JP2004521628A - オリゴヌクレオチドの切断および脱保護のための試薬 - Google Patents

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Abstract

本発明は、化学的に合成されたオリゴヌクレオチドからの保護基の除去(すなわち、脱保護)のためのプロセスを提供する。1つの実施形態において、本発明は、このようなプロセスにおける使用に適切な試薬、およびこのような試薬を簡便な使用の用意ができた様式で備えるキットを提供する。本発明のプロセスおよび試薬の使用によって、合成オリゴヌクレオチドを汚染する特定の不純物を生じる副反応は、最小化され得る。保護オリゴヌクレオチドを脱保護試薬と反応させることによってオリゴヌクレオチドの脱保護するための方法および試薬が提供され、ここで、この脱保護試薬は、活性メチレン化合物およびアミン試薬を含む。この活性メチレン化合物は、構造(a)を有し、ここで、置換基EWGは、求電子基であり、そしてRは、水素、C〜C12アルキル、C〜C20アリール、複素環または求電子基である。

Description

【技術分野】
【0001】
(I.発明の分野)
本発明は、一般に、合成オリゴヌクレオチド化合物に関連する。より具体的には、本発明は、固体支持体からのオリゴヌクレオチドの切断およびオリゴヌクレオチドの脱保護に関する。
【背景技術】
【0002】
(II.発明の背景)
オリゴヌクレオチドは、多くの重要な分子生物学的実験、アッセイおよび情報収集操作(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、診断プローブ、一塩基多型(SNP)検出、およびゲノム配列決定)において基本的試薬である。固相支持体に対するモノマー単位の連続的な添加および共有結合によってオリゴヌクレオチドの合成を実施する利点は、高く評価されている。特に、Caruthers法は、高度に最適化され、かつ全世界で採用されている(米国特許第4,458,066号および同第4,973,679号)。毎年消費される、数百万のオリゴヌクレオチドの大部分は、ホスホルアミダイトヌクレオシドモノマーを使用する自動合成によって調製される(Beaucage(1992)Tetrahedron Lett.22:1859〜62;米国特許第4,415,732号)。
【0003】
固相支持体上で化学反応を実施することには、いくつかの実際的な利点がある:(i)過剰な試薬および可溶性の副産物が、単純な洗浄工程および濾過工程によって、容易に除去され、そして分離され得る、(ii)多くのオリゴヌクレオチドの並列作製を施行、操作、組織化することが容易になされる、そして(iii)反応が、操作の経済性および簡便性のためにスケールアップおよびスケールダウンされ得る。
【0004】
多くの適用において、共有結合した標識を有するオリゴヌクレオチドが使用される。標識は、何らかの機能(例えば、親和性、検出、または他の物理学的特性)を分与し得る。オリゴヌクレオチド標識はまた、しばしば、反応性官能基を有しており、この反応性官能基は、副反応および改変を最小化するために、好ましくは保護され得る。
【0005】
合成が完結した際に、固相支持体に結合したオリゴヌクレオチドは、このオリゴヌクレオチドと固相支持体との間の共有結合を化学的に切断することによって、この支持体から切出され、そして、全ての残りの保護基をこのヌクレオチドから脱保護される。切断および脱保護の工程は、共同的に作用され得、また同じ試薬を用いて実施され得る。あるいは、切断および脱保護は、異なった温度において、かつ、異なった試薬を使用して実施され得る。
【0006】
代表的には、固相支持体からのオリゴヌクレオチド(20nmol〜1μmol)の切断は、約1〜3mlの濃水酸化アンモニウム(NHOH;水中の約28〜30%のNH)を使用して、合成カラム中で、室温にて、実施される。このオリゴヌクレオチドの3’末端における代表的なエステル結合の切断は、これらの条件下にて、約1時間で完結する。このオリゴヌクレオチドと固相支持体との間の結合が切れようとする際に、水酸化アンモニウムはまた、ヌクレオチド間のホスフェートおよび核酸塩基保護基から2−シアノエチル基を除去しようとする。核酸塩基および保護基の型に依存して、このオリゴヌクレオチドの脱保護(保護基の除去)は、濃水酸化アンモニウムでの温度55℃で約1〜8時間処理を必要とする、
あるいは、切断および脱保護は、無水アミン(米国特許第5,750,672号)、メチルアミン(米国特許第5,348,868号および同第5,518,651号)、ヒドラジンおよびエタノールアミン(Polushin(1991)Nucleic Acids Res.Symposium Series No.24、p49−50;Polushin(1994)Nucleic Acids Res.22:639〜45)を用いて実施され得る。
【0007】
自動DNA合成機における代表的な合成後の切断/脱保護ルーチン(例えば、Applied Biosystems,Foster City,CAのModel 392、Model394、Model 3948)は、オリゴヌクレオチド合成が完結した後に合成カラムを介して濃水酸化アンモニウムを送達し、そして、より多くの水酸化アンモニウムの周期的な送達および容器中の溶出液の回収によって、これがこのカラム中に1時間留まることを可能にする。次いで、切断され、かつ部分的に脱保護されたオリゴヌクレオチドを含む容器は、脱保護を完結するために加熱デバイスに移入され得る。あるいは、核酸塩基保護基は、完全な脱保護オリゴヌクレオチドを作製するためにさらなる加熱を必要としないほど十分に不安定であり得る。水酸化アンモニウムは、減圧下あるいは空気流または不活性ガス流の中で除去される。粗オリゴヌクレオチドは、疎水性カートリッジ精製(hydrophobic cartridge purification)、逆相HPLC、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、および析出が挙げられる種々の方法によって精製され得る。いくつの用途にとって、この粗オリゴヌクレオチドは、適切に機能するのに十分なほど純粋である。
【0008】
この固相支持体からのオリゴヌクレオチドの切断の完結の後に、この残りの保護基を、6〜24時間で、室温にて、または例えば、55℃に昇温して水酸アンモニウム溶液中でインキュベーションすることにより、取り除く。あるいは、オリゴヌクレオチドは、気相中で、切断され得るか、そして/またはアンモニアまたは他のアミンで脱保護され、これによって、試薬ガスは、オリゴヌクレオチドと接触するようになり、その間にこの固相支持体に結合するか、その近傍にある(米国特許第5,514,789号;同第5,738,829号)。
【0009】
任意の状況で使用される特定の切断および脱保護プロトコルは、核酸塩基、この核酸塩基間のリン、糖、5’末端または3’末端、ならびに任意の共有結合された標識上において使用される保護基によって、ほとんど決定される。合成のホスホジエステル法において使用される核酸塩基保護基の第1の生成セットとしては、アデノシンAbz、シトシンCbz、およびグアノシンGibu(Schaller(1963)J.Amer.Chem.Soc.85,3821〜3827およびBuchi(1972)J.Mol.Biol.72:251)として使用される、ベンゾイル(bz)保護基およびイソブチリル(ibu)保護基が挙げられる。一般的に、チミジンTは保護されない。
【0010】
特定の副反応が切断および脱保護の反応の間に起こることが知られている。核酸塩基、ヌクレオチド間リン酸基、およびペンダントアミノ基の修飾は、特徴付けられている(Chang(1999)Nucleosides&Nucleotides 18:1205〜1206;Manoharan(1999)Nucelosides&Nucleotides18:1199〜1201)。アクリロニトリルは、ヌクレオチド間リン酸基の脱保護によって放出され、核酸塩基、標識、または他の部位上に付加物を形成し得る(EP 1028124;WO0046231;Eritja(1992)Tetrahedron 48:4171〜82;Wilk(1999)J.Org.Chem.64:7515〜22)。他の不純物は特徴付けられていないが、オリゴヌクレオチドの不純物の純度を損なうことが知られており、そして効率の損失を引き起こす。保護基の脱保護が完結していない場合、オリゴヌクレオチドは、低い特異性または低い親和性にてハイブリダイズし、そして、ミスプライミングまたは突然変異誘発を導き得る。
【0011】
オリゴヌクレオチドの切断および脱保護のための新規の試薬および方法が望まれる。特定の保護基は、修飾を生じるための、脱保護試薬、または自動合成機と適合性ではないかもしれない。特定の標識(例えば、伸長した結合体または反応性官能基を有する標識)は、切断工程および脱保護工程の間の標識またはオリゴヌクレオチドの修飾を生じ得る。副反応または副次的な修飾を最小化するか、またはそれを除去する試薬および方法が望まれる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(III.要旨)
本発明は、化学合成されたオリゴヌクレオチドから、保護基の除去、すなわち、脱保護のためのプロセスを提供する。1つの実施形態において、本発明は、このようなプロセスにおける用途に適切な試薬、およびこのような試薬を、都合の良いすぐに使用できる様式で組み込むキットを提供する。本発明のこれらのプロセスおよび試薬を使用することによって、合成されたオリゴヌクレオチドを汚染する特定の不純物を生じる副反応が、最小化され得る。
【0013】
第1の局面において、本発明は、保護されたオリゴヌクレオチドを脱保護剤と反応させることによって、オリゴヌクレオチドを脱保護するための方法を提供し、ここで、この脱保護化試薬は、活性メチレン化合物およびアミン試薬を含む。
この活性メチレン化合物は、以下の構造:
【0014】
【化3】
Figure 2004521628
を有する。
【0015】
置換基EWGは、以下からなる群より選択される電子吸引基である:ニトロ基、ケトン基、エステル基、カルボン酸基、ニトリル基、スルホン基、スルホネート基、スルホキシド基、ホスフェート基、ホスホネート基、ニトロオキシド(nitroxide)基、ニトロソ基、トリフルオロメチル基、ならびに1つ以上のニトロ基、ケトン基、エステル基、カルボン酸基、ニトリル基、スルホン基、スルホネート基、スルホキシド基、ホスフェート基、ホスホネート基、ニトロオキシド(nitroxide)基、ニトロソ基およびトリフルオロメチル基により置換されたアリール基。この置換基Rは、水素、C−C12アルキル基、C−C20アリール基、複素環式基および電子吸引基から選択される。このアミン試薬は、水酸化アンモニウム水溶液、メチルアミン水溶液、またはC−C無水アルキルアミンであり得る。活性メチレン化合物およびアミン試薬に加えて、本発明の脱保護剤は、水またはアルコール溶媒を含み得る。保護基は、脱保護剤で処理することによって、オリゴヌクレオチドから除去される。
【0016】
このオリゴヌクレオチドは、結合を介して、固相支持体に共有結合的に結合され得る。このオリゴヌクレオチドは、保護基が除去される前、その最中、またはその後のいずれかで、この固相支持体から切断され得る。この固相支持体は、有機ポリマーまたは無機物であり得る。この固相支持体は、脱保護試薬が通過することを可能にするメンブレンまたはフリットであり得る。
【0017】
この固相支持体は、脱保護試薬が通過または流動するための注入開口部および排出開口部を有する、カラムまたは他の密閉物中に、封入され得る。このカラムは、多くのカラムのホルダーを含む種々の形式(例えば、96ウェルまたは384ウェルのマイクロタイタープレート形式)で配置される。ホルダー中の複数のオリゴヌクレオチドは、脱保護試薬について区別したかまたは無区別しない送達または脱保護試薬に対する曝露を介して、同時に、または別々に、脱保護され得る。
【0018】
本発明の脱保護試薬によって脱保護され得るオリゴヌクレオチドは、核酸アナログを含む。オリゴヌクレオチドは、1以上の共有結合した標識(例えば、蛍光色素、クエンチャ−、ビオチン、移動性改変剤(mobility−modifier)、および小溝結合剤)を保持し得る。
【0019】
第2の局面において、本発明は、初めに、活性メチレン化合物および溶媒を用いて、固相支持体に共有結合的に連結した保護されたオリゴヌクレオチドを湿らし、次いで、この保護したオリゴヌクレオチドをアミン試薬と反応させることによって、オリゴヌクレオチドを脱保護するための方法を提供する。このアミン試薬は、液相にあっても、気相にあってもよく;含水性であっても、無水であってもよい(例えば、水酸化アンモニウム水溶液、アンモニアガスまたはC〜Cアルキルアミン)。
