JP2004527522A - ゼオライト触媒を用いるアリールピリジン塩基の合成方法 - Google Patents

ゼオライト触媒を用いるアリールピリジン塩基の合成方法 Download PDF

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コンダプラム ビジャヤ ラグハバン
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カウンシル・オブ・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ
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Abstract

本発明は、Alに対するSiの原子比が2.5〜12.5のゼオライトを、鉛およびランタンからなる群から選択される少なくとも1種の金属イオンおよび/または金属化合物で任意に変性することによって得た触媒を用いて、芳香族アルデヒドまたはケトンをアリル型アルコールまたはアルデヒドと、気相アンモニアの存在下で反応させることによって、アリールピリジン塩基を高い収率かつ高い選択率で合成する改善された方法を提供する。この方法は、環境にやさしく、より経済的で高度に選択的な不均一な方法を提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライト触媒を用いるアリールピリジン塩基の合成方法に関する。より詳細には、本発明は、環境にやさしく、ゼオライトを触媒とする不均一な方法で、アセトフェノンとアリルアルコールからフェニルピリジンを高い収率かつ高い選択性で直接合成する方法に関する。本発明は、非腐食性で環境にやさしく、触媒の寿命がより長く、触媒を何度も再循環および再利用でき、廃棄される化合物がなく(すなわち原子選択性が高く)、生成物の選択性が高い方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
フェニルピリジンは、BMS−232632aなど抗HIV活性をもついくつかの効力のあるアザペプチドHIVプロテアーゼ阻害剤の必須の骨格であることが明らかになった。縮合反応および置換反応によるこれらのフェニルピリジンの合成戦略を用いると、しばしば収率が低く、選択的に2位置換体の合成を促進することができない。フェニルピリジンとオレフィンの選択的アルキル化で用いる、Rh(1)のような均一触媒がいくつか報告されている。
【0003】
ZSM系列のゼオライトはConteka(スウェーデン)から入手可能である。これらの製造方法は、詳細に開示されている(特許文献1,2参照)。HYは(PQ Corporation USA)から入手可能である。HBEAは(Sud Chemie、インド)から入手可能である。HXはAldrichから入手可能である。MCM−41の合成が開示されている(非特許文献1参照)。
【0004】
結晶性アルミノケイ酸塩(ゼオライト)は、脂肪族アルデヒドおよび/または脂肪族ケトンとアンモニアからピリジン塩基を製造するための触媒として使用されることが知られている(特許文献3,4参照)。
【0005】
しかし、アセトフェノン、ホルムアルデヒドおよびアセトンから出発しSi:Al触媒を用いる2−フェニル−6−メチルピリジンの合成について開示したもの以外に、固体酸触媒を用いるフェニルピリジンの製造に関する報告はない(特許文献5参照)。この特許におけるフェニルピリジンに対する選択性は低い。開示されている方法の別の欠点は、メチル基を含まない2−フェニルピリジンが選択的に合成されることである。ベンズアルデヒドとアセトアルデヒドとを用いるフェニルピリジンの合成方法が開示されているが、主生成物は4−フェニルピリジンだけである(非特許文献2参照)。
【0006】
従来技術の方法には、以下の欠点という難がある。
(a)すべての場合に、高度に腐食性の触媒として鉱酸が使用されており、
(b)触媒の再利用性が無く、
(c)すべての場合に、酸の中和など時間のかかる作り上げるための手順を必要とし、
(d)場合によっては、選択的にフェニルピリジンを合成するのに1つ以上の段階を必要とする。
【0007】
これらのフェニルピリジンの適用が増大していることから、環境にやさしく、経済的で、自由に操作できる方法が要求されている。本発明は、上記のすべての欠点を克服できる環境にやさしい方法を提供する。
【特許文献1】
米国特許第3702886号明細書
【特許文献2】
米国特許第3709979号明細書
【特許文献3】
米国特許第4220783号明細書
【特許文献4】
特開昭60−38362号公報
【特許文献5】
特開平01−261367号公報
【非特許文献1】
J. S. Beck et al, Nature 359 (1992) 710
【非特許文献2】
Ullmann's encyclopaedia A22
【非特許文献3】
