JP2004525413A - コンタクトレンズ用の着色印刷インキ - Google Patents

コンタクトレンズ用の着色印刷インキ Download PDF

Info

Publication number
JP2004525413A
JP2004525413A JP2002572900A JP2002572900A JP2004525413A JP 2004525413 A JP2004525413 A JP 2004525413A JP 2002572900 A JP2002572900 A JP 2002572900A JP 2002572900 A JP2002572900 A JP 2002572900A JP 2004525413 A JP2004525413 A JP 2004525413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
group
monomer
colored
colored coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002572900A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4307078B2 (ja
Inventor
クイン,マイケル・エイチ
タッカー,ロバート・キャリー
コルティ,サンドラ
フェラン,ジョン・シー
Original Assignee
ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト filed Critical ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
Publication of JP2004525413A publication Critical patent/JP2004525413A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4307078B2 publication Critical patent/JP4307078B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • G02B1/041Lenses
    • G02B1/043Contact lenses
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D11/00Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
    • B29D11/00009Production of simple or compound lenses
    • B29D11/00038Production of contact lenses
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D11/00Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
    • B29D11/00865Applying coatings; tinting; colouring
    • B29D11/00894Applying coatings; tinting; colouring colouring or tinting
    • B29D11/00903Applying coatings; tinting; colouring colouring or tinting on the surface

