒドロフラン30mlに溶かし、−78℃にて、イソブチロフェノン3.26g(22mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液を加える。2時間後に、ブロモ酢酸メチル4.04g(26.40mmol)を加える。さらに2時間後、1N塩酸50mlを加える。次いで、この混合物を酢酸エチルで抽出する。併合した有機相を水および飽和の塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒除去する。調製用順相HPLC(カラム:シリカゲル、流速:150ml/分、移動相:イソヘキサン/酢酸エチル=9:1)により目標化合物を26%の収率で得る。
HPLC(方法3):Rt=4.60分
MS(DCI/NH3):m/z=238(M+NH4)+
以下の実施例では一般手法[C]に従って製造する:
【0138】
実施例8A
4−(4−クロロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル
【化44】
4−(4−クロロフェニル)−4−シアノ−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル6.15g(17.4mmol)および1M−TBAF溶液19.1ml(19.1mmol)から標題化合物4.79g(理論量の90%)を粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=4.64分
MS(DCI):m/z=272 (M+NH4)+
【0139】
実施例9A
4−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル
【化45】
4−シアノ−4−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル14.48g(41.4mmol)および1M−TBAF溶液45.6ml(45.6mmol)から標題化合物5.45g(理論量の42%)を粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=4.24分
MS(ESIpos):m/z=251 (M+H)+
【0140】
一般手法[D]:
エステル加水分解
加水分解すべきエステルをTHF/メタノール混合物(1:1)に溶かし、この溶液を0℃に冷却する。この温度で2当量の1N水酸化ナトリウム水溶液をゆっくり滴下する。反応終了後(反応はTLCでモニターする)、それぞれに同じ容量の1N水酸化ナトリウム水溶液とジクロロメタンを加える。有機相は2回1N水酸化ナトリウム水溶液で抽出する。次いで、併合した水相を濃塩酸で酸性とし、生成物を3回ジクロロメタンで抽出する。硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過、溶媒留去により生成物を得る。このものはさらに精製することなく次工程の合成工程に使用する。
以下の化合物はこの手法により製造した:
【0141】
実施例10A
5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−フェニルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化46】
3,3−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸メチル6.52g(29.6mmol)から生成物5.20g(理論量の83%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.88分
MS(DCI):m/z=224 (M+NH4)+
【0142】
実施例11A
5−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化47】
4−(4−クロロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル5.11g(20mmol)から生成物3.60g(理論量の72%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=4.22分
MS(DCI):m/z=258 (M+NH4)+
【0143】
実施例12A
5−ヒドロキシ−5−(4−メトキシフェニル)−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化48】
4−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル5.22g(20.9mmol)から生成物4.97g(理論量の97%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.95分
MS(ESIpos):m/z=237 (M+H)+
【0144】
一般手法[E]:
無水カルボン酸による芳香族化合物のフリーデル−クラフトアシル化反応
アルゴン下、先ず塩化アルミニウム(2.4当量)を還流冷却器を装備した三頚フラスコ中に容れ、これに1,2−ジクロロエタン(塩化アルミニウム1gあたり20ml)をRTで加える。氷浴中、この懸濁液を0℃に冷却し、無水物(1.05当量)を1回につき少しずつ加える。添加終了後、5分間撹拌を継続し、次いで、ベンゼン(1.0当量)をゆっくり滴下する。この混合物を一夜ゆっくりと室温まで昇温させ、次いで氷上に注ぎ、沈殿を1N塩酸に再溶解する。水相を2回ジクロロメタンで抽出し、併合した有機相を2回水洗し、硫酸ナトリウム上乾燥し、減圧下に溶媒を除去する。この物質は粗生物として次工程反応に使用する。
以下の化合物を以下の手法に従って製造した:
【0145】
実施例13A
2,3−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸
【化49】
ベンゼン1.4gおよび2,3−ジメチルブタンジカルボン酸無水物2.46gから生成物0.3g(理論量の12%)を得る。
HPLC(方法6):Rt=3.42分
MS(ESI−POS):m/z=207(M+H+)
【0146】
実施例14A
2,2−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸
【化50】
ベンゼン5.8gおよび2,2−ジメチルブタンジカルボン酸無水物10.0gから生成物12.6g(理論量の82%)を得る。
m.p.:174℃
HPLC(方法3):Rt=3.91分
MS(DCI):m/z=207(M+H+)、224 (M+NH4)+
【0147】
実施例15A
シス−2−ベンゾイルシクロへキサンカルボン酸
【化51】
ベンゼン10.0gおよびシス−シクロヘキサン−1,2−カルボン酸無水物20.7gから生成物19.7g(理論量の60%)をエナンチオマー混合物として得る。
HPLC(方法8):Rt=2.89分
MS(ESI−POS):m/z=233(M+H+)
【0148】
実施例16A
トランス−2−ベンゾイルシクロヘキサンカルボン酸
【化52】
ベンゼン4.8gおよびトランス−シクロヘキサン−1,2−カルボン酸無水物10.0gから生成物3.75g(理論量の45.5%)をエナンチオマー混合物として得る。
HPLC(方法8):Rt=2.91分
MS(ESI−POS):m/z=233(M+H+)
【0149】
実施例17A
3,3−ジメチル−4−フェニル−4−オキソブタン酸エチル
【化53】
最初に、ナトリウムアミド38.20g(489.55mmol)をトルエン300mlに溶かし、これにイソブチロフェノン32.98g(222.52mmol)とトルエン50mlの溶液を室温で滴下する。3時間後に、ヨード酢酸エチル50.00g(233.65mmol)とトルエン50mlの溶液を0℃で滴下し、この混合物をさらに2時間撹拌する。次いで、氷水500mlを加え、その混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液にて洗浄する。硫酸マグネシウム上で乾燥した後、溶液を濃縮し、残渣を152〜158℃(10ミリバール)にて蒸留する。目標化合物36.7g(70%)を得る。
LCMS(方法10):Rt=2.93分
MS(ESIpos):m/z=235 (M+H)+
【0150】
実施例18A
3,3−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸および5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−フェニルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化54】
最初に、3,3−ジメチル−4−フェニル−4−オキソブタン酸エチル12g(51.22mmol)をテトラヒドロフラン60mlとメタノール60mlに溶かし、水酸化ナトリウム水溶液4.10g(102.44mmol)と室温で2時間撹拌する。溶媒を留去し、次いで残渣を2N塩酸で酸性とする。生成物を吸引濾取し、水/エタノールから再結晶する。目的化合物8.90g(84%)を混合物として得る。
LC−MS(方法10):Rt=2.31分
MS(ESIpos):m/z=207 (M+H)+
【0151】
一般手法[F]:
芳香族化合物のニトロ化
アルゴン下、発煙硝酸をフラスコ中−15℃に冷却し、この温度で芳香族化合物をアルゴン向流中1回に少しずつ(硝酸1mlあたり300mg)加える。30分後、この混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンで2回抽出する。併合した有機相を2回水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下に除去する。生成物はm−異性体とp−異性体および/またはo−異性体の混合物として得る。これをさらに精製することなくさらに反応させる。
以下の化合物はこの手法により製造する:
【0152】
実施例19A
2,3−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸
【化55】
2,3−ジメチル−4−(フェニル)−4−オキソブタン酸300mgから粗生成物280mgを得る。
HPLC(方法8):Rt=2.43分、2.46分(ジアステレオマーの混合物)
MS(ESI−POS):m/z=252 (M+H)+
【0153】
実施例20A
2,2−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸
【化56】
2,2−ジメチル−4−(フェニル)−4−オキソブタン酸5.0gから生成物5.1g(理論量の83.9%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.95分
MS(DCI):m/z=252(M+H+)、269 (M+NH4)+
【0154】
実施例21A
シス−2−(3−ニトロベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸
【化57】
シス−2−ベンゾイルシクロヘキサンカルボン酸5.0gから粗生成物5.0gをエナンチオマーの混合物として得る。
HPLC(方法6):Rt=3.66分、3.74分(m−およびp−生成物)
MS(ESI−POS):m/z=278(M+H+)
【0155】
実施例22A
トランス−2−(3−ニトロベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸
【化58】
トランス−2−ベンゾイルシクロヘキサンカルボン酸3.75gから粗生成物3.5gをエナンチオマーの混合物として得る。
HPLC(方法8):Rt=2.54分、2.62分(m−およびp−生成物)
MS(ESI−POS):m/z=278(M+H+)
【0156】
実施例23A
5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−(3−ニトロフェニル)ジヒドロ−2(3H)−フラノンおよび3,3−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸
【化59】
最初に、3,3−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸および5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−フェニルジヒドロ−2(3H)−フラノンの混合物8.65g(41.94mmol)を硫酸20mlに加え、これに硫酸10ml中の硝酸5.49g(65%強度)を−15℃にて加える。0℃で1時間撹拌を続ける。次いで、氷水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出する。併合した有機相を水洗し、硫酸マグネシウム上で乾燥する。溶媒留去した後、生成物の混合物を結晶化する。収量は10.5g(定量的)である。
LC−MS(方法6):Rt=3.40/3.50分
MS(ESIneg):m/z=250 (M−H)−
【0157】
実施例24A
5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−(3−ニトロフェニル)ジヒドロ−2(3H)−フラノンおよび5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−(4−ニトロフェニル)ジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化60】
フラスコ中、発煙硝酸(12ml)をアルゴン下に−15℃に冷却する。この温度で5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−フェニルジヒドロ−2(3H)−フラノン5g(24.5mmol)を1回に少しずつ加える。−15℃で半時間撹拌を続け、次いでこの混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンにて3回抽出する。併合した抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥する。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、97:3)にて行う。標題化合物の生成物混合物6.23gを粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=4.06分
MS(DCI):m/z=269 (M+NH4)+
【0158】
実施例25A
5−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化61】
フラスコ中、発煙硝酸(7ml)をアルゴン下に−15℃に冷却する。この温度で5−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン3.42g(14.2mmol)を1回に少しずつ加える。−15℃で45分間(固形物全体が溶液となるまで)撹拌を続け、次いでこの混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンにて3回抽出する。併合した抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥する。濾過、溶媒除去後に、残渣を高真空下で乾燥する。生成物3.89g(理論量の87%;純度91%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=4.20分
MS(DCI):m/z=303 (M+NH4)+
【0159】
実施例26A
5−ヒドロキシ−5−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化62】
5−ヒドロキシ−5−(4−メトキシフェニル)−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノンは固形物としてではなく、比較的粘稠な油として得られるので、発煙硝酸は−15℃にてゆっくり該物質に加える。間もなく、激しい反応(亜硝酸ガスの発生)が始まる。30分間撹拌を続け、次いでこの混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンにて3回抽出する。標題化合物5.65を粗生成物として得る。この粗生成物はさらに後処理することなく次工程反応に使用する。
MS(DCI):m/z=299 (M+NH4)+
【0160】
一般手法[G]
ピリダジノンへの閉環反応とニトロ基の同時還元
ニトロ化合物(1.0当量)とヒドラジン一水和物(20.0当量)とをRTで最初にエタノールに溶かし(0.1M溶液)、次いで、パラジウム/炭素(10重量%)10重量%を加え、その混合物を一夜加熱還流する。次いで、触媒を濾取してエタノールで洗い、溶媒は引き続き減圧下で除去する。生成物はエタノールから繰返し再結晶するか、またはカラムクロマトグラフィー(o−異性体を除去するためのシリカゲル;p−異性体を除去するための調製用HPLC(方法12))により精製する。
以下の化合物を以下の手法に従って製造した:
【0161】
実施例27A
6−(3−アミノフェニル)−4,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化63】
2,3−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸500mgから粗生成物210mgを得る。このものはさらに精製せずに反応に供する。
HPLC(方法6):Rt=0.85分;1.10分(ジアステレオマーの混合物)
MS(ESI−POS):m/z=218(M+H+)
【0162】
実施例28A
6−(3−アミノフェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化64】
2,2−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸4.95gから生成物1.24g(理論量の28%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=2.90分
MS(ESI−POS):m/z=218(M+H+)
クロマトグラフィーに際し、o−異性体が副生物として得られた(HPLC方法3:Rt=3.10分)。
【0163】
実施例29A
4−(3−アミノフェニル)−シス−4a,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−フタラジノン
【化65】
シス−2−(3−ニトロベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸500mgから目的化合物を粗生成物として定量的に得る。このものはさらに精製することなく反応に付す。
HPLC(方法6):Rt=2.32分、2.55分、3.34分、3.40分
MS(ESI−POS):全m/z=244(M+H+)
【0164】
実施例30A
4−(3−アミノフェニル)−トランス−4a,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−フタラジノン
【化66】
粗製のトランス−2−(3−ニトロベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸3.5gから目的化合物を粗生成物として定量的に得る。このものはさらに精製することなく反応に付す。
HPLC(方法WTB):Rt=1.91分
【0165】
実施例31A
6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノンおよび6−(4−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化67】
【0166】
5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−(3−ニトロフェニル)ジヒドロ−2(3H)−フラノンおよび5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−(4−ニトロフェニル)ジヒドロ−2(3H)−フラノンの混合物2.98g(11.9mmol)をエタノール40mlにRTで溶かし、ヒドラジン一水和物8.91g(178mmol)を加える。次いで、これにパラジウム/炭素(10重量%)300mgを加え、その反応混合物を20時間加熱還流する。熱時反応混合物をセライトで濾過し、濾過ケーキを熱エタノールで洗い、濾液を濃縮乾固する。残渣をエタノールから結晶化する。メタ産物80%とパラ産物20%からなる混合物を1.09g(理論量の34%)を得る。母液からの再結晶により、パラ産物74%とメタ産物26%からなる混合物1.03g(理論量の30%)を得る。2つのフラクションを併合し、調製用HPLC(方法12)によりパラ産物とメタ産物を分離する。
HPLC(方法3):Rt=2.53分(パラ)および2.83分(メタ)
MS(EI):m/z=217 (M)+
【0167】
実施例32A
6−(3−アミノ−4−クロロフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【0168】
【化68】
【0169】
5−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ジヒドロ−2(3H)−フラノンをエタノール40mlにRTで溶かし、ヒドラジン一水和物10.14g(203mmol)を加える。次いで、これにパラジウム/炭素(10%)350mgを加え、その反応混合物を24時間加熱還流する。熱時反応混合物をセライトで濾過し、濾過ケーキを熱エタノールで洗い、濾液を濃縮乾固する。残渣をエタノールから結晶化する。生成物1.66g(理論量の48%)を得る。母液を再結晶して、さらに0.34g(理論量の10%)の生成物を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.56分
MS(DCI):m/z=269 (M+NH4)+
【0170】
実施例33A
6−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化69】
5−ヒドロキシ−5−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン5.40g(19.2mmol)を無水エタノール60mlにRTで溶かし、これにヒドラジン一水和物3.84g(77mmol)を加え、混合物を6時間加熱還流する。溶媒除去により褐色固形の沈殿を生じる;これを濾取して乾燥する。高真空下の乾燥により生成物1.80g(理論量の34%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.80分
MS(DCI):m/z=295 (M+NH4)+