Beck et al, Nature (1992)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、環境にやさしい不均一触媒法である特定のゼオライト触媒を用いるフェニルピリジン塩基の合成方法を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、生成物の選択性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、
アリールピリジン塩基を得るために、式RCORで表され、Rはフェニル基またはアルキルフェニル基であり、Rは1〜2個の炭素原子を含むアルキル基である芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンと、式RCH=CHCHOHで表され、Rは水素、メチル基、エチル基およびアリール基からなる群から選択されるアクロレインまたはクロトンアルデヒドまたはアリル型アルコールとを、気相のアンモニアと共に、芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンとアリル型アルコールとのモル比が1:1〜1:5の範囲、アンモニアと芳香族アルデヒドおよび/または芳香族ケトンとのモル比が0.5〜5.0の範囲、反応温度が350℃〜500℃の範囲で、鉛およびランタンから選択される金属の少なくとも1種のイオンおよび/または少なくとも1種の化合物を用いて変性(modified)し、または未変性(unmodified)であり、Alに対するSiの原子比が2.5〜12.5の範囲のゼオライトからなる触媒の存在下に反応させることを含むアリールピリジン塩基の合成方法に関する。
【0011】
本発明の一実施形態では、用いられるアリールケトンは、アセトフェノンおよびメチルアセトフェノンから選択される。
【0012】
本発明の一実施形態では、芳香族アルデヒドはフェニルアセトアルデヒドである。
【0013】
本発明の一実施形態では、アリル型アルコールは、アリルアルコールおよびクロチルアルコールから選択される。
【0014】
本発明の一実施形態では、2−フェニルピリジンを得るために、用いられる芳香族ケトンはアセトフェノンを含み、用いられるアリル型アルコールはアリルアルコールを含む。
【0015】
本発明のさらなる実施形態では、アセトフェノン:アリルアルコール:アンモニアのモル比は1:1〜3:0.5〜5の範囲である。
【0016】
本発明の一実施形態では、2−フェニルピリジンを得るために、用いられる芳香族ケトンはアセトフェノンを含み、アクロレインと反応させる。
【0017】
本発明の一実施形態では、3−フェニルピリジンを得るために、用いられる芳香族アルデヒドはフェニルアセトアルデヒドを含み、用いられるアリル型アルコールはアリルアルコールを含む。
【0018】
本発明の一実施形態では、3−フェニルピリジンを得るために、用いられる芳香族アルデヒドはフェニルアセトアルデヒドを含み、アクロレインと反応させる。
【0019】
本発明の一実施形態では、2−フェニル−4−メチルピリジンを得るために、アセトフェノンをクロチルアルコールと反応させる。
【0020】
本発明の一実施形態では、2−フェニル4−メチルピリジンを得るために、アセトフェノンをクロトンアルデヒドと反応させる。
【0021】
本発明のさらなる実施形態では、出発原料にメタノールを、アセトアルデヒド1モル当たり0.5モル以下の量で加える。
【0022】
本発明の別の実施形態では、用いられるゼオライトは、アルカリイオン型またはアンモニウムイオン型またはプロトン型である。
【0023】
本発明のさらなる実施形態では、ゼオライトのアルカリイオン型はナトリウムおよびカリウムから選択される。
【0024】
本発明のさらなる実施形態では、ゼオライト触媒は、ランタン、タリウム、鉛およびコバルトからなる群から選択される金属イオンとイオン交換される。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態では、用いられるゼオライト触媒は、ランタン、鉛およびコバルトからなる群から選択される金属の少なくとも1種の化合物と、含浸、浸漬、析出または蒸発乾固により処理される。
【0026】
本発明のさらに他の実施形態では、ランタン、鉛および/またはコバルトの金属化合物は、酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩およびリン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物である。
【0027】
本発明のさらなる実施形態では、ランタン、鉛および/またはコバルトの金属化合物は酸化物を含む。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態では、ランタン、タリウム、鉛および/またはコバルトの金属化合物の含有量は、ゼオライト1g当たり0.1乃至5重量%当量である。
