JP2004526011A - 輸送機関用燃料 - Google Patents

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Abstract

本発明は、輸送用燃料の組成物に関し、特に周囲条件下で液体である有機組成物が開示されている。特に、主要成分として適切な有機留出物、及び典型的には天然石油由来の酸素含有有機物を含む限定量の成分を含む輸送用燃料に関する。これらの輸送用燃料の酸素含有量は、少なくとも0.02wt%であることが有益である。好ましくは、これらの輸送用燃料の酸素含有量は、約0.2wt%〜約10wt%の範囲にある。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送機関用の燃料組成物、特に周囲条件にて液体である有機組成物に関する。特に、本発明は、主要成分として適切な有機物留出物と、典型的には天然石油由来の物質である酸素含有有機物質を含む制限された量であるが本質的な量の成分と、を含む輸送機関用燃料に関する。有益なことに、これらの輸送機関用燃料の酸素含量は、少なくとも0.02wt%である。
【背景技術】
【0002】
19世紀後半の数十年間に、内燃機関が革新的な発展を遂げたことは周知である。中でも、Benz及びGottleib Wilhelm Daimlerは、ガソリンなどの燃料の電気点火を用いるエンジンを発明し開発した。Rudolf C. K. Dieselは、低コストの有機物燃料を利用するために、燃料の自動着火に圧縮を用いる彼の名前を冠したエンジンを発明し組み立てた。輸送機関に用いる為の改良されたディーゼルエンジンの開発は、ディーゼル燃料組成物における改良と共に手に手を取り合って進められている。最近の高性能ディーゼルエンジンは、燃料組成物のさらにより進んだ規格を必要としているが、コストが重要な懸案事項として残されている。
【0003】
現在、ほとんどの輸送機関用燃料は、天然石油に由来している。実際、未だに、石油が、燃料及び石油化学供給原料として用いられる世界的に主要な炭化水素類源である。天然石油又は原油の組成は大幅に変動するが、総ての原油は硫黄化合物を含み、ほとんどの原油は窒素化合物を含み、さらに酸素を含むが、ほとんどの原油の酸素含量は低い。一般に、原油中の硫黄濃度は約8%未満であり、ほとんどの原油が約0.5〜約1.5%の範囲の硫黄濃度を有する。窒素濃度は、通常、0.2%未満であるが、1.6%程度に高いこともある。
【0004】
原油は、油井で製造されたままの形態で用いられることはほとんどなく、製油所で、広範囲の燃料及び石油化学供給原料に転化される。典型的には、輸送機関用の燃料は、特定の最終使用規格に合致するように、原油から蒸留された画分の処理及びブレンドにより製造される。今日、多量に入手可能な原油のほとんどは硫黄分が高いので、性能規格及び/又は環境基準に合致する生成物を得るために、蒸留画分を脱硫しなければならない。燃料中の硫黄含有有機化合物は、環境汚染の主要源であり続けている。燃焼中に、これらは硫黄酸化物に転化して、硫黄オキソ酸を発生させ、粒子状物質排出の原因となる。
【0005】
より新しく高性能のディーゼルエンジンであっても、慣用の燃料の燃焼は排ガス中にスモークを発生させる。酸素添加化合物及びメタノールやジメチルエーテルなどの炭素−炭素化学結合を持たないか持っていても僅かである化合物は、スモーク及びエンジン排ガスを減少させることが知られている。しかし、そのような化合物のほとんどは、高い蒸気圧を有し、及び/又は、ディーゼル燃料中にほとんど不溶性であり、それらのセタン価が示すように着火品質は低い。さらに、硫黄含量及び芳香族含量を減少させるための化学的水素添加によるディーゼル燃料を改良する他の方法は、燃料の潤滑性を減少させてしまう。低潤滑性のディーゼル燃料は、燃料インジェクターその他の高圧力下で燃料と接触するようになる可動部品に、過剰な摩耗を引き起こしてしまう。
【0006】
圧縮着火内燃機関(ディーゼルエンジン)で用いられる燃料又は該燃料のブレンド成分に用いられる蒸留画分は、通常約1〜3wt%の硫黄を含む中間留出物である。これまで、ディーゼル燃料としての典型的な規格は、最大0.5wt%であった。1993年の欧州及び米国における規制は、ディーゼル中の硫黄を0.3wt%まで制限した。欧州及び米国において1996年までに、日本において1997年までに、ディーゼル燃料中の最大硫黄含量は、0.05wt%以下に減少された。この世界的な傾向は、より低い硫黄レベルまで続くものと予測される。
【0007】
一側面において、カルフォルニア州及び連邦市場における検討中の新しい排出規制の導入は、触媒排気処理に対する大きな関心を促している。ディーゼルエンジン、特に重負荷ディーゼルエンジンに対する触媒排出制御の適応の試みは、2つの因子ゆえに、スパーク着火内燃機関とは大きく異なる。第一に、慣用のTWC触媒は、ディーゼルエンジンからNOx排出を除去するに有効ではなく、第二に粒子状物質制御の必要性がガソリンエンジンよりも遙かに高い。
【0008】
幾つかの排気処理技術が、ディーゼルエンジン排気制御のために出現しており、総てのセクターにおいて、燃料中の硫黄レベルがこの技術の効率に影響を与える。硫黄は、触媒活性を減少させる触媒毒である。さらに、ディーゼル排気の触媒制御において、硫黄の接触酸化及び硫酸ミストを形成する水との反応ゆえに、高硫黄燃料もまた、粒子状物質排出という第二の問題を生じさせている。このミストは、粒子状物質排出の一部として集められる。
【0009】
圧縮着火エンジン排出は、燃焼を開始させるために用いられる方法が異なるので、スパーク着火エンジンからの排出とは異なる。圧縮着火は、非常に希薄な空気/燃料混合物中での燃料滴の燃焼を必要とする。燃焼プロセスは、微小なカーボン粒子を残し、ガソリンエンジンでみられるよりも遙かに多量の粒子状物質排出を引き起こす。希薄運転ゆえに、CO及び気体状炭化水素排出は、ガソリンエンジンよりも遙かに低い。しかし、多量の未燃焼炭化水素がカーボン粒子状に吸着される。これらの炭化水素は、SOF(可溶性有機物画分)と呼ばれる。よって、ディーゼル排出に起因する健康問題は、毒性炭化水素類を含むこれらの非常に小さなカーボン粒子を肺の奥深くまで吸い込むことに基づくと考えることができる。
【0010】
燃焼温度を上昇させると、粒子状物質を減少させることができるが、周知のZeldovitch機構によりNOx排出を増加させてしまう。よって、排出規制に合致させるために、粒子状物質とNOx排出とを天秤にかけることが必要になってくる。
【0011】
種々の証拠が、超低硫黄燃料は、排出を制御するディーゼル排気の触媒処理を可能とする有意な技術であることを強く示唆する。同様に、15ppm以下の燃料硫黄レベルは、粒子状物質を0.01g/bhp−hr以下のレベルにするために必要である。このようなレベルは、0.5g/bhp−hr近辺のNOx排出を達成する可能性が示されている現存の排気処理用の触媒の組合せに非常に適合する。さらに、NOxトラップシステムは、燃料中硫黄に対して極度に感応性があり、入手できる証拠は、これらが活性を維持するために10ppm以下の硫黄レベルを必要とすることを示唆する。
【0012】
輸送機関用燃料でのこれまでになく厳しい硫黄規格に直面して、石油供給原料及び製品からの硫黄除去は、今後数年間でますます重要になるであろう。欧州、日本及び米国におけるディーゼル燃料中の硫黄に対する規制は、最近、0.05wt%(最大)まで規格を低下させているが、将来の規格は、現在の0.05wt%レベルよりも遙かに低くなると見られている。
【0013】
慣用の水素添加脱硫(HDS)触媒を用いて、製油所輸送機関用燃料のブレンド用の石油留出物からの硫黄の大部分を除去することができるが、硫黄原子が多環芳香族硫黄化合物におけるように立体障害されている化合物から硫黄を除去するには活性ではない。これは、硫黄ヘテロ原子が二重に障害されている場合(例えば、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン)に、特に当てはまることである。高温で、慣用の水素添加脱硫触媒を用いることは、収率損失、早期接触コーキング及び製品品質の劣化(例えば色)を引き起こすであろう。高圧を用いると、多額の経費を必要とする。
【0014】
将来の厳しい規格に適合させるために、留出物供給原料及び製品から、このような障害された硫黄化合物をも除去しなければならないであろう。留出物及び他の炭化水素生成物からの経済的な硫黄除去に対する差し迫った必要性がある。
【0015】
技術は、留出物供給原料及び製品からの硫黄を除去するためのプロセスで全面的に置換されている。一つの公知の方法は、非常に高沸点の炭化水素物質よりも高温で沸騰する物質の少なくとも大半を含む石油画分(少なくとも約550゜Fを越える沸点の物質の少なくとも大半を含む石油画分)の酸化、続いて、酸化された化合物を含む流出物を昇温された温度(560゜F〜1350゜F)にて処理して硫化水素を形成し、及び/又は水素処理して炭化水素物質の硫黄分を減少させることを含む。例えば、Jin Sun Yooの米国特許U.S. Patent No. 3,847,798及びVincent A. Duranteの米国特許U.S. Patent No.5,288,390参照。このような方法は、むしろ低い程度の脱硫が達成されるだけであるから、有用性が限定されることが証明されている。加えて、これらの方法の実施中のクラッキング及び/又はコークス形成ゆえに、有価値生成物の実質的な損失が生じるかもしれない。したがって、クラッキング又はコークス形成を減少させながら、脱硫の程度を増加させるプロセスを開発する利点がある。
【0016】
燃料を改良するための幾つかの異なる酸素化方法がこれまでにも記載されている。例えば、米国特許U.S. Patent No.2,521,698には、セタン価を改良するものとして、炭化水素燃料の部分酸化が記載されている。この特許は、芳香族環含量が比較的低く、パラフィン性成分が比較的高い燃料であるべきことを示唆する。米国特許U.S. Patent No. 2,912,313には、中間留出物燃料に過酸化物及びジハロ化合物の両者を添加することにより、セタン価を増加させることが示されている。米国特許U.S. Patent No. 2,472,152には、中間留出物画分中の飽和環式炭化水素又はナフテン性炭化水素類を酸化させてナフテン性過酸化物を形成することにより中間留出物分画のセタン価を改良する方法が記載されている。この特許は、酸化は、開始剤としての油溶性金属塩の存在下で加速されるが、無機塩基の存在下で実施されることが好ましい、ことを示唆する。しかし、形成されたナフテレ性過酸化物は、悪影響のあるゴム化開始剤(gum initiator)である。したがって、フェノール、クレゾール及びクレゾール酸などのゴム阻害剤を酸化された物質に添加して、ゴム形成を減少させるか又は防止しなければならない。これら後者の化合物は、毒性であり発ガン性である。