【0171】
実施例34A
6−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化70】
6−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン1.77g(6.4mmol)を無水エタノール50mlにRTで溶かし、これにヒドラジン一水和物3.20g(64mmol)およびパラジウム/炭素(10重量%)170mgを加える。反応混合物を10時間加熱還流し、次いで濃縮してカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/シクロへキサン、7:3)により精製する。標題化合物0.7g(理論量の24%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=2.91分
MS(EI):m/z=247 (M)+
【0172】
実施例35A
6−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−5−エチル−5−メチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化71】
実施例36Aと同様に、5−エチル−5−メチル−6−(4−メチル−3−ニトロフェニル)−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノンおよびヒドラジン一水和物26.89g(537.08mmol)から82%の収率で製造する。
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=0.72(t、3H)、1.12(s、3H)、1.35−1.80(m、2H)、2.05(s、3H)、2.30(q、2H)、3.33(s、1H)、4.89(br.s、2H)、6.50(dd、1H)、6.68(d、1H)、6.88(d、1H)、10.83(br.s、1H)。
【0173】
実施例36A
5−エチル−6−(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化72】
【0174】
最初に、6−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−5−エチル−5−メチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン4.91g(20mmol)をジクロロメタン200mlに溶かし、0℃にて先ず1,8−ビス−(ジメチルアミノ)ナフタレン8.57g(40mmol)を加え、次いでクロロギ酸トリクロロメチル2.85g(14.40mmol)のジクロロメタン80ml溶液を加える。室温1時間後、この混合物をジクロロメタン50mlで希釈する。有機相を氷水、1N塩酸および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥する。この溶液を濃縮し、残渣をn−へキサンで磨砕して、目的化合物5.30g(98%収率)を得る。
MS(DCI/NH3):m/z=272(M+H+)
【0175】
実施例37A
(4−ブロモフェニル)−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル
【化73】
文献(K. Deuchert, U. Hertenstein, S. Huenig, G. Wehner, Chem. Ber. 1979, 112, 2045-2061)記載の手法に従い、アルゴン気流下、シアン化トリメチルシリル2.73g(27.5mmol)に、小型スパーテルの先端に付着させた無水ヨウ化亜鉛を触媒として加え、この混合物を60℃に加熱する。この温度で、4−ブロモベンズアルデヒド4.23g(25mmol)を固形物として1回に少しずつ加える。次いで、温度を95℃に昇温し、このレベルに8時間維持する。精製は次いで高真空下にクーゲルロール蒸留により実施する(220〜230℃)。生成物6.11g(理論量の85%)を黄色油として得る。
HPLC(方法3):Rt=3.88分
MS(ESIpos):m/z=306 (M+Na)+
【0176】
実施例38A
4−(4−ブロモフェニル)−4−シアノ−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル
【化74】
【0177】
文献(S. Huenig, G. Wehner, Chem. Ber. 1980, 113, 302-323)記載の手法に従い、アルゴン気流下、(4−ブロモフェニル)−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル6g(21.11mmol)を乾燥ジエチルエーテル21mlの溶かし、この溶液を−78℃に冷却する。リチウム・ジイソプロピルアミドの2モル溶液11.1ml(22.2mmol)を20分にわたり滴下する。30分後、3−メチル−2−ブテン酸メチル2.48g(21.11mmol)の乾燥ジエチルエーテル2ml溶液を滴下する。冷却浴中、反応混合物は4〜5時間を要してゆっくりと室温まで昇温する。次いで、飽和塩化アンモニウム溶液40mlを加え、室温で10分間撹拌を続ける。相分離を行い、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥する。濾過、溶媒留去し、粗生成物9.48gを得る;これをさらに精製することなく次工程合成に使用する。
HPLC(方法1):Rt=5.72分
MS(EI):m/z=397 (M)+
【0178】
実施例39A
4−(4−ブロモフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル
【化75】
アルゴン気流下に、4−(4−ブロモフェニル)−4−シアノ−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル8.65g(粗生成物)を乾燥テトラヒドロフラン87mlに溶かし、氷浴中0℃に冷却する。この温度で、フッ化テトラブチルアンモニウムの1モル溶液21.7ml(21.7mmol)をゆっくり滴下する。0℃で4.5時間後、水75mlを加え、その混合物をジクロロメタンで3回抽出する。併合した有機相は硫酸マグネシウム上で乾燥する。濾過、溶媒留去後、カラムクロマトグラフィーにより精製(シリカゲル:シクロへキサン/酢酸エチル、85:15)し、生成物4.25g(2工程の理論量の57%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=4.84分
MS(EI):m/z=298 (M)+
【0179】
実施例40A
4−(4−ブロモ−3−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル
【化76】
アルゴン下、発煙硝酸6mlを−30℃に冷却し、4−(4−ブロモフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル3.71g(12.4mmol)をこの温度で滴下する。−30℃にて1時間撹拌を続け、次いで混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンで3回抽出する。併合した有機抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥する。濾過、溶媒留去後、生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する(シリカゲル:シクロへキサン/酢酸エチル、9:1)。生成物2.83g(理論量の66%)を黄色油として得る。
HPLC(方法3):Rt=4.75分
MS(CDI):m/z=361 (M+NH4)+
【0180】
実施例41A
4−(3−アミノフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル
【化77】
4−(4−ブロモ−3−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル0.85g(2.46mmol)を脱ガスエタノール12mlに溶かし、これに10%パラジウム−炭素131mgを加え、水素気流下に、分析用HPLCによりモニターする反応が完全に変換したことを示すまで、混合物を撹拌する。この混合物を珪藻土で濾過し、溶媒を留去する。残渣を酢酸エチルに取込み、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥する。濾過し、溶媒濃縮し、生成物0.52g(理論量の83%)を得る。これを粗製物としてさらなる合成に使用する。
【0181】
実施例42A
4−(2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸
【化78】
最初に、4−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸10.00g(37.14mmol)および重炭酸ナトリウム7.02g(83.57mmol)を水100mlに溶かし、これに水酸化アンモニウム11.46g(81.72mmol)を加え、混合物を還流下に一夜撹拌する。冷却後、この混合物を1N塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出する。有機相を水洗し、硫酸マグネシウム上乾燥し、溶媒を留去して塩化メチレン/n−ペンタンから再結晶し、減圧下に乾燥する。生成物6.52g(理論量の66%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.90分
MS(DCI/NH3):m/z=285 (M+NH4)+
【0182】
実施例43A
4−(2−シアノ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸
【化79】
4−(2−シアノ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸の調製は、参考文献(Heterocycles 1987, 26, 1227 and Synth. Commun. 1985, 15, 479)の記載と同様に、出発原料として4−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸を用いて実施する。
【0183】
実施例44A
6−(2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化80】
4−(2−シアノ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸(実施例43A)26.00g(94.12mmol)をエタノール400mlに溶かし、還流下にヒドラジン水和物47.12g(941.19mmol)を滴下する。この混合物を沸点にて5時間撹拌し、次いで溶液を100mlまで濃縮する。残渣に水を加え、容量を200mlに濃縮する。次いで、結晶を吸引濾取し、水およびジエチルエーテルで洗浄する。減圧下に乾燥し、生成物20.03g(理論量の81%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.50分
MS(DCI/NH3):m/z=281 (M+NH4)+
【0184】
別法として、同じ合成手法を用い、実施例44Aの化合物は、4−(2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸(実施例42A)から調製することもできる。
【0185】
実施例45A
6−(5−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化81】
6−(2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン(実施例45A)3.00g(11.40mmol)をエタノール150mlに溶かし、10%パラジウム−炭素0.30gを加える。沸点にて、ヒドラジン水和物5.70g(113.96mmol)を滴下する。還流下に18時間撹拌した後、溶媒を除去し、油状残渣をジエチルエーテルから結晶化する。結晶を水で破砕し、吸引濾過する。ジエチルエーテルで洗浄後、結晶を減圧下に乾燥する。生成物1.84g(理論量の69%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=2.30分
MS(ESIpos):m/z=234 (M+H)+
【0186】
[製造例]
実施例1
N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N'−[3−(4,4−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化82】
【0187】
6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン50mg(0.23mmol)に abs. THF2mlを室温で加え、次いでこれにイソシアン酸2,4−ジフルオロフェニル71.4mg(0.46mmol)を加える。最初、6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノンは完全には溶けない。イソシアン酸エステルを添加した後にのみ、間もなく、透明な黄色溶液を形成するが、この溶液は急速に白色沈殿を生じる。一夜撹拌を続け、次いで沈殿を濾取する。この沈殿をジエチルエーテルで洗浄し、白色固形物を減圧下に乾燥する。生成物46.4mg(理論量の54%)を得る。
m.p.:213℃
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.16(s、6H)、2.35(s、2H)、6.97−7.11(m、2H)、7.25−7.39(m、3H)、7.65(s、1H)、7.99−8.17(m、1H)、8.50(s、br、1H)、9.12(s、br、1H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.12分
MS(ESIpos):m/z=373 (M+H)+
【0188】
実施例2
N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−N'−[3−(4,4−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化83】
6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン30mg(0.14mmol)およびイソシアン酸3−クロロ−4−フルオロフェニル47.4mg(0.28mmol)に無水THF1mlを加え(僅かに濁りのある溶液)、この混合物を室温にて一夜撹拌する。白色沈殿の形成を認める。
【0189】
後処理:ジクロロメタンおよびジエチルエーテルそれぞれ1mlを反応混合物に加え、白色沈殿を濾取する。生成物40.2mg(理論量の75%)を得る。
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.16(s、6H)、2.35(s、2H)、7.04(d、1H)、7.25−7.42(m、4H)、7.63(s、1H)、7.76−7.83(m、1H)、8.89(s、2H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.32分
MS(ESIpos):m/z=389 (M+H)+
【0190】
実施例3
N−(3−ブロモフェニル)−N'−[3−(4,4−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化84】
【0191】
6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン30mg(0.14mmol)を無水THF1mlに溶解する。これにイソシアン酸3−ブロモフェニル54.7mg(0.28mmol)を加え、その混合物を室温で一夜撹拌する。白色固形の沈殿を生じる。濾過して生成物48.4mg(理論量の84%)を白色固形物として得る。
m.p.:207℃
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.16(s、6H)、2.35(s、2H)、6.99−7.45(m、6H)、7.64(s、1H)、7.85(s、1H)、8.90(s、br、2H)、10.99(s、br、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.32分
MS(ESIpos):m/z=415 (M+H)+
【0192】
実施例4
N−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−N'−[3−(4,4−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化85】
最初に、イソシアン酸4−クロロ−2−メチルフェニル46.3mg(0.28mmol)を酢酸エチル1mlに溶解し(完全には溶けず)、これに6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン30mg(0.14mmol)を加え、混合物を室温で一夜撹拌する。白色沈殿の形成を認める。
【0193】
後処理:沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下に乾燥する。生成物はなお不純物混入を示すので、RP−HPLCで精製する。生成物25.6mg(理論量の48%)を白色固形物として得る。
m.p.:232℃
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.16(s、6H)、2.24(s、3H)、2.35(s、2H)、6.99−7.06(m、1H)、7.15−7.40(m、4H)、7.66(s、1H)、7.87(d、1H)、7.99(s、1H)、9.16(s、1H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.30分
MS(ESIpos):m/z=385 (M+H)+
【0194】
実施例5
N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N'−[2−(5,5−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化86】
【0195】
6−(2−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン20.3mg(0.09mmol)を酢酸エチル1mlに懸濁し、これにイソシアン酸2,4−ジフルオロフェニル29mg(0.18mmol)を室温で加える。暫しの後、反応混合物は完全に透明となる;この無色透明溶液を一夜撹拌する。溶媒をロータリーエバポレーターにより除去し、残渣をRP−HPLCにより精製する。生成物26.1mg(理論量の75%)を得る。
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.10(s、6H)、2.83(s、2H)、6.98−7.14(m、2H)、7.24−7.40(m、2H)、7.43−7.50(m、1H)、7.82−7.96(m、1H)、8.02−8.09(m、1H)、9.07(s、1H)、9.50(s、1H)、10.77(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.32分
MS(ESIpos):m/z=373 (M+H)+
【0196】
実施例6
N−(3,4−ジフルオロフェニル)−N'−[3−(5,5−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化87】
イソシアン酸3,4−ジフルオロフェニル42.8mg(0.28mmol)を酢酸エチル0.5mlに溶かし、これに6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン30mg(0.14mmol)と酢酸エチル0.5mlからなる溶液を加え、この混合物を室温で一夜撹拌する。白色沈殿の形成を認める。
【0197】
後処理:反応混合物を濃縮し、残渣をRP−HPLCにより精製する。生成物48mg(理論量の93%)を白色固形物として得る。
m.p.:200℃
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.08(s、6H)、2.1(s、2H)、7.09−7.18(m、1H)、7.26−7.44(m、4H)、7.60−7.74(m、1H)、7.97(s、1H)、8.89(s、2H)、10.90(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.28分
MS(ESIpos):m/z=373 (M+H)+
【0198】
一般手法[H]:
アニリンとイソシアン酸エステルとの反応
不活性ガス気流下、室温にて、1.0当量のアニリン/テトラフラン溶液(0.2M溶液)を1.2当量のイソシアン酸エステル(等容量の無水テトラヒドロフランに溶解)と混合する。反応混合物を室温で一夜振盪する。塩化メチレン/ジエチルエーテル(1:1)を反応混合物に加え、この混合物を1時間振盪し、沈殿する固形物を濾過取得する。精製のために、この固形物をジエチルエーテルで洗浄するか、または別法として塩化メチレンから結晶化するかまたは調製用HPLCにより精製する。
以下の化合物はこの方法により製造した:
【0199】
実施例7
N−(2,4−ジクロロフェニル)−N'−[3−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化88】
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=2.45−2.60(m、2H)、2.89−3.03(m、2H)、3.07(s、1H)、7.15−7.50(m、4H)、7.96(s、1H)、8.14(s、1H)、8.23(d、1H)、9.33(s、1H)、10.52(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.40分
MS(ESIpos):m/z=377 (M+H)+
【0200】
実施例8
N−(3,4−ジフルオロフェニル)−N'−[3−(4―メチル―6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化89】
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.10(d、3H)、2.26(d、1H)、2.60−2.80(m、1H)、3.20−3.45(m、1H)、7.10−7.21(m、1H)、7.22−7.48(m、4H)、7.57−7.73(m、1H)、7.99(s、1H)、8.89(s、2H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.10分