【0029】
本発明のさらに別の実施形態では、アリールピコリンを得るために、クロチルアルコールがアリル型アルコールとして用いられる。
【0030】
本発明の別の実施形態では、ゼオライト中のAlに対するSiの割合は、2.5〜140の範囲である。
【0031】
本発明のさらに別の実施形態では、ゼオライトは、ZSM−5、ZSM−11、フォージャサイト結晶構造のHY、HBEA、Al−MCM−41、MCM−41およびHXからなる群から選択される。
【0032】
本発明の別の実施形態では、触媒は非晶質シリカ−アルミナを含む。
【0033】
本発明はまた、ゼオライト触媒を用いてアセトフェノンとアリルアルコールから次式のフェニルピリジンを製造する方法を開発することに関する。
【0034】
【化1】
Figure 2004527522
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の方法によれば、アリールアルデヒドおよび/またはケトンとアリル型アルコール(アルケニルアルコールまたはアルデヒド)とを、気相のアンモニアと、触媒存在下で反応させることによって、アリールピリジン塩基が得られる。この触媒は、2.5〜140の範囲の様々なSi:Al比の触媒から、あるいは特定のSi/Al比で、含浸またはイオン交換法により、ランタン化合物、鉛化合物およびコバルト化合物からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物で変性した触媒から選択される。ゼオライトのうち、Alに対するSiの原子比が2.5〜140のものは、本発明で使用すべき高い触媒性能を示す触媒を調製するための出発原料として用いられることができる。
【0036】
本発明で使用すべき触媒を調製するための出発原料として使用できるゼオライトの例として、ZSM型、HY、Al−MCM−41、H−BEA、HXなどのアルミノケイ酸塩を含むいくつかのゼオライトが挙げられる。これらのうちMCM−41以外のゼオライトは、工業的に容易に入手可能であり、また文献で知られている方法によっても調製できる。例えば、ZSM系列のゼオライトはConteka(スウェーデン)から入手可能である。これらの製造方法は詳細に開示されている(特許文献1,2参照)。HYは(PQ Corporation USA)から入手し、HBEAは(Sud Chemie、インド)から入手し、HXはAldrichから入手したものである。MCM−41は既知の技術に基づいて合成した(非特許文献1参照)。
【0037】
さらに、本発明で用いられるゼオライトは、ナトリウム、カリウムなどのアルカリイオン型またはアンモニウムイオン型およびプロトン型のどれでもよい。しかし、アルカリイオンは、触媒活性を低下させるので好ましくなく、したがってランタン、鉛および/またはコバルトからなる群から選択される金属のイオンおよび/または化合物でゼオライトを変性する前、変性中または後にアルカリイオンを除去することが望ましい。ランタン、鉛、および/またはコバルトイオンで含浸処理すべきゼオライトは、アルカリイオン型、アンモニウムイオン型またはプロトン型のどれでもよく、アンモニウム型ゼオライトが最も好ましい。したがって、アルカリイオン型またはプロトン型のゼオライトは、それを塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウムなどのアンモニウム塩の水溶液またはアンモニア水中に数回繰り返し浸漬し、次いでそれをろ過することによって、あらかじめイオン交換してアンモニウム型にすることが望ましい。
【0038】
アルカリイオン型、アンモニウムイオン型またはプロトン型の、好ましくはプロトン型のゼオライトは、触媒1g当たり0.5乃至10重量%の濃度のランタン化合物、鉛化合物およびコバルト化合物からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物の水溶液に添加され、数時間浸漬され、最後に水が蒸発される。この手順の後、変性したゼオライトを通常100℃〜200℃で乾燥させ、望むなら350〜450℃で仮焼して、触媒を得る。
【0039】
仮焼は通常、空気中または窒素などのガス中で350℃〜500℃で数時間行うが、触媒は反応容器中で加熱されるので常に仮焼が必要とは限らない。
【0040】
対応する金属イオンおよび/または化合物で変性したゼオライト中のランタン、鉛および/またはコバルトの含有量は、約0.5乃至10重量%当量/gであるが、ゼオライトの種類ならびに金属イオンおよび化合物の種類に応じて好ましい範囲は変化する。
【0041】
ランタンイオン、鉛イオンおよび/またはコバルトイオンでイオン交換したゼオライトあるいはタリウム化合物、鉛化合物および/またはコバルト化合物から選択される少なくとも1種の金属化合物と、含浸、析出または蒸発乾固法により処理したゼオライトを、そのままの状態でまたは造粒後にタブレットに成形し、18〜30メッシュにする。
