JP2004522778A - 二本鎖dnaの電気化学的検出に有用なインターカレーター及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】二本鎖DNAの電気化学的検出に有用なインターカレーター及びその製造方法の提供。
【解決手段】本発明は二本鎖DNAの電気化学的検出においてインターカレーターとして有用なN−[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)−ピペラジニル]プロピル]−1,8−ナフタレンイミド及び前記化合物の製造方法。
【解決手段】本発明は二本鎖DNAの電気化学的検出においてインターカレーターとして有用なN−[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)−ピペラジニル]プロピル]−1,8−ナフタレンイミド及び前記化合物の製造方法。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、二本鎖DNAの電気化学的検出に有用なインターカレーター及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DNAチップは、従来のサザンブロットまたはノーザンブロット法よりもずっと効果的に試料中に含まれたRNAsまたはDNAsを検出できるので、大規模のRNA発現測定、突然変異ゲノムDNAsの検出、遺伝子診断、薬理ゲノミクス(pharmacogenomics)、医療などのような遺伝子及び分子生物学的研究に非常に幅広く用いられている。
【0003】
一般的に、DNAチップは数十万個の特定塩基配列を有するプローブDNA断片を非常に小さい表面に集積し、プローブDNAを蛍光物質が標識された一本鎖ターゲットDNAと接触させてハイブリダイジェーションを誘導した後、レーザー光を用いてハイブリッド化したDNAを判定することによってターゲットDNAを検出する。
【0004】
しかし、前記方法はレーザースキャーナーを含む高価な光学器具を用いる必要があり、標識蛍光物質も高価であるという短所がある。また、蛍光強度から試料中のターゲットDNAの量を定量的に検出することが困難である。
【0005】
従って、かかる問題点を解決するために多くの努力が行われてきた。例えば、クリニカルマイクロセンサス社(Clinical Microsensors Inc.,米国)は遷移金属錯体(transition metal complex)のような酸化還元活性物質(redox-active material)をプローブDNAの特定位置に選択的に結合させ、一本鎖ターゲットDNAを前記プローブDNAと接触させてハイブリダイジェーション化を誘導した後、ハイブリダイジェーションによる電子伝達速度の変化を測定することによってDNAを検出する方法を提案した。また、一本鎖試料DNAを電気化学的に活性を有するインターカレーター(intercalator)、例えば、N,N−ビス[[4−(3−フェロセンカルボキサミノプロピル)ピペラジニル]プロピル]ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸{N-N-bis[[4-(3-ferrocenecarboxaminopropyl)piperazinyl]propyl]naphthalene-1,4,5,8-tetracarboxylic acid}の存在下で電極の表面に固定された一本鎖プローブDNAと反応させてインターカレーターを含むハイブリッド化されたDNAを形成した後、前記インターカレーターに流れる電流を測定することによって試料DNAの遺伝子を検出する方法が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかし、これらの方法は依然として定量的DNA検出には十分でない敏感度を示すので、高い敏感度を有するDNA検出方法に用いられる改善されたインターカレーターの開発が要求されている。
【特許文献1】
特開2000−125865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、非常に高い敏感度で二本鎖DNAの検出に適した新規インターカレーター化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、前記化合物の製造方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記方法に有用な新規中間体化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施態様に従って、本発明では下記式(1)のN−[[4−3−(フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]−プロピル]−1,8−ナフタレンイミドが提供される:
【化4】
【0009】
本発明の他の実施態様に従って、本発明の式(3)の化合物を1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンと有機溶媒の中で反応させて式(2)の化合物を得、式(2)の化合物を1,8−ナフタル酸無水物(naphthalic anhydride)と塩基の存在下で有機溶媒の中で反応させる段階を含む、式(1)の化合物の製造方法が提供される:
【化5】
【化6】
【0010】
また、本発明の他の実施態様に従って、本発明では式(2)の中間体化合物が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、N,N−ビス[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]プロピル]ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸は、二本鎖DNAの電気化学的検出の敏感度を顕著に高い水準に向上させることができ、特に式4の化合物と混合して用いる際にその水準をさらに増加させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
式(1)の化合物、N−[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]−プロピル]−1,8−ナフタレンイミドは下記反応式(1)によって製造できる:
反応式(1)
【化7】
【0013】
文献(Anal. Biochem., 218,436(1994))に記載された方法によって製造された式(3)の化合物を1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンとジクロロメタンおよびクロロホルムのような有機溶媒の中で反応させ式(2)の化合物が得られる。前記反応は0〜40℃、好ましくは20〜25℃で5〜12時間、好ましくは8〜10時間行われる。
【0014】
次に、式(2)の化合物をジイソプロピルエチルアミン及びトリエチルアミンのような塩基の存在下、イソプロピルアルコール、ベンゼン、及びトルエンのような有機溶媒の中で1,8−ナフタル酸無水物(naphthalic anhydride)と反応させて本発明による式(1)の化合物が得られる。前記反応は50〜110℃、好ましくは80〜85℃で4〜7時間行われる。
【0015】
本発明の式(1)の化合物は二本鎖DNAの塩基対の間に選択的にインターカレートされ、このようにインターカレートされた二本鎖DNAを介した電子移動が、好ましい酸化還元活性を有する前記化合物のフェロセン残基によって容易になる。従って、二本鎖DNAを電気化学的に検出する方法において本発明の化合物はインターカレーターとして用いられるが、例えば、外部に出力する端子を有する電極の表面に固定され、試料DNAと混成化され得る一本鎖プローブDNAを含むDNA検出用キッドと一本鎖ターゲットDNAを接触させてハイブリッド化された二本鎖DNAを得、前記二本鎖DNAの間に本発明の化合物をインターカレートした後、電圧が電極に流れる際に形成された電流量を測定することによって試料中のターゲットDNAを高感度で検出できる。
【0016】
安定した方法によるDNA検出感度は本発明の式(1)の化合物を式4の化合物と共に用いる場合に顕著に増加する。これは式(1)の化合物(IC2)がDNA塩基対当り1つ程度の比率で挿入される反面、化学式4の化合物(IC1)はDNA3つ〜5つの塩基対当り一つ程度の比率で挿入されることに起因する。従って、IC1及びIC2を1:0.1〜10の比率で混合して用いる場合、IC2がIC1によって占有されていない部位に挿入され、これらが共に作用して二本鎖DNAを介した電子伝達過程を向上させるシナジー効果が得られる。さらにIC2は酸化されたIC1の還元のための超感光剤(supersensitizer)として用いられる。
【化8】
【0017】
式(2)の化合物は式4の化合物だけではなく式(1)の化合物の製造方法において中間体として用いられる。即ち、式(2)の化合物は塩基の存在下、有機溶媒の中で1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(naphthaleneteracarboxylic dianhydride)と反応させて式4の化合物を高い収率で得られる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明を下記実施例によってさらに詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲はこれらによって限定されない。
[製造例1] フェロセンカルボン酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(式(3)の化合物)の合成
文献(Anal.Biochem,218,436(1994))の方法によって、フェロセンカルボン酸1,000mg(4.35mmol)とN−ヒドロキシスクシンイミド560mg(4.87mmol)の混合物を、蒸留した1,4−ジオキサン40mlに溶解し、蒸留した1,4−ジオキサン10mlに溶解したジシクロヘキシルカルボジイミド(dicyclohexylcarbodiimide)100mgを添加した後、前記混合物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。前記反応溶液を濾過し、このようにして得られた沈殿物をN−ヘキサンと酢酸エチルの混合物(1:1,Rf=0.40)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、淡黄色固体状の標題化合物1.39gを得た(収率99%)。
