JP2004530443A - フラボノイド濃縮物 - Google Patents

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Abstract

適切なフラボノイド配糖体および/またはその共役物を含む植物材料からフラボノイドアグリコン濃縮物を生成するための方法であり、その方法は、
(i)フラボノイド配糖体またはその共役物をフラボノイドアグリコンに酵素転化させる工程と、
(ii)フラボノイドアグリコンが比較的不溶性になるようにpHを調整して、フラボノイドアグリコンを含む濃縮物を形成する工程とからなる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、フラボノイド配糖体および/またはその共役物を含む出発物質からフラボノイドアグリコン濃縮物を調整するための方法に関するものである。より具体的には、本発明は、水溶性溶媒を用いて植物材料から強化フラボノイドアグリコン濃縮物を効率的に生成するための方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
フラボノイドは植物性化学物質の一種で、その広範な利用範囲には、治療薬、抗菌剤、酸化防止剤としての用途が含まれる。数例を挙げれば、フラボノイドは、心疾患、アルツハイマー症、痴呆、癌等の変性疾患を含め、一連の内科的疾患および疾病を治療および/または予防する効能を持つ。フラボノイドの特徴および特性については、科学資料中に十分解説されている。
【0003】
世界人口の平均年齢は着実に上昇しているので、現在、「天然」植物性化学物質を用いた治療の需要は増大しつつあり、将来はさらに増大すると思われる。さらに、世界人口の若年層は、病状を治療または予防するために天然の代替物に頼る傾向を強めている。加えて、かかる物質が有機溶剤残渣、特に工業合成物を含まないこと、また、生産時の環境への負担が最低限であることが強く求められている。また、社会は、環境に最小限の影響しか与えない生分解性物質およびプロセスの使用に高い価値を置くようになってきている。
【0004】
フラボノイドは、植物性ポリフェノールの一種で、基本的な15炭素原子骨格からなる2重または3重の環状構造をしている。存在する植物性フラボノイドアグリコン(すなわち、糖と結合していないフラボノイド)には、様々な構造形態がある。しかし、どれもが、その基本環に15個の炭素原子を含み、それらの原子がC−C−Cの配置に配列され、2つの芳香環が3炭素単位をはさんで結合し、第三環を形成するものもあれば、形成しないものもある。
【0005】
治療食および医薬品におけるフラボノイドの重要な役割が、ますます認識されつつある。赤ワイン、緑茶、エクストラバージン・オリーブオイル、大豆製品、果物・野菜、様々な伝統的薬草茶やチンキを摂取して得られる利益の少なくとも一部は、それらに含まれるフラボノイドからである。
【0006】
その価値が十分に確定しているフラボノイドの1群が、イソフラボンである。イソフラボンは、特徴的な構造を持ち、フラボノイドの特殊異性体の1分類を形成する。イソフラボンへの関心は幅広いものになってきており、その中には、イソフラボンが東洋の伝統的な治療食の要素で、アジア東部地域の人々の乳癌や前立腺癌の発生率が他所より低いのはイソフラボンが原因であるという意見もある。
【0007】
イソフラボンは、植物の他の科にも見られるものの、マメ科植物、特にマメ科マメ亜科との関係が最も強く、それには、クローバー、マメ類(pulse-beans)、ダイズおよびエンドウ等のよく知られた多数の食用農作物、並びに、ハリエニシダおよびエニシダ等の灌木が含まれる。
【0008】
人および動物の健康に対するイソフラボンの効用に加え、最近では、動物飼料産業に応用がされるようになっており、同産業では、イソフラボンを補った飼料を投与されたブタの1日あたりの平均体重が、飼料摂取は増加上昇していないにも関わらず、増加した。また、ブタは、屠体筋肉の比率も増加し、一日当たりの筋肉増加も高まると推定される。
【0009】
理想的な生活を送れば、食品・食事・飲料を注意深く選択して誰もが同化合物を十分に取れるはずであるが、現実には、特に都市で働く人々は、まず不可能に近い。従って、栄養補助食品または治療薬として便利かつ効率的に使用できるフラボノイド強化製剤の必要性と需要とが存在する。
【特許文献1】
特願2001−551864号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
イソフラボノイドを含む濃縮物を種子から生成するための先行技術の手法は、通例、次のような欠点がある。(i)比較的低レベルのイソフラボンしか含まれておらず、(ii)その結果、原料イソフラボンを無駄にしてしまい、複雑な他段階の処理を行なって無駄になったものからイソフラボンを回収することが必要になる。
【0011】
本発明は、先行技術の短所を克服することを目的とし、先行技術の方法よりも高いレベルおよび収率で植物濃縮物中のイソフラボノイドを得るための簡易かつ便利な方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、適切なフラボノイド配糖体および/またはその共役物を含む植物材料からフラボノイドアグリコン濃縮物を生成するための方法を提供する。その方法は、
(i)フラボノイド配糖体またはその共役物をフラボノイドアグリコンに酵素転化させる工程と、
(ii)フラボノイドアグリコンが比較的不溶性になるようにpHを調整して、同アグリコンを含む濃縮物を形成する工程からなる。
【0013】
本発明の目的では、「フラボノイド」という用語は、下記の一般構造式を持つあらゆる植物性ポリフェノール、または、その二量体、三量体もしくは重合体を指す。
【0014】
【化1】
Figure 2004530443
【0015】
本発明の目的のための特定フラボノイドに含まれるものは、カルコン、ジヒドロカルコン、オーロン、フラバノン、フラボン、ネオフラボノイド、カテキン、フラボノール、ジヒドロフラボノール、プロアントシアニジン、フラバン、フラバン−3−オールおよびビフラボノイド、並びに、それらの様々なメトキシル化およびその他の異形、すなわちアシル共役物等の共役物であり、より具体的には、アカセチン、アピゲニン、バイカレイン、クリシン、クリソエリオール、ダティスセチン、ジヒドロビネチン、ジヒドロケンプフェロール、ジオスメチン、カテキン、エピカテキン、エリオディクチオール、フィセチン、フスチン、ガランギン、ヘスペレチン、イソーハムネチン、ケンプフェロール、ルテオリン/ジギトフラボン、モリン、ミリセチン、ナリンゲニン、オロキシリンA、ポンシレチン、クェルセタゲチン、クェルセチン、ロビネチン、セクテラレイン、シリマリン群、シリビン、シリジアニン、シリクリスチン、スカルプキャプフラボンII、タンゲレチン、オウゴニン、並びに、ゲニステイン、ダイドゼイン、ホルモノネチン、バイオカニンA、バプテニンおよびプラテンセイン等のイソフラボンであって、それらは、次のような一般構造式を持つ。
【0016】
【化2】
