JP2004526800A - プロパンの不均一系触媒部分酸化によるアクリル酸の製法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、気相でのプロパンの不均一系触媒部分酸化によるアクリル酸の製法に関し、この際、プロパン、分子酸素及び少なくとも1種の希釈ガスを含有する反応ガス出発混合物を、高めた温度で、一般的化学式I:
【0002】
【化1】
[式中、
M1は、Te及び/又はSbを表わし、
M2は、Nb、Ta、W、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Ga、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、La、Bi、B、Ce、Sn、Zn、Si及びInを包含する群からの少なくとも1種の元素を表わし、
bは、0.01〜1であり、
cは、>0〜1であり、
dは、>0〜1であり、かつ
nは、(I)中の酸素とは異なる元素の原子価及び度数によって決定される数である]の多金属酸化物物質上に導き、この際、プロパンを部分的にアクリル酸に酸化させる。
【0003】
一般的化学式Iの多金属酸化物物質でのプロパンの不均一系触媒部分酸化による、ポリマーの製造に重要なモノマー、アクリル酸の製法は公知である(例えば、DE−A10119933、DE−A10051419、DE−A10046672、DE−A10033121、EP−A1090684、EP−A962253、EP−A895809、DE−A19835247、EP−A608838、WO00/29105及びWO00/29106 参照)。
【0004】
公知技術水準で示された理論の共通の特徴及び達成された結果は、反応ガス出発混合物中での著しい量の水蒸気の併用が、アクリル酸生成の触媒活性についても、選択性についても、有利であるということである。
【0005】
しかし、公知技術水準で推奨されたこの方法の欠点は、アクリル酸の気相触媒酸化の製法では、純粋なアクリル酸ではなく、生成ガス混合物が得られ、これからアクリル酸を分離しなければならないことである。
【0006】
典型的方法で、プロパンからアクリル酸への不均一系触媒気相部分酸化の生成ガス混合物は、未反応プロパンの他に、副成分、例えば、プロペン、アクロレイン、CO2、CO、酢酸及びプロピオン酸を含有するが、希釈ガスとして併用される成分、例えば、純粋な生成物を得るために、アクリル酸がそれから分離されるべき水蒸気も含有する。
【0007】
水へのアクリル酸の卓越した親和性に基づき(ベビー用オムツで使用される超吸収材とは、アクリル酸をベースとするポリマーのことである)、より多くの水蒸気を気相酸化で希釈ガスとして併用すればするほど、前記の分離課題は経費が更に増してくる。
【0008】
更に、高められた量の水蒸気の存在は、副生成物としての不所望なプロピオン酸生成を促し、この副生成物はアクリル酸とのその類似性により、水蒸気から分離させることは更にもっと困難である。
【0009】
従って、希釈ガスとしての水蒸気の併用を、全く必要としないか、又は減少された範囲でしか必要としないにも拘らず、アクリル酸生成の触媒活性及び選択性を満足させることができる、プロパンからアクリル酸への不均一系触媒部分酸化法が有利である。
【0010】
従って、気相でのプロパンの不均一系触媒部分酸化によりアクリル酸を製造するために、プロパン、分子酸素及び少なくとも1種の希釈ガスを含有する反応ガス出発物質を、高めた温度で、一般的化学式I:
【0011】
【化2】
[式中、
M1は、Te及び/又はSbを表わし、
M2は、Nb、Ta、W、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Ga、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、La、Bi、B、Ce、Sn、Zn、Si及びInを包含する群からの少なくとも1種の元素を表わし、
bは、0.01〜1であり、
cは、>0〜1であり、
dは、>0〜1であり、かつ
nは、(I)中の酸素とは異なる元素の原子価及び度数によって決定される数である]の多金属酸化物物質上に導き、この際、プロパンを部分的にアクリル酸に酸化させる方法が発明され、この方法は、反応ガス出発混合物の組成を、方法の実施中に少なくとも1回変更させ、反応ガス出発混合物中で、反応ガス出発混合物中に含有されるプロパンのモル量に対して、変更前に含有される希釈ガス水蒸気のモル成分が、変更後より少ない量であるようにすることを特徴とする。
【0012】
本発明による方法の基礎は、意外にも、一般的化学式Iの多金属酸化物物質が、反応ガス出発混合物中で、一定の操作時間中に、反応ガス出発混合物中に含有されるプロパンに対して、先ず一定の成分の水蒸気を併用し、引続いてこの成分を減少させる場合に、プロパンからアクリル酸への触媒気相酸化で、希釈ガスとしての高められた量の水蒸気の存在で、アクリル酸を高められた活性及び選択性で生成させるその能力を保持するという発明である。即ち、反応ガス出発混合物中の水蒸気成分を減少させた後も、その他は非変化操作条件でのプロパンの不均一系触媒気相酸化は、不均一系触媒気相酸化が恒久的に反応ガス出発混合物中のより少ない水蒸気成分で実施されるとした場合よりも、もっと高いアクリル酸生成の選択性を伴って進行する。この記載は、水蒸気成分の減少を、反応ガス出発混合物が減少を行った後に水蒸気をもはや含有しないところまで行う場合にも当てはまる。
【0013】
通例、本発明による方法で、水蒸気成分の減少を、少なくとも部分的に、水蒸気とは異なる、本発明による方法で併用可能な希釈ガスの成分の上昇によって調整する。しかし、この調整は行われなくとも良い。そのような他の希釈ガスは、殊に、分子窒素、酸化炭素、例えば、CO及びCO2、しかし同様に、貴ガス、例えば、He又はArである。プロパン自体は、同様に希釈ガスとしてこれに該当する。この場合には、プロパンを、本発明による方法で、分子酸素の使用量に対して、超化学量論的量で使用する。
【0014】
