JP2004526530A - インプラントを操作するための装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、骨に挿入されるインプラント1を取り扱うためのアッセンブリに関する。前記アッセンブリは、インプラント1に取り外し可能に差し込むことのできる転写キャップ2と、確実な方法でインプラント1と係合するアダプタ3とを備える。インプラント頭部10には、内側又は外側多角形ソケット17と、外側インプラント肩部11と、前記インプラント肩部11の下に配置された肩縁部110とが設けられる。転写キャップ2は、インプラント肩部11と相補形の接触面25と、肩縁部110に係合する弾性リップ26とを有する。アダプタ3は、インプラント1の多角形ソケット17の内側と係合するようになっている多角形突出部30を備える。アダプタ3のプラグ型延長部33は、ねじ込み器具を取り付けるために設けられる。転写キャップ2をインプラント1に差し込み、アダプタ3を挿入して、アダプタの多角形突出部30をインプラント1の多角形ソケット17と係合させる。転写キャップ2を通って突き出しているアダプタ3のプラグ型延長部33は外側に配置される。転写キャップ2と、その中に差し込まれているアダプタ3は、互いに切り離し可能に接続される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部に、非回転対称形内側形状、望ましくは多角形をした孔が軸方向に穿たれている義歯用の植え込み金具(以後インプラントと呼ぶ)を取り扱うための構造装置に関する。軸方向孔の内側には、雌ねじ付き部分を設けることができる。軸方向孔の口部は、インプラントの上端部を形成するインプラント肩部で取り囲まれている。このようなインプラントは、例えば歯科分野で用いられており、顎骨内に予め形成された受け入れ孔内に挿入するためのものである。スクリュー型のインプラントは、予め骨に形成された雌ねじ付き孔にねじ込むか、或いは、タッピング用の雄ねじを持っていて、予め設けられた盲穴内にねじ込んで、そこに雌ねじを形成するようになっている。これに対し、円筒型のインプラントには雄ねじが設けられておらず、予め骨に形成された盲穴の中に押し込んで使用する。本発明は、基本的に、スクリュー型の骨内歯科用インプラントに関する。
【0002】
植え込み床部に埋め込み、スクリュー型インプラントの場合にはねじ込むために、装置は、底部軸がインプラント頭部の非回転対称内側形状部に相補的に差し込む形のアダプタを備えている。アダプタの上方連続部分は、非回転対称外形、望ましくは外側多角形をしており、ねじ込み器具を装着できるようになっている。装置は、更に、インプラント肩部にロックすることのできるキャップを備えている。インプラントを搬送し保管するために、装置の拡張部にコンテナが設けられている。外科処置の間に、インプラントは、無菌状態の下でコンテナから取り外し、ねじ込み器具をアダプタの連続部に接続し、この器具を使って骨の受け入れ孔へ導入することができるようになっている。
【背景技術】
【0003】
上に述べた型式のインプラントを取り扱うのに、様々なアダプタが知られており、インプラントが患者に嵌め込まれている環境で幾何学的形状を転写するために、様々な印象キャップ(義歯製作用陰型)があり、そのようなインプラントを保管するために様々な設計のアンプルが市場で販売されている。
【0004】
WO98/26726は、無菌アンプル内側の分割壁の貫通孔の縁部に当接するアダプタスリーブを提案している。アダプタスリーブは、インプラントを無菌アンプル内に保持するためだけでなく、主に、インプラントと操作部材の間を一時的に接続するために設けられている。アダプタスリーブの第1端部は、配置されているインプラントのプラグ型延長部に取り外し可能に再度嵌め込まれ、操作部材の先端は、アダプタスリーブの第2端部に取り外し可能に取り付けることができる。操作部材を、既にインプラントに接続されているアダプタスリーブに取り付けるときには、インプラントは既に掴まれている。そのため、インプラントと、アダプタスリーブと、操作部材の間の接続は、二重差込接続になっているので、インプラントを、殆ど接触させずに動かすことができる。操作部材をインプラントから取り外すときには、インプラントと操作部材の間のプラグ型接続だけが外される。このアダプタスリーブは、追加構造部品であり、インプラントをねじ込み器具でねじ込むときに発生するトルクを伝導するのに適していない。
【0005】
アンプルの蓋とアンプル内に保管されているインプラントとの間にアダプタを配置することは、米国特許第5,538,428号から知られており、そのアダプタは、スリーブ部分と、前記スリーブ部分を貫通して伸張する回転可能なスクリューとで構成されている。スリーブ部分は、底部に、インプラント肩部に相対して、インプラント肩部上方に伸張する相補的外側多角形を受け入れるための内側多角形を有している。スリーブ部分は、主に、上向きの外側多角形区画として設計されている。スクリューは、丁度底部に、インプラントに設けられている雌ねじ孔に係合させるための雄ねじ部分を有している。スクリューは、スリーブ部分の上方に、ねじ込み器具を取り付けるための非回転対称形状部を備えて突出している連続部を有しているので、インプラントに接続されているアダプタ経由で、回転ねじ込み運動を伝達することができる。アダプタをインプラント頭部から取り外すために、スクリューの雄ねじ部分を、インプラントの雌ねじ孔からねじ戻さなければならない。従って、この構造は、雌ねじと、インプラント肩部上方に突出する外側多角形とを備えたインプラントにしか利用できない。更に、アダプタをインプラントからねじ戻さなければならないので、外科の手順が複雑になる。
【0006】
同じ一般的な型式のアダプタがWO第98/55039号に記載されている。ここでも、スリーブ部分と前記スリーブ部分を通って突き出ている回転可能なスクリューが設けられている。スリーブ部分には、底部に、インプラント肩部に相対して、相補的インプラント肩部を受け入れ、これと摩擦係合するための連結肩部が設けられている。肩部の上方では、スリーブ部品は、外側多角形区画として設計されている。スクリューは、丁度底部に、インプラントに設けられている雌ねじ孔に係合させるための雄ねじ部分を有している。スクリューは、ねじ込み器具を取り付けるための外側多角形を備えた、スリーブ部分の上方に伸張する連続部を有している。インプラントを患者の骨にねじ込むために取り付けられたねじ込み器具によって掛けられるトルクは、大部分が、アダプタのスリーブ部分の連結肩部とインプラント肩部との間の摩擦接続を介して伝達される。アダプタをインプラント頭部から外すためには、スリーブ部分の外側多角形区画をレンチで掴み、同時に、今反対方向に回転したねじ込み器具を使って、スクリューの雄ねじ部分を、インプラント頭部の雌ねじから係合解除しなければならない。義歯用インプラントの場合、隣りに歯が在る患者の口という限られた空間の中で、2つの器具を使ってこれらの作業を行うのは、処置を行う歯科医の側に優れた手さばきを要求し、常に困難で、時間がかかる。特に上顎部と下顎部で、嵌め込まれているインプラントの位置が互い違いになっている場合、アダプタを取り外す際に、取り外すための回転方向を即座に識別することは難しい。最後に、アダプタのこの構造は、しかも、雌ねじを備えたインプラントにしか利用できない。
【0007】
WO第98/55039号に記載されており、骨に挿入する直前にインプラントを搬送し、保管し、準備するのに用いられるアンプルは、非常に有用であると分かっている。このため、このアンプルを、本発明と関連させて用いることもできる。アンプルは外側ジャケットを有しており、外側カプセル内に嵌め込むことができる。アンプル内の固定部分は、インプラントと同軸で接続されているアダプタを吊り下げるのに用いられ、アダプタをこの方法で保持している。アンプル内に取り付けられているインプラントは、アダプタに取り付けられている器具を使うことにより、ジャケット内の大きな横方向切開部を通して、当該インプラントに触れることなく取り外すことができる。
【0008】
