JP2004526813A - イソブテンのホモポリマーおよびコポリマーの製法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、リビングカチオン重合の条件下での、イソブテンまたはイソブテンとエチレン性不飽和コモノマーとの混合物の重合法に関する。本発明によれば、開始剤系は、付加的に少なくとも1個のSi−O−結合を有する少なくとも1種の重合不可能な非プロトン性有機ケイ素化合物を含有する。

Description

【0001】
本発明は、イソブテンまたはイソブテンとカチオン重合の条件下にイソブテンと共重合されるエチレン性不飽和コモノマーとの混合物のカチオン重合によるイソブテンのホモポリマーおよびコポリマーの製法に関する。
【0002】
ポリイソブテンおよびそのコポリマーは、例えば、燃料および潤滑剤用添加剤を製造するために、エラストマーとして、接着剤または接着剤原料として、封止化合物およびシーラントのベース成分として、コーティング系において、特に水蒸気遮断効果を有するものにおいて、ならびにチューイングガム材料において多岐にわたり使用される。イソブテンとビニル芳香族モノマーとのブロックコポリマーは、例えば、それらのエラストマー特性およびガスによる浸透に対するそれらの高い気密性において傑出している。
【0003】
イソブテンのカチオン重合は、しばしば三フッ化ホウ素の触媒作用により、特に、三フッ化ホウ素錯体触媒の存在でのイソブテンの重合により実施される。このための方法は、先行技術に包括的に記載されている(例えば、DE−A 2702604、EP−A 145235、EP−A 481297、EP−A 671419、EP−A 628575、EP−A 807641およびWO 99/31151参照のこと)。
【0004】
Kennedy等は、いわゆる“リビングカチオン重合”の条件下でのイソブテンの単独重合および共重合を記載している(J. P. Kennedy et al., US 4,946,899、US 4,327,201、US 5,169,914、EP−A 206756およびEP−A 265053ならびに包括的にJ. P. Kennedy, B. Ivan, ”Designed Polymers by Carbocationic Macromolecular Engineering”, Oxford University Press, New York1991を参照のこと)。カチオン重合に使用される開始剤系は、大抵は、触媒として少なくとも1種のルイス酸金属ハロゲン化物および反応条件下で、ルイス酸と一緒にカルボカチオンまたはカチオン錯体を形成する少なくとも1種の有機化合物を含む。“リビングカチオン重合”は、高い分子の均一性を有するポリマーを生じ、さらに三フッ化ホウ素錯体触媒作用とは異なって目標を定めたブロックコポリマーおよび末端が官能化されたポリマーの製造を可能にするにもかかわらず、今日までは学術的な重要性だけが達成されていた。これは、おそらく、その制御の難しさおよび使用される薬剤の純度に関するその高い要求性によるものと考えられている。
【0005】
“リビングカチオン重合”に使用される開始剤系の反応性は、供与体を添加することにより制御できることが報告されている。これらは、求核性の自由電子対を有する非プロトン性化合物である。このような供与体の例は、アミド、例えば、N,N−ジメチルアセトアミドおよびピリジン化合物である。しかし、このような供与体の使用は、結果として反応器壁上での難溶性の沈殿物を頻繁に生じ、このことは重合生成物の品質に不利に影響する。発明者は、これらの沈殿物が供与体化合物およびルイス酸からの難溶性付加物の形成によるものであると推測した。ここで形成される不均一性は、特に分子の均一性において劣化を生じる。さらに、特に連続的な方法の場合には、沈殿物が妨害物を生じ、これが重合の制御を妨害し、かつ極端な場合には、プラントの破壊を招き得る危険性がある。
【0006】
本発明は、高い分子の均一性を有する生成物を生じるイソブテンおよびイソブテン含有モノマー混合物の重合法を提供するという課題に根底を成す。さらに、この方法は、反応器壁上に出来る限り沈殿物が生じるべきではない。従って、連続的な反応法が可能になる。
【0007】
意外にも、前記の課題は、“リビングカチオン重合”の条件下で、イソブテンまたはイソブテンとエチレン性不飽和コモノマーとの混合物を重合する方法により解決され、この場合に開始剤系は、少なくとも1個のSi−O−結合を有する少なくとも1個の重合不可能な非プロトン性有機ケイ素化合物を付加的に含む。この場合に、有機ケイ素化合物は供与体としてはたらくと予測されている。
【0008】
従って、本発明は次のもの:
i)共有結合性(半)金属ハロゲン化合物から選択されるルイス酸、
ii)重合条件下で、ルイス酸とカルボカチオンまたはカチオン錯体を形成する、少なくとも1個の官能基FGを有する少なくとも1種の非プロトン性有機化合物I
を含む開始剤系の存在で、ルイス酸に対して不活性な有機溶剤中で、イソブテンまたはイソブテンとエチレン性不飽和コモノマーとの混合物をカチオン重合することによるイソブテンのホモポリマーおよびコポリマーの製法において、開始剤系は、付加的に