【0017】
Chaya Venkat及びDennnis E. Walshの米国特許U.S. Patent No. 4,494,961は、50℃〜350℃の温度にて、穏やかな酸化条件下で、(i)過マンガン酸アルカリ土類金属、(ii)周期律表IB族、IIB族、IIIB族、IVB族、VB族、VIB族、VII族、又はVIII族の金属の酸化物、又は(i)と(ii)との混合物のいずれかである触媒の存在下で、画分を接触させることにより、水素含量が低く、生の未処理のままの高級芳香族中間留出物画分のセタン価を改良することに関する。欧州特許出願European Patent Application 0 252 606 A2もまた、好ましくは油溶性金属塩としてアンチモン、鉛、ビスマス及び周期律表IB族、IIB族、VB族、VIB族、VIIB族及びVIIIB族の遷移金属などの触媒金属の存在下で、画分と酸素又は酸化剤とを接触させることにより水素化精製され得る中間留出物画分のセタン価を改良することに関する。この出願には、触媒が燃料中のベンジル性炭素原子をケトン類に、選択的に酸化することが述べられている。
【0018】
最近では、William F. Taylorの米国特許U.S. Patent No.4,723,963に、160℃〜400℃の範囲で沸騰する中間留出物炭化水素燃料中の酸素化された芳香族化合物の少なくとも3wt%を含むことにより、セタン価が改良されることが示唆されている。この特許は、酸素化されたアルキル芳香族及び/又は酸素化されたヒドロ芳香族が、ベンジル性炭素プロトンにて好ましく酸素化されることを示す。
【0019】
さらに最近では、相移動試薬としてのリンタングステン酸及びトリ−n−オクチルメチルアンモニウムクロライドにより触媒された過酸化水素水との反応及び酸化された硫黄化合物のその後のシリカ吸着による中間留出物の酸化脱硫が、Collinsら(Journal of Molecular Catalysis (A):Chemical 117 (1997) 397-403)により記載されている。Collinsらは、水素処理されなかった冬季用ディーゼルオイルの酸化脱硫を記載した。Collinsらは、水素添加脱硫に耐性を有する硫黄種は酸化脱硫を受けやすく、水素添加脱硫されたディーゼル中のこのような耐性を有する硫黄成分の濃度は、Collinsらにより処理されたディーゼルオイルと比較して、すでに比較的低くなっているかもしれない、と示唆する。
【0020】
Bruce R. Cook、Paul J. Berlowitz及びRobert J. Wittenbrinkの米国特許U.S. Patent No. 5,814,109は、特にフィッシャートロプシュ(Fischer-Tropsch)炭化水素合成プロセス、好ましくは非シフトプロセスを介するディーゼル燃料添加剤製造に関する。添加剤製造において、これらのフィッシャートロプシュプロセスの本質的に硫黄を含まない生成物は、高沸点画分と低沸点画分、例えば700゜F以下で沸騰する分画、とに分離される。フィッシャートロプシュ反応生成物の高沸点画分は、高沸点画分を700゜F以下で沸騰するパラフィン類とイソパラフィン類との混合物に転化するに十分であるべき条件にて、水素添加異性化される。この混合物は、フィッシャートロプシュ反応生成物の低沸点画分とブレンドされて、中間留出物ディーゼル燃料のセタン価又は潤滑性、又はセタン価と潤滑性の両者を改良するに有用であるべきディーゼル添加剤を回収する。
【0021】
Robert J. Wittenbrink、Darryl P. Klein、Michele S Touvelle、Michel Daage及びPaul J. Berlowitzの米国特許U.S. Patent No. 6,087,544は、留出物供給流よりも低い硫黄レベルを有する留出物燃料を製造する留出物供給流の処理に関する。このような燃料は、留出物供給流を約50〜100ppmの硫黄だけを含む軽質画分と、重質画分とに分別することにより製造される。軽質画分は、水素処理されて、軽質画分中の硫黄の実質的に全量が除去される。脱硫された軽質画分は、次いで、重質画分の1/2とブレンドされて、例えば663ppmから310ppmまで硫黄レベルが減少し、脱硫された軽質画分85wt%と未処理の重質画分15wt%の低硫黄留出物燃料を製造する。しかし、この低硫黄レベルを得るために、留出物供給流のわずかに約85wt%だけが、低硫黄留出物燃料製品として回収されるに過ぎない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
したがって、上述の欠点を有していない周囲条件にて液体である輸送機関用燃料の組成物、特に有機組成物が必要とされている。
本発明は、環境に優しい輸送機関用燃料の製油所ブレンド成分を提供するために、上述の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
周囲条件にて液体である輸送機関用燃料、又は輸送機関用燃料の製油所ブレンド成分、特に有機組成物として、経済的な組成物が提供される。特に、主成分として適切な有機物留出物と、制限された量ではあるが必須成分としての酸素含有有機物質と、を含み、該物質が典型的には天然石油由来のものである組成物が提供される。有益なことに、これらの輸送機関用燃料の酸素含量は、少なくとも0.02wt%である。好ましくは、これらの輸送機関用燃料の酸素含量は、約0.2wt%〜約10wt%の範囲にある。
【0024】
本発明の一側面は、燃料組成物又は燃料のブレンド成分であり、適切な初留点を示し且つ15ppm未満の硫黄を含む主成分としての有機物留出物と、燃料の酸素含量が約0.2wt%〜約20wt%となるような量の2種以上の酸素含有有機化合物と、を含む。
【0025】
有益なことに、本発明による組成物において、酸素含有有機化合物の量は、式
【0026】
【数1】
Figure 2004526011
【0027】
である。
組成物の一分類において、主成分は、天然石油由来の有機化合物の混合物である。組成物の別の分類において、主成分は、5〜約15個の炭素原子を含むアルカン類であり、その少なくとも85%はノルマルアルカン類である。本発明による組成物は、所望の燃料特性を強化する1種以上の燃料添加剤の有効量を更に含むことが有利である。
【0028】
本発明は、所望の燃料特性を強化することが知られている成分である燃料添加剤の使用を意図する。典型的には、燃料添加剤は、低レベル、すなわち総燃料の5%以下で有用であり、その有効量は0.01%を超える範囲にあることが多く、幾つかのセタン改良剤の場合には0.05%程度に低くてもよい。有用な燃料添加剤としては、セタン改良剤、デヘーズィアー(dehazier)/デマルシファイアー(解乳化剤)、抗酸化剤、金属不活剤、防錆剤、消泡剤、潤滑性改良剤、分散剤、清浄剤、流動点降下剤やくもり点降下剤などのコールドフロー改良剤などを挙げることができる。コールドフロー改良剤の好ましい分類は、コールドフロー特性を強化するエチレン及びビニルアセテートのコポリマー類からなる群より選択される。
【0029】
本発明の一側面は、圧縮着火内燃機関に用いる燃料であり、主成分としての有機物留出物と、燃料中の酸素含量が約0.2%〜約10%酸素の範囲になるような量の1種以上の酸素含有有機化合物と、を含み、この燃料はASTM D93により測定した場合に少なくとも38℃の適切な引火点を示し、15ppm以下の硫黄を含む。有利には、燃料は、少なくとも49℃の適切な引火点を示す。本発明の組成物は、ディーゼル燃料のコールドフロー特性を強化するエチレンとビニルアセテートのコポリマー類からなる群より選択される1種以上のディーゼル燃料添加剤の有効量をさらに含むことが有利である。
【0030】
本発明の別の側面は、スパーク着火内燃機関に用いる燃料であり、主成分としての有機物留出物と、燃料中の酸素含量が約0.2wt%〜約10wt%酸素の範囲になるような量の1種以上の酸素含有有機化合物と、を含み、この燃料は少なくとも6psiの適切なリード蒸気圧を示し且つ15ppm未満の硫黄を含む。
【0031】
本発明の一側面は、周囲条件にて液体である燃料の組成物又は燃料のブレンド成分であって、15ppm未満の硫黄を含む主成分としての有機物留出物と、燃料中の酸素含量が約0.2wt%〜約10wt%酸素の範囲にあるような量の天然石油由来の酸素含有有機化合物と、を含み、ただし、酸素の少なくとも10%は環式ベンジルケトン類中に含まれている。本発明による組成物は、燃料中酸素含量の少なくとも5%が環式ベンジルジケトン類中に含まれていることが有益である。本発明の組成物は、所望の燃料特性を強化する1種以上の燃料添加剤の有効量を更に含むことが有益である。
【0032】
周囲条件にて液体である好ましい燃料組成物又は燃料のブレンド成分は、15ppm未満の硫黄を含む主成分としての石油留出物と、燃料中の酸素含量が約0.2wt%〜約10wt%酸素の範囲になるような量の石油由来の酸素含有有機化合物と、を含み、ただし、酸素の少なくとも10%は、下記式
【0033】
【化1】
Figure 2004526011
【0034】
(式中、R1は、水素、及び1〜約10個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルからなる群より独立に選択され、xは、1〜4の整数であり、R2は、水素、ヒドロキシ、カルボニル酸素、1〜約10個の炭素原子を含む有機物部位からなる群より独立に選択され、yは1〜3の整数である)
により表されるアリールオキシジェネート中に含まれている。
【0035】
好ましい組成物は、以下
【0036】
【化2】
Figure 2004526011
【0037】
により表されるタイプのアリールオキシジェネートを含む。
好ましい組成物において、酸素の少なくとも10%は、
【0038】
【化3】
Figure 2004526011
【0039】
(式中、R1は、水素又は1〜約10個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである)
により表されるアリールオキシジェネート中に含まれる。