更なる問題は、インプラントが患者に嵌め込まれている環境における、幾何学的形状の記録、即ち、印象(義歯製作用陰型)採得にある。歯科植え込み技術では、採得した印象を使ってマスターモデルへ転写し、その上に適切な上部構造体を作り、それを挿入されているインプラントの上に配置することになる。周知のように、極めて高い精度が求められる。
【0009】
EP0879024B1は、人体に嵌め込まれており、人間の組織構造から突き出しているインプラントの端部を、考えられる上部構造体を含め、マスターモデルへ転写するための印象キャップについて記載している。外向きのインプラント端部は、外側にアンダーカット(切り込み)形状部を有しており、印象キャップは、前記アンダーカット形状部を相補し、これと係合する形状を有している。これは、円形リップ形のスナップ留め要素又は個々のグリップ部材である。アンダーカット形状部は、例えば、インプラント床部に向かって、トランペット型に先が細くなっているインプラント形状で形成されている。トランペット形のインプラントの端部は、最大直径領域に隣接して、斜め即ち円錐形のインプラント肩部を有しており、その上には、印象キャップに設けられているキャップ肩部が載っている。以前から知られている先行技術と比べると、この印象キャップによって、印象を採得してマスターモデルを作る方法が非常に簡単になった。同時に、精度も更に改善された。しかし、問題は、例えば、歯肉がインプラント肩部の上に突き出しており、処置中に出血している歯科インプラントの場合に、患者の口内で発生するような、制限された位置に印象キャップを正確に嵌め込めむことである。
【特許文献1】
WO第98/26726号
【特許文献2】
米国特許第5,538,428号
【特許文献3】
WO第98/55039号
【特許文献4】
EP第0879024B1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、インプラントを掴んで保持し印象を採得するための、これまで知られているアダプタの上記欠点を考慮して、これらの目的に対して完全な装置を利用できるようにするという問題に基づいている。この点において、EP0879024B1に記載されている、インプラント肩部にロックすることのできる印象キャップの原理の利点を使い続けるのが好都合である。本装置は、装置をコンテナから取り出す目的で、ねじ込み器具をアダプタに取り付けることができるように、アダプタに接続されているインプラントを無菌状態でコンテナ内に保管できるよう意図している。WO第98/55039号で開示されている構造原理に従っているアンプルは、コンテナとして用いることができるし、更に有利な製品及び適用特性を備えた代替使用可能なコンテナも提案されている。
【0011】
アダプタは、安価に製造することができ、様々な方面で使い易くなければならない。アダプタとインプラントとの接続に関して、外科処置の準備段階では、確固たる保持が保証されなければならないし、処置の間は、嵌め込もうとするインプラントが、最後まで安全にガイドできなければならないし、うっかり緩むことがあってはならず、そして無菌要件を満足しなければならない。アダプタは、取り付けられているねじ込み器具を使って、インプラントのコンテナからの取り外しと、インプラントの骨への挿入とを実質的に単純化しなければならない。最後に、そうではあっても、インプラントからアダプタを再度簡単に取り外すことも容易に行えなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
インプラントを骨内に挿入するよう操作するための装置は、インプラント上に取り外し可能なやり方で嵌め込むことのできる転写キャップと、インプラントに係合するアダプタとで構成されている。インプラントは、インプラント頭部と、インプラント頭部から伸張している根部分とを有している。インプラント頭部は、内部に配置されている非回転対称内側形状部又は代わりの外側形状部のような形状部と、外側インプラント肩部と、前記インプラント肩部の下側に配置されている肩縁部とを有している。インプラントは、肩縁部の下側にアンダーカットを有している。転写キャップは、インプラント肩部と相補形の接触面と、肩縁部の下で把持しアンダーカットに係合する弾性リップとを有している。アダプタは、インプラントの内側形状部又は外側形状部とぴったり係合するようになっている駆動区画を有している。アダプタは、更に、器具を取り付けるようになっているプラグ型の延長部を有している。転写キャップには軸方向経路が設けられており、アダプタは、その経路を通ってインプラントへ伸張している。転写キャップがインプラントに嵌め込まれ、アダプタが差し込まれているとき、アダプタの駆動区画は、内側形状部又は代わりに在る外側形状部と係合している。アダプタは軸方向経路内に配置されており、アダプタのプラグ型延長部は、転写キャップから突き出している。
【0013】
以下の特徴は、本発明の有利な実施形態を示している。
軸方向経路を通るアダプタと、転写キャップとは、互いに切り離し可能なやり方で接続されている。インプラントと転写キャップの間の接続を断つための切り離し力は、転写キャップとアダプタの接続を断つための切り離し力より大きい。転写キャップとアダプタの間を切り離し可能に接続するために、転写キャップは内側部分を有し、アダプタは保持区画を有し、この内側部分と保持区画は摩擦接続で互いに係合するようになっている。別の実施形態では、転写キャップが弾性的に変形可能な形状部を有し、アダプタが前記形状部と相補形の連結形状部を有し、これらが、圧力嵌め接続で互いに係合している。最後に、摩擦接続に関わる内側部分と保持区画、及び圧力嵌め接続に関わる形状部と連結形状部は、組合せで存在することができる。転写キャップの内側部分は、円筒形の内側壁である。アダプタの保持区画は円筒形部分である。転写キャップの変形可能な形状部は、軸方向経路を狭めるビードである。アダプタの連結形状部は半径方向の溝であり、そこにビードが噛み合う。
【0014】
転写キャップは1つの部品で作られており、ポット型の中空本体と前記本体の上に配置されている保持ウイングとで構成されている。軸方向経路は、片方の端部が中空本体の下側に開いており、他方の端部は保持ウイングの上側に開いている。弾性リップは軸方向経路を狭めており、中空本体の最底部に備えられている。中空本体は、インプラント肩部に嵌まっている円錐部分として構成されている内側接触面を有している。保持ウイングを分離する溝が、中空本体と保持ウイングとの間に設けられており、保持ウイングは実質的に水平に伸張しており、つまり、軸方向経路に垂直である。保持ウイングの上面では、外に開いている軸方向経路がカラーに取り囲まれ、前記カラーには、内向きに湾曲しているビードが形成されている。ビードには、カラーの弾性を高めるために、陥凹部を設けてもよい。
【0015】
インプラントの非回転対称内側形状部が、例えば八角形の内側多角形であるか、或いは代わりに、インプラントに設けられている外側形状部が、例えば八角形の外側多角形となっている。内側形状部がインプラント内にある場合、アダプタの駆動区画は例えば八角形の外側多角形であり、或いは代わりに、外側形状部がインプラント上にある場合、アダプタの駆動区画は、例えば八角形の内側多角形である。アダプタのプラグ型の延長部は、外側多角形である。アダプタでは、保持区画が駆動区画に隣接している。中間区画は、保持区画とプラグ型延長部の間に在り、中間区画は、第1フランジと第2フランジとを有しており、両者の間に縮小直径部分が在る。第1フランジは半径方向の溝を有しており、プラグ型の延長部と第2フランジの間には、保持リングを受け入れるための環状溝がある。
【0016】
肩縁部の下側でインプラントは、根部分に向かってトランペット形に細くなっており、それによってアンダーカットが形成されている。インプラント肩部は、約30°の傾斜を有している。根部分には雄ねじが設けられており、タッピングねじであるのが望ましい。インプラントに内側形状部が存在する場合、又は、代わりにインプラントに外側形状部が設けられている場合、盲穴内に雌ねじ部分を設けることができる。
【0017】