Figure 2004530443
【0017】
植物材料としては様々なものが利用できるが、フラボノイド配糖体および/またはその共役物を含む植物またはその一部もしくはその製剤を含むことが望ましい。具体的には、葉、花弁、萼片、花、葉柄、若枝(シュート)、根、茎、種子、莢、塊茎、樹皮、形成層、木質、瘤、果実、野菜、薬草、細菌、藻、シダ、樹液、樹脂、ブドウ・リンゴ・タマネギおよびアボカドの皮等の皮、柑橘類の皮などの皮、果実皮、リンゴ等のしぼりかす、ワインの絞りかす、穀物の籾殻、わら、干し草、オリーブ・ナタネまたはキャノーラ由来の植物性の油粕、並びに、その他の油料穀物からの抽出物が植物材料に含まれる。
【0018】
望ましい植物材料は、萌芽または発芽種子等のマメ科植物の種子原料で、これには、根が現れた発芽前段階から、芽もまた見え始めたばかりの段階までの萌芽種子が含まれる。この点に関しては、マメ科植物の萌芽または発芽種子が、(i)種子の当初含有量と(ii)萌芽後に生成されるイソフラボンのために、相当レベルのイソフラボノイドを含む可能性が高いことが分かっている。イソフラボノイドの顕著な合成は、通常、萌芽が比較的進行するまでは開始されない。このような合成は、しばしば、室温では少なくとも2日後になって初めて開始される。しかし、萌芽種子の重量と比較したフラボノイド・レベルは、しばらくすると(通例、室温で10日未満)頭打ちになり、実生は完全に成長した植物になるまで成長し続けるので、成長中の植物の実際のイソフラボン・レベルは、不水溶性繊維のような他成分に比べ低下する。
【0019】
本発明の目的のための植物には、十分なレベルのフラボノイド配糖体および/またはその共役物を含むあらゆる植物が含まれるが、特に望ましい植物は、ダイズ(例えばグリシン・マックス(Glycine max))等のマメ科植物である。ただし、不萌芽処理されたダイズ種子、ハウチワマメ(例えばL.アルブス(albus)、L.アングティフォリウス(angutifolius)、L.ルテウス(luteus)およびL.ムタビリス(mutabilis)等のルピナス(Lupinus)種)、ヒヨコマメ(例えばシサー・アリティナム(C. arietinum)等のシサー種)、キマメ(カンジャヌス・カジャン(Canjanus cajan))、シロバナシナガワハギ(例えばメリオトス・アルバ(Meliotus alba))、ルツェルンすなわちアルファルファ(例えばメディカゴ・サティバ(Medicago sativa))、シジャクソウ種は除く。一般的な調理用豆(ファセオルス・ブルガリス(Phaseolus vulgaris)および同ルナトス(lunatus))またはエンドウ(ピスム・サティブム(Pisum sativum))も、本発明の植物材料として使用することができる。当業者は、過度の試行や実験なしに他の植物材料を特定して入手し、本発明で使用することができるだろう。また、異なる植物由来の材料を組み合わせて本発明の植物原料を構成できることも十分理解されるだろう。
【0020】
本発明の植物材料を調達するために使用される植物は、グリコシダーゼまたはアグリコンを分解する能力のある内生酵素を低レベルにしか生成しないことが望ましく、より一層望ましいのは、同酵素を極く低いレベルに、または全く生成しないことである。
【0021】
この点に関しては、多くの植物は、ポリフェノール酸化酵素またはチロシナーゼを生成し、それによって収率が大幅に減少する。熱または化学物質(例えばメタ重亜硫酸ナトリウム)等の物理的手段の使用を含め、他の方策を用いて植物材料中の不要酵素の影響を削減することもできるが、これらの処理の時機は、グリコシダーゼをアグリコンに転化させる酵素が同転化を十分行う前に、同酵素を不活性化してしまうようなものであってはならない。
【0022】
植物材料内に含まれるフラボノイドは、通常、水溶性の糖に結合したグリコシドの形態をしており、従って、タンパク質濃縮物等の抽出物の従来の生成下での濃縮に対して耐性を持つ。しかし、個々の細胞区画内に保持されているものに限定はされるものの、細胞内の内生酵素を使用して、フラボノイド配糖体をアグリコンに転化させることはできる。
【0023】
よって、酵素転化させるには、植物材料内に含まれる内生酵素を用いることが望ましい。内生酵素を使用した場合、細胞構造を破壊する任意のプロセスを用いて内生酵素を配糖体と接触させ、同酵素が配糖体基質に接触するようにさせることができる。
【0024】
よって、本発明はまた、適切なフラボノイド配糖体および/またはその共役物を含む植物材料から強化フラボノイド濃縮物を生成するための方法をも提供する。その方法は、
(i)植物材料の細胞構造を破壊して、フラボノイド配糖体またはその共役物をフラボノイドアグリコンに転化させる工程と、
(ii)フラボノイドアグリコンが比較的不溶性になるようにpHを調整して、同アグリコンを含む濃縮物を形成する工程とからなる。
【0025】
細胞構造の破壊処理には、細胞の破壊処理も含まれ、その種類は様々であるが、当業者には容易に分かる。これに含まれるものには、摩砕、粉砕、突砕・圧延、冷凍および解凍のような処理や、ヘミセルラーゼもしくはセルラーゼのような酵素処理、超音波、乾燥、紫外線照射、押し出しと密閉バッチ圧力印加の両方を含む減圧もしくは加圧の使用、微生物による消化もしくはエンシレージ化、酸化化学物質およびその他の化学物質にさらすこと、洗浄剤処置、または以上の組み合わせがある。
【0026】
原料自体の組織構造によって細胞破壊の程度が限定される可能性が高く、繊維含有量が多い、細胞壁が厚い、細胞サイズが小さい材料等の処理に際しては、もっと強力な方法が必要になることを十分に理解するべきである。
【0027】
また、破壊プロセスで使用する成分が、残りのプロセスを妨害すると思われる場合には、同成分を反応混合物から除去した後、さらなる処理を行うべきことも十分理解されるだろう。
【0028】
また、同細胞破壊法を用いた際に生成される濃縮物中の残留イソフラボンのレベルが、芽の冷蔵(約5℃)期間によって低下することも判明している。これは、細胞膜に対する低温誘導変化の影響と思われ、同変化によって細胞膜は耐破壊性を増し、従って、植物細胞中の様々な部分中、または膜に拘束された細胞小器官中に保持された酵素またはフラボノイド配糖体の混和制限に対する、細胞膜の耐性も増すだろうと考えられる。
【0029】
内生酵素が配糖体からアグリコンへの十分な転化を行わない場合には、酵素を加えて転化を促進する必要が生じることもある。
【0030】
よって、本発明はまた、適切なフラボノイド配糖体および/またはその共役物を含む植物材料から強化フラボノイド濃縮物を生成するための方法をも提供する。その方法は、
(i)植物材料の細胞構造を破壊して、付加的な内生酵素を添加し、フラボノイド配糖体またはその共役物からフラボノイド・アグリコンへ酵素転化させる工程と、
(ii)フラボノイドアグリコンが比較的不溶性になるようにpHを調整して、同アグリコンを含む濃縮物を形成する工程とからなる。
【0031】
