JP2004521279A - シューとドラム間もしくはキャリパとロータ間の増分的制動インターフェースならびに制動方法 - Google Patents
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Abstract
増分的制動方法及びシステムであって、動作中の被制動部材、例えばブレーキドラム(101)が、制動部材、例えばブレーキシュー(102)上の一連の可撓性止め具(104)により係合されることで、被制動部材を制動する増分的制動方法及びシステム。被制動部材上の剛性止め具(108)は制動部材上の可撓性止め具(104)を素早く通過して振動を起こす。可撓性止め具(104)が被制動部材と係合するにつれ振動は減衰し、被制動部材の動きを抑制する。不等長な可撓性止め具(104)がばね(107)に設けられていることで、制動部材へ収縮することが可能である。このように、より滑らかで効果的な制動のため、止め具は被制動部材と増分的に係合する。
【選択図】図3
【選択図】図3
Description
【技術分野】
【0001】
本発明はブレーキの分野に関する。具体的に、本発明は、従来よりも均等で効果的な制動をもたらすように制動力を増分的に加える制動方法、ならびにブレーキシューとドラムとの間、もしくはブレーキキャリパとロータとの間の新しい制動インターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
ブレーキは、一般的に認知されているよりもかなり多種多様な用途において使用されている。ブレーキの最もわかりやすい例は、一般の自動車に見うけられる。通常、乗用車、トラックあるいは産業車両を問わず、自動車の全ての車輪には、動いている車を減速あるいは停止させる制動機構が内蔵されている。同様に、自転車は、制動機構を利用する装置のもう一つの一般的な例である。
【0003】
しかし、さらにブレーキは、定期的に減速あるいは停止しなければならない可動部を備えた他の多様な機械で使用してもよい。例えば、エレベータでは移動を調節するためにブレーキを用いなければならない。発電機やモータには、回転数を調節するためにブレーキを用いるものがある。
【0004】
現代の制動技術は進歩し続けている一方で、多くの課題が残されている。例えば、ブレーキはその性質上、極端な損耗の影響を受ける。自動車においては、自動車が曲がる際にブレーキに課せられる需要は不均一である。ターンの内側の車輪のブレーキは、外側の車輪のブレーキよりも弱く働く必要がある。このように力が不均衡になると、均衡な場合ほど滑らかで均等な制動を得られなくなる。その上、制動機構の摩耗が増大する。
【0005】
したがって、当該技術分野においては、制動力をより均等に配分できる制動方法及び制動機構が必要である。当該技術分野においては、必要に応じて制動力を増分的に加える制動インターフェースが必要である。
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、上記のニーズ等を満たすことにある。具体的に、本発明の目的は、制動力をより均等に配分できる制動方法及び制動機構を提供することにある。さらに具体的に、本発明の目的は、必要に応じて制動力を増分的に加える制動インターフェース及び方法を提供することにある。
【0007】
本発明の追加的な目的、利点及び新しい特徴は、次の説明に述べられており、これらの題材を読み又は本発明を実施することによって、当該技術分野の専門家によって習得することができる。本発明の目的及び利点は、添付の特許請求の範囲に列挙された手段を介して達成することができる。
【0008】
これら前記及びその他の目的を達成するため、本発明は、制動システムとして実施することができ、この制動システムは、第1回転部材、第1部材の動きを抑制するために第1部材と係合する第2部材、及び第1部材と係合させるように第2部材上に設けられた複数の可撓性止め具を含む。好ましくは、これらの可撓性止め具は、第1部材の動きと直角に、第2部材の幅に沿った少なくとも1列に並べられる。
【0009】
好ましくは、第1部材に設けられた剛性の止め具が、第1部材と第2部材が係合する際に可撓性止め具の下部を通過し、可撓性止め具に振動を起こす。振動している可撓性止め具が第1部材に押し付けられることにより、第1部材がその振動を減衰させ、ブレーキがかかる。
【0010】
好ましくは、可撓性止め具の少なくともいくつかは不等長であり、第2部材が第1部材に向けて力を加えられる際に、可撓性止め具が増分的に第1部材と係合する。各可撓性止め具に付随するばねにより、可撓性止め具は、第2部材が第1部材に向けて力を加えられる際に第2部材へ所定距離の収縮が可能となり、それにより長さのより短い可撓性止め具が増分的に第1部材と係合することができる。
【0011】
本発明は、いかなる制動システムにも適用できる。例えば、第1部材はブレーキドラム、そして第2部材はブレーキシューであってもよい。あるいは、第1部材はブレーキディスク、そして第2部材はブレーキキャリパであってもよい。
【0012】
本発明の方法は、第1回転部材と、第1部材に向けて力を加えられる第2部材上に設けられた複数の可撓性止め具とを係合させて第1部材の動きを抑制する制動方法も包含する。
【0013】
本発明の方法は、第1部材上の剛性止め具を、可撓性止め具を素早く通過させて可撓性部材に振動を起こす工程、及び振動している可撓性止め具を第1部材に押し付けることにより、第1部材が振動を減衰させ、ブレーキがかかる工程もさらに包含する。
【0014】
好ましくは、この方法は、第2部材が第1部材に向けて力を加えられる際に可撓性止め具が増分的に第1部材と係合するように、少なくともいくつかの可撓性止め具を不等長にすること、及び第2部材が第1部材に向けて力を加えられる際に、各可撓性止め具に付随するばねを圧縮することにより少なくとも一つの可撓性止め具を第2部材へ所定距離収縮させることを含む。これにより長さのより短い可撓性止め具が増分的に第1部材と係合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
これより、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。本発明の原理はいかなるタイプのブレーキにも適用できる。以下の実施例は、本発明の特定の用途である。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0016】
全般に、本発明の原理のもとでは、ブレーキをかけるために共に加圧される二つの部材のうち一つに一連の複数列の可撓性止め具が設けられる。図1は、ブレーキシュー及びドラムの配列に適用されたこの原理を示す。図1に示される通り、ブレーキシュー102はピボット105を中心に回転し、ブレーキドラム101と接する。
【0017】
従来、シューとドラム間のインターフェースは、極度に固い耐熱材料でできたブレーキパッドであった。しかし、本発明の原理のもとでは、シュー102とブレーキドラム101間のインターフェースは主として、シュー102から外側へ放射線状に延在する一連の複数列の可撓性止め具104である。摩擦パッド103をシュー102に設けてドラム101と接触させてもよい。当業者には理解されるだろうが、本発明の原理を変更することなく、可撓性止め具をドラム101に設けてシュー102と接触させてもよい。これは本発明の全ての実施例について言えることである。
【0018】
可撓性止め具104は、シュー102に沿って一連の複数列に配置されるツメである。複数列の止め具104は、ドラム101が移動される円弧109に垂直に並んでいる。シュー102がピボット105を中心に回転すると、止め具はドラム101の表面101Aと係合する。可撓性のツメは充分薄いので、ブレーキドラム101の円周方向109に沿ったいずれの方向にもたわむことができる。可撓性ツメは、例えばステンレススチール製でもよい。
【0019】
各可撓性止め具104はばね107を備え、それにより可撓性止め具104はブレーキシュー102へ所定距離収縮できる。ブレーキシュー102への可撓性止め具の収縮を制限するためにばね止め具106が設けられている。
【0020】
図1は、ブレーキシュー102、及びドラム101と係合した可撓性止め具104を示す。図2は、図1の線II‐IIに沿って見た一列の可撓性止め具104を示す。
図2では、シュー102はドラム101と完全に係合してはいない。図2から分かるとおり、特定の列に並んだ可撓性止め具104は同等の長さではない。したがって、いくつかの可撓性止め具、例えば104Aは、他の可撓性止め具、例えば104Bよりも先にブレーキドラム101と係合する。これにより、以前の制動システムの機能よりも優れた増分的な制動効果がもたらされる。
【0021】
さらに、図1及び図2に示されるとおり、ブレーキドラム101は、ドラム101の係合面101A上に一つあるいはそれ以上の剛性止め具108を備える。これら剛性止め具108は、ドラム101の係合面101Aの幅にわたって設けられる高い隆起である。一つあるいはそれ以上の剛性止め具108が可撓性止め具104の下部を素早く通過する際、可撓性止め具104に振動を起こす。
【0022】
当然、可撓性止め具104は剛性止め具108の通過を許容するに充分な可撓性を有するものでなければならないが、可撓性止め具104の端には一つあるいはそれ以上のスリット110を設けて、可撓性止め具104及び剛性止め具108間の当たりを和らげてもよい。スリット110は可撓性止め具104の端に沿って、剛性止め具108と平行に並ぶ。したがって、剛性止め具108が可撓性止め具104を素早く通過して行くときに、可撓性止め具104の端はスリット110の内側へ変形し、剛性止め具108がより容易に通ることができる。
【0023】
すでに記したとおり、剛性止め具108が通過すると、可撓性止め具104は振動する。振動している可撓性止め具104がドラム101と係合し加圧されると、ドラムの係合面101Aは振動を減衰させる。これにより本発明の制動システムの効果がさらに増す。
【0024】
図3は、ディスクブレーキシステムに適用された本発明の原理を示す。上記の実施例と同様、ディスクブレーキのキャリパ302が、シリンダ303の作用によりディスクすなわちロータ302の両側に押し付けられる。各キャリパ302には、ディスク301の対向する面に前記と同じ方法で係合する可撓性止め具104が設けられている。
【0025】
ディスクブレーキシステムもまた、ディスク301の両側に設けられた剛性止め具308を備える。このように、剛性止め具308が、ディスク301の移動によりキャリパ302の両突起上の可撓性止め具104の下部を素早く通過する。本実施例においても、可撓性止め具104の端にスリット110を設けても良い。
【0026】
自動車に関して、上記の制動システムはより均衡のとれた制動効果をもたらす。なぜなら、例えばドラム101あるいはディスク301によって減衰される可撓性止め具104の振動は、ドラム101あるいはディスク301の速度に左右されるからである。このため、ターンの外側の車輪にあるドラムあるいはディスクはより早く回転することになり、より大きな振動を起こし、必要に応じてターンの内側の車輪にもたらされるよりも強い制動効果をもたらす。
【0027】
さらに、本発明の制動システムは、従来の制動システムに共通するブレーキダストの問題を解消する。その上、本発明の制動システムにおける増分的性質は、ブレーキ力を制御するためにはるかに複雑な手法を用いる自動制動システムの必要性を解消する。
【0028】
最後に、本発明の制動システムは、トランスミッションブレーキ効果(TBE)により引き起こされるドラッグバック効果及び公害を防ぐことにより、車両効率を上げる。
【0029】
前記の説明は、本発明を例示しかつ説明するためだけに提供されている。網羅的なものを意図したり、又は本発明を開示されたなんらかの精密な形に制限することを意図するものではない。前記の教示に照らして、多くの変形及び変更が可能である。
【0030】
好適な実施例は、本発明の基本方式及びその実際の用途をもっとも良好に説明するために選択されかつ説明された。前記の説明は、種々の実施例においてかつ予期された特定の利用にふさわしい種々の変形を含めて、本発明を最善に利用することを当該技術の専門家に可能にする意図を有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】ブレーキシュー及びブレーキドラムの配列に適用された本発明の実施例の図である。
【図2】シューをドラムから僅かに後退させた、図1に示すブレーキの図である。
【図3】ディスクブレーキの配列に適用された本発明の実施例の図である。
【符号の説明】
【0032】
101 ブレーキドラム
101A 係合面
102 ブレーキシュー
104 可撓性止め具
107 ばね
108 剛性止め具
301 ディスクすなわちロータ
302 キャリパ
308 剛性止め具
【0001】
本発明はブレーキの分野に関する。具体的に、本発明は、従来よりも均等で効果的な制動をもたらすように制動力を増分的に加える制動方法、ならびにブレーキシューとドラムとの間、もしくはブレーキキャリパとロータとの間の新しい制動インターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
ブレーキは、一般的に認知されているよりもかなり多種多様な用途において使用されている。ブレーキの最もわかりやすい例は、一般の自動車に見うけられる。通常、乗用車、トラックあるいは産業車両を問わず、自動車の全ての車輪には、動いている車を減速あるいは停止させる制動機構が内蔵されている。同様に、自転車は、制動機構を利用する装置のもう一つの一般的な例である。
【0003】
しかし、さらにブレーキは、定期的に減速あるいは停止しなければならない可動部を備えた他の多様な機械で使用してもよい。例えば、エレベータでは移動を調節するためにブレーキを用いなければならない。発電機やモータには、回転数を調節するためにブレーキを用いるものがある。
【0004】
現代の制動技術は進歩し続けている一方で、多くの課題が残されている。例えば、ブレーキはその性質上、極端な損耗の影響を受ける。自動車においては、自動車が曲がる際にブレーキに課せられる需要は不均一である。ターンの内側の車輪のブレーキは、外側の車輪のブレーキよりも弱く働く必要がある。このように力が不均衡になると、均衡な場合ほど滑らかで均等な制動を得られなくなる。その上、制動機構の摩耗が増大する。
【0005】
したがって、当該技術分野においては、制動力をより均等に配分できる制動方法及び制動機構が必要である。当該技術分野においては、必要に応じて制動力を増分的に加える制動インターフェースが必要である。
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的は、上記のニーズ等を満たすことにある。具体的に、本発明の目的は、制動力をより均等に配分できる制動方法及び制動機構を提供することにある。さらに具体的に、本発明の目的は、必要に応じて制動力を増分的に加える制動インターフェース及び方法を提供することにある。
【0007】
本発明の追加的な目的、利点及び新しい特徴は、次の説明に述べられており、これらの題材を読み又は本発明を実施することによって、当該技術分野の専門家によって習得することができる。本発明の目的及び利点は、添付の特許請求の範囲に列挙された手段を介して達成することができる。
【0008】
これら前記及びその他の目的を達成するため、本発明は、制動システムとして実施することができ、この制動システムは、第1回転部材、第1部材の動きを抑制するために第1部材と係合する第2部材、及び第1部材と係合させるように第2部材上に設けられた複数の可撓性止め具を含む。好ましくは、これらの可撓性止め具は、第1部材の動きと直角に、第2部材の幅に沿った少なくとも1列に並べられる。
【0009】
好ましくは、第1部材に設けられた剛性の止め具が、第1部材と第2部材が係合する際に可撓性止め具の下部を通過し、可撓性止め具に振動を起こす。振動している可撓性止め具が第1部材に押し付けられることにより、第1部材がその振動を減衰させ、ブレーキがかかる。
【0010】
好ましくは、可撓性止め具の少なくともいくつかは不等長であり、第2部材が第1部材に向けて力を加えられる際に、可撓性止め具が増分的に第1部材と係合する。各可撓性止め具に付随するばねにより、可撓性止め具は、第2部材が第1部材に向けて力を加えられる際に第2部材へ所定距離の収縮が可能となり、それにより長さのより短い可撓性止め具が増分的に第1部材と係合することができる。
【0011】
本発明は、いかなる制動システムにも適用できる。例えば、第1部材はブレーキドラム、そして第2部材はブレーキシューであってもよい。あるいは、第1部材はブレーキディスク、そして第2部材はブレーキキャリパであってもよい。
【0012】
本発明の方法は、第1回転部材と、第1部材に向けて力を加えられる第2部材上に設けられた複数の可撓性止め具とを係合させて第1部材の動きを抑制する制動方法も包含する。
【0013】
本発明の方法は、第1部材上の剛性止め具を、可撓性止め具を素早く通過させて可撓性部材に振動を起こす工程、及び振動している可撓性止め具を第1部材に押し付けることにより、第1部材が振動を減衰させ、ブレーキがかかる工程もさらに包含する。
【0014】
好ましくは、この方法は、第2部材が第1部材に向けて力を加えられる際に可撓性止め具が増分的に第1部材と係合するように、少なくともいくつかの可撓性止め具を不等長にすること、及び第2部材が第1部材に向けて力を加えられる際に、各可撓性止め具に付随するばねを圧縮することにより少なくとも一つの可撓性止め具を第2部材へ所定距離収縮させることを含む。これにより長さのより短い可撓性止め具が増分的に第1部材と係合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
これより、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。本発明の原理はいかなるタイプのブレーキにも適用できる。以下の実施例は、本発明の特定の用途である。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0016】
全般に、本発明の原理のもとでは、ブレーキをかけるために共に加圧される二つの部材のうち一つに一連の複数列の可撓性止め具が設けられる。図1は、ブレーキシュー及びドラムの配列に適用されたこの原理を示す。図1に示される通り、ブレーキシュー102はピボット105を中心に回転し、ブレーキドラム101と接する。
【0017】
従来、シューとドラム間のインターフェースは、極度に固い耐熱材料でできたブレーキパッドであった。しかし、本発明の原理のもとでは、シュー102とブレーキドラム101間のインターフェースは主として、シュー102から外側へ放射線状に延在する一連の複数列の可撓性止め具104である。摩擦パッド103をシュー102に設けてドラム101と接触させてもよい。当業者には理解されるだろうが、本発明の原理を変更することなく、可撓性止め具をドラム101に設けてシュー102と接触させてもよい。これは本発明の全ての実施例について言えることである。
【0018】
可撓性止め具104は、シュー102に沿って一連の複数列に配置されるツメである。複数列の止め具104は、ドラム101が移動される円弧109に垂直に並んでいる。シュー102がピボット105を中心に回転すると、止め具はドラム101の表面101Aと係合する。可撓性のツメは充分薄いので、ブレーキドラム101の円周方向109に沿ったいずれの方向にもたわむことができる。可撓性ツメは、例えばステンレススチール製でもよい。
【0019】
各可撓性止め具104はばね107を備え、それにより可撓性止め具104はブレーキシュー102へ所定距離収縮できる。ブレーキシュー102への可撓性止め具の収縮を制限するためにばね止め具106が設けられている。
【0020】
図1は、ブレーキシュー102、及びドラム101と係合した可撓性止め具104を示す。図2は、図1の線II‐IIに沿って見た一列の可撓性止め具104を示す。
図2では、シュー102はドラム101と完全に係合してはいない。図2から分かるとおり、特定の列に並んだ可撓性止め具104は同等の長さではない。したがって、いくつかの可撓性止め具、例えば104Aは、他の可撓性止め具、例えば104Bよりも先にブレーキドラム101と係合する。これにより、以前の制動システムの機能よりも優れた増分的な制動効果がもたらされる。
【0021】
さらに、図1及び図2に示されるとおり、ブレーキドラム101は、ドラム101の係合面101A上に一つあるいはそれ以上の剛性止め具108を備える。これら剛性止め具108は、ドラム101の係合面101Aの幅にわたって設けられる高い隆起である。一つあるいはそれ以上の剛性止め具108が可撓性止め具104の下部を素早く通過する際、可撓性止め具104に振動を起こす。
【0022】
当然、可撓性止め具104は剛性止め具108の通過を許容するに充分な可撓性を有するものでなければならないが、可撓性止め具104の端には一つあるいはそれ以上のスリット110を設けて、可撓性止め具104及び剛性止め具108間の当たりを和らげてもよい。スリット110は可撓性止め具104の端に沿って、剛性止め具108と平行に並ぶ。したがって、剛性止め具108が可撓性止め具104を素早く通過して行くときに、可撓性止め具104の端はスリット110の内側へ変形し、剛性止め具108がより容易に通ることができる。
【0023】
すでに記したとおり、剛性止め具108が通過すると、可撓性止め具104は振動する。振動している可撓性止め具104がドラム101と係合し加圧されると、ドラムの係合面101Aは振動を減衰させる。これにより本発明の制動システムの効果がさらに増す。
【0024】
図3は、ディスクブレーキシステムに適用された本発明の原理を示す。上記の実施例と同様、ディスクブレーキのキャリパ302が、シリンダ303の作用によりディスクすなわちロータ302の両側に押し付けられる。各キャリパ302には、ディスク301の対向する面に前記と同じ方法で係合する可撓性止め具104が設けられている。
【0025】
ディスクブレーキシステムもまた、ディスク301の両側に設けられた剛性止め具308を備える。このように、剛性止め具308が、ディスク301の移動によりキャリパ302の両突起上の可撓性止め具104の下部を素早く通過する。本実施例においても、可撓性止め具104の端にスリット110を設けても良い。
【0026】
自動車に関して、上記の制動システムはより均衡のとれた制動効果をもたらす。なぜなら、例えばドラム101あるいはディスク301によって減衰される可撓性止め具104の振動は、ドラム101あるいはディスク301の速度に左右されるからである。このため、ターンの外側の車輪にあるドラムあるいはディスクはより早く回転することになり、より大きな振動を起こし、必要に応じてターンの内側の車輪にもたらされるよりも強い制動効果をもたらす。
【0027】
さらに、本発明の制動システムは、従来の制動システムに共通するブレーキダストの問題を解消する。その上、本発明の制動システムにおける増分的性質は、ブレーキ力を制御するためにはるかに複雑な手法を用いる自動制動システムの必要性を解消する。
【0028】
最後に、本発明の制動システムは、トランスミッションブレーキ効果(TBE)により引き起こされるドラッグバック効果及び公害を防ぐことにより、車両効率を上げる。
【0029】
前記の説明は、本発明を例示しかつ説明するためだけに提供されている。網羅的なものを意図したり、又は本発明を開示されたなんらかの精密な形に制限することを意図するものではない。前記の教示に照らして、多くの変形及び変更が可能である。
【0030】
好適な実施例は、本発明の基本方式及びその実際の用途をもっとも良好に説明するために選択されかつ説明された。前記の説明は、種々の実施例においてかつ予期された特定の利用にふさわしい種々の変形を含めて、本発明を最善に利用することを当該技術の専門家に可能にする意図を有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】ブレーキシュー及びブレーキドラムの配列に適用された本発明の実施例の図である。
【図2】シューをドラムから僅かに後退させた、図1に示すブレーキの図である。
【図3】ディスクブレーキの配列に適用された本発明の実施例の図である。
【符号の説明】
【0032】
101 ブレーキドラム
101A 係合面
102 ブレーキシュー
104 可撓性止め具
107 ばね
108 剛性止め具
301 ディスクすなわちロータ
302 キャリパ
308 剛性止め具
Claims (16)
- 制動システムは、
第1回転部材と、
前記第1部材の動きを抑制するために前記第1部材と係合する第2部材と、
前記第1部材と係合させるために第2部材に設けられた複数の可撓性金属止め具と、
を備え、前記可撓性止め具はその長手方向に曲がるのに充分な可撓性を持つ構成とする。 - 請求項1に記載の制動システムにおいて、前記可撓性止め具は前記第2部材に少なくとも一列に設けられ、前記少なくとも一列は、前記第1部材の動きと垂直に前記第2部材の幅にわたって設けられる構成とする。
- 制動システムは、
第1回転部材と、
前記第1部材の動きを抑制するために前記第1部材と係合する第2部材と、
前記第1部材と係合させるために第2部材に設けられた複数の可撓性止め具と、
前記第1及び第2部材が係合するときに、前記可撓性止め具を通過し、前記可撓性部材に振動を起こす、第1部材上の剛性止め具と、
を備える。 - 請求項3に記載の制動システムにおいて、前記振動している可撓性止め具が前記第1部材に押し付けられると、前記第1部材が前記振動を減衰させブレーキがかかる構成とする。
- 制動システムは、
第1回転部材と、
前記第1部材の動きを抑制するために前記第1部材と係合する第2部材と、
前記第1部材と係合させるために第2部材に設けられた複数の可撓性金属止め具と、
を備え、前記第2部材が前記第1部材に向けて力を加えられるときに、前記可撓性止め具が第1部材と増分的に係合するように、前記可撓性止め具の少なくともいくつかは不等長である構成とする。 - 制動システムは、
第1回転部材と、
前記第1部材の動きを抑制するために前記第1部材と係合する第2部材と、
前記第1部材と係合させるために第2部材に設けられた複数の可撓性止め具であって、少なくともいくつかの前記可撓性止め具は不等長であるので、前記第2部材が前記第1部材に向けて力を加えられるときに第1部材と増分的に係合する前記可撓性止め具と、
各可撓性止め具に付随することで、前記第2部材が前記第1部材に向けて力を加えられるときに、前記可撓性止め具が前記第2部材へ所定距離収縮できるようにし、それにより長さのより短い可撓性止め具が前記第1部材と増分的に係合できるようにするばねと、
を備える。 - 制動システムは、
第1回転部材と、
前記第1部材の動きを抑制するために前記第1部材と係合する第2部材と、
前記第1部材と係合するために第2部材に設けられた複数の可撓性止め具と、
を備え、前記第1部材はブレーキドラムであり、前記第2部材はブレーキシューである構成とする。 - 請求項1に記載の制動システムにおいて、前記第1部材はブレーキディスクであり、前記第2部材はブレーキキャリパである構成とする。
- 制動方法は、
第1回転部材と、前記第1部材の動きを抑制するために前記第1部材に向けて力を加えられる第2部材に設けられた複数の可撓性金属止め具とを係合させる工程を含み、
前記可撓性止め具はその長手方向に曲がるのに充分な可撓性を持つ構成とする。 - 請求項9に記載の方法において、前記可撓性止め具は前記第2部材に少なくとも一列に設けられ、前記少なくとも一列は、前記第1部材の動きと垂直な前記第2部材の幅にわたって設けられる構成とする。
- 制動方法は、
第1回転部材と、前記第1部材の動きを抑制するために前記第1部材に向けて力を加えられる第2部材に設けられた複数の可撓性止め具とを係合させる工程と、
前記第1部材上の剛性止め具を、前記第2部材上の前記可撓性止め具を素早く通過させ、前記可撓性止め具に振動を起こす工程と、
を含む。 - 請求項11に記載の方法は、さらに、前記振動した可撓性止め具を前記第1部材に押し付け、それにより前記第1部材が前記振動を減衰させブレーキがかかる工程を含む。
- 制動方法は、
第1回転部材と、前記第1部材の動きを抑制するために前記第1部材に向けて力を加えられる第2部材に設けられた複数の可撓性金属止め具とを係合させる工程と、
前記第2部材が前記第1部材に向けて力を加えられるときに前記可撓性止め具が第1部材と増分的に係合するように、少なくともいくつかの前記可撓性止め具を不等長にする工程と、
を含む。 - 制動方法は、
第1回転部材と、前記第1部材の動きを抑制するために前記第1部材に向けて力を加えられる第2部材上の複数の可撓性止め具とを係合させる工程と、
前記第2部材が前記第1部材に向けて力を加えられるときに前記可撓性止め具が第1部材と増分的に係合するように、少なくともいくつかの前記可撓性止め具を不等長にする工程と、
前記第2部材が前記第1部材に向けて力を加えられるときに、各可撓性止め具に付随したばねを圧縮することにより少なくとも一つの可撓性止め具を前記第2部材へ所定距離収縮させ、それにより長さのより短い可撓性止め具が前記第1部材と増分的に係合できるようにする工程と、
を含む。 - 制動方法は、
第1回転部材と、前記第1部材の動きを抑制するために前記第1部材に向けて力を加えられる第2部材に設けられた複数の可撓性止め具とを係合させる工程を含み、
前記第1部材はブレーキドラムであり、前記第2部材はブレーキシューである構成とする。 - 請求項9に記載の方法において、前記第1部材はブレーキディスクであり、第2部材はブレーキキャリパである構成とする。
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