インプラントと、インプラント上に嵌め込まれている転写キャップと、転写キャップを通って伸張しているアダプタとの組み合わせは、処置で使用するために、無菌のコンテナ内に、固定位置から取り外し可能に配置されている。大抵の場合ねじ込み器具であるが、その器具で把持するためのプラグ型延長部は、適切であれば、プラグ型延長部に既に接続されている連結部品で接近可能に配置されている。上記組み合わせ用のコンテナは、外側カプセルに嵌め込むことのできるアンプルであり、外側ジャッケットと、アンプル内に取り付けられているインプラントを取り出せるジャケットの大きな側部切開部と、前記切開部と同じ方向を向き側方に開いている切り込みを備えた保持部分とを有している。転写キャップとインプラントを保持しているアダプタは、その中間区画が切り込みに取り外し可能にロックされており、それによって、アダプタに保持されているインプラントが、アンプル内に無接触状態で取り付けられる。
【0018】
この組み合わせのためのコンテナは、代わりに、装置の外側形状部を超えて伸張している複数部分のくぼみを有する熱成形底部モールドを備えたブリスターパック(透明なプラスチックの包み)であってもよい。くぼみは、アダプタのプラグ型延長部が突き出している器具用のくぼみと、器具用くぼみの反対側にあり、転写キャップが嵌め込まれているインプラントが中に突き出しているインプラント用のくぼみとを含んでいる。
【0019】
器具用くぼみとインプラント用くぼみとの間には、転写キャップの保持ウイングを軽くクランプするための互いに整列した2本の横方向のガイドスリットがあり、これによって、転写キャップにより支持されているインプラントが、底部モールドに、無接触で取り付けられている。底部モールドは、カバーによって覆われており、底部モールド内に、例えば挿入スクリューを収容するために、更に別のくぼみを設けることもできる。
【0020】
印象が採得された後、インプラントから印象モールドを外す際に、転写キャップは取り外され、印象モールド内に残る。同じ様な肩縁部とアンダーカットを備えている操作インプラントを、印象モールド内に留まったままの印象キャップ内に差し込むことができる。モデル成形合成材を充填した印象を分離させると、操作インプラントが埋め込まれているマスターモデルが得られる。燃やしきることができるプラスチックで作るのが望ましい転写キャップは、ここでも印象モールド内に留まる。
【0021】
本発明による装置のおかげで、インプラントを挿入する際、及び印象を採得する際の手順が簡単になっている。必要な器具の数は減っており、ロックナットとしての外側多角形でスリーブをアダプタに取り付ける必要はなく、その結果、これまで必要だった器具、即ち保持レンチは、もう必要ない。従って、インプラントを患者の身体に挿入した後で、特に、アダプタとインプラントの間をロック解除する難しい作業段階をなくすことができる。印象キャップは、植え込み時に既にインプラント上に着座しているので、問題含みになることもある作業段階も省略される。このように、アダプタをロック解除したり、印象キャップを取り付けたりするのは、接近が難しい位置では非常に扱いにくい場合もあるが、どちらも必要ないので、両方の点で、挿入されているインプラントに注ぐ負担が全体的に低減している。その結果、アダプタの構造が複雑でなくなり、これまで必要であった器具の数も減り、植え込み及び印象採得の手順が非常に簡単になる。新たに挿入されるインプラントへの負担は、かなり減っている。最後に、先に試用し、試験されたアンプルと組み合わせて本発明による装置を使うと、全てにおいて有利である。代替コンテナとして提案しているブリスターパックは、更に、本装置の実装の効率を更に改善する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明による装置の代表的実施形態について、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。完全を期すために、インプラントを保管するための既知のアンプルについても、本発明を説明するのに必要な限り記載する。考えられる修正については、説明の最後に述べる。
【0023】
以下の考察は、下記説明全体に当てはまる。参照番号が、図面を分かり易くするために図面に付されてはいるが、直接関連する説明の部分では言及されていない場合、先の図面の説明において言及された箇所で参照されている。明確さを期して、一連の図面に現れる構造部品に関して繰り返し言及するのは、図面がそれらを「繰り返し出てくる」構造部品であると明確に示す限り、大部分避けられている。
【0024】
図1A及び図1B
インプラント1は、ここでは中実スクリューの形をしており、細長い本体を有し、上部にはインプラント頭部10が配置され、その最上部は大体において円形の頂部100で終結しており水平面内にある。根尖方向に円錐状に広がっているインプラント肩部11は、頂部100から伸張し、インプラント頭部10の最大直径を有する肩縁部110で終結している。インプラント肩部11は、例えば垂直に対して30度の角度を成し、一般的な寸法に比べて比較的広く作られている。インプラント頭部10は、肩縁部110の下でトランペット状に細くなって、根部12と繋がっているので、肩縁部110の下にアンダーカット13が形成される。根尖方向に伸張している根部12は、雄ねじ14を有しており、インプラント先端15で終結しており、骨に挿入されるようになっている。雄ねじ14は、タッピングねじで、インプラント先端15の領域内に切刃140を有しているのが望ましい。インプラント1内をインプラント頭部10の高さだけ軸方向に伸張している盲穴16は、頂部100で外に開いている。盲穴16内には、例えば内側が八角形である非回転対称内側形状部17が設けられており、略肩縁部110のレベルに達している。内側形状部17の下には、孔の基部19まで伸張する雌ねじ部分18がある。後で説明するように、内側形状部17は、アダプタを受け入れるのに用いられる。雌ねじ部分18は、挿入スクリューを受け入れるのに使うこともできるし、例えばバー又はブリッジの形をした補綴物をねじ込むのに用いてもよい。通常、インプラント1は、チタンで作られる場合が多く、外側には、骨同化を促進する特別な表面構造を有している。
【0025】
図2A及び図2B
一体型部品の転写キャップ2は、基本的に、ポット型の中空本体21と、中空本体21の上部を水平方向に覆う板状の保持ウイング28とで構成されている。中空本体21と保持ウイング28は、外向き半径方向に伸張する溝27が設けられ結果的に壁の厚さが低減している分離部位で、互いに接続されている。軸方向経路20は、転写キャップ2を貫通して伸張し、円筒部分200として、保持ウイング28の上面で開いており、溝27のレベルの下まで達している。円筒部分200に隣接して四辺形断面を有する棚部22が形成され、軸方向経路20のクリアランス幅が狭くなっている。棚部22の上部には、円筒部分200に向かって円錐状に広がる環状座面23がある。軸方向経路20の軸に関して、棚部22は鉛直方向の環状面24を有しており、環状面24から円錐部分25が伸張し、中空本体21の下側に向かって広がっている。中空本体21の最底部には、内向きに曲がって、リップ26の部位に向かって広がっている軸方向経路20の端部を再度狭める、円形に伸張する弾性リップ26が設けられている。中空本体21は、溝27から軸方向経路20の下側口部まで、外側が円錐状に広がっており、最大壁厚さが棚部22の領域内に存在し、この壁の厚さは、リップ26の部位に向かって薄くなっている。
【0026】
図2C
転写キャップ2の或る変更形態では、保持ウイング28上面の軸方向経路20の口部には、外方向に開いているベベル201が設けられており、この口部を、カラー29が取り囲んでいる。カラー29上には、内向きのビード290が形成されている。陥凹部291は、カラー29の弾性を高めるのに寄与する。
【0027】
予め転写キャップ2上に設けられ、壁を薄くしている溝27の上方で中空本体21に隣接し、基本的に角を丸くした長方形の板の形をしている保持ウイング28は、修正変更することもできる。溝27は必ずしも必要ではなく、ウイング28を、回転固定活動を伴わない円形プレートとして設計してもよく、最終的にウイング28も無くすこともできる。
【0028】
図3A及び図3B