【0019】
1H NMR (CDCl3; 300MHz) δ2.88 (4H, br s), 4.39 (5H, s), 4.57 (2H, m), 4.95 (2H, m) ppm。
【0020】
[実施例1] N−[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]−プロピル]−1,8−ナフタレンイミドの製造(式(1)の化合物)
(段階1) N−[3−[4−(3−アミノプロピル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル]−フェロセンアミド(式(2)の化合物)の製造
1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン284μl(1.376mmol)をジクロロメタン14mlに溶かした溶液を、製造例1で得られた化合物300mg(0.917mmol)をジクロロメタン10mlに溶かした溶液に注射器を用いて10時間徐々に滴下した。続いて、前記反応物を濾過し、得られた沈殿物をメタノールと水酸化アンモニウムの混合物(9:1,Rf=0.23)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製して黄色固体状の標題化合物255mgを得た(収率62%)。
【0021】
1H NMR (CDCl3; 300MHz) δ1.65 - 1.86 (4H, m), 2.35 - 2.80 (14H, m), 2.97 (1H, m), 3.45 (2H, m), 4.20 (5H, s), 4.33 (2H, br s), 4.69 (2H, br s), 6.91 (1H, br m) ppm。
【0022】
(段階2)N−[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]−プロピル]−1,8−ナフタレンイミド(式(1)の化合物)の製造
段階1で得られた化合物41.2mg(0.10mmol)とジイソプロピルエチルアミン26μl(0.150mmol)をイソプロピルアルコール10mlに溶解した後、これに1,8−ナフタル酸無水物 17.8mg(0.09mmol)を添加し、前記混合物を窒素雰囲気下で2時間還流した。この反応液を室温に冷却した後、濾過して褐色固体状の沈殿物を得、冷却イソプロピルアルコール2mlで3回洗浄した。得られた固体産物をプロトン核磁気共鳴(NMR)及びガスクロマトグラフィー(GC)で分析した結果、式(1)の化合物が98%以上の純度を有することを確認した。前記固体産物はアセトンで再結晶して精製された黄色固体の標題化合物49mg(0.083mmol)を得た(収率83%)
1H NMR (CDCl3; 300MHz) δ1.71 (2H, m), 1.94 (2H, m), 2.43 (6H, m), 2.53 (6H, m), 3.41 (2H, q, J = 6.0 Hz), 4.15 (5H, s), 4.22 (4H, br m), 4.68 (2H, br s), 7.21 (1H, br m) 7.73 (2H, dd, J = 7.5, 8.1 Hz), 8.19 (2H, d, J = 8.1 Hz), 8.57 (2H, d, J = 7.5 Hz) ppm。
【0023】
[製造例2] N,N−ビス[[4−(3−フェロセンカルボキサミノプロピル)ピペラジニル]プロピル]ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸(式4の化合物)の製造
実施例1の段階1で得た化合物110mg(0.267mmol)とジイソプロピルエチルアミン56μl(0.320mmol)をイソプロピルアルコール12mlに溶解した後、これに1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシル二無水物28.6mg(0.107mmol)を添加した後、前記混合物を窒素雰囲気下で6時間還流した。前記反応液を室温に冷却した後、濾過して褐色沈殿物を得、これを冷却イソプロピルアルコール2mlで3回洗浄した。得られた固体産物をプロトンNMR及びGCで分析した結果、前記化合物が98%以上の純度を持つことを確認した。前記固体産物をアセトンで再結晶して精製された黄色固体の標題化合物110mg(0.104mmol)を得た(収率97%)。
【0024】
1H NMR (CDCl3) δ1.72 (4H, m), 1.96 (4H, m), 2.43 (12H, m), 2.57 (12H, m), 3.44 (4H, m), 4.30 (10H, m), 4.32 (8H, br s), 4.69 (4H, br s), 7.02 (2H, m), 8.78 (4H, s) ppm