酵素転化は、様々な酵素を用いて行うことができ、このような酵素には、グリコシダーゼ、β−グリコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、ペクチナーゼ、ヘスペリジナーゼ、アントシアナーゼ、ラムノジアスターゼ、ナリンギナーゼまたはタカジアスターゼからなるグループ由来の1つまたはそれ以上の酵素等の配糖体結合を加水分解する能力のある酵素が含まれる。
【0032】
その他の酵素には、イソフラボン7−O−配糖体−6”マロネート・マロニルエステラーゼ、または、適切な植物中で発見される可能性のある同等の酵素等のブドウ糖(糖)部分と共役物部分(例えばアシル基)との間のフラボノイド配糖体共役物中の結合を加水分解するのに適した酵素が含まれる。
【0033】
必要な場合、内生酵素は市販のものから、または、当業者には明らかな供給源から得ることができる。このような内生酵素には、ブタの肝臓等の動物、シャジクソウ(Trifolium)種、シサー(Cicer)種、ヒマワリ(Helianthus)種、メリロトス(Melilotus)種、メディカゴ(Medicago)種、カメリア(チャノキ)・シネンシス(Camellia (Thea) sinensis)、サクラ(Prunus)種(例えばP.アミグダルス(amygdalus)、P.コムニス(communis)、P.アビウム(avium)、P.アルメニアカ(armeniaca))、ラムヌス・フラングラ(Rhamnus frangula)およびラムヌス・ウチリス(Rhamnus utilis)等の植物、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)またはアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)を含むアスペルギルス(Aspergillus)種等の真菌、サッカロポリスポラ・エリュトライア(Saccharopolyspora erythraea)、ロビニア・プセウドアカシアL(Robinia pseudoacacia L)およびリゾビウム種、レウコノストック・オエノス(Leuconostoc oenos)、ペジオコッカス・セレビシアエ(Pediococcus cerevisiae)およびラクトバシルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)等の細菌、またはバクテリア(Bacteriodes)種等の腸内細菌、並びに、サッカロミケス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、ハンセヌラ・アノマラ(Hansenula anomala)、クロエケラ・アピクラタ(Kloeckera apiculata)およびカンジダ・プルケリマ(Candida pulcherimma)等の酵母菌が含まれる。
【0034】
その他の酵素には、遺伝子組み換え(遺伝子操作)有機体から得られる酵素等の遺伝子組み換え酵素が含まれる。遺伝子組み換え酵素を使用する場合、同酵素は外生で、反応混合物にそのまま添加する。その代わりに、遺伝子操作を利用して、他の方法では不十分な量の内生酵素しか、または不十分な活性の酵素しか生成しないはずの植物由来の材料を利用することができる。例えば、他の方法では転化のために十分な内生酵素を生成しないはずの植物ゲノム中に、適切な酵素を暗号化する遺伝子を挿入することが可能で、それによって同植物は、本発明での使用に適したものになるはずである。さらに、遺伝子組み換えを利用して、活性のような酵素特徴を改善することも可能である。本発明の方法では、かかる遺伝子組み換え生成物のすべてを使用することができる。
【0035】
複数の酵素を同時にまたは連続的に使用して転化を実行できることが理解されるだろう。アグリコンへの転化に先立ち、配糖体を中間体に転化する必要がある場合、特に複数の酵素が必要となることがある。しかし、中間体に転化する必要がない場合にも、複数の酵素を使用することができる。この点に関しては、出発物質にもよるが、複数の異なる酵素を使用することによって、酵素1種類だけの場合よりも良好に転化を遂行することができる。
【0036】
通常の当業者は、少なくともプロセスおよび出発物質の要求事項に基づき、転化に必要な酵素の種類(内生または外生)を決定することができる。特に、中間体への転化および使用する特定酵素の要求事項は、当業者には明らかだろう。例えば、まず、アルファ−ラムノシダーゼを用いてナランジン(配糖体)をプルニン(中間配糖体)に転化させ、次に、グルコシダーゼによるブドウ糖部分の加水分解によって、そのフラボノイドアグリコン形態であるナリンジニンに転化させなければならない。
【0037】
アグリコンへの十分な転化に必要な時間は、植物材料、使用酵素、温度および全プロセス要求事項(すなわち、濃縮物中のフラボノイドの最終レベルがどのようである必要があるか)によって異なる。例えば、ハウチワマメ「アルブス」の粉砕芽での転化に必要な時間は、室温で16分以内であることが分かっている。フラボノイド配糖体および/またはその共役物の転化は完全であることが望ましい。しかし、出発物質中のフラボノイド配糖体および/またはその共役物の部分はフラボノイドアグリコンに転化しないという見込みが高く、現実的である。明らかに、転化の程度が高まるにつれ、ますます多くのフラボノイドアグリコンが抽出プロセスから回収されるようになるだろう。いかなる場合も、本発明の方法で達成される転化レベルは、必要なプロセス出力を含め、操作パラメータによって決まることになるだろう。
【0038】
植物材料が萌芽の場合、種子の多様性および品質、萌芽温度および時間、並びに光の存在および浸漬水のpHによって、萌芽種子中のフラボノイド・レベルが影響を受ける可能性が高い。また、植物材料を特に事前処理して配糖体レベルを上げた後、本発明の方法を行うこともできる。例えば、銅溶液、ジャスモノイド、真菌抽出物または糖溶液で植物材料を処理して、材料中の内生イソフラボン・レベルを上げることができる。その代わりに、切断等の物理的応力を子葉に加えることによっても、種子等の植物材料によるイソフラボン生成を増加させることができる。
【0039】
よって、植物材料を事前に日光等の光にさらし、内生イソフラボン・レベルをさらに上昇させた後、本発明の濃縮物を生成することが望ましい。
【0040】
また、植物材料を事前処理して、配糖体から1つまたはそれ以上の糖残渣またはその一部を除去した後、フラボノイドアグリコンの酵素転化を行うこともできる。この点に関しては、フラボノイド配糖体を処理して、糖残渣、または糖類単位等の、その一部のいくつかを加水分解し、部分転化フラボノイド配糖体を得ることができる。この方法を選んだ場合、フラボノイド配糖体から少なくとも1つの糖残渣を引き離す強力な酸を用いて、加水分解によってフラボノイド配糖体から1つまたはそれ以上の糖残渣を除去することができる。
【0041】
所定の抽出プロセス、より具体的には酵素転化の最適性能を得るために、他の変数を調整する必要が生じる場合がある。これらの変数の調整と、転化を最大にする諸条件の特定の組み合わせは、当業者には容易に分かる。かかる変数には、温度、含水率、および、他の溶質または酵素安定剤の添加が含まれる。