通例、前記の希釈ガスの混合物を使用する。これは、本発明による方法では、通例、不活性である。即ち、これは、本発明による方法の実施で、化学的に実際に無変化である。
【0015】
当然、本発明による方法では、水蒸気成分のモル減少を、水蒸気とは異なる不活性希釈ガスのモル成分の当量的上昇によって完全に調整することができ、又はむしろ過剰代償することができる。本発明による方法では、水蒸気代用物として、分子窒素を使用することが有利である。
【0016】
本発明による方法は、通例、例えば、200〜550℃、又は230〜480℃又は300〜440℃の反応温度で実施される。勿論、本発明による方法では、水蒸気成分の減少の前と後の温度は同一であってよい。しかし、温度は、水蒸気成分の減少後に、水蒸気成分の減少の前よりも低くても、又は高くても良い。
【0017】
操作圧(絶対)は、本発明による方法では、1atm、1atmより少ない、又は1atmより多くてもよい。本発明による典型的な操作圧は、1.5〜10バール、しばしば1.5〜4バールである。操作圧は、本発明による方法の間、一定に保たれても、変更されても良い。即ち、操作圧は、本発明による水蒸気成分の減少の前に、その後よりも大きい又は小さくてよい。
【0018】
当然、本発明による方法の範囲では、反応ガス出発混合物の組成の本発明により必要な変更を、例えば、周期的に連続して何回も実施することもできる。即ち、減少された水蒸気成分での一定の操作時間後に、反応ガス出発混合物中の水蒸気成分を一定時間再び上昇させ、その後に再び低下させる等が可能である。
【0019】
酸素給源として、本発明による方法のために、純酸素も、空気又は酸素富化又は酸素貧化空気も使用することができる。
【0020】
本発明による方法に使用すべきプロパンに、その純度に関して特に高い要求は設定されない。プロペンを随伴物として含有するプロパンを、本発明による方法に使用することもできる。本発明による方法の反応ガス出発混合物の組成は、典型的には、次の範囲内で変動する(モル比):
プロパン:酸素:H2O:他の希釈ガス=1:(0.1〜10):(0〜50):(0〜50)。
【0021】
前記の比率は、
1:(0.5〜5):(1〜30):(0〜30)
が有利である。
【0022】
本発明により、前記の比率は、水蒸気成分の減少前に、A=1:(0.1〜10):(0.1〜50):(0〜50)の範囲にあり、かつ水蒸気成分の減少後に、B=1:(0.1〜10):(0〜30):(0〜30)の範囲にあることが有利である。
【0023】
本発明により有利に、範囲Aは、モル比1:(0.5〜5):(2〜30):(0〜30)を包含し、範囲Bは、モル比1:(0.5〜5):(0〜20):(0〜30)を包含する。
【0024】
前記の範囲は、殊に、他の希釈ガスとして主に分子窒素を使用する場合に当てはまる。反応ガス出発混合物の組成範囲Aを適用する間では、本発明による方法での反応温度は、有利に250〜550℃であり、反応ガス出発混合物の組成範囲Bを適用する間では、本発明による方法での反応温度は有利に同様に250〜550℃である。
【0025】
本発明による方法は、他の点では、評価される公知技術水準に記載された方法と同様に実施されてよい。即ち、触媒床は、固床でも、移動床でも、又は渦動床であってもよい。
【0026】
この際、本発明により使用すべき多金属酸化物物質Iは、そのものとして(例えば、粉末又は細片に破砕される)又は成形体に成形されて、本発明による方法に使用されて良い。
【0027】
本発明による方法に好適な多金属酸化物物質Iの製造は、冒頭で評価された公知技術水準から引用されて良い。適用される製法によって、得られる多金属酸化物の構造は、どちらかといえば非晶質(例えば、WO00/29105及びWO00/29106に記載されているような)又はどちらかといえば結晶(例えば、EP−A608838、EP−A962253、EP−A895809及びDE−A19835247に記載されているような)であってよい。
【0028】
この際、製造は、通例、標準圧(1atm)で、多金属酸化物物質の元素成分の給源(出発化合物)から、出来るだけ良好に混ぜた、有利に微細な乾燥混合物を生成させ、これを、引続き、酸化的(例えば、空気)、還元的、不活性(例えば、N2)又は減圧を示す雰囲気下での熱処理によって、活性酸化物に変えるようにして行われる。しかし、DE−A10033121の熱水法で製造された多金属酸化物物質Iを、本発明による方法に使用することも勿論可能である。
【0029】
本発明による方法に好適な触媒成形体への多金属酸化物物質Iの成形は、例えば、DE−A10118814及びDE−A10119933に記載されたように行うことが出来る。
【0030】
本発明により、多金属酸化物物質Iとして、式中、M1=Teであるものが有利に使用される。更に、式中、M2=Nb、Ta、W及び/又はチタンである多金属酸化物物質Iが本発明による方法に有利である。有利に、M2=Nbである。本発明により使用すべき多金属酸化物物質Iの化学量論的係数bは、有利に、0.1〜0.6である。相応する方法で、化学量論的係数cの優勢範囲は、0.01〜1又は0.05〜0.4であり、dの有利な値は、0.01〜1又は0.1〜0.6である。本発明により使用すべき特に有利な多金属酸化物物質Iは、式中の化学量論的係数b、c及びdが、同時に前記の通性範囲にある物質である。本発明により好適な他の化学量論的係数は、初めに引用された公知技術水準の明細書に公開されているそれである。
【0031】
更に、本発明による方法には、そのレントゲン回折図が回折反射h及びiを有し、その回折角(2Θ)での頂点が22.2±0.5°(h)及び27.3±0.5°( i )である多金属酸化物物質Iが有利に使用され得る。この際、この回折反射の半値幅は、極めて小さいか又は同様に極めて卓越していて良い。
【0032】
本発明による方法には、そのレントゲン回折図が、回折反射h及びiに付加的に回折反射kを有し、その頂点が28.2±0.5°(k)である多金属酸化物物質Iが特に有利である。
【0033】