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

本発明は着色されたポリマー基材、好ましくはコンタクトレンズを製造する新規のインキおよび方法に関する。本発明の方法では、レンズ表面の少なくとも一部を、少なくとも1種類の着色剤と、エチレン性不飽和であり、潜在的な架橋可能側鎖基を有する第一のモノマー、および第一のモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する第二のモノマーを共重合することによって得られるバインダーポリマーと、を含む着色被覆剤で被覆する。レンズは次いで、着色被覆剤がレンズに装着するような条件下におく。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクトレンズ、またはコンタクトレンズの製造に用いられる型に、適用することのできる着色印刷インキの製造方法に関する。後者の場合、型の表面に印刷されたインキは、その後コンタクトレンズの成分モノマーが型に仕込まれて重合する際に、そのコンタクトレンズに組み込まれることが意図されている。いずれの場合にも、得られる製品は、着色インキが適用されたコンタクトレンズである。
【0002】
〔発明の背景〕
コンタクトレンズ、またはコンタクトレンズの製造に用いられる型のいずれへの印刷にも適した印刷インキの製造方法が開示されてきた。たとえば、米国特許第4,668,240号(Loshaek)は、ポリマーで構成されるコンタクトレンズを用意し、そのレンズの少なくとも一部を、着色物質、官能基を有するバインダーポリマー、および−NCOまたはエポキシの少なくとも1個を有する追加の化合物で被覆することによって製造される、着色コンタクトレンズを開示している。レンズとバインダーポリマーとは、官能基の反応によって互いに結合される。
【0003】
米国特許第4,857,072号(Narducyら)は、着色した親水性コンタクトレンズの製造方法を開示している。レンズ表面の少なくとも一部を、少なくとも1種類の顔料、官能基を有するバインダーポリマー、および−NCO1分子当たり少なくとも2個の基を有する追加の化合物を含む着色被覆剤で被覆する。被覆されたレンズは、その後着色被覆剤がレンズに接着するような条件下におかれる。
【0004】
米国特許第5,272,010号(Quinn)は、イソシアナート化合物を必要としないこと以外は、米国特許第4,668,240号および第4,857,072号のそれと同様の、着色コンタクトレンズの製造方法を開示している。代わりに、ヘキサメトキシメチルメラミンのような接着促進剤が使用される。
【0005】
上記で引用した特許は、すべてが、(a)コンタクトレンズに色を付加するための顔料を1種類以上;(b)印刷インキのコンタクトレンズへの接着を助けるためのモノマーを1種類以上;(c)印刷インキ中のモノマーを重合させるための開始剤;(d)適切な官能基を有するバインダーポリマー;および(e)バインダーポリマーの官能基との架橋を形成させるための接着促進剤を必要とする点において、実質的に類似している。接着促進剤はまた、バインダーポリマーをレンズポリマーに化学的に結合させることもできる。
【0006】
しかしながら、当該技術における公知の方法は、いくつかの欠点を有している。第一の欠点は、重合してコンタクトレンズを製造するモノマー混合物中における、希釈剤の使用の可能性に関連する。モノマー混合物中の希釈剤は、コンタクトレンズの注型のための一般に認められた技法である(米国特許第5,039,459号(Larsen-Kindtら))。しかしながら、モノマー混合物中の、およびその結果コンタクトレンズ中の希釈剤は、バインダーポリマーが必要とする架橋を妨げるおそれがある。これは、試薬の濃度を薄める影響であるかもしれず、および/または、希釈剤が接着促進剤と反応し、コンタクトレンズに対する着色剤の適切な接着のため必要とされる結合を損なうためかもしれない。いずれの場合にも、コンタクトレンズに対する着色剤の適切な接着を提供するための接着促進剤の能力を低減させることになる。
【0007】
現行の方法の第二の欠点は、別個の接着促進剤を試薬または特別な反応性被覆剤の形で、着色レンズ用印刷インキに添加しなければならないという必要性に関連する。このことは、製造工程で追加の成分を添加することに付随するすべての不利益を有している。
【0008】
第三の欠点は、接着促進剤をバインダーポリマーの官能基と反応させるために別の工程が必要となることに見られる。もっとも一般的に言われている別の工程とは熱硬化であって、このことは、レンズ製造工程に高価な装置を付加することを必要とする。
【0009】
第四の欠点は、現在使用されている印刷インキが重合開始剤およびモノマーを含有していて、印刷後の操作において重合しなければならないことである。
【0010】
〔発明の概要〕
本発明は、一つの態様において:
(a)ポリマーから構成されるコンタクトレンズを用意する工程;
(b)そのレンズの表面の少なくとも一部を、少なくとも1種類の着色剤と、複数の潜在的な架橋可能基を有するバインダーポリマーと、を含む着色被覆剤(ここでこの着色被覆剤は活性水素基を有する化合物を実質的に含有しない)で被覆する工程;
(c)被覆されたレンズを、着色被覆剤がレンズに接着するような条件下におく工程;
を含む、着色コンタクトレンズの製造方法を含む。
【0011】
この実施態様の工程(b)で使用される着色被覆剤は、好ましくは(i)接着促進剤を実質的に含有せず、および/または、(ii)バインダーポリマーと架橋する化合物を実質的に含有せず、および/または、(iii)求核性溶媒を実質的に含有しない。
【0012】
より具体的には、本発明は着色されたポリマー基材、好ましくは医療用装置、もっとも好ましくは親水性コンタクトレンズの製造方法を含み、この方法は、
(a)ポリマーから構成されるコンタクトレンズを用意する工程;
(b)そのコンタクトレンズの表面の少なくとも一部を、少なくとも1種類の着色剤と、
a.潜在的な架橋可能側鎖基を有するエチレン性不飽和モノマー(以後、化合物(A)という);および
b.化合物(A)と共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(B)
(以後、モノマー(B)という)
を含む重合可能な成分を共重合することによって得られるバインダーポリマーと、を含む着色被覆剤で被覆する工程;そして
(c)被覆されたレンズを、着色被覆剤がレンズに接着するような条件下におく工程;
(ここで、モノマー(B)は、モノマー(A)の潜在的な架橋可能基とは実質的に非反応性である)
を含む。
【0013】
本発明の第二の態様は、着色されたポリマー基材、好ましくは医療用装置、もっとも好ましくは親水性コンタクトレンズの製造方法を含み、この方法は、
(a)レンズ型の、少なくとも一つのレンズを形成する表面の少なくとも一部を、少なくとも1種類の着色剤と、
a.上記開示したモノマー(A);および
b.上記開示したモノマー(B);
を含む重合可能な成分を共重合することによって得られるバインダーポリマーと、を含む着色被覆剤で被覆する工程;
(b)着色被覆剤をその位置にとどめるようにしながら、レンズ型にレンズ形成用組成物を仕込む工程;
(c)レンズ形成用組成物を硬化させて、被覆されたレンズを形成する工程;および
(d)被覆されたレンズを、着色被覆剤がレンズに接着するような条件下におく工程;
(ここで、モノマー(B)は、モノマー(A)の潜在的な架橋可能基とは実質的に非反応性である)
を含む。
【0014】
本発明の第三の態様は、上記開示した印刷インキおよびその使用方法であって、別の接着促進剤の種、たとえばヘキサメトキシメチルメラミンまたはヘキサメチレンジイソシアナートを実質的に使用しない方法を含む。コンタクトレンズ印刷における公知の接着促進剤の種は、米国特許第4,668,240号;第4,857,072号;および第5,272,010号に記載されている。特に、本発明のインキは、イソシアナート化合物を含有しないことが好ましい。
【0015】
本発明の第四の態様は、本発明の湿分硬化性インキ組成物を、ヒドロゲルコンタクトレンズ上にインクジェット印刷する工程を含む、表面に像を有するコンタクトレンズの形成方法を含む。
【0016】
本発明の第五の態様は、本発明の方法によって製造された、ポリマー基材、好ましくは親水性着色コンタクトレンズを含む。
【0017】
〔発明の詳細な説明〕
1.定義
特に定義しないかぎり、本明細書において使用されるすべての技術および科学用語は、本発明が属する当業者によって共通的に理解されるのと同一の意味を有する。一般に、本明細書で用いられる命名法および実験室手順は、当該技術において周知のものであって、共通に使用されている。これらの手順には、通例の方法、たとえば当該技術および種々の一般文献において提供されているものが用いられている。用語が単数形である場合、本発明者らは、この用語の複数形をも意図している。本明細書において使用されている命名法および以下に記載される実験室手順は、当該技術において周知のものであって、共通に使用されている。本開示を通じて使用されている以下の用語は、他に記載のないかぎり、以下の意味を有するものと理解されるべきである。
【0018】
“湿分”は、水、および大気中の水蒸気を含む水蒸気、の両方を含む。
【0019】
“着色剤”は、染料および不透明着色剤の両方の、単独または組合せのいずれをも含む。
【0020】
“染料”は、溶媒に可溶であって、色を付与するために使用される物質を意味する。染料は、典型的には半透明であり、光を散乱させることなく吸収する。染料は、コンタクトレンズの(瞳孔にかぶさる)光学域および(瞳孔にかぶさらない)非光学域の両方を覆うことができる。ほとんどいずれの染料も、本明細書に記載されている方法に適合するかぎり、蛍光染料、りん光染料、パール光沢染料、および通常の染料を含み、本発明に使用することができる。
【0021】
“蛍光染料”は、可視光線または紫外線におかれると即座に発光を生ずる染料を含む。典型的には、その発光は、蛍光を引き起こす波長より長い波長を有し、そして入射する光または紫外線放射を止めると即座に停止する。
【0022】
“りん光染料”は、可視光線または紫外線におかれると遅延発光を生ずる染料を含む。典型的には、その発光は、りん光を引き起こす波長とは異なる波長を有し、そして入射する光または紫外線放射を止めた後も、ある延長された時間継続する。
【0023】
“不透明着色剤”は、顔料および粒状物の両方を含む。
【0024】
不透明着色剤に関連した“顔料”とは、当該技術において公知の、多種の有機または無機の不溶性顔料、たとえば二酸化チタン、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー(C.I.74160))、ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン(C.I.74260))、ピグメントブルー36(コバルトブルー(C.I.77343))、または三二酸化クロムをいう。ある種の顔料は、蛍光またはりん光を発することができる。本明細書を通じて特定の例が示されているが、当業者は、種々の顔料のいずれをも使用できることを認識するであろう。
【0025】
不透明着色剤に関連した“粒状物”とは、当該技術において公知である多くの種類の着色粒状物、たとえばインディアインキをいう。この用語はまた、無色ではあるが、たとえば粒子による光の(たとえば)回折または散乱によって色を発現させる構造体をも含む。ある種の粒状物は、蛍光またはりん光を発することができる。
【0026】
“エチレン性不飽和”は、本明細書では広い意味に使用されており、たとえば、ビニル化合物、アクリル化合物、およびメタクリル化合物を含むように意図されている。エチレン性不飽和モノマーについての基本的な規準は、>C=C<基を少なくとも1個含有していて、これがゲル化することなく相対するモノマーと共重合でき、他方では生成した顔料バインダーの利用を妨げないものということである。
【0027】
本明細書で用いている“レンズ”とは、光を伝達することのできる物質の構成物をいう。レンズは、光学レンズ、たとえばコンタクトレンズとして機能し得ることが好ましい。本発明のある態様においてレンズは、使用者の視力の矯正、改善、または改変という目的とは対照的に、美容目的に用いられる光学レンズ、たとえばコンタクトレンズとして機能する必要はない。
【0028】
“コンタクトレンズ”とは、装着者の目の上または中に置くことのできる構造体をいう。コンタクトレンズは、使用者の視力の矯正、改善、または改変が可能であるが、そればかりには限られない。コンタクトレンズは、当該技術において公知の、または今後開発されるいかなる適切な材料であることができ、そして軟質レンズ、硬質レンズ、または複合レンズであってよい。コンタクトレンズは、乾燥状態または湿潤状態にあることができる。
【0029】
“乾燥状態”とは、水和前の状態にある軟質レンズ、または保管もしくは使用条件下における硬質レンズの状態についていう。
【0030】
“湿潤状態”とは、水和状態にある軟質レンズについていう。
【0031】
“ヒドロゲル”とは、水溶液中で水を吸収して膨潤しているポリマーをいう。ヒドロゲルは、その構造の一部分としての水または水溶液を含む。
【0032】
“ポリマー”とは、モノマーの連鎖をいう。好ましくはポリマーは、コンタクトレンズのようなレンズへの使用に適したポリマーである。ポリマーは、たとえば、ホモポリマー、ヘテロポリマー、コポリマー、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、またはこれらの組合せのいずれかであってよい。
【0033】
本明細書で用いている“眼に適合可能”とは、眼の環境に有意な損傷を与えることなく、そして使用者の明らかな不快感なしに、長期にわたって眼の環境に密接していることのできる材料または材料表面についていう。したがって、眼に適合可能なコンタクトレンズは、有意な角膜腫脹を起こすこともなく、瞬きとともに眼上を適当に移動して適切な涙液交換を促し、実質的な量の脂質吸収がなく、そして処方された装着期間の間に本来の装着者に不快感を与えることはないであろう。本発明のレンズは、好ましくは眼に適合可能なものである。