【0042】
どちらの方法でも、成形物を大気中または窒素などのガス中で350℃〜600℃で数時間仮焼して、この成形物に強度を付与し、バインダー中に含まれている揮発性成分を除去する。ただし、触媒を反応容器中で加熱するので、仮焼は常に必要とは限らない。
【0043】
本発明で用いられるアリールケトンには、アセトフェノン、メチルアセトフェノンおよびアルケニルアルコールまたはアルデヒドおよびアリルアルコール、クロチルアルコール、アクロレインまたはクロトンアルデヒドがある。
【0044】
出発原料としての芳香族アルデヒドおよび/または芳香族ケトンとアルケニルアルコールとの組合せによって、主に生成するフェニルピリジン塩基が決まる。典型的な例を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 2004527522
アンモニアと芳香族アルデヒドおよび/またはケトンのモル比は0.5乃至5mol/molである。用いる触媒重量基準空間速度(WHSV)は0.25乃至1.00である。反応温度は好ましくは300℃〜400℃である。反応ガス圧を1気圧未満ないし数気圧の範囲で用いることができるが、好都合には通常1気圧ないし約2気圧の範囲の圧力を用いる。
【0046】
具体的には、フェニルピリジンまたはフェニルピコリンを製造するための、芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンと、アルケニルアルコールまたはアルデヒドとの好ましい組合せでは、アセトフェノン:アリルアルコール:アンモニアのモル比を1:1〜3:0.5〜5に調整する。
【0047】
具体的には、この反応で認められるその他の1つの副生成物は3−ピコリンであり、これも重要な医薬中間体である。
【0048】
反応中に触媒上への炭素の堆積が検出されるが、2−フェニルピリジンのより高い収率が得られる結果として、触媒上に析出する炭素の量は少なくなる。
【0049】
450℃〜550℃の温度で触媒層中に空気を通して触媒上に析出した炭素を燃焼させるなど、通常の方法によって触媒の再生が容易に行なわれる。生成物を冷却することによって下部でトラップし、GCで分析し、NMRおよびGC−MSによって確認する。
【0050】
例えば実施例1に示すような本発明の触媒を用いることによって、アセトフェノンの転化率に基づいて計算した値として示される2種のフェニルピリジンの収率は、それぞれ63%および81%になる。
【0051】
2−フェニルピリジンは、従来の方法と比べて、より高い収率で得ることができる。また、触媒上に堆積する炭素の量も少なく、触媒の再生も容易である。
【0052】
本発明を、実施例を参照してより詳細に以下に説明する。本発明はそれだけに限定されるものではない。実施例の結果は、アセトフェノンの転化率に基づいて計算している。
【実施例1】
【0053】
公知の方法に基づいて、メソポーラス分子ふるいAl−MCM−41ゼオライトZSM−5を以下のように合成した(非特許文献1参照)。
【0054】
NaOH0.38g、水20ml、アルミニウムイソプロポキシド0.76gを混合し、透明な溶液が得られるまで加熱することによって溶液Aを調製した。この後、この混合物を冷却しながらテトラエチルアンモニウムヒドロキシド9.8mlを加えた。50重量%のludoxシリカ11.6ml(9.6g)を蒸留水50ml中に混合し、透明な溶液が得られるまでこの混合物を激しく攪拌することによって溶液Bを調製した。
【0055】
激しく攪拌しながら溶液Bに溶液Aを加え、1時間攪拌し続け、その後ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HDTMABr)10.55gを加えた。pHを10.5に調整した。容積が0.6リットルのステンレス鋼製オートクレーブに上記の溶液を充填した。このオートクレーブを密封し、100℃に加熱した。20時間攪拌を続けながら、この条件下で水熱合成を行った。この期間中、オートクレーブの内圧は5〜6kg/cmであった。
【0056】
反応が完了した後、反応混合物を室温まで冷却し、ろ過によって生成物を分離した。ろ液中のBrイオン濃度が1ppm以下になるまで洗浄とろ過とを繰り返した後、生成物を110℃で16時間乾燥し、次いで空気中で500℃で12時間仮焼して、界面活性剤を除去し、Na型Al−MCM−41の白色結晶が得られた。X線回折を測定した結果、この結晶の回折パターンは、報告されているMCM−41の回折パターンと一致した(非特許文献3参照)。次いで、この触媒を造粒し、18〜30メッシュにした。
【実施例2】
【0057】
内径20mmのガラス反応管にこの結晶性Al−MCM−41触媒4gを充填した。ガス状のアセトフェノン1モルとアリルアルコール2モルの混合物ならびにアンモニアを、予熱帯(preheating zone)に通して充填した触媒上に供給し、触媒床の温度を360℃に維持した。氷冷トラップによって下部で反応生成物を回収し、FIDガスクロマトグラフィーによって分析した。
