JP2004525969A - 抗不整脈化合物としての3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]製剤 - Google Patents

抗不整脈化合物としての3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]製剤 Download PDF

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Abstract

4−({3−[7−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]プロピル}アミノ)ベンゾニトリル、2−{7−[3−(4−シアノ−アニリノ)プロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル、2−{7−[4−(4−シアノフェニル)ブチル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル、又は2−{7−[(2S)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル、又はこれら化合物のいずれかの製剤的に許容される塩を含んでなる修飾放出医薬組成物、特にゲル化ポリマーマトリックス修飾放出組成物が提供される。本組成物は、心臓不整脈の予防及び/又は治療に有用である。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は、特別の薬物の修飾デリバリー(modified delivery)を可能にする新規医薬組成物に関し、該薬物は、心臓不整脈の治療に有用である。
【0002】
背景及び先行技術
有効成分の所望の治療レベルを血漿、身体組織、及び/又は胃腸管において維持するためには、医薬活性化合物を1日中頻繁に投与することがしばしば必要である。このことは、薬物を経口でデリバリーし、延長された時間の期間にわたり均一の応答をもたらすことが意図されている場合、特にそうである。
【0003】
この30年余りにわたり、修飾放出剤形(modified release dosage form)は、ある特定の薬物を特に経口ルートにより患者へデリバリーする好ましい方法にますますなってきた。そのような形態は、例えば、延長された時間の間にわたる薬物の放出を可能にし、それにより要求される1日の投薬回数を少なくすることが可能であり、その間の放出速度は、実質的に均一であり得る、及び/又は胃腸管の特定部分内において一定であるか、又は拍動性であり得る。
【0004】
当技術分野で知られている数多くの修飾放出剤形が存在し、これらは、とりわけ、De Haan と Lerk「Pharmaceutisch Weekblad Scientific edition」6, 57 (1984); Banker「Medical Applications of Controlled Release(制御放出の医療応用)」第II巻、Langer と Wise 編 (1984) ボカラトン、フロリダ州、1-34 頁;Graffner「Industrial Aspects of Pharmaceuticals(医薬品の産業状況)」Sandel 編、スウェーデン医薬出版局(1993)93-104 頁;及び、「Pharmaceutics: The Science of Dosage Form Design (医薬品:剤形設計の科学)」M. E. Aulton 編(1988)(チャーチル・リビングストン)の 191-211 頁にある、Proudfoot「Dosage Regimens: Their Influences on the Concentration-Time Profile of the Drug in the Body(投与剤形:薬物の体内濃度−時間プロフィールに及ぼすその影響)」に要約されている。
【0005】
国際特許出願WO01/28992号は一連のオキサビスピジン化合物を開示し、それには:
(a)4−({3−[7−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]プロピル}アミノ)ベンゾニトリル:
【0006】
【化1】
Figure 2004525969
【0007】
[該化合物を、以下、化合物Aと呼ぶ。化合物Aは、特に、フリー塩基の形態とベンゼンスルホン酸塩の形態の両方でWO01/28992号に開示されている];
(b)2−{7−[3−(4−シアノアニリノ)プロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル:
【0008】
【化2】
Figure 2004525969
【0009】
[フリー塩基の形態で、該化合物を、以下、化合物Bと呼ぶ];
(c)2−{7−[4−(4−シアノフェニル)ブチル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル:
【0010】
【化3】
Figure 2004525969
【0011】
[フリー塩基の形態で、該化合物を、以下、化合物Cと呼ぶ];及び
(d)2−{7−[(2S)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル:
【0012】
【化4】
Figure 2004525969
【0013】
[フリー塩基の形態で、該化合物を、以下、化合物Dと呼ぶ]が含まれる。
国際特許出願WO01/28992号の化合物は、心臓不整脈の治療に有用であると明記されている。
【0014】
WO01/28992号にはそこで開示される化合物を製剤化してその後患者へ投与し得る方法に関連して一般的な情報が提供されているが、特に、化合物A、B、C、又はD、及びそれらの塩を含む修飾放出医薬製剤については何も言及されていない。
【0015】
我々は、化合物A、B、C、及びDとこれら化合物のいずれかの製剤的に許容される塩を修飾放出剤形において提供することが有利であり得ることを見出した。
発明の説明
本発明によれば、化合物A、化合物B、化合物C、又は化合物D、又は化合物A、B、C、又はDのいずれかの製剤的に許容される塩を有効成分として含んでなる修飾放出医薬組成物(製剤)(modified release pharmaceutical composition(formulation))が提供され、該組成物を、以下、「本発明の組成物」と呼ぶ。
【0016】
化合物A、B、C、及びD、並びにこれら化合物の製剤的に許容される塩は、WO01/28992号に記載のように、以下に記載のように、及び/又は有機化学における定常技術により製造することが可能である。化合物A、B、C、Dとこれら化合物の製剤的に許容される塩の水和物を含む溶媒和物、並びに無水物(及び非溶媒和物)を含んでなる組成物も、本発明の範囲内に含まれる。
【0017】
用語「修飾放出」医薬組成物には、薬物(化合物A、化合物B、化合物C、化合物Dの形態であれ、これら化合物のいずれかの製剤的に許容される塩であれ)の放出の開始及び/又は速度が製剤操作により改変されるどの組成物/製剤も含まれると当業者はよく理解されよう。従って、米国薬局方(USP XXII)の序文/前文部分のxliii及びxliv頁に提供される定義が含まれる。該文献の関連開示は参照により本明細書に援用される。
【0018】
本件においては、修飾放出は、適正な製剤的に許容される担体、及び/又は他の手段により提供することが可能であり、該担体若しくは手段は(適宜)有効成分の放出の開始及び/又は放出速度の改変を生じさせる。このように、この用語には、薬物の「持続(sustained)」、「長期化(prolonged)」又は「延長化(extended)」放出を可能にするように(例えば、本明細書において記載されるように)適合される組成物(ここでは、薬物が十分に遅延された速度で放出され、要求される時間の期間にわたり治療応答をもたらし、場合により、はじめに所望される治療応答を引き起こすために、投与に続く前決定された時間内で初期量の薬物を使用可能にすることが含まれる);薬物の「遅延」放出を可能にする組成物(ここでは、薬物の放出が、胃腸管の特定領域に到達するまで遅延され、その後薬物放出が拍動性になり得るか、又は上記に示されるようにさらに修飾され得る);並びに、いわゆる「反復作用」組成物(ここでは、薬物の1回用量が投与後直ちに、又はしばらくしてから放出され、さらなる用量が後の時間に放出される)が含まれると当業者には理解されよう。
【0019】
本発明の組成物は、遅延放出、又は、より好ましくは、ある時間の期間にわたる持続(即ち、長期化又は延長化)放出を可能にすることが好ましいと我々は考える。本発明のより好ましい組成物は、(単位時間当たりの投薬回数にかかわらず)投薬間隔にわたり薬物の十分な用量を提供して所望の治療効果をもたらすように(例えば本明細書に記載されるように)適合させてもよい。放出は、延長された時間の期間にわたり均一である、及び/又は一定である、又はその他であってもよい。
【0020】
本発明の組成物は、例えば、以下の形態であってよく、いずれもすべて当業者によく知られている:
(a)コートされたペレット剤、錠剤、又はカプセル剤。これらは、件の製剤が胃腸管の特別な領域に達したときに薬物の少なくともいくらかを放出するように設計することが可能である。そのような錠剤は、例えば、腸溶コーティング層のようなある形態の胃抵抗性コーティングとともに提供される場合があり、腸領域のような胃腸管の特定部分において製剤中に存在する薬物の少なくとも一部が放出されることを可能にする。
【0021】
(b)多重ユニット又は多粒子系。これは、薬物を含んでなる微粒子、ミクロスフェア、又はペレットの形態であってよい(この多重ユニット/多粒子は、予め決定された速度で薬物を放出しながら、胃から十二指腸へ、さらに小腸及び大腸を通り、薬物を含有する製剤を漸次空疎化する場合がある)。
【0022】
(c)マトリックス中に活性化合物の分散物又は固溶体を含んでなる製剤。これは、ワックス、ゴム、又は脂肪の形態、又は特に、ポリマーの形態であってよく、ここでは錠剤及び/又は分散物の表面の漸次侵食により薬物の放出が起こる。
【0023】
(d)生物接着層を含む系。この層は、胃腸管(例、胃)の特別な領域に本発明の組成物が長期滞留することを可能にする。これには、浮遊系又は沈降系(即ち、それぞれ低密度系と高密度系)、並びにいわゆる「容量拡大(volume−enlarging)」系が含まれる。
【0024】
(e)いわゆる「付属(pendent)」装置。ここでは、薬物がイオン交換樹脂へ付着し、胃腸管、例えば胃の酸性環境に存在する他のイオンの影響により薬物の漸次放出を可能にする。
【0025】
(f)薬物の放出速度がその化学ポテンシャルにより制御される装置(例、浸透ポンプ)。
(g)多層系を含む膜を通した拡散により薬物が放出される系。
【0026】
(h)外部シグナルに従って少量の薬物を放出するように作用する装置。
(i)能動的な自己プログラム化された系。これは、感知要素を含有する場合があり、この要素は、特別の生物学的環境に応答して薬物デリバリーを変調させる。
【0027】
(j)シラスティック制御放出デポー製剤。これは、水及び/又は胃腸液の入口/出口を介したこの装置への拡散を関数として薬物を放出し、薬物の溶解と後続の放出をもたらす。
【0028】
(k)上記原理の2つ以上の組み合わせ。
上記の原理は、「Pharmaceutisch Weekblad Scientific edition」6, 57 (1984); 「Medical Applications of Controlled Release(制御放出の医療応用)」第II巻、Langer と Wise 編 (1984) ボカラトン、フロリダ州、1-34 頁;「Industrial Aspects of Pharmaceuticals(医薬品の産業状況)」Sandel 編、スウェーデン医薬出版局(1993)93-104 頁;及び、「Pharmaceutics: The Science of Dosage Form Design(医薬品:剤形設計の科学)」M. E. Aulton 編(1988)(チャーチル・リビングストン)の 191-211 頁を含む数多くの先行技術、並びに上記文献に引用される参考文献に詳しく論じられていて、これら文献の開示はいずれも参照により本明細書に援用される。
【0029】
このように、好適な修飾放出製剤は、本明細書又は上記文献に記載されている、及び/又はよく知られている標準的な製剤技術に従って、当業者により製造することが可能である。
【0030】
本発明の組成物においては、有効成分が製剤的に許容される担体と一緒に提供されることが好ましいと我々は考える。特に、本発明の組成物は、有効成分がポリマーマトリクスに埋め込まれた形態で提示されることが好ましいと我々は考える。
【0031】
この点で、本発明の組成物は、水性媒体において膨張するポリマー(即ち、「親水ゲル化成分」)と一緒に有効成分が提供されるいわゆる「膨張性(swelling)」修飾放出系、又は「ゲル化マトリックス」修飾放出系の形態で経口投与用に提供されることが好ましいと我々は考える。用語「水性媒体」には、この文脈においては、水と、哺乳動物の胃腸管に存在するものであるか又はそれに近似した液体が含まれると理解されるべきである。そのようなポリマー系は、典型的には、親水性の巨大分子構造を含み、これは、乾燥形態では、ガラス状、又は少なくとも部分的には結晶性の状態となり得て、そして水性媒体と接触するとき膨張する。このように、薬物の修飾放出は、以下の方法の1つ以上によりもたらされる:ポリマーマトリックス中への溶媒の輸送、ポリマーの膨張、膨張ポリマーによる薬物の拡散、及び/又はポリマーの侵食。この1つ以上が、薬物をポリマーマトリックスから水性媒体中へゆっくり放出させることに役立つ場合がある。
【0032】
このように、ゲル化マトリックス修飾放出組成物の親水性ゲル化成分として使用可能である、好適なポリマー材料(即ち、担体)には、5000g/モルより大きい分子量を有し、(上記に定義されるような)水性媒体に
(a)少なくともわずかに溶ける;又は
(b)接触して置かれると膨張する、
のいずれかであり、それにより担体からの薬物の放出を可能にするものが含まれる。
【0033】
このように、好適なゲル化マトリックスポリマーは、合成品でも天然品でもよく、マルトデキストリン、キサンタン、スクレログルカン、デキストラン、デンプン、アルギン酸塩、プルラン、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、等のような多糖類;タンパク質(アルブミン、ゼラチン、等)のような他の天然ポリマー、ポリ−L−リジン;ポリ(アクリル酸)ナトリウム;ポリ(メタクリル酸ヒドロキシアルキル)(例えば、ポリ(メタクリル酸ヒドロキシエチル));カルボキシポリメチレン(例、CarbopolTM);カルボマー;ポリビニルピロリドン;グアーゴム(guar gum)、アラビアゴム、カラヤゴム(gum karaya)、ガッチ・ゴム(gum ghatti)、ローカストビーンゴム、タマリンドゴム、ゲランゴム(gellan gum)、トラガカントゴム、寒天、ペクチン、グルテン、等のようなゴム類;ポリ(ビニルアルコール);エチレンビニルアルコール;ポリ(酸化エチレン)(PEO);及び、ヒドロキシメチルセルロース(HMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、カルボキシエチルセルロース(CEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース(CMHEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース(HPEC)、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(Na CMC)のようなセルロースエステル;並びに、上記ポリマーのいずれかのコポリマー及び/又は単純混合物が含まれる。上記ポリマーのあるものは、標準技術によりさらに架橋結合させてもよい。
【0034】
ゲル化マトリックス系の形態にある本発明の組成物では、使用される主要な膨張ポリマーは、HPC、マルトデキストリン、スクレログルカン、又はカルボキシポリメチレンであり、より好ましくは、PEO、HEC又はキサンタンであり、そして特に、HPMCであり、並びに、上記ポリマーのいずれかのコポリマー及び/又は単純混合物であることが好ましいと我々は考える。
【0035】
PEO、HEC、キサンタン、及びHPMCが親水性ゲル化成分において(即ち、そのポリマーの少なくとも1つとして)使用される場合、これらポリマーに好ましい分子量(即ち、浸透圧測定、屈折検出器を用いたサイズ排除クロマトグラフィー(ここでは、標準較正曲線により分子量を決定する)、光分散及び/又は超遠心分離技術といった標準技術により決定されるような、重量平均分子量)は、5,000g/モルから、100,000,000g/モルまでのように、200,000,000g/モルまで、好ましくは、25,000,000g/モルまで、そしてより好ましくは、20,000,000g/モルまでの範囲にある。上記の範囲内にある異なる分子量を有するPEC、HEC、キサンタン、及びHPMCポリマーの混合物を使用してもよい。
【0036】
好適なHECポリマーにはまた、米国薬局方XXIV(USP XXIV/NF19)の2002頁と次頁(本文献の関連開示は参照により本明細書に援用される)に概して記載されるような標準技術により測定されるように、2%(w/w)水溶液で少なくとも200cpsで、1%(w/w)水溶液で8,000cpsまで、好ましくは2%水溶液で少なくとも250cpsで、1%水溶液で5,500cpsまでの粘度を有するポリマーの水溶液をもたらすものが含まれる。例えば、上記の好ましい範囲内の「平均」粘度(即ち、混合物の粘度)を有する上記のような溶液をもたらすHEC混合物を生成するために、これらの範囲内の異なる粘度を有するHECポリマーの混合物を使用してよい。同様に、(これらの範囲内の粘度及び/又は「平均」粘度を有する)HECポリマーの他の上記ポリマーとの混合物も使用してよい。ポリマーとしてHECを使用するならば、錠剤製剤化に先立って、例えば、粉砕化及び/又はアセトンからの沈殿形成により該ポリマーを処理しておくことが好ましい。さらに、例えば以下に記載される(6cps HPMCのような)別の低粘度のゲル化ポリマーでHECポリマーをコートすることが望ましい場合がある。好適なHECポリマーには、商標NATRASOLTM(Aqualon)で販売されているものが含まれる。
【0037】
好適なHPMCポリマーにはまた、米国薬局方XXIV(USP XXIV/NF19)の2002頁と次頁、並びに特に、843〜844頁(本文献の関連開示は参照により本明細書に援用される)に概して記載されるような標準技術により測定されるように、3〜150,000cps(20℃で)、例えば10〜120,000cps、好ましくは30〜50,000cps、及びより好ましくは50〜15,000cpsの粘度を有するポリマーの2%(w/w)水溶液をもたらすものが含まれる。例えば、上記の好ましい範囲内の「平均」粘度(即ち、混合物の粘度)を有する上記のような溶液をもたらすHPMC混合物を生成するために、これらの範囲内の異なる粘度を有するHPMCポリマーの混合物を使用してよい。同様に、(これらの範囲内の粘度及び/又は「平均」粘度を有する)HPMCポリマーの他の上記ポリマーとの混合物も使用してよい。好適なHPMCポリマーには、米国薬局方標準置換型2208、2906、2910、及び1828を充足するものが含まれる(さらなる詳細についてはUSP XXIV/NF19を参照のこと)。このように、好適なHPMCポリマーには、商標METHOCELTM(ダウケミカルコーポレーション)又は商標METOLOSETM(信越化学)で販売されているものが含まれる。
【0038】
好適なキサンタンポリマーには、米国薬局方XXIV(USP XXIV/NF19)の2002頁と次頁、並びに、特に2537〜2538頁(本文献の関連開示は参照により本明細書に援用される)に概して記載されるような標準技術により測定されるように、60〜2,000cps(24℃で)、例えば600〜1,800cps、及び、好ましくは1,200〜1,600cpsの粘度を有するポリマーの1%(w/w)水溶液をもたらすものが含まれる。例えば、上記の好ましい範囲内の「平均」粘度(即ち、混合物の粘度)を有する上記のような溶液をもたらすキサンタン混合物を生成するために、これらの範囲内の異なる粘度を有するキサンタンポリマーの混合物を使用してよい。同様に、(これらの範囲内の粘度及び/又は「平均」粘度を有する)キサンタンポリマーの他の上記ポリマーとの混合物も使用してよい。好適なHPMCポリマーには、商標XANTURALTM及びKELTROLTM(CPKelco)、及びSATIAXANETM(デグッサ(Degussa)、Texturantシステムズ)で販売されているものが含まれる。
【0039】
