JP2004521237A - 内燃機関のクランク室ガス用のオイル分離器 - Google Patents
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Abstract
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドフード(4)にカスケード式に設けられている粗分離装置(28)、螺旋形の流動区を有するサイクロン分離装置(30)、微分離装置(32)及び、場合によっては弁装置(36)を備えた形式の、内燃機関のクランク室ガス用のオイル分離器(2)に関する。異なったクランク室ガス量を有する種々異なった機関において使用できるオイル分離器を提供するために、本発明のオイル分離器は、サイクロン分離装置(30)用のケーシング区分内に、流動区の種々異なった半径方向奥行の螺旋体(48)が選択的に挿嵌できるように構成されている。
Description
【0001】
技術分野:
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドフードにカスケード式に設けられている粗分離装置、サイクロン分離装置、微分離装置及び、場合によっては弁装置を備えた形式の、内燃機関のクランク室ガス用のオイル分離器に関する。
【0002】
背景技術:
内燃機関の運転中に、ピストン、ピストンリング及びシリンダ摺動面の間に、場合によっては弁案内の領域においても、漏れガス流、いわゆる吹き抜け(ブローバイ)ガスが発生する。クランク室内又はシリンダヘッド上位のカム軸室内へ達する、或いは其処へ導かれる該吹き抜けガス中には、液状成分、特に微細な油滴又はエンジンオイルの低温沸騰成分が含まれている。また伝動部品、つまりピストン、連接棒、クランク軸又はカム軸の運動に基づいて、クランク室ガス中又はカム軸室ガス中にも比較的大きな油滴が含まれていることもある。ここで云う油滴はスプラッシ油についても当て嵌まる。吹き抜けガスを導出するために、クランク室の換気が(大抵はカム軸室を介して)行われる。クランク室ガスと呼ばれるところの脈動式に発生する、このガス/液体混合流体は、オイル分離器によって液体成分を分離され、次いで通常、内燃機関の吸気域へ導かれる。オイル分離によって、後続領域の汚染が回避され、かつ炭化水素の放出が不都合に高められることもなくなる。
【0003】
オイル分離器の前記サイクロン分離装置では、クランク室ガスは、著しく急速に流動する螺旋形流動区を介して導かれる。該螺旋形流動区において発生する遠心力によって、クランク室ガスの液体成分は、螺旋形流動区を画定する周壁に沿って半径方向外向きに分離され、かつ該液相分は重力に基づいて、螺旋形区に沿って下方に達する。螺旋形流動区内におけるクランク室ガスの流動速度は、自明の通り、単位時間当りに発生するクランク室ガス量と、前記螺旋形流動区の流動横断面とに関連している。単位時間当りに発生するクランク室ガス量は殊に、自動車の行程体積(ピストン排出量)に関連している。従って例えば行程体積2〜2.5lのディーゼル機関の場合には、約65l/min のクランク室ガス量が発生する。しかし典型的に約50l/min しかオイル分離器へ導入されない機関も存在している。もっともクランク室ガス量は、最低で40l/min と見做されている。
【0004】
これによって、特殊な要件に応じてサイクロン分離装置もしくは螺旋形流動区を異なった横断面をもって構成することが必要になる。従来、異なった出力の類似の機関の場合にも、それぞれ異なったサイクロン分離装置を備えた種々異なったオイル分離器を製作しかつ準備しておくことが必要とされ、これに伴ってコスト高になった。
【0005】
発明の開示:
この点を出発点とする本発明の課題は、以上説明した問題点を排除することである。
【0006】
明細書冒頭に述べた形式のオイル分離器において前記課題を解決する本発明の構成手段は、サイクロン分離装置用のケーシング区分内に、サイクロン分離装置によって画定された流動区の、種々異なった半径方向奥行の螺旋体が選択的に挿嵌可能である点にある。
【0007】
要するに本発明は、種々異なった螺旋体を準備することによって、しかしその他の点ではオイル分離器の構造及び寸法を維持したままで、サイクロン分離装置において異なった流動横断面積を得ることのできるようなサイクロン分離装置を備えたオイル分離器を提供することを提案するものである。このようにして、種々異なったクランク室ガス量を有する異なった機関において同一のオイル分離器を使用することが可能になり、しかも特殊な要件、要するに比流動横断面積がその都度、各流動区に、特定の半径方向奥行を有する螺旋体を挿嵌することによって得られる。
【0008】
本発明の実施形態では、流動区の異なった半径方向奥行の螺旋体が等しい外法寸法を有しているので、該螺旋体は、例えば円筒形スリーブなどのような別体のアダプタ片なしに、サイクロン分離装置用のケーシング区分内に挿嵌可能である。このような場合、これらの螺旋体では螺旋形流動区の半径方向内法制限部が変化することになる。
【0009】
本発明の実施形態では、各螺旋体は円筒形のインナー片を有し、しかも該円筒形インナー片は、螺旋形流動区の内径Di を規定している。
【0010】
螺旋体は本発明の思想によれば例えば、相応の口径を有する螺旋体の中央開口を通して円筒形インナー片を差し通すことによって製作することができる。
【0011】
要するに本発明の提案によれば、それぞれ異なった半径方向奥行をもって使用可能な螺旋体を備えたオイル分離システムに対して保護権が請求される。要するに本発明の提案では、殊にサイクロン分離装置の外法寸法を維持した状態で、つまりサイクロン分離装置用ケーシング区分の構造上の形態を維持した状態で、内径及び/又は外径の変化する種々異なった螺旋体によって、螺旋形流動区の種々異なった流動横断面積が設けられる訳である。
【0012】
例えば2〜2.5lの行程体積を有するディーゼル機関のクランク室ガス量が約65l/min である場合、円筒形インナー片が約8mmの直径を有し、サイクロン分離装置用のケーシング外径が51mm、螺旋体のピッチが13mmになるように流動路を設計するのが有利と判った。クランク室ガス量がより少なく、約50l/min にすぎない場合には、流動横断面積がより小さいことに基づいて、サイクロン分離装置内部でほぼ同等高さの流動速度を得るためには、内径が約18mmであるのが有利と判った。通常発生するクランク室ガス量が最小の40l/min である場合には、やはり螺旋体ピッチを13mmかつケーシング外径を51mmとすれば、内径は約24mmが適当であろう。
【0013】
明細書冒頭で述べた形式のクランク室ガス用のオイル分離器はドイツ連邦共和国特許出願公開第197 00 733号明細書に基づいて公知である。当該特許文献は、オイル分離器の冒頭で述べた構成部品を内燃機関のシリンダヘッドフード内に組込んで配置することを開示している。この場合、粗分離装置及びサイクロン分離装置はシリンダヘッドフードの内面側に、要するにクランク室もしくはカム軸室寄りのシリンダヘッドフード側に配置されている。微分離装置及び弁装置は、シリンダヘッドフードの両ケーシングカバー半部間に配置されており、かつ流動方向で見てサイクロン分離装置に後置されている。この解決手段は、構造的にオイル分離構成エレメントをシリンダヘッドフード内に収蔵していることによって高い組付け経費を必然的に伴う。また構造丈も著しく高くなる。
【0014】
本発明の実施形態ではオイル分離器は、粗分離装置、サイクロン分離装置、微分離装置及び、場合によっては設けらる弁装置が、シリンダヘッドフードの外面側に配置されて1つのケーシング半殻体によって被覆されており、該ケーシング半殻体が、シリンダヘッドフードの外面側と相俟って、オイル分離器用のケーシングを形成し、かつシリンダヘッドフードの外面側に対して封隙作用をもって組付け可能であるように構成されている。
【0015】
オイル分離器の構成エレメントを本来のシリンダヘッドフードの外側に配置したことによって、1つのケーシング内、つまりオイル分離器のケーシング半殻体内の全構成エレメントを、予め組立可能な構成群として製作し、かつ該構成群を、次いで付加的なボトム部材と共に或いは該ボトム部材無しに、全体的にモジュール式にシリンダヘッドフードの外面側に接合する可能性が開かれる。特にシリンダヘッドフードは、カム軸ケーシングを上方で閉鎖するために、オイル分離器の構成部分から外してシリンダヘッドに組付けることができる。次いで又はそれよりも後の時点に、オイル分離器の予め製作された構成群を装着することも可能である。
【0016】
オイル分離器用のケーシングを形成するケーシング半殻体は、一体に製作されたプラスチック成形部品、特に射出成形部品であるのが特に有利と判った。
【0017】
オイル分離器の構成群が予め組立可能であることに関連して、粗分離装置の流動案内壁、サイクロン分離装置用の螺旋インサート体及び/又は微分離装置用の分離インサート体が、かつ殊に弁装置も、ケーシング半殻体内に装嵌可能である。全構成エレメントはその場合、ケーシング半殻体に関連して予め組立られ、かつ組込み構成群として待機させられ、次いで最終組立の所望の時点にトリンだヘッドフードに供給される。
【0018】
ケーシング半殻体は始めはフラットにかつ長く伸直した状態に構成されるのが有利である。最大150l/min のクランク室ガスを処理するためには、約295×60×70mm(長さ×幅×高さ)の寸法が充分と判った。その場合100〜200g/hのオイル量を分離することが可能である。本発明とは異なった形式の、外部に接合されたモジュール構造のサイクロン分離装置によって前記のオイル量を得るためには、従来は著しく大きな寸法、つまり高さ175mm、長さ105mm、幅90mmが必要とされた。本発明の構成によって、前記領域におけるオイル分離器の構造をフラットにかつ細長い寸法に実現することが可能になり、しかも効率及び処理量並びに分離体積の点で充分である。
【0019】
ケーシング半殻体は、シリンダヘッドフードの方に延びる外周側壁を有し、該外周側壁は、シリンダヘッド寄りの端面側エッジへ移行し、該端面側エッジによってケーシング半殻体はシリンダヘッドフードの外面側に密着されるのが有利と判った。
【0020】
前記の全周にわたる端面側エッジは接触平面を有利に規定し、該接触平面はその場合、オイル分離器のための組付け域におけるシリンダヘッドフードの外面側の適当な扁平構成を条件づける。シリンダヘッドフードに方に向かって延びる外周側壁を有するように、要するに実質的にポット状の幾何学形状を有するようにオイル分離器のケーシング半殻体を構成したことによって、防護されかつ予め製作されたケーシング内に全ての構成エレメントを組付けることが可能になり、しかもその組付け時には前記ケーシングは、その端面側エッジを介してシリンダヘッドフードの外面側に単に接合するだけでよいので殊に有利である。構成群のケーシング半殻体は、特に流入口及び戻し口を除いてボトム部材によって択一的又は付加的に閉鎖することができる。
【0021】
本発明のその他の構成手段、細部及び利点は、添付の特許請求の範囲、図面及び本発明のオイル分離器の有利な実施形態に関する以下の説明に基づいて明らかである。
【0022】
次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
【0023】
図1は、内燃機関の、総体的に符号4で示したシリンダヘッドフードの外面に組付けられた状態の、総体的に符号2で示した、以下に詳説するオイル分離器2の斜視図である。図3及び図4は前記オイル分離器2の斜視図である。また以下の説明においては、オイル分離器2の部分的な概略断面図である図5も参照される。
【0024】
オイル分離器2は、該オイル分離器2の全構成要素を収蔵するケーシング半殻体6を有している。該ケーシング半殻体6は一体に製作されたプラスチック射出成形部品であり、該プラスチック射出成形部品はシリンダヘッドフード4の方に向かって延びた外周側壁8を有している。該外周側壁8は、上部カバー壁10を起点としており、それに伴って複数のポット状ケーシング域12,14,16が形成される。各外周側壁8は、全周を囲む端面側エッジ18へ移行しており、該端面側エッジでもってケーシング半殻体6は、シリンダヘッドフード4の外面側20に封隙装着される。ケーシング半殻体6はその装着時に、図5に略示しかつ図1〜図4に示したねじ22を介してシリンダヘッドフード4の外面側20とねじ締結可能である。前記ねじ22は、図面から判るように、ケーシング半殻体6の外周側壁8から側方に張出している目環23を通して挿入されている。ねじ22は、シリンダヘッドフード4の外面側20から張出しているドーム形隆起24内に螺入されている。ケーシング半殻体6の内部を密封するために、端面側エッジ18内には、実質的に全周にわたる溝25が形成されており、該溝には、図示は省いたが1本のコードパッキンが挿入される。
【0025】
全周にわたる端面エッジ18は当接平面26を形成又は規定している。オイル分離器をそのケーシング半殻体6を介してシリンダヘッドフード4の外面側に封隙装着して該シリンダヘッドフード4に組付け得るようにするためには、端面側エッジ18に延びる領域を、シリンダヘッドフード4の外面側20に沿って相応に扁平に構成すればよい。要するに、種々異なって形成されたシリンダヘッドフードに沿って複雑な適合操作を行う必要はなく、種々異なった内燃機関のために種々異なった形状に形成されたシリンダヘッドフードは、ケーシング半殻体に対応して、もしくはその端面側エッジ18に対応して形成された外面側(最も単純な場合には扁平区分)を(端面側エッジ18の経過に沿ってのみ)有していればよい訳である。
【0026】
ケーシング域12は、実質的にポット状の室を形成し、該室内には粗分離装置28及びサイクロン分離装置30が設けられている。それに続くポット状のケーシング域14内には、例えば糸巻成体として形成された微分離インサート体34を有する微分離装置32が収蔵されている。ケーシング域12,14に対比して丈を低く構成されたケーシング域16は弁装置36を内蔵し、該弁装置は、図示を省いた内燃機関の吸気側に対してオイル分離器2の出口38を解放又は閉塞し、ひいてはクランク室ガスのガス圧の上限を規定する。
【0027】
カスケード状に配置された分離段は次のように構成されている。すなわち:
粗分離装置28は、クランク室ガス用の流入ポート40の上位でシリンダヘッドフード4内に配置されており、かつ図5から判るように流動案内壁42を有し、該流動案内壁は、オイル分離器2内へ流入するクランク室ガスを殊に有利には複数回変向させる。粗分離装置28の内部で最初に変向案内された後の最深部位には、この分離段で分離された液体のための還流ポート44が設けられている。流動案内壁42のボトム寄り端部の還流ポート44から、分離された液体はクランク室ガスの流動に抗して滴下し、こうしてシリンダヘッドフード4の下位の機関室内へ直接に再び到達する。上端部で、要するに上部カバー壁10の内面領域で、流動するクランク室ガスは、カスケード式に後続配置されたサイクロン分離装置30内へ流入する。該サイクロン分離装置30は、螺旋形流動区46を有している。該螺旋形流動区46は、中心開口50を有する螺旋体48によって形成されており、前記中心開口を通して管状又は円筒形のインナー片52が差し通されており、かつ実質的に螺旋体48と密結合されている。螺旋体48の周縁54はケーシング半殻体6の外周側壁8の内面に対して実質的に気密に接触している。このようにしてインナー片52によって螺旋体48の螺旋形通路が、またケーシング半殻体6によって螺旋形流動区46が形成又は画定されている。慣性力に基づいて、螺旋状に流動するクランク室ガス中の液体成分は、半径方向外向きに分離され、かつその重力に基づいて螺旋形流動区46を流下する。
【0028】
螺旋形流動区46の半径方向奥行が変化されるのが特に有利である。この半径方向奥行の変化は、異なった半径方向奥行を有する種々異なった螺旋体48を使用することによって行われるのが有利であり、これは、螺旋体48の外径は一定にしたまま、螺旋体48のインナー片52を種々異なった大きさにすることによって得られる。このように異なった螺旋体の選択と使用によって、オイル分離器の構造及び寸法設計は一定のままで、種々異なった機関に適合した種々異なった流動横断面を得ることが可能になる。
【0029】
流動方向で見て下流側のケーシング域14内に収蔵された微分離装置32は、円筒形の糸巻成体を微分離インサート体34として有しており、該微分離インサート体は、シリンダヘッド寄りの側で閉鎖されている。流動するクランク室ガスは糸巻成体の円筒周壁を通流し、かつその通流時に残りの極微液滴が分離され、該極微液滴は、糸巻成体の内部で重力に基づいてシリンダヘッドフードの方に向かって滴下する。図5では略示したにすぎないが、オイル導出ポート56がシリンダヘッドフード内に設けられている。糸巻成体はその上端部に出口ポート58を有している。この領域では上部カバー壁10は、幾分アーチ状に上向湾曲されている。出口ポート58を通流するクランク室ガスは、アーチ状湾曲域において即座に90゜変向され、次いでシリンダヘッドフード4の方に向かってもう一度90゜下向変向される。アーチ状上構部分10を別個の構成部分として構成することによって、ケーシング半殻体6の製造が、成形費に関連して著しく簡便になる。オーバーフロー通路60を著しく急勾配に構成することによって、長手方向で必要とされる構成空間を、可能な限り小さく抑えことが可能になる。ケーシング域14,16間の凹設部内には、シリンダヘッドフードに形成された対応輪郭部59が係合し、これによって、液体の溜まる無効空間が形成されなくなる。オーバーフロー通路60から、流動するクランク室ガスは、弁装置36を設けたケーシング域16内へ到達する。該弁装置36は、図5に略示したダイヤフラム62から成り、該ダイヤフラムは一方の側で大気と接続し、他方の側ではクランク室ガスによって負荷される。内燃機関による吸気作用が最大の場合、要するにオイル分離器の出口38に最大負圧が生じる場合、弁装置36は大気圧下で開口64を閉鎖する。クランクケースガスに基づいて前記ダイヤフラム62の下位の圧力が昇圧する場合には、開口64は解放され、かつクランク室ガスが、(改めて)燃焼のために供給される。
【0030】
図6には、螺旋体48の外径は等しいままで、異なった直径の円筒形インナー片52によって得られた、流動区の異なった半径方向奥行を有する螺旋体48の2つの異なった実施形態が略示されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】
シリンダヘッドフードの外面に組付けた状態で示した本発明のオイル分離器の斜視図である。
【図2】
周壁を部分的に取り除いて示したオイル分離器の図1相当の斜視図である。
【図3】
図1に示したオイル分離器の斜視図である。
【図4】
下面(シリンダヘッドフードにおける組付け側)から見た図3のオイル分離器の斜視図である。
【図5】
シリンダヘッドフードを概略的に示したにすぎない本発明のオイル分離器の1実施形態の概略的な断面図である。
【図6】
図4に示したオイル分離器用の2つの異なった螺線挿入体の概略図である。
【符号の説明】
2 オイル分離器、 4 シリンダヘッドフード、 6 ケーシング半殻体、 8 外周側壁、 10 上部カバー壁、 12,14,16 ポット状のケーシング域、 18 端面側エッジ、 20 外面側、 22 ねじ、 23 目環、 24 ドーム形隆起、 25 溝、 26 当接平面、 28 粗分離装置、 30 サイクロン分離装置、 32 微分離装置、 34 微分離インサート体、 36 弁装置、 38 出口、 40 流入ポート、 42 流動案内壁、 44 還流ポート、 46 螺旋形流動区、 48 螺旋体、 50 中心開口、 52 インナー片、 54 周縁、 56 オイル導出ポート、 58 出口ポート、 59 対応輪郭部、 60 オーバーフロー通路、 62 ダイヤフラム、 64 開口
技術分野:
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドフードにカスケード式に設けられている粗分離装置、サイクロン分離装置、微分離装置及び、場合によっては弁装置を備えた形式の、内燃機関のクランク室ガス用のオイル分離器に関する。
【0002】
背景技術:
内燃機関の運転中に、ピストン、ピストンリング及びシリンダ摺動面の間に、場合によっては弁案内の領域においても、漏れガス流、いわゆる吹き抜け(ブローバイ)ガスが発生する。クランク室内又はシリンダヘッド上位のカム軸室内へ達する、或いは其処へ導かれる該吹き抜けガス中には、液状成分、特に微細な油滴又はエンジンオイルの低温沸騰成分が含まれている。また伝動部品、つまりピストン、連接棒、クランク軸又はカム軸の運動に基づいて、クランク室ガス中又はカム軸室ガス中にも比較的大きな油滴が含まれていることもある。ここで云う油滴はスプラッシ油についても当て嵌まる。吹き抜けガスを導出するために、クランク室の換気が(大抵はカム軸室を介して)行われる。クランク室ガスと呼ばれるところの脈動式に発生する、このガス/液体混合流体は、オイル分離器によって液体成分を分離され、次いで通常、内燃機関の吸気域へ導かれる。オイル分離によって、後続領域の汚染が回避され、かつ炭化水素の放出が不都合に高められることもなくなる。
【0003】
オイル分離器の前記サイクロン分離装置では、クランク室ガスは、著しく急速に流動する螺旋形流動区を介して導かれる。該螺旋形流動区において発生する遠心力によって、クランク室ガスの液体成分は、螺旋形流動区を画定する周壁に沿って半径方向外向きに分離され、かつ該液相分は重力に基づいて、螺旋形区に沿って下方に達する。螺旋形流動区内におけるクランク室ガスの流動速度は、自明の通り、単位時間当りに発生するクランク室ガス量と、前記螺旋形流動区の流動横断面とに関連している。単位時間当りに発生するクランク室ガス量は殊に、自動車の行程体積(ピストン排出量)に関連している。従って例えば行程体積2〜2.5lのディーゼル機関の場合には、約65l/min のクランク室ガス量が発生する。しかし典型的に約50l/min しかオイル分離器へ導入されない機関も存在している。もっともクランク室ガス量は、最低で40l/min と見做されている。
【0004】
これによって、特殊な要件に応じてサイクロン分離装置もしくは螺旋形流動区を異なった横断面をもって構成することが必要になる。従来、異なった出力の類似の機関の場合にも、それぞれ異なったサイクロン分離装置を備えた種々異なったオイル分離器を製作しかつ準備しておくことが必要とされ、これに伴ってコスト高になった。
【0005】
発明の開示:
この点を出発点とする本発明の課題は、以上説明した問題点を排除することである。
【0006】
明細書冒頭に述べた形式のオイル分離器において前記課題を解決する本発明の構成手段は、サイクロン分離装置用のケーシング区分内に、サイクロン分離装置によって画定された流動区の、種々異なった半径方向奥行の螺旋体が選択的に挿嵌可能である点にある。
【0007】
要するに本発明は、種々異なった螺旋体を準備することによって、しかしその他の点ではオイル分離器の構造及び寸法を維持したままで、サイクロン分離装置において異なった流動横断面積を得ることのできるようなサイクロン分離装置を備えたオイル分離器を提供することを提案するものである。このようにして、種々異なったクランク室ガス量を有する異なった機関において同一のオイル分離器を使用することが可能になり、しかも特殊な要件、要するに比流動横断面積がその都度、各流動区に、特定の半径方向奥行を有する螺旋体を挿嵌することによって得られる。
【0008】
本発明の実施形態では、流動区の異なった半径方向奥行の螺旋体が等しい外法寸法を有しているので、該螺旋体は、例えば円筒形スリーブなどのような別体のアダプタ片なしに、サイクロン分離装置用のケーシング区分内に挿嵌可能である。このような場合、これらの螺旋体では螺旋形流動区の半径方向内法制限部が変化することになる。
【0009】
本発明の実施形態では、各螺旋体は円筒形のインナー片を有し、しかも該円筒形インナー片は、螺旋形流動区の内径Di を規定している。
【0010】
螺旋体は本発明の思想によれば例えば、相応の口径を有する螺旋体の中央開口を通して円筒形インナー片を差し通すことによって製作することができる。
【0011】
要するに本発明の提案によれば、それぞれ異なった半径方向奥行をもって使用可能な螺旋体を備えたオイル分離システムに対して保護権が請求される。要するに本発明の提案では、殊にサイクロン分離装置の外法寸法を維持した状態で、つまりサイクロン分離装置用ケーシング区分の構造上の形態を維持した状態で、内径及び/又は外径の変化する種々異なった螺旋体によって、螺旋形流動区の種々異なった流動横断面積が設けられる訳である。
【0012】
例えば2〜2.5lの行程体積を有するディーゼル機関のクランク室ガス量が約65l/min である場合、円筒形インナー片が約8mmの直径を有し、サイクロン分離装置用のケーシング外径が51mm、螺旋体のピッチが13mmになるように流動路を設計するのが有利と判った。クランク室ガス量がより少なく、約50l/min にすぎない場合には、流動横断面積がより小さいことに基づいて、サイクロン分離装置内部でほぼ同等高さの流動速度を得るためには、内径が約18mmであるのが有利と判った。通常発生するクランク室ガス量が最小の40l/min である場合には、やはり螺旋体ピッチを13mmかつケーシング外径を51mmとすれば、内径は約24mmが適当であろう。
【0013】
明細書冒頭で述べた形式のクランク室ガス用のオイル分離器はドイツ連邦共和国特許出願公開第197 00 733号明細書に基づいて公知である。当該特許文献は、オイル分離器の冒頭で述べた構成部品を内燃機関のシリンダヘッドフード内に組込んで配置することを開示している。この場合、粗分離装置及びサイクロン分離装置はシリンダヘッドフードの内面側に、要するにクランク室もしくはカム軸室寄りのシリンダヘッドフード側に配置されている。微分離装置及び弁装置は、シリンダヘッドフードの両ケーシングカバー半部間に配置されており、かつ流動方向で見てサイクロン分離装置に後置されている。この解決手段は、構造的にオイル分離構成エレメントをシリンダヘッドフード内に収蔵していることによって高い組付け経費を必然的に伴う。また構造丈も著しく高くなる。
【0014】
本発明の実施形態ではオイル分離器は、粗分離装置、サイクロン分離装置、微分離装置及び、場合によっては設けらる弁装置が、シリンダヘッドフードの外面側に配置されて1つのケーシング半殻体によって被覆されており、該ケーシング半殻体が、シリンダヘッドフードの外面側と相俟って、オイル分離器用のケーシングを形成し、かつシリンダヘッドフードの外面側に対して封隙作用をもって組付け可能であるように構成されている。
【0015】
オイル分離器の構成エレメントを本来のシリンダヘッドフードの外側に配置したことによって、1つのケーシング内、つまりオイル分離器のケーシング半殻体内の全構成エレメントを、予め組立可能な構成群として製作し、かつ該構成群を、次いで付加的なボトム部材と共に或いは該ボトム部材無しに、全体的にモジュール式にシリンダヘッドフードの外面側に接合する可能性が開かれる。特にシリンダヘッドフードは、カム軸ケーシングを上方で閉鎖するために、オイル分離器の構成部分から外してシリンダヘッドに組付けることができる。次いで又はそれよりも後の時点に、オイル分離器の予め製作された構成群を装着することも可能である。
【0016】
オイル分離器用のケーシングを形成するケーシング半殻体は、一体に製作されたプラスチック成形部品、特に射出成形部品であるのが特に有利と判った。
【0017】
オイル分離器の構成群が予め組立可能であることに関連して、粗分離装置の流動案内壁、サイクロン分離装置用の螺旋インサート体及び/又は微分離装置用の分離インサート体が、かつ殊に弁装置も、ケーシング半殻体内に装嵌可能である。全構成エレメントはその場合、ケーシング半殻体に関連して予め組立られ、かつ組込み構成群として待機させられ、次いで最終組立の所望の時点にトリンだヘッドフードに供給される。
【0018】
ケーシング半殻体は始めはフラットにかつ長く伸直した状態に構成されるのが有利である。最大150l/min のクランク室ガスを処理するためには、約295×60×70mm(長さ×幅×高さ)の寸法が充分と判った。その場合100〜200g/hのオイル量を分離することが可能である。本発明とは異なった形式の、外部に接合されたモジュール構造のサイクロン分離装置によって前記のオイル量を得るためには、従来は著しく大きな寸法、つまり高さ175mm、長さ105mm、幅90mmが必要とされた。本発明の構成によって、前記領域におけるオイル分離器の構造をフラットにかつ細長い寸法に実現することが可能になり、しかも効率及び処理量並びに分離体積の点で充分である。
【0019】
ケーシング半殻体は、シリンダヘッドフードの方に延びる外周側壁を有し、該外周側壁は、シリンダヘッド寄りの端面側エッジへ移行し、該端面側エッジによってケーシング半殻体はシリンダヘッドフードの外面側に密着されるのが有利と判った。
【0020】
前記の全周にわたる端面側エッジは接触平面を有利に規定し、該接触平面はその場合、オイル分離器のための組付け域におけるシリンダヘッドフードの外面側の適当な扁平構成を条件づける。シリンダヘッドフードに方に向かって延びる外周側壁を有するように、要するに実質的にポット状の幾何学形状を有するようにオイル分離器のケーシング半殻体を構成したことによって、防護されかつ予め製作されたケーシング内に全ての構成エレメントを組付けることが可能になり、しかもその組付け時には前記ケーシングは、その端面側エッジを介してシリンダヘッドフードの外面側に単に接合するだけでよいので殊に有利である。構成群のケーシング半殻体は、特に流入口及び戻し口を除いてボトム部材によって択一的又は付加的に閉鎖することができる。
【0021】
本発明のその他の構成手段、細部及び利点は、添付の特許請求の範囲、図面及び本発明のオイル分離器の有利な実施形態に関する以下の説明に基づいて明らかである。
【0022】
次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
【0023】
図1は、内燃機関の、総体的に符号4で示したシリンダヘッドフードの外面に組付けられた状態の、総体的に符号2で示した、以下に詳説するオイル分離器2の斜視図である。図3及び図4は前記オイル分離器2の斜視図である。また以下の説明においては、オイル分離器2の部分的な概略断面図である図5も参照される。
【0024】
オイル分離器2は、該オイル分離器2の全構成要素を収蔵するケーシング半殻体6を有している。該ケーシング半殻体6は一体に製作されたプラスチック射出成形部品であり、該プラスチック射出成形部品はシリンダヘッドフード4の方に向かって延びた外周側壁8を有している。該外周側壁8は、上部カバー壁10を起点としており、それに伴って複数のポット状ケーシング域12,14,16が形成される。各外周側壁8は、全周を囲む端面側エッジ18へ移行しており、該端面側エッジでもってケーシング半殻体6は、シリンダヘッドフード4の外面側20に封隙装着される。ケーシング半殻体6はその装着時に、図5に略示しかつ図1〜図4に示したねじ22を介してシリンダヘッドフード4の外面側20とねじ締結可能である。前記ねじ22は、図面から判るように、ケーシング半殻体6の外周側壁8から側方に張出している目環23を通して挿入されている。ねじ22は、シリンダヘッドフード4の外面側20から張出しているドーム形隆起24内に螺入されている。ケーシング半殻体6の内部を密封するために、端面側エッジ18内には、実質的に全周にわたる溝25が形成されており、該溝には、図示は省いたが1本のコードパッキンが挿入される。
【0025】
全周にわたる端面エッジ18は当接平面26を形成又は規定している。オイル分離器をそのケーシング半殻体6を介してシリンダヘッドフード4の外面側に封隙装着して該シリンダヘッドフード4に組付け得るようにするためには、端面側エッジ18に延びる領域を、シリンダヘッドフード4の外面側20に沿って相応に扁平に構成すればよい。要するに、種々異なって形成されたシリンダヘッドフードに沿って複雑な適合操作を行う必要はなく、種々異なった内燃機関のために種々異なった形状に形成されたシリンダヘッドフードは、ケーシング半殻体に対応して、もしくはその端面側エッジ18に対応して形成された外面側(最も単純な場合には扁平区分)を(端面側エッジ18の経過に沿ってのみ)有していればよい訳である。
【0026】
ケーシング域12は、実質的にポット状の室を形成し、該室内には粗分離装置28及びサイクロン分離装置30が設けられている。それに続くポット状のケーシング域14内には、例えば糸巻成体として形成された微分離インサート体34を有する微分離装置32が収蔵されている。ケーシング域12,14に対比して丈を低く構成されたケーシング域16は弁装置36を内蔵し、該弁装置は、図示を省いた内燃機関の吸気側に対してオイル分離器2の出口38を解放又は閉塞し、ひいてはクランク室ガスのガス圧の上限を規定する。
【0027】
カスケード状に配置された分離段は次のように構成されている。すなわち:
粗分離装置28は、クランク室ガス用の流入ポート40の上位でシリンダヘッドフード4内に配置されており、かつ図5から判るように流動案内壁42を有し、該流動案内壁は、オイル分離器2内へ流入するクランク室ガスを殊に有利には複数回変向させる。粗分離装置28の内部で最初に変向案内された後の最深部位には、この分離段で分離された液体のための還流ポート44が設けられている。流動案内壁42のボトム寄り端部の還流ポート44から、分離された液体はクランク室ガスの流動に抗して滴下し、こうしてシリンダヘッドフード4の下位の機関室内へ直接に再び到達する。上端部で、要するに上部カバー壁10の内面領域で、流動するクランク室ガスは、カスケード式に後続配置されたサイクロン分離装置30内へ流入する。該サイクロン分離装置30は、螺旋形流動区46を有している。該螺旋形流動区46は、中心開口50を有する螺旋体48によって形成されており、前記中心開口を通して管状又は円筒形のインナー片52が差し通されており、かつ実質的に螺旋体48と密結合されている。螺旋体48の周縁54はケーシング半殻体6の外周側壁8の内面に対して実質的に気密に接触している。このようにしてインナー片52によって螺旋体48の螺旋形通路が、またケーシング半殻体6によって螺旋形流動区46が形成又は画定されている。慣性力に基づいて、螺旋状に流動するクランク室ガス中の液体成分は、半径方向外向きに分離され、かつその重力に基づいて螺旋形流動区46を流下する。
【0028】
螺旋形流動区46の半径方向奥行が変化されるのが特に有利である。この半径方向奥行の変化は、異なった半径方向奥行を有する種々異なった螺旋体48を使用することによって行われるのが有利であり、これは、螺旋体48の外径は一定にしたまま、螺旋体48のインナー片52を種々異なった大きさにすることによって得られる。このように異なった螺旋体の選択と使用によって、オイル分離器の構造及び寸法設計は一定のままで、種々異なった機関に適合した種々異なった流動横断面を得ることが可能になる。
【0029】
流動方向で見て下流側のケーシング域14内に収蔵された微分離装置32は、円筒形の糸巻成体を微分離インサート体34として有しており、該微分離インサート体は、シリンダヘッド寄りの側で閉鎖されている。流動するクランク室ガスは糸巻成体の円筒周壁を通流し、かつその通流時に残りの極微液滴が分離され、該極微液滴は、糸巻成体の内部で重力に基づいてシリンダヘッドフードの方に向かって滴下する。図5では略示したにすぎないが、オイル導出ポート56がシリンダヘッドフード内に設けられている。糸巻成体はその上端部に出口ポート58を有している。この領域では上部カバー壁10は、幾分アーチ状に上向湾曲されている。出口ポート58を通流するクランク室ガスは、アーチ状湾曲域において即座に90゜変向され、次いでシリンダヘッドフード4の方に向かってもう一度90゜下向変向される。アーチ状上構部分10を別個の構成部分として構成することによって、ケーシング半殻体6の製造が、成形費に関連して著しく簡便になる。オーバーフロー通路60を著しく急勾配に構成することによって、長手方向で必要とされる構成空間を、可能な限り小さく抑えことが可能になる。ケーシング域14,16間の凹設部内には、シリンダヘッドフードに形成された対応輪郭部59が係合し、これによって、液体の溜まる無効空間が形成されなくなる。オーバーフロー通路60から、流動するクランク室ガスは、弁装置36を設けたケーシング域16内へ到達する。該弁装置36は、図5に略示したダイヤフラム62から成り、該ダイヤフラムは一方の側で大気と接続し、他方の側ではクランク室ガスによって負荷される。内燃機関による吸気作用が最大の場合、要するにオイル分離器の出口38に最大負圧が生じる場合、弁装置36は大気圧下で開口64を閉鎖する。クランクケースガスに基づいて前記ダイヤフラム62の下位の圧力が昇圧する場合には、開口64は解放され、かつクランク室ガスが、(改めて)燃焼のために供給される。
【0030】
図6には、螺旋体48の外径は等しいままで、異なった直径の円筒形インナー片52によって得られた、流動区の異なった半径方向奥行を有する螺旋体48の2つの異なった実施形態が略示されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】
シリンダヘッドフードの外面に組付けた状態で示した本発明のオイル分離器の斜視図である。
【図2】
周壁を部分的に取り除いて示したオイル分離器の図1相当の斜視図である。
【図3】
図1に示したオイル分離器の斜視図である。
【図4】
下面(シリンダヘッドフードにおける組付け側)から見た図3のオイル分離器の斜視図である。
【図5】
シリンダヘッドフードを概略的に示したにすぎない本発明のオイル分離器の1実施形態の概略的な断面図である。
【図6】
図4に示したオイル分離器用の2つの異なった螺線挿入体の概略図である。
【符号の説明】
2 オイル分離器、 4 シリンダヘッドフード、 6 ケーシング半殻体、 8 外周側壁、 10 上部カバー壁、 12,14,16 ポット状のケーシング域、 18 端面側エッジ、 20 外面側、 22 ねじ、 23 目環、 24 ドーム形隆起、 25 溝、 26 当接平面、 28 粗分離装置、 30 サイクロン分離装置、 32 微分離装置、 34 微分離インサート体、 36 弁装置、 38 出口、 40 流入ポート、 42 流動案内壁、 44 還流ポート、 46 螺旋形流動区、 48 螺旋体、 50 中心開口、 52 インナー片、 54 周縁、 56 オイル導出ポート、 58 出口ポート、 59 対応輪郭部、 60 オーバーフロー通路、 62 ダイヤフラム、 64 開口
Claims (9)
- 内燃機関のシリンダヘッドフード(4)にカスケード式に設けられている粗分離装置(28)、螺旋形の流動区を有するサイクロン分離装置(30)、微分離装置(32)及び、場合によっては弁装置(36)を備えた形式の、内燃機関のクランク室ガス用のオイル分離器(2)において、サイクロン分離装置(30)用のケーシング区分内に、流動区の種々異なった半径方向奥行の螺旋体(48)が選択的に挿嵌可能であることを特徴とする、内燃機関のクランク室ガス用のオイル分離器。
- 流動区の種々異なった半径方向奥行の螺旋体(48)が、等しい外法寸法を有している、請求項1記載のオイル分離器。
- 螺旋体が円筒形のインナー片(52)を有し、しかも該インナー片(52)が、螺旋形流動区(46)の内径(Di)を規定している、請求項1又は2記載のオイル分離器。
- 11〜15mmの螺旋体ピッチ及び48〜54mmの外径(Da )を有するサイクロン分離装置(30)における最大内径(Di,max )が、約8mm(±10%)である、請求項1から3までのいずれか1項記載のオイル分離器。
- 11〜15mmの螺旋体ピッチ及び48〜54mmの外径(Da )を有するサイクロン分離装置(30)における最大内径(Di,max )が、約18mm(±10%)である、請求項1から3までのいずれか1項記載のオイル分離器。
- 11〜15mmの螺旋体ピッチ及び48〜54mmの外径(Da )を有するサイクロン分離装置(30)における最大内径(Di,max )が、約24mm(±10%)である、請求項1から3までのいずれか1項記載のオイル分離器。
- 粗分離装置(28)、サイクロン分離装置(30)、微分離装置(32)及び、場合によっては設けらる弁装置(36)が、シリンダヘッドフード(4)の外面側(20)に配置されて1つのケーシング半殻体(6)によって被覆されており、該ケーシング半殻体が、シリンダヘッドフード(4)の外面側(20)と相俟って、オイル分離器(2)用のケーシングを形成している、請求項1から6までのいずれか1項記載のオイル分離器。
- ケーシング半殻体(6)が、一体に製作されたプラスチック成形部品、特に射出成形部品である、請求項7記載のオイル分離器。
- 流動案内壁(42)及び/又はサイクロン分離装置(30)用の螺旋体(48)及び/又は微分離装置(32)用の分離インサート体(34)及び/又は弁装置(36)が、予め組立てられたユニットとして、ケーシング半殻体(6)内に装嵌可能である、請求項7又は8記載のオイル分離器。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050315 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070411 |