【0058】
反応開始から4時間後の生成物の平均収率は、90%の2−フェニルピリジンと、10.0%のピリジンおよびその他の生成物とであった。その他の主要な生成物は3−ピコリンであり、これはアンモニアの存在下でアリルアルコール単独の環化によって形成する。
【実施例3】
【0059】
HY触媒を用いて実施例2と同一にして反応を行った。アセトフェノンの転化率98.0重量%で2−フェニルピリジンの選択率は84.9%である。
【実施例4】
【0060】
HZSM−5(30)触媒を用いて実施例2と同一にして反応を行った。アセトフェノンの転化率65.0重量%で2−フェニルピリジンの選択率が57.5%である。
【実施例5】
【0061】
H−BEA触媒を用いて実施例2と同一にして反応を行った。アセトフェノンの転化率65.2重量%で2−フェニルピリジンの選択率が26.5%である。
【実施例6】
【0062】
HX触媒を用いて実施例2と同一にして反応を行った。アセトフェノンの転化率27.5重量%で2−フェニルピリジンの選択率が67.6%である。
【実施例7】
【0063】
シリカ−アルミナ触媒を用いて実施例2と同一にして反応を行った。アセトフェノンの転化率42.0重量%で2−フェニルピリジンの選択率が41.6%である。
【実施例8】
【0064】
プロトン型Y触媒を5重量%鉛水溶液(鉛源は亜硝酸鉛である)中に数時間浸漬させ、次いでこの溶液を蒸発させ、触媒を420℃で4時間仮焼することによって乾燥した。
【0065】
実施例2と同一にして反応を行った。アセトフェノンの転化率100重量%で2−フェニルピリジンの選択率が86.3%である。
【実施例9】
【0066】
実施例8に記載した方法と同様の方法によってSi/Al原子比が5のLaY(金属含有率:5重量%)を調製した。アセトフェノンの転化率100重量%で2−フェニルピリジンの選択率が92.2%である。
【実施例10】
【0067】
反応温度を変えたこと以外は実施例8と同一の反応の結果を表1に示す。
【0068】
【表2】
Figure 2004527522
【実施例11】
【0069】
アリルアルコールの代わりにクロチルアルコールを用いたこと以外は実施例2と同一にして反応を行った。最終生成物は2−フェニル−4−メチルピリジンであった。
【実施例12】
【0070】
アセトフェノンの代わりにフェニルアセトアルデヒドを用いたこと以外は実施例2と同一にして反応を行った。最終生成物は3−フェニルピリジンであった。
【実施例13】
【0071】
アセトフェノンの代わりにメチルアセトフェノンを用いたこと以外は実施例2と同一にして反応を行った。最終生成物は2−(メチルフェニル)ピリジンであった。
【0072】
フェニルピリジンは、BMS−232632aなどのような、いくつかの効力のある抗HIV活性をもつアザペプチドHIVプロテアーゼ阻害剤の必須の骨格(integral backbone)である。
〔発明の有利な点〕
本発明は、環境的に清潔で経済的な技術、容易にリサイクルされ再利用できる触媒を含む方法を提供する。
・この方法は、生成物に対して高い選択性を備える環境にやさしい方法を提供する。
・この方法は、より寿命が長い選択的な不均一触媒を提供する。
・さらに、この方法は、反応物の置換基を変えることによって、フェニルピリジンの種類および組成を変えることができる手段(route)を提供する。
・また、この方法は、気相中でゼオライト触媒を用いてアセトフェノンとアリルアルコールとからフェニルピリジンを合成する効率的で経済的な方法を提供する。

Claims (23)

  1. アリールピリジン塩基を得るために、式RCORで表され、Rはフェニル基またはアルキルフェニル基であり、Rは1〜2個の炭素原子を含むアルキル基である芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンと、式RCH=CHCHOHで表され、Rは水素、メチル基、エチル基およびアリール基からなる群から選択されるアクロレインまたはクロトンアルデヒドまたはアリル型アルコールとを、気相のアンモニアと共に、芳香族アルデヒドまたは芳香族ケトンとアリル型アルコールとのモル比が1:1〜1:5の範囲、アンモニアと芳香族アルデヒドおよび/または芳香族ケトンとのモル比が0.5〜5.0の範囲、反応温度が350℃〜500℃の範囲で、鉛およびランタンから選択される金属の少なくとも1種のイオンおよび/または少なくとも1種の化合物を用いて変性(modified)し、または未変性(unmodified)であり、Alに対するSiの原子比が2.5〜12.5の範囲のゼオライトからなる触媒の存在下に反応させることを含むことを特徴とするアリールピリジン塩基の合成方法。