【0034】
本明細書で用いている“眼の環境”とは、視力補正、薬物送達、傷の治療、眼色改変、または他の眼科用途に使用されるコンタクトレンズと密接することになる眼液(たとえば涙液)および眼組織(たとえば角膜)をいう。
【0035】
本明細書で用いている“親水性”とは、脂質よりも水と、より容易に親和する材料またはそれの部分についていう。
【0036】
本明細書で用いている、レンズの“前面”とは、装着中に目から遠方の側にあるレンズ面をいう。典型として実質的に凸面である前面は、レンズの前曲面と称してもよい。
【0037】
本明細書で用いている、レンズの“後面”とは、装着中に目と向き合っているレンズ面をいう。典型として実質的に凹面である後面は、レンズの基礎曲面と称してもよい。
【0038】
“増粘剤”とは、この用語が当該技術で知られているとおり、液体または部分混合液もしくは溶液の粘度を増大させるために使用される化合物をいう。増粘剤の一例は、ポリビニルアルコールである。
【0039】
“印刷”とは、着色被覆剤の少なくとも1種類を、表面または構造体に適用して像を形成させることをいう。印刷には、当該技術において公知の、または特定の目的のために今後開発される、適切な装置または方法のいずれをも使用することができる。
【0040】
“パターン”とは、コンタクトレンズ上に印刷される所定の像をいう。パターンは、外見が空想的または現実的のいずれでもよい。パターンは、好ましくは米国特許第5,160,463号(Evansら)および第5,414,477号(Jahnke)に従って設計される。
【0041】
“求核性”は、その周知の意味に従って使用され、そしてその反応相手方に結合する両方の電子を供与することによって反応相手方との結合を形成する化合物、組成物、または試薬についていう。
【0042】
本発明は、着色された親水性コンタクトレンズの製造方法を提供する。本発明の第一の実施態様においては、その方法は、レンズ表面の少なくとも一部を、少なくとも1種類の着色剤、好ましくは顔料と、バインダーポリマーとを含む着色被覆剤で被覆する工程を含む。バインダーポリマーは、潜在的な架橋可能側鎖基を有するエチレン性不飽和モノマー(化合物(A));および化合物(A)と共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(B)を含む重合可能な成分を共重合させることによって得られる。レンズは、着色被覆剤がレンズに接着するような条件下におかれる。具体的には、バインダーポリマーが架橋し、それによって着色剤を包み込み、そしてレンズに接着する。
【0043】
あるいはまた、好ましい一実施態様においては、着色被覆剤をコンタクトレンズ製造用の型のレンズ形成面に適用することができる。その後、重合性又は架橋可能な組成物を型に仕込み、硬化させて着色コンタクトレンズを形成させ、着色被覆剤は、型からレンズに移行してコンタクトレンズと一体化したものになる。この方法において、着色されたコンタクトレンズは、より快適な装着感を装着者に与えることのできる、なめらかな表面を有したものになる。レンズ型上に印刷するのに適当な方法は、米国特許第5,034,166(Rawlingsら)に開示されている。
【0044】
レンズに応用される着色被覆剤は、少なくとも1種類の着色剤、好ましくは顔料と、バインダーポリマーとを含む。バインダーポリマーは、(A)潜在的な架橋可能側鎖基を有するエチレン性不飽和モノマー(以後、化合物(A)という)、および化合物(A)と共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー(B)(以後、モノマー(B)という)を含む重合可能な成分を、共重合させることによって得られる。
【0045】
潜在的な架橋可能側鎖基は、(A)と(B)の共重合後に、得られたポリマーと反応して架橋させる能力を有する活性官能基を含む。可能性のある官能基は、エポキシ、ヒドロキシ、アルケニル、イソシアナート、ペルオキシ、ペルエステル、無水物、シラン、およびこれらの組合せであって、シランが好ましい。
【0046】
潜在的な架橋反応は、湿分、求核性触媒作用、熱、またはこれらの組合せによって活性化してよい。湿分活性化により架橋させる場合、化合物(A)中に以下のものを1種類以上組み込むことが望ましい:アルコキシシラン、シラノール、アセトキシシラン、シラン、またはハロシラン基。アルコキシシラン、アセトキシシラン、シラン、またはハロシランは、湿分におかれるとシラノールを形成する。シラノールは互いに反応してシロキサン結合を形成する。したがって、側鎖シラノール基(または前駆体)を含むポリマー鎖は、結合してシロキサン連鎖を形成することによって架橋を形成できる。湿分で活性化されるので、架橋はポリマーの水和に伴って形成されるであろう。好ましい潜在的な架橋可能側鎖基は、ハロシランおよびアルコキシシランであり、アルコキシシランがもっとも好ましい。
【0047】
有機ケイ素官能基が関与する架橋反応は、非加水分解的方法によっても生ずることができよう。ハロシランでは、アルコキシシラン、金属酸化物(たとえば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅など)、およびアルコール+カルボン酸におくことによってシロキサン結合を形成させることができる。
【0048】
アルコキシシランは、相互に結合してシロキサン結合を形成することができる。シリコーンの架橋および硬化は周知である(W. Noll, Chemistry and Technology of Silicones, Academic Press, Inc., London参照のこと)。
【0049】
さらに、アルコキシシランはまた、シラノール、アセトキシシラン、カルボン酸、および酸、たとえばHClにおかれると、シロキサン結合を形成する。シロキサン結合が形成される加水分解または非加水分解的反応は、着色被覆剤をレンズに適用した際に着色被覆剤に架橋を導入することに利用できよう。水和工程でレンズに水が加えられると、架橋反応が始まり、それによって着色被覆剤のレンズへの接着が生じる。
【0050】
好ましい化合物(A)は、式(I):
【0051】
【化3】
Figure 2004525413
【0052】
(式中、Xは不飽和二重結合を含有する重合性の基であり;nは0〜12の整数であり;Zはハロゲン化物または−OR2のいずれかであり;R1は、それぞれ互いに独立に、ハロゲン化物、または置換もしくは非置換C1 6アルキル基であり;R2は、互いに独立に、置換もしくは非置換C1 6アルキル基であり;そしてqは1〜3の整数である)
の重合性ハロシランまたはアルコキシシラン化合物である。
【0053】
上記式において、Xは、好ましくは(メタ)アクリロキシ基、ビニル基、アリル基、または式:
【0054】
【化4】
Figure 2004525413
【0055】
の基である。より好ましくは、Xは、(メタ)アクリロキシ基またはビニル基;そしてもっとも好ましくはメタクリロキシ基である。
【0056】
整数nは、好ましくは1〜12;より好ましくは1〜6;そしてさらに好ましくは2〜4である。nのもっとも好ましい値は、特にXがメタクリロキシ基の場合、2または3である。通常の当業者は、この記述の教示を通じ、ありふれた実験をすることによって適切なnが決定できることを認識するであろう。
【0057】
重合性アルコキシシラン化合物(上記式中、Zが−OR2である)の典型例は、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシエチルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、メタクリロキシエチルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシエチルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、および3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランヒドロクロリドを含むが、これらに限定されない。これらの化合物は、単独、またはこれらの2種以上の混合物として組み合わせて使用してよい。
【0058】
2は、好ましくは非置換C1 6アルキル;より好ましくは非置換C1 4アルキル;さらにより好ましくは非置換C1 2アルキル;そしてもっとも好ましくはメチル基である。現時点では上述のR2は非置換アルキルであることが好ましいが、一方、通常の当業者にとって、上述の好ましいR2基のいずれでも、置換基が本明細書に記述されている本発明を妨害することのないかぎり、置換されたものであってもよいということは、明白なことである。さらに、それぞれのR2は、存在する(もし他にあるなら)他のR2と同一であることが好ましい。
【0059】
1は、好ましくはC1〜C6アルキル、より好ましくはC1〜C4アルキル、さらにより好ましくは非置換C1〜C2アルキル、そして特にメチルである。
【0060】
好ましいアルコキシシラン化合物は、メトキシシランである(Zが−OR2であり、そしてR2がメチルである)。好ましいメトキシシランは、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、およびメタクリロキシエチルジメチルエトキシシランを含む。
【0061】
Zがハロゲン化物の場合、好ましいハロゲン化物は塩化物である。同様に、それぞれのZが、存在する(もし他にあるなら)他のZと同一であることが好ましい。上記式(I)の重合性ハロシラン化合物の好ましい例は、メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、およびメタクリロキシエチルトリクロロシランを含むが、これらに限定されない。
【0062】
上記式において、qは縮合反応の反応性を考慮にいれて適切に決定することができる。
【0063】
重合可能な成分中の化合物(A)の量は、架橋の効果を十分に得るため、バインダー(A+B)の5〜25重量%になるように調節するのが好ましい。
【0064】
本発明に使用することのできるモノマー(B)は、化合物(A)と共重合できる不飽和二重結合を有し、そしてモノマー(A)の潜在的な架橋可能基とは実質的に非反応性であるモノマーである。具体的には、重合工程の間、モノマー(B)は化合物(A)とは架橋反応を起こさない。このようなモノマー(B)は、たとえば、共重合可能な不飽和二重結合を1個有するもの、すなわち架橋可能モノマー以外のモノマーであるか、または重合可能な基を少なくとも2個有する架橋可能なマクロモノマーであってよい。化合物(B)は、ケイ素を含有しないことが好ましい。
【0065】
しかしながら、化合物(A)または組み合わせたバインダーポリマー(A+B)は、求核性試薬の存在下で架橋する可能性があることに注意すべきである。活性水素原子、たとえばヒドロキシ官能基(たとえばROH)、第一級および第二級アミン官能基(たとえばRNH2またはR2NH)、または酸官能基(たとえばRCOOH)を有する基を含有するモノマーは、たとえばアルコキシシランとの共重合中にゲル化/架橋を起こす可能性が高い。その結果、化合物(A)と共重合するための適切なモノマー(B)の数は、化合物(A)とすぐには架橋反応を起こすことができないような数に限られる。
【0066】
しかしながら、早期ゲル化を引き起こすには十分でない数の活性水素を含有するモノマー(B)の量は、顔料バインダーの製造に使用されてもよい。そのうえ、複数の種のモノマー(B)が顔料バインダーの製造に使用される場合、そのようなモノマーの少なくとも1種類は活性水素原子を実質的に含有しないものであるべきで、活性水素原子を有するモノマーの全重量は、モノマー(B)全量の10重量%未満である。好ましくは、活性水素原子を有するモノマーは、モノマー(B)全量の0.5重量%未満である。
【0067】
活性水素原子を有しないモノマー(B)の典型例は、N−ビニルヘテロ環式モノマー、たとえばN−ビニル−2−ピロリドン(NVP);C1〜C6アルキルビニルエーテル、たとえばビニルエチルエーテル;アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C6アルキルエステル、たとえばメタクリル酸メチルまたはアクリル酸プロピル;アクリル酸−またはメタクリル酸アミド、たとえばアクリルアミドまたはN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA);C1〜C6アルキルスチレン、たとえばt−ブチルスチレン;ビニルモノマー、たとえば塩化ビニルおよび酢酸ビニル;ジエンモノマー、たとえばイソプレン;およびアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C6アルコキシC1〜C6アルキルエステル、たとえばメタクリル酸エトキシエチル(EOEMA)またはアクリル酸メトキシプロピルである。これらのモノマーは、単独で、またはこれらの2種以上の混合物として組み合わせて使用してもよい。
【0068】
あるいはまた、モノマー(B)の活性ヒドロキシ基は、モノマー(A)の潜在的な架橋可能基との反応を阻止するために、ソルボリシスが可能な基によって“マスキング”、または保護することができる。“ソルボリシスが可能”とは、一般にはエステル結合基であって、これは求核性試薬、たとえば水、またはアンモニアもしくは有機アミンのような弱塩基の存在下で(室温において)、または低級(C1〜C4)アルカノールの存在下で(60℃までの温度において)、カルボキシル含有化合物(たとえば、アミド、エステル、または酸)とアルコールに開裂できるものを意味する。たとえば、メタクリル酸グリセロールの活性水素は、トリクロロアセチルまたはペルフルオロアシルのような基でマスキングすることができる。ソルボリシスが可能な基は、その後求核性試薬の存在下で加水分解されるであろう。このような基は、米国特許第4,638,040号(Hammer)に開示されている。
【0069】
好ましいモノマー(B)は、N−ビニルヘテロ環式モノマーおよびアルキル(メタ)アクリルアミドを含む。もっとも好ましいのは、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)およびN−ビニルピロリドン(NVP)である。2つのモノマー(B)の好ましい混合物は、DMAとEOEMAである。