iii)少なくとも1個のSi−O−結合を有する重合不可能な非プロトン性有機ケイ素化合物II
を含むことを特徴とする、イソブテンのホモポリマーおよびコポリマーの製法に関する。
【0009】
本発明による方法において、少なくとも1種のルイス酸、少なくとも1種の有機化合物Iおよび少なくとも1個のSi−O−結合を有する有機ケイ素化合物である少なくとも1種の供与体化合物IIから成る開始剤系によりイソブテンの重合が開始される。ルイス酸は化合物Iと一緒に、イソブテンもしくはコモノマーのオレフィン性不飽和二重結合と相互作用するカルボカチオンまたは少なくとも1個のカチオン錯体を形成し、かつこの場合に、モノマー中で正の(部分的−)電荷を、例えば、イソブテンの第三炭素原子上に形成すると想定されている。これらは、さらに重合反応の継続下に、他のイソブテン分子もしくは他のモノマーと相互作用する。従って、化合物Iとして、周知のように上記のルイス酸とカルボカチオンまたは少なくとも1個のカチオン錯体を形成する全ての化合物が用いられる。化合物Iとルイス酸から形成される錯体が、供与体化合物IIにより安定化されるかまたは少なくとも反応性に関して変性されていると考えられている。
【0010】
“カルボカチオン”および“カチオン錯体”という用語は、厳密に相互に分けられることがなく、溶剤−分離イオン、溶剤−分離イオン対、接触イオン対および化合物Iの炭素原子に正の部分的電荷を有する強い極性錯体の全ての中間状態を含む。
【0011】
式Iの化合物として、原則として少なくとも1個の求核性の置換可能な脱離基Xを有し、かつ脱離基Xを有する炭素原子上の正の電荷または部分的な電荷を安定化することができる全ての有機化合物が適切である。これには、第二または第三脂肪族炭素原子に、またはアリル炭素原子またはベンジル炭素原子に結合する少なくとも1個の脱離基Xを有する公知の化合物が含まれる。この場合に、脱離基として、特にハロゲン、C〜C−アルコキシおよびC〜C−アシルオキシが使用される。
【0012】
ここでハロゲンは、特に塩素、臭素またはヨウ素を表し、とりわけ塩素を表す。C〜C−アルコキシは、線状でも分枝状であってもよく、かつ例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、n−ペンチルオキシまたはn−ヘキシルオキシを表す。C〜C−アルキルカルボニルオキシは、例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ、n−ブチルオキシまたはイソブチルオキシを表す。
【0013】
官能基が一般式FG
【0014】
【化3】
Figure 2004526813
【0015】
[式中、
Xは、ハロゲン、C〜C−アルコキシおよびC〜C−アシルオキシから選択され、
は、水素またはメチルであり、かつ
は、メチルであるか、またはRと一緒にまたは官能基FGが結合している分子部分と一緒に、C〜C−シクロアルキル環を形成し、Rは、官能基FGが芳香族またはオレフィン性不飽和C原子に結合している場合には、水素であることもできる]
を有する一般式Iの化合物が有利である。
【0016】
一般式Iの化合物は、有利には、1個、2個、3個または4個、特に1個または2個の官能基FGを有する。式(FG)中のXは、ハロゲン原子、特に塩素を表すのが有利である。
【0017】
有利な化合物Iは、例えば、次の一般式I−AからI−Dの化合物:
【0018】
【化4】
Figure 2004526813
【0019】
[式中、Xは前記の意味を表し、
nは、0、1、2、3、4または5であり、
、RおよびR10は、相互に独立に水素またはメチルであり、
、RおよびRは、相互に独立に水素、C〜C−アルキルまたは基CR−X(R、RおよびXは、前記の意味を有する)を表し、かつ
は、水素、メチルまたは基Xを表し、かつ
およびR は、水素または基Xである]
に属する。
【0020】
式I−AからI−D中、RおよびRは、両方ともメチルを表すのが有利である。式I−A中、Rは、例えばRが水素である場合に、CRX−基に対してパラ位に配置されている基CR−Xである。これは、基RがC〜C−アルキルまたは基CR−Xである場合にメタ位にあることもできる。有利な化合物I−Aは、例えば、2−クロロ−2−フェニルプロパン(クミルクロリド)および1,4−ビス(2−クロロプロピル−2)ベンゼン(p−ジクミルジクロリド)である。
【0021】
式I−B中、Rは、基CR−Xまたは水素であるのが有利である。式I−Bの化合物の例は、アリルクロリド、メタリルクロリド、2−クロロ−2−メチルブテン−2ならびに2,5−ジクロロ−2,5−ジメチルヘキセン−3である。
【0022】
化合物I−C中、Rは、メチルであるのが有利である。Rは、同様にメチルであるのが有利である。Rは、基Xであるのが有利であり、特にR10がメチルである場合にハロゲンであるのが有利である。一般式I−C中の化合物の例は、1,8−ジクロロ−4−p−メタン(リモネンジヒドロクロリド)、1,8−ジブロモ−4−p−メタン(リモネンジヒドロブロミド)、1−(1−クロロエチル−3−クロロ−シクロヘキサン)、1−(1−クロロエチル)−4−クロロシクロヘキサン、1−(1−ブロモエチル)−3−ブロモシクロヘキサンおよび1−(1−ブロモエチル)−4−ブロモシクロヘキサンである。
