JP2004529074A - サフラマイシン、そのアナログ、およびその使用 - Google Patents

サフラマイシン、そのアナログ、およびその使用

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JP2004529074A JP2002543487A JP2002543487A JP2004529074A JP 2004529074 A JP2004529074 A JP 2004529074A JP 2002543487 A JP2002543487 A JP 2002543487A JP 2002543487 A JP2002543487 A JP 2002543487A JP 2004529074 A JP2004529074 A JP 2004529074A
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アンドリュー マイヤーズ,
アレイン ティー. プロウライト,
ダニエル ダブリュー. クン,
ブライアン ランマン,
ジョゼフ バーベイ,
シェンクオ シン,
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    • C07D471/12Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, at least one ring being a six-membered ring with one nitrogen atom, not provided for by groups C07D451/00 - C07D463/00 in which the condensed system contains three hetero rings
    • C07D471/18Bridged systems
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • AHUMAN NECESSITIES
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Abstract

新規治療剤およびその合成に有効な方法を開発する必要性を認識し、本発明は、一般式(I)の新規化合物、および式(I)の化合物の合成方法を提供する。別の局面において、本発明は、式(I)の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を提供する。さらに別の局面において、本発明は、癌を処置する方法を提供する。この方法は、癌の処置を必要とする被験体に、治療有効量の式(I)の化合物を投与する工程を包含する。

Description

【0001】
(優先権についての情報)
本出願は、2000年11月3日に出願された仮出願番号第60/245,888号、表題「Synthesis of Saframycins,Analogues and Uses Thereof」に対して、米国特許法第119条第(e)項に基づく優先権を主張し、その全ての内容を、本明細書中で参考として援用する。
【0002】
(政府による補助)
本発明は、一部、National Institutes of Healthの助成(助成金番号:7 R37 CA47148−12)を受けてなされた。従って、政府は、本発明において特定の権利を有する。
【0003】
(発明の背景)
新規の治療剤の発見は、伝統的に微生物の生物学的に活性な二次代謝産物の同定に依存してきた。これらの化合物は、天然産物の豊富な供給源を提供し、この天然産物は、直接的に有効な治療剤として使用されるか、または合成技術により開発される新規の治療剤をのためのリードを提供するかのいずれかであった。
【0004】
新規の治療剤の開発が特に重要である疾患の1つは、癌であり、癌は「治癒」から逃れるだけでなく、ヒト集団の死の主要な疾患関連原因の1つでもある。天然の供給源から同定されたかまたは開発された抗癌剤のいくつかの例として、パクリタキセル、マイトマイシンCおよびアドリアマイシンの名前が挙げられる。しかし、天然資源に由来する2次代謝産物の使用に対する欠点の1つは、これらの薬剤が一般に、非常にわずかしか存在しないことである。幸い、これらの薬剤を使用のためにより利用可能にし、そしてさらなる薬学的研究を可能とするための試みにおいて、合成化学者らは、天然産物それ自体またはその有用な誘導体のいずれかの産生を可能とするために、洗練されかつ効率的な合成ストラテジーを、開発してきた。
【0005】
これらの治療剤および天然の供給源から開発された他の薬剤は、合成化学者の努力によって、癌を有する個体の処置のために現在使用されるが、これらの薬剤の多くならびに手術および放射線のような他の一般的な処置は、しばしば腫瘍細胞に対して選択的でなくおよび/または個体を有意に免疫無防備状態にするほどに毒性である。従って、新規の処置の開発において多くの進歩がなされてきたが、さらなる治療剤、好ましくはより選択的でより毒性の少ない治療剤の同定が必要とされるままである。
【0006】
重要な目的物を生み出してきた天然産物の1つの特定のファミリーは、サフラマイシン(saframycin)である。サフラマイシンは、グラム陽性細菌に対する活性を有する抗生物質のクラスであり、数種の腫瘍に対しても活性を有する。具体的には、近年いくつかのサフラマイシンアナログが、単離されそして特徴付けられた(DE 2839668;米国特許第4,248,863号;同第4,372,947号;同第5,023,184号、同第4,837,149号;およびEP329606号を参照のこと)。例えば、サフラマイシンA〜H、RおよびSは、Streptomyces lavendulaeの培養物ブロス(culture broth)から単離され、そしてサフラマイシンMX1およびMX2は、ミコバクテリウムMyxococcus xanthusの培養物ブロスから単離され、各サフラマイシンは、環系の酸化状態およびコア構造の置換において異なる(例えば、Saitoら、Chem.Pharm.Bull.1995、43、777を参照のこと)。特定のサフラマイシン、すなわちAおよびCは、培養細胞、およびいくつかの実験的腫瘍(白血病L1210およびP388ならびにエールリッヒ癌腫(Ehrlich carcinoma)を含む)に対する非常に強い細胞傷害性を示すことが示唆されている。特に、サフラマイシンAは、培養細胞においてRNA合成をブロックすることが示され、サフラマイシンAおよびCが、DNAに結合しそして切断するその能力に起因して、この効力を示すことが示唆された(サフラマイシンの生物学的活性の考察については、例えば、Lownら、Biochemistry 1982、21、419;Ishiguroら、Biochemistry 1978、17、2545;Raoら、Chem.Res.Toxicol 1990、3、262;Ishiguroら、J Biol.Chem.1981、256、2162を参照のこと)。このクラスの天然産物は、有望な生物学的活性を示すものの、このファミリーの天然産物の新規なアナログの合成および開発のための研究はほとんどない(EP233841;EP173649;Fukuyamaら、J.Am.Chem.Soc.1982、104、4957〜4958;Kuboら、J.Org.Chem.1988、53、4295〜4310;Fukuyamaら、J.Am.Chem.Soc.1990、112、3712〜3713を参考のこと).
より強力かつより選択的な新規の治療剤の開発のために、明らかに、このクラスの天然産物およびそのアナログの可能性についてのさらなる研究が、必要なままである。さらに、このクラスの天然産物の構造の複雑さに起因して、サフラマイシンおよび他の関連化合物の一般的コア構造に基づく、新規の化合物に迅速に到達するためのさらなる合成技術の開発もまた、必要なままである。
【0007】
(発明の要旨)
新規の治療剤およびその合成のための効果的な方法の開発の必要性を認めて、本発明は、(I)の一般式の新規の化合物、およびそれを合成するための方法を提供する。
【0008】
【化56】
Figure 2004529074
本発明はさらに、式(I)の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物を提供する。さらに別の局面において、本発明は、癌を処置するための方法を提供し、この方法は、それを必要とする被験体に、薬学的有効量の式(I)の化合物を投与する工程を包含する。
【0009】
(発明の詳細な説明)
新規の抗癌治療剤およびこのような治療剤の調製のためのより効果的なプロセスの開発の必要性を認めて、本発明は、新規の化合物およびその調製のための方法を提供する。一般に、1つの局面において、本発明は、抗癌活性を有するサフラマイシン抗腫瘍抗生物質の新規なアナログを提供する。さらに別の局面において、本発明は、これらの化合物(一般的にはアルカロイド)を生成するための有効な方法を提供し、この方法は、置換アルデヒド前駆体の指向性の縮合を包含する。意義深いことに、本発明によって提供される方法論は、治療用途のために有意な量で、これらの新規な化合物の効率的な生成を可能にする。
【0010】
(1)本発明の化合物についての一般的な説明)
上記のように、本発明の1つの局面において、サフラマイシン抗腫瘍抗生物質の新規なアナログを提供する。一般に、構造(I)を有する化合物:
【0011】
【化57】
Figure 2004529074
およびその薬学的に受容可能な誘導体が、提供され、ここで、RはNR、−OR、−SR、−C(=O)R、−C(=S)R、−S(O)、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、ここで、RおよびRの各存在は、独立して、水素、−(C=O)R、−NHR、−(SO)R、−OR、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であるか、あるいは、RおよびRが一緒になって、アリール部分、ヘテロアリール部分、脂環式部分、もしくはシクロヘテロ脂肪族(cycloheteroaliphatic)部分を形成する場合、ここで各Rの各存在は独立して、水素、−OR、−SR、−NHR、−(C=O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、ここでRの各存在は独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、またはヘテロアリールチオ部分であり;
ここで、Rは水素、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、ここでRの各存在は独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
ここでRは、水素、窒素保護基、−COOR、−COR、−CN、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、ここでRの各存在は、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
ここでRおよびRはそれぞれ独立して、水素、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
ここでRおよびRはそれぞれ独立して、水素、−OR、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分もしくはヘテロアリール部分であり、ここでRの各存在は独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
ここでRは水素、アルキル、−OH、保護されたヒドロキシル、=O、−CN、−SCN、ハロゲン、−SH、保護されたチオ、アルコキシ、チオアルキル、アミノ、保護されたアミノ、またはアルキルアミノであり;
ここでmは0〜5であり;
ここでX、X、XおよびXはそれぞれ独立して、水素、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、ここで各Rの各存在は独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
およびX、またはXおよびXの少なくともいずれかが、6員環に対して二重結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの単結合および1つの二重結合を表し、そしてキノン部分が生成されるか、あるいはXおよびXまたはXおよびXの少なくともいずれかが6員環に対して単結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの二重結合および1つの単結合を表し、そしてヒドロキノン部分が生成され;
それによって、前記の脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分およびアルキル部分の各々は、独立して、置換していても置換していなくてもよいか、分岐していても分岐していなくてもよいか、または環式でも非環式でもよく、そして上記のアリール部分またはヘテロアリール部分は、独立して、置換されても置換されなくてもよい。
【0012】
本発明の特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式(Ia)に示されるような以下の立体化学および構造:
【0013】
【化58】
Figure 2004529074
を有する、一般に上記されるような化合物の特定の実施形態において、そして本明細書中のクラスおよびサブクラスにおいて、特定の天然に存在するサフラマイシンおよび他の関連する天然産物が、除外されこれらには、以下:
サフラマイシンA、B、C、D、E、F、G、H、R、S、Y、Yd1、Ad1、Yd2、Y2b、Y2b−d、AH、AHAc、AH、AHAc、AR、MX−1およびMX−2;サフラシン(safracin)AおよびB;レイネルアマイシン(reineramycin)A、B、D、E、およびF;ならびにキストマイシン(xestomycin)が挙げられることが理解される。
【0014】
特定の他の実施形態において、上記の化合物についておよび本明細書中のサブクラスにおいて、mが1の場合、Rは以下の基のいずれか1以上を除外する:−NH(保護基)、−NH、−NHCOCOMe、−NHCOC(Me)(OMe)(OMe)、−NHCOCH(NH)CH、−NHCOCH(NH(アシル))CH、−NHCOCH(NH)Ac、またはNHCOCH(NHCOOBn)(Me);−O(C=O)C(CH)=C(CH)H;−OH、−O(保護基)、−O(COCH)、−O(C=O)CHCH
【0015】
さらに他の実施形態において、上記および本明細書中に記載される特定の化合物について、mが1の場合;X、X、XおよびXがそれぞれ=Oの場合;Rが−CNまたは−OHの場合;RおよびRがそれぞれ−CHの場合;RおよびRがそれぞれ−OCHの場合;RがHの場合;ならびにRが−NH(C=O)Rの場合、Rは−CH(NR)(CH)ではなく、RおよびRは、それぞれ独立して、水素またはC1−7アルキル基、アリール(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルキルアリール基、置換したスルホニル(−S(O)−)基、もしくは置換したアシル基であり、そしてRは水素もしくはC1−4アルキルである。
【0016】
なおまた他の実施形態において、上記および本明細書中に記載される特定の化合物について、mが0の場合;X、X、XおよびXがそれぞれ=Oの場合;Rが−CNの場合;RおよびRがそれぞれ−CHの場合;RおよびRがそれぞれ−OCHの場合;RがHの場合;ならびにRがNH(C=O)Rの場合、Rは−C(OH)(Me)CH(C=O)Meではない。
【0017】
さらに他の実施形態において、上記および本明細書中に記載される特定の化合物について、mが1の場合かつRがHの場合;ならびにRは、NH(C=O)Rの場合、Rは、−CH(Me)NH(C=O)O(CH)Phではない。
【0018】
なお他の実施形態において、上記および本明細書中に記載される特定の化合物について、mが1であり;RはHであり;XはHであり;かつRは−C(=O)Rである場合、Rは−O(アルキル)ではない。あるいは、特定の他の実施形態において、RはHであり;mは1であり;そしてRは−ORであり場合、Rは−C(=O)RでもS(O)でもなく、ここでRは、アルキル部分である。
【0019】
(2)化合物の特徴的なクラス)
上記に一般に記載された化合物について、化合物の特定のクラスは、特に興味深いことが理解される。例えば、特に興味深い化合物のクラスの1つとして、上記に記載され、そして本明細書中の特定のサブクラス内の本発明の化合物が挙げられ、ここでこの化合物は、一般構造(II):
【0020】
【化59】
Figure 2004529074
を有し、ここでR〜R、X〜Xおよびmは、上記で規定されそして本明細書中のサブクラス内である。
【0021】
特に興味深い化合物の別のクラスとして、上記に記載され、そして本明細書中の特定のサブクラス内の本発明の化合物が挙げられ、ここでこの化合物は、一般構造(III)内の:
【0022】
【化60】
Figure 2004529074
を有し、ここで、R〜R、X〜X、m、RおよびRは上記に規定され、そして本明細書中のサブクラス内である。
【0023】
特に興味深い化合物のさらに別のクラスとして、上記に記載され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である本発明の化合物が挙げられ、ここでこの化合物は、一般構造(IV):
【0024】
【化61】
Figure 2004529074
を有し、ここで、R〜R、X〜X、m、RおよびRは、上記に規定され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である。
【0025】
特に興味深い化合物のさらに別のクラスとして、上記に記載され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である本発明の化合物が挙げられ、ここでこの化合物は、一般構造(V):
【0026】
【化62】
Figure 2004529074
を有し、ここでR〜R、X〜X、mおよびRは、上記に規定され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である。
【0027】
特に興味深い化合物のさらに別のクラスとして、上記に記載され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である本発明の化合物が挙げられ、ここでこの化合物は、一般構造(VI):
【0028】
【化63】
Figure 2004529074
を有し、ここでR〜R、X〜X、mおよびRは、上記に規定され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である。
【0029】
特に興味深い化合物のさらに別のクラスとして、上記に記載され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である本発明の化合物が挙げられ、ここでこの化合物は、一般構造(VII):
【0030】
【化64】
Figure 2004529074
を有し、ここでR〜R、X〜X、mおよびRは、上記に規定され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である。
【0031】
特に興味深い化合物のさらに別のクラスとして、上記に記載され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である本発明の化合物が挙げられ、ここでこの化合物は、一般構造(VIII):
【0032】
【化65】
Figure 2004529074
を有し、ここでR〜R、X〜X、mおよびRは、上記に規定され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である。
【0033】
特に興味深い化合物のなお別のクラスとして、上記に記載され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である本発明の化合物が挙げられ、ここでこの化合物は、一般構造(IX):
【0034】
【化66】
Figure 2004529074
を有し、ここでR〜R、X〜X、およびmは、上記に規定され、そして本明細書中のあるサブクラス内であり、そしてここで、Rは置換もしくは非置換の、環式もしくは非環式の、分岐しているかもしくは分岐していない脂肪族部分もしくはヘテロ脂肪族部分であるか、または置換もしくは非置換のアリール部分もしくはヘテロアリール部分である。
【0035】
特に興味深い化合物のさらに別のクラスとして、上記に記載され、そして本明細書中の特定のサブクラス内である本発明の化合物が挙げられ、ここでこの化合物は、一般構造(X)を有し:
【0036】
【化67】
Figure 2004529074
ここでR〜R、X〜X、およびmは、上記に規定され、そして本明細書中のあるサブクラス内であり、そしてここで、Rは置換もしくは非置換の、環式もしくは非環式の、分岐しているかもしくは分岐していない脂肪族部分もしくはヘテロ脂肪族部分であり、あるいは置換もしくは非置換のアリール部分もしくはヘテロアリール部分である。
【0037】
以下の化合物は、一般に記載され、そして本明細書中のクラスおよびサブクラス内である特定の化合物を例示する:
【0038】
【化68】
Figure 2004529074
上記の各クラスの多数の重要なサブクラスについては、個々に言及するに値する;これらのサブクラスとして、上記の各クラスのサブクラスが挙げられ、ここで:
i)上記および本明細書中に記載された本発明の化合物はエナンチオピュアー(enantiopure)である;
ii)上記に記載され、そして本明細書中のサブクラス内の化合物であり、ここでmが1の場合、Rは、以下の基のいずれか1以上を除外する:−NH(保護基)、−NH、NHCOCOMe、−NHCOC(Me)(OMe)(OMe)、−NHCOCH(NH)CH、−NHCOCH(NH(アシル))CH、−NHCOCH(NH)Ac、またはNHCOCH(NHCOOBn)(Me);−O(C=O)C(CH)=C(CH)H;−OH、−O(保護基)、−O(COCH)、−O(C=O)CHCH
iii)上記に記載され、そして本明細書中のサブクラス内の化合物であり、ここでmが1の場合;X、X、XおよびXがそれぞれ=Oである場合;Rが−CNまたは−OHである場合;RおよびRがそれぞれ−CHである場合;RおよびRがそれぞれ−OCHである場合;RがHである場合;そしてRが、−NH(C=O)Rである場合、Rは、−CH(NR)(CH)であり、ここでRおよびRは、それぞれ独立して、水素またはC1−7アルキル基、アリール(C1−4)アルキル基、(C1−4)アルキルアリール基、置換スルホニル(−S(O)−)基、あるいは置換アシル基であり、そしてここで、Rは水素またはC1−4アルキルであり;
iv)上記に記載され、そして本明細書中のサブクラス内の化合物であり、ここでmが1の場合;X、X、XおよびXがそれぞれ=Oである場合;Rが−CNである場合;RおよびRがそれぞれ−CHである場合;RおよびRがそれぞれ−OCHである場合;RがHである場合;そしてRが−NH(C=O)Rである場合、Rは−C(OH)(Me)CH(C=O)Meではなく;
v)上記に記載され、そして本明細書中のサブクラス内の化合物であり、ここでmが1でありかつRがHであり;そしてRが−NH(C=O)Rである場合、Rは−CH(Me)NH(C=O)O(CH)Phではない;
vi)上記に記載され、そして本明細書中のサブクラス内である化合物であり、ここでmが0であり;RがHであり;XがHであり;そしてRが−C(=O)Rである場合、Rは−O(アルキル)ではない。あるいは、特定の他の実施形態において、RがHであり;mが1であり;およびRが−ORである、場合、Rは−C(=O)RでもS(O)でもなく、ここでRはアルキル部分である。
vii)mは、0または1であり;
viii)RはCN、−SCN、=O、OH、保護されたヒドロキシル、 H、またはアルコキシであり;
ix)Rは水素、ヒドロキシル、−CNまたは−SCNであり;
x)Rは水素、窒素保護基、−CN、−CHCN、脂肪族またはアリールであり;
xi)RおよびRは、それぞれアルキルであり;
xii)RおよびRは、それぞれアルキルオキシまたはチオアルキルであり;
xiii)Rは、水素、アルキル、−OH、保護されたヒドロキシル、=O、−CN、−SCN、ハロゲン、−SH、保護されたチオ、アルコキシ、チオアルキル、アミノ、保護されたアミノ、またはアルキルアミノであり;
xiv)Rは、水素であり;
xv)X、X、XおよびXはそれぞれ独立して、アルコキシ、−OH、保護されたヒドロキシル、または=Oであり;
xvi)Rは、CN、−SCN、=O、OH、保護されたヒドロキシル、H、またはアルコキシであり;Rは、水素、窒素保護基、−CN、−CHCN、脂肪族、またはアリールであり;RおよびRは、それぞれアルキルであり;RおよびRは、それぞれアルキルオキシまたはチオアルキルであり;Rは水素、アルキル、−OH、保護されたヒドロキシル、=O、CN、ハロゲン、SH、アルコキシ、チオアルキル、アミノ、またはアルキルアミノであり;そしてX、X、X、およびXは、それぞれ独立して、アルコキシ、OHまたは=Oであり;
xvii)Rは、−CN、−SCN、−OH、保護されたヒドロキシル、H、またはアルコキシであり;Rは水素、窒素保護基、脂肪族、またはアリールであり;RおよびRは、それぞれアルキルであり;RおよびRは、それぞれアルキルオキシまたはチオアルキルであり;XおよびXは、それぞれ−OHであり;Rは、水素、アルキル、OH、保護されたヒドロキシル、=O、CN、ハロゲン、SH、アルコキシ、チオアルキル、アミノ、またはアルキルアミノであり;そしてXおよびXは、それぞれアルキルオキシまたはチオアルキルであり;
xviii)XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、そしてRはHであり;
xix)Rは、OR、SR、またはNRであり、ここでRおよびRはそれぞれ独立して、水素、−(C=O)Rまたは脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、ここでRは、−(C=O)Rまたは、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、そしてここで、Rは、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、またはヘテロアリール部分であるか、もしくはここで、RとRとは、一緒になって、ヘテロ環式部分を形成し、それによって上記の脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々は、独立して、置換もしくは非置換の、分岐しているかもしくは分岐していない環式もしくは非環式の、そして上記のアリール部分、ヘテロアリール部分もしくはヘテロ環式部分は、独立して、置換もしくは非置換であり;
xx)RはOR、SR、またはNRであり、ここでRおよびRはそれぞれ独立して、水素、−(C=O)R、またはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、ここでRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、あるいはここでRおよびRは一緒になってヘテロ環式部分を形成し、それによって上記の脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々は、独立して置換もしくは非置換の、分岐しているかもしくは分岐していない、または環式もしくは非環式の、そして上記のアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環式部分の各々は、独立して、置換または非置換であり;
xxi)Rは−NRC(=O)Rであり、ここでRは水素または低級アルキルであり、そしてRは、置換または非置換の、分岐しているかまたは分岐していない、環式かまたは非環式の脂肪族部分またはヘテロ脂肪族部分であるか、あるいは置換または非置換のアリール部分またはヘテロアリール部分であるか、あるいはここで、RおよびRは一緒になってヘテロ環式部分またはヘテロアリール部分を形成し;
xxii)Rは、NRC(=O)Rであり、ここでRは、水素または低級アルキルであり、そしてRは、アリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であるか、あるいはここで、RおよびRは、一緒になってヘテロ環式部分またはヘテロアリール部分を形成し;
これによって上記の脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々は独立して、置換または非置換の、分岐しているかまたは分岐していない、あるいは環式または非環式であり、そして上記のアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環式部分の各々は独立置換または非置換であり;
xxiii)Rは置換または非置換の、分岐しているかまたは分岐していない、環式または非環式の脂肪族部分またはヘテロ脂肪族部分であるか、あるいは置換または非置換のアリール部分またはヘテロアリール部分であり;
xxiv)Rは、アリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり;
ここで、上記の脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々は独立して、置換または非置換の、分岐しているかまたは分岐していない、あるいは環式または非環式であり、そして上記のアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環式部分の各々は、独立して、置換または非置換であり;
xxv)R、R、R、R、またはRのいずれか1つ以上は独立して、以下のいずれか1つの基:
【0039】
【化69】
Figure 2004529074
であり、ここでRの各存在は、独立して、水素、保護基、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、NHC(O)R、−B(OR、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、ここでRの各存在は独立して、水素、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であるか、あるいはここで2つのRの存在は、一緒になって環式の脂肪族部分もしくはヘテロ脂肪族部分を形成し;ここでYの各存在は独立して、O、SまたはNHであり;ここでxの各存在は独立して、0〜5であり;そしてここでnの各存在は独立して、0〜3であるか、あるいはここでRは標識試薬であり、
それによって上記の各脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々は、独立して、置換または非置換の、分岐しているかまたは分岐していない、あるいは環式または非環式であり、そして上記のアリール部分およびヘテロアリール部分の各々は独立置換または非置換であり;
xxvi)Rは、水素であり、Rは、−(C=O)Rであり、そしてRはiii、iv、vii、viii、ix、x、xv、またはxviiであるか、あるいはRおよびRは、一緒になって、iまたはiiの構造を形成し;
xxvii)Rは、水素であり、Rは、−(C=O)Rであり、そしてRは、:
【0040】
【化70】
Figure 2004529074
であり;
xxviii)Rは水素、ハロゲン、−OH、低級アルキルまたは低級アルコキシであり;
xxix)Rは、リンカー−ビオチン部分またはリンカー−フルオレセイン部分であり;そして
xxx)xは、1または2である。
【0041】
読者が理解するように、特に興味深い化合物としては、数ある中でも、1つ以上の上記のサブクラスの特性を共有する化合物が挙げられる。これらのサブクラスのいくつかは、以下の化合物の分類によって例示される。
【0042】
I)一般的に、上記ならびに本明細書中のクラスおよびサブクラス中に記載のような以下の式:
【0043】
【化71】
Figure 2004529074
の化合物。
【0044】
特定の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、Rは水素であり、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であるか、または、ここでRおよびRは、一緒になって、ヘテロ環部分もしくはヘテロアリール部分を形成し、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0045】
特定の他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、Rは水素であり、そしてRは本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つであるか、またはRおよびRは、一緒になって、群iまたはiiの構造である。
【0046】
なお他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、Rは水素であり、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であるか、または、ここでRおよびRは、一緒になって、ヘテロ環部分もしくはヘテロアリール部分を形成し、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0047】
さらに他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、Rは水素であり、そしてRは本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つであるか、またはRおよびRは、一緒になって、群iまたはiiの構造である。
【0048】
II)一般的に、上記ならびに本明細書中のクラスおよびサブクラス中に記載のような以下の式:
【0049】
【化72】
Figure 2004529074
の化合物。
【0050】
特定の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、Rは水素であり、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であるか、または、ここでRおよびRは、一緒になって、ヘテロ環部分もしくはヘテロアリール部分を形成し、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0051】
特定の他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、Rは水素であり、そしてRは本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つであるか、またはRおよびRは、一緒になって、群iまたはiiの構造である。
【0052】
なお他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、Rは水素であり、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であるか、または、ここでRおよびRは、一緒になって、ヘテロ環部分もしくはヘテロアリール部分を形成し、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0053】
さらに他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、Rは水素であり、そしてRは本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つであるか、またはRおよびRは、一緒になって、群iまたはiiの構造である。
【0054】
III)一般的に、上記ならびに本明細書中のクラスおよびサブクラス中に記載のような以下の式:
【0055】
【化73】
Figure 2004529074
の化合物。
【0056】
特定の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0057】
特定の他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0058】
なお他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0059】
さらに他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0060】
IV)一般的に、上記ならびに本明細書中のクラスおよびサブクラス中に記載のような以下の式:
【0061】
【化74】
Figure 2004529074
の化合物。
【0062】
特定の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0063】
特定の他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0064】
なお他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0065】
さらに他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0066】
V)一般的に、上記ならびに本明細書中のクラスおよびサブクラス中に記載のような以下の式:
【0067】
【化75】
Figure 2004529074
の化合物。
【0068】
特定の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0069】
特定の他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0070】
なお他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0071】
さらに他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0072】
VI)一般的に、上記ならびに本明細書中のクラスおよびサブクラス中に記載のような以下の式:
【0073】
【化76】
Figure 2004529074
の化合物。
【0074】
特定の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0075】