[実施例2] プローブ一本鎖DNA−電極の製造
(段階1) Au電極のコーティング
2mm2の面積を有する純金(Au)電極(MF-2014 AUE gold electrode, BAS, IN, USA)を沸かした2M NaOH溶液中で5分間、濃縮硝酸で5分間洗浄した後、蒸留水で3分間2回超音波処理を行った。基準線(basal line)を決定するために汚染物質による電流量が検出されないまで、電極を0.1M硫酸水溶液に浸し、ボルタンメトリックアナライザー(voltammetric analyzer(BAS, CV-50W, IN. USA))を用いて0から1.5Vまで(vs. Ag/AgCl)100mV/sの速度でサイクルさせた。このようにして得られた裸電極(bare electrode)を1mM 2−メルカプトエタノール(2−ME)溶液で2時間処理して2−MEの−SH官能基とAu電極表面が反応するようにした。得られた純金電極は共有結合された−S−CH2CH2−OH単層でコーティングされ、この時末端−OH官能基が外部に露出されることになる。
【0025】
(段階2) 一本鎖DNA−電極の製造
オリゴヌクレオチド合成機を用いて配列番号:1及び2のセンス及びアンチセンスオリゴヌクレオチドを製造した後、センスオリゴヌクレオチドの5’末端にリン酸基を結合させた。40mM 2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸(MES)緩衝溶液(pH4.5)に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド(EDAC)及びセンスオリゴヌクレオチド(ssDNA)をそれぞれ1μg/μlおよび1mMの濃度で溶解した後、段階1で製造されたコーティングされた電極を前記溶液で24時間処理して電極表面の−OH官能基に結合された一本鎖DNAのリン酸基を有する一本鎖DNA(ssDNA)−電極を得た。
【0026】
[実施例3] DNA検出
(段階1) ハイブリッド化DNAの形成
配列番号:2のアンチセンスDNA(asDNA)試料1μl(1nmol/μl)を30μlの混成化溶液(0.09μg/μl鮭精子DNA、0.5μg/μlアセチル化された牛血清アルブミン、27mM MES(free acid), 74mM MES(sodium salt)、 0.89M NaCl、 0.01%ツイーン20、20mM EDTA,最終濃度)に加えた後、実施例2で作製した一本鎖DNA−電極を前記溶液と共に37℃で24時間反応させハイブリッドDNAを形成させた。これを洗浄溶液(27mM MES(free acid)、74mM MES(sodium salt)、26mM NaCl、0.01%ツイーン20,最終濃度)で37℃で15分間ずつ洗浄し、この過程を3回繰返して電極に二本鎖DNA(dsDNA)が結合された二本鎖DNA電極を得た(dsDNA−電極)。このような二本鎖DNA電極の製造過程を図1に示した。
【0027】
(段階2) 二本鎖DNA及びインターカレーターの混合
式4のN,N−ビス[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]プロピル]ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸(IC1)と式(1)のN−[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]プロピル]−1,8−ナフタレンイミド(IC2)をそれぞれ40μM濃度で蒸留水に溶解した後、前記段階1で作製されたdsDNA−電極を前記溶液で10分間室温で処理してIC1及びIC2化合物の両方ともインターカレーターとしてdsDNAに挿入された二本鎖DNAを得た。比較のため、IC1のみが挿入された他のdsDNA−電極を同じような方法で作製した。
【0028】
作製されたdsDNA−電極の中1つを作業電極(working electrode)に、Ag/AgClを基準電極(reference electrode)に、Pt線(wire)を相対電極(counter electrode)にした三電極系(tri-electrode system)に電圧を印可し、電解質溶液(0.1 M KCl)中に印加された電圧によって誘導された酸化還元反応過程で発生される電流をボルタンメトリックアナライザー(BAS,CV−50W,UK)で測定した。この場合、電流はIC1とIC2、またはIC1のみを経て電極に伝達され、電流量はサイクリックボルタンメトリ(cyclic voltammetry)から得られた(図2参照)。
【0029】
図3に示されたように、通常のインターカレーター、例えばIC1のみを含むシステムから得たピーク電流は本発明の混合インターカレーター(IC1とIC2)を用いた2つの場合から得られる電流より非常に低かった。前記図面において、Bは実施例2の段階1で言及された基準線を;Sは一本鎖DNA−電極を;およびDは二本鎖DNA−電極(2つの個別的な場合)を意味する。本発明の二本鎖DNA−電極から得られる顕著に高い電流密度はIC1が接近できない部位を占有しているIC2の作用に起因したものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の好ましい一実施態様に従ってdsDNA−電極を製造する概略的な過程を示す。