本発明の一側面は、天然石油由来の有機化合物の混合物であって、約10゜API〜約75゜APIの範囲の比重を有する混合物を分留して、硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分からなる少なくとも1の低沸点有機物部分と、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分からなる高沸点有機物部分と、を提供する工程と;マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム及びこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種の触媒金属源を含む可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で、該液体反応媒体がハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を実質的に含まないように維持しながら、気体状二酸素源を低沸点有機物部分の少なくとも一部と接触させて、炭化水素類、酸素添加有機化合物、反応水及び酸性副産物を含む不混和性相の混合物を形成する工程と;少なくとも炭化水素類、酸素添加有機化合物及び酸性副産物を含む低密度の第1の有機物液体と、触媒金属の少なくとも一部、反応水の少なくとも一部、及び酸性副産物の少なくとも一部を含む高密度の第2の液体と、を不混和性相の混合物から分離する工程と;分離された有機物液体の全部又は一部を中和剤と接触させて、低含有量の酸性副産物を有する低沸点酸素添加生成物を回収する工程と;を含む一体化プロセスにより形成された組成物を提供する。一体化プロセスは、触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持されている液体酸化反応混合物中で、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物の1種以上を酸化するに適する条件下で、高沸点有機物部分を少なくとも1種の有機物過酸又は有機物過酸の前駆体を含む不混和性相と接触させる工程と;反応混交物の酸化相から、不混和性過酸含有相の少なくとも一部を分離する工程と;反応混合物の酸化相を固体収着剤、イオン交換樹脂及び/又は溶剤又は可溶性塩基化学化合物を含む可溶性不混和性液体と接触させて、高沸点画分よりも少量の硫黄及び/又は窒素を含む高沸点生成物を得る工程と、を含む。
【0040】
本発明による有機化合物の選択酸化用の触媒系は、約8個までの炭素原子を有する有機酸の塩の形態でのマンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム及びこれらの混合物からなる群より選択される触媒金属源を含む。
【0041】
好ましくは、本発明による有機化合物の選択酸化用の触媒系は、式
M[RCOCH=C(−O)R’]n
(式中、nは2又は3である)
により表される化合物からなる群より選択される触媒金属源を含む。Mは、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ及びセリウムからなる群より選択され、好ましくはマンガン、コバルト及びセリウムからなる群より選択される。R及びR’は、水素原子、及び約20個までの炭素原子、好ましくは約10個までの炭素原子を有するメチル基、アルキル基、アリール基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群より選択される同一又は異なる基である。
【0042】
有利には、本発明による有機化合物の選択酸化用の触媒系は、式
Mn[RCOCH=C(O−)R’]2
Co[RCOCH=C(O−)R’]2及び/又は
Ce[RCOCH=C(O−)R’]3
(式中、R及びR’は、水素原子、及び約20個までの炭素原子、より好ましくは約8個までの炭素原子を有するメチル基、アルキル基、アリール基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群より選択される同一又は異なる基である。)
により表される群より選択される触媒金属源を含む。最も好ましくは、本発明による有機化合物の選択酸化用の触媒系は、式
Mn[CH3COCH=C(O−)CH32
Co[CH3COCH=C(O−)CH32
Ce[CH3COCH=C(O−)CH33
により表される化合物からなる群より選択される触媒金属源を含む。
【0043】
有益には、分離された有機液体の少なくとも一部は化学塩基水溶液と接触し、回収された酸素添加生成物は約20mgKOH/g未満の総酸価を示す。回収された酸素添加生成物は、約10mgKOH/g未満の総酸価を示すことが有利である。さらに好ましくは、酸素添加生成物は、約5未満の総酸価を示し、最も好ましくは約1未満の総酸価を示す。好ましくは、化学塩基は、水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩の形態でのナトリウム、カリウム、バリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選択される化合物である。
【0044】
本発明の好ましい一側面において、酸化供給原料の全部又は少なくとも一部は、約50℃〜約425℃の間で沸騰する物質から本質的になる石油留出物の水素添加プロセスの生成物である。ここで、水素添加プロセスは、水素添加条件にて、硫黄及び/又は窒素の水素処理された石油留出物からの水添除去を補助する水素添加触媒の存在下で、石油留出物を水素源と反応させる工程を含む。
【0045】
一般に、本発明に用いるために、不混和性相は、過酸化水素源及び/又はアルキルヒドロパーオキサイド、2〜約6個の炭素原子の脂肪族モノカルボン酸及び水を混合することにより形成される。有利には、不混和性相は、過酸化水素、酢酸及び水を混合することにより形成される。有利には、分離された過酸含有相の少なくとも一部を反応混合物に再循環させる。
【0046】
好ましくは、酸化条件として、約25℃〜約250℃の範囲の温度、及び反応混合物を実質的に液相に維持するに十分な圧力を挙げることができる。
酸化供給原料中の硫黄含有有機化合物は、例えば多環芳香族硫黄化合物におけるような硫黄原子が立体障害されている化合物を含む。典型的には、硫黄含有有機化合物は、少なくともスルフィド類、複素環式芳香族スルフィド類、及び/又は置換ベンゾチオフェン類及びジベンゾチオフェン類からなる群より選択される化合物を含む。
【0047】
有益なことに、本酸化プロセスは、非常に選択的であり、触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持されている液相反応混合物中の選択された有機過酸は、芳香族炭化水素類よりもむしろ、硫黄原子が立体障害されている化合物を好ましく酸化する。
【0048】
好ましくは、本発明の組成物を調製するために、適切な留出物画分は、選択的に酸化される前に、より好ましくは少なくとも1種の低沸点画分及び1種の高沸点画分の流出物を与えることができる設備を用いて、水添脱硫される。
【0049】
本発明をより完全に理解するために、以下のより詳細に記載された実施形態及び実施例を参照されたい。
[一般的記載]
有利には、本発明の触媒系は、元素形態、組み合わせ形態又はイオン形態であるマンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム及びこれらの混合物からなる群より選択される触媒金属源を含む。触媒金属は、好ましくは、マンガン、コバルト及びこれらの混合物からなる群より選択され、金属を用いることができる。
【0050】
好ましくは、触媒金属源は、式M[CH3COOH=C(O−)CH3x(式中、Mは触媒金属であり、xは2又は3である)を有する化合物である。反応媒体が、約10゜API〜約100゜APIの範囲の比重を有する炭化水素類の混合物である場合には、好ましい触媒金属源は、Co[CH3COOH=C(O−)CH32、Mn[CH3COOH=C(O−)CH32、Ce[CH3COOH=C(O−)CH32又はこれらの組み合わせである。反応媒体が、少量の硫黄含有有機化合物を有する低沸点画分である場合、より好ましい触媒金属源は、Co[CH3COOH=C(O−)CH32である。
【0051】
適切な供給原料は、一般に、周囲条件にて液体である炭化水素化合物から実質的になるほとんどの製油所ストリームを含む。適切な酸化供給原料は、一般に約10゜API〜約100゜APIの範囲の比重、好ましくは約10゜API〜約80゜APIの範囲の比重、より好ましくは最良の結果のために約15゜API〜約75゜APIの範囲のAPI比重を有する。これらのストリームとしては、流体接触法ナフサ、流体又はディレィド法ナフサ、軽質直留ナフサ、水添分解ナフサ、アルキレート、異性化油、接触改質油、並びにベンゼン、トルエン、キシレン及びこれらの組み合わせなどのこれらのストリームの芳香族誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。接触改質油及び接触分解法ナフサは、本発明による供給原料として用いるために特にカスタマイズされ得るより狭い沸点範囲のストリーム、例えば軽質接触ナフサ及び重質接触ナフサ、軽質接触改質油及び重質接触改質油に、しばしば分けることができる。好ましいストリームは、軽質直留ナフサ、軽質及び重質接触分解ユニットナフサを含む接触分解ナフサ、軽質及び重質接触改質油を含む接触改質油、及びこのような製油所炭化水素ストリームの誘導体である。
【0052】
適切な酸化供給原料は、大気圧にて、一般に約50℃〜約425℃の範囲の温度で、好ましくは150℃〜約400℃の範囲の温度で、より好ましくは最良の結果のために約175℃〜約375℃の範囲の温度で沸騰する製油所留出物ストリームを含む。これらのストリームとしては、直留軽質中間留出物、直留重質中間留出物、流体接触分解法軽質接触サイクル油、コークス蒸留器留出物、水添分解器留出物、及びこれらのストリームを集合的に又は個別に水素処理した態様などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好ましいストリームは、流体接触分解法軽質接触サイクル油、コークス蒸留器留出物及び水添分解器留出物を集合的に又は個別に水素処理した態様である。
【0053】
酸化供給原料として用いるために、上記の留出物ストリームの1種以上を組み合わせてもよいことも理解されるであろう。多くの場合、種々の代替供給原料から得られる製油所輸送機関用燃料又は製油所輸送機関用燃料のブレンド成分の性能は、類似しているであろう。これらの場合、ストリームの有効容積、最も近い接続の位置、短期経済性などの戦略的な物流管理がどのストリームが有用であるかを決定するであろう。
【0054】
典型的には、石油画分中の硫黄化合物は、比較的非極性である複素環式芳香族スルフィド類、例えば置換ベンゾチオフェン類やジベンゾチオフェン類などである。一見すると、複素環式芳香族硫黄化合物は、これらの複素環式芳香族だけに起因するいくつかの特性に基づいて、選択的に抽出可能であるように見えるかもしれない。これらの化合物中の硫黄原子が、ルイス塩基として分類される2個の非結合性電子対を有する場合でさえも、この特性は、ルイス酸により抽出するために十分ではない。換言すれば、低レベルの硫黄を達成するために、複素環式芳香族硫黄化合物の選択的抽出は、スルフィド類と炭化水素類との間の極性のより大きな差違を必要とする。
【0055】