特定の他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0076】
なお他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、mは1であり、そしてRはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0077】
さらに他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0078】
VII)以下の式:
【0079】
【化77】
Figure 2004529074
の化合物。
【0080】
ここで、Rは脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0081】
特定の他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0082】
なお他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、mは0または1であり、そしてRは脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0083】
さらに他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0084】
VIII)以下の式:
【0085】
【化78】
Figure 2004529074
の化合物。
【0086】
ここで、Rは脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0087】
特定の他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0088】
なお他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、mは0または1であり、そしてRは脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、これによって、この脂肪族部分およびヘテロ脂肪族部分の各々が、独立に置換されるかもしくは置換されず、分枝するかもしくは非分枝であり、または環状もしくは非環状であり、そしてこのアリール部分、ヘテロアリール部分およびヘテロ環部分の各々は、独立に置換されるかもしくは置換されない。
【0089】
さらに他の実施形態において、すぐ上に記載される化合物に対して、XはOHであり、XはOCHであり、XはOCHであり、XはOHであり、RはCN、HまたはOHであり、RはMeであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはCHであり、RはOCHであり、RはHであり、Rは、本明細書中に記載される群iii〜xviiiの任意の1つである。
【0090】
前述のいくつかの化合物のクラスおよびサブクラスは、種々の異性体形態で存在し得ることが認識される。本発明は、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体としての化合物、あるいは種々の異性体の混合物(例えば、ステレオアイソマーのラセミ混合物)としての化合物を含む。さらに本発明は、他に特に示さない限り、(Z)二重結合異性体と(E)二重結合異性体の両方を含む。本発明はまた、上記のような特定の化合物の互変異性体を含む。上記化合物自体に加えて、本発明は、これらの化合物の薬学的に受容可能な誘導体ならびに本発明の1つ以上の化合物、および1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤または添加物を含む組成物もまた含む。
【0091】
特に興味のある本発明の化合物は:
インビトロまたは科学的に受容可能な癌細胞異種移植片モデルを使用した動物の研究で維持される、癌細胞系に対する細胞障害性効果または増殖阻害効果を示す化合物;
既存の化学療法的薬剤に対して増強された水溶性を示す化合物、または水性媒体で処方されるために、追加的もしくは代替的に十分な溶解度を示す化合物;および、
既存の化学療法的薬剤より優秀な治療的プロフィール(例えば、最適な安全性および治療効果)を示す化合物、
を含む。
【0092】
本発明はまた、上記および本明細書中に記載される、少なくとも1つの化合物またはその薬学的に受容可能な誘導体を含む薬学的調製物を提供する。これらの化合物は、癌細胞の増殖を阻害するまたは殺傷することが可能であり、特定の目的の特定の実施形態において、多剤耐性癌細胞の増殖を阻害するまたは殺傷することが可能である。
【0093】
本発明はさらに、腫瘍の増殖および/または腫瘍の転移を阻害するための方法を提供する。特定の目的の特定の実施形態において、本発明は、多剤耐性癌細胞腫瘍に対して、腫瘍の増殖および/または腫瘍の転移を阻害することによって癌を処置する方法を提供する。この方法は、治療的有効量の化合物またはその薬学的に受容可能な誘導体を、それを必要とする被験体(ヒトまたは動物を含むが、これらに限定されない)に、投与することを含む。特定の実施形態において、特に、多剤耐性癌細胞を含む癌を処置することに対して、治療的有効量は、多剤耐性癌細胞株を殺傷するまたはその増殖を阻害するのに十分な量である。特定の実施形態において、本発明の化合物は、固形腫瘍の処置に対して有用である。
【0094】
(3)化合物および定義)
上で議論されたように、本発明は、癌およびそれに関する他の増殖状態の処置に有用な、新規クラスの化合物を提供する。本発明の化合物は、上記で示されそして本明細書中で記載される化合物を含み、本明細書中の他で開示される種々のクラス、亜属(subgenera)および種によって、一部示される。
【0095】
多数の不斉中心が、本発明の化合物中に存在することは、当業者によって理解される。従って、発明の化合物およびその薬学的組成物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何学的異性体の形態であり得るか、または立体異性体の混合物の形態であり得る。さらに、特定の実施形態において、本明細書中で詳述されるように、本発明の方法は、アルカロイドおよびそのアナログの立体選択的合成を提供する。従って、特定の実施形態において、本発明の化合物はエナンチオマー的に純粋である。
【0096】
さらに本発明は、発明の化合物の薬学的に受容可能な誘導体、およびこれら化合物を使用して被験体を処置する方法、その薬学的組成物、またはこれらと1つ以上の追加の治療剤との組合せを提供する。本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な誘導体」は、このような化合物の任意の薬学的に受容可能な塩、エステル、そのようなエステルの塩、あるいは、患者への投与において、本明細書中の他で記載される化合物または代謝産物もしくはその残留物を(直接的にまたは間接的に)提供することが可能である、任意の他の付加物または誘導体を示す。従って、薬学的に受容可能な誘導体は、他のプロドラッグを含む。プロドラッグは、化合物の誘導体で、通常、有意に減少された薬理学的活性を有し、この化合物は、薬理学的に活性な種として親分子を生じる、インビボでの除去に感受性である追加の部分を含む。プロドラッグの例は、インビボで切断され、目的の化合物を産出するエステルである。種々の化合物のプロドラッグ、および材料およびプロドラッグを作製するために親化合物を誘導するための方法は、公知であり、本発明に適合し得る。特定の例示的な、薬学的組成物および薬学的に受容可能な誘導体は、本明細書の以下でより詳細に議論される。
【0097】
本発明の特定の化合物および特定の機能性基の定義もまた、本明細書の以下でより詳細に議論される。本発明の目的に対して、化学的元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.,(内側のカバー)に従って同定され、そして特定の官能性基を、一般的にそれらに記載のように定義する。さらに、有機化学の一般原則、ならびに特定の官能性部分および反応性は、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999(その全体の内容は、参考として本明細書中に援用される)に記載される。さらに、本明細書中に記載されるように、合成方法が、種々の保護基を使用することは当業者によって理解される。本明細書中で使用される、用語「保護基」によって、特定の官能性部分(例えば、C、O、S、またはN)が、一時的にブロックされ、その結果、反応が多官能化合物において、別の反応部位で選択的に実行され得ることが意味される。好ましい実施形態において、保護基は、よい収率で選択的に反応し、計画される反応に安定な保護された基質を生成し;保護基は、容易に利用可能な、好ましくは、他の官能性基を攻撃しない非毒性の試薬によって、よい収率で選択的に除去されなければならず;保護基は、容易に分離可能な誘導体を(より好ましくは、新規のステレオジエン中心の生成をせずに)形成し;そして、保護基は、さらなる部位の反応を避けるために、最小限の追加の官能基を有する。本明細書中に詳細されるように、酸素保護基、硫黄保護基、窒素保護基および炭素保護基を使用し得る。例示的な保護基は、本明細書中で詳細されるが、本発明がこれらの保護基を限定しないことが理解される;むしろ、種々の追加の等価な保護基は、上記基準によって容易に同定され得、本発明の方法において使用され得る。さらに種々の保護基は、「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版、Greene,T.W.およびWuts,P.G.,編、John WileyおよびSons,New York:1999(その全体の内容は、参考として本明細書中に援用される)に記載される。さらに種々の炭素保護基は、Myers,A.;Kung,D.W.;Zhong,B.;Movassaghi,M.;Kwon,S.J.Am.Chem.Soc.1999,121,8401−8402(その全体の内容は、参考として本明細書中に援用される)に記載される。
【0098】
本明細書中に記載されるように、この化合物は、任意の数の置換基または官能基部分で置換され得ることが理解される。一般に、本発明の式に含まれる用語「置換された」(用語「必要に応じて」で始まるかどうかに関わらない)、および置換基は、所定の構造における水素ラジカルの、特定の置換基のラジカルへの置換をいう。任意の所定の構造において、1つより多くの位置が、特定の群から選択される1つより多くの置換基で置換され得る場合、この置換基は、全ての位置で同じか異なるかのいずれかであり得る。本明細書中で使用される場合、用語「置換された」は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むことを企図される。広い局面において、許容される置換基は、有機化合物の非環状置換基および環状置換基、分枝置換基および非分枝置換基、炭素環式置換基およびヘテロ環式置換基、芳香族置換基および非芳香族置換基を含む。本発明の目的に対して、窒素のようなヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満足する水素置換基および/または本明細書中に記載される有機化合物の任意の許容される置換基を有し得る。さらに、本発明は、有機化合物の許容される置換基によって、任意の方法に限定されることを意図されない。好ましくは、本発明により構想される置換基および改変体の組合せは、例えば癌を含む(がそれに限定されない)増殖性障害に対する処置において有用な、安定な化合物を形成する組合せである。本明細書中で使用される場合、用語「安定な」は、好ましくは、製造を十分許容する安定性を有し、そして検出するのに十分な時間、好ましくは、本明細書中に記載される目的に対して有用である十分な時間、化合物の完全性を維持する化合物をいう。
【0099】
本明細書中で使用される場合、用語「アシル」は、例えば、C(=O)Rのような、カルボニル含有官能基をいう。ここで、Rは、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、ヘテロ脂肪族(アリール)部分、またはヘテロ脂肪族(ヘテロアリール)部分であり、これによって、この脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、またはヘテロアリール部分の各々が、置換されるかまたは置換されず、あるいは置換された(例えば、水素または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分)酸素含有官能基または窒素含有官能基(例えば、カルボン酸官能基、エステル官能基、またはアミド官能基を形成する)である。
【0100】
本明細書中で使用される場合、用語「脂肪族」は、飽和脂肪族炭化水素および不飽和脂肪族炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(すなわち非分枝脂肪族炭化水素)、分枝脂肪族炭化水素、環状脂肪族炭化水素、または多環式脂肪族炭化水素を含み、それらは、必要に応じて、1つ以上の官能性基で置換される。当業者によって理解されるように、「脂肪族」は、本明細書中で、アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、シクロアルキル部分、シクロアルケニル部分、およびシクロアルキニル部分を含むことが意図されるが、これらに限定されない。従って、本明細書中で使用される場合、用途「アルキル」は、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基および環状アルキル基を含む。類似する慣例を、「アルケニル」、「アルキニル」などのような、他の一般的な用語に適用する。さらに、本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などは、置換された基と置換されていない基の両方を含む。本明細書中で使用される場合、特定の実施形態において、「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(環状であるか、非環状であるか、置換されているか、置換されていないか、分枝しているかまたは非分枝である)を示すために使用される。
【0101】
特定の実施形態において、本発明で使用される、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。他の特定の実施形態において、本発明で使用される、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、本発明で使用される、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。なお他の実施形態において、本発明で使用される、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、本発明で使用される、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1〜4個の炭素原子を含む。従って、例示的な脂肪族基として、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−CH−シクロプロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチル、−CH−シクロブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、−CH−シクロペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、シクロヘキシル、−CH−シクロヘキシル部分(また、1つ以上の置換基を有し得る)などが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なアルキニル基としては、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
本明細書中で使用される場合、用語「アルコキシ」または「チオアルキル」は、前に定義したように、酸素原子または硫黄原子を介して親分子部分に結合するアルキル基をいう。特定の実施形態において、アルキル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。他の特定の実施形態において、アルキル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、本発明で使用される、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。なお他の実施形態において、アルキル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、アルキル基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。アルコキシの例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシおよびn−ヘキソキシが挙げられるが、これらに限定されない。チオアルキルの例として、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
用語「アルキルアミノ」は、構造−NHR’を有する基をいい、ここで、R’は、本明細書で定義されるアルキルである。特定の実施形態において、アルキル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。特定の他の実施形態において、アルキル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、本発明で使用される、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。なお他の実施形態において、アルキル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、アルキル基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。アルキルアミノの例として、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
本発明の化合物の上記脂肪族部分(および他の部分)の置換基のいくつかの例として、脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;
【0105】
【化79】
Figure 2004529074
が挙げられるが、これらに限定されない。ここで、出現する各々のRとしては独立に、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、もしくはアルキルヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、または一緒になった任意の2つのRは、環状脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分であり、上記およびここで記載される、任意の脂肪族置換基、ヘテロ脂肪族置換基、アルキルアリール置換基、またはアルキルヘテロアリール置換基は、置換され得るかまたは非置換であり得、分枝し得るかまたは非分枝であり得、環状であり得るかまたは非環状であり得、そして、ここで、上記およびここで記載される任意のアリール置換基またはヘテロアリール置換基は、置換され得るかまたは非置換であり得る。一般的に適用可能な置換基のさらなる例は、本明細書中に記載される実施例中に示される特定の実施例によって例示される。
【0106】
一般的に、本明細書中で使用される場合、用語「アリール」および「ヘテロアリール」は、好ましくは、3〜14個の炭素原子を有する、安定な単環式または多環式、ヘテロ環式、多環式、およびヘテロ多環式不飽和部分をいい、それらの各々は、置換され得るかまたは非置換であり得る。置換基は、安定な化合物を形成する、任意の前述の置換基(すなわち、脂肪族部分について、または本明細書中に開示される他の部分について列挙される置換基)を含むが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態において、「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどを含む(がこれらに限定されない)、1つまたは2つの芳香環を有する単環式炭素環系または二環式炭素環系をいう。本明細書中で使用される場合、本発明の特定の実施形態において、用語「ヘテロアリール」は、1つの環原子がS、O、およびNから選択される、5〜10個の環原子を有する環式芳香族ラジカルをいい;0、1または2個の環原子は、S、O、およびNから独立に選択される追加のヘテロ原子であり;そして、残りの環原子は炭素であり、このラジカルは、任意の環原子を介して、分子の残りと結合される。「ヘテロアリール」としては、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルなどが挙げられる。
【0107】
アリール基およびヘテロアリール基(二環式アリール基を含む)は、置換され得るかまたは非置換であり得ることが理解され、ここで、置換は、アリール基およびヘテロアリール基の上の1つ、2つまたは3つの水素原子の、任意の1つ以上の、以下を含む部分での独立した置換を含むが、これらに限定されない:脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;
【0108】
【化80】
Figure 2004529074
ここで、出現する各々のRとしては独立に、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、もしくはアルキルヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、または一緒になった任意の2つのRは、環状脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、またはヘテロアリール部分であり、上記およびここで記載される、任意の脂肪族置換基、ヘテロ脂肪族置換基、アルキルアリール置換基、またはアルキルヘテロアリール置換基は、置換され得るかまたは非置換であり得、分枝し得るかまたは非分枝であり得、環状であり得るかまたは非環状であり得、そして、ここで、上記およびここで記載される任意のアリール置換基またはヘテロアリール置換基は、置換され得るかまたは非置換であり得る。一般的に適用可能な置換基のさらなる例は、本明細書中に記載される実施例中に示される特定の実施例によって例示される。
【0109】
本明細書中で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、3〜7個の炭素原子、好ましくは、3〜10個の炭素原子を有する基を特にいう。適切なシクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。そして、他の脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分またはヘテロ環部分のように、これらシクロアルキルは、必要に応じて、以下を含む置換基で置換され得るが、これらに限定されない:脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;
【0110】
【化81】
Figure 2004529074
ここで、出現する各々のRとしては独立に、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、もしくはアルキルヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、または一緒になった任意の2つのRは、環状脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、またはヘテロアリール部分であり、上記およびここで記載される、任意の脂肪族置換基、ヘテロ脂肪族置換基、アルキルアリール置換基、またはアルキルヘテロアリール置換基は、置換され得るかまたは非置換であり得、分枝し得るかまたは非分枝であり得、環状であり得るかまたは非環状であり得、そして、ここで、上記およびここで記載される任意のアリール置換基またはヘテロアリール置換基は、置換され得るかまたは非置換であり得る。一般的に適用可能な置換基のさらなる例は、本明細書中に記載される実施例中に示される特定の実施例によって例示される。
【0111】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロ脂肪族」は、例えば、炭素原子の代わりに、1つ以上の酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子またはケイ素原子を含む脂肪族部分をいう。ヘテロ脂肪族部分は、分枝し得るか、非分枝であり得るか、環状であり得るかまたは非環状であり得、モルホリノ、ピロリジニルなどのような飽和および不飽和のヘテロ環を含む。特定の実施形態において、ヘテロ脂肪族部分は、ヘテロ脂肪族上の1つ以上の水素原子の1つ以上の、以下の部分での独立した置換によって置換されるが、これらに限定されない:脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシルオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;
【0112】
【化82】
Figure 2004529074
ここで、出現する各々のRとしては独立に、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、もしくはアルキルヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、または一緒になった任意の2つのRは、環状脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、またはヘテロアリール部分であり、上記およびここで記載される、任意の脂肪族置換基、ヘテロ脂肪族置換基、アルキルアリール置換基、またはアルキルヘテロアリール置換基は、置換され得るかまたは非置換であり得、分枝し得るかまたは非分枝であり得、環状であり得るかまたは非環状であり得、そして、ここで、上記およびここで記載される任意のアリール置換基またはヘテロアリール置換基は、置換され得るかまたは非置換であり得る。一般的に適用可能な置換基のさらなる例は、本明細書中に記載される実施例中に示される特定の実施例によって例示される。
【0113】
用語「ハロ」および「ハロゲン」とは、本明細書中で使用される場合、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を称する。
【0114】
用語「ハロアルキル」とは、上に記載されるようにアルキル基を示し、このアルキル基に結合した1個、2個または3個のハロゲン原子を有し、そしてクロロメチル、ブロモエチル、トリフルオロメチルなどのような基により例示される。
【0115】
用語「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロ環」とは、本明細書中で使用される場合、非芳香族の5員環、6員環または7員環、もしくは多環式基を称し、酸素、硫黄および窒素から独立して選択される、酸素、硫黄および窒素から独立して選択される、1個〜3個の間のヘテロ原子を有する縮合した6員環を含む、二環式基、または三環式基が挙げられるが、それらに限定されず、ここで(i)各々の5員環は0〜1個の二重結合を有し、そして各々の6員環は0〜2個の二重結合を有し、(ii)窒素および硫黄のヘテロ原子は、必要に応じて酸化され得、(iii)窒素ヘテロ原子は、必要に応じて4級化され得、そして(iv)上記のヘテロ環式環の任意のものは、ベンゼン環と縮合し得る。代表的なヘテロ環としては、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニルおよびテトラヒドロフリルが挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施形態において、「置換されたヘテロシクロアルキルまたはヘテロ環」基が利用され、そして本明細書中で使用される場合、上に規定されるようにヘテロシクロアルキル基またはヘテロ環基をいい、この基上の1つ、2つまたは3つの水素原子の、脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO;−CN;−SCN;−CF;−CHCF;−CHCl;−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCH;−C(O)R;−CO(R);−CON(R;−OC(O)R;−OCO;−OCON(R;−N(R;−S(O);−NR(CO)Rまたは−B(OR(ただしこれらに限定されない)との、独立した置換により置換され、ここで、Rの各々の存在は、独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されないか、または、ここで、Rのうちの任意の2つは、一緒になって、環式の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールまたはヘテロアリールの部分であり、ここで、上記および本明細書中に記載された、任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリールの置換基は、置換されていても置換されていなくてもよく、分枝状であっても分枝状でなくてもよく、環式であっても環式であってもよく、そしてここで、上記および本明細書中に記載された、任意のアリールまたはヘテロアリールの置換基、置換されていても置換されていなくてもよい。一般的に適用可能な置換基のさらなる例は、本明細書中に記載される実施例において示される特定の実施形態により例示される。
【0116】
「標識される(た)」:本明細書中で使用される場合、用語「標識される(た)」とは、ある化合物が、その化合物の検出を可能にするために、少なくとも1つの元素、同位体または化学的化合物と結合れていることを意味することが意図される。特定の本発明の化合物が、本明細書中に使用されるような、直接または適切なリンカー(例えば、置換または無置換、分枝または非分枝、環式または非環式、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリールの部分)を介して本発明の化合物に結合された、元素、同位体または化学的化合物を意味することが意図される標識試薬と置換されることが理解される。特定の例示的な標識試薬は、本明細書中の例証において記載される;しかし、本発明はこれらの実施例に限定されることを意図されないことが理解される。むしろ、種々の標識試薬は、本発明の化合物に対する置換基として使用され得る。
【0117】
(4.合成方法論:)
上記および本明細書中に記載の化合物の各々は、本明細書中により詳細に記載される先進的な方法論に従って合成され得ることが理解される;しかし、これら化合物の合成は、本明細書中に記載される方法論に限定されない。むしろ、合成有機化学の分野において利用可能な全ての方法が、コンビナトリアル技術を含め、本発明の化合物を提供するために利用され得る。重要なことは、本明細書中に記載される方法論(そしてまた、Myers,A.G.,Plowright,A.T. J.Am Chem.Soc.2001,123,5114−5115;およびMyers,A.G.,Kung,D.W. J.Am.Chem.Soc.1999,121,10828−10829、その全体の内容が本明細書により参考として援用される(http://publ.acs.orgにてインターネットを介して利用可能な、Supplemental Materialsを含む))は、直接的に利用され得るか、または他の修飾アルカロイド構造体を生成するために改変され得る、アルカロイド構造体の有意な量の効率的な生成を可能にする。
【0118】
一般的に、本発明の先進的な方法は、(1)所望される数の、置換されたアルデヒド前駆体を供給する工程;および(2)前記の所望される数の、置換されたアルデヒド前駆体を、適切な条件下で反応させて、前記の所望される置換されたアルデヒド前駆体の決まった方向の縮合(directed condensation)をもたらす工程(これによってアルカロイドが生成される)を含む、アルカロイドの短時間の合成のための一般的な方法を提供する。特定の実施形態において、生成されたアルカロイド構造体が天然生成物の前駆体であり得、従って、適切な試薬との前記前駆体のその後の反応は、天然生成物またはその誘導体(例えば、サフラマイシンまたはその誘導体)を生成することが理解される。特定の他の実施形態において、生成されたアルカロイド構造体は、続けて官能化され得、生物学的試験および治療的使用に向けた、目的の種々の構造体を生成し得る、コア構造体を表す。特別な目的の特定の実施形態において、本発明の化合物は、非常に多くの例示の化合物の効率的な合成のために、本明細書中に記載されるような、固体相の方法論を使用して調製される。一般的に、特定の例示的な実施形態において、前記の所望される数の、置換されたアルデヒド前駆体を反応させる工程は、前記の所望される置換されたアルデヒド前駆体の決まった方向の縮合をもたらすような条件下で前記前駆体を反応させる工程を包含し、これによってアルカロイドが生成される。特定の実施形態において、置換されたアルデヒド前駆体は、α−アミノアルデヒド前駆体である。特定の他の実施形態において、α−アミノアルデヒドおよび他の置換されたアルデヒド前駆体の任意の組み合わせが利用されて(例えば、例証IV章を参照のこと)、コアの5員環構造体を多様化させ得る。
【0119】
特別な目的の特定の他の実施形態、特にサフラマイシンおよびその誘導体の合成に関した実施形態において、前記の所望される数の前駆体を供給する工程は、第1のN保護された前駆体、第2のC保護された前駆体、および第3の置換されたアルデヒド前駆体を供給することを包含し、そして適切な条件下で前記前駆体を反応させる工程は、さらに以下の工程を包含する:(1)前記の第1のN保護されたアルデヒド前駆体、および前記の第2のC保護されたアルデヒド前駆体とを適切な条件下で反応させて、テトラヒドロイソキノリンのコア構造体を生成する工程;(2)適切な条件下で、前記の第3の置換されたアルデヒド前駆体をテトラヒドロイソキノリンのコア構造体と反応させて、三量体のアルデヒドを生成する工程;(3)前記の三量体のアルデヒドを適切な条件下で反応させて、アルカロイドを生成する工程;そして(4)必要に応じて工程(3)で生成したアルカロイドをさらに反応させて、多様なアルカロイドを生成する工程。さらに、特定の実施形態において、工程(1)で生成されたテトラヒドロイソキノリンのコア構造体は、工程(2)の第3のアルデヒド前駆体との反応より前に多様化され得、さらなる多様性を生じる。特定の実施形態において、本明細書中に詳述されるように、第3の置換されたアルデヒド前駆体は、N保護されたα−アミノアルデヒド前駆体である。特定の他の実施形態において、第3のアルデヒド前駆体は、一般的に規定されるように、別の置換されたアルデヒド前駆体である。例えば、用語「置換されたアルデヒド前駆体」とは、本明細書中で使用される場合、一般的に式R(CHCHOの構造体をいい、ここでmは0〜5でありそしてRはNR、−OR、−SR、−C(=O)R、−C(=S)R、−S(O)、もしくは脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、(脂肪族)アリール、(脂肪族)ヘテロアリール、(ヘテロ脂肪族)アリール、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリールの部分であり、ここで、RおよびRの各々の存在は、独立して、水素、−(C=O)R、−NHR、−(SO)R、−OR、もしくは脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールまたはヘテロアリールの部分であるか、もしくは、RおよびRは一緒になると、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはシクロヘテロ脂肪族の部分を形成し、ここで、Rの各々の存在は独立して水素、−OR、−SR、−NHR、−(C=O)R、あるいは脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールまたはヘテロアリールの部分であり、ここで、Rの各々の存在は、独立して、水素、保護基、あるいは脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオの部分である。N保護されたa−アミノアルデヒド前駆体は、包括的用語「置換されたアルデヒド前駆体」により包含されることが理解される。特定の例示の実施形態は、以下および本明細書中の例証でより詳細に論じられる。
【0120】
本明細書中の例証の章にて、より詳細に記載されるように、一般的に上に記載される方法論は、一連のイミン構造体を生成し、続いてこれらイミンを適切な反応条件に供して環化反応をもたらす能力を利用し、このようにして所望のアルカロイド構造体を生成する。従って、特別な目的の1つの実施形態において、第1のN保護されたα−アミノアルデヒド前駆体(XI)が供給されて、そして適切な条件下で第2のC保護されたα−アミノアルデヒド前駆体(XII)と反応されて、テトラヒドロイソキノリンのコア構造体(XIII)を生成し、この反応は、まず、前記前駆体を反応させて、シッフ塩基の形成およびピクテ−スペングラーの環化をもたらし、そしてテトラヒドロイソキノリンのコア構造体(XIII)を生成する工程;および必要に応じてそのテトラヒドロイソキノリンのコア構造体(XIII)を反応させて、さらにそのコア構造体をRで官能化させる工程;そしてここで前記の第3のアルデヒド前駆体を前記テトラヒドロイソキノリンのコア構造体と反応させる工程は、適切な条件下で反応させて別のピクテ−スペングラーの環化をもたらし、三量体のアルデヒド(XIV)を生成する工程、および前記の三量体(XIV)を適切な条件下で反応させて環化をもたらし、そしてアルカロイド構造体(XV)を生成する工程を、包含する。
【0121】
特別な目的の特定の実施形態において、前記の第1のN保護されたα−アミノアルデヒド前駆体および前記の第2のC保護されたα−アミノアルデヒド前駆体は、以下の一般構造を有し:
【0122】
【化83】
Figure 2004529074
ここで、前記のテトラヒドロイソキノリンのコアは、構造(XIII)を有し:
【0123】
【化84】
Figure 2004529074