ポリマーの選択は、本発明の組成物に使用される有効成分/薬物(即ち、化合物A/B/C/D/塩)の性質、並びに所望の放出速度により決定されるものである。特に、当業者に理解されるように、例えばHPMCの場合、一般に、より高い分子量は薬物の組成物からのより遅い放出速度をもたらすものである。さらに、HPMCの場合、メトキシ基及びヒドロキシプロポキシル基の置換の程度が異なると、薬物の組成物からの放出速度において変化が生じるものである。この点では、上記に述べたように、特に要求されるか又は所望される放出プロフィールをもたらすためには、例えば以下に記載されるように、例えば分子量が異なる2つ以上のポリマーの混和によりポリマー担体が提供されるゲル化マトリックス系の形態において本発明の組成物を提供することが望ましい場合がある。
【0040】
ゲル化マトリックス系の形態においては、我々はまた、薬物及びポリマー担体系を含んでなる個々の組成物(例えば、錠剤)の内部の薬物:ポリマー比、及び、表面積:体積比を制御することにより、本発明の組成物からの薬物の放出速度をさらに制御することが可能であることを見出した。
【0041】
本発明の組成物は、ゲル化マトリックス系の形態であれ他の形態であれ、薬物放出をさらに修飾する、最終組成物の物理及び/又は化学特性を改善する、及び/又は製造法を容易にするために、(ポリマー担体系に加えて)1つ以上のさらなる賦形剤を含有してよい。そのような賦形剤は、修飾放出組成物の製剤化において慣用的である。
【0042】
例えば、本発明の組成物は、以下の希釈剤の1つ以上を含有してよい:リン酸カルシウム(リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム、及びリン酸三カルシウム)、乳糖、微結晶性セルロース、マンニトール、ソルビトール、二酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、等。好ましい希釈剤には微結晶性セルロースが含まれる。
【0043】
本発明の組成物は以下の滑沢剤の1つ以上を含有してよい:ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、等。
本発明の組成物は、コロイドシリカのような滑り剤(glidant)を含有してよい。
【0044】
本発明の組成物は、以下の結合剤の1つ以上を含有してよい:ポリビニルピロリドン、乳糖、マンニトール、微結晶性セルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、低分子量のHPMC、低分子量のMC、低分子量のHPC、等。好ましい結合剤には微結晶性セルロースが含まれる。
【0045】
本発明の組成物は、以下のpH調節剤の1つ以上を含有してよい:有機酸(例、クエン酸、等)又はそのアルカリ金属(例、ナトリウム)塩、(炭酸又はリン酸のような)無機酸の製剤的に許容される塩(例、ナトリウム、マグネシウム、又はカルシウム塩)、マグネシウムの酸化物、並びに、アルカリ、及びアルカリ土類金属(例、ナトリウム、カルシウム、カリウム、等)の硫酸塩、メタ重硫酸塩、プロピオン酸塩、及びソルビン酸塩。
【0046】
他のさらなる賦形剤には、着色剤、芳香剤、張度(tonicity)修飾剤、コーティング剤、保存剤、等を含めてよい。
上述のさらなる賦形剤の組み合わせ物を使用してもよい。
【0047】
当業者に理解されるように、本発明の最終組成物に存在する可能性がある上記のさらなる賦形剤の中には、上記の機能の1つより多くを有する可能性があるものがある。さらに、上記に述べたさらなる賦形剤はまた、ゲル化マトリックス系において親水ゲル化成分の一部として機能する可能性がある。
【0048】
本発明の組成物に存在する可能性があるさらなる賦形剤(ゲル化マトリックス系の場合は、主要のポリマー担体を含めない)の全体量は、組成物の性質、並びに、その組成物の他の構成成分の性質及び量に依存し、85%まで、0.1〜75%、例えば0.2〜65%、好ましくは0.3〜55%、より好ましくは0.5〜45%、そして特に、1〜40(w/w)%、例えば2〜35%、の量であり得る。どんな場合でも、(諸)賦形剤の選択及び量は、当業者が定常的に(即ち、創意工夫によらずに)決定してよい。
【0049】
ゲル化マトリックス系において、この系におけるポリマーの量は、十分量の薬物が投薬期間にわたり提供されて所望の治療効果をもたらすことを確実にするに十分であるべきである。従って、2時間以上の長さの期間、好ましくは4時間以上の長さの期間、より好ましくは6時間以上の長さの期間にわたり、そして特に、8〜24時間の期間にわたり、組成物の初回薬物含量の少なくとも60%(例、80%)が、患者に対して、及び/又は以下に記載の試験条件下で放出されることが好ましいと我々は考える。含まれ得る好適なポリマーの量は、組成物に使用される有効成分、存在する可能性があるあらゆる賦形剤、及び、使用されるポリマーの性質にとりわけ依存するが、5〜99.5%、例えば10〜95%、特に15〜80%、好ましくは20〜75%、より好ましくは30〜70%、そして特別には35〜65%(w/w)の範囲にある。どんな場合でも、ポリマーの選択及び量は、当業者が定常的に決定してよい。
【0050】
本発明の組成物がゲル化マトリックス系の形態で提供される場合、言及され得る有効成分(化合物A、B、C、D、又はこれら化合物のいずれかの製剤的に許容される塩)には、化合物A、B、C、及び、特にDのフリー塩基形態、並びに、(上記に定義されるような)水性媒体における溶解性がその媒体のpH、特に胃腸管において通常見出される生理学的範囲のpHに実質的に無関係である塩が含まれる。
【0051】
このように、化合物Aの好ましい塩には、1−ヒドロキシ−2−ナフト酸塩、安息香酸塩、2−メシチレンスルホン酸塩、ヒドロキシ置換ベンゼンスルホン酸塩、1,5−ナフタレンスルホン酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、特に、トルエンスルホン酸塩、又は特別には、ベンゼンスルホン酸塩が含まれる。
【0052】
このように、化合物B、C、及びDの好ましい塩には、メタンスルホン酸塩、馬尿酸塩、トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩、1,5−ナフタレンジスルホン酸塩、テレフタル酸塩、コハク酸塩、O,O’−ジベンゾイル酒石酸塩及びO,O’−ジ−パラトルオイル酒石酸塩のような酒石酸とその誘導体の塩、2,2,3,3,−テトラメチル−1,4−ジブタン酸塩、1,2−シクロペンタンジカルボン酸塩、又は、酸が馬尿酸の誘導体、例えば、式I:
【0053】
【化5】
Figure 2004525969
【0054】
[式中:
Arは、フェニル又はナフチルを表し、そのいずれも、ハロ(例、クロロ)、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、及びフェニルから選択される1つ以上の置換基により場合により置換され;そして
、R、及びRは、独立して、H又はC1−3アルキルを表す]の酸である酸付加塩が含まれる。
【0055】
当業者には、Arがフェニルを表し、R、R、及びRがいずれもHを表すならば、式Iの酸が馬尿酸となることが理解されよう。
好ましいAr基にはフェニルが含まれ、該フェニル基は、フェニル(例えば、C(O)基の付加点に対して4位において)、クロロ(例えば、C(O)基に対して3及び/又は4位において)、ニトロ(例えば、C(O)基に対して4位において)、及び/又はメチルのようなC1−4アルキル(例えば、C(O)基に対して2及び/又は4位において);及びナフチルにより場合により置換される。Arのより好ましい意義には、フェニル、4−フェニルフェニル(ビフェニル)、3,4−ジクロロフェニル、2−ナフチル、4−ニトロフェニル、及び2,4,6−トリメチルフェニルが含まれる。
【0056】
好ましいR及びR基には、Hとメチルが含まれる。RとRは、両方ともHを表すか、又は両方ともメチルを表すかのいずれかであることが好ましい。
好ましいR基にはHが含まれる。
【0057】
とRが両方ともメチルを表す場合、Arはフェニルを表すことが好ましい。RとRが両方ともHを表す場合、Arは、4−ニトロフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、又は、特に、3,4−ジクロロフェニル、2−ナフチル、又は4−フェニルフェニル(ビフェニル)を表すことが好ましい。
【0058】
式Iの酸は、市販されている(例えば、馬尿酸、4−ニトロ馬尿酸、及び2、3、又は4−メチル馬尿酸)か、又は標準技術に従って製造可能である。
例えば、式Iの酸は、模範的なショッテン−バウマン(Schotten-Baumann)法(例えば、J. Med. Chem., 1989, 32, 1033 を参照のこと)に従って、式II:
【0059】
【化6】
Figure 2004525969
【0060】
[式中、R、R、及びRは、上記に定義される通りである]の化合物の、式III:
ArC(O)Cl III
[式中、Arは、上記に定義される通りである]の酸クロリドとの、例えば塩基(例、NaOH水溶液)の存在下での反応により製造することが可能である。
【0061】
酸、例えば濃塩酸での中和により式Iの酸を沈殿させてよく、必要ならば、様々な溶媒、例えば、イソプロピルアルコール、メタノール、アセトン、及び水、又はこれら溶媒の混合物からそれを再結晶させてもよい。
【0062】
他のやり方では、式IIの化合物のエステル(例、低級アルキルエステル)誘導体を、場合により塩(例えば、塩酸塩)の形態で、式IIIの酸クロリドと、塩基(例、トリエチルアミン)の存在下、好適な溶媒(例、ジクロロメタン)において反応させ、式IV:
【0063】
【化7】
Figure 2004525969
【0064】
[式中、Rは、(C1−6アルキルのような)低級アルキル又は低級アルキルフェニル(例、C1−3アルキルフェニル)を表し、Ar、R、R、及びRは、上記に定義される通りである]のエステルアミドを得ることが可能である(例えば、J. Heterocyclic Chem. 1973, 10, 935、Tetrahedron 1989, 45, 1691、及び J. Org. Chem., 1999, 64, 8929 を参照のこと)。式IVのエステルアミドは、室温で固体であり得るので、その形成の後で、適宜結晶化により精製してもよい。次いで、式IVの化合物は、標準的な加水分解(例えば、水酸化ナトリウム水溶液の後で、酸、例えば塩酸を加えること)により式Iの化合物へ変換し、生成物を沈殿させることが可能である。次いで、要求されるならば、再結晶を行ってもよい。
【0065】
がC1−3アルキルを表す式I、II、及びIVの化合物は、RがHを表す式I、II、又はIVの対応化合物の標準的なアルキル化により合成可能である。
式II(及びエステル誘導体)及びIIIの化合物は、市販されているか、常用技術(routine techniques)により容易に合成可能である。
【0066】
化合物Dの好ましい塩には、メタンスルホン酸、パモ酸(pamoic acid)、1,5−ナフタレンジスルホン酸、馬尿酸、テレフタル酸、コハク酸、O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸、O,O’−ジ−パラトルオイル−D−酒石酸、2,2,3,3,−テトラメチル−1,4−ジブタン酸、及び1,2−シクロペンタンジカルボン酸の塩と、酸が上記に定義されるような式Iの化合物である酸付加塩、例えば、4−フェニル馬尿酸、(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)酢酸、及び[(ナフタレン−2−カルボニル)アミノ]酢酸の塩が含まれる。化合物Dの特に好ましい塩には、メタンスルホン酸塩が含まれる。
【0067】
化合物Cの好ましい塩には、メタンスルホン酸塩とトルエンスルホン酸塩、例えば、パラトルエンスルホン酸塩が含まれる。
本発明の組成物、そして特にゲル化マトリックス系における使用に好ましい有効成分には、化合物Dとその製剤的に許容される塩、特に、フリー塩基の形態又はメタンスルホン酸塩の形態の化合物Dが含まれる。
【0068】
本発明の組成物における有効成分の好適な量は、ゲル化マトリックス系の形態であれ他の形態であれ、有効成分の性質(フリー塩基/塩、等)、要求される用量、及び、組成物の他の構成成分の性質及び量といった多くの要因に依存する。しかしながら、それらは、0.5〜80%、例えば、3〜70%のように1〜75%、好ましくは5〜65%、より好ましくは10〜60%、そして特別には15〜55%(w/w)の範囲であり得る。どんな場合でも、含まれる有効成分の量は、当業者が定常的に決定してよい。
【0069】
化合物A、B、C、又はD、又はこれら化合物のいずれかの製剤的に許容される塩の典型的な1日用量は、1日の経過の間に投与される組成物(例、錠剤)の回数にかかわらず、10〜2000mg、例えば、30のような、25〜1200mgのフリー塩基(即ち、塩の場合は、対イオンの存在から生じる重量を除く)の範囲にある。好ましい1日用量は、50〜1000mg(例えば100〜500mg)の範囲にある。このように、本発明の個々の組成物(例、錠剤)の典型的な用量は、15〜500mgの範囲にあり、例えば40〜400mgである。
【0070】
上記に記載されるような本発明の組成物は、上記において言及された参考文献に記載されるようなよく知られた技術に従って製造することが可能である。ゲル化マトリックス系の形態である本発明の組成物は、標準技術により、そして、当業者に知られた標準的な機器を使用して製造することが可能であり、それには、例えば以下に記載されるように、湿式若しくは乾式造粒、直接圧縮/圧密、乾燥、粉砕、混合、打錠、及びコーティング、並びに、これらの方法の組合せが含まれる。
【0071】
本発明の組成物は、好ましくは、経口投与されるように適合されるが、その使用はその投与形式に限定されるわけではない。本発明の非経口の修飾放出組成物には、ポロキサマー(poloxamers)、生物分解性ミクロスフェア、リポソーム、油中の懸濁液、及び/又はエマルジョンに基づくもののような、当業者によく知られている系を含めてよく、「Controlled Drug Delivery: Fundamentals and applications(制御薬物デリバリー:基礎と応用)」(Drugs and the Pharmaceutical Sciences; 29巻)、第2版、Robinson と Lee 編、Dekker(1987)第10章、433頁において Leung et al により記載されるような、標準技術に従って製造することが可能である。該文献の開示は参照により本明細書に援用される。
【0072】
本発明の組成物は、1回「用量」の一部として投与される個々の単位(製剤/組成物)の数にかかわらず、1日1回以上の回数(例えば、1日6回まで、しかしながら、好ましくは1日2回以内)投薬してよい。
【0073】
本発明の組成物は、化合物A、B、C、D、及びこれらの製剤的に許容される塩の患者へのデリバリーに有用である。化合物A、B、C、D、及びこれらの製剤的に許容される塩は、心臓不整脈、特に(心房細動(例、心房粗動)のような)心房性及び心室性不整脈の予防と治療の両方に有用であるので、本発明の組成物も、そのような障害の治療に有用であると期待される。
【0074】
このように、本発明の組成物は、心臓不整脈の治療又は予防に、又は、虚血性心臓疾患、突然心臓発作、心筋梗塞、心不全、心臓手術後の血栓塞栓症を含む、不整脈が重要な役割を担うと考えられている心臓疾患に関連した適応症に適応とされる。
【0075】
本発明のさらなる側面によれば、不整脈の治療法が提供され、該方法は、そのような状態に罹患しているか、又は罹患しやすい人への本発明の組成物の投与を含む。
疑念を回避すると、「治療」には、状態の療法的治療、並びに、その予防が含まれる。
【0076】
本発明の組成物は、心臓不整脈に対するより一様な、及び/又は長期化された効果を得るために、化合物A、B、C、又はD、又はこれら化合物のいずれかの製剤的に許容される塩の修飾放出をもたらすことが可能であり、従って、好ましくは1日1回又は2回以下の有効成分の効率的な投薬を提供することが可能であるという利点を有する。本発明のある組成物は、この放出を本質的にpH非依存的なやり方で達成することが可能である。
【0077】
本発明の組成物にはまた、確立された製剤加工法を使用して製造することが可能であり、食品又は医薬品、等の規制状況において使用が承認されている材料を使用し得るという利点がある可能性がある。
【0078】
本発明を以下の実施例により例示するが、本発明は決してそれに限定されるものではない。
製法A
化合物Aとそのベンゼンスルホン酸塩の製法
(i)4−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]ベンゾニトリル
別法1(Alternative 1):4−フルオロベンゾニトリル(12.0g,99.1ミリモル)及び3−アミノ−1−プロパノール(59.6g,793ミリモル)の混合物を不活性気体下に80℃で3時間撹拌してから水(150mL)を加えた。この混合物を室温へ冷やしてから、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を分離し、乾燥(NaSO)させ、濾過し、真空で濃縮し、17g(97%)の副題化合物を、静置すると結晶するオイルとして得た。
別法2:4−フルオロベンゾニトリル(24.6g,0.203モル、アルドリッチ 99%)を3−アミノ−1−プロパノール(122.0g,1.625モル、8当量、アルドリッチ 99%)へ加え、この混合物を窒素下に、80℃まで5時間加熱した。この溶液を22℃まで冷やし、水(300mL)を加えた。この濁った溶液を塩化メチレンで2回(300mLと200mL)抽出し、合わせた塩化メチレン抽出物を水で洗浄した(300mL;有機層のGC分析は、約1.0面積%のアミノプロパノールが残存していることを示した)。
【0079】
別法3:4−フルオロベンゾニトリル(30.29g,247.7ミリモル、1.0当量)へ3−アミノ−1−プロパノール(150mL,148.8g,1981.5ミリモル、8.0当量)を加えた。この混合物を、すべての固形物が溶けるまで、窒素下に室温(27℃)で撹拌した。この溶液を77℃まで加熱(油浴)し、この温度に7時間保った後で、周囲温度で一晩(14時間)撹拌した。水(365mL)を加え、生じた濁った溶液をジクロロメタン(365mL,次いで245mL)で抽出した。合わせた有機層を水(365mL)で洗浄した。生成物のDCM溶液を蒸留により乾燥させ、溶媒(200mL)を除去し、新鮮なDCM(200mL)に置き換えた。より多くの溶媒(250mL)を除去し、全溶媒量を365mLとした。
【0080】
(ii)4−メチルベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピル
別法I:乾燥MeCN(195mL)中の4−[(3−ヒドロキシプロピル)−アミノ]ベンゾニトリル(上記の工程(i)(別法1)より;17g,96.5ミリモル)の冷却(0℃)溶液をトリエチルアミン(9.8g,96.5ミリモル)に次いでp−トルエンスルホニルクロリド(20.2g,106ミリモル)で処理した。この混合物を0℃で90分間撹拌した後で、真空で濃縮した。この残渣へ水(200mL)を加え、この水溶液をDCMで抽出した。有機相を乾燥(NaSO)させ、濾過し、真空で濃縮した。生じた残渣をイソプロパノールからの結晶化により精製し、24.6g(77%)の表題化合物を得た。
【0081】
別法II:粗製4−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]−ベンゾニトリル(上記の工程(i)(別法2)より)の溶液を蒸留により300mLの量へ濃縮し、さらに200mLの塩化メチレンを加え、300mLまで再蒸留した(カールフィッシャー法による溶液水分:0.07%)。トリエチルアミン(20.55g,0.203モル)に続き4−(N,N−ジメチル−アミノ)ピリジン(248mg,2.0ミリモル)を加え、この溶液を0℃へ冷やした。塩化トシル(38.70g,0.203モル)の塩化メチレン(150mL)溶液を冷やして十分振り混ぜながら約30分にわたり加えると、温度が5℃へ上昇した。この反応物を窒素下に3〜5℃の範囲で23時間撹拌した(5時間後、塩酸トリエチルアミンの沈殿が生じた。TLCは、20〜23時間で、残留シアノアルコールのさらなる変換が、あるとしてもごくわずかであることを示した)。水(300mL)を加え、この層を15分間激しく振り混ぜた。有機溶液を35〜40℃での蒸留により約60〜70mLの量へ濃縮した。イソプロパノール(100mL)を5分にわたり加えた。(この段階で、イソプロパノールの添加に先立って生成物のやや顆粒状の沈殿が生じた。イソプロパノールを加えると、結晶化が速やかに起きた。)真空を使用して蒸留を続け、最後の塩化メチレンを除去した。(さらに約30mLが除去され、蒸留物について塩化メチレンが存在していないことをGCによりチェックした。)この結晶スラリーを約1時間にわたりゆっくり振り混ぜながら0〜5℃へ冷やし、0〜5℃に1時間保った。この結晶を媒体焼結物(a medium sinter)で濾過し、圧密化した湿った濾過ケークを冷(0℃)イソプロパノール(80mL)で注意深く洗浄した。この濾過ケークを、真空、窒素流の下で一晩乾燥させた。収量:52.6g,78.4モル%;HPLC:99.64面積%。
【0082】
微量分析:実測値(理論値):%C:61.60(61.67);%H:5.41(5.49);%N:8.44(8.47);%S:9.71(9.70).