  2. 用いられるアリールケトンは、アセトフェノンおよびメチルアセトフェノンから選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 芳香族アルデヒドは、フェニルアセトアルデヒドであることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. アリル型アルコールは、アリルアルコールおよびクロチルアルコールから選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 2−フェニルピリジンを得るために、用いられる芳香族ケトンはアセトフェノンを含み、用いられるアリル型アルコールはアリルアルコールを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. アセトフェノン:アリルアルコール:アンモニアのモル比は、1:1〜3:0.5〜5の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 2−フェニルピリジンを得るために、用いられる芳香族ケトンはアセトフェノンを含み、アクロレインと反応させることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 3−フェニルピリジンを得るために、用いられる芳香族アルデヒドはフェニルアセトアルデヒドを含み、用いられるアリル型アルコールはアリルアルコールを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 3−フェニルピリジンを得るために、用いられる芳香族アルデヒドはフェニルアセトアルデヒドを含み、アクロレインと反応させることを特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 2−フェニル−4−メチルピリジンを得るために、アセトフェノンをクロチルアルコールと反応させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 2−フェニル4−メチルピリジンを得るために、アセトフェノンをクロトンアルデヒドと反応させることを特徴とする請求項1記載の方法。
  12. 出発原料にメタノールを、アセトアルデヒド1モル当たり0.5モル以下の量で加えることを特徴とする請求項1記載の方法。
  13. 用いられるゼオライトは、アルカリイオン型またはアンモニウムイオン型またはプロトン型であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  14. ゼオライトのアルカリイオン型は、ナトリウムおよびカリウムから選択されることを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. ゼオライト触媒は、ランタン、タリウム、鉛およびコバルトからなる群から選択される金属イオンとイオン交換されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  16. 用いられるゼオライト触媒は、ランタン、鉛およびコバルトからなる群から選択される金属の少なくとも1種の化合物と、含浸、浸漬、析出または蒸発乾固により処理されることを特徴とする請求項15記載の方法。
  17. ランタン、鉛および/またはコバルトの金属化合物は、酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩およびリン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物であることを特徴とする請求項15記載の方法。
  18. ランタン、鉛および/またはコバルトの金属化合物は、酸化物を含むことを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. ランタン、タリウム、鉛および/またはコバルトの金属化合物の含有量は、ゼオライト1g当たり0.1乃至5重量%当量であることを特徴とする請求項15記載の方法。
  20. アリールピコリンを得るために、用いられるアリル型アルコールは、クロチルアルコール含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  21. ゼオライト中のAlに対するSiの割合は、2.5乃至140の範囲であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  22. ゼオライトは、ZSM−5、ZSM−11、フォージャサイト結晶構造のHY、HBEA、Al−MCM−41、MCM−41およびHXからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  23. 触媒は、非晶質シリカ−アルミナを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
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