ここで、前記の第3のアルデヒド前駆体はR(CHCHOであり;
ここで、前記の三量体のアミノアルデヒドは構造(XIV)を有し:
【0124】
【化85】
Figure 2004529074
;そして、ここで、適切な条件下で前記の三量体の反応で生成されたアルカロイドは、構造(XV)を有し:
【0125】
【化86】
Figure 2004529074
ここで、X〜X、R〜Rおよびmは、一般的に、そして本明細書中のサブクラスで定められる通りであり;
は水素または窒素の保護基であり;
およびXは一緒になって炭素の保護基を表し、必要に応じて固体支持体ユニットに置き換えられ;そして
は、NR、−OR、−SR、−(C=O)R、−C(=S)R、−S(O)、もしくは脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、(脂肪族)アリール、(脂肪族)ヘテロアリール、(ヘテロ脂肪族)アリール、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリールの部分であり、ここで、RおよびRの各々の存在は、独立して、水素、−C(=O)R、−NHR、−(SO)R、−OR、もしくは脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールまたはヘテロアリールの部分であるか、もしくは、RおよびRは、一緒になると、アリール、ヘテロアリール、脂環式、またはシクロヘテロ脂肪族の部分を形成し、ここで、Rの各々の存在は独立して水素、−OR、−SR、−NHR、−(C=O)R、あるいは脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールまたはヘテロアリールの部分であり、ここで、Rの各々の例は、独立して、水素、保護基、あるいは脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオの部分である。
【0126】
本明細書中に記載される化合物の合成に加えて、新規の方法が、種々の化合物を生成するために利用され得ることが理解される。例えば、本発明はまた、エクチナサイジン(ecteinascidin)のアナログの合成を企図し、そこではXおよびRは一緒になった、ヘテロ環部分である。
【0127】
本明細書中の特別な目的の特定の実施形態において、中間体(XIV)および(XV)に関してRは−NHPであり、ここでPは窒素保護基であり、従ってその中間体は構造体(XIVa)および(XVa)を有する:
【0128】
【化87】
Figure 2004529074
上に述べられるように、本発明の特定の他の実施形態において、本明細書中により詳細に記載されるように、式(XV)および(XVa)の化合物は、さらに修飾されてそのクラスおよびそのサブクラスを含む一般式(I)の化合物を生成し得る。
【0129】
本明細書中に記載されるような方法の特定の他の実施形態において、第3の置換されたアルデヒド前駆体、R(CHCHOは、(脂肪族)(C=O)(CHCHO、(ヘテロ脂肪族)(C=O)(CHCHO、(脂肪族)(CHCHO、(ヘテロ脂肪族)(CHCHO、アリール(脂肪族)(CHCHO、アリール(ヘテロ脂肪族)(CHCHO、ヘテロアリール(脂肪族)(CHCHOまたはヘテロアリール(ヘテロ脂肪族)(CHCHOであり、ここで、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールまたはヘテロアリールの部分の各々は、独立して、置換または無置換である。特定の実施形態において、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールおよびヘテロアリールの部分のうちの任意の1つ以上は、置換または無置換のアミノ、置換または無置換のチオール、あるいは置換または無置換のヒドロキシルのうちの1つ以上で置換される。特定の例示の実施形態において、本明細書中の例証においてより詳細に記載されるように、第3の置換されたアルデヒド前駆体は、CH(CH1−6CHO;(保護基)O(CH1−6CHO;(保護基)NH(CH1−6CHO;(保護基)S(CH1−6CHO;(アルキル)O(C=O)CHO;(アリール)(アルケニル)CHO;(ヘテロアリール)(アルケニル)CHO;(アリール)CHO;または(ヘテロアリール)CHOであり、ここでアリール、ヘテロアリール、アルケニルまたはアルキルの部分のうちの任意の1つ以上は、置換されるかまたは無置換である。
【0130】
本明細書中に記載されような、さらに他の例示の実施形態において、XはCNであり、そしてXはヘテロ環部分であり必要に応じて固体支持体ユニットと置き換えられる。
【0131】
従って、本発明はさらに、上記および本明細書中のクラスおよびサブクラスにおいて記載されたように、構造(I)の化合物の合成のための方法を提供し、その方法は、以下の工程を包含する:
(a)式(XV)の化合物を提供する工程
【0132】
【化88】
Figure 2004529074
;および、
(b)式(XV)の前記化合物を適切な条件下で反応させて、式(I)の化合物を生成する工程:
【0133】
【化89】
Figure 2004529074
ここで、X〜X、R〜Rおよびmは、上記ならびに本明細書中のクラスおよびサブクラスにおいて記載される通りであり、そして
ここで、式(XV)の化合物を提供する工程が、さらに以下の工程を包含する:
(1)以下の構造:
【0134】
【化90】
Figure 2004529074
を有する第1のN保護されたα−アミノアルデヒド前駆体および第2のC保護されたα−アミノアルデヒド前駆体を適切な条件下で反応させて、構造(IX)を有するテトラヒドロイソキノリンのコアを生成する工程:
【0135】
【化91】
Figure 2004529074
(2)必要に応じて、前記のテトラヒドロイソキノリンのコアを適切な条件下で反応させて、Rを多様化させる工程;
(3)構造:R(CHCHOを有する第3のアルデヒド前駆体を、適切な条件下で、前記のテトラヒドロイソキノリンのコア構造体(XIV)と反応させて、以下の構造を有する三量体アルデヒドを生成する工程:
【0136】
【化92】
Figure 2004529074
ならびに;
(4)適切な条件下で前記の三量体アルデヒドを反応させて、構造体(XV)の化合物を生成する工程。
【0137】
本明細書中で特別な目的の特定の実施形態において、中間体(XIV)および(XV)に関して、Rは−NHPであり、ここでPは窒素保護基であり、従ってその中間体は構造体(XIVa)および(XVa)を有する:
【0138】
【化93】
Figure 2004529074
上に記載されるように、特定の実施形態において、本発明の方法により生成されたアルカロイド構造体は、天然生成物の前駆体を表す。従って、これら前駆体のその後の反応は、所望される天然生成物の生成を可能とし、そして特定の実施形態において、本発明の方法は、所望される天然生成物の前駆体および天然の産物の立体選択的な生成を可能とする。特別な目的の特定の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、アルカロイド構造体の合成に利用され、ここで、生成されるアルカロイド構造体(I)は、サフラマイシンAまたはその誘導体の構造体である。特定の他の特に好ましい実施形態において、この方法は立体選択的であり、そして生成されるアルカロイド構造体(I)は、−(−)サフラマイシンAまたはその誘導体の構造体である。
【0139】
しかし、本発明の方法が本明細書中に記載される任意の化合物ならびにそれらのクラスおよびサブクラスの合成のために利用され得ることが理解される。さらに、本発明の方法は、天然に存在するサフラマイシンならびに関連化合物(例えば、エクチナサイジンおよびそのアナログに関しては、ここで、RおよびXは一緒になって、ヘテロ環部分(特定の実施形態において、メチレンジオキシ)である)の合成に利用され得る。
【0140】
種々の実験条件が利用されて、一般的に上に記載されるような合成変換をもたらし得ることが、理解される。例証の章は、本発明の化合物の生成を可能とするように、特定の実験条件をより詳細に記載する。しかし、特定の試薬が実験において具体的に記載されるが、種々の等価な試薬もまた利用され得ることが理解される。1つの実施例においてのみ、LiBrが利用されてイミンの官能性の活性化をもたらして、ピクテ−スペングラーの環化を開始したが、当該分野で公知の、種々の他の適切なルイス酸が、本明細書中の方法論において記載されるようなイミンの官能性の活性化に利用され得る。特定の好ましい実施形態において、アミノニトリルをイオン化しないそれらのルイス酸が、本発明の方法において利用される。さらに、本明細書中に記載されるように、本発明の化合物は、コア構造体(XV)の合成後、またはその化合物の合成中のいずれかに、種々の官能基の部位(例えば、幾つか挙げると、R、R、R、R、キノン部分に対する1つ以上の芳香環の酸化で多様化され得る。本明細書中の例証において示されるように、Rが−NHPである化合物は多様化されて、記載される種々のアナログを生成し得る。さらに、本発明の方法における種々の第3のアルデヒド前駆体の使用は、コアの環構造体が変更された(例えば、−C−C連結、−C−N連結、−C−C(=O)連結、など)アナログを生成する。さらに、図14Aおよび図14Bに示されるように、そして本明細書中に記載されるように、Nアルキル化反応が変更されて、Rで多様化された例示のアナログを生成し得る。
【0141】
上記の一般的な合成方法が、固体支持体の技術を用いて利用され得ることが、理解される。従って、本発明の特定の実施形態において、本発明の化合物は固体支持体を使用して調製される。本明細書中に記載されるように、所望されるアルカロイド前駆体は、改変または直接的に反応されて、固体支持体と結合し得る。成分を結合した固体支持体の使用は、より短時間のコンビナトリアル(平行あるいは分割−プール(split−pool))技術を使用して、非常に多くの化合物をより容易に生成し得る。一般的に、本明細書の例証において、炭素が保護されたアルデヒドは、リンカー部分(一般的に、脂肪族またはヘテロ脂肪族の部分)の結合により修飾されて、固体支持体の結合を容易にし得る。次いで、炭素が保護されたアルデヒドに結合したその固体支持体は、適切な条件下で、一般的に上に記載された第1のα−アミノアルデヒドと反応して、固体支持体に結合したテトラヒドロイソキノリンの誘導体を生成する。最終的に、適切な条件下での第3のアルデヒド前駆体との反応は、固体支持体ユニットからの開裂および所望される化合物の生成を生じる。
【0142】
固体支持体とは、本発明の目的のために、化合物が反応シーケンス中に結合される不溶性物質として定義される。支持体に結合した反応生成物の単離が、支持体に結合した物質から試薬を洗い落とすことによって簡便に達成され得、従ってその反応が過剰の試薬の使用により完了へと進行され得るので、固体支持体の使用は、ライブラリの合成に有利である。さらに、固体支持体の使用はまた、特定のコード化技術を使用して、ライブラリ中の本発明の化合物の実体を「追跡する」ことを可能とする。固体支持体は、不溶性のマトリックスである任意の物質であり得、そして強固な表面またはある程度強固な表面を有し得る。例示的な固体支持体としては、ペレット、ディスク、キャピラリー、中空ファイバー、ニードル、ピン、ソリッド・ファイバー、セルロースビーズ、多孔性ガラスビーズ、シリカゲル、必要に応じてジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンビーズ、グラフト共重合ビーズ、ポリアクリルアミドビーズ、ラテックスビーズ、必要に応じてN−N’−ビス−アクリロイルエチレンジアミンで架橋されたジメチルアクリルアミドビーズ、および疎水性ポリマーでコートされたガラス粒子が挙げられるが、それらに限定されない。当業者は、特定の固体支持体の選択が、利用される反応化学との支持体の適合性により制限されることを理解する。
【0143】
特定の化合物が固体支持体に直接結合され得るか、または連結試薬を介して固体支持体に結合され得ることが理解される。ライブラリのメンバーを固体支持体から脱着させないことが所望される場合に、固体支持体への直接結合は有用であり得る。例えば、生物学的/薬理学的活性の直接のビーズ上での分析、または化合物の構造の直接のビーズ上での分析のために、ライブラリのメンバーと固体支持体との間のより強力な相互作用が所望され得る。あるいは、本発明のライブラリメンバーの固体支持体からのより容易な開裂が所望される場合、連結試薬の使用は有用であり得る。
【0144】
さらに、本発明で使用される任意の連結試薬は、単一の連結分子を含み得るか、あるいは連結分子および1つ以上のスペーサー分子を含み得る。特定の反応条件が、連結分子がライブラリのメンバーから分離されることを必要とする場合、または固体支持体/連結ユニットとライブラリのメンバーとの間に、さらなる距離が所望される場合に、スペーサー分子は特に有用である。
【0145】
従って、特定の実施形態において、本発明のアルカロイドのライブラリは、溶液相、固相または溶液相および固相の組み合わせの合成技術のために確立されたコンビナトリアル方法を使用して、調製され得る。コンビナトリアルライブラリの合成は、当該分野で周知であり、そして概説されている(例えば、「Combinatorial Chemistry」、Chemical and Engineering News、1997年2月24日、43頁;Thompson,L.A.,Ellman,J.A.,Chem.Rev.1996,96,555.を参照のこと)。特定の実施形態において、固相技術の使用が所望され得、従ってコード化技術もまた、使用され得る。特定のコード化技術は、Czarnikにより概説されている(Czarnik,A.W.,Current Opinion in Chemical Biology,1997,1,60.)。当業者は、方法の選択が、合成される特定の数の化合物、特定の反応化学、および特定の器具(例えば、ライブラリの調製および分析のためのロボット装置)の利用可能性に依存する。特定の好ましい実施形態において、化合物前駆体について実施されるような反応は、高い生産性で、そして所望される場合立体選択的な様式で進行する能力により選択される。
【0146】
本明細書中に例証において記載されるように、そして、図10において示されるように、特別な目的の1つの実施形態において、本発明の化合物は、モジュールの固体支持された化学合成を使用して調製される。一般的に上に記載されるように、C保護されたアルデヒド前駆体は固体支持体ユニットを用いてさらに改変され得る。本明細書中に使用される場合、用語「固体支持体ユニット」とは、本明細書中に規定されるように、固体支持体を含み、そしてさらに必要に応じて、目的の中間体との固体支持体の結合を容易にする脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールまたはヘテロアリールの部分であり得るリンカー部分を含む。本明細書中の特定の実施形態において、固体支持体ユニットは、リンカーユニットを介して炭素保護基(改変された基の調製(例えば本明細書中の例証の章の中に記載されるようなシルオキシモルホリン部分の調製)による)と結合される。種々の連結および固体支持体は、本発明の方法において利用され得ることが理解される。
【0147】
(5)使用、処方および投与)
(薬学的組成物)
上に論じられるように、本発明は、抗腫瘍活性および抗増殖活性を有する新規化合物を提供し、従って、本発明の化合物は癌の処置に有用である。従って、本発明の別の局面において、薬学的組成物が提供され、ここでこれら組成物は、本明細書中に記載されるような、化合物のうちの任意のものを含み、そして必要に応じて薬学的に受容可能なキャリアを含む。特定の実施形態において、これらの組成物は、必要に応じてさらに1つ以上のさらなる治療剤を含む。特定の他の実施形態において、本明細書中により詳細に論じられるように、さらなる治療剤は抗腫瘍剤である。
【0148】
本発明の特定の化合物が、薬学的に受容可能なその誘導体として、処置のために自由な形態で、または適切な形態で存在し得ることもまた、理解され得る。本発明に従って、薬学的に受容可能な誘導体とは、薬学的に受容可能な塩、エステル、そのようなエステル塩、もしくは任意の他の付加物またはその誘導体(これは、必要とする患者への投与に際し、本明細書中とは別に記載される化合物、もしくはそれらの代謝物または残渣(例えば、プロドラッグ)を、直接的または間接的に提供し得る)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0149】
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」とは、信頼できる医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、ヒトおよび下等動物の組織と接触させる使用に適した、そして妥当な有益さ/リスクの比率で釣り合った塩をいう。薬学的に受容可能な塩は、当該分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences,66:1−19(1977)(本明細書中で参考として援用される)において、薬学的に受容可能な塩について詳細に記載する。その塩は、本発明の化合物の最終的な単離および精製の間にインサイチュで調製され得るか、または遊離した塩基性官能基を適切な有機酸と反応させることにより別々に、調製され得る。薬学的に受容可能な、無毒性の酸付加塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭酸、リン酸、硫酸および過塩素酸塩)または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マロン酸)を用いて、もしくはイオン交換のような当該分野で使用される他の方法を用いて、生成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に受容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩(digluconate)、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩(glucoheptonate)、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩(hernisulfate)、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩(hydroiodide)、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩(lactobionate)、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチネート、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモエート(pamoate)、ペクチナート、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバレート(pivalate)、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩、などが挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、などが挙げられる。さらに薬学的に受容可能な塩としては、適切な場合、対イオンを用いて生成された、無毒性アンモニウム、第4級アンモニウムおよびアミンカチオン(例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩)が挙げられる。
【0150】
さらに、本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能なエステル」とは、インビボで化水分解されるエステルをいい、そしてヒトの体内で急速に分解してその親化合物またはその塩を残すエステルが挙げられる。適切なエステル基としては、例えば、薬学的に受容可能な脂肪族カルボン酸、特にアルカンの酸、アルケンの酸、シクロアルカンの酸、およびアルカンジオンの酸から誘導される基が挙げられ、ここで、各々のアルキルまたはアルケニルの部分は、有利には、6個以下の炭素原子を有する。特定のエステルの例としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、アクリル酸エステル、およびエチルコハク酸エステルが挙げられる。
【0151】
さらに、本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能なプロドラッグ」とは、信頼できる医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを有するヒトおよび下等動物の組織と接触する使用に適切で、妥当な有益さ/リスクの比率で釣り合っており、そして意図される使用に有効な、本発明の化合物のそれらプロドラッグ、ならびに本発明のその化合物の、(可能な場合は)双生イオン形態のそれらプロドラッグをいう。用語「プロドラッグ」とは、例えば血液中での加水分解により、インビボで短時間で変換されて上式の親化合物を生成する化合物をいう。徹底的な議論が、T.HiguchiおよびV.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems,A.C.S.シンポジウムシリーズ第14巻、ならびにEdward B.Roche編、Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987(この両者は本明細書中で参考として援用される)において提供される。
【0152】
上に記載されるように、本発明の薬学的組成物は、さらに薬学的に受容可能なキャリアを含み、本明細書中に使用されるように、このキャリアとしては、所望される特定の投薬形態に適するような、溶媒、希釈液または他の液性ビヒクル、分散補助剤または懸濁補助剤、界面活性剤、等張剤、濃稠剤または乳化剤、保存料、固体結合剤、滑沢剤などの任意および全てが挙げられる。Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、E.W.Martin(Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、1980)は、薬学的組成物を処方する際に使用される種々のキャリア、およびそれらを調製するための公知技術を開示する。任意の従来のキャリア媒体が本発明の抗腫瘍化合物に非適合である場合(例えば、任意の所望されない生物学的な影響を生じること、またはそれ以外に、薬学的組成物の任意の他の成分と有害な様式で相互作用することによる)を除き、キャリアの使用は本発明の範囲内にあることが企図される。薬学的に受容可能なキャリアとして働き得る物質の幾つかの例としては、糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびショ糖);デンプン(例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、ココアバターおよび坐剤ワックス);油(例えば、ピーナッツ油、綿実油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油および大豆油);グリコール(例えば、プロピレングリコール);エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);寒天;緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張生理食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝溶液、ならびに他の無毒性の適合性滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)が挙げられるが、それらに限定されず、ならびに着色剤、解除剤、コーティング剤、甘味剤、矯味・矯臭剤および芳香剤、保存料および抗酸化剤もまた、処方者の判断に従って、その組成物中にあり得る。
【0153】
(化合物および薬学的組成物の使用)
さらに別の局面において、本発明の処置方法に従って、上記腫瘍細胞を、本明細書中に記載の、本発明の化合物または組成物と接触させることによって、腫瘍細胞は死滅されるかまたはその成長が阻害される。従って、本発明のなお別の局面において、癌の処置のための方法が提供され、この方法は、所望の結果を得るために必要な量および時間で、癌の処置を必要とする被験体に治療有効量の本発明の化合物または本発明の化合物を含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。本発明の特定の実施形態において、「治療有効量」の本発明の化合物または薬学的組成物は、腫瘍細胞を死滅させるかまたはその増殖を阻害するに有効な量の本発明の化合物または薬学的組成物である。この化合物または薬学的組成物は、本発明の方法に従って、腫瘍細胞を死滅させるかまたはその増殖を阻害するに有効な任意の投与量および任意の投与経路を用いて投与され得る。従って、表現「腫瘍細胞を死滅させるかまたはその増殖を阻害するに有効な量」とは、本明細書中で使用される場合、腫瘍細胞を死滅させるかまたはその増殖を阻害するために十分な薬剤の量をいう。必要とされる正確な量は、被験体の種、年齢、および一般的な状態、感染の重症度、特定の抗癌剤、その投与方法などに依存して、患者間で変化する。本発明の抗癌化合物は、好ましくは、投与および投薬量の均一性を容易にするための投薬単位形態で処方される。表現「投薬単位形態」とは、本明細書中で使用される場合、処置される患者にふさわしい、物理学的に分散した抗癌剤の単位をいう。しかし、本本発明の化合物および組成物の1日の総使用量は、堅実な医学判断の範囲内で主治医によって決定される。任意の特定の患者または生物のための、この特定の治療有効量レベルは、以下を含む、種々の因子に依存する:処置されている障害およびその障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、身体全体の健康、性別、および食事;投与の時間、投与の経路、および使用された特定の化合物の排泄速度;処置の持続期間;使用された特定の化合物と組み合わせてかまたは同時に使用される薬物;ならびに医学分野において周知の同様の因子。
【0154】
さらに、所望の投薬量における適切な薬学的に受容可能なキャリアを用いた処方後、本発明の薬学的組成物は、ヒトまたは他の動物に、経口的に、直腸的に、非経口的に、槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(散剤、軟膏剤、または、ドロップによるように)、口内に(bucally)、経口噴霧または経鼻噴霧などで、処置される感染の重症度に依存して投与され得る。特定の実施形態において、本本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、経口的または非経口的に、1日に1回以上で、1日当たり、被験体の体重1kgあたり約0.01mg〜約50mgの投薬量レベルで、好ましくは被験体の体重1kgあたり約1mg〜約25mgで投与され得る。
【0155】
経口投与のための液状投薬形態としては、薬学的に受容可能な乳濁液、微量乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液状投薬形態は、当該分野で通常使用される不活性な希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、オイル(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物))を含み得る。不活性な希釈剤に加えて、経口組成物はまた、アジュバンド(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香料添加剤、ならびに芳香剤)を含み得る。
【0156】
注射用の調製物(例えば、無菌の注射用の水性懸濁液または油性懸濁液)は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、公知の技術に従って、処方され得る。この無菌の注射用の調製物はまた、無毒の非経口的で受容可能な希釈剤または溶媒中の(例えば、1,3−ブタンエジオール中の溶液として)、無菌の注射用の水溶液、懸濁液、または乳剤であり得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒の1つとしては、水、リンガー溶液、U.S.P、および等張性塩化ナトリウム水溶液がある。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒体として従来使用されている。この目的に関して、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性不揮発性油が使用され得る。さらに、脂肪酸(例えば、オレイン酸)は、注射可能物質の調製において使用される。
【0157】
この注射可能処方物は、例えば、細菌保持フィルターを介する濾過によってか、または無菌の固形の組成物形態における滅菌剤の取り込みによって滅菌され得、この固形の組成物形態は、使用前に、滅菌水または他の無菌の注射可能な媒体中に溶解または分散され得る。
【0158】
薬物の効果を延長するため、皮下注射または筋内注射からの薬物の吸収を遅めることが、しばしば望ましい。これは、不充分な水溶性を有する結晶質物質または非晶質物質の液性懸濁物の使用によって達成され得る。次いで、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、その溶解速度は、次に、結晶のサイズおよび結晶性形状に依存し得る。あるいは、非経口的に投与される薬物形態の遅延吸収は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。注射可能な蓄積形態は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)で薬物の微小被包性マトリックスを形成することにより製造される。薬物のポリマーに対する割合と使用される特定のポリマーの性質とに依存して、薬物放出速度は調節され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。蓄積注射可能処方物はまた、薬剤を、体組織に適合し得るリポソームまたは微小乳濁液中に取り込むことによって調製される。
【0159】
直腸投与または腟投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物を適切な非刺激性の賦形剤またはキャリア(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、または坐剤ワックス)と混合することによって調製され得る坐剤である。これらのキャリアは、周囲温度では固体であるが、体温で液体となり、そして従って直腸または腟腔内に溶け出し、そして活性な化合物を放出する。
【0160】
経口投与のための固体の投薬形態としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固体の投薬形態において、活性な化合物は、少なくとも1つの不活性な、薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウム、またはリン酸二カルシウム)および/または、以下:a)充填剤または増量剤(例えば、澱粉、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール、およびケイ酸)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、ショ糖およびアカシア)、c)湿潤剤(例えば、グリセロール)、d)崩壊剤(例えば、寒天−寒天、炭酸カルシウム、イモ澱粉またはタピオカ澱粉、アルギン酸、特定のシリケート、および炭酸ナトリウム)、e)溶解抑制剤(solution retarding agent)(例えば、パラフィン)、f)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート)、h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイトクレー)、ならびにi)滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、ならびにそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、投薬形態はまた、緩衝剤を含み得る。
【0161】
類似の型の固体組成物はまた、ラクトース、乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を用いて、軟らかい充填ゼラチンカプセルおよび硬い充填ゼラチンカプセル中に、充填剤として使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体の投薬形態は、コーティングおよびシェル(shell)(例えば、腸用コーティングおよび薬学的処方分野で周知の他のコーティング)を用いて調製され得る。それらは、必要に応じて、不透明(opacifying)剤を含み得、そしてまた、必要に応じて、遅延様式で、腸管の特定の部分で活性成分のみを放出するか、または活性成分を優先的に放出する、組成物の投薬形態であり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー性物質およびワックスが挙げられる。類似の型の固体組成物はまた、ラクトース、乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を用いて、軟らかい充填ゼラチンカプセルおよび硬い充填ゼラチンカプセル中に、充填剤として使用され得る。
【0162】
活性な化合物はまた、上記のような1つ以上の賦形剤を有する微小被包性形態内に存在し得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体の投薬形態は、コーティングおよびシェル(例えば、腸用コーティングおよび放出制御コーティングおよび薬学的処方分野で周知の他のコーティング)を用いて調製され得る。このような固体の投薬形態において、活性な化合物は、少なくとも1つの不活化希釈剤(例えば、ショ糖、ラクトース、または澱粉)と混合され得る。このような投薬形態はまた、通常の慣行であるように、不活化希釈剤以外のさらなる物質(例えば、タブレット形成(tableting)滑沢剤ならびにステアリン酸マグネシウムおよび微晶性セルロースのような他のタブレット形成補助剤)を含み得る。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投薬形態はまた、緩衝剤を含み得る。それらは、必要に応じて、不透明剤を含み得、そしてまた、必要に応じて、遅延様式で、腸管の特定の部分で活性成分のみを放出するか、または活性成分を優先的に放出する、組成物の投薬形態であり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー性物質およびワックスが挙げられる。
【0163】
本発明の化合物の局所的および経皮的投与のための投薬形態としては、軟膏剤、ペースト剤、クリーム、ローション、ゲル剤、散剤、溶液、噴霧剤、吸入剤またはパッチが挙げられる。この活性成分は、必要とされ得る場合、薬学的に受容可能なキャリアおよび任意の必要とされる保存剤または緩衝剤と、無菌状態下で混合される。眼科処方物、点耳および点眼もまた、本発明の範囲内であることが企図される。さらに、本発明は、身体への化合物の制御送達を提供する、さらなる利点を有する、経皮パッチの使用を企図する。このような投薬形態は、適切な媒体にその化合物を溶解するかまたは調剤する(dispense)ことによって製造され得る。吸収増強剤はまた、皮膚を通る化合物の流量を増加させるために使用され得る。その速度は、速度制御膜を提供するか、または化合物をポリマーマトリックスまたはゲル中に調剤するかのいずれかによって制御され得る。
【0164】
上記で考察されるように、本発明の化合物は、抗癌剤として有用であり、そして従って、腫瘍細胞死を引き起こすことによってか、または腫瘍細胞の増殖を阻害することにより、癌の処置に有用であり得る。概して、本発明の抗癌剤は、癌および他の増殖性障害の処置に有用であり、癌および他の増殖性障害としては、数例を挙げると、以下:乳癌、子宮頸癌、結腸癌および直腸癌、白血病、肺癌、黒色腫、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌ならびに胃癌が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、本発明の抗癌剤は、白血病細胞および黒色腫細胞に対して活性であり、そして従って、白血病(例えば、骨髄腫、リンパ性白血病、骨髄性白血病、リンパ芽球性白血病)ならびに悪性黒色腫の処置に有用である。なお他の実施形態において、本発明の抗癌剤は、固形腫瘍に対し活性であり、そしてまた、多剤耐性細胞(MDR細胞)を死滅させる、および/またはその増殖を阻害する。
【0165】
また、本発明の化合物および薬学的組成物は、併用治療に使用され得る、すなわち、本発明の化合物および薬学的組成物は、1つ以上の他の所望の治療法または医療手順と同時に、前に、あるいはその後に投与され得ることが、認識される。併用レジメンに使用するための治療(治療法または手順)の特定の組み合わせは、所望の治療法および/または手順、ならびに達成されるべき所望の治療効果の適合性を考慮するべきである。また、使用される治療は、同じ障害について所望の効果(例えば、本発明の化合物が、他の抗癌剤と同時に投与され得る)を達成し得るか、または、それらの治療は、異なる効果(例えば、任意の有害影響の制御)達成し得る。
【0166】