【図2】インターカレーター層を介した電子移動およびこれより得られた典型的なサイクリック電流−電圧曲線の概略的な説明を示す。
【図3】本発明のインターカレーターとインターカレーター混合物を用いて得られたピーク電流値を示す。
【0001】
本発明は、二本鎖DNAの電気化学的検出に有用なインターカレーター及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DNAチップは、従来のサザンブロットまたはノーザンブロット法よりもずっと効果的に試料中に含まれたRNAsまたはDNAsを検出できるので、大規模のRNA発現測定、突然変異ゲノムDNAsの検出、遺伝子診断、薬理ゲノミクス(pharmacogenomics)、医療などのような遺伝子及び分子生物学的研究に非常に幅広く用いられている。
【0003】
一般的に、DNAチップは数十万個の特定塩基配列を有するプローブDNA断片を非常に小さい表面に集積し、プローブDNAを蛍光物質が標識された一本鎖ターゲットDNAと接触させてハイブリダイジェーションを誘導した後、レーザー光を用いてハイブリッド化したDNAを判定することによってターゲットDNAを検出する。
【0004】
しかし、前記方法はレーザースキャーナーを含む高価な光学器具を用いる必要があり、標識蛍光物質も高価であるという短所がある。また、蛍光強度から試料中のターゲットDNAの量を定量的に検出することが困難である。
【0005】
従って、かかる問題点を解決するために多くの努力が行われてきた。例えば、クリニカルマイクロセンサス社(Clinical Microsensors Inc.,米国)は遷移金属錯体(transition metal complex)のような酸化還元活性物質(redox-active material)をプローブDNAの特定位置に選択的に結合させ、一本鎖ターゲットDNAを前記プローブDNAと接触させてハイブリダイジェーション化を誘導した後、ハイブリダイジェーションによる電子伝達速度の変化を測定することによってDNAを検出する方法を提案した。また、一本鎖試料DNAを電気化学的に活性を有するインターカレーター(intercalator)、例えば、N,N−ビス[[4−(3−フェロセンカルボキサミノプロピル)ピペラジニル]プロピル]ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸{N-N-bis[[4-(3-ferrocenecarboxaminopropyl)piperazinyl]propyl]naphthalene-1,4,5,8-tetracarboxylic acid}の存在下で電極の表面に固定された一本鎖プローブDNAと反応させてインターカレーターを含むハイブリッド化されたDNAを形成した後、前記インターカレーターに流れる電流を測定することによって試料DNAの遺伝子を検出する方法が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかし、これらの方法は依然として定量的DNA検出には十分でない敏感度を示すので、高い敏感度を有するDNA検出方法に用いられる改善されたインターカレーターの開発が要求されている。
【特許文献1】
特開2000−125865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、非常に高い敏感度で二本鎖DNAの検出に適した新規インターカレーター化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、前記化合物の製造方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記方法に有用な新規中間体化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施態様に従って、本発明では下記式(1)のN−[[4−3−(フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]−プロピル]−1,8−ナフタレンイミドが提供される:
【化4】
【0009】
本発明の他の実施態様に従って、本発明の式(3)の化合物を1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンと有機溶媒の中で反応させて式(2)の化合物を得、式(2)の化合物を1,8−ナフタル酸無水物(naphthalic anhydride)と塩基の存在下で有機溶媒の中で反応させる段階を含む、式(1)の化合物の製造方法が提供される:
【化5】
【化6】
【0010】