本発明による液相酸化によって、これらのスルフィド類をより極性であるルイス塩基性酸素添加硫黄化合物、例えばスルホキシド類やスルホン類に選択的に転化することが可能である。ジメチルスルフィドなどの化合物は、非常に非極性の分子である。したがって、製油所ストリーム中にみられるベンゾチオフェンやジベンゾチオフェンなどの複素環式芳香族スルフィド類を選択的に酸化することにより、本発明のプロセスは、より高い極性をこれらの複素環式芳香族化合物に選択的に与えることができる。これらの望ましくない硫黄化合物の極性が本発明による液相酸化によって増加する場合、これらを極性溶媒及び/又はルイス酸収着剤により選択的に抽出することができ、一方、炭化水素ストリームの大半には影響を与えない。
【0056】
さらに非結合性電子対を有する他の化合物としては、アミン類を挙げることができる。複素環式芳香族アミン類もまた、スルフィド類がみられる上述の同じストリーム中に見いだされる。アミン類は、スルフィド類よりも塩基性である。孤立電子対は、Bronstad-Lowry塩基(プロトン受容体)並びにルイス塩基(電子供与体)として機能する。この電子対は、原子上で、スルフィド類に対すると同様の態様で、酸化を受けやすくする。
【0057】
本明細書にて開示するように、酸化供給原料は、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物の1種以上を酸化するに適する条件下で、−OOH基本構造を含む少なくとも1種の有機過酸又は有機過酸の前駆体を含む不混和性相と接触し、液相反応混合物は、触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持されている。本発明に用いる有機過酸は、好ましくは、過酸化水素及びカルボン酸の組み合わせから作られる。
【0058】
有機過酸に関して、カルボニル炭素は、水素又は炭化水素ラジカルに付いている。一般に、このような炭化水素ラジカルは、1〜約12個の炭素原子、好ましくは約1〜約8個の炭素原子を含む。より好ましくは、有機過酸は、過蟻酸、過酢酸、トリクロロ酢酸、過安息香酸及び過フタール酸及びこれらの前駆体からなる群より選択される。最良の結果のために、本発明のプロセスは、過酢酸又は過酢酸の前駆体を用いる。
【0059】
大略的には、ここで用いる有機過酸の適当な量は、酸化供給原料中の硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物の1種以上を酸化するに必要な化学量論量であり、選択された供給原料での直接実験により容易に決定される。より高濃度の有機過酸では、選択率は、一般に、スルホキシドよりもさらに極性が高いより高度に酸化されたスルホンで高くなる傾向にある。
【0060】
出願人は、酸化反応が、酸素原子が実際に硫黄原子に供与される協同の非ラジカル機構による有機過酸と二価硫黄原子との迅速な反応を含むと考える。前述のように、より多くの過酸の存在下では、スルホキシドは、おそらく同じ機構によって、スルホンまでさらに転化される。同様に、アミノの窒素原子はヒドロペルオキシ化合物により同じ態様で酸化されると予測される。
【0061】
本発明による液相反応混合物中での酸化が酸素原子が二価の硫黄原子に供与される工程を含むという説明は、本発明によるプロセスが実際にこのような反応機構を介して進行する、ことを必ず含むというわけではない。
【0062】
触媒活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持されている液体反応混合物中で、酸化供給原料を過酸含有不混和性相と接触させることで、単環芳香族類の共酸化があるか否かに関わらず、緻密に置換されたスルフィド類を対応するスルホキシド類及びスルホン類まで酸化する。これらの酸化生成物は、これらの高い極性故に、吸着及び抽出などの分離技術により、容易に除去され得る。水素処理されたストリーム中の緻密に置換されたスルフィド類の少量と共に、酸化剤の高度な選択率によって、本発明は、収率損失が最小で、特に効果的な脱硫手段となる。収率損失は、酸化された緻密に置換したスルフィド類の量に対応する。水素処理された原油中に存在する緻密に置換されたスルフィド類の量は、むしろ少ないので、収率損失も対応して少なくなる。
【0063】
大略的には、液相酸化反応は、むしろ穏やかであり、室温程度に低い温度で実施することすらできる。特に、液相酸化は、緻密に置換されたスルフィド類を対応するスルホキシド類及びスルホン類に合理的な速度で転化することができる任意の条件下で行うことができる。
【0064】
本発明によれば、酸化供給原料が有機過酸含有不混和性相と接触する間の酸化に適する液体混合物の条件としては、所望の酸化反応が進行する任意の圧力を挙げることができる。典型的には、約10℃以上の温度が適切である。好ましい温度は、約25℃〜約250℃の間であり、約50℃〜約150℃の間の温度がより好ましい。最も好ましい温度は、約115℃〜約125℃の間である。
【0065】
本発明の一体化プロセスは、スルホキシド類及びスルホン類を除去することができる固体収着剤を用いる1以上の選択分離工程を含むこともできる。このような収着剤の例としては、通常当業者に公知の活性炭、活性ボーキサイト、活性クレイ、アルミナ及びシリカゲルを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。酸化された硫黄含有炭化水素物質は、炭化水素相の硫黄含量を減少させるに十分な時間、固体収着剤と接触する。
【0066】
本発明の一体化プロセスは、酸化された硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物を選択的に抽出するに適する誘電率を有する不混和性溶剤を用いる1種以上の選択分離工程を含むこともできる。好ましくは、本発明は、約24〜約80の範囲の誘電率を示す溶剤を用いる。最良の結果のために、本発明のプロセスは、水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物からなる群より選択される化合物を含む溶剤を用いる。
【0067】
本発明の一体化プロセスは、可溶性塩基化学化合物を含む不混和性液体を用いる1種以上の選択分離工程を含むこともできる。炭化水素物質を含む酸化された硫黄は、炭化水素相の硫黄含量を減少させるに十分な時間、化学塩基の溶液と接触する。
【0068】
一般に、適切な塩基化合物としては、アンモニア、もしくは周期律表I族、II族及び/又はIII族から選択される元素の任意の水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩を挙げることができ、焼成ドロマイト物質及びアルカリ化アルミナを用いることもできる。加えて、異なる塩基の混合物を利用することもできる。好ましくは、塩基化合物は、周期律表I族及び/又はII族元素の水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩から選択される。より好ましくは、塩基化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸バリウム、重炭酸カルシウム、又は重炭酸マグネシウムから選択される。最良の結果のために、本発明のプロセスは、アルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択されるアルカリ金属水酸化物を含む水溶液を用いる。一般に、硫黄1モルあたり、約1モル塩基〜4モル塩基のモル濃度の塩基水酸化物の水溶液が適する。
【0069】
本発明による硫黄分離工程を実施するには、大気圧付近の圧力及び大気圧よりも高い圧力が適するであろう。例えば、100気圧以下の圧力を用いることができる。
本発明のプロセスは、有利には、酸化供給原料の接触水添脱硫を含み、液体供給原料から気体として分離され、固体収着剤上に集められ、及び/又は水性液体で洗浄され得る硫化水素を形成する。酸化供給原料が、水素処理された石油留出物からの硫黄及び/又は窒素の除去を促進するための石油留出物の水素添加プロセスの生成物である場合、本発明に必要な過酸の量は、本発明により処置中の水素処理ストリーム中に含まれる緻密に置換された硫黄を酸化するために必要な化学量論量である。好ましくは、緻密に置換された硫黄のすべてを酸化する量が用いられる。
【0070】
本発明において水素添加に有用な留出物は、大気圧にて、約50℃〜約425℃の範囲、好ましくは150℃〜約400℃の範囲、より好ましくは約175℃〜約375℃の範囲で沸騰する製油所ストリームの1種、数種又はすべてから本質的になる。本発明にとって、「本質的になる」とは供給原料の少なくとも95容量%として規定される。蒸留生成物中の軽質炭化水素成分は、一般に、ガソリンに回収されることがより有益であり、これらの低沸点物質の留出燃料中の存在は、留出燃料の引火点を制限することが多い。400℃を超えて沸騰する重質炭化水素成分は、一般に、FCC供給物として処理されてガソリンに回収されることがより有益である。留出燃料中の重質炭化水素成分の存在は、留出燃料の終点規格をさらに制限する。
【0071】
本発明における水素添加のための留出物は、高硫黄原油、低硫黄原油、コークス器留出物、接触分解器軽質接触サイクル油、接触分解器重質接触サイクル油、水添分解器及び残油水素処理設備からの留出物沸騰範囲生成物から派生した高硫黄及び低硫黄直留留出物を含むことができる。一般に、コークス器留出物、軽質接触サイクル油及び重質接触サイクル油は、80wt%(FIA)程度に高い範囲にあるほとんどの高級芳香族供給原料成分である。コークス器留出物及びサイクル油芳香族の大部分は、少量の三環芳香族を伴う単環芳香族及び二環芳香族として存在する。高硫黄及び低硫黄直留留出物などの直留ストックは、高くても20wt%程度の範囲でのより低い芳香族含量である。一般に、水素添加設備供給原料の芳香族含量を総合すると、約5wt%〜約80wt%の範囲であり、より典型的には約10wt%〜約70wt%の範囲であり、最も典型的には約20wt%〜約60wt%の範囲である。制限された運転容量を有する留出物水素添加設備において、接触プロセスは、十分な空間速度にて平衡生成芳香族濃度まで進行することが多いので、最も高い芳香族性のオーダーで供給原料を処理することが有益である。この態様において、最大の留出物プール脱芳香族化が一般的に達成される。
【0072】
本発明における水素添加のための留出物における硫黄濃度は、一般に、高硫黄原油及び低硫黄原油の混合物、原油容量の1バレルあたりの製油所の水素添加容量、及び留出物水素添加供給原料成分の別の処理の関数である。より高い硫黄分の留出物供給原料成分は、一般に、高硫黄原油、コークス器留出物、及び比較的高い硫黄分の供給原料を処理する流体接触分解ユニットからの接触サイクル油から派生した直留留出物である。これらの留出物供給原料成分は、元素状硫黄が2wt%程度に高い範囲であってもよいが、元素状硫黄が一般に約0.1wt%〜約0.9wt%の範囲である。水素添加設備が、第1ステージ脱窒及び脱硫ゾーン並びに第2ステージ脱芳香族化ゾーンを有する2ステージプロセスである場合、脱芳香族化ゾーン供給原料硫黄含量は、元素状硫黄が約100ppm〜約0.9wt%の範囲であってもよく、もしくは約10ppm〜約0.9wt%程度に低くてもよい。