例えば、本発明の抗癌剤と組み合わせて使用され得る他の治療または抗癌剤としては、以下:手術、放射線治療(数例を挙げると、例えば、γ−放射線、中性子ビーム放射線治療、電子ビーム放射線治療、プロトン治療、近接照射療法、および全身性の放射性同位元素)、内分泌治療、生物学的応答変更因子(数例を挙げると、インターフェロン、インターロイキン、および腫瘍壊死因子(TNF))、過温症および寒冷療法、任意の有害効果を弱める薬剤(例えば、抗嘔吐薬)、ならびに他の認可された化学療法剤が挙げられる。他の認可された化学療法剤としては、数例を挙げると、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アルキル化剤(メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド)、代謝拮抗物質(メトトレキサート)、プリンアンタゴニスト、およびピリミヂンアンタゴニスト(6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン、紡錘体毒(ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル)、ポドフィロトキシン(エトポシド、イリノテカン、トポテカン)、抗生物質(ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン)、ニトロソ尿素類(カルムスチン、ロムスチン)、無機イオン(シスプラチン、カルボプラチン)、酵素(アスパラギナーゼ)ならびにホルモン(タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミドおよびメゲストロール)。最新の癌治療のより包括的な考察については、以下を参照のこと:http://www.nci.nih.gov/、http://www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe.htmでのFDAに認可された腫瘍薬剤の一覧、およびThe Merck Manual、第17版、1999(その全内容が、本明細書によって参考として援用される)。
【0167】
なお別の局面において、本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1つ以上の成分で満たされた1つ以上の容器を含む、薬学的パックまたはキットを提供し、そして特定の実施形態において、併用治療としての使用のためのさらなる認可された治療剤を含む。必要に応じて、関連するこのような容器は、薬学製品の製造、使用、または販売を規制する行政機関によって規定された形式での通知であり得、その通知は、ヒト投与のための製造、使用、または販売の機関による承認を反映する。
【0168】
(同等物)
続く代表的な実施例は、本発明の説明を助けることを意図し、そして本発明の範囲を限定することを意図もしないし、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでもない。実際に、本発明の種々の改変およびそれらの多くのさらなる実施形態は、本明細書中に示されそして記載される改変や実施形態に加え、以下に示される実施例ならびに本明細書中に引用される科学文献および特許文献に対する参考文献を含む、この書類の全ての内容から、当業者にも明らかになる。それらの記載される参考文献の内容は、本明細書中で参考として援用され、当該分野の状況の説明を助けるということが、さらに理解されるべきである。以下の実施例は、その種々の実施形態およびそれらの同等物において本発明の実施に適用され得る重要なさらなる情報、例示、および手引きを含む。
【0169】
(実施例)
I.アルカロイドの合成:
A.上記で考察されるように、本発明の1つの局面において、アルカロイドの調製に関する新規合成方法論が、提供される。しかし、1つの実施形態において、この方法論は、α−アミノアルデヒド前駆体の指向された縮合を伴う。以下により詳細に記載されるように、サフラマイシンAおよびその中間体の合成を、記載する。
【0170】
i)一般的な説明:
図1および図2ならびにスキーム1を参照して、強力な抗癌剤(−)−サフラマイシンA(1)(微生物起源のビスキノンアルカロイド)への短くかつエナンチオ選択的な合成経路が提供される(総説については、(a)Araiら、The Alkaloids;Brossi,A.編;Academic Press:New York,1983;Vol.21,第3章、(b)Remers,W.A.The Chemistry of Antitumor Antibiotics;Wiley−Interscience:New York,1988;Vol.2,第3章を参照のこと)。この経路は、光学活性なα−アミノアルデヒドの指向された縮合を含む、新しくかつ強力な合成ストラテジーを使用する。このストラテジーは、1の逆合成解析から始まり、示されるように、ここでアミンでのアルデヒドの縮合によって開始される一連の変換(例えば、還元アミノ化、Pictet−Spengler、およびStrecker反応)は、以下の5つの単一の構成成分から標的1を構築するように想定される:シアン化水素、ホルムアルデヒド、および3つのα−アミノアルデヒド(それら(構造3つ)のうちの2つが、同一であり、ゆえに1の潜在的な対称である)。解析の複雑性は、最終的に前駆体に結合する(7つの結合が形成されねばならない)結合事象の正確な順序の決定および立体化学の決定において、ならびに合成中間体としての光学活性なα−アミノアルデヒドの使用案を包囲する安定性、反応性、および保護ストラテジーの基本的な問題の検討の際に、生じる。最近、マスクされたアルデヒドとしてアミノニトリル基を組み込んだ、一連の「C−保護」光学活性なα−アミノアルデヒドが報告された(Myersら、J.Am.Chem.Soc.1999,121,8401)。構造5によって例示される、モルホニノニトリル(モルホリノ ニトリル)誘導体は、特に有用な合成中間体であることが見出され、光学活性なN−保護α−アミノアルデヒドを用いる、いずれかの成分のエピマー化もほとんどない縮合反応を受け、その後、本明細書中で詳述される(−)−サフラマイシンAの指向された構築の基盤を確立する
化合物4および化合物5(同じキラルなα−アミノアルデヒド(3)のN−保護バージョンおよびC−保護バージョン)は、以前に記載されるように、高度なエナンチオマーの過剰量で、(−)−偽エフェドリングリシンアミドの非対称性のアルキル化の同じ産物から調製される(Myersら、J.Am.Chem.Soc.1999,121,8401;Myersら、J.Org.Chem.1999,64,3322)。ジクロロメタン中で23℃で硫酸ナトリウムの存在下でのN−保護α−アミノアルデヒド4(96%ee、1.05当量)のC−保護α−アミノアルデヒド5(92% ee、1当量)への添加は、検出可能な、いずれのα−ストレオセンター(stereocenter)のエピマー化もなく、手際よくイミン6(推定trans)を生じた(H NMR解析、>90%の収率、dr〜95:5)。ジメトキシエタン中での無水臭化リチウムの飽和溶液のイミン中間体への添加および35℃までの加温は、Pictet Spengler環化をもたらして、それぞれ、シスおよびトランスのテトラヒドロイソキノリンの約5:1の混合物を生じる。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、所望のシス生成(7)を65〜72%の収率および99% eeで生じた。7の光学純度を、ent−4およびent−5を経由する(+)−偽エフェドリンから誘導された、そのエナンチオマーの標準サンプルに対し、対応するビス(ベンゾイル)誘導体のHPLC解析(Chiralcel OD)によってアッセイした。リチウムイオンは、モルホニルニトリルの反応無く、イミン官能基の低刺激的かつ選択的なルイス酸活性化に最適であることを証明した。環化反応のこのシス−トランスの選択性は、溶媒および活性化剤の官能基として顕著に変化した;例えば、ジエチルエーテル中での過塩素酸リチウムの使用は、排他的にトランス産物を生じる。6〜7への変換が、上記の周囲温度で処理される、合成経路における唯一の段階であることはまた、注目すべきことである。
【0171】
合成のこの段階でのN−メチル基の導入は、至適であることが見出された。アセトニトリル中でのホルマリン(2.0当量)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.5当量)の存在下における23℃での攪拌7は、収率94%で、対応するN−メチル化化合物を生じた;モルホリノニトリル官能基は、還元性の条件によって影響されなかった。次いで、N−FmocおよびOTBS保護基は、切断した。これらの脱保護を、フッ化物または水酸化物の作用によって同時に実施し得るが、DBU(1.3当量)を用いるカルバメートの切断が続く、酢酸で緩衝化されたテトラブチルアンモニウムフルオライドを用いるシリルエーテル連続的な除去(それぞれ、2.4当量および1.1当量)は、より高い効率(92%)で8を生じる。特に、化合物8は、シリカゲルに曝すような条件下で、またはプロトン性媒体2,2,2−トリフルオロエタノール中に置いた際に、マスクされたアルデヒドに対して、一級アミンを付加するような傾向を示さず、さらにモルホリノニトリル保護基の安定性を強調した。
【0172】
脱酸素化したジクロロメタン中での硫酸ナトリウム存在下で、23℃で、第3および最終のα−アミノアルデヒド成分であるN−Fmocグリシナル(1.5当量)のアミン8(1当量)への添加は、イミン中間体を生成し、この中間体はまた、23℃でまた、Pictet−Spengler環化を受けて、シスおよびトランスのテトラヒドロイソキノリンの、それぞれ、9:1の混合物を生ずる。この所望のシス異性体(9)を、66%の収率で単離した。この反応溶媒は、所望のシステトラヒドロイソキノリン選択的形成のためにさらに重要であった;プロトン性溶媒は、主にトランスジアステレオマーを生じた(例えば、メタノール中で、トランス:シス>5:1)。次いで、構築したアミノアルデヒドの「三量体」(9)において、C−末端モリホリノニトリルブロッキング基を、トリフルオロエタノールとテトラヒドロフランの混合物(2:1)中で、23℃で、無水塩化亜鉛により切断し(Guibe,F.ら、Tetrahedron Lett.1982,23,5055)(3.0当量)、主要な五環系の中間体2を86%の収率で生成した。この変換は、おそらく、イミニウムイオン10の連続した形成、環化(イミニウムイオンへの二級アミンの添加)、モルホリンの排除、および結果として生じるイミニウムイオンの、シアン化物による捕捉によって進められる。完全なアミノニトリル形成を確実にするために外因性シアン化物(トリメチルシリルシアン化物、2.0当量)を導入することが、必須である;シアン化物添加なしでは、おそらく外因性の付随的な水に起因するアミノニトリル2の加水分解に対応する少量(5〜10%)のヘミアミナルが観測される。最後に、2のN−Fmoc保護基を、DBU(1.3当量)により、23℃で88%の収量で切断し、そして生じた一級アミンを、N,N−ジエチルアニリン(1.1当量)の存在下で、0℃で、ピルボイルクロリド(pyruvoyl chloride)(3.0当量)によりアシル化して、11(89%)を生じる。アセトニトリル−水(1:1、0℃)中で、ヨードソベンゼン(2.5当量)を用いたヒドロキノンの酸化脱メチル化は、合成の(−)−サフラマイシンAを66%の収率で生じた(127mgの(−)−1)。合成材料は、天然のサフラマイシンAの標準サンプル(Professor T.Araiにより好意により提供された)と、全ての観点(H NMR、13C NMR、IR、HPLC、tlc分析、および旋光度)において同一であることが、見出された。
【0173】
手短に言うと、実用的かつ効率的な(−)−サフラマイシンAの合成が開発され、この合成は、全体的に約15%の収率で、α−アミノアルデヒド前駆体4および5からほんの8工程で進む。重要なことに、この合成は、アルカロイド構築についての単純なストラテジーを説明し、このストラテジーは、より一般に適用され得、そしてある意味で、オリゴペプチド合成と異なる様式で、α−アミノアルデヒド前駆体の指向された縮合を含む(ここで、C→N方向性を有する)。本経路は、多量の1の生成に適し;現在まで、1gより多くの2および200mgより多くの(−)−1を調製した。さらに、この合成方法論はまた、有意な量の2の生成に利用され得、そしてこの化合物はさらに、本明細書中に記載されるように官能基をもたされ得、そして本明細書中に記載されるような化合物を治療用途に適切な量で、生成する。
【0174】
ii)実験データ:
N−保護およびC−保護α−アミノアルデヒド誘導体4および5を、ベンジルブロマイド(benzylic bromide)13を用いた(−)−偽エフェドリングリシンアミドのアルキル化(Myersら、J.Org.Chem.1999,64,3322)の産物であるアミド12から、前述のように(Myersら、J.Am.Chem.Soc.1999,121,8401)調製した。臭化物13は、2,4−ジメトキシ−3−メチルフェノールから、以下のスキーム1に示すように、合成した(Godfrey,I.M.;Sargent,M.V.;Elix,J.A.J Chem.Soc.,Perkin Trans.1 1974,1353−1354)。
【0175】
(スキーム1)
【0176】
【化94】
Figure 2004529074
(a)TBSC1、イミダゾール、DMF、23℃、99%。(b)Br、ピリジン、DMF、23℃、90%。(c)t−BuLi、THF、−90℃;DMF、−90℃→23℃;NaBH、EtOH、0℃、77%。(d)PPh、Br、イミダゾール、CHC1、0℃、78%。(e)(−)−偽エフェドリングリシンアミドハイドレート、LHMDS、LiCl、THF、0℃、74%。
【0177】
(テトラヒドロイソキノリン7)
ジクロロメタン(7.2ml)中のアルデヒド4(433mg、0.752mmol、1.05当量)の溶液を、アミン5(240mg、0.716mmol、1当量)と硫酸ナトリウム(2.03g、14.3mmol、20.0当量)との固形混合物に加えた。生じた懸濁液を、75分間23℃で急速に攪拌し、次いで、綿栓を通して濾過した。この濾液を濃縮し、そしてその残渣を、3mLずつのトルエンから濃縮によって、共沸で乾燥し、白色発泡体を得た。H NMR解析(CDCl)は、イミン6の2つのジアステレオマーが約95:5の割合で存在することを示した。次いで、無水臭化リチウム(1.62g,18.7mmol,26当量)と1,2−ジメトキシエタン(14.3mL)とを、順次、イミン残基に加え、そしてその混合物を、超音波処理機内に5分間置いた。生じた懸濁液を35℃まで温め、そして23℃に冷ます前に、17.5時間その温度に保った。この混合物を、酢酸エチル(20mL)で希釈し、そして4:1の飽和塩化ナトリウム水溶液−飽和重炭酸ナトリウム水溶液20mLずつで3回洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。この残渣のH NMR解析(CDCl)は、システトラヒドロイソキノリン:トランステトラヒドロイソキノリンの約5:1の混合物が存在することを示した。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100:1ジクロロメタン−メタノール)によって精製し、オフホワイトの固体としてテトラヒドロイソキノリン7を得た(460mg、72%)。ビス(ベンゾイル)−7(PhCOCl、EtN、DMAP、CHC1、23℃)のHPLC解析(Chiralcel OD、4% 2−プロパノール−0.3%ジエチルアミン−ヘキサン、0.30mL/分、254nmで検出、約0.1mg注入)は、99%の過剰のエナンチオマーを確立した(t(7):79.2分、t(ent−7):89.2分)。
【0178】
(R)−モルホリノニトリルジアステレオマー,7:
【0179】
【化95】
Figure 2004529074
(S)−モルホリノニトリルジアステレオマー,7:
【0180】
【化96】
Figure 2004529074
(N−メチル−7)
ホルマリン(554μl、7.39mmol、2.0当量)とトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(1.17g、5.52mmol、1.5当量)とを、23℃で、アセトニトリル(25mL)中のアミン7(3.30g、3.69mmol、1当量)の溶液に順次加えた。30分後に、その濁った混合物を酢酸エチル(75mL)で希釈し、そして2部の、1:1の飽和塩化ナトリウム水溶液−飽和重炭酸ナトリウム水溶液50mlで洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。この残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(40%の酢酸エチル−ヘキサン)で精製して、N−メチル−7を白色固体(3.29g、98%)で得た。
【0181】
(R)−モルホリノニトリルジアステレオマー,N−メチル−7:
【0182】
【化97】
Figure 2004529074
(S)−モルホリノニトリルジアステレオマー,N−メチル−7:
【0183】
【化98】
Figure 2004529074
(アミン8)
酢酸(530μL、9.28mmol、2.4当量)とテトラブチルアンモニウムフロリド(テトラヒドロフラン中で1.0M、4.24mL、4.24mmol、1.1当量)とを、0℃で、テトラヒドロフラン(7.7mL)中のN−メチル−7(3.50g、3.86mmol、1当量)の溶液に順次加えた。次いで、この溶液を23℃まで温めた。1.5時間後、この溶液を25%の飽和重炭酸ナトリウム水溶液(25mL)で希釈し、そしてエーテル(25mlで3回)で抽出した。このあわせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮してN−Fmoc−8を白色固体で得た(3.06g、>99%)。この残渣(1.22g、1.54mmol、1当量)の一部をジクロロメタン(4.4mL)中に溶解し、そして、その得られる溶液を、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU、300μL、2.01mmol、1.3当量)で処理してN−Fmoc基を切断した。30分後、この反応溶液を直接フラッシュクロマトグラフィーにロードした。25:1のジクロロメタン−メタノールでの溶出によって、固体としてアミン8(845mg、96%)を得た。
【0184】
(R)−モルホリノニトリルジアステレオマー,8:
【0185】
【化99】
Figure 2004529074
(S)−モルホリノニトリルジアステレオマー,8:
【0186】
【化100】
Figure 2004529074
(テトラヒドロイソキノリン9)
ジクロロメタン(11.3mL)中の脱酸素化した(凍結−ポンプ−融解のサイクルを3回)N−Fmocグリシナル(190mg、0.675mmol、1.2当量)溶液を、アミン8(322mg、0.564mmol、1当量)と硫酸ナトリウム(1.20g、8.45mmol、15当量)との固体混合物にカニューレで移した。得られる懸濁液を、17.5時間23℃で攪拌し、その後綿栓に通して濾過し、6mLずつのジクロロメタンでリンスした。この濾液を濃縮し、その残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(50→70%酢酸エチル−ヘキサン→酢酸エチル→200:1の酢酸エチル−メタノール)で精製して、テトラヒドロイソキノリン9を固体(299mg、64%)で得た。
【0187】
(R)−モルホリノニトリルジアステレオマー,9:
【0188】
【化101】
Figure 2004529074
(S)−モルホリノニトリルジアステレオマー,9:
【0189】
【化102】
Figure 2004529074
(5環式の中間体2)
テトラヒドロフラン中の無水塩化亜鉛(0.50M、4.26mL、2.14mmol、3.0当量)およびトリメチルシリルシアン化物(190μL、1.42mmol、2.0当量)の溶液を、2,2,2−トリフルオロエタノール(8.5mL)中のモルホリノニトリル9の溶液(595mg、0.713mmol、1当量)に23℃で、経時的に添加した。7時間後、EDTAの水性溶液(20mL、0.20M(エチレンジニトリロ)テトラ酢酸、二ナトリウム塩−0.40M水酸化ナトリウム(pH10))を添加し、そして生じた混合物を、酢酸エチル(2×25mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を、20mL部分の1:1飽和塩化ナトリウム水溶液−飽和重炭酸ナトリウム水溶液を用いて洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。ラジアルクロマトグラフィー(40%→60%酢酸エチル−ヘキサン)による残渣の精製により、白色固体として5環式の中間体2を提供した(464mg、87%)。
【0190】
【化103】
Figure 2004529074
(5環式中間体2のN−Fmoc切断)
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク(undec)−7−エン(DBU、140μL、0.936mmol、1.3当量)を、ジクロロメタン(2.9mL)中の5環式中間体2(538mg、0.720mmol、1当量)の溶液に23℃で添加した。30分後、反応溶液を、フラッシュクロマトグラフィーカラムに直接ロードした。25:1→20:1ジクロロメタン−メタノールを用いた溶出は、白色固体として脱保護化生成物(330mg、87%)を提供した。
【0191】
【化104】
Figure 2004529074
(ピルバミド11)
N,N−ジエチルアニリン(34μL、0.21mmol、1.1当量)およびピルボイル塩化物(65μL、0.61mmol、3.0当量)を、ジクロロメタン(4.1mL)中の第1級アミンの溶液(107mg、0.204mmol、1当量)に0℃で、経時的に添加した。30分後、10mL部分の半飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、そして生じた混合物を、酢酸エチル(10mL)を用いて抽出した。有機層を、10mL部分の半飽和重炭酸ナトリウム水溶液および1:1飽和塩化ナトリウム水溶液−飽和重炭酸ナトリウム水溶液を用いてそれぞれ1回洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチルヘキサン)により、白色固体としてピルバミン11(105mg、87%)を提供した。
【0192】
【化105】
Figure 2004529074
Figure 2004529074
((−)−サフラマイシンA(1))
ヨードソベンゼン(189mg、0.859mmol、2.5当量)を、50%アセトニトリル−水(8.0mL)中のピルバミド11の溶液(203mg、0.341mmol、1当量)に0℃で添加した。1時間後、反応混合物を、C18−シリカフラッシュクロマトグラフィーカラムに直接ロードし、そして50%アセトニトリル−水を用いて溶出して、黄色の固体として合成(−)−サフラマイシンA(1)を提供した(127mg、66%)。合成物1のスペクトルのデータおよびクロマトグラフィーの特性は、天然のサフラマイシンAの標準サンプルのスペクトルのデータおよびクロマトグラフィーの特性と同一であった。
【0193】
【化106】
Figure 2004529074
Figure 2004529074
B.本発明のさらに別の実施形態において、記載されるような一般的方法論は、図3に示されるような、三量体α−アミノアルデヒド前駆体(8)からのサフラマイシンA(9)の5環式骨格の1工程構築物によって例示される。詳細には、強力な抗腫瘍アルカロイドサフラマイシンAが、グリシン、アラニンおよび2分子のチロシンから構築され得ることを合成の研究が示していることを認識する(Mikamiら、J.Biol.Chem.1985、260、344;Araiら、Anitimicrob.Agents Chemother.1985,28,5;Araiら、In The Alkaloids;Brossi,A.,Ed.;Academic Press:New York,1983;Vol.21,第3章;Remers,W.A.In The Chemistry of Antitumor Antibiotics;Wiley−Interscience:New York、1988;Vol 2,第3章)。上記で実証されたように(パートAにおいて)α−アミノアルデヒドの直接的な縮合を介したアルカロイドの生成のための効果的な合成が、達成された。上記のような5つの工程の過程に渡って、この成分は、2つのPictet−Spengler環化反応および分子内Strecker反応を含む順序の段階的な様式で速結され、5環式のサフラマイシンA前駆体5を形成した(図1に示される(2)と同様に;Myers,A.G;Kung,D.W.J.Am.Chem.Soc.1999,121,10828を参照のこと)。さらに別の実施形態において、本明細書中で実証されるように、アルカロイド骨格、詳細には以下に示されるようなサフラマイシン骨格は、3つのα−アミノアルデヒド成分2、3および4(図4)のN連鎖のオリゴマーからの1つの著しい形質転換において構築され得、この反応は最初にサフラマイシンA(1)とオリゴペプチド前駆体とを連結する実行可能な経路、従って可能な生合成経路を提案する。
【0194】
始めに標的化された特定のオリゴマーは、三量体のアミノニトリル6であり、ここで、2、3および4は、経時的なStrecker反応によって連結される(図5を参照のこと)。アミノニトリル基は、3つのα−アミノアルデヒド成分を共有結合させるのに役立ち、そして後に、サフラマイシン骨格を導く3つの環化反応を媒介する求電子的イミンまたはイミニウム中間体への前駆体として遅れて機能することを提案した(バイオミメティックス系におけるイミンイオン/イミニウムイオン前駆体としてのアミノニトリルの使用の選択された例について、(a)Overman,L.E.;Jacobsen,E.J.Tetrahedron Lett.1982,23,2741(b)Ksanderら、Helv.Chim.Acta 1987,70,1115;(c)Boninら、Org.Synth.1992,70,54を参照のこと)。既に、α−アミノアルデヒドが、α−立体中心のエピマー化なしでStrecker反応を用いて結合され得ることが、実証されている(Myersら、J.Am.Chem.Soc.1999,121,8401)。アミノニトリル形成が、各場合(後のC−C結合形成反応となんの因果関係もない)における2つのジアステレオ異性の生成物を形成すると予測されたため、13C標識シアン化物を、合成において利用して、生成物の−13C NMR分析を容易にした。この順序はまた、シアノ基上の13C標識を有する、単一のC保護化α−アミノアルデヒド成分3のジアステレオマーから始めた。
【0195】
α−アミノアルデヒド成分の導入の順番は、3+2であり、次いで、4は、合成におけるC末端からN末端への方向性を示した。混合物3(1当量、93%ee、13C−標識化シアノ基)および懸濁された硫酸ナトリウムを有するジクロロメタン中のそのN保護化α−アミノアルデヒド対照物2(1.05当量、96%ee)は、既に、上記で実証されたように、手際よくそしてα−エピマー化なしで対応するイミンの形成を生じた。しかし、この例において、イミンを、23℃でメタノール中のシアン化水素を用いるStrecker反応により捕捉した(1.6当量酢酸、1.5当量K13CN、図5)、その一方で、上記の経路において、イミンを、ホウ化リチウムの存在下で温める(35℃)ことによって環化した。予測されたα−アミノニトリル7(ジアステレオマーの1.1:1混合物)を、フラッシュカラムクロマトグラフィーによる単離後92%の収率で得た(図4)。シリルエーテル(トリエチルアミントリヒドロフルオライド、2.5当量、CHCN、23℃)および7のN−Fmoc基(30%ピペリジン−CHCl、23℃、76%、2工程)の経時的除去は、三番目の成分、N−Fmocグリシナル(4)と結合するための完全に脱保護化された「二量体」を提供した。これらの成分の試験されたStrecker結合を、グリシナルジミン中間体の内部環化によって複雑にした。このようなプロセスが、元々標的化された三量体のα−アミノニトリルに対して機能的に当量であるアミナール生成物を提供したことを認識し、この縮合反応を最適化してこの生成物を形成する(化合物8、図5)。従って、23℃でのジクロロメタン中の脱保護化二量体α−アミノアルデヒド(1当量)の溶液への4(1.1当量)の添加は、シアン化水素非存在下での速やかな縮合を導き、環式アミナール8として定式化される生成物を提供した。これらの生成物は、シリカゲル上のクロマトグラフィーに対して安定ではないが、H−NMR分析および13C−NMR分析は、これらが、手際よく形成されたことを示した(約90%の結合収率)。ジアステレオマーのみを、分光学的に検出し、そしてこれらは開始物質7と同じ比で存在し、環式アミナールが、単一の立体化学を用いて形成され、図5に示されるように試験的に割当られることを示唆した。
【0196】
ルイス酸ホウ化リチウム(ジメトキシエタン、還流)次いで塩化亜鉛(トリフルオロエタノール−THF、23℃)を用いた8の経時的処置後、8が、他の全ての反応生成物からクロマトグラフィーによって良好に分離されたという事実に助けられて、純粋な形態で反応混合物から所望される5環式サフラマイシンA前駆体9を単離(4%)することが可能であった。さらなる実験で、条件により、1工程で8を9に形質転換体し得ることを見出し、そして高い収率(図3および6)において;臭化マグネシウムエーテル化合物(20当量)の存在下で還流でテトラヒドロフランにおける8の溶液を加熱することで、2つの別々の実験において9を8.4および9.0%提供した。重要なことに、アミド生成物のHPLC分析に続く、鏡像異性体モシャー酸塩化物を用いた9のNアセチル化は、9が、ラセミ化せずに形成されていることを確立した(9は,99%eeであった)。アセトニトリル中のホルマリンおよびトリアセトキシホウ化水素ナトリウムを用いた9のN−メチル化は、13C標識に寄与すると予測された分光測定の差異を除く、より初期の合成経路(H、NMR、IR、TLC、およびHPLC分析)によって調製される、標準のサンプルと同一のサフラマイシンA前駆体5(図4に示されるような)を提供した。中間体5は、3工程でサフラマイシンAに形質転換され得る(50%生成)(例えば、図2を参照のこと)。
【0197】
5環式中間体9へのN速結オリゴマー8の1工程転換は、異常な数の個々の工程を含む。3回の環化反応が生じ、そしてサフラマイシンAの立体中心5つのうち3つが、この工程において確立される。理論上、前駆体5(図4に示される)の5つの各立体中心は、反応条件下でエピマー化される。単一のエピマー化事象は、9からの反応の経路を転換し得る。形成される生成物において、α−アミノアルデヒド誘導化中心が、保存される。多くの実行可能な順序が、8を9に形質転換するために想像され得;図6に示される経路は、天然に存在すると提唱される。研究の背景において、本研究者らは、アミナールは、二次アミノニトリルよりも穏やかな酸性条件で、イミンまたはイミニウムイオン中間体を形成する大きな傾向を有し、次に、三次アミノニトリルよりも不安定であることを発見した(Myersら,J.Am.Chem.Soc.1999,121,8401)。この理由について、任意の特定の理論によって拘束されることを望まないが、第1にアミナールの切断が生じ、続いて図6に示されるようなPictet−Spengler環化によって生じたイミンが捕捉されると提案されている。二次アミノニトリルの経時的イオン化は、第2のPictet−Spengler環化を開始することと提案されている。最終的に、三次アミノニトリル基のイオン化は、5環式生成物9を形成する内部Strecker反応を導く。この提案された配列における2つのPictet−Spengler反応の順序づけが、本研究者らの最初の段階的な縮合経路と反対であることを示すことは、興味深い。Pictet−Spengler環化の両方は、最初の段階的経路において観察されるように、cis選択性で進行されると考えられる。
【0198】
(II.サフラマイシンのアナログの合成)
A)一般的手順:全ての反応を、オーブン乾燥または火炎乾燥した丸底フラスコにおいて実行した。このフラスコを、ゴム状セプタまたはガラスストッパーを用いて装着した。市販の薬剤を、以下の例外を認めて使用した:THFを、760Torrで、ナトリウムベンゾフェノンケチルから希釈し、メタノールを、760Torrで、マグネシウムメトキシドから希釈し、そしてジクロロメタンを、760Torrで、水素化カルシウムから希釈した。全てのアナログに対する光学測定データおよび分析データを開示する。全てのカップリング定数が、Hertzで与えられる。
【0199】
(2)アナログに対する一般的な実験)
有用な化合物が本明細書中に記載されるように得られ得ることが、本発明によって提供される新規方法論に従って理解される。しかし、1つの実施例において、本発明の方法論は、保護化されたアミノ官能基を有する、以下に示されるようなヒドロキノンの迅速な生成を可能にし、このアミノ官能基は、適切な反応条件化で適切な薬剤を用いて脱保護化および反応され得、本明細書中により詳細に記載されるように、誘導体を生成するこの特定の実施例が、以下に記載される。
【0200】
【化107】
Figure 2004529074
本発明の特定の実施例において、所望される化合物を生成する塩化メチレンにおけるジエチルアミリンを伴う適切な条件下で、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシおよびアルキル官能基を有する酸塩化物が、上記に示されるアミノ化合物と反応される。
【0201】
本発明の特定の他の実施形態において、アセトニトリル中のNaBH(OAc)を伴う適切な条件下で、ヘテロアリールおよびアリール官能基を有するアルデヒドが、上に示されるアミノ化合物と反応して所望される化合物を生成する。
【0202】
なお本発明の他の実施形態において、テトラヒドロフラン中のEDC、HOBT、ジエチルアニリンを伴う適切な条件下で、ヘテロアリール官能基を有するカルボン酸が、上記のアミノ化合物と反応して所望される化合物を生成する。
【0203】
種々の適切な反応条件が、上記の化合物のアミノ部分を官能基化するために利用され得、従って本明細書中に記載されるようなアナログの生成が、本明細書中に記載される特定の実施例に限定されることを意図されないことが、当業者によって理解される。
【0204】
一般的および上記されるようなアミノ官能基からの例示的なアナログの合成に加えて、本発明の方法が、官能基を含むO、SおよびC(Rで)を有する5環式の構造体の合成を提供し、従って種々のアナログの接近を可能にすることが、理解される。
【0205】
本明細書中に記載される化合物が、伝統的な溶相方法(一般に上記されるような)または固体支持技術を用いて合成され得ることが理解される。
【0206】
(3.(−)サフラマイシンAアナログのライブラリーのモジュラー、固体支持合成)
本明細書中に記載されるように、一般に上記および本明細書中に記載される化合物はまた、本明細書中に記載されるモジュラー固体支持合成を用いて調製され得る。さらに、本明細書中に記載されるように、本発明のモジュラー合成は、本明細書中に記載されるように核構造体(例えば、R部分)の広範な多様化を可能にする。さらに、図10〜14Bは、固体支持技術を用いる発明の化合物の合成のための例示的なスキームおよび方法を示す。
【0207】
(樹脂操作の記述)
全ての個体支持反応を、ポリプロピレンシリンジを介して反応懸濁物から樹脂ビーズを直接サンプリングすることによって、比色分析またはクロマトグラフィーで追跡した。次いで、サンプルのビーズを、比色試験を行うか、または切断反応混液(Kaiser,E.ら、Anal.Biochem.1976,71,261)(1°アミン)に曝露する前に、ポリプロピレンガラス原料(Bio−Spin Disposable Chromatography Columns,P/N:732−6008,Bio−Rad Laboratories,2000 Alfred Nobel Drive,Hercules,CA 94547)で洗浄し、そして真空で短時間乾燥し、そしてクロルアニル(Vojkovsky,T.Pept.Res.,1995,8,236)(2°アミン)比色アッセイを、報告されるように実行した(1999 Novabiochem Catalog & Peptide Synthesis Handbook,Calbiochem−Novabiochem Corporation,10394 Pacific Center Court,San Diego,CA 92121,pp.S43)。
【0208】
固体支持反応の進行を、シロキサンリンカーのメタン分解による固体支持から生成物を遊離化することによって、クロマトグラフィーにより追跡した:洗浄した樹脂サンプル(約5mg)を、ポリプロピレンエッペンドルフチューブ中の100μLのジクロロメタン、20μLのメタノール、および10μLの濃塩酸の混合物中に懸濁し、そして時折手で攪拌(約3分毎)して23℃で10分間静置した。この反応混合物由来の上清を、薄層クロマトグラフィーによって分析し、予め固体に固定化された化合物の形質転換の半直接的モニタリングを可能にした。
【0209】
【化108】
Figure 2004529074
イミダゾール(7.33mg、107.7mmol、1.1当量)を、98.0mLのN,N−ジメチルホルムアミド中の5−ヘキサン−1−オル(9.81g、97.91mmol、1.0当量)の溶液に1度に添加した。生じた澄んだ溶液を、0℃で10分間攪拌し、そしてt−ブチルジメチルシリルクロリド(16.2g、107.7mmol、1.1当量)を添加した。さらなる0℃での10分間の攪拌後、生じた反応溶液を、23℃まで温め、1.5時間攪拌した。次いで、超過のt−ブチルジメチルシリルクロリドを、100mLの水の添加によってクエンチし、そして生じた水溶液を、2×200mLのジエチルエーテルを用いて抽出した。次いで、合わせた有機抽出物を、2×400mLの水および1×500mLのブラインを用いて洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、澄んだ油状物として分光学的に純粋なシロキサン生成物を得た(22.28g、100%)。
【0210】
【化109】
Figure 2004529074
【0211】
【化110】
Figure 2004529074
3−クロロペルオキシ安息香酸(442.0mg、77%、1.97mmol、1.2当量)を、0℃で、8.0mLのジクロロメタン中のシロキサン基質の溶液(352.2mg、1.64mmol、1.0当量)に一度に添加した。5分後、反応溶液を、23℃まで温め、そして13時間攪拌した。次いで、反応溶液を、80mLのペンタンを用いて希釈し、そして1×80mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液、1×80mLの飽和重亜硫酸塩ナトリウム水溶液、1×80mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液および1×80mLのブラインを用いて洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥した後、有機層を、真空中で濃縮し、クロマトグラフィーで精製し(SiO、7%エーテル−ペンタン→20%エーテル−ペンタン)、澄んだ油状物としてエポキシドrac−3を得た(353.7mg、94%)。