また、本発明の他の実施態様に従って、本発明では式(2)の中間体化合物が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、N,N−ビス[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]プロピル]ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸は、二本鎖DNAの電気化学的検出の敏感度を顕著に高い水準に向上させることができ、特に式4の化合物と混合して用いる際にその水準をさらに増加させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
式(1)の化合物、N−[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]−プロピル]−1,8−ナフタレンイミドは下記反応式(1)によって製造できる:
反応式(1)
【化7】
【0013】
文献(Anal. Biochem., 218,436(1994))に記載された方法によって製造された式(3)の化合物を1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンとジクロロメタンおよびクロロホルムのような有機溶媒の中で反応させ式(2)の化合物が得られる。前記反応は0〜40℃、好ましくは20〜25℃で5〜12時間、好ましくは8〜10時間行われる。
【0014】
次に、式(2)の化合物をジイソプロピルエチルアミン及びトリエチルアミンのような塩基の存在下、イソプロピルアルコール、ベンゼン、及びトルエンのような有機溶媒の中で1,8−ナフタル酸無水物(naphthalic anhydride)と反応させて本発明による式(1)の化合物が得られる。前記反応は50〜110℃、好ましくは80〜85℃で4〜7時間行われる。
【0015】
本発明の式(1)の化合物は二本鎖DNAの塩基対の間に選択的にインターカレートされ、このようにインターカレートされた二本鎖DNAを介した電子移動が、好ましい酸化還元活性を有する前記化合物のフェロセン残基によって容易になる。従って、二本鎖DNAを電気化学的に検出する方法において本発明の化合物はインターカレーターとして用いられるが、例えば、外部に出力する端子を有する電極の表面に固定され、試料DNAと混成化され得る一本鎖プローブDNAを含むDNA検出用キッドと一本鎖ターゲットDNAを接触させてハイブリッド化された二本鎖DNAを得、前記二本鎖DNAの間に本発明の化合物をインターカレートした後、電圧が電極に流れる際に形成された電流量を測定することによって試料中のターゲットDNAを高感度で検出できる。
【0016】
安定した方法によるDNA検出感度は本発明の式(1)の化合物を式4の化合物と共に用いる場合に顕著に増加する。これは式(1)の化合物(IC2)がDNA塩基対当り1つ程度の比率で挿入される反面、化学式4の化合物(IC1)はDNA3つ〜5つの塩基対当り一つ程度の比率で挿入されることに起因する。従って、IC1及びIC2を1:0.1〜10の比率で混合して用いる場合、IC2がIC1によって占有されていない部位に挿入され、これらが共に作用して二本鎖DNAを介した電子伝達過程を向上させるシナジー効果が得られる。さらにIC2は酸化されたIC1の還元のための超感光剤(supersensitizer)として用いられる。
【化8】
【0017】
式(2)の化合物は式4の化合物だけではなく式(1)の化合物の製造方法において中間体として用いられる。即ち、式(2)の化合物は塩基の存在下、有機溶媒の中で1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(naphthaleneteracarboxylic dianhydride)と反応させて式4の化合物を高い収率で得られる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明を下記実施例によってさらに詳細に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲はこれらによって限定されない。
[製造例1] フェロセンカルボン酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(式(3)の化合物)の合成
文献(Anal.Biochem,218,436(1994))の方法によって、フェロセンカルボン酸1,000mg(4.35mmol)とN−ヒドロキシスクシンイミド560mg(4.87mmol)の混合物を、蒸留した1,4−ジオキサン40mlに溶解し、蒸留した1,4−ジオキサン10mlに溶解したジシクロヘキシルカルボジイミド(dicyclohexylcarbodiimide)100mgを添加した後、前記混合物を窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌した。前記反応溶液を濾過し、このようにして得られた沈殿物をN−ヘキサンと酢酸エチルの混合物(1:1,Rf=0.40)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、淡黄色固体状の標題化合物1.39gを得た(収率99%)。
【0019】
1H NMR (CDCl3; 300MHz) δ2.88 (4H, br s), 4.39 (5H, s), 4.57 (2H, m), 4.95 (2H, m) ppm。