【0073】
本発明における水素添加のための留出物の窒素含量もまた、一般に、原油の窒素含量、原油容量1バレルあたり製油所の水素添加容量、及び留出物水素添加供給原料成分の別の処理の関数である。より高い窒素分の留出物供給原料は、一般に、コークス器留出物及び接触サイクル油である。これらの留出物供給原料成分は、高くても2000ppmの範囲であるが一般には約5ppm〜約900ppmの範囲にある総窒素濃度を有するものでもよい。
【0074】
接触水素添加プロセスは、触媒の固定床、移動流動床又は沸騰床内で比較的穏やかな条件下で行うことができる。好ましくは、再生が必要になるまでに比較的長時間が経過する条件下、例えば約200℃〜約450℃の範囲、好ましくは約250℃〜約400℃の範囲、最も好ましくは最良の結果のために約275℃〜約350℃の範囲の平均反応ゾーン温度で且つ約6気圧〜約160気圧の範囲内の圧力の条件下で、触媒の固定床を用いる。
【0075】
水添脱硫工程にとって必要な圧力及び水素の量を最小にしながら、水素添加が極度に良好な硫黄除去を呈する特に好ましい圧力範囲は、20気圧〜60気圧、より好ましくは約25気圧〜40気圧の範囲内である。
【0076】
本発明によれば、適切な留出物は、好ましくは、選択酸化の前に水添脱硫され、より好ましくは、少なくとも1種の低沸点画分及び1種の高沸点画分の流出物を提供することができる設備を用いて行われる。
【0077】
特定の水素添加設備が2ステージプロセスである場合、第1ステージは脱硫及び脱窒用に設計され、第2ステージは脱芳香族化用に設計されることが多い。これらの運転において、脱芳香族化ステージに入る供給原料は、実質的により低い窒素含量及び硫黄含量であり、水素添加設備に入る供給原料よりも芳香族含量を低くすることができる。
【0078】
一般に、本発明に有用な水素添加プロセスは、留出物予備加熱工程で開始する。留出物は、反応ゾーン入口温度の目標値まで最終的に予備加熱する炉に入る前に、供給物/流出物熱交換機内で予備加熱される。留出物は、予備加熱の前に、予備加熱中に及び/又は予備加熱後に、水素ストリームと接触してもよい。水素含有ストリームは、さらに、単一ステージ水素添加プロセスの水素添加反応ゾーンもしくは2ステージ水素添加プロセスの第1ステージ又は第2ステージの何れかに添加することができる。
【0079】
水素ストリームは、純粋水素でもよいし、あるいは炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、水、硫黄化合物などの希釈剤で混合された状態でもよい。水素ストリームの純度は、水素が少なくとも約50容量%水素、好ましくは少なくとも約65容量%水素、より好ましくは最良の結果のために少なくとも約75容量%水素であるべきである。水素は、水素プラント、接触改質設備又は他の水素製造プロセスから供給することもできる。
【0080】
反応ゾーンは、同一又は異なる触媒を含有する1以上の固定床反応器からなるものでもよい。2ステージプロセスは、脱硫及び脱窒用の少なくとも1の固定床反応器と、脱芳香族用の少なくとも1の固定床反応器と、を有するように設計することもできる。固定床反応器は、さらに、複数の触媒床を含むこともできる。単一の固定床反応器内の複数の触媒床は、さらに、同一又は異なる触媒を含むこともできる。触媒が多重床固定床反応器内で異なる場合には、最初の床は一般に脱硫及び脱窒用であり、続く床は脱芳香族化用である。
【0081】
水素添加反応は、一般に、発熱反応であるから、固定床反応器の間又は同一の反応器シェル内の触媒床の間の熱転移器からなる段間冷却を用いることができる。水素添加プロセスから発生した熱の少なくとも一部は、水素添加プロセスで用いるために回収されることが有益であることが多い。この熱回収オプションを用いることができない場合には、冷却水又は冷却空気などの冷却ユーティリティを通して、もしくは反応器に直接注入した水素急冷ストリームを用いて、冷却を行ってもよい。2ステージプロセスは、反応器シェルあたりの発熱温度を低下させ、より良好な水素添加反応器温度制御を提供することができる。
【0082】
反応ゾーン流出物は、一般に冷却され、流出物ストリームは水素を除去するための分離器装置に送られる。回収された水素の幾分かは、プロセスに戻されてもよく、水素の幾分かはプラント又は製油所燃料などの外部システムにパージされてもよい。水素パージ速度は、最小の水素純度を維持して、硫化水素を除去するように、制御されることが多い。再循環された水素は、一般に圧縮され、「メークアップ」水素で補填され、さらなる水素添加のプロセスに注入される。
【0083】
分離器装置の液体流出物は、軽質炭化水素類を除去してより適切な炭化水素プールに送るストリッパー装置内で処理されてもよい。好ましくは、分離器及び/又はストリッパー装置は、少なくとも1種の低沸点液体画分及び1種の高沸点液体画分の流出物を提供することができる手段を含む。液体流出物及び/又はその1以上の液体画分は、液体有機化合物に酸素を組み込むため及び/又は液体生成物からの硫黄又は窒素の酸化除去を補助するため、続いて処理される。液体生成物は、次いで、一般的に、最終的な石油生成物の製造用のブレンド設備に移送される。
【0084】
水素添加プロセスにおいて用いられるべき運転条件は、約200℃〜約450℃、好ましくは約250℃〜約400℃、最も好ましくは最良の結果のために約275℃〜約350℃の平均反応ゾーン温度を含む。これらの温度よりも低温の反応温度では、水素添加があまり効果的ではない。過剰に高温過ぎる温度では、熱力学的芳香族減少限界に達し、水素分解及び触媒の不活性化が生じて、エネルギーコストを増加させてしまう。
【0085】
水素添加プロセスは、典型的には約400psig〜約2,000psigの範囲、より好ましくは約500psig〜約1,500psigの範囲、最も好ましくは最良の結果のために約600psig〜約1,200psigの範囲の反応ゾーン圧力で運転する。水素循環速度は、一般に、約500SCF/Bbl〜約20,000CF/Bblの範囲、好ましくは約2,000SCF/Bbl〜約15,000SCF/Bblの範囲、最も好ましくは最良の結果のために約3,000SCF/Bbl〜約13,000SCF/Bblの範囲である。これらの範囲よりも低い反応圧力及び水素循環速度では、より高い触媒の不活性化速度が生じて、結果的に脱硫、脱窒及び脱芳香族化があまり効果的ではなくなる。過剰に高い反応圧力は、エネルギー及び設備コストを上昇させ、限界利益を減少させる。
【0086】
水添脱硫にとって有用な触媒は、有機化合物の混合物への水素の組み込みを強化することができ、こうして少なくとも硫化水素を形成する成分と、触媒担持成分と、を含む。触媒担持成分は、典型的には、モルデナイト、及びシリカ、アルミナ又はシリカ−アルミナなどの耐火性無機酸化物を含む。モルデナイト成分は、約10wt%〜約90wt%の範囲、好ましくは約40wt%〜約85wt%の範囲、最も好ましくは最良の結果のために約50wt%〜約80wt%の範囲の量で担体中に存在する。本発明において用いるに適切な耐火性無機酸化物は、約50〜約200Åの範囲、より好ましくは最良の結果のために約80〜約150Åの範囲の孔径を有する。合成されたままのモルデナイトは、約5:1のシリコン対アルミニウムの比率及びその結晶構造によって特徴づけられる。
【0087】
水素処理による石油留出物画分からのこのような複素環式芳香族スルフィド類のさらなる減少は、これらの化合物を炭化水素類及び硫化水素(H2S)に転化するために、ストリームを非常に厳しい接触水素添加に供することを必要とする。典型的には、炭化水素部位が大きくなるほど、スルフィドを水素添加することが困難になる。したがって、水素処理後に残っている残留有機硫黄化合物は、最も緻密に置換されたスルフィド類である。
【0088】
接触水素添加による脱硫に続いて、本明細書に開示するように、脱硫された有機化合物の混合物からの硫黄又は窒素のさらなる選択除去は、酸素を硫黄又は窒素含有有機化合物に組み込み、こうして酸素添加供給原料からの硫黄又は窒素の選択除去を補助することにより、達成することができる。
【0089】
[概要]
炭化水素生成物の酸素添加は、供給物及び生成物の高精度の炭素及び水素分析の差違により決定した。
【0090】
【数2】
Figure 2004526011
【0091】
[実施例1]
本実施例において、約130ppmのレベルでの硫黄を含む水添脱硫された留出物を生成させるに適切な条件下で、約500ppmレベルの硫黄を含有する製油所留出物を水素処理し、水素処理留出物150として識別した。水素処理留出物150を以下の表に示す温度で集めた4種類の画分にカットした。
【0092】
【表1】
Figure 2004526011
【0093】
蒸留点のこの範囲での水素処理留出物150の分析結果はTable Iに示す。本発明によれば、約260℃〜約300℃の範囲の温度以下で集められた画分は、水素処理留出物150を、硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分と、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分と、に分けた。
【0094】
[実施例2]
本実施例において、約15ppmのレベルでの硫黄を含む水添脱硫された留出物を生成させるに適切な条件下で、約500ppmレベルの硫黄を含有する製油所留出物を水素処理し、水素処理留出物15として識別した。
【0095】
蒸留点のこの範囲での水素処理留出物15の分析結果はTable IIに示す。本発明によれば、約260℃〜約300℃の範囲の温度以下で集められた画分は、水素処理留出物15を、硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分と、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分と、に分けた。
【0096】
【表2】
Figure 2004526011
【0097】
【表3】
Figure 2004526011
【0098】
[実施例3]
本実施例は、S−25として識別された水素処理された製油所留出物の本発明による接触酸素添加を記載する。公称容積5ガロンでチタニウム製の攪拌反応器に、S−25を18lbsと、コバルト(II)アセチルアセトネートヒドレート(Aldrich カタログNo.34,461−5、22.9wt%コバルト含有)を18.81g装填した。これは、水素処理された留出物中、0.23wt%のコバルト(II)アセチルアセトネートヒドレート濃度、すなわち留出物中527ppmを与えた。
【0099】