図示のアダプタ3は、一体型の部品であり、基本的に、ボルトに多数の異なる形状部を設けた構成になっている。アダプタ3の構造は、下端部を形成する駆動区画30と、それに隣接する保持区画31と、保持区画の上方に配置されている中間区画32と、上端部を形成しているプラグ型延長部33とで構成されている。駆動区画30は、インプラント1の内側形状部17内に嵌合挿入するための、例えば相補的八角形の非回転対称外側形状部300を有している。外側形状部300は、保持区画31への移行部分では、斜面部301を形成している。保持区画31は、斜面部301から始まる円筒形部分によって形成されている。保持区画31の方向から見ると、中間区画32は、第1円筒形フランジ320と、第2円筒形フランジ323と、2つのフランジ320と323の間に配置されている直径が小さくなった円筒形部分322とで構成されている。第2フランジ323の上方には、プラグ型の延長部33があり、最初に、望ましくはOリングの形をした保持リング332を受け入れるための環状溝331が設けられている。その先は、プラグ型延長部33に、ねじ込み器具用の連結部品の嵌合取り付けを形成するための、例えば八角形の非回転対称外側形状部330が設けられている。
【0029】
図3C
図2Cに示す転写キャップ2の変更形態に対応するアダプタ3の変形例であり、保持区画31が、第1円筒形フランジ320まで伸張しており、フランジ320に半径方向溝321が設けられている。
【0030】
図4A及び4B
所定の位置にロックされた状態において、取り外し可能な転写キャップ2は、その内側円錐部分25がインプラント肩部11の上に着座しており、そのリップ26は、肩縁部110を取り囲んで、肩縁部110よりも直径が小さいアンダーカット13と係合している。インプラント1の盲穴16と、転写キャップ2の軸方向経路20は、互いに同軸である。転写キャップ2の内側で間隙幅が最小である環状面24は、インプラント1の頂部100の上方に配置されるようになっている。そうすると、アダプタを挿入するための、インプラント1内の内側形状部17への軸方向の入口は、完全に開いたままに維持される(図面5A及び5B参照)。
【0031】
図5A及び図5B
転写キャップ2がインプラント1にロックされ、アダプタ3がこの組み合わせの中の奥まで一杯に挿入されると、アダプタ3の駆動区画30は、インプラント1の内側形状部17と係合し、アダプタ3の保持区画31は、転写キャップ2の円筒形部分200によって、所定の摩擦接続で把持される。転写キャップ2の環状面24は、斜面301を取り囲んでおり、転写キャップ2の中間区画32の第1円筒形フランジ320は、外に開いている軸方向経路20の縁部で、保持プレート28の上面に着座している。転写キャップ2とアダプタ3の間の摩擦接続は、転写キャップ2内及びインプラント1内に挿入されているアダプタ3が偶然に滑り出すことはないが、挿入されているインプラント1へ受容可能な負荷を掛けることによって前記アダプタ3を引き出せるような、寸法になっている。
【0032】
図5C
インプラント1と、図2Cによる変形例としての転写キャップ2と、図3Cによる変形例としてのアダプタ3とを備えた装置では、アダプタ3が転写キャップ2内にもっとしっかりと保持されている。アダプタ3を奥まで一杯に挿入すると、転写キャップ2の伸縮性拡張可能カラー29のビード290は、アダプタ3の長くなった保持区画31の第1フランジ320内の半径方向溝321と係合する。アダプタ3を装置から引き出すときには、円筒形部分200及び保持区画31の間の摩擦接続と、ビード290及び半径方向溝321の間の伸縮性解除可能係合による拘束力とに打ち勝つ必要がある。
【0033】
図6A及び図6B
インプラント1と、転写キャップ2と、アダプタ3のこの組み合わせにおいて、構成部品が変更されている。変更はインプラント1に関わるものであり、インプラントのヘッド領域10が変更され、インプラント肩部11の上方に、例えば8個の半径方向に分配された平面102を有する外側多角形部101を有している。冠方向において、平面102は、頂部100まで延びて先細円錐面103と交わっている。この他、このプラント1も、根尖のインプラント先端15まで伸張し、雄ねじ14と切刃140を有する根部分12を有している。インプラント頭部10の外側は、この場合も、肩縁部110で終結するインプラント肩部11を形成しており、その下はアンダーカット13となっている。雌ねじ18が設けられており、孔基部19までインプラント1内へ軸方向に伸張している盲穴16の口部は、頂部100によって取り囲まれる。
【0034】
インプラント1に外側多角形部101がある場合、アダプタ3はその駆動区画30が相当に変更され、駆動区画から保持区画31上方の点即ち孔基部325まで、組み立て状態では外側多角形部101が中に配置されることになる軸方向盲穴34が伸張している。平面102は、アダプタ3の駆動区画30の相補形内側形状部302と嵌合して把持されている。アダプタ3には、プラグ型延長部33の下方に、この場合も、環状溝331が設けられ、これに隣接して円筒形フランジ323、それに続いて直径が大きな多角形ディスク324が配置されている。多角形ディスク324の下方には、保持区画31が伸張し、駆動区画30に繋がっている。
【0035】
転写キャップ2は、基本的に変更されていない。環状リップ26は、中空本体21の最底部の回りに延びており、冠方向には保持ウイング28があり、その上にカラー29が配置されている。中空本体21には大きな開口210があり、保持ウイング28には、固定線を取り付けるのに役立つ周辺孔280が設けられている。開口210は、アダプタ3の保持区画31に印象用合成材91を導入できるようにし、これによって、組み立てられたこの組み合わせが、更に強く固定されることになる。組み立てられた状態では、転写キャップ2は、インプラント肩部11上にロックされており、リップ26は、インプラント肩部11の下側を把持し、アンダーカット13と係合している。アダプタ3は、その多角形ディスク324が転写キャップ2のカラー29上に載っており、保持区画31は、所定の静止摩擦によって、中空本体21内に位置している。駆動区画30は、盛り上がった外側多角形部101を取り囲んでいる。
【0036】
図7Aから7D
インプラント1と、転写キャップ2と、アダプタ3とから成る装置を格納するためのコンテナの第1の択一的な実施形態として、既に既知のアンプル4を、一般的な例として説明する。アンプル4は、第1端面に保持部分40を有し、第1端面から離れている第2端面にスタンド部分41を有している。保持部分40とスタンド部分41との間には円筒外被42が伸張しており、保持部分40からスタンド部分41まで伸張する大きな切開部43が設けられている。アンプル4内に保持されるインプラント1は、側方切開部43を通して取り外すことができる。切開部43の領域内に残る円筒外被42は開放外殻420の形をしており、スタンド部分41では、円筒外被42は管状部分421を形成している。第2端面は、開いているのが望ましい。
【0037】
保持部分40は、円形端部板の形をしているので、この端面は実質的に閉じており、円筒外被42は、保持部分40に対して直角になっている。保持部分40には、側方に開いている切り込み400があり、切開部43と同じ方向を向いている。切り込み400は、外縁入口に丸み部分401を有するスリットの形をしている。切り込み400の途中にはくびれ402が設けられ、その後、切り込み400は半円形になって続いている。その結果、保持部分40に2つの相対する顎部403、404が形成される。切り込み400の先には、円筒外被42に向かって保持部分40内に更に切り込んで拡大溝405が設けられているので、インプラント1を保持するアダプタ3を押込むか、引き出すときに、顎部403、404がしなやかに広がることができるようになっている。アダプタ3が押込まれ、くびれ402がアダプタの断面を覆った後、アダプタ3は切り込み400と係合し、顎部403、404は再び閉じる。円筒外被42の外側に配置されている非対称な材料の分布、即ちビード44は、回転するアンプル4の動きを減衰し、アンプルが回転し続けないようにする。
【0038】
図7E
インプラント1に転写キャップ2がロックされ、アダプタ3がそれら両方に挿入されている装置がアンプル4内に嵌め込まれている。インプラント1は、アンプル4の内側へ、アンプルの円筒外被42に接触することなく突き出ており、窓状の切開部43の下に位置している。アダプタ3は、中間区画32が、アンプル4の保持部分40の切り込み400内にロックされている。円筒部分322は、くびれ402の下に位置しており、2つの隣接するフランジ320、323は、保持部分40に係合している。アダプタ3のプラグ型の延長部33は、外向きに自由に突き出ているので、装置を把持してアンプル4から引き出すための器具を、そこに取り付けることができるようになっている。