後者の内、本発明により、回折反射hがレントゲン回折図内で強度最強であり、高々0.5°を有し、回折反射i及び回折反射kの半値幅が同時に各々≦1°であり、かつ回折反射kの強度Pk及び回折反射iの強度Piが、関係0.65≦R≦0.85を満たし、この際、Rは、式:
R = Pi/(Pi+Pk)
によって定義される強度比率であるものが再び本発明により有利である。この多金属酸化物Iのレントゲン回折図は、有利に、その最高が2Θ=50±0.3°である回折反射を示さない。
【0034】
この多金属酸化物物質Iの内で、本発明による方法には、0.67≦R≦0.75が当てはまるものが有利であり、R=0.70〜0.75又はR=0.72が当てはまるものが特に極めて有利である。
【0035】
半値幅≦1°の回折反射i及び回折反射kを有し、同時に0.65≦R≦0.85の関係を満たし、場合によりその最高が2Θ=50±0.3°である回折反射を示さない多金属酸化物物質Iの製造は、DE−A10118814及びDE−A10119933の明細書に記載されているように行うことが出来る。
【0036】
この際、その回折反射iにより、いわゆるi−相を含有する多金属酸化物物質Iが重要である。多金属酸化物物質I中に現れ得る他の結晶相は、例えば、いわゆるk−相である。これは、回折反射h及びkの存在によって、及び50±0.3°での最高位置を有する回折反射の存在によって明らかになる。
【0037】
目的とされる、本発明により使用すべきi−相の成分が優勢である多金属酸化物物質Iの製法は、例えば、JP−A11−43314、DE−A10118814、DE−A10119933及び以前の出願DE−A10046672の明細書が公表していて、その中で、重要な多金属酸化物物質Iは、エタンからエチレンへの不均一系触媒酸化物水素添加の触媒として、及びプロパン又はプロペンからアクリル酸への不均一系触媒気相酸化の触媒として推奨されている。
【0038】
その後に、引用された殆どの公知技術水準の明細書に公表された自体公知の方法(例えば、以前の出願DE−A10033121にも同様に記載されている)で、先ず、i−相及び他の相(例えば、k−相)から成る混合物である化学式(I)の多金属酸化物物質を製造する。ここで、この混合物中で、i−相の成分を、例えば、他の相、例えばk−相を顕微鏡下に選択し、又は多金属酸化物活性物質を好適な液体で洗浄することによって高めることが出来る。そのような液体として、例えば、有機酸(例えば、蓚酸、蟻酸、酢酸、クエン酸及び酒石酸)、無機酸(例えば、硝酸)の水溶液、アルコール及び過酸化水素水溶液がこれに該当する。更に、JP−A7−232071も、卓越したi−相成分を有する本発明により使用すべき多金属酸化物物質Iの製法を公表している。
【0039】
本発明により使用すべき卓越したi−層成分を有する多金属酸化物物質Iが、少ない系統的方法で、DE−A19835247に公表された製法によって得られる。その後に、その元素成分の好適な給源から、出来るだけ良好に混和した、有利に微細な乾燥混合物を製造し、これを350〜700℃又は400〜650℃又は400〜600℃の温度で熱処理する。熱処理は、原則的に、酸化、還元下でも、不活性雰囲気下でも行うことができる。酸化雰囲気として、例えば、空気、分子酸素を富化させた空気又は酸素を貧化させた空気がこれに該当する。熱処理は、不活性雰囲気下に、即ち、例えば、分子窒素及び/又は貴ガス下に有利に実施される。熱処理は、通例、標準圧(1atm)で行われる。熱処理は、真空下に、又は超圧下に行うことも当然可能である。
【0040】
熱処理をガス状の雰囲気下に行う場合には、これは停滞していても、流動していてもよい。熱処理は、合計して、24時間まで、又はそれ以上の時間がかかってよい。
【0041】
熱処理は、先ず、酸化(酸素含有の)雰囲気下に(例えば、空気下に)、150〜400℃又は250〜350℃の温度で有利に行われる。それに続いて、熱処理は、有利に不活性ガス下に、350〜700℃又は400〜650℃又は400〜600℃の温度で続けられる。勿論、熱処理は、触媒前駆物をその熱処理の前に先ず(場合により粉末化後に)錠剤化させ(場合により、微細グラファイト0.5〜2質量%の添加下に)、次いで、熱処理し、続いて再び破砕するようにして行うこともできる。
【0042】
本発明により使用すべき多金属酸化物物質Iの製造の範囲での出発化合物の良好な混合は、全く一般的に、乾燥機中で又は湿式で行うことができる。
【0043】
乾式で行う場合には、出発化合物を有利に微細として使用し、混合及び場合により粘稠後に、か焼(熱処理)を施す。
【0044】
しかし、良好な混合は湿式で行うことが有利である。この際、通例、出発化合物を水溶液及び/又は懸濁液の形で相互に混合させる。引続いて、この水性物質を乾燥させ、乾燥後にか焼させる。水性物質とは、有利に、水溶液又は水性懸濁液のことである。乾燥工程は、水性混合物の製造直後に、殊に、噴霧乾燥すべき水性物質が水溶液である場合に、特に良好に混和した乾燥混合を条件とする噴霧乾燥によって(排出温度は、通例100〜150℃である;噴霧乾燥は直流又は向流で実施されてよい)行われる。
【0045】
本発明により使用すべき多金属酸化物物質Iの製造の実施範囲で、元素成分の給源として、加熱の際に(場合により空気中で)、酸化物及び/又は水酸化物を生成することができる全てのものがこれに該当する。勿論、そのような出発化合物として、元素成分の酸化物及び/又は水酸化物を、既に併用する、又は引続いて使用することもできる。
【0046】
本発明により使用される元素Moの給源は、例えば、モリブデン酸化物、例えば、三酸化モリブデン、モリブデン酸塩、例えば、アンモニウムヘプタモリブデートテトラヒドレート及びモリブデンハロゲニド、例えば、塩化モリブデンである。
【0047】
本発明により使用可能な、好適な元素Vの出発化合物は、例えば、バナジルアセチルアセトネート、バナジウム酸塩、例えば、メタバナジウム酸アンモニウム、バナジウム酸化物、例えば、五酸化バナジウム(V2O5)、バナジウムハロゲニド、例えば、四塩化バナジウム(CCl4)及びバナジウムオキシハロゲニド、例えばVOCl3である。この際、バナジウム出発化合物として、バナジウムを酸化度+4で含有するものを併用することができる。