【0212】
【化111】
Figure 2004529074
【0213】
【化112】
Figure 2004529074
氷酢酸(52.8μL、924.4μmol、触媒に関して10.2当量)を、空気に開放されたフラスコ中で23℃で、(S,S)−(+)−N,N‘−Bis(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(II)(52.9mg、87.62μmol、0.2mol%)の赤橙色のトルエン溶液(1.1mL)に添加した。生じた溶液を、23℃で30分間攪拌し、次いで真空中で濃縮して、茶色の固体を提供した。エポキシド(rac−3)(11.39g、43.30mmol、1.0当量)を、この触媒に添加し、そして反応溶液に水(430.2μL、23.87mmol、0.55当量)を添加する前に、生じた茶/黒色溶液を、アルゴン存在下で0℃で10分間攪拌した。冷却浴に移動する前に、生じた混合物を、0℃で5分間攪拌した。23℃で28時間後、鏡像富化(enantioenriched)エポキシド(S)−3を、反応混合物(95−99℃、0.5mmHg)から直接希釈し、澄んだ油状物としてエポキシド(S)−3(4.62g、46%)および赤茶色の油状物として生成物のジオール(5.39g、50%、触媒および水で汚染された)を得た。エポキシドおよびジオールの両方を、HNMRによって分光学的に精製した。エポキシド(S)−3を、決定してアジ化ナトリウムとのエポキシドの反応によって提供された2°のアジドアルコールのモシャーエステル分析(19FNMR)によって>98%ee提供した。
【0214】
【化113】
Figure 2004529074
【0215】
【化114】
Figure 2004529074
207mLの無水EtOH中のエポキシド(S)−3の溶液(4.78g、20.75mmol、1.0当量)を、0℃で10分間攪拌した。次いで、エタノールアミン(62.6mL、1.04mol、50.0当量)を、10分間に渡って澄んだ反応溶液に除所に添加し、23℃まで温められた黄色の溶液を提供した。この溶液を、70℃で1時間おいた。エタノールを、真空中で反応溶液から除き、そして生じた黄色の油状物を、700mLの酢酸エチルと700mLの水との間に分けた。次いで、分離された有機層を、1×500mLの水および1×500mLのブラインを用いて洗浄し、炭酸カリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、黄色がかった透明な油状物として分析的に純粋なアミノジオールを提供した(5.99g、99%)。
【0216】
【化115】
Figure 2004529074
【0217】
【化116】
Figure 2004529074
重炭酸カリウム(6.93g、69.17mmol、2.0当量)を、300mLのN,N−ジメチルホルマリン中のアミジオール基質(10.08g、34.58mmol、1.0当量)の溶液に添加した。次いで、臭化ベンジル(4.20mL、34.58mmol、1.0当量)を、激しく攪拌した生じた白色懸濁物に添加し、反応容器をホイルで包み、そして反応容器を、50℃で2.3時間加熱した。冷却後、反応混合物を、700mLのジクロロメタンと700mLの水との間に分け、そして有機層を、分離した。水層を、経時的に、1×500mL、1×300mL、および1×200mLのジクロロメタンを用いて抽出した。次いで、全ての有機抽出物を合わせ、1×1.6Lの水を用いて洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。真空中での乾燥抽出物の濃縮により、粘性の黄色の油状物としてベンジルアミン4(12.60g、92%)を提供し、これは、さらなる精製を必要としなかった。
【0218】
【化117】
Figure 2004529074
【0219】
【化118】
Figure 2004529074
【0220】
【化119】
Figure 2004529074
40.0mLのテトラヒドロフラン中のN−ベンジルジオール4(1.54g、4.02mmol、1.0当量)の溶液を、0℃で10分間攪拌し、次いで、カニューレを介して水酸化ナトリウム(254.2mg、10.06mmol、2.5当量)に添加した。生じた白色の懸濁物を、冷却浴に移す前に、0℃で5分間激しく攪拌した。23℃で1時間後、反応懸濁物を、0℃の浴槽に10分間戻し、そしてN−トシルイミダゾール(894.5mg、4.02mmol、1.0当量)を、3部で12分間に渡って添加した(各部分の添加に続いて気体の放出を観察した)。生じた反応溶液を、0℃でさらに10分間攪拌した後、冷却浴に再度移した。23℃で1時間後、超過の水素化ナトリウムを、30mLの飽和水性塩化アンモニウムを反応懸濁物に0℃で、ゆっくりと添加することによって、注意深くクエンチした。次いで、反応混合物を、340mLの塩化アンモニウム(飽和水溶液)と370mLのジエチルエーテルとの間に分け、そして有機層を分離し、そしてさらに1×300mLの水および1×200mLのブラインを用いて洗浄した。この水性の洗浄物を、合わせ、そして2×200mLのジエチルエーテルを用いて抽出した。次いで、全ての有機抽出物を合わせ、そして硫酸ナトリウムで乾燥した。真空中での抽出物の濃縮により、黄色の油状物を提供し、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、20%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、黄色の油状物としてN−ベンジルモルホリン生成物を得た(926.6mg、63%)。
【0221】
【化120】
Figure 2004529074
【0222】
【化121】
Figure 2004529074
【0223】
【化122】
Figure 2004529074
氷酢酸(379.0μL、6.63mmol、2.6当量)を、30.0mLのメタノール中のN−ベンジルホルホリン基質(926.6mg、2.55mmol、1.0当量)の溶液に添加した。次いで、活性炭上の10%パラジウム(271.2mg、254.8μmol(Pd)、0.1当量)を、澄んだ溶液に添加した。生じた黒色の懸濁物を、H雰囲気(1気圧)下で、反応容器の減圧と、H2(g)の両充填を交互に(5×)循環した。1気圧の水素下で、2時間攪拌した後、反応懸濁物を、Celite545を介してろ過し(注意:触媒を乾燥させないこと−発火の危険)、触媒を、3×10mLのメタノールを用いて洗浄し、そしてろ液を、100mLのジエチルエーテルと100mLの重炭酸ナトリウム(飽和水溶液)との間に分けた。次いで、有機層を、さらに1×80mLのブラインを用いて洗浄し、そして合わされた水性洗浄物を、1×100mLのジエチルエーテルを用いて抽出した。次いで、全ての有機抽出物を合わせ、炭酸カリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮して、不可逆的な薄黄色の油状物として分光学的に純粋なシロキシモルホリン5を提供した(679.0mg、97%)。シロキシモルホリン5のモシャーアミド分析(HNMR)は、生成物が>95%ee提供されることを示した。
【0224】
【化123】
Figure 2004529074
【0225】
【化124】
Figure 2004529074
【0226】
【化125】
Figure 2004529074
4.5mLの2,2,2−トリフルオロエタノール中のシロキシモルホリン5(606.6mg、2.22mmol、5.0当量)の溶液を、−20℃の浴で10分間に渡って攪拌し、次いで、カニューレによって−20℃で、基質シアノヒドリン(既に報告されたように調製した:Myers,A.G.;Kung,D.W.;Zhong,B.;Movassaghi,M.;およびKwon,S.J.Am.Chem.Soc.1999,121,8401−8402;Myers,A.G.;Kung,D.W.J.Am.Chem.Soc.1999,121,10828−10829)(273.4mg、453.56μmol、1.0当量)に添加した。生じた黄色の溶液を、−20℃で5分間攪拌し、次いで、23℃まで温めた。23℃で3時間後、反応溶液を、真空中で濃縮し、次いで1×5.0mLのベンゼンから濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、18%酢酸エチル−ヘキサン)による濃縮物の精製は、澄んだ油状物としてsyn−モルホリノニトリル(149.6mg、38%)および澄んだ油状物として抗モルホリノニトリル(175.0mg、45%)を提供した。シクロモルホリン5を、10%メタノール−ジクロロメタン+2%(v/v)トリエチルアミンを用いて溶出することによってカラムから再生し、黄色の油状物として再生したシクロモルホリン5を提供した(493.9mg、100%)。
【0227】
【化126】
Figure 2004529074
【0228】
【化127】
Figure 2004529074
(epi−syn−モルホリノニトリル)(微量)
【0229】
【化128】
Figure 2004529074
(anti−モルホリノニトリル)(大量)
【0230】
【化129】
Figure 2004529074
Figure 2004529074
濃塩酸(240.0μL、2.88mmol、メタノールを用いて1% v/v、約6当量)を、0℃で10分間撹拌した24.0mLのメタノール中のsyn−アミノニトリル基質(406.2mg、473.3μmol、1.0当量)の溶液に添加した。5分後、この反応溶液を240mLのジエチルエーテルと240mLの水:炭酸水素ナトリウム(飽和水溶液)(3:1)との間で分配した。有機層を単離し、そして、150mLのブラインで1回洗浄した。次いで、合わせた水層を、さらに250mLのジエチルエーテルを用いて1回抽出し、そして、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮し、続いてカラムクロマトグラフィー(SiO、60%酢酸エチル−ヘキサン)によって、アルコール7を透明オイルとして得た(330.5mg、94%)。
【0231】
(7):
【0232】
【化130】
Figure 2004529074
Figure 2004529074
濃塩酸(250.0μL、3.00mmol、メタノールを用いて1% v/v、約3当量)を、0℃にて10分間撹拌した25.0mLのメタノール中のanti−アミノニトリル基質(916.2mg、1.07mmol、1.0当量)の溶液に添加した。5分後、反応溶液を、250mLのジエチルエーテルと250mLの水:炭酸水素ナトリウム(飽和水溶液)(3:1)との間で分配した。有機層を単離し、そして、150mLのブラインで1回洗浄した。次いで、合わせた水層を、さらに、250mLのジエチルエーテルを用いて2回抽出し、そして、合わせた有機抽出物を、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮し、続いて、カラムクロマトグラフィー(SiO、60%、酢酸エチル−ヘキサン)によって、アルコールepi−7を透明オイルとして得た(756.5mg、95%)。
【0233】
(epi−7):
【0234】
【化131】
Figure 2004529074
Figure 2004529074
ポリスチレンクロロジイソプロピルシラン6を、Danishefsky(Randolph,J.T.;McClure,K.F.;Danishefsky,S.J.、J.Am.Chem.Soc.1995、117、5712〜5719)によって報告された手順の改良法によって、調製した。市販の4−ブロモポリスチレン(Novabiochem、4−ブロモポリスチレンHL(P/N:01−64−0255)、50メッシュ〜100メッシュ、Calbiochem−Novabiochem Corp.、10394 Pacific Center Court、San Diego、CA 92121)(3.65g、7.12mmol、1.95mmol/g、1.0当量)を、一体型ガラス真空フリットを有する改変された丸底フラスコにおいて、アルゴン雰囲気下で35mLのベンゼンを用いて2回洗浄し、次いで、35mLのベンゼン中に再懸濁した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中に2.50M、7.72mL、19.29mmol、2.71当量)をこの懸濁液に添加し、そして、生じた混合物を、60℃にて3時間撹拌した。次いで、白濁の反応上清を減圧濾過によって除去し、そして、樹脂を35mLのベンゼンを用いて1回洗浄した。次いで、この樹脂を35mLのベンゼン中に再懸濁し、そして、ジクロロジイソプロピルシラン(5.14mL、28.47mmol、4.0当量)を添加した。生じた懸濁液を23℃にて3時間撹拌し、そして、反応上清を、再び濾過を介して除去した。次いで、樹脂を、36mLのベンゼン:アセトニトリル(5:1)を用いて2回、35mLのベンゼンを用いて1回、35mLのN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回、35mLのテトラヒドロフランを用いて2回、および35mLのジクロロメタンを用いて2回、連続的に洗浄し、そして、8時間減圧中で乾燥させ、ポリスチレンクロロジイソプロピルシラン6を、黄白色の流動性(free−flowing)の樹脂として得た(3.98g)。
【0235】
【化132】
Figure 2004529074
3.6mLのN,N−ジメチルホルムアミド中のアルコール7(54.1mg、72.7μmol、1.0当量)の溶液を、ポリスチレンクロロジイソプロピルシラン6(412.3mg、566.1μmol、7.8当量、1.373mmol/g)およびイミダゾール(44.6mg、654.4μmol、9.0当量)の混合物へ、カニューレを介して23℃にて添加した。2時間後、さらなるイミダゾール(89.1mg、1.31mmol、18.0当量)およびメタノール(117.8μL、2.91μmol、40.0当量)を、生じた黄褐色樹脂の透明懸濁液に添加し、そして、生じた混合物を15時間撹拌した。次いで、この反応上清を、圧着カニューレによって除去し、そして、生成物の樹脂を、4mLのN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回、4mLのテトラヒドロフランを用いて3回、および4mLのジクロロメタンを用いて2回、連続的に洗浄し、圧着カニューレを介して洗浄液を除去した。この樹脂を減圧下で5時間乾燥し、流動性の黄白色樹脂を得た。この変換の収率を、測定された樹脂のアリコートからの9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)保護基の切断(20%ピペリジン−N,N−ジメチルホルムアミド、2分間)、続く確立された手順(例えば、1999 Novabiochem Catalog & Peptide Synthesis Handbook、Calbiochem−Novabiochem Corporation、10394 Pacific Center Court、San Diego、CA 92121、pp.S43を参照のこと)に従った遊離されたジベンゾフルベン発色団のUV定量(A290)によって、決定した。2回の反復した測定を平均して、0.1502mmol/g(95%)の樹脂ローディングレベルを得た。(注意:ローディング反応およびキャッピング反応中の微量Fmocの切断は、95%より大きいローディングを示唆する。)100μLのCHCl、20μLのCHOHおよび10μLの濃塩酸の混合液中で、約5mgの洗浄した樹脂のサンプルを10分間インキュベートすることによって生成物の樹脂から切断された物質をクロマトグラフィー分離することによって、基質アルコール7が単独で存在することが示され、生成物の樹脂8の明らかな形成を確認した。
【0236】
【化133】
Figure 2004529074
40.0mLのN,N−ジメチルホルムアミド中のアルコールepi−7の溶液(756.5mg、1.02mmol、1.0当量)を、ポリスチレンクロロジイソプロピルシラン6(3.98g、5.34mmol、5.24当量、1.34mmol/g)およびイミダゾール(432.6mg、6.35mmol、6.25当量)の混合物へ、カニューレを介して(2×5.0mLのN,N−ジメチルホルムアミド洗浄液と共に)23℃にて添加した。5時間後、さらなるイミダゾール(1.25g、18.3mmol、18.0当量)およびメタノール(1.65mL、40.7mmol、40.0当量)を、生じた黄褐色樹脂の透明懸濁液に添加し、そして、生じた混合物を16時間撹拌した。次いで、反応上清を、圧着カニューレによって除去し、そして生成物の樹脂を、40mLのN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回、40mLのテトラヒドロフランを用いて3回、および40mLのジクロロメタンを用いて2回、連続的に洗浄し、圧着カニューレを介してこの洗浄液を除去した。この樹脂を、減圧下で5時間乾燥し、流動性の黄白色樹脂を得た。この変換の収率を、測定された樹脂のアリコートからの9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)保護基の切断(20%ピペリジン−N,N−ジメチルホルムアミド、2分間)、続く確立された手順に従った遊離したジベンゾフルベン発色団(A290)のUV定量によって、決定した。2回の反復した測定を平均して、0.2345mmol/g(100%)の樹脂ローディングレベルを得た。100μLのCHCl、20μLのCHOHおよび10μLの濃塩酸の混合液中で、約5mgの洗浄した樹脂のサンプルを10分間インキュベートすることによって生成物の樹脂から切断された物質をクロマトグラフィー分離することによって、基質アルコールepi−7が単独で存在することが示され、生成物の樹脂epi−8の明らかな形成を確認した。
【0237】
【化134】
Figure 2004529074
酢酸(253.8μL、4.44mmol、10.0当量)を20mLのテトラヒドロフラン中のアミノニトリル樹脂8(2.12g、444.2μmol、1.0当量、0.1575mmol/g)の懸濁液に添加した。次いで、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド(テトラヒドロフラン中に1.0M、2.22mL、2.22mol、5.0当量)を反応上清に添加し、そして、生じた懸濁液を23℃にて1.5時間撹拌した。次いで、反応上清を圧着カニューレを介して除去し、そして、生成物の樹脂を、20mLのN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回、20mLのテトラヒドロフランを用いて3回、および20mLのジクロロメタンを用いて2回、連続的に洗浄した。洗浄した生成物の樹脂を、減圧下で一晩乾燥し、流動性の黄橙色の樹脂を得た。樹脂の9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)ローディングレベルの光度測定(A290、20%、ピペリジン−N,N−ジメチルホルムアミド)によって、0.09504mmol/gの樹脂ローディングレベルを得て、これは、樹脂ローディング工程について100%の収率を基準とした場合、45%のFmocの切断を意味した。(反応上清のTLCはジベンゾフルベンの形成を確認し、これは、Fmocの脱保護が、この反応条件で起こったことを示す。)溶液層の特徴付けのために、生成物の樹脂のアリコートの加メタノール分解(上記の8およびepi−8で記載するように)、上清溶液の単離(カニューレ挿入)、続く樹脂の洗浄、この基質溶液の水性精密検査(workup)(中和塩酸への炭酸水素ナトリウム洗浄)、およびクロマトグラフィー精製(90%の酢酸エチル−ヘキサン)によって、基質を生成物の樹脂から遊離した。
【0238】
【化135】
Figure 2004529074
酢酸(9.0μL、156.8mmol、2.2当量)およびテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド(テトラヒドロフラン中に1.0M、78.4μL、78.4μmol、1.1当量)を、0℃にて10分間撹拌した3.5mLのテトラヒドロフラン中のシロキサン樹脂epi−8(328.0mg、71.27μmol、1.0当量)の懸濁液に連続的に添加した。4.5時間後、反応上清を圧着カニューレを介して除去し、そして、生成物の樹脂を、4mLのN,N−ジメチルホルムアミドを用いて2回、4mLのテトラヒドロフランを用いて2回、および4mLのジクロロメタンを用いて2回、洗浄した。次いで、生成物の樹脂を減圧下で5時間乾燥し、流動性の黄色樹脂を得た。(注意:反応上清のTLCは、ジベンゾフルベンの形成を示し、これは、Fmocの脱保護が、この反応条件下で起こることを示す(上記8の対応する変換を参照のこと)。)。
【0239】
【化136】
Figure 2004529074
N−Fmoc−モルホリノニトリル基質樹脂(2.06g、443.5μmol、1.0当量、0.2152mmol/g)を、20mLの20%(v/v)ピペリジン−N,N−ジメチルホルムアミド中に懸濁した。生じた懸濁液を、23℃にて1.5時間撹拌し、次いで、反応上清を圧着カニューレを介して除去した。次いで、生成物の樹脂を、20mLのN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回、20mLのテトラヒドロフランを用いて3回、および20mLのジクロロメタンを用いて2回、連続的に洗浄し、そして、減圧下で乾燥し、生成物の樹脂9を、流動性の黄褐色固体として得た。洗浄した生成物の樹脂のアリコートの加メタノール分解によって、予想されたシロキサン切断生成物が単一で存在することが、示された。
【0240】
(9):
【0241】
【化137】
Figure 2004529074
N−Fmoc−モルホリノニトリル基質樹脂(315.0mg、70.19μmol、1.0当量、0.2228mmol/g)を、3.95mLの20%(v/v)ピペリジン−N,N−ジメチルホルムアミド中に懸濁した。生じた懸濁液を、23℃にて5時間撹拌し、次いで、反応上清を、圧着カニューレを介して除去した。次いで、生成物の樹脂を、4mLのN,N−ジメチルホルムアミドを用いて3回、4mLのテトラヒドロフランを用いて3回、および4mLのジクロロメタンを用いて2回、連続的に洗浄し、そして、減圧下で乾燥し、生成物の樹脂epi−9を流動性のクリーム色樹脂として得た。固体に固定化された基質を、特徴付けのために、ジクロロメタン(5.0mL)、メタノール(170.0μL、4.2mmol、100.0当量)および濃塩酸(17.1μL、205.6μmol、4.9当量)の混合液中で、生成物の樹脂のサンプル(179.0mg、41.96μmol、1.0当量)を23℃にて22時間をかけて懸濁することによって、遊離させた。この混合液からの反応上清を、処理した生成物の樹脂サンプルの6×4mLのジクロロメタン洗浄と共に、圧着カニューレを介して収集し、そして、合わせた濾過液を、30mLの炭酸水素ナトリウム飽和水溶液と30mLのジクロロメタンとの間で分配した。有機層を単離し、そして、水層を、さらなる6×30mLのジエチルエーテルを用いて抽出した。次いで、有機抽出物を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして、減圧下で濃縮した。生じた橙色オイルのクロマトグラフィー精製(SiO、溶出剤および5%のトリエチルアミンが充填されたカラム上の3%のメタノール−ジクロロメタン)によって、予想された切断アミン基質を黄色みがかった透明オイルとして得た(5.2mg、28%)。
【0242】
(epi−9):
【0243】
【化138】
Figure 2004529074
Figure 2004529074
以前に報告されたように調製した15.0mLのN,N−ジメチルホルムアミド溶液中のアルデヒドの溶液(726.6mg、1.26mmol、2.84当量)(Myers,A.G.;Kung,D.W.;Zhong,B.;Movassaghi,M.;およびKwon,S.J.Amm.Chem.Soc.1999、121、8401〜8402)を、2×5mLのN,N−ジメチルホルムアミド洗浄液を使用することで、カニューレを介してアミン樹脂9(1.96g、443.5μmol、1.0当量、0.2261mmol/g)に添加し、移動を定量化した。生じた橙色樹脂の透明懸濁液を暗中で23℃にて5時間撹拌した後、反応上清を圧着カニューレを介して除去し、そして、生成物の樹脂を、20mLのN,N−ジメチルホルムアミドを用いて2回および20mLの1,2−ジメトキシエタンを用いて2回連続的に洗浄した。(注意:反応上清およびN,N−ジメチルホルムアミド洗浄液を、過剰のアルデヒドを回収させるために収集した(以下を参照のこと)。)生じた黄色樹脂(10)を、テトラヒドロイソキノリン樹脂11の合成において、直接使用した。
【0244】
【化139】
Figure 2004529074
30.0mL 1,2−ジメトキシエタン中の無水臭化リチウム(3.41g、39.30mmol、88当量)の溶液(穏やかに加熱して調製した)を、温かいシリンジおよび針を介して、イミン樹脂10(2.21mg、443.5μmol、1.0当量、0.2008mmol/g)に添加した。生じた黄色樹脂の透明懸濁液を、35℃の浴に配置し、そして、22時間撹拌した。次いで、この上清を、圧着カニューレを介して除去し、そして生成物の樹脂を20mLのN,N−ジメチルホルムアミドを用いて4回、20mLのテトラヒドロフランを用いて3回、および20mLのジクロロメタンを用いて2回、連続的に洗浄し、そして、減圧下で乾燥し、流動性の橙白色樹脂を得た。この樹脂を、ネガティブカイザー試験(negative Kaiser test)およびポジティブクロルアニル試験(positive chloranil test)に用いた。生成物の樹脂の9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)ローディングレベルの光度測定(A290、20%のピペリジン−N,N−ジメチルホルムアミド、2連の測定)によって、0.1698mmol/gの樹脂ローディングレベルを確定し、これはジアステレオマーのテトラヒドロイソキノリンの81%の収率(平均95%収率/工程、4工程)と一致した。この変換についてのジアステレオマー比の特徴付けおよび確立のための基質の遊離を、2.0mLのジクロロメタン中の生成物の樹脂11(86.8mg、13.2μmol(Fmocローディングレベルに基づいて)、1.0当量)の懸濁液と、メタノール(53.5μL、1.32mmol、100.0当量)および濃塩酸(5.4μL、64.8μmol、4.9当量)を23℃にてインキュベートすることによって、達成した。1時間後、反応上清を、処理した樹脂サンプルの2×2mLのジクロロメタン洗浄液と共に、圧着カニューレを介して収集した。この濾液を、30mLのジクロロメタンと30mLの炭酸水素ナトリウム飽和水溶液との間で分配し、有機層を単離し、そして、水層をさらなる2×30mLのジエチルエーテルを用いて抽出した。次いで、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフィーで精製し(SiO、70%酢酸エチル−ヘキサン→80%酢酸エチル−ヘキサン→100%酢酸エチル−ヘキサン)、cis−11(3.4mg、27%)、ならびにtrans−11とepi−11(アミノニトリルメタンおよびテトラヒドロイソキノリン環中の両方の中心でエピマーである)との混合物(0.8mg、6.3%、1.8:1 trans−:epi−)を、白色泡状体(約6.7:1のcis−生成物およびtrans−生成物のジアステレオマー比)として得た。
【0245】
(cis−11):
【0246】
【化140】
Figure 2004529074
Figure 2004529074
樹脂10(上記を参照)の濾過によって単離された基質アルデヒドのN,N−ジメチルホルムアルデヒド溶液を、250mLのジエチルエーテルと250mLの水との間に分配し、そして、エーテル層を単離した。水層を、2×250mLのヘキサン−ジエチルエーテル(1:1)をさらに用いて抽出し、そして、有機抽出物全てを合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した(いくらかのN,N−ジメチルホルムアミドは残存した)。生じたオイル(471.2mgのアルデヒド(理論値)、818.5μmol、1.0当量)を、27.0mLのメタノール中に溶解し、そして、0℃にて10分間撹拌した後、ボロ水素化ナトリウム(15.5mg、409.2μmol、0.5当量)を一度に添加した。0℃にて25分後、この反応溶液を15mLのジエチルエーテルを用いて希釈し、そして、過剰のボロ水素化ナトリウムを、15mLの塩化アンモニウム飽和水溶液をゆっくりと添加することによって注意深くクエンチした。生じた溶液を、150mLのジエチルエーテルと150mLの塩化アンモニウム飽和水溶液との間で分配し、そして、有機層を分離し、そして、1×100mLの塩化アンモニウム飽和水溶液およびl×100mLのブラインを用いて洗浄した。次いで、合わせた水性洗浄液全てをl×250mLのジエチルエーテルを用いて抽出し、次いで、有機抽出物全てを合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして、減圧下で濃縮した。生じた生成物をクロマトグラフィー精製(SiO、70%の酢酸エチル−ヘキサン)し、以前に報告されたアルコール生成物(Myers,A.G.;Kung,D.W.;Zhong、B.;Movassaghi,M.;およびKwon,S.J.Am.Chem.Soc.1999、121、8401〜8402)を、透明オイルとして得た(458.7mg、97%)。
【0247】
【化141】
Figure 2004529074
ホルマリン(660.5μL、8.87mmol、20.0当量)を、40.0mLのN,N−ジメチルホルムアミド中のテトラヒドロイソキノリン樹脂11(2.21mg、443.5μmol、1.0当量、0.1762mmol/g)およびトリアセトキシボロ水素化ナトリウム(1.41g、6.65mmol、15.0当量)の懸濁液に添加した。生じた橙色樹脂の透明懸濁液を3.5時間撹拌した後、圧着カニューレを介して反応上清を除去し、そして、30mLのN,N−ジメチルホルムアミドを用いて5回、30mLのテトラヒドロフランを用いて5回、および30mLのジクロロメタンを用いて2回、連続的に樹脂を洗浄した。減圧下で生成物の樹脂を乾燥し、流動性の淡橙色の樹脂を得、次いで、ネガティブクロルアニル試験に用いた。生成物の樹脂の9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)ローディングレベルの光度測定(A290、20%のピペリジン−N,N−ジメチルホルムアミド、2連の測定)によって、0.1571mmol/gの樹脂のローディングレベルを確定し、これは、この反応の完了に関するクロマトグラフィーおよび比色定量の証拠を考慮すると、この変換について95%の収率を示した。特徴付けのための基質の切断を、2.7mLのジクロロメタン中の生成物の樹脂(95.5mg、16.8μmol、1.0当量)と、メタノール(68.9μL、1.70mmol、100.0当量)および濃塩酸(7.0μL、83.3μmol、4.9当量)を23℃にて18時間インキュベートすることによって、達成した。次いで、この反応上清を、圧着カニューレによって除去し、そして、処理した樹脂の5×2.5mLのジクロロメタン洗浄液と共に収集した。これらの濾液を、30mLのジクロロメタンと30mLの炭酸水素ナトリウム飽和水溶液との間で分配し、そして、有機層を単離した。水層のさらなる抽出(2×30mLのジエチルエーテル)後、有機抽出物全てを合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして、減圧下で濃縮した。生じたオイルのクロマトグラフィー精製(分取TLC、SiO、5%のメタノール−ジクロロメタン)によって、cis−テトラヒドロイソキノリン生成物(10.2mg、62%)およびtrans−テトラヒドロイソキノリン生成物(1.5mg、9%)を、白色固体として得た(6.8:1 ジアステレオマー比)。
【0248】
(cis−アミン):
【0249】
【化142】
Figure 2004529074
Figure 2004529074
テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド(テトラヒドロフラン中に1.0M、2.03mL、2.03mmol、5.0当量)を、20.0mLのテトラヒドロフラン中のN−メチル化アミン樹脂(2.42g、405.4μmol、1.0当量、0.1678mmol/g)および氷酢酸(231.7μL、4.05mmol、10.0当量)の懸濁液に、23℃にて添加した。生じた懸濁液を2.5時間撹拌した後、反応上清を圧着カニューレを介して除去した。生成物の樹脂を、20mLのN,N−ジメチルホルムアミドを用いて2回、20mLのテトラヒドロフランを用いて3回および20mLのジクロロメタンを用いて2回、連続的に洗浄し、そして、減圧下で乾燥し、流動性の黄橙色樹脂を得た。切断された基質を、単離された反応上清およびN,N−ジメチルホルムアミド洗浄液から回収し、本手順を介したシロキサン切断の程度を決定した。洗浄液および上清を、減圧下で約3mLまで濃縮し、次いで、30mLのジエチルエーテルと30mLの水:炭酸水素ナトリウム(飽和水溶液)(3:1)との間で分配した。有機層を分離し、そして、水層を30mLのジエチルエーテルを用いて2回抽出した。有機抽出物全てを合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、そして、クロマトグラフィー精製(分取TLC、7%のメタノール−ジクロロメタン)によって、予想されたシロキサン切断生成物、cis−テトラヒドロイソキノリン(4.5mg、1.3%)および推定されたtrans−テトラヒドロイソキノリン(0.5mg、約0.14%)を、白色固体として得た。未処理の生成物の樹脂の9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)ローディングレベルの光度測定(A290、20%のピペリジン−N,N−ジメチルホルムアミド、2連の測定)によって、0.07732mmol/gの樹脂ローディングレベルを確定し、これは、樹脂結合生成物の約58%が、この変換においてFmoc保護基を失ったことを示唆する(フェノール性シロキサン脱保護について98%の収率(基質樹脂−切断収率に基づいて)であると想定する)。樹脂結合生成物の脱保護を、上記のジアステレオマーのテトラヒドロイソキノリンと共に反応上清からジベンゾフルベン(13.2mg、33%)を単離することによって、確認した。
【0250】
(cis−テトラヒドロイソキノリン):
【0251】
【化143】
Figure 2004529074
Figure 2004529074
【0252】
【化144】
Figure 2004529074
基材フェノール樹脂(2.19g、355.5μmol、1.0当量、0.1681mmol/g)を20.0mLの20%(v/v)ピペリジン−N,N−ジメチルホルムアミドに懸濁した。得られたオレンジ色の樹脂の透明な懸濁液を、23℃で1.5時間撹拌した後、圧着カニューレを介してその反応上清を取り出した。その生成物樹脂を3×20mLのN,N−ジメチルホルムアミド、3×20mLのテトラヒドロフラン、および2×20mLのジクロロメタンで連続的に洗浄し、減圧化で乾燥させ、流動性(free−flowing)のオレンジ色の樹脂を得た。2.0mLのジクロロメタン中の生成物樹脂12のサンプル(74.3mg、12.53μmol、1.0当量)をメタノール(50.8μL、1.25μmol、100.0当量)および濃塩酸(5.1μL、61.42μmol、4.9当量)と共に、23℃で18.5時間インキュベートすることによって特徴づけるために、可溶性の基材を分離した。次いで、この混合物からの反応上清を圧着カニューレを介して収集し、処理した樹脂を6×2mLのジクロロエタンで洗浄した。洗浄液と上清を合わせ、30mLのジクロロメタンと30mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との間に分配し、そして有機層を分離した。水相をさらに抽出(2×20mLのジエチルエーテル)した後、全ての有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。得られたオイルのクロマトグラフィー精製(SiO、2%のメタノール−ジクロロメタン、溶出液+1%のトリエチルアミンを充填したカラム)によって、予想されたcis−テトラヒドロイソキノリン生成物(1.6mg、20%)を白色の固体として得た。
【0253】
【化145】
Figure 2004529074
【0254】
【化146】
Figure 2004529074
3.1mLのジクロロメタン中のN−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−グリシナルの溶液(Myers,A.G.;Kung,D.W.J.Am.Chem.Soc.1999,121,10828−10829に報告されるように調製した)(25.8mg、91.50μmol、3.0当量)を、凍結−排気−解凍して(freeze−pump−thaw)脱酸素(3サイクル)し、カニューレを介してアミン樹脂12(180.8mg、30.50μmol、1.0当量)に加えた。この得られた樹脂懸濁液を、40℃で20時間、撹拌した後、圧着カニューレを介して反応上清を取り出した。次いで、その生成物樹脂を6×3mLのテトロヒドロフランおよび3×3mLのジクロロメタンで洗浄し、減圧下で乾燥させ、流動性のオレンジ色の樹脂を得た。生成物樹脂9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)のローディングレベルの光度決定(A290、20%のピペリジン−N,N−ジメチルホルムアミド、2連の測定)によって、この転換について100%より大きい収率(このことは、生成物樹脂13が、等量を超えるアルデヒドに結合する能力を有することを示唆する)に一致する0.2076mmol/gのFmocのローディングレベルを確立した。この転換についての単離収率を、生成物樹脂13(88.58mg、14.31μmol、1.0等量)を2.3mLのジクロロメタン中でメタノール(57.9μL、1.43mmol、100.0当量)および濃塩酸(4.8μL、57.2μmol、4.9当量)と共に23℃で19時間インキュベートすることによって得た(57.9μL、1.43mmol、100.0当量)。次いで、この反応上清を圧着カニューレを介して回収し、次いで、6×2mLのジクロロメタンで処理した樹脂を洗浄し、そして合わせた濾液を30mLのジクロロメタンと30mLの飽和炭酸水素ナトリウムとの間に分配した。この有機層を分離し、そして水層を2×30mLのジエチルエーテルでさらに抽出した。次いで、全ての有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮してオレンジ色のオイルを得た。このオイルのクロマトグラフィー精製(分取用TLC、SiO、10%のメタノール−ジクロロメタン)によって、いくつかのジアステレオマーの生成物(様々な中心、5.8mg、45%、3工程)(これは、分取用TLCによってきれいに分離されなかった)と共に予想されるcis−/cis−ビス−テトラヒドロイソキノリン切断生成物(5.7mg、44%、3工程)を黄色−オレンジ色の固体として得た。3工程にわたって合わされた89%の単離収率は、約96%の1工程あたりの平均収率に対応する。