(iii)N,N−ビス(2−オキシラニルメチル)ベンゼンスルホンアミド
水(2.5L,10容量)に続きエピクロヒドリン(500mL,4当量)をベンゼンスルホンアミド(250g,1当量)へ加えた。この反応体を40℃まで加熱した。水酸化ナトリウム水溶液(275mLの水中130g)を、反応物の温度が40℃と43℃の間に留まるようにして加えた。これには約2時間を要した。(水酸化ナトリウム添加の速度は、上述の温度範囲内に保つためには、添加の開始では終わりよりもゆっくりとする必要がある。)水酸化ナトリウムの添加が完了した後で、この反応物を40℃で2時間、次いで周囲温度で一晩撹拌した。過剰のエピクロヒドリンを真空蒸留(約40ミリバール、内部温度:30°C)により水共沸物として除去すると、最後にはそれ以上のエピクロヒドリンは蒸留されなかった。ジクロロメタン(1L)を加え、この混合物を速やかに15分間撹拌した。相を分離させた(これには10分を要したが、一晩静置した後では、完全に澄明な相が得られる)。相を分離させ、このジクロロメタン溶液を以下の後続工程に使用した。
【0083】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 2.55-2.65 (2H, m), 2.79 (2H, t, J 4.4), 3.10-3.22 (4H, m), 3.58-3.73 (2H, m), 7.50-7.56 (2H, m), 7.58-7.63 (1H, m), 7.83-7.87 (2H, m).
(iv)5−ベンジル−3,7−ジヒドロキシ−1−フェニルスルホニル−1,5−ジアザシクロオクタン
上記工程(iii)からのジクロロメタン溶液へIMS(2.5L,10容量)を加えた。この溶液を、内部温度が70℃に達するまで蒸留した。約1250mLの溶媒を採取した。さらなるIMS(2.5L,10容量)に続き、ベンジルアミン(120mL,0.7当量)を1分量で加え(発熱を認めず)、この反応物を還流で時間加熱した(2時間のサンプリング点からは変化なし)。さらにベンジルアミン(15mL)を加え、この溶液をさらに2時間加熱した。IMSを蒸留し(約3.25L)、トルエン(2.5L)を加えた。さらに溶媒(約2.4L)を蒸留してから、さらにトルエン(1L)を加えた。このとき上部温度は110℃であった。110℃でさらに250mLの溶媒を採取した。理論的には、これにより110℃で約2.4Lのトルエン中に生成物が残った。この溶液を次の工程に使用した。
【0084】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.83-7.80 (4H, m, ArH), 7.63-7.51 (6H, m, ArH), 7.30-7.21 (10H, ArH), 3.89-3.80 (4H, m, CH(a) +CH(b)), 3.73 (2H, s, CH2Ph(a)), 3.70 (2H, s, CH2Ph(b)), 3.59 (2H, dd, CHHNSO2Ar(a)), 3.54 (2H, dd, CHHNSO2Ar(b)), 3.40 (2H, dd, CHHNSO2Ar(b)), 3.23 (2H, dd, CHHNSO2Ar(a)), 3.09-2.97 (4H, m, CHHNBn(a) + CHHNBn(b)), 2.83 (2H, dd, CHHNBn(b)), 2.71 (2H, dd, CHHNBn(a)).
(トランス−(a)及びシス−ジオール(b)の1:1混合物を含んでなる精製材料からとったデータ)。
【0085】
(v)3−ベンジル−7−(フェニルスルホニル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
上記の先の工程(iv)からのトルエン溶液を50℃へ冷やした。無水メタンスルホン酸(0.2L)を加えた。これにより、50℃から64℃への温度上昇を引き起こした。10分後、メタンスルホン酸(1L)を加え、反応物を110℃まで5時間加熱した。次いで、トルエンをこの反応物から蒸留し、1.23Lを採取した。(どの段階でも内部温度が110℃より高くなってはならないことに留意すること。さもないと、収率が減少する。)次いで、この反応物を50℃へ冷やし、真空をかけて残りのトルエンを除去した。110℃及び650ミリバールへの加熱により、さらに0.53Lを除去した。(より低い温度及び気圧でトルエンを除去することが可能であるならば、そのほうが有益である。)次いで、この反応物を30℃へ冷やし、脱イオン水(250mL)を加えた。これにより、温度は30℃から45℃へ上昇した。温度が54℃未満であるようにして、水(2.15L)を全体で30分の時間にわたり加えた。この溶液を30℃へ冷やしてから、ジクロロメタン(2L)を加えた。外部を冷やし、速やかに撹拌しながら、内部温度を38℃未満に保つ速度で水酸化ナトリウム水溶液(10M,2L)を加えることによって、この反応混合物を塩基性にした。これには80分を要した。撹拌を止めると、相が3分のうちに分離した。この層を分画した。このジクロロメタン溶液へIMS(2L)を加え、蒸留を開始した。上部温度が70℃に達するまで溶媒(2.44L)を採取した。理論的には、これにより1.56LのIMS中に生成物が残った。次いで、この溶液を、一晩ゆっくり撹拌しながら周囲温度へ冷やした。沈殿した固形生成物を濾過し、IMS(0.5L)で洗浄し、淡黄褐色の生成物を得て、これを50℃、真空中で乾燥させ、50.8g(3工程で8.9%)を得た。この生成物の20.0gをアセトニトリル(100mL)に還流で溶かし、薄黄色の溶液を得た。周囲温度へ冷やした後で、生じた結晶を濾過により採取し、アセトニトリル(100mL)で洗浄した。この生成物を40℃で1時間真空乾燥させ、17.5g(87%)の副題化合物を得た。
【0086】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.18-7.23 (10H, m), 3.86-3.84 (2H, m), 3.67 (2H, d), 3.46 (2H, s), 2.91 (2H, d), 2.85 (2H, dd), 2.56 (2H, dd).
(vi)3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンx2HCl
固形の3−ベンジル−7−(フェニルスルホニル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(400g,上記の工程(v)を参照のこと)へ濃臭化水素酸(1.2L,3相対容量)を加え、この混合物を窒素雰囲気下で還流まで加熱した。この固形物は、この酸に95℃で溶けた。この反応物を8時間加熱した後、HPLC分析は、この反応が完全であることを示した。この内容物を室温へ冷やした。トルエン(1.2L,3相対容量)を加え、この混合物を15分間激しく撹拌した。撹拌を止めて、相を分画した。トルエン相を少量の界面材料と一緒に捨てた。酸性相を元の反応容器へ戻し、水酸化ナトリウム(10M,1.4L,3.5相対容量)を1分量で加えた。内部温度は30℃から80℃へ上昇した。pHをチェックし、それが>14であることを確かめた。トルエン(1.6L,4相対容量)を加えると、温度は80℃から60℃へ下降した。30分間激しく撹拌した後で、相を分画した。水層を少量の界面材料と一緒に捨てた。トルエン相を元の反応容器へ戻し、2−プロパノール(4L,10相対容量)を加えた。温度を40℃と45℃の間に調整した。温度が40℃と45℃の間に留まるようにして、濃塩酸(200mL)を45分にわたり加えた。白い沈殿が生じた。この混合物を30分間撹拌してから、7℃へ冷やした。生成物を濾過により採取し、2−プロパノール(0.8L,2相対容量)で洗浄し、吸引により乾燥させてから、40℃の真空オーブンにおいてさらに乾燥させた。収量=297g(91%)。
【0087】
1H NMR (CD3OD + 4 滴 D2O): δ 2.70 (br d, 2H), 3.09 (d, 2H), 3.47 (br s, 4H), 3.60 (s, 2H), 4.12 (br s, 2H), 7.30-7.45 (m, 5H).
API MS:m/z=219[C1318O+H]
(vii)3,3−ジメチル−1−[9−オキサ−7−(フェニルメチル)−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]−2−ブタノン
水(500mL,5容量)に続き1−クロロピナコロン(45.8mL,1当量)を重炭酸ナトリウム(114.2g,4当量)へ加えた。3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンx2HCl(100.0g;上記の工程(vi)を参照のこと)の水(300mL,3容量)溶液を、二酸化炭素の発生を抑えるようにして(20分)、ゆっくり加えた。この反応混合物を65〜70℃で4時間加熱した。周囲温度へ冷やした後で、ジクロロメタン(400mL,4容量)を加えた、15分間撹拌した後で、相を分離させた。水相をジクロロメタン(400mL,4容量)で抽出し、有機抽出物を合わせた。この溶液を蒸留し、溶媒(550mL)を採取した。エタノール(1L)を加え、蒸留を続けた。さらなる溶媒(600mL)を採取した。エタノール(1L)を加え、蒸留を続けた。さらなる溶媒(500mL)を採取した(このとき上部温度は77℃であった)。この溶液(理論的には1150mLのエタノールを含有する)を次の工程に直接使用した。
【0088】
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.21 (9H, s), 2.01-2.59 (2H, m), 2.61-2.65 (2H, m), 2.87-2.98 (4H, m), 3.30 (2H, s), 3.52 (2H, s), 3.87 (2H, br s), 7.26 (2H, d, J 7.6), 7.33 (1H, dd, J 7.6, 7.6), 7.47 (2H, d, J 7.6).
(viii)3,3−ジメチル−1−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−2−ブタノン
パラジウム担持活性炭(44g,61%湿性触媒の0.4重量当量、Johnson Matthey 440L型)を、上記の先の工程(vii)からのエタノール溶液へ加えた。この混合物を4バールで水素化した。この反応は、5時間後に完了とみなされた。触媒を濾過により除去し、エタノール(200mL)で洗浄した。合わせたエタノール濾液を以下の工程(ix)に使用した/使用してもよい。溶液アッセイにより、エタノール(理論的には1.35L;測定では1.65L)中に61.8gの表題生成物を得た。生成物の一部を単離し、精製した。この精製生成物について分析を実施した。
【0089】
1H NMR (300MHz, CDCl3): δ 1.17 (9H, s), 2.69 (2H, dt, J 11.4, 2.4), 2.93 (2H, d, J 10.8), 3.02 (2H, d, J 13.8), 3.26 (2H, s), 3.32 (2H, dt, J 14.1), 3.61 (2H, br s).
この反応は、ベンジル化出発材料に対してより低い重量比の触媒を使用して行ってもよい。これは、いくつかの異なるやり方で、例えば、異なる触媒(上記に使用されるタイプ440L触媒とは異なる金属ローディングを有するPd/C、又はRh/Cのような)を使用することによって、及び/又はこの反応混合物の物質輸送特性を改善することによって(当業者は、例えば、上記の反応に記載されるものより大きいスケールで水素化を実施することによって、改善された物質輸送を得ることが可能であることを理解されよう)達成することが可能である。そのような技術を使用すれば、出発材料に対する触媒の重量比を4:10未満(例えば、4:10と1:20の間)へ減らすことが可能である。
【0090】
(ix)化合物A、ベンゼンスルホン酸塩一水和物
方法1
炭酸カリウム(56.6g,1.5当量)と4−メチルベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピル(上記の工程(ii)を参照のこと;90.3g,1当量)を、3,3−ジメチル−1−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−2−ブタノン(上記の工程(viii)を参照のこと;1.65L中のアッセイから61.8g)のエタノール溶液へ加えた。この反応物を80℃で4時間加熱した。アッセイによりいくらかの反応体(8.3g)が残っていることが示されたので、より多くの4−メチルベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピル(12.2g)を加え、生成物を80℃で4時間撹拌した。溶媒(1.35L)を蒸留してから、酢酸イソプロピル(2.5L)を加えた。溶媒(2.51L)を除去した。酢酸イソプロピル(2.5L)を加えた。溶媒(0.725L)を除去した。このとき内部温度は88℃であった。溶媒(0.825L)を除去し、生成物を酢酸イソプロピル溶液(理論的には、2.04L中)に残した。34℃へ冷やした後で、水(0.5L)を加えた。この混合物には、おそらくはPdの黒い懸濁物があった。水相のpHは11であった。水酸化ナトリウム(1M,0.31L)を、温度が25℃未満であるようにして加え、この混合物を5分間激しく撹拌した。水相のpHは12であった。相を分離させ、水相を捨てた。さらに水(0.5L)を加え、相を分離させた。水相を捨てた。残るエステル溶液を濾過し、懸濁した粒子を除去してから、濾液を正確に2Lとした。この溶液を2x1Lの分量(portion)に分けた。
【0091】
(高いパラジウム含量を含んでなる副題生成物が生成することを避けるには、以下の処理を実施してよい:Deloxan(登録商標)樹脂(12.5g,25重量%)をフリー塩基の溶液(1L)へ加え、この混合物を、激しく撹拌しながら還流で5時間加熱した。次いで、この溶液を室温へ冷やし、2日間撹拌した。樹脂を濾過により除去した。)
アッセイを実施して、ベンゼンスルホン酸塩をつくるためのベンゼンスルホン酸の必要量を算出した。
【0092】
ベンゼンスルホン酸(20.04g,1当量、酸が純粋な一水和物であると仮定して)の酢酸イソプロピル(200mL)溶液を、激しく撹拌しながら、5分にわたり(可能ならばよりゆっくり加えるほうがよい)上記フリー塩基の溶液(1L)へ加えると、薄黄色の沈殿が生じた。温度は18℃から22℃へ上昇した。10分後、この混合物を10℃へ冷やし、生成物を濾過により採取した。この生成物を酢酸イソプロピル(250mL)で洗浄し、フィルター上で吸引乾燥させてから、40℃で2日間真空乾燥させ、59.0g(3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンx2HClからは61%)を得た。
【0093】
(この粗製ベンゼンスルホン酸塩は、他のやり方では、ベンゼンスルホン酸の70%(w/w)水溶液をフリー塩基のエタノール性溶液へ加えることによって製造した。)
粗製の副題生成物は一水和物として単離する。
【0094】
粗製の副題化合物(50.0g)へエタノール(500mL)と水(250mL)を加えた。この溶液を75℃まで加熱した。材料はすべて55°Cで溶けた。この溶液を75℃に5分間保ってから、1時間にわたり5℃へ冷やした。沈殿は18℃ではじまった。この冷溶液を濾過し、濾液をエタノール:水(2:1;150mL)で洗浄し、フィルター上で吸引乾燥させてから、40℃で真空乾燥させ、純粋な副題生成物(41.2g,82%)を得た。
【0095】
(この再結晶は、必要ならば、反応容器に合わせてより大きな容量で行ってもよい。例えば、
EtOH:水 2:1,45容量(62%の回収率をもたらした)
EtOH:水 6:1,35容量(70%の回収率をもたらした)。)
副題生成物は、再結晶に続き、一水和物として単離した(単結晶X線回折により決定した)。
【0096】
方法2
(a)ベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピル
4−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]ベンゾニトリル(上記の工程(i)別法3より、推定43.65g,247.7ミリモル、1.0当量)のジクロロメタン(360mL,全溶液量)溶液へ、順に、トリエチルアミン(52mL,37.60g,371.55ミリモル、1.5当量)と塩酸トリメチルアミン(11.89g,123.85ミリモル、0.5当量)を1分量で加えた。この黄色い溶液を−20℃へ冷やし(アセトン/ドライアイス浴又は冷却板を使用する)、塩化ベンゼンスルホニル(32mL,43.74g,247.7ミリモル、1.0当量)のジクロロメタン(220mL,シアノアルコールに関して5容量)溶液で、均圧滴下漏斗を介して処理した。この溶液は、内部温度が−14℃を超えないようにして、少しずつ加えた。この添加は、完了するのに25分を要した。次いで、この混合物を−15〜−10℃で35分間撹拌した。水(365mL)を加えると、温度が10℃へ上昇した。この混合物を0℃へ戻して冷やし、15分間激しく撹拌した。この有機層(容量:570mL)を採取し、大気圧で蒸留し、DCM(450mL,ポット温度:40−42℃,蒸留器の上部温度:38〜39℃)を除去した。エタノール(250mL)を加え、この溶液を30℃未満まで冷やした後で、真空を作動させた。さらに溶媒を除去すると(40mLを採取、気圧:5.2kPa(52ミリバール)、ポット及び蒸留器上部の温度は、21〜23℃であった)、生成物が徐々に溶液から現れた。この時点で蒸留を止め、さらにエタノール(50mL)を加えた。この混合物を40℃へ温め(50℃の湯浴)、すべての固形物を溶かし、滴下漏斗を介して水(90mL)をゆっくり加えた。この溶液を室温(20℃)で一晩(15時間)ゆっくり撹拌すると、このときまでにいくらかの生成物が析出していた。この混合物を−5℃(氷/メタノール浴)へ冷やし、この温度で20分間撹拌した後で、薄黄色の固形物を濾過により採取した。この固形物をエタノール/水混合物(42mL EtOH,8mL HO)で洗浄し、30分間吸引乾燥させた後で、真空オーブン(40℃,72時間)において一定重量になるまで乾燥させた。得られた粗生成物の量は47.42g(149.9ミリモル,60%)であった。この粗生成物(20.00g,63.22ミリモル、1.0当量)へエタノール(160mL,8容量)を加えた。この混合物を窒素下で撹拌し、湯浴を使用して40℃へ温めた。この温度に達すると、固形物がすべて溶けて、澄明な黄色い溶液となった。内部温度を38〜41℃の範囲に維持しながら、水(60mL,3容量)を10分の時間にわたり滴下した。この水浴を外し、この溶液を40分にわたり25℃へ冷やすと、このときまでに結晶化がはじまっていた。この混合物を10分にわたり−5℃へ冷やしてから、この温度にさらに10分間保った。この薄黄色の固形物を濾過により採取し、10分間吸引乾燥させてから、真空オーブン(40℃,15時間)において一定重量になるまで乾燥させた。得られた副題化合物の量は、18.51g(58.51ミリモル、93%(粗生成物から))であった。
【0097】
(b)化合物A、ベンゼンスルホン酸塩一水和物
3,3−ジメチル−1−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−2−ブタノン(推定34.97g(アッセイにより証明),154.5ミリモル、1.0当量;上記の工程(viii)を参照のこと)のエタノール溶液(全量770mL,アミンに関して約20容量)へ、ベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピル(49.05g,154.52ミリモル,1.0当量;上記の工程(a)を参照のこと)を1分量で加えた。生じた混合物を74℃で6時間加熱してから、室温(20℃)で65時間(週末全体;当業者は、この反応が室温でのこの長期撹拌なしにうまくいくことを理解されよう)撹拌した。エタノール(370mL)を除去し、水(200mL)を加えた(これにより、2:1のEtOH:HO混合物、全量600mLを得た)。この水を加えると、ポット温度が80℃から61℃へ下降した。この溶液を70℃へ再加熱してから、ゆっくり撹拌しながら自然に周囲温度へ一晩(19時間)戻した。この段階で固形物が観察された。この混合物を0℃へ冷やしてから、この温度で15分間撹拌した後で、濾過によりオフホワイトの固形物を採取した。この固形物をエタノール:水(150mL)の冷たい2:1混合物で洗浄し、1.25時間吸引乾燥させてから、オーブン乾燥(40℃,20時間)させた。得られた粗生成物の量は、57.91g(103.3ミリモル、60%)であった。
【0098】
この生成物は、(HPLC分析により決定されるように)98.47%純粋であることが判明し、(以下に記載の方法を使用して)再結晶させて、副題化合物を99.75%(回収率84%)の純度で得た。
【0099】
再結晶法:
上記で得た粗生成物(56.2g)へエタノール(562mL)と水(281mL)を加えた。この溶液を75℃まで加熱した。すべての材料が55℃で溶けた。この溶液を75℃に5分間保った後で、1.5時間にわたり5℃へ冷やした。沈殿が35℃で始まった。この冷溶液を濾過し、採取した沈殿物をエタノール:水(2:1,168mL)で洗浄した。この固形材料をフィルター上で吸引乾燥させた後で、40℃で真空乾燥させ、生成物(47.1g,84%)を得た。
【0100】
(x)化合物A(フリー塩基)
方法I
粗製ベンゼンスルホン酸塩(50.0g,1.0当量、上記の工程(ix)より;方法1)を、水酸化ナトリウム水溶液(1M,500mL)へ加え、ジクロロメタン(1.0L,20容量)中で洗浄した。合わせた混合物を15分間撹拌した。次いで、層を分離させ、上部の水層とともに少量の界面材料を残した。このジクロロメタン溶液へエタノール(500mL,10容量)を加えてから、溶媒(1.25L)を蒸留により除去した。このとき蒸留器の上部温度は78℃であった。この溶液を還流未満へ冷やし、エタノール(250mL,5容量)を加えた。溶媒(250mL)を除去した。この温溶液をエタノールで890mL,17.8容量へ希釈した(フリー塩基への100%変換を仮定すれば、25容量)。還流へ加熱した後で、この溶液をゆっくり冷やした。5℃で表題化合物の種を加えた。結晶化がはじまって、この混合物を5℃で30分間撹拌した。生成物を濾過により採取し、エタノール(2x50mL,2x1容量)で洗浄した。次いで、この生成物を、真空オーブンにおいて40℃で60時間乾燥させ、オフホワイトの粉末(26.3g;74%)を得た。
【0101】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.86-7.82 (2H, m), 7.39-7.32 (3H. m), 7.30-7.26 (2H, m), 6.47 (2H, m), 4.11-4.07 (4H, m), 3.70 (2H, s), 3.36-3.33 (4H, m), 3.26 (2H, t), 3.12 (2H, d), 2.90 (2H, d), 2.28-2.21 (2H, m), 1.06 (9H, s).