【0020】
第3の局面において、本発明は、オリゴヌクレオチド脱保護試薬を含み、ここで、脱保護試薬は活性メチレン化合物およびアミン試薬を含む。この活性メチレン化合物は、以下の構造:
【0021】
【化4】
Figure 2004521628
を有する。
【0022】
置換基EWGは、以下からなる群より選択される電子吸引基である:ニトロ基、ケトン基、エステル基、カルボン酸基、ニトリル基、スルホン基、スルホネート基、スルホキシド基、ホスフェート基、ホスホネート基、ニトロオキシド(nitroxide)基、ニトロソ基、トリフルオロメチル基、ならびに1つ以上のニトロ基、ケトン基、エステル基、カルボン酸基、ニトリル基、スルホン基、スルホネート基、スルホキシド基、ホスフェート基、ホスホネート基、ニトロオキシド(nitroxide)基、ニトロソ基およびトリフルオロメチル基により置換されたアリール基。この置換基Rは、水素、C−C12アルキル基、C−C20アリール基、複素環式基および電子吸引基から選択される。この活性メチレンは化合物は、脱保護試薬の1〜10容量%であり得る。脱保護試薬は、試薬の1〜30容量%であるアルコール溶媒を、さらに含み得る。
【0023】
第4の局面において、本発明は、本発明の脱保護試薬によって脱保護された、脱保護オリゴヌクレオチドを含む。
【0024】
(V.例示的実施形態の詳細な説明)
本発明の特定の実施形態に対する詳細な言及が、ここで、なされ、これらの例が、添付の図面に例示される。本発明は、例示的実施形態と関連して記載されるが、これらの例示的実施形態は、本発明をこれらの実施形態に限定することを企図しないことが理解される。逆に、本発明は、全ての代替物、改変物、および等価物をに及ぶことが企図され、これらは、特許請求の範囲によって規定されるような本発明に包含され得る。
【0025】
(V.1 定義)
別段規定されない限り、本明細書中で使用される場合、以下の用語および句は、以下の意味を有することが意図される:
「核酸塩基」は、相補的な核酸塩基または核酸塩基アナログ(例えば、プリン、7−デアザプリン、またはピリミジン)と対形成する際に、ワトソン−クリック水素結合を形成することができる窒素含有複素環式部分を意味する。代表的核酸塩基は、天然に存在する核酸塩基である、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン、ならびに天然存在する核酸塩基のアナログ(例えば、7−デアザアデニン、7−デアザグアニン、7−デアザ−8−アザグアニン、7−デアザ−8−アザアデニン(米国特許第5,912,340号)、イノシン、ネブラリン(nebularin)、ニトロピロール、ニトロインドール、2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、ヒポキサンチン、プソイドウリジン、プソイドシトシン、プソイドイソシトシン、5−プロピニルシトシン、イソグアニン、2−チオピリミジン、6−チオグアニン、4−チオチミン、4−チオウライシル、O−メチルグアニン、N−メチルアデニン,O−メチルチミン、5,6−ジヒドロチミン、5,6−ジヒドロウラシル、4−メチル−インドール、フェノキサジン、7−デアザプリン、プソイドイソシチジン、イソグアノシン、4(3H)−ピリミドン、ヒポキサンチン、8−オキソプリン、ピラゾロ[3,4−D]ピリミジン(米国特許第6,143,877号および同第6,127,121号)、ならびにエテノアデニン(Fasman(1989)Practical Handbook of Biochemistry and Molecular Biology、pp.385−394、CRC Press,Boca Raton,Fl)である。
【0026】
「ヌクレオシド」は、リボース糖のC−1’炭素に連結する核酸塩基からなる化合物を意味する。このリボースは、置換されても、置換されなくともよい。置換リボース糖としては、以下のリボースが挙げられるが、これらに限定されない:1以上の炭素原子(例えば、2’−炭素原子)が、1以上の同一であるかまたは異なった、−R基、−OR基、−NRR基、またはハロゲン基で置換され、ここでRの各々が独立して、水素、C〜Cアルキル、またはC〜C14アリールから選択される、リボース。糖としては、以下が挙げられる:リボース、2’−デオキシリボース、2,3−ジデオキシリボース、2’−ハロリボース、2’−フルオロリボース、2’−クロロリボース、2’−C−アルキル、2’−アルキルリボース、(例えば、2’−O−メチル、4’−α−アノマーヌクレオチド、1’−α−アノマーヌクレオチド、2’−4’および3’−4’で連結した二環式糖改変体ならびに他で「ロックされた(locked)」二環式糖改変体(WO98/22489;WO98/39352;WO99/14226)。2’位置および3’位置での修飾は、水素、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、アルオロキシ(allyloxy)、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、メトキシエチル、アルコキシ、フェノキシ、アジド、アミノ、アルキルアミノ、フルオロ、クロロおよびブロモを含む。核酸塩基が、プリン(例えば、AまたはG)であるとき、このリボース糖は、この核酸塩基のN位に結合する。この核酸塩基がピリミジン(例えば、C、T、またはU)である場合、このペントース糖は、核酸塩基のN位に結合する(KornbergおよびBaker、(1992)DNA Replication、第2版、Freeman,San Francisco、CA)。
【0027】
「ヌクレオチド」は、モノマー単位として、または核酸中の、ヌクレオシドのリン酸エステルを意味する。ヌクレオチドは、時折に「NTP」として称され、または、特にリボース糖の構造的特徴を指し示すため、「dNTP」および「ddNTP」として示される。「ヌクレオチド5’トリホスフェート」とは、5’位にトリホスフェートエステルを有するヌクレオチドをいう。このトリホスフェートエステル基は、種々の酸素について硫黄置換を含み得る(例えば、α−チオ−ヌクレオチド5’−トリホスフェート)。
【0028】
本明細書中で使用される場合、用語「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」は、交換可能に使用され、そして、ヌクレオチド間のホスホジエステル結合によって連結された、ヌクレオチドモノマーの1本鎖および2本鎖のポリマーを意味し、2’−デオキシリボヌクレオチド(DNA)およびリボヌクレオチド(RNA)、またはヌクレオチド間アナログ、および会合している対イオン(例えば、H、NH 、トリアルキルアンモニウム、Mg2+、Na、など)を含む。ポリヌクレオチドは、全体が、デオキシリボヌクレオチドから、全体がリボヌクレオチドから、または、それらのキメラ混合物からなり得る。ポリヌクレオチドは、塩基間ヌクレオチド、核酸塩基および糖アナログから構成され得る。ポリヌクレオチドは、サイズにおいて、代表的には、数個(例えば、5〜40)のモノマー単位(これらが、しばしば、オリゴヌクレオチドと称される場合)から数千のモノマーヌクレオチド単位に及ぶ。別段指摘されない限り、いかなるポリヌクレオチドが表されている場合はいつでも、ヌクレオチドは、左側から右側へと、5’から3’への順序であることが理解され、ならびに、別段指摘されない限り、「A」がデオキシアデノシンを示すこと、「C」がデオキシシチジンを示すこと、「G」がデオキシグアノシンを示すこと、そして「T」がデオキシチミジンを示すことが理解される。
【0029】
「保護オリゴヌクレオチド」は、合成手段(例えば、固体支持体上での自動化された合成のホスホラミダイトヌクレオシド法)により調製された任意のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを意味し、これは、官能基上に1つ以上の保護基(例えば、核酸塩基の環外のアミン、ヌクレオチド間リン酸結合またはヒドロキシルもしくはアミノの5’末端)を含む。保護基の用語は、Greene,T.and Wuts,P.”Protective Groups in Organic Synthesis”、第3版、John Wiley & Sons,Inc.,New York,NY(1999)によって教示された一般的ストラテジーに従う。
【0030】
用語「核酸アナログ」は、1つ以上のヌクレオチドアナログ単位を含み、そして核酸に関連した質および特徴(例えば、ワトソン/クリック、ウォッブル(wobble)およびフォッグスティーン塩基対合(Hoogsteen base pairing)ならびに他の配列認識効果)のいくつかを有する核酸のアナログをいう。核酸アナログは、改変された核酸塩基部分、改変された糖部分、および/または改変された核間結合を有し得る(Englisch(1991)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.30:613−29)。改変は標識を含む。核酸アナログの1つの種類(例えば、ホスホラミダイト、ホスホトリエステル、およびメチルホスホネートオリゴヌクレオチド)は、核間部分が天然に存在するように改変され、そして中性pHまたは中性pH付近で荷電されず、ここで、非結合酸素原子の1つは、中性の置換基(例えば、−NR、−OR、−R)によって置換される。核酸アナログの別の種類は、糖および核間部分が荷電していない中性のアミド骨格(例えば、モルホリノ−カルバメートおよびペプチド核酸(PNA)で置換されている。PNAの形態は、N−(2−アミノエチル)−グリシンアミド骨格ポリマーである(Nielsen,1991)。PNA配列を説明するときはいつでも、アミノ末端は左側に、そしてカルボキシル末端は右側であることが理解される。
【0031】
「脱保護試薬」は、液体状態または気体状態の任意の試薬または処方物を意味し、これは、化学反応によって保護されたオリゴヌクレオチドから保護基を除去するか、あるいは固体支持体からオリゴヌクレオチドを切断する。
【0032】
「固体支持体」は、任意の粒子、ビーズまたはオリゴヌクレオチドの合成が生じる表面を意味する。
【0033】
「活性メチレン化合物」は、炭素に結合し、かつ基底状態(代表的には、約6〜20のpKaを有する)下で除去し得る酸性プロトンを有する任意の有機試薬を意味する。
【0034】
用語「切断する」および「切断」は、固体支持体にオリゴヌクレオチドを結合する共有結合を破壊することをいう。
【0035】
用語「標識」は、本明細書中で使用される場合、オリゴヌクレオチドに結合し得る任意の部分を意味し、そして以下に対して機能する:(i)検出シグナルの提供;(ii)第1の標識または第2の標識(例えば、FRET)によって提供される検出シグナルを調節するために第2の標識との相互作用(iii)ハイブリダイゼーションの安定化(すなわち、二重鎖の形成);(iv)モビリティーへの影響(例えば、電荷、疎水性、形状、または他の物理学的パラメーターによる電気泳動移動度または細胞浸透性)、あるいは(v)捕捉部分の提供(例えば、親和性、抗体/抗原またはイオン錯化)。
【0036】
用語「リンカー(linker)、リンカー(LINKER)および結合(linkage)は、交換可能に使用され、そして共有結合、あるいは原子の鎖(共有結合するか、あるいは標識をポリヌクレオチドに、一方の標識を別の標識に、または固体支持体をポリヌクレオチドもしくはヌクレオチドに結合される)を含む化学的部分を意味する。
【0037】
「結合部分」は、化学的反応基、置換基または共有結合もしくは結合を形成するために、別の分子と反応し得る部分(例えば、求核または求電子)を意味する。
【0038】
「置換(される)」とは、本明細書中で使用される場合、1つ以上の水素原子が1つ以上の非水素原子、官能基または部分で置換される分子をいう。例えば、非置換窒素は、−NHであり、一方置換窒素は−NHCHである。例示的な置換基は、ハロ(例えば、フッ素および塩素、(C−C)アルキル、スルフェート、スルホネート、スルホン、アミノ、アンモニウム、アミド、ニトリル、低級アルコキシ、フェノキシ、芳香族、フェニル、多環式芳香族,複素環、水溶性基および結合部分)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