【0255】
【化147】
Figure 2004529074
【0256】
【化148】
Figure 2004529074
2,2,2−トリフルオロエタノール(35.2μL、483.10μmol、68.6当量)、塩化亜鉛(テトラヒドロフラン中0.5M、70.4μL、35.21μmol、5.0当量)、およびトリメチルシリルシアニド(3.8μL、28.17μmol、4.0当量)を、105.6μLのテトラヒドロフラン中の樹脂13の懸濁液(43.6mg、7.04μmol、1.0当量)に23℃で連続的に加えた。得られた黄色の懸濁液を、23℃で16時間撹拌した後、1.5mLのテトラヒドロフランで反応混合物を希釈した。次いで、その反応上清を圧着カニューレを介して回収し、5×2mLのテトロヒドロフランで、処理した樹脂を洗浄した。回収した濾液を5mLの酢酸エチルと0.2Nのエチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩二水和物および0.4Nの水酸化ナトリウム(pH10)の15mLの水溶液との間に分配した。1×10mLのブラインで、分離および洗浄し、次いで、水層を合わせ、そしてさらなる2×15mLの酢酸エチルで洗浄した。次いで、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。得られた赤色オイルのクロマトグラフィー精製(分取用TLC、SiO、5%のメタノール−ジクロロメタン)によって少量のアミノニトリル加水分解生成物(0.4mg、8%)と共に五環系生成物2a(2.0mg、41%)を白色固体として得た。
【0257】
【化149】
Figure 2004529074
(代替的な五環系核構造を有する化合物の、例示的な固体支持合成)
【0258】
【化150】
Figure 2004529074
1.3mLのジクロロエタン中のヘキサン(7.8μL、64.70μmol、5.0当量)の溶液を凍結−排気−解凍して脱酸素(3サイクル)し、カニューレを介してアミン樹脂12(76.7mg、12.94μmol、1.0当量)に加えた。得られた樹脂懸濁液を暗闇で40℃にて20.5時間撹拌した後、圧着カニューレを介して反応上清を取り出した。次いで、その生成物樹脂を6×3mLのテトラヒドロフランおよび3×3mLのジクロロメタンで洗浄し、減圧下で乾燥し、流動性のオレンジの樹脂を得た。この生成物樹脂を続く反応に直接使用した。
【0259】
【化151】
Figure 2004529074
塩化亜鉛(テトラヒドロフラン中0.5M、2.3mL、1.16mmol、100.0当量)およびトリメチルシリルシアニド(151.8μL、1.14mmol、99.0当量)を460.0μLの2,2,2−トリフルオロエタノール中の基材樹脂(69.8mg、11.61μmol、1.0当量)の懸濁液に23℃で連続して加えた。得られた黄色の懸濁液を23℃で15.5時間撹拌した後、圧着カニューレを介して反応上清を取り出して回収し、5×3mLのテトラヒドロフランで、処理した樹脂を洗浄した。回収した濾液を10mLの酢酸エチルと0.2Nのエチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩ニ水和物および0.4Nの水酸化ナトリウムの20mLの水溶液(pH10)との間に分配した。この有機層を分離し、1×15mLのブラインで洗浄し、次いで水層を合わせ、そしてさらなる2×15mLの酢酸エチルで抽出した。次いで、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた赤色のオイルのクロマトグラフィー精製(SiO、40%の酢酸エチル−ヘキサン)によって、五環系の生成物を白色固体(1.9mg、29%、4工程)として得た。
【0260】
【化152】
Figure 2004529074
【0261】
【化153】
Figure 2004529074
1.3mLのジクロロエタン中のエチルグリオキシレートの溶液(トルエン中50% w/w、13.0μL、65.79μmol,5.0当量)を凍結−排気−解凍して脱酸素化(3サイクル)し、そしてカニューレを介してアミン樹脂12(78.0mg、13.16μmol、1.0当量)に加えた。得られた樹脂懸濁液を22時間、23℃で、暗闇で撹拌した後、その反応上清を圧着カニューレを介して取り出した。次いで、その生成物樹脂を2×3mLののN,N−ジメチルホルムアミド、4×3mLのテトラヒドロフラン、および2×2mLのジクロロメタンで洗浄し、そして減圧下で乾燥し、流動性のオレンジ色の樹脂を得た。この生成物樹脂を続く反応に直接使用した。
【0262】
【化154】
Figure 2004529074
2,2,2−トリフルオロエタノール(61.6μL、845.4μmol、68.6当量)、塩酸亜鉛(テトラヒドロフラン中0.5M、123.3μL、61.64μmol、5.0当量)、およびトリメチルシリルシアニド(6.6μL、49.31μmol、4.0当量)を、23℃で185.0μLのテトラヒドロフラン中の基材樹脂の懸濁液(74.1mg、12.33μmol、1.0当量)に連続的に加えた。得られた黄色の懸濁液を23℃で7時間撹拌した後、1.5mLのテトラヒドロフランで反応混合物を希釈した。次いで、その反応上清を圧着カニューレを介して回収し、5×2mLのテトラヒドロフランで、処理した樹脂を洗浄した。回収した濾液を、5mLの酢酸エチルと0.2Nエチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩二水和物および0.4Nの水酸化ナトリウムの15mLの水溶液(pH10)との間に分配した。その有機相を分離し、1×10mLのブラインで洗浄し、次いで、水層を合わせてさらなる2×15mLの酢酸エチルで抽出した。次いで、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られたオレンジ色のオイルのクロマトグラフィー精製(分取用TLC、SiO、5%のメタノール−ジクロロメタン)によって五環系生成物(2.2mg、31.5%、4工程)を黄味を帯びた白色固体として得た。
【0263】
【化155】
Figure 2004529074
【0264】
【化156】
Figure 2004529074
1.35mLのジクロロエタン中のtrans−桂皮アルデヒド溶液(8.8μL、69.42μmol、5.0当量の溶液を、凍結−排気−解凍して脱酸素(3サイクル)し、カニューレを介してアミン樹脂12(82.3mg、13.88μmol、1.0当量)に加えた。得られた樹脂懸濁液を21時間、40℃で暗闇で撹拌した後、圧着カニューレを介して反応上清を取り出した。次いで、この生成物樹脂を2×3mLのN,N−ジメチルホルムアミド、4×3mLのテトラヒドロフラン、および2×2mLのジクロロメタンで洗浄し、減圧下で乾燥して、流動性のオレンジ色の樹脂を得た。この生成物樹脂を続く反応に直接使用した。
【0265】
【化157】
Figure 2004529074
2,2,2−トリフルオロエタノール(65.0μL、892.1μmol、68.3当量)、塩酸亜鉛(テトラヒドロフラン中0.5M、130.6μL、65.29μmol、5.0当量)、およびトリメチルシリルシアニド(7.0μL、52.23μmol、4.0当量)を、196.0μLのテトラヒドロフラン中の基材樹脂(78.9mg、13.06μmol、1.0当量)の懸濁液に23℃で連続的に加えた。得られた黄色の懸濁液を、23℃で5.5時間撹拌した後、1.5mLのテトラヒドロフランで反応混合物を希釈した。次いで、その反応上清を圧着カニューレを介して回収し、次いで、5×2mLのテトラヒドロフランで、処理した樹脂を洗浄した。回収した濾液を、5mLの酢酸エチルと0.2Nエチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム塩二水和物と0.4Nの水酸化ナトリウムの15mLの水溶液(pH10)との間で分配した。その有機層を分離し、1×10mLのブラインで洗浄し、次いで、水層を合わせて、さらなる2×15mLの酢酸エチルで抽出した。次いで、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた黄褐色のオイルのクロマトグラフィー精製(分取用TLC、SiO、5%のメタノール−ジクロロメタン)によって五環系生成物(0.3mg、4%、4工程)を白色固体として得た。
【0266】
【化158】
Figure 2004529074
【0267】
【化159】
Figure 2004529074
600μLの1,2−ジクロロエタン中のベンズアルデヒドボロン酸エステル(5.2mg、23.87μmol、5.0当量)の溶液を、凍結−排気−解凍して脱酸素(3サイクル)し、カニューレを介してアミン樹脂(28.3mg、4.77μmol、0.1687mmol/g、1.0当量)に加えた。得られた懸濁液を31時間、75℃で撹拌し、次いで上清をカニューレを介して取り出した。この生成物樹脂を4×1mLのN,N−ジメチルホルムアミド、6×1mLのテトラヒドロフラン、および2×1mLのエチルエーテルで洗浄し、次いで減圧下で乾燥して、26.2mgの流動性のオレンジ色の樹脂を得た。
【0268】
0.48(メタノール分解生成物、分解物)、10%メタノールジクロロメタン。
【0269】
【化160】
Figure 2004529074
塩化亜鉛(25.7μL、テトラヒドロフラン中0.5M、12.83μmol、3.0当量)を、ホウ素樹脂(26.2mg、4.28μmol、0.1632mmol/g、1.0当量)と4Åのモレキュラーシーブ(2.5mg)との混合物に加え、160.0μLのテトラヒドロフランに懸濁した。得られた懸濁液を1.5時間、55℃で撹拌した。次いでこの反応上清を圧着カニューレを介して取り出し、そして、精製樹脂の5×1.5mLのジクロロメタン洗浄により回収した。合わせた上清を洗浄し、15mLのジクロロメタンと15mLのリン酸緩衝水溶液(0.05Mの第一リン酸ナトリウム、0.05Mの第二リン酸カリウム、pH7)との間に分配し、その有機層を分離した。この有機層をさらなる8mLのリン酸緩衝液溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧化で濃縮して、オレンジ−褐色のオイルを得た。300μLのベンゼンからのこのオイルの凍結乾燥により、五環系の生成物(2.2mg、収率57.7%(9工程))を黄褐色の固体として得た。
【0270】
【化161】
Figure 2004529074
(例示的な代替的置換N−アルキル化反応)
【0271】
【化162】
Figure 2004529074
N,N−ジエチルアニリン(34.9μL、219.0μmol、45.0当量)を390.0μLのN,N−ジエチルホルムアミド中のアミン樹脂(23.4mg、4.87μmol、0.2071mmol/g、1.0当量)の懸濁液に加えた。次いでヨードアセトニトリル(14.1μL、194.67μmol、40.0当量)を加え、得られた懸濁液を55℃で4時間撹拌した。次いで、その反応上清を圧着カニューレを介して取り出し、その生成物樹脂を4×2mLのN,N−ジメチルホルムアミド、4×2mLのテトラヒドロフラン、および2×2mLのジエチルエーテルで洗浄した。次いで、その生成物樹脂を減圧下で乾燥し、流動性の赤−褐色樹脂を得た。
【0272】
0.41、0.45(メタノール分解生成物、ジアステレオマー)、10%のメタノール−ジクロロメタン。
【0273】
【化163】
Figure 2004529074
酢酸(1.1μL、18.65μmol、4.0当量)およびテトラブチルアンモニウムフルオライド(テトラヒドロフラン中1.0M、9.3μL、9.30μmol、2.0当量)を230μLのテトラヒドロフラン中のシリルフェノール樹脂(22.7mg、4.66μmol、0.2054mmol/g、1.0当量)の懸濁液に連続して加えた。得られた懸濁液を23℃で2.5時間撹拌した後、圧着カニューレを介して上清溶液を取り出した。その生成物樹脂を4×1mLのN,N−ジメチルホルムアミド、4×1mLのテトラヒドロフラン、および2×1mLのジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥し、フェノール樹脂を流動性の褐色−オレンジ樹脂として得た。
【0274】
【化164】
Figure 2004529074
ピペリジン(60.0μL、620.57μmol、133当量)を240μLのN,N−ジエチルホルムアミド中のフェノール樹脂(22.2μγ、4.66μmol、1.0当量)に加え、得られた懸濁液を23℃で3.5時間撹拌した。次いで、その上清溶液を圧着カニューレを介して取り出し、その生成物樹脂を4×1mLのN,N−ジメチルホルムアミド、6×1mLのテトラヒドロフラン、および2×1mLのジエチルエーテルで洗浄した。洗浄した樹脂を減圧下で乾燥し、固定化されたアミノフェノールを流動性のオレンジ色の樹脂として得た。
【0275】
【化165】
Figure 2004529074
350μLの1,2−ジクロロエタン中のN−Fmocグリシナル(3.9mg、13.98μmol、3.0当量)の溶液を凍結−排気−解凍して脱酸素(3サイクル)し、次いでカニューレを介してアミノフェノール樹脂(21.2mg、4.66μmol、1.0当量)に加えた。得られた懸濁液を55℃で17時間撹拌した後、その上清溶液を圧着カニューレを介して取り出した。次いで、その生成物樹脂を3×1mLのN,N−ジメチルホルムアミド、5×1mLのテトラヒドロフラン、および2×1mLのジエチルエーテルで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、固定化されたビステトラヒドロイソキノリンを流動性の褐色−オレンジ樹脂として得た。
【0276】
0.47(メタノール分解生成物)10%のメタノール−ジクロロメタン。
【0277】
【化166】
Figure 2004529074
塩化亜鉛(29.0μL、テトラヒドロフラン中0.5M、14.51μmol、3.0当量)を180.0μLのテトラヒドロフランに懸濁されたN−Fmoc樹脂(23.2mg、4.84μmol、0.2085mmol/g、1.0当量)および4Åのモレキュラーシーブ(2.5mg)の混合物に加えた。得られた懸濁液を55℃で1.5時間撹拌した後、650μLのジクロロメタンで希釈した。得られた懸濁液を短いシリカゲルプラグに充填し、4プラグ体積の10%テトラヒドロフラン−ジクロロメタンで溶出した。溶出された溶媒を減圧下で濃縮し、生成物ビス−アミノニトリル(0.8mg、収率21.4%(9工程))をオフホワイトの固体として得た。
【0278】
【化167】
Figure 2004529074
(4)特定の例示的なアナログの合成および特徴づけ)
特定の化合物の合成は、伝統的な液相技術(例えば、上記の1節および2節に記載されるような)を使用して記載されるが、特定の化合物の合成は、固体支持技術(例えば、上記の3節に記載されるような)を使用して記載され、下記のこれらの化合物の各々は、伝統的な液相技術か固体支持技術かのいずれかを使用して調製され得る。
【0279】
(実施例1:ビス−2−ピリジル誘導体)
【0280】
【化168】
Figure 2004529074
ピリジン2−カルボキシアルデヒド(0.29μL、3.0μmol、2.0当量)およびトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(0.48mg、2.3μmol、1.5当量)を、アセトニトリル(0.1mL)中のアミン(0.8mg、1.5μmol、1当量)の撹拌溶液にアルゴン雰囲気下で24℃で一部ずつ連続的に加えた。その混合物を1時間撹拌し、次いで、ピリジン2−カルボキシアルデヒド(0.29μL、3.0μmol、2.0当量)およびトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(0.48mg、2.3μmol、1.5当量)の第2の部分を一部分ずつ連続的に加えた。その混合物をさらに30分間撹拌し、次いで、酢酸エチル(10mL)で希釈し、ブライン溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×3mL)の1:1混合物で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して無色のオイルを得た。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製(酢酸エチル→80%の酢酸エチル−メタノール)によって、ビス−2−ピリジル誘導体(0.8mg、85%)を白色固体として得た。
【0281】
【化169】
Figure 2004529074
(実施例2:2−フリルメチル誘導体)
【0282】
【化170】
Figure 2004529074
フルアルデヒド(0.32μL、3.8μmol、2.0当量)およびトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(0.61mg、2.9μmol、1.5当量)を一部ずつ、アセトニトリル(0.1mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の撹拌溶液に24℃でアルゴン雰囲気下で連続的に加えた。その混合物を50分撹拌し、次いで酢酸エチル(10mL)で希釈し、ブライン溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×3mL)との1:1混合物で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して褐色のオイルを分離した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製(80%の酢酸エチル−ヘキサン)によって2−フリルメチル誘導体(1.1mg、95%)を白色固体として得た。
【0283】
【化171】
Figure 2004529074
(実施例3:L−トリプトファン誘導体)
【0284】
【化172】
Figure 2004529074
炭素担持パラジウム(10wt%、0.18mg、0.17μmol、0.1当量)を、23℃のメタノール(0.5mL)中のカルボベンジルオキシ保護化トリプトファン誘導体(1.5mg、1.7μmol、1当量)に、1部添加した。水素雰囲気を、反応フラスコの脱気および水素でのフラッシュを交互に行うことによって、導入した。この反応混合物を、3時間20分攪拌し、次いで、セライト(Celite)の短いパッドに通して濾過した。真空下での濃縮によって、白色固体を得て、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル→10:1酢酸エチル−メタノール)によって精製し、L−トリプトファン誘導体(0.5mg、42%)を、回収された出発物質(0.5mg、33%)と共に、白色固体として得た。
【0285】
【化173】
Figure 2004529074
(実施例4:ベンジル誘導体)
【0286】
【化174】
Figure 2004529074
ベンズアルデヒド(0.43μL、4.2μmol、2.0当量)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.67mg、3.1μmol、1.5当量)を、アルゴン雰囲気下で、23℃のアセトニトリル(0.1mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に、各1部、連続的に添加した。この混合物を、45分攪拌し、次いで、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そしてブライン溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との1:1混合物(2×3mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空下で濃縮して、無色のオイルを残した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)による精製により、ベンジル誘導体(1.2mg、93%)を白色固体として得た。
【0287】
【化175】
Figure 2004529074
(実施例5:2−ピリジル誘導体)
【0288】
【化176】
Figure 2004529074
ピリジン 2−カルボキシアルデヒド(0.36μL、3.8μmol、2.0当量)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.61mg、2.9μmol、1.5当量)を、アルゴン雰囲気下で、24℃のアセトニトリル(0.15mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に、各1部、連続的に添加した。この混合物を、40分間攪拌し、次いで、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そしてブライン溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との1:1混合物(2×3mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空下で濃縮して、白色固体を残した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル→90%酢酸エチル−メタノール)による精製により、2−ピリジル誘導体(0.6mg、51%)を白色固体として得た。
【0289】
【化177】
Figure 2004529074
(実施例6:N−カルボベンジルオキシ−L−トリプトファン誘導体)
【0290】
【化178】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.60μL、3.8μmol、1.1当量)を、アルゴン雰囲気下で、0℃のTHF(0.3mL)中のアミン(1.8mg、3.4μmol、1当量)の攪拌溶液に、1部添加し、そしてこの溶液を、5分間攪拌した。次いで、N−カルボベンジルオキシ−L−トリプトファン(1.5mg、4.5μmol、1.3当量)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.85mg、4.5μmol、1.3当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.56mg、4.1μmol、1.2当量)を、0℃の上記溶液に、各1部、別々に添加した。この反応混合物を、23℃で13時間55分温め、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)でクエンチした。この混合物を、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そして層を分離した。水層を、酢酸エチル(10mL)で抽出し、そして合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥した。真空下での濃縮によって、白色固体を残し、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィー(65%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、N−カルボベンジルオキシ−L−トリプトファン誘導体(2.6mg、90%)を、白色固体として得た。
【0291】
【化179】
Figure 2004529074
(実施例7:インドール−4−カルボン酸アミド誘導体)
【0292】
【化180】
Figure 2004529074
インドール−4−カルボン酸(0.51mg、3.2μmol、1.5当量)を、アルゴン雰囲気下で、23℃のジクロロメタン(0.15mL)中のアミン(1.1mg、2.1μmol、1当量)の攪拌溶液に、1部添加し、そしてこの溶液を、10分間攪拌した。次いで、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N’−プロピルオキシメチルポリスチレン(Argonaut Technologies,1.13mmol/g、3.7mg、4.2μmol、2.0当量)を、23℃の上記溶液に1部添加した。この反応混合物を、23℃で18時間20分穏やかに攪拌し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(80%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、インドール−4−カルボン酸アミド誘導体(0.8mg、60%)を、白色固体として得た。
【0293】
【化181】
Figure 2004529074
(実施例8:インドール−3−カルボン酸アミド誘導体)
【0294】
【化182】
Figure 2004529074
インドール−3−カルボン酸(0.55mg、3.4μmol、1.5当量)を、アルゴン雰囲気下で、23℃のジクロロメタン(0.2mL)中のアミン(1.2mg、2.2μmol、1当量)の攪拌溶液に、1部添加し、そしてこの溶液を、10分間攪拌した。次いで、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N’−プロピルオキシメチルポリスチレン(Argonaut Technologies,1.13mmol/g、8.0mg、9.2μmol、4.0当量)を、23℃の上記溶液に1部添加した。この反応混合物を、23℃で16時間45分穏やかに攪拌し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(85%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、インドール−3−カルボン酸アミド誘導体(1.2mg、86%)を、白色固体として得た。
【0295】
【化183】
Figure 2004529074
(実施例9:プロピオンアミド誘導体)
【0296】
【化184】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.60μL、4.0μmol、1.1当量)および塩化プロピオニル(1.0mg、1.0μL、10.9μmol、3.0当量)を、アルゴン雰囲気下で、0℃のジクロロメタン(0.2mL)中のアミン(1.9mg、3.6μmol、1当量)の攪拌溶液に、各1部、連続的に添加した。この反応混合物を、0℃で、30分間攪拌し、次いで、水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との1:1混合物(4mL)の添加によってクエンチした。この混合物を、酢酸エチル(2×15mL)で抽出し、そして合わせた有機層を、ブライン溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との1:1混合物(5mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空下で濃縮して、無色のオイルを残した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル→90%酢酸エチル−メタノール)による精製により、プロピオンアミド誘導体(1.9mg、90%)を白色固体として得た。
【0297】
【化185】
Figure 2004529074
(実施例10:ナフタレン−1−カルボン酸アミド誘導体)
【0298】
【化186】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.27μL、1.7μmol、1.1当量)を、アルゴン雰囲気下で、0℃のTHF(0.2mL)中のアミン(0.8mg、1.5μmol、1当量)の攪拌溶液に、1部添加し、そしてこの溶液を、5分間攪拌した。次いで、1−ナフト酸(naphthoic acid)(0.34mg、2.0μmol、1.3当量)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.38mg、2.0μmol、1.3当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.25mg、1.8μmol、1.2当量)を、0℃の上記溶液に、各1部、別々に添加した。この反応混合物を、23℃で14時間45分温め、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)でクエンチした。この混合物を、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そして層を分離した。水層を、酢酸エチル(10mL)で抽出し、そして合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥した。真空下での濃縮によって、白色固体を残し、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィー(80%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、ナフタレン−1−カルボン酸アミド誘導体(0.7mg、68%)を、白色固体として得た。
【0299】
【化187】
Figure 2004529074
(実施例11:フェニル尿素誘導体)
【0300】
【化188】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.33μL、2.1μmol、1.1当量)およびフェニルイソシアネート(0.25μL、2.3μmol、1.2当量)を、アルゴン雰囲気下で、0℃のジクロロメタン(0.2mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に、各1部、連続的に添加した。この反応混合物を、0℃で、25分間攪拌し、次いで、水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との1:1混合物(4mL)の添加によってクエンチした。この混合物を、ジクロロメタン(2×10mL)で抽出し、そして有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空下で濃縮して、白色固体を残した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル)による精製により、フェニル尿素誘導体(0.9mg、74%)を白色固体として得た。
【0301】
【化189】
Figure 2004529074
(実施例12:ビフェニル−2−カルボン酸アミド誘導体)
【0302】
【化190】
Figure 2004529074
2−ビフェニルカルボン酸(0.51mg、2.6μmol、1.5当量)を、アルゴン雰囲気下で、23℃のジクロロメタン(0.2mL)中のアミン(0.9mg、1.7μmol、1当量)の攪拌溶液に、1部添加し、そしてこの溶液を、10分間攪拌した。次いで、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N’−プロピルオキシメチルポリスチレン(Argonaut Technologies,1.13mmol/g、3.0mg、3.4μmol、2.0当量)を、23℃の上記溶液に1部添加した。この反応混合物を、23℃で19時間30分穏やかに攪拌し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、ビフェニル−2−カルボン酸アミド誘導体(0.9mg、75%)を、白色固体として得た。
【0303】
【化191】
Figure 2004529074
(実施例13:フェニルアセチル誘導体)
【0304】
【化192】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.50μL、2.9μmol、1.1当量)およびフェニルアセチルクロリド(1.1μL、8.0μmol、3.0当量)を、アルゴン雰囲気下で、0℃のジクロロメタン(0.15mL)中のアミン(1.4mg、2.7μmol、1当量)の攪拌溶液に、各1部、連続的に添加した。この反応混合物を、0℃で、30分間攪拌し、次いで、水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との1:1混合物(4mL)の添加によってクエンチした。この混合物を、ジ酢酸エチル(2×15mL)で抽出し、そして合わせた有機層を、ブライン溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液との1:1混合物(5mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空下で濃縮して、淡黄色のオイルを得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(80%酢酸エチル−ヘキサン)による精製により、フェニルアセチル誘導体(1.7mg、99%)を白色固体として得た。
【0305】
【化193】
Figure 2004529074
(実施例14:2−ヒドロキシ−ナフタレン−1−カルボン酸アミド誘導体)
【0306】
【化194】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.27μL、1.7μmol、1.1当量)を、アルゴン雰囲気下で、0℃のTHF(0.2mL)中のアミン(0.8mg、1.5μmol、1当量)の攪拌溶液に、1部添加し、そしてこの溶液を、5分間攪拌した。次いで、2−ヒドロキシ−1−ナフト酸(0.37mg、2.0μmol、1.3当量)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.38mg、2.0μmol、1.3当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.25mg、1.8μmol、1.2当量)を、0℃の上記溶液に、各1部、別々に添加した。この反応混合物を、23℃で13時間20分温め、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)でクエンチした。この混合物を、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そして層を分離した。水層を、酢酸エチル(10mL)で抽出し、そして合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥した。真空下での濃縮によって、白色固体を残し、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィー(85%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、2−ヒドロキシ−ナフタレン−1−カルボン酸アミド誘導体(1.1mg、100%)を、白色固体として得た。
【0307】
【化195】
Figure 2004529074
(実施例15:2−フロン酸アミド誘導体)
【0308】
【化196】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.33μL、2.1μmol、1.1当量)を、アルゴン雰囲気下で、0℃のTHF(0.15mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に、1部添加し、そしてこの溶液を、10分間攪拌した。次いで、2−フロン酸(0.28mg、2.5μmol、1.3当量)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.48mg、2.5μmol、1.3当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.31mg、2.3μmol、1.2当量)を、0℃の上記溶液に、各1部、別々に添加した。この反応混合物を、23℃で19時間温め、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)でクエンチした。この混合物を、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そして層を分離した。水層を、酢酸エチル(10mL)で抽出し、そして合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥した。真空下での濃縮によって、黄色のオイルを残し、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、2−フロン酸アミド誘導体(1.0mg、85%)を、白色固体として得た。
【0309】
【化197】
Figure 2004529074
(実施例16:インドール−3−グリオキサミド誘導体)
【0310】
【化198】
Figure 2004529074
インドール−3−グリオキシル酸(0.55mg、2.9μmol、1.5当量)を、アルゴン雰囲気下で、23℃のジクロロメタン(0.15mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に、1部添加し、そしてこの溶液を、10分間攪拌した。次いで、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N’−プロピルオキシメチルポリスチレン(Argonaut Technologies,1.13mmol/g、3.4mg、3.8μmol、2.0当量)を、23℃の上記溶液に1部添加した。この反応混合物を、23℃で15時間20分穏やかに攪拌し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、インドール−3−グリオキシアミド誘導体(0.9mg、60%)を、白色固体として得た。