次いで、反応器を密封して、窒素ガスでパージして、100psigまで加圧した。攪拌速度は、700rpmであった。反応器内容物を128℃まで予備加熱するために、熱を外部の電気ヒーターを介して反応器の壁に与えた。
【0100】
酸素含有ガスストリーム(約8容量%分子状酸素及び92容量%分子状窒素)を初期流速50scfhで、攪拌装置の底部インペラのすぐ下の反応器の底部に注入することによって、反応器内容物の酸化を開始した。こうして、ガスが液体に分散するようになるにつれ、反応器内の液体レベルが上昇した。液体レベルの頂部から出るガスは、反応器の上部内で液体からほとんど乖離し、水冷オーバーヘッドコンデンサを通って、気−液分離器(ノックアウトタンク)を通って、及び圧力調節制御弁を通って、下流に流れる。この排気ガスストリームの一部を、幾つかのオンライン分析器を通過させて、バッチ酸素添加の間、排気ガス中の酸素、一酸化炭素及び二酸化炭素の濃度を連続的に監視した。酸素添加反応器を出るガスストリームを伴う液体を気−液分離器に集めて、ギアポンプを介して連続的に酸素添加反応器に戻した。
【0101】
酸素添加反応器内のガス圧力は、所望の反応器圧力を達成するべく圧力調節制御弁を調節する供給原料制御ループを介して自動制御した。反応器内の温度は、酸素添加反応器の底部に位置づけられた冷却コイルを通る蒸留水の制御された流れを介して制御した。蒸留水フローは、冷却コイルの上流にあるマイクロ計量弁を手動調節することにより制御した。冷却コイルを大気圧で運転し、冷却コイルに入る蒸留水をすぐに蒸気に気化させ、水の気化を介して反応混合物から熱を除去した。排気ガスストリーム中の酸素濃度は、酸素添加反応器に入る酸素含有ガスの流速を調節することによって制御した。酸素含有ガスの流速は、マスフローメーターを介して計測し、フローコントロールバルブを介して制御した。
【0102】
酸素添加の開始後、反応温度が上昇し始め、酸素消費速度が増加するにつれ、酸素含有ガスのフローをゆっくりと増加させた。10分後、反応温度は、約141℃に達し、ガス供給速度は、200scfhであり、排気ガス中に酸素は検出されなかった。20分後、反応温度は、約142℃に達し、ガス供給速度は375scfhで、排気ガス中の酸素濃度は0.87容量%であった。26分後、反応温度は約141℃で、ガス供給速度は423scfhで、排気ガス中の酸素濃度は1.36容量%であった。
【0103】
36分後、酸素含有ガスのフローを停止して反応器に窒素を流してパージし、バッチ反応を停止させた。反応温度が低下したので、蒸留水の冷却コイルへのフローを停止させた。次いで、反応器を減圧して、反応器の内容物を5ガロン容器に移した。生成物は、総液体容積の約95%を占めるバルク層を伴う液体の2層からなっていた。
【0104】
GS−25として識別される未処理バルク層の部分をセタン評価及び他の分析のために抜き出した。GS−25を分析したところ、酸素レベルは2.75%、硫黄レベルは10ppm、窒素レベルは7ppm、総酸価は10.7mgKOH/gであった。GS−25のセタン評価は、59.9であったが、セタン評価エンジンは、ラフに走行した。未酸素添加留出物S−25のセタン評価は、49.9であった。
【0105】
[実施例4]
本実施例は、セタン価を加えた重炭酸ナトリウム水溶液を用いるGS−25の後酸素添加処理を記載する。実施例3のGS−25の一部を重炭酸ナトリウム水溶液で処理し、水で洗浄し、無水3Aモレキュラーシーブ上で乾燥させ、濾過した。濾過した物質をセタン評価及び他の分析に供した。バルク層の処理部分を分析したところ、酸素レベルが1.67%、硫黄レベルが7ppm、窒素レベルが9ppm、総酸価が2.1mgKOH/gであった。この後処理バルク層のセタン評価は、62.9であったが、この場合、セタン評価エンジンは非常に滑らかに走行した。
【0106】
[実施例5]
水素処理製油所留出物S−25を分留して、コバルト(II)塩を含む可溶性有機化合物を用いる接触酸素添加用の供給原料を準備した。約288℃以下の温度で集められた画分は、硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分であり、S−25−B288として識別した。約288℃の温度を超える温度で集められた画分は、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分であり、S−25−A288として識別した。S−25−B288の分析をしたところ、硫黄含量は10ppm、窒素含量は5ppmで、炭素87.01%、水素12.98%、16.5%の芳香族炭素を伴うものであった。
【0107】
300mLのParr圧力反応器底部に、S−25−B288及びコバルト(II)ビス−アセチルアセトネートヒドレートを装填して、750ppmのコバルト濃度とした。反応器を密封して、100psigで窒素を注いで充填した。反応器の内容物を攪拌しながら、約135℃の設定温度まで加熱した。その温度で短時間後、窒素フローを7scfhの速度で窒素中8%の分子状酸素を含む気体混合物で置換した。
【0108】
34分の反応時間の終期に、気体混合物(窒素中8%分子状酸素)のフローを窒素で置換した。反応器を冷却した後、系を減圧して、開封して、酸素添加混合物をGS−25−B288として識別した。酸素添加混合物GS−25−B288のサンプルを無水硫化ナトリウムで乾燥させて分析した。
【0109】
本実施例のGS−25−B288の分析は、3ppmの硫黄含量、すなわち70%の硫黄減少、3.8%の酸素、7.4mgKOH/gの総酸価であった。
【0110】
[実施例6]
本実施例のために、5ガロン圧力反応器をS−25−B288の別の部分及びミネラルスプリット中コバルト(II)オクトエートで装填して、コバルト濃度750ppmとした。反応時間を39分に延長した以外は実施例3と同様に酸素添加を行った。S−25−B288−1として識別された酸素添加S−25−B288の分析は、4.18%の酸素、11.8mgKOH/gの総酸価であった。
【0111】
本実施例の手順を10回繰り返して、後処理試験のための酸素添加生成物の補給をブレンドすることにより得た。1〜10まで番号が付けられたGS−25−B288−XのブレンドをBSG−25−B288として識別した。各酸素添加生成物GS−25−B288−Xは、2層からなっていた。頂部(バルク)層をより下の層から静かに移動させて、頂部層を後酸化処理に用いた。
【0112】
より大きな磁気攪拌棒を装備する4リットルのErlenmeyerフラスコに、GS−25−B288−X酸素添加生成物1リットルを装填した。磁気攪拌棒を開始させて、約500mLの重炭酸ナトリウム飽和水溶液を注意深くフラスコに添加した。水性塩基の全量を添加したら、攪拌棒を最大速度に強めて、不混和性相の混合物を約20分間攪拌させた。ここで、攪拌を停止して、混合物を2リットルの分液漏斗に注いで、2相の不混和性相を分離させた。
【0113】
底部の水性層を除去し、処分した。新鮮な重炭酸ナトリウム水溶液による処理を必要なだけ繰り返して、酸性副産物のレベルを減少させた。この抽出された物質をErlynmeyerフラスコに移して、約500mLの脱イオン蒸留水をフラスコに添加した。約10分間の攪拌後、混合物を再び分液漏斗に注いで、層を分離させた。底部の水性層を抜き出して処分した。
【0114】
後処理プロセスの次の工程のために、ID3インチ×長さ24インチのLC型カラムを約3リットルの乾燥3Aモレキュラーシーブで充填した。重炭酸ナトリウム抽出物及び洗浄処理したBSG−25−B288を組み合わせたブレンドをカラム全体に滴下して、任意の残留水を除去した。この物質をE6−Fとして識別して、実施例18におけるブレンドに用いた。
【0115】
[実施例7]
本実施例のために、300mLのParr圧力反応器底部に、S−25及びコバルト(II)ビス−アセチルアセトネートヒドレートを装填して、543ppmのコバルト濃度とした。反応時間を33分とした以外は実施例5と同様にして、S−25の酸素添加を行った。本実施例における酸素添加S−25の分析は、11ppmの硫黄含量、すなわち45%の硫黄減少、9ppmの窒素含量、すなわち50%の窒素減少、3.61%の酸素、及び7.1mgKOH/gの総酸化であった。
【0116】
[実施例8〜11]
水素処理製油所流分S−25を分留して、過酸化水素及び酢酸を用いる酸化供給原料を準備した。約300℃以下の温度で集めた画分は、硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分であり、S−25−B300として識別した。S−25−B300の分析は、3ppmの硫黄含量、2ppmの窒素含量、36.2%単環芳香族、1.8%二環芳香族、37.9%の総芳香族であった。約300℃を超える温度で集めた画分は、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分であり、S−25−A300として識別した。S−25−A300の分析は、35ppmの硫黄含量、31ppmの窒素含量、15.7%単環芳香族、5.8%二環芳香族、1.4%三環芳香族、22.9%の総芳香族であった。
【0117】
還流コンデンサ、機械的攪拌装置、窒素入口及び出口を装備する250mLの三首丸底フラスコに、S−25−A300を100g装填した。反応器には、さらに、種々の量の氷酢酸、蒸留脱イオン水、及び30%過酸化水素水を装填した。混合物を攪拌しながら、窒素のわずかなフローの下で、約93℃〜約99℃にて、約2時間、加熱した。反応時間の終期に、攪拌を停止すると、フラスコの内容物は速やかに2液層を形成した。頂部層(有機物)のサンプルを抜き出して、無水硫化ナトリウムで脱水した。約0.1gの二酸化マンガンを添加して残留過酸化水素を分解する前に、フラスコの内容物を攪拌し、大気温度まで冷却させた。このとき、反応器内容物の全体を集める前に、混合物をさらに10分間攪拌した。
【0118】
Table IIIは、酢酸の濃度が増加すると水性層中の総硫黄濃度が増加することを示す変数及び分析データを示す。酢酸レベルの増加は、有機層中の総硫黄を35ppm減少させる。これらのデータは、本発明の基本的な要素は、カルボニル炭素が水素又は炭化水素ラジカルに付いている有機過酸の使用であることを明示する。一般に、このような炭化水素ラジカルは、1〜約12個の炭素原子、好ましくは約1〜約8個の炭素原子を含む。酢酸は、酸素添加硫黄化合物を有機相から水相に抽出することを示す。酢酸なしでは、有意な水相への硫黄の移動は観察されなかった。
【0119】
【表4】
Figure 2004526011
【0120】
[実施例12]
水素処理製油所留出物S−25を分留して、過酸化水素及び酢酸を含有する不混和性水溶液相を用いる酸化供給原料を準備した。約316℃よりも高温で集めたS−25の画分は、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分であり、S−25−A316として識別した。S−25−A316の分析は、80ppmの硫黄含量、102ppmの窒素含量であった。