【0023】
式I−Dの化合物のうち、Rがメチル基を示すものが有利である。さらに、Rが基X、特にハロゲン原子を表す(n>0の場合)一般式I−Dの化合物が有利である。
【0024】
本発明による方法により製造されたポリイソブテンを燃料または潤滑剤用添加剤として使用することに関して、化合物Iのうち、式I−Dの化合物が有利であり、このなかで、特にXがハロゲン原子であるものが有利である。有利には、式I−Dのうち、変数nが1、2、3または4であり、特に1または2であるか、または0(Rがメチル基である場合)であるのが有利である。その他の多くの目的のために、特に平均分子量または高分子量のポリマー、例えば、2000ダルトン以上、特に3000ダルトン以上のポリマーを製造する際に、化合物I−Aが有利である。
【0025】
一般的には、本発明による方法において、化合物Iは、十分な濃度の開始剤複合体を提供するために、イソブテン1mol当たりまたは重合可能なモノマー1mol当たり少なくとも10 molの量で使用される。一般的には、化合物Iの量は、重合すべきモノマー(またはイソブテン)それぞれ1mol当たり、1molの値を上回ることはない。化合物Iの量に関するこれ以下のデータは、特記されない限り、化合物I中の官能基(FG)の数を示す。式Iの化合物を、イソブテンもしくは重合可能なモノマーそれぞれ1mol当たり、化合物Iの官能基(FG)に対して、10 〜10 mol、特に10 〜5×10 molの量で使用するのが有利である。この場合に、本発明による方法により製造されたポリイソブテンの達成された分子量は、化合物Iの濃度が増大するにつれて、ポリイソブテンの分子量が減少するように化合物Iの量に依存するように考慮すべきである。
【0026】
ルイス酸としては、一般的には欠如した電子対を有する原則的に共有結合性金属ハロゲン化物および半金属ハロゲン化物が用いられる。このタイプの化合物は、例えば、Kennedy等の上記引用明細書から当業者に公知であり、かつ一般的には、チタン、スズ、アルミニウム、バナジウムまたは鉄の共有結合性金属ハロゲン化合物から選択される。塩化物が有利であり、かつアルミニウムの場合には、モノアルキル塩化アルミニウムおよびジアルキル塩化アルミニウムが有利である。有利なルイス酸の例は、塩化チタン(IV)、三塩化ホウ素、塩化スズ(IV)、三塩化アルミニウム、塩化バナジウム(V)、塩化鉄(III)、C〜C−アルキル−AlClおよび(C〜C−アルキル)AlClである。特に有利なルイス酸は、塩化チタン(IV)および三塩化ホウ素である。
【0027】
ルイス酸は、当然ながら本発明による方法において開始剤錯体を形成するために十分な量で使用される。これは、一般的には、反応媒体中での低いルイス酸の濃度の場合にも既に保証される。ルイス酸:化合物Iのモル比は、20:1〜1:20、特に10:1〜1:10である。反応媒体中のルイス酸の濃度は、通常は10 〜1mol/l、有利には5×10 〜0.3mol/lの範囲内、特に0.01〜0.2mol/lの範囲内である。
【0028】
重合不可能な、非プロトン性有機ケイ素化合物IIは、一般的には1〜20個の炭素原子を有し、通常は酸素原子を介して結合した少なくとも1個の有機基を有する化合物である。このタイプの基の例は、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシおよびアシルオキシ(アルキルカルボニルオキシ)である。
【0029】
アルキル基とは、一般的には、1〜20個の炭素原子、有利には1〜10個の炭素原子を有する線状または分枝状の飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert.−ブチル、2−ブチル、n−ペンチル、2−メチルブチル−1、2−メチルペンチル−1、2−エチルブチル−1、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルヘキシル−1、2−エチルヘキシル−1、n−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−デシルおよび匹敵する基であると解釈される。
【0030】
アリールとは、一般的には、6〜20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、例えば、フェニル、ナフチルおよび1個以上のC〜C10−アルキル基を置換基として有することができる匹敵する基、例えば、トリル、イソプロピルフェニル、キシリルまたはtert.−ブチルフェニルを示す。
【0031】
ここで、シクロアルキルは、一般的には、場合により1個以上のC〜C10−アルキル基を置換基をして有することができる5−、6−または7−員環の飽和炭素環を表す。
【0032】
アリールアルキルは、一般的には、上記に定義したようなアリール基により置換された1〜10個の炭素原子、有利には1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、例えば、ベンジルまたは2−フェニルエチルを示す。
【0033】