MS(DCI/NH3):m/z=376 (M+NH4)+
【0201】
実施例9
N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N'−[3−(4―メチル―6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化90】
【0202】
エナンチオマーA:
目標の化合物は対応する出発物質からラセミ体として製造し、次いで、このエナンチオマーの分離用に特別に開発したHPLC法(方法9)によりもう一方のエナンチオマーから分離する。
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.10(d、3H)、2.25(d、1H)、2.61−2.80(m、1H)、3.26−3.42(m、1H)、7.00−7.15(m、1H)、7.28−7.51(m、4H)、7.95−8.20(m、2H)、8.49(s、1H)、9.15(s、1H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法9):Rt=23.63分
MS(DCI/NH3):m/z=376 (M+NH4)+
【0203】
実施例10
N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N'−[3−(4―メチル―6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化91】
【0204】
エナンチオマーB:
目標の化合物は対応する出発物質からラセミ体として製造し、次いで、このエナンチオマーの分離用に特別に開発したHPLC法(方法9)によりもう一方のエナンチオマーから分離する。
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.10(d、3H)、2.25(d、1H)、2.61−2.80(m、1H)、3.26−3.42(m、1H)、7.00−7.15(m、1H)、7.28−7.51(m、4H)、7.95−8.20(m、2H)、8.49(s、1H)、9.15(s、1H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法9):Rt=27.13分
MS(DCI/NH3):m/z=376 (M+NH4)+
表1に示す例は一般手法[H]により得ることができる。
【0205】
【表8】
【0206】
【表9】
【0207】
【表10】
【0208】
【表11】
【0209】
【表12】
【0210】
【表13】
【0211】
【表14】
【0212】
【表15】
【0213】
【表16】
【0214】
【表17】
【0215】
【表18】
【0216】
【表19】
【0217】
実施例61
N−(4−シアノ−2−メチルフェニル)−N'−[5−(4―エチル―4―メチル―6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)−2−メチルフェニル]尿素
【化92】
【0218】
4−アミノ−3−メチルベンゾニトリル79.3mg(0.60mmol)を先ずテトラヒドロフラン5mlに溶かし、これに5−エチル−6−(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン135.66mg(0.50mmol)および1滴のトリエチルアミンを加える。50℃で20時間後、目的の化合物を吸引濾取し、テトラヒドロフランとジエチルエーテルにて洗浄する。収量は28mg(14%)である。
1H−NMR(400MHz、DMSO):δ=0.73(t、3H)、1.15(s、3H)、1.44−1.55(m、1H)、1.65−1.78(m、1H)、2.23(d、1H)、2.30(s、3H)、2.32(s、1H)、2.43(d、1H)、7.02(dd、1H)、7.20(dd、1H)、7.58−7.64(m、2H)、7.96(d、1H)、8.21(d、1H)、8.58−8.62(m、2H)、10.91(s、1H)
表2に示す例は一般手法[H]により得ることができる。
【0219】
【表20】
【0220】
【表21】
【0221】
【表22】
【0222】
一般的LC−MSおよびHPLC法:
[HPLCパラメータ]
方法1(HPLC):
カラム:クロマジルC18、L−R
温度:30℃
流速=0.75ml/分
移動相:0.01M−HClO4、B=CH3CN
勾配:→0.5分98%A→4.5分10%A→6.5分10%A
【0223】
方法2(HPLC):
カラム:クロマジルC18 60*2、L−R
温度:30℃
流速=0.75ml/分
移動相:0.01M−H3PO4、B=CH3CN
勾配:→0.5分90%A→4.5分10%A→6.5分10%A
【0224】
方法3(HPLC):
カラム:クロマジルC18 60*2、L−R
温度:30℃
流速=0.75ml/分
移動相:A=0.005M−HClO4、B=CH3CN
勾配:→0.5分98%A→4.5分10%A→6.5分10%A
【0225】
方法4(HPLC):
カラム:シンメトリーC18 2.1×150mm
カラムオーブン:50℃
流速=0.6ml/分
移動相:A=0.6g30%強度HCl/l水、B=CH3CN
勾配:0.0分90%A→4.0分10%A→9分10%A
【0226】
方法5(LC−MS):
MHZ−2Q、インスツルーメント・マイクロマス・クァトロLCZ
カラムシンメトリーC18 50mm×2.1mm、3.5μm
温度:40℃
流速=0.5ml/分
移動相A=CH3CN+0.1%ギ酸;移動相B=水+0.1%ギ酸
勾配:0.0分10%A→4分90%A→6分90%A
【0227】
方法6(LC−MS):
MHZ−2P、インスツルーメント・マイクロマス・プラットホームLCZ
カラムシンメトリーC18 50mm×2.1mm、3.5μm
温度:40℃
流速=0.5ml/分
移動相A=CH3CN+0.1%ギ酸;移動相B=水+0.1%ギ酸
勾配:0.0分10%A→4分90%A→6分90%A
【0228】
方法7(LC−MS):
MHZ−7Q、インスツルーメント・マイクロマス・クァトロLCZ
カラムシンメトリーC18 50mm×2.1mm、3.5μm
温度:40℃
流速=0.5ml/分
移動相A=CH3CN+0.1%ギ酸;移動相B=水+0.1%ギ酸
勾配:0.0分5%A→1分5%A→5分90%A→6分90%A
【0229】
方法8(LC−MS):
カラム:シンメトリーC18 2.1×150mm
カラムオーブン:50℃
流速=0.9ml/分
移動相A=0.3g30%強度HCl/l水、B=CH3CN
勾配:0.0分90%A→3.0分10%A→6.0分10%A
【0230】
方法9(HPLC):
カラム:キラル固定シリカゲル相;光学活性モノマー、N−メタアクリルアシル−L−ロイシン−ジシクロプロピルメチルアミドに基づく
流速=15ml/分
移動相:イソヘキサン/酢酸エチル、20:80
【0231】
方法10(HPLC):
カラム:シンメトリーC18 2.1×150mm
カラムオーブン:50℃
流速=0.9ml/分
移動相A=CH3CN;B=0.3g30%強度HCl/l水
勾配:0.0分10%A→3.0分90%A→6.0分90%A
【0232】
方法11(HPLC):
カラム:シンメトリーC18 2.1×150mm
カラムオーブン:70℃
流速=0.9ml/分
移動相A=CH3CN;B=0.3g30%強度HCl/l水
勾配:0.0分2%A→2.5分95%A→5.0分95%A
【0233】
方法12(調製用HPLC):
パラ異性体除去用に開発した特別法
カラム:YMCシリカゲルODS AQ、11μm;250×30mm
流速=45ml/分
移動相:0.2%強度トリフルオロ酢酸/アセトニトリル、85/15(v/v)
検出:UV@220nm
検体アプリケーション:生成物60gをDMSO300mlおよび0.2%強度トリフルオロ酢酸350mlに溶かした溶液2.25ml
サイクル時間:6.1分
【0234】
方法WTB(HPLC):
HP1100
カラム:リクロカート75−5リクロスフェア100RP−18 5μm
カラムオーブン:40℃
流速=2.5ml/分
移動相A=0.05%TFA含有水、B=0.05%TFA含有CH3CN
勾配:0.0分90%A→0.05分90%A→5.0分5%A→7.0分5%A→7.05分90%A→8.0分90%A
【0235】
調製用HPLCまたはRP−HPLC:
逆相
カラム:GROM−SIL120 ODS−4HE 10μm、250*30mm
移動相:ACN/水勾配
本発明は新規化合物、その製造法、およびその医薬としての使用、特に抗ウイルス剤と
して、特にサイトメガロウイルスに有効な医薬としての使用に関する。
【0002】
EP−A−071102は心臓血管系疾患用のベンゾトリアゾール置換ピリダジノンについて記載している。EP−A−8391は心臓血管系疾患用および抗ウイルス作用を有するベンズイミダゾール置換ピリダジノンにつき記載している。
【0003】
本発明は一般式(I):
【化1】
[ただし、式中、
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合する酸素またはNR6を表す;
Eは酸素、CR9R10またはNR7を表す;
Yは酸素またはNR8を表す;
DおよびXは同一または異なってそれぞれに酸素またはイオウを表す;
Gは水素を表す;
または
【0004】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、該C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルまたはC1−C6−アルキルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC6−C10−アリールからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0005】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0006】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0007】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールは下記式で示される基により任意に置換されていてもよい;
【化2】
【0008】
または
GはC5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環を表す;ただし、C5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0009】
GはC3−C10−シクロアルキルを表す;ただし、C3−C10−シクロアルキルはハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0010】
R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、それぞれ水素、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、C6−C10−アリールまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;また、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0011】
R1およびR2またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0012】
R1およびR3はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0013】
R5は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルコキシ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0014】
R6、R7およびR8は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0015】
R9およびR10は同一または異なって、それぞれ水素、NR11R12、OR13またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0016】
R11、R12およびR13は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルをあらわす;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい]
で示される化合物、およびその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物およびその薬理学的に許容し得る塩に関する。
【0017】
本発明に関連して、C1−C3−アルキル、C1−C4−アルキル、C1−C6−アルキルとはそれぞれ炭素原子1〜3個、1〜4個、1〜6個の直鎖または分枝のアルキル基を表す。列挙し得る例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、およびn−ヘキシルである。
【0018】
本発明に関連して、C3−C6−シクロアルキル、C3−C10−シクロアルキルとはそれぞれ炭素原子3〜6個、3〜10個のシクロアルキルを表す。列挙し得る例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびアダマンチルなどである。
【0019】
本発明に関連して、C1−C6−アルコキシとは酸素原子を介して結合する炭素原子1〜6個の直鎖、分枝または環状のアルキル基を表す。列挙し得る例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシなどである。特に断りのない限り、好適なのは炭素原子1〜6個の直鎖または分枝のアルキル基のもの、例えば、メトキシおよびエトキシである。
【0020】
本発明に関連して、C1−C6−アルコキシカルボニルとは、カルボニル基を介して結合する炭素原子1〜6個の直鎖、分枝または環状のアルコキシ基を表す。列挙し得る例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニルなどである。特に断りのない限り、好適なのは炭素原子1〜6個の直鎖または分枝のアルコキシ基のものである。
本発明に関連して、C6−C10−アリールとは炭素原子6〜10個の芳香族基を表す。好適なアリール基はフェニルおよびナフチルである。
【0021】
本発明に関連して、モノ−C1−C6−アルキルアミノとは炭素原子1〜6個の直鎖、分枝または環状のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。列挙し得る例は、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、シクロプロピルアミノ、t−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、シクロペンチルアミノおよびn−ヘキシルアミノなどである。
【0022】
本発明に関連して、ジ−C1−C6−アルキルアミノとは、2個の同一または異なる、それぞれ炭素原子1〜6個の直鎖、分枝または環状のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。列挙し得る例は、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−メチル−N−シクロプロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−t−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノなどである。
【0023】
本発明に関連して、モノ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルとは炭素原子1〜6個を有し、カルボニル基を介して結合する直鎖、分枝または環状のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。列挙し得る例は、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、シクロプロピルアミノカルボニル、t−ブチルアミノカルボニル、n−ペンチルアミノカルボニル、シクロペンチルアミノカルボニルおよびn−ヘキシルアミノカルボニルなどである。
【0024】
本発明に関連して、ジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルとは、2個の同一または異なる、それぞれ炭素原子1〜6個を有し、カルボニル基を介して結合する直鎖、分枝または環状のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。列挙し得る例は、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−メチル−N−シクロプロピルアミノカルボニル、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノカルボニル、N−t−ブチル−N−メチルアミノカルボニル、N−エチル−N−n−ペンチルアミノカルボニルおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノカルボニルなどである。
【0025】
本発明に関連して、ハロゲンは一般にフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。好ましくはフッ素、塩素および臭素である。特に好ましいのはフッ素および塩素である。
【0026】
本発明に関連して、5員ないし10員のヘテロアリール(C5−C10−ヘテロアリール)とは、ヘテロ原子を含んでなり、少なくとも1個の芳香環を有し、O、SおよびNからなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子を含み得る5員ないし10員の芳香環を表す。その一部としてのヘテロアリールはCまたはNを介して置換されていてもよい。列挙し得る例は、ピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリセニル、インドリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キナゾリニルなどである。
【0027】
本発明に関連して、5員ないし7員の飽和または部分的不飽和のヘテロ環(C5−C7−ヘテロ環)であって、S、NおよびOからなる群からの3個までのヘテロ原子を有するヘテロ環とは、一般に1個以上の二重結合を含み、環炭素原子または環窒素原子を介して結合するヘテロ環を表す。その一部としてのヘテロ環はCまたはNを介して置換されていてもよい。列挙し得る例は、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピロリニル、ピペリジニル、ジヒドロピリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼピニル、ジアゼピニルなどである。好ましいのはピペリジニル、モルホリニルおよびピロリジニルである。
【0028】
本発明に関連して、好適な塩とは、本発明による化合物の生理学的に許容し得る塩である。
本発明による化合物の生理学的に許容し得る塩は、本発明による物質の鉱酸、カルボン酸またはスルホン酸との酸付加塩である。特に好適なのは、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、フマール酸、マレイン酸または安息香酸などである。
【0029】
しかし、例示し得る塩としては、常用の塩基との塩、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムまたはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムまたはマグネシウム塩)またはアンモニアまたは有機アミンから誘導されるアンモニウム塩、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジヒドロアビエチルアミン、1−エフェナミンまたはメチルピペリジンなどのと塩、または天然アミノ酸、例えば、グリシン、リジン、アルギニンまたはヒスチジンなどから誘導される塩も包含する。
【0030】
本発明による化合物は像および鏡像(エナンチオマー)として、あるいは像および鏡像の関係なし(ジアステレオマー)に、立体異性体の形状で存在し得る。本発明はこのエナンチオマーまたはジアステレオマーに、またはそのそれぞれの混合物にも関係する。ラセミ体はジアステレオマー同様に既知の方法により立体異性体として均一な成分に分離することができる。
【0031】
本発明による化合物はプロドラッグとしても存在し得る。これはR5上のヒドロキシル基に特に当てはまる;該ヒドロキシル基は実質的に活性を失わずにエステル化することができる。これらの好適なものを例示すると、脂肪族エステル、例えば、ブチルエステル、芳香族エステル、例えば、ベンジルエステル、またはα−アミノ酸エステル、例えば、コハク酸モノアミドなどである。
【0032】
好適なものとは一般式(I)で示される化合物で、その場合の式中の
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合する酸素またはNR6を表す;
Eは酸素、CR9R10またはNR7を表す;
Yは酸素またはNR8を表す;
DおよびXは同一または異なってそれぞれに酸素またはイオウを表す;
Gは水素を表す;
または
【0033】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、該C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルまたはC1−C6−アルキルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC6−C10−アリールからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0034】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0035】
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールは下記式で示される基により任意に置換されていてもよい;
【化3】
【0036】