【0039】
図8Aから8E
インプラント1と、転写キャップ2と、アダプタ3とからなる装置を格納するためのコンテナの第2の好適な択一的な実施形態として、水平板69と、そこから下方に伸張する外殻部68とを備えたブリスターパックが提案されている。好都合に透明なプラスチックで作られている熱成形底部モールド6には、装置の外側形状部に亘って広がる凹部が設けられており、この凹部は3つの区画に分割されていて、即ち、一方は、アダプタ3のプラグ型延長部33を突き出すための器具用くぼみ60であり、他方は、転写キャップ2が取り付けられているインプラント1が伸張するインプラントくぼみ61から成る凹部である。器具用くぼみ60と、相対するインプラントくぼみ61の間には、2つの横方向に伸張し互いに整列している、転写キャップ2の保持プレート28を軽くクランプするためのガイドスリット62が配置されている。
【0040】
くぼみ60、61及びスリット62の深さと寸法は、連結部品7と、例えば歯科用手工具79のようなねじ込み器具の取り付けに必要な自由空間が器具用くぼみ60内に取れるような大きさになっている。インプラント1は、インプラント1が底部モールド6の側壁にも基部にも接触せず、どんなことがあっても、底部モールド6を覆うためのカバー(図示せず)と接触することのないように、インプラントくぼみ61内に配置されている。更に、例えば挿入スクリューを入れるために、底部モールド6の内側に凹部63を設けてもよい。
【0041】
図9A及び図9B
完成状態では、インプラント1と、転写キャップ2と、アダプタ3とから成る装置が挿入されているアンプル4が、外側カプセル5内に挿入されている。外側カプセル5は、基部51が閉じている中空円筒50と、ねじ込み蓋56とで形成されている。内側では、基部51から距離をおいた円筒50の縁部に、挿入されるアンプル4が軸方向に当接する周辺接触肩部52が設けられている。接触肩部52のレベルから基部51に向かって、円筒50内の中央に、盲穴54付きの漏斗形の座53が配置されている。円筒50の内部は、挿入されているアンプル4を容易に取り出せるように、そして引っ掛かる可能性を無くすために、開口部に向かって僅かに円錐状に広がっている。閉じ蓋56は基部57を有しており、そこから放射状に延在する肩部58が、円筒50の開口部内へ伸張している。閉じ蓋56の肩部58も、挿入されるアンプル4の軸方向当接部を形成している。
【0042】
図10A及び図10B
外側カプセル5内にアンプル4が挿入装着されている状態では、アンプル4の保持部分40は、外側カプセル5の基部51に相対しており、アンプル4のスタンド部分41は、外側カプセル5の閉じ蓋56の方向を向いている。アダプタ3のプラグ型延長部33は、外側カプセル5の内側に設けられている盲穴54内に突き出ている。閉じ蓋56を締め込むと、アンプル4は、円筒50の接触肩部52と、閉じ蓋56の肩部58の間で軸方向に安定する。
【0043】
図11Aから図11D
インプラント1と、転写キャップ2と、アダプタ3から成る装置の段階毎の操作を、コンテナとして外側カプセル5を備えたアンプル4の例を取り上げて、インプラント1を骨へ挿入する前の時点まで、以下の一連の図面を参照しながら説明する。この例は、歯科用インプラントを、人間の顎骨へ挿入することに関している。開始点は、インプラント1と、転写キャップ2と、アダプタ3とから成る装置がアンプル4内に嵌め込まれ、それが外側カプセル5内に配置されている状態である。アンプル4の保持部分40にクランプされているアダプタ3は、転写キャップ2がロックされているインプラント1を所定の位置に保持している。外側カプセル5の内容物は、すべて無菌状態にある。
【0044】
図11A→段階1:外側カプセル5を開くため、閉じ蓋56は既に円筒50から取り外されている。装置が入っているアンプル4は、外側カプセル5の今開かれた円筒50から無菌サポート上に取り出されている。
【0045】
図11B→段階2:外側多角形を備えたプラグ型延長部33がアンプル4から突き出している。例えばラチェット又は歯科用手工具79のようなねじ込み器具を取り付けるために、歯科用手工具用のラチェット連結装置7又は連結装置7が準備されている。連結装置7には、プラグ型延長部33の外側形状部330と相補形のソケット70が備えられている。
【0046】
図11C→段階3:ねじ込み器具としてラチェットが備えられている場合、ラチェット連結装置7が、アンプル4から保持部分40の上に突き出しているプラグ型延長部33上に嵌め込まれる。
【0047】
図11D→段階4:ラチェット連結装置7又はモーター駆動用連結部品7が、プラグ型延長部33に取り付けられた状態で、インプラント1と、転写キャップ2と、アダプタ3とから成る装置は、アンプル4から取り外され、使用部位へ運ばれる。
【0048】
図12Aから図12M
以下の一連の図面を使って、インプラント1と、転写キャップ2と、アダプタ3とを備えた装置の後続の段階毎の操作を、マスターモデル製作及びその後の時点まで説明する。本例は、繰り返すが、歯科植え込み技術に関している。
【0049】
図12A→段階5:アダプタ3に取り付けられているラチェット連結装置7で、インプラント1を、ロックされている転写キャップ2と共に、骨にねじ込む。一般的に、ねじ込み器具(図示せず)を使用する前に、先ずインプラント1を手で優しく回して、顎骨の盲穴内にねじ込む。
【0050】
図12B→段階6:目的の深さに達するまで、インプラント1を骨の中にねじ込む。
図12C→段階7:ねじ込みが完了した後、ラチェット連結装置7をアダプタ3から取り外す。
【0051】
図12D→段階8:挿入されているインプラント1からアダプタ3が既に取り外されているが、ロックされている転写キャップ2は、摩擦接続の抵抗に抗し、転写キャップ2とアダプタ3との間に起こり得る追加的圧入ばめ係合に抗して、なおインプラント1上に残っている。
【0052】
図12E→段階9:アダプタ3が引き抜かれた後には、保持ウイング28の上面に、転写キャップ2内への軸方向経路20が開いているので、この経路20を、シール媒体90で閉じる。
【0053】
図12F→段階10:印象採得のために、印象用合成材91を充填した印象トレー9を、転写キャップ2がなおインプラント1にロックされている状態で、挿入されているインプラント1を覆うように配置する。
【0054】
図12G→段階11:印象トレー9を、挿入されているインプラント1から取り外すが、転写キャップ2は、印象トレー9内の印象用合成材91内に埋め込まれたまま残っている。印象トレー9を取り外す際に、転写キャップ2の弾性リップ26が開き、インプラント1の肩縁部110を飛び越える。印象ADが採得され、印象トレー9にその形が現れる。
【0055】
図12H→段階12:挿入されているインプラント1に相補的な操作インプラント8が準備されている。元のインプラント1に、インプラント肩部11、肩縁部110及びアンダーカット13が在るのと同じ様に、操作インプラント8も、肩部811、肩縁部810及びアンダーカット83を有している。
【0056】
図12I→段階13:相補形の操作インプラント8を、印象トレー9、及び採得された印象AD内に留まっている転写キャップ2に嵌め込む。ここで、リップ26は、再度、操作インプラント8の肩縁部810と噛み合い、そのアンダーカット83と係合する。
【0057】
図12J→段階14:操作インプラント8が中に嵌め込まれている印象ADに、通常はプラスターであるモデル成形合成材92を充填する。
図12K→段階15:転写キャップ2が埋め込まれている印象トレー9を、操作インプラント8から取り外すが、このとき操作インプラント8の回りをモデル成形合成材92が取り囲んでいる。これで、操作インプラント8の回りに、患者の口内の幾何学形状に一致するマスターモデルMMが形成されたことになる。
【0058】
図12L→段階16:印象用合成材91内に埋め込まれている転写キャップ2が印象トレー9から取り外され、マスターモデルMM内に嵌め込まれている操作インプラント8に嵌め込まれる。