アルキルオキシは、酸素原子を介して結合したアルキルを示す。相応して、アリールオキシ、シクロアルキルオキシおよびアリールアルキルオキシは、酸素原子を介して結合したアリール、シクロアルキルもしくはアリールアルキルを示す。
【0034】
アシルオキシは、アルキル部分中に有利には1〜6個の炭素原子を有する酸素原子を介して結合したアルキルカルボニル基、例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチルオキシなどを示す。
【0035】
有機ケイ素化合物IIは、酸素原子を介して結合した少なくとも1つの有機基を有する1個または複数の、例えば、2個または3個のケイ素原子を有することができる。ケイ素原子1個当たり、酸素原子を介して結合する基を1個、2個または3個の、および特に2個または3個有する有機ケイ素化合物IIが有利である。
【0036】
有利な有機ケイ素化合物は、一般式II:
Si(OR (II)
[式中、
nは1、2または3を表し、
は、同じまたは異なっていてもよく、かつ相互に独立にC〜C20−アルキル、C〜C−シクロアルキル、アリールまたはアリール−C〜C−アルキルを表し、その際、最後に挙げた3個の基は、1個以上のC〜C10−アルキル基を置換基として有することができ、かつ
は、同じまたは異なっており、かつC〜C20−アルキルを表すか、またはn=1または2である場合には、2個の異なる基Rが一緒になって2員環または3員環のアルキレン単位を形成することができる]
を有するものである。
【0037】
式IIのうち、変数nは有利に1または2を表す。変数Rは、C〜C−アルキル基、特に分枝または第二炭素原子を介して結合したアルキル基、例えば、イソプロピル、イソブチル、2−ブチル、または5−、6−または7−員環のシクロアルキル基を表すのが有利である。変数Rは、C〜C−アルキル基を表すのが有利である。
【0038】
このような有利な化合物の例は、ジメトキシジイソプロピルシラン、ジメトキシイソブチルイソプロピルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジメトキシジシクロペンチルシラン、ジメトキシイソブチル−2−ブチルシラン、ジエトキシイソブチルイソプロピルシラン、トリエトキシトルイルシランおよびトリエトキシベンジルシランである。
【0039】
本発明による方法において、有機ケイ素化合物IIは、有機ケイ素化合物II中のケイ素原子:ルイス酸中の金属原子もしくは半金属原子のモル比が0.05:1〜50:1の範囲内、有利には0.1:1〜10:1の範囲内、特に有利には0.1〜2:1の範囲内であるような量で使用する。特に有利には、不足当量(ケイ素原子:(半)金属原子の比として計算して)で有機ケイ素化合物IIを使用する。
【0040】
本発明による方法によれば、イソブテン自体、およびイソブテンと、周知のようにカチオン重合条件下でイソブテンと共重合可能なオレフィン性不飽和モノマーとのモノマー混合物を反応させることができる。さらに、本発明による方法は、イソブテンとカチオン重合条件下で重合可能なエチレン性不飽和コモノマーとのブロック重合に適切である。イソブテンのモノマー混合物を適切なコモノマーと重合させる限りにおいて、モノマー混合物は、有利には、イソブテン80質量%以上、特に90質量%以上、とりわけ95質量%以上、およびコモノマー20質量%未満、有利には10質量%未満、特に有利には5質量%未満を含有する。
【0041】
共重合可能なモノマーとしては、ビニル芳香族、例えば、スチレンおよびα−メチルスチレン、C〜C−アルキルスチレン、例えば、2−、3−および4−メチルスチレン、ならびに4−tert.−ブチルスチレン、5〜10個の炭素原子を有するイソオレフィン、例えば、2−メチルブテン−1、2−メチルペンテン−1、2−メチルヘキセン−1、2−エチルペンテン−1,2−エチルヘキセン−1および2−プロピルヘプテン−1が該当する。コモノマーとしては、さらにシリル基を有するオレフィン、例えば、1−トリメトキシシリルエテン、1−(トリメトキシシリル)プロペン、1−(トリメトキシシリル)−2−メチルプロペン−2、1−[トリ(メトキシエトキシ)シリル]エテン、1−[トリ(メトキシエトキシ)シリル]プロペン、および1−[トリ(メトキシエトキシ)シリル]−2−メチルプロペン−2が用いられる。
【0042】
本発明による方法の有利な実施態様は、イソブテンもしくはイソブテン含有装入材料の単独重合、ならびにイソブテンとビニル芳香族モノマーとのブロック重合に関する。ここで、イソブテン装入材料は、一般的には、イソブテン含有装入材料の全体量に対して、共重合可能なモノマー5質量%未満を含有する。このことは、同様にビニル芳香族モノマーのブロック重合にも該当する。
【0043】
本発明による方法のためのイソブテン装入材料として、イソブテン自体およびイソブテン含有C−炭化水素流、例えば、C−ラフィネート、イソブテン脱水素からのC−部分、スチームクラッキングからのC−部分、FCC−クラッカー(FCC:流動触媒分解)を、この中に含有される1,3−ブタジエンを十分に含有しない限り使用するのが適切である。本発明による適切なC−炭化水素流は、一般的には500ppm未満、有利には200ppm未満のブタジエンを含有する。C−部分を装入材料として使用する際に、イソブテンとは異なる炭化水素が、不活性溶剤の役割をする。