【0020】
[実施例1] N−[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]−プロピル]−1,8−ナフタレンイミドの製造(式(1)の化合物)
(段階1) N−[3−[4−(3−アミノプロピル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル]−フェロセンアミド(式(2)の化合物)の製造
1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン284μl(1.376mmol)をジクロロメタン14mlに溶かした溶液を、製造例1で得られた化合物300mg(0.917mmol)をジクロロメタン10mlに溶かした溶液に注射器を用いて10時間徐々に滴下した。続いて、前記反応物を濾過し、得られた沈殿物をメタノールと水酸化アンモニウムの混合物(9:1,Rf=0.23)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製して黄色固体状の標題化合物255mgを得た(収率62%)。
【0021】
1H NMR (CDCl3; 300MHz) δ1.65 - 1.86 (4H, m), 2.35 - 2.80 (14H, m), 2.97 (1H, m), 3.45 (2H, m), 4.20 (5H, s), 4.33 (2H, br s), 4.69 (2H, br s), 6.91 (1H, br m) ppm。
【0022】
(段階2)N−[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]−プロピル]−1,8−ナフタレンイミド(式(1)の化合物)の製造
段階1で得られた化合物41.2mg(0.10mmol)とジイソプロピルエチルアミン26μl(0.150mmol)をイソプロピルアルコール10mlに溶解した後、これに1,8−ナフタル酸無水物 17.8mg(0.09mmol)を添加し、前記混合物を窒素雰囲気下で2時間還流した。この反応液を室温に冷却した後、濾過して褐色固体状の沈殿物を得、冷却イソプロピルアルコール2mlで3回洗浄した。得られた固体産物をプロトン核磁気共鳴(NMR)及びガスクロマトグラフィー(GC)で分析した結果、式(1)の化合物が98%以上の純度を有することを確認した。前記固体産物はアセトンで再結晶して精製された黄色固体の標題化合物49mg(0.083mmol)を得た(収率83%)
1H NMR (CDCl3; 300MHz) δ1.71 (2H, m), 1.94 (2H, m), 2.43 (6H, m), 2.53 (6H, m), 3.41 (2H, q, J = 6.0 Hz), 4.15 (5H, s), 4.22 (4H, br m), 4.68 (2H, br s), 7.21 (1H, br m) 7.73 (2H, dd, J = 7.5, 8.1 Hz), 8.19 (2H, d, J = 8.1 Hz), 8.57 (2H, d, J = 7.5 Hz) ppm。
【0023】
[製造例2] N,N−ビス[[4−(3−フェロセンカルボキサミノプロピル)ピペラジニル]プロピル]ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸(式4の化合物)の製造
実施例1の段階1で得た化合物110mg(0.267mmol)とジイソプロピルエチルアミン56μl(0.320mmol)をイソプロピルアルコール12mlに溶解した後、これに1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシル二無水物28.6mg(0.107mmol)を添加した後、前記混合物を窒素雰囲気下で6時間還流した。前記反応液を室温に冷却した後、濾過して褐色沈殿物を得、これを冷却イソプロピルアルコール2mlで3回洗浄した。得られた固体産物をプロトンNMR及びGCで分析した結果、前記化合物が98%以上の純度を持つことを確認した。前記固体産物をアセトンで再結晶して精製された黄色固体の標題化合物110mg(0.104mmol)を得た(収率97%)。
【0024】
1H NMR (CDCl3) δ1.72 (4H, m), 1.96 (4H, m), 2.43 (12H, m), 2.57 (12H, m), 3.44 (4H, m), 4.30 (10H, m), 4.32 (8H, br s), 4.69 (4H, br s), 7.02 (2H, m), 8.78 (4H, s) ppm
[実施例2] プローブ一本鎖DNA−電極の製造
(段階1) Au電極のコーティング