または
GはC5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環を表す;ただし、C5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0037】
GはC3−C10−シクロアルキルを表す;ただし、C3−C10−シクロアルキルはハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0038】
R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、それぞれに水素、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、C6−C10−アリールまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;また、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
ただし、R1、R2、R3およびR4は同時に水素ではない;
または
【0039】
R1およびR2またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0040】
R1およびR3はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0041】
R5は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルコキシ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0042】
R6、R7およびR8は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0043】
R9およびR10は同一または異なって、それぞれ水素、NR11R12、OR13またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
【0044】
R11、R12およびR13は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルをあらわす;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
である化合物およびその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物およびその薬理学的に許容し得る塩である。
【0045】
さらに好適なものとは一般式(I)で示される化合物で、その場合の式中の
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合するNR6を表す;
EはNR7を表す;
YはNR8を表す;
DおよびXは酸素を表す;
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルは3個までのハロゲン置換基により任意に置換されていてもよい;
または
【0046】
GはC5−C6−ヘテロアリールを表す;ただし、C5−C6−ヘテロアリールはハロゲンおよびC1−C3−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC3−C10−シクロアルキルを表す;ただし、C3−C10−シクロアルキルは3個までの置換基C1−C6−アルキルにより任意に置換されていてもよい;
【0047】
R1、R2およびR3は同一または異なって、それぞれに水素を表すか、またはC1−C3−アルキルを表す;
R4は水素、C6−C10−アリールまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;また、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
ただし、R1、R2、R3およびR4は同時に水素を表すことはない;
【0048】
R5は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R6、R7およびR8は水素を表す;
である化合物およびその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物およびその薬理学的に許容し得る塩である。
さらに好適なのは、一般式(I):
【0049】
【化4】
【0050】
(ただし、式中、
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合するNR6を表す;
EはNR7を表す;
YはNR8を表す;
DおよびXは酸素を表す;
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはハロゲンおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルは3個までのハロゲン置換基、好ましくはフッ素により任意に置換されていてもよい;
【0051】
R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、水素を表すか、またはC1−C3−アルキルを表す;
R5は水素を表す;
R6、R7およびR8は水素を表す)
で示される化合物およびその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物およびその薬理学的に許容し得る塩である。
【0052】
さらに好適なものとは一般式(I)で示される化合物で、その場合の式中の
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合するNR6を表す;
EはNR7を表す;
YはNR8を表す;
DおよびXは酸素を表す;
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはハロゲンおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルは3個までのハロゲン置換基、好ましくはフッ素により任意に置換されていてもよい;
【0053】
R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、水素を表すか、またはC1−C3−アルキルを表す;ただし、R1、R2、R3およびR4は同時に水素を表すことはない;
R5は水素を表す;
R6、R7およびR8は水素を表す)
で示される化合物およびその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物およびその薬理学的に許容し得る塩である。
【0054】
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、基Aが3位を介して芳香環に結合する化合物である。
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、DおよびXが酸素の化合物である。
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、A、EおよびYがNHの化合物である。
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、Gが置換基を有するフェニルの化合物である。
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、R1、R2およびR5が水素で、R3およびR4がメチルの化合物である。
さらに好適な態様においては、一般式(I)で示される化合物において、R5が水素、ヒドロキシル、塩素またはフッ素の化合物である。
【0055】
本発明はさらに式(I)で示される化合物の製造法に関する。
方法[A]においては、
一般式(II):
【化5】
【0056】
(ただし、式中、Aは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、A、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物と一般式(III):
D=C=N−G (III)
(ただし、式中、DおよびGは上記定義のとおりである)
で示される化合物とを反応させて、一般式(Ia):
【0057】
【化6】
(ただし、式中、Aは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、A、D、G、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物とする。
【0058】
反応は不活性溶媒中、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)中で実施し、好ましい溶媒はテトラヒドロフランまたは塩化メチレンである。また、適切な場合には、塩基の存在下、例えば、アルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)、またはカリウム・tert−ブトキシド、または他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に実施し、好ましくはトリエチルアミンの存在下に、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に行う。
【0059】
以下、一般式(II)で示される化合物は(IIa)、(IIb)および(IIc)と表す。
一般式(III)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
【0060】
方法[B]においては、
一般式(II)で示される化合物と一般式(IV):
【化7】
(ただし、式中D、EおよびGは上記定義のとおりであり;L1はp−ニトロフェニルまたはハロゲン、好ましくは臭素または塩素を表す)
で示される化合物とを反応させて、一般式(I):
【0061】
【化8】
(ただし、式中、Aは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、A、D、E、G、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物とする。
【0062】
反応は不活性溶媒中、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、アセトニトリルまたはピリジンなど)中で実施し、好ましい溶媒はテトラヒドロフランまたは塩化メチレンである。また、適切な場合には、塩基の存在下、例えば、アルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)、またはカリウム・tert−ブトキシド、または他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に実施し、好ましくはトリエチルアミンの存在下に、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に行う。
一般式(IV)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
【0063】
方法[C]においては、
一般式(V):
【化9】
(ただし、式中、−NCDは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、D、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物と一般式(VI):
H−M−G (VI)
(ただし、式中、Gは上記定義のとおりであり;Mは酸素またはNR7を表す;ただし、R7は上記定義のとおりである)
で示される化合物とを反応させて、一般式(Ib):
【0064】
【化10】
(ただし、式中、−NH−C(D)−M−Gは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、D、G、M、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物とする。
【0065】
反応は不活性溶媒中、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)中で実施し、好ましい溶媒はテトラヒドロフランまたは塩化メチレンである。また、適切な場合には、塩基の存在下、例えば、アルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)、またはカリウム・tert−ブトキシド、または他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下に実施し、好ましくはトリエチルアミンの存在下に、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に行う。
【0066】
一般式(VI)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
一般式(IIa):
【化11】
(ただし、式中、NH2は2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物を製造するために、一般式(VII):
【0067】
【化12】
(ただし、式中、NO2は2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4およびR5は上記定義のとおりである)
で示される化合物と、Xが酸素を表す場合には、先ずヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたは一般式(VIII):
【0068】
【化13】
(ただし、式中、R8は上記定義のとおりである)
でしめされる化合物とを反応させ、次いで、ニトロ基をアミノ基に還元する。これら2種の反応は1工程または2工程反応として起こり得る。
【0069】
1工程法の反応は、ヒドラジンとの反応およびパラジウム−炭素との反応を不活性溶媒中で同時に実施するが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はエタノールまたはイソプロパノールであって、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に行う。
【0070】
2工程法の反応では、最初に、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたは一般式(VIII)で示される化合物を用いて、不活性溶媒中で実施するが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はエタノールまたはイソプロパノールであって、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0071】
第二工程の反応は、水素供与体と、好ましくはヒドラジンまたは水素およびパラジウム−炭素と、または塩化スズと、不活性溶媒中で実施するが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はエタノール、イソプロパノール、またはニ塩化スズの場合にはジメチルホルムアミドであって、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下ないし3バールの気圧下に反応を行う。
【0072】
Xがイオウである場合、該化合物は先ずヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたは一般式(VIII)で示される化合物と反応させ、次いで酸素をロウエッソン(Lawesson)試薬によりイオウに変換し、次いでニトロ基をアミノ基に還元する。
【0073】
第一工程の反応は不活性溶媒中、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたは一般式(VIII)で示される化合物とで実施するが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はエタノールまたはイソプロパノールであって、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0074】
第二工程の反応は不活性溶媒中、ロウエッソン(Lawesson)試薬により実施するが、不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ニトロメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシドまたはピリジンなど)中で実施し、好ましい溶媒はトルエン、キシレンまたはジオキサンであって、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0075】
第三工程の反応は、水素供与体と、好ましくはヒドラジンまたは水素およびパラジウム−炭素と、または塩化スズと、不活性溶媒中で実施するが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はエタノール、イソプロパノール、またはニ塩化スズの場合にはジメチルホルムアミドであって、好ましくは室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下ないし3バールの気圧下に反応を行う。
【0076】
一般式(VII)で示される化合物は2つの異なる形状で存在し得る。本方法の説明では開鎖の形状のみを示す。
【化14】
【0077】
一般式(IIb):
【化15】
【0078】
(ただし、式中、NHR6は2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物を製造するためには、一般式(IIa)で示される化合物を一般式(IX):
L2−R6 (IX)
(ただし、式中、R6は上記定義のとおりであり;L2はハロゲン、好ましくは臭素またはヨウ素を表す)
で示される化合物と不活性溶媒中で反応させるが、不活性溶媒とはエーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)などであり、好適な溶媒はテトラヒドロフランまたはジエチルエーテルである。また、適切な場合には、塩基の存在下、例えば、水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)、またはアミド類(ナトリウムアミド、リチウム・ビス(トリメチルシリル)アミド、リチウム・ジイソプロピルアミドなど)、または有機金属化合物(ブチルリチウムまたはフェニルリチウムなど)、またはその他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)などの存在下に実施し、好ましくはジイソプロピルエチルアミン、カリウム・tert−ブトキシドまたはDBUの存在下に、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下に行う。
【0079】
一般式(IX)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
一般式(IIc):
【化16】
(ただし、式中、OHは2、3、5または6位を介して芳香環に結合し;R1、R2、R3、R4、R5、XおよびYは上記定義のとおりである)
で示される化合物を製造するためには、先ずジアゾニウム化合物を一般式(IIa)で示される化合物から当業者周知の方法に従い製造し、次いで、これらのジアゾニウム化合物を加熱してフェノールとする(cf. Organikum, 17th edition, VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften, Berlin, p.543)。
【0080】
一般式(V)で示される化合物を製造するためには、一般式(IIa)で示される化合物をクロロギ酸トリクロロメチルと不活性溶媒中で反応させるが、不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、アセトニトリルまたはピリジンなど)である。好ましい溶媒はテトラヒドロフランまたはジクロロメタンであり、反応は適切な場合には塩基、例えば、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン、好ましくは1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレンの存在下に、室温ないし溶媒の還流温度の温度範囲で、大気圧下にを行う。
【0081】
一般式(VII)で示される化合物を製造するためには、一般式(X):
【化17】
(ただし、式中、R1、R2、R3、R4およびR5は上記定義のとおりである)
で示される化合物と、発煙硝酸、濃硝酸またはニトロ化用酸とを、好ましくは−30℃〜0℃の温度で大気圧下に反応させる。
【0082】
一般式(X)で示される化合物は2つの異なる形状で存在し得る。本方法の説明では鎖状の形状のみを示す。
【化18】
【0083】
一般式(X)で示される化合物を製造するためには、一般式(XI):
【化19】
(ただし、式中、R1、R2、R3およびR4は上記定義のとおりである)
で示される化合物と、一般式(XII):
【0084】
【化20】
(ただし、式中、R5は上記定義のとおりである)
で示される化合物とをルイス酸、好ましくは塩化アルミニウムの存在下に不活性溶媒中で反応させるが、不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、ニトロベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)(好ましい溶媒は1,2−ジクロロエタン)であり、好ましくは−20℃ないし室温の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
一般式(XI)および(XII)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
【0085】
別途合成ルートにより、一般式(X)の化合物の内、R2が水素である一般式(Xa)で示される化合物を製造するためには、一般式(XIIIa):
【化21】
【0086】
(ただし、式中、R1、R3、R4およびR5は上記定義のとおりであり;R14は(C1−C6)−アルキル、好ましくはメチルまたはエチルを表す)
で示される化合物と塩基とを不活性溶媒中で反応させる。塩基とは、例えば、水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウム、水酸化リチウムまたは水酸化カリウムなど)またはアルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)であり、好ましくは水酸化ナトリウムである。不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)、またはその混合物(好ましくはテトラヒドロフランおよび/またはメタノール)であり、好ましくは0℃ないし室温の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0087】