【0044】
一般的には、本発明による方法を0℃未満の温度で、例えば、0〜−140℃、有利には−30〜−120℃の範囲内、特に有利には−40〜−110℃の範囲内で実施する。反応圧力の重要性は少なく、公知の方法で使用される装置およびその他の反応条件に左右される。
【0045】
溶剤としては、化合物IおよびIIならびに重合モノマー、特にイソブテンとは異なり、かつ観念的なプロトンを有さない全ての有機化合物が使用される。有利な溶剤は、2〜8個、有利には3〜6個の炭素原子を有する非環式アルカン、例えば、エタン、イソプロパンおよびn−プロパン、n−ブタンおよびそれらの異性体、n−ペンタンおよびそれらの異性体、n−ヘキサンおよびそれらの異性体ならびにn−ヘプタンおよびそれらの異性体、5〜8個の炭素原子を有する環式アルカン、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、有利には2〜8個の炭素原子を有する非環式アルケン、例えば、エテン、イソプロペンおよびn−プロペン、n−ブテン、n−ペンテン、n−ヘキセンおよびn−ヘプテン、環式オレフィン、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセンおよびシクロヘプテン、芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンまたはクロロベンゼン、1〜5個の炭素原子および1、2、3、4、5または6個のフッ素または特に塩素から選択されるハロゲン原子を有するハロゲン化アルカン、例えば、塩化メチル、ジクロロメタン、トリクロロメタン、塩化エチル、1,2−ジクロロエタンおよび1,1,1−トリクロロエタンならびにクロロホルムである。
【0046】
このような溶剤だけではなく、これらの溶剤の混合物も適切である。従って、所望の重合温度を上回る融点を有する溶剤の場合には、混合物が有利である。
【0047】
少なくとも1個の環式または脂環式アルカンおよび/またはα−オレフィンを含む溶剤および溶剤混合物が特に有利である。これらの中で、少なくとも1個のハロゲン化されていない炭化水素および少なくとも1個のハロゲン化された炭化水素、有利には、脂肪族または脂環式アルカン、および塩素化された炭化水素を含む溶剤混合物が有利である。自明ながら、塩素化された炭化水素には、塩素原子が第二または第三炭素原子上に存在する化合物が含まれない。
【0048】
重合は、実質的に非プロトン性、特に水不含の反応条件下で実施することは自明である。非プロトン性もしくは水不含の反応条件とは、反応混合物中の水含量(もしくはプロトン性不純物の含量)が、50ppm未満、特に5ppm未満であると解釈される。従って、一般的には、それらの使用前に、装入材料を物理的および/または化学的処理により乾燥させる。例えば、通常の予備精製および予備乾燥の後に、溶剤として有利に使用される脂肪族または脂環式炭化水素を、有機金属化合物、例えば、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物または有機アルミニウム化合物と、微量な水を溶剤から除去するために十分な量で混合することができる。次に、このように処理された溶剤を凝縮して、直接に反応容器中に導入することができる。同様の方法で、α−オレフィン、芳香族炭化水素および重合すべきモノマー、特にイソブテンを用いて処理することができる。
【0049】
溶剤およびイソブテンの予備精製もしくは予備乾燥は、通常の方法で、有利には、分子篩いのような固体乾燥剤、または酸化カルシウムまたは酸化バリウムのような予備乾燥された酸化物を用いて処理することにより行われる。同様の方法で、金属アルキルを用いる処理には適切ではない装入材料を乾燥させることができる(例えば、溶剤として使用されるアルキルハロゲン化物ならびに化合物IおよびII)。
【0050】
イソブテンもしくはイソブテン含有モノマー混合物の重合は、本発明により使用すべき開始剤系と、イソブテンもしくはイソブテン含有モノマー混合物とを不活性有機溶剤中で、所望の反応温度で混合することにより自発的に行われる。この場合に、例えば、イソブテンもしくはモノマー混合物を不活性溶剤中に装入し、反応温度まで冷却し、かつ引き続き開始剤系を添加するように行うことができる。また、開始剤系を溶剤中に装入し、かつ引き続き、イソブテンもしくはイソブテン含有モノマー混合物を、一度に、またはそれらの消費量に応じて添加することができる。さらに、イソブテンもしくはイソブテン含有モノマー混合物の一部または全体量を溶剤中に装入し、かつ次に開始剤系を添加するように行うこともできる。次に、イソブテンもしくはイソブテン含有モノマー混合物の残量は、反応の過程で、例えば、消費量に応じて供給される。
【0051】