【0121】
還流コンデンサ、磁気攪拌棒又は機械的攪拌装置、窒素入口及び出口を装備する250mLの三首丸底フラスコに、100gのS−98−25−A316、75mLの氷酢酸、25mLの水、及び17mLの過酸化水素(30%)を装填した。混合物を100℃まで加熱して、非常にわずかなハウス窒素フロー下で2時間、激しく攪拌した。
【0122】
反応時間の終期に、頂部層(有機物)の分析をしたところ、硫黄が54ppmで窒素が5ppmの総硫黄及び窒素であることがわかった。フラスコの内容物を再び攪拌して、室温まで冷却した。室温にて、約0.1gの二酸化マンガン(MnO2)を添加して、過剰の過酸化水素を分解し、撹拌を10分間、続けた。次いで、フラスコの内容物全体を排気口付キャップを有するボトルに注いだ。底部層(水層)を分析したところ、総硫黄は44ppmであった。
【0123】
[実施例12a]
氷酢酸100mLを装填したが水を装填せずに、水素処理製油所留出物S−25−A316の第2の酸化を実施例12に記載したように行った。有機層は、硫黄27ppm及び窒素3ppmを含むようであった。水層は、硫黄81ppmを含んでいた。
【0124】
[実施例12b]
実施例12及び実施例12aの両方からのフラスコの内容物全体を組合せた。次いで、底部層を取り除き、両方の実験からの有機層を組み合わせたものを残した。有機層を無水硫化ナトリウムで乾燥させ、プロセスからの残留水を取り除いた。使用済み硫化ナトリウムを真空濾過により取り除いた後、濾過物:アルミナの比率が7:1〜10:1となるように十分なアルミナを通過させて、濾過物をパーコレート濾過した。アルミナから出てくる有機層の分析をしたところ、総硫黄32ppm、総窒素5ppmであった。
【0125】
[実施例13]
S−150として識別された水素処理製油所留出物を分留して、過酸化水素及び酢酸で形成された過酸を用いる酸化供給原料を準備した。S−150を分析したところ、硫黄含量113ppm、窒素含量36ppmであった。約316℃を越えた温度で集めたS−98の画分は、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分であり、S−150−A316として識別した。S−150−A316を分析したところ、硫黄含量580ppm、窒素含量147ppmであった。
【0126】
水ジャケット付還流コンデンサ、機械的攪拌装置、窒素入口及び出口、variac(商標)スライダックにより制御される加熱マントルを装備する3リットル三首丸底フラスコに、S−150−A316を1kg、氷酢酸を1リットル、30%過酸化水素を170mL装填した。
【0127】
わずかな窒素フローで開始して、次いで、このガスがゆっくりと反応器内容物の表面上を掃くように流した。攪拌装置をスタートさせて、流出物を混合し、内容物を加熱した。温度が93℃に達したら、内容物を120分間の反応時間の間、この温度に保持した。
【0128】
反応時間経過後、内容物を攪拌しながら、加熱マントルを停止させて取り除いた。約77℃にて、攪拌を一時的に停止させ、約1gの二酸化マンガン(MnO2)を丸底フラスコの一つの首から、二相性混合物に添加して、未反応の過酸化水素を分解させた。再び、攪拌装置で内容物の攪拌を再開し、混合物を約49℃の温度まで冷却した。攪拌を停止して、有機層(頂部層)及び水相(底部層)の両者を分離させたところ、直ちに分離した。
【0129】
底部層を取り除いて、さらなる分析のために、軽く蓋をしたボトル内で保存して、未分解過酸化水素から酸素を蒸発させた。底部層の分析によれば、硫黄は225ppmであった。
【0130】
反応器に、重炭酸ナトリウム飽和水溶液500mLを注意深く装填して、有機層を中和した。重炭酸ナトリウム添加後、混合物を10分間、素早く攪拌して、残りの酢酸を中和させた。有機物を無水3Aモレキュラーシーブで乾燥させた。PS−150−A316として識別した乾燥有機層の分析は、硫黄143ppm、窒素4ppm、総酸価0.1mgKOH/gであった。
【0131】
[実施例14]
500mLの分液漏斗に、PS−150−A316を150mL、メタノールを150mL装填した。次いで、漏斗を振って、混合物を分離させた。底部のメタノール層を集めて、分析試験のために保存した。次いで、生成物の一部50mLを分析試験のために集めて、サンプルME14−1として識別した。
【0132】
残りの生成物100mLを含む漏斗に、新鮮なメタノール100mLを添加した。漏斗を再び振って、混合物を分離させた。底部のメタノール層を集めて分析試験のために保存した。メタノール抽出生成物の一部50mLを分析試験のために集めて、サンプルME14−2として識別した。
【0133】
漏斗内の残りの生成物50mLに、新鮮なメタノール50mLを添加した。漏斗を再び振って、2層を分離させた。底部メタノール層を集めて、分析試験のために保存した。生成物の50mLを分析試験のために集めて、サンプルME14−3として識別した。
【0134】
本実施例で得られた分析結果をTable IVに示す。
【0135】
【表5】
Figure 2004526011
【0136】
これらの結果は、メタノールが酸化硫黄化合物を選択的に除去できることを明示する。加えて、酸性不純物もまた、メタノール抽出により除去された。
【0137】
[実施例15]
分液漏斗に、PS−150−A316を50mL、及び水を50mL装填した。漏斗を振って、層を分離させた。底部水層を集めて、分析試験のために保存した。炭化水素層を分析試験のために集めて、E15−1Wとして識別した。Table IIはこれらの結果を示す。
【0138】
【表6】
Figure 2004526011
【0139】
水抽出結果は、水が留出物から酸化硫黄化合物を除去するに有用であることを示す。
【0140】
[実施例16]
PS−150−A316の500gを無水酸性アルミナ50gでパーコレート濾過した。集めた生成物をE16−1Aとして識別して、分析した。データをTable IIIに示す。
【0141】
【表7】
Figure 2004526011
【0142】
これらのデータは、留出物からの酸化硫黄化合物及び酸素添加窒素化合物の除去に、アルミナ処理もまた効果的であることを示す。分析結果は、供給物が約3,000ppmのジベンゾチオフェンを含むのに、生成物中にはジベンゾチオフェンが含まれないことを示す。
【0143】
[実施例17]
水素処理製油所留出物S−25を分留して、過酸化水素及び酢酸で形成された過酸を用いる酸化供給原料を準備した。約288℃以下の温度で集められたS−25の画分は、硫黄が少なく、単環芳香族が豊富な画分であり、S−DF−B288として識別した。約288℃を超える温度で集められたS−25の画分は、硫黄が豊富で、単環芳香族が少ない画分であり、S−DF−A288として識別した。S−DF−A288の分析は、硫黄30ppmであった。
【0144】
一連の酸化実験を実施例13に記載したように行い、生成物を組み合わせて、セタン評価及び化学分析に必要な多量の物質を準備した。実施例13と同様の装備のフラスコに、S−DF−A288を1kg、氷酢酸を1リットル、脱イオン蒸留水を85mL、30%過酸化水素を85mL装填した。
【0145】
一つの手順において、乾燥した酸化留出物の1バッチを乾燥酸性アルミナ(150メッシュ)を250mL充填した第2の塔で、パーコレート濾過した。留出物:アルミナの比率は、約4:1(v/v)であった。1,000mLの約4バッチにアルミナを用いて、交換した。
【0146】
別の手順において、フリットディスク(ファイン)を装備する600mLのブフナー漏斗に、約100gのアルミナを置いた。乾燥した留出物をアルミナの上から注いで、短時間中に、留出物をアルミナを通して真空で引いて、より迅速に処理した。
【0147】
ポストアルミナ処理された物質の各バッチを総酸価分析に供して、供給物からの硫黄除去効率を定量した。アルミナ処理された物質のすべてが3ppmw未満の硫黄濃度であり、一般に約1ppmw硫黄であった。32バッチのアルミナ処理された物質のブレンドをBA−DF−A288として識別した。
【0148】
[実施例18]
実施例17からのアルミナ処理された物質BA−DF−A288及び実施例6からの酸素添加物質E6−Fをブレンドして、燃料DF−GPを製造した。燃料DF−GPの試験及び分析結果は、Table VIIIに示す。
【0149】
【表8】
Figure 2004526011
【0150】
[実施例19]
S−25−B288の別の部分を実施例5に記載した方法によって酸素添加した。本実施例として、300mLのParr圧力反応器底部に、S−25−B288(125g)及びコバルト(II)ビス−アセチルアセトネートヒドレート(0.41g)を装填した。GS−25−B288aとして識別した酸素添加混合物のサンプルを無水硫化ナトリウムで乾燥させて分析した。GS−25−B288aの分析は、硫黄含量4ppm、酸素添加3.53%であった。
【0151】
[実施例20]
コバルト(II)オクタノエート/2−エチルヘキサノエートをコバルト源(ミネラルスピリッ中コバルト6wt%)とした以外は、実施例19の手順を2回繰り返した。装填した触媒溶液の質量は、0.78gであった。1回目に生成された酸素添加物質の分析は硫黄含量3ppm、酸素添加3.58%であり、2回目に生成された酸素添加物質の分析は硫黄含量2ppm、酸素添加3.44%であった。
【0152】
[実施例21]
酸素添加物質GS−25−B288、GS−25−B288a及び実施例20の2回の繰り返しにより得られた物質を組み合わせて、複合物GS−21として識別した。この複合物の分析は、総酸素添加レベル1.56%であった。好ましいアリール構造体によるGS−21内の酸素の分配をTable VIIIに示す。
【0153】
【表9】
Figure 2004526011
【0154】
[実施例22]
本実施例は、酸化脱硫留出物画分とブレンドするための複合物GS−21の処理を記載する。分液漏斗を用いて、GS−21の396.98gを重炭酸ナトリウム飽和水溶液の各200mLの3種の部分で抽出した。重炭酸ナトリウム水溶液洗浄液を処分した。次いで、有機層(頂部層)を蒸留脱イオン水各200mL3種で洗浄した。水洗浄液は処分した。次いで、有機物質を遠心分離して、残りの水を除去した。次いで、洗浄したGS−21物質を無水3Aモレキュラーシーブで乾燥した。処理したGS−21を濾過(Millipore, type LC, 10ミクロン)によりモレキュラーシーブから分離した。分析結果をTable IXに示す。
【0155】
【表10】
Figure 2004526011
【0156】
[実施例23]