13C NMR (CDCl3): δ 24.07, 26.38, 41.52, 43.52, 56.17, 56.47, 63.17, 68.46, 96.61, 111.64, 121.03, 133.43.
MS(ES):m/z=385.1(M+H)
方法II
4−{[3−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)プロピル]アミノ}−ベンゾニトリル(以下の製法B(I)(vi)を参照のこと;5.73g,0.02モル)、KCO(11.05g,0.08モル)のMeCN(300mL)混合物を1−クロロピナコロン(4.44g,0.032モル)で処理した。この混合物を50℃で一晩撹拌した後で、DCMを加え、この混合物を濾過した。次いで、この濾過ケークをDCM及びMeCNの混合物で洗浄した後で、溶媒を濾液から蒸発させた。生じた残渣を酢酸エチル:メタノール:アンモニア性メタノール(95:5:0〜95:0:5)の勾配液で溶出させるシリカのクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(5.8g,73.9%)を得た。
【0102】
製法B(I)
化合物Bの製造(方法I)
(i)2−ブロモエチルカルバミン酸tert−ブチル
重炭酸ナトリウム(6.15g,0.073モル)と二炭酸ジ−t−ブチル(11.18g,0.051モル)をHO(50mL)及びジクロロメタン(150mL)の混合物に溶かしてから、0℃へ冷やした。2−ブロモエチルアミン臭化水素酸塩(10.0g,0.049モル)を固形物としてゆっくり加え、この反応物を25℃で一晩撹拌した。ジクロロメタン層を分離し、HO(200mL)で洗浄し、硫酸水素カリウムの溶液(150mL,pH=3.5)で洗浄した。有機層を乾燥(NaSO)させ、真空で濃縮した。この粗製オイルをシリカゲルでクロマトグラフ処理し、ジクロロメタンで溶出させて、7.87g(72%)の副題化合物を澄明無色のオイルとして得た。
【0103】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 4.98 (bs, 1H), 3.45-3.57 (m, 4H), 1.47 (s, 9H).
API−MS:(M+1−C)126m/z.
(ii)3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンx2HCl
これは、上記の製法A(vi)に記載のものに代わる製法である。3Lの3つ首フラスコに磁気撹拌子、温度計、及び還流濃縮器を取り付けた。水性臭化水素酸(48%,0.76L,4.51モル)を固形の3−ベンジル−7−(フェニルスルホニル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(190g,0.53モル、上記の製法A(v)を参照のこと)へ加え、この混合物を窒素下で還流まで加熱した。固形物は90℃で溶けた。この混合物を12時間加熱した後で、GC分析はこの反応が完了していることを示した。この内容物を室温へ冷やした。トルエン(0.6L)を加え、この混合物を数分間撹拌した。相を分離させた。水相を元の反応容器へ戻し、水酸化ナトリウム水溶液(10M,0.85L,8.5モル)を1分量で加えた。内部温度が80℃へ上昇し、この混合物は強塩基性であった。トルエン(0.8L)を加えると、内部温度は55℃へ下降した。30分間激しく撹拌した後で、トルエン相を分離し、元の反応容器へ戻した。2−プロパノール(1.9L)を加え、内部温度を40℃と50℃の間に調整した。濃塩酸を、40℃と50℃の間に温度を維持するような速度で(酸性になるまで)加えた。白い沈殿が生じた。この混合物を30分間撹拌してから7℃へ冷やした。白い粉末を濾過により採取し、2−プロパノール(0.4L)で洗浄し、サンプルから空気を抜くことによって10分間乾燥させてから、40℃の真空オーブンでさらに乾燥させた。収量:130g(84%)。
【0104】
(iii)7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸tert−ブチル塩酸塩
5Lの3つ首フラスコにオーバーヘッド撹拌子、温度計、及び窒素バブラーを取り付けた。水(1.4L)、ジクロロメタン(1.4L)、重炭酸ナトリウム(150g,1.79モル)、及び3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンx2HCl(130g,0447モル、上記の工程(ii)より)をすべてこの順序で入れた。この混合物を10分間速やかに撹拌してから、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.113L,0.491モル)をゆっくり加えた。この混合物を室温で3時間速やかに撹拌した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、160gのオフホワイト固形物を得た。このオフホワイトの固形物を、オーバーヘッド撹拌子、温度計、及び滴下漏斗を取り付けた3Lの3つ首フラスコの中へ入れた。酢酸エチル(0.6L)を入れ、この澄明な溶液を−10℃へ冷やした。HClのジオキサン(4M)溶液を、pHが4未満になるまで滴下した。塩酸塩が沈殿し、この混合物をさらに1時間撹拌した。生成物を濾過により採取し、酢酸エチル(0.1L)で洗浄し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。この白い結晶性生成物は146g(収率92%)の重量であった。
【0105】
(iv)9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸tert−ブチル塩酸塩
上記の工程(iii)からの塩酸塩(146g,0.411モル)と20% Pd(OH)−C(7.5g)をParr水素発生ボトルへ入れた。メタノール(0.5L)を加え、このボトルを水素の雰囲気下、3.5バールで激しく振り混ぜた。この反応をGC分析によりモニターすると、1時間後に完了していることがわかった。触媒を濾過し、濾液を濃縮し、オフホワイトの結晶性生成物を得た。この粗生成物を温アセトニトリル(1.2L)に溶かしてから、熱いまま濾過した。濾液を酢酸エチル(1.2L)で希釈した。この澄明な溶液を室温で一晩放置した。最初の結晶の収穫物を採取し、真空で乾燥させ、52gの副題化合物を白い固形物として得た。濾液を乾燥近くまで濃縮してから温アセトニトリル(0.4L)に溶かし、酢酸エチル(0.4L)で希釈した。この溶液を10℃まで冷やした後で、第二の結晶の収穫物(38g)を得た。2つの収穫物は、GC分析とH NMR分析により、同等であることがわかった。合わせた収量:90g(83%)。
【0106】
(v)7−[3−(4−シアノアニリノ)プロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]−ノナン−3−カルボン酸tert−ブチル
9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸tert−ブチルの塩酸塩(上記の工程(iv)を参照のこと;1.1g,4.15ミリモル)を、MeCN(46mL)、水(2.5mL)、及びKCO(3.5g,25ミリモル)と混合した。この混合物を4時間撹拌した後で、CHClを加え、この混合物をCelite(登録商標)に通して濾過した。濾液を真空で濃縮し、0.933gのフリー塩基を得た。次いで、これをMeCN(18mL)中の4−メチルベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピル(上記の製法A(ii)を参照のこと;2.1g,6.2ミリモル)及びKCO(0.86g,6.2ミリモル)と混合した。生じた混合物を60℃で一晩撹拌した後で、真空で濃縮した。残渣をDCM(250mL)と1M NaOH(50mL)で処理した。層を分離させ、DCM層をNaHCO水溶液で2回洗浄した後で乾燥(NaSO)させ、真空で濃縮した。生成物をトルエン:酢酸エチル:トリエチルアミン(2:1:0〜1000:1000:1)の勾配液で溶出させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1.47g(91%)の副題化合物を得た。
【0107】
(vi)4−{[3−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)プロピル]アミノ}ベンゾニトリル
7−[3−(4−シアノアニリノ)プロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]−ノナン−3−カルボン酸tert−ブチル(上記の工程(v)より)を使用し、以下の製法C(v)及びnD(iii)の記載に類似した手順を使用して、副題化合物を収率96%で得た。
【0108】
(vii)化合物B
2−ブロモエチルカルバミン酸tert−ブチル(4.21g,0.019モル;上記の工程(i)を参照のこと)のDMF(65mL)溶液へ4−{[3−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)プロピル]アミノ}ベンゾニトリル(上記の工程(vi)を参照のこと;4.48g,0.016モル)とトリエチルアミン(3.27mL,0.024モル)を加えた。この混合物を35℃で一晩撹拌してから、真空で濃縮した。残渣をジクロロメタン(80mL)に溶かし、飽和塩化ナトリウムで洗浄した。水層をジクロロメタン(1x150mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥(NaSO)させ、真空で濃縮した。この粗製の赤褐色オイルを、クロロホルム:メタノール:濃NHOH(9:1:0.02)で溶出させるシリカゲルでクロマトグラフ処理(x2)し、3.75g(56%)の表題化合物を得た。
【0109】
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.37-7.40 (d, J=8.8 Hz, 2H), 6.64-6.67 (d, J=8.8 Hz, 2H), 3.94 (bs, 2H), 3.21-3.31 (m, 4H), 3.01 (bs, 4H), 2.47-2.59 (m, 8H), 1.90 (bs, 2H), 1.39 (s, 9H).
13C NMR (75 MHz, CD3OD) δ 158.5, 134.7, 121.9, 113.2, 97.7, 80.3, 69.2, 58.8, 58.1, 57.5, 57.3, 41.9, 38.3, 28.9, 26.2.
API−MS:(M+1)=430m/z.
製法B(II)
化合物Bの製造(方法II)
(i)[2−(7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
別法1
(a)2−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)エチルトシラート
塩化p−トルエンスルホニル(28.40g,148ミリモル)のジクロロメタン(100mL)溶液を、ジクロロメタン(120mL)中のN−(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(20g,120ミリモル)、トリエチルアミン(18.80g,186ミリモル)、及び塩化トリメチルアンモニウム(1.18g,12.4ミリモル)の混合物へ0℃で30分にわたり滴下した。この混合物を0℃で1時間撹拌してから濾過し、ジクロロメタン(100mL)で洗浄した。濾液を10%クエン酸(3x100mL)と塩水(100mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させてから濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、オイルを得た。このオイルを酢酸エチル(40mL)に溶かしてから、イソヘキサン(160mL)をゆっくり加えた。生じたスラリーを室温で17時間撹拌してから濾過した。採取した固形物をイソヘキサン(240mL)で洗浄し、副題化合物(25g,64%)を無色の粉末として得た。
【0110】
融点:64〜66℃.
1H-NMR (300MHz, CDCl3,) δ 1.40 (9H, s), 2.45 (3H, s), 3.38 (2H, q), 4.07 (2H, t), 4.83 (1H, bs) 7.34 (2H, d), 7.87 (2H, d).
MS:m/z=216(MH(316)−Boc).
(b)[2−(7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン二塩酸塩(上記の製法A(vi)を参照のこと;10g,34ミリモル)の水(25mL)溶液を、重炭酸ナトリウム(10g,119ミリモル)の水(10mL)溶液へゆっくり加えた。さらに水(5mL)を加え、この混合物を室温で10分間撹拌した。2−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)エチルトシラート(上記の工程(a)を参照のこと;11.92g,37ミリモル)のトルエン(40mL)溶液を加えた。次いで、この混合物を65〜70℃で7時間加熱した後で、室温で一晩撹拌した。この反応物を50℃まで再加熱し、相を分離させた。50℃で水層をトルエン(40mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム(25mL)で洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発させ、オイル及び固形物の混合物(13g,>100%)を得た。この油状固形物の一部(5g,138ミリモル)へ酢酸エチル(50mL)とクエン酸(10%,25mL)を加えた。水層を分離し、有機層はクエン酸(10%,20mL)で再び洗浄した。水層を合わせ、固形の重炭酸ナトリウムで中性になるまで処理した。水相を酢酸エチル(2x50mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で蒸発乾固させ、副題化合物(4.68g,93%)を無色の半固形物として得たが、これは冷蔵庫に保存すると、完全に固まった。
【0111】
融点:.58〜60℃.
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.46 (9H, s), 2.38-2.57 (4H, m), 2.6-2.68 (2H, m) 2.75-2.85 (4H, m), 3.22 (2H, q), 3.26 (2H, s), 3.83 (2H, bs), 6.17 (1H, bs) 7.2-7.4 (5H, m).
MS:m/z=362(MH).
別法2
(a)3−(7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]プロピオンアミド
3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン二塩酸塩(上記の製法A(vi)を参照のこと;5g,17ミリモル)のエタノール(50mL)溶液へトリエチルアミン(3.60g,35.7ミリモル)をゆっくり加えた。この混合物へアクリルアミド(1.34g,18ミリモル)を加えてから、これを還流で7時間加熱した。次いで、この反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣へ水(50mL)と水酸化ナトリウム(1M,150mL)を加え、この混合物を酢酸エチル(2x200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、無色の固形物を得た。これを酢酸エチル(50mL)から再結晶させ、副題化合物(3.80g,76%)を得た。
【0112】
融点:157〜159℃.
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 2.39 (2H, t), 2.42-2.61 (6H, m), 2.82-2.95 (4H, m), 3.39 (2H, s), 3.91 (2H, bs), 5.07 (1H, bs), 7.18-7.21 (2H, m), 7.25-7.39 (3H, m), 9.5 (1H, bs).
MS:m/z=290(MH).
(b)[2−(7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
3−(7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]−プロピオンアミド(上記の工程(a)を参照のこと;5g,12ミリモル)のtert−ブタノール中のカリウムtert−ブトキシド(1M,81mL)及びtert−ブタノール(20mL)溶液へ、N−ブロモスクシンイミド(6.0g,33ミリモル)を1分にわたり数回の分量で加えた。次いで、この混合物を60〜65℃で30分間加熱した。この反応物を室温にしてから水(100mL)を加えた。この混合物を酢酸エチル(2x50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し(濾過ケークを酢酸エチル(50mL)で洗浄し)、次いで濾液を減圧下で濃縮し、副題化合物(6.5g,>100%)を褐色のオイルとして得た。
【0113】
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.46 (9H, s), 2.4-2.58 (4H, m), 2.58-2.7 (2H, m) 2.75-2.91 (4H, m), 3.22 (2H, q), 3.28 (2H, s), 3.83 (2H, bs), 6.19 (1H, bs) 7.2-7.42 (5H, m).
MS:m/z=316(MH).
別法3
(a)3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン
すべての容量及び当量を、使用する3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン二塩酸塩(上記の製法A(vi)を参照のこと)に関して測定する。3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン二塩酸塩(60.07g,206.03ミリモル、1.0当量;上記の製法A(vi)を参照のこと)へトルエン(420mL,7容量)と水酸化ナトリウム水溶液(2M,420mL,7容量、4.0当量)を加えた。この混合物を窒素下で撹拌し、60℃まで加熱し、この温度に30分間保つと、このときまでに2つの澄明な層が生じた。下の水層を除去し、副題化合物(フリー塩基)のトルエン溶液を大気圧で共沸させ(除去した溶媒の全量=430mL;加えたトルエンの全量=430mL)、次いで240mL(4容量)の量へ濃縮した。この段階でのカールフィッシャー分析は、この溶液中に0.06%の水分を示した。副題化合物(理論的には、44.98g,206.03ミリモル、1.0当量)の乾燥させた溶液をそのまま後続の工程に使用した。
【0114】
(b)2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸2−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)エチル
N−(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(50.11g,310.2ミリモル、1.0当量)のジクロロメタン(250mL,5容量)溶液へトリエチルアミン(65mL,465.3ミリモル、1.5当量)を1分量で加えた。この溶液を−10℃へ冷やし、塩酸トリメチルアミン(14.84g,155.1ミリモル、0.5当量)を1分量で加えた。生じた混合物をさらに−15℃へ冷やし、5分間撹拌してから、塩化メシチレンスルホニル(74.74g,341.2ミリモル、1.1当量)のジクロロメタン(250mL,5容量)溶液で、内部温度が−10℃未満に留まるようにして、28分にわたり処理した。この添加が完了すると沈殿が生じていて、この混合物を−10℃でさらに30分間撹拌した。水(400mL,8容量)を加え、すべての沈殿物を溶かした。この混合物を5分間速やかに撹拌してから、2つの層を分離させた。ジクロロメタンからイソプロパノールへの溶媒交換を減圧下の蒸留により行った。溶媒(450mL)を除去し、イソプロパノール(450mL)に置き換えた(初期気圧は450ミリバール、沸点24℃であり;最終気圧は110ミリバール、沸点36℃であった)。蒸留の最後に、溶媒(150mL)を除去し、容量を350mLへ落とした(使用したN−(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルの量に関して7容量)。この溶液を25℃へ冷やしてから、撹拌しながら水(175mL)をゆっくり加えると、溶液が徐々に濁ってきた。この段階では固形物は沈殿していなかった。さらに水(125mL)を加えると、約75mLを加えた後で、固形の沈殿が生じはじめた。内部温度は25℃から31℃へ上昇した。この混合物をゆっくり撹拌し、7℃へ冷やした。この固形物を濾過により採取し、イソプロパノール:水(1:1,150mL)で洗浄し、40℃で21時間真空乾燥させて、副題化合物(92.54g,87%)を白い結晶性固形物として得た。
【0115】
融点:73.5℃.
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.42 (9H, s), 2.31 (3H, s), 2.62 (6H, s) 3.40 (2H, q), 4.01 (2H, t), 4.83 (1H, bs), 6.98 (2H, s).
(c)[2−(7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸塩
2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸2−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)エチル(70.93g,206.03ミリモル、1.0当量、上記の工程(b)を参照のこと)の温かい(28℃)トルエン(240mL,4容量)溶液を、3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン(44.98g,206.03ミリモル、1.0当量)(上記の工程(a)を参照のこと)のトルエン(240mL,4容量)溶液へ加えた。生じた溶液を、80℃で8時間加熱しながら、窒素下で速やかに撹拌した。この反応物を周囲温度で84時間撹拌した。薄黄色の溶液に濃厚な白い固形の沈殿が生じていた。この混合物を+9℃へ冷やし、副題化合物を濾過により採取した。反応容器をトルエン(100mL)で洗浄し、フィルターへ加えた。濾過ケークをトルエン(150mL)で洗浄した。この白い固形生成物を15分間吸引乾燥させてから、一定重量になるまで40℃で23時間真空乾燥させた。得られた副題化合物の収量は、79.61g,141.7ミリモル、69%であった。合わせた濾液と洗液(670mL)を水酸化ナトリウム水溶液(2M,200mL,3.3容量)で洗浄した。この混合物を60℃まで加熱し、速やかに撹拌しながら、この温度に20分間保った。このとき、2つの層が分離した。このトルエン溶液を真空蒸留(沸点50〜54℃、650〜700ミリバール;最後は、沸点46℃、120ミリバール)により200mLまで濃縮した。蒸留が進行するにつれて、この溶液は、副題化合物の形成により濁ってきた。元の3−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナンの量の20%が濾液に留まっていると推定されたので、余剰の2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸2−(tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)エチル(14.20g,41.21ミリモル、0.2当量)を1分量で加えた(トルエン溶液としてではなく固形物として入れた)。この濁った溶液を速やかに撹拌しながら、67℃で8時間加熱してから、周囲温度で11時間撹拌した。この混合物を+8℃へ冷やし、副題化合物を濾過により採取した。反応容器をさらにトルエン(2x30mL)で洗浄し、フィルターへ加えた。白い固形生成物を15分間吸引乾燥させてから、一定重量になるまで40℃で7時間真空乾燥させた。副題化合物の収量は、23.25g,41.39ミリモル、20%であった。合わせた副題化合物(白い固形物)の収量は、102.86g,183.11ミリモル、89%であった。
【0116】
融点:190〜190.5°C.
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.43 (9H, s), 2.17 (3H, s), 2.51 (6H, s), 2.73-2.80 (2H, m), 2.90-2.94 (4H, m), 3.14-3.22 (4H, m), 3.37 (2H, bm), 3.89 (2H, bs), 4.13 (2H, bs), 6.74 (2H, s), 7.12 (1H, bt), 7.42-7.46 (5H, m).
(ii)[2−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル
方法1:[2−(7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(上記の工程(i),別法1を参照のこと;1g,2.77ミリモル)のエタノール(10mL)溶液へ重炭酸ナトリウム(0.058g,0.069ミリモル)と5% Pd/C(0.250g,Johnson Matthey440型ペースト)を加えた。次いで、この混合物を500kPa(5バール)で18時間水素化した。この反応混合物をCelite(登録商標)に通して濾過してから、エタノール(20mL)で洗浄した。この溶液を減圧下で濃縮し、オイルを得た。これをジクロロメタン(20mL)に溶かし、水酸化ナトリウム(1M,10mL)で洗浄した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させてから、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、副題化合物(0.67g,87%)を黄色い固形物として得た。
【0117】
融点:91〜93℃.
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.46 (9H, s), 2.25 (2H, t), 2.58-2.65 (2H, m) 2.95-3.06 (4H, m), 3.2-3.38 (4H, m), 3.64 (2H, bs), 4.65 (1H, bs).
MS:m/z=272(MH).
方法2:[2−(7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル・2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸塩(320g,1.0モル当量、1.0相対容量/重量、上記の工程(i)、別法3を参照のこと)、トルエン(640mL,2.0容量)及び水酸化ナトリウム水溶液(1M,1.6L,5.0容量)を一緒に15分間撹拌してから、層を分離させた。[2−(7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルを含有する有機層をエタノール(690mL,2.16容量)と水(130mL,0.4容量)で希釈した。クエン酸(32.83g,0.3モル当量)と5% Pd/C(20.8g,61%水湿性触媒の0.065重量当量、Johnson Matthey 440L型)を加えた。次いで、合わせた混合物を4バールの水素気圧下で24時間水素化した。この反応は、移動相X:DCM(1:1 v/v;Xは、クロロホルム:メタノール:濃アンモニア 80:18:2(v/v)である)のシリカプレートを使用するTLCによりモニターした。視覚化は、UV光(254nm)と過マンガン酸カリウム水溶液での染色によった。これにより、出発材料の完全な消失と副題化合物の出現が示された。この反応混合物を珪藻土に通して濾過し、エタノール(590mL,1.84容量)で洗浄した。生じた副題化合物(推定154.85g,100%)の溶液を後続の反応に直に使用した。
【0118】
方法3:[2−(7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル・2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸塩(50g,1.0モル当量、1.0相対容量/重量、上記の工程(i)、別法3を参照のこと)、トルエン(100mL,2.0容量)、及び水酸化ナトリウム水溶液(1M,100L,2.0容量)を一緒に20分間、次いで30℃で10分間撹拌してから、層を分離させた。[2−(7−ベンジル−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステルを含有する有機層をエタノール(100mL,2.0容量)で希釈した。これへクエン酸(5.14g,0.3モル当量)の水(5mL,0.1容量)溶液に続き、5% Pd/C(1.50g,61%水湿性触媒の0.03重量当量、Johnson Matthey 440L型)を加えた。次いで、合わせた混合物を4バールの水素気圧下で24時間水素化した。この反応は、移動相X:DCM 1:1(v/v)(Xは、クロロホルム:メタノール:濃アンモニア 80:18:2(v/v)である)のシリカプレートを使用するTLCによりモニターした。視覚化は、UV光(254nm)と過マンガン酸カリウム水溶液での染色によった。これにより、出発材料の完全な消失と副題化合物の出現が示された。この反応混合物を水酸化ナトリウム水溶液(10M,8mL,0.9モル当量)で塩基性にしてから、珪藻土に通して濾過した。濾過ケークをエタノール(100mL,2.0容量)で洗浄した。生じた副題化合物(推定24.15g,100%)の溶液を後続の反応に直に使用した。
【0119】
(iii)化合物B
方法I
4−メチルベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピル(上記の製法A(ii)を参照のこと;0.30g,0.92ミリモル)と炭酸カリウム(0.2g,1.38ミリモル)を、[2−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(上記の工程(ii),方法1を参照のこと;0.250g,0.92ミリモル)のエタノール(5mL)溶液へ加えた。この反応混合物を70℃まで10時間加熱した後で、この混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(20mL)と水酸化ナトリウム(1M,10mL)の間で分画した。水相を酢酸エチル(20mL)で再抽出した。合わせた有機相を減圧下で濃縮し、黄色い固形物(0.290g)を得た。この固形物を酢酸エチル(10mL)に溶かし、この溶液を、クエン酸(0.250g)の水(10mL)溶液で洗浄した。水相を分離し、水酸化ナトリウム(1M,10mL)で塩基性にし、酢酸エチル(2x10mL)で抽出した。すべての有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させてから濾過した(濾過した固形物を酢酸エチル(10mL)で洗浄した)。濾液を減圧下で濃縮し、黄色い固形物(0.160g)を得た。これを酢酸エチル(0.2mL)においてスラリー状にしてから濾過し、表題化合物(0.050g,12%)を得た。
【0120】
融点:113〜115℃.
1H-NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 1.32 (9H, s), 1.7 (2H, qt), 2.20 (2H, t), 2.22-2.3 (4H, m), 2.38-3.1 (2H, m) 2.8-2.85 (4H, m), 3.05 (2H, q), 3.19 (2H, q), 3.79 (2H, bs), 6.47 (1H, t), 6.66 (2H, d), 6.69 (1H, t), 7.41 (2H, d).
MS:m/z=430(MH).
方法II
上記の工程(ii)(方法3)において生成した[2−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(推定24.15g,1.0モル当量、1.0重量/容量)の、トルエン(約100mL)、エタノール(約200mL)、及び水(約14mL)の混合物中の溶液へ、無水炭酸カリウム(18.58g,1.5モル当量)を加えた。固形のベンゼンスルホン酸3−(4−シアノアニリノ)プロピル(28.17g,1.0モル当量、上記の製法A(ix)、方法2、工程(a)を参照のこと)を加え、合わせた混合物を70℃まで6時間加熱した。この反応は、移動相X:DCM 1:1(v/v)(ここでXは、クロロホルム:メタノール:濃アンモニア 80:18:2(v/v)である)のシリカプレートを使用するTLCによりモニターした。視覚化は、UV光(254nm)と過マンガン酸カリウム水溶液での染色によった。これにより、出発材料の完全な消失と副題化合物の出現が示された。この反応混合物を冷やし、溶媒を真空で濃縮した。残渣をトルエン(200mL)と水(200mL)の間で分画した。層を分離させ、有機相を真空で濃縮し、黄色い固形物(38.6g)を得た。この粗製材料を60℃でイソプロパノール(190mL,5.0相対容量)に溶かし、この温溶液を濾過した。濾液を撹拌し、室温へ冷やした。白い固形物が結晶した。この混合物を室温から約8℃へ冷やした。生成物を濾過により採取し、イソプロパノール(50mL,2.0容量)で洗浄した。この湿った生成物を一定重量になるまで40℃で真空乾燥させ、表題化合物(30.96g,81%)を白い結晶性固形物として得た。
【0121】
融点:113.5℃.
1H-NMR (400MHz, CD3OD) δ 1.40 (9H, s), 1.81-1.90 (2H, m), 2.35-2.54 (8H, m), 2.93 (4H, t) 3.18-3.27 (4H, m), 3.87 (2H, bs), 6.66 (2H, d), 7.39 (2H, d).
MS:m/z=(MH,430).
製法C
化合物Cの製造
(i)4−(4−シアノフェニル)ブツ−3−イン−1−オール
1,2−ジメトキシエタン(DME,1.2L,6容量)及び水(1.2L,6容量)の混合物に炭酸カリウム(376.7g,2.5モル当量)を溶かした。パラジウム担持活性炭(20g,0.01モル当量、10% Johnson Matthey 87L型、水分60%)、トリフェニルホスフィン(11.5g,0.04モル当量)、及びヨウ化銅(I)(4.2g,0.02モル当量)を加えた。次いで、4−ブロモベンゾニトリル(200g,1モル当量)を加え、DME(200mL,1容量)及び水(200mL,1容量)の混合物中で洗浄した。この混合物を窒素下で少なくとも30分間速やかに撹拌した。ブツ−3−イン−1−オール(but−3−yn−1−ol)(92.1mL,1.1モル当量)のDME(200mL,1容量)及び水(200mL,1容量)溶液を5分にわたり滴下した。次いで、合わせた混合物を80℃まで3時間加熱した。この反応を、臭化アリールの消失と副題化合物の生成についてHPLCによりモニターした。出発材料がすべて消費されたらすぐに反応物を25℃へ冷やし、珪藻土に通して濾過した。濾過ケークを分離してトルエン(1.6L,8容量)で洗浄した。このDME:水混合物を真空で一部濃縮し、大部分のDMEを除去した。次いで、これをトルエン洗液で分画した。トルエン層を真空で濃縮し、副題のアルキンを黄色い固形物として得て、これを真空オーブンにおいて40℃で一晩乾燥させた。収量182.88g,97%。
【0122】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.599-7.575 (d, J=7.2 Hz, 2H, CH), 7.501-7.476 (d, J=7.5 Hz, 2H, CH), 3.880-3.813 (q, 2H, CH2), 2.751-2.705 (t, 2H, CH2), 1.791-1.746 (t, 1H, OH).
融点:79.6〜80.5℃.
(ii)4−(4−ヒドロキシブチル)ベンゾニトリル
エタノール(200mL,5容量)中の4−(4−シアノフェニル)ブツ−3−イン−1−オール(40g,1wt当量、上記の工程(i)を参照のこと)とパラジウム担持活性炭(20g,0.5重量当量、10% Johnson Matthey 487型、水分60%)を5バールの水素圧下で5時間速やかに撹拌した。この反応を、出発材料の消失と副題化合物の形成についてHPLCによりモニターした。この反応物を珪藻土に通して濾過し、エタノール(80mL,2容量)で洗浄した。このエタノール溶液を真空で濃縮し、副題アルコールを黄褐色のオイルとして得た。収量36.2g,88.5%。
【0123】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.550-7.578 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.271-7.298 (d, J=8.1 Hz, 2H), 3.646-3.688 (t, 2H), 2.683-2.733 (t, 2H), 1.553-1.752 (m, 4H).
13C NMR (300 MHz, CDCl3) δ 148.04 (C), 132.16 (C), 119.1 (C), 109.64 (C), 62.46 (C), 35.77 (C), 32.08 (C), 27.12 (C).
(iii)トルエンスルホン酸4−(4−シアノフェニル)ブチル
この副題化合物は、塩化トルエンスルホニルの4−(4−ヒドロキシブチル)ベンゾニトリルへの付加により製造した(上記の工程(ii)を参照のこと)。
【0124】
(iv)7−[4−(4−シアノフェニル)ブチル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]−ノナン−3−カルボン酸tert−ブチル
2Lの3つ首フラスコに磁気撹拌子、温度計、及び還流濃縮器を取り付けた。このフラスコに、トルエンスルホン酸4−(4−シアノフェニル)ブチル(72g,0.218モル、上記の工程(iii)を参照のこと)のジメチルホルムアミド(0.55L)溶液を入れた。9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸tert−ブチル塩酸塩(48.2g,0.182モル,上記の製法B(I)(iv)を参照のこと)に続き、炭酸カリウム(62.9g,0.455モル)を加えた。この不均質な混合物を85℃で22時間撹拌した。TLC分析は、出発材料の完全な消費を示した。この反応混合物を室温まで冷やし、水(0.5L)で希釈した。この混合物を酢酸エチル(3x0.4L)で抽出し、有機分画を合わせた。水(2x200mL)と塩水(200mL)で洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。この粗製の褐色オイルを、3:2のヘキサン/酢酸エチルで溶出させるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製し、34g(収率48%)の副題化合物をオフホワイトの固形物として得た。
【0125】
(v)4−[4−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)ブチル]ベンゾニトリル
2Lの3つ首フラスコに、磁気撹拌子、温度計、及び添加漏斗を取り付けた。このフラスコに7−[4−(4−シアノフェニル)ブチル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]−ノナン−3−カルボン酸tert−ブチル(34g,88ミリモル、上記の工程(iv)より)とジクロロメタン(440mL)を入れた。トリフルオロ酢酸(132mL)を室温でゆっくり加えた。この溶液を3時間撹拌すると、この時点でTLC分析は、出発材料の完全な消費を示した。この内容物を単首のフラスコへ移し、真空で濃縮した。残渣をジクロロメタン(500mL)に溶かし、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。水層を分離し、ジクロロメタン(2x200mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮し、25.8g(収率100%)の副題化合物をオフホワイトの固形物として得た。この粗製材料をさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0126】
(vi)化合物C
3Lの3つ首フラスコに、磁気撹拌子、温度計、及び還流濃縮器を取り付けた。このフラスコに、未精製の4−[4−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)ブチル]ベンゾニトリル(25.8g,88ミリモル、上記の工程(v)より)、ジクロロメタン(0.88L)、及び2−ブロモエチルカルバミン酸tert−ブチル(上記の製法B(I)(i)を参照のこと;27.7g,123ミリモル)を入れた。次いで、トリエチルアミン(0.0197L,0.141モル)を加えた。この澄明な溶液を窒素雰囲気下で12時間還流してから、室温へ冷やした。この反応の進行をTLC分析によりモニターすると、この時点で完了していることがわかった。この反応混合物を分離漏斗へ移し、水(200mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(200mL)、水(200mL)、及び塩水(200mL)で順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮した。生じた黄色の粘稠なオイルを、はじめは9:1のジクロロメタン/メタノールで、次いで9:1:0.02のジクロロメタン/メタノール/28%水酸化アンモニウム水溶液で溶出させるシリカゲルでクロマトグラフ処理し、表題化合物(25.1g,収率66%)をオフホワイトの固形物として得た。クロマトグラフィーからのはじめの分画(5.1g)は、9:1:0.05のジクロロメタン/メタノール/28%水酸化アンモニウム水溶液で溶出される(TLC分析によれば)少量の低極性不純物を含有することがわかったが、後の分画(20g)は、TLC分析によれば1スポットであった。はじめの分画(5.1g)を表題化合物の別のロット(7.1g,やや不純物を含有する)と合わせ、はじめは19:1のジクロロメタン/メタノールで、次いで9:1のジクロロメタン/メタノールで溶出させるシリカゲルでクロマトグラフ処理し、薄黄色の粉末(5.5g)を得た。この粉末をジクロロメタン(200mL)に溶かした。生じた溶液を、25%水酸化ナトリウム水溶液(50mL)、水(50mL)、及び塩水(40mL)で順に洗浄した。次いで、この材料を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮し、表題化合物(5g)をオフホワイトの粉末として得た。先の20g分画をジクロロメタン(500mL)に溶かした。有機層を、25%水酸化ナトリウム水溶液(100mL)、水(100mL)、及び塩水(100mL)で順に洗浄した。次いで、この材料を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮し、表題化合物(19g)をオフホワイトの粉末として得た。これらのロットを一緒に混和した。
【0127】
製法D
化合物Dの製造
(i)4−[(2S)−オキシラニルメトキシ]ベンゾニトリル
炭酸カリウム(414g)と(R)−(−)−エピクロヒドリン(800mL)をp−シアノフェノール(238g)の2.0L MeCN撹拌溶液へ加え、この反応混合物を不活性気体下で2時間還流した。この温溶液を濾過し、濾液を濃縮し、澄明なオイルを得て、これをジイソプロピルエーテルから結晶させ、生成物を収率90%で得た。
【0128】
(ii)7−[(2S)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸tert−ブチル
磁気撹拌子と温度計を取り付けた3Lの3つ首フラスコに、そのフリー塩基としての9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸tert−ブチル(53.7g,0.235モル、塩酸塩から入手、上記の製法B(I)(iv)を参照のこと)、4−[(2S)−オキシラニルメトキシ]ベンゾニトリル(41.2g,0.235モル、上記の工程(i)を参照のこと)、及び2−プロパノール/水(0.94L)の10:1(v/v)溶液を入れた。この混合物を60℃で20時間撹拌すると、この間に出発材料が徐々に消費された(TLC分析によるアッセイ)。この混合物を冷やし、真空で濃縮し、100g(収率>100%)の副題化合物を白い固形物として得た。この未精製材料を次の工程に使用した。
【0129】
(iii)4−{[(2S)−2−ヒドロキシ−3−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)プロピル]−オキシ}ベンゾニトリル
磁気撹拌子、温度計及び添加漏斗を取り付けた3Lの3つ首フラスコに、未精製7−[(2S)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン−3−カルボン酸t−ブチル(100g,上記の工程(ii)より)とジクロロメタン(1.15L)を加えた。トリフルオロ酢酸(0.352L)を室温でゆっくり加え、生じた溶液を3時間撹拌すると、この時点でTLC分析は完全な反応を示した。この内容物を単首のフラスコへ移し、真空で濃縮した。残渣をジクロロメタン(1.2L)に溶かし、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄した。水層を分離し、ジクロロメタン(2x0.2L)で抽出した。合わせた有機層を塩水(0.25L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮し、73g(収率>100%)の副題化合物をオフホワイトの固形物として得た。この未精製材料を次の工程に使用した。
【0130】
(iv)化合物D
方法I:2Lの3つ首フラスコに、磁気撹拌子、温度計、及び還流濃縮器を取り付けた。このフラスコに、未精製の4−{[(2S)−2−ヒドロキシ−3−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)プロピル]−オキシ}ベンゾニトリル(73g,上記の工程(iii)より)、ジクロロメタン(0.7L)、及び2−ブロモエチルカルバミン酸tert−ブチル(上記の製法B(I)(i)を参照のこと;74g,0.330モル)を加えた。次いで、トリエチルアミン(52mL,0.359モル)を加えた。この澄明な溶液を16時間還流してから、室温へ冷やした。この反応混合物を分離漏斗へ移し、水(100mL)及び塩水(200mL)で順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。生じた黄色の粘稠なオイルを、はじめは9:1のジクロロメタン/メタノールで、次いで9:1:0.02のジクロロメタン/メタノール/28%水酸化アンモニウム水溶液で溶出させるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製し、オフホワイトの泡状固形物(40g)を得た。この固形物をジクロロメタン(200mL)に溶かし、20%水酸化ナトリウム水溶液(100mL)及び水(100mL)で順に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で濃縮し、表題化合物(35.4g,3工程での収率67%)をオフホワイトの固形物として得た。
【0131】
方法II:[2−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(上記の製法B(II)(ii),方法Iを参照のこと;0.43g,1.6ミリモル)へイソプロパノール(5mL)と水(0.5mL)を加え、4−[(2S)−オキシラニルメトキシ]ベンゾニトリル(0.280g,1.6ミリモル、上記の工程(i)を参照のこと)を加えた。この混合物を66℃で19時間加熱した(反応は2時間のうちに完了した)。この溶媒を減圧下で蒸発乾固させて、表題化合物(0.71g,100%)をオフホワイトの固形物として得た。
【0132】
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.41 (9H, s), 2.3-2.75 (6H, m), 2.75-3.0 (5H, m), 3.1-3.38 (3H, m), 3.88 (2H, s), 3.95-4.19 (3H, m), 5.85 (1H, bs), 6.99 (2H, d), 7.6 (2H, d).
1H-NMR (300MHz, DMSO-D6) δ 1.35 (9H, s), 2.12-2.59 (7H, m), 2.63-2.78 (1H, m), 2.78-2.9 (4H, m), 3.2 (2H, q), 3.78 (2H, m), 4-4.1 (2H, m), 4.12-4.19 (1H, m), 5.3 (1H, bs), 6.61 (1H, t), 7.15 (2H, d), 7.76 (2H, d).
MS:m/z=447(MH).
方法III:上記の製法B(II)(ii)、方法2において生成した[2−(9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(推定154.85g,1.0モル当量、1.0重量/容量)の、トルエン(約640mL)、エタノール(約1280mL)、及び水(約130mL)の混合物における溶液を、水酸化ナトリウム水溶液(10M,51mL,0.9モル当量)で塩基性にした。固形の4−[(2S)−オキシラニルメトキシ]ベンゾニトリル(99.80g,1.0モル当量;上記の工程(i)を参照のこと)を加え、この合わせた混合物を70℃まで4時間加熱した。この反応を、移動相X:DCM 1:1(v/v)(ここでXは、クロロホルム:メタノール:濃アンモニア 80:18:2(v/v)である)のシリカプレートを使用するTLCによりモニターした。視覚化は、UV光(254nm)と過マンガン酸カリウム水溶液での染色によった。これにより、出発材料の完全な消失と表題化合物の出現が示された。この反応混合物を冷やし、珪藻土に通して濾過し、エタノール(620mL,4.0容量)で洗浄した。これにより、表題化合物(推定254.38g,100%,2.4L,反応後処理について1.0重量/容量)の溶液を得た。この溶液を、減圧蒸留用に設定したフラスコへ入れた。このフラスコの側面上に目盛線を付けた。溶媒(1250mL)を50℃〜35℃,320ミリバール〜100ミリバールで除去した。次いで、4−メチルペンタン−2−オール(1500mL)を加えて、先の目盛線に到達させた。溶媒(1250mL)を35℃〜80℃,220ミリバール〜40ミリバールで除去した。さらに4−メチルペンタン−2−ol(1500mL)を加え、先の目盛線に到達させた。溶媒(1250mL)を62℃〜76℃,100ミリバール〜90ミリバールで除去した。合わせた混合物を25℃未満へ冷やし、水酸化ナトリウム水溶液(2M,1.27L,5.0容量)を加えた。層を分離させ、有機層を珪藻土に通して濾過し、澄明な溶液(1.2L)を得た。この溶液を、減圧蒸留用に設定した清潔なフラスコへ入れた。溶媒(450mL)を52℃〜55℃,90ミリバール〜35ミリバールで除去した。理論的には、このとき生成物は2容量の4−メチルペンタン−2−オール中に残っていた。ジ−n−ブチルエーテル(1.27L,5容量)を加え、この溶液を室温へゆっくり冷やすと、これにより沈殿が生じた。この混合物を室温から約10℃へ冷やした。生成物を濾過により採取し、ジ−n−ブチルエーテル(320mL,1.25容量)及び4−メチルペンタン−2−オール(130mL,0.50容量)の予め混合した溶液で洗浄した。湿った生成物を一定重量になるまで55℃で真空乾燥させ、表題化合物(193.6g,76%)を白い固形物として得た。
【0133】
融点:99〜101℃.
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.41 (9H, s), 2.3-2.75 (6H, m), 2.75-3.0 (5H, m), 3.1-3.38(3H, m), 3.88 (2H, s), 3.95-4.19 (3H, m), 5.85 (1H, bs), 6.99 (2H, d), 7.6 (2H, d).
化合物Dの結晶化
化合物D(上記に記載の手順に類似して製造した(特に、上記の製法D(iv)、方法IIIを参照のこと);14.29g)、イソプロパノール(28mL)、及びジイソプロピルエーテル(140mL)の混合物を80℃まで加熱した。この溶液を熱いまま濾過してそれを澄明にしてから、80℃まで再加熱した。次いで、この溶液を室温へ冷やすと、ここで沈殿が生じはじめた。2時間撹拌した後で、沈殿物を濾過により採取し、イソプロパノール:イソプロピルエーテル(1:6,70mL)で洗浄してから、フィルター上で吸引乾燥させた。この湿った生成物を70℃で一晩真空乾燥させ、結晶性化合物D(10.1g,70%)を白い固形物として得た。
【0134】
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.41 (9H, s), 2.3-2.75 (6H, m), 2.75-3.0 (5H, m), 3.1-3.38(3H, m), 3.88 (2H, s), 3.95-4.19 (3H, m), 5.85 (1H, bs), 6.99 (2H, d), 7.6 (2H, d).
化合物Aの他の塩の製造
化合物Aのパラトルエンスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフト酸、1,5−ナフタレン−スルホン酸、及び2−メシチレンスルホン酸の塩は、化合物A(上記の製法Aの記載に類似した技術を使用して製造した)を酢酸エチルに溶かし、適正な酸のメタノール溶液を加え、続いて標準的な後処理と単離をすることによって製造した。安息香酸、パラヒドロキシベンゼンスルホン酸、及び1,5−ナフタレンジスルホン酸の塩も同様のやり方で製造した。
【0135】
化合物Cの塩の製造
化合物Cのメタンスルホン酸及びパラトルエンスルホン酸の塩は、化合物C(上記に類似した技術を使用して製造した)をメタノールに溶かし、適正な酸を直接加え、続いて標準的な後処理と単離をすることによって製造した。
【0136】
化合物Dの塩の製造
化合物Dのメタンスルホン酸及び馬尿酸の塩は、化合物D(上記に類似した技術を使用して製造した)をメタノールに溶かし、適正な酸を加え(メタンスルホン酸の場合は直接、そして、馬尿酸の場合はメタノール溶液において)、続いて標準的な後処理と単離をすることによって製造した。メタンスルホン酸塩はまた、化合物Dを酢酸エチルに溶かし、メタンスルホン酸を酢酸エチル溶液として加え、続いて種入れ(seeding)、標準的な後処理及び単離をすることによって製造した。1,5−ナフタレンジスルホン酸、テレフタル酸、コハク酸、O,O’−ジ−パラトルオイル−D−酒石酸、及びパモ酸の塩は、同様のやり方で製造した。化合物Dのヘミコハク酸塩は、化合物Dとコハク酸をイソプロパノールに溶かし、続いて種入れ、標準的な後処理及び単離をすることによって製造した。O,O’−ジベンゾイル−D−酒石酸、2,2,3,3−テトラメチル−1,4−ジブタン酸、及び1,2−シクロペンタンジカルボン酸の塩は、化合物Dを酢酸エチルに溶かし、適正な酸をメタノール溶液として加え、溶媒の共蒸発、さらなる酢酸エチルの追加、結晶化、標準的な後処理及び単離によって製造した。
【0137】
化合物D、[(ビフェニル−4−カルボニル)アミノ]酢酸塩は、以下のように製造した:
(a)[(ビフェニル−4−カルボニル)アミノ]酢酸メチルエステル
ジクロロメタン(50mL)に次いでトリエチルアミン(11.2mL,79.6ミリモル、2.0当量)をグリシンメチルエステル塩酸塩(5.0g,39.8ミリモル、1.0当量)へ加えた。この混合物を撹拌し、氷/メタノール浴を使用して5℃へ冷やした。塩化ビフェニル−4−カルボニル(8.26g,39.8ミリモル、1.0当量)のジクロロメタン(25mL)懸濁液を22分にわたり加えた。この混合物を−5℃で3時間撹拌してから、室温で一晩(16時間)撹拌した。水(75mL)を加え、この混合物を室温で30分間速やかに撹拌した。層を分離させた。有機層を水(75mL)で洗浄してから、回転蒸留器を使用して蒸発乾固させ、オフホワイトの固形物(6.58g,62%)を得た。
【0138】
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ 3.82 (s, 3H), 4.29 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 6.68 (s, 1H), 7.3-7.5 (m, 3H), 7.62 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 7.68 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.90 (d, J = 8.4Hz, 2H).
融点:127〜128℃.
(b)[(ビフェニル−4−カルボニル)アミノ]酢酸
[ビフェニル−4−カルボニル)アミノ]酢酸メチルエステル(6.58g,25ミリモル、1.0当量;上記の工程(a)より)に次いで水酸化ナトリウム水溶液(1M,84mL,50ミリモル、2.0当量)をフラスコへ加えた。油浴を使用して、この混合物を50℃まで5時間加熱した。次いで、この溶液を室温で一晩(16時間)撹拌した。冷やすとすぐに、白い沈殿が生じた。氷/水浴を使用して、この混合物をさらに5℃まで冷やした。温度が10℃より上昇しないことを確実にしながら、この冷却溶液へ濃塩酸(8mL)をごくゆっくり加えた。この混合物を15分間撹拌してから濾過した。白い固形物を30分間風乾させてから40℃で16時間真空乾燥させ、オフホワイトの固形物(5.75g,93%)を得た。
【0139】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 3.95 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 7.35-7.5 (m, 3H), 7.7-7.8 (m, 4H), 7.97 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 8.89 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 12.58 (s, 1H).
融点:217〜217.5℃.
(c)[(ビフェニル−4−カルボニル)アミノ]酢酸の再結晶
[(ビフェニル−4−カルボニル)アミノ]酢酸(5.0g,上記の工程(b)より)へメタノール(100mL,20容量)を加えた。この混合物を、撹拌しながら、油浴を使用して62℃まで加熱した。生じた薄橙色の溶液をこの温度に10分間保った。この溶液を室温へ冷やしてから、氷/水浴を使用してさらに5℃まで冷やした。ほぼ30℃で結晶化がはじまった。この沈殿物を濾過により採取し、15分間風乾燥させてから、40℃で26時間真空乾燥させ、無色の結晶(2.9g,58%)を得た。
【0140】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 3.95 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 7.35-7.5 (m, 3H), 7.7-7.8 (m, 4H), 7.97 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 8.89 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 12.58 (s, 1H).
(d)化合物D、[(ビフェニル−4−カルボニル)アミノ]酢酸塩
[(ビフェニル−4−カルボニル)アミノ]酢酸(1.14g,上記の工程(b)又は(c)を参照のこと)と化合物D(2g,上記に記載の方法に類似して製造した)を温イソプロパノール(40mL)に溶かした。室温へ冷やすとすぐに結晶性の沈殿が生じ、これを濾過し、イソプロパノール(2x20mL)で洗浄し、フィルター上で吸引乾燥させた。40℃で6時間真空乾燥させて、該塩(2.50g,80%)を無色の結晶性固形物として得た。
【0141】
1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.34 (9H, s), 2.25 (2H, t), 2.3-2.5 (4H, m), 2.6-2.7 (1H, m), 2.7-2.8 (1H, m), 2.85-3.0 (4H, m), 3.0-3.1 (2H, m), 3.82 (2H, s), 3.88 (2H, d), 3.95-4.05 (2H, m), 4.1-4.2 (1H, m), 6.65 (1H, t), 7.14 (2H, d), 7.35-7.55 (3H, m), 7.7-7.85 (6H, m), 7.96 (2H, d), 8.75 (1H, t).