開始剤系の添加は、一般的には、開始剤系の成分が別々に添加されるように行われる。不連続的な方法の場合には、一般的には、まず化合物Iおよび化合物II、引き続きルイス酸が添加されるように行われる。開始剤系の添加の時点は、開始剤系の全ての成分が反応容器中に含有される時点であると見なされる。例えば、まず溶剤、次に化合物Iおよび化合物II、続いてイソブテンもしくはイソブテン含有装入材料の一部または全体量を装入し、ルイス酸の添加により重合を開始し、かつ引き続き場合により、イソブテンもしくはイソブテン含有装入材料の残量を重合に供給するように行うことができる。しかし、まず溶剤、次にルイス酸および引き続きイソブテンもしくはイソブテン含有装入材料の一部または全体量を装入し、次に化合物Iおよび化合物IIを添加して重合を開始させることもできる。
【0052】
ここで、記載された不連続的方法の他に、重合を連続的方法として設計することもできる。この場合に、装入材料、すなわち、重合すべきモノマー、溶剤ならびに開始剤系を重合反応に連続的に供給し、かつ連続的に反応生成物を取り出すこともできるので、反応器中では、程度に差はあるが、定常状態の反応条件が設置される。開始剤系の成分は、別々にまたは一緒に、有利には溶剤中で希釈して供給することができる。重合すべきイソブテンもしくはイソブテン含有モノマー混合物は、溶剤で希釈したものとして、またはイソブテン含有炭化水素流として供給することができる。
【0053】
例えば、溶剤中で希釈されたイソブテン系の成分の添加は、成分の良好な混合を達成するために、多成分ノズルを介して行うことができる。
【0054】
不連続的、連続的反応方法の際の反応熱の排出は、通常の方法で、例えば、内部に設置された熱交換器により、かつ/または壁の冷却により、かつ/または蒸気冷却の利用により行われる。ここで、特にエテンおよび/またはエテンと他の炭化水素の混合物および/またはハロゲン炭化水素の溶剤としての使用は、有利であることが判明している。それというのも、エテンは単に廉価であるばかりではなく、所望の重合温度範囲内に沸点を有するからである。
【0055】
本発明による方法を実施するための反応容器としては、イソブテンのカチオン重合、例えば、イソブテンと三フッ化ホウ素−酸素−錯体のカチオン重合の際に使用されるような通常の全ての反応器が原則的に該当する。この点については、関連している先行技術を参照されたい。不連続的な反応法の場合には、このために通常であり、かつ有利には、蒸発冷却、適切なミキサー、供給装置、熱交換器およびガスシール装置が備わった撹拌反応がまが使用される。連続的な反応法は、このために通常の反応がま、反応カスケード、管状反応器、管束反応器中、特に、円形の管状反応器および管束反応器中で実施することができ、前記反応器は、有利には、上記の反応がまに関して記載したように装備させる。
【0056】
反応混合物からイソブテンを回収するために、重合に続いて、カチオン重合反応に通常の方法で、有利にはプロトン性化合物を添加することにより、特にアルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec.−ブタノールまたはtert.−ブタノール、または水とのこれらの混合物を添加することにより、この反応混合物を不活性化させる。不活性化するために使用する物質は、不所望な粘土増大を回避するために、希釈剤中、いわゆる溶剤のうちの1種中で使用するのが有利である。ここで、その他の点については冒頭に挙げられた三フッ化ホウ素とイソブテンの重合に関する先行技術を参照されたい。後処理のための方法を、同様に本発明による方法に転用できる。
【0057】
本発明のもう1つの実施態様において、重合は、トリアルキルアリルシラン化合物の添加により、例えば、トリメチルアリルシラン((CHSi−CH−CH=CH)の添加により中断することができる。このような化合物は、一般的には、官能基FG 1mol当たり、0.3〜3mol、有利には0.5〜1.5molの量で使用される。アリルシランの使用は、ポリマー鎖末端にプロペニル基を挿入しながら重合の中断を生じる。この反応に対するさらなる詳細については、EP−A 713883を参照されたい。
【0058】
不活性化のために使用される組成物またはそれらの混合物は、不所望な副反応を回避するために、溶剤を用いて不活性化の前に重合温度まで冷却するのが有利である。
【0059】
引き続き、溶剤を適切な装置中、例えば、回転エバポレーター、流下薄膜型エバポレーターまたは薄層エバポレーター中で、またはフラッシュ蒸留(ここで、このことは反応溶液を、熱交換器の下流のパイプライン中で、または多孔板もしくはダイプレートを介して放圧させることであると解釈される)を用いて除去する。溶剤を除去するための減圧は、例えば、0.1〜800mbarの範囲内、特に、1〜100mbarの範囲内である。塔底温度は、50〜250℃、特に150〜220℃の範囲内であるのが有利である。
【0060】
イソブテンおよびビニル芳香族モノマーのブロックコポリマーを製造するために、一般的には、まず上記溶剤のうち1種の中のイソブテンまたは主にイソブテンを含有するモノマー混合物を、本発明による開始剤系の存在で、有利には0℃未満、特に−20〜−120℃の範囲内、特に−50〜−110℃の範囲内の温度で、所望するイソブテンの転化率が達成されるまで反応させる。従って、他のポリマーブロックを製造するためにビニル芳香族モノマーが添加される。ビニル芳香族モノマーの添加の間または後に、反応温度を保持するか、またはビニル芳香族化合物の反応性に依存して上げることができる。ビニル芳香族モノマーの重合は、−50℃を上回る温度、例えば、−50〜+50℃の範囲内で行うのが有利である。一般的には、ビニル芳香族モノマーを添加する前に、イソブテンの重合は、少なくとも80%、有利には少なくとも90%の転化率になるまで継続する。ビニル芳香族モノマーの添加は、イソブテンの99%が反応する前、特にイソブテンの98%が反応する前に行う。それというのも、さもないと活性化末端基の一部が不活性化するという危険性があるからである。