【0048】
元素テルルの給源として、本発明により、テルル酸化物、例えば、二酸化テルル、金属テルル、テルルハロゲニド、例えば、TeCl2が好適であるが、テルル酸、例えば、オルトテルル酸H6TeO6も好適である。
【0049】
有利なアンチモン出発化合物は、アンチモンハロゲニド、例えば、SbCl3、アンチモン酸化物、例えば、三酸化アンチモン(Sb2O3)、アンチモン酸、例えば、HSb(OH)6であるが、アンチモン酸化物−塩、例えば、硫化−酸化アンチモン(SbO)2SO4も有利である。
【0050】
本発明により好適なニオブ給源は、例えば、ニオブ酸化物、例えば五酸化ニオブ(Nb2O5)、ニオブオキシドハロゲニド、例えば、NbOCl3、ニオブハロゲニド、例えば、NbCl5であるが、ニオブ及び有機カルボン酸及び/又はジカルボン酸から成る錯化合物、例えば、オキサレート及びアルコラートも好適である。勿論、ニオブ給源として、EP−A895809で使用されたNb含有溶液もこれに該当する。
【0051】
他の可能な全ての元素M2に関して、本発明により好適な出発化合物として、殊に、そのハロゲニド、硝酸塩、蟻酸塩、蓚酸塩、酢酸塩、炭酸塩及び/又は水酸化物がこれに該当する。好適な出発化合物は、様々で、そのオキソ化合物、例えば、タングステン酸塩又はこれから誘導される酸である。出発化合物として、アンモニウム塩もしばしば使用される。
【0052】
更に、本発明による多金属酸化物物質Iの製造の出発化合物として、例えば、Polyhedron Vol. 6, No. 2, pp. 213-218 に記載されているような、アンダーソン型(Anderson Typ )のポリアニオンもこれに該当する。アンダーソン型のポリアニオンのもう1つの好適な文献給源は、Kinetics and Catalysis, Vol. 40, No.3, 1999, pp 401~404 である。
【0053】
出発化合物として好適な他のポリアニオンは、例えば、ドーソン(Dawson)又はケギン(Keggin Typ.)型のそれである。本発明により、高めた温度で、酸素が存在して、又は酸素を遮断して、場合によりガス状の化合物の遊離下に、その酸化物に変化する出発化合物が有利に使用される。
【0054】
前記のように得られる、本発明により使用すべき多金属酸化物物質Iは、そのものとして[例えば、粉末として又は粉末の錠剤化(しばしば、微細グラファイト0.5〜2質量%の添加下に)及びその後の破砕後に破片に破砕する]又は同様に成形体に成形して、本発明による方法に使用することができる。
【0055】
成形体への成形は、例えば、以前の出願DE−A10051419に記載されているような、担体上への被覆によって行うことができる。
【0056】
本発明により使用すべき多金属酸化物物質Iに使用すべき担体は、有利に化学的に不活性である。即ち、それは、本発明により使用すべき多金属酸化物物質によって触媒されるプロパンからアクリル酸への触媒気相酸化の経過中、実際に作用しない。
【0057】
担体材料として、本発明により殊に、酸化アルミニウム、二酸化珪素、珪酸塩、例えば、粘土、カオリン、ステアタイト、軽石、珪酸アルミニウム及び珪酸マグネシウム、炭化珪素、二酸化ジルコン及び二酸化トリウムがこれに該当する。
【0058】
担体の表面は、平滑であっても、粗性であってもよい。高められた表面粗性は、通例、被覆された活性物質シェルの高められた接着強度を前提とするので、担体の表面は粗性であることが有利である。
【0059】
担体の表面粗性RZは、しばしば、5〜200μmの範囲にあり、頻繁に、20〜100μmの範囲にある(Fa. Hommelwerke, DE の "Hommel Tester Fuer DIN-ISO Oberflaechenmessgroessen" を用いて、DIN 4768 Blatt 1 により測定する)。
【0060】
更に、担体材料は有孔又は無孔であってよい。担体材料は、無孔であることが有利である(担体の容積に対する孔の総容積≦1容積%)。
【0061】
本発明によるシェル型触媒上にある活性酸化物物質シェルの厚さは、通例、10〜1000μmである。しかし、それは、50〜700μm、100〜600μm又は150〜400μmであってもよい。可能なシェル厚は、同様に、10〜500μm、100〜500μっ又は150〜300μmである。
【0062】
本発明による方法のために、原則的に、担体の任意の形状が考慮される。その最長伸張は、通例、1〜10mmである。しかし、担体として、球状物、筒状物、殊に中空筒状物が有利に使用される。球状担体の有利な直径は、1.5〜4mmである。担体として筒状物を使用する場合には、その長さは有利に2〜10mmであり、その外径は4〜10mmである。更に、環状物の場合には、壁厚は、通例、1〜4mmである。本発明により好適な環状担体は、長さ3〜6mm、外径4〜8mm及び壁厚1〜2mmを有することができる。しかし、環状担体形状7mm×3mm×4mm又は5mm×3mm×2mm(外径×長さ×内径)も可能である。
【0063】
本発明により使用すべきシェル型触媒の製造は、最も簡単な方法で、一般式(I)の活性酸化物物質を予備生成させ、それを微細形に変え、最後に、液状結合剤によって担体表面上に被覆させることによって行うことができる。そのために、担体の表面を、最も簡単な方法で、液状結合剤で湿潤させ、一般式(I)の微細活性酸化物物質との接触被覆によって、活性物質の層を湿潤担体上に付着させる。最後に、被層担体を乾燥させる。勿論、層厚を高めるために、この過程を周期的に繰り返すことができる。この場合には、被層基体が新規の″担体″などになる。
【0064】
担体の表面上に被覆すべき一般式(I)の触媒活性酸化物物質の純度は、勿論、所望のシェル厚に適合される。100〜500μmのシェル厚範囲には、例えば、粉末粒子の総数の少なくとも50%がメッシュ幅1〜20μmの篩を通過し、その50μm以上の最長伸張を有する粒子の数的成分が10%よりも少ない活性物質粉末が好適である。通例、粉末粒子の最長伸張の分布は、製造条件により、ガウス分布に相応する。粒度分布は、しばしば、次のようである:
【0065】
【表1】
【0066】
この際、次のものは次のことを表わす:
D=粒径、
x=その直径が≧Dである粒子の%率、及び
y=その直径が<Dである粒子の%率。
【0067】
前記の被覆法を工業的規模で実施するために、例えば、DE−A2909671及びDE−A10051419に公開された方法原則の適用が推奨される。即ち、被覆すべき担体は、有利に傾斜された(傾斜角は、通例、≧1°及び≦90°、大抵、≧30°及び≦90°である;傾向角は、水平に対する回転容器中心軸の角である)回転性の回転容器(例えば、回転皿又は被層ドラム)中に入れられる。回転する回転容器は、例えば、球状又は筒状の担体を、一定の間隔で連続して配置された2つの供給装置下に通す。2つの供給装置の第1は、有利に1本のノズル(例えば、圧力空気で操作される噴霧ノズル)に相応し、回転する回転皿中で回転する担体は、これを通って、液状結合剤を噴霧され、調整湿潤される。第2供給装置は、噴霧する液状結合剤の円錐状噴霧の外にあり、微細の酸化物活性物質を供給することに用いられる(例えば、振動溝又は粉末スクリューを経て)。調整湿潤された担体球は、供給された活性物質粉末を取り込み、これは、回転運動によって、例えば筒状又は球状の担体の外表面上に凝縮されて密集したシェルになる。
【0068】
必要な場合には、そうして基礎被層された担体は、それに続く回転経過中に再び噴霧ノズルを通過し、この際、更に移動中に、微細酸化物活性物質のもう1つの層を取り入れることができる等のように調整湿潤される(中間乾燥は通例必要ではない)。この際、微細酸化物活性物質及び液状結合剤は、通例、連続的及び同時に供給される。
【0069】
液状結合剤の除去は、被覆終了後に、例えば、熱ガス、例えば、N2又は空気の作用によって行うことができる。注目に値することに、前記の被覆法は、相接して連続する層も、担体の表面上の基礎被層も充分に満足する付着を引き起こす。
【0070】
前記の被覆法については、担体の被覆すべき表面の湿潤が調整される方法で行われることが本質である。要するに、担体表面が確かに液状結合剤を吸着して有するが、担体表面上には液状相がそのものとして可視的には現れてこないように、担体表面を有利に湿潤させる。担体表面が湿潤しすぎる場合には、微細触媒活性酸化物物質は、表面上に付着する代わりに、別々の集塊に凝集する。これに関する詳細な記載は、DE−A2909671及びDE−A10051419にある。
【0071】
昇華によって行うことができる。最も簡単な場合には、これは、相応する温度(しばしば50〜300、しばしば150℃)の熱ガスの作用によって行うことができる。しかし、熱ガスの作用によって、予備乾燥だけを引き起こすこともできる。最終乾燥は、次いで、例えば、任意の種類の乾燥炉(例えば、バンド乾燥機)中で、又は反応器中で行うことができる。この際、作用される温度は、酸化物活性物質の製造に適用されるか焼温度以上であってはならない。勿論、乾燥は、排他的に乾燥炉中で実施されることもできる。
【0072】
被覆法の結合剤として、担体の種類及び形状に無関係で、次のものを使用することができる:水、一価のアルコール、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール及びブタノール、多価のアルコール、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール又はグリセリン、一−又は多価の有機カルボン酸、例えば、プロピオン酸、蓚酸、マロン酸、グルタル酸又はマレイン酸、アミノアルコール、例えば、エタノールアミン又はジエタノールアミン及び一−又は多価の有機アミド、例えば、ホルムアミド。有利な結合剤は、水20〜90%及び水に溶かした有機化合物10〜80%から成り、その沸点又は昇華温度が標準圧(1atm)で>100℃、有利に>150℃である溶液でもある。前記の可能な有機結合剤のリストから、有機化合物が有利に選択される。前記の結合剤水溶液の有機成分は、有利に10〜50、特に有利に20〜30質量%である。この際、有機成分として、単糖類及び少糖類、例えば、ブドウ糖、果糖、蔗糖又は乳糖及びポリエチレンオキシド及びポリアクリレートがこれに該当する。
【0073】
本発明により好適なシェル型触媒の製造は、一般式(I)の完成された微細の活性酸化物物質を湿潤担体表面上に被覆することだけではなく行うことができることが重要である。
【0074】
むしろ、活性酸化物物質の代わりに、微細の前駆物質それ自体を湿潤担体表面上に(同一の被覆法及び結合剤の使用下に)被覆し、被覆された担体の乾燥後に、か焼を実施することもできる。
【0075】
そのような微細前駆物質として、例えば、所望の一般式(I)の活性酸化物物質の元素成分の給源から、先ず、出来るだけ良好に混和した、有利に微細の乾燥混合物を製造し(例えば、給源の水性懸濁液又は水溶液の噴霧乾燥によって)、この微細乾燥混合物を(場合により微細のグラファイト0.5〜2質量%の添加下での錠剤化後に)150〜350℃、有利に250〜350℃の温度で酸化(酸素含有)雰囲気下に(例えば、空気下に)熱処理し(数時間)、最後に必要であれば粉砕させることによって得られる物質がこれに該当する。
【0076】
担体を前駆物質で被覆した後に、有利に不活性ガス雰囲気下に(全ての他の雰囲気も考慮される)、360〜700℃又は400〜650℃又は400〜600℃の温度でか焼させる。
【0077】
勿論、本発明により使用可能な多金属酸化物物質Iの成形は、微細の多金属酸化物物質Iも、多金属酸化物物質Iの微細前駆物質も、押出し及び/又は錠剤化によって行うことが出来る。
【0078】
この際、形状として、球状物、完全筒状物及び中空筒状物(環状物)がこれに該当する。この際、前記の形状の最長伸張は、通例、1〜10mmである。筒状物の場合には、その長さは、有利に2〜10mm、外径は、有利に4〜10mmである。更に、環状物の場合には、壁厚は通例1〜4mmである。本発明により好適な環形の完全触媒は、長さ3〜6mm、外径4〜8mm、壁厚は1〜2mmを有することができる。しかし、7mm×3mm×4mm又は5mm×3mm×2mm(外径×長さ×内径)の完全触媒環状物形状も可能である。