一般式(X)で示される化合物は一般式(Xa)で示される化合物の工程について記載した合成ルートと同様に、一般式(XIII)で示される化合物からも製造することが可能である。
一般式(XIIIa)で示される化合物を製造するためには、一般式(XIV):
【化22】
【0088】
(ただし、式中、R1、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物とフッ化テトラブチルアンモニウムとを不活性溶媒中で反応させる。不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ニトロメタン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)(好ましくはテトラヒドロフランである)であり、好ましくは0℃ないし室温の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0089】
一般式(XIV)で示される化合物を製造するためには、一般式(XV):
【化23】
(R5は上記定義のとおりである)
で示される化合物と、一般式(XVI):
【0090】
【化24】
(ただし、式中、R1、R3、R4およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物とを不活性溶媒中で反応させる。不活性溶媒とは、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、炭化水素類(ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリルまたはピリジンなど)、またはそれら溶媒の混合物であり、好ましい溶媒はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ヘプタンおよび/またはエチルベンゼンである。また、適切な場合には、塩基の存在下、例えば、水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸セシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなど)、またはナトリウムメトキシドまたはカリウムメトキシド、またはナトリウムエトキシドまたはカリウムエトキシド、またはカリウム・tert−ブトキシド、またはアミド類(ナトリウムアミド、リチウム・ビス(トリメチルシリル)アミド、リチウム・ジイソプロピルアミドなど)、または有機金属化合物(ブチルリチウムまたはフェニルリチウムなど)、またはその他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなど)などの存在下に実施し、好ましくはリチウム・ジイソプロピルアミドの存在下に、−78℃ないし室温の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0091】
一般式(XVI)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って製造することができる。
一般式(XV)で示される化合物を製造するためには、一般式(XVII):
【化25】
【0092】
(R5は上記定義のとおりである)
で示される化合物とシアン化トリメチルシリルおよびヨウ化亜鉛とを、適切な場合には不活性溶媒中にて反応させる。不活性溶媒とは、例えば、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、トリクロロメタン、四塩化炭素、三塩化エタン、四塩化エタン、1,2−ジクロロエタンまたはトリクロロエチレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなど)、炭化水素類(ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油フラクションなど)、またはその他の溶媒(ニトロメタン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたはピリジンなど)(好ましくはテトラヒドロフランである)であり、好ましくは室温ないし100℃の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
一般式(XVII)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる。
【0093】
一般式(XIII):
【化26】
(ただし、式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物を製造するためには、一般式(XVIII):
【化27】
(ただし、式中、R3、R4およびR5は上記定義のとおりである)
で示される化合物と、一般式(XIX):
【0094】
【化28】
(ただし、式中、R1、R2およびR14は上記定義のとおりであり;L3はハロゲン、好ましくは臭素またはヨウ素を表す)
で示される化合物とを不活性溶媒中にて反応させる。不活性溶媒とは、エーテル(ジエチルエーテル、メチル・tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなど)または炭化水素類(ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、トルエンなど)であって、好ましい溶媒はテトラヒドロフランまたはトルエンであり、適切な場合には塩基の存在下、例えば、アミド類(ナトリウムアミド、リチウム・ヘキサメチルジシラジド、カリウム・ヘキサメチルジシラジド、リチウム・ジイソプロピルアミドなど)、またはその他の塩基(水素化ナトリウム、DBU、ジイソプロピルエチルアミンなど)などの存在下に実施し、好ましくはナトリウムアミド、リチウム・ヘキサメチルジシラジド、カリウム・ヘキサメチルジシラジドまたはリチウム・ジイソプロピルアミドの存在下に、−78℃ないし室温の温度範囲で、大気圧下に反応を行う。
【0095】
一般式(XVIII)および(XIX)で示される化合物は、既知であるか、または対応する出発物質から既知方法に従って合成することができる((XVIII)については、M.R. Schneider, H. Ball, J. Med. Chem. 1986, 29, 75-79; Robl, et al., Synthesis 1991, 56; J. Org. Chem. 1996, 61, 607, 参照)。
【0096】
一般式(IIa)で示される化合物において、R1およびR2が水素である一般式(IIaa)の化合物製造のための別途合成ルートにおいては、一般式(XX):
【化29】
(ただし、式中、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物とヒドラジンとを反応させる。反応は一般式(IIa)の化合物の調製について記載した2工程法の第一工程と同様に実施する。
【0097】
一般式(XX)で示される化合物を製造するためには、一般式(XXI):
【化30】
(ただし、式中、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物と還元剤とを反応させる。反応は一般式(IIa)の化合物の調製について記載した2工程法の第二工程と同様に実施する。
【0098】
一般式(XXI)で示される化合物を製造するためには、一般式(XXII):
【化31】
(ただし、式中、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりである)
で示される化合物と発煙硝酸、濃硝酸またはニトロ化用酸とを、一般式(VII)の化合物の調製について記載した方法と同様に反応させる。
一般式(XXII)で示される化合物は、対応する出発物質から一般式(XIII)の化合物について記載した方法に従い合成することができる。
【0099】
一般式(XX)で示される化合物製造のための別途合成ルートにおいては、一般式(XXIII):
【化32】
【0100】
(ただし、式中、R3、R4、R5およびR14は上記定義のとおりであり;R15はアリルまたはベンジルを表す)
で示される化合物と、ベンジルの場合には、還元剤と反応させる。反応は一般式(IIa)の化合物の調製について記載した2工程法の第二工程と同様に実施する。
アリルの場合には、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムおよびN,N−ジメチルバルビツール酸による方法を用いる(F. Garro-Helion, A. Merzouk, F. Guibe, J. Org. Chem. 1993, 58, 6109-6113 参照)。
【0101】
一般式(XXIII)で示される化合物は、対応する出発物質から一般式(XIII)の化合物について記載した方法に従い製造することができる。
上記の方法は例示として以下に示す工程図に従い説明し得る。
【0102】
スキーム1
【化33】
【0103】
スキーム2
【化34】
【0104】
スキーム3
【化35】
【0105】
スキーム4
【化36】
【0106】
本発明による一般式(I)で示される化合物は予見し得ない驚くべき活性スペクトルを有する。これらの化合物は代表的なヘルペスウイルス科の一群に対し、取分けヒトサイトメガロウイルス(HCMV)に対して、抗ウイルス作用を示す。従って、これらの化合物はヘルペスウイルス科が原因の疾患、取分けヒトサイトメガロウイルスを原因とする疾患の処置および予防に適している。
【0107】
これらの特異な性質により、一般式(I)で示される化合物は、疾患、取分けウイルス性疾患の処置と予防に適する薬物の製造に使用することができる。
これらの性質により、本発明化合物はヒトサイトメガロウイルス感染症およびこれらを原因とする疾患の処置と予防に有用な活性化合物である。
【0108】
例示し得る効能・効果の領域は、例えば、以下のとおりである:
1)AIDS患者におけるHCMV感染(網膜炎、間質性肺炎、胃腸感染)の処置および治療。
2)しばしば生命を脅かすHCMV肺炎、HCMV脳炎および胃腸・全身性HCMV感染の骨髄および臓器移植患者のサイトメガロウイルス感染症の処置および予防。
3)新生児および幼児におけるHCMV感染症の処置および予防。
4)妊婦における急性HCMV感染症の処置。
5)免疫抑制癌患者および癌治療を受けている患者におけるHCMV感染症の処置。
【0109】
該新規活性化合物はそれ自体で使用可能であり、また要すれば、他の抗ウイルス活性化合物、例えば、ガンシクロビルまたはアシクロビルなどと組合わせて使用することもできる。
【0110】
生物試験の説明
インビトロ作用:
抗HCMV(抗ヒトサイトメガロウイルス)細胞変性試験:
試験化合物はジメチルスルホキシド(DMSO)の50ミリモル(mM)溶液として使用する。使用した比較対照化合物は、ガンシクロビル(ganciclovir)、ホスカルネット (foscarnet) およびシドホビル (cidofovir) である。それぞれ、50、5、0.5および0.05mM−DMSO原液2μlずつを、96穴プレートの第2列A〜Hに二重測定用に容れた細胞培養培地98μl中に加え、それぞれ50μlの培地により第11列まで1:2の希釈を行う。第1列および第12列のウエルには50μlの培地を容れる。それぞれ、150μlの1×104細胞懸濁液(NHDF=正常ヒト皮膚線維芽細胞)(第1列=細胞対照)および第2〜12列には、HCMV感染および非感染NHDF細胞の混合物(M.O.I.=0.001〜0.002)、すなわち、1000非感染細胞あたり1〜2個の感染細胞をピペットによりウエルに加える。第12列(物質なし)はウイルス対照とする。最終の試験濃度は250〜0.0005μMとする。プレートを37℃/5%CO2で6日間、すなわち、ウイルス対照のすべての細胞が感染する(100%細胞変性作用[CPE])までインキュベートする。次いで、ウエルにホルマリンとギムザ色素を加え、固定染色(30分)し、蒸留水で2回洗浄し、乾燥キャビネット内で50℃で乾燥する。次いで、プレートをオーバヘッド顕微鏡により目視検査する(プラーク・マルチプライアー;テクノマラ(Technomara))。
【0111】
テストプレートを使用して、以下のデータを判定し得る:
CC50(NHDF)=未処理細胞対照と比較して細胞分裂停止作用のないことが証明された場合の物質濃度(μM);
EC50(HCMV)=未処理ウイルス対照に比較してCPE(細胞変性作用)が50%阻害される物質濃度(μM);
SI(選択性指標)=CC50(NHDF)/EC50(HCMV)。
【0112】
インビボ作用
HCMV異種移植ゲルフォーム(登録商標)モデル:
動物:
メス免疫不全マウス(16〜18g)、フォックスチェイス(Fox Chase)SCIDまたはフォックスチェイスSCID−NODもしくはSCID−ベージュ(3〜4週令)を飼育業者(ボンホルトガード(Bomholtgaard)、ジャクソン)から入手した。動物は隔離ユニット中無菌条件(敷き藁および食餌とも)下に維持する。
【0113】
ウイルス培養:
ヒトサイロメガロウイルス(HCMV)デイビススミス株を胎児ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF細胞)上インビトロで培養する。0.01の感染効率(MOI)でNHDFを感染させた後、ウイルス感染細胞を5〜7日後に採取し、最少必須培地(MEM)(10%ウシ胎仔血清(FCS)と10%DMSO)の存在下に−40℃で保存する。ウイルス感染細胞を10段階系列希釈した後、ニュートラルレッドにより生体染色して24穴プレート上、集密的NHDF細胞のタイターを決定する。
【0114】
スポンジの調製、移植、処置および評価:
コラーゲンスポンジ(ゲルフォーム(登録商標)(Gelfoam);ピーセル・アンド・ローレイ(Peasel & Lorey)、注文番号40734;K.T. Chong et al., 39th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 1999, p.439)1×1×1cmサイズのものを先ずリン酸緩衝塩溶液(PBS)で湿潤し、閉じ込められた気泡を脱ガス処理により除去し、このスポンジをMEM+10%FCS中に保存する。感染3時間後のウイルス感染NHDF細胞(HCMV−デイビスにより感染、M.O.I.=0.01)を脱離し、20μlのMEMおよび10%FCS中、湿潤スポンジに滴下する。12〜13時間後、感染したスポンジを5ng/μlの線維芽細胞増殖因子(bFGF)含有のPBS/0.1%BSA/1mM−DTT25μlとインキュベートする。移植のために、免疫不全マウスをアベルチン(Avertin)で麻酔し、腹側毛を乾燥シェーバーにより除去し、表皮を1〜2cm切開して緩め、湿潤スポンジを腹側皮膚下に移植する。手術傷は組織接着剤により閉鎖する。移植の24時間後、マウスには1日3回(午前7時、午後2時および午後7時)8日間、物質を経口投与する。投与量は体重あたり7または15または30または60mg/kgとし、適用容量は体重あたり10ml/kgとする。該物質は2%DMSO含有チロース(tylose)中の0.5%強度の懸濁液の形状に製剤化する。移植9日後、かつ物質の最終投与16時間後、動物を無痛状態で殺し、スポンジを取り出す。ウイルス感染細胞をコラゲナーゼ(330U/1.5ml)消化によりスポンジから解放し、MEM、10%ウシ胎仔血清、10%DMSOの存在下に、−140℃で保存する。評価を行うに際しては、ウイルス感染細胞を10段階系列希釈した後、24穴プレート上、集蜜的NHDF細胞をニュートラルレッドで生体染色し、タイターを決定した。決定するとは、物質処置後の感染ウイルス粒子の数をプラシーボ処置対照群と比較することである。
【0115】
本発明による化合物の代表的活性データを表1に示す。
表1
【表1】
【0116】
新規活性化合物は既知の方法に従い、不活性非毒性の医薬的に許容し得る担体または溶媒を用いて、常用の製剤、例えば、錠剤、被覆錠剤、ピル、顆粒剤、エーロゾル、シロップ、エマルジョン、懸濁液、および溶液などに変換することができる。この場合、治療的に活性な化合物はそれぞれの場合に、総混合物の約0.5〜90重量%の濃度で、すなわち、指定した投与量を達成するために十分な量で存在するようにする。
【0117】
該製剤は、例えば、活性化合物を溶媒および/または担体で、適切な場合には乳化剤および/または担体により拡散するが、選択肢として用いる希釈剤が水である場合には、補助溶媒として有機溶媒を使用することも可能である。
【0118】
投与は常套の方法で、好ましくは経口、非経口的、または局所的に、取分け舌下または静脈内にて実施する。
非経口投与の場合には、適切な液状担体物質を用いて活性化合物の溶液とする。
【0119】
一般に、静脈投与の場合には、有効な結果を得るために、体重あたり約0.001〜10mg/kg、好ましくは約0.05〜5mg/kgの量を投与することが有利であると証明されており、また経口投与の場合には、投与量は体重あたり約0.01〜25mg/kg、好ましくは0.1〜10mg/kgである。
【0120】
それにもかかわらず、ここにに示した量を変更することも必要な場合がある;すなわち、体重により、または投与ルートのタイプ、薬剤に対する個々人の反応、剤形のタイプ、および投与を実施する時間または間隔などに左右される。従って、ある場合には、上記の最少量よりも少なくしても十分であり、また他の場合には、上記の上限を超えなければならないこともあり得る。比較的大量を投与する場合には、これら単回用量の過半を一日に分散して投与することが賢明である。
【0121】
略 号:
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】
【表7】
【0127】
[出発物質]
一般手法[A]:
TMS−シアノヒドリンの合成
アルゴン気流下、徹底的に加熱乾燥した100ml三頚フラスコ中、55mmolのシアン化トリメチルシリルに、スパーテルの先端に付着させた無水ヨウ化亜鉛を加える。RTにて液状アルデヒド50mmolをゆっくりと滴下する(発熱反応)(固体アルデヒドは60℃で固体として一度に少しずつ加える)。生成する褐色の反応混合物を95℃で7〜8時間加熱する。次いで、生成物をクーゲルロールオーブン中高真空で蒸留する。生成する無色または淡黄色の液体はさらに精製することなく次工程反応に使用する。
以下の化合物はこの手法により調製した:
【0128】
実施例1A
フェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル
【化37】
シアン化トリメチルシリル5.63g(55mmol)およびベンズアルデヒド5.31g(50mmol)から生成物8.80g(理論量の86%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.38分
MS(DCI):m/z=223(M+NH4)+
【0129】
実施例2A
4−クロロフェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル
【化38】
シアン化トリメチルシリル5.63g(55mmol)および4−クロロベンズアルデヒド7.03g(50mmol)から生成物10.84g(理論量の90%)を得る。
HPLC(方法1):Rt=3.96分
MS(ESIpos):m/z=239 (M+H)+
【0130】
実施例3A
4−メトキシフェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル
【化39】
シアン化トリメチルシリル5.63g(55mmol)および4−メトキシベンズアルデヒド6.81g(50mmol)から生成物10.23g(理論量の87%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.56分
MS(EI):m/z=235 (M)+
【0131】
一般手法[B]:
TMS−シアノヒドリンと3−メチル−2−ブテン酸メチルとの反応
対象のTMS−シアノヒドリン1当量を、徹底的に加熱乾燥した250ml三頚フラスコ中アルゴン気流下に無水ジエチルエーテルに溶かし、この溶液を−78℃に冷却する。2M−LDA/THF/ヘプタン/エチルベンゼン溶液を30分間で滴下する。この混合物をこの温度でさらに30分間撹拌し、次いで、少量の無水ジエチルエーテルに溶かした3−メチル−2−ブテン酸メチル1当量を滴下する。この混合物を5時間かけて0℃〜10℃まで昇温する。次いで、塩化アンモニウム飽和溶液を加え、混合物を10分間撹拌する。相分離を行い、エーテル相を2回以上、塩化アンモニウム飽和溶液で洗浄する。硫酸マグネシウム上乾燥して濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターにて除去する。得られた生成物はさらに精製することなく次工程合成反応に使用する。
以下の化合物はこの手法により調製した:
【0132】
実施例4A
4−シアノ−3,3−ジメチル−4−フェニル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル
【化40】
2M−LDA溶液22.5mlで脱プロトン化したフェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル8.80g(43mmol)および3−メチル−2−ブテン酸メチル5.04g(43mmol)から標題化合物13.69g(理論量の67%)を粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=5.53分
MS(DCI):m/z=337 (M+NH4)+
【0133】
実施例5A
4−(4−クロロフェニル)−4−シアノ−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル
【化41】
2M−LDA溶液10.5mlで脱プロトン化した4−クロロフェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル4.80g(20mmol)および3−メチル−2−ブテン酸メチル2.28g(20mmol)から標題化合物7.48g(理論量の76%)を粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=5.64分
MS(DCI):m/z=371 (M+NH4)+
【0134】
実施例6A
4−シアノ−4−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル
【化42】
2M−LDA溶液22.8mlで脱プロトン化した4−メトキシフェニル[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル10.23g(43.5mmol)および3−メチル−2−ブテン酸メチル4.96g(43.5mmol)から標題化合物14.60g(理論量の96%)を粗生成物として得る。
MS(DCI):m/z=367 (M+NH4)+
【0135】
一般手法[C]:
TBAFによる脱シリル化反応
アルゴン気流下にブタン酸メチル誘導体1当量を無水THFに溶かし(0.25M)、0℃に冷却する。この温度で1M−TBAF/THF溶液1.1当量をゆっくり滴下する。混合物をさらに3時間撹拌し、次いで水を加え、その混合物をジクロロメタンにて3回抽出する。硫酸マグネシウム上で乾燥、濾過、溶媒除去した後、生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:移動相シクロへキサン/酢酸エチル=85:15)により、またはクーゲルロール蒸留により精製する。
以下の化合物はこの手法により製造した:
【0136】
実施例7A
3,3−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸メチル
【化43】
4−シアノ−3,3−ジメチル−4−フェニル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル13.44g(42mmol)および1M−TBAF溶液46.3ml(46.3mmol)から標題化合物6.54g(理論量の62%)を粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=4.25分
MS(DCI):m/z=238(M+N4)+
【0137】
別途合成法
カリウム・ヘキサメチルジシラジド48.4ml(24.20mmol;0.5Mトルエン溶液)をテトラヒドロフラン30mlに溶かし、−78℃にて、イソブチロフェノン3.26g(22mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液を加える。2時間後に、ブロモ酢酸メチル4.04g(26.40mmol)を加える。さらに2時間後、1N塩酸50mlを加える。次いで、この混合物を酢酸エチルで抽出する。併合した有機相を水および飽和の塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、溶媒除去する。調製用順相HPLC(カラム:シリカゲル、流速:150ml/分、移動相:イソヘキサン/酢酸エチル=9:1)により目標化合物を26%の収率で得る。
HPLC(方法3):Rt=4.60分
MS(DCI/NH3):m/z=238(M+NH4)+
以下の実施例では一般手法[C]に従って製造する:
【0138】
実施例8A
4−(4−クロロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル
【化44】
4−(4−クロロフェニル)−4−シアノ−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル6.15g(17.4mmol)および1M−TBAF溶液19.1ml(19.1mmol)から標題化合物4.79g(理論量の90%)を粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=4.64分
MS(DCI):m/z=272 (M+NH4)+
【0139】
実施例9A
4−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル
【化45】
4−シアノ−4−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル14.48g(41.4mmol)および1M−TBAF溶液45.6ml(45.6mmol)から標題化合物5.45g(理論量の42%)を粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=4.24分
MS(ESIpos):m/z=251 (M+H)+
【0140】
一般手法[D]:
エステル加水分解
加水分解すべきエステルをTHF/メタノール混合物(1:1)に溶かし、この溶液を0℃に冷却する。この温度で2当量の1N水酸化ナトリウム水溶液をゆっくり滴下する。反応終了後(反応はTLCでモニターする)、それぞれに同じ容量の1N水酸化ナトリウム水溶液とジクロロメタンを加える。有機相は2回1N水酸化ナトリウム水溶液で抽出する。次いで、併合した水相を濃塩酸で酸性とし、生成物を3回ジクロロメタンで抽出する。硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過、溶媒留去により生成物を得る。このものはさらに精製することなく次工程の合成工程に使用する。
以下の化合物はこの手法により製造した:
【0141】
実施例10A
5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−フェニルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化46】
3,3−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸メチル6.52g(29.6mmol)から生成物5.20g(理論量の83%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.88分
MS(DCI):m/z=224 (M+NH4)+
【0142】
実施例11A
5−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化47】
4−(4−クロロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル5.11g(20mmol)から生成物3.60g(理論量の72%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=4.22分
MS(DCI):m/z=258 (M+NH4)+
【0143】
実施例12A
5−ヒドロキシ−5−(4−メトキシフェニル)−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化48】
4−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル5.22g(20.9mmol)から生成物4.97g(理論量の97%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.95分
MS(ESIpos):m/z=237 (M+H)+
【0144】
一般手法[E]:
無水カルボン酸による芳香族化合物のフリーデル−クラフトアシル化反応
アルゴン下、先ず塩化アルミニウム(2.4当量)を還流冷却器を装備した三頚フラスコ中に容れ、これに1,2−ジクロロエタン(塩化アルミニウム1gあたり20ml)をRTで加える。氷浴中、この懸濁液を0℃に冷却し、無水物(1.05当量)を1回につき少しずつ加える。添加終了後、5分間撹拌を継続し、次いで、ベンゼン(1.0当量)をゆっくり滴下する。この混合物を一夜ゆっくりと室温まで昇温させ、次いで氷上に注ぎ、沈殿を1N塩酸に再溶解する。水相を2回ジクロロメタンで抽出し、併合した有機相を2回水洗し、硫酸ナトリウム上乾燥し、減圧下に溶媒を除去する。この物質は粗生物として次工程反応に使用する。
以下の化合物を以下の手法に従って製造した:
【0145】
実施例13A
2,3−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸
【化49】
ベンゼン1.4gおよび2,3−ジメチルブタンジカルボン酸無水物2.46gから生成物0.3g(理論量の12%)を得る。
HPLC(方法6):Rt=3.42分
MS(ESI−POS):m/z=207(M+H+)
【0146】
実施例14A
2,2−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸
【化50】
ベンゼン5.8gおよび2,2−ジメチルブタンジカルボン酸無水物10.0gから生成物12.6g(理論量の82%)を得る。
m.p.:174℃
HPLC(方法3):Rt=3.91分
MS(DCI):m/z=207(M+H+)、224 (M+NH4)+
【0147】
実施例15A
シス−2−ベンゾイルシクロへキサンカルボン酸
【化51】
ベンゼン10.0gおよびシス−シクロヘキサン−1,2−カルボン酸無水物20.7gから生成物19.7g(理論量の60%)をエナンチオマー混合物として得る。
HPLC(方法8):Rt=2.89分
MS(ESI−POS):m/z=233(M+H+)
【0148】
実施例16A
トランス−2−ベンゾイルシクロヘキサンカルボン酸
【化52】
ベンゼン4.8gおよびトランス−シクロヘキサン−1,2−カルボン酸無水物10.0gから生成物3.75g(理論量の45.5%)をエナンチオマー混合物として得る。
HPLC(方法8):Rt=2.91分
MS(ESI−POS):m/z=233(M+H+)
【0149】
実施例17A
3,3−ジメチル−4−フェニル−4−オキソブタン酸エチル
【化53】
最初に、ナトリウムアミド38.20g(489.55mmol)をトルエン300mlに溶かし、これにイソブチロフェノン32.98g(222.52mmol)とトルエン50mlの溶液を室温で滴下する。3時間後に、ヨード酢酸エチル50.00g(233.65mmol)とトルエン50mlの溶液を0℃で滴下し、この混合物をさらに2時間撹拌する。次いで、氷水500mlを加え、その混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液にて洗浄する。硫酸マグネシウム上で乾燥した後、溶液を濃縮し、残渣を152〜158℃(10ミリバール)にて蒸留する。目標化合物36.7g(70%)を得る。
LCMS(方法10):Rt=2.93分
MS(ESIpos):m/z=235 (M+H)+
【0150】
実施例18A
3,3−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸および5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−フェニルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化54】
最初に、3,3−ジメチル−4−フェニル−4−オキソブタン酸エチル12g(51.22mmol)をテトラヒドロフラン60mlとメタノール60mlに溶かし、水酸化ナトリウム水溶液4.10g(102.44mmol)と室温で2時間撹拌する。溶媒を留去し、次いで残渣を2N塩酸で酸性とする。生成物を吸引濾取し、水/エタノールから再結晶する。目的化合物8.90g(84%)を混合物として得る。
LC−MS(方法10):Rt=2.31分
MS(ESIpos):m/z=207 (M+H)+
【0151】
一般手法[F]:
芳香族化合物のニトロ化
アルゴン下、発煙硝酸をフラスコ中−15℃に冷却し、この温度で芳香族化合物をアルゴン向流中1回に少しずつ(硝酸1mlあたり300mg)加える。30分後、この混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンで2回抽出する。併合した有機相を2回水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下に除去する。生成物はm−異性体とp−異性体および/またはo−異性体の混合物として得る。これをさらに精製することなくさらに反応させる。
以下の化合物はこの手法により製造する:
【0152】
実施例19A
2,3−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸
【化55】
2,3−ジメチル−4−(フェニル)−4−オキソブタン酸300mgから粗生成物280mgを得る。
HPLC(方法8):Rt=2.43分、2.46分(ジアステレオマーの混合物)
MS(ESI−POS):m/z=252 (M+H)+
【0153】
実施例20A
2,2−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸
【化56】
2,2−ジメチル−4−(フェニル)−4−オキソブタン酸5.0gから生成物5.1g(理論量の83.9%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.95分
MS(DCI):m/z=252(M+H+)、269 (M+NH4)+
【0154】
実施例21A
シス−2−(3−ニトロベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸
【化57】
シス−2−ベンゾイルシクロヘキサンカルボン酸5.0gから粗生成物5.0gをエナンチオマーの混合物として得る。
HPLC(方法6):Rt=3.66分、3.74分(m−およびp−生成物)
MS(ESI−POS):m/z=278(M+H+)
【0155】
実施例22A
トランス−2−(3−ニトロベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸
【化58】
トランス−2−ベンゾイルシクロヘキサンカルボン酸3.75gから粗生成物3.5gをエナンチオマーの混合物として得る。
HPLC(方法8):Rt=2.54分、2.62分(m−およびp−生成物)
MS(ESI−POS):m/z=278(M+H+)
【0156】
実施例23A
5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−(3−ニトロフェニル)ジヒドロ−2(3H)−フラノンおよび3,3−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸
【化59】
最初に、3,3−ジメチル−4−オキソ−4−フェニルブタン酸および5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−フェニルジヒドロ−2(3H)−フラノンの混合物8.65g(41.94mmol)を硫酸20mlに加え、これに硫酸10ml中の硝酸5.49g(65%強度)を−15℃にて加える。0℃で1時間撹拌を続ける。次いで、氷水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出する。併合した有機相を水洗し、硫酸マグネシウム上で乾燥する。溶媒留去した後、生成物の混合物を結晶化する。収量は10.5g(定量的)である。
LC−MS(方法6):Rt=3.40/3.50分
MS(ESIneg):m/z=250 (M−H)−
【0157】
実施例24A
5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−(3−ニトロフェニル)ジヒドロ−2(3H)−フラノンおよび5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−(4−ニトロフェニル)ジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化60】
フラスコ中、発煙硝酸(12ml)をアルゴン下に−15℃に冷却する。この温度で5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−フェニルジヒドロ−2(3H)−フラノン5g(24.5mmol)を1回に少しずつ加える。−15℃で半時間撹拌を続け、次いでこの混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンにて3回抽出する。併合した抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥する。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール、97:3)にて行う。標題化合物の生成物混合物6.23gを粗生成物として得る。
HPLC(方法3):Rt=4.06分
MS(DCI):m/z=269 (M+NH4)+
【0158】
実施例25A
5−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化61】
フラスコ中、発煙硝酸(7ml)をアルゴン下に−15℃に冷却する。この温度で5−(4−クロロフェニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン3.42g(14.2mmol)を1回に少しずつ加える。−15℃で45分間(固形物全体が溶液となるまで)撹拌を続け、次いでこの混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンにて3回抽出する。併合した抽出液を硫酸ナトリウム上で乾燥する。濾過、溶媒除去後に、残渣を高真空下で乾燥する。生成物3.89g(理論量の87%;純度91%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=4.20分
MS(DCI):m/z=303 (M+NH4)+
【0159】
実施例26A
5−ヒドロキシ−5−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン
【化62】
5−ヒドロキシ−5−(4−メトキシフェニル)−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノンは固形物としてではなく、比較的粘稠な油として得られるので、発煙硝酸は−15℃にてゆっくり該物質に加える。間もなく、激しい反応(亜硝酸ガスの発生)が始まる。30分間撹拌を続け、次いでこの混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンにて3回抽出する。標題化合物5.65を粗生成物として得る。この粗生成物はさらに後処理することなく次工程反応に使用する。
MS(DCI):m/z=299 (M+NH4)+
【0160】
一般手法[G]
ピリダジノンへの閉環反応とニトロ基の同時還元
ニトロ化合物(1.0当量)とヒドラジン一水和物(20.0当量)とをRTで最初にエタノールに溶かし(0.1M溶液)、次いで、パラジウム/炭素(10重量%)10重量%を加え、その混合物を一夜加熱還流する。次いで、触媒を濾取してエタノールで洗い、溶媒は引き続き減圧下で除去する。生成物はエタノールから繰返し再結晶するか、またはカラムクロマトグラフィー(o−異性体を除去するためのシリカゲル;p−異性体を除去するための調製用HPLC(方法12))により精製する。
以下の化合物を以下の手法に従って製造した:
【0161】
実施例27A
6−(3−アミノフェニル)−4,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化63】
2,3−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸500mgから粗生成物210mgを得る。このものはさらに精製せずに反応に供する。
HPLC(方法6):Rt=0.85分;1.10分(ジアステレオマーの混合物)
MS(ESI−POS):m/z=218(M+H+)
【0162】
実施例28A
6−(3−アミノフェニル)−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化64】
2,2−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−4−オキソブタン酸4.95gから生成物1.24g(理論量の28%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=2.90分
MS(ESI−POS):m/z=218(M+H+)
クロマトグラフィーに際し、o−異性体が副生物として得られた(HPLC方法3:Rt=3.10分)。
【0163】
実施例29A
4−(3−アミノフェニル)−シス−4a,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−フタラジノン
【化65】
シス−2−(3−ニトロベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸500mgから目的化合物を粗生成物として定量的に得る。このものはさらに精製することなく反応に付す。
HPLC(方法6):Rt=2.32分、2.55分、3.34分、3.40分
MS(ESI−POS):全m/z=244(M+H+)
【0164】
実施例30A
4−(3−アミノフェニル)−トランス−4a,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1(2H)−フタラジノン
【化66】
粗製のトランス−2−(3−ニトロベンゾイル)シクロヘキサンカルボン酸3.5gから目的化合物を粗生成物として定量的に得る。このものはさらに精製することなく反応に付す。
HPLC(方法WTB):Rt=1.91分
【0165】
実施例31A
6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノンおよび6−(4−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化67】
【0166】
5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−(3−ニトロフェニル)ジヒドロ−2(3H)−フラノンおよび5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−5−(4−ニトロフェニル)ジヒドロ−2(3H)−フラノンの混合物2.98g(11.9mmol)をエタノール40mlにRTで溶かし、ヒドラジン一水和物8.91g(178mmol)を加える。次いで、これにパラジウム/炭素(10重量%)300mgを加え、その反応混合物を20時間加熱還流する。熱時反応混合物をセライトで濾過し、濾過ケーキを熱エタノールで洗い、濾液を濃縮乾固する。残渣をエタノールから結晶化する。メタ産物80%とパラ産物20%からなる混合物を1.09g(理論量の34%)を得る。母液からの再結晶により、パラ産物74%とメタ産物26%からなる混合物1.03g(理論量の30%)を得る。2つのフラクションを併合し、調製用HPLC(方法12)によりパラ産物とメタ産物を分離する。
HPLC(方法3):Rt=2.53分(パラ)および2.83分(メタ)
MS(EI):m/z=217 (M)+
【0167】
実施例32A
6−(3−アミノ−4−クロロフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【0168】