【0311】
【化199】
Figure 2004529074
(実施例17:ピラジン−2−カルボン酸アミド誘導体)
【0312】
【化200】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.33μL、2.1μmol、1.1当量)を、アルゴン雰囲気下で、0℃のTHF(0.2mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に、1部添加し、そしてこの溶液を、5分間攪拌した。次いで、2−ピラジンカルボン酸(0.31mg、2.5μmol、1.3当量)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.48mg、2.5μmol、1.3当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.31mg、2.3μmol、1.2当量)を、0℃の上記溶液に、各1部、別々に添加した。この反応混合物を、23℃で17時間40分温め、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)でクエンチした。この混合物を、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そして層を分離した。水層を、酢酸エチル(10mL)で抽出し、そして合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥した。真空下での濃縮によって、白色固体を残し、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィー(80%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、ピラジン−2−カルボン酸アミド誘導体(1.1mg、92%)を、白色固体として得た。
【0313】
【化201】
Figure 2004529074
(実施例18:ピルバミド誘導体)
【0314】
【化202】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.37μL、2.3μmol、1.1当量)を、アルゴン雰囲気下0℃で、THF(0.15mL)中のアミン(1.1mg、2.1μmol、1当量)の攪拌溶液に一度に加え、そしてこの溶液を5分間攪拌した。次いで、ピルビン酸(0.18μL、2.7μmol、1.3当量)、塩酸1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(0.52mg、2.7μmol、1.3当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.34mg、2.5μmol、1.2当量)を、上記溶液に0℃で別々に(各々一度に)加えた。反応混合物を14時間15分にわたって23℃まで加熱し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)でクエンチした。この混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、そしてこの層を分離した。水層を酢酸エチル(10mL)で抽出し、そして合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下での濃縮は白色固体を生じ、この白色固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、ピルバミド誘導体(1.2mg、96%)を白色固体として得た。
【0315】
【化203】
Figure 2004529074
(実施例19:ベンズアミド誘導体)
【0316】
【化204】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.33μL、2.1μmol、1.1当量)および塩化ベンゾイル(0.66μL、5.7μmol、3.0当量)を、アルゴン雰囲気下0℃で、ジクロロメタン(0.15mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に、別々に(各々一度に)加えた。この反応混合物を0℃で30分間攪拌し、次いで、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の1:1混合物(4mL)の添加によってクエンチした。この混合物を酢酸エチル(2×15mL)で抽出し、そして合わせた有機層をブライン溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の1:1混合物(4mL)で洗浄した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮して白色固体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル−ヘキサン)による精製は、ベンズアミド誘導体(1.1mg、92%)を白色固体として与えた。
【0317】
【化205】
Figure 2004529074
(実施例20:カルバミン酸ベンジルエステル誘導体)
【0318】
【化206】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.27μL、1.7μmol、1.1当量)およびクロロギ酸ベンジル(0.65μL、4.6μmol、3.0当量)を、アルゴン雰囲気下0℃で、ジクロロメタン(0.1mL)中のアミン(0.8mg、1.5μmol、1当量)の攪拌溶液に、別々に(各々一度に)加えた。この反応混合物を0℃で30分間攪拌し、次いで、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の1:1混合物(3mL)の添加によってクエンチした。この混合物を酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、そして合わせた有機層をブライン溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の1:1混合物(5mL)で洗浄した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮して淡黄色オイルを得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチル−ヘキサン)による精製は、カルバミン酸ベンジルエステル誘導体(1.0mg、99%)を白色固体として与えた。
【0319】
【化207】
Figure 2004529074
(実施例21:カルバミン酸4−メトキシ−フェニルエステル誘導体)
【0320】
【化208】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.33μL、2.1μmol、1.1当量)およびクロロギ酸4−メトキシフェニル(0.85μL、5.7μmol、3.0当量)を、アルゴン雰囲気下0℃で、ジクロロメタン(0.15mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に、別々に(各々一度に)加えた。この反応混合物を0℃で40分間攪拌し、次いで、水および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の1:1混合物(3mL)の添加によってクエンチした。この混合物を酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、そして合わせた有機層をブライン溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の1:1混合物(5mL)で洗浄した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮して無色のオイルを得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(50%→70%酢酸エチル−ヘキサン)による精製は、カルバミン酸4−メトキシフェニルエステル誘導体(0.9mg、70%)を白色固体として与えた。
【0321】
【化209】
Figure 2004529074
(実施例22:ピリジン−2−カルボン酸アミド誘導体)
【0322】
【化210】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.27μL、1.7μmol、1.1当量)を、アルゴン雰囲気下0℃で、THF(0.15mL)中のアミン(0.8mg、1.5μmol、1当量)の攪拌溶液に一度に加え、そしてこの溶液を10分間攪拌した。次いで、ピコリン酸(0.24mg、2.0μmol、1.3当量)、塩酸1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(0.38mg、2.0μmol、1.3当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.25mg、1.8μmol、1.2当量)を、0℃で上記溶液に別々に(各々一度に)加えた。この反応混合物を、17時間45分にわたって23℃まで加熱し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)でクエンチした。この混合物を、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そしてこの層を分離した。水層を酢酸エチル(10mL)で抽出し、そして合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮して黄色オイルを得、この黄色オイルをフラッシュカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、ピリジン−2−カルボン酸アミド誘導体(1.0mg、100%)を白色固体として得た。
【0323】
【化211】
Figure 2004529074
(実施例23:インドール−2−カルボン酸アミド誘導体)
【0324】
【化212】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.33μL、2.1μmol、1.1当量)を、アルゴン雰囲気下0℃で、THF(0.15mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に一度に加え、そしてこの溶液を5分間攪拌した。次いで、インドール−2−カルボン酸(0.40mg、2.5μmol、1.3当量)、塩酸1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(0.48mg、2.5μmol、1.3当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.31mg、2.3μmol、1.2当量)を、0℃で上記溶液に別々に(各々一度に)加えた。この反応混合物を、15時間30分にわたって23℃まで加熱し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)でクエンチした。この混合物を、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そしてこの層を分離した。水層を酢酸エチル(10mL)で抽出し、そして合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮して白色固体を得、この白色固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、インドール−2−カルボン酸アミド誘導体(1.1mg、87%)を白色固体として得た。
【0325】
【化213】
Figure 2004529074
(実施例24:イソキノリン−1−カルボン酸アミド誘導体)
【0326】
【化214】
Figure 2004529074
1−イソキノリンカルボン酸(0.59mg、3.4μmol、1.5当量)を、アルゴン雰囲気下23℃で、ジクロロメタン(0.15mL)中のアミン(1.2mg、2.3μmol、1当量)の攪拌溶液に一度に加え、そしてこの溶液を10分間攪拌した。次いで、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N’−プロピルオキシメチルポリスチレン(Argonaut Technologies、1.13mmol/g、4.0mg、4.6μmol、2.0当量)を、23℃で上記溶液に一度に加えた。この反応混合物を、21時間23℃で穏やかに攪拌し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(85%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、イソキノリン−1−カルボン酸アミド誘導体(1.1mg、71%)を白色固体として得た。
【0327】
【化215】
Figure 2004529074
(実施例25:5−フルオロ−インドール−2−カルボン酸アミド誘導体)
【0328】
【化216】
Figure 2004529074
5−フルオロ−2−インドールカルボン酸(0.51mg、2.9μmol、1.5当量)を、アルゴン雰囲気下23℃で、ジクロロメタン(0.2mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に一度に加え、そしてこの溶液を10分間攪拌した。次いで、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N’−プロピルオキシメチルポリスチレン(Argonaut Technologies、1.13mmol/g、3.4mg、3.8μmol、2.0当量)を、23℃で上記溶液に一度に加えた。この反応混合物を、16時間40分間23℃で穏やかに攪拌し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(80%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、5−フルオロ−インドール−2−カルボン酸アミド誘導体(1.1mg、85%)を白色固体として得た。
【0329】
【化217】
Figure 2004529074
(実施例26:フェニルピルバミド誘導体)
【0330】
【化218】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.43μL、2.7μmol、1.1当量)を、アルゴン雰囲気下0℃で、THF(0.25mL)中のアミン(1.3mg、2.5μmol、1当量)の攪拌溶液に一度に加え、そしてこの溶液を5分間攪拌した。次いで、フェニルピルビン酸(0.53mg、3.2μmol、1.3当量)、塩酸1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(0.62mg、3.2μmol、1.3当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.40mg、3.0μmol、1.2当量)を、0℃で上記溶液に別々に(各々一度に)加えた。この反応混合物を、13時間40分にわたって23℃まで加熱し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)でクエンチした。この混合物を、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そしてこの層を分離した。水層を酢酸エチル(10mL)で抽出し、そして合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮して白色固体を得、この白色固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、フェニルピルバミド誘導体(1.4mg、84%)を白色固体として得た。
【0331】
【化219】
Figure 2004529074
(実施例27:2−フルオロベンズアミド誘導体)
【0332】
【化220】
Figure 2004529074
2−フルオロ安息香酸(0.36mg、2.6μmol、1.5当量)を、ア
ルゴン雰囲気下23℃で、ジクロロメタン(0.2mL)中のアミン(0.9mg、1.7μmol、1当量)の攪拌溶液に一度に加え、そしてこの溶液を10分間攪拌した。次いで、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N’−プロピルオキシメチルポリスチレン(Argonaut Technologies、1.13mmol/g、3.0mg、3.4μmol、2.0当量)を、23℃で上記溶液に一度に加えた。この反応混合物を、13時間23℃で穏やかに攪拌し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、2−フルオロベンズアミド誘導体(1.1mg、99%)を白色固体として得た。
【0333】
【化221】
Figure 2004529074
(実施例28:キノリン−2−カルボン酸アミド誘導体)
【0334】
【化222】
Figure 2004529074
キナルジン酸(0.50mg、2.9μmol、1.5当量)を、アルゴン雰囲気下23℃で、ジクロロメタン(0.2mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に一度に加え、そしてこの溶液を10分間攪拌した。次いで、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N’−プロピルオキシメチルポリスチレン(Argonaut Technologies、1.13mmol/g、3.4mg、3.8μmol、2.0当量)を、23℃で上記溶液に一度に加えた。この反応混合物を、16時間50分間23℃で穏やかに攪拌し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィー(70%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、キノリン−2−カルボン酸アミド誘導体(1.1mg、85%)を白色固体として得た。
【0335】
【化223】
Figure 2004529074
(実施例29:4−メチルフェニルスルホンアミド誘導体)
【0336】
【化224】
Figure 2004529074
ジエチルアニリン(0.33μL、2.1μmol、1.1当量)を、アルゴン雰囲気下0℃で、THF(0.1mL)中のアミン(1.0mg、1.9μmol、1当量)の攪拌溶液に一度に加え、そしてこの溶液を5分間攪拌した。次いで、塩化p−トルエンスルホニル(0.73mg、3.8μmol、2.0当量)を、0℃で上記溶液に一度に加えた。この反応混合物を、1時間0℃で攪拌し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水の1:1の混合物(4mL)でクエンチした。この混合物を、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そしてこの層を分離した。水層を酢酸エチル(10mL)で抽出し、そして合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で濃縮して黄色オイルを得、この黄色オイルをフラッシュカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、4−メチルフェニルスルホンアミド誘導体(1.2mg、93%)を白色固体として得た。
【0337】
(実施例30:7−メチルキノリン−2−カルボン酸アミド誘導体)
【0338】
【化225】
Figure 2004529074
ジクロロメタン(0.1mL)中のアミン4(1.0mg、1.9μmol、1.0当量)の溶液を、23℃でバイアル中の7−メチルキノリン−2−カルボン酸(2.8μmol、1.5当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.44mg、3.2μmol、1.7当量)に加えた。この溶液を5分間攪拌し、次いで、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N’−プロピルオキシメチルポリスチレン(Argonaut Technologies、1.13mmol/g、3.4mg、3.8μmol、2.0当量)を、23℃で一度に加えた。この反応混合物を、アルゴン雰囲気下23℃で16時間穏やかに攪拌した。次いで、PS−トリスアミン(Argonaut Technologies、4.71mmol/g、2.0mg、9.5μmol、5.0当量)を一度に加え、そしてこの反応混合物をさらに2時間攪拌した。この混合物をセライト(0.5cm)に通して濾過し、そして減圧下で濃縮して、7−メチルキノリン−2−カルボン酸アミド誘導体(1.2mg、95%)を灰色がかった白色(off−white)固体として得た。
【0339】
【化226】
Figure 2004529074
(実施例31:キノキサリン−2−カルボン酸アミド誘導体)
【0340】
【化227】
Figure 2004529074
(実施例32:6−クロロキノリン−2−カルボン酸アミド誘導体)
【0341】
【化228】
Figure 2004529074
(実施例33:ペンタフルオロベンズアミド誘導体)
【0342】
【化229】
Figure 2004529074
(実施例34:3−メトキシベンズアミド誘導体)
【0343】
【化230】
Figure 2004529074
実施例35:ヘミアミナル誘導体
【0344】
【化231】
Figure 2004529074
水およびアセトニトリル(3:2、500μl)の混合物中の硝酸銀溶液(15.9mg、93.6μmol、58.5当量)を、キノリン−2−カルボン酸アミド誘導体(1.1mg、1.6μmol、1当量)に添加した。反応混合物を、23℃にて、暗所で4時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液の1:1の混合物(2mL、新しく調製した)を、添加し、そして混合物を5分間撹拌した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液の1:1の混合物(20mL、新しく調製した)を、さらに添加した。この混合物を塩化メチレン(5×10ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして次に濃縮し、固体残渣を残した。固体残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(4%メタノール−塩化メチレン)によって精製し、白色固体としてヘミアミナル(hemiaminal)(0.8mg、74%)を得た。
【0345】
【化232】
Figure 2004529074
実施例36:メトキシ誘導体
【0346】
【化233】
Figure 2004529074
メタノール(0.5mL)中のキノリン−2−カルボン酸アミド誘導体(0.8mg、1.2μmol、1当量)の溶液を、カニューレを介して、オーブンで乾燥したガラスバイアル中のテトラフルオロホウ酸銀(22mg、113μmol、96当量)に添加した。反応混合物を、23℃にて、暗所で24時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液の1:1の混合物(1mL、新しく調製した)を、添加し、そして混合物を5分間撹拌した。次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液の1:1の混合物(10mL、新しく調製した)を、さらに添加した。この混合物を塩化メチレン(4×10ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮した。固体残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(4%メタノール−塩化メチレン)によって精製し、白色固体としてヘミアミナル(0.45mg、57%)および白色固体としてメトキシ誘導体(0.16mg、19.8%)を得た。
【0347】
【化234】
Figure 2004529074
実施例37:還元型キナラシジン(quinalascidin)アナログ
【0348】
【化235】
Figure 2004529074
テトラヒドロフラン(1.0M、9.0μL、9μmol、5.0当量)中のボランテトラヒドロフラン錯体の溶液を、テトラヒドロフラン(0.2mL)中のキノリン−2−カルボン酸アミド誘導体(1.2mg、1.8μmol、1当量)の溶液に添加した。得られた無色の溶液を、23℃にて2.5時間、撹拌した。1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO、6.1mg、0.054mmol、30当量)および水(0.2mL)を、順番に、反応混合物に添加した。得られた無色の溶液を、23℃にて20時間、撹拌した。この溶液を、ジクロロメタン(5mL)で希釈し、そして得られた混合物を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10%メタノール−蒸留した酢酸エチル)による白色固体残渣の精製によって、白色固体として還元型誘導体(1.0mg、87%)を得た:R0.16、10%メタノール−酢酸エチル;
【0349】
【化236】
Figure 2004529074
実施例38:標識されたアナログの合成
一般的に上記に記載されるような、特定の本発明の化合物はまた、標識剤の結合を可能にするように改変され得る。例えば、本明細書中に一般的に定義されるような、特定のアリール基およびヘテロアリール基(および他の基)は、1部分が置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝であるよう(リンカー構造、一般的に脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールまたはヘテロアリール(またはこれらの任意の組み合わせ)の結合によって)改変され得る。
【0350】
メチレンエステル5:
【0351】
【化237】
Figure 2004529074
ヘキサン(2.0M、0.241mL、0.484mmol、2.1当量)中のトリメチルシリルジアゾメタンの溶液を、シリンジを通して、ベンゼン(3.5mL)およびメタノール(1.0mL)の混合物中の酸4(52.0mg、0.231mmol、1当量)の懸濁液に滴下した。得られた赤色溶液を、23℃にて35分間、撹拌した。この溶液を、濃縮し、そして残渣の赤色油状物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(25%→35%酢酸エチル−ヘキサン)によって精製した。メチルエステル5を、白色固体(44.5mg、94%)として得た;ビス−メチル化された副産物(3.2mg、6%)もまた、単離した。メチルエステル5:R0.39、酢酸エチル;
【0352】
【化238】
Figure 2004529074
エーテル6:
【0353】
【化239】
Figure 2004529074
ジエチルアゾジカルボン酸(0.255mL、1.62mmol、4.0当量)を、シリンジを通して、テトラヒドロフラン(2.7mL)中の、フェノール5(82.2mg、0.405mmol、1当量)、N−Fmoc−l−アミノ−4−ブタノール(0.504g、1.62mmol、4.0当量)、およびトリフェニルホスフィン(0.424g、1.62mmol、4.0当量)の氷冷溶液に滴下した。得られた黄色の溶液を、23℃に温め、そして19時間、撹拌した。この溶液を濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(50%エーテル−ペンタン→70%酢酸エチル−ペンタン)による残渣の黄色油状物の精製によって、白色固体(126.8mg、63%)としてエーテル6を得た:R0.23、50%酢酸エチル−ヘキサン;
【0354】
【化240】
Figure 2004529074
【0355】
【化241】
Figure 2004529074
カルボン酸7:
【0356】
【化242】
Figure 2004529074
3M HCl水溶液(0.5 mL)およびp−ジオキサン(2.5mL)の混合物中のメチルエステル6(123mg、0.247mmol)を、9時間加熱還流した。この溶液を、23℃に冷やし、そして濃縮した。残渣の黄色の固体を、エタノール:水(2:1、30mL)から再結晶化した。−20℃で冷却した際に、白色の非結晶固体が沈殿した。この固体を、減圧濾過によって回収し、そして水(2mL)で洗浄し、白色粉末として酸7(106 mg、82%)を得た:R0.0、50%酢酸エチル−ヘキサン;
【0357】
【化243】
Figure 2004529074
アミド9:
【0358】
【化244】
Figure 2004529074
ジクロロメタン(0.75mL)中の第1級アミン8(13.8mg、26.3μmol、1.02当量)の溶液を、カニューラを介して、オーブンで乾燥したガラスバイアル中の酸7(12.5mg、25.9μlmol、1当量)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.9mg、43.7μmol、1.7当量)の混合物に添加した。得られた懸濁液に、PS−カルボジイミド(Argonaut Technologies、1.39mmol/g、37.3mg、51.8μmol、2.0当量)を添加した。得られた懸濁液を、23℃にて、19時間、穏やかに撹拌した。反応混合物を、シリカゲルのピペットカラムでのクロマトグラフィー(2%メタノール−ジクロロメタン)によって直接精製した。アミド9を、無色の油状物(22.2mg、87%)として得た:R0.59、10%メタノール−ジクロロメタン;
【0359】
【化245】
Figure 2004529074
第1級アミン10
【0360】
【化246】
Figure 2004529074
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU、0.5μL、3.6μmol、1.5当量)を、ジクロロメタン(0.1mL)中のカルバメート9(2.4mg、2.4μmol、1当量)の溶液に添加した。得られた溶液を、30分間撹拌した。ピペットカラムでのカラムクロマトグラフィー(4%メタノール−ジクロロメタン→10%メタノール−ジクロロメタン→98:2のジクロロメタン:水酸化アンモニウム中の10%メタノール)による粗反応混合物の精製によって、白色固体として第1級アミン10を得た(1.7mg、92%):R0.03、10%メタノール−ジクロロメタン;
【0361】
【化247】
Figure 2004529074
ビオチン化したキナラシジンアナログ1:
【0362】
【化248】
Figure 2004529074
ガラスバイアルにおいて、テトラヒドロフラン(0.1mL)中の第1級アミン10(0.8mg、1.0μmol、1当量)およびN−ヒドロキシ−スクシンイミジルエステル11(Molecular Probes、0.71mg、1.3μmol、1.3当量)の懸濁液を、23℃にて、14時間、撹拌した。この混合物を、濃縮し、そして残渣の白色固体を、ピペットカラムでのカラムクロマトグラフィー(5%メタノール−ジクロロメタン→10%メタノール−ジクロロメタン→98:2のジクロロメタン:水酸化アンモニウム中の10%メタノール)によって精製した。ビオチン化産物1を含む画分を、残りの最初のアミン10に混入した。Sephadex LH−20(11cm×1.3cm、メタノール、重力)でのクロマトグラフィーによるさらなる精製によって、無色の油状物(0.67mg、55%)として1を得た。アフィニティー沈殿によるキナラシジン結合タンパク質の単離のおいて使用される材料を、HPLCによってさらに精製した。(Beckman Ultrasphere ODS逆相カラム、10mm×25mm、流速2.0mL/分、40%アセトニトリル−水でisocratic溶離、保持時間29分:R0.45、20%メタノール−ジクロロメタン;
【0363】
【化249】
Figure 2004529074
【0364】
【化250】
Figure 2004529074
蛍光標識したキナラシジンアナログ2:
【0365】
【化251】
Figure 2004529074
テトラヒドロフラン(0.2mL)中の第1級アミン10(0.695mg、0.91μmol、1当量)およびN−ヒドロキシ−スクシンイミジルエステル12(Molecular Probes、0.560mg、0.96μmol、1.05当量)の溶液を、暗所で、23℃にて、71時間撹拌した。この黄色の溶液を、濃縮した。固体残渣を、HPLCによって精製した(Beckman Ultrasphere ODS逆相カラム、10mm×25mm、流速2.0mL/分、40分にわたる、水中で5%から60%までのアセトニトリルでの勾配溶出、50%アセトニトリル−水(200μL)中の溶液として粗生成物が注入される、保持時間36分)。所望の産物を含む画分を、プールし、そして濃縮し、アセトニトリルを取り除いた。残渣の水溶液を、凍結乾燥し、オレンジ色の固体として蛍光標識されたアナログ2(0.305mg、27%)を得た:R0.49,20%メタノール−ジクロロメタン;
【0366】
【化252】
Figure 2004529074
【0367】
【化253】
Figure 2004529074
(IV.インビトロ活性:)
a)実験:
細胞および細胞培養条件
使用された2つの細胞株(A375悪性黒色腫およびA549肺癌腫)を、American Type Culture Collectionから購入した。これらの細胞を、加湿した5%CO雰囲気下で、10%ウシ胎仔血清(FBS)、0.1%グルタミンおよび0.1%ペニシリン−ストレプトマイシンを補充したDulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)で37℃にて培養した。DMEM、FBS、グルタミンおよびペニシリン−ストレプトマイシンを、Life Technologies(Grand Island、NY)から購入した。
【0368】
細胞増殖阻害アッセイ
指数関数的に増殖する細胞を、96ウェルの平底のマイクロタイタープレートに、1ウェルあたり約3000個の細胞(500μl)を播種し、そして次いで加湿した5%CO/95%空気雰囲気下で、24時間37℃にてインキュベートした。アナログを、ジメチルスルホキシドに溶解させて、0.6mg/mlの濃度にし、これを10%ウシ胎仔血清を含む培養培地でさらに希釈した。9個の3倍希釈物を、最大濃度が、元のDMSO溶液の1/300(すなわち2000ng/ml)になるよう調製した。この手順を、それぞれのアナログについて繰り返した。得られた希釈物のうちの50μlを、上記の培養プレートのウェルにそれぞれ移した。細胞培養を、次いで37℃、5%CO雰囲気下のインキュベーターに、72時間、再度配置した。細胞増殖を、CellTiter 96 AQueous Assay(Promega)を用いて、定量化した。このアッセイにおいて、MTS[Owen’s試薬:3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム内部塩]およびフェナジンメト硫酸(PMS)の混合物溶液(20μl)を、それぞれのウェルに添加した。得られた混合物を、さらに2.5時間、インキュベートした。吸光度を、540nmの試験波長および生存細胞の数の指標として使用するための655nmの参照波長でマイクロプレートリーダーを用いて測定した。試験化合物の阻害の割合を、次の式に従って計算した:阻害の割合(%)=100×(C−T)/C、ここでTは、試験化合物を含むウェルの吸光度であり、そしてCは、試験化合物を含まない吸光度である。IC50を、最小2乗法によって計算した。
【0369】
b)データの例
【0370】
【表1】
Figure 2004529074
Figure 2004529074
【0371】
【表2】
Figure 2004529074
【0372】
【表3】
Figure 2004529074
(V.インビボ活性:)
様々な方法を利用し得るが、本発明の化合物のインビボ活性を決定する、1つの方法の例としては、マウス中に所望の腫瘍質量を皮下に移植することである。次いで、腫瘍質量が、腫瘍質量の移植後、約100mmに到達したら、薬物処置を開始する。次いで、より詳細に上述されるように、適切な組成物は、好ましくは、生理食塩水中で、また好ましくは5、10および25mg/kgの用量で1日に1回マウスに投与されるが、他の用量もまた、投与され得ることが理解される。次いで体重および腫瘍サイズを、毎日測定し、そして初期値に対するパーセント比率の変化をプロットする。移植した腫瘍が潰瘍化するか、重量減少が、コントロール重量減少の25〜30%を越えるか、腫瘍重量が癌保有マウスの体重の10%に到達するか、または癌保有マウスが死亡する場合、動物は、動物福祉のための指針に従って屠殺される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、サフラマイシンAのレトロ合成的分析を示す。
【図2】
図2は、サフラマイシンAおよび前駆体の合成を示す。反応条件:(a)NaSO、CHCl、23℃、>90%;LiBr、DME、35℃、65〜72%。(b)CHO−HO、NaBH(OAc)、CHCN、23℃、94%。(c)HOAc、TBAF、THF、23℃;DBU、CHCl、23℃、92%。(d)NaSO、CHCl、23℃、66%。(e)ZnCl、TMSCN、CFCHOH−THF、23℃、86%。(f)DBU、CHCl、23℃、88%。(g)ClCOCOCH、PhNEt、CHCl、0℃、89%。(h)PhIO、CHCN−HO、0℃、66%。
【図3】
図3は、N−連結型三量体α−アミノアルデヒド前駆体からのサフラマイシンAの前駆体(9)の合成を示す。
【図4】
図4は、サフラマイシンAの合成における前駆体を示す。
【図5】
図5は、N−連結型三量体α−アミノアルデヒド前駆体(8)の合成を示す。
【図6】
図6は、N−連結型三量体α−アミノアルデヒド前駆体(8)からのサフラマイシンAの前駆体(9)の合成を示す。
【図7】
図7は、サフラマイシンの例示的な本発明のアナログの合成を示す。
【図8】
図8は、サフラマイシンの例示的な本発明のアナログの合成を示す。
【図9】
図9は、サフラマイシンの例示的な本発明のアナログの合成を示す。
【図10】
図10は、サフラマイシンAの多数の強力な誘導体を迅速に合成するための一般的な方法を示す。
【図11】