【0059】
図12M→段階17:更なる処理に備えて、保持ウイング28が、操作インプラント8に嵌め込まれている転写キャップ2から取り外される。
図12Dから12Mに記載されている順序は、2つ以上の挿入インプラント1上に載る歯科用ブリッジ及びバー用の上部構造体を製作するのにも用いることができる。印象採得前に、アダプタ3を、インプラントと、転写キャップ2と、アダプタ3との組み合わせから取り外し、次いで、転写キャップ2の上面で開き、保持ウイング28の上面に開いている露出した軸方向経路20を、シール媒体90でシールする(図12Dから12Fを参照)。
【0060】
本発明による装置は、バー又はブリッジ用の複数の挿入インプラント1がある場合にも好都合である。段階17以後の、補綴の上部構造体の製作を目的とした段階は、当業者には自明であろう。マスターモデルMM内に固定された操作インプラント8上に着座している隣接する転写キャップ2は、燃やしきることができるプラスチック製のバーフレームワークで架橋され、複合材が操作インプラント8から取り外される。次に、この転写キャップ2とバーフレームワークの複合材は、埋め込み合成材内に導入される。埋め込み合成材を加熱した後には空洞が形成され、例えばチタン又は金で鋳造すると、最終的なバーフレームワークになり、通常の表面処理を施した後で、患者の口内に配置されているインプラント1に嵌め込まれる。
【0061】
図13Aから図13G
この図面の順序に沿って、図6Aに従って変更された装置に関する処置操作について説明するが、その操作は基本的には同じでなので、図面では、導入段階及び中間段階を省いている。
【0062】
図13A→段階4:転写キャップ2がロックされているインプラント1を、アダプタ3に取り付けられているラッチェット連結装置7か、又はモーター駆動手工具79用の連結部品7を使って、コンテナ(図示せず)から取り外す。ソケット70は、アダプタ3のプラグ型延長部33を把持している。
【0063】
図13B→段階5:インプラント1を、例えばアダプタ3に取り付けられているラッチェット連結装置7を使って、骨に締め込む。回転運動は、ソケット70からインプラント1へアダプタ3の動作によって伝達され、アダプタは、その内側形状部302でインプラント1の外側多角形101の嵌合部と係合している。
【0064】
図13C→段階7:インプラント1を、所望の深さ(図6)まで骨にねじ込んで、ラッチェット連結装置7を、アダプタ3から取り外す。
図13D→段階10:印象採得のために、転写キャップ2がロックされ且つアダプタ3が嵌め込まれている挿入済みのインプラント1を覆って、印象用合成材91を充填した印象トレーを取り付ける。保持ウイング28を備えた転写キャップ2と、アダプタ3のプラグ型延長部33は、印象用合成材91内に埋め込まれる。ここでは、アダプタ3の取り外し(段階8)と、転写キャップ9の入口開口部の閉鎖(段階9)は行わない。
【0065】
図13E→段階11:印象用合成材91の入った印象トレーを、挿入済みのインプラント1から取り外すが、これによりインプラント1の外側多角形部101が露出する。アダプタ3の付いた転写キャップ2は、印象トレー内の印象用合成材91内に留まる。印象ADが採得される。
【0066】
図13F→段階13:中間段階12で、操作インプラント8を印象用合成材91内に留まっている転写キャップ2のところに持ってきて、丁度、転写キャップ2にロックしたところである。
【0067】
図13G→段階15:中間段階14で、外側多角形部101付のインプラント1と相補形の操作インプラント8が嵌め込まれている印象ADに、モデル成形合成材92が充填された。転写キャップ2とアダプタ3が嵌め込まれている印象トレーを、操作インプラント8から外した後、後続の歯科医療に使うマスターモデルMMが採得された。操作インプラント8は、インプラント1の外側多角形部101に相当する多角形部812と、相補形の類似肩部811とを有している。
【0068】
個々の義歯用の挿入済みのインプラント1上に補綴を設ける場合、支台歯を含む挿入済みインプラント1と、口の周囲形状との間の回転位置を、転写する必要がある。このため、図12Cから12Mによって最初に説明した方法順序から逸れて、印象採得用のアダプタ3は、転写キャップ2及びインプラント1内に残され、印象トレー9内に埋め込まれ、マスターモデルMMの製作における後続の段階で用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1A】広く知られている中実スクリュー形状のインプラントの斜視図である。
【図1B】一部を断面とした、図1Aに示したインプラントである。
【図2A】本発明による転写キャップの斜視図である。
【図2B】一部を断面とした、図2Aに示した転写キャップの別の斜視図である。
【図2C】保持ウイング上にカラーが設けられている転写キャップの、図2Bと同様の斜視図である。
【図3A】本発明によるアダプタの斜視図である。
【図3B】Oリングが取り付けられている、図3Aに示したアダプタである。
【図3C】図2Cに示した転写キャップのカラーのロック要素を係合するための追加のロック溝を備えた、図3Aと同様のアダプタの別の斜視図である。
【図4A】図2Aに示した転写キャップが取り付けられた状態の、図1Aに示したインプラントの斜視図である。
【図4B】一部を断面とした、図4Aと同様の斜視図である。
【図5A】図3Aに示したアダプタが嵌め込まれた状態の、図4Aに示したインプラントと転写キャップの組み合わせの斜視図である。
【図5B】図5Aに示した組合せの部分断面図である。
【図5C】図2Cに示した変更された転写キャップが組み込まれた、一部を断面とした、図5Aによる組み合わせの、別の小さな斜視図である。
【図6A】外側多角形を有するインプラントと、変更されたアダプタが挿入されている変更された転写キャップとの組み合わせの、一部を断面とした斜視図である。
【図6B】一部を垂直断面とした、図6Aによる組み合わせの図である。
【図7A】保持部分の外側を見せている、それ自体既知のアンプルの斜視図である。
【図7B】保持部分の内側を見せている、図7Aに示したアンプルの斜視図である。
【図7C】一部を断面とした、図7Aに示したアンプルの正面図である。
【図7D】保持部分の外側を見せている、図7Aに示したアンプルの平面図である。
【図7E】図7Aに示したアンプル内に嵌め込まれた状態の、図1Aのインプラントと、図2Aの転写キャップと、図3Bのアダプタとの組み合わせを示す正面図である。
【図8A】図1Aのインプラントと、図2Aの転写キャップと、図3Aのアダプタとの組み合わせを保管するための、択一的なコンテナとしての、ブリスターパックの斜視図である。
【図8B】図1Aのインプラントと、図2Aの転写キャップと、図3Bのアダプタとの組み合わせが挿入されている状態の、図8Aに示したブリスターパックの平面図である。
【図8C】図8Bと同じものの斜視図である。
【図8D】連結部品が取り付けられている状態の、図8Bに示した状態のブリスターパックの平面図である。
【図8E】図8Dと同じものの斜視図である。
【図9A】蓋がねじ込まれていない、それ自体が既知の外側カプセルの斜視図である。
【図9B】蓋がねじ込まれている、図9Aに示した外側カプセルの垂直断面図である。
【図10A】蓋がねじ込まれている状態の、アンプル内に嵌め込まれており図9Aの外側カプセルにより囲まれている、インプラントと転写キャップとアダプタとの図7Eに示した組み合わせの、一部を断面とした図である。
【図10B】保管又は搬送の間の、そして処置操作の開始状態にある、閉鎖された外側カプセル内にアンプルが嵌め込まれている、一部を断面とした図10Aと同じ図である。
【図11A】図11Aから12Mは、図10Bによる開始状態で始まり、マスターモデルの製作で終る、装置の基本的作動操作を示す図である。図11Aは、段階1:蓋をねじ戻すことによって外側カプセルを開き、アンプルを外側カプセルから出す段階を示す図である。
【図11B】図11Bは、段階2:アダプタに取り付けるための択一的なねじ込み器具に、各連結部品を準備する段階を示す図である。
【図11C】図11Cは、段階3:ラチェツト連結装置をアダプタに取り付ける段階を示す図である。