【0042】
また、本発明の方法に従って生成された抽出物をさらに処理して、当該フラボノイドの濃縮レベルをさらに上げることができることも十分理解されるだろう。この点に関しては、アルコール浸出等の追加の精製手順を実施することもできる。
【0043】
いったん、フラボノイドアグリコンが生成されると、重合またはその他の不要な修正から同アグリコンを保護する必要が生じる場合がある。例えば、ポリフェノール酸化酵素の活性を制限または除去して、フラボノイドアグリコンの重合を防ぐ必要が生じる。これは、物理的な手段(例えば熱)もしくは化学的な手段(例えば二酸化硫黄、メタ重亜硫酸ナトリウム、シアン化水素酸、一酸化炭素、1種または複数種のタンパク質消化酵素)によって、および/または酸素排除法の使用、例えば、二酸化炭素もしくは窒素雰囲気を供給することによって、または真空吸引によって達成することができる。後者のアプローチでは、ポリフェノール酸化酵素の活性を従来の方法で永続的に除去できるようになるか、その代わりに、ポリフェノール酸化酵素を含む液体または固体からフラボノイドアグリコンが分離され終わるまで、酸素の排除を維持する。
【0044】
フラボノイドアグリコンが不溶性になるようにpHを調整する。pHを調整して、少なくとも約2pH単位とし、抽出されるフラボノイドの最低pKa値未満に抑えることが望ましい。例えば、ゲネステインおよびバイオカニンAに関しては、pH5.2またはそれ以下が望ましい。いっそう望ましいのは、4.1または4.2のように、pHを約4〜4.5に調整することである。
【0045】
フラボノイドアグリコンを不溶性にするためのpH調整は、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、酢酸またはプロピオン酸等の、液体、固体または気体の形態を取る酸の添加を含め、当業者には明らかな数種の方法うちの1つを用いて行うことができる。十分な割合のフラボノイドアグリコンが確実に不溶性となるようにpHを変更する。必要な場合には、反応物の完全な混合と、推定されるフラボノイドアグリコンの事実上最も完全な酸性化を確実にするために、撹拌しながらpH調整を行うことができる。可溶画分を処理して、フラボノイドアグリコンの不溶性相でのより完全な残留をなお一層押し進めることもできる。
【0046】
懸濁液または沈殿物にフラボノイドアグリコンが十分含まれるようになった後、酸性水可溶成分を除去して、量の減った材料を乾燥させ、フラボノイド強化濃縮物を得ることができる。糖、ミネラル、サポニン、アミノ酸およびペプチド等の存在する酸性水可溶成分を除去して濃縮を行う。
【0047】
酸性水可溶成分の抽出は、植物材料の物理的パラメータによって速度制御され、単なる浸漬や濾過とは異なるいくつかの方法を用いて実施することができるが、その方法とは、引力またはカウンタ・カレント抽出法等の、より強制的な抽出アプローチを用いて酸性水溶液を降下させ、スクリーン上の残留物質の間を通過させるというものである。水溶性成分を抽出するためのその他の手段および方法は、当業者には明らかだろう。
【0048】
最終濃縮物を形成するための浸出材料の乾燥は、いくつかある方法のうちの1つを用いて行うことができる。ただし、方法は、微生物腐敗させない速さで、温度は、タンパク質成分を損なう熱による場合のように、望ましくない風味となる、または、栄養価および消化率を過度に低下させるほど高すぎることはない。噴霧乾燥も可能性の1つであるが、当業者にはその他の方法も明らかである。
【0049】
場合により、配糖体からアグリコンへの転化後、さらなる処理が好都合となるまで、反応混合物を乾燥させるかまたは乾燥させずに保管することができる。ポリフェノール酸化酵素等の、様々なレベルのイソフラボン破壊酵素が材料に含まれる場合には、まず、それらの酵素を不活性化することになる。
【0050】
出発物質として植物材料を使用した場合に生じる恐れのある1つの面倒な問題は、濃縮時における不要な植物性タンパク質の共沈である。この点に関しては、フラボノイドアグリコンの分離法の実施時に操作する様々な条件では、植物性タンパク質から同アグリコンを十分に分離することはできない。出発物質またはプロセス実施時に適用される追加処理工程を用いてこれに対処し、共沈に関連する問題の数を少なくとも減らすことは可能である。
【0051】
よって、本発明は、本発明の方法においてフラボノイドアグリコンの濃度が過度に希釈されることがないように不要タンパク質を修正する、さらなる処理を含みうる。かかる処理には、酸性化工程の後、可溶性相において不要タンパク質またはタンパク質材料のレベルを上げる処理が含まれる。
【0052】
処理としては様々なものが利用可能で、通常の当業者には容易に分かる処理も含まれる。本発明が包含する処理には、化学処理(例えば加水分解)、植物材料の酵素処理後の酸性pH調整が含まれる。その代わりに、タンパク質は吸収するがフラボノイドアグリコンは吸収しない物質を詰めたカラムに、酵素転化後の反応混合物を通すこともできる。
【0053】
アグリコンに特有のpHでフラボノイドアグリコンを不溶性することにより、最終濃縮物中の非フラボノイドタンパク質のレベルを下げることが望ましい。この目的のために望ましいpHは、約1〜3、いっそう望ましいのは、約1.5〜2.5である。また、pH調整には、硫酸よりも塩酸またはリン酸を使用する方が望ましいということも分かっている。その理由は、これらの酸の方が効率的にタンパク質を可溶化することが分かっているからである。
【0054】
特定pHの利用に代わる方法として、またはその利用に加えて、本発明の方法には、加水分解酵素を用いて汚染タンパク質を選択的または優先的に分解した後、アグリコンを不溶性にする工程も含まれる。また、この工程は、最終濃縮物中のフラボノイド・レベルをも改善する。
【0055】
よって、不要タンパク質を酸性媒質に可溶な形態に転化させるペプシンまたはパパイン等のプロテイナーゼを用いて、細胞破壊工程から生じる反応混合物を処理することができる。また、ゲル濾過を含め、サイズ排除クロマトグラフィーも利用でき、そうでない場合も、フラボノイド分子の通過は許すがそれより大きいタンパク質の通過は許さないほど小さな孔のサイズ排除薄膜フィルターであれば使用することができる。また、微生物を消化または吸収するタンパク質を用いた発酵を含め、他の生物学的手段も利用できる。また、抽出プロトコルでは粉砕材料のエンシレージ化も役立つことがある。
【0056】
また、出願人は、反応混合物中の他成分のレベルを操作して最終濃縮物中のフラボノイド濃度を最大にするために様々な措置を取ることができるということも確認済みである。
【0057】
反応混合物からの物理的分離によって、または有機溶剤抽出によって、濃縮物中の脂質レベルを下げることができる。できれば、当該フラボノイドの共抽出を最低限に抑えるように、使用する溶剤または混合溶剤を選定するべきである。
【0058】
植物の生化学的な反応を利用して脂質レベルを下げることが望ましい。この点に関しては、萌芽および発芽後に冷却工程を用いると、濃縮物中に残留する脂質のレベルが低下することが分かっている。よって、本発明はまた、適切なフラボノイド配糖体および/またはその共役物を含む萌芽形態の植物材料から、フラボノイドアグリコン濃縮物を生成するための方法をも提供する。その方法は、
(i)既定期間、既定温度に萌芽を冷却する工程と、
(ii)フラボノイド配糖体またはその共役物をフラボノイドアグリコンに酵素転化させる工程と、
(iii)フラボノイドアグリコンが比較的不溶性になるようにpHを調整して、同アグリコンを含む濃縮物を形成する工程とからなる。
【0059】
既定期間および温度は、植物材料の種類、最終濃縮物の希望濃度により異なって構わない。温度は、10℃以下の低温あることが望ましく、さらに望ましいのは、6℃以下の低温である。期間は、少なくとも1〜6週間が望ましい。しかし、当業者が通常の試行および実験を用いれば、特定の抽出の期間および温度を確定できることは理解されるだろう。
【0060】
食物繊維を含め、炭水化物に関しては、一部の事例では、食品化合物が、体に良いと認められているため、食品添加物の成分として高く評価されることがある一方、他の事例では、生体利用効率の理由からこれを減らして、フラボノイドに関して、さらに可能ならタンパク質に関しても、その相対的レベルを上昇させるか、または、水溶性成分のさらに効率的な除去を可能にすることが望ましい場合がある。炭水化物を分解する能力のある酵素製剤を使用して炭水化物のレベルを下げることができる。かかる酵素製剤には、ヘミセルラーゼまたはセルラーゼを含む製剤が含まれる。
【0061】
配糖体からアグリコンへの転化後または転化中、pH調整工程に移る前に、炭水化物レベルを操作することが望ましい。
【0062】
濃縮物中の不要タンパク質レベルの低下によるフラボノイド・レベルの改善に代わる方法として、濃縮物中の総タンパク質含有量の増加によって栄養学的アピールを増すこともできる。この点に関しては、タンパク質濃縮物の希望最終用途によっては、総タンパク質レベル、フラボノイド・レベル共に高いことが望ましい場合がある。総タンパク質含有量を最大にするために、反応混合物中のタンパク質分解酵素に配慮しなければならない。同酵素はタンパク質を異化し、従ってタンパク質の収量を低下させる役割を果たすことができる。例えば、ハウチワマメ「アルブス」の芽に存在するあるタンパク質分解酵素の最大pH値、pH4.0は、タンパク質不溶性が最大となる推定pH値、pH4.0〜4.5に近い。
【0063】
よって、本発明にはまた、反応混合物中のタンパク質分解酵素を不活性化する工程も含まれる。反応混合物を加熱することによってタンパク質分解酵素を不活性化することができ、それによってタンパク質の沈殿が増加し、よって、可溶画分からのタンパク質の分離が容易になるというさらなる利点が生じる。温度は様々で構わないが、45℃以上あることが望ましい。その代わりに、化学的手段を用いてタンパク質分解酵素を不活性化することもできる。ただし、化学物質の添加は、配糖体からアグリコンへ十分な転化が行われた後に限られる。
【0064】
その代わりに、タンパク質分解酵素の内生レベルの低い栽培変種由来の植物材料を使用して、または、萌芽および発芽する成長期間および/または温度を操作して、内生タンパク質分解酵素の影響を制限することができる。
【0065】
本発明はまた、添加ゴムおよび高分子陰イオン(例えばアラビアゴム)、カルボキシメチルセルロース、ポリガラクト尿酸、アルギン酸塩、カラゲーニンおよびヘキサメタリン酸塩、並びに、カルシウム、マグネシウムおよび亜鉛等の2価の陽イオン等、タンパク質の不溶性を最大にする凝固剤またはその他の化合物の使用をも提供する。これらの薬剤を添加して、反応混合物由来のタンパク質の残留を改善することもでき、よって、結果として生じる濃縮物中のタンパク質量を増加させることができる。
【0066】
本明細書の全体を通じて、前後関係から必要でない限り、「含む(comprise)」という語または「comprises」もしくは「comprising」等のその変化形は、表示された1整数または整数群の包含を意味するものの、それ以外の1整数または整数群の排除を意味するものではないことは理解されるだろう。
【発明の効果】
【0067】
先行技術の方法より高いレベルおよび収率で植物濃縮物中のイソフラボノイドを得るための簡易かつ便利な方法が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
いかなる点でも上記の記載を制限しない以下の例を参照しつつ、本発明の解説を行う。
【実施例1】
【0069】
発芽ハウチワマメ「アルブス」からのイソフラボノイド強化濃縮物の生成。
[0067]タスマニア産スーパーループ(Superlupe)の栽培変種であると仮同定した平均種子重量0.7gのビター・ホワイト・イタリアン・ルピナス(ルピヌス・アルブス(Lupinus albus))を24時間浸漬して、その間2度1時間ずつ空気中に出し、その後12時間ごとに約1時間ずつ浸漬した。
【0070】
ハウチワマメ(ルピナス)を低強度の間接日光にあて、約20℃〜25℃の室温に放置して発芽させ、成長しない衰耗種子を取り除いて積み重ね高さを低く保つように注意を払った。12日目、根が十分に伸び一部の子葉がほぼ完全に開いて第1葉が展開した時、芽をブレンダーで加工した。外皮のついていない重量191グラムの56芽を2回分に分け、3分間、同重量の水と混ぜ合わせた。
【0071】
2回目の混合の終了から30分間放置してイソフラボン配糖体の酵素加水分解を進めた後、スラリーに400mlの水を加えてさらに希釈し、pHをpH4.2に調節した。このようにして調製した懸濁液をその後22分間、時々かき回した。1晩おいた後、ホイットマン・ナンバー1濾紙で懸濁液を濾過した。濾過の完了後、数時間にわたって数度、残留物質をpH4.2の新鮮な溶液ですすいだ(使用容積、約390ml)。
【0072】
1日後、濾過した物質を68℃のファン強制空気で乾燥させ、含水率3.2g/100gの物質10.11gを得た。同物質の水分レベルが10%になるまで放置して、10.9gのイソフラボン強化ハウチワマメ濃縮物を得た。その特性は次の通り。
【0073】
【表1A】
Figure 2004530443
【0074】
この濃縮物を7時間、軽油スピリット(約750ml、約45〜50℃に加温)に浸漬して、0.98gの脂質と約125mgのイソフラボンを浸出させた。
【0075】
68℃のファン強制空気で乾燥させ、物質9.01gを得た。室内水分と平衡状態になるまで乾燥物質を放置すると、重量は9.67gに増加した。その100gあたりの組成は、次の通り。
【0076】
【表1B】
Figure 2004530443
【実施例2】
【0077】
残留タンパク質を増加させるために加熱工程を用いた、発芽アルブス・ハウチワマメからのイソフラボノイド強化濃縮物の生成
【0078】
タスマニア産の栽培変種「スーパーループ」と仮同定したビター・ホワイト・イタリアン・ルピナス(ルピヌス・アルブス)を24時間浸漬して、その間2回、1時間ずつ空気中に出し、その後12時間ごとに約1時間浸漬した。萌芽種子と成長しない種子を分け、個々の種子が十分な成長スペースを確保できるように注意を払った。
【0079】
ハウチワマメを低強度の間接日光にあて、約20℃〜25℃の室温に放置して発芽させ、12日目、根が十分に伸び一部の子葉がほぼ完全に開いて第1葉が展開した時、芽をキッチンブレンダーで加工した。外皮のついていない重量182グラムの56芽を2口に分け、4分間、同重量の水と混ぜ合わせた。
【0080】
2度目の混合の終了から30分間放置してイソフラボン配糖体の酵素加水分解を進めた後、スラリーに400mlの水を加えてさらに希釈し、pHをpH4.2に調節した。このようにして調製した懸濁液をその後25分間、時々かき回した。その後40分間、懸濁液を約62.5℃に加熱して、少なくとも一部のタンパク質を凝固させた。1晩おいた後、ホイットマン・ナンバー1濾紙で懸濁液を濾過した。濾過の完了後、数時間にわたって数回、残留物質をpH4.2の新鮮な溶液で洗浄した(使用容積、約640ml)。
【0081】
1日後、濾過した物質を68℃のファン強制空気で乾燥させ、含水率3.1g/100gの物質14.4gを得た。同物質の水分レベルが10%になるまで放置して、次のようなイソフラボン強化ハウチワマメ濃縮物、15.5gを得た。
【0082】
【表2A】
Figure 2004530443
【0083】
この濃縮物を7時間、ミネラルスピリット(約750ml、約45〜50℃に加温)に浸漬して、2.58gの脂質と約127mgのイソフラボンを浸出させた。
【0084】
68℃のファン強制空気で乾燥させ、11.69gのミネラルを得た。室内水分と平衡状態に達するまで乾燥物質を放置すると、重量は12.69gに増加した。その100gあたりの組成は、次の通り。
【0085】
【表2B】
Figure 2004530443
【0086】
31.8/100g(乾燥重量ベース)という低レベルの可能性が高いにもかかわらず、ハウチワマメ「アルブス」がオーストラリア産で、平均タンパク質含有率39.5g/100g(乾燥重量ベース)の種子であると仮定すると、
【0087】
加熱(酸性pHタンパク質分解酵素の不活性化)によって、タンパク質残留効率は、乾燥種子100gあたり9.3gから13.1gに、すなわち、予想されるハウチワマメ原タンパク質の約3分の1以上に上昇した。酵素不活性化までの時間を短縮してタンパク質残留効率を上げると、錯化陽イオンの使用によって、原タンパク質の約2分の1が残留という、市販のマメ科植物タンパク質濃縮物製品に見られる効率になると期待できる。
【実施例3】
【0088】
低温貯蔵後、残留タンパク質を増加させるために加熱工程を用いた、発芽アルブス・ハウチワマメからのイソフラボノイド強化濃縮物の生成
【0089】
タスマニア産の栽培変種「スーパーループ」と仮同定したビター・ホワイト・イタリアン・ルピナス(ルピヌス・アルブス)を24時間浸漬して、その間2回、1時間ずつ空気中に出し、その後12時間ごとに約1時間浸漬した。萌芽種子と成長しない種子を分け、個々の種子が十分な成長スペースを確保できるように注意を払った。
【0090】
ハウチワマメを低強度の間接日光にあて、約20℃〜25℃の室温に放置して発芽させ、12日目、根が十分に発育し、一部の子葉がほぼ完全に開いて第1葉が展開した時、水に漬け湿らせた紙を敷いた容器に芽を入れ、6℃で8日間保管した。
【0091】
温度を室温(25.0℃)に調整した後、芽を容器から取り出し、キッチンブレンダー(パナソニック製「スーパーブレンダー」)で加工した。外皮のついていない、平均重量3.41g(1芽あたり)の63芽を2口に分け、3分間、液化オプション部品を付けて同重量の水と混ぜ合わせた。
【0092】
2度目の混合の終了から33分間放置してイソフラボン配糖体の酵素加水分解を進めた後、スラリーに400mlの水を加えてさらに希釈し、pHをpH4.1に調節した。このようにして調製した懸濁液をその後20分間、時々かき回した。その後45分間、懸濁液を約62.5℃に加熱して、少なくとも一部のタンパク質を凝固させた。1晩おいた後、ホイットマン・ナンバー1濾紙で懸濁液を濾過した。濾過の完了後、数時間にわたって数回、残留物質をpH4.2の新鮮な溶液で洗浄した(使用容積、680ml)。
【0093】
1日後、濾過した物質を68℃のファン強制空気で乾燥させ、含水率2.5g/100gの物質9.86gを得た。同物質の水分レベルが10%になるまで放置して、次のようなイソフラボン強化ハウチワマメ濃縮物、10.67gを得た。
【0094】
【表3A】
Figure 2004530443
【0095】
この濃縮物を7時間、石油スピリット(約750ml、約45〜50℃に加温)に浸漬して、0.46gの脂質と約98mgのイソフラボンを浸出させた。
【0096】
68℃のファン強制空気で乾燥させ、物質9.30gを得た。室内水分と平衡状態に達するまで乾燥物質を放置すると、重量は10.00gに増加した。その100gあたりの組成は、次の通り。
【0097】
室内水分と平衡状態に達するまで放置した生成物として、100gあたり:
【0098】
【表3B】
Figure 2004530443
【0099】
粉砕発芽ルピヌス・アルブスから抽出した酸不溶性イソフラボンアグリコンの分析は、乾燥させ、メタノールで抽出し、プロトン核磁気共鳴と高圧液体クロマトグラフィーとを紫外線分光法と組み合わせて分析するものだが、同分析は、含まれる大半がゲニステインであり、2’−ヒドロキシゲニステインはそれより少なく、その他のイソフラボノイドは少量であることを示す。
【0100】
本発明の方法は、飼料および/または栄養補助食品として使用するための、フラボノイド濃縮物の大規模生産へのスケールアップに適した比較的簡易なプロセスを用いて、大量の特定イソフラボンアグリコンを生成することを可能にする。イソフラボンを含む濃縮物は、従来、脱脂ダイズ材料から作られ、3つのイソフラボンが、ゲニステイン>ダイドゼイン>グリシトリンの順位で含まれることが分かっている。一定の発芽マメ科植物は細胞を破壊すると、酸性溶液不溶性のアグリコンイソフラボンが原種子量あたり、かなりの高レベルで得られ、ダイズ種子の総イソフラボン含有量の6倍を超えるだけでなく、それらイソフラボン種の構造も大幅に異なる可能性が高いことが分かっている。
【0101】
よって、本発明は、イソフラボン含有量は他より高いものの様々な構造を持つ濃縮物の可能性を示す。このような濃縮物とは、ゲニステインよりもダイドゼインを多く含むもの(発芽ダイズ)や、ゲニステインイソフラボンの割合が大幅に高いもの(アルブスおよびアングスチフォリウス・ハウチワマメ栽培変種の芽)、修正ゲニステインを含むもの(アルブスおよびアングスチフォリウス・ハウチワマメ栽培変種の芽)、また、含まれるイソフラボンが基本的に1対1または2対1のホルモネンチン対バイオカニンA比を示す濃縮物(それぞれ、「デシ(desi)」ヒヨコマメと同「カブリ(Kabuli)」の芽)等である。
【0102】
これらのイソフラボンは、生化学的に同一ではなく、効果や健康上の利益が異なり、従って、その需要は、単一イソフラボン結合構造のみに限定されることはないだろう。萌芽豆の利用に関するアプローチによって、より多くの市場区分における注文生産製品の製造が可能となる。
【実施例4】
【0103】
発芽アングスチフォリウス・ハウチワマメからのイソフラボノイド強化濃縮物の生成
【0104】
収穫後約6か月のガングルー(gunguruu)栽培変種、アングスチフォリウス(ホソバ)・ハウチワマメ(ルピヌス・アングスチフォリウス)を民間の穀物輸出業者から入手し(平均種子重量0.15g)、24時間浸漬して、その間2回、1時間ずつ空気中に出し、その後12時間ごとに約1時間浸漬した。
【0105】
ハウチワマメを約25℃の室温に放置して発芽させ、低強度の間接日光にあてた。8日後、すべての芽を不萌芽種子から取り分け、水に漬け湿らせた紙を敷いた容器に入れ、6℃で5日半保管した。
【0106】
ハウチワマメを約25℃の室温に放置して発芽させた。この段階で、ハウチワマメの両子葉は開いて大きく離れ、一部の第1葉は展開していたが、小葉が分離する程度で、まだ、小葉が平らに開いてしまうほどではなかった。茎の長さは約6〜7cm、色が変わった頂上部分から測った根の長さは最大8.8cmであった。
【0107】
温度を室温(25.0℃)に調整した後、芽を容器から取り出し、キッチンブレンダー(パナソニック製「スーパーブレンダー」)で加工した。外皮のついていない、平均重量1.14グラム(1芽あたり)の468芽を4口に分け、3分間以上、液化オプション部品を付けて同重量の水と混ぜ合わせた。第1と第2の混合物、第3と第4の混合物を合わせて、それぞれ約534gの2つとした。この時点で、懸濁液の温度は、それぞれ32℃と33℃であった。
【0108】
混合の終了から90分放置してイソフラボン配糖体の酵素加水分解を進めた後、2つの最終懸濁液(スラリー)に水を加えて、最終重量が800gになるようにさらに希釈し、pHをpH4.5に調節した。このようにして調製した懸濁液をその後60分間、時々かき回し、その後、懸濁液を目の粗い紙で濾過した。濾過の完了後、2時間半以上にわたって数回、残留物質をpH4.5の新鮮な溶液で洗浄した(使用容積、500ml)。
【0109】
1日後、濾過した物質を68℃のファン強制空気で乾燥させ、空中水分と平衡状態に達するまで放置すると、それぞれ24.57gと22.62gの物質が得られ、これは、原種子100gあたり70gと64.4gに相当する。濃縮物中のヘキサン可溶性脂質含有率は、約5.3g/100gであった。
【0110】
空気乾燥物質中のイソフラボン・レベルは、それぞれ268mg/100gと305mg/100g、すなわち、原種子100gあたり188mgと196mg相当であった。
【0111】
粉砕発芽ガングルー・アングスチフォリウス・ハウチワマメから抽出した酸不溶性イソフラボンアグリコンの分析は、乾燥させ、メタノールで抽出し、プロトン核磁気共鳴と高圧液体クロマトグラフィーとを紫外線分光法と組み合わせて分析するものだが、同分析は、含まれる大半(約3分の2)がゲニステインであり、2’−ヒドロキシゲニステインはそれより少なく、少量のホルモノネチンと、1重および2重のプレニル化イソフラボノイドが含まれていることを示す。
【実施例5】
【0112】
新鮮(非冷蔵)発芽ダイズからのイソフラボノイド強化濃縮物の生成
【0113】
出所不明の栽培変種ダイズ(グリシン・マックス)を大口食材店から購入した。同種子は、サイズ分けされていなかった(平均種子重量0.175g)。同種子を24時間浸漬して、その間2回、1時間ずつ空気中に出し、その後12時間ごとに約1時間浸漬した。
【0114】
ダイズを約25℃の室温に放置して発芽させ、低強度の間接日光にあてた。6日半後、ほとんどの芽は内側から種皮を押し退け、子葉は緑色を呈して垂直な茎上で水平に曲がり始めており、一部の子葉は開いていたが、第1葉の出現はなかった。根の長さは最大6cm、茎の長さは最大8cmであった。
【0115】
芽をキッチンブレンダー(パナソニック製「スーパーブレンダー」)で加工した。外皮のついていない、重量189.5グラムの269芽を3分間以上、同重量の水と混ぜ合わせた。配合終了時の温度は35.4℃であった。
【0116】
2度目の混合の終了から1時間放置してイソフラボン配糖体の酵素加水分解を進めた後、スラリーに400mlの水を加えてさらに希釈し、pHをpH4.5に調節した。5℃で1晩おいた後、目の粗い紙で懸濁液を濾過した。濾過の完了後、2時間以上にわたって3回、残留物質をpH4.5の新鮮な溶液で洗浄した(使用容積、約400ml)。
【0117】
1日後、濾過した物質を68℃のファン強制空気で乾燥させ、その後、空中水分と平衡状態に達するまで放置して、24.57gの物質を得たが、これは、原種子100gあたり54.7gに相当する。濃縮物中のヘキサン可溶性脂質含有率は、約21.6g/100gであった。
【0118】
空気乾燥物質中のイソフラボン・レベルは、680mg/100g、すなわち、原種子100gあたり370mg相当であった。
【実施例6】
【0119】
冷蔵発芽ダイズからのイソフラボノイド強化濃縮物の生成
【0120】
実施例5と同じ植物材料、すなわち出所不明の栽培変種ダイズ(グリシン・マックス)を大口食材店から購入した。同種子は、サイズ分けされていなかった(平均種子重量0.175g)。同種子を24時間浸漬して、その間2回、1時間ずつ空気中に出し、その後12時間ごとに約1時間浸漬した。
【0121】
ダイズを約25℃の室温に放置して発芽させ、低強度の間接日光にあてた。6日半後、芽を不萌芽種子から取り分け、水に漬け湿らせた紙を敷いた容器に入れ、6℃で6日半保管した。
【0122】
温度を室温(25℃)に調整した後、芽を容器から取り出し、キッチンブレンダー(パナソニック製「スーパーブレンダー」)で加工した。この段階で、子葉の大半はちょうど割れ始めたばかりであったが、外側の端はまだ一緒にくっついたままで、少数が両子葉の間から第1葉を伸ばしていただけだった。茎の長さは最大11cmで、根の長さは最大8cmであった。
【0123】
外皮のついていない、重量253.7グラムの298芽を3分間以上、同重量の水と混ぜ合わせた。配合終了時の温度は35℃であった。
【0124】
2度目の混合の終了から1時間15分放置してイソフラボン配糖体の酵素加水分解を進めた後、スラリーに400mlの水を加えてさらに希釈し、pHをpH4.5に調節した。1時間おいた後、目の粗い紙で懸濁液を濾過した。濾過の完了後、2時間以上にわたって1回、残留物質をpH4.5の新鮮な溶液で洗浄した(使用容積、約200ml)。
【0125】
1日後、濾過した物質を68℃のファン強制空気で乾燥させ、その後、空中水分と平衡状態に達するまで放置して、24.64gの物質を得たが、これは、原種子100gあたり47.3gに相当する。濃縮物中のヘキサン可溶性脂質含有率は、約13.3g/100gであった。
【0126】
空気乾燥物質中のイソフラボン・レベルは、450mg/100g、すなわち、原種子100gあたり236mg相当であった。
【0127】