2mm2の面積を有する純金(Au)電極(MF-2014 AUE gold electrode, BAS, IN, USA)を沸かした2M NaOH溶液中で5分間、濃縮硝酸で5分間洗浄した後、蒸留水で3分間2回超音波処理を行った。基準線(basal line)を決定するために汚染物質による電流量が検出されないまで、電極を0.1M硫酸水溶液に浸し、ボルタンメトリックアナライザー(voltammetric analyzer(BAS, CV-50W, IN. USA))を用いて0から1.5Vまで(vs. Ag/AgCl)100mV/sの速度でサイクルさせた。このようにして得られた裸電極(bare electrode)を1mM 2−メルカプトエタノール(2−ME)溶液で2時間処理して2−MEの−SH官能基とAu電極表面が反応するようにした。得られた純金電極は共有結合された−S−CH2CH2−OH単層でコーティングされ、この時末端−OH官能基が外部に露出されることになる。
【0025】
(段階2) 一本鎖DNA−電極の製造
オリゴヌクレオチド合成機を用いて配列番号:1及び2のセンス及びアンチセンスオリゴヌクレオチドを製造した後、センスオリゴヌクレオチドの5’末端にリン酸基を結合させた。40mM 2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸(MES)緩衝溶液(pH4.5)に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド(EDAC)及びセンスオリゴヌクレオチド(ssDNA)をそれぞれ1μg/μlおよび1mMの濃度で溶解した後、段階1で製造されたコーティングされた電極を前記溶液で24時間処理して電極表面の−OH官能基に結合された一本鎖DNAのリン酸基を有する一本鎖DNA(ssDNA)−電極を得た。
【0026】
[実施例3] DNA検出
(段階1) ハイブリッド化DNAの形成
配列番号:2のアンチセンスDNA(asDNA)試料1μl(1nmol/μl)を30μlの混成化溶液(0.09μg/μl鮭精子DNA、0.5μg/μlアセチル化された牛血清アルブミン、27mM MES(free acid), 74mM MES(sodium salt)、 0.89M NaCl、 0.01%ツイーン20、20mM EDTA,最終濃度)に加えた後、実施例2で作製した一本鎖DNA−電極を前記溶液と共に37℃で24時間反応させハイブリッドDNAを形成させた。これを洗浄溶液(27mM MES(free acid)、74mM MES(sodium salt)、26mM NaCl、0.01%ツイーン20,最終濃度)で37℃で15分間ずつ洗浄し、この過程を3回繰返して電極に二本鎖DNA(dsDNA)が結合された二本鎖DNA電極を得た(dsDNA−電極)。このような二本鎖DNA電極の製造過程を図1に示した。
【0027】
(段階2) 二本鎖DNA及びインターカレーターの混合
式4のN,N−ビス[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]プロピル]ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸(IC1)と式(1)のN−[[4−(3−フェロセンカルボキサミドプロピル)ピペラジニル]プロピル]−1,8−ナフタレンイミド(IC2)をそれぞれ40μM濃度で蒸留水に溶解した後、前記段階1で作製されたdsDNA−電極を前記溶液で10分間室温で処理してIC1及びIC2化合物の両方ともインターカレーターとしてdsDNAに挿入された二本鎖DNAを得た。比較のため、IC1のみが挿入された他のdsDNA−電極を同じような方法で作製した。
【0028】
作製されたdsDNA−電極の中1つを作業電極(working electrode)に、Ag/AgClを基準電極(reference electrode)に、Pt線(wire)を相対電極(counter electrode)にした三電極系(tri-electrode system)に電圧を印可し、電解質溶液(0.1 M KCl)中に印加された電圧によって誘導された酸化還元反応過程で発生される電流をボルタンメトリックアナライザー(BAS,CV−50W,UK)で測定した。この場合、電流はIC1とIC2、またはIC1のみを経て電極に伝達され、電流量はサイクリックボルタンメトリ(cyclic voltammetry)から得られた(図2参照)。
【0029】
図3に示されたように、通常のインターカレーター、例えばIC1のみを含むシステムから得たピーク電流は本発明の混合インターカレーター(IC1とIC2)を用いた2つの場合から得られる電流より非常に低かった。前記図面において、Bは実施例2の段階1で言及された基準線を;Sは一本鎖DNA−電極を;およびDは二本鎖DNA−電極(2つの個別的な場合)を意味する。本発明の二本鎖DNA−電極から得られる顕著に高い電流密度はIC1が接近できない部位を占有しているIC2の作用に起因したものである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の好ましい一実施態様に従ってdsDNA−電極を製造する概略的な過程を示す。
【図2】インターカレーター層を介した電子移動およびこれより得られた典型的なサイクリック電流−電圧曲線の概略的な説明を示す。
【図3】本発明のインターカレーターとインターカレーター混合物を用いて得られたピーク電流値を示す。
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