【0079】
勿論、本発明による方法に使用すべき多金属酸化物物質Iの形状については、DE−A10101695の全てのそれも考慮される。
【0080】
本発明により有利に使用すべき多金属酸化物物質Iが、レントゲン回折図を示すことは本発明により本質なことであり(本明細書中、常に、Cu−Kα−放射に対する)、これは回折反射h、i及びkを示し、回折角(2Θ)でのその頂点は、22.2±0.4°(h)、27.3±0.4°(i)及び28.2±0.4°(k)であり、この際、
回折反射hは、最強強度のレントゲン回折図内であり、かつ高々0.5°の半値幅を示し、
回折反射iの強度Pi及び回折反射kの強度Pkは、0.65≦R≦0.85の関係を満たし、この際、Rは、式:
R = Pi/(Pi+Pk)
によって定義された強度比率であり、かつ
回折反射i及び回折反射kの半値幅は、各々≦1°である。
【0081】
レントゲン回折図中の回折反射の強度の定義は、本明細書中、DE−A19835247、及びDE−A10051419及びDE−A10046672中に記載された定義に関係する。
【0082】
即ち、A1は、反射1の頂点を表わし、B1は、レントゲン回折図の直線中で、2Θ−軸に対して垂直に立つ強度軸に沿って見て、頂点A1の左側で、直近の卓越した最低値(反射肩を示す最低値は無視しておく)を表わし、かつB2は、相応する方法で、頂点A1の右側で、直近の卓越した最低値を表わし、C1は、頂点A1から垂直に2Θ−軸に引かれた直線が、点B1及びB2を結ぶ直線と交わる点を表わし、この時、反射1の強度は、頂点A1から点C1まで延びる直線分A1C1の長さである。この際、最低値という表現は、反射1の基礎範囲中の曲線に置かれた接線の上昇勾配がマイナス値からプラス値に移行する点、又は上昇勾配がゼロに向かう点を意味し、この際、上昇勾配の確定については、2Θ軸及び強度軸の座標が引用される。
【0083】
本明細書中、半値幅は、相応する方法で、直線分A1C1の中心で、2Θ−軸に対する平行線を引く場合に、2つの交点H1及びH2の間で生じる直線分の長さであり、この際、H1、H2は、A1の左側及び右側でレントゲン回折図の前記に定義された直線とこの平行線との各々最初の交点を意味する。
【0084】
半値幅及び強度の測定の例としての実施は、DE−A10046672中の第6図も示す。
【0085】
有利に本発明により使用すべき多金属酸化物物質Iのレントゲン回折図は、回折反射h、i及びkの他に、通例、その頂点が次の回折角(2Θ)である他の回折反射を有する:
9.0±0.4°(l)、
6.7±0.4°(o)及び
7.9±0.4°(p)。
【0086】
一般式(I)の触媒活性酸化物物質のレントゲン回折図は、その頂点が次の回折角(2Θ)である回折角を付加的に含有することが有利である:
45.2±0.4°(q)。
【0087】
しばしば、多金属酸化物物質(I)のレントゲン回折図は、更に、反射29.2±0.4°(m)及び35.4±0.4°(n)も有する。
【0088】
一般式(I)の触媒活性酸化物物質がk−相を有する場合には、そのレントゲン回折図は、通例、更に、その頂点が次の回折角(2Θ)である他の回折反射を有する:
36.2±0.4°及び
50.0±0.4°。
【0089】
回折角hに強度100を付け加える場合には、本発明により、回折角i、l、m、n、o、p、qは、同一の強度目盛りで次の強度を示す場合が有利である:
i :5〜95、しばしば5〜80、部分的に10〜60;
l:1〜30;
m:1〜40;
n :1〜40;
o :1〜30;
p:1〜30及び
q:5〜60。
【0090】
前記のレントゲン回折図が付加的な回折反射を有する場合には、その半値幅は通例≦1°である。
【0091】
本明細書中で、レントゲン回折図に関する全データは、レントゲン放射としてCu−Kα−放射の使用下に生じるレントゲン回折図に関係する(Siemens−Diffraktometer Theta−Theta D−5000、真空管電圧:40kV、真空管電流:40mA、口径絞りV20(可変性)、散乱放射絞りV20(可変性)、二次単色光器絞り(0.1mm)、検出器絞り(0.6mm)、測定間隔(2Θ):0.02°、各段階の測定時間2.4s、検出器:シンチレーション計数管)。
【0092】
本発明により使用すべき多金属酸化物物質(I)の比表面積は、しばしば、1〜30m2/gである(BET−表面積、窒素)。
【0093】
本発明による方法で、新規に製造される本発明により使用すべき触媒は、有利に、先ず、含有プロパンに対して、高められた水蒸気成分を有する(即ち、組成範囲A中にある)反応ガス出発混合物に暴露される。
【0094】
本発明による方法を固床酸化として施工する場合には、実施は有利な方法で、その接触管に触媒が装入されている束管反応器中で行われる。通常、接触管の周りに、伝熱体として液体、通例、塩浴が誘導される。
【0095】
反応ガス混合物は、接触管中で、反応器全体から見て、塩浴に対して直流か、又は向流で導かれる。塩浴自体は、接触管に相対的に完全に並流することができる。しかし、当然これは、横流を重ね合わせることもできる。全体的に、塩浴は接触管の周りで、蛇行して流れることもでき、この流れは、反応器だけを見れば、反応ガス混合物に対して直流又は向流で導かれていてもよい。本発明による方法に好適な束管反応器は、例えば、明細書EP−A700714及びEP−A700893が公表している。本発明による方法では、プロパンでの触媒装填の負荷は、例えば、10〜500Nl/l・hであってよい。反応ガス出発混合物での負荷は、しばしば、100〜10000Nl/l・hの範囲、しばしば500〜5000Nl/l・hの範囲にある。
【0096】
本発明による方法では、反応ガス出発混合物は、反応温度に予備加熱されて、触媒を含有する反応帯域に供給されてよい。
【0097】