融点:143〜143.5℃.
化合物D、(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)酢酸塩は、以下のように製造した:
(a)(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)酢酸メチルエステル
ジクロロメタン(150mL)に次いでトリエチルアミン(33.0mL,234ミリモル、2.0当量)をグリシンメチルエステル塩酸塩(14.7g,117ミリモル、1.0当量)へ加えた。この混合物を撹拌し、氷/水浴を使用して2℃へ冷やした。塩化3,4−ジクロロベンゾイル(24.55g,117ミリモル、1.0当量)のジクロロメタン(75mL)溶液を7分にわたり加えた。この混合物を2℃で1時間撹拌してから、室温で一晩(16時間)撹拌した。水(225mL)を加え、この混合物を室温で30分間速やかに撹拌した。層を分離させた。有機層を水(225mL)で洗浄してから、回転蒸留器を使用して蒸発乾固させ、オフホワイトの固形物を得た。この単離固形物(26.18g,85%)を、1M水酸化ナトリウム溶液(300mL,10容量)とともにジクロロメタン(300mL,10容量)へ加えた。下の有機層を真空で濃縮乾固させた(25.91g,84%)。
【0142】
融点:133.2〜134.3℃.
δH(300 MHz, CDCl3) 3.66 (1H, s, CH3), 4.03 (2H, d, J = 6, CH2), 7.78- 7.87 (2H, m, CH), 8.100 (1H, s, CH), 9.18 (1H, t, J = 5.7, NH).
(b)(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)酢酸
(3,3−ジクロロベンゾイルアミノ)酢酸メチルエステル(25.91g,100ミリモル,1.0当量;上記の工程(a)を参照のこと)に次いで水酸化ナトリウム水溶液(1M,198mL,200ミリモル、2.0当量)をフラスコへ加えた。油浴を使用して、この混合物を50℃まで2時間加熱した。冷やすとすぐに、白い沈殿が生じた。氷/水浴を使用して、この混合物をさらに5℃まで冷やした。温度が10℃より上昇しないことを確実にしながら、この冷却溶液へ濃塩酸(60mL)をごくゆっくり加えた。この混合物を10分間撹拌してから濾過した。白い固形物を15分間風乾させてから40℃で16時間真空乾燥させ、オフホワイトの固形物(19.15g,78%)を得た。
【0143】
融点:140.0〜140.3℃.
δH(300 MHz, DMSO-D6) 3.94 (2H, d, J = 6, CH2), 7.77- 7.87 (2H, m, CH), 8.10 (1H, s, CH), 9.06 (1H, t, J = 6), 12.66 (1H, bs, OH).
(c)化合物D,(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)酢酸塩
(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)酢酸(0.56g,上記の工程(b)を参照のこと)と化合物D(1.02g;上記に記載の方法に類似して製造した)を温酢酸エチル(4mL)に溶かした。室温へ冷やすとすぐに結晶性の沈殿が生じ、これを濾過し、酢酸エチル(15mL)で洗浄し、フィルター上で吸引乾燥させた。40℃で一晩真空乾燥させて、表題の塩(0.92g,58%)を無色の結晶性固形物として得た。
【0144】
融点:128.5〜130.5℃.
1H-NMR (400MHz, DMSO-D6) δ 1.34 (9H, s), 2.26 (2H, t), 2.3-2.5 (3H, m), 2.5-2.6 (1H, m), 2.6-2.7 (1H, m), 2.7-2.8 (1H, m), 2.85-3.0 (4H, m), 3.0-3.1 (2H, m), 3.8-3.9 (4H, m), 4.01 (2H, d), 4.1-4.2 (1H, m), 6.69 (1H, t), 7.12 (2H, d), 7.7-7.8 (3H, m), 7.84 (1H, dd), 8.09 (1H, dd) 8.92 (1H, t).
化合物D,[(ナフタレン−2−カルボニル)アミノ]酢酸塩は、以下のように製造した:
(a)[(ナフタレン−2−カルボニル)アミノ]酢酸メチルエステル
ジクロロメタン(66mL)に次いでトリエチルアミン(14.6mL,105ミリモル,2.0当量)をグリシンメチルエステル塩酸塩(6.61g,52.5ミリモル、1.0当量)へ加えた。トリエチルアミンを加えるとすぐに白い沈殿が現れ、この溶液はより濃厚になった。この混合物を撹拌し、氷/水浴を使用して2℃へ冷やした。塩化2−ナフトイル(10.07g,52.5ミリモル、1.0当量)のジクロロメタン(33mL)溶液を15分にわたり加えた。この薄褐色の混合物を5℃で25時間撹拌した。水(100mL)を加え、この混合物を室温で30分間速やかに撹拌した。層を分離させた。有機層を水酸化ナトリウム(1M,100mL)で洗浄してから、回転蒸留器を使用して蒸発乾固させ、オフホワイトの固形物(12.21g,96%)を得た。
【0145】
融点:117.7〜118.1℃.
δH(400 MHz, DMSO-D6) 3.68 (3H, s, CH3), 4.08 (2H, d, J = 4.5, CH2), 7.59- 7.66 (2H, m, CH), 7.935- 8.015 (4H, m, CH), 8.491 (1H, s, CH), 9.124 (1H, t, J = 45.6, NH).
(b)[(ナフタレン−2−カルボニル)アミノ]酢酸
[(ナフタレン−2−カルボニル)アミノ]酢酸メチルエステル(10.03g,41ミリモル,1.0当量;上記の工程(a)を参照のこと)に次いで、水酸化ナトリウム水溶液(1M,120mL,123ミリモル、3.0当量)をフラスコへ加えた。油浴を使用して、この混合物を55℃まで2時間加熱した。氷/水浴を使用して、この混合物を5℃まで冷やした。温度が10℃より上昇しないことを確実にしながら、この冷却溶液へ濃塩酸(50mL)をごくゆっくり加えた。濃黄色の沈殿が生じた。この混合物を10分間撹拌してから濾過した。この黄色い固形物を15分間風乾させてから、40℃で16時間真空乾燥させた(8.73g,93%)。この副題化合物の一部(5.0g,22ミリモル)へメタノール(50mL,10容量)と水(100mL,20容量)を加えた。この混合物を、撹拌しながら、油浴を使用して70℃まで加熱した。この溶液をこの温度に10分間保ってから、氷/水浴を使用してさらに5℃まで冷やした。ほぼ30℃で結晶化がはじまった。この沈殿物を濾過により採取し、15分間風乾燥させてから、40℃で2時間真空乾燥させた(3.2g,64%)。単離した副題化合物(3.2g,0.014モル、64%)を水(100mL,20容量)及びメタノール(50mL,10容量)へ加えた。この混合物を70℃まで加熱し、固形物を溶かした。この溶液を室温へ冷やすと、冷却後すぐに結晶化が起きた。この混合物をさらに2℃へ冷やしてから、焼結漏斗を使用して濾過した。この固形物を10分間風乾させてから、40℃で16時間真空乾燥させた(2.21g,44%)。
【0146】
融点:167.1〜167.4℃.
δH(400 MHz, DMSO-D6) 3.98 (2H, d, J = 5.6, CH2), 7.58-7.65 (2H, m, CH), 7.95- 8.05 (4H, m, CH), 8.49 (1H, s, CH), 8.99 (1H, t, J = 5.6, NH), 12.63 (1H, bs, OH).
(c)化合物D、[(ナフタレン−2−カルボニル)アミノ]酢酸塩
[(ナフタレン−2−カルボニル)アミノ]酢酸(0.51g,上記の工程(b)を参照のこと)と化合物D(1.01g;上記に記載の方法に類似して製造した)を100℃でメチルイソブチルケトン(30mL)に溶かした。室温へ冷やすとすぐに結晶性の沈殿が生じ、これを濾過し、アセトン(25mL)で洗浄し、フィルター上で吸引乾燥させた。40℃で週末にわたり真空乾燥させ、表題の塩(1.17g,77%)を無色の結晶性固形物として得た。
【0147】
融点:138.5〜140℃.
1H-NMR (300MHz, DMSO-D6) δ 1.34 (9H, s), 2.25 (2H, t), 2.3-2.5 (4H, m), 2.6-2.7 (1H, m), 2.7-2.8 (1H, m), 2.85-3.0 (4H, m), 3.0-3.1 (2H, m), 3.81 (2H, s), 3.92 (2H, d), 3.95-4.05 (2H, m), 4.1-4.2 (1H, m), 6.68 (1H, t), 7.11 (2H, d), 7.5-7.7 (2H, m), 7.7-7.8 (2H, m), 7.9-8.1 (4H, m), 8.47 (1H, d), 8.85 (1H, t).
錠剤の製造
錠剤は、標準法に従って、標準的な打錠機(Kilian SP300)を使用して製造した。
【0148】
高分子、薬物、及び、存在するならば、他の賦形剤の混合物を、適宜、標準技術を使用して、(例えば乳鉢において)乾式混合するか、又は湿式若しくは乾式造粒した。小スケールでのエタノール及び水造粒に関しては、有効成分、ポリマー、及び、適宜さらなる賦形剤を乳鉢において一緒に乾式混合した。適正量の溶媒を混合しながら加えた。顆粒は50℃で16時間乾燥させた。
【0149】
試験法
錠剤の薬物/時間放出プロフィールは、米国薬局方「方法II」(ヨーロッパ薬局方のパドル法)、UV検出器付き装置、及び(他に特定しなければ)50rpmのパドル速度を使用して決定した。錠剤を含有するバスケット(Int. J. Pharm., 60 (1990) 151 を参照のこと)をパドル上1cmに置いた。放出媒体はリン酸緩衝液(pH=6.8)又はHCl(pH=1.0)であった。放出浴における温度は37℃であった。放出媒体の容量は、他に特定しなければ、1000mLであった。
【0150】
材料
他に特定しなければ、HPMCポリマーは信越化学から入手した(商標METOLOSETM)。特級とそのUSP同等物を以下に(開示される最初のときに1回だけ)明記する。
【0151】
実施例1
HPMC(65SH1500;USP HPMC2906に同等、1500cps)を化合物A(フリー塩基とそのベンゼンスルホン酸塩)と一緒に1:1の重量比で乾式混合した。Kilian SP300を使用する直接圧縮により錠剤(直径10mm)を製造した。最終の錠剤重量は約250mgであった。薬物放出プロフィール(pH1.0及び6.8)を決定し、図1(a)及び1(b)に示す。
【0152】
実施例2
ポリマー(HEC(NATRASOL(登録商標)250M Pharm;Aqualon)及びPEO(MW4x10g/モル;POLYOX(登録商標)ユニオンカーバイド)を個別に化合物A(フリー塩基とそのベンゼンスルホン酸塩)と一緒に1:1の重量比で乾式混合した。Kilian SP300を使用して錠剤(直径10mm)を製造した。最終の錠剤重量は約250mgであった。HEC錠剤は、それを10% HPMC(USP HPMC2910に同等、6cps)の水溶液に入れ、室温で風乾させることによって、HPMC(粘度6cps)でコートした。薬物放出プロフィール(pH1.0及び6.8)を決定し、図2(a)〜2(d)に示す。
【0153】
実施例3
化合物Aのベンゼンスルホン酸塩(45mg/錠)、HPMC(65SH400;USP HPMC2906に同等、400cps;35mg/錠)、リン酸カルシウム(10mg/錠)、ポリビニルピロリドン(PVPK90(BASF);8mg/錠)、及びPRUV(登録商標)(ステアリルフマル酸ナトリウム;Penwest Pharmaceuticals;2mg/錠)の別々のバッチを一緒に乾式混合した。第一バッチでは、乾式混合した材料のKilian SP300を試用する直接圧縮により錠剤を製造した。第二バッチでは、乾式混合物をエタノール造粒して乾燥させた。第三バッチでは、乾式混合物を水造粒して乾燥させた。次いで、Kilian SP300を使用して、顆粒を圧縮した。錠剤重量はいずれの場合も約100mgであった。この3つのバッチについて薬物放出プロフィールを決定し、図3に示す。
【0154】
実施例4
異なる分子量を有するHPMC(65SH50(USP HPMC2906に同等、50cps)、65SH400、及び65SH1500)、及び/又は異なる置換の程度を有するHPMC(60SH50(USP HPMC2910に同等、50cps)、65SH、及び90SH100(USP HPMC2208に同等、100cps)を化合物Aのベンゼンスルホン酸塩と一緒に1:1の重量比で乾式混合した。Kilian SP300を使用して錠剤(直径10mm)を製造した。錠剤重量は約250mgであった。異なる置換の程度を有する製剤(pH1.0(図4(a)を参照のこと)とpH6.8(図4(b)を参照のこと))について、そして、異なる分子量を有する製剤(pH6.8(図4(c)を参照のこと))について薬物放出プロフィールを決定した。
【0155】
実施例5
HPMC(60SH10000;USP HPMC2910に同等、10,000cps)を化合物Aのベンゼンスルホン酸塩と一緒に異なる重量比(塩25%、塩60%、及び塩75%)で乾式混合した。Kilian SP300を使用して錠剤を直接圧縮した。最終の錠剤重量はいずれの場合も約90mgであった。薬物放出プロフィール(25rpmのパドル速度;pH6.8)を決定し、図5に示す。
【0156】
実施例6
異なる分子量を有するHPMC(60SH50と60SH10000)を1:0、1:2、2:1、及び0:1の重量比で一緒に乾式混合した.これらの組み合わせ物を化合物Aのベンゼンスルホン酸塩と一緒に乾式混合した。水(全乾燥重量に対して約40%の水分)を使用してこの混合物を造粒し、乾燥させた。Kilian SP300を使用して錠剤(直径8.5mm)を製造した。最終の錠剤重量は約175mgであった。従って、塩の形態での薬物の用量は70mgであった。薬物放出プロフィール(pH6.8)を決定し、図6に示す。この場合、放出媒体の容量は500mLであった。
【0157】
実施例7
HPMC(65SH1500)を化合物A(フリー塩基とそのベンゼンスルホン酸塩)と一緒に1:1の重量比で乾式混合した。Kilian SP300を使用して錠剤(直径20mm)を製造した。最終の錠剤重量は約1000mgであった。薬物(フリー塩基又は塩)の用量は500mgであった。薬物放出プロフィール(pH6.8)を決定し、図7に示す。
【0158】
実施例8
あるグレードのHPMC(METHOCELTMK100LV CRグレード、USP HPMC2208に同等、100cps、ダウ)の52.5g、別のグレードのHPMC(METHOCELTMK4Mグレード、USP HPMC2208に同等、4000cps、ダウ)の78.7g、及び化合物Aのベンゼンスルホン酸塩の87.5gを、インペラーに4翼が付いた混合機(Braun CombiMax 750)において一緒に乾式混合した。108.0gの水をノズルにより混合機へ吹き付けた(25mL/分)。50m/時間の床速度と60℃の挿入温度を使用し、流動床(Glatt GPCG1)を使用して顆粒を乾燥させた。流動床は約14分後に停めた。この時点で、床の温度は47℃であった。この乾燥顆粒を篩い(1mm)に通過させ、フードプロセッサーにおいて1.93gのステアリルフマル酸ナトリウムと混合した(ステアリルフマル酸ナトリウムは1mm篩いを使用して予め篩い処理した)。この滑沢顆粒から、6脚(ステーション)付き打錠機(Korsch PH 106−3)を使用して錠剤を製造した。錠剤の形状に窪みを入れ、そのサイズは直径8mm、高さ約4mmであった。重量は184mgであった。薬物放出プロフィール(pH6.8)を決定し、図8に示す。
【0159】
実施例9
HPMC(65SH50)を化合物D(フリー塩基)と一緒に1:1の重量比で乾式混合した。Kilian SP300を使用する直接圧縮により錠剤(直径10mm)を製造した。最終の錠剤重量は約250mgであった。薬物放出プロフィール(pH1.0及び6.8)を決定し、図9に示す。
【0160】
実施例10
120mgのHPMC(60SH50)と120mgのHPMC(60SH10000)を10mgの化合物D(フリー塩基)と一緒に乾式混合した。Kilian SP300を使用する直接圧縮により錠剤(直径10mm)を製造した。最終の錠剤重量は約250mgであった。薬物放出プロフィール(pH1.0及び6.8)を決定し、図10に示す。
【0161】
実施例11
異なる分子量を有するHPMCポリマー(60SH50と60SH10000)を3:1の重量比で一緒に乾式混合した。この生じたポリマー混和物を、化合物D(フリー塩基)、並びに、化合物Dの以下の塩と一緒に乾式混合した:ヘミコハク酸塩、メタンスルホン酸塩、(3,4−ジクロロベンゾイルアミノ)酢酸塩、及び(+)−O,O’−ジ−パラトルオイル−D−酒石酸塩(上記に記載のように製造した)。Kilian SP300を使用する直接圧縮によりそれぞれ個別の組み合わせの錠剤(直径8mm)を製造した。最終の錠剤重量は約125mgであった。薬物の用量は(フリー塩基に関して)10mgであった。薬物放出プロフィール(pH6.8)を決定し、図11に示す。
【0162】
実施例12
HPMC(60SH10000)をそのフリー塩基形態の化合物D、並びに化合物Dの以下の塩とともに60:40(ポリマー:薬物)の重量比で乾式混合した:ヘミコハク酸塩、メタンスルホン酸塩、及び(+)−O,O’−ジ−パラトルオイル−D−酒石酸塩(上記に記載のように製造した)。Kilian SP300を使用する直接圧縮によりそれぞれ個別の組み合わせの錠剤(直径8mm)を製造した。錠剤重量は、該塩基及び該塩の異なる分子量に依存して125mgと178.8mgの間で変動した。薬物の用量は(フリー塩基に関して)50mgであった。薬物放出プロフィール(pH6.8)を決定し、図12に示す。
【0163】
実施例13
HPMC(60SH10000)を化合物D(フリー塩基)とともに以下の重量比で乾式混合した:90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、40:60、及び30:70。Kilian SP300を使用する直接圧縮により錠剤(直径8mm)を製造した。最終の錠剤重量は約125mgであった。薬物の用量は12.5mgと87.5mgの間で変動した。薬物放出プロフィール(pH6.8)を決定し、図13に示す。
【0164】
実施例14
HPMC(60SH10000)を化合物D(フリー塩基)とともに96:4、70:30、60:40、及び50:50の重量比で乾式混合した。Kilian SP300を使用する直接圧縮により錠剤(直径12mm)を製造した。最終の錠剤重量は約625mgであった。薬物の用量は25mgと187.5mgの間で変動した。薬物放出プロフィール(pH6.8)を決定し、図14に示す。
【0165】
実施例15
HPMC(60SH10000)を化合物D(フリー塩基)とともに37.5:62.5、53.3:46.7、60:40、61.8:38.1、66.7:33.3、69.7:30.3、78.7:21.7、80:20、及び83.3:16.7の重量比で乾式混合した。Kilian SP300を使用する直接圧縮により錠剤(直径8mm)を製造した。最終の錠剤重量は80mgと300mgの間で変動した。薬物放出プロフィール(pH6.8)を決定し、図15に示す。
【0166】
実施例16
キサンタンゴム(XANTURAL(登録商標)180;CPKelco)を化合物D(フリー塩基)とともに90:10、80:20、70:30、及び60:40の重量比で乾式混合した。Kilian SP300を使用する直接圧縮により錠剤(直径8mm)を製造した。最終の錠剤重量は約125mgであった。化合物D(フリー塩基)の用量は12.5mgと50mgの間で変動した。薬物放出プロフィール(pH6.8)を決定し、図16に示す。
【0167】
実施例17
375mgのキサンタンゴム(KELTROL(登録商標)RD;CPKelco)を250mgの化合物D(フリー塩基)とともに乾式混合した。Kilian SP300を使用する直接圧縮により錠剤(直径12mm)を製造した。最終の錠剤重量は625mgであった。薬物放出プロフィール(pH6.8)を決定し、図17に示す。