図11は、サフラマイシンAの誘導体の固相合成を示す。反応条件:(a)イミダゾール、DMF、23℃;CHOH、イミダゾール、23℃、100%(2工程)。(b)TBAF、AcOH、THF、23℃。(c)ピペリジン、DMF、23℃。(d)アルデヒド1、DMF、23℃。(e)LiBr、DME、35℃、83%(4工程)。(f)CHO−HO、NaBH(OAc)、DMF、23℃、95%。(g)Fmoc−グリシナル(glycinal)、DCE、40℃、80%(3工程)。(h)ZnCl、TMSCN、CFCHOH−THF、23℃、48%。(*=4.5:1のジアステレオマー混合物(cis−が主))
【図12】
図12は、シロキシモルホリン(siloxymorpholine)試薬(5)の合成を示す。反応条件:(a)Jacobsen HKR(Tokunaga、M.;Larrow、J.F.;Kakiuchi、F.;Jacobsen、E.N.Science.1997、277、936〜938).23℃、100%(98%ee)。(b)2−アミノエタノール、EtOH、0→70℃、100%。(c)BnBr、KHCO、DMF、50℃、97%。(d)NaH、THF、0→23℃;TsIm、THF、0→23℃、70%(2工程、>95%ee)。(e)10%Pd/C、H、CHOH、AcOH、23℃、96%。
【図13】
図13は、多様な5環系のコア構造を生成するために置換アルデヒド試薬を用いる反応(ピクテ−シュペングラー(Pictet−Spengler)反応を介する)を示す。
【図14】
図14Aおよび図14Bは、一般的構造(I)のR位における多様性の発生を説明する合成スキームを示す(代替のN−アルキル化反応を経る)。

Claims (82)

  1. 以下の構造(I)を有する化合物および薬学的に受容可能なその誘導体であって:
    Figure 2004529074
    ここで、RはNR、−OR、−SR、−C(=O)R、−C(=S)R、S(O)、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、ここで、RおよびRの各々は、独立して、水素、−(C=O)R、−NHR、−(SO)R、−OR、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であるか、あるいはRおよびRは、一緒になる場合、アリール部分、ヘテロアリール部分、シクロ脂肪族部分、もしくはシクロヘテロ脂肪族部分を形成し、各Rは、独立して、水素、−OR、−SR、−NHR、−(C=O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、窒素保護基、−COOR、−COR、−CN、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    およびRは、各々独立して、水素、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    およびRは、各々独立して、水素、−OR、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、アルキル、−OH、保護されたヒドロキシル、=O、−CN、−SCN、ハロゲン、−SH、保護されたチオ、アルコキシ、チオアルキル、アミノ、保護されたアミノ、またはアルキルアミノであり;
    mは0〜5であり;
    、X、X、およびXは、各々独立して、水素、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    それによって、XおよびXまたはXおよびXの少なくともいずれかが6員環に対して二重結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの単結合および1つの二重結合を表し、そしてキノン部分が生成されるか、あるいはXおよびXまたはXおよびXの少なくともいずれかが6員環に対して単結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの二重結合および1つの単結合を表し、そしてヒドロキノン部分が生成され;
    それによって、前述の脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、およびアルキル部分の各々は、独立して、置換または非置換、分枝または非分枝、あるいは環式または非環式であり得、そして前述のアリール部分またはヘテロアリール部分の各々は、独立して、置換または非置換であり得る、化合物。
  2. 以下の式(Ia)
    Figure 2004529074
    の立体化学および構造を有する、請求項1に記載の化合物。
  3. 以下の構造(II)
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  4. 以下の構造(III)
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  5. 以下の構造(IV)
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  6. 以下の構造(V)
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  7. 以下の構造(VI)
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  8. 以下の一般構造(VII)
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  9. 以下の一般構造(VIII)
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  10. 前記化合物が、以下の一般構造(IX)を有し:
    Figure 2004529074
    ここで、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝の脂肪族部分またはヘテロ脂肪族部分であるか、あるいは置換または非置換のアリール部分またはヘテロアリール部分である、請求項1に記載の化合物。
  11. 前記化合物が、以下の一般構造(X)を有し:
    Figure 2004529074
    ここで、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝の脂肪族部分またはヘテロ脂肪族部分であるか、あるいは置換または非置換のアリール部分またはヘテロアリール部分である、請求項1に記載の化合物。
  12. 以下の限定:
    mが1である場合、Rが以下の基のいずれか1つ以上を含まない:−NH(保護基)、−NH、−NHCOCOMe、−NHCOC(Me)(OMe)(OMe)、−NHCOCH(NH)CH、−NHCOCH(NH(アシル))CH、−NHCOCH(NH)Ac、またはNHCOCH(NHCOOBn)(Me);−O(C=O)C(CH)=C(CH)H;−OH、−O(保護基)、−O(COCH)、−O(C=O)CHCH
    mが1である場合;X、X、X、およびXが各々=Oである場合;Rが−CNまたは−OHである場合;RおよびRが各々−CHである場合;RおよびRが各々−OCHである場合;RがHである場合;ならびにRが−NH(C=O)Rである場合、Rは、−CH(NR)(CH)でなく、ここで、RおよびRは、各々独立して、水素、またはC1〜7アルキル基、アリール(C1〜4)アルキル基、(C1〜4)アルキルアリール基、置換スルホニル(−S(O)−)基、もしくは置換アシル基であり、Rは水素またはC1〜4アルキルである;
    mが1である場合;X、X、X、およびXが各々=Oである場合;Rが−CNである場合;RおよびRが各々−CHである場合;RおよびRが各々−OCHである場合;RがHである場合;ならびにRが−NH(C=O)Rである場合、Rは、−C(OH)(Me)CH(C=O)Meではなく;
    mが1である場合、およびRがHであり;Rが−NH(C=O)Rである場合、Rは、−CH(Me)NH(C=O)O(CH)Phではない;
    mが0であり;RがHであり;XがHであり;そしてRが−C(=O)Rである場合、Rは、−O(アルキル)ではない;あるいは
    がHであり;mが1であり;そしてRが−ORである場合、Rは、−C(=O)RまたはS(O)ではなく、ここで、Rはアルキル部分である、
    の1つ以上を有する、請求項1に記載の化合物
  13. mが0または1である、請求項1に記載の化合物。
  14. が、CN、−SCN、=O、OH、保護されたヒドロキシル、H、またはアルコキシである、請求項1に記載の化合物。
  15. が、水素、ヒドロキシル、−CN、または−SCNである、請求項1に記載の化合物。
  16. が水素である、請求項1に記載の化合物。
  17. 、X、X、およびXが、各々独立して、アルコキシ、OH、保護されたヒドロキシル、または=Oである、請求項1に記載の化合物。
  18. が、CN、−SCN、=O、OH、保護されたヒドロキシル、H、またはアルコキシであり;Rが、水素、窒素保護基、−CN、脂肪族、またはアリールであり;RおよびRが、各々アルキルであり;RおよびRが、各々、アルキルオキシまたはチオアルキルであり;Rが、水素、アルキル、−OH、保護されたヒドロキシル、=O、CN、ハロゲン、SH、アルコキシ、チオアルキル、アミノ、またはアルキルアミノであり;そしてX、X、X、およびXが、各々独立して、アルコキシ、OH、または=Oである、請求項1に記載の化合物。
  19. が、−CN、−SCN、−OH、保護されたヒドロキシル、H、またはアルコキシであり;Rが、水素、窒素保護基、脂肪族、またはアリールであり;RおよびRが、各々アルキルであり;RおよびRが、各々、アルキルオキシまたはチオアルキルであり;XおよびXが、各々−OHであり;Rが、水素、アルキル、OH、保護されたヒドロキシル、=O、CN、ハロゲン、SH、アルコキシ、チオアルキル、アミノ、またはアルキルアミノであり;そしてXおよびXが、各々アルキルオキシまたはチオアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  20. がOHであり、XがOCHであり、XがOCHであり、XがOHであり、RがCN、H、またはOHであり、RがMeであり、RがCHであり、RがOCHであり、RがCHであり、RがOCHであり、そしてRがHである、請求項1に記載の化合物。
  21. が、OR、SR、またはNRであり、ここで、RおよびRが、各々独立して、水素、−(C=O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、ここでRは、−(C=O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、そしてここで、Rは、脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、またはヘテロアリール部分であるか、あるいはRおよびRは一緒になってヘテロ環式部分を形成し、
    それによって、該脂肪族部分および該ヘテロ脂肪族部分の各々は、独立して、置換または非置換、分枝または非分枝、あるいは環式または非環式であり、そして該アリール部分、該ヘテロアリール部分、および該ヘテロ環式部分の各々は、独立して、置換または非置換である、請求項1に記載の化合物。
  22. が、OR、SR、またはNRであり、ここで、RおよびRが、各々独立して、水素、−(C=O)R、またはアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、ここでRが、アリール部分、(脂肪族)アリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、または(ヘテロ脂肪族部分)ヘテロアリール部分であるか、あるいはRおよびRは一緒になってヘテロ環式部分を形成し、
    それによって、該脂肪族部分および該ヘテロ脂肪族部分の各々は、独立して、置換または非置換、分枝または非分枝、あるいは環式または非環式であり、そして該アリール部分、該ヘテロアリール部分、および該ヘテロ環式部分の各々は、独立して、置換または非置換である、請求項1に記載の化合物。
  23. が−NRC(=O)Rであり、ここで、Rが、水素または低級アルキルであり、かつRが、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝、環式もしくは非環式の脂肪族部分もしくはヘテロ脂肪族部分であるか、または置換もしくは非置換のアリール部分もしくはヘテロアリール部分であるか、あるいはRおよびRは一緒になって、ヘテロ環式部分またはヘテロアリール部分を形成する、請求項1に記載の化合物。
  24. がNRC(=O)Rであり、ここで、Rが、水素または低級アルキルであり、かつRが、アリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族部分)ヘテロアリール部分であるか、あるいはRおよびRは一緒になって、ヘテロ環式部分またはヘテロアリール部分を形成し;
    それによって、該脂肪族部分および該ヘテロ脂肪族部分の各々は、独立して、置換または非置換、分枝または非分枝、あるいは環式または非環式であり、そして該アリール部分、該ヘテロアリール部分、および該ヘテロ環式部分の各々は、独立して、置換または非置換である、請求項1に記載の化合物。
  25. が、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式の脂肪族部分またはヘテロ脂肪族部分であるか、あるいは置換または非置換のアリール部分またはヘテロアリール部分である、請求項1に記載の化合物。
  26. が、アリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、または(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり;
    それによって、該脂肪族部分および該ヘテロ脂肪族部分の各々は、独立して、置換または非置換、分枝または非分枝、あるいは環式または非環式であり、そして該アリール部分、該ヘテロアリール部分、および該ヘテロ環式部分の各々は、独立して、置換または非置換である、請求項1に記載の化合物。
  27. 、R、R、R、またはRの任意の1つ以上が、独立して、以下の群:
    Figure 2004529074
    のいずれか1つであり、ここで、各Rは、独立して、水素、保護基、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、−B(OR、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロ脂肪族部分であり、ここで、各Rは、独立して、水素、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であるか、あるいは2つのRが一緒になって、環式脂肪族部分または環式ヘテロ脂肪族部分を形成し;各Yは、独立して、O、S、またはNHであり;各xは、独立して0〜5であり;そして各nは、独立して、0〜3であるか、またはRは標識試薬であり、
    それによって、該脂肪族部分および該ヘテロ脂肪族部分の各々は、独立して、置換または非置換、分枝または非分枝、あるいは環式または非環式であり、そして該アリール部分および該ヘテロアリール部分の各々は、独立して、置換または非置換である、請求項1に記載の化合物。
  28. がNRであり、Rが水素であり、Rが−(C=O)Rであり、そしてRが、iii、iv、vii、viii、ix、x、xv、またはxviiであるか、あるいはRおよびRは一緒になってiまたはiiの構造を形成する、請求項27に記載の化合物。
  29. がNRであり、Rが水素であり、Rが−(C=O)Rであり、そしてRが、以下:
    Figure 2004529074
    である、請求項27に記載の化合物。
  30. が、水素、ハロゲン、−OH、低級アルキル、または低級アルコキシである、請求項27、28、または29に記載の化合物。
  31. が、リンカー−ビオチン部分またはリンカー−フルオレセイン部分である、請求項27、28、または29に記載の化合物。
  32. xが1または2である、請求項27、28、または29に記載の化合物。
  33. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  34. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  35. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  36. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  37. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  38. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  39. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  40. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  41. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  42. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  43. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  44. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  45. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  46. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  47. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  48. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  49. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  50. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  51. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  52. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  53. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  54. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  55. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  56. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  57. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  58. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  59. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  60. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  61. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  62. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  63. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  64. 以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  65. 以下の構造(I):
    Figure 2004529074
    を有する化合物および薬学的に受容可能なその誘導体、ならびに薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む、薬学的組成物であって、
    該構造(I)中、RはNR、−OR、−SR、−C(=O)R、−C(=S)R、S(O)、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、ここで、RおよびRの各々は、独立して、水素、−(C=O)R、−NHR、−(SO)R、−OR、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であるか、あるいはRおよびRは、一緒になる場合、アリール部分、ヘテロアリール部分、シクロ脂肪族部分、もしくはシクロヘテロ脂肪族部分を形成し、各Rは、独立して、水素、−OR、−SR、−NHR、−(C=O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、窒素保護基、−COOR、−COR、−CN、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    およびRは、各々独立して、水素、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    およびRは、各々独立して、水素、−OR、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、アルキル、−OH、保護されたヒドロキシル、=O、−CN、−SCN、ハロゲン、−SH、保護されたチオ、アルコキシ、チオアルキル、アミノ、保護されたアミノ、またはアルキルアミノであり;
    mは0〜5であり;
    、X、X、およびXは、各々独立して、水素、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    それによって、XおよびXまたはXおよびXの少なくともいずれかが6員環に対して二重結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの単結合および1つの二重結合を表し、そしてキノン部分が生成されるか、あるいはXおよびXまたはXおよびXの少なくともいずれかが6員環に対して単結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの二重結合および1つの単結合を表し、そしてヒドロキノン部分が生成され;
    それによって、前述の脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、およびアルキル部分の各々は、独立して、置換または非置換、分枝または非分枝、あるいは環式または非環式であり得、そして前述のアリール部分またはヘテロアリール部分の各々は、独立して、置換または非置換であり得る、薬学的組成物。
  66. 必要に応じて、1つ以上のさらなる治療剤をさらに含む、請求項65に記載の薬学的組成物。
  67. 1つ以上の細胞毒性因子をさらに含む、請求項66に記載の薬学的組成物。
  68. 癌細胞の増殖を阻害するかまたは癌細胞を死滅させる方法であって:
    該癌細胞を癌細胞の増殖を阻害するかまたは癌細胞を死滅させるのに有効な量の組成物と接触させる工程を包含し、該組成物は、以下の式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能なその誘導体、および必要に応じてさらに、薬学的に受容可能をキャリアまたは希釈剤を含み:
    Figure 2004529074
    式中、RはNR、−OR、−SR、−C(=O)R、−C(=S)R、S(O)、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、ここで、RおよびRの各々は、独立して、水素、−(C=O)R、−NHR、−(SO)R、−OR、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であるか、あるいはRおよびRは、一緒になる場合、アリール部分、ヘテロアリール部分、シクロ脂肪族部分、もしくはシクロヘテロ脂肪族部分を形成し、各Rは、独立して、水素、−OR、−SR、−NHR、−(C=O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、窒素保護基、−COOR、−COR、−CN、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    およびRは、各々独立して、水素、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    およびRは、各々独立して、水素、−OR、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、アルキル、−OH、保護されたヒドロキシル、=O、−CN、−SCN、ハロゲン、−SH、保護されたチオ、アルコキシ、チオアルキル、アミノ、保護されたアミノ、またはアルキルアミノであり;
    mは0〜5であり;
    、X、X、およびXは、各々独立して、水素、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    それによって、XおよびXまたはXおよびXの少なくともいずれかが6員環に対して二重結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの単結合および1つの二重結合を表し、そしてキノン部分が生成されるか、あるいはXおよびXまたはXおよびXの少なくともいずれかが6員環に対して単結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの二重結合および1つの単結合を表し、そしてヒドロキノン部分が生成され;
    それによって、前述の脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、およびアルキル部分の各々は、独立して、置換または非置換、分枝または非分枝、あるいは環式または非環式であり得、そして前述のアリール部分またはヘテロアリール部分の各々は、独立して、置換または非置換であり得る、
    方法。
  69. 前記組成物が、1つ以上のさらなる治療剤をさらに含む、請求項68に記載の方法。
  70. 前記組成物が、1つ以上の細胞毒性因子をさらに含む、請求項69に記載の方法。
  71. 前記癌細胞が、黒色腫癌細胞または肺癌細胞を含む、請求項68に記載の方法。
  72. 癌を処置する方法であって:
    以下の式(I)の化合物または薬学的に受容可能なその誘導体、および必要に応じてさらに、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤を含む、治療有効量の組成物を、癌の処置を必要とする被験体に投与する工程を包含し:
    Figure 2004529074
    該式(I)中、RはNR、−OR、−SR、−C(=O)R、−C(=S)R、S(O)、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、ここで、RおよびRの各々は、独立して、水素、−(C=O)R、−NHR、−(SO)R、−OR、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であるか、あるいはRおよびRは、一緒になる場合、アリール部分、ヘテロアリール部分、シクロ脂肪族部分、もしくはシクロヘテロ脂肪族部分を形成し、各Rは、独立して、水素、−OR、−SR、−NHR、−(C=O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、−OR、=O、−(C=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、窒素保護基、−COOR、−COR、−CN、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    およびRは、各々独立して、水素、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    およびRは、各々独立して、水素、−OR、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、アルキル、−OH、保護されたヒドロキシル、=O、−CN、−SCN、ハロゲン、−SH、保護されたチオ、アルコキシ、チオアルキル、アミノ、保護されたアミノ、またはアルキルアミノであり;
    mは0〜5であり;
    、X、X、およびXは、各々独立して、水素、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    それによって、XおよびXまたはXおよびXの少なくともいずれかが6員環に対して二重結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの単結合および1つの二重結合を表し、そしてキノン部分が生成されるか、あるいはXおよびXまたはXおよびXの少なくともいずれかが6員環に対して単結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの二重結合および1つの単結合を表し、そしてヒドロキノン部分が生成され;
    それによって、前述の脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、およびアルキル部分の各々は、独立して、置換または非置換、分枝または非分枝、あるいは環式または非環式であり得、そして前述のアリール部分またはヘテロアリール部分の各々は、独立して、置換または非置換であり得る、
    方法。
  73. 前記組成物が、1つ以上のさらなる治療剤をさらに含む、請求項72に記載の方法。
  74. 前記組成物が、1つ以上の細胞毒性因子をさらに含む、請求項73に記載の方法。
  75. 前記癌細胞が、黒色腫癌細胞または肺癌細胞を含む、請求項72に記載の方法。
  76. 以下の式(I)を有する化合物の合成方法であって:
    Figure 2004529074
    該式(I)中、RはNR、−OR、−SR、−C(=O)R、−C(=S)R、S(O)、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、ここで、RおよびRの各々は、独立して、水素、−(C=O)R、−NHR、−(SO)R、−OR、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であるか、あるいはRおよびRは、一緒になる場合、アリール部分、ヘテロアリール部分、シクロ脂肪族部分、もしくはシクロヘテロ脂肪族部分を形成し、各Rは、独立して、水素、−OR、−SR、−NHR、−(C=O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、窒素保護基、−COOR、−COR、−CN、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    およびRは、各々独立して、水素、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    およびRは、各々独立して、水素、−OR、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    は、水素、アルキル、−OH、保護されたヒドロキシル、=O、−CN、−SCN、ハロゲン、−SH、保護されたチオ、アルコキシ、チオアルキル、アミノ、保護されたアミノ、またはアルキルアミノであり;
    mは0〜5であり;
    、X、X、およびXは、各々独立して、水素、−OR、=O、−C(=O)R、−CO、−CN、−SCN、ハロゲン、−SR、−SOR、−SO、−NO、−N(R、−NHC(O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、もしくはヘテロアリールチオ部分であり;
    または、XおよびRは、一緒になって、ヘテロ環式部分を含み;
    それによって、XおよびXまたはXおよびXの少なくともいずれかが6員環に対して二重結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの単結合および1つの二重結合を表し、そしてキノン部分が生成されるか、あるいはXおよびXまたはXおよびXの少なくともいずれかが6員環に対して単結合で結合する場合、該6員環のいずれかまたは両方における点線を付した結合は、2つの二重結合および1つの単結合を表し、そしてヒドロキノン部分が生成され;
    それによって、前述の脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、およびアルキル部分の各々は、独立して、置換または非置換、分枝または非分枝、あるいは環式または非環式であり得、そして前述のアリール部分またはヘテロアリール部分の各々は、独立して、置換または非置換であり得、
    該方法は:
    (a)以下の式(XV)
    Figure 2004529074
    の化合物を提供する工程;および
    (b)適切な条件下で該式(XV)の化合物を反応させ、以下の式(I)
    Figure 2004529074
    の化合物を生成する工程であって、ここでX〜X、R〜R、およびmは、上記の通りであり、そして本明細書中のクラスおよびサブクラスに含まれる工程を包含し、そして
    ここで、該式(XV)の化合物を提供する工程がさらに:
    (1)以下の構造:
    Figure 2004529074
    を有する、第1のN保護されたα−アミノアルデヒド前駆体と第2のC保護されたα−アミノアルデヒド前駆体を、適切な条件下で反応させて、以下の構造(IX)
    Figure 2004529074
    を有するテトラヒドロイソキノリンコアを生成する工程;
    (2)必要に応じて、適切な条件下で、該テトラヒドロイソキノリンコアを反応させて、Rを多様化する工程;
    (3)構造:R(CHCHOを有する第3のアルデヒド前駆体を、適切な条件下で、該テトラヒドロイソキノリンコア構造(XIV)と反応させて、以下の構造
    Figure 2004529074
    を有するアルデヒドの三量体を生成する工程;および
    (4)適切な条件下で該アルデヒドの三量体を反応させて、構造(XV)の化合物を生成する工程を包含し、
    ここで、Pは、水素または窒素保護基であり;
    およびXは一緒になって、必要に応じて固体支持体単位で置換された、炭素保護基を示し;そして
    は、NR、−OR、−SR、−C(=O)R、−C(=S)R、−S(O)、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、(脂肪族)アリール部分、(脂肪族)ヘテロアリール部分、(ヘテロ脂肪族)アリール部分、もしくは(ヘテロ脂肪族)ヘテロアリール部分であり、ここで、RおよびRの各々は、独立して、水素、−(C=O)R、−NHR、−(SO)R、−OR、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であるか、あるいはRおよびRは、一緒になる場合、アリール部分、ヘテロアリール部分、シクロ脂肪族部分、またはシクロヘテロ脂肪族部分を形成し、ここで、各Rは、独立して、水素、−OR、−SR、−NHR、−(C=O)R、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、もしくはヘテロアリール部分であり、ここで、各Rは、独立して、水素、保護基、または脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、アリール部分、ヘテロアリール部分、アシル部分、アルコキシ部分、アリールオキシ部分、アルキルチオ部分、アリールチオ部分、ヘテロアリールオキシ部分、またはヘテロアリールチオ部分である、
    方法。
  77. 前記中間体(XIV)および(XV)について、Rが−NHPであり、Pが窒素保護基であり、そして該中間体が、以下の構造(XIVa)および(XVa):
    Figure 2004529074
    を有する、請求項76に記載の方法。
  78. (CHCHOが、(脂肪族)(C=O)(CHCHO、(ヘテロ脂肪族)(C=O)(CHCHO、(脂肪族)(CHCHO、(ヘテロ脂肪族)(CHCHO、アリール(脂肪族)(CHCHO、アリール(ヘテロ脂肪族)(CHCHO、−ヘテロアリール(脂肪族)(CHCHO、またはヘテロアリール(ヘテロ脂肪族)(CHCHOであり、
    ここで該脂肪族部分および該ヘテロ脂肪族部分の各々は、独立して、環式または非環式、直鎖または分枝、あるいは置換または非置換であり、そして該アリール部分および該ヘテロアリール部分は、独立して、置換または非置換である、請求項76に記載の方法。
  79. (CHCHOが、CH(CH1〜6CHO;(保護基)O(CH1〜6CHO;(保護基)NH(CH1〜6CHO;(保護基)S(CH1〜6CHO;(アルキル)O(C=O)CHO;(アリール)(アルケニル)CHO;(ヘテロアリール)(アルケニル)CHO;(アリール)CHO;または(ヘテロアリール)CHOであり、
    ここで該脂肪族部分および該ヘテロ脂肪族部分の各々は、独立して、環式または非環式、直鎖または分枝、あるいは置換または非置換であり、そして該アリール部分および該ヘテロアリール部分は、独立して、置換または非置換である、請求項76に記載の方法。
  80. がCNであり、Xが、必要に応じて固体支持体単位で置換されたヘテロ環式部分である、請求項76に記載の方法。
  81. 生成するアルカロイド構造(I)が、サフラマイシンAのアルカロイド構造である、請求項76に記載の方法。
  82. 前記方法が立体選択的であり、生成するアルカロイド構造(I)が(−)サフラマイシンAのアルカロイド構造である、請求項76に記載の方法。
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