【化68】
【0169】
5−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−5−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ジヒドロ−2(3H)−フラノンをエタノール40mlにRTで溶かし、ヒドラジン一水和物10.14g(203mmol)を加える。次いで、これにパラジウム/炭素(10%)350mgを加え、その反応混合物を24時間加熱還流する。熱時反応混合物をセライトで濾過し、濾過ケーキを熱エタノールで洗い、濾液を濃縮乾固する。残渣をエタノールから結晶化する。生成物1.66g(理論量の48%)を得る。母液を再結晶して、さらに0.34g(理論量の10%)の生成物を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.56分
MS(DCI):m/z=269 (M+NH4)+
【0170】
実施例33A
6−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化69】
5−ヒドロキシ−5−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)−4,4−ジメチルジヒドロ−2(3H)−フラノン5.40g(19.2mmol)を無水エタノール60mlにRTで溶かし、これにヒドラジン一水和物3.84g(77mmol)を加え、混合物を6時間加熱還流する。溶媒除去により褐色固形の沈殿を生じる;これを濾取して乾燥する。高真空下の乾燥により生成物1.80g(理論量の34%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.80分
MS(DCI):m/z=295 (M+NH4)+
【0171】
実施例34A
6−(3−アミノ−4−メトキシフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化70】
6−(4−メトキシ−3−ニトロフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン1.77g(6.4mmol)を無水エタノール50mlにRTで溶かし、これにヒドラジン一水和物3.20g(64mmol)およびパラジウム/炭素(10重量%)170mgを加える。反応混合物を10時間加熱還流し、次いで濃縮してカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/シクロへキサン、7:3)により精製する。標題化合物0.7g(理論量の24%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=2.91分
MS(EI):m/z=247 (M)+
【0172】
実施例35A
6−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−5−エチル−5−メチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化71】
実施例36Aと同様に、5−エチル−5−メチル−6−(4−メチル−3−ニトロフェニル)−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノンおよびヒドラジン一水和物26.89g(537.08mmol)から82%の収率で製造する。
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=0.72(t、3H)、1.12(s、3H)、1.35−1.80(m、2H)、2.05(s、3H)、2.30(q、2H)、3.33(s、1H)、4.89(br.s、2H)、6.50(dd、1H)、6.68(d、1H)、6.88(d、1H)、10.83(br.s、1H)。
【0173】
実施例36A
5−エチル−6−(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化72】
【0174】
最初に、6−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−5−エチル−5−メチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン4.91g(20mmol)をジクロロメタン200mlに溶かし、0℃にて先ず1,8−ビス−(ジメチルアミノ)ナフタレン8.57g(40mmol)を加え、次いでクロロギ酸トリクロロメチル2.85g(14.40mmol)のジクロロメタン80ml溶液を加える。室温1時間後、この混合物をジクロロメタン50mlで希釈する。有機相を氷水、1N塩酸および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥する。この溶液を濃縮し、残渣をn−へキサンで磨砕して、目的化合物5.30g(98%収率)を得る。
MS(DCI/NH3):m/z=272(M+H+)
【0175】
実施例37A
(4−ブロモフェニル)−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル
【化73】
文献(K. Deuchert, U. Hertenstein, S. Huenig, G. Wehner, Chem. Ber. 1979, 112, 2045-2061)記載の手法に従い、アルゴン気流下、シアン化トリメチルシリル2.73g(27.5mmol)に、小型スパーテルの先端に付着させた無水ヨウ化亜鉛を触媒として加え、この混合物を60℃に加熱する。この温度で、4−ブロモベンズアルデヒド4.23g(25mmol)を固形物として1回に少しずつ加える。次いで、温度を95℃に昇温し、このレベルに8時間維持する。精製は次いで高真空下にクーゲルロール蒸留により実施する(220〜230℃)。生成物6.11g(理論量の85%)を黄色油として得る。
HPLC(方法3):Rt=3.88分
MS(ESIpos):m/z=306 (M+Na)+
【0176】
実施例38A
4−(4−ブロモフェニル)−4−シアノ−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル
【化74】
【0177】
文献(S. Huenig, G. Wehner, Chem. Ber. 1980, 113, 302-323)記載の手法に従い、アルゴン気流下、(4−ブロモフェニル)−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル6g(21.11mmol)を乾燥ジエチルエーテル21mlの溶かし、この溶液を−78℃に冷却する。リチウム・ジイソプロピルアミドの2モル溶液11.1ml(22.2mmol)を20分にわたり滴下する。30分後、3−メチル−2−ブテン酸メチル2.48g(21.11mmol)の乾燥ジエチルエーテル2ml溶液を滴下する。冷却浴中、反応混合物は4〜5時間を要してゆっくりと室温まで昇温する。次いで、飽和塩化アンモニウム溶液40mlを加え、室温で10分間撹拌を続ける。相分離を行い、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥する。濾過、溶媒留去し、粗生成物9.48gを得る;これをさらに精製することなく次工程合成に使用する。
HPLC(方法1):Rt=5.72分
MS(EI):m/z=397 (M)+
【0178】
実施例39A
4−(4−ブロモフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル
【化75】
アルゴン気流下に、4−(4−ブロモフェニル)−4−シアノ−3,3−ジメチル−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ブタン酸メチル8.65g(粗生成物)を乾燥テトラヒドロフラン87mlに溶かし、氷浴中0℃に冷却する。この温度で、フッ化テトラブチルアンモニウムの1モル溶液21.7ml(21.7mmol)をゆっくり滴下する。0℃で4.5時間後、水75mlを加え、その混合物をジクロロメタンで3回抽出する。併合した有機相は硫酸マグネシウム上で乾燥する。濾過、溶媒留去後、カラムクロマトグラフィーにより精製(シリカゲル:シクロへキサン/酢酸エチル、85:15)し、生成物4.25g(2工程の理論量の57%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=4.84分
MS(EI):m/z=298 (M)+
【0179】
実施例40A
4−(4−ブロモ−3−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル
【化76】
アルゴン下、発煙硝酸6mlを−30℃に冷却し、4−(4−ブロモフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル3.71g(12.4mmol)をこの温度で滴下する。−30℃にて1時間撹拌を続け、次いで混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンで3回抽出する。併合した有機抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥する。濾過、溶媒留去後、生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する(シリカゲル:シクロへキサン/酢酸エチル、9:1)。生成物2.83g(理論量の66%)を黄色油として得る。
HPLC(方法3):Rt=4.75分
MS(CDI):m/z=361 (M+NH4)+
【0180】
実施例41A
4−(3−アミノフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル
【化77】
4−(4−ブロモ−3−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸メチル0.85g(2.46mmol)を脱ガスエタノール12mlに溶かし、これに10%パラジウム−炭素131mgを加え、水素気流下に、分析用HPLCによりモニターする反応が完全に変換したことを示すまで、混合物を撹拌する。この混合物を珪藻土で濾過し、溶媒を留去する。残渣を酢酸エチルに取込み、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥する。濾過し、溶媒濃縮し、生成物0.52g(理論量の83%)を得る。これを粗製物としてさらなる合成に使用する。
【0181】
実施例42A
4−(2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸
【化78】
最初に、4−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸10.00g(37.14mmol)および重炭酸ナトリウム7.02g(83.57mmol)を水100mlに溶かし、これに水酸化アンモニウム11.46g(81.72mmol)を加え、混合物を還流下に一夜撹拌する。冷却後、この混合物を1N塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出する。有機相を水洗し、硫酸マグネシウム上乾燥し、溶媒を留去して塩化メチレン/n−ペンタンから再結晶し、減圧下に乾燥する。生成物6.52g(理論量の66%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.90分
MS(DCI/NH3):m/z=285 (M+NH4)+
【0182】
実施例43A
4−(2−シアノ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸
【化79】
4−(2−シアノ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸の調製は、参考文献(Heterocycles 1987, 26, 1227 and Synth. Commun. 1985, 15, 479)の記載と同様に、出発原料として4−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸を用いて実施する。
【0183】
実施例44A
6−(2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化80】
4−(2−シアノ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸(実施例43A)26.00g(94.12mmol)をエタノール400mlに溶かし、還流下にヒドラジン水和物47.12g(941.19mmol)を滴下する。この混合物を沸点にて5時間撹拌し、次いで溶液を100mlまで濃縮する。残渣に水を加え、容量を200mlに濃縮する。次いで、結晶を吸引濾取し、水およびジエチルエーテルで洗浄する。減圧下に乾燥し、生成物20.03g(理論量の81%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=3.50分
MS(DCI/NH3):m/z=281 (M+NH4)+
【0184】
別法として、同じ合成手法を用い、実施例44Aの化合物は、4−(2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−3,3−ジメチル−4−オキソブタン酸(実施例42A)から調製することもできる。
【0185】
実施例45A
6−(5−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン
【化81】
6−(2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン(実施例45A)3.00g(11.40mmol)をエタノール150mlに溶かし、10%パラジウム−炭素0.30gを加える。沸点にて、ヒドラジン水和物5.70g(113.96mmol)を滴下する。還流下に18時間撹拌した後、溶媒を除去し、油状残渣をジエチルエーテルから結晶化する。結晶を水で破砕し、吸引濾過する。ジエチルエーテルで洗浄後、結晶を減圧下に乾燥する。生成物1.84g(理論量の69%)を得る。
HPLC(方法3):Rt=2.30分
MS(ESIpos):m/z=234 (M+H)+
【0186】
[製造例]
実施例1
N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N'−[3−(4,4−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化82】
【0187】
6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン50mg(0.23mmol)に abs. THF2mlを室温で加え、次いでこれにイソシアン酸2,4−ジフルオロフェニル71.4mg(0.46mmol)を加える。最初、6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノンは完全には溶けない。イソシアン酸エステルを添加した後にのみ、間もなく、透明な黄色溶液を形成するが、この溶液は急速に白色沈殿を生じる。一夜撹拌を続け、次いで沈殿を濾取する。この沈殿をジエチルエーテルで洗浄し、白色固形物を減圧下に乾燥する。生成物46.4mg(理論量の54%)を得る。
m.p.:213℃
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.16(s、6H)、2.35(s、2H)、6.97−7.11(m、2H)、7.25−7.39(m、3H)、7.65(s、1H)、7.99−8.17(m、1H)、8.50(s、br、1H)、9.12(s、br、1H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.12分
MS(ESIpos):m/z=373 (M+H)+
【0188】
実施例2
N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−N'−[3−(4,4−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化83】
6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン30mg(0.14mmol)およびイソシアン酸3−クロロ−4−フルオロフェニル47.4mg(0.28mmol)に無水THF1mlを加え(僅かに濁りのある溶液)、この混合物を室温にて一夜撹拌する。白色沈殿の形成を認める。
【0189】
後処理:ジクロロメタンおよびジエチルエーテルそれぞれ1mlを反応混合物に加え、白色沈殿を濾取する。生成物40.2mg(理論量の75%)を得る。
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.16(s、6H)、2.35(s、2H)、7.04(d、1H)、7.25−7.42(m、4H)、7.63(s、1H)、7.76−7.83(m、1H)、8.89(s、2H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.32分
MS(ESIpos):m/z=389 (M+H)+
【0190】
実施例3
N−(3−ブロモフェニル)−N'−[3−(4,4−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化84】
【0191】
6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン30mg(0.14mmol)を無水THF1mlに溶解する。これにイソシアン酸3−ブロモフェニル54.7mg(0.28mmol)を加え、その混合物を室温で一夜撹拌する。白色固形の沈殿を生じる。濾過して生成物48.4mg(理論量の84%)を白色固形物として得る。
m.p.:207℃
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.16(s、6H)、2.35(s、2H)、6.99−7.45(m、6H)、7.64(s、1H)、7.85(s、1H)、8.90(s、br、2H)、10.99(s、br、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.32分
MS(ESIpos):m/z=415 (M+H)+
【0192】
実施例4
N−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−N'−[3−(4,4−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化85】
最初に、イソシアン酸4−クロロ−2−メチルフェニル46.3mg(0.28mmol)を酢酸エチル1mlに溶解し(完全には溶けず)、これに6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン30mg(0.14mmol)を加え、混合物を室温で一夜撹拌する。白色沈殿の形成を認める。
【0193】
後処理:沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧下に乾燥する。生成物はなお不純物混入を示すので、RP−HPLCで精製する。生成物25.6mg(理論量の48%)を白色固形物として得る。
m.p.:232℃
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.16(s、6H)、2.24(s、3H)、2.35(s、2H)、6.99−7.06(m、1H)、7.15−7.40(m、4H)、7.66(s、1H)、7.87(d、1H)、7.99(s、1H)、9.16(s、1H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.30分
MS(ESIpos):m/z=385 (M+H)+
【0194】
実施例5
N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N'−[2−(5,5−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化86】
【0195】
6−(2−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン20.3mg(0.09mmol)を酢酸エチル1mlに懸濁し、これにイソシアン酸2,4−ジフルオロフェニル29mg(0.18mmol)を室温で加える。暫しの後、反応混合物は完全に透明となる;この無色透明溶液を一夜撹拌する。溶媒をロータリーエバポレーターにより除去し、残渣をRP−HPLCにより精製する。生成物26.1mg(理論量の75%)を得る。
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.10(s、6H)、2.83(s、2H)、6.98−7.14(m、2H)、7.24−7.40(m、2H)、7.43−7.50(m、1H)、7.82−7.96(m、1H)、8.02−8.09(m、1H)、9.07(s、1H)、9.50(s、1H)、10.77(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.32分
MS(ESIpos):m/z=373 (M+H)+
【0196】
実施例6
N−(3,4−ジフルオロフェニル)−N'−[3−(5,5−ジメチル−6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化87】
イソシアン酸3,4−ジフルオロフェニル42.8mg(0.28mmol)を酢酸エチル0.5mlに溶かし、これに6−(3−アミノフェニル)−5,5−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン30mg(0.14mmol)と酢酸エチル0.5mlからなる溶液を加え、この混合物を室温で一夜撹拌する。白色沈殿の形成を認める。
【0197】
後処理:反応混合物を濃縮し、残渣をRP−HPLCにより精製する。生成物48mg(理論量の93%)を白色固形物として得る。
m.p.:200℃
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.08(s、6H)、2.1(s、2H)、7.09−7.18(m、1H)、7.26−7.44(m、4H)、7.60−7.74(m、1H)、7.97(s、1H)、8.89(s、2H)、10.90(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.28分