【0070】
顔料バインダーを製造するための、化合物(A)および(B)の混合物の重合反応は、有機溶媒中で、当該技術において周知の従来の溶液重合法を用いて行われる。(A)および(B)をレンズまたは型の上に配置する前に重合させるのが好ましいが、当業者は、このような重合は、たとえば、その成分を型の上に置いた後生じさせることができることを認識するであろう。重合は、重合開始剤の存在下で行うのが好ましい。
【0071】
適した重合開始剤は、ラジカル重合開始剤および光重合開始剤を含む。もちろん、選択される開始剤は、行われる重合の種類に依存する。ラジカル重合開始剤の典型例は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、およびクメンペルオキシドを含む。このような硬化用組成物は、商業的に入手可能な、CIBAスペシャルティ ケミカルズの商品名“IRGACURE”の商品、およびDuPontの商品名“VAZO”の商品、たとえばVAZO52(ペンタンニトリル,2,4−ジメチル,2,2′−アゾビス)、VAZO64(AIBN)、VAZO67(ブタンニトリル,2−メチル,2,2′−アゾビス)およびVAZO88(シクロヘキサンカルボニトリル,1,1′−アゾビス)を含む。
【0072】
光重合開始剤の典型例は、ベンゾイン光重合開始剤、たとえば安息香酸メチルオルトベンゾイル、ギ酸メチルベンゾイル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、またはベンゾインn−ブチルエーテル;フェノン光重合開始剤、たとえば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、またはN,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノン;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム;チオキサントン光重合開始剤、たとえば2−クロロチオキサントンまたは2−メチルチオキサントン;ジベンゾスバロン;2−エチルアントラキノン;アクリル酸ベンゾフェノン;ベンゾフェノン;およびベンジル(benzil)、を含む。
【0073】
重合開始剤の種類は、決定的なものではなく、そして本発明の部分を構成しない。通常の当業者ならば、本発明において良好な結果が得られるであろう光開始剤の種類および量を容易に認識するであろう。発明者が現在好ましいと考えている開始剤は、VAZO52であり、これは熱開始剤のVAZO64に類似している。
【0074】
化合物(A)および(B)の重合時に使用できる有機溶剤は、通例のアクリルまたはビニルポリマーの製造における使用が公知の、事実上すべての有機溶媒、たとえば、アルコール、ケトン、芳香族炭化水素、またはそれらの混合物を含む。使用される溶媒または溶媒類は、一般にバインダーの他の成分との適合性その他を考慮して選択される。本発明の組成物中で単独にまたは混合物で使用される溶媒の具体例は、ケトン、たとえばメチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなど;塩素化炭化水素、たとえばトリクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタンなど;脂肪族アルコール、たとえばエタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコールなど;脂肪族エステル、たとえば酢酸n−ブチル、酢酸n−ヘキシル、酢酸セロソルブ、乳酸エチルなど;グリコールエーテル、たとえばエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびそれらのエステル、たとえば酢酸エステル、プロピオン酸エステルなど;および芳香族炭化水素、たとえばトルエン、キシレンなど;および芳香族エーテル、たとえばアニソール、である。
【0075】
しかしながら、コンタクトレンズモノマー混合物中の希釈剤に関連して前述した不利益のいくつかは、この選択された溶媒系にも当てはまる。したがって、顔料バインダーとは反応しない(またはきわめてゆっくり反応する)溶媒を選ぶことが重要であろう。反応物が可溶であって、所望の反応温度より高い沸点を有するいずれの非求核性有機溶媒も使用可能である。不活性溶媒は、使用する反応条件で出発物質のいずれとも反応しない溶媒である。適した不活性溶媒としては、液状ハロゲン化低級アルカン(たとえば塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,1−トリクロロエタン、および1−ブロモ−2−クロロエタン)、およびケトンである。この点に関して、もっとも好ましい溶媒はシクロヘキサノンである。使用する溶媒はまた、着色剤と適合性があり、そしてコンタクトレンズ材料に対して非破壊的でなければならない。
【0076】
本発明の好ましい実施態様において、着色被覆剤(または適用前のことをいうならインキ)は、少なくとも4時間は安定である。より好ましくは、インキは少なくとも8時間は安定である。さらにより好ましくは、インキは少なくとも2日間安定である。もっとも好ましくは、インキは少なくとも1週間、または少なくとも3週間は安定である。インキについての“安定”とは、特定の時間にわたり、有意な粘度上昇を起こさないことを意味する。安定なインキは、着色眼用レンズの大量生産において、より大きな融通性を提供する。粘度の上昇(ゲル化ともいう)は、典型的には着色被覆剤の成分間の架橋反応によって引き起こされる。したがって、着色被覆剤は、バインダーポリマーと架橋反応する化合物を実質的に含有しないことが好ましい。
【0077】
本発明によって着色されるレンズは、眼用レンズに適する公知の重合可能な親水性または疎水性材料のいずれからでも形成させることが可能である。コンタクトレンズの製造に適したレンズ形成材料につては、発行されている多数の米国特許に具体的な説明がなされており、当業者は熟知している。
【0078】
レンズ製造のための好ましいポリマーは、官能基−COOH、−OH、および/または−NH−R(ここでRは水素またはアルキルである)を有するものを含む。アミン官能基を有するポリマーはより反応性であろうし、したがって着色被覆剤がレンズに適用されたときには、より速やかに硬化する着色被覆剤となろう。好ましい材料は親水性であり、実質的な量の水を吸収してヒドロゲルを形成する。官能基を有する好ましい親水性ポリマーは、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸およびメタクリル酸のヒドロキシC1〜C6アルキルエステル(たとえばメタクリル酸ヒドロキシエチルおよびアクリル酸ヒドロキシブチル)、アクリル酸およびメタクリル酸のアミノC1〜C8アルキルエステル(たとえばアクリル酸アミノエチルまたはメタクリル酸N−エチルアミノメチル)、アクリル酸およびメタクリル酸のグリセロールエステル、およびこれらの混合物から形成される。官能基を有する例示的な親水性レンズは、米国特許第4,405,773号(Loshaek)に開示されており、それはメタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸エトキシエチルおよびメタクリル酸の混合物から形成されている。
【0079】
重合、架橋、および/または成形によるレンズの製造は、当該技術において周知であり、本発明の重要な部分であるとは現時点で考えていない。周知の技法である注型成形および遠心注型のいずれも使用可能である。
【0080】
化合物(A)および(B)がバインダーポリマーに組み込まれた場合には、水のような試薬の存在下でそのバインダーポリマーを架橋させることを可能にするであろう。それら化合物はまた、官能基−OH、−NH2、およびNHR(ここでRはアルキルである)を含有するような他の材料との反応性を有する。レンズの水和および/または滅菌工程中に架橋を起こす可能性がある。この面は、別の接着促進剤の種を必要とせずに、そしてレンズ滅菌工程、レンズ水和工程、または別の硬化工程中に架橋が完了するという利点を有する。モノマーおよび開始剤はインキに添加してもよいが、その必要はない(好ましくは添加しない)。
【0081】
レンズ材料に適用する際のバインダーポリマーの粘度は、印刷品質の維持のために重要である。インキ溶液の粘度は、約5,000センチポアズのように高いこともあり得るが、好ましくは約1〜約1,000センチポアズである。着色被覆剤の最適な粘度は、主としてこの被覆剤をレンズに適用する方法によって決まる。たとえば、着色被覆剤をインクジェット印刷法によって適用する場合は、インキの粘度は50センチポアズ未満、好ましくは30センチポアズ未満、そしてもっとも好ましくは15センチポアズ以下であるべきである。一方、インキをパッド印刷法によって適用しようとする場合は、粘度は好ましくは100センチポアズ超、より好ましくは200センチポアズ超である。
【0082】
低粘度の溶液は、塗工した際に“流れやすい”傾向があり、異なる色が入り混じって混合し、その結果、より自然な外見の像が得られる。このような混合作用は、適切な混合を促進するのに適した時間および周波数の超音波処理または振動処理を含む、さまざまな方法を用いて増強することができる。低すぎる粘度を有する溶液は過剰に“流れやすい”ため、可能性として、たとえばパターン中にインキだまりができたり、インキが意図しない箇所にまで拡散し、望ましくない特性を有する像が形成される結果となってしまう。当業者は、レンズに適用されるインキ液滴の大きさおよびインキの表面張力も、レンズまたは型に印刷されたときのインキの挙動に影響するであろうことを認識するであろう。したがって、これらの要因に応じてインキの粘度が前述の数値から変わり、依然として本発明の範囲内で機能することができる。
【0083】
あまりに高い粘度を有する溶液では、さまざまな印刷構造、たとえばインクジェット法を用いた塗工は容易でなく、したがって本発明にとっては適切でない可能性がある。そのうえ、高粘度を有する溶液は、表面で“ビーズ状”になる傾向があり、そして周囲のインキの小滴またはビーズを含む周囲環境と混じり合うことができない。このような状況下では、インキは不自然な外見を有する像を形成するかもしれない。
【0084】
増粘剤、または適した溶媒のような作用物質は、着色被覆組成物の粘度を調整する目的で使用できる。このような作用物質は、本質的に非求核性でないことが好ましい。
【0085】
レンズは、視力欠陥矯正のための視力処方箋を用いて、または用いずに調製されてよい。レンズは、装着者の虹彩の外見上の色に、基本的な色変化、たとえば暗褐色から明青色への変化をもたらすことのできる不透明着色被覆剤を含有してもよい。あるいはまた、着色被覆剤は透明であってよく、その場合には目の見掛けの色合いを増強するか、または明色の目の見掛けの色を変えることができる。“色増強レンズ”は、自然の虹彩を透かして見せるが、その自然色と組み合わせて新しい外見を演出することができる。このような色増強レンズは、典型的には薄茶色の目を水色の目に変えるために使用することができる。しかしながら、この種の着色レンズは、基礎にある暗褐色の虹彩を青色に変えることはできない。
【0086】
全体が不透明な、または全体が透明な着色被覆剤を選ぶことが可能なだけでなく、レンズの選択した部分だけを着色することも好ましい。具体的には、好ましくは1以上の色を用いて、虹彩の微細構造に似せたパターンでレンズを着色するのが好ましい。あるいはまた、米国特許第5,414,477号に記載のように虹彩の見掛けの色を変えることができるように、レンズの虹彩部分に不透明または半透明のパターンを配置することも可能である)。レンズ上またはレンズ中の着色被覆剤のパターンは、レンズの外見的な美容の質の重要な要因であることが広く認識されている。レンズはきわめて耐久性があり、そして日常の滅菌および洗浄の操作を行っても、長期の使用にわたってその色を保持する。着色被覆剤に使用される着色剤は、反応性である必要はない。
【0087】
着色被覆剤は、乾燥状態のレンズ上に、湿潤状態のレンズ上に、または型上に、種々の印刷方法によって配置することができる。実際に、着色被覆剤をレンズ上または型上に刷毛で塗布することもできよう。明らかなことであるが、レンズの商業生産においては、周知の、よく理解されている自動化技法、たとえばポリジメチルシロキサンゴムや同等な材料製の軟質ゴムパッドを用いた、パターンエッチングプレートからのパッド転写印刷技法を使用し、レンズ表面上または型表面上にパターンを印刷することがより望ましい。パターンは、エアブラシ法を用い、またはインクジェット法により、そして、着色皮膜を型上に塗布する同様の方法によって、レンズ上または型上に形成させてよい。あるいはまた、レンズまたは型の表面形状に合わせ、型の表面上の虹彩部分と重なる面部分に孔を設けたダイスから、着色被覆剤を注入してもよい。孔は、レンズ上または型上に塗布されるパターンに合わせた配置にする。ダイスを、日付スタンプと同様にレンズまたは型の表面上に押下させることができ、そしてこのダイス面にかかる圧力を利用して、着色剤料をダイスからレンズまたは型上に押印することができる。
【0088】
パッド転写印刷法においては、像はパッド転写装置上に配置または印刷され、そしてこのパッド転写装置上の像は別の表面、たとえばポリマーまたはレンズへと転写される(米国特許第3,536,386号(Spivack);第4,582,402号および第4,704,017号(Knapp);第5,034,166号(Rawlingsら))。たとえば、適したパッド転写印刷構造には、当該技術で公知の、タンポ型印刷構造(Tampo vario 90/130)、ゴム印、円筒印、ドクターブレード、直接印刷、または転写印刷が含まれるがこれらに限定されない。
【0089】