勿論、本発明による方法では、排他的にアクリル酸から成るとは限らない生成ガス混合物が得られる。むしろ、生成ガス混合物は、未反応プロパンの他に、副成分、例えば、プロペン、アクロレイン、CO2、CO、H2O、酢酸、プロピオン酸等を含有し、それらからアクリル酸は分離されねばならない。
【0098】
本発明による方法によって、生成ガス混合物中に含有される水蒸気量も、酢酸及びプロピオン酸の副産物生成も制限されるので、この分離は、プロペンからアクリル酸への不均一系触媒気相酸化について公知であるように行うことができる。
【0099】
即ち、含有アクリル酸は、生成ガス混合物から、例えば、高沸騰の不活性の疎水性有機溶剤(例えば、ジフェニルエーテル及びジフェニルから成る混合物、これは、場合により更に添加剤、例えば、ジメチルフタレートを含有することができる)での吸着によって抽出されることができる。そこで残留する吸着剤及びアクリル酸から成る混合物は、引続き、自体公知の方法で、精留的、抽出的及び/又は結晶化で純アクリル酸まで仕上げ処理することができる。選択的に、生成ガス混合物からのアクリル酸の根本的分離は、例えば、DE−A19924532に記載されているような分別縮合によって行うこともできる。
【0100】
ここで残留するアクリル酸縮合物を、次いで、例えば、分別結晶化(例えば、懸濁結晶化及び/又は積層結晶化)によって更に精製することができる。
【0101】
アクリル酸の根本的分離の際に残留する残留ガス混合物は、殊に未反応のプロパン及び場合により未反応のプロペンを含有する。これを残留ガス混合物から、例えば、分別加圧精留によって分離し、引続き、本発明による気相酸化に戻すことができる。しかし、残留ガスを抽出装置中で、プロパン及び場合によりプロペンを有利に吸着することができる疎水性有機溶剤と接触させる(例えば、それを通過させることによって)ことがより有利である。
【0102】
後続の空気中での脱着及び/又はストリップによって、吸着されたプロパン及び場合によりプロペンを再び遊離させ、本発明による方法に戻すことができる。この方法で、経済的な総プロパン変換率が達成可能である。しかし勿論、アクリル酸を、DE−A10059122に記載された方法によっても、生成ガス混合物から分離させることができる。
【0103】
本発明による方法で、減少された水蒸気必要量で、アクリル酸生成の高選択性が可能であることが注目に値する。
【0104】
勿論、本発明により使用すべき多金属酸化物物質Iは、微細な、例えば、コロイド状の材料、例えば、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコン及び酸化ニオブで希釈された形で、本発明による方法に使用することができる。
【0105】
この際、希釈物質比率は、9(希釈剤):1(活性物質)までであってよい。即ち、可能な希釈物質比率は、例えば、6(希釈剤):1(活性物質)及び3(希釈剤):1(活性物質)である。希釈剤の加入混合は、か焼の前及び/又はその後に行うことができる。か焼前に加入混合を行う場合には、希釈剤は、それがか焼の際に実際にそのままの状態であり続けるように選択されなければならない。このことは、例えば、相応する高温で燃焼される酸化物の場合に通例示される。
【0106】
本発明による方法で使用される触媒は、水蒸気がそれに添加されていてもよい酸素含有ガス、例えば、空気又は酸素貧化又は富化空気の装入によって、温度≦反応温度で何度も再生され得る。
【0107】
例
A)本発明により使用すべき多金属酸化物−I−触媒の製造
精鋼容器中で、水44.6l中に、80℃で、攪拌下に、メタバナジウム酸アンモニウム(V2O5 77.5質量%、Fa.G.f.E.、DE−Nuernberg)1287.25gを溶かした。澄明な帯黄色溶液が生じた。この溶液を60℃に冷却させ、次いで、連続して、前記の順序で、60℃の堅持下に、先ずテルル酸(H6TeO6 99質量%、Fa.Fluka)1683.75g及び次いでヘプタモリブデン酸アンモニウム(MoO3 81.5質量%、Fa.Starck)5868.0gを混合攪拌させた。深赤色溶液Aが生じた。第2の精鋼容器中で、60℃で、水8.3l中にアンモニウムニオブオキサレート(Nb 21.1質量%、Fa.Starck、DE−Goslar)1599.0gを溶かして、溶液Bとした。2つの溶液A及びBを30℃に冷却させ、この温度で相互に合一させ、この際、溶液Bを溶液A中に混合攪拌させた。混合攪拌は、連続的に10分間以内で行われた。橙色水性懸濁液が生じた。
【0108】
この懸濁液を引続き噴霧乾燥させた(T受容器=30℃、T進入=240℃、T進出=110℃、乾燥時間:1.5時間、Fa.Nipolosaの噴霧塔)。得られた噴霧物質は同様に橙色であった。この噴霧物質中に、微細グラファイト(篩分析:最小50質量%<24μm、最大10質量%>24μ及び<48μm、最大5質量%>48μm、BET−表面積:6〜13m2/g)1質量%を加入混合させた。
【0109】
生じた混合物を、形状16mm×2.5mm×8mm(外径×高さ×内径)の中空筒状物(環状物)に圧縮して(加圧)、生じる環状物の側圧強度が約10Nであるようにした。
【0110】
この環状物200gを、2回に分けて各々100gで順番に、図1による回転球状炉中でか焼させた(内容量1リットルの石英ガラス球状炉;1=炉容器、2=回転フラスコ、3=加熱室、4=窒素−/空気流)。そのために、回転球状炉内容物を、50Nl/hの空気流下に、直線的加熱勾配で、27.5分間以内で、25℃から275℃へ加熱し、この温度で、空気流の堅持下に1時間保持した。引続き、32.5分間以内で、直線的加熱勾配で、275℃から600℃に加熱し、この際、空気流を、50Nl/lの窒素流に変えた。600℃及び窒素流を2時間堅持し、引続き、全ての炉を自体放置によって、窒素流の堅持下に25℃に冷却させた。組成Mo1.0V0.33Te0.15Nb0.11Oxの黒色錠剤が生じた。
【0111】
レッチュ(Retsch)−ミル中で、錠剤を乾燥させ、粒度<100μmに粉砕した。粉砕物質150gを10質量%のHNO3−水溶液1500ml中で7時間70℃で環流攪拌し、生じる懸濁液から固形物を濾取し、水で洗浄して硝酸塩を除去した。濾滓を1晩空気下に110℃で、マッフル炉中で乾燥させた。生じる活性物質は、組成Mo1.0V0.27Te0.12Nb0.13Ox を有した。
【0112】
得られた活性物質粉末75gを、直径2.2〜3.2mmの球状担体(担体材料=Fa.Ceramtec、DEのステアタイト、担体総容量に対する担体孔総容量≦1容量%;Rz=45μm)300g上に被覆させた。そのために、担体を内容量2lの被覆ドラム(水平に対するドラム中心軸の傾斜角=30°)中に前与した。ドラムを1分間当たり25回転で回転させた。圧力空気300Nl/hで操作される噴霧ノズルを経て、60分間を超えて、グリセリン及び水の混合物(質量比グリセリン:水=1:3)約30mlを、担体上に噴霧した。この際、噴霧球状物が、ドラム中で回し板によって傾斜ドラムの最上点に運ばれた担体を、転落区間の上半分で湿潤させるように、ノズルは設置されていた。活性物質微粉末は、粉末スクリューによってドラム中に装入され、この際、粉末供給点は、転落区間以内で、しかし、噴霧球状物の下部にあった。湿潤及び粉末配量の周期的反復によって、根本的に被覆された担体は、それに続く周期で担体自体になった。
【0113】
被覆終了後に、被覆担体を、16時間120℃で循環空気乾燥炉(Firma Binder、DE、内容量53l)中で乾燥させた。それに続く2時間の熱処理によって150℃で空気中でグリセリンを除去した。本発明により使用すべき、活性物質成分20質量%を有するシェル型触媒Sを得た。
B)本発明による方法及び比較法の実施
新規に製造したシェル型触媒S35gを、各々、電気加熱マットによって加熱された単管反応器中に入れた(管長:140cm、内径:8.5mm、外径:60mm、V2A鋼、触媒嵩長:54.5cm、反応ガス出発混合物の予備加熱に付加的に、Fa.Ceramtecのステアタイト球状物(直径2.2〜3.2mm)から成る30cm長さの予備注入、更に、反応管に同じステアタイト球状物を触媒帯域の終了後に充填した)。マット温度350℃で、シェル型触媒を空気中で管状反応器中に入れた。
【0114】
その後に、相互に無関係の4回の試験W、X、Y及びZで、4種の新規の管状反応器触媒装填物を、48時間、加熱マット温度50℃で、次の反応ガス出発混合物W、X、Y及びZで被覆した:
W:プロパン3.3容量%、O2 10容量%、N2 40容量%、H2O 46.7容量%
X:プロパン3.3容量%、O2 10容量%、N2 40容量%、H2O 46.7容量%
Y:プロパン3.3容量%、O2 10容量%、N2 70容量%、H2O 16.7容量%
Z:プロパン3.3容量%、O2 10容量%、N2 86.7容量%、H2O 0容量%。
【0115】
滞留時間(触媒嵩容量に対して)は、全ての場合で、2.4秒間であった。操作圧は、全ての場合で、2バール絶対であった。
【0116】
48時間の終了で、反応管に、滞留時間の保持下に、次の反応ガス出発混合物組成を更に装入させ、この際、更に操作時間4時間後に、次の結果(単一の反応管通過で)が達成された(TM=適用された加熱マット温度):
W(本発明による):プロパン3.3容量%、O2 10容量%、N2 86.7容量%、H2O 0容量%、
TM=390℃、
1回の反応管通過でのプロパンの変換率(UP):25モル%、
1回の反応管通過でのアクリル酸生成の選択率(SAS):50モル%。
Z(Wに対する比較):プロパン3.3容量%、O2 10容量%、N2 86.7容量%、H2O 0容量%、
TM=390℃、
UP=25モル%、
SAS=40モル%。
X(本発明による)):プロパン3.3容量%、O2 10容量%、N2 70容量%、H2O 16.7容量%、
TM=370℃、
UP=25モル%、
SAS=70モル%。
Y(Xに対する比較):プロパン3.3容量%、O2 10容量%、N2 70容量%、H2O 16.7容量%、
TM=385℃、
UP=25モル%、
SAS=50モル%。
【0117】
達成された結果は、本発明による方法の有利性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】プロパンの不均一系触媒部分酸化によるアクリル酸の本発明による製法を実施するための回転球状炉を示す略図。
Claims (4)
- 気相でのプロパンの不均一系触媒部分酸化によるアクリル酸の製造のために、プロパン、分子酸素及び少なくとも1種の希釈ガスを含有する反応ガス出発物質を、高めた温度で、一般化学式I:
M1は、Te及び/又はSbを表わし、
M2は、Nb、Ta、W、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Ga、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、La、Bi、B、Ce、Sn、Zn、Si及びInを包含する群からの少なくとも1種の元素を表わし、
bは、0.01〜1であり、
cは、>0〜1であり、
dは、>0〜1であり、かつ
nは、(I)中の酸素とは異なる元素の原子価及び度数によって決定される数である]の多金属酸化物物質上に導き、この際、プロパンを部分的にアクリル酸に酸化させるに当たり、反応ガス混合物の組成を、方法の実施中に少なくとも1回変更させ、反応ガス出発混合物中で、反応ガス出発混合物中に含有されるプロパンのモル量に対して、変更前に含有される希釈ガス水蒸気の成分が、変更後より少ない量であるようにすることを特徴とする方法。 - 反応ガス出発混合物中で、その組成の変更前に、次のモル比:
プロパン:酸素:H2O:他の希釈ガス=1:(0.1〜10):(0.1〜50):(0〜50)
が存在する、請求項1に記載の方法。 - 反応ガス出発混合物中に、その組成の変更後に、次のモル比:
プロパン:酸素:H2O:他の希釈ガス=1:(0.1〜10):(0〜30):(0〜30)
が存在する、請求項1又は2に記載の方法。 - 反応温度は、反応ガス出発混合物の組成の変更前に250〜550℃である、請求項1〜3までのいずれか1項に記載の方法。
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