還流コンデンサ、機械的攪拌装置、窒素入口及び出口を装備する3リットル三首丸底フラスコに、S−25−A288の814gを装填した。反応器に、さらに、氷酢酸770mL、30%過酸化水素170mLを装填した。わずかな窒素フロー下で、約93℃にて、約2時間、混合物を攪拌しながら加熱した。反応期間後、フラスコ及び内容物を冷却し、冷却期間中に、約1gの二酸化マンガン(MnO2)を丸底フラスコに添加して、未反応過酸化水素を分解した。攪拌を停止すると、フラスコの内容物は迅速に2液層に分離した。水層(底部)をフラスコから取り除いた。有機層を重炭酸ナトリウム飽和水溶液500mLで処理した。再び、水層(底部)をフラスコから取り除いた。次いで、洗浄した物質を無水3Aモレキュラーシーブで乾燥させ、濾過によりモレキュラーシーブから分離して、PS−23として識別した。
【0157】
[実施例24]
本実施例は、GS−19とブレンドするPS−23の処理を記載する。分液漏斗を用いて、PS−23の680gをメタノール680gで処理した。混合物を約1分間振って、2層を分離させた。底部層(生成物層)を集めて、頂部層(メタノール層)を処分した。生成物層をさらに2回、各メタノール680gで処理した。各回、メタノール層を処分した。
【0158】
メタノール処理した生成物をさらに、分液漏斗内で、脱イオン蒸留水の等量で処理した。混合物を約1分間振って、生成物を洗浄した。混合物を2層に分離させた。底部水層を抜き出して処分した、遠心分離を用いて、有機層に残っている水の残量を除去した。この酸化脱硫物質をPS−24として識別し、分析した。分析結果をTable Xに示す。
【0159】
【表11】
Figure 2004526011
【0160】
[実施例25]
処理したGS−21の7重量部と、酸化脱硫物質PS−24の3重量部とを用いて、組成物をブレンドし、所望の酸素添加超低硫黄組成物を生成した。この組成物の分析は、酸素添加1.82%であった。
【0161】
本発明にとって「主として」とは約50%を超えることを意味する。「有効量」とは、関連する化合物又は系の巨視的特性に、明らかな、明確な又は所望の計測可能な程度の影響を与えるような割合で存在することを意味する。「実質的に」とは、十分な頻度で生じるか、又は関連する化合物又は系の巨視的特性に計測可能な程度に影響を与えるような割合で存在することを意味する。このような影響の頻度又は割合が明らかではない場合には、「実質的に」とは、約20%以上と考えられる。「本質的に」とは、巨視的な品質に無視できる影響よりも少ない影響を与える程度の小さな変動を除いて全体的に、という意味であり、最終的には典型的には約1%まで許容される。

Claims (22)

  1. 周囲条件にて液体である燃料組成物又は燃料のブレンド成分であって、適切な初留点を示し15ppm未満の硫黄を含有する主要成分としての有機物留出物と、該燃料の酸素含量が約0.2%〜約20%酸素の範囲にあるような量での1種以上の酸素含有有機化合物と、を含む組成物。
  2. 前記酸素含有有機化合物の量は、
    Figure 2004526011
    となる量である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記主要成分は、天然石油由来の有機化合物の混合物である、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記主要成分は、5〜約15個の炭素原子を含むアルカン類を含み、該アルカン類の少なくとも約85%はノルマルアルカン類である、請求項1に記載の組成物。
  5. 所望の燃料特性を強化する1種以上の燃料添加剤の有効量を更に含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 圧縮着火内燃機関にて用いる燃料であって、主要成分としての有機物流分と、燃料の酸素含量が約0.2%〜約10%酸素の範囲にあるような量の1種以上の酸素含有有機化合物と、を含み、該燃料は、ASTM D93で測定した場合に少なくとも30℃の適切な引火点を示し、15ppm未満の硫黄を含有する、燃料。
  7. 前記燃料は、少なくとも49℃の適切な引火点を示す、請求項6に記載の組成物。
  8. ディーゼル燃料のコールドフロー特性を強化するエチレン及びビニルアセテートのコポリマー類からなる群より選択される1種以上のディーゼル燃料添加剤の有効量を更に含む、請求項6に記載の組成物。
  9. スパーク着火内燃機関にて用いる燃料であって、主要成分としての有機物留出物と、該燃料の酸素含量が約0.2%〜約10%酸素の範囲となるような量の1種以上の酸素含有有機化合物と、を含み、少なくとも6psiのリード蒸気圧を示し、15ppm未満の硫黄を含む、燃料。
  10. 周囲条件にて液体である燃料組成物又は燃料のブレンド成分であって、15ppm未満の硫黄を含む主要成分としての有機物留出物と、該燃料の酸素含量が約0.2%〜約10%酸素の範囲となるような量の天然石油由来の酸素含有有機化合物と、を含み、ただし、酸素の少なくとも10%は環式ベンジルケトン類中に含まれる、組成物。
  11. 前記酸素の少なくとも5%は、環式ベンジルケトン類中に含まれる、請求項10に記載の組成物。
  12. 所望の燃料特性を強化する1種以上の燃料添加剤の有効量を更に含む、請求項10に記載の組成物。
  13. 周囲条件にて液体である燃料組成物又は燃料のブレンド成分であって、15ppm未満の硫黄を含む主要成分としての石油留出物と、該燃料の酸素含量が約0.2%〜約10%酸素の範囲となるような量の天然石油由来の酸素含有有機化合物と、を含み、ただし、酸素の少なくとも10%は、
    Figure 2004526011
    (式中、R1は、水素及び1〜約10個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルからなる群より独立に選択され、xは、1〜4の整数であり;R2は、水素、ヒドロカルビル、カルボニル酸素及び1〜約10個の炭素原子を含む有機物部位から独立に選択され、yは、1〜3の整数である)
    により表されるアリールオキシジェネート中に含まれる組成物。
  14. 前記酸素の少なくとも10%は、
    Figure 2004526011
    (式中、R1は、水素又は1〜約10個の炭素原子を含む炭化水素ラジカルである)
    により表されるアリールオキシジェネート中に含まれる、請求項13に記載の組成物。
  15. 周囲条件にて液体である燃料組成物又は燃料のブレンド成分であって、
    約10゜API〜約75゜APIの範囲の比重を有する天然石油由来の有機化合物の混合物を含む有機供給原料を分留して、硫黄が少なく単環芳香族が豊富な画分からなる少なくとも1種の低沸点有機物部分と、硫黄が豊富で単環芳香族が少ない画分からなる高沸点有機物部分と、を提供する工程と、
    該低沸点有機物部分の少なくとも一部を、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム及びこれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1種の触媒金属源を含む可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で、該液体反応媒体がハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を実質的に含まないように維持しながら、気体状二酸素源と接触させて、炭化水素類、酸素添加有機化合物、反応水及び酸性副産物を含む不混和性相の混合物を形成する工程と;
    該不混和性相の混合物から、炭化水素類、酸素添加有機化合物及び酸性副産物を含む低密度の少なくとも第1の有機液体と、触媒金属、反応水及び酸性副産物の少なくとも一部を含む高密度の第2の液体と、を分離する工程と;
    分離された該有機液体の全量又は一部を中和剤と接触させて、低含量の酸性副産物を有する低沸点酸素添加生成物を回収する工程と、を含むプロセスにより形成された組成物。
  16. 分離された前記有機液体の少なくとも一部は、化学塩基水溶液と接触し、
    回収された前記酸素添加生成物は、約20mgKOH/g未満の総酸価を示す、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記化学塩基は、水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩の形態でのナトリウム、カリウム、バリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群より選択される化合物である、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記有機供給原料の全部又は少なくとも一部は、約50℃〜約425℃の間で沸騰する物質から本質的になる石油留出物の水素処理プロセス生成物であり、該水素処理プロセスは、水素処理された石油留出物からの硫黄及び/又は窒素の水添除去を補助する水素添加触媒系の存在下、水素添加条件にて、水素源と反応する工程を含む、請求項15に記載の組成物。
  19. 前記触媒系は、約8個までの炭素原子を有する有機酸の塩の形態でのマンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム、及びこれらの混合物からなる群より選択される触媒金属源を含む、請求項15に記載の組成物。
  20. 前記触媒系は、式
    M[RCOCH=C(O−)R’]n
    (式中、Mはマンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、及びセリウムからなる群の1種以上の元素であり、R及びR’は、水素原子、及び約20個までの炭素原子を有するメチル基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、及びアルキニル基からなる群より選択される同一又は異なる基であり、nは2又は3である)
    により表される化合物からなる群より選択される触媒金属源を含む、請求項15に記載の組成物。
  21. 前記触媒系は、式
    Mn[RCOCH=C(O−)R’]2
    Co[RCOCH=C(O−)R’]2 及び/又は
    Ce[RCOCH=C(O−)R’]3
    (式中、R及びR’は、水素原子、及び約20個までの炭素原子を有するメチル基、アルキル基、アリール基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群より選択される同一又は異なる基である)
    により表される化合物からなる群より選択される触媒金属源を含む、請求項15に記載の組成物。
  22. 所望の燃料特性を強化する有効量の1種以上の燃料添加剤を更に含む、請求項15に記載の組成物。
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