着色被覆剤をレンズ自体にではなくレンズ型に適用する場合は、着色被覆剤を型の表面に塗布し、その後、この型にレンズ形成用モノマーを仕込むが、その際、着色被覆剤を虹彩部分に維持し、そして樹脂をその着色被覆剤の周辺に形成するようにする。その後レンズモノマーは、周知の重合技法のいずれかを用いて重合する。あるいはまた、レンズ形成用組成物がポリマー(たとえばポリ(ビニル)アルコール)である場合には、その後、その組成物を周知の技法に従って架橋する。このような方法で、成形されたレンズを型から取り出したとき、着色被覆剤はレンズ本体と一体化されたものになっている。得られたレンズは、着色被覆剤を有する表面が実質的になめらかで連続した面になっている。
【0090】
好ましい実施態様において、本発明の着色被覆剤は医療用装置に対して良好な転写性を有している。着色被覆剤に関して“良好な転写性”とは、着色被覆剤を用いて型の上に印刷された着色像が、その型の中で硬化した医療用装置上に完全に転写されることを意味する。
【0091】
複数の印刷構造または複数の印刷方法を、本発明の方法による像形成に用いることができる。たとえば、インクジェット印刷法およびパッド転写印刷法を組み合わせて使用することができる。
【0092】
レンズが外見的に自然に見えることを意図する場合には、着色被覆剤に空白域を設けるのが好ましい。典型的には、空白域は着色被覆面積の約5〜約80%を占める。他方、着色被覆剤はレンズの虹彩領域(またはレンズの虹彩領域に対応する型の部分)の面積の50%〜全部を占めるのが好ましい。
【0093】
前面または後面のいずれか一方を、または両面ともに被覆することが可能ではあるが、着色被覆剤は、レンズの前面に適用するのが好ましい。しかしながら、前面および後面の両方にパターンを付与することによって達成できる特別な美容効果はある。たとえば、1色の着色パターン(たとえば白色)をレンズの後面または対応する型半に適用することができ、そして同一のまたは異なる着色パターン(たとえば暗青色)をレンズの前面または対応する型半に適用することができる。このようにすると、外見がきわめて実物そっくりの多色の肌合いの外見、または観察者に向けて反射する白色の背景を用いた一層明るい色調、のいずれかを有することができるレンズが得られるであろう。
【0094】
型の両面に印刷する方法でレンズの両面に着色被覆剤を被覆する場合、前述したように、後面の型および前面の型の両方にパターンを塗布する。レンズ形成用のモノマー混合物の一部をそれぞれの型半に供給し、それぞれを部分重合してパターンをレンズの前面および後面に固着させる。2個の型半を組み合わせ、その組み合わせたものを一緒に相互重合させると、両表面にパターンを有するレンズの硬化および形成が完成する。
【0095】
その後、被覆されたレンズを着色被覆剤が硬化する条件下におく。着色剤が不透明な場合、通常は虹彩に対応するレンズ部分のみが被覆され、瞳孔の部分は透明のまま残される。虹彩より直径の大きいレンズは、虹彩を超えて延びるレンズ部分は被覆せずに残しておいてよい。
【0096】
いずれの場合でも、得られたレンズは、眼に適合していることが重要である。したがって、適した着色剤ならいずれを使用もしてよいが、現時点では、着色剤が、耐熱性の、無毒性で水性溶液に不溶な顔料であることが好ましい。本発明にとって決定的な事項ではないが、本発明に使用される顔料の粒径は一般に約0.02〜約5μmの範囲で変化し、好ましい粒径は印刷方法に依存する。
【0097】
顔料は必ずしも官能基を有している必要はないので、その選択にはきわめて柔軟性がある。顔料は、所望の色を提供するいかなる着色物質またはそれの組合せでもよい。好ましい顔料(C.I.はカラーインデックス番号である)は、青色には、フタロシアニンブルー(ピグメントブルー15、C.I.74160)、コバルトブルー(ピグメントブルー36、C.I.77343);緑色には、フタロシアニングリーン(ピグメントグリーン7、C.I.74260)、および三二酸化クロム;黄色、赤色、褐色および黒色には、種々の酸化鉄;紫色には、カルバゾールバイオレット、を含む。もちろん、いかなる色も2種以上の原色を単に混合するだけで得られるので、このような原色混合物が所望の色合いを出すのに用いられる。本明細書において定義されているように、“原色”とは、シアン、マゼンタ、およびイエローを意味する。二酸化チタンは、着色被覆剤の不透明度を増すためにそれに添加することができる。
【0098】
一般に、有機バインダーに添加する着色剤の量は、顔料−バインダー組成物全体の約10〜約80重量%、好ましくは約20〜約50重量%である。白色の顔料−バインダー組成物は、顔料−バインダー組成物の重量を基準にして約40〜約60重量%の顔料を含有してよく、一方、黒色の顔料−バインダー組成物は、顔料−バインダー組成物の約30〜約60重量%を含有してよい。赤色の顔料−バインダー組成物は、顔料−バインダー組成物の約33〜約50重量%を含有してよい。青色の顔料−バインダー組成物は、顔料−バインダー組成物の約32〜約50重量%を含有してよく、一方、黄色の顔料−バインダー組成物は、顔料−バインダー組成物の約33〜約50重量%を含有してよい。
【0099】
本明細書において開示されたインキは分散剤を含有してよい。分散剤は、微粒子の分散と分離を促進するために添加される界面活性剤であって、たとえば、Union Carbideからのタージトール(Tergitol)シリーズ、ポリオキシル化アルキルエーテル、アルキルジアミノ第四級塩、サーフィノール(surfynol)、プルロニック(Pluronic)、プルロニックR(Pluronic R)、またはGAFからのペセガール(PECEGAL)“0”(米国特許第5,560,766号)である。
【0100】
分散剤は、印刷方法がパッド印刷である場合には、好ましくは使用されない。しかしながら、印刷方法がインクジェット印刷の場合には、分散剤または他の界面活性剤を使用するのが好ましい。使用する場合、好ましくは約0.1〜約10%、より好ましくは約0.5〜約5%用いる。しかしながら、種々の界面活性剤中には活性水素が存在するため、界面活性剤が早期ゲル化を引き起こす可能性がある。このため、そのヒドロキシ基をマスキングまたは保護し、ある界面活性剤を使用するのが好ましい。たとえば、エーテルが末端についた形のポリエチレングリコール界面活性剤を使用するのが好ましいかもしれない。さらに、第二級ヒドロキシ基が末端についた界面活性剤(たとえば、プルロニック(Pluronic)Rシリーズ)は、第一級ヒドロキシ基が末端についたもの(たとえば、プルロニック(Pluronic)シリーズ)よりも好ましい。
【0101】
不透明な着色剤は、所望の色濃度、色相、または他の色特性を得るために、表面に2回以上適用することができる。着色被覆剤の適用ごとに、同一のまたは異なるパターンで印刷することができ、そして同一のまたは異なる方法で印刷することができる。
【0102】
塗布された後、そのレンズは、着色被覆剤がレンズに接着し、それにより着色剤が結合ポリマー中に包み込まれて着色コンタクトレンズが形成されるような条件下に置かれる。被覆されたレンズは、たとえば、UV光、熱、または湿分においてよい。湿分は、水蒸気または液状水の形のいずれでもよい。もちろん、バインダーポリマーを架橋させ、したがって着色被覆剤の接着をもたらすいかなる条件を使用してよい。
【0103】
バインダーを硬化させる条件下にレンズをおく工程は、レンズ製造方法の中の他の工程と組み合わせてもよい。たとえば、バインダーを熱で硬化することを望む場合、これはレンズ滅菌工程中の、レンズが高温におかれている間に行うことができる。あるいはまた、バインダーは、レンズ水和工程中の、レンズが水に長時間浸っている間に水硬化することができる。したがって、バインダーを硬化させるために別個の工程を有する必要はなく、このため、製造方法を簡略化し、費用を低減することになる。しかしながら、着色被覆剤を水和工程中で硬化する場合は、水に浸漬したときに着色被覆剤が確実にレンズから剥がれないようにすることが必要である。
【0104】
本発明のいくつかの実施態様においては、レンズ自体がバインダー硬化のために必要な原動力を提供するので、この場合は、前記のような条件下におく必要性もないであろう。たとえば、水硬化性バインダーの場合、着色被覆剤を水和しているレンズに適用する行為自体が、硬化工程を開始させることになろう。これは、水和状態で形成される架橋ポリビニルアルコールレンズの場合に特に適している(たとえば、米国特許第5,508,317号参照)。同様に、着色被覆剤を上記開示の官能基を有するポリマーを含むレンズに適用した場合、レンズを湿分または熱におく別個の工程がなくても、バインダーはレンズに接着するであろう。しかしながら、現在のレンズ製造方法においては高速の自動化工程が典型的に用いられているので、独力による硬化に必要な時間を待つよりも、硬化工程を速めるほうが望ましいかもしれない。
【0105】
以上の開示は、通常の当業者が本発明を実施することを可能にするであろう。読者が具体的な実施態様およびそれの利点をさらによく理解できるように、以下の非限定的な実施例を参照することを示唆する。しかしながら、以下の例は本発明の範囲を限定するものであると解釈すべきではない。
【0106】
実施例
例1
バインダーポリマーを、下記の処方を用いて、窒素下40℃で25時間反応させて合成した:
Figure 2004525413
得られたバインダーの粘度は、22℃で75CPSであった。
【0107】
例2
インキ配合物を、例1のポリマートルエン溶液10gを、Permajet(登録商標)Blue(Clariant Corp.、C.I.ピグメントブルー15:3を50重量%含有)0.250gと組み合わせ、30分間撹拌することによって製造した。粘性溶液をろ過し(2.7μmフィルター)、可溶化されていない着色剤を除去した。
【0108】
例3
Freshlook(登録商標)レンズ(phemfilcon)6個について、種々の条件下で印刷接着性を試験した。レンズから過剰の水を除去し、そして注入器を用いて、例2の一定量のインキ配合物を、それぞれのレンズ上に置いた。表1に記したように、レンズは、印刷硬化工程;オートクレーブ工程;および水和工程を含む組合せ工程で処理した。印刷硬化工程は、レンズを温度85℃に45分間おくことを含む。オートクレーブ工程は、レンズを温度120℃に40分間おくことを含む。レンズを45分間水和させ、そしてオートクレーブ処理の前にパッケージング液に浸漬した。
【0109】
印刷接着試験は、レンズをメタノール中で30秒間超音波処理し、緩衝塩溶液中で5分間平衡化させ、その後、表面を指または綿棒を用いて約10秒間こすることによって実施した。
【0110】
【表1】
Figure 2004525413
【0111】
例4
種々のインキを、例1のバインダーと種々の顔料:Permajet(登録商標)Blue(1%);酸化鉄黒(10%);およびフタロシアニンブルー(1%)、とを組み合わせることによって調製した。
【0112】
例5
水和させたFreshlook(登録商標)レンズ(phemfilcon)9個について、種々の条件下で印刷接着性を試験した。レンズから過剰の水を除去し、そして注入器を用いて、例4の一定量のインキ配合物を、それぞれのレンズ上に置いた。表2に記したように、レンズは、印刷硬化工程;オートクレーブ工程;および水和工程を含む組合せ工程で処理した。印刷硬化工程は、レンズを温度85℃に45分間おくことを含む。オートクレーブ工程は、レンズを温度120℃に40分間おくことを含む。レンズを45分間水和させ、そしてオートクレーブ処理の前にパッケージング液に浸漬した。
【0113】
【表2】
Figure 2004525413
【0114】
印刷硬化を実施していない酸化鉄およびフタロシアニンレンズは、そのレンズをオートクレーブ処理に先立って水和溶液に浸漬したときにインキが剥離したので、“不合格”と表示してある。
【0115】
例6
例1のバインダーをヘキサンで沈殿させ、そして真空下40℃で一晩乾燥させた。種々の溶媒を用いたインキを調製するため、バインダー1gを溶媒10mLに溶解し、ついでPermajet(登録商標)Blue1%(重量で)を加えた。インキは、トルエン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノン:メチルエチルケトン(1:1);シクロヘキサノン:乳酸エチル(56:44);およびシクロペンタノン:乳酸エチル:HEMA(42.1:33.2:24.7)を用いて調製した。シクロヘキサノン:乳酸エチルを含有する配合物は、1時間後にゲル化した;シクロペンタノン:乳酸エチル:HEMAを含有する配合物は、3時間後にゲル化した;そしてトルエンを含有する配合物は、3日間のうちにゲル化した。バインダーポリマー上のシロキサン基は、ヒドロキシ基と同じように求核試薬と反応する。トルエン配合物で観察されたゲル化は、Permajetのフタロシアニン表面修飾との相互作用であろうと仮定した。シクロヘキサノンを含有するインキは、3週間後でさえもゲル化しなかった。
【0116】
例7
水和させたFreshlook(登録商標)レンズ(phemfilcon)9個について、種々の条件下で印刷接着性を試験した。レンズから過剰の水を除去し、そして注入器を用いて、例6の一定量のインキ配合物を、それぞれのレンズ上に置いた。表3に記したように、レンズは、印刷硬化工程;オートクレーブ工程;および水和工程を含む組合せ工程で処理した。印刷硬化工程は、レンズを温度85℃に45分間おくことを含む。オートクレーブ工程は、レンズを温度120℃に40分間おくことを含む。レンズを45分間水和させ、そしてオートクレーブ処理の前にパッケージング液に浸漬した。
【0117】
【表3】
Figure 2004525413
【0118】
印刷硬化をしていないレンズは、そのレンズをオートクレーブ処理に先立って水和用溶液に浸漬したときにインキが剥離したので、“不合格”と表示してある。湿分においたときの、より速い架橋反応は、剥離防止にもっとも有望であるとみられる。
【0119】
以上の記述および特定の実施態様は、単に本発明およびそれの原理の最良の態様を具体的に説明するものであること、そして当業者によって、本発明の思想および範囲から逸脱することなしに、種々の変更および追加がその装置に対してなされる可能性のあることを理解すべきであり、よって本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきであると解釈される。