MS(ESIpos):m/z=373 (M+H)+
【0198】
一般手法[H]:
アニリンとイソシアン酸エステルとの反応
不活性ガス気流下、室温にて、1.0当量のアニリン/テトラフラン溶液(0.2M溶液)を1.2当量のイソシアン酸エステル(等容量の無水テトラヒドロフランに溶解)と混合する。反応混合物を室温で一夜振盪する。塩化メチレン/ジエチルエーテル(1:1)を反応混合物に加え、この混合物を1時間振盪し、沈殿する固形物を濾過取得する。精製のために、この固形物をジエチルエーテルで洗浄するか、または別法として塩化メチレンから結晶化するかまたは調製用HPLCにより精製する。
以下の化合物はこの方法により製造した:
【0199】
実施例7
N−(2,4−ジクロロフェニル)−N'−[3−(6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化88】
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=2.45−2.60(m、2H)、2.89−3.03(m、2H)、3.07(s、1H)、7.15−7.50(m、4H)、7.96(s、1H)、8.14(s、1H)、8.23(d、1H)、9.33(s、1H)、10.52(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.40分
MS(ESIpos):m/z=377 (M+H)+
【0200】
実施例8
N−(3,4−ジフルオロフェニル)−N'−[3−(4―メチル―6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化89】
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.10(d、3H)、2.26(d、1H)、2.60−2.80(m、1H)、3.20−3.45(m、1H)、7.10−7.21(m、1H)、7.22−7.48(m、4H)、7.57−7.73(m、1H)、7.99(s、1H)、8.89(s、2H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法3):Rt=4.10分
MS(DCI/NH3):m/z=376 (M+NH4)+
【0201】
実施例9
N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N'−[3−(4―メチル―6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化90】
【0202】
エナンチオマーA:
目標の化合物は対応する出発物質からラセミ体として製造し、次いで、このエナンチオマーの分離用に特別に開発したHPLC法(方法9)によりもう一方のエナンチオマーから分離する。
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.10(d、3H)、2.25(d、1H)、2.61−2.80(m、1H)、3.26−3.42(m、1H)、7.00−7.15(m、1H)、7.28−7.51(m、4H)、7.95−8.20(m、2H)、8.49(s、1H)、9.15(s、1H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法9):Rt=23.63分
MS(DCI/NH3):m/z=376 (M+NH4)+
【0203】
実施例10
N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N'−[3−(4―メチル―6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)フェニル]尿素
【化91】
【0204】
エナンチオマーB:
目標の化合物は対応する出発物質からラセミ体として製造し、次いで、このエナンチオマーの分離用に特別に開発したHPLC法(方法9)によりもう一方のエナンチオマーから分離する。
1H−NMR(200MHz、DMSO):δ=1.10(d、3H)、2.25(d、1H)、2.61−2.80(m、1H)、3.26−3.42(m、1H)、7.00−7.15(m、1H)、7.28−7.51(m、4H)、7.95−8.20(m、2H)、8.49(s、1H)、9.15(s、1H)、10.99(s、1H)
HPLC(方法9):Rt=27.13分
MS(DCI/NH3):m/z=376 (M+NH4)+
表1に示す例は一般手法[H]により得ることができる。
【0205】
【表8】
【0206】
【表9】
【0207】
【表10】
【0208】
【表11】
【0209】
【表12】
【0210】
【表13】
【0211】
【表14】
【0212】
【表15】
【0213】
【表16】
【0214】
【表17】
【0215】
【表18】
【0216】
【表19】
【0217】
実施例61
N−(4−シアノ−2−メチルフェニル)−N'−[5−(4―エチル―4―メチル―6−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−3−ピリダジニル)−2−メチルフェニル]尿素
【化92】
【0218】
4−アミノ−3−メチルベンゾニトリル79.3mg(0.60mmol)を先ずテトラヒドロフラン5mlに溶かし、これに5−エチル−6−(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)−5−メチル−4,5−ジヒドロ−3(2H)−ピリダジノン135.66mg(0.50mmol)および1滴のトリエチルアミンを加える。50℃で20時間後、目的の化合物を吸引濾取し、テトラヒドロフランとジエチルエーテルにて洗浄する。収量は28mg(14%)である。
1H−NMR(400MHz、DMSO):δ=0.73(t、3H)、1.15(s、3H)、1.44−1.55(m、1H)、1.65−1.78(m、1H)、2.23(d、1H)、2.30(s、3H)、2.32(s、1H)、2.43(d、1H)、7.02(dd、1H)、7.20(dd、1H)、7.58−7.64(m、2H)、7.96(d、1H)、8.21(d、1H)、8.58−8.62(m、2H)、10.91(s、1H)
表2に示す例は一般手法[H]により得ることができる。
【0219】
【表20】
【0220】
【表21】
【0221】
【表22】
【0222】
一般的LC−MSおよびHPLC法:
[HPLCパラメータ]
方法1(HPLC):
カラム:クロマジルC18、L−R
温度:30℃
流速=0.75ml/分
移動相:0.01M−HClO4、B=CH3CN
勾配:→0.5分98%A→4.5分10%A→6.5分10%A
【0223】
方法2(HPLC):
カラム:クロマジルC18 60*2、L−R
温度:30℃
流速=0.75ml/分
移動相:0.01M−H3PO4、B=CH3CN
勾配:→0.5分90%A→4.5分10%A→6.5分10%A
【0224】
方法3(HPLC):
カラム:クロマジルC18 60*2、L−R
温度:30℃
流速=0.75ml/分
移動相:A=0.005M−HClO4、B=CH3CN
勾配:→0.5分98%A→4.5分10%A→6.5分10%A
【0225】
方法4(HPLC):
カラム:シンメトリーC18 2.1×150mm
カラムオーブン:50℃
流速=0.6ml/分
移動相:A=0.6g30%強度HCl/l水、B=CH3CN
勾配:0.0分90%A→4.0分10%A→9分10%A
【0226】
方法5(LC−MS):
MHZ−2Q、インスツルーメント・マイクロマス・クァトロLCZ
カラムシンメトリーC18 50mm×2.1mm、3.5μm
温度:40℃
流速=0.5ml/分
移動相A=CH3CN+0.1%ギ酸;移動相B=水+0.1%ギ酸
勾配:0.0分10%A→4分90%A→6分90%A
【0227】
方法6(LC−MS):
MHZ−2P、インスツルーメント・マイクロマス・プラットホームLCZ
カラムシンメトリーC18 50mm×2.1mm、3.5μm
温度:40℃
流速=0.5ml/分
移動相A=CH3CN+0.1%ギ酸;移動相B=水+0.1%ギ酸
勾配:0.0分10%A→4分90%A→6分90%A
【0228】
方法7(LC−MS):
MHZ−7Q、インスツルーメント・マイクロマス・クァトロLCZ
カラムシンメトリーC18 50mm×2.1mm、3.5μm
温度:40℃
流速=0.5ml/分
移動相A=CH3CN+0.1%ギ酸;移動相B=水+0.1%ギ酸
勾配:0.0分5%A→1分5%A→5分90%A→6分90%A
【0229】
方法8(LC−MS):
カラム:シンメトリーC18 2.1×150mm
カラムオーブン:50℃
流速=0.9ml/分
移動相A=0.3g30%強度HCl/l水、B=CH3CN
勾配:0.0分90%A→3.0分10%A→6.0分10%A
【0230】
方法9(HPLC):
カラム:キラル固定シリカゲル相;光学活性モノマー、N−メタアクリルアシル−L−ロイシン−ジシクロプロピルメチルアミドに基づく
流速=15ml/分
移動相:イソヘキサン/酢酸エチル、20:80
【0231】
方法10(HPLC):
カラム:シンメトリーC18 2.1×150mm
カラムオーブン:50℃
流速=0.9ml/分
移動相A=CH3CN;B=0.3g30%強度HCl/l水
勾配:0.0分10%A→3.0分90%A→6.0分90%A
【0232】
方法11(HPLC):
カラム:シンメトリーC18 2.1×150mm
カラムオーブン:70℃
流速=0.9ml/分
移動相A=CH3CN;B=0.3g30%強度HCl/l水
勾配:0.0分2%A→2.5分95%A→5.0分95%A
【0233】
方法12(調製用HPLC):
パラ異性体除去用に開発した特別法
カラム:YMCシリカゲルODS AQ、11μm;250×30mm
流速=45ml/分
移動相:0.2%強度トリフルオロ酢酸/アセトニトリル、85/15(v/v)
検出:UV@220nm
検体アプリケーション:生成物60gをDMSO300mlおよび0.2%強度トリフルオロ酢酸350mlに溶かした溶液2.25ml
サイクル時間:6.1分
【0234】
方法WTB(HPLC):
HP1100
カラム:リクロカート75−5リクロスフェア100RP−18 5μm
カラムオーブン:40℃
流速=2.5ml/分
移動相A=0.05%TFA含有水、B=0.05%TFA含有CH3CN
勾配:0.0分90%A→0.05分90%A→5.0分5%A→7.0分5%A→7.05分90%A→8.0分90%A
【0235】
調製用HPLCまたはRP−HPLC:
逆相
カラム:GROM−SIL120 ODS−4HE 10μm、250*30mm
移動相:ACN/水勾配
Claims (14)
- 一般式(I):
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合する酸素またはNR6を表す;
Eは酸素、CR9R10またはNR7を表す;
Yは酸素またはNR8を表す;
DおよびXは同一または異なってそれぞれに酸素またはイオウを表す;
Gは水素を表す;
または
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、該C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルまたはC1−C6−アルキルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC6−C10−アリールからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールは下記式で示される基により任意に置換されていてもよい;
GはC5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環を表す;ただし、C5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC3−C10−シクロアルキルを表す;ただし、C3−C10−シクロアルキルはハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、それぞれ水素、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、C6−C10−アリールまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;また、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
R1およびR2またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
R1およびR3はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R5は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルコキシ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R6、R7およびR8は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R9およびR10は同一または異なって、それぞれ水素、NR11R12、OR13またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R11、R12およびR13は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルをあらわす;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい]
で示される化合物、またはその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物または薬理学的に許容し得る塩。 - 請求項1記載の一般式(I)において、
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合する酸素またはNR6を表す;
Eは酸素、CR9R10またはNR7を表す;
Yは酸素またはNR8を表す;
DおよびXは同一または異なってそれぞれに酸素またはイオウを表す;
Gは水素を表す;
または
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、該C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルコキシ、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルまたはC1−C6−アルキルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC6−C10−アリールからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはフェニルにより任意に置換されていてもよい;ただし、フェニルはC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環により任意に置換されていてもよい;ただし、その一部としてのC5−C6−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールは下記式で示される基により任意に置換されていてもよい;
GはC5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環を表す;ただし、C5−C10−ヘテロアリールまたはC5−C7−ヘテロ環はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC3−C10−シクロアルキルを表す;ただし、C3−C10−シクロアルキルはハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R1、R2、R3およびR4は同一または異なって、それぞれに水素、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、C6−C10−アリールまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;また、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニル、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルおよびC1−C6−アルキルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
ただし、R1、R2、R3およびR4は同時に水素ではない;
または
R1およびR2またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
R1およびR3はそれらが結合する炭素原子と共にC3−C6−シクロアルキル環を形成する;ただし、C3−C6−シクロアルキル環はハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルキル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R5は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルコキシ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R6、R7およびR8は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R9およびR10は同一または異なって、それぞれ水素、NR11R12、OR13またはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R11、R12およびR13は同一または異なって、それぞれ水素またはC1−C6−アルキルをあらわす;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
である化合物またはその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物または薬理学的に許容し得る塩である請求項1記載の化合物。 - 請求項1の一般式(I)において、
Aは2、3、5または6位置を介して芳香環に結合するNR6を表す;
EはNR7を表す;
YはNR8を表す;
DおよびXは酸素を表す;
GはC6−C10−アリールを表す;ただし、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;ただし、C1−C6−アルキルは3個までのハロゲン置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC5−C6−ヘテロアリールを表す;ただし、C5−C6−ヘテロアリールはハロゲンおよびC1−C3−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
または
GはC3−C10−シクロアルキルを表す;ただし、C3−C10−シクロアルキルは3個までの置換基C1−C6−アルキルにより任意に置換されていてもよい;
R1、R2およびR3は同一または異なって、それぞれに水素を表すか、またはC1−C3−アルキルを表す;
R4は水素、C6−C10−アリールまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、C1−C6−アルキルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;また、C6−C10−アリールはハロゲン、ヒドロキシル、C1−C6−アルコキシおよびC1−C6−アルキルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
ただし、R1、R2、R3およびR4は同時に水素を表すことはない;
R5は水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノまたはC1−C6−アルキルを表す;ただし、C1−C6−アルキルはヒドロキシル、C1−C6−アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、C1−C6−アルコキシカルボニルおよびモノ−もしくはジ−C1−C6−アルキルアミノカルボニルからなる群より互いに独立して選択される3個までの置換基により任意に置換されていてもよい;
R6、R7およびR8は水素を表す;
である化合物またはその互変異性体、立体異性体、立体異性体混合物または薬理学的に許容し得る塩である請求項1または2に記載の化合物。 - 基Aが3位を介して芳香環に結合する請求項1、2または3に記載の一般式(I)で示される化合物。
- DおよびXが酸素を表す請求項1、2または3に記載の一般式(I)で示される化合物。
- A、EおよびYがNHを表す請求項1、2または3に記載の一般式(I)で示される化合物。
- Gが置換基を有するフェニルを表す請求項1、2または3に記載の一般式(I)で示される化合物。
- R1、R2およびR5が水素を表し、R3およびR4がメチルを表す請求項1、2または3に記載の一般式(I)で示される化合物。
- 請求項1で示される式(I)の化合物の製造法であって、
[A]一般式(II):
で示される化合物と一般式(III):
D=C=N−G (III)
(ただし、式中、DおよびGは上記定義のとおりである)
で示される化合物とを反応させて、一般式(Ia):
で示される化合物とするか、または
[B]一般式(II)で示される化合物と一般式(IV):
で示される化合物とを反応させて、一般式(I):
で示される化合物とするか、または
[C]一般式(V):
で示される化合物と一般式(VI):
H−M−G (VI)
(ただし、式中、Gは上記定義のとおりであり;Mは酸素またはNR7を表す;ただし、R7は上記定義のとおりである)
で示される化合物とを反応させて、一般式(Ib):
で示される化合物とする;
ことを特徴とする製造法。 - 疾患制御のための請求項1、2または3記載の一般式(I)で示される化合物。
- 少なくとも1種の医薬的に許容し得る医薬的に安全な担体または賦形剤と組合せて請求項1、2または3記載の一般式(I)で示される化合物を含有してなる薬物。
- ウイルス性疾患処置用の薬物として調製するための請求項1、2または3記載の一般式(I)で示される化合物の使用。
- ウイルス性疾患処置用の請求項12記載の薬物。
- ヒトおよび動物のウイルス性疾患の制御方法であって、請求項1ないし3のいずれかに記載の少なくとも1種の化合物の抗ウイルス有効量を投与することによる方法。
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