【図11D】図11Dは、段階4:アダプタに取り付けられているラチェット連結装置か、モーター駆動用の連結部品のどちらかで、インプラントをアンプルから外す段階を示す図である。
【図12A】図12Aは、段階5:ラチェット連結装置がアダプタに取り付けられ、インプラントが骨にねじ込まれる段階を示す図である。
【図12B】図12Bは、段階6:目的の深さに達するまで、インプラントを骨内にねじ込む段階を示す図である。
【図12C】図12Cは、段階7:インプラントのねじ込みが完了して、ラチェット連結装置をアダプタから取り外す段階を示す図である。
【図12D】図12Dは、段階8:嵌め込まれているインプラント上に転写キャップをロックされたまま残して、アダプタを取り外す段階を示す図である。
【図12E】図12Eは、段階9:転写キャップ内への接近開口部を閉じる段階を示す図である。
【図12F】図12Fは、段階10:印象採得のため、印象用合成材を充填した印象トレーを、ロックされている転写キャップと共に、嵌め込まれているインプラント上に配置する段階を示す図である。
【図12G】図12Gは、段階11:嵌め込まれているインプラントから印象トレーを取り外すが、転写キャップは印象トレー内に留まっており、而して印象が採得される段階を示す図である。
【図12H】図12Hは、段階12:操作インプラントを、印象トレー内に留まっている転写キャップに向かって前進させる段階を示す図である。
【図12I】図12Iは、段階13:操作インプラントを、印象トレー内に留まっている転写キャップ内に挿入する段階を示す図である。
【図12J】図12Jは、段階14:操作インプラントが着座している印象に、印象用合成材を充填する段階を示す図である。
【図12K】図12Kは、段階15:得られたマスターモデルから印象トレーを取り外すが、転写キャップは印象トレー内に留まり、操作インプラントはマスターモデル内に留まっている段階を示す図である。
【図12L】図12Lは、段階16:転写キャップを印象トレーから取り外し、それを、マスターモデル内に着座している操作インプラント上に置く段階を示す図である。
【図12M】図12Mは、段階17:保持ウイングを、操作インプラント上に着座している転写キャップから取り外す段階を示す図である。
【図13A】図13Aから13Gは、図6Aに示す変更された装置による処置操作の原理を、段階4が完了した状態の既に進んだ局面から、マスターモデル製作まで、短縮した順序で示している。図13Aは、段階4:インプラントが、アダプタに取り付けられているラチェット連結装置か、モーター駆動用連結部品のどちらかで、コンテナ(図示せず)から取り外される段階を示す図である。
【図13B】図13Bは、段階5:ラチェット連結装置がアダプタに取り付けられ、インプラントが骨にねじ込まれる段階を示す図である。
【図13C】図13Cは、段階7:段階6が既に実行され、目的の深さに達するまでインプラントが骨にねじ込まれており、インプラントのねじ込みが完了して、ラチェット連結装置をアダプタから取り外す段階を示す図である。
【図13D】図13Dは、段階10:印象採得のため、印象用合成材を充填した印象トレーを、ロックされている転写キャップと共に、嵌め込まれているインプラント上に配置する段階を示図であり、アダプタの取り外しと、転写キャップへの接近開口部の閉鎖に関する先の段階8及び9は、ここでは省略されている。
【図13E】図13Eは、段階11:嵌め込まれているインプラントから印象トレーを取り外すが、転写キャップは印象トレー内に留まっており、而して印象が採得される段階を示す図である。
【図13F】図13Fは、段階13:段階12が既に実行され、操作インプラントを、印象トレー内に残っている転写キャップに向けて進めることによって、修正された操作インプラントを、印象トレー内に留まっている転写キャップ内に挿入する段階を示す図である。
【図13G】図13Gは、段階15:段階14が既に実行され、変更された操作インプラントが着座している印象に印象用合成材を充填することによって、得られたマスターモデルから印象トレーを取り外すが、転写キャップは印象トレー内に留まり、操作インプラントはマスターモデル内に留まっている段階を示す図である。

Claims (16)

  1. 骨に挿入されるインプラント(1)を取り扱うための装置であって、取り外し可能な方法で前記インプラント(1)に嵌め込むことのできる転写キャップ(2)と、前記インプラント(1)と係合するアダプタ(3)とを有する装置において、
    a)前記インプラント(1)は、インプラント頭部(10)と、前記インプラント頭部(10)から伸張する根部分(12)とを有しており、
    aa)前記インプラント頭部(10)は、内側に配置されている非回転対称内側形状部(17)又は代わりに設けられる同様な外側形状部(101)と、外側インプラント肩部(11)と、前記インプラント肩部(11)の下に配置されている肩縁部(110)と、を有しており、
    ab)前記インプラント(1)は、前記肩縁部(110)の下にアンダーカット(13)を有しており、
    b)前記転写キャップ(2)は、
    ba)前記インプラント肩部(11)と相補形の接触面(25)と、
    bb)肩縁部(110)の下側を把持し、前記アンダーカット(13)と係合する弾性リップ(26)と、を有しており、
    c)前記アダプタ(3)は、
    ca)嵌合部で、前記インプラント(1)の前記内側形状部(17)又は前記外側形状部(101)と係合するようになっている駆動区画(30)と、
    cb)器具を取り付けるためのプラグ型延長部(33)と、を有しており、
    更に、
    d)前記転写キャップ(2)は、前記アダプタ(3)が通過して前記インプラント(1)に至る軸方向経路(20)を有しており、
    e)前記転写キャップ(2)が前記インプラント(1)に嵌め込まれており、前記アダプタ(3)が差し込まれている場合、前記アダプタの前記駆動区画(30)は、前記内側形状部(17)又は代わりに設けられた外側形状部(101)と嵌合し、前記アダプタ(3)は前記軸方向経路(20)内に配置され、前記アダプタ(3)の前記プラグ型型延長部(33)は前記転写キャップ(2)から突き出している、
    ことを特徴とする装置。
  2. a)前記軸方向経路(20)を通過する前記アダプタ(3)と、前記転写キャップ(2)とが、取り外し可能な方法で互いに接続されており、
    b)前記インプラント(1)と前記転写キャップ(2)の間の接続を断つための切り離し力は、前記転写キャップ(2)と前記アダプタ(3)の間の接続を断つための切り離し力よりも大きい、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 転写キャップ(2)とアダプタ(3)の間の取り外し可能な接続のために、
    a)前記転写キャップ(2)が内側部分(200)を有しており、前記アダプタ(3)が摩擦接続で互いに係合する保持区画(31)を有している、又は
    b)前記転写キャップ(2)が伸縮変形可能な形状部(290)を有しており、前記アダプタ(3)が前記前記形状部(290)と相補形の連結形状部(321)を有している、又は、
    c)摩擦接続のために前記内側部分(200)と前記保持区画(31)が、そして圧入嵌合接続のために前記形状部(290)と前記連結形状部(321)が、連結している、
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
  4. a)前記転写キャップ(2)の前記内側部分(200)は円筒形内側壁(2)であり、
    b)前記アダプタ(3)の前記保持区画(31)は円筒形部分であり、
    c)前記転写キャップ(2)の前記変形可能な形状部(290)は、前記軸方向経路(20)を狭めているビード(290)であり、
    d)前記アダプタ(3)の前記連結形状部(321)は、前記ビード(290)がロックする半径方向溝(321)である、
    ことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
  5. a)前記転写キャップ(2)は、一体部品で作られており、ポット型中空本体(21)と、前記本体上に配置されている保持ウイング(28)とで構成されており、
    b)前記軸方向経路(20)は、一方の端部が、前記中空本体(21)の下側に開いており、他方の端部が、前記保持ウイング(28)の上面に開いており、
    c)前記弾性リップ(26)は、軸方向経路(20)を狭めており、前記中空本体(21)の最底部に設けられており、
    d)前記中空本体(21)は、前記インプラント肩部(11)に係合する円錐部分(25)として構成されている前記内側接触面(25)を有している、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  6. a)前記保持ウイング(28)を分離する溝(27)が、前記中空本体(21)と前記保持ウイング(28)との間に設けられており、
    b)前記保持ウイング(28)は、実質的に水平方向に、即ち前記軸方向経路(20)に垂直に伸張しており、
    c)前記保持ウイング(28)の上側では、前記開いている軸方向経路(20)がカラー(29)で取り囲まれており、前記カラー上には、内向きに曲がっているビード(290)が形成されており、前記カラー(29)の弾性を増すため、陥凹部(291)を設けることができるようになっている、
    ことを特徴とする、請求項5に記載の装置。
  7. a)前記転写キャップ(2)の前記中空本体(21)は、少なくとも1つの側方開口部(210)を有しており、
    b)前記保持ウイング(28)には、少なくとも1つの孔(280)が設けられている、ことを特徴とする、請求項5又は6に記載の装置。
  8. a)前記インプラント(1)内の前記非回転対称内側形状部(17)が例えば八角形の内側多角形であり、又は、代わりに前記インプラント(1)上に設けられている外側形状部(101)が例えば八角形の外側多角形であり、
    b)内側形状部(17)が前記インプラント(1)内にある場合は、前記アダプタ(3)の前記駆動区画(30)が例えば八角形の外側多角形であり、又は
    c)代わりに外側形状部(101)が前記インプラント(1)上にある場合は、前記アダプタ(3)の前記駆動区画(30)が例えば八角形の内側多角形であり、
    d)前記アダプタ(3)の前記プラグ型延長部(33)が外側多角形である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  9. 前記アダプタ(3)において、
    a)前記保持区画(31)は、前記駆動区画(30)に隣接し、
    b)中間区画(32)は、前記保持区画(31)と前記プラグ型延長部(33)との間に在り、
    c)前記中間区画(32)は、第1フランジ(320)と第2フランジ(323)とを有しており、両者の間に、直径が小さくなった部分(322)が在り、
    d)前記第1フランジ(320)は半径方向溝(321)を有しており、前記プラグ型延長部(33)と前記第2フランジ(323)の間に、保持リング(332)を受け入れるための環状溝(331)がある、
    ことを特徴とする、請求項1、3、4又は8の何れかに記載の装置。
  10. a)前記転写キャップ(2)は、根尖方向から軸方向に伸張し冠方向に境界を画定する内孔基部(325)を備えている盲穴(34)を有しており、
    b)前記プラグ型延長部(33)と保持区画(31)の間に、前記プラグ型延長部(33)及び保持区画(31)の直径よりも大きい多角形ディスク(324)を有している、
    ことを特徴とする、請求項1から9の何れかに記載の装置。
  11. a)前記インプラント(1)は、前記肩縁部(110)の下が前記根部分(12)に向かってトランペット状に細くなり、それによって前記アンダーカット(13)が形成されており、
    b)前記インプラント肩部(11)は、約30°の傾斜を有しており、
    c)前記根部分(12)には、雄ねじ(14)、望ましくはタッピングねじが設けられており、
    d)前記インプラント(1)に内側形状部(17)が在る場合、又は、代わりに前記インプラント(1)上に外側形状部(101)が設けられている場合、雌ねじ部分(18)は盲穴(16)内に配置することができる、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  12. a)インプラント(1)と、前記インプラント(1)に嵌め込まれている転写キャップ(2)と、前記転写キャップ(2)を貫通して伸張するアダプタ(3)との組み合わせが、処置に使用するため、無菌コンテナ(4、6)内に、固定位置から取り外し可能に配置されており、
    b)大抵の場合はねじ込み器具であるが、その器具で把持するための前記プラグ型延長部(33)が、適切であれば、既に前記プラグ型延長部(33)に接続されている連結部品(7)付で、接近できるように配置されている、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  13. a)前記組み合わせ(1、2、3)用のコンテナは、外側カプセル(5)内に嵌め込むことのできるアンプル(4)であり、
    b)前記アンプル(4)は、
    ba)外皮(42)と、
    bb)前記外皮(42)に設けられた大きな側方切開部(43)であって、この切開部(43)を通して前記アンプル(4)内に取り付けられている前記インプラント(1)を取り外すことができるようになっている切開部(43)と、
    bc)前記切開部(43)と同じ方向を向いて側方に開いている切り込み(400)を備えた保持部分(40)とを有しており、
    c)前記転写キャップ(2)と前記インプラント(1)とを保持している前記アダプタ(3)は、前記中間区画(32)が前記切り込み(400)内に取り外し可能にロックされており、それによって、前記アダプタ(3)に保持されている前記インプラント(1)が、前記アンプル(4)内に接触すること無く取り付けられている、
    ことを特徴とする、請求項12に記載の装置。
  14. a)前記組み合わせ(1、2、3)用のコンテナは、熱成形された底部モールド(6)を備えたブリスターパックであり、
    b)前記底部モールド(6)は、前記装置(1、2、3)の前記外側形状部を覆って伸張している複数部のくぼみ(60、61、62)、即ち、
    ba)前記アダプタ(3)の前記プラグ型延長部(33)が中に突き出す器具用くぼみ(60)と、
    bb)前記器具用くぼみ(60)の反対側に在り、前記転写キャップ(2)が嵌め込まれている前記インプラント(1)が突き出すインプラントくぼみ(61)と、
    bc)前記器具くぼみ(60)と前記インプラントくぼみ(61)との間に在り、前記転写キャップ(2)の前記保持ウイング(28)を軽くクランプするための、横方向に互いに整列している2つのガイドスリット(62)であって、これによって、前記転写キャップ(2)によって支持されている前記インプラント(1)が、前記底部モールド(6)内に接触すること無く取り付けられるようになっているスリット(62)と、を有している、
    ことを特徴とする、請求項12に記載の装置。
  15. a)前記底部モールド(6)はカバーで覆われており、
    b)前記底部モールド(6)内には、例えば挿入スクリューを収容するための別のくぼみ(63)を設けることができる、
    ことを特徴とする、請求項14に記載の装置。
  16. a)印象(AD)が採得された後、印象モールド(9)が取り外される際に、前記転写キャップ(2)が前記インプラント(1)から取り外されて、前記印象モールド(9)内に残り、
    b)同様の肩縁部(810)とアンダーカット(83)とを備えた操作インプラント(8)を、前記印象モールド(9)内に残っている前記印象キャップ(2)内に差し込んむことができるようになっており、
    c)モデル成形合成材(92)が充填された印象(AD)を切り離すと、操作インプラント(8)が埋め込まれているマスターモデル(MM)を得ることができ、燃やしきることのできるプラスチック製であるのが望ましい前記転写キャップ(2)は、このときも前記印象モールド(9)内に残っていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
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