Claims (28)

  1. (a)ポリマーから構成される基材を用意する工程;
    (b)基材の表面の少なくとも一部を、少なくとも1種類の着色剤と、
    a.エチレン性不飽和であって、潜在的な架橋可能側鎖基を有する第一のモノマー;および、
    b.第一のモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有し、第一のモノマーの潜在的な架橋可能基とは実質的に非反応性である第二のモノマー;
    を含む重合可能な成分を共重合することによって得られるバインダーポリマーと、を含む着色被覆剤で被覆する工程;および
    (c)被覆された基材を、着色被覆剤が基材に接着するような条件下におく工程;
    を含む、着色されたポリマー基材の製造方法。
  2. 基材がコンタクトレンズである、請求項1に記載の方法。
  3. (a)レンズ型の、少なくとも一つのレンズを形成する表面の少なくとも一部を、少なくとも1種類の着色剤と、
    a.エチレン性不飽和であって、潜在的な架橋可能側鎖基を有する第一のモノマー;および、
    b.第一のモノマーと共重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有し、第一のモノマーの潜在的な架橋可能基とは実質的に非反応性である第二のモノマー;
    を含む重合可能な成分を共重合することによって得られるバインダーポリマーと、を含む着色被覆剤で被覆する工程;および、
    (b)着色被覆剤をその位置にとどめるようにしながら、レンズ型にレンズ形成用組成物を仕込む工程;
    (c)レンズ形成用組成物を硬化させて、被覆されたレンズを形成する工程;
    (d)被覆されたレンズを、着色被覆剤がレンズに接着するような条件下におく工程;
    を含む、着色コンタクトレンズの製造方法。
  4. 前記潜在的な架橋可能側鎖基が、エポキシ、ヒドロキシ、アルケニル、イソシアナート、ペルオキシ、ぺルエステル、無水物、シラン、およびそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記潜在的な架橋可能側鎖基が、湿分、熱、求核性触媒作用、またはそれらの組合せによって活性化される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記潜在的な架橋可能側鎖基が、アルコキシシラン、シラノール、アセトキシシラン、シラン、およびハロシランからなる群より選ばれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記潜在的な架橋可能側鎖基が、アルコキシシランおよびハロシランからなる群より選ばれる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第一のモノマーが、式(I):
    Figure 2004525413
    (式中、Xは不飽和二重結合を有する重合性の基であり;nは0〜12の整数であり;Zはハロゲン化物または−OR2のいずれかであり;R1は、それぞれ互いに独立に、ハロゲン化物またはC1 6アルキル基であり;R2は、互いに独立に、C1 6アルキル基であり;そしてqは1〜3の整数である)
    の重合性ハロシランまたはアルコキシシラン化合物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. Xが、(メタ)アクリロキシ基、ビニル基、アリル基、または式:
    Figure 2004525413
    の基である、請求項8に記載の方法。
  10. Xが、(メタ)アクリロキシ基またはビニル基である、請求項8に記載の方法。
  11. nが2〜3であり、Xがメタクリロキシ基である、請求項8に記載の方法。
  12. Zが−OR2であり、qが3である、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記第一のモノマーが、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシエチルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリエトキシシラン、メタクリロキシエチルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシエチルジメチルエトキシシラン、メタクリロキシエチルトリクロロシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、および3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシランヒドロクロリドからなる群より選ばれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  14. 2の少なくとも1個がメチル基である、請求項8〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記第一のモノマーが、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、およびメタクリロキシエチルジメチルエトキシシランからなる群より選ばれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  16. Zがハロゲン化物である、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記第一のモノマーが、メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、メタクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、およびメタクリロキシエチルトリクロロシランからなる群より選ばれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記第二のモノマーがケイ素を含有しない、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 第二のモノマーが、ヒドロキシ官能基、第一級および第二級アミン官能基、または酸官能基を含有しない、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 第二のモノマーが、N−ビニルヘテロ環式モノマー類、C1〜C6アルキルビニルエーテル、アクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C6アルキルエステル、アクリル酸−またはメタクリル酸アミド、C1〜C6アルキルスチレン、ビニルモノマー、ジエンモノマー、およびアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C6アルコキシC1〜C6アルキルエステルからなる群より選ばれる、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 第二のモノマーが、N−ビニルヘテロ環式モノマーおよびアルキル(メタ)アクリルアミドからなる群より選ばれる、請求項20に記載の方法。
  22. 第二のモノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびN−ビニルピロリドンからなる群より選ばれる、請求項21に記載の方法。
  23. レンズを処理条件下におく前記工程が、着色被覆剤をレンズに接着させおよびレンズを水和することを同時に行う、請求項2〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. レンズを処理条件下におく前記工程が、着色被覆剤をレンズに接着させおよびレンズを滅菌することを同時に行う、請求項2〜22のいずれか一項に記載の方法。
  25. コンタクトレンズがヒドロゲルポリマーで構成されている、請求項2〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. コンタクトレンズ上に着色被覆剤を印刷することによってコンタクトレンズ上に像を形成させ、着色被覆剤をレンズに印刷した後に架橋させる、請求項2〜26のいずれか一項に記載の方法。
  27. 請求項2〜26のいずれか一項に記載の方法によって製造される、親水性の着色コンタクトレンズ。
  28. コンタクトレンズ、特に軟質ヒドロゲルコンタクトレンズを着色するための、請求項1〜22のいずれか一項に記載の着色被覆剤の使用。
JP2002572900A 2001-03-16 2002-03-15 コンタクトレンズ用の着色印刷インキ Expired - Fee Related JP4307078B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US27677201P 2001-03-16 2001-03-16
US34219901P 2001-12-19 2001-12-19
PCT/EP2002/002918 WO2002074186A2 (en) 2001-03-16 2002-03-15 Colored printing ink for contact lenses