用語「アルキル」は、飽和または不飽和の、分枝鎖、直鎖、分枝または環式の炭化水素ラジカル(親アルカン、アルケンまたはアルキンの単一炭素原子から1つの水素原子の除去によって誘導される)を意味する。代表的なアルキル基は、1〜12の飽和および/または不飽和の炭素(メチル、エチル、プロピル、ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない)からなる。
【0040】
「アルコキシ」は、−ORを意味し、ここで、Rは(C〜C)アルキルである。
【0041】
「アルキルジイル」は、飽和または不飽和の、分枝鎖、直鎖または環式の1〜20個の炭素原子の炭化水素ラジカル(親アルカン、アルケンまたはアルキンの、同一または異なる2つの炭素原子から2つの水素原子の除去によって誘導される2つの一価のラジカル中心を有する)を意味する。代表的なアルキルジイル基としては、1,2−エチルジイル、1,3−プロピルイジル、1,4−ブチルジイルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
「アリール」は、親芳香環系の単一炭素原子から1つの水素原子の除去によって誘導される6〜20個の炭素原子の一価の芳香族炭化水素ラジカルを意味する。代表的なアリール基としては、ベンゼン、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニルなどから誘導されたラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
「アリールジニル」は、共役共鳴電子系および親アリール化合物の異なる2つの炭素原子から2つの水素原子の除去によって誘導される少なくとも2つの一価のラジカル中心を有する、6〜20個の不飽和の環式または多環式炭化水素を意味する。
【0044】
「複素環」は、環に、少なくとも1つの非炭素原子を有する任意の環系を意味する。
【0045】
「置換アルキル」、「置換アルキルジイル」、「置換アリール」および「置換アリールジイル」は、それぞれアルキル、アルキルジイル、アリールおよびアリールジイルを意味し、ここで、1つ以上の水素原子は、互いに独立して、別の置換基と置換される。代表的な置換基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:−X、−R、−OH、−OR、−SR、−SH、−NH、−NHR、−NR、−NR、−N=NR、−CX、−CN、−OCN、−SCN、−NCO、−NCS、−NO、−NO、−N 、−N、−NHC(O)R、−C(O)R、−C(O)NR、−S(O)O−、−S(O)R、−OS(O)OR、−S(O)NR、−S(O)R、−OP(O)(OR)、−P(O)(OR)、−P(O)(O、−P(O)(OH)、−C(O)R、−C(O)X、−C(S)R、−C(O)OR、−CO 、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(S)SR、−C(O)NR、−C(S)NR、−C(NR)NR、ここで、各Xは、独立して、ハロゲンであり、そして各Rは、独立して−H、C〜Cアルキル、C〜C14アリール、複素環、あるいは結合基。
【0046】
「核間アナログ」は、以下のようなオリゴヌクレオチドのリン酸エステルアナログを意味する:(i)アルキルホスホネート(例えば、C〜Cアルキルホスホネート、特に、メチルホスホネート;(ii)ホスホラミダイト;(iii)アルキルホスホトリエステル(例えば、C〜Cアルキルホスホトリエステル;(iv)ホスホロチオネート;および(v)ホスホロジチオエート。核間アナログはまた、非ホスフェートアナログを含み、ここで、この糖/リン酸サブユニットは、骨格構造を含む非リン酸によって置換される。非リン酸オリゴヌクレオチドアナログの1つの型は、一般にPNAと称される、2−アミノエチルグリシン単位のようなアミド結合を有する(Nielsen(1991)、「Sequence−selective recognition of DNA by strand displacement with a thymidine−substituted polyamide」、Science 254:1497−1500)。
【0047】
「水溶性基」は、水溶液中の本発明の化合物の溶解度を増加させる置換基を意味する。例示的な水溶性基としては、四級アミン、スルフェート、スルホネート、カルボキシレート、ホスホネート、ホスフェート、ポリエステル、ポリヒロドキシルおよびボロネートが挙げられるが、これらに限定されない。
「アレイ」は、固体支持体上または管のアライメント内に存在するオリゴヌクレオチドの予め決定された空間的アライメントを意味する。
【0048】
(V.2 オリゴヌクレオチド合成)
本発明の試薬および方法によって切断され、そして脱保護されるオリゴヌクレオチドは、以下を用いるホスホラミダイト法によって固体支持体上で合成され得る(米国特許番号第4,415,732号および同第4,973,679号;Beaucage,S.and Iyer,R.(1992)Tetrahedron 48:2223−2311):(1)3’ホスホラミダイトヌクレオシド、I(2)支持体、例えば、シリカ、制御された有孔のガラス(controlled−pore−glass)(米国特許番号第4,458,066号)およびポリスチレン(米国特許番号第5,047,524号および同第5,262,530号)、ならびに(3)自動化合成機(Models 392,394,3948,3900 DNA/RNA Synthesizers,Applied Biosystems)。他の支持体材料としてはポリアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートポリアミド、ポリエチレン、ポリエチレンオキシ、またはこれらのコポリマーおよび移植片が挙げられる。
【0049】
概して、ホスホラミダイト法の合成は、効率的でかつ迅速な結合および出発ヌクレオチドモノマーの安定性の理由から、好ましい。この方法は、オリゴヌクレオチド鎖が固体支持体上で成長するために、最も一般的には、3’側から5’側方向において、3’末端ヌクレオシドが結合による合成開始では固体支持体に結合されるために、モノマー(例えば、構造I)の環状付加を伴う。この結合としては、代表的に、塩基変動性の官能基(例えば、スクシネート、ジグリコレート、オキサレートまたはヒドロキノン−ジアセテート(Pon(1997) Nucleic Acids Res.25:3629−35))が挙げられ、そしてアンモニア、アミン、カーボネート、水酸化物および他の試薬によって切断される。3’ホスホラミダイトヌクレオシドモノマー単位は、市販されており、そして一般構造I:
【0050】
【化5】
Figure 2004521628
を共有し、ここで、Rは、保護基または置換基(例えば、2−シアノエチル、メチル、低級アルキル、置換アルキル、フェニル、アリールおよび置換アリール)であり、;RおよびRは、アミン置換基(例えば、イソプロピル、モルホリノ、メチル、エチル、低級アルキル、シクロアルキルおよびアリール)であり、;Rは、環外の窒素保護基(例えば、ベンゾイル、イソブチリル、アセチル、フェノキシアセチル、アリールオキシアセチル、フタロイル(米国特許番号第5,936,077号)、2−(4−ニトロ−フェニル)エチル、ペント−4−エノイル、ジメチルホルムアミジン(dmf)、ジアルキルホルムアミジンおよびジアルキルアセトアミジンであり;そしてRは、酸不安定保護基(例えば、4,4’−ジメトキシトリチル(DMT)、4−メトキシトリトル(MMT)、ピクイル(pixyl)、トリチルおよびトリアルキルシリル)である。あるいは、オリゴヌクレオチドは、5’側から3’側方向に合成され得れ、ここで、5’側はホスホラミダイトヌクレオシドモノマー(例えば、5’にホスホラミダイト基)を有し、そして3’側は保護基を有する(Wagner(1997) Nucleosides & Nucleotides,16:1657−60)。
【0051】
本発明の試薬および方法を用いる切断および脱保護は、固体支持体へのより不安定な結合およびより不安定な保護基を用いてオリゴヌクレオチド上で実行され得る。より不安定な核酸塩基保護基は、市販されている(例えば、フェノキシアセチル型:ExpediteTM(Sinha(1993)Biochimie 75:13−23;Applied Biosystems社製,Foster City,CA)およびPACホスホラミダイトTM(米国特許番号第4,980,460号;Schulhof(1987)Nucleic Acids Res.15:397−416;Schulhof(1988)Nucleic Acids Res.16:319;Amersham Pharmacia社製)ならびにホルムアミジンおよびアセトアミジン(McBride(1986)J.Amer.Chem.Soc.108:2040−48;Froehler(1983)Nucleic Acids Res 11:8031−36;Theisen(1993)Nucleosides & Nucleotides 12:1033−46)。これらの不安定な保護基は、最初の生成セットよりも有意に速く脱保護される。例えば、このセット(AbZ、CbZ、Gdmf、T(FastphoramiditeTM,Applied Biosystems,Foster City,CA))は、完全な脱保護のために濃水酸化アンモニウム中で、65℃でたった1時間だけを必要とする。
【0052】
本発明は、結合を通して任意の固体支持体に共有結合されるオリゴヌクレオチド上で実施され得る。この固体支持体は、オリゴヌクレオチドが結合または合成され得る任意の配置、容積またはスケールにおいて、任意の材料であり得る。代表的な固体支持体としては、ビーズまたは高度に架橋結合したポリスチレンの粒子(米国特許第5,047,524号;同第5,262,530号)、あるいは制御された有孔性ガラスが挙げられる。空間的に、固体支持体は、平均直径約1〜100μmであり得、そして単分散または広範な大きさおよび形状であり得る。これらのビースまたは粒子は、注入開口部および排出開口部を有するカラム内に封入され得る。ホスホラミダイトの合成法を実行するための試薬は、自動化合成機上に取り付けたカラムに流入され得る。あるいは、固体支持体は、多孔性膜、フィルター、フリットまたは他の流入デバイス、または類似する試薬の流れを実行する流入形状であり得る。
【0053】
あるいは、固体支持体は、不浸透性、剛体有機ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、およびそれらのコポリマー)であり得る。なお別の固体支持体は、非多孔性の平面材料(例えば、ガラス、石英またはダイヤモンド(EP 1063286))であり得る。適切な材料としてはまた、金属(例えば、アルミニウム、金、白金、銀、銅などまたはそれらの合金)が挙げられる。これらの金属は、固体ブロックまたは表面(層を含む)であり得る。これらの金属は、スライド、薄板、平面、またはディスクの形状(WO 01/01142)において、少なくとも1つの実質的に平面を有し得る。1つの実施形態において、ガラスのようなブロック材料は、金属層または薄膜(例えば、金、銀、銅または白金)でコートされる。金属薄膜の堆積は、電子ビームエバポレーションのような方法によって実施され得る。この金属層は、オリゴヌクレオチドが結合される反応性官能基で誘導体化される。例えば、金層は、オリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端へのジスルフィド結合で誘導体化され得る。
【0054】
無機固体支持体(例えば、ガラス、制御された有孔性ガラス、シリカゲル)は、代表的にシラン試薬(例えば、アミノアルキル−トリアルコキシシランまたはメルカプトアルキル−トリアルコキシシラン、これらはそれぞれアミノ官能基およびチオール官能基を生じる)で誘導体化され得る。次いで、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド合成のための出発ヌクレオシド、または一般的な支持試薬は、アミノまたはチオールで誘導体化される固体支持体に共有結合される。
【0055】
オリゴヌクレオチドが合成または結合され得る固体支持体表面のアレイは、並行様式または経時的な形式において、本発明の方法および試薬を用いる切断または脱保護を実行し得る。アレイに関する保護したオリゴヌクレオチドの1つまたはサブセットは、マスキング、標的化した試薬の送達、または試薬への曝露に指向させる他の手段によって選択的に切断され、そして脱保護され得る(Fodor,米国特許第5,445,934号)。
(V.3 オリゴヌクレオチドの切断方法および脱保護方法)
合成が完成する際、固体支持体結合オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドと固体支持体との間の共有結合の化学的切断により支持体から除去され、オリゴヌクレオチドから残存する全ての保護基(核塩基からのPおよびヌクレオチド間結合からのシアノエチルを含む)を除去するために脱タンパク質化される。切断および脱保護の工程は、Pがアミド型保護基であり、そしてリンカーがエステル(構造II)の場合、同一の試薬(例えば、濃水酸化アンモニウム)を用いて同時発生し、そして実行され得る。あるいは、切断および脱保護の工程は、「直交する(orthogonal)」試薬を用いて、個々に実行され得る。例えば、リンカーがジスルフィドである場合、核酸塩基Pおよびリン酸保護基は、水酸化アンモニウムを用いて保護したオリゴヌクレオチドから除去され得、そして脱保護したオリゴヌクレオチドは、固体支持体に結合されたままである。対照的に、同一の保護したオリゴヌクレオチドは、ジチオスレイトールのようなジスルフィド選択的切断試薬を用いて、そのインタクトな保護基で個体支持体から切断され得る。切断および脱保護の正味の結果は、保護したオリゴヌクレオチドIIおよび切断および脱保護したオリゴヌクレオチドIIIの構造:
【0056】
【化6】
Figure 2004521628
によって例示され得る。
【0057】
本発明の1つの実施形態において、保護したオリゴヌクレオチドの3’末端は、構造II(5〜約100のヌクレオチドのうち2つのヌクレオチドを示す)によって示される。これらの核酸塩基は、塩基不安定な保護基Pで保護されている。例示的なセットは、AbZ、GibU、CbZおよびTである。核間リン酸基は、2−シアノエチル、メチルまたはいくつかの他の保護基によって保護され得る。3’末端は、構造IIにおいて、結合(linkage)、リンカーによって固体支持体Sに結合される。結合としては、塩基不安定な官能基(例えば、エステル、カルバメートまたはホスフェート)が挙げられる(EP 839 829)。代表的な3’のエステルは、スクシネート、ジグリコレート、オキサレートまたはヒドロキノン−ジアセテートである。合成後、保護したオリゴヌクレオチドは、本発明の脱保護試薬と反応され、核酸塩基保護基であるPおよび核間ホスフェート保護基である2−シアノエチルの除去をもたらす。同時にか、または個々に、3’末端結合は、固体支持体からオリゴヌクレオチドを分離するために切断され、最終的に切断および脱保護したオリゴヌクレオチド(構造IIIによって示される)を生じる。
【0058】
別の実施形態において、結合は、切断されないように(すなわち、合成および脱保護の工程の間の切断に耐性であるように)選択される。切断されない結合は、官能基の不活性型(例えば、アミド、アルキル、ホスフェートまたはエーテルの官能基)を含み得る。切断されない結合を用いて合成したオリゴヌクレオチドは、本発明の試薬および方法によって脱保護され得、そして固体支持体形状(例えば、バイオチップ、DNAチップまたはアレイ)で使用され得る。この固体支持体形状には、多くの脱保護されたオリゴヌクレオチドが固体基板上に固定される。従って、オリゴヌクレオチドに結合した剛体またはマトリクスの固体支持体は、既知の配置に、および相補的核酸または他の試薬、光、レーザー、電流または検出装置によってアドレス可能に配列され得る。
【0059】
別の実施形態において、固体支持体への連結は、選択的に切断可能(すなわち、合成および脱保護工程の間は切断に対して抵抗性であるが、他の試薬または条件により切断可能)であるよう選択される。固体支持体への連結は、C−SiまたはO−Si結合を含む場合に選択的に切断可能であり得、フッ化物陰イオン試薬(フッ化テトラブチルアンモニウムまたはフッ化水素トリエチルアンモニウム)を用いて実施される。連結は、ジスルフィド−S−S−官能基を含む場合に選択的に切断可能であり得、ジチオトレイトールまたは他のジスルフィド切断試薬によって切断され得る。連結は、オルト−ニトロベンジル基を含む場合に選択的に切断可能であり得、光分解条件下で切断される。
【0060】
本発明の驚くべきであり、予想されなかった局面は、活性メチレン試薬およびアミン試薬を含む脱保護試薬がオリゴヌクレオチドの切断および脱保護に有効であり、役立つことである。本発明の新規の脱保護試薬および方法は、オリゴヌクレオチド(それらの共有結合した標識を含む)の汚染および改変を引き起こす望まない副反応を最小限に抑え得る。アミン試薬は、求核試薬として作用して保護基を置換し、そして活性メチレン化合物は、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド上の任意の標識を改変するようさらに反応し得る特定の中間体と反応するかまたはそれらを不活性にするように作用する。他の機構が起こり得、そして他の利益が、本発明の脱保護試薬の使用から生じ得る。
【0061】
1つの実施形態において、アミン試薬および活性メチレン化合物は、一緒に混合されて、保護されたオリゴヌクレオチドの保護基を除去するために適用され得る脱保護試薬を提供する(実施例1〜3)。この反応は、室温または上昇した温度で実施され得る。保護されたオリゴヌクレオチドが連結を通して固体支持体に共有結合されている場合、保護基を除去するプロセスは、固体支持体からのオリゴヌクレオチドの除去と同時に起こり得る。切断後、切断されたオリゴヌクレオチドは、フリットもしくはメンブレンを通した濾過またはデカンテーションにより固体支持体から分離され得る。切断されたオリゴヌクレオチドはさらに、上昇した温度の下でかまたは保護基の除去を補助する他の試薬の添加により脱保護され得る。脱保護が完了した場合、脱保護されたオリゴヌクレオチドは、従来の周知の手段(例えば、エバポレーション、沈殿、電気泳動、クロマトグラフィー、または疎水性カートリッジ手順)により脱保護試薬から分離され得る。脱保護試薬中の1つ以上の化合物は、気体流または真空下でのエバポレーションにより除去されるように十分に揮発性であり得る。
【0062】
アミン試薬は、液体処方物中にてかまたは気体状態で使用され得る(Boal(1996)Nucleic Acids Res.24:3115−17)。特定のアミンは、室温および圧力にて気体であり(例えば、アンモニア(bp=−33℃))、そしてオリゴヌクレオチド保護基を除去し、切断を実行するのに有効である(Kempe、米国特許第5,514,789号)。保護されたオリゴヌクレオチドは、密閉された、加圧された空間、容器、またはボンベ中でアンモニア気体と接触され得る。アンモニアは、加圧された容器から気体として導管を通して送達され得る(Kempe、米国特許第5,738,829号)かまたは保護されたオリゴヌクレオチドもまた含む密閉された空間内で水酸化アンモニウム水溶液から生成され得る。後者の実施形態において、アンモニア気体またはアンモニアおよび水の蒸気は、開放された容器の包囲された空間(例えば、フラスコの皿)における水酸化アンモニウム水溶液の内包により生成され得る。試薬の気体状態は、包囲された空間内の温度が上昇することにより、濃度において増加する(実施例6)。
【0063】
別の実施形態において、活性メチレン化合物は、アミン試薬の前にかまたはアミン試薬を含む混合物中にて保護されたオリゴヌクレオチドと接触し得る。1つの実施形態において、活性メチレン化合物および溶媒は混合され、保護されたオリゴヌクレオチドが共有結合されている固体支持体を湿らすために使用される。十分な量の混合物が、固体支持体を覆うかまたはその表面を湿らすために(例えば、フロースルー容器(例えば、カラム)において)送達される(実施例6)。アミン試薬は、固体支持体付近に送達され、十分な量の活性メチレン試薬が保持されることを確実にする。従って、活性メチレン試薬の副作用抑制利益は、試薬の連続的な送達により実現される。
【0064】
(V4.オリゴヌクレオチドの切断および脱保護のための試薬)
オリゴヌクレオチドは、活性メチレン化合物およびアミン試薬を含む本発明の新規試薬により切断および/または脱保護され得る。活性メチレン化合物は、塩基性条件下(代表的には、約6〜20のpKa)で除去可能な炭素に結合した酸性プロトンを保有する有機試薬を含む。活性メチレン化合物は、脱保護試薬の1〜10体積%を構成し得る。活性メチレン化合物は、以下の構造:
【0065】
【化7】
Figure 2004521628
により表される。ここで、炭素基の酸性度は、電子求引基(EWG)により増加される。酸性炭素上の他の置換基(R)は、第2または第3の電子求引基、水素、アルキル、アリール、またはpKa=約6〜20の範囲でプロトンを酸性にする任意の官能基であり得る。電子求引基としては、ニトロ、ケトン、エステル、カルボン酸、ニトリル、スルホン、スルホネート、スルホキシド、ホスフェート、ホスホネート、ニトロキシド、ニトロソ、およびトリフルオロメチルが挙げられる。電子求引基としてはまた、1つ以上のニトロ基、ケトン基、エステル基、カルボン酸基、ニトリル基、スルホン基、スルホネート基、スルホキシド基、ホスフェート基、ホスホネート基、ニトロキシド基、ニトロソ基、およびトリフルオロメチル基で置換されたアリール基が挙げられる。活性メチレン化合物の有用なクラスとしては、以下が挙げられる:(i)1,3ケト−エステル(例えば、エチルアセトアセテート);(ii)1,3ジケトン(例えば、2,4−ペンタンジオンおよびシクロヘキサンジオン)、(iii)マロネート誘導体(例えば、マロノニトリル、マロン酸、マロンアミド、およびジアルキルマロネートジエステル)。ジアルキルマロネートジエステルとしては、ジメチルマロネート、ジエチルマロネート(DEM)、ジ−n−プロピルマロネート、およびジイソプロピルマロネートが挙げられる。
【0066】
活性メチレン化合物の濃度の効果を、0%、0.1%、1%、および3%のジエチルマロネートを含有する4つのエタノール性アンモニア(15%エタノール:濃NHOH)試薬を用いて調査した(実施例2a〜2d)。4つの試薬各々を用いて蛍光色素、消光部分、および小溝結合剤(minor groove binder)で標識されたオリゴヌクレオチドの一部を切断および脱保護した(実施例3)。逆相HPLCによる分析は、活性メチレン化合物を含まない試薬(0% DEM)における有意な混入による汚染を示した。0.1% DEMの存在により、この汚染の大部分が消滅した。1%および3%の存在は、本質的に全ての後で溶出する汚染を消滅させた。
【0067】
活性メチレン化合物が溶媒に溶解され、そしてアミン試薬処理の前に、保護されたオリゴヌクレオチドが共有結合された固体支持体を湿らすために使用される1つの実施形態において、溶媒は、アルコール、エーテル、アミド、アセトニトリル、ジクロロメタン、またはジメチルスルホキシドから選択され得る。アルコール溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、または1,2−エチレングリコールが挙げられる。エーテル溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、または1,2−ジメトキシエタンが挙げられる。アミド溶媒としては、アセトアミド、ホルムアミド、ベンズアミド、またはジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0068】
アミン試薬は、気体状態において使用されるか、または固体支持体上のオリゴヌクレオチドを処理するための溶液として水に溶解され得る。アミン試薬の組成は、保護されたオリゴヌクレオチドと反応して保護基を除去する第一級アミン基、第二級アミン基、または第三級アミン基を有する任意の試薬を含む。従って、アミン試薬としては、以下が挙げら
れる:(i)アンモニア(NH)ガス;(ii)水または水とアルコール溶媒との混合物中に水酸化アンモニウム(NHOH)として溶解されたアンモニア;(iii)アルキルアミン、RNH、およびRNH(ここで、RはC〜Cアルキルである);(iv)アルキルジアミンおよびアリールジアミン、HN−R−NH(ここで、RはC〜C20アルキルジイルまたはC〜C20アリールジイルである);(v)ホルムアミジン(例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)および1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN))。
【0069】
アルコール溶媒としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロパノール、および試薬の溶解、固体支持体の加湿、反応速度の増加、または副反応の最小化を補助する他のヒドロキシル含有試薬が挙げられる。アルコール溶媒は、脱保護試薬の1〜30体積%を構成し得る。
【0070】
アミン試薬は、密閉系または密閉環境においてオリゴヌクレオチドを有する溶液から生成された気体状態でオリゴヌクレオチドと接触され得る。例えば、固体支持体に結合された保護されたオリゴヌクレオチドは、水酸化アンモニウム溶液の開放容器をさらに含む容器中に密閉され得る。この容器は、シールされ得るか、または大気に対して開放され得る。シールされる場合、この容器は、ボンベ装置の様式で加熱され得る。従って、アンモニア蒸気は、オリゴヌクレオチドと接触し得、そして保護基を除去し得る。あるいは、アミン試薬は、オリゴヌクレオチドを含むカラムまたは容器を通されるかまたはそれらに送達され得る。例えば、アミン試薬は、自動合成機に導入され、そしてプログラムされた試薬送達の一部としてカラムに送達され得、カラムの入口および出口開放部を通過して流れ得る。活性メチレン試薬は、アミン試薬の前に、またはアミン試薬との混合物として、オリゴヌクレオチドを含む容器に送達され得る。
【0071】
オリゴヌクレオチドが合成される1つ以上のカラムは、本発明の脱保護方法が実行され得るホルダー装置(例えば、マイクロタイターウェルトレイ)に配置さえ得るかまたはホルダー装置に移され得る。ホルダーは、脱保護試薬もまた配置または送達される、密閉可能な容器中に囲まれ得る。例えば、カラムの固体支持体上に保護されたオリゴヌクレオチドを含むホルダーは、ステンレス綱圧力容器においてシールされ得る。脱保護試薬は、シールの前に容器中に配置され得るか、または導管を通して容器中に送達され得る。この一般的な様式において、複数の(例えば、数個の、または数百の)オリゴヌクレオチドは、同時に切断および脱保護され得る。あるいは、カラムの1つより多いホルダーは、この容器中にシールされ得る。また、ホルダーは、手動での介入またはプログラムされたロボット手段によって、連続的に導入および処理され得る。
【0072】
(V.5 標識されたオリゴヌクレオチド)
本発明の新規試薬および方法により切断および脱保護されるオリゴヌクレオチドは、標識試薬と結合され、「標識」され得る。このような結合体は、DNA配列決定用プライマー、PCRプライマー、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブ、オリゴヌクレオチド連結プローブ、二重標識5’−エキソヌクレアーゼ(TaqManTM)プローブ、電気泳動用サイズスタンダード(すなわち、「レーンスタンダード」または「レーンマーカー」)などとしての有用性を見出し得る(米国特許第4,757,141号;Adnrus、「Chemical methods for 5’non−isotopic labelling of PCR probes and primers」(1995)PCR2:A Practical Approach、Oxford University Press、Oxford、pp.39−54;Hermanson、Bioconjugate Techniques、(1996)Academic Press、San Diego、CA、pp.40−55、643−71;Mullah(1998)Nucl.Acids Res.26:1026−1031)。
【0073】
特定の標識は、蛍光、化学発光、または電気化学的発光による標識されたオリゴヌクレオチドの検出のためにシグナルを提供する(Kricka,L.、Nonisotopic DNA Probe Techniques(1992)、Academic Press、San Diego、pp.3−28)。オリゴヌクレオチドを標識するのに有用な蛍光色素として、フルオレセイン、ローダミン(米国特許第5,366,860号;同第5,847,162号;同第5,936,087号;同第6,008,379;同第6,191,278号)、エネルギー移動色素(米国特許第5,863,727号;同第5,800,996号;同第5,945,526号)およびシアニン(Kubista、WO97/45539)が挙げられる。フルオレセイン色素の例として、6−カルボキシフルオレセイン;2’,4’,1,4−テトラクロロフルオレセイン;および2’,4’,5’,7’,1,4−ヘキサクロロフルオレセイン(Menchen、米国特許第5,118,934号)が挙げられる。蛍光は、大部分が、多くの連結実験および用途(例えば、オリゴヌクレオチド連結アッセイおよび他のインビトロでのDNAプローブに基づく診断試験)の好ましい検出方法として放射活性にとって代わる。
【0074】
標識の別のクラスとして、蛍光消光剤が挙げられる。消光剤の発光スペクトルは、近接する分子内蛍光色素または分子間蛍光色素と重複し、その結果、蛍光色素の蛍光は、蛍光共鳴エネルギー移動「FRET」の現象によって実質的に消去されるかまたは消光される(Clegg(1992)「Fluorescence resonance energy transfer and nucleic acids」、Meth.Enzymol.211:353−388)。本発明におけるFRETの例は、オリゴヌクレオチドが蛍光色素および蛍光消光剤で標識される場合である。特定の消光剤として、以下が挙げられるがこれらに限定されない:(i)テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラプロパノ−6−カルボキシローダミン(ROX)からなる群より選択されるローダミン色素;(ii)ジアゾ化合物(例えば、DABSYL、DABCYL(Matayoshi(1990)Science 247:954−58;Tyagi、WO95/13399)、Fast Black(Nardone、米国特許第6,117,986号);(iii)シアニン色素(Lee、米国特許第6,080,868)、および(iv)他の発色団(例えば、アントラキノン、マラカイトグリーン、ニトロチアゾール、およびニトロイミダゾール化合物など)。
【0075】
エネルギー移動色素は、オリゴヌクレオチド標識の別の型である。エネルギー移動色素標識として、アクセプター色素に連結されたドナー色素が挙げられる(米国特許第5,800,996)。第1の波長の光(例えば、レーザー由来)は、ドナー色素(例えば、FAM)によって吸収される。ドナー色素は、アクセプター色素によって吸収される励起エネルギーを発する。アクセプター色素は、第2の長波長の蛍光を発する。エネルギー移動標識のドナー色素およびアクセプター色素は、ドナー色素(例えば、FAM)の4’または5’位とアクセプター色素の5−カルボキシ基または6−カルボキシ基を連結する連結により結合され得る。他の剛性または非剛性の連結が有用であり得る。
【0076】
金属ポルフィリン錯体(例えば、アルミニウムフタロシアニンテトラスルホネート(Stanton、WO88/04777)および化学発光化合物(例えば、1,2−ジオキセタン化学発光部分(Bronstein、米国特許第4,931,223号)は、有用なオリゴヌクレオチド標識の他の例である。
【0077】
標識(本明細書中で、ハイブリダイゼーション安定化部分と呼ばれる)の別のクラスとして、小溝結合剤(Blackburn,M.およびGait,M.、Nucleic Acids in Chemistry and Biology(1996)Oxford University Press、p337−46)、インターカレート剤、ポリカチオン(例えば、ポリリジンおよびスペルミン)、および架橋した官能基が挙げられるがこれらに限定されない。ハイブリダイゼーション安定化部分は、塩基対形成の安定性(すなわち、親和性)またはハイブリダイゼーション速度(二重鎖の高温溶解温度(Tm)により例示される)を増加させ得る。ハイブリダイゼーション安定化部分はまた、完全に相補的なオリゴヌクレオチドと標的配列(得られる二重鎖は、1つ以上のワトソン/クリックの塩基対形成の不一致を含む)との間のTmにおける大きな差違により示される、塩基対形成の特異性を増加させ得る(Blackburn,M.およびGait,M.、Nucleic Acids in Chemistry and Biology(1996)Oxford University Press、pp.15〜81)。ハイブリダイゼーションの特異性および親和性を増強する標識(例えば、小溝結合剤および親和性リガンド標識)が望ましい。ビオチンおよびジゴキシゲニンは、オリゴヌクレオチドの捕捉および単離のための有用な親和性リガンド標識である。小溝結合剤としては、Hoechst 33258、CDPI1〜3(米国特許第6,084,102号;WO96/32496;Kutyavin(2000)Nucleic Acids Res.28:655−61)、ネトロプシン、およびジスタマイシンが挙げられる。他の有用な標識としては、電気泳動移動度変更剤(electrophoretic mobility modifier)、アミノ酸、ペプチド、および酵素が挙げられる。
【0078】
標識されたオリゴヌクレオチドは、以下の式IV:
【0079】
【化8】
Figure 2004521628
を有し得る。ここで、オリゴヌクレオチドは、2〜1000ヌクレオチドを含む。標識は、保護形態または非保護形態の蛍光色素であり、代表的なクラスの標識であり、これには、エネルギー移動色素が挙げられる。Bは任意の核酸塩基(例えば、ウラシル、チミン、シトシン、アデニン、7−デアザアデニン、グアニン、および8−デアザグアノシン)である。Lは連結(例えば、プロパルギルアミン(米国特許第5,047,519号;同第5,770,716号;同第5,821,356号;同第5,948,648号))である。RはH、OH、ハライド、アジド、アミン、C〜Cアミノアルキル、C〜Cアルキル、アリル、保護されたヒドロキシル、トリアルキルシリルオキシ、tert−ブチルジメチルシリルオキシ、C〜Cアルコキシ、OCH、またはOCHCH=CHである。Rは、H、ホスフェート、インターヌクレオチドホスホジエステル(internucleotide phosphodiester)、またはインターヌクレオチドアナログ(internucleotide analog)である。Rは、H、ホスフェート、インターヌクレオチドホスホジエステル、またはインターヌクレオチドアナログである。この実施形態において、核酸塩基標識オリゴヌクレオチドIVは、核酸塩基を通して結合された複数の標識を保有し得る。核酸塩基標識オリゴヌクレオチドIVは、(i)自動合成機によるヌクレオシドホスホルアミダイト試薬のカップリングまたは(ii)標識試薬の合成後カップリングにより形成され得る。5’末端に標識されたオリゴヌクレオチドは、以下の構造V:
【0080】
【化9】
Figure 2004521628
を有する。ここで、XはO、NH、またはSであり;RはH、OH、ハライド、アジド、アミン、C〜Cアミノアルキル、C〜Cアルキル、アリル、C〜Cアルコキシ、−OCH、または−OCHCH=CHであり;Rは、H、ホスフェート、インターヌクレオチドホスホジエステル、またはインターヌクレオチドアナログであり;そしてLは、C〜C12アルキルジイル、C〜C20アリールジイル、または100個までのエチレンオキシ単位のポリエチレンオキシである。
【0081】
種々の標識は、オリゴヌクレオチドの3’末端に共有結合され得る。標識を保有するかまたは合成後反応により標識され得る官能性を保有する固体支持体は、オリゴヌクレオチド合成のための固体支持体として使用され得る(米国特許第5,141,813号;同第5,231,191号;同第5,401,837号;同第5,736,626号)。このアプローチにより、標識または官能性は、オリゴヌクレオチドの合成の間、存在する。切断および脱保護の間、標識または官能性は、オリゴヌクレオチドに対して共有結合されたままである。3’末端で標識されたオリゴヌクレオチドは、以下の構造VI:
【0082】
【化10】
Figure 2004521628
を有し得る。
【0083】
式IV、V、VI中の結合Lは、標識(LABEL)上の任意の部位にて結合され得る。
【0084】
標識化は、公知の標識、結合、連結基、標準試薬および反応条件、ならびに分析方法および精製方法を用いる、多数の公知の技術のいずれか1つを使用して、達成され得る。一般に、この標識およびオリゴヌクレオチドに連結する結合は、(i)ハイブリダイゼーションを阻害するべきでも、(ii)酵素活性を阻害するべきでも、(iii)標識の特性(例えば、色素の蛍光をクエンチまたは漂白する特性)に悪影響を与えるべきでもない。オリゴヌクレオチドは、核酸塩基、糖、ヌクレオチド間結合、および5’末端および3’末端を含む部位にて標識され得る。オリゴヌクレオチドは、これらの部位のいずれかで、反応性アミノ基、チオール基、スルフィド基、ジスルフィド基、ヒドロキシル基およびカルボキシル基を有するように官能基化され得る。核酸塩基標識部位としては、一般に、プリンまたはデアザプリンの7−デアザ位またはC−8位、およびピリミジンのC−5位が挙げられる。この標識と核酸塩基との間の結合は、アセチレンアミド結合またはアルケンアミド結合であり得る。代表的に、この標識上のカルボキシル基は、活性化エステル(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル)を形成することによって活性化され、そしてアルキニルアミノ誘導体化核酸塩基またはアルケニルアミノ誘導体化核酸塩基上のアミノ基と反応される。標識は、5’末端にて(Andrus,A.「Chemical methods for 5’ non−isotopic labelling of PCR probes and primers」(1995)PCR 2:A Practical Approach,Oxford University Press,Oxford,pp.39〜54)、自動化プロトコルの一部として、蛍光色素および他の標識(これらは、ホスホラミダイト試薬として官能基化されている)とともに、最も簡便でかつ効果的に導入される。
【0085】
オリゴヌクレオチドは、5’末端および3’末端の両方にて標識され得る。各末端は、1つ以上の標識を有し得る。例えば、実施例1〜4は、5’末端の蛍光色素および2つの標識、3’末端のクエンチャーQおよび副溝結合剤CDPIを有するオリゴヌクレオチドを含む。
【0086】
合成オリゴヌクレオチドを標識するための第一の方法において、求核性官能基(例えば、第一級脂肪族アミン)が、オリゴヌクレオチド上の標識結合部位(例えば、5’末端)にて導入される。自動化した固体支持体合成が完了した後、このオリゴヌクレオチドは、支持体から切断され、そして全ての保護基が取り除かれる。この求核性オリゴヌクレオチドは、求電子性部分(例えば、イソチオシアネートまたは活性化エステル(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)))を含む過剰な標識試薬と、均一な溶液条件下で反応される(Hermanson,Bioconjugate Techniques,(1996)Academic Press,San Diego,CA.pp.40−55,643−71;Andrus,A.「Chemical methods for 5’ non−isotopic labelling of PCR probes and primers」(1995)PCR 2:A Practical Approach,Oxford University Press,Oxford,pp.39−54)。標識されたオリゴヌクレオチドIV、VまたはVIは、色素の反応性結合基形態(例えば、NHS)を、アミノ、チオールまたは他の求核試薬で官能基化されたオリゴヌクレオチドと反応させることによって形成され得る(米国特許第4,757,141号)。
【0087】
第二の方法において、標識は、例えば、支持体試薬としてか(米国特許第5,736,626号および同第5,141,813号)または非ヌクレオシドホスホラミダイト試薬として、自動化合成の間かまたは自動化合成の前に、オリゴヌクレオチドに直接取り込まれる。特定の蛍光色素および他の標識は、5’標識化のためのホスホラミダイト試薬として官能基化されている(Theisen(1992)Nucleic Acid Symposium Series No.27,Oxford University Press,Oxford,pp.99−100)。
【0088】
ポリヌクレオチドは、電気泳動移動の速度に影響を及ぼす部分(すなわち、移動度改変標識(mobility−modifying label))で標識され得る。移動度改変標識としては、ポリエチレンオキシ単位である−(CHCHO)−が挙げられ、ここで、nは、1〜100であり得る(米国特許第5,624,800号)。このポリエチレンオキシ単位は、リン酸基で散在され得る。別々の既知のサイズのポリエチレンオキシの標識で特異的に標識されるポリヌクレオチドは、このポリヌクレオチド中のヌクレオチドの数とは実質的に無関係に、電気泳動による分離が可能である。すなわち、同じ長さのポリヌクレオチドが、スペクトルによって分解可能な色素標識および移動度改変標識の存在によって、識別され得る。色素標識と移動度改変標識との両方を有するポリヌクレオチドは、単一標識ポリヌクレオチドまたはヌクレオチド構成要素のライゲーションまたはポリメラーゼ伸長によって、酵素学的に形成され得る。
【0089】
本発明は、特に、複数の標識および異なる標識を有するポリヌクレオチドを切断および脱保護するのに十分に適している。
【0090】
(V.6 実施例)
本発明は、以下の実施例を考慮することによって、さらに明らかになる。これらの実施例は、本発明を純粋に例示し、本発明の範囲をいかなる様式においても制限しないことが意図される。
【0091】
(実施例1)
オリゴヌクレオチドT−Q−CDPI
5’TTT TTT TT−Q−CDPI3’(配列番号1)
を、Model 3948 DNA Synthesizer(Applied Biosystems,Foster City,CA)によって合成した。8サイクルのホスホラミダイト化学を、クエンチャー標識Qおよび副溝結合剤標識CDPIを含む12μmole/gmの結合部で充填した16mg(200nmole)の高架橋ポリスチレンビーズ支持体を含むカラム中で、チミジン3’ホスホラミダイトを用いて行った。このクエンチャー標識Qは、以下の構造を有する:
【0092】
【化11】
Figure 2004521628
ここで、Xは、結合のための結合部位である。この副溝結合剤標識CDPIは、以下の構造を有する:
【0093】
【化12】
Figure 2004521628
ここで、Xは、結合のための結合部位である。
【0094】
この支持体を、2つの部分に分けた。第一の部分を、15%のエタノールアンモニア(15:85 v/v EtOH:濃NHOH)で、55℃にて2時間処理し、切断および脱保護した。第二の部分を、15%のエタノールアンモニアに溶解した3%マロン酸ジエチル(DEM)(3:15:82 v/v/v DEM:EtOH:濃NHOH)で、55℃にて2時間処理した。
【0095】
冷却した後、各部分からのアリコートを、逆相HPLCによって分析した。この吸着剤は、C−18ポリスチレン/ジビニルベンゼンの2〜5μmの粒子であった。この移動相は、約pH7のTEAA(トリエチルアンモニウムアセテート)中のアセトニトリル勾配であった。(Transgenomic WAVE,Transgenomic,Inc.,San Jose,CA)。他の移動相、条件、およびHPLC機器もまた、本発明の方法および試薬によって切断および脱保護されるオリゴヌクレオチドを分析するのに有用である。主な生成物ピークおよび主な(第一の)後期溶出汚染物質を、各アリコートから分離および単離した。DEMを用いずに切断および脱保護された、第一部分からの後期溶出汚染物質を、MALDI−TOF質量分析法(PerSeptive Biosystems Voyager−DE,Framingham,MA)によって分析し、3485.5[M+26]の質量単位の質量を有することを見出した。この質量は、さらなるビニル基修飾(−CH=CH)と一致する。各部分からのHPLCの主なピークを、予測されるような、3459.41質量単位(ポジティブモード)での強い分子イオンピークからT−Q−CDPIに割り当てた。
【0096】
(実施例2)
オリゴヌクレオチドT15−Q−CDPI
5’TTT TTT TTT TTT TTT−Q−CDPI3’(配列番号2)
を、Model 3948 DNA Synthesizer(Applied Biosystems,Foster City,CA)によって合成した。15サイクルのホスホラミダイト化学を、クエンチャー標識Qおよび副溝結合剤標識CDPIを含む12μmole/gmの結合部で充填した16mg(200nmole)の高架橋ポリスチレンビーズ支持体を含むカラム中で、チミジン3’ホスホラミダイトを用いて行った。この支持体を、2つの部分に分けた。第一の部分を、15%のエタノールアンモニア(15:85 v/v EtOH:濃NHOH)で、55℃にて2時間処理し、切断および脱保護を有効にした。第二の部分を、15%のエタノールアンモニアに溶解した3%マロン酸ジエチル(DEM)(3:15:82 v/v/v DEM:EtOH:濃NHOH)で、55℃にて2時間処理した。冷却した後、各部分からのアリコートを、逆相HPLCによって分析した。DEMを用いずに切断および脱保護された部分は、6.1分で溶出するたった26.5%の所望生成物を含有する複合体生成混合物を示す(図1a)。この生成混合物には、有意な(50%)後期溶出不純物が混入した。3% DEMで切断および脱保護された部分は、改善された純度(6.1分で溶出する76.8%の所望の生成物、および低下したレベルの後期溶出不純物)を示す(図1b)。
【0097】
(実施例3)
5’末端にて、蛍光色素(F=6−カルボキシフルオレセイン)で標識され、3’末端にて、クエンチャー部分(Q)および副溝結合剤(CDPI)で標識されたオリゴヌクレオチド:
5’F−CAG TCG CCC TGC C−Q−CDPI3’(配列番号3)
5’F−CTT CTT GCT AAT TCC−Q−CDPI3’(配列番号4)
を、Model 3900 DNA Synthesizer(Applied Biosystems,Foster City,CA)によって合成した。ホスホラミダイト化学を、クエンチャー標識Qおよび副溝結合剤標識CDPIを含む12μmole/gmの結合部で充填した16mg(200nmole)の高架橋ポリスチレンビーズ支持体を含むカラム中で、ヌクレオシド3’ホスホラミダイト(Abz、Gdmf、CbzおよびTを含む)を用いて行った。
【0098】
各合成の後、この支持体を、4つの部分に分けた。各部分を、15%エタノールアンモニア(15:85 v/v EtOH:濃NHOH)中、0%、0.1%、1%または3%のマロン酸ジエチル(DEM)を含有する試薬で、65℃にて2時間処理し、切断および脱保護した。
【0099】
冷却した後、各部分からのアリコートを、逆相HPLCによって分析した。DEMを用いずに切断および脱保護した部分は、それぞれ、配列番号3および配列番号4について、6.5分で溶出するたった21.8%の所望生成物(図2a)、および6.4分で溶出するたった32.7%の所望生成物(図3a)を含有する、複合体生成混合物を示す。この生成混合物には、有意な(50%)後期溶出不純物が混入した。0.1% DEMで切断および脱保護された部分は、改善された純度(それぞれ、配列番号3および配列番号4について、65.8%(図2b)および64.4%(図3b)、ならびに低下したレベルの後期溶出不純物)を示す。1% DEMで切断および脱保護された部分は、それぞれ、配列番号3および配列番号4について、さらに改善された純度(76.7%(図2c)および76.7%(図3c))を示す。3% DEMで切断および脱保護された部分は、それぞれ、配列番号3および配列番号4について、さらに改善された純度(79.5%(図2d)および77.5%(図3d))を示す。
【0100】
蛍光色素6−カルボキシフルオレセイン(F)は、以下の構造を有する:
【0101】
【化13】
Figure 2004521628
ここで、Xは、結合のための結合部位である。
【0102】
(実施例4)
実施例3の手順に従って、13ntのオリゴヌクレオチド:
5’F−CCA TGC GTT AGC C−Q−CDPI3’(配列番号5)
を合成し、その支持体を、2つの部分に分けた。一方の部分を、15%エタノール:NHOHのみ、および15%エタノール:NHOH中、3% DEMで切断および脱保護した。各部分からのアリコートを、逆相HPLCによって分析した。DEMを用いずに切断および脱保護した部分は、6.1分で溶出するたった26%の所望生成物を含有する、複合体生成混合物示す(図4a)。この生成混合物には、有意な後期溶出汚染物質が混入した。3% DEMで切断および脱保護された部分は、改善された純度(6.1分で溶出する67%の所望生成物、および低下したレベルの後期溶出不純物)を示す(図4b)。
【0103】
(実施例5)
液相切断/脱保護:
48までのオリゴヌクレオチドのセットを、Model 3948 DNA Synthesizer(Applied Biosystems,Foster City,CA)によって合成した。各オリゴヌクレオチドを、約20mgの3’ヌクレオシド、OneStepTM合成/精製カラム(Applied Biosystems,Foster City,CA;Andrus,米国特許第5,935,527号および同第6,175,006号;Baier(1996)BioTechniques 20:298−303)中の高架橋ポリスチレンに対して、50〜100nmoleスケールにて、合成した。オリゴヌクレオチドは、15〜50ntまたはそれより長くてもよい。オリゴヌクレオチドは、標識されなくても、蛍光色素またはハイブリダイゼーション安定化部分のような標識で標識されてもよい。アセトニトリル中に溶解し、プロトン供給源アクチベータとしてテトラゾールまたはテトラゾールアナログ(例えば、5−エチルチオテトラゾール)を有する増大オリゴヌクレオチドの5’末端に結合した、3’ホスホラミダイトヌクレオシドのFastPhoramiditeTMセット(Abz、Gdmf、CbzおよびT)を用いて、合成を行った。合成をプログラム化して、酸脱トリチル化(acidic detritylation)によって、オリゴヌクレオチドの5’末端から5’DMT基を取り除き得るか、または脱トリチル化の最終工程を省くことによって、この5’DMT基をインタクトなままにし得る。3つのオリゴヌクレオチドのセットが、合成流体送達ヘッドの下で、合成段階を完了した場合、3つのカラムのセットは、切断/脱保護送達ヘッドの下で回転する。本発明の脱保護試薬(例えば、濃水酸化アンモニウムと活性化メチレン化合物との、0.5ml〜1.5mlの混合物)を、このカラムに送達し得る。この活性化メチレン化合物は、試薬の1〜10容量%であり得る。この脱保護試薬は、1〜30容量%のアルコール溶媒をさらに含有し得る。この脱保護試薬は、数分間〜1時間、周囲温度またはそれより高い温度で、カラム中に静置され得るかまたはこのカラムを通して循環され得る。それによって、オリゴヌクレオチドは、固体支持体から切断され、そして約65℃にて約1〜2時間加熱された封入チュービングまで送達され、脱保護(すなわち、核酸塩基およびヌクレオチド間保護基の除去)が完了し得る。
【0104】
5’DMT基がインタクトなままである場合、この脱保護されたオリゴヌクレオチドを含有する溶液を、このオリゴヌクレオチドが合成されるOneStepカラム中のポリスチレンでの吸収によるトリチル選択的疎水性相互作用によって精製し得る。吸収(充填)の後、このカラムを、不純物の洗い流し、オリゴヌクレオチドの脱トリチル化、および脱保護され、精製され、そして脱トリチル化されたオリゴヌクレオチドの溶出をもたらすように試薬で処理した。
【0105】
(実施例6)
気相切断/脱保護:
48オリゴヌクレオチドのセットを、Model 3900 DNA Synthesizer(Applied Biosystems,Foster City,CA)による単回の予めプログラムした実行によって合成した。各オリゴヌクレオチドを、入口開口部および出口開口部を備えるカラム中、約10mgのポリスチレン支持体によって、200nmoleスケールにて合成した。このオリゴヌクレオチドは、15nt長〜30nt長のサイズ範囲であった。48オリゴヌクレオチドの合成が完了した後、アセトニトリル溶液中の200μlの1% DEMを、各カラムに送達した。アルゴンガスを、この開口部を通して約30秒間流して、ほとんどの溶液を排出させた。次いで、このカラムを、ホルダー(例えば、96ウェルマイクロタイター形式)に移した。このホルダーを、約1ガロンの内部容量を有する、封鎖可能なステンレス鋼の圧力容器に配置した。このようなホルダーを4つまで、並行切断操作および脱保護操作のために、この容器内に配置し得る。このホルダーを、容器の底面から約1インチの位置に取り付けたメッシュスクリーン上に配置した。約450mlの冷却した濃水酸化アンモニウム溶液を、この容器の底面床にかまたはこの容器の底面床上に据えた(メッシュスクリーンの下部)浅いパン内に加えた。このカラムまたはホルダーは、水酸化アンモニウム溶液と直接的には接触しなかった。この容器を封鎖し、65℃まで約2時間加熱した。この加熱期間中に内部で生じる圧力は、約45psiであった。この容器を、冷却し、通風し、そして開いた。
【0106】
カラムを含むホルダーを容器から取り除き、デバイス内に置き、それによって、真空を適用して、カラムの入口開口部を通して液体および空気を引き抜き得る。各カラムに、250μlの水を送達し、そして排出するために流し出した。切断および脱保護されたオリゴヌクレオチドを、250μlの20%(標識されたオリゴヌクレオチドについて50%)のアセトニトリル含有水を各カラムに送達し、このカラムの出口開口部の下部に取り付けられた容器内に溶出液を収集することによって、溶出した。あるいは、液状試薬(すなわち、洗浄水または溶離溶液)を、遠心分離によってカラムを通して押出し得、ここで、ホルダーは、遠心分離中に回転する。溶出したオリゴヌクレオチドを、減圧下で乾燥して水性媒体中に再懸濁するか、さらに希釈するか、または実験のアリコートに直接使用し得る。
【0107】
(実施例7)
実施例3の手順に従って、25ntオリゴヌクレオチド:
5’HN−(PEO)−AAA ATC AAG AAC TAC AAG ACC GCC C3’(配列番号6)
を、Cポリスチレン支持体上で合成した。最終のAホスホラミダイトが結合した後、2つのPEO(ペンタエチレンオキシ;−(CHCHO)−)リンカーを、PEOホスホラミダイトとして、続いてAminolink TFA(Applied Biosystems,Foster City,CA)ホスホラミダイトとして結合し、2つのPEO結合を有する5’アミノを得た(Vinayak,WO 00/50432;Andrus,WO 98/39353)。この支持体を、2つの部分に分けた。一方の部分を、NHOHのみで切断および脱保護した。他方の部分を、15%エタノール:NHOH中1% DEMで切断および脱保護した。各部分からのアリコートを、逆相HPLCによって分析した。NHOHのみで切断および脱保護された部分は、6.5分で溶出するたった25.8%の所望生成物を含有する複合体生成混合物を示す(図5a)。この生成混合物には、有意な後期溶出汚染物質が混入した。1% DEMで切断および脱保護された部分は、改善された純度(6.5分で溶出する48.9%の所望生成物、ならびに低下したレベルの初期溶出汚染物質および後期溶出汚染物質)を示す(図5b)。
【0108】
本明細書中で参照される全ての刊行物、特許および特許出願は、参考として、各個々の刊行物、特許または特許出願が詳細かつ個々に参考として援用されることが示されるような程度まで、本明細書中で援用される。
【0109】
わずかな実施形態のみが上記に詳細に記載されているが、化学分野の当業者は、多くの変更がこれらの教示から逸脱することなくこれらの実施形態において可能であることを明確に理解する。このような全ての変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1A】図1Aは、15%エタノール:NHOHのみで切断され、脱保護されたT15−Q−CDOPIの逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図1B】図1Bは、15%エタノール:NHOH中の3%ジエチルマロネート(DEM)を用いて切断され、脱保護されたT15−Q−CDOPIの逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図2A】図2Aは、15%エタノール:NHOHおよび0%DEMで切断し、そして脱保護した、5’F−CAG TCG CCC TGC C−Q−CDPI3’(配列番号3)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図2B】図2Bは、15%エタノール:NHOHおよび0.1%DEMで切断し、そして脱保護した、5’F−CAG TCG CCC TGC C−Q−CDPI3’(配列番号3)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図2C】図2Cは、15%エタノール:NHOHおよび1%DEMで切断し、そして脱保護した、5’F−CAG TCG CCC TGC C−Q−CDPI3’(配列番号3)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図2D】図2Dは、15%エタノール:NHOHおよび3%DEMで切断し、そして脱保護した、5’F−CAG TCG CCC TGC C−Q−CDPI3’(配列番号3)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図3A】図3Aは、15%エタノール:NHOHおよび0%DEMで切断し、そして脱保護した、5’F−CTT CTT GCT AAT TCC−Q−CDPI3’(配列番号4)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図3B】図3Bは、15%エタノール:NHOHおよび0.1%DEMで切断し、そして脱保護した、5’F−CTT CTT GCT AAT TCC−Q−CDPI3’(配列番号4)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図3C】図3Cは、15%エタノール:NHOHおよび1%DEMで切断し、そして脱保護した、5’F−CTT CTT GCT AAT TCC−Q−CDPI3’(配列番号4)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図3D】図3Dは、15%エタノール:NHOHおよび3%DEMで切断し、そして脱保護した、5’F−CTT CTT GCT AAT TCC−Q−CDPI3’(配列番号4)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図4A】図4Aは、15%エタノール:NHOHのみで切断し、そして脱保護した、5’F−CCA TGC GTT AGC C−Q−CDPI3’(配列番号5)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図4B】図4Bは、15%エタノール:NHOH中の3%ジエチルマロネート(DEM)で切断し、そして脱保護した、5’F−CCA TGC GTT AGC C−Q−CDPI3’(配列番号5)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図5A】図5Aは、濃NHOHのみで切断し、そして脱保護した、5’HN−(PEO)−AAA ATC AAG AAC TAC AAG ACC GCC C3’(配列番号6)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。
【図5B】図5Bは、15%エタノール:NHOH中の1%ジエチルマロネート(DEM)で切断し、そして脱保護した、5’HN−(PEO)2−AAA ATC AAG AAC TAC AAG ACC GCC C3’(配列番号6)の逆相HPLCクロマトグラムを示す。

Claims (83)

  1. オリゴヌクレオチドを脱保護する方法であって、該方法は、保護オリゴヌクレオチドを脱保護試薬と反応させる工程を包含し、該脱保護試薬は、活性メチレン化合物およびアミン試薬を含み、ここで、該活性メチレン化合物は、以下の構造:
    Figure 2004521628
    を有し、
    ここで、EWGは、ニトロ、ケトン、エステル、カルボン酸、ニトリル、スルホン、スルホネート、スルホキシド、ホスフェート、ホスホネート、ニトロキシド、ニトロソ、トリフルオロメチル、ならびにニトロ、ケトン、エステル、カルボン酸、ニトリル、スルホン、スルホネート、スルホキシド、ホスフェート、ホスホネート、ニトロキシド、ニトロソおよびトリフルオロメチルの1以上によって置換されたアリール基から選択される、求電子基であり、そして
    Rは、水素、C〜C12アルキル、C〜C20アリール、複素環または求電子基から選択され、
    該方法により、保護基が該オリゴヌクレオチドから除去される、方法。
  2. 前記保護オリゴヌクレオチドが、連結を介して固体支持体に共有結合される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記固体支持体から前記オリゴヌクレオチドを切断する工程をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記オリゴヌクレオチドが、前記脱保護試薬との反応後に、前記固体支持体に共有結合したままである、請求項2に記載の方法。
  5. 前記固体支持体が、高度に架橋されたポリスチレンを含む、請求項2に記載の方法。
  6. 前記固体支持体が、制御細孔ガラスを含む、請求項2に記載の方法。
  7. 前記固体支持体が、前記脱保護試薬を通過させる膜である、請求項2に記載の方法。
  8. 前記固体支持体が、前記脱保護試薬を通過させるフリットである、請求項2に記載の方法。
  9. 前記固体支持体が、平面的な非多孔性材料である、請求項2に記載の方法。
  10. 前記材料が、ガラス、石英またはダイヤモンドである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記材料が、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレンおよびポリエチレングリコールのグラフト、エチレンおよびアクリレートのコポリマー、またはエチレンおよびメタクリレートのコポリマーである、請求項9に記載の方法。
  12. 前記固体支持体が、入口および出口を有するカラム中に配置され、それによって、試薬が該カラムを通って流れ得る、請求項2に記載の方法。
  13. 複数の前記カラムをホルダ中に配置する工程、および複数のオリゴヌクレオチドを同時に脱保護する工程をさらに包含する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ホルダが、前記カラムのアレイを有するマイクロタイタープレートである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記保護オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの2−シアノエチルホスフェートヌクレオチド間連結を含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記保護オリゴヌクレオチドが、核酸アナログを含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記核酸アナログが、LNAである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記核酸アナログが、PNAである、請求項16に記載の方法。
  19. 前記核酸アナログが、2’−O−メチルRNAである、請求項16に記載の方法。
  20. 前記保護オリゴヌクレオチドが、標識に共有結合している、請求項1に記載の方法。
  21. 前記標識が、蛍光色素、クエンチャー、ビオチン、移動度調節剤、小溝結合剤、ならびにC〜CアルキルアミンおよびC〜Cアルキルチオールから選択されるリンカーからなる群より選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記小溝結合剤が、CDPI−3である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記蛍光色素が、フルオレセイン、ローダミンまたはシアニン色素である、請求項21に記載の方法。
  24. 前記標識が、ポリヌクレオチドの5’末端に結合している、請求項20に記載の方法。
  25. 前記標識が、ポリヌクレオチドの3’末端に結合している、請求項20に記載の方法。
  26. 前記脱保護試薬が、水をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  27. 前記脱保護試薬が、アルコール溶媒をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  28. 前記アルコール溶媒が、メタノールである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記アルコール溶媒が、エタノールである、請求項27に記載の方法。
  30. 前記アルコール溶媒が、エチレングリコールである、請求項27に記載の方法。
  31. 前記活性メチレン化合物が、2,4−ペンタンジオンである、請求項1に記載の方法。
  32. 前記活性メチレン化合物が、1,3−シクロヘキサンジオンである、請求項1に記載の方法。
  33. 前記活性メチレン化合物が、アセト酢酸エチルである、請求項1に記載の方法。
  34. 前記活性メチレン化合物が、マロノニトリルである、請求項1に記載の方法。
  35. 前記活性メチレン化合物が、マロン酸である、請求項1に記載の方法。
  36. 前記活性メチレン化合物が、ニトロメタンである、請求項1に記載の方法。
  37. 前記活性メチレン化合物が、マロンアミドである、請求項1に記載の方法。
  38. 前記活性メチレン化合物が、ジアルキルマロネートジエステルであり、ここで、該アルキル基は、C〜Cアルキルである、請求項1に記載の方法。
  39. 前記脱保護試薬が、ジアルキルマロネートジエステル、水酸化アンモニウム水溶液およびアルコール溶媒の混合物を含み、ここで、該アルキル基は、C〜Cアルキルである、請求項1に記載の方法。
  40. 前記ジアルキルマロネートジエステルが、ジメチルマロネートである、請求項39に記載の方法。
  41. 前記ジアルキルマロネートジエステルが、ジエチルマロネートである、請求項39に記載の方法。
  42. 前記ジアルキルマロネートジエステルが、ジ−n−プロピルマロネートである、請求項39に記載の方法。
  43. 前記ジアルキルマロネートジエステルが、ジイソプロピルマロネートである、請求項39に記載の方法。
  44. 前記アミン試薬が、水酸化アンモニウム水溶液である、請求項1に記載の方法。
  45. 前記アミン試薬が、メチルアミン水溶液である、請求項1に記載の方法。
  46. 前記アミン試薬が、エチルアミンである、請求項1に記載の方法。
  47. 前記アミン試薬が、イソプロピルアミンである、請求項1に記載の方法。
  48. 前記アミン試薬が、n−プロピルアミンである、請求項1に記載の方法。
  49. 前記アミン試薬が、n−ブチルアミンである、請求項1に記載の方法。
  50. 前記アミン試薬が、1,2−エチレンジアミンである、請求項1に記載の方法。
  51. 前記アミン試薬が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)または1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)である、請求項1に記載の方法。
  52. 前記反応工程が、以下:
    前記固体支持体に共有結合した前記保護オリゴヌクレオチドを、活性メチレン化合物および溶媒によって湿らせること、そして次いで
    該保護オリゴヌクレオチドをアミン試薬で処理すること、
    によってもたらされる、請求項2に記載の方法。
  53. 前記固体支持体が、入口および出口を有するカラム中に限定され、それによって試薬が該カラムを通って流れ得る、請求項52に記載の方法。
  54. 複数のカラムがホルダ中に構成され、それによって複数のオリゴヌクレオチドが同時に脱保護される、請求項53に記載の方法。
  55. 前記ホルダが、等間隔のカラムのマイクロタイターウェル構成である、請求項55に記載の方法。
  56. 前記保護オリゴヌクレオチドおよび前記アミン試薬が、密封可能な容器中に配置され、それによって該オリゴヌクレオチドが脱保護される工程をさらに包含する、請求項52に記載の方法。
  57. 前記アミン試薬が、水酸化アンモニウム水溶液である、請求項52に記載の方法。
  58. 前記アミン試薬が、アンモニア気体である、請求項52に記載の方法。
  59. 前記アミン試薬が、C〜Cアルキルアミンである、請求項52に記載の方法。
  60. 前記溶媒が、アルコール、エーテル、アミド、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはジメチルスルホキシドである、請求項52に記載の方法。
  61. 前記アルコールが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールまたは1,2−エチレングリコールである、請求項60に記載の方法。
  62. 前記エーテルが、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンまたは1,2−ジメトキシエタンである、請求項60に記載の方法。
  63. 前記アミドが、アセトアミド、ホルムアミド、ベンズアミドまたはジメチルホルムアミドである、請求項60に記載の方法。
  64. オリゴヌクレオチド脱保護試薬であって、該オリゴヌクレオチド脱保護試薬は、活性メチレン化合物およびアミン試薬を含み、ここで、該活性メチレン化合物は、以下の構造:
    Figure 2004521628
    を有し、
    ここで、EWGは、ニトロ、ケトン、エステル、カルボン酸、ニトリル、スルホン、スルホネート、スルホキシド、ホスフェート、ホスホネート、ニトロキシド、ニトロソ、トリフルオロメチル、ならびにニトロ、ケトン、エステル、カルボン酸、ニトリル、スルホン、スルホネート、スルホキシド、ホスフェート、ホスホネート、ニトロキシド、ニトロソおよびトリフルオロメチルの1以上によって置換されたアリール基から選択される、求電子基であり、そしてRは、水素、C〜C12アルキル、C〜C20アリール、複素環または求電子基である、オリゴヌクレオチド脱保護試薬。
  65. 前記活性メチレン化合物がジアルキルマロネートジエステルであり、そして前記アミン試薬が水酸化アンモニウム水溶液である、請求項64に記載のオリゴヌクレオチド脱保護試薬。
  66. 前記ジアルキルマロネートジエステルが、ジメチルマロネートである、請求項65に記載のオリゴヌクレオチド脱保護試薬。
  67. 前記ジアルキルマロネートジエステルが、ジエチルマロネートである、請求項65に記載のオリゴヌクレオチド脱保護試薬。
  68. 前記ジアルキルマロネートジエステルが、ジ−n−プロピルマロネートである、請求項65に記載のオリゴヌクレオチド脱保護試薬。
  69. 前記ジアルキルマロネートジエステルが、ジイソプロピルマロネートである、請求項65に記載のオリゴヌクレオチド脱保護試薬。
  70. 前記活性メチレン化合物が、前記試薬の1〜10容積%である、請求項65に記載のオリゴヌクレオチド脱保護試薬。
  71. アルコール溶媒をさらに含む、請求項65に記載のオリゴヌクレオチド脱保護試薬。
  72. 前記アルコール溶媒が、前記試薬の1〜30容積%である、請求項71に記載のオリゴヌクレオチド脱保護試薬。
  73. 請求項64に記載の脱保護試薬によって脱保護された、脱保護オリゴヌクレオチド。
  74. 前記脱保護オリゴヌクレオチドが、核酸アナログを含む、請求項73に記載の脱保護オリゴヌクレオチド。
  75. 前記核酸アナログが、LNAである、請求項74に記載の脱保護オリゴヌクレオチド。
  76. 前記核酸アナログが、PNAである、請求項74に記載の脱保護オリゴヌクレオチド。
  77. 前記核酸アナログが、2’−O−メチルRNAである、請求項74に記載の脱保護オリゴヌクレオチド。
  78. 前記保護オリゴヌクレオチドが、標識に共有結合している、請求項73に記載の脱保護オリゴヌクレオチド。
  79. 前記標識が、蛍光色素、クエンチャー、ビオチン、移動度調節剤、小溝結合剤、ならびにC〜CアルキルアミンおよびC〜Cアルキルチオールから選択されるリンカーから選択される、請求項78に記載の脱保護オリゴヌクレオチド。
  80. 前記小溝結合剤が、CDPI−3である、請求項79に記載の脱保護オリゴヌクレオチド。
  81. 前記蛍光色素が、フルオレセイン、ローダミンまたはシアニン色素である、請求項79に記載の脱保護オリゴヌクレオチド。
  82. 前記標識が、ポリヌクレオチドの5’末端に結合している、請求項78に記載の脱保護オリゴヌクレオチド。
  83. 前記標識が、ポリヌクレオチドの3’末端に結合している、請求項78に記載の脱保護オリゴヌクレオチド。
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