粉砕発芽ダイズから抽出した酸不溶性イソフラボンアグリコンの分析は、乾燥させ、メタノールで抽出し、プロトン核磁気共鳴と高圧液体クロマトグラフィーとを紫外線分光法と組み合わせて分析するものだが、同分析は、含まれるイソフラボノイドの少数がゲニステイン(約28%)であり、残りの約72%がダイドゼインで、さらにホルモノネチンもあることを示す。
【実施例7】
【0128】
発芽「カブリ」ヒヨコマメからのイソフラボノイド強化濃縮物の生成
【0129】
カブリ、すなわち出所不明の栽培変種ヒヨコマメ・ガバンゾ(gabannzo)(シサー・アリティナム)(平均重量0.51g)を地中海食材店から購入した。同種子を24時間浸漬して、その間2回、1時間ずつ空気中に出し、その後12時間ごとに約1時間浸漬した。
【0130】
ヒヨコマメを約25℃の室温に放置して発芽させ、低強度の間接日光にあてた。10日半後、芽は、茎に小葉が3・4枚ついた段階であった。子葉はすべては開いておらず、種皮は過度に制限的であった。シュートの長さは最大4.5cmで、根の長さは最大8cm、十分に伸びた側根の長さは最大1.7cmであった。
【0131】
芽をキッチンブレンダー(パナソニック製「スーパーブレンダー」)で加工した。外皮を取った、重量130gの99芽を3分間、同重量の水と混ぜ合わせた。
【0132】
混合の終了から1時間放置してイソフラボン配糖体の酵素加水分解を進めた後、スラリーに260mlの水を加えてさらに希釈し、pHをpH4.5に調節した。スラリーを室温に放置して約2時間おき、その後さらに1時間半、0℃で保管した後、目の粗い紙で濾過し、続いて、残留固体を何回か、pH4.5の水溶液で洗浄した(総容積、約500ml)。
【0133】
1日後、濾過した物質を65℃のファン強制空気で乾燥させ、その後、空中水分と平衡状態に達するまで放置して、36.81gの物質を得たが、これは、原種子100gあたり72gに相当する。濃縮物中のヘキサン可溶性脂質含有率は、約9.9%であった。
【0134】
空気乾燥物質中のイソフラボン・レベルは、915mg/100g、すなわち、原種子100gあたり660mg相当であった。
【0135】
粉砕発芽「カブリ」ヒヨコマメから抽出した酸不溶性イソフラボンアグリコンの分析は、乾燥させ、メタノールで抽出し、プロトン核磁気共鳴と高圧液体クロマトグラフィーとを紫外線分光法と組み合わせて分析するものだが、同分析は、含まれるイソフラボノイドが基本的にホルモノネチンとバイオカニンAであって、その比率はおよそ65対35、さらにプラテンセインとゲニステインの痕跡もあることを示す。
【実施例8】
【0136】
発芽「デシ」ヒヨコマメからのイソフラボノイド強化濃縮物の生成
【0137】
サイズ分けはされていないが平均重量は0.121gの出所不明の栽培変種ヒヨコマメ「デシ」(シサー・アリティナム)を地中海食材店から購入した。同種子を24時間浸漬して、その間2回、1時間ずつ空気中に出し、その後12時間ごとに約1時間浸漬した。
【0138】
ヒヨコマメを約25℃の室温に放置して発芽させ、低強度の間接日光にあてた。7日半後、芽は、茎の頂上に第3葉托がついた段階で、根と芽の長さは様々であったが、根の最大長は7.2cmで、茎の最大長は4.1cmであった。
【0139】
芽をキッチンブレンダー(パナソニック製「スーパーブレンダー」)で加工した。外皮を取った重量183gの410芽を3分間、同重量の水と混ぜ合わせた。
【0140】
混合の終了から1時間放置してイソフラボン配糖体の酵素加水分解を進めた後、スラリーに376mlの水を加えてさらに希釈し、pHをpH4.5に調節した。さらに2時間15分後、懸濁液を目の粗い紙で濾過し、続いて、残留固体を何回か、pH4.5の水溶液で洗浄した。洗浄水溶液の総容量は約350mlであった。
【0141】
1日後、濾過した物質を68℃のファン強制空気で乾燥させ、その後、空中水分と平衡状態に達するまで放置して、その後、33.67gの物質を得たが、これは、原種子100gあたり68gに相当する。濃縮物中のヘキサン可溶性脂質含有率は、約6.4g/100gであった。
【0142】
空気乾燥物質中のイソフラボン・レベルは、428mg/100g、すなわち、原種子100gあたり290mg相当であった。
【0143】
粉砕発芽「デシ」ヒヨコマメから抽出した酸不溶性イソフラボンアグリコンの分析は、乾燥させ、メタノールで抽出し、プロトン核磁気共鳴と高圧液体クロマトグラフィーとを紫外線分光法と組み合わせて分析するものだが、同分析は、含まれるイソフラボノイドが基本的にホルモノネチンとバイオカニンAであって、その比率はおよそ55対45、さらにホルモノネチンの痕跡があることを示す。
【0144】
当業者には明らかなその他の修正および適用は、本発明の範囲内に包含されるものとする。
【0145】
本明細書の全体を通して、前後関係から必要でない限り、「含む(comprise)」という語または「comprises」もしくは「comprising」等のその変化形は、表示された1整数または整数群の包含を意味するものの、それ以外の1整数または整数群の排除を意味するものではないことが理解されるだろう。

Claims (4)

  1. (i)フラボノイド配糖体またはその共役物をフラボノイドアグリコンに酵素転化する工程と、
    (ii)フラボノイドアグリコンが比較的不溶性になるようにpHを調整して、同アグリコンを含む濃縮物を形成する工程と、
    からなることを特徴とする、適切なフラボノイド配糖体および/またはその共役物を含む植物材料からフラボノイドアグリコン濃縮物を生成するための方法。
  2. (i)植物材料の細胞構造を破壊して、フラボノイド配糖体またはその共役物からフラボノイドアグリコンへ酵素転化をさせる工程と、
    (ii)フラボノイドアグリコンが比較的不溶性になるようにpHを調整して、同アグリコンを含む濃縮物を形成する工程と、
    からなることを特徴とする、適切なフラボノイド配糖体および/またはその共役物を含む植物材料から強化フラボノイド濃縮物を生成するための方法。
  3. (i)植物材料の細胞構造を破壊して、付加的な内生酵素を添加し、フラボノイド配糖体またはその共役物からフラボノイドアグリコンへ酵素転化をさせる工程と、
    (ii)フラボノイドアグリコンが比較的不溶性になるようにpHを調整して、同アグリコンを含む濃縮物を形成する工程と、
    からなることを特徴とする、適切なフラボノイド配糖体および/またはその共役物を含む植物材料から強化フラボノイド濃縮物を生成するための方法。
  4. (i)既定期間、既定温度に萌芽を冷却する工程と、
    (ii)フラボノイド配糖体またはその共役物をフラボノイドアグリコンに酵素転化させる工程と、
    (iii)フラボノイドアグリコンが比較的不溶性になるようにpHを調整して、同アグリコンを含む濃縮物を形成する工程と、
    からなることを特徴とする、適切なフラボノイド配糖体および/またはその共役物を含む萌芽形態の植物材料からフラボノイドアグリコン濃縮物を生成するための方法。
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