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004525413A true JP2004525413A (ja) 2004-08-19
JP4307078B2 JP4307078B2 (ja) 2009-08-05

Family

ID=26958127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002572900A Expired - Fee Related JP4307078B2 (ja) 2001-03-16 2002-03-15 コンタクトレンズ用の着色印刷インキ

Country Status (8)

Country Link
US (2) US6955832B2 (ja)
EP (1) EP1381331B1 (ja)
JP (1) JP4307078B2 (ja)
AT (1) ATE424784T1 (ja)
AU (1) AU2002256680A1 (ja)
CA (1) CA2440900A1 (ja)
DE (1) DE60231485D1 (ja)
WO (1) WO2002074186A2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011519431A (ja) * 2008-03-31 2011-07-07 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド 着色シリコーン製眼科用デバイス、その調製に用いられるプロセス及びポリマー
JP2012177909A (ja) * 2011-01-31 2012-09-13 Hoya Corp 染色プラスチックレンズ
JP2012177910A (ja) * 2011-01-31 2012-09-13 Hoya Corp 装飾された染色プラスチックレンズ
WO2015140968A1 (ja) * 2014-03-19 2015-09-24 株式会社メニコン 含水性コンタクトレンズ用インク組成物
JP2016212389A (ja) * 2015-05-04 2016-12-15 明基材料股▲ふん▼有限公司 コンタクトレンズ着色用重合性組成物