【0061】
この方法で、まず実質的にイソブテン単位から構成されたポリマーブロックが形成され、これは1つの末端に、または多官能化された化合物Iを使用する場合にはその末端に、ビニル芳香族モノマーから構成され、かつ実質的に部分に分かれていない、すなわち、イソブテン単位不含であるポリマーブロックを有する。このタイプのブロックポリマーは、特に有利な封止材料として興味深い。
【0062】
さらに本発明による方法は、特にポリイソブテン、すなわち、少なくとも80%まで、有利には少なくとも90%までが重合されたイソブテンから構成されるポリマーを製造するために適切である。本発明による方法により、400〜400000ダルトンの範囲内、有利には、500〜200000ダルトンの範囲内、特に有利には700〜100000ダルトンの範囲内の分子量(数平均分子量Mn)を有するポリイソブテンが入手可能である。本発明による方法は、2000ダルトンを上回る、特に3000ダルトンを上回る数平均分子量を有するポリイソブテンを製造するために適切である。分子量は、使用された化合物Iの濃度のバリエーションにより、当業者が簡単な方法で変化させることができ、その際、高濃度の化合物Iは、低分子量を有するポリマーを生じ、かつ低濃度の化合物Iは、高分子量を有するポリマーを生じる。同様のことは、ブロックコポリマーの場合に、ビニル芳香族ポリマーブロックの製造にも当てはまる。さらに、本発明による方法により得られるポリマーは、さらなる官能化処置に使用できる官能性末端基、例えば、ハロゲン原子またはオレフィン性不飽和二重結合を有する。これは、特に、一般的には疎水性炭化水素基、例えば、ポリイソブテニル基、および親水性分子部分から構成される燃料および潤滑剤用添加剤を製造するために重要である。
【0063】
本発明の方法により製造されたポリマーは、意外にも狭い分子量分布を有する。本発明による方法により製造されたポリマーでは、分散度D(重量平均分子量M÷数平均分子量Mの商)は、有利には1.6以下、特に1.4以下、とりわけ1.05〜1.3の範囲内にある。
【0064】
値に関する分子量の全てのデータは、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により計算されたものである。ゲル透過クロマトグラフィーは、2個の連続して接続されたカラム(L 300mm、d 7.8 mm)上で、流動剤としてのTHFおよび基準としてのCSを用いて行われ、その際、1番目のカラムをWaters社のStyragel HR5 (分子量範囲50000〜4×10)で充填し、かつ2番目のカラムをStyragel HR3 (分子量範囲200〜30000)で充填する。検出は、示差屈折計により行う。イソブテンブロックを決定するための標準物質としては、モル質量範囲が224〜1000000のPolymer−Standards Service社(Mainz, ドイツ)の市販品ポリイソブテン標準物質を使用する。ブロックコポリマーの分子量を決定する際に、付加的にポリスチレンキャリブレーションファイルおよびUV−検出器を備える。
【0065】
以下の実施例は、本発明を詳述するものであるが、これに限定されることはない。
【0066】
I.分析
分子量の決定は、上記のようにポリイソブテン標準物質に対するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて行った。
【0067】
II.重合法のための一般的な製造法
撹拌機を有し、かつドライアイスで冷却した2リットルの四つ首フラスコ上に、冷却装置を備えた2個の1リットル滴下漏斗を設置した。2つの滴下漏斗は、ガラスウール上に乾燥分子篩い3Åから成る床を有していた。
【0068】
一方の滴下漏斗中で、溶剤混合物600mlを−78℃で20分間乾燥させた。次に溶剤を−70℃まで予め温度処理しておいた反応フラスコ中に供給した。イソブテン3molを、もう一方の冷却された滴下漏斗中で凝縮した。引き続き、25分間以内にイソブテンの全体量を反応フラスコ中に加えた。温度を−70℃に保持しながら、次に供与体化合物II 10〜24mmol、化合物I 15〜35mmol、次にルイス酸40mmolを連続的にゼプタム隔壁(Septum)を介して、強力に撹拌しながら添加した。3時間後に、−70℃でイソプロパノール1molを添加し、室温まで加熱し、次に反応溶液を水200mlでそれぞれ3回洗浄した。引き続き、反応溶液を凝縮し、かつ減圧下で最後に2mbarになるまで200℃で乾燥させた。この方法で、ポリマー約140〜160gが得られた。使用量は、表1に挙げられている。ポリマーの特性は、表2にまとめられている。
【0069】
【表1】
Figure 2004526813
【0070】
【表2】
Figure 2004526813

Claims (15)

  1. 次のもの:
    i)共有結合性金属ハロゲン化合物および共有結合性半金属ハロゲン化合物から選択されるルイス酸、
    ii)重合条件下で、ルイス酸とカルボカチオンまたはカチオン錯体を形成する、少なくとも1個の官能基FGを有する少なくとも1種の非プロトン性有機化合物I
    を含む開始剤系の存在で、ルイス酸に対して不活性な有機溶剤中で、イソブテンまたはイソブテンとエチレン性不飽和コモノマーとの混合物をカチオン重合することによるイソブテンのホモポリマーおよびコポリマーの製法において、開始剤系は、付加的に
    iii)少なくとも1個のSi−O−結合を有する重合不可能な非プロトン性有機ケイ素化合物II
    を含むことを特徴とする、イソブテンのホモポリマーおよびコポリマーの製法。
  2. 有機ケイ素化合物は、一般式II
    Si(OR (II)
    [式中、
    nは1、2または3を表し、
    は、同じまたは異なっていてもよく、かつ相互に独立にC〜C20−アルキル、C〜C−シクロアルキル、アリールまたはアリール−C〜C−アルキルを表し、その際、最後に挙げた3個の基は、1個以上のC〜C10−アルキル基を置換基として有することができ、かつ
    は、同じまたは異なっており、かつそれぞれC〜C20−アルキルを表すか、またはn=1または2の場合には、2個の異なる基Rが一緒になって2員環または3員環のアルキレン単位を形成することができる]
    を有する、請求項1に記載の方法。
  3. ルイス酸は、BF、TiCl、SnCl、BCl、FeCl、VCl、AlClおよびR−AlCl(ここで、RはC〜C−アルキルを表す)から選択されたものを示す、請求項1または2に記載の方法。
  4. 有機ケイ素化合物II中のケイ素原子:ルイス酸中の(半)金属原子のモル比は、0.05:1〜50:1の範囲内である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 化合物I中の官能基は、一般式FG
    Figure 2004526813
    [式中、
    Xは、ハロゲン、C〜C−アルコキシおよびC〜C−アシルオキシから選択され、
    は、水素またはメチルであり、かつ
    は、メチルを表すか、またはRと一緒にまたは官能基FGが結合している分子部分と一緒に、C〜C−シクロアルキル環を形成し、Rは、官能基FGが芳香族またはオレフィン性不飽和C原子に結合している場合には、水素であることもできる]
    を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 有機化合物Iは、一般式I−AからI−Dの化合物:
    Figure 2004526813
    [式中、Xは前記の意味を表し、
    nは、0、1、2、3、4または5であり、
    、RおよびR10は、相互に独立に水素またはメチルであり、
    、RおよびRは、相互に独立に水素、C〜C−アルキルまたは基CR−X(R、RおよびXは、前記の意味を有する)であり、かつ
    は、水素、メチルまたは基Xを表し、かつ
    およびR は、水素または基Xである]
    から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 化合物Iを、重合可能なモノマー1mol当たり、化合物Iの官能基FGに対して10 〜10 molの量で使用する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 化合物I中のルイス酸は、官能基FGに対して、20:1〜1:50の範囲内のモル比で使用される、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 重合を0℃以下の温度で実施する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 溶剤は、脂肪族および脂環式炭化水素、芳香族炭化水素ならびに不活性ハロゲン炭化水素から選択される、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. イソブテンと少なくとも1種のビニル芳香族モノマーを共重合させる、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. まずイソブテンおよび引き続きビニル芳香族モノマーを重合させる、請求項11に記載の方法。
  13. 重合をプロトン性化合物の添加により中断する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 重合をトリ(アルキル)アリルシラン−化合物の添加により中断する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
  15. イソブテンまたはイソブテンとエチレン性不飽和コモノマーとの混合物をリビングカチオン重合するための供与体としての、請求項1または2に記載の有機ケイ素化合物IIの使用。
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