【0168】
実施例18
キサンタンゴム(XANTURAL(登録商標)180;CPKelco)を化合物D(フリー塩基)とともに40:60、33.3:66.7、25:75、及び20:80の比で乾式混合した。Kilian SP300を使用する直接圧縮により錠剤(直径8mm)を製造した。最終の錠剤重量は125mgと150mgの間で変動した。薬物放出プロフィール(pH6.8)を決定し、図18に示す。
【0169】
実施例19
HPMC(60SH10000)を化合物Dのメタンスルホン酸塩とともに30.4:121.6、45.6:106.4、及び60.8:91.2の重量比で乾式混合した。Kilian SP300を使用する直接圧縮により錠剤(直径8mm)を製造した。最終の錠剤重量は152mgであった。薬物放出プロフィール(pH1.0及び6.8)を決定し、図19に示す。
【0170】
実施例20
HPMC(60SH10000)を化合物Dのメタンスルホン酸塩とともに228:532、304:456、及び380:380の重量比で乾式混合した。Kilian SP300を使用する直接圧縮により錠剤(直径12mm)を製造した。最終の錠剤重量は760mgであった。薬物放出プロフィール(pH1.0及び6.8)を決定し、図20に示す。
【0171】
略号
API=大気圧イオン化(MS関連)
br=ブロード(NMR関連)
d=二重項(NMR関連)
DCM=ジクロロメタン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
dd=二重項の二重項(NMR関連)
Et=エチル
EtOAc=酢酸エチル
eq.=当量
GC=ガスクロマトグラフィー
h=時間
HCl=塩酸
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
IMS=工業用メチルアルコール
IPA=イソプロピルアルコール
KF=カールフィッシャー
m=多重項(NMR関連)
Me=メチル
MeCN=アセトニトリル
MeOH=メタノール
min.=分
m.p.=融点
MS=質量分析法
Pd/C=パラジウム担持カーボン
q=四重項(NMR関連)
rt=室温
s=一重項(NMR関連)
t=三重項(NMR関連)
TLC=薄層クロマトグラフィー
UV=紫外線
頭字語のn−、s−、i−、t−及びtert−は、その通常の意味を有する:即ち、ノルマル、二級、イソ、及び三級。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1(a)】図1(a)は、特級のHPMCポリマー(METOLOSETM65SH1500;信越化学)から製造した錠剤からの化合物Aのベンゼンスルホン酸塩の異なるpHでの薬物放出プロフィール(100%へスケール調整)を示す。
【図1(b)】図1(b)は、特級のHPMCポリマー(METOLOSETM65SH1500;信越化学)から製造した錠剤からのフリー塩基形態の化合物Aの異なるpHでの薬物放出プロフィール(100%へスケール調整)を示す。
【図2(a)】図2(a)は、特級のPEOポリマー(分子量4x10g/モル)から製造した錠剤からの化合物Aのベンゼンスルホン酸塩の異なるpHでの薬物放出プロフィール(100%へスケール調整)を示す。
【図2(b)】図2(b)は、特級のHECポリマー(NATRASOL(登録商標)250M Pharm)から製造した錠剤からの化合物Aのベンゼンスルホン酸塩の異なるpHでの薬物放出プロフィール(100%へスケール調整)を示す。
【図2(c)】図2(c)は、特級のPEOポリマー(分子量4x10g/モル)から製造した錠剤からのフリー塩基形態の化合物Aの異なるpHでの薬物放出プロフィール(100%へスケール調整)を示す。
【図2(d)】図2(d)は、特級のHECポリマー(NATRASOL(登録商標)250M Pharm)から製造した錠剤からのフリー塩基形態の化合物Aの異なるpHでの薬物放出プロフィール(100%へスケール調整)を示す。
【図3】図3は、特級のHPMCポリマー(METOLOSETM65SH400;信越化学)から異なる方法により製造した錠剤からの化合物Aのベンゼンスルホン酸塩のpH6.8での薬物放出プロフィール(100%へスケール調整)を示す。
【図4(a)】図4(a)は、異なる置換の程度を有する3つの特級HPMCポリマー(METOLOSETM60SH50、METOLOSETM65SH50、及びMETOLOSETM90SH100;信越化学)から製造した錠剤からの化合物Aのベンゼンスルホン酸塩のpH1.0での薬物放出プロフィール(100%へスケール調整)を示す。
【図4(b)】図4(b)は、異なる置換の程度を有する3つの特級HPMCポリマー(METOLOSETM60SH50、METOLOSETM65SH50、及びMETOLOSETM90SH100;信越化学)から製造した錠剤からの化合物Aのベンゼンスルホン酸塩のpH6.8での薬物放出プロフィール(100%へスケール調整)を示す。
【図4(c)】図4(c)は、異なる分子量を有する3つの特級HPMCポリマー(METOLOSETM65SH400、METOLOSETM65SH50、及びMETOLOSETM65SH1500;信越化学)から製造した錠剤からの化合物Aのベンゼンスルホン酸塩のpH6.8での薬物放出プロフィール(100%へスケール調整)を示す。
【図5】図5は、特級のHPMCポリマー(METOLOSETM60SH10000;信越化学)から製造した、異なる薬物:ポリマー比を含む錠剤からの化合物Aのベンゼンスルホン酸塩のpH6.8での薬物放出プロフィールを示す。
【図6】図6は、特級のHPMCポリマー(METOLOSETM60SH50とMETOLOSETM60SH10000;信越化学)から、単独で、又は異なる重量比で一緒に乾式混合するかのいずれかで製造した錠剤からの化合物Aのベンゼンスルホン酸塩のpH6.8での薬物放出プロフィールを示す。
【図7】図7は、特級のHPMCポリマー(METOLOSETM65SH1500;信越化学)から製造した錠剤からの、フリー塩基形態とそのベンゼンスルホン酸塩としての化合物AのpH6.8での薬物放出プロフィール(100%へスケール調整)を示す。
【図8】図8は、特級のHPMCポリマー(METHOCELTMK100LV CRとMETHOCELTMK4M;ダウ)の混和物から製造した錠剤からの化合物Aのベンゼンスルホン酸塩のpH6.8での薬物放出プロフィールを示す(6錠の平均)。
【図9】図9は、特級のHPMCポリマー(METOLOSETM65SH50;信越化学)から製造した錠剤からの化合物D(フリー塩基)の異なるpHでの薬物放出プロフィールを示す。
【図10】図10は、特級のHPMCポリマー(METHOCELTM60SH50とMETHOCELTM60SH10000;信越化学)の混和物から製造した錠剤からの化合物D(フリー塩基)の異なるpHでの薬物放出プロフィールを示す。
【図11】図11は、特級のHPMCポリマー(METHOCELTM60SH50とMETHOCELTM60SH10000;信越化学)の混和物から製造した錠剤からの化合物D(フリー塩基とその様々な塩)のpH6.8での薬物放出プロフィールを示す。
【図12】図12は、特級のHPMCポリマー(METHOCELTM60SH10000;信越化学)から製造した錠剤からの化合物D(フリー塩基とその様々な塩)のpH6.8での薬物放出プロフィールを示す。
【図13】図13は、特級のHPMCポリマー(METHOCELTM60SH10000;信越化学)から製造した、異なる薬物:ポリマー比を含む錠剤(錠剤サイズ8mm;錠剤重量125mg;異なる薬物用量)からの化合物D(フリー塩基)のpH6.8での薬物放出プロフィールを示す。
【図14】図14は、特級のHPMCポリマー(METHOCELTM60SH10000;信越化学)から製造した、異なる薬物:ポリマー比を含む錠剤(錠剤サイズ12mm;錠剤重量625mg;異なる薬物用量)からの化合物D(フリー塩基)のpH6.8での薬物放出プロフィールを示す。
【図15】図15は、特級のHPMCポリマー(METHOCELTM60SH10000;信越化学)から製造した、異なる薬物:ポリマー比を含む錠剤(錠剤サイズ8mm;異なる錠剤重量;同一の薬物用量)からの化合物D(フリー塩基)のpH6.8での薬物放出プロフィールを示す。
【図16】図16は、特級のキサンタンゴム(XANTURAL(登録商標)180;CPKelco)から製造した、異なる薬物:ポリマー比を含む錠剤(錠剤サイズ8mm;錠剤重量125mg;異なる薬物用量)からの化合物D(フリー塩基)のpH6.8での薬物放出プロフィールを示す。
【図17】図17は、特級のキサンタンゴム(KELTROL(登録商標)D;CPKelco)から製造した錠剤からの化合物D(フリー塩基)のpH6.8での薬物放出プロフィールを示す。
【図18】図18は、特級のキサンタンゴム(XANTURAL(登録商標)180;CPKelco)から製造した、異なる薬物:ポリマー比を含む錠剤(錠剤サイズ8mm;異なる錠剤重量;同一の薬物用量)からの化合物D(フリー塩基)のpH6.8での薬物放出プロフィールを示す。
【図19】図19は、特級のHPMCポリマー(METHOCELTM60SH10000;信越化学)から製造した、異なる薬物:ポリマー比を含む錠剤(錠剤サイズ8mm;錠剤重量152mg;異なる薬物用量)からの化合物Dのメタンスルホン酸塩の異なるpHでの薬物放出プロフィールを示す。
【図20】図20は、特級のHPMCポリマー(METHOCELTM60SH10000;信越化学)から製造した、異なる薬物:ポリマー比を含む錠剤(錠剤サイズ12mm;錠剤重量760mg;異なる薬物用量)からの化合物Dのメタンスルホン酸塩の異なるpHでの薬物放出プロフィールを示す。

Claims (54)

  1. 4−({3−[7−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]プロピル}アミノ)ベンゾニトリル、2−{7−[3−(4−シアノアニリノ)プロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル、2−{7−[4−(4−シアノフェニル)ブチル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル、又は2−{7−[(2S)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル、又はこれら化合物のいずれかの製剤的に許容される塩を有効成分として含んでなる、修飾放出医薬組成物。
  2. 4−({3−[7−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]プロピル}アミノ)ベンゾニトリル、2−{7−[3−(4−シアノアニリノ)プロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル、2−{7−[4−(4−シアノフェニル)ブチル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル、又は2−{7−[(2S)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル、又はこれら化合物のいずれかの製剤的に許容される塩を有効成分として、及び、製剤的に許容される担体及び/又は他の手段を含んでなり、該担体又は手段は該有効成分の修飾放出を(適宜)生じさせる、修飾放出医薬組成物。
  3. 有効成分が製剤的に許容される担体と一緒に提供される、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
  4. 組成物が、有効成分の遅延及び/又は持続放出をもたらすように適合されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 放出が持続される、請求項4に記載の組成物。
  6. 経口投与に適合されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 有効成分がポリマーマトリックスに埋め込まれている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 親水ゲル化成分及び有効成分を含んでなるゲル化マトリックス修飾放出系の形態である、(請求項6に従属するような)請求項7に記載の組成物。
  9. 有効成分が4−({3−[7−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]プロピル}アミノ)ベンゾニトリル、又はその製剤的に許容される塩である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 有効成分がベンゼンスルホン酸塩又はトルエンスルホン酸塩の形態で提供される、請求項9に記載の組成物。
  11. 有効成分が4−({3−[7−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]プロピル}アミノ)ベンゾニトリル、ベンゼンスルホン酸塩である、請求項10に記載の組成物。
  12. 有効成分が2−{7−[(2S)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル、又はその製剤的に許容される塩である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 有効成分が2−{7−[(2S)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチルである、請求項12に記載の組成物。
  14. 有効成分が2−{7−[(2S)−3−(4−シアノフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル]−9−オキサ−3,7−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル}エチルカルバミン酸tert−ブチル、メタンスルホン酸塩である、請求項12に記載の組成物。
  15. 親水ゲル化成分が、マルトデキストリン、キサンタン、スクレログルカン、デキストラン、デンプン、アルギン酸塩、プルラン、ヒアルロン酸、キチン、キトサン、アルブミン、ゼラチン、ポリ−L−リジン、ポリ(アクリル酸)ナトリウム、ポリ(メタクリル酸ヒドロキシエチル)、カルボキシポリメチレン、カルボマー、ポリビニルピロリドン、グアーゴム、アラビアゴム、カラヤゴム、ガッチ・ゴム、イナゴマメ(locust bean)ゴム、タマリンドゴム、ゲラン(gellan)ゴム、トラガカントゴム、寒天、ペクチン、グルテン、ポリ(ビニルアルコール)、エチレンビニルアルコール、ポリ(酸化エチレン)、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースナトリウム、又はそれらのコポリマー若しくは単純混合物を含む、請求項8〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 親水ゲル化成分が、キサンタン、ヒドロキシプロピルセルロース、マルトデキストリン、スクレログルカン、カルボキシポリメチレン、ポリ(酸化エチレン)、ヒドロキシエチルセルロース、又はヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はそれらのコポリマー若しくは単純混合物を含む、請求項15に記載の組成物。
  17. 親水ゲル化成分がヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項16に記載の組成物。
  18. 親水ゲル化成分の2%水溶液が3〜150,000cpsの粘度を有する、請求項17に記載の組成物。
  19. 粘度が10〜120,000cpsである、請求項18に記載の組成物。
  20. 粘度が30〜50,000cpsである、請求項19に記載の組成物。
  21. 粘度が50〜15,000cpsである、請求項20に記載の組成物。
  22. 親水ゲル化成分が、異なる粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーの混合物を含む、請求項17〜21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. 親水ゲル化成分が、米国薬局方標準置換型2208、2908、1828、及び/又は2910を充足する1つ以上のヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーを含む、請求項17〜22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. 親水ゲル化成分がキサンタンを含む、請求項16に記載の組成物。
  25. 親水ゲル化成分の1%水溶液が60〜2,000cpsの粘度を有する、請求項24に記載の組成物。
  26. 粘度が600〜1,800cpsである、請求項25に記載の組成物。
  27. 粘度が1,200〜1,600cpsである、請求項26に記載の組成物。
  28. 組成物がさらに希釈剤を含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の組成物。
  29. 組成物がさらに滑沢剤を含む、請求項1〜28のいずれか1項に記載の組成物。
  30. 滑沢剤がステアリン酸マグネシウム又はステアリルフマル酸ナトリウムである、請求項29に記載の組成物。
  31. 組成物がさらに滑り剤(glidant)を含む、請求項1〜30のいずれか1項に記載の組成物。
  32. 滑り剤がコロイドシリカである、請求項31に記載の組成物。
  33. 組成物がさらに結合剤を含む、請求項1〜32のいずれか1項に記載の組成物。
  34. 結合剤が微結晶性セルロースである、請求項33に記載の組成物。
  35. 請求項28〜34のいずれか1項に記載の組成物であって、該組成物中の希釈剤、滑沢剤、滑り剤、及び/又は結合剤の全量が最大85%w/wまでである、前記組成物。
  36. 全量が0.5〜45%w/wの範囲にある、請求項35に記載の組成物。
  37. 請求項7〜36のいずれか1項に記載の組成物であって、該系中のポリマー又は親水ゲル化成分(適宜)の量が5〜99.5%w/wの範囲にある、前記組成物。
  38. 前記量が30〜70%w/wの範囲にある、請求項37に記載の組成物。
  39. 前記量が35〜65%w/wの範囲にある、請求項38に記載の組成物。
  40. 請求項1〜39のいずれか1項に記載の組成物であって、該組成物中の有効成分の量が0.5〜80%w/wの範囲にある、前記組成物。
  41. 前記量が3〜70%w/wの範囲にある、請求項40に記載の組成物。
  42. 前記量が5〜65%w/wの範囲にある、請求項41に記載の組成物。
  43. 有効成分を担体と結びつける工程を含む、請求項2〜42のいずれか1項に記載の組成物の製造法。
  44. 結びつける方法が、湿式若しくは乾式造粒、直接圧縮、又はこれらの方法の組合せを含む、請求項43に記載の方法。
  45. 医薬品としての使用のための請求項1〜42のいずれか1項に記載の組成物。
  46. 不整脈の予防若しくは治療における使用のための請求項1〜42のいずれか1項に記載の組成物。
  47. 不整脈の予防若しくは治療における使用を目的とした医薬品の製造のための請求項1〜42のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  48. 不整脈が心房性若しくは心室性不整脈である、請求項47に記載の使用。
  49. 不整脈が心房細動である、請求項47に記載の使用。
  50. 不整脈が心房粗動である、請求項47に記載の使用。
  51. 不整脈の予防若しくは治療の方法であって、請求項1〜42のいずれか1項に記載の組成物の、そのような状態に罹患しているか、又はそれに罹患しやすい哺乳動物被検者への投与を含む、前記方法。
  52. 不整脈が心房性若しくは心室性不整脈である、請求項51に記載の方法。
  53. 不整脈が心房細動である、請求項51に記載の方法。
  54. 不整脈が心房粗動である、請求項51に記載の方法。
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