Families Citing this family (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7267846B2 (en) 1999-11-01 2007-09-11 Praful Doshi Tinted lenses and methods of manufacture
US6811259B2 (en) 2000-06-12 2004-11-02 Novartis Ag Printing colored contact lenses
US6402181B1 (en) * 2000-10-17 2002-06-11 Lih Shya Lee Trailer hitch and lock assembly
US6811805B2 (en) * 2001-05-30 2004-11-02 Novatis Ag Method for applying a coating
US7411008B2 (en) * 2001-11-07 2008-08-12 Novartis Ag Ink formulations and uses thereof
WO2004022659A1 (en) * 2002-09-03 2004-03-18 Novartis Ag Ink formulation and uses thereof
US7288578B2 (en) * 2002-11-01 2007-10-30 Novartis Ag Biocompatible inks, preparation, and uses thereof
US20040114101A1 (en) * 2002-12-13 2004-06-17 Ocular Sciences, Inc. Contact lenses with color shifting properties
US8147728B2 (en) 2004-04-01 2012-04-03 Novartis Ag Pad transfer printing of silicone hydrogel lenses using colored ink
DK1756625T3 (da) 2004-04-21 2014-08-11 Novartis Ag Hærdbart farvet blæk til fremstilling af farvede silikonehydrogel-linser
JP5064218B2 (ja) * 2004-07-28 2012-10-31 ノバルティス アーゲー ハイドロゲルレンズ用水性インク
TW200613391A (en) * 2004-09-01 2006-05-01 Novartis Ag Method for making colored silicone hydrogel contact lenses
US7255438B2 (en) * 2004-09-30 2007-08-14 Novartis Ag Pad transfer printing method for making colored contact lenses
US20060065138A1 (en) * 2004-09-30 2006-03-30 Tucker Robert C Pad printing method for making colored contact lenses
US9999497B2 (en) * 2005-01-31 2018-06-19 Yichieh Shiuey Corneal implants and methods and systems for placement
US20060173539A1 (en) 2005-01-31 2006-08-03 Yichieh Shiuey Corneal implants and methods and systems for placement
US8029515B2 (en) * 2005-01-31 2011-10-04 Yichieh Shiuey Corneal implants and methods and systems for placement
CA2671740C (en) 2006-12-13 2015-08-11 Novartis Ag Actinically curable silicone hydrogel copolymers and uses thereof
KR20100087152A (ko) * 2007-10-10 2010-08-03 벤즈리써치앤드디벨롭먼트코오포레이숀 높은 함수율 및 안정성을 갖는 히드로겔
US7920342B2 (en) * 2008-07-01 2011-04-05 Aptina Imaging Corporation Over-molded glass lenses and method of forming the same
CN102648083B (zh) 2009-11-04 2015-06-17 诺华股份有限公司 制备彩色接触透镜的方法
EP2513712B1 (en) * 2009-12-17 2016-08-10 Novartis AG Pad transfer printing method for making colored contact lenses
US8697770B2 (en) 2010-04-13 2014-04-15 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Pupil-only photochromic contact lenses displaying desirable optics and comfort
US9690115B2 (en) * 2010-04-13 2017-06-27 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Contact lenses displaying reduced indoor glare
US8877103B2 (en) 2010-04-13 2014-11-04 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Process for manufacture of a thermochromic contact lens material
EP2621405B8 (en) 2010-09-30 2019-01-09 KeraMed, Inc. Reversibly deformable artificial cornea
MY171175A (en) 2011-12-31 2019-09-30 Alcon Inc Colored contact lenses and method of making the same
SG11201403592VA (en) 2011-12-31 2014-10-30 Novartis Ag Method of making contact lenses with identifying mark
US9063350B1 (en) * 2012-02-28 2015-06-23 Robert Cameron Colored contact lens
WO2016048361A1 (en) 2014-09-26 2016-03-31 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Non-newtonian photo-curable ink composition
US10077370B2 (en) 2014-09-26 2018-09-18 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Non-Newtonian photo-curable ink composition
US10077368B2 (en) 2014-09-26 2018-09-18 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Non-Newtonian photo-curable ink composition
WO2016093840A1 (en) 2014-12-11 2016-06-16 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Non-newtonian photo-curable ink composition
HUE049280T2 (hu) 2015-12-28 2020-09-28 Alcon Inc Kikeményíthetõ színes tinták színes szilikon hidrogél lencsék elõállítására
KR101808068B1 (ko) * 2017-03-16 2018-01-18 주식회사 인터로조 콘택트렌즈 착색용 잉크 및 이의 제조방법
US11724471B2 (en) 2019-03-28 2023-08-15 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Methods for the manufacture of photoabsorbing contact lenses and photoabsorbing contact lenses produced thereby
WO2020240442A1 (en) 2019-05-28 2020-12-03 Alcon Inc. Pad transfer printing instrument and method for making colored contact lenses
US11899289B2 (en) 2021-05-04 2024-02-13 Khalifa University of Science and Technology Contact lens for treating color vision deficiency and method of manufacturing same

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5622460B2 (ja) * 1974-09-18 1981-05-25
DE2946474A1 (de) 1979-11-17 1981-05-27 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Haertbare ueberzugsmittel und verfahren zur herstellung kratzfester ueberzuege auf kunststoffen
US4746691A (en) 1982-02-08 1988-05-24 Color Optics, Ltd. Method of pigmenting water-absorbable plastics
US4499150A (en) 1983-03-29 1985-02-12 Ppg Industries, Inc. Color plus clear coating method utilizing addition interpolymers containing alkoxy silane and/or acyloxy silane groups
US4638040A (en) 1983-06-03 1987-01-20 Minnesota Mining And Manufacturing Company Acrylate and methacrylate monomers and polymers
IL77453A (en) * 1985-01-04 1992-09-06 Schering Corp Colored contact lenses and method for making same
US4782946A (en) * 1987-09-17 1988-11-08 Allergan, Inc. Soft contact lens hydration device and kit
US4857072A (en) 1987-11-24 1989-08-15 Schering Corporation Hydrophilic colored contact lenses
US4914143A (en) 1988-04-25 1990-04-03 General Electric Company Flexible silicone coatings for plastic substrates and methods for making thermoformable, abrasion-resistant thermoplastic articles
US5034166A (en) * 1988-07-21 1991-07-23 Allergan, Inc. Method of molding a colored contact lens
US5039459A (en) 1988-11-25 1991-08-13 Johnson & Johnson Vision Products, Inc. Method of forming shaped hydrogel articles including contact lenses
AR247580A1 (es) * 1989-01-30 1995-01-31 Pfortner Cornealent S A C I F Procedimiento p/preparar lacas o barnices pigmentados p/colorear lentes de contacto o incoloras, las lacas incoloras o pigmentadas asi obtenidas y las lentes de contacto coloreadas con las mismas
EP0467977A1 (en) 1989-04-14 1992-01-29 Schering Corporation Color binding mechanism for contact lenses
JPH0335073A (ja) 1989-07-03 1991-02-15 T S B:Kk 無機系コーティング組成物の製造方法
FI95720C (fi) 1993-05-06 1996-03-11 Freddie Bensky Menetelmä piilolinssien värjäämiseksi ja väripäällystekoostumus
US5936703A (en) 1993-10-13 1999-08-10 Nof Corporation Alkoxysilane compound, surface processing solution and contact lens
JPH10339857A (ja) 1997-06-05 1998-12-22 Menicon Co Ltd 薬剤徐放性コンタクトレンズの製法およびそれによってえられた薬剤徐放性コンタクトレンズ
US5939491A (en) 1997-08-01 1999-08-17 Ppg Industries Ohio, Inc. Curable compositions based on functional polysiloxanes
US6281321B1 (en) 1997-11-27 2001-08-28 Akzo Nobel N.V. Coating compositions
EP0983837B1 (en) * 1998-09-02 2004-10-06 INNOVA, Inc Method for preparation for colored contact lens
EP1216142A4 (en) 1999-07-16 2003-06-11 Novartis Ag THERMOFORMABLE OPHTHALMIC LENS
NZ518516A (en) 1999-11-01 2004-07-30 Praful Doshi Tinted lenses and methods of manufacture
US6461419B1 (en) 1999-11-01 2002-10-08 3M Innovative Properties Company Curable inkjet printable ink compositions

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011519431A (ja) * 2008-03-31 2011-07-07 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド 着色シリコーン製眼科用デバイス、その調製に用いられるプロセス及びポリマー
JP2012177909A (ja) * 2011-01-31 2012-09-13 Hoya Corp 染色プラスチックレンズ
JP2012177910A (ja) * 2011-01-31 2012-09-13 Hoya Corp 装飾された染色プラスチックレンズ
WO2015140968A1 (ja) * 2014-03-19 2015-09-24 株式会社メニコン 含水性コンタクトレンズ用インク組成物
JP6002351B2 (ja) * 2014-03-19 2016-10-05 株式会社メニコン 含水性コンタクトレンズ用インク組成物
JP2016212389A (ja) * 2015-05-04 2016-12-15 明基材料股▲ふん▼有限公司 コンタクトレンズ着色用重合性組成物

Also Published As

Publication number Publication date
EP1381331B1 (en) 2009-03-11
WO2002074186A2 (en) 2002-09-26
ATE424784T1 (de) 2009-03-15
CA2440900A1 (en) 2002-09-26
AU2002256680A1 (en) 2002-10-03
DE60231485D1 (de) 2009-04-23
JP4307078B2 (ja) 2009-08-05
US6955832B2 (en) 2005-10-18
EP1381331A2 (en) 2004-01-21
US20050221105A1 (en) 2005-10-06
WO2002074186A3 (en) 2002-12-12
US7638075B2 (en) 2009-12-29
US20030054109A1 (en) 2003-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4307078B2 (ja) コンタクトレンズ用の着色印刷インキ
JP5014981B2 (ja) 着色シリコーンヒドロゲルレンズ製造用硬化性着色インク
ES2398512T3 (es) Tinta coloreada para impresión por transferencia con atenuador sobre lentes de hidrogel de silicona
US7278736B2 (en) Contact lenses imparting a vivacious appearance to the eye
JP5669911B2 (ja) 化学線硬化性シリコーンヒドロゲルコポリマーおよびその使用
EP1799436A1 (en) Method for making colored silicone hydrogel contact lenses
CN104023958B (zh) 有色接触透镜的制备方法
CN108368363A (zh) 用于制造有色硅酮水凝胶镜片的可固化有色油墨
US9205608B2 (en) Contact lenses with identifying mark
CN117413217A (zh) 有色美化光致变色接触镜片
MXPA06011295A (en) Colored ink for pad transfer printing of silicone hydrogel lenses

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090428

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees