JP2004520096A - ヒドロゲル創傷被覆材 - Google Patents
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Abstract
本発明は、液体浸透性の表側シートと不溶性のヒドロゲル層を備える創傷被覆材を提供する。表側シートは創傷対向面と裏面を有しており、表側シートは創傷対向面への裏面からの液体の通過を阻止または規制するのに適している。ヒドロゲル層は表側シートの創傷対向面に配置されている。
Description
【発明の内容の開示】
【0001】
本発明は、創傷の表面で適切な湿度レベルを維持するために吸収材構造体とヒドロゲル層を有する創傷被覆材に関する。
【0002】
創傷の周囲に湿り気があれば、創傷、特に火傷および例えば潰瘍のような慢性創傷の治癒が促進されることが知られている。しかし、滲出液が創傷の付近の皮膚の浸軟およびその他の問題を引き起こすので、創傷上の過剰な湿度つまり滲出液の貯留は避けるのが望ましい。さらに、滲出液は創傷箇所から漏れ、布や寝具を汚すことがある。
【0003】
創傷液生成物の流量は、創傷によってまちまちであり、同じ創傷でも時間によって異なるので、創傷箇所での所望の湿度レベルを維持するのは実用的には困難である。このため、頻繁に被覆材を交換し、様々な創傷を治療するためにある程度のタイプの被覆材を準備することが必要となりうる。
【0004】
本発明は、多種の創傷の治療のための改善された多層被覆材として使用される構造、またはその多層被覆材中に使用される構造を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、液体浸透性の表側シートとヒドロゲル層を備え、前記表側シートが創傷対向面と裏面を有しており、前記表側シートは前記裏面から前記創傷対向面への液体の通過を阻止または規制するのに適しており、前記ヒドロゲル層が前記表側シートの前記創傷対向面に配置されている創傷被覆材を提供する。
【0006】
好ましくは、創傷被覆材は、さらに前記表側シートの前記裏面全体を覆う裏当て層をさらに備える。裏当て層は前記表側シートと中間の吸収材層(これを有する場合に限る)を支持し、好ましくは被覆材を通過する微生物の障壁となる。裏当て層は、前記吸収材層の少なくとも一つの縁を超えて広がり、ある表面(例えば治療される創傷の付近の患者の皮膚)に創傷被覆材が接着するように前記縁の付近における接着剤コートされたマージンを設けている。接着剤コートされたマージンは前記吸収材層の全ての辺の周囲に広がっていてもよく、この場合には被覆材はいわゆる「孤島」状の被覆材である。ただし、接着剤コートされたマージンを設けることは必ずしも必要ではない。
【0007】
好ましくは裏当て層はほとんど液体不透過性である。この裏当てシートは好ましくは半透過性である。すなわち、裏当てシートは好ましくは水蒸気を透過するが、液体の水つまり創傷滲出液を透過しない。また、好ましくは裏当てシートは、微生物不透過性である。適切な連続した柔軟な裏当てシートでは、好ましくは裏当てシート単独での水蒸気透過率(MVTR)が300g/m2 /24時間〜5000g/m2 /24時間であり、さらに好ましくは500g/m2 /24時間〜2000g/m2 /24時間である(37.5℃で100%〜10%の相対湿度変化)。裏当てシートの厚さは、好ましくは10μm〜1000μmの範囲、さらに好ましくは100μm〜500μmの範囲にある。
【0008】
本発明に係る被覆材の全体のMVTRは裏当てシート単独のそれよりも低い。というのも表側シートが被覆材を通ずる湿気の移動を部分的に阻害するからである。好ましくは、被覆材の(被覆材の孤島部分を横切る方向について計測した)MVTRは、裏当てシート単独のMVTRの20%〜80%、さらに好ましくは20%〜60%、最も好ましくは40%である。このような水蒸気透過率により、被覆材の下方の創傷は、その周囲の皮膚がふやけることのない湿度条件の下で治癒することが分かった。
【0009】
裏当てシートを形成する適切なポリマーには、ポリウレタンと例えば英国特許公開公報GB−A−1280631号に開示されたポリアルコキシルアクリレートおよびポリアルコキシルメタクリレートがある。好ましくは、裏当てシートは高密度に型押しされた大部分が閉鎖セルであるポリウレタン発泡体の連続した層である。適切な裏当てシート材料は、登録商標ESTANE 5714Fの下に入手可能なポリウレタンフィルムである。
【0010】
接着層(これを有する場合に限る)は、水蒸気透過性であるか、水蒸気を透過するようにパターン形成されているかの少なくともいずれかである。接着層は、好ましくは連続的な水蒸気透過性の感圧接着層であり、従来から孤島状の創傷被覆材に使用されるタイプである。例えば、英国特許公開公報GB−A−1280631号に開示されたような、アクリレートエステルコポリマー、ポリビニールエーテルおよびポリウレタンを主原料とする感圧接着剤である。この接着層の坪量は、好ましくは20g/m2 〜250g/m2 、さらに好ましくは50g/m2 〜150g/m2 である。ポリウレタンを主原料とする感圧接着剤が好ましい。
【0011】
好ましくは、接着層は吸収材層と吸収材層を覆うものから外側に広がり、従来の孤島状の被覆材と同様に、接着層の付近の裏当て層における接着剤コートされたマージンを形成する。
【0012】
任意に設けられる吸収材層の面積は、典型的には1cm2 〜200cm2 の範囲にあり、さらに好ましくは4cm2 〜100cm2 の範囲にある。
【0013】
任意に設けられる吸収材層は、創傷治療技術において創傷の液、血清または血液を吸収するために従来使用されていたいかなる層であってもよい。これらには、ガーゼ、不織布、高吸収性物質、ヒドロゲルおよびこれらの組合せがある。好ましくは、吸収材層は、吸収材発泡体、例えば欧州特許公開公報EP−A−0541391号に従って作成された開放セルを有する親水性ポリウレタン発泡体を備える。この公報の記載内容はここで引用することにより、本出願の開示の一部をなす。他の実施の形態では、吸収材層は不織布のウェブ、例えばビスコースを原料とする繊維である。吸収材層の坪量は、50g/cm2 〜500g/cm2 、例えば100g/cm2 〜400g/cm2 の範囲にありうる。吸収材層の非圧縮での厚さは、0.5mm〜10mm、例えば1m〜4mmの範囲にありうる。生理食塩水に対する自由な状態(非圧縮時)での液体吸収性は、25℃で5g/g〜30g/gの範囲にありうる。
【0014】
任意に設けられる吸収材層は、さらに積極的治療薬または抗菌薬を含有してもよい。適切な治療薬には、成長因子、鎮痛剤、局部麻酔剤およびステロイドがある。適切な抗菌薬には、例えば銀化合物(例えばスルファジアジン銀)およびクロルヘキシジンのような消毒剤および抗生物質がある。積極的治療薬または抗菌薬は、通常は吸収材層の乾燥重量を基準として0.01重量%〜5重量%の量、添加される。吸収材層に抗菌薬を添加することは二つの理由により好ましいかもしれない。一つは生産ルートを単純化するという点である。二つ目は、創傷から抗菌薬を離しておくことにより、比較的乾燥した創傷のように抗菌薬が不要かもしれない場合に抗菌薬に不要にさらされるのが防止できるからである。多くの滲出液が存在する場合には、吸収材層が濡れるにつれて抗菌薬の放出レベルが高まるであろう。指向性を持った表側シートが創傷の方への浸出液の逆流量を(液体の表面張力によるいくらかの量まで)規制すべきであるのに対して、抗菌薬は濃度勾配に逆行し、穿孔シートを通じて創傷に向けて逆方向に通過すべきである。例えば銀イオンのような抗菌薬の成分が比較的低いレベルの水分でも運ばれることが知られている。
【0015】
本発明による創傷被覆材の表側シートは、液体浸透性であるが、裏面から創傷箇所への液体の流れを阻止または規制するように機能する。すなわち、表側シートにより、液体は創傷箇所から表側シートを通じて創傷箇所へ通過することができるが、表側シートを通じて液体が創傷へ逆流すること(濡れ戻りとして知られている)を表側シートは阻止または規制する。このような濡れない表側シートは、例えば疎水性の繊維の層を備えるか、少なくとも外面に疎水仕上げがされた多孔質の不織布であってよい。好ましくは、この表側シートでは、創傷対向面への液体の流れに関する液体浸透性が創傷対向面からの液体の流れに関する液体浸透性よりも大きい。
【0016】
好ましくは表側シートは、テーパ状の毛細管を持つほとんど液体不透過性のシート材料から形成される。各毛細管は基部開口と先端開口を有しており、前記基部開口のほとんどが前記表側シートの前記創傷対向面の面内にあり、前記先端開口は前記表側シートの前記創傷対向面から離間していて好ましくは前記吸収材層に接触している。このような円錐状の毛細管は、濡れ戻りが最小である一方、表側シートの表側面からの急速な一方向吸収をもたらす。この種の表側シートは、英国特許公開公報GB−A−1526778号に記載されている。
【0017】
表側シートのフィルムは、熱可塑性のフィルム形成ポリマーから形成することができる。好ましくはこのポリマーは、柔軟(conformable)ではあるが、ゴムのような弾性はほとんど示さない(not substantially elastomeric)。適切なポリマーには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド(例えばナイロン)、フルオロポリマー(例えばポリビニリデンフルオライド(PVDF)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE))およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。表側シートは好ましくはポリオレフィンフィルムである。好ましくは、このフィルムは、重量による厚さ(thickness by weight)(米国材料試験協会(ASTM)E252−84)が10μm〜200μmであり、さらに好ましくは25μm〜100μmである。
【0018】
好ましくは毛細管は、ほぼ円錐台状である。好ましくは毛細管は、0.1mm〜3mmの範囲の基部開口寸法(表側シートの面での最大開口寸法)と、0.05mm〜2mmの範囲の先端開口寸法(表側シートの面から離れた)とを有する。さらに好ましくは、毛細管は、0.3mm〜1mmの範囲に規定された基部開口寸法と、0.1mm〜0.5mmの範囲に規定された先端開口寸法とを有する。
【0019】
好ましくは毛細管は、10°〜60°の範囲に規定された平均テーパ角(表側シートの面への垂線から計測した)を有する。好ましくは表側シートの型押しされた厚さは(ASTMD374−79により)、0.2mm〜2mmであり、好ましくは0.4mm〜1mmである。
【0020】
この種の表側シートは、例えば液体不透過性熱可塑性フィルムを型押しまたは真空穿孔することにより製造できる。好ましくは毛細管の密度は10個/cm2 〜400個/cm2 であり、さらに好ましくは50個/cm2 〜200個/cm2 である。好ましくは表側シートの総面積中の開口面積は5%〜50%、さらに好ましくは10%〜25%である。
【0021】
驚いたことに、このような表側シートの表側面にヒドロゲル層を設けることにより、広範囲な創傷滲出速度に対して長期にわたって、創傷周囲の湿度を維持することが可能になることが発見された。表側シートは、創傷液体を吸い取り、創傷での過剰な湿気を防止する。しかし、この吸い取りは、ヒドロゲルの除去またはヒドロゲルによる表側シートの閉塞を招くのではない。創傷滲出液の生成の速度が低下すると、ヒドロゲルは吸収体層から水蒸気を吸収し、創傷接触面の湿り気を維持する。ヒドロゲルは、表側シートを通じた非常に多大な濡れ戻りの増加を起こさない。
【0022】
ヒドロゲル層は、好ましくは10g/cm2 〜200g/cm2 、さらに好ましくは10g/cm2 〜100g/cm2 、最も好ましくは10g/cm2 〜50g/cm2 の範囲の無水ベース重量を有する。
【0023】
「ヒドロゲル層」という用語は、広く、創傷表面での高い湿度レベルを維持するために生理的条件の下で創傷表面と相互に作用する層を指す。好ましくは、ヒドロゲル層は、生理的な温度・pH条件の下で水と協働してゲルを形成する。このようなヒドロゲル層は、好ましくは液体を吸収して膨らむと同時に強固な一体構造を維持する能力を有する医療的に許容できる高分子材料の添加により形成できる。ヒドロゲル材料は、生理的条件の下で水に対してほとんど不溶性であり、創傷液体により洗い流されない。ヒドロゲルはバイオポリマーでもよいし、これに加えてあるいはこれに代えて、生体吸収性でもよい。すなわちヒドロゲルは生体内で徐々に吸収を受ける。
【0024】
代表的な不溶性ゲルは、ある種の架橋ポリアクリレートゲル、カルシウムアルジネートゲル、架橋ヒアルロン酸塩ゲルを含み、ヒドロゲルの層は、ビニールアルコール、ビニールエステル、ビニールエーテルとカルボキシビニールモノマー、メタクリル酸(meth(acrylic)acid)、アクリルアミド、N−ビニールピロリドン、アシルアミドプロパンスルホン酸、プルロニック(登録商標:ブロックポリエチレングリコール、ブロックポリプロピレングリコール)ポリスチレンマレイン酸、NN−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリンおよびこれらの混合物を含有する。好ましくはこのゲルは、創傷液体による洗い流しに耐えるように表側シート材料の表面に強固に付着する。ある実施の形態では、このゲルは表側シートの表面に化学的に結合してもよい。
【0025】
好ましくは、ヒドロゲル層は、ポリウレタンゲル、バイオポリマーゲル、カルボキシメチルセルロースゲル、ヒドロキシエチルセルロースゲル、ヒドロキシプロピルセルロース、変性アクリルアミド、およびこれらの混合物から選択されたヒドロゲル材料を含有する。適切なバイオポリマーゲルには、アルジネート、ペクチン、ガラクトマンナン、キトサン、ゼラチン、ヒアルロン酸塩およびこれらの混合物がある。また、これらのバイオポリマー材料のいくつかは、創傷の治癒を促進する。
【0026】
好ましくはこのゲルは架橋ゲルであり、架橋形式は電子対の共有でもよいしイオン性でもよい。
【0027】
好ましくはさらにヒドロゲル材料は、乾燥重量ベースで例えばグリセロールのような一つ以上の湿潤剤を5%〜50%含有する。
【0028】
好ましくは、ヒドロゲル層は国際特許出願公開公報WO 00/07638号に記載された種類のヒドロゲル材料を含有する。この公報の記載内容はここで引用することにより、本出願の開示の一部をなす。
【0029】
ゲルを形成する高分子の代わりにあるいはこれに加えて、ヒドロゲル層は一つ以上の皮膚軟化剤を含有してもよい。皮膚軟化剤は、皮膚表面を滑らかにし、水和反応の度合いを高めるために使用される。皮膚軟化剤は、皮膚の外側層からの水の損失を閉塞するか、皮膚への水の結び付きを改善することにより機能を果たす。皮膚軟化剤はアトピー性湿疹または魚鱗癬の治療に特に有効である。好ましい皮膚軟化剤には、白色柔軟パラフィン(white soft paraffin)、黄色柔軟パラフィン(yellow soft paraffin)、液体パラフィン、尿素クリーム、ラノリン、ピロリドンカルボキシレートナトリウム(sodium pyrrolidone carboxylate: PCA Na)、待宵草エキス(ガンマリノレン酸)、大豆油、ティー・ツリー油、ココナッツ油、アーモンド油、カミツレエキス、鱈肝油、ピーナッツ油、エミューオイル、アロエ・ベラ、ひまわり油、アボカド油、ホホバ油、ココアミド(cocoamide)、およびこれらの混合物がある。
【0030】
さらにヒドロゲル層は、一つ以上の積極的治療薬または抗菌薬を含有してもよい。適切な治療薬には、成長因子、鎮痛剤、局部麻酔剤およびステロイドがある。適切な抗菌薬には、例えば銀化合物(例えばスルファジアジン銀)およびクロルヘキシジンのような消毒剤および抗生物質がある。積極的治療薬または抗菌薬は、通常はヒドロゲル層の乾燥重量を基準として0.01重量%〜5重量%の量、添加される。
【0031】
ヒドロゲル層は、連続的でもよいし不連続的でもよいが、どちらの場合でも好ましくは、ヒドロゲル層には、前記表側シートの貫通孔にぴったり合うような開口が設けられており、ヒドロゲルが完全に膨張しても毛細管内への液体の流入が阻害されないようになっている。つまり、最初から表側シートの毛細管の内部または毛細管を覆うヒドロゲルは存在しないのが好ましい。ヒドロゲル層は噴霧または好ましくは印刷もしくは転写方法で与えてよい。
【0032】
好ましくは、本発明による多層の創傷被覆材はさらに、ヒドロゲルの層全体を覆う一つ以上の保護カバーシートを備える。例えば、保護カバーシートは、コートされた一つ以上の剥離紙保護シートを含む。好ましくは、創傷被覆材は殺菌され微生物不透過性の容器に包装されている。
【0033】
本発明はさらに、本発明に係る多層の創傷被覆材を、創傷に付けるための被覆材の作成のために使用する用法を提供する。
【0034】
別の特徴として、本発明は、創傷に接触するヒドロゲルを用いて創傷の表面に本発明に係る創傷被覆材を付ける工程を備える創傷の治療方法を提供する。
【0035】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施の形態を例示の目的で説明する。
【0036】
図1に示すように、この創傷被覆材は、孤島状の自己接着式創傷被覆材であり、例えばESTANE 5714F(登録商標)のような微小孔を有する液体浸透性のポリウレタン発泡体の裏当て層1を有する。裏当て層1は、水蒸気を浸透することができるが、創傷滲出液および微生物を浸透することができない。
【0037】
裏当て層1は、感圧式のポリウレタン接着剤2からなるほぼ連続する層でコートされている。
【0038】
吸収材層3は、欧州特許公開公報EP−A−0541391号に開示された通りに作成された親水性のポリウレタン発泡体の層であり、約350g/mm2 の坪量と約1.5mmの厚さを有する。
【0039】
表側シート4は、吸収材層3全体にわたって広がり、吸収材層3に部分的に巻き付けられており、表側シート4の縁5は接着剤2により吸収材層3の後方の裏当て層1に接着されている。このことは図2にさらに明確に示されている。表側シート4は、1cm2 あたり約90個の貫通孔を持つように穿孔されたポリエチレンフィルムである。上記のように各貫通孔はほぼ円錐形を有しており、最大孔径は約0.5mm、表側面の総面積中の開口面積は16%、重量による厚さ(thickness by weight)は約43μm、型押しされた厚さは約0.5mmである。かかる表側シート4は、バージニア州リッチモンドのTredegar Film Productsから「VISPORE」という登録商標の下に入手することができる。
【0040】
図2に示すように、表側シート4は、創傷に接する滑らかな穿孔された表側面を有する。この面は、噴霧により塗布されたヒドロゲルの層6でコートされている。ヒドロゲルの層6は、表側シート4の貫通孔(毛細管)にぴったり合うような開口が設けられているので、たとえヒドロゲルが完全に膨張しても、毛細管の内部を通じて液体が通過可能である。ヒドロゲル6は、30g/cm2 の無水ベース重量を有し、グルタルアルデヒドまたはホルムアルデヒドに架橋したウシのゼラチンから構成されている。
【0041】
図1に示す被覆材の創傷対向面は、シリコーン(silicone)でコートされた二つの剥離紙8,9で保護され、微生物不透過性の小袋により包装され、ガンマ線照射により消毒される。
【0042】
使用時には、創傷被覆材は包装から取り出され、剥離紙8,9が除去され、表側シート4とヒドロゲルが創傷に接触するように創傷の周囲の皮膚に創傷被覆材が接着されて滅菌吸収性被覆材となる。ヒドロゲルと表側シート4は、今まで予想もつかなかった方式で相互作用して、長期にわたって多種の創傷に対して、湿り気があるがじめじめと濡れるのではない創傷環境を提供する。
【0043】
上記の実施の形態は例示のためにのみ説明した。この技術分野に熟練した読者には特許請求の範囲内にある他の多くの実施の形態が明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る創傷被覆材の下面(創傷接触面)の斜視図である。
【図2】図1の被覆材の孤島領域の部分横断面図(倍率は比例関係にはない)である。
【符号の説明】
【0045】
1 裏当て層
2 接着剤
3 吸収材層
4 表側シート
5 縁
6 ヒドロゲルの層
8,9 剥離紙
【0001】
本発明は、創傷の表面で適切な湿度レベルを維持するために吸収材構造体とヒドロゲル層を有する創傷被覆材に関する。
【0002】
創傷の周囲に湿り気があれば、創傷、特に火傷および例えば潰瘍のような慢性創傷の治癒が促進されることが知られている。しかし、滲出液が創傷の付近の皮膚の浸軟およびその他の問題を引き起こすので、創傷上の過剰な湿度つまり滲出液の貯留は避けるのが望ましい。さらに、滲出液は創傷箇所から漏れ、布や寝具を汚すことがある。
【0003】
創傷液生成物の流量は、創傷によってまちまちであり、同じ創傷でも時間によって異なるので、創傷箇所での所望の湿度レベルを維持するのは実用的には困難である。このため、頻繁に被覆材を交換し、様々な創傷を治療するためにある程度のタイプの被覆材を準備することが必要となりうる。
【0004】
本発明は、多種の創傷の治療のための改善された多層被覆材として使用される構造、またはその多層被覆材中に使用される構造を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、液体浸透性の表側シートとヒドロゲル層を備え、前記表側シートが創傷対向面と裏面を有しており、前記表側シートは前記裏面から前記創傷対向面への液体の通過を阻止または規制するのに適しており、前記ヒドロゲル層が前記表側シートの前記創傷対向面に配置されている創傷被覆材を提供する。
【0006】
好ましくは、創傷被覆材は、さらに前記表側シートの前記裏面全体を覆う裏当て層をさらに備える。裏当て層は前記表側シートと中間の吸収材層(これを有する場合に限る)を支持し、好ましくは被覆材を通過する微生物の障壁となる。裏当て層は、前記吸収材層の少なくとも一つの縁を超えて広がり、ある表面(例えば治療される創傷の付近の患者の皮膚)に創傷被覆材が接着するように前記縁の付近における接着剤コートされたマージンを設けている。接着剤コートされたマージンは前記吸収材層の全ての辺の周囲に広がっていてもよく、この場合には被覆材はいわゆる「孤島」状の被覆材である。ただし、接着剤コートされたマージンを設けることは必ずしも必要ではない。
【0007】
好ましくは裏当て層はほとんど液体不透過性である。この裏当てシートは好ましくは半透過性である。すなわち、裏当てシートは好ましくは水蒸気を透過するが、液体の水つまり創傷滲出液を透過しない。また、好ましくは裏当てシートは、微生物不透過性である。適切な連続した柔軟な裏当てシートでは、好ましくは裏当てシート単独での水蒸気透過率(MVTR)が300g/m2 /24時間〜5000g/m2 /24時間であり、さらに好ましくは500g/m2 /24時間〜2000g/m2 /24時間である(37.5℃で100%〜10%の相対湿度変化)。裏当てシートの厚さは、好ましくは10μm〜1000μmの範囲、さらに好ましくは100μm〜500μmの範囲にある。
【0008】
本発明に係る被覆材の全体のMVTRは裏当てシート単独のそれよりも低い。というのも表側シートが被覆材を通ずる湿気の移動を部分的に阻害するからである。好ましくは、被覆材の(被覆材の孤島部分を横切る方向について計測した)MVTRは、裏当てシート単独のMVTRの20%〜80%、さらに好ましくは20%〜60%、最も好ましくは40%である。このような水蒸気透過率により、被覆材の下方の創傷は、その周囲の皮膚がふやけることのない湿度条件の下で治癒することが分かった。
【0009】
裏当てシートを形成する適切なポリマーには、ポリウレタンと例えば英国特許公開公報GB−A−1280631号に開示されたポリアルコキシルアクリレートおよびポリアルコキシルメタクリレートがある。好ましくは、裏当てシートは高密度に型押しされた大部分が閉鎖セルであるポリウレタン発泡体の連続した層である。適切な裏当てシート材料は、登録商標ESTANE 5714Fの下に入手可能なポリウレタンフィルムである。
【0010】
接着層(これを有する場合に限る)は、水蒸気透過性であるか、水蒸気を透過するようにパターン形成されているかの少なくともいずれかである。接着層は、好ましくは連続的な水蒸気透過性の感圧接着層であり、従来から孤島状の創傷被覆材に使用されるタイプである。例えば、英国特許公開公報GB−A−1280631号に開示されたような、アクリレートエステルコポリマー、ポリビニールエーテルおよびポリウレタンを主原料とする感圧接着剤である。この接着層の坪量は、好ましくは20g/m2 〜250g/m2 、さらに好ましくは50g/m2 〜150g/m2 である。ポリウレタンを主原料とする感圧接着剤が好ましい。
【0011】
好ましくは、接着層は吸収材層と吸収材層を覆うものから外側に広がり、従来の孤島状の被覆材と同様に、接着層の付近の裏当て層における接着剤コートされたマージンを形成する。
【0012】
任意に設けられる吸収材層の面積は、典型的には1cm2 〜200cm2 の範囲にあり、さらに好ましくは4cm2 〜100cm2 の範囲にある。
【0013】
任意に設けられる吸収材層は、創傷治療技術において創傷の液、血清または血液を吸収するために従来使用されていたいかなる層であってもよい。これらには、ガーゼ、不織布、高吸収性物質、ヒドロゲルおよびこれらの組合せがある。好ましくは、吸収材層は、吸収材発泡体、例えば欧州特許公開公報EP−A−0541391号に従って作成された開放セルを有する親水性ポリウレタン発泡体を備える。この公報の記載内容はここで引用することにより、本出願の開示の一部をなす。他の実施の形態では、吸収材層は不織布のウェブ、例えばビスコースを原料とする繊維である。吸収材層の坪量は、50g/cm2 〜500g/cm2 、例えば100g/cm2 〜400g/cm2 の範囲にありうる。吸収材層の非圧縮での厚さは、0.5mm〜10mm、例えば1m〜4mmの範囲にありうる。生理食塩水に対する自由な状態(非圧縮時)での液体吸収性は、25℃で5g/g〜30g/gの範囲にありうる。
【0014】
任意に設けられる吸収材層は、さらに積極的治療薬または抗菌薬を含有してもよい。適切な治療薬には、成長因子、鎮痛剤、局部麻酔剤およびステロイドがある。適切な抗菌薬には、例えば銀化合物(例えばスルファジアジン銀)およびクロルヘキシジンのような消毒剤および抗生物質がある。積極的治療薬または抗菌薬は、通常は吸収材層の乾燥重量を基準として0.01重量%〜5重量%の量、添加される。吸収材層に抗菌薬を添加することは二つの理由により好ましいかもしれない。一つは生産ルートを単純化するという点である。二つ目は、創傷から抗菌薬を離しておくことにより、比較的乾燥した創傷のように抗菌薬が不要かもしれない場合に抗菌薬に不要にさらされるのが防止できるからである。多くの滲出液が存在する場合には、吸収材層が濡れるにつれて抗菌薬の放出レベルが高まるであろう。指向性を持った表側シートが創傷の方への浸出液の逆流量を(液体の表面張力によるいくらかの量まで)規制すべきであるのに対して、抗菌薬は濃度勾配に逆行し、穿孔シートを通じて創傷に向けて逆方向に通過すべきである。例えば銀イオンのような抗菌薬の成分が比較的低いレベルの水分でも運ばれることが知られている。
【0015】
本発明による創傷被覆材の表側シートは、液体浸透性であるが、裏面から創傷箇所への液体の流れを阻止または規制するように機能する。すなわち、表側シートにより、液体は創傷箇所から表側シートを通じて創傷箇所へ通過することができるが、表側シートを通じて液体が創傷へ逆流すること(濡れ戻りとして知られている)を表側シートは阻止または規制する。このような濡れない表側シートは、例えば疎水性の繊維の層を備えるか、少なくとも外面に疎水仕上げがされた多孔質の不織布であってよい。好ましくは、この表側シートでは、創傷対向面への液体の流れに関する液体浸透性が創傷対向面からの液体の流れに関する液体浸透性よりも大きい。
【0016】
好ましくは表側シートは、テーパ状の毛細管を持つほとんど液体不透過性のシート材料から形成される。各毛細管は基部開口と先端開口を有しており、前記基部開口のほとんどが前記表側シートの前記創傷対向面の面内にあり、前記先端開口は前記表側シートの前記創傷対向面から離間していて好ましくは前記吸収材層に接触している。このような円錐状の毛細管は、濡れ戻りが最小である一方、表側シートの表側面からの急速な一方向吸収をもたらす。この種の表側シートは、英国特許公開公報GB−A−1526778号に記載されている。
【0017】
表側シートのフィルムは、熱可塑性のフィルム形成ポリマーから形成することができる。好ましくはこのポリマーは、柔軟(conformable)ではあるが、ゴムのような弾性はほとんど示さない(not substantially elastomeric)。適切なポリマーには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド(例えばナイロン)、フルオロポリマー(例えばポリビニリデンフルオライド(PVDF)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE))およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。表側シートは好ましくはポリオレフィンフィルムである。好ましくは、このフィルムは、重量による厚さ(thickness by weight)(米国材料試験協会(ASTM)E252−84)が10μm〜200μmであり、さらに好ましくは25μm〜100μmである。
【0018】
好ましくは毛細管は、ほぼ円錐台状である。好ましくは毛細管は、0.1mm〜3mmの範囲の基部開口寸法(表側シートの面での最大開口寸法)と、0.05mm〜2mmの範囲の先端開口寸法(表側シートの面から離れた)とを有する。さらに好ましくは、毛細管は、0.3mm〜1mmの範囲に規定された基部開口寸法と、0.1mm〜0.5mmの範囲に規定された先端開口寸法とを有する。
【0019】
好ましくは毛細管は、10°〜60°の範囲に規定された平均テーパ角(表側シートの面への垂線から計測した)を有する。好ましくは表側シートの型押しされた厚さは(ASTMD374−79により)、0.2mm〜2mmであり、好ましくは0.4mm〜1mmである。
【0020】
この種の表側シートは、例えば液体不透過性熱可塑性フィルムを型押しまたは真空穿孔することにより製造できる。好ましくは毛細管の密度は10個/cm2 〜400個/cm2 であり、さらに好ましくは50個/cm2 〜200個/cm2 である。好ましくは表側シートの総面積中の開口面積は5%〜50%、さらに好ましくは10%〜25%である。
【0021】
驚いたことに、このような表側シートの表側面にヒドロゲル層を設けることにより、広範囲な創傷滲出速度に対して長期にわたって、創傷周囲の湿度を維持することが可能になることが発見された。表側シートは、創傷液体を吸い取り、創傷での過剰な湿気を防止する。しかし、この吸い取りは、ヒドロゲルの除去またはヒドロゲルによる表側シートの閉塞を招くのではない。創傷滲出液の生成の速度が低下すると、ヒドロゲルは吸収体層から水蒸気を吸収し、創傷接触面の湿り気を維持する。ヒドロゲルは、表側シートを通じた非常に多大な濡れ戻りの増加を起こさない。
【0022】
ヒドロゲル層は、好ましくは10g/cm2 〜200g/cm2 、さらに好ましくは10g/cm2 〜100g/cm2 、最も好ましくは10g/cm2 〜50g/cm2 の範囲の無水ベース重量を有する。
【0023】
「ヒドロゲル層」という用語は、広く、創傷表面での高い湿度レベルを維持するために生理的条件の下で創傷表面と相互に作用する層を指す。好ましくは、ヒドロゲル層は、生理的な温度・pH条件の下で水と協働してゲルを形成する。このようなヒドロゲル層は、好ましくは液体を吸収して膨らむと同時に強固な一体構造を維持する能力を有する医療的に許容できる高分子材料の添加により形成できる。ヒドロゲル材料は、生理的条件の下で水に対してほとんど不溶性であり、創傷液体により洗い流されない。ヒドロゲルはバイオポリマーでもよいし、これに加えてあるいはこれに代えて、生体吸収性でもよい。すなわちヒドロゲルは生体内で徐々に吸収を受ける。
【0024】
代表的な不溶性ゲルは、ある種の架橋ポリアクリレートゲル、カルシウムアルジネートゲル、架橋ヒアルロン酸塩ゲルを含み、ヒドロゲルの層は、ビニールアルコール、ビニールエステル、ビニールエーテルとカルボキシビニールモノマー、メタクリル酸(meth(acrylic)acid)、アクリルアミド、N−ビニールピロリドン、アシルアミドプロパンスルホン酸、プルロニック(登録商標:ブロックポリエチレングリコール、ブロックポリプロピレングリコール)ポリスチレンマレイン酸、NN−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリンおよびこれらの混合物を含有する。好ましくはこのゲルは、創傷液体による洗い流しに耐えるように表側シート材料の表面に強固に付着する。ある実施の形態では、このゲルは表側シートの表面に化学的に結合してもよい。
【0025】
好ましくは、ヒドロゲル層は、ポリウレタンゲル、バイオポリマーゲル、カルボキシメチルセルロースゲル、ヒドロキシエチルセルロースゲル、ヒドロキシプロピルセルロース、変性アクリルアミド、およびこれらの混合物から選択されたヒドロゲル材料を含有する。適切なバイオポリマーゲルには、アルジネート、ペクチン、ガラクトマンナン、キトサン、ゼラチン、ヒアルロン酸塩およびこれらの混合物がある。また、これらのバイオポリマー材料のいくつかは、創傷の治癒を促進する。
【0026】
好ましくはこのゲルは架橋ゲルであり、架橋形式は電子対の共有でもよいしイオン性でもよい。
【0027】
好ましくはさらにヒドロゲル材料は、乾燥重量ベースで例えばグリセロールのような一つ以上の湿潤剤を5%〜50%含有する。
【0028】
好ましくは、ヒドロゲル層は国際特許出願公開公報WO 00/07638号に記載された種類のヒドロゲル材料を含有する。この公報の記載内容はここで引用することにより、本出願の開示の一部をなす。
【0029】
ゲルを形成する高分子の代わりにあるいはこれに加えて、ヒドロゲル層は一つ以上の皮膚軟化剤を含有してもよい。皮膚軟化剤は、皮膚表面を滑らかにし、水和反応の度合いを高めるために使用される。皮膚軟化剤は、皮膚の外側層からの水の損失を閉塞するか、皮膚への水の結び付きを改善することにより機能を果たす。皮膚軟化剤はアトピー性湿疹または魚鱗癬の治療に特に有効である。好ましい皮膚軟化剤には、白色柔軟パラフィン(white soft paraffin)、黄色柔軟パラフィン(yellow soft paraffin)、液体パラフィン、尿素クリーム、ラノリン、ピロリドンカルボキシレートナトリウム(sodium pyrrolidone carboxylate: PCA Na)、待宵草エキス(ガンマリノレン酸)、大豆油、ティー・ツリー油、ココナッツ油、アーモンド油、カミツレエキス、鱈肝油、ピーナッツ油、エミューオイル、アロエ・ベラ、ひまわり油、アボカド油、ホホバ油、ココアミド(cocoamide)、およびこれらの混合物がある。
【0030】
さらにヒドロゲル層は、一つ以上の積極的治療薬または抗菌薬を含有してもよい。適切な治療薬には、成長因子、鎮痛剤、局部麻酔剤およびステロイドがある。適切な抗菌薬には、例えば銀化合物(例えばスルファジアジン銀)およびクロルヘキシジンのような消毒剤および抗生物質がある。積極的治療薬または抗菌薬は、通常はヒドロゲル層の乾燥重量を基準として0.01重量%〜5重量%の量、添加される。
【0031】
ヒドロゲル層は、連続的でもよいし不連続的でもよいが、どちらの場合でも好ましくは、ヒドロゲル層には、前記表側シートの貫通孔にぴったり合うような開口が設けられており、ヒドロゲルが完全に膨張しても毛細管内への液体の流入が阻害されないようになっている。つまり、最初から表側シートの毛細管の内部または毛細管を覆うヒドロゲルは存在しないのが好ましい。ヒドロゲル層は噴霧または好ましくは印刷もしくは転写方法で与えてよい。
【0032】
好ましくは、本発明による多層の創傷被覆材はさらに、ヒドロゲルの層全体を覆う一つ以上の保護カバーシートを備える。例えば、保護カバーシートは、コートされた一つ以上の剥離紙保護シートを含む。好ましくは、創傷被覆材は殺菌され微生物不透過性の容器に包装されている。
【0033】
本発明はさらに、本発明に係る多層の創傷被覆材を、創傷に付けるための被覆材の作成のために使用する用法を提供する。
【0034】
別の特徴として、本発明は、創傷に接触するヒドロゲルを用いて創傷の表面に本発明に係る創傷被覆材を付ける工程を備える創傷の治療方法を提供する。
【0035】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施の形態を例示の目的で説明する。
【0036】
図1に示すように、この創傷被覆材は、孤島状の自己接着式創傷被覆材であり、例えばESTANE 5714F(登録商標)のような微小孔を有する液体浸透性のポリウレタン発泡体の裏当て層1を有する。裏当て層1は、水蒸気を浸透することができるが、創傷滲出液および微生物を浸透することができない。
【0037】
裏当て層1は、感圧式のポリウレタン接着剤2からなるほぼ連続する層でコートされている。
【0038】
吸収材層3は、欧州特許公開公報EP−A−0541391号に開示された通りに作成された親水性のポリウレタン発泡体の層であり、約350g/mm2 の坪量と約1.5mmの厚さを有する。
【0039】
表側シート4は、吸収材層3全体にわたって広がり、吸収材層3に部分的に巻き付けられており、表側シート4の縁5は接着剤2により吸収材層3の後方の裏当て層1に接着されている。このことは図2にさらに明確に示されている。表側シート4は、1cm2 あたり約90個の貫通孔を持つように穿孔されたポリエチレンフィルムである。上記のように各貫通孔はほぼ円錐形を有しており、最大孔径は約0.5mm、表側面の総面積中の開口面積は16%、重量による厚さ(thickness by weight)は約43μm、型押しされた厚さは約0.5mmである。かかる表側シート4は、バージニア州リッチモンドのTredegar Film Productsから「VISPORE」という登録商標の下に入手することができる。
【0040】
図2に示すように、表側シート4は、創傷に接する滑らかな穿孔された表側面を有する。この面は、噴霧により塗布されたヒドロゲルの層6でコートされている。ヒドロゲルの層6は、表側シート4の貫通孔(毛細管)にぴったり合うような開口が設けられているので、たとえヒドロゲルが完全に膨張しても、毛細管の内部を通じて液体が通過可能である。ヒドロゲル6は、30g/cm2 の無水ベース重量を有し、グルタルアルデヒドまたはホルムアルデヒドに架橋したウシのゼラチンから構成されている。
【0041】
図1に示す被覆材の創傷対向面は、シリコーン(silicone)でコートされた二つの剥離紙8,9で保護され、微生物不透過性の小袋により包装され、ガンマ線照射により消毒される。
【0042】
使用時には、創傷被覆材は包装から取り出され、剥離紙8,9が除去され、表側シート4とヒドロゲルが創傷に接触するように創傷の周囲の皮膚に創傷被覆材が接着されて滅菌吸収性被覆材となる。ヒドロゲルと表側シート4は、今まで予想もつかなかった方式で相互作用して、長期にわたって多種の創傷に対して、湿り気があるがじめじめと濡れるのではない創傷環境を提供する。
【0043】
上記の実施の形態は例示のためにのみ説明した。この技術分野に熟練した読者には特許請求の範囲内にある他の多くの実施の形態が明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る創傷被覆材の下面(創傷接触面)の斜視図である。
【図2】図1の被覆材の孤島領域の部分横断面図(倍率は比例関係にはない)である。
【符号の説明】
【0045】
1 裏当て層
2 接着剤
3 吸収材層
4 表側シート
5 縁
6 ヒドロゲルの層
8,9 剥離紙
Claims (24)
- 液体浸透性の表側シートとヒドロゲル層を備え、前記表側シートが創傷対向面と裏面を有しており、前記表側シートは前記裏面から前記創傷対向面への液体の通過を阻止または規制するのに適しており、前記ヒドロゲル層が前記表側シートの前記創傷対向面に配置されている創傷被覆材。
- 前記表側シートの前記裏面に接触する吸収材層をさらに備える、請求項1に記載の創傷被覆材。
- 前記吸収材層は、親水性の発泡体、高吸収性物質またはこれらの組合せの層を備える、請求項2に記載の創傷被覆材。
- 前記吸収材層は、さらに薬品を備える、請求項2または請求項3に記載の創傷被覆材。
- 前記吸収材層全体を覆うほとんど液体不透過性の裏当て層を備える、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 前記表側シートに対向する前記裏当て層の面に接着剤の層をさらに備える、請求項5に記載の創傷被覆材。
- 前記裏当て層は、前記吸収材層の少なくとも一つの縁を超えて広がり、ある表面に創傷被覆材が接着するように前記縁の付近における接着剤コートされたマージンを設けている請求項6に記載の創傷被覆材。
- 前記表側シートは、多孔性でほとんど疎水性の不織布を備える、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 前記表側シートは、テーパ状の毛細管を持つ液体不透過性のシート材料から形成されており、各毛細管は基部開口と先端開口を有しており、前記基部開口のほとんどが前記表側シートの前記創傷対向面内にあり、前記先端開口は前記表側シートの面から離間していて前記吸収材層に接触している、請求項2〜請求項8のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 前記毛細管は、ほぼ円錐台状である、請求項9に記載の創傷被覆材。
- 前記毛細管は、0.15mm〜6mmの範囲に規定された基部開口寸法と、0.1mm〜2.5mmの範囲に規定された先端開口寸法とを有する、請求項9または請求項10に記載の創傷被覆材。
- 前記毛細管は、0.5mm〜1.5mmの範囲に規定された基部開口寸法と、0.1mm〜0.5mmの範囲に規定された先端開口寸法とを有する、請求項11に記載の創傷被覆材。
- 前記毛細管は、10°〜60°の範囲に規定された平均テーパ角を有する、請求項9〜請求項12のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 前記ヒドロゲルの層は、10g/cm2 〜200g/cm2 の範囲の無水ベース重量を有する、請求項1〜請求項13のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 前記ヒドロゲルの層は、ポリウレタンゲル、バイオポリマーゲル、カルボキシメチルセルロースゲル、ヒドロキシエチルセルロースゲル、ヒドロキシプロピルセルロース、変性アクリルアミド、およびこれらの混合物から選択されたヒドロゲル材料を含有する、請求項1〜請求項14のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 前記ヒドロゲルの層は、ビニールアルコール、ビニールエステル、ビニールエーテルとカルボキシビニールモノマー、メタクリル酸(meth(acrylic)acid)、アクリルアミド、N−ビニールピロリドン、アシルアミドプロパンスルホン酸、プルロニック(登録商標:ブロックポリエチレングリコール、ブロックポリプロピレングリコール)ポリスチレンマレイン酸、NN−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、またはアクリロイルモルホリンから形成されたゲルから選択されたヒドロゲル材料を含有する、請求項1〜請求項15のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 前記ヒドロゲルの層は、皮膚軟化剤を含有する、請求項1〜請求項15のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 前記皮膚軟化剤は、白色柔軟パラフィン(white soft paraffin)、黄色柔軟パラフィン(yellow soft paraffin)、液体パラフィン、尿素クリーム、ラノリン、ピロリドンカルボキシレートナトリウム(sodium pyrrolidone carboxylate)、待宵草エキス(ガンマリノレン酸)、大豆油、ティー・ツリー油、ココナッツ油、アーモンド油、カミツレエキス、鱈肝油、ピーナッツ油、エミューオイル、アロエ・ベラ、ひまわり油、アボカド油、ホホバ油、ココアミド(cocoamide)、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の創傷被覆材。
- 前記ヒドロゲル層は積極的治療薬または抗菌薬を含有する、請求項1〜請求項18のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 前記ヒドロゲル層は銀化合物を含有する、請求項19に記載の創傷被覆材。
- 前記ヒドロゲル層には、前記表側シートの貫通孔にぴったり合うような開口が設けられている、請求項1〜請求項20のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 前記ヒドロゲルの層全体を覆う一つ以上の保護カバーシートをさらに備える、請求項1〜請求項21のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 殺菌され微生物不透過性の容器に包装されている、請求項1〜請求項22のいずれかに記載の創傷被覆材。
- 請求項1〜請求項23のいずれかに記載の創傷被覆材を、創傷に付けるための被覆材の作成のために使用することを特徴とする創傷被覆材の使用方法。
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